(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】電動モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K9/19 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540895
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2019085571
(87)【国際公開番号】W WO2020148057
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】102019100907.3
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515056277
【氏名又は名称】ゲーカーエン シンター メタルズ エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】トゥ,ホン ザン
(72)【発明者】
【氏名】ティラー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ,モーリス
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609BB14
5H609BB19
5H609BB20
5H609BB21
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP07
5H609PP09
5H609QQ01
5H609QQ08
5H609QQ12
5H609RR06
5H609RR07
5H609RR33
(57)【要約】
筐体(2)と、その内部に配置された、少なくとも複数のコイル(4)を有するステータ(3)と、少なくとも1つの磁石(6)、回転軸(7)及び外周面(8)を有するロータ(5)とを少なくとも備える電動モータ(1)であって、上記ステータ(3)と上記ロータ(5)とが上記回転軸(7)に沿って相互に隣接して配置され、上記ロータ(5)が上記回転軸(7)と上記外周面(8)との間に流体伝導構造(9)を有し、上記流体伝導構造(9)が、少なくとも半径方向(10)に延び、かつ周方向(11)又は上記回転軸(7)に平行な軸方向(12)に対して傾斜する少なくとも1つの面(13)を有し、上記モータ(1)の作動中に上記流体伝導構造(9)によって移送される流体フロー(14)の少なくとも一部が、上記筐体(2)内で上記コイル(4)一面に導かれ得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(2)と、その内部に配置された、少なくとも複数のコイル(4)を有するステータ(3)と、少なくとも1つの磁石(6)、回転軸(7)及び外周面(8)を有するロータ(5)とを少なくとも備える電動モータ(1)であって、
上記ステータ(3)と上記ロータ(5)とが上記回転軸(7)に沿って相互に隣接して配置され、
上記ロータ(5)が上記回転軸(7)と上記外周面(8)との間に流体伝導構造(9)を有し、
上記流体伝導構造(9)が、少なくとも半径方向(10)に延び、それにより周方向(11)又は上記回転軸(7)に平行な軸方向(12)に対して傾斜するように少なくとも設計された少なくとも1つの面(13)を有し、
上記モータ(1)の作動中に上記流体伝導構造(9)によって移送される流体フロー(14)が上記筐体(2)内で少なくとも部分的に上記コイル(4)を横断するように導かれ得る電動モータ(1)。
【請求項2】
上記流体伝導構造(9)が、上記回転軸(7)と上記少なくとも1つの磁石(6)との間において上記半径方向(10)にのみ配置されている請求項1に記載のモータ(1)。
【請求項3】
上記流体伝導構造(9)及び上記少なくとも1つの面(13)が、上記少なくとも1つの磁石(6)によって形成されている請求項1又は請求項2に記載のモータ(1)。
【請求項4】
上記流体伝導構造(9)が、上記ステータ(3)に面していない、上記ロータ(5)の側(15)に配置されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載のモータ(1)。
【請求項5】
上記流体フロー(14)が、上記軸方向(12)に沿って少なくとも上記コイル(4)の一部を横断して流れる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項6】
上記ステータ(3)が、相互に隣接して配置された少なくとも2つのコイル(4)の間に、少なくとも上記半径方向(10)に沿って延びるダクト(16)を有し、このダクト(16)を介して上記流体フロー(14)が導かれ得る請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項7】
上記ダクト(16)が、上記軸方向(12)に沿って上記ロータ(5)に向かって上記流体フロー(14)が透過可能となるように設計された請求項6に記載のモータ(1)。
【請求項8】
上記流体フロー(14)が、上記半径方向(10)に上記ステータ(3)を通って、上記軸方向(12)に沿って上記回転軸(7)と上記複数のコイル(4)との間に導かれ得る請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項9】
上記流体伝導構造(9)が、上記流体フロー(14)を移送するために上記モータ(1)の電流駆動力の少なくとも1%を必要とするように設計された請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項10】
上記筐体(2)が、上記流体フロー(14)を交換するための流入口(17)及び流出口(18)を有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項11】
上記モータ(1)が上記筐体(2)の外部に熱交換器(19)を備え、上記流体フロー(14)の、上記モータ(1)内を循環している流体ボリューム(20)が上記熱交換器(19)を用いて冷却されることが可能な請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのステータ及び1つのロータを備える電動モータに関する。特に、上記電動モータはアキシャルフラックスモータ(Axial Flux Motor(AFM))である。
【背景技術】
【0002】
電動モータは作動中に熱を発生させる。この熱が十分な程度に放散されない場合、電動モータは熱くなり、その結果効率が低下し得る。
【0003】
電動モータに冷却機構を搭載することが知られており、その場合は熱がモータの筐体を介して周囲の領域に又は冷却流体に放散される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、先行技術に関して概説された問題を少なくとも軽減し又はさらには解決することにある。特に、コンパクトな構成で効率的な冷却装置も備える電動モータを具体化することを目的としている。
【0005】
請求項1の特徴に係る電動モータは、これらの目的を達成するために提示される。従属項は有利な展開に関するものである。請求項で個々に列記された特徴は、技術的に実現可能ないかなる様式でも相互に組み合わせることができ、明細書での記載事項及び図面からの詳細によって補完され得、これらに本発明のさらなる変更実施形態が示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の提示する電動モータは、
・筐体と、その内部に配置された、
・少なくとも複数のコイルを有するステータと、
・少なくとも1つの磁石(好ましくは複数の磁石)、回転軸及び外周面を有するロータとを少なくとも備える。
【0007】
上記ステータと上記ロータとは上記回転軸に沿って相互に隣接して配置される。上記ロータは上記回転軸と上記外周面との間に流体伝導構造を有する。上記流体伝導構造は、少なくとも半径方向に延び、それにより周方向又は上記回転軸に平行な軸方向に(又は上記回転軸に対して垂直に配置された平面に)対して傾斜するように少なくとも設計された少なくとも1つの面を有する。当該モータの作動中に上記流体伝導構造によって移送される流体フローは、上記筐体内で少なくとも部分的に上記コイルを横断するように導かれ得る。
【0008】
特に、本発明は、当該モータの上記ロータが流体回路を駆動すること、すなわち上記筐体内で流体フローを発生させることを提示する。この流体フローは当該モータによって発生する熱を放散するために使用され得る。
【0009】
上記コイルは、特に(共通の直径上の)周方向に沿って相互に隣接して配置される。特に、上記磁石は、上記コイルと一列に並んで上記軸方向に沿って配置される。特に、複数の磁石の上記磁石は(共通の直径上、特に上記コイルと一直線状の上記軸方向に沿って)周方向に沿って相互に隣接して配置される。上記磁石の数は、コイルの数と相違、又はコイルの数に対応し得る。
【0010】
特に、当該電動モータは、相互に関連して同軸状に配置され、かつ相互に隣接して軸方向に沿って配置された、1つのステータ及び1つのロータを少なくとも備えるアキシャルフラックスモータである。
【0011】
当該電動モータの上記ステータは、特に、例えば「軟磁性複合材」(Soft-magnetic Composite(SMC))として知られる軟磁性材料、又は電気板とSMCとの組み合わせ等を有する。上記ステータの上記コイルは、好ましくは軟磁性材料からの加圧及び焼成により製造されるコアを有する。ここで、SMC材料は焼結されない。その代わりに、温度は融点よりも低く制御されるが、上記コアがその形状を永久に保つために十分な温度とする。
【0012】
上記ロータは、特に永久磁石及び/又は軟磁性要素を、例えば凹部に有する。永久磁石は、好ましくは、励式同期モータ又はBLDCと略記されるブラシレスDCモータ(brushless DC motor)を形成するために使用され得る。一方、軟磁性要素は、例えば当該電動モータとしてリラクタンスモータを製造するために使用され得る。
【0013】
特に、上記ロータは、焼結によって少なくとも部分的に製造される。特に、例えば上記ロータにおける流体電動構造等の複雑な構造は、焼結による極めて単純な方法で形成され得る。
【0014】
特にSMCを使用するステータの設計は、さらなる詳細同様に、ロータに関しても、例えば国際公開第2016/066714号において参照され得る。
【0015】
当該電動モータは、特に(定格出力で)1000ワット未満、好ましくは500ワット未満、特に好ましくは100ワット未満の電力消費(つまり最大駆動力)を有する。
【0016】
特に、当該モータは、所定の設置スペースを想定した既知のモータが提供する定格出力よりも高い定格出力を提供する。
【0017】
特に、上記流体伝導構造は、上記半径方向において、上記回転軸と上記少なくとも1つの磁石又は磁石群との間にのみ配置される。あるいは、上記流体電動構造は、上記磁石又は磁石群の範囲にわたってのみ、又は上記ロータの上記外周面まで上記半径方向に延びる。
【0018】
特に、上記ロータは、上記回転軸から離間して配置された内周面を有する。特に、上記流体伝導構造は、上記内周面と上記外周面との間に、上記内周面と上記外周面との間の半径方向に沿って、上記ロータの範囲の少なくとも20%、好ましくは50%、特に好ましくは100%の部分にわたって延びる。
【0019】
特に、上記流体電動構造及び上記少なくとも1つの面は、(少なくとも)上記1つの磁石によって又は少なくとも1つの磁石によって(特に上記磁石のすべてによって)形成される。つまり、特に、上記少なくとも1つの磁石又は上記磁石の少なくとも1つ(特に上記磁石のすべて)は、流体伝導構造が形成されるような形状を有する。つまり、上記磁石の形状は、少なくとも半径方向に延び、それにより上記周方向又は上記回転軸に平行な軸方向に対して傾斜するように少なくとも設計された少なくとも1つの面を有する。
【0020】
上記流体伝導構造は、上記ステータに面する上記ロータの側に配置され得る。
【0021】
代わりに、又は加えて、上記流体伝導構造は、上記ステータに面していない上記ロータの側に配置され得る。
【0022】
特に、上記流体フローは、上記軸方向に沿って上記コイルの少なくとも一部(特にすべて)を横断して流れる。
【0023】
特に、上記ステータは、相互に隣接して配置された少なくとも2つのコイルの間に(好ましくはすべての上記コイルの間に)、少なくとも上記半径方向に沿って延びるダクトを有し、このダクトを介して上記流体フローが導かれ得る。特に、上記ダクトは、上記半径方向に上記コイルを越えて延びる。特に上記ダクトは、上記コイルを越えて上記軸方向に、又は上記軸方向に沿って上記コイルの範囲の少なくとも80%を超えて延びる。
【0024】
特に、上記ダクトは、上記軸方向に沿って上記ロータに向かって上記流体フローが透過可能となるように設計される。特に、流体フローは、上記ロータの回転を経て生成され得、上記ダクトを介し、かつ上記コイルの表面に沿って上記半径方向に導かれ得る。
【0025】
特に、上記流体フローは、上記半径方向に上記ステータを通って、上記軸方向に沿って上記回転軸と上記複数のコイルとの間に導かれ得る。特に、上記流体フローは、上記コイルを横断して上記軸方向に沿って導かれる。特に、上記流体フローは上記ロータの(上記流体フローの流れる方向に対して)下流に、上記コイルを横断して導かれる。あるいは、上記流体フローは、上記ロータの上流に、上記コイルを横断して導かれる。
【0026】
特に、上記流体伝導構造又は上記ロータは、少なくとも部分的に羽根車の様式で設計される。これにより、流体フローが、特に(少なくとも実質的に)上記半径方向に、上記ロータの回転を介して駆動される。特に、流体フローは、特に上記回転軸を起点として上記ロータによって導かれ、上記ロータによって上記半径方向に外部に移送され得る。あるいは、流体フローは、上記ロータによって、上記外周面を起点として導かれ、上記半径方向に内部に移送され得る。
【0027】
特に、上記流体伝導構造は、上記流体フローを移送するために、当該モータの電流駆動力の少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、特に好ましくは少なくとも10%又は少なくとも20%を必要とするように設計される。特に、上記流体伝導構造は、上記流体フローを移送するために、当該モータの定格出力の少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、特に好ましくは少なくとも10%又は少なくとも20%を必要とするように設計される。
【0028】
上記電流駆動力は、電流稼働のパラメータである電流及び電圧から確認され得る。上記流体フローを移送するために必要な当該モータの上記駆動力は、特に試験設備において確認され得る。「上記流体フローを移送するために必要な駆動力」パラメータは、特に、上記流体伝導構造の設計を説明するために使用され得る。特に、上記流体フローによってもたらされる、上記筐体からの又は当該モータからの熱放散は、このパラメータ(つまり当該モータ自体によって提供される冷却力)によって説明され得る。
【0029】
特に、上記流体フローは、もっぱら当該モータを冷却する又は当該モータの温度を制御する目的で使用される。特に、上記流体フローは、当該モータの冷却以外に技術的ないかなる使用にも供されない。上記流体は、特に空気又は気体である。しかしながら、上記流体は、液体、特に電気的に非伝導性の液体でもあり得る。
【0030】
特に、当該モータは、もっぱら(上記流体フローの移送の結果として)自体に供給された冷却力によってすべての(意図した)動作点において十分に冷却され得る。このため、当該モータのオーバーヒートを回避し得る。
【0031】
あるいは、当該モータの追加の冷却が提供され得る。
【0032】
特に、当該モータは、例えばポンプを駆動するために使用される。当該モータを冷却するための上記流体フローの流体以外の媒体は、次いで上記ポンプによって移送される。
【0033】
特に、上記筐体は、上記流体フローを交換するための流入口及び流出口を有する。特に、少なくとも上記流入口及び上記流出口の一方(好ましくは両方)は、筐体の端面に(つまり、特に上記ステータ及び/又は上記ロータと一直線上に上記軸方向に沿って)配置されている。特に、上記流入口及び上記流出口は、上記筐体の同一の端面上に配置される。
【0034】
特に、当該モータは上記筐体の外部に熱交換器を備え、上記流体フローの、当該モータ内を循環している流体ボリュームが上記熱交換器によって冷却されることが可能である。特に、上記流体フローの流体は閉回路内を移送される。
【0035】
特に、上記流体フローは、上記筐体内で、上記流体フローが上記コイル又は上記コイル表面の可能な限り大きな部分を横断して流れるように導かれる。特に、当該電動モータ内で生成される熱エネルギーの最大部分は上記コイル内で生成される。上記流体フローが上記コイルに作用する結果、熱は可能な限り効率的に放散され得る。
【0036】
留意事項として、本明細書において使用される数値用語(「第1」、「第2」、「第3」等)は、主に(専ら)いくつかの類似する対象、寸法又は工程の間を区別するために機能すること、つまり特に、対象、寸法又は工程の依存関係及び/又は順序を相互に不可避的に予め定義はしないことが指摘される。従属関係及び/又は順序が必要な場合は、その旨が本明細書に明示的に記載されるか、又は具体的に記述された実施形態を検討することから当業者にとって自明となるように明らかとなる。
【0037】
本発明及び技術分野を、図面に基づきより詳細に以下に記載する。本発明は開示された例示的な実施形態によって限定されることを意図していないことが指摘される。特に、明示的に示されない限り、図面で議論された重要事項の部分的な側面を抽出し、本明細書及び/又は図面からの知見並びに他の構成要素と組み合わせることも可能である。同一の対象を示すために、同一の参照符号が使用される。これにより、適宜、他の図面からの説明を補足的に考慮に入れることが可能となる。図面では、いずれの場合も模式的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は電動モータ1の分解透視図を示す。
図2は、
図1の電動モータ1の分解側面図を示す。
図1及び
図2はともに、以下の本文において説明される。
【0040】
モータ1は、アキシャルフラックスモータとして設計され、筐体2と、その内部に配置された、4つのコイル4を有するステータ3と、4つの磁石6、回転軸7及び外周面8を有するロータ5とを備える。ステータ3及びロータ5は、回転軸7に沿って相互に隣接して配置されている。
【0041】
モータ1のロータ5は、流体回路を駆動する、すなわち筐体2内で流体フロー14を生成する。この流体フローは、モータ1によって生成された熱を放散するために使用され得る。
【0042】
筐体2は、流体フロー14を交換するための(回転軸7と一直線上に並んだ)流入口17及び(複数パートの)流出口18を有する。流入口17及び流出口18は、筐体2の端面に(つまり、ステータ3とロータ5とが一直線上に並んで軸方向12に沿って)配置されている。
【0043】
モータ1は、筐体2の外部に熱交換器19を備え、流体フロー14の、モータ1内を循環する流体ボリューム20が上記熱交換器によって冷却されることが可能である。流体フロー14の流体は閉回路内を移送される。
【0044】
流体フロー14は、筐体2内で流体フロー14がコイル4又は上記コイルの表面の可能な限り大きな部分を横断して流れるように導かれる。
【0045】
流体フロー14は、流入口17を介して筐体2に入り、回転軸7に沿ってステータ3を通ってロータ5まで流れる。ロータ5とステータ3との間で、流体フロー14は半径方向10に曲げられ、ロータ5の外周面8に向かう方向に流れる。流体フロー14は、筐体2によって再度曲げられ、筐体2内において、軸方向12に沿ってコイル4及びステータ3を越えて複数パートの流出口18に流れる。
【0046】
図3は、モータ1の第1実施形態の部分斜視図を示す。
図1及び
図2に関する記載が参照される。
【0047】
上記図は、モータ1のステータ3及びロータ5を図示する。ロータ5は回転軸7と外周面8と(より正確にはさらに磁石6と)の間に流体伝導構造9を有する。流体伝導構造9又はロータ5は少なくとも部分的に羽根車の様式で設計される。これにより、流体フロー14が、ロータ5の回転を介して駆動される。したがって、流体フロー14は、特に回転軸7を起点としてロータ5によって導かれ、ロータ5によって半径方向10に外部に移送され得る。あるいは、流体フロー14は、ロータ5によって、外周面8を起点として導かれ、半径方向10に内部に移送され得る。
【0048】
すなわち、ここで、流体フロー14は、ロータ5の回転方向に基づいて、外周面8から回転軸7に向かって半径方向10又は回転軸7から外周面8に向かって半径方向10に沿って移送され得る。流体フロー14は、回転軸7の領域内及び外周面8の領域内で軸方向12に沿って流れる。
【0049】
流体伝導構造9は、
図5においてより明瞭に図示される。
【0050】
図4は、ステータ3及びロータ5の部分透視図を示す。
図1から
図3に関する記載が参照される。
【0051】
ここで、ロータ5は透視的に図示される。(部分的な)流体フロー14は、ここで矢印として図示される。流体フロー14は、半径方向10にステータ3を通って回転軸7と複数のコイル4との間を半径方向10に沿って移送される。
【0052】
この目的のため、ステータ5は、各場合で相互に隣接して配置された2つのコイル4の間に、少なくとも半径方向10に沿って延びるダクト16を有し、そのダクト16を介して流体フロー14が導かれ得る。ダクト16は、半径方向10にコイル4を越えて延びる。ダクト16は、軸方向12にコイル4を横断して延びる。ダクト16は、軸方向12に沿ってロータ5に向かって流体フロー14を透過可能であるか、又は流体フロー14に対して開かれている。流体フロー14は、ロータ5の回転を介して生成され、かつダクト16を介して半径方向10に上記コイルの表面に沿って導かれ得る。
【0053】
図5は、ロータ5の斜視図を示す。ロータ5は、回転軸7と外周面8との間に流体伝導構造9を有する。流体伝導構造9は、回転軸7と磁石6との間に、少なくとも半径方向10に延び、それにより周方向11及び回転軸7に平行な軸方向12に対して(又は回転軸7に垂直に配置された平面に対して)傾斜するように少なくとも設計された面13を有する。流体伝導構造9は、磁石6の領域内に、半径方向10に延び、それにより周方向11に対して傾斜するように(かつ軸方向12に対して平行に)設計された面13を有する。
【0054】
したがって、ここでは、磁石6は羽根車の形態でも構成される。このため、流体伝導構造9及び面13は(少なくとも)磁石6によって形成される。磁石6は、流体伝導構造9が形成される形状を有する。
【0055】
図6は、モータ1の第2実施形態の部分斜視図を示す。上記図は、モータ1のステータ3及びロータ5を示す。
図1から
図5に関する記載が参照される。
【0056】
ここで、流体伝導構造9は、ステータ3に面していないロータ5の側15に配置される。流体伝導構造9は、磁石6の領域において、半径方向10に延び、それにより周方向11に対して傾斜するように(かつ軸方向12に対して平行となるように)設計される面13を有する。ロータ5が回転すると、流体フロー14は、回転軸7を起点として軸方向10に外周面8に向かって移送される。
【符号の説明】
【0057】
1 モータ
2 筐体
3 ステータ
4 コイル
5 ロータ
6 磁石
7 回転軸
8 外周面
9 流体伝導構造
10 半径方向
11 周方向
12 軸方向
13 面
14 流体フロー
15 側
16 ダクト
17 流入口
18 流出口
19 熱交換器
20 流体ボリューム
【国際調査報告】