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特表2022-518232DONプロドラッグおよび免疫チェックポイント阻害剤による組み合わせ治療法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】DONプロドラッグおよび免疫チェックポイント阻害剤による組み合わせ治療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/404 20060101AFI20220307BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220307BHJP
   A61K 31/223 20060101ALI20220307BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20220307BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220307BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220307BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220307BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
A61K31/404
A61P35/00
A61K31/223
A61K31/198
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541578
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 US2020014149
(87)【国際公開番号】W WO2020150639
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/794,231
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521315814
【氏名又は名称】ドラセン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ワイルド ロバート クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】エストク トーマス
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA17
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC75
4C085AA13
4C085AA14
4C085CC23
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC13
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA53
4C206GA19
4C206GA37
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA37
4C206MA85
4C206MA86
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたは(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤によって、対象におけるがんを処置する治療方法を提供する。本開示は、がんの処置のためのイソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたは(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸についての間欠投薬スケジュールも提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療的に有効な量の以下:
(a)イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物;または
(b)イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩;
(c)(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩;または
(d)6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン;および
(e)免疫チェックポイント阻害剤
を、その必要がある対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する方法であって、
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、または
イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンもしくはその薬学的に許容される塩
が、間欠投薬スケジュールに従って該対象へ投与される、
方法。
【請求項2】
免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、およびTIM3阻害剤からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
PD-1阻害剤が抗PD-1抗体である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、PDR001、MEDI-0680、AGEN2034、BGB-A317、AB122、TSR-042、PF-06801591、セミプリマブ、SYM021、JNJ-63723283、HLX10、LZM009、およびMGA012からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、請求項2記載の方法。
【請求項7】
PD-L1阻害剤が抗PD-L1抗体である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
抗PD-L1抗体が、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびSTI-A1014からなる群より選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4阻害剤である、請求項2記載の方法。
【請求項10】
抗CTLA-4阻害剤が抗CTLA-4抗体である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
抗CTLA-4抗体が、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群より選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
免疫チェックポイント阻害剤がLAG3阻害剤である、請求項2記載の方法。
【請求項13】
LAG3阻害剤が抗LAG3抗体である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
抗LAG3抗体がGSK2831781である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
免疫チェックポイント阻害剤がTIM3阻害剤である、請求項2記載の方法。
【請求項16】
TIM3阻害剤が抗TIM3抗体である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記がんが、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤による処置に対して抵抗性であるか、または抵抗性になっている、請求項1~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、免疫チェックポイント阻害剤の前に前記対象へ投与される、請求項1~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、免疫チェックポイント阻害剤の後に前記対象へ投与される、請求項1~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、免疫チェックポイント阻害剤と同時に前記対象へ投与される、請求項1~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、および免疫チェックポイント阻害剤の前記対象への投与が、前記対象におけるがんを処置するのに相乗的に有効である、請求項1~20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
前記がんが固形腫瘍である、請求項1~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
前記がんが血液がんである、請求項1~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
前記がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、請求項1~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、週3回、連続しない日に前記対象へ投与される、請求項1~26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ投与されない、請求項1~26のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、連続する5日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ投与されない、請求項28記載の方法。
【請求項30】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ皮下投与される、請求項1~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ静脈内投与される、請求項1~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ投与される、請求項1~31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
治療的に有効な量のイソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩を、間欠投薬スケジュールに従って、その必要がある対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する方法。
【請求項34】
前記がんが固形腫瘍である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記がんが血液がんである、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、請求項37記載の方法。
【請求項39】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、週3回、連続しない日に前記対象へ投与される、請求項33~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ投与されない、請求項33~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、連続する5日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ投与されない、請求項40記載の方法。
【請求項42】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ皮下投与される、請求項33~41のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ静脈内投与される、請求項33~41のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物が、前記対象へ投与される、請求項1~43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物が、前記対象へ投与される、請求項1~43のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ投与される、請求項1~43のいずれか一項記載の方法。
【請求項47】
その必要がある対象へと、連続する5日間にわたって、治療的に有効な量の6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンを投与する工程であって、その後、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが投与されない、連続する2日間が続く、工程
を含む、がんを有する対象を処置する方法。
【請求項48】
前記がんが固形腫瘍である、請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記がんが血液がんである、請求項47記載の方法。
【請求項50】
前記がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、請求項51記載の方法。
【請求項53】
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ皮下投与される、請求項47~52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
前記対象がヒトである、請求項47~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
約0.1mg/kg~約2mg/kgのDONが、前記対象へ投与される、請求項47~54のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸(化合物3)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項57】
請求項56記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示は、イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート、イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート、(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、および免疫チェックポイント阻害剤によって対象におけるがんを処置する治療方法を提供する。本開示は、イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート、イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸についての間欠投薬スケジュールも提供する。
【背景技術】
【0002】
背景
Dion et al., J. Am. Chem. Soc. 78:3075-3077 (1956)(非特許文献1)は、腫瘍抑制物質としての6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン(DON)を開示している。WO 2017/023774(特許文献1)は、イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびDONのその他のプロドラッグを開示している。DONおよびDONプロドラッグは、がん、失認、および代謝リプログラミング障害(metabolic reprogramming disorder)を含むが、これらに限定されるわけではない、多様な疾患、障害、および状態を処置するために使用され得る。WO 2017/023793(特許文献2)、WO 2017/023791(特許文献3)、WO 2017/023787(特許文献4)、およびPCT/US2018/54581(特許文献5)を参照すること。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO 2017/023774
【特許文献2】WO 2017/023793
【特許文献3】WO 2017/023791
【特許文献4】WO 2017/023787
【特許文献5】PCT/US2018/54581
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Dion et al., J. Am. Chem. Soc. 78:3075-3077 (1956)
【発明の概要】
【0005】
発明の簡単な説明
1つの局面において、本開示は、治療的に有効な量のイソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩(本明細書において、総称して「化合物1」と呼ばれる)または治療的に有効な量のイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩(本明細書において、総称して「化合物2」と呼ばれる)または治療的に有効な量の(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩(本明細書において、総称して「化合物3」と呼ばれる)または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンもしくはその薬学的に許容される塩(本明細書において、総称して「DON」と呼ばれる)および治療的に有効な量の免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、TIM3阻害剤、またはcd47阻害剤を対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供する。
【0006】
別の局面において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、または化合物3を、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供する。
【0007】
別の局面において、本開示は、対象へと、連続する5日間、治療的に有効な量のDONを投与する工程であって、その後、DONが投与されない、連続する2日間が続く、工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供する。
【0008】
1つの局面において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤を、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供する。
【0009】
別の局面において、本開示は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤を含むキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】化合物1の投与後のMC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図2】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。
図3】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。**P<0.01、***P<0.001。全ての群の、群1との比較。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図4】4T1腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の投与後の体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図5】4T1腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。***P<0.001、25日目での、全ての群の、群1との比較;###P<0.001、25日目での、全ての群の、群2との比較;ボンフェローニの事後検定を含む二元配置のRM ANOVA。
図6】4T1腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。**P<0.01、***P<0.001、全ての群の、群1との比較;#P<0.01、###P<0.001、全ての群の、群2との比較;ログランク検定。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図7】CT26.WT腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の投与後の体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図8】CT26.WT腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較;###P<0.001、全ての群の、群2との比較。
図9】CT26.WT腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較;#P<0.05、全ての群の、群2との比較。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図10】EL4腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の投与後の体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図11】EL4腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較。
図12】EL4腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。*P<0.05、***P<0.001、全ての群の、群1との比較。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図13】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の投与後の体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図14】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較;###P<0.001、群4および群6の、群2との比較。
図15】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較;###P<0.001、群4および群6の、群2との比較。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図16】異なる投薬スケジュールによる、MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける化合物1の投与後の体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図17】異なる投薬スケジュールによる、MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較。
図18】異なる投薬スケジュールによる、MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図19】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の投与後の体重変化を示す折れ線グラフである。データ点は、群平均体重を表す。誤差バーは、平均値の標準誤差(SEM)を表す。
図20】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。***P<0.001、全ての群の、群1との比較;###P<0.001、全ての群の、群2との比較。
図21】MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。*P<0.05、***P<0.001、全ての群の、群1との比較;###P<0.001、全ての群の、群2との比較。終点は、2000mm3に達した腫瘍体積として定義される。
図22】CT26.WT腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1および抗mPD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。
図23】H22腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける、単独の化合物1およびPD-L1抗体と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。
図24】1.4mg/kgで皮下投薬されたCT26.WT担持マウスにおける化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。
図25】1.4mg/kgで皮下投薬されたCT26.WT担持マウスにおける化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。
図26】1サイクル当たりの等しい総用量で皮下投薬されたCT26.WT担持マウスにおける化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。
図27】1サイクル当たりの等しい総用量で皮下投薬されたCT26.WT担持マウスにおける化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。
図28】最適以下の用量を比較する、1サイクル当たりの等しい総用量で皮下投薬されたCT26.WT担持マウスにおける化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。
図29】最適以下の用量を比較する、1サイクル当たりの等しい総用量で皮下投薬されたCT26.WT担持マウスにおける化合物1のカプランマイヤー生存曲線を示す折れ線グラフである。
図30】異なる投薬スケジュールで皮下または静脈内に投薬されたCT26.WT腫瘍担持マウスにおける化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。群1~6の定義は、実施例8に提供される。
図31】異なる投薬スケジュールで皮下または静脈内に投薬されたMC38腫瘍担持マウスにおける化合物1および化合物3の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。群1~10の定義は、実施例9に提供される。
図32】異なる投薬スケジュールで皮下または静脈内に投薬されたCT26.WT腫瘍担持マウスにおける化合物1および抗PD-1と組み合わせられた化合物1の抗腫瘍有効性を示す折れ線グラフである。群1~10の定義は、実施例10に提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
出願人は、前臨床動物モデルにおいて、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの間欠用量投与が、連続投薬によって達成される抗がん有効性を維持するか、または改善するが、より少ない副作用、例えば、より少ない体重減少を有することを予想外に発見した。さらに、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの間欠用量投与は、処置された動物において、腫瘍細胞再移植後の腫瘍再増殖を予想外に阻害する免疫応答を誘導する。出願人は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの間欠用量投与が、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1または抗PD-L1)と相乗作用して、持続的な腫瘍増殖阻害および中央生存時間の有意な増加を生じることも予想外に発見した。
【0012】
1つの態様において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、TIM3阻害剤、またはcd47阻害剤を対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供する。
【0013】
1つの態様において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤を対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供し、ここで、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与される。
【0014】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤の前に対象へ投与される。
【0015】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤の後に対象へ投与される。
【0016】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤と同時に対象へ投与される。
【0017】
1つの態様において、本開示は、(単一の抗がん剤として)治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供し、ここで、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与される。
【0018】
別の態様において、本開示は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤と、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤のがんを有する対象への投与についての説明書とを含むキットを提供する。
【0019】
別の態様において、キットは、本開示の方法を実施するためのその使用を容易にする様式でパッケージングされる。
【0020】
別の態様において、キットは、密封されたボトルまたは管のような容器にパッケージングされた化合物1、化合物2、化合物3、もしくはDON(または化合物1、化合物2、化合物3、もしくはDONを含む組成物)を、本開示の方法を実施するための化合物1、化合物2、化合物3、もしくはDON、または組成物の使用を説明する、容器に添付されているか、またはキットに含まれているラベルと共に含む。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、単位剤形でパッケージングされる。キットは、意図された投与経路に従って組成物を投与するのに適した装置をさらに含んでいてよい。
【0021】
本開示は、がんの処置に関係する様々な治療方法、キット、および組成物を提供する。1つの態様において、がんは固形腫瘍である。別の態様において、がんは血液がんである。別の態様において、がんは、表1のがんのうちの1つまたは複数である。
【0022】
(表1)
【0023】
例示的な血液がんには、表2に記載されたがんが含まれるが、これらに限定されるわけではない。別の態様において、血液がんは、急性リンパ性白血病、(B細胞慢性リンパ性白血病を含む)慢性リンパ性白血病、または急性骨髄性白血病である。
【0024】
(表2)
【0025】
別の態様において、がんは、頭頸部扁平上皮細胞癌、食道腺癌扁平上皮細胞癌、胃腺癌、結腸腺癌、肝細胞癌、胆道系胆管細胞癌、胆嚢腺癌、膵臓腺癌、乳管内上皮内癌、乳腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮細胞癌、膀胱移行上皮癌、膀胱扁平上皮細胞癌、子宮頸部扁平上皮細胞癌、子宮頸部腺癌、子宮内膜癌、陰茎扁平上皮細胞癌、および皮膚扁平上皮細胞癌からなる群より選択される。
【0026】
別の態様において、前がん性腫瘍は、頭頸部白板症、バレット食道、胃異形成、結腸腺癌、慢性肝炎、胆管過形成、膵上皮内腫瘍、肺異型腺腫様過形成、膀胱異形成、子宮頸部上皮内腫瘍、陰茎上皮内腫瘍、および皮膚日光角化症からなる群より選択される。
【0027】
別の態様において、がんは、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される。
【0028】
別の態様において、がんは、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんからなる群より選択される。
【0029】
別の態様において、がんは、従来のがん処置に対して抵抗性になっている。「従来のがん処置」という用語は、本明細書において使用されるように、U.S.Food and Drug Administration、European Medicines Agency、または類似の規制当局によって、ヒトにおける治療的使用のために試験され、かつ/または認可された、任意の抗がん薬、生物製剤、もしくは放射線治療、または抗がん薬および/もしくは生物製剤および/もしくは放射線治療の組み合わせをさす。
【0030】
別の態様において、対象は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONなしで、免疫チェックポイント阻害剤によって以前に処置されたことがある。例えば、以前の免疫チェックポイント治療は、抗PD-1または抗PD-L1による治療であり得る。
【0031】
別の態様において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤を対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供し、ここで、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与される。
【0032】
別の態様において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供し、ここで、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与される。
【0033】
別の態様において、本開示は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、免疫チェックポイント阻害剤、および第3の治療剤を対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する治療方法を提供する。
【0034】
別の態様において、本開示は、化合物3またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0035】
別の態様において、本開示は、化合物3またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0036】
I. DONおよびDONプロドラッグ
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンは、以下の構造:
を有する。
【0037】
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンおよびその薬学的に許容される塩は、本明細書において総称して「DON」と呼ばれる。DONは、Dion et al., J. Am. Chem. Soc. 78:3075-3077 (1956)に開示されている。
【0038】
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートは、以下の構造:
を有する。イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびその薬学的に許容される塩は、本明細書において総称して「化合物1」と呼ばれる。化合物1は、WO 2017/023774に開示されている。
【0039】
(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートは、以下の構造:
を有する。(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびその薬学的に許容される塩は、本明細書において総称して「化合物2」と呼ばれる。化合物2は、PCT/US2018/54581に開示されている。
【0040】
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸は、以下の構造:
を有する。
【0041】
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸およびその薬学的に許容される塩は、本明細書において総称して「化合物3」と呼ばれる。
【0042】
本開示の化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、薬学的に許容される塩として存在してもよい。化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの塩の非限定的な例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、二硫酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、二硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩(digluconate)、グリセロールリン酸塩(glycerolphsphate)、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、イセチオン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0043】
II. 免疫チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイント阻害剤は、免疫系阻害チェックポイントを阻止する治療である。免疫チェックポイントは、刺激性または阻害性であり得る。阻害性免疫チェックポイントの阻止は、免疫系機能を活性化し、がん免疫治療のために使用され得る。Pardoll,Nature Reviews.Cancer 12:252-64(2012)。腫瘍細胞は、特定のT細胞受容体に付着した場合に活性化T細胞をオフにする。免疫チェックポイント阻害剤は、腫瘍細胞がT細胞に付着することを防止し、T細胞を活性化されたままにする。実際、細胞成分および可溶性成分による協調作用が、病原体およびがんによる損傷に対抗する。免疫系経路のモジュレーションは、経路の少なくとも1つの成分の発現または機能的活性を変化させることによって、次いで、免疫系による応答をモジュレートすることを含み得る。U.S.2015/0250853。免疫チェックポイント阻害剤の例には、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、TIM3阻害剤、cd47阻害剤、およびB7-H1阻害剤が含まれる。従って、1つの態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、TIM3阻害剤、およびcd47阻害剤からなる群より選択される。
【0044】
別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死(PD-1)阻害剤である。PD-1は、宿主の免疫系から逃れる腫瘍細胞の能力において中心的な役割を果たすT細胞共阻害性受容体である。PD-1と、PD-1のリガンドであるPD-L1との間の相互作用の阻止は、免疫機能を増強し、抗腫瘍活性を媒介する。PD-1阻害剤の例には、PD-1に特異的に結合する抗体が含まれる。具体的な抗PD-1抗体には、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、STI-A1014、およびピディリズマブが含まれるが、これらに限定されるわけではない。抗PD-1抗体の利用可能性、作製方法、作用機序、および臨床研究の一般的な考察については、U.S.2013/0309250、U.S.6,808,710、U.S.7,595,048、U.S.8,008,449、U.S.8,728,474、U.S.8,779,105、U.S.8,952,136、U.S.8,900,587、U.S.9,073,994、U.S.9,084,776、およびNaido et al.,British Journal of Cancer 111:2214-19(2014)を参照すること。
【0045】
別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(B7-H1またはCD274としても公知)の阻害剤である。PD-L1阻害剤の例には、PD-L1に特異的に結合する抗体が含まれる。具体的な抗PD-L1抗体には、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびBMS-936559が含まれるが、これらに限定されるわけではない。利用可能性、作製方法、作用機序、および臨床研究の一般的な考察については、U.S.8,217,149、U.S.2014/0341917、U.S.2013/0071403、WO 2015036499、およびNaido et al.,British Journal of Cancer 111:2214-19(2014)を参照すること。
【0046】
別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。細胞傷害性Tリンパ球抗原4としても公知のCTLA-4は、免疫系をダウンレギュレートするタンパク質受容体である。CTLA-4は、抗原提示細胞上の共刺激分子に結合し、T細胞上のCD28との相互作用を防止し、T細胞活性化を制限する過剰に阻害性のシグナルも発生する「ブレーキ」として特徴決定されている。CTLA-4阻害剤の例には、CTLA-4に特異的に結合する抗体が含まれる。具体的な抗CTLA-4抗体には、イピリムマブおよびトレメリムマブが含まれるが、これらに限定されるわけではない。利用可能性、作製方法、作用機序、および臨床研究の一般的な考察については、U.S.6,984,720、U.S.6,207,156、およびNaido et al.,British Journal of Cancer 111:2214-19(2014)を参照すること。
【0047】
別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、LAG3阻害剤である。LAG3、リンパ球活性化遺伝子3は、T細胞の恒常性、増殖、および活性化をモジュレートする負の共刺激性受容体である。さらに、LAG3は、制御性T細胞(Treg)抑制機能に関与することが報告されている。LAG3分子の大部分が、細胞内の微小管形成中心の近くに保持されており、抗原特異的T細胞活性化の後にのみ誘導される。U.S.2014/0286935。LAG3阻害剤の例には、LAG3に特異的に結合する抗体が含まれる。具体的な抗LAG3抗体には、GSK2831781が含まれるが、これに限定されるわけではない。利用可能性、作製方法、作用機序、および研究の一般的な考察については、U.S.2011/0150892、U.S.2014/0093511、U.S.20150259420、およびHuang et al.,Immunity 21:503-13(2004)を参照すること。
【0048】
別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、TIM3阻害剤である。TIM3(T-cell immunoglobulin and mucin domain 3)は、TH1およびTC1 T細胞応答の持続時間および大きさを限定するために機能する免疫チェックポイント受容体である。TIM3経路は、腫瘍組織における免疫抑制を構成する2つの報告された免疫細胞集団である、機能不全CD8+T細胞およびTregにおいて発現されているため、抗がん免疫治療のための標的と見なされる。Anderson,Cancer Immunology Research 2:393-98(2014)。TIM3阻害剤の例には、TIM3に特異的に結合する抗体が含まれる。TIM3阻害剤の利用可能性、作製方法、作用機序、および研究の一般的な考察については、U.S.20150225457、U.S.20130022623、U.S.8,522,156、Ngiow et al.,Cancer Res 71:6567-71(2011)、Ngiow,et al.,Cancer Res 71:3540-51(2011)、およびAnderson,Cancer Immunology Res 2:393-98(2014)を参照すること。
【0049】
別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、cd47阻害剤である。Unanue,E.R.,PNAS 110:10886-87(2013)を参照すること。
【0050】
「抗体」という用語には、所望の生物学的活性を示す限り、完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全な抗体から形成された多重特異性抗体、および抗体断片が含まれるものとする。別の態様において、「抗体」には、抗体のFc部分を保有しない可溶性受容体が含まれるものとする。1つの態様において、抗体は、組換え遺伝子工学によって作成されたヒト化モノクローナル抗体およびそれらの断片である。
【0051】
免疫チェックポイント阻害剤の別のクラスには、阻害シグナル伝達を誘発することなく、T細胞上のPD-1受容体に結合し、それを阻止するポリペプチドが含まれる。そのようなペプチドには、米国特許第8,114,845号に開示されているような、B7-DCポリペプチド、B7-H1ポリペプチド、B7-1ポリペプチド、およびB7-2ポリペプチド、ならびにそれらの可溶性断片が含まれる。
【0052】
免疫チェックポイント阻害剤の別のクラスには、PD-1シグナリングを阻害するペプチド部分を有する化合物が含まれる。PD-1シグナリング経路を阻害することができる治療剤として有用なそのような化合物の例は、米国特許第8,907,053号に開示されており、以下の構造:
もしくはその薬学的に許容される塩を有し、ここで、化合物は、少なくとも5個のアミノ酸を含む。
【0053】
免疫チェックポイント阻害剤の別のクラスには、浸潤性の骨髄系細胞および腫瘍細胞によって発現されるインドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ(IDO)のようなある種の代謝酵素の阻害剤が含まれる。IDO酵素は、T細胞における同化作用に必要なアミノ酸を枯渇させることによって、またはリンパ球機能を改変することができるサイトゾル受容体のための特定の天然リガンドの合成を通して、免疫応答を阻害する。Pardoll,Nature Reviews.Cancer 12:252-64(2012);Lob,Cancer Immunol Immunother 58:153-57(2009)。特定のIDO阻止剤には、レボ-1-メチルトリプトファン(L-1MT)および1-メチル-トリプトファン(1MT)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。Qian et al.,Cancer Res 69:5498-504(2009);およびLob et al.,Cancer Immunol Immunother 58:153-7(2009)。
【0054】
1つの態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、STI-A1014、イピリムマブ、トレメリムマブ、GSK2831781、BMS-936559、またはMED14736である。
【0055】
III. 任意の治療剤
本開示のある種の治療方法において、第3の治療剤が、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、がんを有する対象へ投与される。本開示の治療方法において使用される第3の治療剤は、「任意の治療剤」と呼ばれる。がん患者の処置において有用なそのような任意の治療剤は、当技術分野において公知である。
【0056】
任意の治療剤は、所望の治療効果を提供する量で投与される。任意の各治療剤のための有効投薬量範囲は、当技術分野において公知であり、任意の治療剤は、そのような確立された範囲内で、その必要がある個体へ投与される。
【0057】
化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、免疫チェックポイント阻害剤、および/または任意の治療剤は、単一単位用量として共に投与されてもよいし、または多単位用量として別々に、任意の順序で投与されてもよく、例えば、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONが、免疫チェックポイント阻害剤および/もしくは任意の治療剤の前に投与されるか、またはその逆である。化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、免疫チェックポイント阻害剤、および/または任意の治療剤の1つまたは複数の用量が、対象へ投与され得る。
【0058】
1つの態様において、任意の治療剤は、エピジェネティック薬である。本明細書において使用されるように、「エピジェネティック薬」という用語は、エピジェネティック制御因子を標的とする治療剤をさす。エピジェネティック制御因子の例には、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、およびDNAメチルトランスフェラーゼが含まれる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤には、ボリノスタットが含まれるが、これに限定されるわけではない。
【0059】
別の態様において、任意の治療剤は、がんを処置するために、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONと組み合わせて投与され得る化学療法剤またはその他の抗増殖剤である。化合物1、化合物2、化合物3、またはDONと組み合わせて使用され得る従来の治療および抗がん剤の例には、手術、放射線治療(例えば、γ線、中性子ビーム放射線治療、電子ビーム放射線治療、陽子線治療、密封小線源治療、および全身性放射性同位元素)、内分泌治療、生物学的応答修飾剤(例えば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF)、温熱療法、および寒冷療法、有害効果を軽減する薬剤(例えば、制吐薬)、ならびにその他の認可された生物学的治療または化学療法、例えば、細胞を死滅させるか、または分裂を中止することによって、がん細胞の増殖を中止する薬物を使用する処置計画が含まれる。化学療法は、処置されるがんの型および段階に依って、経口、注射、もしくは注入によって、または皮膚上に与えられ得る。
【0060】
非限定的な例示的な抗増殖化合物には、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;抗アンドロゲン;ゴナドレリンアゴニスト;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性剤;アルキル化剤、例えば、テモゾロミド;レチノイド、カロテノイド、もしくはトコフェロール;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;代謝拮抗薬;プラチン化合物;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;抗増殖抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Rasがん遺伝子アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液系腫瘍の処置において使用される化合物;Flt-3阻害剤;Hsp90阻害剤;キネシン紡錘体タンパク質阻害剤;MEK阻害剤;抗腫瘍抗生物質;ニトロソウレア;プロテインキナーゼもしくは脂質キナーゼの活性を標的とする/減少させる化合物、プロテインホスファターゼもしくは脂質ホスファターゼの活性を標的とする/減少させる化合物、またはさらなる抗血管新生化合物が含まれる。
【0061】
非限定的な例示的なアロマターゼ阻害剤には、アタメスタン、エキセメスタン、およびフォルメスタンのようなステロイド、ならびにアミノグルテチミド、ログレチミド(roglethimide)、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、フドロゾール、アナストロゾール、およびレトロゾールのような非ステロイドが含まれる。
【0062】
非限定的な抗エストロゲンには、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェン、およびラロキシフェン塩酸塩が含まれる。抗アンドロゲンには、ビカルタミドが含まれるが、これに限定されるわけではない。ゴナドレリンアゴニストには、アバレリックス、ゴセレリン、およびゴセレリン酢酸塩が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0063】
非限定的な例示的なトポイソメラーゼI阻害剤には、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテシンおよびその類似物、9-ニトロカンプトテシン、ならびに高分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148が含まれる。トポイソメラーゼII阻害剤には、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、およびネモルビシンのようなアントラサイクリン;ミトキサントロンおよびロソキサントロン(losoxantrone)のようなアントラキノン;ならびにエトポシドおよびテニポシドのようなポドフィロトキシンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0064】
微小管活性剤には、パクリタキセルおよびドセタキセル;ディスコデルモリド;コルヒチンおよびエポチロン、ならびにそれらの誘導体のようなタキサンを含むが、これらに限定されるわけではない、微小管安定化化合物、微小管不安定化化合物、および微小管重合阻害剤が含まれる。
【0065】
非限定的な例示的なアルキル化剤には、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、ならびにカルムスチンおよびロムスチンのようなニトロソウレアが含まれる。
【0066】
非限定的な例示的なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(「MMP阻害剤」)には、コラーゲンのペプチド模倣阻害剤および非ペプチド模倣阻害剤、テトラサイクリン誘導体、バチマスタット、マリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270B、ならびにAAJ996が含まれる。
【0067】
非限定的な例示的なmTOR阻害剤には、シロリムス、エベロリムス、CCI-779、およびABT578のような、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)を阻害し、抗増殖活性を保有する化合物が含まれる。
【0068】
非限定的な例示的な代謝拮抗薬には、5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン、ゲムシタビン、5-アザシチジンおよびデシタビンのようなDNA脱メチル化合物、メトトレキサートおよびエダトレキサート、ならびにペメトレキセドのような葉酸アンタゴニストが含まれる。
【0069】
非限定的な例示的なプラチン化合物には、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナム(cisplatinum)、およびオキサリプラチンが含まれる。
【0070】
非限定的な例示的なメチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤には、ベンガミドまたはその誘導体およびPPI-2458が含まれる。
【0071】
非限定的な例示的なビスホスホネートには、エトリドン(etridonic)酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、およびゾレドロン酸が含まれる。
【0072】
非限定的な例示的なヘパラナーゼ阻害剤には、PI-88およびOGT2115のような、ヘパリン硫酸分解を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が含まれる。
【0073】
Rasの発がん活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する非限定的な例示的な化合物には、L-744832、DK8G557、ティピファニブ、およびロナファルニブのようなファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が含まれる。
【0074】
非限定的な例示的なテロメラーゼ阻害剤には、テロメスタチンのような、テロメラーゼ受容体を阻害する化合物のような、テロメラーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が含まれる。
【0075】
非限定的な例示的なプロテアソーム阻害剤には、ボルテゾミブを含むが、これに限定されるわけではない、プロテアソームの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が含まれる。いくつかの態様において、プロテアソーム阻害剤は、カルフィルゾミブである。
【0076】
FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物である、非限定的な例示的なFMS様チロシンキナーゼ阻害剤には、インターフェロン、I-β-D-アラビノフラノシルシトシン(ara-c)、およびビスルファン;ならびに未分化リンパ腫キナーゼを標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物であるALK阻害剤が含まれる。
【0077】
非限定的な例示的なFlt-3阻害剤には、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248、およびMLN518が含まれる。
【0078】
非限定的な例示的なHSP90阻害剤には、HSP90の固有のATPase活性を標的とするか、減少させるか、もしくは阻害する化合物;またはユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解するか、標的とするか、減少させるか、もしくは阻害する化合物が含まれる。HSP90の固有のATPase活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、具体的には、17-アリルアミノ,17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;その他のゲルダマイシン関連化合物;ラディシコール、およびHDAC阻害剤のような、HSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質、または抗体である。
【0079】
非限定的な例示的なタンパク質チロシンキナーゼおよび/もしくはセリンキナーゼおよび/もしくはトレオニンキナーゼの阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤には、(a)血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、PDGFRの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブ、SUlOl、SU6668、およびGFB-111;(b)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;(c)インスリン様増殖因子受容体I(IGF-IR)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、IGF-IRの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;(d)Trk受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とするか、減少させるか、もしくは阻害する化合物、またはエフリンB4阻害剤;(e)Axl受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;(f)Ret受容体型チロシンキナーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;(g)Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、イマチニブ;(h)c-Kit受容体型チロシンキナーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、イマチニブ;(i)c-Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(例えば、Bcr-Ablキナーゼ)、および変異体の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブまたはニロチニブ;PD180970;AG957;NSC 680410;PD173955;またはダサチニブ;(j)セリン/トレオニンキナーゼのプロテインキナーゼC(PKC)ファミリーおよびRafファミリーのメンバー、MEKファミリー、SRCファミリー、JAKファミリー、FAKファミリー、PDK1ファミリー、PKB/Aktファミリー、およびRas/MAPKファミリーのメンバー、ならびに/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、米国特許第5,093,330号に開示されたスタウロスポリン誘導体、例えば、ミドスタウリン(さらなる化合物の例には、UCN-01、サフィンゴール、BAY 43-9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン;イルモフォシン;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;PD184352またはQAN697またはAT7519が含まれる);(k)タンパク質チロシンキナーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、イマチニブメシル酸塩またはチロホスチン、例えば、チロホスチンA23/RG-50810;AG 99;チロホスチンAG 213;チロホスチンAG 1748;チロホスチンAG 490;チロホスチンB44;チロホスチンB44(+)エナンチオマー;チロホスチンAG 555;AG 494;チロホスチンAG 556、AG957、およびアダホスチン(4-{[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}-安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダホスチン);(1)受容体型チロシンキナーゼ(ホモ二量体またはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の上皮増殖因子ファミリーおよびそれらの変異体の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、CP 358774、ZD 1839、ZM 105180;トラスツズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、OSI-774、Cl-1033、EKB-569、GW-2016、抗体E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3、およびE7.6.3、および7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン誘導体;ならびに(m)c-Met受容体の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が含まれる。
【0080】
プロテインホスファターゼまたは脂質ホスファターゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する非限定的な例示的な化合物には、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、またはCDC25の阻害剤、例えば、オカダ酸またはその誘導体が含まれる。
【0081】
さらなる抗血管新生化合物には、プロテインキナーゼまたは脂質キナーゼの阻害とは無関係な活性のための他の機序を有する化合物、例えば、サリドマイドおよびTNP-470が含まれる。
【0082】
付加的な非限定的な例示的な化学療法化合物には、アバスチン、ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチナム(carboplatinum)、PKC412、6-メルカプトプリン(6-MP)、リン酸フルダラビン、オクトレオチド、SOM230、FTY720、6-チオグアニン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、ペントスタチン、ヒドロキシ尿素、2-ヒドロキシ-1H-イソインドール-1,3-ジオン誘導体、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンもしくはその薬学的に許容される塩、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンスクシネート、アンジオスタチン、エンドスタチン、アントラニル酸アミド、ZD4190、ZD6474、SU5416、SU6668、ベバシズマブ、rhuMAb、rhuFab、マクゴン(macugon);FLT-4阻害剤、FLT-3阻害剤、VEGFR-2 IgGI抗体、RPI 4610、ベバシズマブ、ポルフィマーナトリウム、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11-a-エピヒドロコルチゾール、コルテキソロン、17a-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、植物アルカロイド、ホルモン化合物および/またはアンタゴニスト、生物学的応答修飾剤、例えば、リンホカインまたはインターフェロン、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体、shRNA、およびsiRNAが含まれ、これらのうちの1つまたは複数が、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONと組み合わせて使用され得る。
【0083】
多数の好適な任意の治療剤、例えば、抗がん剤が、本明細書において提供される治療方法において使用するために企図される。実際、本明細書において提供される方法は、多数の任意の治療剤、例えば、アポトーシスを誘導する薬剤、ポリヌクレオチド(例えば、アンチセンス、リボザイム、siRNA);ポリペプチド(例えば、酵素および抗体);生物学的模倣物(例えば、ゴシポールまたはBH3模倣物);BaxのようなBcl-2ファミリータンパク質と結合する(例えば、オリゴマー化するか、または複合体化する)薬剤;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗薬;ホルモン;白金化合物;モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体(例えば、抗がん薬、毒素、デフェンシンとコンジュゲートされた抗体)、毒素;放射性核種;生物学的応答修飾剤(例えば、インターフェロン(例えば、IFNα)およびインターロイキン(例えば、IL-2));養子免疫治療剤;造血成長因子;腫瘍細胞分化を誘導する薬剤(例えば、オールトランスレチノイン酸);遺伝子治療試薬(例えば、アンチセンス治療試薬およびヌクレオチド);腫瘍ワクチン;血管新生阻害剤;プロテオソーム阻害剤:NF-κBモジュレーター;抗CDK化合物;HDAC阻害剤等の投与を含み得るが、これらに限定されるわけではない。開示された化合物との同時投与に適した化学療法化合物および抗がん治療のような任意の治療剤の多数の他の例は、当業者に公知である。
【0084】
ある種の態様において、抗がん剤には、アポトーシスを誘導するか、または刺激する薬剤が含まれる。例えば、アポトーシスを誘導するか、または刺激する薬剤には、例えば、DNAにインターカレートするか、DNAを架橋するか、DNAをアルキル化するか、またはその他の方法でDNAに傷害を与えるか、もしくはDNAを化学的に修飾することによって、DNAと相互作用するか、または修飾する薬剤が含まれる。アポトーシスを誘導する薬剤には、放射線(例えば、X線、γ線、UV);腫瘍壊死因子(TNF)関連因子(例えば、TNFファミリー受容体タンパク質、TNFファミリーリガンド、TRAIL、TRATL-R1またはTRAIL-R2に対する抗体);キナーゼ阻害剤、例えば、上皮増殖因子受容体(EGFR)キナーゼ阻害剤が含まれるが、これらに限定されるわけではない。さらなる抗がん剤には、血管増殖因子受容体(VGFR)キナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)キナーゼ阻害剤、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)キナーゼ阻害剤、および(GLEEVECのような)Bcr-Ablキナーゼ阻害剤;アンチセンス分子;抗体(例えば、HERCEPTIN、RITUXAN、ZEVALIN、およびAVASTIN);抗エストロゲン(例えば、ラロキシフェンおよびタモキシフェン);抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、アミノグルテチミド、ケトコナゾール、および副腎皮質ステロイド);シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)阻害剤(例えば、セレコキシブ、メロキシカム、NS-398、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID));抗炎症薬(例えば、ブタゾリジン、DECADRON、DELTASONE、デキサメタゾン、デキサメタゾンインテンソール(intensol)、DEXONE、HEXADROL、ヒドロキシクロロキン、METICORTEN、ORADEXON、ORASONE、オキシフェンブタゾン、PEDIAPRED、フェニルブタゾン、PLAQUENIL、プレドニゾロン、プレドニゾン、PRELONE、およびTANDEARIL);ならびにがん化学療法薬(例えば、イリノテカン(CAMPTOSAR)、CPT-11、フルダラビン(FLUDARA)、ダカルバジン(DTIC)、デキサメタゾン、ミトキサントロン、MYLOTARG、VP-16、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、5-FU、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ボルテゾミブ、ゲフィチニブ、ベバシズマブ、TAXOTERE、またはTAXOL);細胞シグナリング分子;セラミドおよびサイトカイン;スタウロスポリン等が含まれる。
【0085】
さらに他の態様において、本明細書において提供される治療方法は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤と、アルキル化剤、代謝拮抗薬、および天然生成物(例えば、薬草およびその他の植物および/または動物に由来する化合物)より選択される少なくとも1つの付加的な抗過剰増殖剤または抗腫瘍剤とを、がんを有する対象(がん患者)へ投与する工程を含む。
【0086】
本発明の方法における使用に適したアルキル化剤には、(1)ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン(L-サルコリシン);およびクロラムブシル);(2)エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ);(3)アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン);(4)ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU);ロムスチン(CCNU);セムスチン(メチルCCNU);およびストレプトゾシン(ストレプトゾトシン));ならびに(5)トリアゼン(例えば、ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミダゾールカルボキサミド))が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0087】
いくつかの態様において、本発明の方法における使用に適した代謝拮抗薬には、(1)葉酸類似物(例えば、メトトレキサート(アメトプテリン));(2)ピリミジン類似物(例えば、フルオロウラシル(5-フルオロウラシル;5-FU)、フロクスウリジン(フルオロデオキシウリジン;FudR)、およびシタラビン(シトシンアラビノシド));ならびに(3)プリン類似物(例えば、メルカプトプリン(6-メルカプトプリン;6-MP)、チオグアニン(6-チオグアニン;TG)、およびペントスタチン(2'-デオキシコホルマイシン))が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0088】
さらなる態様において、本開示の方法における使用に適した化学療法剤には、(1)ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン)、(2)エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド);(3)抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン(マイトマイシンC));(4)酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ);(5)生物学的応答修飾剤(例えば、インターフェロンα);(6)白金配位錯体(例えば、シスプラチン(シスDDP)およびカルボプラチン);(7)アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン);(8)置換型尿素(例えば、ヒドロキシ尿素);(9)メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン(N-メチルヒドラジン;MIH);(10)副腎皮質抑制薬(例えば、ミトタン(o,p'-DDD)およびアミノグルテチミド);(11)副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン);(12)プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、および酢酸メゲストロール);(13)エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオール);(14)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン);(15)アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメステロン);(16)抗アンドロゲン(例えば、フルタミド):ならびに(17)ゴナドトロピン放出ホルモン類似物(例えば、リュープロリド)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0089】
がん治療の状況においてルーチンに使用される任意の腫瘍溶解剤が、本開示の治療方法において有用である。例えば、U.S.Food and Drug Administration(FDA)は、米国における使用のために認可された腫瘍溶解剤の処方集を維持している。FDAに相当する国際機関は、類似の処方集を維持している。米国で認可された全ての化学療法薬に必要とされる「プロダクトラベル」が、例示的な薬剤についての認可された適応症、投薬情報、毒性データ等を記載していることを、当業者は理解するであろう。
【0090】
抗がん剤には、抗がん活性を有することが同定された化合物がさらに含まれる。例には、3-AP、12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート、17AAG、852A、ABI-007、ABR-217620、ABT-751、ADI-PEG 20、AE-941、AG-013736、AGRO100、アラノシン、AMG 706、抗体G250、アンチネオプラストン(antineoplastons)、AP23573、アパジコン、APC8015、アチプリモド、ATN-161、アトラセンテン(atrasenten)、アザシチジン、BB-10901、BCX-1777、ベバシズマブ、BG00001、ビカルタミド、BMS 247550、ボルテゾミブ、ブリオスタチン1、ブセレリン、カルシトリオール、CCI-779、CDB-2914、セフィキシム、セツキシマブ、CG0070、シレンギチド、クロファラビン、コンブレタスタチンA4リン酸、CP-675,206、CP-724,714、CpG 7909、クルクミン、デシタビン、DENSPM、ドキセルカルシフェロール、E7070、E7389、エクチナサイジン743、エファプロキシラル、エフロルニチン、EKB-569、エンザスタウリン、エルロチニブ、エクシスリンド、フェンレチニド、フラボピリドール、フルダラビン、フルタミド、ホテムスチン、FR901228、G17DT、ガリキシマブ、ゲフィチニブ、ゲニステイン、グルホスファミド(glufosfamide)、GTI-2040、ヒストレリン、HKI-272、ホモハリントニン、HSPPC-96、hu14.18-インターロイキン2融合タンパク質、HuMax-CD4、イロプロスト、イミキモド、インフリキシマブ、インターロイキン12、IPI-504、イロフルベン、イクサベピロン、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、リュープロリド、LMB-9免疫毒素、ロナファルニブ、ルニリキシマブ(luniliximab)、マホスファミド、MB07133、MDX-010、MLN2704、モノクローナル抗体3F8、モノクローナル抗体J591、モテクサフィン、MS-275、MVA-MUC1-IL2、ニルタミド、ニトロカンプトテシン、ノラトレキセド二塩酸塩、ノルバデックス、NS-9、O6-ベンジルグアニン、オブリメルセンナトリウム、ONYX-015、オレゴボマブ、OSI-774、パニツムマブ、パラプラチン、PD-0325901、ペメトレキセド、PHY906、ピオグリタゾン、ピルフェニドン、ピクサントロン、PS-341、PSC 833、PXD101、ピラゾロアクリジン、R115777、RAD001、ランピルナーゼ(ranpirnase)、レベッカマイシン(rebeccamycin)類似物、rhuアンジオスタチンタンパク質、rhuMab 2C4、ロシグリタゾン、ルビテカン(rubitecan)、S-1、S-8184、サトラプラチン、SB-、15992、SGN-0010、SGN-40、ソラフェニブ、SR31747A、ST1571、SU011248、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、スラミン、タラボスタット(talabostat)、タランパネル(talampanel)、タリキダール、テムシロリムス、TGFa-PE38免疫毒素、サリドマイド、サイマルファシン、ティピファニブ、チラパザミン、TLK286、トラベクテジン、グルクロン酸トリメトレキサート、TroVax、UCN-1、バルプロ酸、ビンフルニン、VNP40101M、ボロシキシマブ、ボリノスタット、VX-680、ZD1839、ZD6474、ジロートン、およびゾスキダール三塩酸塩が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0091】
1つの態様において、「任意の治療剤」は、表Aに記載された抗がん薬または抗がん薬の組み合わせのうちの1つを含む。
【0092】
(表A)
【0093】
抗がん剤およびその他の任意の治療剤のより詳細な説明について、当業者は、Physician's Desk ReferenceおよびGoodman and Gilman's "Pharmaceutical Basis of Therapeutics" tenth edition,Eds.Hardman et al.,2002を含むが、これに限定されるわけではない、多数の参考書を参照されたい。
【0094】
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤を、放射線治療と組み合わせて、がん患者へ投与する工程を含む。本明細書において提供される方法は、治療的な線量の放射線を患者へ送達するために使用される型、量、または送達および投与の系によって限定されない。例えば、患者は、光子放射線治療、粒子ビーム照射治療、その他の型の放射線治療、およびそれらの組み合わせを受け得る。いくつかの態様において、放射線は、直線加速器を使用して患者へ送達される。さらに他の態様において、放射線は、ガンマナイフを使用して送達される。
【0095】
放射線源は、患者の外部にあってもよいし、または内部にあってもよい。外部放射線治療は、最も一般的であり、例えば、直線加速器を使用して、高エネルギー放射線のビームを皮膚を通して腫瘍部位に向けることを含む。放射線のビームは、腫瘍部位に限局化されるが、正常な健常組織の曝露を回避することは、ほぼ不可能である。しかしながら、外部放射線は、通常、患者による忍容性が良い。内部放射線治療は、体内の腫瘍部位またはその近くに、ビーズ、ワイヤ、ペレット、カプセル、粒子等のような放射線放出源を移植すること、例えば、(例えば、がん細胞結合リガンドに付着した粒子を使用して)がん細胞を特異的に標的とする送達系を使用することを含む。そのようなインプラントは、処置後に除去されてもよいし、または不活性な状態で体内に残されてもよい。内部放射線治療の型には、密封小線源治療、間質照射、腔内照射、放射線免疫治療等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0096】
患者は、任意で、放射線増感剤(例えば、メトロニダゾール、ミソニダゾール、動脈内Budr、静脈内ヨードデオキシウリジン(IudR)、ニトロイミダゾール、5-置換型-4-ニトロイミダゾール、2H-イソインドールジオン、[(2-ブロモエチル)-アミノ]メチル]-ニトロ-1H-イミダゾール-1-エタノール、ニトロアニリン誘導体、DNAアフィニック(affinic)低酸素選択的細胞毒素、ハロゲン化DNAリガンド、1,2,4-ベンゾトリアジンオキシド、2-ニトロイミダゾール誘導体、フッ素含有ニトロアゾール誘導体、ベンズアミド、ニコチンアミド、アクリジンインターカレーター、5-チオトレトラゾール(thiotretrazole)誘導体、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、4,5-ジニトロイミダゾール誘導体、ヒドロキシル化テキサフリン(hydroxylated texaphrins)、シスプラチン、マイトマイシン、チリパザミン(tiripazamine)、ニトロソウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ブレオマイシン、ビンクリスチン、カルボプラチン、エピルビシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンデシン、エトポシド、パクリタキセル、熱(温熱治療)等)、放射線防護剤(例えば、システアミン、アミノアルキル二水素ホスホロチオエート、アミホスチン(WR 2721)、IL-1、IL-6等)を受け得る。放射線増感剤は、腫瘍細胞の死滅を増強する。放射線防護剤は、放射線の有害効果から健常組織を保護する。
【0097】
放射線量が、患者による忍容性があり、許容されない負の副作用を有しない限り、任意の型の放射線が患者へ投与され得る。放射線治療の好適な型には、例えば、電離(電磁)放射線治療(例えば、X線もしくはγ線)または粒子ビーム放射線治療(例えば、高線エネルギー放射線)が含まれる。電離放射線とは、(例えば、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第5,770,581号に記載されているように)電離、即ち、電子の獲得または損失を生じるのに十分なエネルギーを有する粒子または光子を含む放射線として定義される。放射線の効果は、医師によって少なくとも部分的に調節され得る。1つの態様において、標的細胞曝露が最大になり、毒性が低下するよう、放射線の線量は分割される。
【0098】
1つの態様において、患者へ投与される放射線の総線量は、約.01グレイ(Gy)~約100Gyである。別の態様において、約10Gy~約65Gy(例えば、約15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、35Gy、40Gy、45Gy、50Gy、55Gy、または60Gy)が処置の過程を通じて投与される。いくつかの態様において、完全な線量の放射線が1日の過程を通じて投与されてもよいが、理想的には、総線量が分割され、数日にわたって投与される。望ましくは、放射線治療は、少なくとも約3日間、例えば、少なくとも5、7、10、14、17、21、25、28、32、35、38、42、46、52、または56日(約1~8週間)の過程を通じて投与される。従って、放射線の1日線量は、約1~5Gy(例えば、約1Gy、1.5Gy、1.8Gy、2Gy、2.5Gy、2.8Gy、3Gy、3.2Gy、3.5Gy、3.8Gy、4Gy、4.2Gy、もしくは4.5Gy)、または1~2Gy(例えば、1.5~2Gy)を含む。放射線の1日線量は、標的細胞の破壊を誘導するのに十分であるべきである。ある期間にわたって延長された場合、1つの態様において、放射線は毎日投与されず、それによって、動物の休息および治療の効果の実現が可能となる。例えば、放射線は、望ましくは、処置の各週について、連続する5日間投与され、2日間投与されず、それによって、1週間当たり2日間の休息が可能となる。しかしながら、放射線は、動物の応答性および任意の可能性のある副作用に依って、1日/週、2日/週、3日/週、4日/週、5日/週、6日/週、または7日全て/週、投与され得る。放射線治療は、治療期間中の任意の時点で開始され得る。1つの態様において、放射線は、第1週または第2週に開始され、治療期間の残りの期間、投与される。例えば、放射線は、例えば、固形腫瘍を処置するために、6週間を含む治療期間の第1~6週または第2~6週に投与される。あるいは、放射線は、5週間を含む治療期間の第1~5週または第2~5週に投与される。しかしながら、これらの例示的な放射線治療投与スケジュールは、本明細書において提供される方法を限定するためのものではない。
【0099】
IV. 治療方法
本明細書において提供される治療方法において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、単一の化学療法剤として、がんを有する対象へ投与され得る。化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、がんを有する対象へ投与されてもよい。化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、異なる周期、異なる継続期間、異なる濃度、異なる投与経路等の条件のうちの1つまたは複数の下で、組み合わせて投与され得る。任意の治療剤、例えば、抗がん剤が、がん患者へ投与されてもよい。いくつかの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、患者へ投与される。いくつかの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、患者へ皮下投与される。いくつかの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、間欠投薬スケジュールに従って、患者へ静脈内投与される。
【0100】
いくつかの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤の前、例えば、免疫チェックポイント阻害剤の投与の0.5、1、2、3、4、5、10、12、もしくは18時間、1、2、3、4、5、もしくは6日、または1、2、3、もしくは4週間前に投与される。
【0101】
いくつかの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤の後、例えば、免疫チェックポイント阻害剤の投与の0.5、1、2、3、4、5、10、12、もしくは18時間、1、2、3、4、5、もしくは6日、または1、2、3、または4週間後に投与される。
【0102】
いくつかの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、異なるスケジュールで、併用投与され、例えば、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONが毎日投与され、免疫チェックポイント阻害剤が週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回投与される。他の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONが1日1回投与され、免疫チェックポイント阻害剤が週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回投与される。
【0103】
本明細書において提供される治療方法は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを、意図された目的を達成するのに有効な量で、がん患者へ投与する工程を含む。個々の必要性は変動するが、各成分の有効量の最適範囲の決定は、当技術分野における技術の範囲内である。典型的には、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、約0.05mg/kg~約500mg/kg、約0.05mg/kg~約100mg/kg、約0.05mg/kg~約50mg/kg、または約0.05mg/kg~約10mg/kgの量で投与される。組成物の投薬量は、約0.05mg/週~約25mg/週を含むが、これに限定されるわけではない、任意の投薬量であり得る。具体的な用量には、0.05、1、2、5、10、20、500、および100mg/kg、週1回が含まれる。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、週1回、投与される。これらの投薬量は、例示的なものであり、より高いまたはより低い投薬量が有益である個々の事例が存在し得、それらは本開示の範囲内である。実際には、医師が、特定の患者の年齢、体重、および応答によって変動し得る、個々の患者に最も適した実際の投薬計画を決定する。1つの態様において、約0.1mg/kg~約2mg/kgのDONが対象へ投与される。
【0104】
化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの単位経口用量は、約0.01~約1000mg、例えば、約0.01~約100mgの化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを含み得る。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの単位経口用量は、0.05mg、1mg、3mg、5mg、7mg、9mg、10mg、12mg、14mg、15mg、17mg、20mg、22mg、25mg、27mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mgである。単位用量は、1日に1または複数回、例えば、1つまたは複数の錠剤またはカプセルとして投与され得る。単位用量は、対象へIV投与または皮下投与されてもよい。実際には、医師が、特定の患者の年齢、体重、および応答によって変動し得る、個々の患者に最も適した実際の投薬計画を決定する。
【0105】
化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、未加工の化学物質としての投与に加えて、薬学的調製物または組成物の一部として投与されてもよい。いくつかの態様において、薬学的調製物または組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または補助剤を含んでいてよい。いくつかの態様において、1つまたは複数の担体、賦形剤、および補助剤は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの薬学的に使用され得る調製物または組成物への加工を容易にする。調製物、具体的には、経口投与、皮下投与、静脈内投与、または局所投与され得る調製物、およびある型の投与のために使用され得る調製物、例えば、錠剤、糖衣錠、徐放性のロゼンジおよびカプセル、口腔洗浄剤および含嗽剤、ゲル、液体懸濁剤、ヘアリンス、ヘアゲル、およびシャンプー、ならびに直腸投与され得る調製物、例えば、坐剤、ならびに静脈内注入、皮下注射、局所投与、または経口投与に適した溶液は、1つまたは複数の担体、賦形剤、および/または補助剤と共に、約0.01~99%、1つの態様において、約0.25~75%の活性化合物を含有する。
【0106】
本明細書において提供される薬学的組成物は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの有益な効果を経験し得る任意の対象へ投与され得る。そのような対象には、主に、哺乳動物、例えば、ヒトが含まれるが、本明細書において提供される方法および組成物は、そのように限定されるものではない。その他の対象には、獣医学的動物(ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ等)が含まれる。1つの態様において、対象は、ヒトがん患者である。
【0107】
本明細書において提供される薬学的調製物は、従来の混合、造粒、糖衣錠作成、溶解、または凍結乾燥の過程によって製造される。従って、経口的に使用するための薬学的調製物は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、任意で、得られた混合物を粉砕し、所望により、または必要に応じて、好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠のコアを得ることによって得られてよい。
【0108】
好適な賦形剤は、具体的には、糖類、例えば、乳糖またはショ糖、マンニトールまたはソルビトール、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウムのような増量剤、ならびにトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプンを使用したデンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンのような結合剤である。所望により、前記のデンプンおよびカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムのようなその塩のような崩壊剤が添加されてもよい。補助剤は、好適な流動性制御剤および滑沢剤であり得る。好適な補助剤には、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールが含まれる。糖衣錠コアには、所望により、胃液に対して抵抗性である、好適なコーティングが提供される。この目的のために、任意で、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有していてもよい、濃縮糖類溶液が使用され得る。胃液に対して抵抗性のコーティングを作製するためには、アセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのような好適なセルロース調製物の溶液が使用される。例えば、同定のために、または活性化合物の用量の組み合わせの特徴付けのために、色素または顔料が、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加されてもよい。
【0109】
経口的に使用され得る他の薬学的調製物には、ゼラチンから作成されたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤から作成された軟密封カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、乳糖のような増量剤、デンプンのような結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤と混合されていてよく、任意で、安定剤と混合されていてもよい顆粒の形態で、活性化合物を含有し得る。軟カプセルにおいて、活性化合物は、1つの態様において、脂肪油または液体パラフィンのような好適な液体に溶解しているか、または懸濁している。さらに、安定剤が添加されてもよい。
【0110】
直腸に使用され得る可能な薬学的調製物には、例えば、活性化合物のうちの1つまたは複数と坐剤用基剤との組み合わせからなる坐剤が含まれる。好適な坐剤用基剤は、例えば、天然もしくは合成のトリグリセリド、またはパラフィン炭化水素である。さらに、活性化合物と基剤との組み合わせからなるゼラチン直腸カプセルを使用することも可能である。可能な基剤材料には、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素が含まれる。
【0111】
非経口投与に適した製剤には、水溶性の形態の活性化合物、例えば、水溶性塩の水性溶液、およびアルカリ性溶液が含まれる。さらに、適切な油性注射用懸濁剤としての活性化合物の懸濁剤が投与されてもよい。好適な親油性の溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルもしくはトリグリセリドもしくはポリエチレングリコール400が含まれる。水性注射用懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む、懸濁剤の粘性を増加させる物質を含有してもよい。任意で、懸濁剤は、安定剤を含有してもよい。
【0112】
本開示は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの溶媒和化合物の使用を包含する。溶媒和化合物は、典型的には、化合物の生理学的活性または毒性を有意に改変せず、従って、薬理学的等価物として機能し得る。「溶媒和化合物」という用語は、本明細書において使用されるように、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONと溶媒分子との組み合わせ、物理的会合、および/または溶媒和、例えば、溶媒分子と化合物1、化合物2、化合物3、またはDONとの比が、それぞれ、約2:1、約1:1、または約1:2である、二溶媒和化合物、一溶媒和化合物、または半溶媒和化合物である。この物理的会合は、変動する程度のイオン結合および共有結合、例えば、水素結合を含む。ある種の事例において、溶媒和化合物は、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれた場合に、単離され得る。従って、「溶媒和化合物」には、溶液相および単離可能な溶媒和化合物の両方が包含される。化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、水、メタノール、エタノール等のような薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態として存在してもよく、本開示は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの溶媒和形態および非溶媒和形態の両方を含むものとする。溶媒和化合物の1つの型は水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である溶媒和化合物の特定のサブグループに関する。溶媒和化合物は、典型的には、薬理学的等価物として機能することができる。溶媒和化合物の調製は、当技術分野において公知である。例えば、フルコナゾールの酢酸エチルおよび水との溶媒和化合物の調製を記載しているM.Caira et al,J.Pharmaceut.Sci.,93(3):601-611(2004)を参照すること。溶媒和化合物、半溶媒和化合物、水和物等の類似の調製は、E.C.van Tonder et al.,AAPS Pharm.Sci.Tech.,5(1):Article 12(2004)およびA.L.Bingham et al.,Chem.Commun.603-604(2001)によって記載されている。溶媒和化合物を調製する典型的な非限定的な過程は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを、所望の溶媒(有機、水、またはそれらの混合物)に、20℃超から約25℃までの温度で溶解させ、次いで、結晶を形成させるのに十分な速度で溶液を冷却し、公知の方法、例えば、濾過によって結晶を単離することを含む。溶媒和化合物の結晶中の溶媒の存在を確認するためには、赤外分光法のような分析技術を使用することができる。
【0113】
標準的な薬学的実務に従って製剤化された治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、その必要があるヒト患者へ投与される。そのような処置の必要性が示されるか否かは、個々の症例に依存し、存在する徴候、症状、および/または機能不全、特定の徴候、症状、および/または機能不全を発症するリスク、ならびにその他の因子を考慮する医学的査定(診断)を受ける。
【0114】
化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、任意の好適な経路によって、例えば、経口、頬側、吸入、舌下、直腸、膣、大槽内、または腰椎穿刺を通したくも膜下腔内、経尿道、経鼻、経皮(percutaneous)、即ち、経皮(transdermal)、または非経口投与(静脈内、筋肉内、皮下、冠内、皮内、乳房内、腹腔内、関節内、くも膜下腔内、眼球後、肺内注射、および/もしくは特定の部位における外科的移植を含む)によって投与され得る。非経口投与は、針および注射器を使用して、または高圧技術を使用して達成され得る。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、対象へ皮下投与される。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、対象へ静脈内投与される。
【0115】
薬学的組成物には、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤が、その意図された目的を達成するために有効な量で投与されるものが含まれる。正確な製剤、投与経路、および投薬量は、診断された状態または疾患を考慮して、個々の医師によって決定される。投薬量および間隔は、治療効果を維持するのに十分な化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤のレベルを提供するために、個々に調整され得る。
【0116】
化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤の毒性および治療有効性は、例えば、患者において毒性を引き起こさない最高用量として定義される、化合物の最大耐用量(MTD)を決定するために、細胞培養物または実験動物において標準的な薬学的手法によって決定され得る。最大耐用量と治療効果(例えば、腫瘍増殖の阻害)との間の用量比が、治療指数である。投薬量は、利用される剤形および活用される投薬経路に依って、この範囲内で変動し得る。治療的に有効な量の決定は、特に、本明細書において提供される詳細な開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0117】
治療において使用するのに必要とされる化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤の治療的に有効な量は、処置される状態の性質、活性が望まれる時間の長さ、ならびに対象の年齢および状態によって変動し、最終的には、主治医によって決定される。例えば、投薬量および間隔は、所望の治療効果を維持するのに十分な化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤の血漿レベルを提供するために、個々に調整され得る。所望の用量は、便利には、単回投与されてもよいし、または適当な間隔で複数回、例えば、1日1、2、3、4回、もしくはそれ以上、分割投与されてもよい。複数回投与は、しばしば、望ましいか、または必要とされる。例えば、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、1日1回;4日間隔で1日1回として送達される4回(q4d×4);3日間隔で1日1回として送達される4回(q3d×4);5日間隔で1日1回の送達(qd×5);週1回、3週間(qwk3);1日1回、5日間、2日休止、再び1日1回、5日間(5/2/5)の頻度;または状況にとって適切であると決定された任意の用量計画で投与され得る。
【0118】
免疫チェックポイント阻害剤は、治療的に有効な量で投与される。免疫チェックポイント阻害剤がモノクローナル抗体である場合、1~20mg/kgが、2~4週間毎に静脈内注入として投与される。例えば、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、1800mg、1900mg、および2000mgの抗体が投与され得る。
【0119】
例えば、免疫チェックポイント阻害剤が抗PD-1抗体ニボルマブである場合、3mg/kgが、2週間毎に60分間かけて静脈内注入によって投与され得る。免疫チェックポイント阻害剤が抗PD-1抗体である場合、mg/kgが、2週間毎または3週間毎に30分間かけて静脈内注入によって投与され得る。免疫チェックポイント阻害剤が抗PD-L1抗体アベルマブである場合、10mg/kgが、2週間毎の頻度で静脈内注入によって投与され得る。Disis et al.,J.Clin Oncol.33(2015)(suppl;abstr 5509)。免疫チェックポイント阻害剤が抗PD-L1抗体MPDL3280Aである場合、20mg/kgが3週間毎に静脈内注入によって投与され得る。Herbst et al.,Nature 515:563-80(2014)。免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4抗体イピリムマブである場合、3mg/kgが、3週間毎に90分間かけて静脈内注入によって投与され得る。免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4抗体トレメリムマブである場合、15mg/kgが、12週間毎に静脈内注入によって投与され得る。Naido et al.,British Journal of Cancer 111:2214-19(2014);Drugs R D,10:123-32(2010)。免疫チェックポイント阻害剤が抗LAG3抗体GSK2831781である場合、1.5~5mg/kgが、2~4週間毎に120分間かけて静脈内注入によって投与され得る。免疫チェックポイント阻害剤が抗TIM3抗体である場合、1~5mg/kgが、2~4週間毎に30~90分間かけて静脈内注入によって投与され得る。インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)経路の阻害剤が、テモゾロミドと組み合わせられた阻害剤インドキシモドである場合、インドキシモドは、18.5mg/kg/回、BIDから27.7mg/kg/回、BIDまで漸増され、テモゾロミドは、5日毎に200mg/m2である。
【0120】
1つの態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、抗体であり、1~20mg/kgが、2~4週間毎に静脈内注入によって投与される。別の態様において、50~2000mgの抗体が、2~4週間毎に静脈内注入によって投与される。別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、抗体の投与の前に投与される。別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、抗体の投与日の3~7日前に投与される。別の態様において、抗体が投与される日に、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONも投与され、その後、疾患が進行するまで、または化合物1、化合物2、化合物3、もしくはDONの投与がもはや有益でなくなるまで、連続する日に投与される。
【0121】
1つの態様において、がん患者は、3週間毎に静脈内注入によって投与される2mg/kgのペムブロリズマブ、およびペムブロリズマブの投与前に1~7日間投与され、任意で、ペムブロリズマブの投与日に投与され、任意で、疾患進行まで、または治療的利益がなくなるまで投与される約0.1~100mgの化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを受ける。
【0122】
別の態様において、がん患者は、2週間毎に静脈内注入によって投与される3mg/kgのニボルマブ、およびニボルマブの投与前に1~7日間投与され、任意で、ニボルマブの投与日に投与され、任意で、疾患進行まで、または治療利益がなくなるまで投与される約0.1~100mgの化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを受ける。
【0123】
別の態様において、がん患者は、2週間毎に静脈内注入によって投与される3mg/kgのニボルマブ、およびニボルマブの投与前に1~7日間投与され、任意で、ニボルマブの投与日に投与され、任意で、疾患進行まで、または治療利益がなくなるまで投与される約0.1~100mgの化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを受ける。
【0124】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤によるがん患者の処置は、免疫チェックポイント阻害剤が単独で投与される時より迅速に抗増殖応答を誘導する。
【0125】
V. 定義
本開示の説明に関して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という用語、および類似の指示対象は、他に示されない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において他に示されない限り、範囲内に含まれる別々の各値を個々にさす略記法として役立つためのものであり、別々の各値は、本明細書に個々に記載されたかのごとく、本明細書に組み入れられる。本明細書において提供される任意の全ての例、または例示的な言語、例えば、「のような」の使用は、本開示をよりよく例示するためのものであり、他に特許請求の範囲に記載されない限り、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本開示の実施に不可欠な特許請求の範囲に記載されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0126】
「約」という用語は、本明細書において使用されるように、記載された数±10%を含む。従って、「約10」は、9~11を意味する。
【0127】
本明細書において使用されるように、「処置する」、「処置すること」、「処置」等の用語は、疾患もしくは状態、および/またはそれらに関連する症状の排除、低下、または軽減をさす。除外はされないが、疾患または症状の処置は、疾患、状態、またはそれらに関連する症状が完全に排除されることを必要としない。しかしながら、1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤の投与は、がんの寛解をもたらす。
【0128】
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書において使用されるように、障害の1つまたは複数の症状の軽減をもたらすか、または障害の進展を防止するか、または障害の退縮を引き起こすのに十分な治療剤の量をさす。例えば、がんの処置に関して、1つの態様において、治療的に有効な量は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約100%、またはそれ以上の治療的応答、例えば、血球数の正常化、腫瘍増殖速度の減少、腫瘍量の減少、転移の数の減少、腫瘍進行までの時間の増加、および/または対象の生存時間の増加を引き起こす治療剤の量をさす。
【0129】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容されるビヒクル」という用語は、標準的な薬学的な担体、溶媒、界面活性剤、またはビヒクルのうちの任意のものを包含する。好適な薬学的に許容されるビヒクルには、水性ビヒクルおよび非水性ビヒクルが含まれる。標準的な薬学的担体およびそれらの製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co,Easton,PA,19th ed.1995に記載されている。
【0130】
「容器」という用語は、薬学的生成物の保管、輸送、分配、および/または取り扱いに適した任意の貯蔵手段および閉鎖手段を意味する。
【0131】
「添付文書」という用語は、医師、薬剤師、および患者が生成物の使用に関して情報に基づく決定を行うことを可能にするのに必要とされる、安全性および有効性のデータと共に、生成物を投与する方法の説明を提供する、薬学的生成物に添付される情報を意味する。添付文書は、一般に、薬学的生成物についての「ラベル」と見なされる。
【0132】
いくつかの態様において、組み合わせて投与される場合、2つ以上の薬剤は、相乗効果を有し得る。「相乗性」、「相乗的な」、「相乗的に」という用語、および「相乗効果」または「相乗的な組み合わせ」または「相乗的な組成物」のようなそれらの派生語は、本明細書において使用されるように、ある薬剤と少なくとも1つの付加的な治療剤との組み合わせの生物学的活性が、個々に投与された時のそれぞれの薬剤の生物学的活性の和より大きい状況をさす。例えば、「相乗的に有効な」という用語は、本明細書において使用されるように、薬物の総効果が、各薬物の個々の効果の和より大きくなることを引き起こす、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONと、免疫チェックポイント阻害剤との間の相互作用をさす。例えば、Berenbaum,Pharmacological Reviews 41:93-141(1989)を参照すること。
【0133】
相乗性は、一般に、
QaQA + QbQB = 相乗指数(SI)
(式中、QAは、成分Aに関連した終点を生じる、単独で作用する成分Aの濃度であり;
Qaは、終点を生じる、混合物中の成分Aの濃度であり;
QBは、成分Bに関連した終点を生じる、単独で作用する成分Bの濃度であり;
Qbは、終点を生じる、混合物中の成分Bの濃度である)によって決定される比から、F.C.Kull et al.Applied Microbiology 9,538(1961)によって記載された方法によって決定され得る「相乗性指数(SI)」によって表され得る。
【0134】
一般に、Qa/QAとQb/QBの和が1より大きい場合、拮抗性が示される。和が1に等しい場合、相加性が示される。和が1未満である場合、相乗性が証明される。SIが低いほど、その特定の混合物によって示される相乗性は大きくなる。従って、「相乗的な組み合わせ」は、単独で使用された時の個々の成分の観察された活性に基づき予想され得るものより高い活性を有する。さらに、成分の「相乗的に有効な量」とは、例えば、組成物中に存在する他の治療剤において相乗効果を誘発するのに必要な成分の量をさす。
【0135】
「間欠用量投与」、「間欠投薬スケジュール」という用語、および類似の用語は、本明細書において使用されるように、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの対象への、即ち、連続的ではない投与をさす。出願人は、前臨床動物モデルにおいて、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの間欠用量投与が、連続投薬によって達成される抗がん有効性を維持するか、または改善するが、より少ない副作用、例えば、より少ない体重減少を有することを予想外に見出した。本開示において有用な間欠用量投与計画は、治療的に有効な量の化合物1、化合物2、化合物3、またはDONを、その必要がある対象へ提供する任意の不連続投与計画を包含する。間欠投薬計画は、連続投薬計画において使用される用量と等しいか、それより低いか、または高い、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの用量を使用することができる。化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの間欠用量投与の利点には、安全性の改善、毒性の減少、例えば、体重減少の減少、曝露の増加、有効性の増加、および/または対象のコンプライアンスの増加が含まれるが、これらに限定されるわけではない。これらの利点は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONが、単一の薬剤として投与される場合に、または免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、任意で、1つもしくは複数の付加的な治療剤と組み合わせて投与される場合に実現し得る。化合物1、化合物2、化合物3、またはDONが対象へ投与されることが予定されている日に、投与は、単回で行われてもよいし、または、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、もしくはそれ以上に分割されて行われてもよい。また、投薬は、任意の好適な経路、例えば、経口または皮下を介して行われてよい。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、対象へ皮下投与される。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、対象へ静脈内投与される。別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、化合物が投与されることが予定されている日に、1回(QD)または2回(BID)、対象へ投与される。
【0136】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、がんを処置するために、間欠投薬スケジュールに従って、対象へ投与される。別の態様において、間欠投薬スケジュールは、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの治療指数を増加させる。治療指数とは、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONの、治療効果、例えば、腫瘍量の減少、腫瘍進行までの時間の増加、および/または対象の生存時間の増加を引き起こす量と、毒性、例えば、体重減少を引き起こす量との比較である。
【0137】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、対象へ隔日投与される。
【0138】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、週1回、対象へ投与される。
【0139】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、週2回、連続する日、例えば、月曜日および火曜日に、対象へ投与される。
【0140】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、週2回、連続しない日、例えば、月曜日および水曜日に、対象へ投与される。
【0141】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、週3回、連続する日、例えば、月曜日、火曜日、および水曜日に、対象へ投与される。
【0142】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、週3回、連続しない日、例えば、月曜日、水曜日、および金曜日に、対象へ投与される。
【0143】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する約4週間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、4、5、6、もしくは7日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0144】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する約3週間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、4、5、6、もしくは7日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0145】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する約2週間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、4、5、6、もしくは7日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0146】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する3週間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、4、もしくは5日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0147】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、4、もしくは5日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0148】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、もしくは4日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0149】
1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する2、3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2、3、もしくは4日間にわたって、化合物は対象へ投与されない。
【0150】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する2日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0151】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する3日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0152】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する4日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0153】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0154】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する6日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0155】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する7日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0156】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する8日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0157】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する9日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0158】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する10日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0159】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する11日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0160】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する12日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0161】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する13日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0162】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する14日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0163】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する15日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0164】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する16日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0165】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する17日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0166】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する18日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0167】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する19日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0168】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する20日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0169】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する21日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する3または4日間にわたって、化合物は投与されない。
【0170】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する2日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0171】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する3日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0172】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する4日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0173】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0174】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する6日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0175】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する7日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0176】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する8日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0177】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する9日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0178】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する10日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0179】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する11日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0180】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する12日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0181】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する13日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0182】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する14日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0183】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する15日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0184】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する16日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0185】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する17日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0186】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する18日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0187】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する19日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0188】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する20日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0189】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する21日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2または3日間にわたって、化合物は投与されない。
【0190】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する2日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0191】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する3日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0192】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する4日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0193】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0194】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0195】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する6日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0196】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する7日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0197】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する8日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0198】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する9日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0199】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する10日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0200】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する11日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0201】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する12日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0202】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する13日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0203】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する14日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0204】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する15日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0205】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する16日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0206】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する17日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0207】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する18日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0208】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する19日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0209】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する20日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0210】
別の態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、連続する21日間にわたって、対象へ投与され、その後の1日または連続する2日間にわたって、化合物は投与されない。
【0211】
「併用投与」、「組み合わせて投与される」、「同時投与」、および類似の語句は、2つ以上の薬剤が、処置される対象へ併用投与されることを意味する。「併用」とは、各薬剤が同時に投与されるか、または異なる時点で任意の順序で逐次的に投与されることを意味する。しかしながら、同時に投与されない場合、それらは、所望の治療効果を提供するために、十分に近い時点で、個体へ逐次投与され、協調的に作用することができることを意味する。例えば、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤と同時に投与されてもよいし、または異なる時点で任意の順序で逐次的に投与されてもよい。化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、それぞれ、適切な形態で、任意の好適な経路、例えば、SCおよびIV注射によって、別々に投与されてもよい。化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤が併用投与されない場合、それらは、その必要がある対象へ任意の順序で投与され得ることが理解される。例えば、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、もしくはそれ以上前)に投与されてもよいし、同時に投与されてもよいし、または後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、もしくはそれ以上後)に投与されてもよい。様々な態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤は、1分、10分、30分、1時間未満、約1時間、1時間~2時間、2時間~3時間、3時間~4時間、4時間~5時間、5時間~6時間、6時間~7時間、7時間~8時間、8時間~9時間、9時間~10時間、10時間~11時間、11時間~12時間、24時間以下、48時間以下、3日以下、または1週間以下の間隔で投与される。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤が投与される日の1~14日前に投与される。1つの態様において、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONは、免疫チェックポイント阻害剤が投与される日の1~7日前に投与される。別の態様において、免疫チェックポイント阻害剤が投与される日に、化合物1、化合物2、化合物3、またはDONも投与される。
【0212】
VI. 具体的な態様
本開示は、以下の具体的な態様を提供する。
【0213】
態様1. 治療的に有効な量の以下:
(a)化合物1;または
(b)化合物2;または
(c)化合物3;または
(c)DON;および
(d)免疫チェックポイント阻害剤
を、その必要がある対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する方法であって、
化合物1または化合物2または化合物3またはDONが、間欠投薬スケジュールに従って該対象へ投与される、
方法。
【0214】
態様2. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、およびTIM3阻害剤からなる群より選択される、態様1の方法。
【0215】
態様3. 免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、態様2の方法。
【0216】
態様4. PD-1阻害剤が抗PD-1抗体である、態様3の方法。
【0217】
態様5. 抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、PDR001、MEDI-0680、AGEN2034、BGB-A317、AB122、TSR-042、PF-06801591、セミプリマブ、SYM021、JNJ-63723283、HLX10、LZM009、およびMGA012からなる群より選択される、態様4の方法。
【0218】
態様6. 免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、態様2の方法。
【0219】
態様7. PD-L1阻害剤が抗PD-L1抗体である、態様6の方法。
【0220】
態様8. 抗PD-L1抗体が、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびSTI-A1014からなる群より選択される、態様7の方法。
【0221】
態様9. 免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4阻害剤である、態様2の方法。
【0222】
態様10. 抗CTLA-4阻害剤が抗CTLA-4抗体である、態様9の方法。
【0223】
態様11. 抗CTLA-4抗体が、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群より選択される、態様10の方法。
【0224】
態様12. 免疫チェックポイント阻害剤がLAG3阻害剤である、態様2の方法。
【0225】
態様13. LAG3阻害剤が抗LAG3抗体である、態様12の方法。
【0226】
態様14. 抗LAG3抗体がGSK2831781である、態様13の方法。
【0227】
態様15. 免疫チェックポイント阻害剤がTIM3阻害剤である、態様2の方法。
【0228】
態様16. TIM3阻害剤が抗TIM3抗体である、態様15の方法。
【0229】
態様17. がんが少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤による処置に対して抵抗性になっている、態様1~16のいずれか1つの方法。
【0230】
態様18. 化合物1または化合物2またはDONが免疫チェックポイント阻害剤の前に対象へ投与される、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0231】
態様19. 化合物1または化合物2またはDONが免疫チェックポイント阻害剤の後に対象へ投与される、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0232】
態様20. 化合物1または化合物2またはDONが免疫チェックポイント阻害剤と同時に対象へ投与される、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0233】
態様21. 化合物1または化合物2またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤の対象への投与が、対象におけるがんを処置するのに相乗的に有効である、態様1~20のいずれか1つの方法。
【0234】
態様22. がんが固形腫瘍である、態様1~21のいずれか1つの方法。
【0235】
態様23. がんが血液がんである、態様1~21のいずれか1つの方法。
【0236】
態様24. がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、態様1~21のいずれか1つの方法。
【0237】
態様25. がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、態様24の方法。
【0238】
態様26. がんが結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、態様26の方法。
【0239】
態様27. 化合物1または化合物2または化合物3またはDONが、3、4、5、6、7、8、9、または連続する10日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物1または化合物2または化合物3またはDONが対象へ投与されない、態様1~26のいずれか1つの方法。
【0240】
態様28. 化合物1または化合物2または化合物3またはDONが、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物1または化合物2またはDONが対象へ投与されない、態様27の方法。
【0241】
態様29. 化合物1または化合物2または化合物3またはDONが対象へ皮下投与される、態様1~28のいずれか1つの方法。
【0242】
態様30. DONが対象へ投与される、態様1~29のいずれか1つの方法。
【0243】
態様31. 治療的に有効な量の化合物1または化合物2を、間欠投薬スケジュールに従って、その必要がある対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する方法。
【0244】
態様32. がんが固形腫瘍である、態様31の方法。
【0245】
態様33. がんが血液がんである、態様31の方法。
【0246】
態様34. がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、態様31の方法。
【0247】
態様35. がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、態様34の方法。
【0248】
態様36. がんが結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、態様35の方法。
【0249】
態様37. 化合物1または化合物2または化合物3が、連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物1または化合物2または化合物3が対象へ投与されない、態様31~36のいずれか1つの方法。
【0250】
態様38. 化合物1または化合物2または化合物3が、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物1または化合物2または化合物3が対象へ投与されない、態様37の方法。
【0251】
態様39. 化合物1または化合物2または化合物3が対象へ皮下投与される、態様31~38のいずれか1つの方法。
【0252】
態様40. 化合物1が対象へ投与される、態様1~39のいずれか1つの方法。
【0253】
態様41. 化合物2が対象へ投与される、態様1~39のいずれか1つの方法。
【0254】
態様42. 対象がヒトである、態様1~41のいずれか1つの方法。
【0255】
態様43. 対象におけるがんの処置において使用するための、
化合物1もしくは化合物2もしくは化合物3もしくはDON、または
化合物1もしくは化合物2もしくは化合物3もしくはDONと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物
であって、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて間欠投薬スケジュールに従って対象へ投与される、化合物または組成物。
【0256】
態様44. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、およびTIM3阻害剤からなる群より選択される、態様43の使用のための化合物または組成物。
【0257】
態様45. 免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、態様44の使用のための化合物または組成物。
【0258】
態様46. PD-1阻害剤が抗PD-1抗体である、態様45の使用のための化合物または組成物。
【0259】
態様47. 抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、PDR001、MEDI-0680、AGEN2034、BGB-A317、AB122、TSR-042、PF-06801591、セミプリマブ、SYM021、JNJ-63723283、HLX10、LZM009、およびMGA012からなる群より選択される、態様46の使用のための化合物または組成物。
【0260】
態様48. 免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、態様44の使用のための化合物または組成物。
【0261】
態様49. PD-L1阻害剤が抗PD-L1抗体である、態様48の使用のための化合物または組成物。
【0262】
態様50. 抗PD-L1抗体が、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびSTI-A1014からなる群より選択される、態様49の使用のための化合物または組成物。
【0263】
態様51. 免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4阻害剤である、態様44の使用のための化合物または組成物。
【0264】
態様52. 抗CTLA-4阻害剤が抗CTLA-4抗体である、態様51の使用のための化合物または組成物。
【0265】
態様53. 抗CTLA-4抗体がイピリムマブおよびトレメリムマブからなる群より選択される、態様52の使用のための化合物または組成物。
【0266】
態様54. 免疫チェックポイント阻害剤がLAG3阻害剤である、態様44の使用のための化合物または組成物。
【0267】
態様55. LAG3阻害剤が抗LAG3抗体である、態様54の使用のための化合物または組成物。
【0268】
態様56. 抗LAG3抗体がGSK2831781である、態様55の使用のための化合物または組成物。
【0269】
態様57. 免疫チェックポイント阻害剤がTIM3阻害剤である、態様44の使用のための化合物または組成物。
【0270】
態様58. TIM3阻害剤が抗TIM3抗体である、態様57の使用のための化合物または組成物。
【0271】
態様59. がんが少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤による処置に対して抵抗性であるか、または抵抗性になっている、態様43~58のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0272】
態様60. 免疫チェックポイント阻害剤の前に対象へ投与される、態様43~59のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0273】
態様61. 免疫チェックポイント阻害剤の後に対象へ投与される、態様43~59のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0274】
態様62. 免疫チェックポイント阻害剤と同時に対象へ投与される、態様43~59のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2またはDON。
【0275】
態様63. 化合物または組成物、および免疫チェックポイント阻害剤の対象への投与が、対象におけるがんを処置するのに相乗的に有効である、態様43~62のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0276】
態様64. 対象におけるがんの処置において使用するための、
化合物1もしくは化合物2もしくは化合物3もしくはDON、または
化合物1もしくは化合物2もしくは化合物3もしくはDONと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物
であって、間欠投薬スケジュールに従って対象へ投与される、化合物または組成物。
【0277】
態様65. がんが固形腫瘍である、態様43~64のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0278】
態様66. がんが血液がんである、態様43~64のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0279】
態様67. がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、態様43~64のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0280】
態様68. がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、態様67の使用のための化合物または組成物。
【0281】
態様69. がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんからなる群より選択される、態様68の使用のための化合物または組成物。
【0282】
態様70. 化合物または組成物が、連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物または組成物が対象へ投与されない、態様43~60のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0283】
態様71. 化合物または組成物が、連続する5日間にわたって、対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物または組成物が対象へ投与されない、態様70の使用のための化合物または組成物。
【0284】
態様72. 対象へ皮下投与される、態様43~71のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0285】
態様73. 化合物1、または化合物1と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物が、対象へ投与される、態様43~72のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0286】
態様74. 化合物2、または化合物2と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物が、対象へ投与される、態様43~72のいずれか1つの使用のための化合物または組成物。
【0287】
態様75. 対象におけるがんを処置するための医薬の製造における化合物1または化合物2または化合物3またはDONの使用であって、化合物が、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて間欠投薬スケジュールに従って対象へ投与される、使用。
【0288】
態様76. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、およびTIM3阻害剤からなる群より選択される、態様75の使用。
【0289】
態様77. 免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、態様76の使用。
【0290】
態様78. PD-1阻害剤が抗PD-1抗体である、態様77の使用。
【0291】
態様79. 抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、PDR001、MEDI-0680、AGEN2034、BGB-A317、AB122、TSR-042、PF-06801591、セミプリマブ、SYM021、JNJ-63723283、HLX10、LZM009、およびMGA012からなる群より選択される、態様78の使用。
【0292】
態様80. 免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、態様76の使用。
【0293】
態様81. PD-L1阻害剤が抗PD-L1抗体である、態様80の使用。
【0294】
態様82. 抗PD-L1抗体が、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびSTI-A1014からなる群より選択される、態様81の使用。
【0295】
態様83. 免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4阻害剤である、態様76の使用。
【0296】
態様84. 抗CTLA-4阻害剤が抗CTLA-4抗体である、態様83の使用。
【0297】
態様85. 抗CTLA-4抗体が、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群より選択される、態様84の使用。
【0298】
態様86. 免疫チェックポイント阻害剤がLAG3阻害剤である、態様76の使用。
【0299】
態様87. LAG3阻害剤が抗LAG3抗体である、態様86の使用。
【0300】
態様88. 抗LAG3抗体がGSK2831781である、態様87の使用。
【0301】
態様89. 免疫チェックポイント阻害剤がTIM3阻害剤である、態様76の使用。
【0302】
態様90. TIM3阻害剤が抗TIM3抗体である、態様89の使用。
【0303】
態様91. がんが少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤による処置に対して抵抗性になっている、態様75~90のいずれか1つの使用。
【0304】
態様92. 化合物が免疫チェックポイント阻害剤の前に対象へ投与される、態様75~91のいずれか1つの使用。
【0305】
態様93. 化合物が免疫チェックポイント阻害剤の後に対象へ投与される、態様75~91のいずれか1つの使用。
【0306】
態様94. 化合物が免疫チェックポイント阻害剤と同時に対象へ投与される、態様75~91のいずれか1つの使用。
【0307】
態様95. 化合物および免疫チェックポイント阻害剤の対象への投与が、対象におけるがんを処置するのに相乗的に有効である、態様75~94のいずれか1つの使用。
【0308】
態様96. 対象におけるがんを処置するための医薬の製造における化合物1または化合物2または化合物3またはDONの使用であって、化合物が間欠投薬スケジュールに従って対象へ投与される、使用。
【0309】
態様97. がんが固形腫瘍である、態様75~96のいずれか1つの使用。
【0310】
態様98. がんが血液がんである、態様75~96のいずれか1つの使用。
【0311】
態様99. がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、態様75~96のいずれか1つの使用。
【0312】
態様100. がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頚部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、態様99の使用。
【0313】
態様101. がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんからなる群より選択される、態様100の使用。
【0314】
態様102. 連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、化合物が対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物が対象へ投与されない、態様74~101のいずれか1つの使用。
【0315】
態様103. 連続する5日間にわたって、化合物が対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、化合物が対象へ投与されない、態様102の使用。
【0316】
態様104. 化合物が対象へ皮下投与される、態様75~103のいずれか1つの使用。
【0317】
態様105. 化合物1が対象へ投与される、態様75~104のいずれか1つの使用。
【0318】
態様106. 化合物2が対象へ投与される、態様75~104のいずれか1つの使用。
【0319】
態様107. その必要がある対象へと、連続する5日間、治療的に有効な量のDONを投与する工程であって、その後、DONが投与されない、連続する2日間が続く、工程
を含む、がんを有する対象を処置する方法。
【0320】
態様108. がんが固形腫瘍である、態様107の方法。
【0321】
態様109. がんが血液がんである、態様107の方法。
【0322】
態様110. がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、態様107の方法。
【0323】
態様111. がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頚部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、態様110の方法。
【0324】
態様112. がんが結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、態様111の方法。
【0325】
態様113. DONが対象へ皮下投与される、態様107~112のいずれか1つの方法。
【0326】
態様114. 対象がヒトである、態様107~113のいずれか1つの方法。
【0327】
態様115. 約0.1mg/kg~約2mg/kgのDONが対象へ投与される、態様107~114のいずれか1つの方法。
【0328】
態様116. 化合物1または化合物2または化合物3またはDONが対象へ静脈内投与される、態様1~28のいずれか1つの方法。
【0329】
態様117. 化合物1または化合物2または化合物3が対象へ静脈内投与される、態様31~38のいずれか1つの方法。
【0330】
態様118. 化合物3が対象へ投与される、態様1~39のいずれか1つの方法。
【0331】
態様119. (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸(化合物3)またはその薬学的に許容される塩。
【0332】
態様120. 態様119の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【実施例
【0333】
以下の略語が実施例において使用され得る:
AAALAC Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care
i.p. 腹腔内
IACUC Institutional Animal Care and Use Committee
GLP グッド・ラボラトリー・プラクティス(Good Laboratory Practice)
RT 室温
QD 1日1回
s.c. 皮下注射
BW 体重
BWL 体重減少
RCBW 体重の相対変化
TV 腫瘍体積
RTV 相対腫瘍体積
TGI 腫瘍増殖阻害
PBS リン酸緩衝生理食塩水
SEM 平均値の標準誤差
N 動物数
D 日
EDTA エチレンジアミン四酢酸
DMEM ダルベッコ変法イーグル培地
G 群
No. 番号
g グラム
mm3 立方ミリメートル
mpk mg/kg
【0334】
実施例において、化合物1は、遊離塩基として投与された。化合物1は、表および図面において「Cpd.1」とも呼ばれる。抗PD-1を含む組み合わせ研究においては、BioXcell製の抗mPD-1(カタログ番号BE0146)が使用された。
【0335】
実施例1
雌の皮下MC-38マウス結腸直腸がんモデルにおける化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験:用量応答
I. 概要
腫瘍形成のために、雌C57BL/6マウスの右側腹部にMC-38細胞を皮下接種した。腫瘍接種の4日後、50~92mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ63mm3)を有する64匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の8群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)、S.C. QDによって処置され、群2は、化合物1(0.1mg/kg)、S.C. QDによって処置され、群3は、化合物1(0.3mg/kg)、S.C. QDによって処置され、群4は、化合物1(0.5mg/kg)、S.C. QDによって処置され、群5は、化合物1(1mg/kg)、S.C. QDによって処置され、群6は、化合物1(3mg/kg)、S.C. QD*5日の後、化合物1(1mg/kg)、S.C. QD*9日(2サイクル)によって処置され、群7は、化合物1(1mg/kg)、S.C. QD*5日の後、化合物1(0.3mg/kg)、S.C. QD*9日(2サイクル)によって処置され、群8は、化合物1(0.15mg/kg)、S.C.BIDによって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D74に終了した。
【0336】
II. 実験方法および手法
動物種:ハツカネズミ(Mus musculus);系統:C57BL/6;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):17~21g。
【0337】
MC-38腫瘍細胞は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清および100μg/mLペニシリン・ストレプトマイシンが補足されたDMEM培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞を、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養した。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養されたMC-38を採集し、生存度>90%で、1×107細胞/mLの密度で、基本培地に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.1mlの基本培地中の1×106を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0338】
腫瘍サイズが50~92mm3(平均腫瘍サイズ63mm3)に達した腫瘍接種後4日目に処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。試験物質を、表1-1に示される予定された計画に従って、10mg/kgの投薬量でマウスへ投与した。試験物質製剤は、標準的な手法に従って調製された。腫瘍の測定および終点ならびに統計分析に関する詳細は、実施例3に提供される。
【0339】
(表1-1)有効性研究のための群および処置
【0340】
III. 結果
体重変化
群6は、いくらかの体重減少を示したが、他の処置は、MC-38腫瘍担持C57BL/6マウスによって、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図1に示される。
【0341】
腫瘍増殖分析
化合物1を投薬されたMC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表1-2および図2に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表1-3に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は2000mm3に達した腫瘍体積として定義される)は、図3に示される。生存分析は、表1-4に示される。
【0342】
タイム・トゥ・エンドポイント(Time-to-endpoint)カプランマイヤー生存分析は、全ての処置群が、ビヒクル群と比較して、有意な延命効果を示すことを示した。群4の1匹および群7の2匹は、腫瘍の完全な拒絶を有し、終了日に無腫瘍のままであった。
【0343】
(表1-2)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0344】
(表1-3)14日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
【0345】
(表1-4)生存分析
【0346】
実施例2A
雌BALB/cマウスにおける4T1マウス乳がんモデルにおける抗PD-1の存在下および非存在下での化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験
I. 概要
腫瘍形成のために、雌BALB/cマウスの乳腺脂肪体に4T1細胞を皮下接種した。腫瘍接種の6日後、49~88mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ59mm3)を有する48匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の6群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)、s.c. q.d.×14によって処置され、群2は、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群3は、化合物1、3mg/kg、s.c. q.d.×5Dの後、1mg/kg、s.c. q.d.×9D によって処置され、群4は、化合物1、3mg/kg、s.c. q.d.×5Dの後、1mg/kg、s.c. q.d.×9D+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群5は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14Dによって処置され、群6は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14D+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D42に終了した。この研究においては、抗mPD-1(カタログ番号BE0146)が使用された。
【0347】
II. 実験方法および手法
動物種:ハツカネズミ;系統:BALB/c;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):20~24g。
【0348】
4T1腫瘍細胞は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清および100μg/mLペニシリン・ストレプトマイシンが補足されたRPMI-1640培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞を、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養した。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養された4T1細胞を採集し、生存度>90%で、2×106細胞/mLの密度で、基本培地に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.05mlの基本培地中の1×105を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0349】
腫瘍サイズが49~88mm3(平均腫瘍サイズ59mm3)に達した腫瘍接種後6日目に、処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。試験物質を、表2A-1に示される予定された計画に従って、示された投薬量で、マウスへ投与した。試験物質製剤は、標準的な手法に従って調製された。腫瘍の測定および終点ならびに統計分析に関する詳細は、実施例3に提供される。
【0350】
(表2A-1)有効性研究のための群および処置
【0351】
III. 結果
体重変化
4T1腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図4に示される。体重減少が15%を超えた時、処置を中断した。処置中断の後、体重は急速に回復した。
【0352】
腫瘍増殖分析
化合物1および抗PD-1を投薬された4T1腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表2A-2および図5に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表2A-3に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は2000mm3に達した腫瘍体積として定義される)は、図6に示される。生存分析は、表2A-4に示される。
【0353】
群3および群4は、いくらかの体重減少を誘導したが、その他の処置は、4T1腫瘍担持BALB/cマウスにおいて、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。ビヒクル対照群と比較して、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4群を除く全ての処置が、D25に有意な阻害を示した。タイム・トゥ・エンドポイント・カプランマイヤー生存分析は、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4群を除く全ての処置が、ビヒクル群と比較して、有意な予想外の延命効果を示すことを示した。
【0354】
(表2A-2)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0355】
(表2A-3)25日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
a. 平均値±SEM;b. 全ての群の、G1との比較;c. 組み合わせ群の、G2との比較;d. 組み合わせ群の、化合物1単独治療群との比較
【0356】
(表2A-4)生存分析
【0357】
実施例2B
雌BALB/cマウスにおけるCT26.WTマウス結腸直腸モデルにおける抗PD-1の存在下および非存在下での化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験
I. 概要
腫瘍形成のために、雌BALB/cマウスの右側腹部にCT26.WT細胞を皮下接種した。腫瘍接種の5日後、39~61mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ49mm3)を有する48匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の6群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)、s.c. q.d.×14によって処置され、群2は、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群3は、化合物1、3mg/kg、s.c. q.d.×5Dの後、1mg/kg、s.c. q.d.×9Dによって処置され、群4は、化合物1、3mg/kg、s.c. q.d.×5Dの後、1mg/kg、s.c. q.d.×9D+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群5は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14Dによって処置され、群6は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14D+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D64に終了した。
【0358】
II. 実験方法および手法
動物種:ハツカネズミ;系統:BALB/c;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):20~24g。
【0359】
CT26.WT腫瘍細胞(ATCC、カタログ番号CRL-2638(商標))は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン、ならびにL-グルタミン(2mM)が補足されたRPMI 1640培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞を、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養した。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養されたCT26.WT細胞を採集し、生存度>90%で、基本培地中に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.05ml基本培地中の3×105を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0360】
腫瘍サイズが39~61mm3(平均腫瘍サイズ49mm3)に達した腫瘍接種後5日目に、処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。試験物質を、表2B-1に示される予定された計画に従って、示された投薬量で、マウスへ投与した。試験物質製剤は、標準的な手法に従って調製された。腫瘍の測定および終点ならびに統計分析に関する詳細は、実施例3に提供される。
【0361】
(表2B-1)有効性研究のための群および処置
【0362】
III. 結果
体重変化
CT26.WT腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図7に示される。体重減少が15%を超えた時、処置を中断した。処置中断の後、体重は急速に回復した。
【0363】
腫瘍増殖分析
化合物1および抗PD-1を投薬されたCT26.WT腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表2B-2および図8に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表2B-3に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は2000mm3に達した腫瘍体積として定義される)は、図9に示される。生存分析は、表2B-4に示される。
【0364】
群3は、いくらかの体重減少を誘導したが、その他の処置は、CT26.WT腫瘍担持BALB/cマウスにおいて、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。ビヒクル対照群と比較して、全ての処置が、D15に有意な阻害を示した。タイム・トゥ・エンドポイント・カプランマイヤー生存分析は、全ての処置が、ビヒクル群と比較して、有意な延命効果を示すことを示した。群4および6は、単独治療対照群と比較して、腫瘍増殖阻害および生存の有意な改善も示した。
【0365】
(表2B-2)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0366】
(表2B-3)55日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
a. 平均値±SEM;b. 全ての群の、G1との比較;c. 組み合わせ群の、G2との比較;d. 組み合わせ群の、化合物1単独治療群との比較
【0367】
(表2B-4)生存分析
【0368】
CT26モデルを使用した類似の実験において、化合物1と抗PD-1処置との組み合わせを、化合物1についての5日オン2日オフ投薬スケジュールを使用して試験した。表2B-6を参照すること。化合物1と抗PD-1処置との組み合わせは、表2B-5に示されるように、化合物1の1.4、0.5、および0.15mg/kgの用量で、有意な予想外の生存の増加を示した。図22に示されるように、全ての用量群において、抗PD-1または化合物1単独のいずれかと比較して、有意な抗腫瘍活性および延命効果が観察された(p<0.001)。この相乗効果は、組み合わせ群において、驚くべき数の用量依存性の長期持続的な治癒をもたらし、0.15mg/kg、0.5mg/kg、および1.4mg/kgの化合物1組み合わせ群において、それぞれ、12.5%、37.5%、および62.5%の治癒をもたらした。
【0369】
(表2B-5)
【0370】
(表2B-6)
a12日目に決定;b15日目に決定;NA:適用不可
【0371】
追跡研究において、組み合わせ処置によって「治癒」した9匹のマウス(1.4mg/kg群からの5匹、0.5mg/kg群からの3匹、および0.15mg/kg群からの1匹)、ならびに8匹のナイーブマウスを、CT26腫瘍によって再チャレンジした。9匹の治癒マウスは、全て、CT26腫瘍の再移植を拒絶した。ナイーブマウスは、いずれも、CT26腫瘍の再移植を拒絶しなかった。これらのデータは、化合物1と抗PD-1との組み合わせが、予想外の長期の免疫記憶応答を呼び起こすことを示唆している。
【0372】
実施例2C
雌C57BL/6における皮下EL4マウスリンパ腫モデルにおける抗PD-1の存在下および非存在下での化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験
I. 概要
腫瘍形成のために、雌C57BL/6マウスの右側腹部にEL4細胞を皮下接種した。腫瘍接種の5日後、50~76mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ65mm3)を有する48匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の6群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)、s.c. qd×14によって処置され、群2は、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群3は、化合物1、0.3mg/kg、s.c. q.d.×14によって処置され、群4は、化合物1、0.3mg/kg、s.c. q.d.×14+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群5は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14によって処置され、群6は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D19に終了した。
【0373】
II. 実験方法および手法
動物種:ハツカネズミ;系統:BALB/c;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):17~22g。
【0374】
EL4腫瘍細胞は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウマ血清および100μg/mLペニシリン・ストレプトマイシンが補足されたDMEM培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞を、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養した。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養されたEL4を採集し、生存度>90%で、8.79×105細胞/mLの密度で基本培地に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.1mlの基本培地中の2×105を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0375】
腫瘍サイズが50~76mm3(平均腫瘍サイズ65mm3)に達した腫瘍接種後5日目に、処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。試験物質を、表2C-1に示される予定された計画に従って、示された投薬量でマウスへ投与した。試験物質製剤は、標準的な手法に従って調製された。腫瘍の測定および終点ならびに統計分析に関する詳細は、実施例3に提供される。
【0376】
(表2C-1)有効性研究のための群および処置
【0377】
III. 結果
体重変化
EL4腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図10に示される。
【0378】
腫瘍増殖分析
化合物1および抗PD-1を投薬されたEL4腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表2C-2および図11に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表2C-3に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は腫瘍体積に達した2000mm3として定義される)は、図12に示される。生存分析は、表2C-4に示される。
【0379】
全ての処置が、EL4腫瘍担持C57BL/6マウスによって、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。ビヒクル対照群と比較して、抗PD-1単独治療群を除く全ての処置が、D7に有意な阻害を示した。タイム・トゥ・エンドポイント・カプランマイヤー生存分析は、群5および6が、ビヒクル群と比較して、有意な予想外の延命効果を示すことを示した。
【0380】
(表2C-2)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0381】
(表2C-3)7日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
a. 平均値±SEM;b. 腫瘍サイズに基づき計算されたp値
【0382】
(表2C-4)生存分析
【0383】
実施例2D
雌の皮下MC-38マウス結腸直腸がんモデルにおける抗PD-1の存在下および非存在下での化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験
I. 概要
腫瘍形成のために、雌C57BL/6マウスの右側腹部にMC-38細胞を皮下接種した。腫瘍接種の5日後、50~100mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ72mm3)を有する48匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の6群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)s.c. qd×14によって処置され、群2は、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群3は、化合物1、0.3mg/kg、s.c. q.d.×14によって処置され、群4は、化合物1、0.3mg/kg、s.c. q.d.×14+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群5は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14によって処置され、群6は、化合物1、1mg/kg、s.c. q.d.×14+抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D37に終了した。
【0384】
II. 実験方法および手法
動物種:ハツカネズミ;系統:BALB/c;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):18~22g。
【0385】
MC-38腫瘍細胞は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清および100μg/mLペニシリン・ストレプトマイシンが補足されたDMEM培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞を、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養した。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養されたMC-38を採集し、生存度>90%で、1×107細胞/mLの密度で、基本培地に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.1mlの基本培地中の1×106細胞を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0386】
腫瘍サイズが50~100mm3(平均腫瘍サイズ72mm3)に達した腫瘍接種後5日目に、処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。
【0387】
試験物質を、表2D-1に示される予定された計画に従って、示された投薬量でマウスへ投与した。試験物質製剤は、標準的な手法に従って調製された。腫瘍の測定および終点ならびに統計分析に関する詳細は、実施例3に提供される。
【0388】
(表2D-1)有効性研究のための群および処置
【0389】
III. 結果
体重変化
MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図13に示される。
【0390】
腫瘍増殖分析
抗PD-1および化合物1を投薬されたMC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表2D-2および図14に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表2D-3に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は2000mm3に達した腫瘍体積として定義される)は、図15に示される。生存分析は、表2D-4に示される。
【0391】
群3および群6は、いくらかの体重減少を誘導したが、その他の処置は、MC-38腫瘍担持C57BL/6マウスにおいて、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。ビヒクル対照群と比較して、全ての処置が、D16に有意な阻害を示した。タイム・トゥ・エンドポイント・カプランマイヤー生存分析は、抗PD-1、10mg/kg単独治療群を除く全ての処置群が、ビヒクル(G1)群と比較して、有意な予想外の延命効果を示すことを示した。
【0392】
(表2D-2)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0393】
(表2D-3)7日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
a. 平均値±SEM;b. 全ての群の、G1との比較;c. 組み合わせ群の、G2との比較;d. 組み合わせ群の、化合物1単独治療群との比較
【0394】
(表2D-4)生存分析
a. 全ての群の、G1との比較;b. 組み合わせ群の、G2との比較;c. 組み合わせ群の、化合物1単独治療群との比較
【0395】
実施例3
雌C57BL/6マウスにおける皮下MC-38マウス結腸直腸がんモデルにおける化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験:スケジュール比較
I. 概要
腫瘍形成のために、雌C57BL/6マウスの右側腹部にMC-38細胞を皮下接種した。腫瘍接種の6日後、50~100mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ71mm3)を有する64匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の8群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)S.C. QD*20日によって処置され、群2は、化合物1、1mpk、S.C. QD*28日によって処置され、群3は、化合物1、0.5mpk、S.C. QD*28日によって処置され、群4は、化合物1、1.4mpk、S.C. 5日オン2日オフ×4サイクルによって処置され、群5は、化合物1、0.7mpk、S.C. 5日オン2日オフ×4サイクルによって処置され、群6は、化合物1、3mpk、qd×5の後、1mpk、qd×23、S.C. QDによって処置され、群7は、化合物1、1.5mpk、qd×5の後、0.5mpk、qd×23、S.C. QDによって処置され、群8は、化合物1、1.4mpk、10日オン4日オフ×2サイクル、S.C.によって処置された。
【0396】
群5の4匹のマウスは、D67に無腫瘍であり、100μLの基本DMEM中に懸濁した1×106 MC-38細胞を左側腹部に皮下接種された。対照として、5匹のナイーブマウスに、同一の接種条件で接種した。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。この研究は、D102に終了した。
【0397】
II. 実験方法および手法
種:ハツカネズミ;系統:C57BL/6;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):16~20g。
【0398】
MC-38腫瘍細胞は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清および100μg/mLペニシリン・ストレプトマイシンが補足されたDMEM培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞を、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養した。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養されたMC-38を採集し、生存度>90%で、1×107細胞/mLの密度で基本培地に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.1mlの基本培地中の1×106細胞を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0399】
腫瘍サイズが50~100mm3(平均腫瘍サイズ71mm3)に達した腫瘍接種後6日目に、処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。試験物質を、表3-1に示される予定された計画に従って、10mL/Kgの投薬量でマウスへ投与した。
【0400】
(表3-1)有効性研究のための群および処置
【0401】
腫瘍の測定および終点
ノギスを使用して、2次元で、週3回、腫瘍サイズを測定し、式:V = 0.5a×b2(式中、aおよびbは、それぞれ、腫瘍の長径および短径である)を使用して、体積をmm3で表した。次いで、腫瘍サイズを、腫瘍増殖阻害(TGI)およびT/C値の両方の計算に使用した。
【0402】
TGIは、以下の式:
TGI(%) = [1 - (TV処置_N日目 - TV処置_0日目)/(TVビヒクル_N日目 - TVビヒクル_0日目)]×100%
を使用して、各群について計算される。
【0403】
TV処置_N日目は、所定の日における処置群の平均腫瘍体積であり、TV処置_0日目は、処置の最初の日における処置群の平均腫瘍体積であり、TVビヒクル_N日目は、所定の日におけるビヒクル対照群の平均腫瘍体積であり、TV処置_0日目は、処置の最初の日におけるビヒクル対照群の平均腫瘍体積である。
【0404】
T/C値(%)は、抗腫瘍有効性の指標であり、T/C(%) = RTV処置/RTV対照×100%(RTV処置:処置群の平均RTV;RTV対照:ビヒクル処置群の平均RTV)である。RTV(相対腫瘍体積) = TV N日目 / TV 0日目。TV N日目およびTV 0日目は、それぞれ、N日目および0日目の腫瘍体積である。National Cancer Instituteの基準によると、T/C(%)≦42%が、有意な抗腫瘍活性と見なされ、<10%が、高度に有意な抗腫瘍活性と見なされる。
【0405】
各マウスの体重の相対変化(RCBW)は、以下の式:
RCBW(%) = (BW処置_N日目 - BW処置_0日目) / BW処置_0日目×100%
に従って計算された。
【0406】
動物生存曲線:個々の動物が終結終点(TV>2000mm3)に達した時、マウスを安楽死させた。処置の開始から終了までの時間を生存時間と見なした。生存曲線をカプランマイヤー法によってプロットした。各群について中央生存時間(MST)を計算した。寿命の増加(ILS)は、以下の式:
ILS(%) = (MST処置 - MSTビヒクル) / MSTビヒクル×100%
に従って計算された。
【0407】
ILS(%)>25%が、生物学的に有意な延命効果と見なされる。
【0408】
統計分析
異なる群の間の腫瘍体積は、二元配置の反復測定ANOVAによって分析された。ビヒクル群との比較のためには、ダネットの事後検定が使用された。全てのデータが、GraphPad Prism 6.0を使用して分析された。P<0.05が、統計的に有意と見なされる。
【0409】
III. 結果
体重変化
MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図16に示される。体重減少が15%を超えた時、処置を中断した。処置中断の後、体重は急速に回復した。
【0410】
腫瘍増殖分析
化合物1を投薬されたMC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表3-3および図17に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表3-4に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は2000mm3に達した腫瘍体積として定義される)は、図18に示される。生存分析は、表3-5に示される。
【0411】
群2(1mpk、QD)、群6(3mpk、QD×5の後、1mpk)、群3(0.5mpk、QD)の2匹、および群7(1.5mpk、qd×5の後、0.5mpk)の2匹は、いくらかの体重減少を示したが、その他の処置は、MC-38腫瘍担持C57BL/6マウスにおいて、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。ビヒクル対照群と比較して、全ての処置が、D13に有意な阻害を示した。タイム・トゥ・エンドポイント・カプランマイヤー生存分析は、全ての処置群が、ビヒクル(G1)群と比較して、有意な延命効果を示すことを示した。群4(1.4mpk、S.C. 5日オン2日オフ×4サイクル)および群5(0.7mpk、S.C. 5日オン2日オフ×4サイクル)は、抗腫瘍活性を維持し、長期持続的な無腫瘍応答動物を誘導しながら、有意な体重低下のない優れた予想外の忍容性を示し、このことから、化合物1の最適な処置スケジュールが示唆された。群5の4匹は、D67に完全に無腫瘍であり、「治癒」と呼ばれた。次いで、同じ4匹のマウスにMC-38細胞を再移植した。4匹中3匹のみが腫瘍を再増殖させ、予想外に、1匹は、再移植後35日目に依然として無腫瘍であり、このことから、MC-38モデルにおける化合物1処置の可能性のある長期免疫記憶効果が示唆された。
【0412】
(表3-3)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0413】
(表3-4)13日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
a. 平均値±SEM;b. 全ての群の、G1との比較
【0414】
(表3-5)生存分析
a. 全ての群の、G1との比較
【0415】
再移植研究の結果
群5の4匹は、D67に無腫瘍であり、100μLの基本DMEM中に懸濁した1×106 MC-38細胞が、左側腹部に皮下接種された。対照として、5匹のナイーブマウスに、同一の接種条件で接種した。再移植されたMC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表3-6に示される。
【0416】
(表3-6)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM
【0417】
実施例4
雌C57BL/6における皮下MC-38マウス結腸直腸がんモデルにおける抗PD-1の存在下および非存在下での化合物1の抗腫瘍有効性のインビボ試験
I. 概要
腫瘍形成のために、雌C57BL/6マウスの右側腹部にMC-38細胞を皮下接種した。腫瘍接種の6日後、50~100mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ71mm3)を有する64匹のマウスを選択し、腫瘍体積に基づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の8群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル(ツイーン80:エタノール:生理食塩水-5:5:90v/v/v)、s.c. qd×14によって処置され、群2は、抗PD-1、10mg/kg、i.p. q4d×4によって処置され、群3は、化合物1、3mpk、qd×5、scの後、1mpk、qd×9、scによって処置され、群4は、化合物1、3mpk、qd×5、scの後、1mpk、qd×9、sc+抗PD-1、q4d×4、ipによって処置され、群5は、化合物1、1mpk、qd×5、scの後、0.3mpk、qd×9、scによって処置され、群6は、化合物1、1mpk、qd×5、scの後、0.3mpk、qd×9、sc+抗PD-1、q4d×4、ipによって処置され、群7は、化合物1、0.3mpk、qd×5、scの後、0.1mpk、qd×9、scによって処置され、群8は、化合物1、0.3mpk、qd×5、scの後、0.1mpk、qd×9、sc+抗PD-1、q4d×4、ipによって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D56に終了した。
【0418】
II. 実験方法および手法
動物種:ハツカネズミ;系統:BALB/c;齢:6~8週;性別:雌;体重(処置開始時):16~20g。
【0419】
MC-38腫瘍細胞は、空気中5%CO2の雰囲気で、37℃で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清および100μg/mLペニシリン・ストレプトマイシンが補足されたDMEM培地中の単層培養物として、インビトロで維持された。腫瘍細胞は、トリプシン-EDTA処理によって、週2回、ルーチンに継代培養された。約70%~80%のコンフルエンシーまで増殖した細胞を採集し、腫瘍接種のために計数した。培養されたMC-38を採集し、生存度>90%で、1×107細胞/mLの密度で、基本培地に再懸濁させた。腫瘍形成のために、0.1mlの基本培地中の1×106細胞を、各マウスの右側腹部に皮下接種した。
【0420】
腫瘍サイズが50~100mm3(平均腫瘍サイズ71mm3)に達した腫瘍接種後6日目に処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。試験物質を、表4-1に示される予定された計画に従って、示された投薬量でマウスへ投与した。試験物質製剤は、標準的な手法に従って調製された。腫瘍の測定および終点ならびに統計分析に関する詳細は、実施例3に提供される。
【0421】
(表4-1)有効性研究のための群および処置
【0422】
III. 結果
体重変化
MC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスの体重変化は、図19に示される。体重減少が15%を超えた時、処置を中断した。処置中断の後、体重は急速に回復した。
【0423】
腫瘍増殖分析
抗PD-1(aPD-1)および化合物1を投薬されたMC-38腫瘍を担持する雌C57BL/6マウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表4-2および図20に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表4-3に示される。カプランマイヤー生存曲線(終点は2000mm3に達した腫瘍体積として定義される)は、図21に示される。生存分析は、表4-4に示される。
【0424】
群3は、いくらかの体重減少を誘導したが、その他の処置は、MC-38腫瘍担持C57BL/6マウスにおいて、有害効果が観察されることなく、忍容性が良かった。ビヒクル対照群と比較して、全ての処置が、D12に有意な阻害を示した。タイム・トゥ・エンドポイント・カプランマイヤー生存分析は、全ての処置群が、ビヒクル(G1)群と比較して、有意な延命効果を示すことを示した。
【0425】
(表4-2)経時的な腫瘍体積
a. 平均値±SEM;n=8
【0426】
(表4.3)12日目のTV測定に基づく腫瘍増殖阻害計算
a. 全ての群の、G1との比較;b. 組み合わせ群の、G2との比較;c. 組み合わせ群の、化合物1単独治療群との比較
【0427】
(表4.4)生存分析
【0428】
実施例5
雌BALB/cマウスにおけるCT26.WTマウス結腸直腸モデルにおける化合物1のインビボ抗腫瘍有効性:スケジュール比較
腫瘍形成のために、雌BALB/cマウスの右側腹部にCT26.WT細胞を皮下接種した。腫瘍サイズが40~79mm3(平均腫瘍サイズ57mm3)に達した腫瘍接種後6日目に処置を開始した。各群は、8匹の腫瘍担持マウスからなっていた。化合物1を、表5-1に示される予定された計画に従って、マウスへ投与した。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D57に終了した。その他の実験方法および手法は、実施例2Bに記載されたものと類似している。
【0429】
(表5-1)有効性研究のための群および処置
【0430】
化合物1を投薬されたCT26.WT腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積、腫瘍増殖阻害分析、および生存分析は、表5-2に示される。全ての処置群が、ビヒクル対照と比較して、有意な腫瘍増殖阻害(p<0.001)を14日目に示した。
【0431】
(表5-2)
a14日目に決定:NA:適用不可
【0432】
1.4mg/kgの同一用量でのスケジュールの比較は、5日オン2日オフから、3日オン4日オフへ、14日目に切り替えることによって、1.4mg/kg、5日オン2日オフ×4サイクルと比較して、腫瘍増殖阻害が低下することを示している。1.4mg/kg、5日オン2日オフで投薬された化合物1は、1/8の長期治癒を含む最大生存中央値(106%ILS)を達成した。図24および図25を参照すること。体重の相対変化に基づく忍容性は、群間で類似していた。
【0433】
化合物1を、5日オン2日オフ、または3日オン4日オフのスケジュール、例えば、月~水もしくは月水金の3日オン4日オフスケジュールで4週間投薬した。これらの群は、1サイクル当たりの等しい総用量を比較するために含まれた。3日オン4日オフスケジュール、月~水または月水金の投薬スケジュールは、等しい有効性および延命効果を示した。予想外に、このモデルにおいて、5日オン2日オフスケジュールは、3日オン4日オフスケジュールと比較して、優れた腫瘍増殖阻害および延命効果を示した。図26および図27を参照すること。
【0434】
より高い用量で観察されたのと同様に、5日オン2日オフスケジュールは、3日オン4日オフスケジュールと比較して、より低い用量レベルでも、腫瘍増殖阻害の改善を維持しているが、類似の生存アウトカムを示す。より低い用量レベルで、より高頻度の投薬は、改善された腫瘍増殖阻害を提供する。図28および図29を参照すること。
【0435】
実施例6
Balb/CマウスにおけるH22皮下同系モデルにおける抗PD-L1の存在下および非存在下での化合物1のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌BALB/cマウスの右側腹部にH22腫瘍細胞を皮下接種した。処置を腫瘍接種後6日目に開始し、マウスを21日間処置した。研究の継続期間中、腫瘍および体重の測定を継続し、生存を106日目まで記録した。結果は、表6-1、表6-2、および図23に要約される。全てのケースにおいて、投薬量は10ml/kgであった。PD-L1抗体は、Bioxcellから得られた。
【0436】
(表6-1)
a26日目に決定;b26日目に決定;NA:適用不可
【0437】
(表6-2)
【0438】
単独の抗PD-L1、5mg/kg、週2回による処置は、このモデルにおいて、最小の腫瘍増殖阻害効果を有していた。単独の化合物1による処置は、0.7および1.4mg/kgの両方において、有意な抗腫瘍活性を示し、約80%のTGIを有していた(p<0.001)。化合物1と抗PD-L1との組み合わせは、それぞれ、両方の組み合わせ群について、抗PD-L1または化合物1による単独治療と比較して、統計的に有意に大きい抗腫瘍活性を示し、約96%のTGIを有していた(p<0.001)。化合物1と抗PD-L1との組み合わせの、この相乗的な抗腫瘍活性は、0.7mg/kgおよび1.4mg/kgの組み合わせ群について、それぞれ、76日および96日という予想外の増加した延命効果をもたらし、これらは、単独の抗PD-L1(<0.001)および単独の化合物1(<0.001)の両方と比較して統計的に有意であった。組み合わせ処置は、0.7mg/kgおよび1.4mg/kgの組み合わせ群において、それぞれ、12.5%および50%という驚くべき長期持続的な治癒をもたらした。
【0439】
実施例7
細胞生存度に対する化合物1およびDONの有効性
実験1
細胞を、37℃および5%CO2雰囲気で、適切な培地において培養した。細胞を、トリプシン処理によって採集し、800rpmで5分間、回転させ、培地中に再懸濁させた。細胞濃度を培地で調整し、96穴プレートの各ウェルに90μL中3000細胞という細胞密度で播種し、37℃および5%CO2で一晩インキュベートした。24時間後、1mM試験化合物(化合物1またはDONのいずれか)を、それぞれ、3倍勾配に従って7つの濃度に段階希釈し、10μl/ウェルの薬物を添加した。最終濃度は、100μM、33.33μM、11.11μM、3.7μM、1.24μM、0.41μM、0.14μM、および0.046μMであった。100μM陽性対照薬物を、3倍勾配に従って7つの濃度に段階希釈し、10μl/ウェルの薬物を添加した。最終濃度は、10μM、3.333μM、1.111μM、0.37μM、0.124μM、0.041μM、0.014μM、および0.0046μMであった。細胞を37℃および5%CO2で72時間インキュベートした。次いで、100μLのCTG試薬を各ウェルに添加した。プレートを2分間振とうし、室温で10分間置いた。Perkin Elmer Envision 2104 Multilabel Readerで発光を記録した。GraphPad Prism5ソフトウェアを使用して、曲線を適合させることによって、IC50を得た。結果は、表7.1に提供される。全てのケースにおいて、処置時間は72時間であった。
【0440】
(表7.1)
【0441】
実験2
研究設計
94の細胞株を、増殖特徴に依って、500~7000細胞/ウェルの変動する密度で播種した。PBMCを、50,000~100,000細胞/ウェルの密度で播種した。細胞を、化合物処置前に48時間インキュベートした。化合物1およびDONを、1nM~100μMの濃度範囲で評価した。DMSOによる化合物1の希釈およびPBSによるDONの希釈を、96穴0.5mLプレート(Greiner Bio-One、Germany)において実施した。次いで、化合物をRPMI培地で1:100希釈した。(0.1%の最終DMSO濃度をもたらす)10μLの化合物含有培地との混合によって、90μLの細胞を処置した。細胞を37℃で120時間増殖させた。10%TCA(接着増殖細胞について)または50%TCA(半接着増殖細胞もしくは懸濁増殖細胞について)の添加によって、細胞を表面に固定化した。4℃での1時間のインキュベーションの後、プレートを400μLの脱イオン水で2回洗浄し、乾燥させた。次いで、細胞を100μLの0.04%wt/v SRBで染色した。プレートを室温で少なくとも30分間インキュベートし、未結合の染料を除去するために、1%酢酸で6回洗浄した。プレートを室温で乾燥させ、結合したSRBを100μLの10mMトリス塩基によって可溶化した。Deelux-LED96プレートリーダー(Deelux Labortechnik GmbH、Germany)を使用して、492nm、520nm、および560nmで、光学濃度を測定した。
【0442】
細胞株は、ATCC、NCI、CLS、およびDSMZ細胞株コレクションから直接購入された。マスターバンクおよび作業アリコートが調製された。研究のために使用された細胞は、20回未満の継代を経ていた。可能性のある混入または誤った割り当てを除外するために、全ての細胞株をSTR分析によって試験した。研究において使用された全ての細胞系について、マイコプラズマ混入がないことが確認された。
【0443】
細胞株は、10%FCS(PAA、Germany)と共に供給された100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンの存在下で、供給業者によって推奨される培地において増殖させられた。RPMI 1640、DMEM、およびMEMアール培地は、PAA(Coelbe、Germany)製、補助剤、2mM L-グルタミン、1mMピルビン酸Na、および1%NEAAは、PAA(Coelbe、Germany)製、2.5%ウマ血清、ヒドロコルチゾン、トランスフェリン、βエストラジオール、亜セレン酸、および1U/mLインスリンは、Sigma-Aldrich(Munich、Germany)製であった。RPMI培地は、以下の細胞系を培養するために使用された:5637、22RV1、786O、A2780、A431、A549、ACHN、ASPC1、BT20、BXPC3、CAKI1、CLS439、COLO205、COLO678、DLD1、DU145、EFO21、EJ28、HCT15、HS578T、IGROV1、JAR、LOVO、MCF7、MDA MB231、MDA MB435、MDA MB436、MDA MB468、MHHES1、MT3、NCI H292、NCI H358M、NCI H460、NCIH82、OVCAR3、OVCAR4、PANC 1005(インスリンの添加)、PBMC、PC3、RDES、SF268、SF295、SKBR3、SK MEL28、SKMEL5、SKOV3、SW620、U2OS、UMUC3、およびUO31。
【0444】
DMEM培地は、A204、A375、A673、C33A、CASKI、HCT116、HEPG2、HS729、HT29、J82、MG63、MIAPACA2(ウマ血清の添加)、PANC1、PLCPRF5、RD、SAOS2、SKLMS1、SKNAS、SNB75、T24、およびTE671を培養するために使用された。
【0445】
MEMアール培地は、CACO2、CALU6、HEK293、HELA、HT1080、IMR90、JEG3、JIMT1、SKHEP1、SKNSH、およびU87MGのために使用された。細胞播種条件は各細胞株について最適化された。細胞播種密度は、増殖特徴に依って、500~7000細胞/ウェルで変動した。末梢血単核細胞(PBMC)は、フィコール溶液を使用した密度勾配遠心(d=1.077)によって、匿名ドナーの全血から新鮮に単離された。簡単に説明すると、血液をPBSで1:1希釈し、フィコール上に注意深く置いた。1000×gでの15分間の遠心分離(ブレーキ速度0)の後、主に白血球を含有するリングをPBS中に収集し、その後、血小板を低下させるために、PBSで3回洗浄した。PBMCを、50,000~100,000細胞/ウェルの密度で播種した。NB-203XXLインキュベーター(N-BIOTEK Inc、Korea)において、5%CO2雰囲気で、細胞を増殖させた。
【0446】
細胞生存度アッセイ
94の細胞株を並行して試験した。細胞増殖および処置は、96穴マイクロタイタープレートCELLSTAR(登録商標)(Greiner Bio-One、Germany)において実施された。トリプシン処理または分割(懸濁増殖細胞のケースにおいて)によって対数期培養物から採集された細胞を、最適な播種密度で90μLの培地で播種した。実験の継続期間中の指数関数的増殖を確実にするために、各細胞株についての最適な播種密度が決定された。抗がん剤なしで増殖した細胞は、全て、視覚的検査によって決定されたように、処置の終わりまでにサブコンフルエントになった。化合物処置前にさらに48時間、細胞を静置した。DMSOによる化合物の希釈を、96穴0.5mL MTPプレート(Greiner Bio-One、Germany)において実施した。次いで、化合物をRPMI培地で1:100希釈した。組み合わせ処置を同時に実施した。90μLの細胞を、(0.1%の最終DMSO濃度をもたらす)10μLの化合物含有培地との混合によって処置した。細胞を37℃で72時間増殖させた。さらに、全ての実験が、48時間の回復期間の直後に分析される細胞を含む少数のプレートを含有した。これらのプレートは、時点ゼロにおける、即ち、処置前の細胞数、TZに関する情報を含有し、細胞毒性を計算するために役立った。10%TCA(接着増殖細胞について)または50%TCA(半接着増殖細胞もしくは懸濁増殖細胞について)の添加によって、細胞を表面に固定化した。4℃での1時間のインキュベーションの後、プレートを400μLの脱イオン水で2回洗浄し、乾燥させた。次いで、細胞を100μLの0.04%wt/v SRBによって染色した。プレートを室温で少なくとも30分間インキュベートし、未結合の染料を除去するために、1%酢酸で6回洗浄した。プレートを室温で乾燥させ、結合したSRBを100μLの10mMトリス塩基によって可溶化した。Deelux-LED96プレートリーダー(Deelux Labortechnik GmbH、Germany)を使用して、492nm、520nm、および560nmで光学濃度を測定した。
【0447】
評価
データ処理における第1の工程は、細胞を含まない培地を含有するプレートおよびウェルに由来する、各プレートについての平均バックグラウンド値を計算することであった。次いで、(薬物の添加なしの細胞を含有する)適切な対照値、抗がん剤によって処置された細胞を表す値、および時点ゼロにおける細胞を含有するウェルの値から、平均バックグラウンド光学濃度を差し引いた。従って、各実験について、以下の値が得られた:対照細胞増殖、C;抗がん剤の存在下での細胞、Ti、および時点ゼロにおける化合物処置前の細胞、Tz(または、いくつかの発表において、T0)。
【0448】
用量応答曲線
非線形曲線適合計算は、社内で開発されたアルゴリズムおよび可視化ツールを使用して実施された(Oncolead)。計算は、最良近似線による用量応答曲線、50%効果についての95%信頼区間を含んでいた(以下を参照すること)。IC50およびIC90。抗がん剤の効果を表す1つの一般的な方法は、試験剤の存在下での細胞の生存度および生存を%T/C×100として測定することである。生存度と用量との間の関係は、用量応答曲線と呼ばれる。曲線を示す必要なしに、この関係を記載するために、2つの主要な値が使用される:50%の%T/C値または50%増殖阻害(IC50)、および10%の%T/C値または90%増殖阻害(IC90)を与える試験剤の濃度。GI50およびTGIおよびLC50
【0449】
これらの測定を使用して、化合物活性による細胞増殖の不完全な阻害(GI)、細胞増殖の完全な阻害(TGI)、および正味の細胞損失(LC)について、細胞応答を計算することができる。50%の増殖阻害(GI50)は、100×[(Ti≠Tz) / (C≠Tz)] = 50として計算される。これは、薬物インキュベーション期間中の対照細胞における正味のタンパク質増加と比較して50%の低下を引き起こす薬物濃度である。換言すると、GI50は、時点ゼロについて補正されたIC50である。IC90と同様に、計算されたGI90値も、試験した全ての化合物について報告される。TGIはTi=Tzから計算された。LC50は、開始時と比較して、薬物インキュベーション期間の終わりに測定されたタンパク質の50%の低下を引き起こす薬物の濃度である。それは、100×[(Ti≠Tz) / Tz] = ≠50として計算された。より長い72時間の処置のために、低い細胞播種密度が必要とされ、LC50はほとんど達成されなかった。
【0450】
データ分析
IC50およびIC90の値は、自動的に算出された。適合アルゴリズムの質をチェックするために、全ての用量応答曲線の視覚的分析を実施した。効果に到達しないかまたは超えないケースにおいては、値を近似するかまたは「-」と表した。試験された最大薬物濃度より大きい値は、全て、分析から除外されたか、またはIC10およびGI10の近似値が分析のために使用された。全ての値を、分析のために、log10変換した。この変換は、統計ツールを適用するための前提条件である、正規分布へのより良好なデータ適合を確実にする。統計分析は、データベース分析ツールとして統合されたOncoleadで開発された独自のソフトウェアを使用して実施された。しかしながら、データベース比較を除き、分析は、MS ExcelまたはSTATISTICA(登録商標)(StatSoft、Hamburg)のいずれかを使用して再現され得る。MS Excelを使用して:平均値、例えば、平均IC50の同定(関数:「平均」);,'',Δ(GI50 - 平均GI50)の計算;およびZスコア(関数「標準化」)。活性プロファイルの比較は、PearsonおよびSpearmanの相関を使用して実施された。化合物1およびDONについてのGI50およびIC50の値は、表7.2に示される。
【0451】
(表7.2)
【0452】
実施例8
CT26.WTモデルにおけるIV経路およびSC経路による化合物1のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌BALB/cマウスの右側腹部にCT26.WT細胞を皮下接種した。腫瘍接種の6日後、32~77mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ56mm3)を有するマウスを選択し、腫瘍体積に群づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の6群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル対照、q.d.×5日オン(月~金)×4サイクル、s.c.によって処置され;群2は、化合物1、0.7mpk×5日オン(月~金)×4サイクル、s.c.によって処置され;群3は、化合物1、1.4mpk×5日オン(月~金)×4サイクル、s.c.によって処置され;群4は、化合物1、4.5mpk×3日オン(月水金)×4サイクル、ivによって処置され;群5は、化合物1、7mpk×2日オン(月木)×4サイクル、ivによって処置され;群6は、化合物1、14mpk×1日オン(月)×4サイクル、ivによって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D44に終了した。全ての処置が、忍容性が良く、有害効果または有意な体重減少はなかった。
【0453】
化合物1を投薬されたCT26.WT腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表8.1に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表8.2に示される。生存分析は、表8.3に示される。腫瘍増殖曲線は、図30に示される。
【0454】
(表8.1)
a. 平均値±SEM;n=8;群1:ビヒクル対象、q.d.×5日オン(月~金)×4サイクル、s.c.;群2:化合物1、0.7mpk×5日オン(月~金)×4サイクル、s.c.;群3:化合物1、1.4mpk×5日オン(月~金)×4サイクル、s.c.;群4:化合物1、4.5mpk×3日オン(月水金)×4サイクル、iv;群5:化合物1、7mpk×2日オン(月木)×4サイクル、iv;群6:化合物1、14mpk×1日オン(月)×4サイクル、iv
【0455】
(表8.2)
平均値±SEM。全ての群の、群1との比較
【0456】
(表8.3)
a全ての群の、G1との比較;b群4~6の、G2との比較;c群4~6の、G3との比較
【0457】
実施例9
MC38モデルにおけるIV経路およびSC経路による化合物1および化合物3のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌C57BL/6マウスの右側腹部にMC38細胞を皮下接種した。腫瘍接種の6日後、52~97mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ71mm3)を有するマウスを選択し、腫瘍体積に群づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の10群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル対照、SC、qd×5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群2は、化合物1、1.4mpk、SC、qd×5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群3は、化合物1、7mpk、IV、biw(月木)×4サイクルによって処置され;群4は、化合物1、14mpk、IV、biw(月木)×4サイクルによって処置され;群5は、化合物1、14mpk、IV、qw(月)×4サイクルによって処置され;群6は、化合物1、21mpk、IV、qw(月)×4サイクルによって処置され;群7は、化合物3、1mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群8は、化合物3、3mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群9は、化合物3、9mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群10は、化合物3、7mpk、IV、tiw(月水金)×4サイクルによって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。2000mm3を超えた腫瘍体積を終点として、生存をモニタリングした。研究全体は、処置の開始後、D44に終了した。全ての処置が、忍容性が良く、有害効果または有意な体重減少はなかった。
【0458】
化合物1または化合物3を投薬されたMC38腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表9.1に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表9.2に示される。生存分析は、表9.3に示される。腫瘍増殖曲線は、図31に示される。
【0459】
(表9.1)
a. 平均値±SEM;n=8;群1:ビヒクル対照、SC、qd×5日オン(月~金)×4サイクル;群2:化合物1、1.4mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル;群3:化合物1、7mpk、IV、biw(月木)×4サイクル;群4:化合物1、14mpk、IV、biw(月木)×4サイクル;群5:化合物1、14mpk、IV、qw(月)×4サイクル;群6:化合物1、21mpk、IV、qw(月)×4サイクル、iv;群7:化合物3、1mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル;群8:化合物3、3mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル;群9:化合物3、9mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル;群10:化合物3、7mpk、IV、tiw(月水金)×4サイクル
【0460】
(表9.2)
平均値±SEM;n=8
【0461】
(表9.3)
a. 全ての群の、群1との比較
【0462】
実施例10
CT26.WT同系モデルにおける化合物1および抗PD-1と組み合わせられた化合物1のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌BALB/cマウスの右側腹部にCT26.WT細胞を皮下接種した。腫瘍接種の6日後、30~81mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ55mm3)を有するマウスを選択し、腫瘍体積に群づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の10群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル対照、10mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群2は、抗PD-1、10mpk、IP、q4d×6によって処置され;群3は、化合物1、1.4mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクルによって処置され;群4は、化合物1+抗PD-1、1.4mpk+10mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル+IP、q4d×6によって処置され;群5は、化合物1、10.5mpk、IV、biw(月木)×4サイクルによって処置され;群6は、化合物1+抗PD-1、10.5mpk+10mpk、IV、biw(月木)×4サイクル+IP、q4d×6によって処置され;群7は、化合物1、7mpk、IV、tiw(月水金)×4サイクルによって処置され;群8は、化合物1+抗PD-1、7mpk+10mpk、IV、tiw(月水金)×4サイクル+IP、q4d×6によって処置され;群9は、化合物1、7mpk、IV、tiw(月火水)×4サイクルによって処置され;群10は、化合物1+抗PD-1、7mpk+10mpk、IV、tiw(月火水)×4サイクル+IP、q4d×6によって処置された。処置中に週3回、腫瘍サイズを測定した。2000mm3を超えた腫瘍体積を終点として、生存をモニタリングした。研究全体は、処置の開始後、D56に終了した。全ての処置が、忍容性が良く、有害効果または有意な体重減少はなかった。
【0463】
化合物1または抗PD-1と組み合わせられた化合物1を投薬されたCT26.WT細胞を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表10.1に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表10.2に示される。生存分析は、表10.3に示される。腫瘍増殖曲線は、図32に示される。
【0464】
(表10.1)
a. 平均値±SEM;n=8;群1:ビヒクル対照、10mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル;群2:抗PD-1、10mpk、IP、q4d×6;群3:化合物1、1.4mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル;群4:化合物1+抗PD-1、1.4mpk+10mpk、SC、qd、5日オン(月~金)×4サイクル+IP、q4d×6;群5:化合物1、10.5mpk、IV、biw(月木)×4サイクル;群6:化合物1+抗PD-1、10.5mpk+10mpk、IV、biw(月木)×4サイクル+IP、q4d×6;群7:化合物1、7mpk、IV、tiw(月水金)×4サイクル;群8:化合物1+抗PD-1、7mpk+10mpk、IV、tiw(月水金)×4サイクル+IP、q4d×6;群9:化合物1、7mpk、IV、tiw(月火水)×4サイクル;群10:化合物1+抗PD-1、7mpk+10mpk、IV、tiw(月火水)×4サイクル+IP、q4d×6
【0465】
(表10.2)
平均値±SEM;n=8
【0466】
(表10.3)
a. 全ての群の、群1との比較
【0467】
実施例11
A549異種移植モデルにおける化合物1のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌BALB/cヌードマウスの右側腹部にA549細胞を皮下接種した。腫瘍接種の8日後、100~200mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ156mm3)を有するマウスを選択し、腫瘍体積に群づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル対照、10ml/kg、IP、bid×21によって処置され;群4は、化合物1、1.4mg/kg、SC、5dオン2dオフ×3サイクルによって処置され;群5は、化合物1、3.3mg/kg、IV、tiw(金日火)×3サイクルによって処置された。処置中に週2回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D21に終了した。全ての処置が、忍容性が良く、有害効果または有意な体重減少はなかった。
【0468】
化合物1を投薬されたA549腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表11.1に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表11.2に示される。
【0469】
(表11.1)
a. 平均値±SEM;n=8;群1:ビヒクル対照、10ml/kg、IP、bid×21;群4:化合物1、1.4mg/kg、SC、5dオン2dオフ×3サイクル;群5:化合物1、3.3mg/kg、IV、tiw(金日火)×3サイクル
【0470】
(表11.2)
平均値±SEM;n=8
【0471】
実施例12
HCT116異種移植モデルにおける化合物1のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌BALB/cヌードマウスの右側腹部にHCT116細胞を皮下接種した。腫瘍接種の9日後、90~260mm3の範囲の腫瘍サイズ(平均腫瘍サイズ155mm3)を有するマウスを選択し、腫瘍体積に群づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル対照、10ml/kg、IP、bid×21によって処置され;群4は、化合物1、1.4mg/kg、SC、5dオン2dオフ×3サイクルによって処置され;群5は、化合物1、3.3mg/kg、IV、tiw(木土月)×3サイクルによって処置された。処置中に週2回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D18に終了した。全ての処置が、忍容性が良く、有害効果または有意な体重減少はなかった。
【0472】
化合物1を投薬されたHCT116腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表12.1に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表12.2に示される。
【0473】
(表12.1)
a. 平均値±SEM;n=8;群1:ビヒクル対照、10ml/kg、IP、bid×21;群4:化合物1、1.4mg/kg、SC、5dオン2dオフ×3サイクル;群5:化合物1、3.3mg/kg、IV、tiw(木土月)×3サイクル
【0474】
(表12.2)
平均値±SEM;n=8
【0475】
実施例13
LK-2異種移植モデルにおける化合物1のインビボ抗腫瘍有効性
腫瘍形成のために、雌BALB/cヌードマウスの右側腹部にLK-2細胞を皮下接種した。腫瘍接種の4日後、約171mm3(112mm3~222mm3の範囲)に達した腫瘍サイズを有するマウスを選択し、腫瘍体積に群づき、層化無作為化を使用して、各群8匹の群に割り当てた。処置は、(D0として定義された)無作為化の日から開始され、群1は、ビヒクル対照、10ml/kg、IP、bid×19によって処置され;群2は、化合物1、1.4mg/kg、SC、5dオン2dオフ×2サイクルの後、化合物1、2.8mg/kg、SC、5dオン2dオフ×1サイクルによって処置され;群3は、化合物1、7mg/kg、IV、tiw(月水金)×3サイクルによって処置され;群4は、化合物1、3.3mg/kg、IV、tiw(月水金)×3サイクルによって処置された。処置中に週2回、腫瘍サイズを測定した。研究全体は、処置の開始後、D18に終了した。全ての処置が、忍容性が良く、有害効果または有意な体重減少はなかった。
【0476】
化合物1を投薬されたLK-2腫瘍を担持する雌BALB/cマウスにおける経時的な平均腫瘍体積は、表13.1に示される。腫瘍増殖阻害分析は、表13.2に示される。
【0477】
(表13.1)
a. 平均値±SEM;n=8;群1:ビヒクル対照、10ml/kg、IP、bid×21;群2:化合物1、1.4mg/kg、SC、5dオン2dオフ×2サイクルの後、DRP-104、2.8mg/kg、SC、5dオン2dオフ×1サイクル;群3:化合物1、7mg/kg、IV、tiw(月水金)×3サイクル;群4:化合物1、3.3mg/kg、IV、tiw(月水金)×3サイクル
【0478】
(表13.2)
平均値±SEM;n=8
【0479】
実施例14
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸(化合物3)の合成
化合物3は、スキーム1に示されるように調製され得る。
スキーム1
【0480】
工程1の過程の説明:
1. DCM(300mL、10V)をN2保護下で500mLリアクタに投入した。
2. プロパ-2-エン-1-オール(134.7g、10.0当量)を攪拌しながら前記リアクタに投入した。
3. DCC(52.58g、1.1当量)をリアクタに投入した。
4. DMAP(1.22g、0.04当量)をリアクタに投入した。
5. 0℃に冷却した。
6. L-ピログルタミン酸(30g、1.0当量)をバッチ式に5℃未満のリアクタに投入した。
7. 0~5℃で一晩(約15時間)撹拌した。
8. IPCのためにサンプリングした(3.4%SM残存)。
9. さらなるDCC(0.1当量)をリアクタに投入した。
10. 0~5℃でさらに7時間攪拌した。
11. IPCのためにサンプリングした(SM:P=4.9%:72%)。
12. 濾過し、固体をDCM(4V)で洗浄した。
13. 濾液を収集し、水(3V*1)および食塩水(3V*1)で洗浄した。
14. 溶媒が蒸留されなくなるまで、真空下で有機相を濃縮した。
15. MTBE(15V)を残渣に投入した。
16. 室温で一晩攪拌した。
17. 未溶解の粘着性半固体を濾過し、MTBE(2V)で洗浄した。
18. 濾液を5gのL-ピログルタミン酸からの別のバッチと合わせた。
19. 濾液を濃縮し、THF(4V*2)によって切り替えた。
20. これによって、53.9gの粗生成物を白色固体として得(収率>100%)、次の工程に直接使用した。
【0481】
工程2の過程の説明
1. THF(600ml、15V)をN2保護下で1Lリアクタに投入した。
2. 化合物1-1(40g、1.0当量)を攪拌しながらリアクタに投入した。
3. -80℃に冷却した。
4. -80±5℃の温度を維持しながら、LiHMDS(THF中1M、224mL、0.95当量)を反応混合物に滴下して投入した。
5. 約20分間撹拌した(溶液1)
6. N2保護下で、別の5LリアクタにTHF(600ml、15V)を投入した。
7. Fmoc-Cl(122.1g、2.0当量)を攪拌しながら前記5Lリアクタに投入した。
8. -80℃に冷却した。
9. -80±5℃の温度を維持しながら、工程5において得られた溶液1を、N2圧下で攪拌しながら徐々に前記5Lリアクタに移した。
10. -80±5℃で0.5時間攪拌した
11. IPCのためにサンプリングした(化合物1-1残存なし)。
12. -70℃未満の温度を維持しながら、pHが6~7に調整されるまで、飽和NH4Cl(2.4L、60V)によって反応を停止させた。
13. 0℃に加温し、攪拌を中止した。
14. 相を分離し、前記有機相を収集した。
15. 有機相を半飽和食塩水(5V*1)および飽和食塩水(5V*1)で洗浄した。
16. 有機相を10gの化合物1-1からの別のバッチと合わせた。
17. 真空下で有機相を濃縮した。
18. MTBE(8V)およびn-ヘプタン(5V)を残渣に投入し、室温で2時間攪拌した。
19. 濾過した。
20. 固体をDCM(140mL)で室温で30分間再スラリー化した。
21. 固体を濾過し、工程19における濾液を合わせた。
22. 濾液を真空下で濃縮した。
23. この残渣、低い純度を有する約150gの粗粘着性褐色油状物質は、精製するのが極めて困難であった。
24. 粗生成物を、溶離剤としてDCM:PE(1:10~1:0)を使用したカラムクロマトグラフィによって2回精製した。
25. これによって、約94%のHPLC純度を有する約40gの粘着性淡黄色油状物質を得た。
【0482】
工程3の過程の説明
1. THF(450ml、15V)をN2保護下で1Lリアクタに投入した。
2. TMSCHN2(n-ヘキサン中2M、46.2mL、1.2当量)を攪拌しながらリアクタに投入した。
3. -80℃未満に冷却した。
4. -85±5℃の温度を維持しながら、n-BuLi(n-ヘキサン中2.5M、37.9mL、1.23当量)をリアクタに滴下して投入した。
5. -85±5℃で約30分間攪拌した(溶液1)。
6. THF(600mL、20V)を、N2保護下で、別の2Lリアクタに投入した。
7. 化合物1-2(30g、1.0当量)を攪拌しながら前記2Lリアクタに投入した。
8. -90℃未満に冷却した。
9. 工程5において得られた溶液1を、-85℃未満でN2圧を介して、攪拌しながら前記2Lリアクタに移した。
10. -85±5℃で15分間攪拌した。
11. IPCのためにサンプリングした(約2.2%DRP104-M1-2残存)。
12. -80℃未満の温度を維持しながら、飽和NH4Cl(300mL、10V)によって反応を停止させた。
13. 0℃に加温し、攪拌を中止した。
14. 相を分離し、前記有機相を収集した。
15. 有機相を半飽和食塩水(5V*1)および飽和食塩水(5V*1)で洗浄した。
16. 有機相を10gの化合物1-2からの別のバッチと合わせた。
17. 残存する残渣が3V未満になるまで、真空下で有機相を濃縮し、MTBE(5V*3)によって切り替えた。
18. MTBE(5V)を残渣に投入し、室温で1~2時間攪拌した。
19. 濾過し、固体をMTBE(2V)で洗浄した。
20. 固体を収集し、乾燥させた。
21. これによって、約92.2%のHPLC純度を有する約30gの淡黄色固体を得た。
【0483】
工程4の過程の説明
1. ジエチルアミン(100mL、12V)をN2雰囲気下で250mLリアクタに投入した。
2. 10℃未満に冷却した。
3. 化合物1-3(8.0g、1.0当量)を攪拌しながらリアクタに投入した。
4. 10±5℃で3.5時間攪拌した。
5. HPLC分析のためにサンプリングした(化合物1-3の残存なし)。
6. 残存する残渣が2V以下になるまで、反応混合物を室温で真空下で濃縮した。
7. 残存する残渣が2V以下になるまで、残渣をDCM(5V)によって3回切り替えた。
8. 残渣をDCM(5V)で希釈して溶液1を得た。
9. DCM(15V)を別のリアクタに投入した。
10. N-アセチル-L-トリプトファン(4.56g、1.0当量)を攪拌しながら前記リアクタに投入した。
11. DIC(2.33g、1.0当量)、oxyma pure(2.63g、1.0当量)、および2,4,6-コリジン(2.92g、1.3当量)を前記リアクタに投入した。
12. 10℃未満に冷却した。
13. 溶液1を前記リアクタに徐々に投入した。
14. 室温に加温し、室温で2~3時間攪拌した。
15. HPLC分析のためにサンプリングした(SM:P=8. 0%:76.7%)。
16. 別のバッチ(2g)と合わせた。
17. 前記反応混合物を1M KHSO4(3V*1)、水(3V*2)、および食塩水(3V*1)で洗浄した。
18. 残存する残渣が2V以下になるまで有機相を濃縮した。
19. 残存する残渣が2V以下になるまで、EtOAc(5V)で2回切り替えた。
20. 室温で一晩攪拌した。
21. 濾過し、固体を少量のEtOAc(1V)で洗浄した。
22. 固体を収集し、乾燥させた。
23. 97.8%HPLC純度を有する9.0gの淡黄色固体を得た。
【0484】
工程5の過程の説明
1. THF(80mL、20V)を250mLリアクタに投入した。
2. 化合物1-4(4.0g、1.0当量)を攪拌しながらリアクタに投入した。
3. 10℃未満に冷却した。
4. 10℃未満の温度を維持しながら、NaOH(1M、9.1mL、1.0当量)をリアクタに投入した。
5. 0~10℃で2時間反応させた後、HPLC分析のためにサンプリングした(化合物1-4の残存なし)。
6. 0~10℃で、AcOH(1.0当量)を反応混合物に投入した。
7. 20分間攪拌した後、水(10V)を前記反応混合物に投入した。
8. 有機溶媒を真空下で蒸留した。
9. 約6gの粗半固体を凍結乾燥後に得た。
10. (溶離剤としてMeOHを使用した)SFCによってさらに精製した後、80.2%HPLC純度を有する化合物3(約600mg;褐色固体)を得た。1Hおよび13C NMRは、構造と一致した。
【0485】
以上、本明細書において方法、化合物、および組成物を十分に記載したが、本明細書において提供される方法、化合物、および組成物、またはそれらの態様の範囲に影響を及ぼすことなく、条件、製剤、およびその他のパラメータの広く等しい範囲において、同一のものが実施され得ることを、当業者は理解するであろう。本明細書において引用された全ての特許、特許出願、および刊行物は、その全体が参照によって完全に本明細書に組み入れられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2021-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、対象におけるがんの処置において使用するための薬学的組成物であって、
該化合物が、
(a)イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物;または
(b)イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩;または
(c)(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩;または
(d)6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
であり、かつ、
該薬学的組成物は、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて間欠投薬スケジュールに従って該対象へ投与され
該免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体、抗LAG3抗体、または抗TIM3抗体である、
該薬学的組成物。
【請求項2】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、PDR001、MEDI-0680、AGEN2034、BGB-A317、AB122、TSR-042、PF-06801591、セミプリマブ、SYM021、JNJ-63723283、HLX10、LZM009、およびMGA012からなる群より選択される、請求項1記載の薬学的組成物
【請求項3】
前記抗PD-L1抗体が、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびSTI-A1014からなる群より選択される、請求項1記載の薬学的組成物
【請求項4】
抗CTLA-4抗体が、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群より選択される、請求項1記載の薬学的組成物
【請求項5】
抗LAG3抗体がGSK2831781である、請求項1記載の薬学的組成物
【請求項6】
前記がんが、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤による処置に対して抵抗性であるか、または抵抗性になっている、請求項1~5のいずれか一項記載の薬学的組成物
【請求項7】
ソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む、対象におけるがんの処置において使用するための薬学的組成物であって、
該薬学的組成物は、間欠投薬スケジュールに従って対象へ投与される、
該薬学的組成物
【請求項8】
前記がんが固形腫瘍であるか、または血液がんである、請求項1~7のいずれか一項記載の薬学的組成物
【請求項9】
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、請求項1~7のいずれか一項記載の薬学的組成物
【請求項10】
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含む前記薬学的組成物が、週3回、連続しない日に前記対象へ投与される、請求項1~9のいずれか一項記載の薬学的組成物
【請求項11】
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む前記薬学的組成物が、前記対象へ投与される、請求項1~10のいずれか一項記載の薬学的組成物
【請求項12】
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含む前記薬学的組成物が、前記対象へ投与される、請求項1~10のいずれか一項記載の薬学的組成物
【請求項13】
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
請求項13記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
別の局面において、本開示は、化合物1、化合物2、化合物3、またはDON、および免疫チェックポイント阻害剤を含むキットを提供する。
[本発明1001]
治療的に有効な量の以下:
(a)イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物;または
(b)イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩;
(c)(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩;または
(d)6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン;および
(e)免疫チェックポイント阻害剤
を、その必要がある対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する方法であって、
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、または
イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンもしくはその薬学的に許容される塩
が、間欠投薬スケジュールに従って該対象へ投与される、
方法。
[本発明1002]
免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG3阻害剤、およびTIM3阻害剤からなる群より選択される、本発明1001の方法。
[本発明1003]
免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、本発明1002の方法。
[本発明1004]
PD-1阻害剤が抗PD-1抗体である、本発明1003の方法。
[本発明1005]
抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、STI-A1110、PDR001、MEDI-0680、AGEN2034、BGB-A317、AB122、TSR-042、PF-06801591、セミプリマブ、SYM021、JNJ-63723283、HLX10、LZM009、およびMGA012からなる群より選択される、本発明1004の方法。
[本発明1006]
免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、本発明1002の方法。
[本発明1007]
PD-L1阻害剤が抗PD-L1抗体である、本発明1006の方法。
[本発明1008]
抗PD-L1抗体が、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、およびSTI-A1014からなる群より選択される、本発明1007の方法。
[本発明1009]
免疫チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4阻害剤である、本発明1002の方法。
[本発明1010]
抗CTLA-4阻害剤が抗CTLA-4抗体である、本発明1009の方法。
[本発明1011]
抗CTLA-4抗体が、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群より選択される、本発明1010の方法。
[本発明1012]
免疫チェックポイント阻害剤がLAG3阻害剤である、本発明1002の方法。
[本発明1013]
LAG3阻害剤が抗LAG3抗体である、本発明1012の方法。
[本発明1014]
抗LAG3抗体がGSK2831781である、本発明1013の方法。
[本発明1015]
免疫チェックポイント阻害剤がTIM3阻害剤である、本発明1002の方法。
[本発明1016]
TIM3阻害剤が抗TIM3抗体である、本発明1015の方法。
[本発明1017]
前記がんが、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤による処置に対して抵抗性であるか、または抵抗性になっている、本発明1001~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、免疫チェックポイント阻害剤の前に前記対象へ投与される、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、免疫チェックポイント阻害剤の後に前記対象へ投与される、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1020]
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、免疫チェックポイント阻害剤と同時に前記対象へ投与される、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1021]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、および免疫チェックポイント阻害剤の前記対象への投与が、前記対象におけるがんを処置するのに相乗的に有効である、本発明1001~1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
前記がんが固形腫瘍である、本発明1001~1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
前記がんが血液がんである、本発明1001~1021のいずれかの方法。
[本発明1024]
前記がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、本発明1001~1021のいずれかの方法。
[本発明1025]
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、本発明1024の方法。
[本発明1026]
前記がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、本発明1025の方法。
[本発明1027]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、週3回、連続しない日に前記対象へ投与される、本発明1001~1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ投与されない、本発明1001~1026のいずれかの方法。
[本発明1029]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、連続する5日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ投与されない、本発明1028の方法。
[本発明1030]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ皮下投与される、本発明1001~1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ静脈内投与される、本発明1001~1029のいずれかの方法。
[本発明1032]
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ投与される、本発明1001~1031のいずれかの方法。
[本発明1033]
治療的に有効な量のイソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩を、間欠投薬スケジュールに従って、その必要がある対象へ投与する工程を含む、がんを有する対象を処置する方法。
[本発明1034]
前記がんが固形腫瘍である、本発明1033の方法。
[本発明1035]
前記がんが血液がんである、本発明1033の方法。
[本発明1036]
前記がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、本発明1033の方法。
[本発明1037]
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、本発明1036の方法。
[本発明1038]
前記がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、本発明1037の方法。
[本発明1039]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、週3回、連続しない日に前記対象へ投与される、本発明1033~1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、連続する3、4、5、6、7、8、9、または10日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ投与されない、本発明1033~1038のいずれかの方法。
[本発明1041]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、連続する5日間にわたって、前記対象へ投与され、その後の連続する2日間にわたって、イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ投与されない、本発明1040の方法。
[本発明1042]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ皮下投与される、本発明1033~1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
イソプロピル-(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物、またはイソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ静脈内投与される、本発明1033~1041のいずれかの方法。
[本発明1044]
イソプロピル(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物が、前記対象へ投与される、本発明1001~1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
イソプロピル(S)-2-((S)-6-アセトアミド-2-((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物が、前記対象へ投与される、本発明1001~1043のいずれかの方法。
[本発明1046]
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸もしくはその薬学的に許容される塩が、前記対象へ投与される、本発明1001~1043のいずれかの方法。
[本発明1047]
その必要がある対象へと、連続する5日間にわたって、治療的に有効な量の6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンを投与する工程であって、その後、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが投与されない、連続する2日間が続く、工程
を含む、がんを有する対象を処置する方法。
[本発明1048]
前記がんが固形腫瘍である、本発明1047の方法。
[本発明1049]
前記がんが血液がんである、本発明1047の方法。
[本発明1050]
前記がんが、表1に記載されたがんの群より選択される、本発明1049の方法。
[本発明1051]
前記がんが、肝細胞癌、神経膠芽腫、肺がん、乳がん、頭頸部がん、前立腺がん、黒色腫、および結腸直腸がんからなる群より選択される、本発明1050の方法。
[本発明1052]
前記がんが、結腸直腸がん、乳がん、リンパ腫、黒色腫、腎臓がん、および肺がんである、本発明1051の方法。
[本発明1053]
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンが、前記対象へ皮下投与される、本発明1047~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
前記対象がヒトである、本発明1047~1053のいずれかの方法。
[本発明1055]
約0.1mg/kg~約2mg/kgのDONが、前記対象へ投与される、本発明1047~1054のいずれかの方法。
[本発明1056]
(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸(化合物3)またはその薬学的に許容される塩。
[本発明1057]
本発明1056の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【国際調査報告】