特表 2022-518312 パレット

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-03-15

(54)【発明の名称】パレット

(51)【国際特許分類】

   B65D 19/28 20060101AFI20220308BHJP

【ＦＩ】

B65D19/28 Z

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021503777

(86)(22)【出願日】2020-10-29

(85)【翻訳文提出日】2021-01-22

(86)【国際出願番号】 CN2020124959

(87)【国際公開番号】W WO2021135594

(87)【国際公開日】2021-07-08

(31)【優先権主張番号】201911396318.5

(32)【優先日】2019-12-30

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】520238060

【氏名又は名称】李海維

(71)【出願人】

【識別番号】520238071

【氏名又は名称】張毅鵬

(74)【代理人】

【識別番号】110002103

【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】李海維

(72)【発明者】

【氏名】張毅鵬

【テーマコード（参考）】

3E063

【Ｆターム（参考）】

3E063AA03

3E063BA01

3E063CA04

3E063CA09

3E063CA11

3E063CA30

3E063EE03

(57)【要約】

本発明は、第１金属板と、第２金属板と、を備え、前記第１金属板には、複数の第１突起部がプレス加工により形成され、前記第２金属板は、前記第１金属板の下方に設けられ、第１突起部の下面は、第２金属板の上面に密着され、第２金属板の下端には、複数の支持脚が設けられ、第１金属板は、第２金属板の縁部と固接されるパレットを開示する。本発明は、構造設計が簡単で合理的であり、薄い第１金属板と、第２金属板と、から構成され、第１金属板の上端が下向きにプレスされることにより複数の第１突起部を形成し、第１突起部により第１金属板と第２金属板との間の隙間を充填して「ハニカム状」のような構造を形成することにより、パレットの強度および積載重量を向上させることができるだけではなく、パレットの全体重量を軽減することもできる。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

パレットであって、
複数の第１突起部がプレス加工により形成される第１金属板と、
前記第１金属板の下方に設けられ、上面が前記第１突起部の下面に密着され、縁部が前記第１金属板に固接され、下端に複数の支持脚が設けられる第２金属板とを備える、ことを特徴とするパレット。

【請求項2】

前記第２金属板には、複数の第２突起部がプレス加工により形成され、前記第１突起部の下面は、前記第２突起部の上面に密着される、ことを特徴とする請求項１に記載のパレット。

【請求項3】

前記第１突起部と前記第２突起部との間には、上下方向に沿って排水用の第１貫通孔が貫通される、ことを特徴とする請求項２に記載のパレット。

【請求項4】

前記第１金属板の前記第１突起部に対応する位置および前記第２金属板の前記第２突起部に対応する位置には、いずれも円形溝が形成される、ことを特徴とする請求項２に記載のパレット。

【請求項5】

前記支持脚は、中空のテーパ支持脚であり、テーパ支持脚の前記第２金属板に連接される端が大径端であり、前記第１金属板および前記第２金属板には、いずれも前記支持脚のキャビティに連通する第３貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項１に記載のパレット。

【請求項6】

前記第２金属板には、複数の第２突起部がプレス加工により形成され、前記第１突起部は、中空の第１円台であり、前記第２突起部に第１円台を嵌装可能な第５貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項１に記載のパレット。

【請求項7】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第１鉛直辺が形成され、前記第１鉛直辺は外向きに折り返されてＵ字状溝が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて前記Ｕ字状溝を囲む第２鉛直辺が形成され、前記第２鉛直辺は内向きに折り返されて円弧状の第１縁取りが形成され、前記第１縁取りの末端は、前記Ｕ字状溝の側壁に当接する、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【請求項8】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第３鉛直辺が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第３鉛直辺を囲む第４鉛直辺が形成され、前記第４鉛直辺の下端は、前記第３鉛直辺の側壁に溶接により固定される、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【請求項9】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第５鉛直辺が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第５鉛直辺を囲む第６鉛直辺が形成され、前記第６鉛直辺の長さは、前記第５鉛直辺の長さより長く、前記第６鉛直辺の下端は内向きに９０°折り返されて、水平縁取りが形成され、前記水平縁取りの上面は、前記第２金属板の下面に密着される、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【請求項10】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第７鉛直辺が形成され、前記第７鉛直辺の上端は内向きに捲かれて、第２円弧辺が形成され、前記第２円弧辺の末端は、前記第２金属板の上面に当接し、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第７鉛直辺を囲む第８鉛直辺が形成され、前記第８鉛直辺の下端は内向きに捲かれて、第３円弧辺が形成され、前記第３円弧辺の末端は、前記第１金属板の下面に当接し、前記第３円弧辺の中部は、前記第７鉛直辺の外側壁に密着されて溶接により固定される、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、パレットに関するものである。

【背景技術】

【0002】

パレットは、材料または製品を積載するための支持構造であり、機械、電子、食品、医薬、服装などの業界に広く使用される。従来、木製パレット、プラスチック製パレットがよく知られる。木製パレットに対して、木製パレットが雨の日に湿気を吸い込み、カビが発生しやすくなるため、再使用する前に燻蒸を行うことが必要であり、また、木製パレットが虫害を受けやすく、最終的な製品を得るために、混合消毒を行うことが必要であり、しかも生産その工程が比較的に複雑であり、製造コストが高く、市場競争力が弱いとともに、木製パレットは、壊れやすく、反り上がったバリは包装袋を突き刺して製品に混入しやすく、製品の品質に影響を与えるという問題が存在する。一方、プラスチック製パレットは、荷重が軽く、押圧されて壊れやすいという問題がある。また、木やプラスチックで作られたパレットは強度が足りず、破損しやすい。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0003】

本発明は、関連技術における上述技術課題のうちの少なくとも１つをある程度解決することを目的とする。そのため、本発明は、薄い第１金属板と、第２金属板と、から構成され、第１金属板の上面が下向きにプレスされることにより形成される複数の第１突起部により、第１金属板と第２金属板との間の隙間が充填され、それにより「ハニカム状」のような構造を形成し、パレットの強度および積載重量を向上させるとともに、その全体重量を軽減させることができるパレットを提供することである。

【0004】

本発明の実施例によるパレットにおいて、複数の第１突起部がプレス加工により形成される第１金属板と、前記第１金属板の下方に設けられ、上面が前記第１突起部の下面に密着され、縁部が前記第１金属板に固接され、下端に複数の支持脚が設けられる第２金属板とを備える。

【0005】

本発明の実施例によるパレットは、少なくとも以下の技術効果を奏する。

【0006】

第１金属板の上端が下向きにプレスされることにより形成される複数の第１突起部の下面を第２金属板の上面に密着され、第１突起部を支持柱として機能させることにより、第１金属板と第２金属板との間の隙間を充填して「ハニカム状」のような構造を形成することができる。これにより、第１金属板と第２金属板との連接強度を向上させて、当該パレットの積載重量を増加させることができる。また、第１金属板と第２金属板との間に支持柱を設ける必要がないから、加工工程を簡略化させ、生産効率を向上させることができるだけではなく、パレットの全体重量を軽減して作業者に容易に搬送して使用されることもできる。また、当該パレットは、２枚の薄い金属板と支持脚だけで組み立てられることができるから、構造が簡単で、且つ製造コストが低い。しかも金属材質はリサイクルしやすく、環境に優しいから、資源を節約することができる。

【0007】

本発明の一実施例によると、前記第２金属板には、複数の第２突起部がプレス加工により形成され、前記第１突起部の下面は、前記第２突起部の上面に密着される。

【0008】

本発明の一実施例によると、前記第１突起部と前記第２突起部との間には、上下方向に沿って排水用の第１貫通孔が貫通される。

【0009】

本発明の一実施例によると、前記第１金属板の前記第１突起部に対応する位置および前記第２金属板の前記第２突起部に対応する位置には、いずれも円形溝が形成される。

【0010】

本発明の一実施例によると、前記支持脚は、中空のテーパ支持脚であり、テーパ支持脚の前記第２金属板に連接される端が大径端であり、前記第１金属板および前記第２金属板には、いずれも前記支持脚のキャビティに連通される第３貫通孔が設けられる。

【0011】

本発明の一実施例によると、前記第２金属板には、複数の第２突起部がプレス加工により形成され、前記第１突起部は、中空の第１円台であり、前記第２突起部に第１円台を嵌装可能な第５貫通孔が設けられる。

【0012】

本発明の一実施例によると、前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第１鉛直辺が形成され、前記第１鉛直辺は外向きに折り返されてＵ字状溝を形成し、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記Ｕ字状溝を囲む第２鉛直辺が形成され、前記第２鉛直辺は内向きに折り返されて、円弧状の第１縁取りが形成され、前記第１縁取りの末端は、前記Ｕ字状溝の側壁に当接する。

【0013】

本発明の一実施例によると、前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第３鉛直辺が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第３鉛直辺を囲む第４鉛直辺が形成され、前記第４鉛直辺の下端は、前記第３鉛直辺の側壁に溶接により固定される。

【0014】

本発明の一実施例によると、前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第５鉛直辺が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第５鉛直辺を囲む第６鉛直辺が形成され、前記第６鉛直辺の長さは、前記第５鉛直辺の長さより長く、前記第６鉛直辺の下端は内向きに９０°折り返されて、水平縁取りが形成され、前記水平縁取りの上面は、前記第２金属板の下面に密着される。

【0015】

本発明の一実施例によると、前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第７鉛直辺が形成され、前記第７鉛直辺の上端は内向きに捲かれて、第２円弧辺が形成され、前記第２円弧辺の末端は、前記第２金属板の上面に当接し、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第７鉛直辺を囲む第８鉛直辺が形成され、前記第８鉛直辺の下端は内向きに捲かれて、第３円弧辺が形成され、前記第３円弧辺の末端は、前記第１金属板の下面に当接し、前記第３円弧辺の中部は、前記第７鉛直辺の外側壁に密着され溶接により固定される。

【0016】

本発明の他の態様及びメリットは、以下の説明で提示し、その一部は以下の説明により明確化でき、または本発明を実施することで把握することができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

本発明の上述した態様及び／またはその他の態様及びメリットは、以下の図面と結合して実施例を説明することで明確になって容易に理解できる。その中、

【図1】本発明の実施例による構成を示す上面図である。

【図2】図１におけるＢ箇所の拡大図である。

【図3】図１におけるＡ－Ａ箇所の構成を示す断面図である。

【図4】図３におけるＣ箇所の拡大図である。

【図5】図３におけるＤ箇所の拡大図である。

【図6】本発明の実施例の構成を示す斜視図である。

【図7】図６におけるＥ箇所の拡大図である。

【図8】本発明の実施例における第２金属板と、支持脚との組み立て構成を示す概略図である。

【図9】図８におけるＦ箇所の拡大図である。

【図10】本発明の実施例における第１金属板の構成を示す概略図である。

【図11】図１０におけるＧ箇所の拡大図である。

【図12】本発明の第２の具体的な実施例の構成を正面から示す断面図である。

【図13】図１２におけるＨ箇所の拡大図である。

【図14】本発明の第３の具体的な実施例の構成を正面から示す断面図である。

【図15】図１４におけるＩ箇所の拡大図である。

【図16】本発明の第４の具体的な実施例の構成を正面から示す断面図である。

【図17】図１６におけるＪ箇所の拡大図である。

【図18】本発明の第５の具体的な実施例の構成を正面から示す断面図である。

【図19】図１８におけるＫ箇所の拡大図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本部分は、本発明の具体的な実施例を詳細に説明し、本発明の好ましい実施例は、図面において示される。ただし、図面の役割は、本発明の各構成要素及び全体の技術案を直感的かつ視覚的に理解できるように、図を用いて明細書の文字部分の説明を補足するものであり、本発明の保護範囲を制限するものとして理解されるべきではない。

【0019】

本発明の記載において、方位の説明については、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などで示される方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、本発明の説明および説明の簡略化のためにすぎず、記載される装置または部品が特定の方位を有したり、特定の方位で構成または操作されたりすることを指示または示唆するものではなく、したがって、本発明への制限として理解されるべきではない。

【0020】

本明細書での「第１」、「第２」、「第３」、「第４」、「第５」、「第６」などの用語は、技術的特徴を区別するためのものにすぎず、相対的な重要性を指示または示唆するもの、または示される技術的特徴の数を黙示的に明示するもの、または示される技術的特徴の前後関係を黙示的に明示するものとして理解されるべきではない。

【0021】

本明細書において、明確に限定しない限り、「設ける」、「取り付けられる」、「連接」などの用語は、広義で理解すべきであり、当業者であれば、技術案の具体的な内容に結合して上述の用語の具体的な意味を適宜理解できる。

【0022】

図１～図７に示すように、本発明の実施例によるパレットは、第１金属板１００と、第２金属板２００と、を備え、第１金属板１００の上端を下向きにプレスして複数の第１突起部１１０を形成し、第２金属板２００は、第１金属板１００の下方に設けられ、第１突起部１１０の下面は、第２金属板２００の上面に密着され、第１金属板１００は、第２金属板２００の縁部と固接される。第２金属板２００の下端には、複数の支持脚３００が設けられる。本発明の実施例は、従来技術に比べて、第１金属板１００の上端を下向きにプレスして複数の第１突起部１１０を形成し、第１突起部１１０の下面を第２金属板２００の上面に密着させ、第１突起部１１０を「支持柱」としての機能させることにより、第１金属板１００と第２金属板２００との間の隙間を充填して「ハニカム状」のような構造を形成することができる。これにより、第１金属板１００と第２金属板２００との連接強度を向上させ、当該パレットの積載重量を増加させることができる。第１金属板１００と第２金属板２００との間に支持柱を設ける必要がないから、加工工程を簡略化させ、生産効率を向上させることができるだけではなく、パレットの全体重量を軽減して作業者に容易に搬送して使用されることもできる。第１金属板１００の上面を下向きにプレスして複数の第１突起部１１０を形成することにより、第１金属板１００の上面は、滑らかな平面ではないから、第１金属板１００と貨物との間の摩擦力を大きくし、外力による貨物の滑り落ちを避け、使用上で安全である。また、当該パレットは、２枚の薄い金属板と支持脚３００だけで組み立てることができ、構造が簡単で、製造コストが低い。しかも金属材質はリサイクルしやすくなり、環境に優しいから、資源を節約することができる。具体的には、第１金属板１００および第２金属板２００は、いずれも亜鉛めっき板材または電解板材を用いて、亜鉛めっき板材および電解板材は、高強度、高展延性、耐腐食性、耐放射線性、高紫外線反射率を有し、加工しやすく、軽量で、リサイクル可能であり、無虫害及び低炭素排出で環境に優しいなどの多くの特徴を有するため、亜鉛めっき板材または電解板材を用いてパレットを製造することは、パレットの使用要件に完全に適合し、しかも亜鉛めっき板材または電解板材で作られたパレットの取り外し後に発生する廃棄物は非常に少なく、取り外された亜鉛めっき板材または電解板材で作られたパレットの回収率は、８割以上に達し、環境保護効能の要求に適合する。理解すべくは、第２金属板２００をプレスして第１突起部１１０を形成し、第１突起部１１０の上面を第１金属板１００の下面に密着させることも同様の技術的な効果を達成できる。

【0023】

さらに、支持脚３００が９つ設けられ、９つの支持脚３００は、第２金属板２００の下端に３行３列で均一に設けられる。このように設けることにより、パレットをより良く固定することができ、作業中のパレットの移動や変形を回避することができる。もちろん、パレットの実際の寸法に応じて、支持脚３００の数を４、６、１２などの他の数に設けられるようにしてもよい。ここでは、支持脚３００の具体的な数を限定しない。

【0024】

図１～図７に示すように、本発明の一実施例では、第２金属板２００には、複数の第２突起部２１０がプレス加工により形成され、第１突起部１１０の下面は、第２突起部２１０の上面に密着される。第２金属板２００に対してプレス加工を行い複数の第２突起部２１０を形成し、第２突起部２１０と第１突起部１１０とを合わせて密着させ、柱状に形成することにより、第１金属板１００と第２金属板２００との連接強度をさらに向上させる。一方、第１突起部１１０と第２突起部２１０とを合わせて連接することにより、第１金属板１００と第２金属板２００との間の隙間をさらに拡大することができる。これにより、強度要件を確保する上で、第１金属板１００および第２金属板２００の厚さをさらに減少させることができる。製造コストを低減することができる一方、本発明の実施例によるパレットの全体重量を軽減することができる。理解すべくは、第１突起部１１０の数量と第２突起部２１０の数量とは、同じである。

【0025】

図１、図２、図３および図５に示すように、さらに、濡れた貨物を搬送するときに、第１金属板１００の第１突起部１１０位置に対応する溝に水が溜まることで使用に影響を与えることを避けるために、第１突起部１１０と第２突起部２１０との間には、上下方向に沿って排水用の第１貫通孔４１０が貫通される。第１貫通孔４１０を設けることにより、パレットの洗浄後に水を迅速に排出させることもできる。具体的には、第１突起部１１０と第２突起部２１０との間の密着位置をスポット溶接により固定させ、これにより、両者間の連接の締め付け性をさらに向上させる。

【0026】

図５に示すように、本発明の一実施例では、第１金属板１００の第１突起部１１０に対応する位置および第２金属板２００の第２突起部２１０に対応する位置には、いずれも円形溝４３０が形成される。このように設けることにより、第１金属板１００および第２金属板２００に、第１突起部１１０および第２突起部２１０がプレス加工により成形されやすくなり、製造を容易にする。第１突起部１１０と第２突起部２１０とを円形状に設けることにより、第１突起部１１０の下面と第２突起部２１０の上面との接触面積を大きくすることができ、より良く支持効果を得ることができる。もちろん、実際上の必要に応じて、第１金属板１００の第１突起部１１０に対応する位置および第２金属板２００の第２突起部２１０に対応する位置を方形または他の形状の溝に設ければ、第１突起部１１０および第２突起部２１０をプレスすることもでき、同様の技術的効果を達成することが可能となる。

【0027】

図１、図３および図６から図９に示すように、本発明の一実施例では、支持脚３００は、中空のテーパ支持脚であり、テーパ支持脚の第２金属板２００に連接された端が大径端であり、第１金属板１００および第２金属板２００には、いずれも支持脚３００のキャビティに連通する第３貫通孔４２０が設けられる。このように設けることにより、搬送する際に、パレットの支持脚３００を第３貫通孔４２０を貫通させて他のパレットの支持脚３００のキャビティに置いて、複数のパレットの積層を実現することができ、さらに、本発明の実施例の複数のパレットを箱詰めして輸送する時の占用スペースを減らし、輸送コストを削減することができる。また、パレットを使わずに放置する場合には、複数のパレットを積層して置いて、占用スペースを減らし、貯蔵空間を節約するという目的を達成することもできる。具体的には、中空の支持脚３００内に水が溜まらないように、支持脚３００の下面には、第２貫通孔３１０が貫通される。

【0028】

図７、図１０および図１１に示すように、さらに、第１金属板１００の下端の支持脚３００に対応する位置には、第２円台１８０が設けられ、第２円台１８０の下面は、第２金属板２００の上面に密着され、第２円台１８０には、第３貫通孔４２０が貫通される。このように設けることにより、中空の第２円台１８０は、第１突起部１１０および第２突起部２１０と同様に、第１金属板１００と第２金属板２００との間の隙間を充填して支持する役割を果たし、パレットの支持脚３００が設けられた箇所の強度を向上させる。

【0029】

本発明の別の実施例では、第２金属板２００には、複数の第２突起部２１０がプレス加工により形成され、第１突起部１１０は、中空の第１円台であり、前記第２突起部２１０に、第１円台を嵌装可能な第５貫通孔が設けられる。このように設けることにより、第１金属板１００と第２金属板２００とを組み立てる際に、第１突起部１１０をそれに対応する第２突起部２１０の第５貫通孔に嵌装し、第２突起部２１０の上面を第１金属板１００の下面に密着させることにより、第１金属板１００を第２金属板２００の縁部に固接させる際に、第１金属板１００が第２金属板２００に対して移動されることを避けることができる。第１金属板１００と第２金属板２００を一体に組み立てることが可能となる。

【0030】

図３、図４および図９に示すように、本発明の一実施例では、第２金属板２００の縁部は上向きに折り返されて、第１鉛直辺２２０が形成され、第１鉛直辺２２０は外向きに折り返されて、Ｕ字状溝２３０が形成され、第１金属板１００の縁部は下向きに折り返されて、Ｕ字状溝２３０を囲む第２鉛直辺１２０が形成され、第２鉛直辺１２０は内向きに折り返されて、円弧状の第１縁取り１３０が形成され、第１縁取り１３０の末端は、Ｕ字状溝２３０の側壁に当接する。このように設けることにより、第１縁取り１３０の末末端をＵ字状溝２３０の側壁に常に当接させることで、第１金属板１００は、第２金属板２００の縁部に固接される。パレットの使用中、第１金属板１００が第２金属板２００に対してずれてしまって、第１突起部１１０と第２突起部２１０とは、合わせないように接触することを防止し、本発明の実施例によるパレットの強度が使用要件を満たすことを確保する。

【0031】

図１２および図１３に示すように、本発明の第２の具体的な実施例では、第２金属板２００の縁部は上向きに折り返されて、第３鉛直辺２４０が形成され、第１金属板１００の縁部は下向きに折り返されて、第３鉛直辺２４０を囲む第４鉛直辺１４０が形成され、第４鉛直辺１４０の下端は、第３鉛直辺２４０の側壁に溶接によって固定される。第４鉛直辺１４０の下端を第３鉛直辺２４０の側壁にスポット溶接により固定することにより、第１金属板１００の縁部が第２金属板２００の縁部を囲むようにして、第２金属板２００が第１金属板１００の縁部で囲まれたキャビティ内に固接され、第１金属板１００と第２金属板２００との間に変位が生じず、第１突起部１１０を第２突起部２１０に常に合わせて接触することを確保し、本発明の実施例によるパレットの強度が使用要件を満たすことを確保する。

【0032】

図１４および図１５に示すように、本発明の第３の具体的な実施例では、第２金属板２００の縁部は上向きに折り返されて、第５鉛直辺２５０が形成され、第１金属板１００の縁部は下向きに折り返されて、第５鉛直辺２５０を囲む第６鉛直辺１５０が形成され、第６鉛直辺１５０の長さは、第５鉛直辺２５０の長さより長く、第６鉛直辺１５０の下端は内向きに９０°折り返されて、水平縁取り１６０を形成し、水平縁取り１６０の上面は、第２金属板２００の下面に密着される。このように設けることにより、第１金属板１００の縁部が第１金属板１００の第１鉛直辺２２０と水平縁取り１６０に囲まれ、第１金属板１００を第２金属板２００と一体となるように連接させる。第１金属板１００が第２金属板２００に対して移動することを防止する。

【0033】

図１６および図１７に示すように、本発明の第４の具体的な実施例では、第２金属板２００の縁部は上向きに折り返されて、第７鉛直辺２７０が形成され、第７鉛直辺２７０の上端は内向きに捲かれて、第２円弧辺２７１が形成され、第２円弧辺２７１の末端は、第２金属板２００の上面に当接し、第１金属板１００の縁部は下向きに折り返されて、第７鉛直辺２７０を囲む第８鉛直辺１９０が形成され、第８鉛直辺１９０の下端は内向きに捲かれて、第３円弧辺１９１が形成され、第３円弧辺１９１の末端は、第１金属板１００の下面に当接し、第３円弧辺１９１の中部は、第７鉛直辺２７０の外側壁に密着され溶接により固定される。第１金属板１００および第２金属板２００の縁部には、第３円弧辺１９１および第２円弧辺２７１がそれぞれ捲かれて、第３円弧辺１９１の末端が第１金属板１００の下面に当接するとともに、第２円弧辺２７１の末端が第２金属板２００の上面に当接することにより、本発明の実施例によるパレットの強度をさらに向上させることができる。第３円弧辺１９１の中部を第７鉛直辺２７０の外側壁にスポット溶接により密着して固定させることにより、第１金属板１００を第２金属板２００と一体となるように連接させ、第１金属板１００が第２金属板２００に対して移動することを防止する。

【0034】

図１８および図１９に示すように、本発明の第５の具体的な実施例では、第１金属板１００の縁部は下向きに折り返されて、第１Ｌ字状ヘム部１７０が形成され、第２金属板２００の縁部は上向きに折り返されて、第２Ｌ字状ヘム部２６０が形成され、第１Ｌ字状ヘム部１７０の下面は、第２Ｌ字状ヘム部２６０の上面に密着され、第１Ｌ字状ヘム部１７０および第２Ｌ字状ヘム部２６０には、いずれも第４貫通孔が貫通され、ボルトが第４貫通孔に挿通されナットと螺接して固定される。ボルトとナットとの螺接により、第１金属板１００が第２金属板２００の縁部に密着して固定され、第１金属板１００が第２金属板２００に対して移動することを回避し、第１突起部１１０を第２突起部２１０に常に合わせて接触するようにする。ボルトとナットとの螺接により、一定期間使用した後、第１金属板１００又は第２金属板２００が破損して、使用要件を満たせない場合、ボルトをナットに取り外すことにより、破損した部分を取り外して交換することができ、パレット全体を交換する必要がなく、コストを削減することができる。

【0035】

以上は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明に様々な変更および変形を加えることができ、本発明の精神および原則の範囲内であれば、いかなる変更、同等物による置換、改良などは、本発明の保護の範囲内に含まれるべきである。

【符号の説明】

【0036】

１００…第１金属板、１１０…第１突起部、１２０…第１鉛直辺、１３０…第１縁取り、１４０…第４鉛直辺、１５０…第６鉛直辺、１６０…水平縁取り、１７０…第１Ｌ字状ヘム部、１８０…第２円台、１９０…第８鉛直辺、１９１…第３円弧辺、２００…第２金属板、２１０…第２突起部、２２０…第２鉛直辺、２３０…Ｕ字状溝、２４０…第３鉛直辺、２５０…第５鉛直辺、２６０…第２Ｌ字状ヘム部、２７０…第７鉛直辺、２７１…第２円弧辺、３００…支持脚、３１０…第２貫通孔、４１０…第１貫通孔、４２０…第３貫通孔、４３０…円形溝。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【手続補正書】

【提出日】2021-01-22

【手続補正1】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３２

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0032】

図１４および図１５に示すように、本発明の第３の具体的な実施例では、第２金属板２００の縁部は上向きに折り返されて、第５鉛直辺２５０が形成され、第１金属板１００の縁部は下向きに折り返されて、第５鉛直辺２５０を囲む第６鉛直辺１５０が形成され、第６鉛直辺１５０の長さは、第５鉛直辺２５０の長さより長く、第６鉛直辺１５０の下端は内向きに９０°折り返されて、水平縁取り１６０を形成し、水平縁取り１６０の上面は、第２金属板２００の下面に密着される。このように設けることにより、第２金属板２００の縁部が第１金属板１００の第６鉛直辺１５０と水平縁取り１６０に囲まれ、第１金属板１００を第２金属板２００と一体となるように連接させる。第１金属板１００が第２金属板２００に対して移動することを防止する。

【手続補正2】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３６

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0036】

１００…第１金属板、１１０…第１突起部、１２０…第２鉛直辺、１３０…第１縁取り、１４０…第４鉛直辺、１５０…第６鉛直辺、１６０…水平縁取り、１７０…第１Ｌ字状ヘム部、１８０…第２円台、１９０…第８鉛直辺、１９１…第３円弧辺、２００…第２金属板、２１０…第２突起部、２２０…第１鉛直辺、２３０…Ｕ字状溝、２４０…第３鉛直辺、２５０…第５鉛直辺、２６０…第２Ｌ字状ヘム部、２７０…第７鉛直辺、２７１…第２円弧辺、３００…支持脚、３１０…第２貫通孔、４１０…第１貫通孔、４２０…第３貫通孔、４３０…円形溝。

【手続補正3】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

パレットであって、 複数の第１突起部が一体的に形成される第１金属板と、 前記第１金属板の下方に設けられ、上面が前記第１突起部の下面に密着され、縁部が前記第１金属板に固接され、下端に複数の支持脚が設けられる第２金属板とを備える、ことを特徴とするパレット。

【請求項2】

前記第２金属板には、複数の第２突起部が一体的に形成され、前記第１突起部の下面は、前記第２突起部の上面に密着される、ことを特徴とする請求項１に記載のパレット。

【請求項3】

前記第１突起部と前記第２突起部との間には、上下方向に沿って排水用の第１貫通孔が貫通される、ことを特徴とする請求項２に記載のパレット。

【請求項4】

前記第１金属板の前記第１突起部に対応する位置および前記第２金属板の前記第２突起部に対応する位置には、いずれも円形溝が形成される、ことを特徴とする請求項２に記載のパレット。

【請求項5】

前記支持脚は、中空のテーパ支持脚であり、テーパ支持脚の前記第２金属板に連接される端が大径端であり、前記第１金属板および前記第２金属板には、いずれも前記支持脚のキャビティに連通する第３貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項１に記載のパレット。

【請求項6】

前記第２金属板には、複数の第２突起部が一体的に形成され、前記第１突起部は、中空の第１円台であり、前記第２突起部に第１円台を嵌装可能な第５貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項１に記載のパレット。

【請求項7】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第１鉛直辺が形成され、前記第１鉛直辺は外向きに折り返されてＵ字状溝が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて前記Ｕ字状溝を囲む第２鉛直辺が形成され、前記第２鉛直辺は内向きに折り返されて円弧状の第１縁取りが形成され、前記第１縁取りの末端は、前記Ｕ字状溝の側壁に当接する、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【請求項8】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第３鉛直辺が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第３鉛直辺を囲む第４鉛直辺が形成され、前記第４鉛直辺の下端は、前記第３鉛直辺の側壁に溶接により固定される、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【請求項9】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第５鉛直辺が形成され、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第５鉛直辺を囲む第６鉛直辺が形成され、前記第６鉛直辺の長さは、前記第５鉛直辺の長さより長く、前記第６鉛直辺の下端は内向きに９０°折り返されて、水平縁取りが形成され、前記水平縁取りの上面は、前記第２金属板の下面に密着される、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【請求項10】

前記第２金属板の縁部は上向きに折り返されて、第７鉛直辺が形成され、前記第７鉛直辺の上端は内向きに捲かれて、第２円弧辺が形成され、前記第２円弧辺の末端は、前記第２金属板の上面に当接し、前記第１金属板の縁部は下向きに折り返されて、前記第７鉛直辺を囲む第８鉛直辺が形成され、前記第８鉛直辺の下端は内向きに捲かれて、第３円弧辺が形成され、前記第３円弧辺の末端は、前記第１金属板の下面に当接し、前記第３円弧辺の中部は、前記第７鉛直辺の外側壁に密着されて溶接により固定される、ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のパレット。

【国際調査報告】