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特表2022-518352ハイブリッドTFTベースのマイクロディスプレイプロジェクタに関するプロセスフロー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】ハイブリッドTFTベースのマイクロディスプレイプロジェクタに関するプロセスフロー
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20220308BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20220308BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20220308BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220308BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220308BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220308BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20220308BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G09F9/33
H01L33/48
H01L33/08
G02B27/02 Z
G09F9/30 330
G09F9/00 359
G09F9/00 360Z
G09F9/00 338
G09G3/32 A
G09G3/20 641A
G09G3/20 641C
G09G3/20 641B
G09G3/20 680G
G09G3/20 680H
G09G3/20 624B
G09G3/20 621E
G09G3/20 680E
G09G3/20 612K
G09G3/20 612A
G09G3/20 621M
G09G3/20 680A
G09G3/20 670Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534969
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 US2020016727
(87)【国際公開番号】W WO2020163436
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】16/660,648
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/801,424
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/660,643
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/924,604
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/780,486
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/863,659
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/861,254
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】フェイスブック・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FACEBOOK TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】特許業務法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン, クロエ アストリッド マリー
(72)【発明者】
【氏名】グルンドマン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モリス, ダニエル ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ゴワード, ジョン
【テーマコード(参考)】
2H199
5C080
5C094
5C380
5F142
5F241
5G435
【Fターム(参考)】
2H199CA02
2H199CA04
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA33
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA43
2H199CA49
2H199CA53
2H199CA62
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA70
2H199CA83
2H199CA84
2H199CA87
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA96
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5C080AA07
5C080AA10
5C080BB06
5C080CC03
5C080CC04
5C080CC06
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5C080DD25
5C080DD26
5C080EE25
5C080EE29
5C080FF03
5C080FF11
5C080FF13
5C080GG02
5C080GG05
5C080GG07
5C080GG10
5C080GG11
5C080GG12
5C080HH13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080JJ06
5C080JJ07
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK43
5C080KK50
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA13
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5C094FA02
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5C094HA08
5C094HA10
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5C380AB41
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5C380AC07
5C380AC08
5C380AC11
5C380AC12
5C380BB14
5C380CA10
5C380CA12
5C380CA13
5C380CA14
5C380CA39
5C380CB01
5C380CB08
5C380CB17
5C380CB37
5C380CC02
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5C380CC33
5C380CC34
5C380CC39
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5C380DA06
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5C380DA34
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5C380FA05
5C380FA30
5C380GA01
5C380GA08
5C380GA09
5F142BA32
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5F142CD02
5F142DB12
5F142DB24
5F142GA01
5F241CA05
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5F241CB11
5F241CB15
5F241CB33
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5G435AA17
5G435BB17
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5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
人工現実ヘッドセットにおけるニアアイディスプレイに関してなど、小型で高解像度の発光ダイオード(LED)ディスプレイに関しては、LEDどうしが互いに密接に間隔を空けられている。バックプレーンを使用して、LEDディスプレイにおけるLEDのアレイを駆動することが可能である。複数の相互接続が、バックプレーンをLEDのアレイと電気的に結合する。LEDどうしの間における間隔が相互接続の間隔よりも小さくなった場合には、薄膜回路層を使用して、バックプレーンとLEDのアレイとの間における相互接続の数を低減することが可能であり、それによって、相互接続の間隔がLEDの間隔よりも大きくなることが可能である。これは、LEDディスプレイにおけるLEDどうしのオペレーションを制御するための駆動回路を備えたシリコンバックプレーンの使用を依然として可能にしながら、LEDディスプレイにおけるLEDどうしがより密接に配置されることを可能にすることができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイと、
前記LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、前記LEDのアレイが、前記薄膜回路層のための支持構造であり、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む、薄膜回路層と、
複数の金属接合を使用して前記薄膜回路層と結合されているバックプレーンであって、前記バックプレーンが、前記複数の金属接合を通じて前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、前記複数の金属接合の数が、前記LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない、バックプレーンと
を含む装置。
【請求項2】
前記LEDのアレイが、発光側と、前記発光側の反対側とを有し、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイの前記発光側の前記反対側に堆積され、
前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するためのピクセル回路を形成するように相互接続されているトランジスタおよびコンデンサを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピクセル回路が、前記LEDのアレイにおけるLEDの強度を制御するためにアナログ、パルス符号変調、またはパルス幅変調を実施する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ピクセル回路のストレージコンデンサが、1つまたは複数の選択信号によって日付線に結合されるように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
ピクセル回路どうしが、前記バックプレーンと前記薄膜回路層との間における金属接合の数を低減するように相互接続されている、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
単一のピクセル回路が、複数の行選択信号に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記バックプレーンが、前記複数の金属接合のうちの1つの金属接合を通じてグローバル信号を前記薄膜回路層へ送信するように構成されており、前記グローバル信号が、行データ線、列データ線、アナログバイアス、電圧供給、パルスクロック、またはテストイネーブル機能のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記薄膜回路層におけるいずれのトランジスタも、グローバルネットを充電/放電するのに使用されない、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記薄膜回路層がセレクタマルチプレクサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記セレクタマルチプレクサが、薄膜回路層における複数のトランジスタと電気的に結合されている前記薄膜回路層における共通信号線を含み、
前記複数のトランジスタが、活性化を交互に行うように構成されており、それによって前記共通信号線からの電流が、前記複数のトランジスタのそれぞれに周期的に通される、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記薄膜回路層が、メモリ回路および変調器回路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
一意のアドレスが、前記LEDのアレイにおけるそれぞれのLEDに割り振られており、
制御信号が、前記一意のアドレスと、前記LEDのアレイにおける選択されたLEDのオペレーションを制御するためのオペレーション信号とを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記オペレーション信号が、前記選択されたLEDを流れる電流の大きさを制御するように構成されており、
前記オペレーション信号が、前記選択されたLEDを電流が流れる期間内における時間のパーセンテージを表すデジタル信号を含む、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
各LEDの中心どうしの間における間隔が、3ミクロンを超える隔たりで空けられない、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
半導体構造を入手することであって、前記半導体構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造である、半導体構造を入手することと、
薄膜回路層を前記半導体構造上に堆積することと、
前記発光層からの発光を制御するための前記薄膜回路層における回路を形成することと、
バックプレーンを入手することであって、前記バックプレーンが、複数の金属接合を通じて前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを入手することと、
前記薄膜回路層上に、または前記バックプレーン上に複数の相互接続を形成することと、
前記複数の相互接続を使用して前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合することであって、前記複数の相互接続が、接合後に前記複数の金属接合になる、前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合することと、
前記半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、前記複数の金属接合の数が、当該LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少なく、当該LEDのアレイが、発光側と、前記発光側の反対側とを有し、前記薄膜回路層が、前記発光側の前記反対側に堆積される、LEDのアレイを形成することと
を含む方法。
【請求項16】
前記バックプレーンを入手することが、シリコンウェハのシリコンデバイス層において複数のCMOSトランジスタおよび相互接続を形成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記LEDのアレイを形成することが、前記半導体構造を個片化することを含み、前記半導体構造を個片化することが、前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合する前に生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記薄膜回路層が、ウェハレベルで前記半導体構造上に形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記バックプレーンが、接合前に前記バックプレーンにおいて形成された電気回路を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
ニアアイディスプレイのためのシステムであって、
フレームと、
前記フレームと結合されている導波管ディスプレイと、
光源を含むプロジェクタであって、光を前記導波管ディスプレイへ向けるように構成されているプロジェクタとを含み、前記光源が、
第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイと、
前記LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、前記LEDのアレイが、前記薄膜回路層のための支持構造であり、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む、薄膜回路層と、
複数の金属接合を使用して前記薄膜回路層と結合されているバックプレーンであって、前記バックプレーンが、前記複数の金属接合を通じて前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、前記複数の金属接合の数が、前記LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない、バックプレーンとを含む、システム。
【請求項21】
第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイと、
前記LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、前記LEDのアレイが、前記薄膜回路層のための支持構造であり、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む、薄膜回路層と、
複数の金属接合を使用して前記薄膜回路層と結合されているバックプレーンであって、前記バックプレーンが、前記複数の金属接合を通じて前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、前記複数の金属接合の数が、前記LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない、バックプレーンと
を含む装置であって、
前記複数の金属接合が、摂氏300度未満の融点または接合温度を有する材料で作られている、装置。
【請求項22】
前記複数の金属接合がナノポーラス銅を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の金属接合のうちの金属接合どうしの間における間隔が、5ミクロン以上、18ミクロン以下である、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記LEDのアレイが、LEDの総数を含み、
前記複数の金属接合が、金属接合の総数に対応し、
金属接合の前記総数が、LEDの前記総数よりも少なくとも2桁少ない、
請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記LEDのアレイが、フットプリントを占有し、前記複数の金属接合が、前記フットプリントにわたって分散している、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記LEDのアレイにおけるそれぞれのLEDが、結晶性半導体構造から形成されており、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイの前記結晶性半導体構造に格子整合されていない、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記薄膜回路層が、アモルファスまたは多結晶構造を有する半導体材料を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記薄膜回路層が、c軸配向結晶インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶シリコン(LTPS)、またはアモルファスシリコン(a-Si)のうちの少なくとも1つを含む材料を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記LEDのアレイが、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、リン化インジウムガリウム(AlInGaP)、またはヒ化ガリウム(GaAs)のうちの少なくとも1つを含む材料を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項30】
前記バックプレーンにおける前記駆動回路が、単結晶シリコンにある、請求項21に記載の装置。
【請求項31】
前記駆動回路が、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)トランジスタを含む、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
半導体構造を入手することであって、当該半導体構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造である、半導体構造を入手することと、
薄膜回路層を前記半導体構造上に堆積することと、
前記発光層からの発光を制御するための前記薄膜回路層における回路を形成することと、
バックプレーンを入手することであって、当該バックプレーンが、複数の金属接合を通じて前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを入手することと、
前記薄膜回路層上に、または前記バックプレーン上に複数のバンプを形成することであって、当該複数のバンプが、摂氏300度未満の融点または接合温度を有する材料で作られている、複数のバンプを形成することと、
前記複数のバンプを使用して前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合することであって、接合することが、摂氏300度以下の温度を使用し、前記複数のバンプが、接合後に前記複数の金属接合になる、前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合することと、
前記半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、前記複数の金属接合の数が、当該LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない、LEDのアレイを形成することと
を含む方法。
【請求項33】
前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合することが、摂氏200度以下の温度を使用する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記LEDのアレイにおける複数のLEDが、前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接合した後に前記複数の金属接合のうちの1つの金属接合を通じて前記バックプレーンから電流を受け取るように構成されている、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記LEDのアレイが、複数のタイルへと分割され、前記複数のタイルのそれぞれのタイルが、LEDの複数の行を含み、
前記複数の行のうちの行どうしが、別々の時点で活性化されるように構成されている、
請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記複数の金属接合のうちの金属接合どうしの間における間隔が、5ミクロン以上、18ミクロン以下である、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記薄膜回路層における回路を形成することが、前記薄膜回路層における複数のトランジスタと、前記複数のトランジスタと電気的に結合されている1つの制御線とを形成することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
ヘッドマウントデバイスのフレームと、
前記フレームと統合されているディスプレイであって、前記ヘッドマウントデバイスのユーザにコンテンツを提示するように構成されているディスプレイと
を含むシステムであって、前記ディスプレイが、
光源からの光を導波管へと結合するように構成されている投射オプティクスと、
前記光源とを含み、前記光源が、
第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイと、
前記LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、前記LEDのアレイが、前記薄膜回路層のための支持構造であり、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む、薄膜回路層と、
複数の金属接合を使用して前記薄膜回路層と結合されているバックプレーンであって、当該バックプレーンが、前記複数の金属接合を通じて前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、前記複数の金属接合の数が、前記LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない、バックプレーンとを含み、
前記複数の金属接合が、摂氏300度未満の融点または接合温度を有する材料で作られている、システム。
【請求項39】
前記複数の金属接合がナノポーラス銅を含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記バックプレーンが、シリコンを含み、前記層状エピタキシャル構造が、III-VまたはIII-窒化物材料を含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
エピタキシャル構造を入手することであって、前記エピタキシャル構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状構造である、エピタキシャル構造を入手することと、
複数の発光ダイオード(LED)を形成するために、前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、前記第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することと、
薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に堆積することであって、前記薄膜回路層が、
第1の薄膜層であって、複数のトランジスタを含む第1の薄膜層、および
第2の薄膜層であって、前記複数のトランジスタのための相互接続を含む第2の薄膜層を含む、薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に堆積することと、
前記薄膜回路層をバックプレーンに接合することと
を含む方法。
【請求項42】
前記発光層からの光を結合するために前記エピタキシャル構造に光抽出要素を形成することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のドープされた半導体層が、nドープされた層であり、前記第2のドープされた半導体層が、pドープされた層である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に堆積する前に一時的なキャリアを前記エピタキシャル構造に接合することと、
前記薄膜回路層の前記第2の薄膜層を前記バックプレーンに接合した後に前記一時的なキャリアを除去することと
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、前記第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することが、前記第1のドープされた半導体層、前記第2のドープされた半導体層、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記第2のドープされた半導体層が、pドープされており、前記方法がさらに、一時的なキャリアを前記第2のドープされた半導体層に接合して前記エピタキシャル構造から基板を除去することを含み、前記基板が、前記基板の除去前に前記第2のドープされた半導体層よりも前記第1のドープされた半導体層に近かった、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のドープされた半導体層、前記第2のドープされた半導体層、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることが、前記薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に堆積する前に生じる、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のドープされた半導体層、前記第2のドープされた半導体層、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることが、前記薄膜回路層を前記バックプレーンに接合した後に生じる、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のドープされた半導体層、前記第2のドープされた半導体層、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることが、前記第1の薄膜層を堆積した後に、かつ前記第2の薄膜層を適用する前に生じる、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のドープされた半導体層、前記第2のドープされた半導体層、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることが、前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることを含み、前記第1の薄膜層をエッチングすることをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
一時的なキャリアを前記エピタキシャル構造に接合することであって、
前記第2のドープされた半導体層が、前記第1のドープされた半導体層と、当該一時的なキャリアとの間にあり、
前記第1のドープされた半導体構造が、前記第2のドープされた半導体構造と、前記エピタキシャル構造の基板との間にある、一時的なキャリアを前記エピタキシャル構造に接合することと、
前記エピタキシャル構造から前記基板を除去することとをさらに含み、
前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、前記第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することが、前記薄膜回路層を前記エピタキシャル構造上に堆積する前に前記第1のドープされた半導体層にイオンを注入して前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離することを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項52】
前記一時的なキャリアを前記エピタキシャル構造に接合する前に前記第2のドープされた半導体層にイオンを注入することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記エピタキシャル構造から基板を除去する前に一時的なキャリアを前記エピタキシャル構造に接合することをさらに含み、
前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、前記第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することが、前記一時的なキャリアを前記エピタキシャル構造に接合する前に前記第2のドープされた半導体層にイオンを注入することを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記エピタキシャル構造上で裏側処理を実行してメサ形状を形成することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項55】
前記エピタキシャル構造上で表側処理を実行して光抽出機能を作成することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項56】
エピタキシャル構造を入手することであって、前記エピタキシャル構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、前記第1のドープされた半導体層と前記第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状構造である、エピタキシャル構造を入手することと、
薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に適用することと、
複数の発光ダイオード(LED)を形成するために、前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、前記第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することと、
前記薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に適用した後に前記薄膜回路層を透明基板に接合することと、
バックプレーンを前記透明基板に接合することであって、
前記バックプレーンが、前記薄膜回路層と電気的に結合されており、
前記薄膜回路層および前記バックプレーンが、前記透明基板の同じ側にある、バックプレーンを前記透明基板に接合することと
を含む方法。
【請求項57】
複数のLEDを形成するために、前記第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、前記第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または前記第1のドープされた半導体層および前記第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することが、前記薄膜回路層を前記エピタキシャル構造に適用する前に実行される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
透明基板と、
複数の発光ダイオード(LED)と、
前記複数のLEDと電気的に結合されている複数のトランジスタを含む薄膜回路層であって、
前記複数のトランジスタが、前記複数のLEDのオペレーションを制御するように構成されており、
前記薄膜回路層が、前記透明基板に接合されている、薄膜回路層と、
前記透明基板に接合されているバックプレーンであって、
前記薄膜回路層と電気的に結合されており、
前記透明基板の、前記薄膜回路層と同じ側にある、バックプレーンと
を含む装置。
【請求項59】
拡張現実システムのフレームであって、前記複数のLEDを保持し、前記複数のLEDが、前記拡張現実システムのためのディスプレイの一部である、フレームをさらに含む、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記複数のLEDのうちの複数のLEDのオペレーションを制御するために、前記複数のトランジスタのうちの多数のトランジスタと、前記薄膜回路層と前記透明基板との間において、1つの接合を電気的に結合する前記薄膜回路層におけるトレースをさらに含む、請求項58に記載の装置。
【請求項61】
メモリ回路と変調回路とを含む前記バックプレーンと、前記薄膜回路層における前記複数のトランジスタとが、マルチプレクサを形成する、請求項58に記載の装置。
【請求項62】
前記バックプレーン変調回路と、前記薄膜回路層における前記複数のトランジスタとが、マルチプレクサおよびメモリ回路を形成する、請求項58に記載の装置。
【請求項63】
前記薄膜回路層における前記複数のトランジスタが、マルチプレクサ、メモリ回路、および変調回路を形成する、請求項58に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月5日に出願された「Hybrid Display Architecture」と題されている米国特許仮出願第62/801,424号、2019年6月13日に出願された「Hybrid Display Concept - Hybrid Si and TFT Micro-Display (IGZO)」と題されている米国特許仮出願第62/861,254号、2019年6月19日に出願された「uLED Devices and Process For TFT-Based Projector (Hybrid IGZO TFT)」と題されている米国特許仮出願第62/863,659号、および2019年10月22日に出願された「Process Flow For Hybrid TFT-Based Micro Display Projector」と題されている米国特許仮出願第62/924,604号に対する優先権を主張する。本出願はさらに、2019年10月22日に出願された米国特許出願第16/660,648号、2019年10月22日に出願された米国特許出願第16/660,643号、および2020年2月3日に出願された米国特許出願第16/780,486号に対する優先権を主張する。これらの出願は、すべての目的のために参照によって組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電気エネルギーを光エネルギーへと変換し、低減されたサイズ、改善された耐久性、および高められた効率など、その他の光源に勝る多くの利点を提供する。LEDは、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、プロジェクションシステム、ウェアラブル電子機器など、多くのディスプレイシステムにおける光源として使用されることが可能である。AlN、GaN、InN等の合金など、III-VおよびIII族窒化物半導体に基づくマイクロLED(「μLED」)は、それらの小さなサイズ(たとえば、100μm未満、50μm未満、10μm未満、または5μm未満の直線寸法を伴う)、高いパッキング密度(したがって、より高い解像度)、および高い輝度に起因して、さまざまなディスプレイ用途向けに開発され始めている。たとえば、別々の色(たとえば、赤、緑、および青)の光を放出するマイクロLEDを使用して、テレビまたはニアアイディスプレイシステムなどのディスプレイシステムのサブピクセルを形成することが可能である。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、全般的には、ディスプレイ用のマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)に関する。より具体的には、本開示は、ディスプレイデバイスの制御回路との統合に関する。ディスプレイは、いたるところにあり、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップ、TV、およびディスプレイシステムのコアコンポーネントである。今日の一般的なディスプレイテクノロジーは、発光ダイオード(LED)ディスプレイを含む。
【0004】
ディスプレイは、バックプレーン上にLEDディスプレイデバイスのアレイを組み立てることによって作成されることが可能である。LEDディスプレイデバイスのアレイのうちの1つまたは複数のLEDディスプレイデバイスがグループ化されて、ピクセルを形成することが可能である。ディスプレイは、それぞれのピクセルを制御するための制御信号を生成することが可能である。バックプレーンは、LEDディスプレイデバイスのための構造的な支持を提供すること、および制御信号をLEDディスプレイデバイスへ送信するための電気接続を提供することが可能である。LEDディスプレイデバイスのバックプレーンとの統合は、ピクセルレベルの相互接続、ならびにバックプレーンの上でのLEDデバイスの製作に影響を与える可能性があり、それらのすべてが、LEDディスプレイデバイスのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、装置が、発光ダイオード(LED)のアレイと、LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層と、複数の金属接合を使用して薄膜回路層と結合されているバックプレーンとを含む。LEDのアレイは、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造で作られている。LEDのアレイは、薄膜回路層のための支持構造である。薄膜回路層は、LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む。バックプレーンは、複数の金属接合を通じて薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を有する。複数の金属接合の数は、LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない。いくつかの実施形態においては、LEDのアレイは、発光側と、発光側の反対側とを有し、薄膜回路層は、LEDのアレイの発光側の反対側に堆積され、薄膜回路層は、LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するためのピクセル回路を形成するように相互接続されているトランジスタおよびコンデンサを含み、ピクセル回路は、LEDのアレイにおけるLEDの強度を制御するためにアナログ、パルス符号変調、またはパルス幅変調を実施し、ピクセル回路のストレージコンデンサが、1つまたは複数の選択信号によって日付線に結合されるように構成されており、ピクセル回路どうしは、バックプレーンと薄膜回路層との間における金属接合の数を低減するように相互接続されており、単一のピクセル回路が、複数の行選択信号に接続されており、バックプレーンは、複数の金属接合のうちの1つの金属接合を通じてグローバル信号を薄膜回路層へ送信するように構成されており、グローバル信号は、行データ線、列データ線、アナログバイアス、電圧供給、パルスクロック、またはテストイネーブル機能のうちの1つまたは複数を含み、薄膜回路層におけるいずれのトランジスタも、グローバルネットを充電/放電するのに使用されず、薄膜回路層は、セレクタマルチプレクサを含み、セレクタマルチプレクサは、薄膜回路層における複数のトランジスタと電気的に結合されている薄膜回路層における共通信号線を含み、複数のトランジスタは、活性化を交互に行うように構成されており、それによって共通信号線からの電流が、複数のトランジスタのそれぞれに周期的に通され、薄膜回路層は、メモリ回路および変調器回路を含み、一意のアドレスが、LEDのアレイにおけるそれぞれのLEDに割り振られており、制御信号が、一意のアドレスと、LEDのアレイにおける選択されたLEDのオペレーションを制御するためのオペレーション信号とを含み、オペレーション信号は、選択されたLEDを流れる電流の大きさを制御するように構成されており、オペレーション信号は、選択されたLEDを電流が流れる期間内における時間のパーセンテージを表すデジタル信号を含み、ならびに/または各LEDの中心どうしの間における間隔が、3ミクロンを超える隔たりで空けられない。
【0006】
いくつかの実施形態においては、方法が、半導体構造を入手することであって、半導体構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造である、半導体構造を入手することと、薄膜回路層を半導体構造上に堆積することと、発光層からの発光を制御するための薄膜回路層における回路を形成することと、バックプレーンを入手することであって、バックプレーンが、複数の金属接合を通じて薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを入手することと、薄膜回路層上に、またはバックプレーン上に複数の相互接続を形成することと、複数の相互接続を使用してバックプレーンを薄膜回路層に接合することであって、複数の相互接続が、接合後に複数の金属接合になる、バックプレーンを薄膜回路層に接合することと、ならびに/または半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、複数の金属接合の数が、LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少なく、LEDのアレイが、発光側と、発光側の反対側とを有し、薄膜回路層が、発光側の反対側に堆積される、LEDのアレイを形成することとを含む。いくつかの実施形態においては、バックプレーンを入手することは、シリコンウェハのシリコンデバイス層において複数のCMOSトランジスタおよび相互接続を形成することを含み、LEDのアレイを形成することは、半導体構造を個片化することを含み、半導体構造を個片化することは、バックプレーンを薄膜回路層に接合する前に生じ、薄膜回路層は、ウェハレベルで半導体構造上に形成され、ならびに/またはバックプレーンは、接合前にバックプレーンにおいて形成された電気回路を含む。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、装置が、発光ダイオード(LED)のアレイと、LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層と、複数の金属接合を使用して薄膜回路層と結合されているバックプレーンとを含む。LEDのアレイは、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造で作られている。LEDのアレイは、薄膜回路層のための支持構造である。薄膜回路層は、LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む。バックプレーンは、複数の金属接合を通じて薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を有する。複数の金属接合の数は、LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない。複数の金属接合は、薄膜回路層をバックプレーンに接合する間のウォークオフを低減するために、摂氏300度未満の融点または接合温度を有する材料で作られている。
【0008】
いくつかの実施形態においては、複数の金属接合は、ナノポーラス銅を含み、複数の金属接合のうちの金属接合どうしの間における間隔が、5ミクロン以上、18ミクロン以下であり、LEDのアレイは、LEDの総数を含み、複数の金属接合は、金属接合の総数に対応し、金属接合の総数は、LEDの総数よりも少なくとも2桁少なく、LEDのアレイは、フットプリントを占有し、複数の金属接合は、フットプリントにわたって分散しており、LEDのアレイにおけるそれぞれのLEDは、結晶性半導体構造から形成されており、薄膜回路層は、LEDのアレイの結晶性半導体構造に格子整合されておらず、薄膜回路層は、アモルファスまたは多結晶構造を有する半導体材料を含み、薄膜回路層は、c軸配向結晶インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶シリコン(LTPS)、またはアモルファスシリコン(a-Si)のうちの少なくとも1つを含む材料を含み、LEDのアレイは、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、リン化インジウムガリウム(AlInGaP)、またはヒ化ガリウム(GaAs)のうちの少なくとも1つを含む材料を含み、バックプレーンにおける駆動回路は、単結晶シリコンにあり、ならびに/またはバックプレーンの駆動回路は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)トランジスタを含む。
【0009】
いくつかの実施形態においては、方法が、半導体構造を入手することであって、半導体構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造である、半導体構造を入手することと、薄膜回路層を半導体構造上に堆積することと、発光層からの発光を制御するための薄膜回路層における回路を形成することと、バックプレーンを入手することであって、バックプレーンが、複数の金属接合を通じて薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを入手することと、薄膜回路層上に、またはバックプレーン上に複数のバンプを形成することであって、複数のバンプが、摂氏300度未満の融点または接合温度を有する材料で作られている、複数のバンプを形成することと、複数のバンプを使用してバックプレーンを薄膜回路層に接合することであって、接合することが、摂氏300度以下の温度を使用し、複数のバンプが、接合後に複数の金属接合になる、バックプレーンを薄膜回路層に接合することと、ならびに/または半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、複数の金属接合の数が、LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない、LEDのアレイを形成することとを含む。いくつかの実施形態においては、バックプレーンを薄膜回路層に接合することは、摂氏200度以下の温度を使用し、LEDのアレイにおける複数のLEDが、バックプレーンを薄膜回路層に接合した後に複数の金属接合のうちの1つの金属接合を通じてバックプレーンから電流を受け取るように構成されており、LEDのアレイは、複数のタイルへと分割され、複数のタイルのそれぞれのタイルは、LEDの複数の行を含み、複数の行のうちの行どうしは、別々の時点で活性化されるように構成されており、複数の金属接合のうちの金属接合どうしの間における間隔が、5ミクロン以上、18ミクロン以下であり、ならびに/または薄膜回路層における回路を形成することは、薄膜回路層における複数のトランジスタと、複数のトランジスタと電気的に結合されている1つの制御線とを形成することを含む。
【0010】
特定の実施形態によれば、方法が、エピタキシャル構造を入手することであって、エピタキシャル構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状構造である、エピタキシャル構造を入手することと、複数の発光ダイオード(LED)を形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することと、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積することであって、薄膜回路層が、第1の薄膜層および第2の薄膜層を含む、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積することと、ならびに/または薄膜回路層をバックプレーンに接合することとを含む。いくつかの実施形態においては、第1の薄膜層は、複数のトランジスタを含み、第2の薄膜層は、複数のトランジスタのための相互接続を含み、第1のドープされた半導体層は、nドープされた層であり、第2のドープされた半導体層は、pドープされた層であり、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することは、第1のドープされた半導体層、第2のドープされた半導体層、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることを含み、第2のドープされた半導体層は、pドープされており、この方法はさらに、一時的なキャリアを第2のドープされた半導体層に接合してエピタキシャル構造から基板を除去することを含み、基板は、基板の除去前に第2のドープされた半導体層よりも第1のドープされた半導体層に近く、第1のドープされた半導体層、第2のドープされた半導体層、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることは、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積する前に生じ、第1のドープされた半導体層、第2のドープされた半導体層、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることは、薄膜回路層をバックプレーンに接合した後に生じ、第1のドープされた半導体層、第2のドープされた半導体層、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることは、第1の薄膜層を堆積した後に、かつ第2の薄膜層を適用する前に生じ、第1のドープされた半導体層、第2のドープされた半導体層、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることが、第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方をエッチングすることを含み、第1の薄膜層をエッチングすることをさらに含み、ならびに/またはこの方法は、発光層からの光を結合するためにエピタキシャル構造に光抽出要素を形成することと、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積する前に一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合することと、薄膜回路層の第2の薄膜層をバックプレーンに接合した後に一時的なキャリアを除去することと、一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合することであって、第2のドープされた半導体層が、第1のドープされた半導体層と、一時的なキャリアとの間にあり、第1のドープされた半導体構造が、第2のドープされた半導体構造と、エピタキシャル構造の基板との間にある、一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合することと、エピタキシャル構造から基板を除去することとをさらに含むことが可能であり、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することは、薄膜回路層をエピタキシャル構造上に堆積する前に第1のドープされた半導体層にイオンを注入して第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離することを含み、この方法は、一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合する前に第2のドープされた半導体層にイオンを注入すること、および/またはエピタキシャル構造から基板を除去する前に一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合することをさらに含むことが可能であり、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することは、一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合する前に第2のドープされた半導体層にイオンを注入することを含む。
【0011】
特定の実施形態においては、方法が、エピタキシャル構造を入手することであって、エピタキシャル構造が、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状構造である、エピタキシャル構造を入手すること、薄膜回路層をエピタキシャル構造に適用すること、複数の発光ダイオード(LED)を形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離すること、薄膜回路層をエピタキシャル構造に適用した後に薄膜回路層を透明基板に接合すること、ならびに/またはバックプレーンを透明基板に接合することであって、バックプレーンが、薄膜回路層と電気的に結合されており、および/もしくは薄膜回路層およびバックプレーンが、透明基板の同じ側にある、バックプレーンを接合することを含む。いくつかの実施形態においては、複数のLEDを形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することは、エッチングを含み、複数のLEDを形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することは、イオン注入を使用し、ならびに/または複数のLEDを形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することは、薄膜回路層をエピタキシャル構造に適用する前に実行される。
【0012】
特定の実施形態においては、装置が、透明基板、複数の発光ダイオード(LED)、複数のLEDと電気的に結合されている複数のトランジスタを含む薄膜回路層であって、複数のトランジスタが、複数のLEDのオペレーションを制御するように構成されており、薄膜回路層が、透明基板に接合されている、薄膜回路層、ならびに/または透明基板に接合されているバックプレーンであって、薄膜回路層と電気的に結合されており、および/もしくは透明基板の、薄膜回路層と同じ側にある、バックプレーンとを含む。いくつかの実施形態においては、この装置は、拡張現実システムのフレームであって、複数のLEDを保持し、複数のLEDが、拡張現実システムのためのディスプレイの一部である、フレーム、および/または複数のLEDのうちの複数のLEDのオペレーションを制御するために複数のトランジスタのうちの多数のトランジスタと、薄膜回路層と透明基板との間において、1つの接合を電気的に結合する薄膜回路層におけるトレースを含む。
【0013】
この「発明の概要」は、特許請求される主題の鍵となる特徴または必要不可欠な特徴を識別することを意図されているものではなく、特許請求される主題の範囲を特定するために切り離して使用されることを意図されているものでもない。主題は、本開示の明細書全体のうちの適切な部分、いずれかのまたはすべての図面、およびそれぞれの特許請求の範囲を参照することによって理解されるべきである。上述のことは、その他の特徴および例とともに、以降の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、さらに詳細に後述される。
【0014】
下記の図を参照しながら、例示的な実施形態が詳細に後述される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】特定の実施形態によるニアアイディスプレイを含む人工現実システム環境の例の簡略化されたブロック図である。
図2】本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスの形態のニアアイディスプレイの例の斜視図である。
図3】本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのメガネの形態のニアアイディスプレイの例の斜視図である。
図4】特定の実施形態による導波管ディスプレイを含む光学シースルー拡張現実システムの例を示す図である。
図5A】特定の実施形態による導波管ディスプレイを含むニアアイディスプレイデバイスの例を示す図である。
図5B】特定の実施形態による導波管ディスプレイを含むニアアイディスプレイデバイスの例を示す図である。
図6】特定の実施形態による拡張現実システムにおける画像ソースアセンブリの例を示す図である。
図7A】特定の実施形態による垂直メサ構造を有する発光ダイオード(LED)の例を示す図である。
図7B】特定の実施形態による放物線メサ構造を有するLEDの例の断面図である。
図8A】特定の実施形態による、LEDのアレイのためのダイ対ウェハ接合の方法の例を示す図である。
図8B】特定の実施形態による、LEDのアレイのためのウェハ対ウェハ接合の方法の例を示す図である。
図9A-D】特定の実施形態による、LEDのアレイのためのハイブリッド接合の方法の例を示す図である。
図10】特定の実施形態による、その上に製作された二次光学部品を備えたLEDアレイの例を示す図である。
図11】例示的なディスプレイの側面図である。
図12図11の例示的なディスプレイの上面図である。
図13】薄膜回路層に接合されているバックプレーンを備えたLEDアレイ上に堆積された薄膜回路層の例を示す図である。
図14】マイクロLEDのアレイの例を示す図である。
図15】マイクロLEDのアレイに関連したマイクロバンプ配置の例を示す図である。
図16】LED上の薄膜回路層の断面図である。
図17】LEDアレイに接合されているバックプレーンの例の断面図である。
図18】ディスプレイデバイスの例示的なアーキテクチャを示す図である。
図19】ディスプレイデバイスの例示的な変調回路を示す図である。
図20】ディスプレイデバイスの例示的な変調回路を示す図である。
図21】ディスプレイデバイスの例示的な変調回路を示す図である。
図22】ピクセルごとに1つの接続を使用するアドレス指定スキームの例を示す図である。
図23】行および列を使用するアドレス指定スキームの例を示す図である。
図24】2つの行信号を使用してLEDをアドレス指定するための例示的な回路を示す図である。
図25】LEDをアドレス指定するために複数の行信号を使用する例示的なレイアウトを示す図である。
図26】ディスプレイデバイスを製作するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図27】薄膜回路層に機能性を付加するための複雑さおよびマイクロバンプ低減の例示的なスライディングスケールを示す図である。
図28】マイクロLEDディスプレイを製作するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図29】タイルへと分割されたアレイの例を示す図である。
図30】タイル内の行に電流を印加するために使用される回路の例を示す図である。
図31】タイルに関するバンプの場所の例を示す図である。
図32】タイルサイズをバンプピッチと比較する例示的なチャートである。
図33】LEDディスプレイを製作するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図34】エピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図35】エピタキシャル構造上に堆積された接触層および一時的な接合層を有するエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図36】エピタキシャル構造に接合された一時的なキャリアを有するエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図37】エピタキシャル構造から基板が除去された状態のエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図38】エピタキシャル構造を個片化するためにエッチングされたエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図39】エピタキシャル構造上に堆積された薄膜回路層の実施形態の簡略化された断面図である。
図40】バックプレーンに接合された薄膜回路層の実施形態の簡略化された断面図である。
図41】接合後に除去された一時的なキャリアの実施形態の簡略化された断面図である。
図42】エピタキシャル構造に光抽出要素を付加する実施形態の簡略化された断面図である。
図43】エピタキシャル構造をエッチングする前にエピタキシャル構造に薄膜回路層を堆積する実施形態の簡略化された断面図である。
図44】薄膜回路層をバックプレーンに接合する実施形態の簡略化された断面図である。
図45】接合後に除去された一時的なキャリアの実施形態の簡略化された断面図である。
図46】一時的なキャリアを除去した後にエピタキシャル構造をエッチングする実施形態の簡略化された断面図である。
図47】エピタキシャル構造に光抽出要素を付加する実施形態の簡略化された断面図である。
図48】薄膜回路層の第1の薄膜層をエピタキシャル構造に堆積する実施形態の簡略化された断面図である。
図49】第1の薄膜層およびエピタキシャル構造の両方を通じたエッチングの実施形態の簡略化された断面図である。
図50】第1の薄膜層およびエピタキシャル構造の両方をエッチングした後に薄膜回路層の第2の薄膜層を第1の薄膜層に堆積させる実施形態の簡略化された断面図である。
図51】薄膜回路層をバックプレーンに接合する実施形態の簡略化された断面図である。
図52】接合後に除去された一時的なキャリアの実施形態の簡略化された断面図である。
図53】エピタキシャル構造に光抽出要素を付加する実施形態の簡略化された断面図である。
図54】エピタキシャル構造の部分どうしを分離するためのエッチングのプロセスの実施形態のフローチャートである。
図55】エピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図56】イオン注入によるエピタキシャル構造のp側分離の実施形態の簡略化された断面図である。
図57】エピタキシャル構造上に堆積された接触層および一時的な接合層を有するエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図58】エピタキシャル構造に接合された一時的なキャリアを有するエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図59】エピタキシャル構造から基板が除去された状態のエピタキシャル構造をエッチングする実施形態の簡略化された断面図である。
図60】イオン注入によるエピタキシャル構造のn側分離の実施形態の簡略化された断面図である。
図61】エピタキシャル構造上に堆積された薄膜回路層の実施形態の簡略化された断面図である。
図62】バックプレーンに接合された薄膜回路層の実施形態の簡略化された断面図である。
図63】接合後に除去された一時的なキャリアの実施形態の簡略化された断面図である。
図64】エピタキシャル構造に光抽出要素を付加する実施形態の簡略化された断面図である。
図65】イオン注入を使用してエピタキシャル構造の部分どうしを分離するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図66】エピタキシャル構造の部分どうしを分離するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図67】透明基板に接合されたエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面図である。
図68】透明基板に接合されたLEDアレイへのトレースの簡略化された図である。
図69】LEDアレイを透明基板に接合するための実施形態のフローチャートである。
図70】特定の実施形態によるニアアイディスプレイの例の電子システムの簡略化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらの図は、例示のみを目的として本開示の実施形態を示している。本開示の原理またはうたわれている利点から逸脱することなく、示されている構造および方法の代替実施形態が採用されることが可能であるということを当業者なら以降の記述から容易に認識するであろう。
【0017】
添付の図においては、同様の構成要素どうしおよび/または機能どうしが、同じ参照ラベルを有する場合がある。さらに、ダッシュと、同様の構成要素どうしの間を区別する第2のラベルとを参照ラベルの後に付けることによって、同じタイプのさまざまな構成要素が区別される場合がある。本明細書において第1の参照ラベルのみが使用されている場合には、その記述は、第2の参照ラベルとは関わりなく、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれの構成要素にも適用可能である。
【0018】
本開示は、全般的には、発光ダイオード(LED)に関する。より具体的には、本明細書に開示されているのは、回路をLEDディスプレイと統合するための技術であるが、それには限定されない。デバイス、システム、方法、材料などを含む、さまざまな独創的な実施形態が、本明細書において記述されている。
【0019】
今日の一般的なディスプレイテクノロジーは、液晶ディスプレイ(LCD)から、より最近の有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、およびアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイまでに及ぶ。優れたバッテリー性能と、強化された輝度とに基づく第3世代のフラットディスプレイ画像ジェネレータとして無機発光ダイオード(ILED)が台頭している。本明細書において記述されている「μLED」、「uLED」、「マイクロLED(micro-LED)」、または「マイクロLED(MicroLED)」は、小さな活性発光エリア(たとえば、2,000μm未満)を有する特定のタイプのILEDを指し、いくつかの例においては、指向性光を生成して、小さな活性発光エリアから放出される光の輝度レベルを高めることが可能である。いくつかの例においては、マイクロLEDは、50μm未満、20μm未満、または10μm未満の活性発光厚さを有するLEDを指す場合がある。いくつかの例においては、直線寸法は、2μmまたは4μm程度の小ささである場合がある。本開示の残りの部分に関しては、「LED」は、μLED、ILED、OLED、またはその他のタイプのLEDデバイスを指す場合がある。
【0020】
ILEDディスプレイは、OLEDディスプレイとは異なるプロセスを使用して製造されることが可能である。たとえば、OLEDデバイスは、ディスプレイ基板上に直接製作される。対照的に、ILEDデバイスは、ディスプレイ基板とは別個に製作される。ILEDデバイスのベース材料を結晶基板上に成長させて、LEDスタータウェハを形成することが可能である。LEDスタータウェハは、さまざまなステップを通じて処理されて、個々のLEDダイを生成することが可能であり、それぞれのLEDダイは、LEDデバイスを含む。いったん製作されると、LEDダイは、キャリア基板からバックプレーンへ移されることが可能である。そのバックプレーンは、ディスプレイデバイスのディスプレイバックプレーンであることが可能である。ディスプレイデバイスのLEDデバイスどうしが分割されて、ピクセルを形成することが可能である。それぞれのピクセルは、制御回路から制御信号を受信して、たとえば、そのピクセルによって表示される強度および色を設定することが可能である。バックプレーンは、制御信号をLEDデバイスへ送信するための信号線を含むことも可能である。バックプレーンは、LEDデバイスと信号線との間における電気接続を提供するために、バンプまたはその他の相互接続構造を含むことが可能である。
【0021】
いくつかの例においては、バックプレーンは、それぞれのLEDデバイスごとに、またはそれぞれのピクセル(1つもしくは複数のLEDデバイスを含むことが可能である)ごとに1つのバンプを含むことが可能であり、それによって、それぞれのピクセルは個々に制御信号を受信することが可能である。しかしながら、このような配置は、多数のバンプがバックプレーン上に置かれることにつながる可能性がある。たとえば、100万ピクセルを含むディスプレイは、100万個のバンプを含む可能性がある。多数のバンプならびに関連付けられている信号線は、LEDデバイスと制御回路との間における緊密な統合、ならびにLEDデバイスの製作を劣化させる可能性があり、それらのすべてが、ディスプレイのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
【0022】
本開示の例は、ディスプレイ装置を提供する。このディスプレイ装置は、発光ダイオード(LED)デバイス、トランジスタ層、およびバックプレーンを含むことが可能である。トランジスタ層は、LEDデバイスと電気的に接続されており、(a)トランジスタのグループ、および(b)トランジスタのグループと電気的に接続されていてトランジスタのグループの間において共有されている共通信号線を含む。トランジスタのそれぞれのグループは、LEDデバイスのうちのそれぞれのLEDデバイスに対応し、共通信号線から受信された制御信号に基づいて、対応するLEDデバイスのオペレーションを制御するように構成されているトランジスタを含む。バックプレーンは、バンプを含むことが可能であり、それぞれのバンプは、共通信号線のうちの1つまたは複数と電気的に接続されている。バックプレーンはさらに、制御信号を生成するように、およびそれらの制御信号をバンプへ送信するように構成されているコントローラを含むことが可能である。
【0023】
いくつかの例においては、トランジスタ層は、ピクセルを形成するそれぞれのLEDデバイスのバックエンド上に形成されている薄膜トランジスタ(TFT)を含むことが可能である。コントローラがバックプレーンの内部にあるケースにおいては、バックプレーンは、シリコン相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal-oxide-semiconductor)コントローラを統合しているシリコン基板を含むことが可能である。コントローラは、バンプを介してそれぞれのピクセルのTFTを駆動することが可能である。バンプは、トランジスタの層の共通信号線に接続されており、バンプおよび共通線は、ピクセルのTFTどうしの間で共有されている。共通信号線は、ピクセルを選択するための選択信号(たとえば、行選択および/または列選択信号を含むピクセルアドレス)、ならびにピクセルの色および/または出力強度を選択するためのオペレーション信号を搬送することが可能である。ピクセルを駆動するために、コントローラは、そのピクセルを対象とした選択信号およびオペレーション信号をバンプへ送信することが可能である。それらの信号は、共通信号線からピクセルのTFTによって受信されることが可能であるが、オペレーション信号に応答するために選択信号によって対象ピクセルのTFTのみが選択されることになる。
【0024】
開示されている技術を用いれば、バックプレーン上に形成されるバンプ(またはその他のタイプの相互接続構造)の数が大幅に低減されることが可能である。バンプは、個々のピクセルに制御信号を提供する代わりに、ピクセルのうちのいくつかまたはすべての間において共有される共通制御信号を提供するために使用されることが可能である。その上、コントローラは、少数のバンプおよび信号線に電気的に接続されているので、コントローラは、よりコンパクトにされることが可能であり、より高速で動作することが可能であり、これは、TFTのパフォーマンス要件を緩和することが可能であり、電力を低減することが可能である。さらに、開示されている技術はまた、単一のウェハ/基板上でのTFT、LEDデバイスのモノリシック製作を可能にし、これは、LEDデバイスと、LEDデバイスを制御するTFTとの緊密な統合を可能にするだけでなく、LEDデバイスの最適化も容易にする。これらのすべては、LEDデバイスの、およびディスプレイ装置のパフォーマンスを改善することが可能である。
【0025】
本明細書において記述されているマイクロLEDは、人工現実システムなどのさまざまなテクノロジーとともに使用されることが可能である。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)またはヘッドアップディスプレイ(HUD)システムなどの人工現実システムは一般に、仮想環境内のオブジェクトを描写する人工画像を提示するように構成されているディスプレイを含む。そのディスプレイは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、または複合現実(MR)アプリケーションにおけるのと同様に、仮想オブジェクトを提示すること、または現実のオブジェクトの画像を仮想オブジェクトと組み合わせることが可能である。たとえば、ARシステムにおいては、ユーザは、たとえば、透明なディスプレイグラスもしくはレンズ(しばしば光学シースルーと呼ばれる)を通じて見ること、またはカメラによって取り込まれた周囲環境の表示された画像(しばしばビデオシースルーと呼ばれる)を閲覧することによって、仮想オブジェクトの表示された画像(たとえば、コンピュータ生成画像(CGI))と、周囲環境との両方を閲覧することが可能である。いくつかのARシステムにおいては、LEDベースのディスプレイサブシステムを使用して人工画像がユーザに提示されることが可能である。
【0026】
本明細書において使用される際には、「発光ダイオード(LED)」という用語は、少なくともn型半導体層、p型半導体層、およびn型半導体層とp型半導体層との間における発光領域(すなわち、活性領域)を含む光源を指す。発光領域は、量子井戸などの1つまたは複数のヘテロ構造を形成する1つまたは複数の半導体層を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、発光領域は、それぞれが複数の(たとえば、約2個から6個の)量子井戸を含む1つまたは複数の多重量子井戸(MQW)を形成する複数の半導体層を含むことが可能である。
【0027】
本明細書において使用される際には、「マイクロLED」または「μLED」という用語は、チップの直線寸法が、100μm未満、50μm未満、20μm未満、10μm未満、またはそれ未満など、約200μm未満であるチップを有するLEDを指す。たとえば、マイクロLEDの直線寸法は、6μm、5μm、4μm、2μm、またはそれ未満程度の小ささである場合がある。いくつかのマイクロLEDは、少数キャリアの拡散長に匹敵する直線寸法(たとえば、長さまたは直径)を有する場合がある。しかしながら、本明細書における開示は、マイクロLEDには限定されず、ミニLEDおよび大型LEDに適用されることも可能である。
【0028】
本明細書において使用される際には、「接合」という用語は、接着接合、金属対金属接合、金属酸化物接合、ウェハ対ウェハ接合、ダイ対ウェハ接合、ハイブリッド接合、はんだ付け、アンダーバンプメタライゼーション等など、2つ以上のデバイスおよび/またはウェハを物理的におよび/または電気的に接続するためのさまざまな方法を指すことが可能である。たとえば、接着接合は、硬化型接着剤(たとえば、エポキシ)を使用して、接着を通じて2つ以上のデバイスおよび/またはウェハを物理的に接合することが可能である。金属対金属接合は、たとえば、はんだ付け界面(たとえば、パッドもしくはボール)、導電性接着剤、または金属どうしの間における溶接継手を使用するワイヤ接合またはフリップチップ接合を含むことが可能である。金属酸化物接合は、それぞれの表面上に金属および酸化物のパターンを形成し、酸化物セクションどうしをともに接合し、次いで金属セクションどうしをともに接合して、導電性経路を作成することが可能である。ウェハ対ウェハ接合は、いかなる中間層も伴わずに2つのウェハ(たとえば、シリコンウェハまたはその他の半導体ウェハ)を接合することが可能であり、それらの2つのウェハの表面どうしの間における化学接合に基づく。ウェハ対ウェハ接合は、ウェハ洗浄およびその他の前処理、室温での位置合わせおよび前接合、ならびに約250℃以上などの高温でのアニーリングを含む場合がある。ダイ対ウェハ接合は、1つのウェハ上のバンプを使用して、事前に形成されたチップの機能をウェハのドライバと位置合わせすることが可能である。ハイブリッド接合は、たとえば、ウェハ洗浄、あるウェハの接点と別のウェハの接点との高精度の位置合わせ、室温でのウェハ内の誘電材料どうしの誘電接合、および、たとえば250~300℃以上での、アニーリングによる接点どうしの金属接合を含む場合がある。本明細書において使用される際には、「バンプ」という用語は、金属パッドなど、接合中に使用または形成される金属相互接続を総称的に指すことが可能である。開示されている技術は、いわゆる「バンプレス」接合プロセスに適用可能である。
【0029】
以降の記述においては、説明の目的から、本開示の例の徹底的な理解を提供するために具体的な詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的な詳細を伴わずにさまざまな例が実施されることが可能であるということは明らかであろう。たとえば、それらの例を不必要に詳細にわかりにくくしないために、デバイス、システム、構造、アセンブリ、方法、およびその他の構成要素が、ブロック図形式の構成要素として示される場合がある。その他の場合においては、それらの例をわかりにくくすることを回避するために、よく知られているデバイス、プロセス、システム、構造、および技術は、必要な詳細を伴わずに示されることがある。図および記述は、限定的であることを意図されているものではない。本開示において採用されている用語および表現は、限定のではなく、記述の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され記述されている特徴またはそれらの部分のいかなる均等物も除外する意図はない。「例」という言葉は、本明細書においては、「例、実例、または例示としての役割を果たすこと」を意味するために使用されている。本明細書において「例」として記述されているいずれの実施形態または設計も、必ずしもその他の実施形態または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0030】
図1は、特定の実施形態によるニアアイディスプレイ120を含む人工現実システム環境100の例の簡略化されたブロック図である。図1において示されている人工現実システム環境100は、ニアアイディスプレイ120、任意選択の外部撮像デバイス150、および任意選択の入力/出力インターフェース140を含むことが可能であり、それらのそれぞれは、任意選択のコンソール110に結合されることが可能である。図1は、1つのニアアイディスプレイ120と、1つの外部撮像デバイス150と、1つの入力/出力インターフェース140とを含む人工現実システム環境100の例を示しているが、任意の数のこれらのコンポーネントが人工現実システム環境100に含まれることが可能であり、またはこれらのコンポーネントのうちのいずれかが省略されることが可能である。たとえば、コンソール110と通信状態にある1つまたは複数の外部撮像デバイス150によってモニタされる複数のニアアイディスプレイ120があることが可能である。いくつかの構成においては、人工現実システム環境100は、外部撮像デバイス150、任意選択の入力/出力インターフェース140、および任意選択のコンソール110を含まないことが可能である。代替構成においては、異なるコンポーネントまたは追加のコンポーネントが人工現実システム環境100に含まれることが可能である。
【0031】
ニアアイディスプレイ120は、コンテンツをユーザに提示するヘッドマウントディスプレイであることが可能である。ニアアイディスプレイ120によって提示されるコンテンツの例は、画像、ビデオ、オーディオ、またはそれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120、コンソール110、または両方からオーディオ情報を受信し、そのオーディオ情報に基づいてオーディオデータを提示する外部デバイス(たとえば、スピーカーおよび/またはヘッドフォン)を介してオーディオが提示されることが可能である。ニアアイディスプレイ120は、1つまたは複数の剛体を含むことが可能であり、それらは、互いに堅固にまたは非堅固に結合されることが可能である。剛体どうしの間における堅固な結合は、結合されている剛体どうしを単一の剛体エンティティーとして機能させることが可能である。剛体どうしの間における非堅固な結合は、剛体どうしが互いに対して移動することを可能にすることができる。さまざまな実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、メガネを含む任意の適切なフォームファクタで実装されることが可能である。ニアアイディスプレイ120のいくつかの実施形態が、以降で図2および図3に関連してさらに記述されている。加えて、さまざまな実施形態においては、本明細書において記述されている機能性は、ニアアイディスプレイ120の外部の環境の画像と、人工現実コンテンツ(たとえば、コンピュータ生成画像)とを組み合わせるヘッドセットにおいて使用されることが可能である。したがって、ニアアイディスプレイ120は、生成されたコンテンツ(たとえば、画像、ビデオ、サウンドなど)を用いてニアアイディスプレイ120の外部の物理的な現実世界環境の画像を拡張して、拡張現実をユーザに提示することが可能である。
【0032】
さまざまな実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、ディスプレイエレクトロニクス122、ディスプレイオプティクス124、およびアイトラッキングユニット130のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、1つまたは複数のロケータ126、1つまたは複数の位置センサ128、および慣性測定ユニット(IMU)132を含むことも可能である。ニアアイディスプレイ120は、さまざまな実施形態においては、アイトラッキングユニット130、ロケータ126、位置センサ128、およびIMU 132のうちのいずれかを省略すること、または追加の要素を含むことが可能である。加えて、いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、図1に関連して記述されているさまざまな要素の機能を組み合わせる要素を含むことが可能である。
【0033】
ディスプレイエレクトロニクス122は、たとえば、コンソール110から受信されたデータに従ってユーザに画像を表示すること、またはそれらの画像の表示を容易にすることが可能である。さまざまな実施形態においては、ディスプレイエレクトロニクス122は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、無機発光ダイオード(ILED)ディスプレイ、マイクロ発光ダイオード(μLED)ディスプレイ、アクティブマトリックスOLEDディスプレイ(AMOLED)、透明OLEDディスプレイ(TOLED)、またはその他の何らかのディスプレイなど、1つまたは複数のディスプレイパネルを含むことが可能である。たとえば、ニアアイディスプレイ120の一実施態様においては、ディスプレイエレクトロニクス122は、フロントTOLEDパネル、リアディスプレイパネル、およびフロントディスプレイパネルとリアディスプレイパネルとの間における光学部品(たとえば、減衰器、ポラライザ、または回折フィルムもしくはスペクトルフィルム)を含むことが可能である。ディスプレイエレクトロニクス122は、赤、緑、青、白、または黄色などの主色の光を放出するためのピクセルを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、ディスプレイエレクトロニクス122は、画像の奥行きの主観的な知覚をもたらすために、2次元パネルどうしによって生成された立体感を通じて3次元(3D)画像を表示することが可能である。たとえば、ディスプレイエレクトロニクス122は、ユーザの左目および右目の前にそれぞれ配置されている左ディスプレイおよび右ディスプレイを含むことが可能である。左ディスプレイおよび右ディスプレイは、立体感(すなわち、画像を閲覧しているユーザによる画像の奥行きの知覚)をもたらすために、互いに対して水平にシフトされた画像のコピーどうしを提示することが可能である。
【0034】
特定の実施形態においては、ディスプレイオプティクス124は、画像コンテンツを光学的に(たとえば、光導波管およびカプラを使用して)表示するか、またはディスプレイエレクトロニクス122から受信された画像光を拡大し、その画像光に関連付けられている光学エラーを訂正し、訂正された画像光をニアアイディスプレイ120のユーザに提示することが可能である。さまざまな実施形態においては、ディスプレイオプティクス124は、たとえば、基板、光導波管、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、入力/出力カプラ、または、ディスプレイエレクトロニクス122から放出される画像光に影響を与えることが可能であるその他の任意の適切な光学要素など、1つまたは複数の光学要素を含むことが可能である。ディスプレイオプティクス124は、さまざまな光学要素の組合せ、ならびにその組合せにおける光学要素どうしの相対的な間隔および向きを保持するための機械的結合を含むことが可能である。ディスプレイオプティクス124内の1つまたは複数の光学要素は、反射防止コーティング、反射コーティング、フィルタリングコーティング、またはさまざまな光学コーティングの組合せなどの光学コーティングを有することが可能である。
【0035】
ディスプレイオプティクス124による画像光の拡大は、ディスプレイエレクトロニクス122が、より大きなディスプレイよりも物理的に小さいこと、軽量であること、およびより少ない電力を消費することを可能にすることができる。加えて、拡大は、表示されるコンテンツの視野を広げることが可能である。ディスプレイオプティクス124による画像光の拡大の量は、ディスプレイオプティクス124からの光学要素を調整すること、追加すること、または除去することによって変更されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ディスプレイオプティクス124は、表示される画像を、ユーザの目からニアアイディスプレイ120よりもさらに遠く離れていることが可能である1つまたは複数の画像平面に投影することが可能である。
【0036】
ディスプレイオプティクス124は、2次元光学エラー、3次元光学エラー、またはそれらの任意の組合せなど、1つまたは複数のタイプの光学エラーを訂正するように設計されることも可能である。2次元エラーは、2次元で発生する光学収差を含む場合がある。2次元エラーの例示的なタイプは、たる形歪み、糸巻型歪み、縦色収差、および横色収差を含む場合がある。3次元エラーは、3次元で発生する光学エラーを含む場合がある。3次元エラーの例示的なタイプは、球面収差、コマ収差、像面湾曲、および非点収差を含む場合がある。
【0037】
ロケータ126どうしは、互いに対して、およびニアアイディスプレイ120上の基準点に対して、ニアアイディスプレイ120上の特定の位置に配置されたオブジェクトどうしであることが可能である。いくつかの実施態様においては、コンソール110は、外部撮像デバイス150によって取り込まれた画像内のロケータ126を識別して、人工現実ヘッドセットの位置、向き、または両方を特定することが可能である。ロケータ126は、LED、コーナーキューブリフレクタ、反射マーカ、ニアアイディスプレイ120が動作する環境と対照をなすタイプの光源、またはそれらの任意の組合せであることが可能である。ロケータ126がアクティブコンポーネント(たとえば、LEDまたはその他のタイプの発光デバイス)である実施形態においては、ロケータ126は、可視帯域(たとえば、約380nmから750nm)における、赤外線(IR)帯域(たとえば、約750nmから1mm)における、紫外線帯域(たとえば、約10nmから約380nm)における、電磁スペクトルの別の部分における、または電磁スペクトルの部分どうしの任意の組合せにおける光を放出することが可能である。
【0038】
外部撮像デバイス150は、1つもしくは複数のカメラ、1つもしくは複数のビデオカメラ、ロケータ126のうちの1つもしくは複数を含む画像を取り込むことが可能なその他の任意のデバイス、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。加えて、外部撮像デバイス150は、(たとえば、信号対雑音比を高めるために)1つまたは複数のフィルタを含むことが可能である。外部撮像デバイス150は、外部撮像デバイス150の視野においてロケータ126から放出または反射された光を検知するように構成されることが可能である。ロケータ126が受動要素(たとえば、再帰反射器)を含む実施形態においては、外部撮像デバイス150は、外部撮像デバイス150内の光源に光を再帰反射することが可能であるロケータ126のうちのいくつかまたはすべてを照らす光源を含むことが可能である。低速較正データが、外部撮像デバイス150からコンソール110へ通信されることが可能であり、外部撮像デバイス150は、1つまたは複数の較正パラメータをコンソール110から受信して、1つまたは複数の撮像パラメータ(たとえば、焦点距離、ピント、フレームレート、センサ温度、シャッタースピード、アパーチャなど)を調整することが可能である。
【0039】
位置センサ128は、ニアアイディスプレイ120の動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成することが可能である。位置センサ128の例は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、その他の動き検知もしくはエラー訂正センサ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、位置センサ128は、並進運動(たとえば、前方/後方、上/下、または左/右)を測定するための複数の加速度計と、回転運動(たとえば、ピッチ、ヨー、またはロール)を測定するための複数のジャイロスコープとを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、さまざまな位置センサは、互いに直交して配向されることが可能である。
【0040】
IMU132は、位置センサ128のうちの1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて高速較正データを生成する電子デバイスであることが可能である。位置センサ128は、IMU132の外部、IMU132の内部、またはそれらの任意の組合せに配置されることが可能である。1つまたは複数の位置センサ128からの1つまたは複数の測定信号に基づいて、IMU132は、ニアアイディスプレイ120の初期位置に対するニアアイディスプレイ120の推定位置を示す高速較正データを生成することが可能である。たとえば、IMU132は、経時的に加速度計から受信された測定信号どうしを統合して速度ベクトルを推定し、その速度ベクトルを経時的に統合してニアアイディスプレイ120上の基準点の推定位置を特定することが可能である。あるいは、IMU132は、サンプリングされた測定信号をコンソール110に提供することが可能であり、コンソール110は、高速較正データを特定することが可能である。基準点は、一般には空間における点として定義されることが可能であるが、さまざまな実施形態においては、基準点は、ニアアイディスプレイ120内の点(たとえば、IMU132の中心)として定義されることも可能である。
【0041】
アイトラッキングユニット130は、1つまたは複数のアイトラッキングシステムを含むことが可能である。アイトラッキングとは、ニアアイディスプレイ120に対する、目の向きおよび場所を含む、目の位置を特定することを指すことが可能である。アイトラッキングシステムは、1つまたは複数の目を撮像するための撮像システムを含むことが可能であり、また任意選択で発光体を含むことが可能であり、その発光体は、目に向けられる光を生成することが可能であり、それにより、目によって反射された光が撮像システムによって取り込まれることが可能である。たとえば、アイトラッキングユニット130は、可視スペクトルまたは赤外線スペクトルにおける光を放出する非コヒーレントまたはコヒーレント光源(たとえば、レーザーダイオード)と、ユーザの目によって反射された光を取り込むカメラとを含むことが可能である。別の例として、アイトラッキングユニット130は、小型レーダユニットによって放出された反射電波を取り込むことが可能である。アイトラッキングユニット130は、目を傷つけることのない、または身体的不快感を引き起こすことのない周波数および強度で光を放出する低電力発光体を使用することが可能である。アイトラッキングユニット130は、アイトラッキングユニット130によって消費される全体的な電力を低減しながら(たとえば、アイトラッキングユニット130に含まれている発光体および撮像システムによって消費される電力を低減しながら)、アイトラッキングユニット130によって取り込まれた目の画像におけるコントラストを高めるようにアレンジされることが可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、アイトラッキングユニット130は、100ミリワット未満の電力を消費することが可能である。
【0042】
ニアアイディスプレイ120は、目の向きを使用して、たとえば、ユーザの瞳孔間距離(IPD)を特定すること、視線方向を特定すること、奥行き手がかりを導入すること(たとえば、ユーザの主視線の外側の画像をぼかすこと)、VRメディアにおけるユーザの対話についてのヒューリスティック(たとえば、露出されている刺激に応じた、いずれかの特定の被写体、オブジェクト、もしくはフレーム上で費やされた時間)を収集すること、ユーザの目のうちの少なくとも1つの向きに部分的に基づくその他のいくつかの機能、またはそれらの任意の組合せが可能である。向きは、ユーザの両方の目に関して特定されることが可能であるので、アイトラッキングユニット130は、どこをユーザが見ているかを特定することが可能であり得る。たとえば、ユーザの視線の方向を特定することは、ユーザの左目および右目の特定された向きに基づいて収束点を特定することを含むことが可能である。収束点は、ユーザの目の2つの中心窩軸が交差する点であることが可能である。ユーザの視線の方向は、収束点と、ユーザの両目の瞳孔どうしの間における中点とを通過する線の方向であることが可能である。
【0043】
入力/出力インターフェース140は、ユーザがアクション要求をコンソール110へ送信することを可能にするデバイスであることが可能である。アクション要求は、特定のアクションを実行するための要求であることが可能である。たとえば、アクション要求は、アプリケーションを開始することもしくは終了すること、またはアプリケーション内で特定のアクションを実行することであることが可能である。入力/出力インターフェース140は、1つまたは複数の入力デバイスを含むことが可能である。例示的な入力デバイスは、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、グローブ、ボタン、タッチスクリーン、または、アクション要求を受信して、その受信されたアクション要求をコンソール110へ通信するためのその他の任意の適切なデバイスを含むことが可能である。入力/出力インターフェース140によって受信されたアクション要求は、コンソール110へ通信されることが可能であり、コンソール110は、要求されたアクションに対応するアクションを実行することが可能である。いくつかの実施形態においては、入力/出力インターフェース140は、コンソール110から受信された命令に従って触覚フィードバックをユーザに提供することが可能である。たとえば、入力/出力インターフェース140は、アクション要求が受信された場合に、または要求されているアクションをコンソール110が実行して入力/出力インターフェース140に命令を通信した場合に、触覚フィードバックを提供することが可能である。いくつかの実施形態においては、外部撮像デバイス150は、ユーザの動きを特定する目的で、コントローラ(たとえば、IR光源を含むことが可能である)またはユーザの手の場所または位置を追跡把握することなど、入力/出力インターフェース140を追跡把握するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、ユーザの動きを特定する目的で、コントローラまたはユーザの手の場所または位置を追跡把握することなど、入力/出力インターフェース140を追跡把握するための1つまたは複数の撮像デバイスを含むことが可能である。
【0044】
コンソール110は、外部撮像デバイス150、ニアアイディスプレイ120、および入力/出力インターフェース140のうちの1つまたは複数から受信された情報に従ってユーザに提示するためにニアアイディスプレイ120にコンテンツを提供することが可能である。図1において示されている例においては、コンソール110は、アプリケーションストア112、ヘッドセットトラッキングモジュール114、人工現実エンジン116、およびアイトラッキングモジュール118を含むことが可能である。コンソール110のいくつかの実施形態は、図1に関連して記述されているものとは異なるモジュールまたは追加のモジュールを含むことが可能である。以降でさらに記述されている機能は、ここで記述されているのとは異なる様式でコンソール110のコンポーネントどうしの間において分散されることが可能である。
【0045】
いくつかの実施形態においては、コンソール110は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を格納している非一時的コンピュータ可読ストレージメディアとを含むことが可能である。プロセッサは、命令どうしを並行して実行する複数の処理ユニットを含むことが可能である。非一時的コンピュータ可読ストレージメディアは、ハードディスクドライブ、リムーバブルメモリ、またはソリッドステートドライブ(たとえば、フラッシュメモリまたはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))など、任意のメモリであることが可能である。さまざまな実施形態においては、図1に関連して記述されているコンソール110のモジュールは、プロセッサによって実行されたときに、以降でさらに記述されている機能をプロセッサに実行させる非一時的コンピュータ可読ストレージメディア内の命令としてエンコードされることが可能である。
【0046】
アプリケーションストア112は、コンソール110によって実行するための1つまたは複数のアプリケーションを格納することが可能である。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたときに、ユーザに提示するためのコンテンツを生成する命令のグループを含むことが可能である。アプリケーションによって生成されるコンテンツは、ユーザの目の動きを介してユーザから受信された入力、または入力/出力インターフェース140から受信された入力に応答することが可能である。アプリケーションの例は、ゲーミングアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、またはその他の適切なアプリケーションを含むことが可能である。
【0047】
ヘッドセットトラッキングモジュール114は、外部撮像デバイス150からの低速較正情報を使用してニアアイディスプレイ120の動きを追跡把握することが可能である。たとえば、ヘッドセットトラッキングモジュール114は、低速較正情報およびニアアイディスプレイ120のモデルから、観察されたロケータを使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を特定することが可能である。ヘッドセットトラッキングモジュール114は、高速較正情報からの位置情報を使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を特定することも可能である。加えて、いくつかの実施形態においては、ヘッドセットトラッキングモジュール114は、高速較正情報、低速較正情報、またはそれらの任意の組合せの部分を使用して、ニアアイディスプレイ120の今後の場所を予測することが可能である。ヘッドセットトラッキングモジュール114は、ニアアイディスプレイ120の推定されたまたは予測された今後の位置を人工現実エンジン116に提供することが可能である。
【0048】
人工現実エンジン116は、人工現実システム環境100内でアプリケーションを実行し、ニアアイディスプレイ120の位置情報、ニアアイディスプレイ120の加速度情報、ニアアイディスプレイ120の速度情報、ニアアイディスプレイ120の予測される今後の位置、またはそれらの任意の組合せをヘッドセットトラッキングモジュール114から受信することが可能である。人工現実エンジン116は、推定された目の位置および向きの情報をアイトラッキングモジュール118から受信することも可能である。受信された情報に基づいて、人工現実エンジン116は、ユーザに提示するためにニアアイディスプレイ120に提供するためのコンテンツを特定することが可能である。たとえば、受信された情報が、ユーザが左を見たということを示している場合には、人工現実エンジン116は、仮想環境におけるユーザの目の動きを反映するニアアイディスプレイ120のためのコンテンツを生成することが可能である。加えて、人工現実エンジン116は、入力/出力インターフェース140から受信されたアクション要求に応答して、コンソール110上で実行しているアプリケーション内でアクションを実行し、そのアクションが実行されたということを示すフィードバックをユーザに提供することが可能である。そのフィードバックは、ニアアイディスプレイ120を介した視覚フィードバックもしくは可聴フィードバック、または入力/出力インターフェース140を介した触覚フィードバックであることが可能である。
【0049】
アイトラッキングモジュール118は、アイトラッキングユニット130からアイトラッキングデータを受信し、そのアイトラッキングデータに基づいてユーザの目の位置を特定することが可能である。目の位置は、ニアアイディスプレイ120またはそのいずれかの要素に対する目の向き、場所、または両方を含むことが可能である。目の回転軸は、そのソケット内の目の場所に応じて変化するので、そのソケット内の目の場所を特定することは、アイトラッキングモジュール118が目の向きをより正確に特定することを可能にすることができる。
【0050】
図2は、本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのHMDデバイス200の形態のニアアイディスプレイの例の斜視図である。HMDデバイス200は、たとえば、VRシステム、ARシステム、MRシステム、またはそれらの任意の組合せの一部であることが可能である。HMDデバイス200は、本体220およびヘッドストラップ230を含むことが可能である。図2は、本体220の下側223、前側225、および左側227を斜視図において示している。ヘッドストラップ230は、調整可能なまたは延長可能な長さを有することが可能である。ユーザがHMDデバイス200をユーザの頭に取り付けることを可能にするために、HMDデバイス200の本体220とヘッドストラップ230との間には十分なスペースがあることが可能である。さまざまな実施形態においては、HMDデバイス200は、追加の、より少ない、または異なるコンポーネントを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、HMDデバイス200は、ヘッドストラップ230ではなく、たとえば、以降の図3において示されているようなメガネテンプルおよびテンプルチップを含むことが可能である。
【0051】
HMDデバイス200は、コンピュータによって生成された要素を伴う、物理的な現実世界環境の仮想のおよび/または拡張されたビューを含むメディアをユーザに提示することが可能である。HMDデバイス200によって提示されるメディアの例は、画像(たとえば、2次元(2D)もしくは3次元(3D)画像)、ビデオ(たとえば、2Dもしくは3Dビデオ)、オーディオ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。画像およびビデオは、HMDデバイス200の本体220に含まれている1つまたは複数のディスプレイアセンブリ(図2においては示されていない)によってユーザのそれぞれの目に提示されることが可能である。さまざまな実施形態においては、1つまたは複数のディスプレイアセンブリは、単一の電子ディスプレイパネルまたは複数の電子ディスプレイパネル(たとえば、ユーザのそれぞれの目に対して1つのディスプレイパネル)を含むことが可能である。電子ディスプレイパネルの例は、たとえば、LCD、OLEDディスプレイ、ILEDディスプレイ、μLEDディスプレイ、AMOLED、TOLED、その他の何らかのディスプレイ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。HMDデバイス200は、2つのアイボックス領域を含むことが可能である。
【0052】
いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、奥行きセンサ、モーションセンサ、位置センサ、およびアイトラッキングセンサなど、さまざまなセンサ(図示せず)を含むことが可能である。これらのセンサのうちのいくつかは、感知のために、構造化された光パターンを使用することが可能である。いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、コンソールと通信するための入力/出力インターフェースを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、仮想現実エンジン(図示せず)を含むことが可能であり、仮想現実エンジンは、HMDデバイス200内でアプリケーションを実行し、さまざまなセンサからHMDデバイス200の奥行き情報、位置情報、加速度情報、速度情報、予測される今後の位置、またはそれらの任意の組合せを受信することが可能である。いくつかの実施態様においては、仮想現実エンジンによって受信された情報は、1つまたは複数のディスプレイアセンブリへの信号(たとえば、表示命令)を生成するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、互いに対して、および基準点に対して、本体220上の固定された位置に配置されたロケータどうし(図示せず、ロケータ126どうしなど)を含むことが可能である。それらのロケータのそれぞれは、外部撮像デバイスによって検知可能である光を放出することが可能である。
【0053】
図3は、本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのメガネの形態のニアアイディスプレイ300の例の斜視図である。ニアアイディスプレイ300は、図1のニアアイディスプレイ120の特定の実施態様であることが可能であり、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、および/または複合現実ディスプレイとして動作するように構成されることが可能である。ニアアイディスプレイ300は、フレーム305およびディスプレイ310を含むことが可能である。ディスプレイ310は、コンテンツをユーザに提示するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ディスプレイ310は、ディスプレイエレクトロニクスおよび/またはディスプレイオプティクスを含むことが可能である。たとえば、図1のニアアイディスプレイ120に関して上述されているように、ディスプレイ310は、LCDディスプレイパネル、LEDディスプレイパネル、または光学ディスプレイパネル(たとえば、導波管ディスプレイアセンブリ)を含むことが可能である。
【0054】
ニアアイディスプレイ300はさらに、フレーム305上にまたはフレーム305内にさまざまなセンサ350a、350b、350c、350d、および350eを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、1つまたは複数の奥行きセンサ、モーションセンサ、位置センサ、慣性センサ、または環境光センサを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、別々の方向における別々の視野を表す画像データを生成するように構成されている1つまたは複数の画像センサを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、ニアアイディスプレイ300の表示されるコンテンツを制御するための、もしくはそのコンテンツに影響を与えるための、および/またはニアアイディスプレイ300のユーザにインタラクティブなVR/AR/MR体験を提供するための入力デバイスとして使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、立体画像化のために使用されることも可能である。
【0055】
いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ300はさらに、光を物理的環境へと投射するための1つまたは複数の照明器330を含むことが可能である。投射される光は、さまざまな周波数帯域(たとえば、可視光、赤外線、紫外線など)に関連付けられることが可能であり、さまざまな目的を果たすことが可能である。たとえば、照明器330は、暗い環境に(または低強度の赤外線、紫外線などを伴う環境に)光を投射して、センサ350a~350eがその暗い環境内のさまざまなオブジェクトの画像を取り込むのを支援することが可能である。いくつかの実施形態においては、照明器330は、環境内のオブジェクト上に特定の光パターンを投射するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、照明器330は、図1に関連して上述されているロケータ126などのロケータとして使用されることが可能である。
【0056】
いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ300は、高解像度カメラ340を含むことも可能である。カメラ340は、視野内の物理的環境の画像を取り込むことが可能である。取り込まれた画像は、たとえば、仮想現実エンジン(たとえば、図1の人工現実エンジン116)によって処理されて、取り込まれた画像に仮想オブジェクトを付加すること、または取り込まれた画像内の物理オブジェクトを修正することが可能であり、処理された画像は、ARまたはMRアプリケーションのためにディスプレイ310によってユーザに表示されることが可能である。
【0057】
図4は、特定の実施形態による導波管ディスプレイを含む光学シースルー拡張現実システム400の例を示している。拡張現実システム400は、プロジェクタ410およびコンバイナ415を含むことが可能である。プロジェクタ410は、光源または画像ソース412およびプロジェクタオプティクス414を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源または画像ソース412は、上述されている1つまたは複数のマイクロLEDデバイスを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、LCDディスプレイパネルまたはLEDディスプレイパネルなど、仮想オブジェクトを表示する複数のピクセルを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、コヒーレントなまたは部分的にコヒーレントな光を生成する光源を含むことが可能である。たとえば、画像ソース412は、レーザーダイオード、垂直キャビティ面発光レーザー、LED、および/または上述されているマイクロLEDを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、原色(たとえば、赤、緑、または青)に対応する単色画像光をそれぞれが放出する複数の光源(たとえば、上述されているマイクロLEDのアレイ)を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、マイクロLEDの3つの2次元アレイを含むことが可能であり、マイクロLEDのそれぞれの2次元アレイは、原色(たとえば、赤、緑、または青)の光を放出するように構成されているマイクロLEDを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、空間光変調器などの光学パターン生成器を含むことが可能である。プロジェクタオプティクス414は、画像ソース412からの光を拡大すること、コリメートすること、スキャンすること、またはコンバイナ415へ投射することなど、画像ソース412からの光を調整することが可能である1つまたは複数の光学部品を含むことが可能である。1つまたは複数の光学部品は、たとえば、1つまたは複数のレンズ、液体レンズ、ミラー、アパーチャ、および/または格子を含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、マイクロLEDの1つまたは複数の1次元アレイまたは細長い2次元アレイを含むことが可能であり、プロジェクタオプティクス414は、マイクロLEDの1次元アレイまたは細長い2次元アレイをスキャンして画像フレームを生成するように構成されている1つまたは複数の1次元スキャナ(たとえば、マイクロミラーまたはプリズム)を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタオプティクス414は、画像ソース412からの光のスキャニングを可能にする複数の電極を備えた液体レンズ(たとえば、液晶レンズ)を含むことが可能である。
【0058】
コンバイナ415は、プロジェクタ410からの光をコンバイナ415の基板420へと結合するための入力カプラ430を含むことが可能である。コンバイナ415は、第1の波長範囲における光の少なくとも50%を透過すること、および第2の波長範囲における光の少なくとも25%を反射することが可能である。たとえば、第1の波長範囲は、約400nmから約650nmまでの可視光であることが可能であり、第2の波長範囲は、たとえば、約800nmから約1000nmまでの赤外線帯域にあることが可能である。入力カプラ430は、体積ホログラフィック格子、回折光学要素(DOE)(たとえば、表面レリーフ格子)、基板420の傾斜面、または屈折カプラ(たとえば、くさびまたはプリズム)を含むことが可能である。入力カプラ430は、可視光に対して30%、50%、75%、90%、またはそれ以上の結合効率を有することが可能である。基板420へと結合された光は、たとえば、全反射(TIR)を通じて基板420内を伝搬することが可能である。基板420は、メガネのレンズの形態であることが可能である。基板420は、平面または曲面を有することが可能であり、ガラス、石英、プラスチック、ポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、水晶、またはセラミックなど、1つまたは複数のタイプの誘電材料を含むことが可能である。基板の厚さは、たとえば、約1mm未満から約10mm以上に及ぶことが可能である。基板420は、可視光に対して透明であることが可能である。
【0059】
基板420は、複数の出力カプラ440を含むことが可能であり、または複数の出力カプラ440に結合されることが可能であり、それらの出力カプラ440は、基板420によって導かれて基板420内を伝搬する光の少なくとも一部分を基板420から抽出して、抽出された光460を拡張現実システム400のユーザの目490に向けるように構成されている。入力カプラ430のように、出力カプラ440は、格子カプラ(たとえば、体積ホログラフィック格子または表面レリーフ格子)、その他のDOE、プリズムなどを含むことが可能である。出力カプラ440は、さまざまな場所においてさまざまな結合(たとえば、回折)効率を有することが可能である。基板420は、コンバイナ415の前の環境からの光450がほとんどまたはまったく損失なしに通過することを可能にすることもできる。出力カプラ440は、光450がほとんど損失なしに通過することを可能にすることもできる。たとえば、いくつかの実施態様においては、出力カプラ440は、光450に対して低い回折効率を有することが可能であり、それによって光450は、屈折するか、またはさもなければ、ほとんど損失なしに出力カプラ440を通過することが可能であり、ひいては、抽出された光460よりも高い強度を有することが可能である。いくつかの実施態様においては、出力カプラ440は、光450に対して高い回折効率を有することが可能であり、光450を特定の所望の方向(すなわち、回折角)にほとんど損失なく回折することが可能である。結果として、ユーザは、コンバイナ415の前の環境と、プロジェクタ410によって投射された仮想オブジェクトとの組み合わされた画像を閲覧することが可能であり得る。
【0060】
図5Aは、特定の実施形態による導波管ディスプレイ530を含むニアアイディスプレイ(NED)デバイス500の例を示している。NEDデバイス500は、ニアアイディスプレイ120、拡張現実システム400、または別のタイプのディスプレイデバイスの例であることが可能である。NEDデバイス500は、光源510、投射オプティクス520、および導波管ディスプレイ530を含むことが可能である。光源510は、赤色発光体512のパネル、緑色発光体514のパネル、および青色発光体516のパネルなど、別々の色の発光体の複数のパネルを含むことが可能である。赤色発光体512は、アレイへと編成されており、緑色発光体514は、アレイへと編成されており、青色発光体516は、アレイへと編成されている。光源510における発光体の寸法およびピッチは、小さくてもよい。たとえば、それぞれの発光体は、2μm未満(たとえば、約1.2μm)の直径を有することが可能であり、ピッチは、2μm未満(たとえば、約1.5μm)であることが可能である。したがって、それぞれの赤色発光体512、緑色発光体514、および青色発光体516における発光体の数は、960×720、1280×720、1440×1080、1920×1080、2160×1080、または2560×1080ピクセルなど、表示画像におけるピクセルの数以上であることが可能である。したがって、表示画像は、光源510によって同時に生成されることが可能である。スキャニング要素は、NEDデバイス500において使用されないことが可能である。
【0061】
導波管ディスプレイ530に到達する前に、光源510によって放出された光は、投射オプティクス520によって調整されることが可能であり、投射オプティクス520は、レンズアレイを含むことが可能である。投射オプティクス520は、光源510によって放出された光を導波管ディスプレイ530へコリメートすることまたは集めることが可能であり、導波管ディスプレイ530は、光源510によって放出された光を導波管ディスプレイ530へと結合するためのカプラ532を含むことが可能である。導波管ディスプレイ530へと結合された光は、たとえば、図4に関連して上述されているような全反射を通じて、導波管ディスプレイ530内を伝搬することが可能である。カプラ532は、導波管ディスプレイ530内を伝搬する光の部分を、導波管ディスプレイ530からユーザの目590へ向けて結合することも可能である。
【0062】
図5Bは、特定の実施形態による導波管ディスプレイ580を含むニアアイディスプレイ(NED)デバイス550の例を示している。いくつかの実施形態においては、NEDデバイス550は、スキャニングミラー570を使用して、光源540からの光を、ユーザの目590が位置していることが可能である鏡像力場へ投射することが可能である。NEDデバイス550は、ニアアイディスプレイ120、拡張現実システム400、または別のタイプのディスプレイデバイスの例であることが可能である。光源540は、赤色発光体542の複数の行、緑色発光体544の複数の行、および青色発光体546の複数の行など、別々の色の発光体の1つもしくは複数の行または1つもしくは複数の列を含むことが可能である。たとえば、赤色発光体542、緑色発光体544、および青色発光体546は、それぞれN個の行を含むことが可能であり、それぞれの行は、たとえば、2560個の発光体(ピクセル)を含む。赤色発光体542は、アレイへと編成されており、緑色発光体544は、アレイへと編成されており、青色発光体546は、アレイへと編成されている。いくつかの実施形態においては、光源540は、それぞれの色に関して単一の列の発光体を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源540は、赤色、緑色、および青色のそれぞれに関して複数の列の発光体を含むことが可能であり、この場合、それぞれの列は、たとえば1080個の発光体を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源540における発光体の寸法および/またはピッチは、比較的大きい(たとえば、約3~5μmである)ことが可能であり、ひいては光源540は、表示画像全体を同時に生成するための十分な発光体を含まない場合がある。たとえば、単一の色に関する発光体の数は、表示画像におけるピクセルの数(たとえば、2560×1080ピクセル)よりも少ない場合がある。光源540によって放出される光は、光のコリメートされたまたは発散するビームのセットであることが可能である。
【0063】
スキャニングミラー570に到達する前に、光源540によって放出された光は、コリメーティングレンズまたは自由形状光学要素560など、さまざまな光学デバイスによって調整されることが可能である。自由形状光学要素560は、たとえば、光源540によって放出された光の伝搬方向を、たとえば約90°以上変更することなど、光源540によって放出された光をスキャニングミラー570へ向けることが可能である多面プリズムまたは別の光折り畳み要素を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、自由形状光学要素560は、光をスキャンするために回転可能であり得る。スキャニングミラー570および/または自由形状光学要素560は、光源540によって放出された光を反射して導波管ディスプレイ580へ投射することが可能であり、導波管ディスプレイ580は、光源540によって放出された光を導波管ディスプレイ580へと結合するためのカプラ582を含むことが可能である。導波管ディスプレイ580へと結合された光は、たとえば、図4に関連して上述されているような全反射を通じて、導波管ディスプレイ580内を伝搬することが可能である。カプラ582は、導波管ディスプレイ580内を伝搬する光の部分を導波管ディスプレイ580からユーザの目590へ向けて結合することも可能である。
【0064】
スキャニングミラー570は、微小電気機械システム(MEMS)ミラーまたはその他の任意の適切なミラーを含むことが可能である。スキャニングミラー570は、1次元または2次元でスキャンを行うために回転することが可能である。スキャニングミラー570が回転するにつれて、光源540によって放出された光は、導波管ディスプレイ580のさまざまなエリアに向けられることが可能であり、それによって、表示画像全体が、導波管ディスプレイ580上へ投射されて、それぞれのスキャニングサイクルにおいて導波管ディスプレイ580によってユーザの目590に向けられることが可能である。たとえば、光源540が、1つまたは複数の行または列におけるすべてのピクセルに関する発光体を含む実施形態においては、スキャニングミラー570は、画像をスキャンするために列方向または行方向(たとえば、x方向またはy方向)に回転されることが可能である。光源540が、1つまたは複数の行または列におけるすべてではないがいくつかのピクセルに関する発光体を含む実施形態においては、スキャニングミラー570は、行方向および列方向の両方(たとえば、x方向およびy方向の両方)に回転されて、(たとえば、ラスタタイプのスキャニングパターンを使用して)表示画像を投射することが可能である。
【0065】
NEDデバイス550は、事前に定義された表示期間で動作することが可能である。表示期間(たとえば、表示サイクル)は、画像全体がスキャンまたは投射される持続時間を指すことが可能である。たとえば、表示期間は、所望のフレームレートの逆数であることが可能である。スキャニングミラー570を含むNEDデバイス550においては、表示期間は、スキャニング期間またはスキャニングサイクルと呼ばれる場合もある。光源540による光生成は、スキャニングミラー570の回転と同期化されることが可能である。たとえば、それぞれのスキャニングサイクルは、複数のスキャニングステップを含むことが可能であり、この場合、光源540は、それぞれの各スキャニングステップにおいて別々の光パターンを生成することが可能である。
【0066】
それぞれのスキャニングサイクルにおいて、スキャニングミラー570が回転するにつれて、表示画像が導波管ディスプレイ580およびユーザの目590上へ投射されることが可能である。表示画像の所与のピクセル場所の実際の色値および光強度(たとえば、輝度)は、スキャニング期間中にピクセル場所を照らす3つの色(たとえば、赤、緑、および青)の光ビームの平均であることが可能である。スキャニング期間が完了した後に、スキャニングミラー570は、次の表示画像の最初の数行のための光を投射するために初期位置へ戻ることが可能であり、または逆の方向もしくはスキャンパターンに回転して、次の表示画像のための光を投射することが可能であり、この場合、駆動信号の新たなセットが光源540に供給されることが可能である。それぞれのスキャニングサイクルにおいてスキャニングミラー570が回転するので、同じプロセスが繰り返されることが可能である。したがって、別々のスキャニングサイクルにおいて別々の画像がユーザの目590へ投射されることが可能である。
【0067】
図6は、特定の実施形態によるニアアイディスプレイシステム600における画像ソースアセンブリ610の例を示している。画像ソースアセンブリ610は、たとえば、ユーザの目へ投射されることになる表示画像を生成することが可能であるディスプレイパネル640と、ディスプレイパネル640によって生成された表示画像を、図4図5Bに関連して上述されている導波管ディスプレイへ投射することが可能であるプロジェクタ650とを含むことが可能である。ディスプレイパネル640は、光源642と、光源642のための駆動回路644とを含むことが可能である。光源642は、たとえば、光源510または540を含むことが可能である。プロジェクタ650は、たとえば、上述されている自由形状光学要素560、スキャニングミラー570、および/または投射オプティクス520を含むことが可能である。ニアアイディスプレイシステム600は、光源642およびプロジェクタ650(たとえば、スキャニングミラー570)を同期的に制御するコントローラ620を含むことも可能である。画像ソースアセンブリ610は、画像光を生成して、導波管ディスプレイ530または580などの導波管ディスプレイ(図6においては示されていない)へ出力することが可能である。上述されているように、導波管ディスプレイは、1つまたは複数の入力結合要素において画像光を受け取ること、および受け取られた画像光を1つまたは複数の出力結合要素へ導くことが可能である。入力結合要素および出力結合要素は、たとえば、回折格子、ホログラフィック格子、プリズム、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。入力結合要素は、導波管ディスプレイで全反射が発生するように選ばれることが可能である。出力結合要素は、導波管ディスプレイからの全反射された画像光の部分どうしを結合することが可能である。
【0068】
上述されているように、光源642は、アレイまたはマトリックスに配置された複数の発光体を含むことが可能である。それぞれの発光体は、赤色光、青色光、緑色光、赤外線等などの単色光を放出することが可能である。本開示においてはRGB色がしばしば論じられているが、本明細書において記述されている実施形態は、原色として赤、緑、および青を使用することに限定されない。その他の色がニアアイディスプレイシステム600の原色として使用されることも可能である。いくつかの実施形態においては、一実施形態によるディスプレイパネルは、3つよりも多い原色を使用することが可能である。光源642におけるそれぞれのピクセルは、赤色マイクロLED、緑色マイクロLED、および青色マイクロLEDを含む3つのサブピクセルを含むことが可能である。半導体LEDは一般に、半導体材料の複数の層内に活性発光層を含む。半導体材料の複数の層は、別々の化合物材料、または、別々のドーパントおよび/もしくは別々のドーピング密度を有する同じベース材料を含むことが可能である。たとえば、半導体材料の複数の層は、n型材料層と、ヘテロ構造(たとえば、1つまたは複数の量子井戸)を含むことが可能である活性領域と、p型材料層とを含むことが可能である。半導体材料の複数の層は、特定の向きを有している基板の表面上に成長させることが可能である。いくつかの実施形態においては、光抽出効率を高めるために、半導体材料の層のうちの少なくともいくつかを含むメサが形成されることが可能である。
【0069】
コントローラ620は、光源642および/またはプロジェクタ650のオペレーションなど、画像ソースアセンブリ610の画像レンダリングオペレーションを制御することが可能である。たとえば、コントローラ620は、画像ソースアセンブリ610が1つまたは複数の表示画像をレンダリングするための命令を特定することが可能である。それらの命令は、表示命令およびスキャニング命令を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、表示命令は、画像ファイル(たとえば、ビットマップファイル)を含むことが可能である。表示命令は、たとえば、図1に関連して上述されているコンソール110などのコンソールから受信されることが可能である。スキャニング命令は、画像光を生成するために画像ソースアセンブリ610によって使用されることが可能である。スキャニング命令は、たとえば、画像光源のタイプ(たとえば、単色もしくは多色)、スキャニングレート、スキャニング装置の向き、1つもしくは複数の照明パラメータ、またはそれらの任意の組合せを指定することが可能である。コントローラ620は、本開示のその他の態様をわかりにくくしないためにここには示されていないハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組合せを含むことが可能である。
【0070】
いくつかの実施形態においては、コントローラ620は、ディスプレイデバイスのグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)であることが可能である。その他の実施形態においては、コントローラ620は、その他の種類のプロセッサであることが可能である。コントローラ620によって実行されるオペレーションは、表示のためのコンテンツを取り込み、そのコンテンツを個別のセクションへと分割することを含むことが可能である。コントローラ620は、光源642の個々のソース要素に対応するアドレスおよび/または個々のソース要素に適用される電気的バイアスを含むスキャニング命令を光源642に提供することが可能である。コントローラ620は、最終的にユーザに表示される画像におけるピクセルの1つまたは複数の行に対応する発光体を使用して個別のセクションを順次提示するように光源642に指示することが可能である。コントローラ620は、光のさまざまな調整を実行するようにプロジェクタ650に指示することも可能である。たとえば、コントローラ620は、図5Bに関連して上述されている導波管ディスプレイ(たとえば、導波管ディスプレイ580)の結合要素のさまざまなエリアへの個別のセクションをスキャンするようにプロジェクタ650を制御することが可能である。したがって、導波管ディスプレイの射出瞳では、それぞれの個別の部分が、別々のそれぞれの場所において提示される。それぞれの個別のセクションは、別々のそれぞれの時点において提示されるが、それらの個別のセクションの提示およびスキャニングは、十分に高速に生じ、それによってユーザの目は、それらの別々のセクションを単一の画像または一連の画像へと統合することが可能である。
【0071】
画像プロセッサ630は、汎用プロセッサ、および/または、本明細書において記述されている機能を実行することに特化している1つもしくは複数の特定用途向け回路であることが可能である。一実施形態においては、汎用プロセッサがメモリに結合されて、本明細書において記述されている特定のプロセスをプロセッサに実行させるソフトウェア命令を実行することが可能である。別の実施形態においては、画像プロセッサ630は、特定の機能を実行することに特化している1つまたは複数の回路であることが可能である。図6における画像プロセッサ630は、コントローラ620およびドライバ回路644とは別個であるスタンドアロンのユニットとして示されているが、画像プロセッサ630は、その他の実施形態においてはコントローラ620またはドライバ回路644のサブユニットであることが可能である。言い換えれば、それらの実施形態においては、コントローラ620またはドライバ回路644は、画像プロセッサ630のさまざまな画像処理機能を実行することが可能である。画像プロセッサ630は、画像処理回路と呼ばれる場合もある。
【0072】
図6において示されている例においては、光源642は、コントローラ620または画像プロセッサ630から送信されたデータまたは命令(たとえば、表示およびスキャニング命令)に基づいて、ドライバ回路644によって駆動されることが可能である。一実施形態においては、ドライバ回路644は、回路パネルを含むことが可能であり、その回路パネルは、光源642のさまざまな発光体に接続し、それらの発光体を機械的に保持する。光源642は、1つまたは複数の照明パラメータに従って光を放出することが可能であり、それらの照明パラメータは、コントローラ620によって設定され、潜在的に画像プロセッサ630およびドライバ回路644によって調整される。照明パラメータは、光を生成するために光源642によって使用されることが可能である。照明パラメータは、たとえば、ソース波長、パルスレート、パルス振幅、ビームタイプ(連続もしくはパルス)、放出される光に影響を与えることが可能であるその他のパラメータ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源642によって生成される光源光は、赤色光、緑色光、および青色光の複数のビーム、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0073】
プロジェクタ650は、光源642によって生成された画像光を集めること、組み合わせること、調整すること、またはスキャンすることなど、光学機能のセットを実行することが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタ650は、組み合わせアセンブリ、光調整アセンブリ、またはスキャニングミラーアセンブリを含むことが可能である。プロジェクタ650は、光源642からの光を光学的に調整して潜在的に向け直す1つまたは複数の光学部品を含むことが可能である。光の調整の一例は、拡大すること、コリメートすること、1つもしくは複数の光学エラー(たとえば、像面湾曲、色収差など)に関して訂正を行うこと、光のいくつかのその他の調整、またはそれらの任意の組合せなど、光を調整することを含むことが可能である。プロジェクタ650の光学部品は、たとえば、レンズ、ミラー、アパーチャ、格子、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0074】
プロジェクタ650は、画像光を、その1つまたは複数の反射部分および/または屈折部分を介して向け直すことが可能であり、それによって画像光は、導波管ディスプレイへ特定の向きで投射される。画像光が向け直される先の場所は、1つまたは複数の反射部分および/または屈折部分の特定の向きに依存することが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタ650は、少なくとも2次元でスキャンする単一のスキャニングミラーを含む。その他の実施形態においては、プロジェクタ650は、互いに直交する方向にそれぞれがスキャンする複数のスキャニングミラーを含むことが可能である。プロジェクタ650は、ラスタスキャン(水平にまたは垂直に)、双共鳴スキャン、またはそれらの任意の組合せを実行することが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタ650は、特定の振動周波数で水平および/または垂直方向に沿って、制御された振動を実行して、2次元に沿ってスキャンし、ユーザの目に提示されるメディアの2次元投影画像を生成することが可能である。その他の実施形態においては、プロジェクタ650は、1つまたは複数のスキャニングミラーと同様のまたは同じ機能を果たすことが可能であるレンズまたはプリズムを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソースアセンブリ610は、プロジェクタを含まないことが可能であり、この場合、光源642によって放出された光は、導波管ディスプレイ上に直接入射することが可能である。
【0075】
図7Aは、垂直メサ構造を有するLED700の例を示している。LED700は、光源510、540、または642における発光体であることが可能である。LED700は、半導体材料の複数の層など、無機材料で作られたマイクロLEDであることが可能である。層状半導体発光デバイスは、III-V半導体材料の複数の層を含むことが可能である。III-V半導体材料は、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、またはアンチモン(Sb)など、V族元素と組み合わせて、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、またはインジウム(In)など、1つまたは複数のIII族元素を含むことが可能である。III-V半導体材料のV族元素が窒素を含む場合には、III-V半導体材料は、第III族窒化物材料と呼ばれる。層状半導体発光デバイスは、気相エピタキシ(VPE)、液相エピタキシ(LPE)、分子線エピタキシ(MBE)、または有機金属化学気相成長法(MOCVD)などの技術を使用して基板上に複数のエピタキシャル層を成長させることによって製造されることが可能である。たとえば、半導体材料の層は、GaN、GaAs、もしくはGaP基板など、特定の結晶格子配向(たとえば、極性、非極性、もしくは半極性の配向)を有する基板、または、サファイア、炭化ケイ素、シリコン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、リチウムガレート、部分的に置換されたスピネル、もしくは、ベータLiAlO構造を共有する第4正方酸化物を含むがそれらに限定されない基板上に層ごとに成長させることが可能であり、この場合、基板を特定の方向に切断して、特定の面を成長表面として露出させることが可能である。
【0076】
図7Aにおいて示されている例においては、LED700は、基板710を含むことが可能であり、基板710は、たとえば、サファイア基板またはGaN基板を含むことが可能である。半導体層720を基板710上に成長させることが可能である。半導体層720は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。1つまたは複数の活性層730を半導体層720上に成長させて、活性領域を形成することが可能である。活性層730は、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である、1つもしくは複数のInGaN層、1つもしくは複数のAlInGaP層、および/または1つもしくは複数のGaN層など、III-V材料を含むことが可能である。半導体層740を活性層730上に成長させることが可能である。半導体層740は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。半導体層720および半導体層740のうちの一方はp型層であることが可能であり、他方はn型層であることが可能である。半導体層720および半導体層740は、活性層730を挟んで発光領域を形成する。たとえば、LED700は、マグネシウムでドープされたp型GaNの層と、シリコンまたは酸素でドープされたn型GaNの層との間に位置しているInGaNの層を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、LED700は、亜鉛またはマグネシウムでドープされたp型AlInGaPの層と、セレン、シリコン、またはテルルでドープされたn型AlInGaPの層との間に位置しているAlInGaPの層を含むことが可能である。
【0077】
いくつかの実施形態においては、電子遮断層(EBL)(図7Aにおいては示されていない)を成長させて、活性層730と、半導体層720または半導体層740のうちの少なくとも1つとの間に層を形成することが可能である。EBLは、電子漏れ電流を低減すること、およびLEDの効率を改善することが可能である。いくつかの実施形態においては、PまたはP++半導体層など、高濃度にドープされた半導体層750が、半導体層740上に形成されることが可能であり、オーミック接触を形成してデバイスの接触インピーダンスを低減するための接触層としての役割を果たすことが可能である。いくつかの実施形態においては、導電層760が、高濃度にドープされた半導体層750上に形成されることが可能である。導電層760は、たとえば、インジウムスズ酸化物(ITO)またはAl/Ni/Au膜を含むことが可能である。一例においては、導電層760は、透明なITO層を含むことが可能である。
【0078】
半導体層720(たとえば、n-GaN層)と接触するために、およびLED700から活性層730によって放出された光をより効率よく抽出するために、半導体材料層(高濃度にドープされた半導体層750、半導体層740、活性層730、および半導体層720を含む)をエッチングして、半導体層720を露出させること、および層720~760を含むメサ構造を形成することが可能である。メサ構造は、キャリアをデバイス内に閉じ込めることが可能である。メサ構造をエッチングすることは、成長面に直交していることが可能であるメサ側壁732の形成につながることが可能である。パッシベーション層770が、メサ構造の側壁732上に形成されることが可能である。パッシベーション層770は、SiO層などの酸化物層を含むことが可能であり、LED700からの放出された光を反射するための反射器としての役割を果たすことが可能である。Al、Au、Ni、Ti、またはそれらの任意の組合せなどの金属層を含むことが可能である接触層780が、半導体層720上に形成されることが可能であり、LED700の電極としての役割を果たすことが可能である。加えて、Al/Ni/Au金属層などの別の接触層790が、導電層760上に形成されることが可能であり、LED700の別の電極としての役割を果たすことが可能である。
【0079】
電圧信号が接触層780および790に印加された場合には、電子および正孔は、活性層730において再結合することが可能であり、この場合、電子および正孔の再結合は、光子放出を引き起こすことが可能である。放出された光子の波長およびエネルギーは、活性層730における価電子帯と伝導帯との間のエネルギーバンドギャップに依存することが可能である。たとえば、InGaN活性層は、緑色または青色の光を放出することが可能であり、AlGaN活性層は、青色から紫外線を放出することが可能であり、その一方でAlInGaP活性層は、赤色、オレンジ、黄色、または緑色の光を放出することが可能である。放出された光子は、パッシベーション層770によって反射されることが可能であり、上(たとえば、導電層760および接触層790)または下(たとえば、基板710)からLED700を出ることが可能である。
【0080】
いくつかの実施形態においては、LED700は、放出された光を集めるもしくはコリメートするか、または放出された光を導波管へと結合するために、基板710などの発光表面上にレンズなどの1つまたは複数のその他のコンポーネントを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、LEDは、平面、円錐、半放物線、または放物線などの別の形状のメサを含むことが可能であり、メサのベースエリアは、円形、長方形、六角形、または三角形であることが可能である。たとえば、LEDは、湾曲した形状(たとえば、放物面形状)および/または湾曲していない形状(たとえば、円錐形状)のメサを含むことが可能である。メサは、切り詰められること、または切り詰められないことが可能である。
【0081】
図7Bは、放物線メサ構造を有するLED705の例の断面図である。LED700と同様に、LED705は、III-V半導体材料の複数の層など、半導体材料の複数の層を含むことが可能である。半導体材料層は、GaN基板またはサファイア基板などの基板715上にエピタキシャルに成長させることが可能である。たとえば、半導体層725を基板715上に成長させることが可能である。半導体層725は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。1つまたは複数の活性層735を半導体層725上に成長させることが可能である。活性層735は、1つまたは複数の量子井戸など、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である、1つもしくは複数のInGaN層、1つもしくは複数のAlInGaP層、および/または1つもしくは複数のGaN層など、III-V材料を含むことが可能である。半導体層745を活性層735上に成長させることが可能である。半導体層745は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。半導体層725および半導体層745のうちの一方はp型層であることが可能であり、他方はn型層であることが可能である。
【0082】
半導体層725(たとえば、n型GaN層)と接触するために、およびLED705から活性層735によって放出された光をより効率よく抽出するために、半導体層をエッチングして、半導体層725を露出させること、および層725~745を含むメサ構造を形成することが可能である。メサ構造は、キャリアをデバイスの注入エリア内に閉じ込めることが可能である。メサ構造をエッチングすることは、層725~745の結晶成長に関連付けられている成長面と非平行であること、またはいくつかのケースにおいては直交していることが可能であるメサ側壁(本明細書においてはファセットとも呼ばれる)の形成につながることが可能である。
【0083】
図7Bにおいて示されているように、LED705は、平らな上部を含むメサ構造を有することが可能である。誘電層775(たとえば、SiOまたはSiNx)がメサ構造のファセット上に形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、誘電層775は、誘電材料の複数の層を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、金属層795が誘電層775上に形成されることが可能である。金属層795は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、チタン(Ti)、銅(Cu)、またはそれらの任意の組合せなど、1つまたは複数の金属または金属合金材料を含むことが可能である。誘電層775および金属層795は、活性層735によって放出された光を基板715へ反射することが可能であるメサ反射器を形成することが可能である。いくつかの実施形態においては、メサ反射器は、放出された光を少なくとも部分的にコリメートすることが可能である放物面反射器としての役割を果たすように放物面形状であることが可能である。
【0084】
電気接点765および電気接点785は、半導体層745および半導体層725上にそれぞれ形成されて、電極としての役割を果たすことが可能である。電気接点765および電気接点785はそれぞれ、Al、Au、Pt、Ag、Ni、Ti、Cu、またはそれらの任意の組合せ(たとえば、Ag/Pt/AuまたはAl/Ni/Au)などの導電性材料を含むことが可能であり、LED705の電極としての役割を果たすことが可能である。図7Bにおいて示されている例においては、電気接点785は、n接点であることが可能であり、電気接点765は、p接点であることが可能である。電気接点765および半導体層745(たとえば、p型半導体層)は、活性層735によって放出された光を基板715へ反射するための後方反射器を形成することが可能である。いくつかの実施形態においては、電気接点765および金属層795は、同じ材料を含み、同じプロセスを使用して形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、追加の導電層(図示せず)が、電気接点765および785と半導体層との間における中間導電層として含まれることが可能である。
【0085】
電圧信号が接点765および785にわたって印加された場合には、電子および正孔は、活性層735において再結合することが可能である。電子および正孔の再結合は、光子放出を引き起こし、したがって光を生成することが可能である。放出された光子の波長およびエネルギーは、活性層735における価電子帯と伝導帯との間のエネルギーバンドギャップに依存することが可能である。たとえば、InGaN活性層は、緑色または青色の光を放出することが可能であり、その一方でAlInGaP活性層は、赤色、オレンジ、黄色、または緑色の光を放出することが可能である。放出された光子は、多くの異なる方向において伝搬することが可能であり、メサ反射器および/または後方反射器によって反射されることが可能であり、たとえば、図7Bにおいて示されている下側(たとえば、基板715)からLED705を出ることが可能である。レンズまたは格子など、1つまたは複数のその他の二次光学部品が、基板715などの発光表面上に形成されて、放出された光を集めるかもしくはコリメートすること、および/または放出された光を導波管へと結合することが可能である。
【0086】
上述されているLEDの1次元または2次元アレイは、光源(たとえば、光源642)を形成するためにウェハ上に製造されることが可能である。ドライバ回路(たとえば、ドライバ回路644)は、たとえば、CMOSプロセスを使用してシリコンウェハ上に製作されることが可能である。ウェハ上のLEDおよびドライバ回路は、ダイシングされてからともに接合されることが可能であり、またはウェハレベルで接合されてからダイシングされることが可能である。LEDおよびドライバ回路を接合するためには、接着接合、金属対金属接合、金属酸化物接合、ウェハ対ウェハ接合、ダイ対ウェハ接合、ハイブリッド接合等など、さまざまな接合技術が使用されることが可能である。
【0087】
図8Aは、特定の実施形態による、LEDのアレイのためのダイ対ウェハ接合の方法の例を示している。図8Aにおいて示されている例においては、LEDアレイ801が、キャリア基板805上に複数のLED807を含むことが可能である。キャリア基板805は、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、Si等など、さまざまな材料を含むことが可能である。たとえば、接合を実行する前に、さまざまなエピタキシャル層を成長させ、メサ構造を形成し、電気接点または電極を形成することによって、LED807が製作されることが可能である。エピタキシャル層は、GaN、InGaN、(AlGaIn)P、(AlGaIn)AsP、(AlGaIn)AsN、(AlGaIn)Pas、(Eu:InGa)N、(AlGaIn)N等など、さまざまな材料を含むことが可能であり、n型層と、p型層と、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を含む活性層とを含むことが可能である。電気接点は、金属または金属合金など、さまざまな導電性材料を含むことが可能である。
【0088】
ウェハ803がベース層809を含むことが可能であり、ベース層809は、その上に製作された受動または能動集積回路(たとえば、ドライバ回路811)を有する。ベース層809は、たとえば、シリコンウェハを含むことが可能である。ドライバ回路811は、LED807のオペレーションを制御するために使用されることが可能である。たとえば、それぞれのLED807のためのドライバ回路は、2つのトランジスタと1つのコンデンサとを有する2T1Cピクセル構造を含むことが可能である。ウェハ803は、接合層813を含むことも可能である。接合層813は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、AuTi等など、さまざまな材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、パターン化された層815が接合層813の表面上に形成されることが可能であり、この場合、パターン化された層815は、Cu、Ag、Au、Al等などの導電性材料で作られた金属グリッドを含むことが可能である。
【0089】
LEDアレイ801は、接合層813またはパターン化された層815を介してウェハ803に接合されることが可能である。たとえば、パターン化された層815は、CuSn、AuSn、またはナノポーラスAuなど、さまざまな材料で作られた金属パッドまたはバンプを含むことが可能であり、これらは、LEDアレイ801のLED807をウェハ803上の対応するドライバ回路811と位置合わせするために使用されることが可能である。一例においては、ドライバ回路811に対応するそれぞれの金属パッドまたはバンプとLED807が接触するまで、LEDアレイ801をウェハ803へ近づけることが可能である。LED807のうちのいくつかまたはすべては、ドライバ回路811と位置合わせされることが可能であり、次いで金属対金属接合などのさまざまな接合技術によって、パターン化された層815を介してウェハ803に接合されることが可能である。LED807がウェハ803に接合された後に、キャリア基板805は、LED807から除去されることが可能である。
【0090】
図8Bは、特定の実施形態による、LEDのアレイのためのウェハ対ウェハ接合の方法の例を示している。図8Bにおいて示されているように、第1のウェハ802が、基板804、第1の半導体層806、活性層808、および第2の半導体層810を含むことが可能である。基板804は、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、Si等など、さまざまな材料を含むことが可能である。第1の半導体層806、活性層808、および第2の半導体層810は、GaN、InGaN、(AlGaIn)P、(AlGaIn)AsP、(AlGaIn)AsN、(AlGaIn)Pas、(Eu:InGa)N、(AlGaIn)N等など、さまざまな半導体材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、第1の半導体層806は、n型層であることが可能であり、第2の半導体層810は、p型層であることが可能である。たとえば、第1の半導体層806は、(たとえば、SiまたはGeでドープされている)nドープGaN層であることが可能であり、第2の半導体層810は、(たとえば、Mg、Ca、Zn、またはBeでドープされている)pドープGaN層であることが可能である。活性層808は、たとえば、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である、1つまたは複数のGaN層、1つまたは複数のInGaN層、1つまたは複数のAlInGaP層などを含むことが可能である。
【0091】
いくつかの実施形態においては、第1のウェハ802は、接合層を含むことも可能である。接合層812は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、AuTi等など、さまざまな材料を含むことが可能である。一例においては、接合層812は、p接点および/またはn接点(図示せず)を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、基板804と第1の半導体層806との間におけるバッファ層など、その他の層が第1のウェハ802上に含まれることも可能である。バッファ層は、多結晶GaNまたはAlNなど、さまざまな材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、第2の半導体層810と接合層812との間に接触層があることが可能である。接触層は、第2の半導体層810および/または第1の半導体層806に電気接触を提供するための任意の適切な材料を含むことが可能である。
【0092】
第1のウェハ802は、接合層813および/または接合層812を介して、上述されているようにドライバ回路811と接合層813とを含むウェハ803に接合されることが可能である。接合層812および接合層813は、同じ材料または別々の材料で作られることが可能である。接合層813および接合層812は、実質的に平らであることが可能である。第1のウェハ802は、金属対金属接合、共晶接合、金属酸化物接合、陽極接合、熱圧縮接合、紫外線(UV)接合、および/または融着接合など、さまざまな方法によってウェハ803に接合されることが可能である。
【0093】
図8Bにおいて示されているように、第1のウェハ802は、第1のウェハ802のp側(たとえば、第2の半導体層810)が下へ(すなわち、ウェハ803の方へ)向いている状態でウェハ803に接合されることが可能である。接合後に、基板804は、第1のウェハ802から除去されることが可能であり、第1のウェハ802は、次いでn側から処理されることが可能である。その処理は、たとえば、個々のLEDのための特定のメサ形状の形成、ならびに個々のLEDに対応する光学部品の形成を含むことが可能である。
【0094】
図9A図9Dは、特定の実施形態による、LEDのアレイのためのハイブリッド接合の方法の例を示している。ハイブリッド接合は一般に、ウェハの洗浄および活性化、あるウェハの接点と別のウェハの接点との高精度な位置合わせ、室温でのウェハの表面における誘電材料の誘電接合、ならびに高温でのアニーリングによる接点の金属接合を含むことが可能である。図9Aは、その上に製造された受動または能動回路920を備えた基板910を示している。図8A図8Bに関連して上述されているように、基板910は、たとえば、シリコンウェハを含むことが可能である。回路920は、LEDのアレイおよびさまざまな電気相互接続のためのドライバ回路を含むことが可能である。接合層は、電気相互接続を通じて回路920に接続されている誘電領域940および接触パッド930を含むことが可能である。接触パッド930は、たとえば、Cu、Ag、Au、Al、W、Mo、Ni、Ti、Pt、Pdなどを含むことが可能である。誘電領域940における誘電材料は、SiCN、SiO、SiN、Al、HfO、ZrO、Taなどを含むことが可能である。接合層は、たとえば化学機械研磨を使用して、平坦化および研磨されることが可能であり、その平坦化または研磨は、接触パッドにおけるディッシング(ボウルのような外形)をもたらす可能性がある。接合層の表面は、たとえばイオン(たとえばプラズマ)または高速原子(たとえばAr)ビーム905によって、洗浄および活性化されることが可能である。活性化された表面は、原子的に清浄であることが可能であり、ウェハどうしが、たとえば室温で、接触させられた際のそれらのウェハどうしの間における直接接合の形成に対して反応性が高いことが可能である。
【0095】
図9Bは、たとえば、図7A図8Bに関連して上述されているようにその上に製作されたマイクロLED970のアレイを含むウェハ950を示している。ウェハ950は、キャリアウェハであることが可能であり、たとえば、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、Siなどを含むことが可能である。マイクロLED970は、ウェハ950上にエピタキシャルに成長させられたn型層、活性領域、およびp型層を含むことが可能である。エピタキシャル層は、上述されているさまざまなIII-V半導体材料を含むことが可能であり、p型層側から処理されて、実質的に垂直な構造、放物線状の構造、円錐状の構造等など、エピタキシャル層におけるメサ構造をエッチングすることが可能である。パッシベーション層および/または反射層が、メサ構造の側壁上に形成されることが可能である。p接点980およびn接点982が、メサ構造上に堆積された誘電材料層960において形成されることが可能であり、それぞれ、p型層およびn型層との電気接触を形成することが可能である。誘電材料層960における誘電材料は、たとえば、SiCN、SiO、SiN、Al、HfO、ZrO、Taなどを含むことが可能である。p接点980およびn接点982は、たとえば、Cu、Ag、Au、Al、W、Mo、Ni、Ti、Pt、Pdなどを含むことが可能である。p接点980、n接点982、および誘電材料層960の上面は、接合層を形成することが可能である。接合層は、たとえば化学機械研磨を使用して、平坦化および研磨されることが可能であり、その場合、研磨は、p接点980およびn接点982におけるディッシングをもたらす可能性がある。接合層は次いで、たとえばイオン(たとえばプラズマ)または高速原子(たとえばAr)ビーム915によって、洗浄および活性化されることが可能である。活性化された表面は、原子的に清浄であることが可能であり、ウェハどうしが、たとえば室温で、接触させられた際のそれらのウェハどうしの間における直接接合の形成に対して反応性が高いことが可能である。
【0096】
図9Cは、接合層における誘電材料どうしを接合するための室温接合プロセスを示している。たとえば、誘電領域940と接触パッド930とを含む接合層と、p接点980と、n接点982と、誘電材料層960とを含む接合層とが表面活性化された後に、ウェハ950およびマイクロLED970は、逆さまにされて、基板910およびその上に形成されている回路と接触させられることが可能である。いくつかの実施形態においては、圧縮圧力925が、基板910およびウェハ950に印加されることが可能であり、それによって接合層どうしは、互いに押し付けられる。接点における表面活性化およびディッシングに起因して、誘電領域940および誘電材料層960は、表面引力のために直接接触状態にあることが可能であり、それらの間において反応して化学接合を形成することが可能である。なぜなら、表面原子がダングリングボンドを有することが可能であり、活性化後に不安定なエネルギー状態にあることが可能であるからである。したがって、誘電領域940および誘電材料層960における誘電材料どうしは、熱処理または圧力の有無にかかわらず、ともに接合されることが可能である。
【0097】
図9Dは、接合層における誘電材料どうしを接合した後に接合層における接点どうしを接合するためのアニーリングプロセスを示している。たとえば、接触パッド930と、p接点980またはn接点982とは、たとえば約200~400℃以上での、アニーリングによってともに接合されることが可能である。アニーリングプロセス中に、熱935が、接点を誘電材料よりも大きく膨張させることが可能であり(別々の熱膨張係数に起因して)、ひいては、接点どうしの間におけるディッシングギャップを閉じることが可能であり、それによって接触パッド930と、p接点980またはn接点982とが接触状態になることが可能であり、活性化された表面において直接金属接合を形成することが可能である。
【0098】
2つの接合されるウェハが、別々の熱膨張係数(CTE)を有する材料を含むいくつかの実施形態においては、室温で接合される誘電材料どうしは、別々の熱膨張によって引き起こされる接触パッドどうしの位置ずれを低減または防止する上で役立つことが可能である。いくつかの実施形態においては、アニーリング中の高温での接触パッドの位置ずれをさらに低減または回避するために、接合前に、マイクロLEDどうしの間において、マイクロLEDのグループどうしの間において、基板の一部または全部を通じて、といった具合にトレンチが形成されることが可能である。
【0099】
マイクロLEDがドライバ回路に接合された後に、マイクロLEDが製作されている基板は、薄くされることまたは除去されることが可能であり、さまざまな二次光学部品が、マイクロLEDの発光表面上に製作されて、たとえば、マイクロLEDの活性領域から放出された光を抽出すること、コリメートすること、および向け直すことが可能である。一例においては、マイクロレンズがマイクロLED上に形成されることが可能であり、この場合、それぞれのマイクロレンズは、それぞれのマイクロLEDに対応することが可能であり、光抽出効率を改善する上で、およびマイクロLEDによって放出された光をコリメートする上で役立つことが可能である。いくつかの実施形態においては、二次光学部品は、マイクロLEDの基板またはn型層において製作されることが可能である。いくつかの実施形態においては、二次光学部品は、マイクロLEDのn型側に堆積された誘電層において製作されることが可能である。二次光学部品の例は、レンズ、格子、反射防止(AR)コーティング、プリズム、フォトニック結晶などを含むことが可能である。
【0100】
図10は、特定の実施形態による、その上に製作された二次光学部品を備えたLEDアレイ1000の例を示している。LEDアレイ1000は、たとえば、図8A図9Dに関連して上述されている任意の適切な接合技術を使用して、LEDチップまたはウェハを、その上に製作された電気回路を含むシリコンウェハと接合することによって作られることが可能である。図10において示されている例においては、LEDアレイ1000は、図9A図9Dに関連して上述されているウェハ対ウェハハイブリッド接合技術を使用して接合されることが可能である。LEDアレイ1000は、基板1010を含むことが可能であり、基板1010は、たとえば、シリコンウェハであることが可能である。LEDドライバ回路などの集積回路1020が、基板1010上に製作されることが可能である。集積回路1020は、接触パッド1030を通じてマイクロLED1070のp接点1074およびn接点1072に接続されることが可能であり、この場合、接触パッド1030は、p接点1074およびn接点1072と金属接合を形成することが可能である。基板1010上の誘電層1040が、融着接合を通じて誘電層1060に接合されることが可能である。
【0101】
LEDチップまたはウェハの基板(図示せず)は、マイクロLED1070のn型層1050を露出させるために薄くされることが可能であり、または除去されることが可能である。球面マイクロレンズ1082、格子1084、マイクロレンズ1086、反射防止層1088等など、さまざまな二次光学部品が、n型層1050の中または上に形成されることが可能である。たとえば、グレースケールマスクと、暴露光に対して線形応答を有するフォトレジストとを使用して、またはパターン化されたフォトレジスト層の熱リフローによって形成されたエッチマスクを使用して、球面マイクロレンズアレイがマイクロLED1070の半導体材料にエッチングされることが可能である。二次光学部品は、同様のフォトリソグラフィー技術またはその他の技術を使用して、n型層1050上に堆積された誘電層にエッチングされることも可能である。たとえば、マイクロレンズアレイは、バイナリーマスクを使用してパターン化されるポリマー層の熱リフローを通じてポリマー層において形成されることが可能である。ポリマー層におけるマイクロレンズアレイは、二次光学部品として使用されることが可能であり、またはマイクロレンズアレイの外形を誘電層もしくは半導体層へと転写するためのエッチマスクとして使用されることが可能である。誘電層は、たとえば、SiCN、SiO、SiN、Al、HfO、ZrO、Taなどを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLED1070は、マイクロレンズおよび反射防止コーティング、半導体材料にエッチングされたマイクロレンズおよび誘電材料層にエッチングされたマイクロレンズ、マイクロレンズおよび格子、球面レンズおよび非球面レンズ等など、複数の対応する二次光学部品を有することが可能である。マイクロLED1070上に形成されることが可能である二次光学部品のいくつかの例を示すために、3つの異なる二次光学部品が図10において示されており、これは、別々の二次光学部品があらゆるLEDアレイに対して同時に使用されるということを必ずしも意味しない。
【0102】
次に図11および図12を参照すると、ディスプレイ装置1100の側面図が、図11において示されており、ディスプレイ装置1100の上面図が、図12において示されている。ディスプレイ装置1100は、ニアアイディスプレイの光源(たとえば、光源412、410、540、または642)の一部であることが可能である。ディスプレイ装置1100は、複数のLEDを含む。それらの複数のLEDは、マイクロLEDであることが可能である。図11および図12における例は、マイクロLEDデバイスに基づいているが、図11および図12における例は、その他のタイプの発光体(たとえば、半導体レーザーおよびLED)にも適用可能であるということが理解される。
【0103】
図11において示されているように、ディスプレイ装置1100は、たとえば、バックプレーン1104上に組み立てられたμLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cを含むμLEDダイ1102のアレイを含むことが可能である。バックプレーン1104は、複数のμLEDダイ1102を取り付けるための、電気接続を提供するための、および/またはそれらの複数のμLEDダイ1102のための構造的な支持を提供するための構造を含むことが可能である。本明細書において使用される際には、「バックプレーン」は、複数のLEDデバイス(μLEDデバイスを含むことが可能である)を取り付けるための、および/またはそれらの複数のLEDデバイスに電気信号を提供するための表面(平面であること、湾曲していることなどが可能である)を提供する構造を指すことが可能である。バックプレーン1104は、ディスプレイデバイスを形成するためのディスプレイバックプレーンとして構成されることが可能である。たとえば、バックプレーン1104は、ディスプレイ要素を形成しているLEDデバイスのアセンブリを保持することが可能であり、バックプレーン1104は、ディスプレイ要素によって表示される情報を制御するためにLEDデバイスに電気信号を提供するためのトレースを含むことも可能である。バックプレーン1104は、トレースを含むことが可能であり、それらのトレースは、その他のコンポーネントに接続することが可能である。バックプレーン1104は、電気接点、たとえば、金属パッドを含むことも可能であり、それらは、トレースへのアクセスを提供することが可能である。たとえば、図11および図12において示されているように、バックプレーン1104は、それぞれ、μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cと電気的に接続するための電気トレース1106-a、1106-b、および1106-cを含む。電気トレース1106-a、1106-b、および1106-cは、別々の信号を別々のμLEDダイ1102に適用することによって、μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cのそれぞれが個々に制御されることを可能にする。バックプレーン1104はまた、μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cのそれぞれのための戻り電流経路としての役割を果たすための電気トレース1108を含む。バックプレーン1104は、薄膜トランジスタ(TFT)層、ガラス基板、ポリマー、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等など、さまざまな種類の材料を含むことが可能である。図11は、バックプレーン1104が長方形の形状を有しているということを示しており、バックプレーン1104は、さまざまな形状およびサイズを有することが可能であるということが理解される。いくつかの実施形態においては、単一のuLEDダイ1102が、単一のuLEDデバイスを有することが可能である。いくつかの実施形態においては、単一のuLEDダイ1102が、複数のuLEDデバイスを有することが可能である。たとえば、uLEDダイ1102は、2,073,600個のuLEDデバイス(たとえば、1920×1080)を有することが可能である。
【0104】
μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cのそれぞれは、図7AのLED700または記述もしくは言及されているその他のLEDと同様の構造を有することが可能である。図11および図12におけるそれぞれのμLEDダイは、活性領域1110(たとえば、活性層730から形成されている)および接点1112を有することが可能である。図11および図12は、接点1112が長方形の形状であるということを示しているが、接点は、たとえば、丸みを帯びた形状、ドーム形状などを含むその他の形状を取ることが可能であるということが理解される。μLEDダイ1102の1つの接点1112は、p型接触パッドに接続されることが可能であり、μLEDダイ1102の別の接点1112は、n型接触パッドに接続されることが可能である。
【0105】
μLEDダイ1102をバックプレーン1104に固定するために、バンプ1114が使用されることが可能である。バンプ1114は、μLEDダイ1102(たとえば、接点1112)とバックプレーン1104との間における電気接続を提供することが可能である。いくつかの実施形態においては、バンプ1114は、アンダーバンプメタライゼーション構造上に取り付けられたまたは堆積されたはんだバンプである(たとえば、バックプレーン1104上の、および/またはμLEDダイ1102上のパッドがアンダーバンプメタライゼーションにおいて使用されることも可能である)。アンダーバンプメタライゼーションは、相互接続バンプの良好な接着を提供するために、および/または拡散バリアとしての役割を果たすために使用されることが可能である。アンダーバンプメタライゼーションは、1つまたは複数の金属層を含むことが可能である。
【0106】
図11および図12の例においては、バックプレーン1104は、制御信号をそれぞれのμLEDダイ1102へ別々に送信するために、それぞれのμLEDダイ1102に対して(たとえば、それぞれのトレース1106に対して)別々のバンプ1114を有する。そのような配置は、それぞれのμLEDダイ1102が個々に制御されることを可能にする一方で、ディスプレイ装置1100が多数のピクセルを含む(たとえば、より高い解像度のために多数のピクセルおよび/または密にグループ化されたピクセルを有する)場合には多数のバンプ1114がバックプレーン1104上に置かれることにつながる可能性がある。たとえば、ディスプレイが100万個のμLEDを含み、100万ペアのバンプ1114(たとえば、第1のμLEDダイ1102-aに両方が接触している第1のバンプ1114-1および第2のバンプ1114-2が、ペアとみなされる)がバックプレーン1104上に提供されて、100万個のμLEDのそれぞれへの電気接続を提供する。別の例においては、100万個のμLEDが、100万+1個のバンプを使用する(たとえば、p接点のための100万個のバンプと、共通の(リモートの)n接点のための1個のバンプ。そのn接点は、μLEDの周辺にある)。追加のトレース1106および1108も、バンプ1114への電気接続を提供するためにバックプレーン1104上で使用される。
【0107】
多数のバンプおよび関連付けられている配線は、LEDデバイスと制御回路との間における緊密な統合を劣化させる可能性がある。たとえば、バンプを置くために追加のバックプレーンスペースが必要とされる可能性があり、これは、LEDデバイスと制御回路との間における距離を増大させる可能性がある。より長い距離を信号が進むにつれて、結果としてLEDデバイスおよび/または制御回路のオペレーションスピードが低減される可能性がある。
【0108】
図13は、ディスプレイデバイス1300の実施形態を示している。ディスプレイデバイス1300は、デバイス層1302を有しており、そのデバイス層1302上に薄膜回路層1304が堆積されている。ディスプレイデバイス1300は、バックプレーン1306を含む。バックプレーン1306は、CMOS周辺回路1308を含むことが可能である。複数のバンプ1310が、薄膜回路層1304をバックプレーン1306と電気的に接続している(たとえば、それらのバンプ1310は、薄膜回路層1304をCMOS周辺回路1308と接続している)。
【0109】
デバイス層1302は、光源のアレイ(たとえば、μLEDダイ1102のアレイまたはLED700のアレイなど、LEDのアレイ)を含む。LEDのアレイは、第1のドープされた半導体層(たとえば、pドープされた層)と、第2のドープされた半導体層(たとえば、nドープされた層)と、発光層(たとえば、活性領域)とを含む層状エピタキシャル構造を含む。LEDのアレイのデバイス層1302は、発光側1312(たとえば、光がz方向に放出される)と、発光側1312の反対側1314とを有する。
【0110】
薄膜回路層1304は、デバイス層1302のLEDのアレイの発光側の反対側1314上に堆積される。薄膜回路層1304は、トランジスタ層(たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)層)、相互接続層、および/または接合層(たとえば、相互接続バンプが取り付けられることを可能にするための複数のアンダーバンプメタライゼーションパッドを含む層)を含むことが可能である。デバイス層1302は、薄膜回路層1304のための支持構造である。薄膜回路層1304は、LEDのアレイにおけるLEDのオペレーションを制御するための回路を含む。デバイス層1302および薄膜回路層1304は、垂直スタックを形成すること(たとえば、z方向に沿って、モノリシックに統合されること)が可能である。
【0111】
バックプレーン1306は、バンプ1310を使用して薄膜回路層1304と結合されている。バンプ1310は、複数の金属接合である。バックプレーン1306は、それらの複数の金属接合を通じて薄膜回路層1304に電流を供給するための駆動回路を含む。たとえば、バックプレーン1306は、シリコン基板を含み、CMOS周辺回路1308(たとえば、駆動回路)は、シリコン基板上に(たとえば、シリコン基板において、またはシリコン基板によって支持されている層において)製作されたトランジスタを含む。いくつかの実施形態においては、バックプレーン1306は、透明基板を含むことが可能である。
【0112】
バンプ1310は、複数の金属接合を形成している。それらの複数の金属接合の数は、LEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ないことが可能である。なぜなら、薄膜回路層1304は、1つのバンプ1310を通じてバックプレーン1306から複数のLEDを動作させる目的でデータを送信することを可能にするために使用されることが可能であるからである。図13においては、バンプ1310は、特定のLED、ピクセル、LEDのグループ、またはピクセルのグループを対象とする信号のグループを搬送するための単一の相互接続または複数の相互接続に相当することが可能である。
【0113】
ディスプレイデバイス1300においては、それぞれのLEDがピクセルを形成することが可能であり、または複数のLEDがピクセルを形成することが可能である(たとえば、1つまたは複数の赤、緑、または青のLEDがピクセルを形成することが可能である)。薄膜回路層1304は、TFTのグループを含むことが可能であり、それぞれのグループは、ピクセルのLEDデバイスに対応し、ピクセルTFTを形成する。ピクセルTFTは、対応するLEDまたはLEDのグループのオペレーションを制御することが可能である。たとえば、ピクセルTFTは、対応するLEDを流れる電流の大きさを制御して、LEDによって放出される光の強度を制御することが可能である。ピクセルTFTは、高速ドライバ回路のアレイを含むことが可能である、バックプレーン1306のCMOS周辺回路1308から受信された制御信号に基づいてピクセルを制御することが可能である。それらの制御信号は、バンプ1310を介して薄膜回路層1304において受信されることが可能である。
【0114】
ディスプレイデバイス1300において、薄膜回路層304は、信号線(たとえば、図12におけるトレース1106)を含むことが可能であり、それらの信号線は、それぞれのピクセルTFTまたはピクセルTFTのグループに電気的に接続されることが可能である。共通信号線は、ピクセルTFT/ピクセルTFTのグループのうちのどれが選択されることになるかを示すための選択信号を搬送することが可能である。共通信号線は、たとえば、選択されたピクセルTFT/ピクセルTFTのグループによって制御されるLEDを流れる電流の大きさを制御するためのオペレーション信号を搬送することも可能である。薄膜回路層1304の共通信号線は、バンプ1310によってバックプレーン1306に電気的に接続されることが可能である。CMOS周辺回路1308は、たとえば、スキャニングディスプレイを形成するために順次光を放出する目的でLEDの行を選択するための選択信号およびオペレーション信号を生成することが可能である。
【0115】
図14は、マイクロLEDのアレイ1400の例を示している。図14におけるそれぞれのドットは、LEDまたはピクセルなど、光源1402の位置を表している。アレイ1400は、グリッド1404を形成している破線の上に重ね合わされている。図14は、LEDの分布を示している。アレイ1400は、部分的に示されている。たとえば、光源1402は、アレイ1400内に6k、10k、100k、500k、または1,000kを超える光源1402があるようにxおよび/またはyに拡張することが可能である。
【0116】
光源1402ごとに1つの信号線があった場合には、図11におけるバンプ1114は、アレイ1400内の光源1402と少なくとも同じぐらいの密度で間隔を空けられることが可能であり、またはバンプ1114は、アレイ1400のエリアの外側に置かれることが可能である。狭くて密な間隔を空けられたバンプを使用して形成および/または接合を行うことは困難であることがある(たとえば、バンプどうしの間における間隔が10、5、または2μm未満である場合)。
【0117】
図15は、図14における光源1402のアレイ1400に関連したバンプの位置の例を示している。図15は、グリッド1404上に重ね合わされた複数のバンプ1502を示している。バンプ1502どうしの間における間隔は、図14における光源1402どうしの間における間隔よりもはるかに大きい。したがって、1つのバンプ1502を使用して、制御信号(たとえば、選択信号、オペレーション信号など)を1つのグループ内の光源1402へ送信することが可能である。光源1402どうしは、グループ化されることが可能であり、それぞれのグループは、光源1402のグループへ信号を送信するためにバンプ1502を共有する。いくつかの実施形態においては、グループごとに50、64、100、128、250、または500個の光源1402があることが可能である。その他の実施形態においては、グループごとに別々の数の光源1402があることが可能である。薄膜回路層1304は、制御信号に応答して個々の光源1042を活性化するために使用されることが可能である。
【0118】
図15における複数のバンプ1502の数は、アレイ1400内の複数の光源1402の数よりも少ない。一例として、アレイ1400は、高精細度(HD)投影をサポートするために200万個のLEDを含むことが可能であり、それぞれのLEDは、0.1、0.5、もしくは1μm以上の、および/または20μm以下の、LEDどうしの間における小さな間隔を有することが可能である。個々のピクセルレベルの相互接続をサポートするためには、バックプレーン上に200万個のバンプ(またはバンプのグループ)が提供されることになり、それぞれのバンプは、LEDどうしの間における間隔と同じ(またはそれよりも小さい)間隔(たとえば、0.1μm~20μm)を有することになる。高度で高価な製作技術を使用して、高密度に配置されたそのような多数のバンプをバックプレーン上に高い精度で置いて、LEDどうしの間隔に合わせることが可能である。対照的に、記述されている技術を用いれば、はるかに少ない数のバンプがバックプレーン上に置かれることが可能であり(たとえば、200万個のLEDに対して約4000個のバンプ)、それぞれのバンプは、LEDの間隔よりもはるかに長い距離によって隔てられることが可能である(たとえば、バンプの間隔は、約12、14、15、25、35、45、55、または65μmであることが可能である)。バンプ1502どうしの間隔を大きくすると、製作公差を緩和することが可能である。結果として、さほど高度ではないおよび/またはよりコスト効率のよい製作技術を使用して、ディスプレイデバイス1300を製造することが可能である。
【0119】
図16は、デバイス層1602の断面図を示しており、そのデバイス層1602上に薄膜回路層1604が配置されている。薄膜回路層1604は、トランジスタ層1606と、相互接続層1608と、接合層1610の一部分とを含む。
【0120】
デバイス層1602は、複数のLED1614を含む。LED1614は、アレイ内の(たとえば、アレイ1400内の)マイクロLEDであることが可能である。LED1614は、LEDの材料およびオペレーションに適合する基板上に形成されることが可能である(たとえば、窒化ガリウム(GaN)、Si(シリコン)上のGaN、サファイア上のGaN、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、リン化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaP)、およびヒ化ガリウム(GaAs)を含むIII-VまたはIII-窒化物材料)。LED1614は、活性領域1616、反射器1618、および/または光抽出機能1620を含むことが可能である。
【0121】
トランジスタ層1606は、1つまたは複数の電気デバイスを含むことが可能である。たとえば、トランジスタ層1606は、薄膜トランジスタ(TFT)1622、金属ビア1624、相互接続、コンデンサ、抵抗器など(たとえば、デバイス層1602上にモノリシックに形成された)を含むことが可能である。TFT1622は、たとえば、c軸配向結晶インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶シリコン(LTPS)、アモルファスシリコン(a-Si)などを含む材料を含むことが可能である。TFTの例示的な構造は、トップゲートまたはボトムゲート、トップコンタクトまたはボトムコンタクトなどを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、トランジスタ1622は、トレンチゲート自己整合(TGSA)薄膜トランジスタである。
【0122】
TFT1622は、デバイス層1602のバックエンド上に(たとえば、LED1614のアレイのバックエンド上に)形成されることが可能である。このような配置は、LEDデバイスがスタンドアロンのウェハ上に製作されることを可能にし、これは、LEDデバイス/プロセスの最適化を可能にする。たとえば、ピクセルのスケーリングを可能にする目的でカソード/アノードを分離するためにエッチングおよびパッシベーションが実行されることが可能である。いくつかの実施形態においては、トランジスタ層1606は、LED1614のオペレーションを制御するためのピクセル回路を形成するように相互接続されているトランジスタおよびコンデンサを含む。
【0123】
相互接続層1608は、制御線またはデータ線1628と呼ばれる場合もある共通信号線を含む。共通信号線は、グローバルネットの一部であることが可能である。接合層は、バンプに接合するための複数のパッド1630を含む。データ線1628は、トランジスタ層1606から接合層1610内の1つのパッド1630までの複数のピクセル回路(たとえば、複数のLED1614のための)を接続する。
【0124】
図17は、LED1614のアレイに接合されているバックプレーン1704の例の断面図を示している。バックプレーン1704は、たとえば、CMOS周辺回路1308を実施するためのトランジスタおよび相互接続を含むシリコンウェハを含むことが可能である。バンプ1502は、バックプレーン1704と薄膜回路層とを電気的に接続する。バンプ1502は、銅、銅合金、アルミニウム、タングステンなどを含むことが可能である。その上、バンプ1502は、ダイ対ダイまたはダイ対ウェハの相互接続の形態であることが可能である。
【0125】
図17は、第1のLED1614-1のオペレーションを制御するための第1のピクセル回路の第1のトランジスタ1622-1と、第2のLED1614-2のオペレーションを制御するための第2のピクセル回路の第2のトランジスタ1622-2との両方と接続されている1つのデータ線1628を示している。ピクセル回路どうしは、データ線1628によって相互接続されて(たとえば、ピクセル回路どうしは、そのデータ線を共有して)、グローバル信号の数を低減する(たとえば、グローバル信号を送信するために使用されるバンプ1502の数を低減する)。データ線1628は、第1のパッド1708-1に接続されている。バンプ1502は、第1のパッド1708-1を第2のパッド1708-2に接合しており、第2のパッド1708-2は、バックプレーン1704の一部である。
【0126】
図18は、開示されている技術の例による、ディスプレイデバイス1800の例示的なアーキテクチャを示している。変位デバイス1800は、(たとえば、図27において示されている)薄膜回路層における増大された機能性のスペクトルに沿ったさまざまなアーキテクチャのうちのほんの一例のアーキテクチャである。図18において示されているように、バックプレーン1704は、複数のアドレスドライバ1802、データ線/ビット線ドライバ1804、および制御/タイミングドライバ1806を含むCMOSウェハを含むことが可能である。アドレスドライバ1802は、1つまたは複数のピクセルTFT(および対応するLED)を選択するための選択信号を生成することが可能である。選択信号は、たとえば、ターゲットLEDのアドレス(たとえば、行アドレス、列アドレスなど)を指定することが可能である。データ線/ビット線ドライバ1804は、LEDを流れる電流の大きさ(または平均の大きさ)を設定するためのオペレーション信号を生成することが可能である。制御/タイミングドライバ1806は、オペレーション信号の適用のタイミングを制御するためのタイミング信号を生成することが可能である。ドライバは、制御論理表示パイプライン1808によって制御されることが可能である。バックプレーン1704はさらに、LEDに電圧(および接地)を供給するための電圧供給レギュレータ1810を含むことが可能である。選択信号、オペレーション信号、タイミング信号、および電圧供給は、バンプ1502を介して薄膜回路層へ送信されることが可能である。薄膜回路層は、共通信号線(たとえば、データ線1628)を含み、それらの共通信号線は、ピクセルTFTのグループによって共有されている。ターゲットピクセルTFTが選択信号によって選択/有効化され、オペレーション信号およびタイミング信号に基づいて、対応するLEDを流れる電流を制御することが可能である。
【0127】
一例として、バックプレーン1704は、複数の金属接合のうちの1つの金属接合(たとえば、バンプ1502)を通じてグローバル信号を薄膜回路層へ送信するように構成されており、グローバル信号は、行選択データ、列選択データ、アナログバイアス、電圧供給、パルスクロック、またはdft(テストイネーブル回路)のうちの1つまたは複数を含む。バックプレーン1704の駆動回路は、アドレスドライバ1802、データ線ドライバ1804、または制御/タイミングドライバ1806のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。薄膜回路層は、ピクセル回路に信号を適用するためのセレクタマルチプレクサを含むことが可能である。
【0128】
図19図21は、ディスプレイデバイスの例示的な変調回路を示している。変調回路は、薄膜回路層1604において、および/またはバックプレーン1704において形成されることが可能である。図19は、アナログ変調回路の一例である。アナログ回路におけるオペレーション信号は、LED1614に印加されることになる電流の大きさに対応する大きさを有する。アナログ変調回路は、最小のフットプリントを有することが可能であるが、マグニチュード変調が、LED1614を赤方偏移または青方偏移させる可能性がある。
【0129】
図20は、LED1614の強度のパルス符号変調(PCM)のための回路の例である。図20における回路は、比較的シンプルであるが、グリッチが、いくつかの知覚的なアーチファクトを引き起こす可能性がある。図21は、LED1614の強度のパルス幅変調(PWM)のための回路の例である。PWM回路は、最大のフットプリントを有するが、より少ない知覚的なアーチファクトを有することが可能である。
【0130】
コード信号を変更することによって、どれぐらい長くLEDがオンであるかを変更することが可能であり、これによって、そのLEDがユーザにとってどれぐらい明るく見えるかが変わる。PCMおよびPWMの両方において、オペレーション信号は、選択されたLED1614へ電流が流れる期間内における時間のパーセンテージを表すデジタル信号を含む。回路図の下のチャートは、コード信号のさまざまな組合せに基づく信号の「オン」持続時間を示している。たとえば、図20のPCM回路においては、「wl」および「bl」信号は、コンデンサd0、d1、およびd2を充電するためにアドレスドライバによって制御されるオペレーション信号であることが可能である。カウンタ信号c0、c1、およびc2が制御/タイミングドライバによって制御されて、いつコンデンサd0、d1、およびd2がLED1614を通じて放電するかを制御することが可能であり、これによって、LED1614を通る電流の導通持続時間を変調することが可能である。図21のPWM回路は、同様の原理に基づいて、ただしカウンタ信号c0、c1、およびc2の異なるタイミングを用いて、LED1614を通る電流の導通持続時間を変調することも可能である。図19図21において、信号ネットが単一のピクセル内の端子のみに接続されている場合には、それらの信号ネットは、ローカル信号とみなされることが可能である。信号ネットが複数のビットセルをともに接続している場合には、それらの信号ネットは、グローバルネットとみなされることが可能である。たとえば、図120においては、「bl」(ビット線)、「wl」(ワード線)、「c0」、および「vdd」(電源)が、グローバルネットの部分とみなされることが可能である。グローバル信号は、グローバルネット上で送信される。高い容量性負荷を有する場合があるということが、グローバル信号の特徴である。いくつかのグローバル信号は、高い定常状態電流負荷を有する場合もある。TFTコンポーネントの限られた駆動強度に起因して、グローバルネットを充電または放電するのにTFTコンポーネントを使用しないことが推奨される。逆に、TFTコンポーネントがグローバルネットをロードすることは許容可能である。同様に、低減されたローカルネットキャパシタンス、ひいては駆動要件に起因して、TFTコンポーネントがローカルネットを充電または放電することは許容可能である。
【0131】
図22図24は、アドレス指定スキームの例を示している。図22は、それぞれのピクセル2202が別個のアドレス接続を有するアドレス指定スキームを示している。図23は、行アドレスおよび列アドレスを使用することによってピクセル2302をアドレス指定することの例を示しており、これは、図22によるアドレス指定と比較して、ピクセルへの接続の数を低減することが可能である。図23においては、それぞれの行アドレスおよび列アドレスは、それぞれ、同じ行および列に沿ったピクセルどうしの間で共有されることが可能である。
【0132】
図24において示されているように、ピクセルTFT入力上の容量性負荷を低減するために、直列に接続されている2つのトランジスタ2402を提供して、ピクセルTFTの入力を制御することが可能である。2つのトランジスタ2402は、たとえば、ピクセルの行を選択または選択解除するように構成されている2つの行選択信号、ピクセルの列を選択または選択解除するように構成されている2つの列選択信号などによって制御されることが可能である。コンデンサ2404は、ストレージコンデンサである。BLは、ビット線であることが可能であり、ビット線は、データ線と呼ばれることも可能である。2つのトランジスタ2402は、共通信号の数を低減するために同じ信号によって制御されることも可能である。したがって、ピクセル回路が、ストレージコンデンサをデータ線に結合するために一緒にアサートされる複数の選択信号に結合されることが可能である。単一のピクセル回路が、複数の行選択信号に接続されることが可能である。制御信号は、LED1614に関する一意のアドレスを含むことが可能であり、オペレーション信号は、LEDアレイにおける選択されたLEDのオペレーションを制御することが可能である。図24における回路は、トランジスタ層1606において形成されることが可能であり、セレクタと呼ばれる場合がある。
【0133】
図25は、ピクセル2302をアドレス指定するために複数の行信号を使用する例示的なレイアウトを示している。複数の列を1つの列2502へと折り畳んで、列接続の数を低減すること(たとえば、使用されるバンプ1502の数を低減すること)が可能である。たとえば、2つの行および4つの列が、電気的におよび/または論理的に接続されて、1つの列および8つの行を有することが可能である。アドレス指定スキームおよび選択信号は、同じ列内にあるが別々の列としてアドレス指定されているピクセル2302どうしの間を区別するように構成されることが可能である。それぞれのピクセルTFTは、正しいピクセルが選択されることが可能であるようにアドレス指定スキームに基づいて選択信号のピクセル内デコーディングを実行するように構成されることが可能である。図25における例に関しては、ピクセル2302-1、2302-2、2302-2、2302-4、2302-5、2302-6、2302-7、2302-8は、列データ線信号2502と、行データ線信号(たとえば、A、B、C、X、Y、およびZ)との組合せを通じて個々にアドレス指定されることが可能である。アドレス指定は、ピクセルごとに2つのセレクタ信号を有することによって達成される。たとえば、ピクセル2302-1を選択するためには、信号「A」および信号「X」の両方がアサートされなければならない。たとえば、ピクセル2302-2を選択するためには、信号「B」および信号「X」の両方がアサートされなければならない。より一般的には、データ線上のN個のピクセルをアドレス指定するためには、N個のセレクタ信号の平方根が使用される。このアプローチは、使用される「バンプ」相互接続の数をさらに減らすという利点を有しており、ひいては、粗い、より製造可能なピッチターゲットを可能にする。いくつかの実施形態においては、ピクセル2302どうしの間における中心から中心までの間隔は、5、3、または2ミクロン以下であり、0.1、0.5、または1ミクロン以上である。
【0134】
図26は、ディスプレイデバイスを製作するプロセス2600の実施形態のフローチャートである。プロセス2600は、ステップ2602においてマイクロLEDウェハ上にマイクロLEDを製作することから開始する。マイクロLEDデバイスは、ウェハ上に形成されることが可能であり、そのウェハは、マイクロLEDの材料およびオペレーションに適合する基板を含むことが可能である。例は、GAN、Si上のGAN、サファイア上のGAN、InGaAs、AlInGaP、GaAsなどを含むIII-VまたはIII-窒化物を含む。
【0135】
ステップ2604において、TFTをマイクロLEDウェハの酸化物上にモノリシックに形成して、1つまたは複数のマイクロLEDダイを形成することが可能であり、それによってTFTおよびマイクロLEDは、同じウェハ上に形成される。TFTは、トレンチゲート自己整合(TGSA)c軸配向結晶インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)TFTを含むことが可能である。TFTは、たとえば、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶シリコン(LTPS)、アモルファスシリコン(a-Si)などを含むことも可能であり、低温バックエンド適合プロセスで製作されることが可能である。
【0136】
ステップ2606において、相互接続形成およびメタライゼーションをマイクロLEDダイ内で実行して、たとえば、ピクセルTFTどうしによって共有されることになる共通信号線を提供することが可能である。相互接続は、金属、たとえば、銅、銅合金、アルミニウム、タングステンなどを使用して形成されることが可能である。ステップ2608において、相互接続と接続するためにマイクロLEDダイの表面上にマイクロバンプインターフェースが形成されることが可能である。
【0137】
ステップ2610(ステップ902~908と同時に生じることが可能である)において、シリコンバックプレーンが製作されることが可能である。シリコンバックプレーンは、ドライバ回路(図18において示されているものなど)を含むことが可能である。ステップ2612において、マイクロバンプインターフェースが形成されることが可能である(たとえば、バックプレーン上に。いくつかの実施形態においては、バンプは、ステップ2608においてマイクロバンプインターフェース上に形成されることが可能である)。ステップ2614において、マイクロLEDダイおよび/またはシリコンバックプレーン上で個片化プロセスが実行されることが可能である。マイクロLEDダイおよびシリコンバックプレーンは、対応するマイクロバンプインターフェースにおいてマイクロバンプ接続を形成することによって組み立てられて、ディスプレイデバイスを形成することが可能である。
【0138】
図27は、薄膜回路層に機能性を付加するための複雑さおよびマイクロバンプ低減の例示的なスライディングスケールを示している。薄膜回路層に置かれる回路が多ければ多いほど、使用されるバンプの数が低減され、これによって、位置合わせに関する公差を低減することが可能である。しかしながら、薄膜回路層に置かれる回路が多ければ多いほど、薄膜回路層の製作は、より複雑になる。加えて、薄膜回路層における回路は、バックプレーンにおいて形成された回路よりも遅くなる可能性がある。図27は、デバイス2702-A、デバイス2702-B、およびデバイス2702-Cという3つの例示的なデバイスを示している。これらの3つの例示的なデバイスは、制限的であることを意図されているものではない。なぜなら、バックプレーンと薄膜回路層との間において分割された機能性のその他の組合せが使用されることが可能であるからである。
【0139】
デバイス2702-Aにおいては、ピクセル回路がバックプレーンにある。この例においては、薄膜回路層は使用されておらず、マイクロバンプどうしは、高精細度のために非常に密接に間隔を空けられている(たとえば、マイクロバンプどうしの間隔は、1.1、1.3、1.4、1.6、1.8、2.1、または2.3ミクロンなど、1ミクロン以上、3ミクロン以下である)。
【0140】
デバイス2702-Bにおいては、セレクタマルチプレクサを備えたピクセル回路が薄膜回路層に形成されている。マイクロバンプどうしは、密接に間隔を空けられているが、薄膜回路層は、デバイス2702-Cよりも製造するのがはるかに容易である(たとえば、マイクロバンプどうしの間隔は、10、12、14、16、18、または20ミクロンなど、8ミクロン以上、30ミクロン以下である)。
【0141】
デバイス2702-Cにおいては、薄膜回路層は、デバイス2702-Bにおける回路に加えて、メモリ(たとえば、DRAM)および変調回路(たとえば、図19図21からの)を含む。デバイス2702-Cにおけるマイクロバンプは、最大の間隔を有する(たとえば、マイクロバンプどうしの間隔は、35、34、55、または64ミクロンなど、30ミクロン以上、75ミクロン以下である)。
【0142】
したがって、いくつかの実施形態においては、薄膜回路層は、セレクタマルチプレクサを含み、バックプレーンは、メモリ回路および/もしくは変調器回路を含み、ならびに/または薄膜回路層は、メモリ回路および変調器回路を含む。
【0143】
図28は、マイクロLEDディスプレイを製作するプロセス2800の実施形態のフローチャートである。プロセス2800は、ステップ2802において半導体構造を入手することから開始する。半導体構造は、第1のドープされた半導体層と、第2のドープされた半導体層と、第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層とを含む層状エピタキシャル構造であることが可能である。図7Aは、半導体構造の例を提供しており、図16におけるデバイス層1602は、半導体構造の別の例である。
【0144】
ステップ2804において、薄膜回路層が半導体構造上に堆積される。たとえば、薄膜トランジスタを形成するための層が、半導体構造上に堆積される。ステップ2806において、発光層からの発光を制御するために薄膜回路層に回路が形成される。たとえば、トランジスタ、コンデンサ、トレース、および/または共通信号線が、薄膜回路層に形成される。接合パッド(たとえば、下側接合パッド)が、薄膜回路層に形成されることが可能である。
【0145】
ステップ2808において、バックプレーンが入手される(たとえば、バックプレーン1704)。いくつかの実施形態においては、バックプレーンは、バックプレーンを製造することによって入手される。バックプレーンは、複数の金属接合を通じて薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む。バックプレーンは、接合するための複数のパッド(たとえば、上側接合パッド)を含むことが可能である。複数のマイクロバンプが、ステップ2810で薄膜回路層上に、またはバックプレーン上に(たとえば、接合パッド上に)に形成される。バックプレーンは、ステップ2812で複数のマイクロバンプ(たとえば、バンプ1502)を使用して薄膜回路層に接合される。たとえば、バックプレーンは加熱され、薄膜回路層の方へ押され、それによってマイクロバンプ(たとえば、はんだ)が溶融し、バックプレーンと薄膜回路層との間においてオーミック接続を形成する。マイクロバンプは、接合後に(たとえば、冷却後に)複数の金属接合になる。
【0146】
発光ダイオード(LED)のアレイが、ステップ2814で半導体構造から形成される。LEDのアレイは、接合の前または後に形成されることが可能である。複数の金属接合の数は、金属接合どうしの間におけるさらに大きな間隔(たとえば、中心から中心まで)を可能にするためにLEDのアレイにおけるLEDの数よりも少ない。
【0147】
いくつかの実施形態においては、LEDのアレイは、発光側(たとえば、発光側1312)と、発光側の反対側(たとえば、発光側の反対側1314)とを有し、薄膜回路層は、発光側の反対側に堆積され、バックプレーンを入手することは、シリコンウェハのシリコンデバイス層において複数のCMOSトランジスタおよび相互接続を形成することを含み、LEDのアレイを形成することは、半導体構造を個片化することを含み、半導体構造を個片化することは、バックプレーンを薄膜回路層に接合する前に生じ、薄膜回路層は、ウェハレベルで半導体構造上に形成され、バックプレーンは、接合前にバックプレーンにおいて形成された電気回路を含み、マイクロバンプは、オーミック材料で作られており、薄膜回路層は、半導体構造以外の多くの異なるタイプの基板材料(たとえば、サファイアもしくはガラス)に適用されることが可能であり、バックプレーンは結晶シリコンを含み、使用されるマイクロバンプの数は、1000以上および/もしくは10,000以下であり、ならびに/またはマイクロバンプどうしの間における間隔は、LEDどうしの間における間隔よりも大きい。
【0148】
マルチプレクサを使用して、薄膜回路層とバックプレーンとの間におけるバンプの数を低減することが可能である。薄膜回路層とバックプレーンとの間におけるバンプの数を低減するために使用されることが可能であるマルチプレクサの一例は、タイル状のローリングシャッターである。タイル状のローリングシャッターは、光源のアレイをタイルへと分割し、それらのタイルは、グループと呼ばれる場合がある。それぞれのタイルは、複数の行および複数の列を有する。ある期間にわたってコマンド信号が行に順次適用され、それによって、その期間中にタイルにおけるそれぞれの行に電流が印加され、一度に1つの行のみが電流を受け取る。マルチプレクサの例としてタイル状のローリングシャッターが提供されているが、その他のマルチプレクサが使用されることも可能である。タイル状のローリングシャッターに対する変形形態が使用されることも可能である。マルチプレクサを薄膜回路層に形成して、バックプレーンと薄膜回路層との間における接続の数を低減することが可能である。
【0149】
図29は、タイル状のローリングシャッターの一部としてタイル2902へと分割されたLEDのアレイの例を示している。第1のタイル2902-1および第2のタイル2902-2に関する経時的な行の活性化が示されている。2つのタイル2902が示されているが、LEDのアレイにおいては2つよりも多いタイル2902があることが可能であるということを理解されたい。たとえば、あるアレイにおいて100万個のLEDがあり、そのアレイがタイル2902へと分割されて、それぞれのタイルが500個のLEDを有している場合には、そのアレイは、2000個のタイルへと分割されることになる。
【0150】
それぞれのタイル2902は、複数の行rおよび複数の列cを含む。それぞれのタイル2902においては、m個の行およびn個の列がある。図29において示されている例においては、m=64およびn=6である。mおよびnは、図29において示されているのとは異なる値を有することが可能であるということを理解されたい。いくつかの実施形態においては、mは、nの2、3、4、または5倍以上である。第1のタイル2902-1および第2のタイル2902-2に関する第1の行r-1、第2の行r-2、第3の行r-3、第64の行r-64、第1の列c-1、第2の列c-2、および第3の列c-3が、図29においてラベル付けされている。
【0151】
期間は、複数のタイムスロットTへと分割される。期間内のタイムスロットTの数qは、行の数mに等しいことが可能である。それぞれの行rは、期間中に1回活性化される。示されている例においては、64個のタイムスロットTがある。第1のタイムスロットT-1、第2のタイムスロットT-2、第3のタイムスロットT-3、そして第64のタイムスロットT-64に至るまで。一連の行が、一連のタイムスロットTにおいて活性化され、それによって、それぞれの行におけるLEDが、期間中に1回活性であることが可能である。たとえば、第1のタイムスロットT-1中に、第1の行r-1におけるLEDが活性化されることが可能であり、第2のタイムスロットT-2中に、第2の行r-2におけるLEDが活性化されることが可能であり、第3のタイムスロットT-3中に、第3の列r-3におけるLEDが活性化されることが可能であり、そして最終的には第64のタイムスロットT-64中に、第64の行r-64におけるLEDが活性化されることが可能である。行が活性化された場合には、その行におけるそれぞれのLEDは、所与の持続時間および/または所与の強度で、個々に電流を受け取ることが可能である。たとえば、図20および図21におけるグラフは、LEDがタイムスロットTのうちの所与の持続時間(たとえば、パーセンテージ)にわたってオンであり続けるためにはどのように変調されることが可能であるかを示している。LEDがタイムスロットT中に長くオンであればあるほど、そのLEDは、視聴者にとって明るく見える。期間は短いことが可能であり、それによって視聴者は、LEDがオフになったりオンになったりしているのをおそらく知覚しない(たとえば、期間は、15ms、1ms、500μs、100μs、もしくは10μs以下であることが可能であり、および/または期間は、1μs以上であることが可能である)。タイル2902のそれぞれの行rは、さまざまな時点で活性化されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ディスプレイシステムは、毎秒120フレームのフレームレートを表示することが可能であり、ディスプレイタイルは、64行を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、ディスプレイは、ディスプレイおよびグラフィックスシステムのオペレーションオーバーヘッドを考慮するために50%のデューティーサイクルを有することが可能である。いくつかの実施形態においては、行表示時間は、およそ64マイクロ秒(0.5*1/120*1/64)であることが可能である。いくつかの実施形態においては、64マイクロ秒の行表示時間中に、ピクセル強度は、可変アナログ電流によって駆動されることが可能である。いくつかの実施形態においては、64マイクロ秒の間に、ピクセル強度に関する行表示時間がデジタル変調されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ピクセルは、2マイクロ秒の増分で切り替えられて、7ビットのグレースケール(2us=64us/2^7)の作成を可能にすることができる。この例は、行どうしを順番に活性化することについて記述しているが、いくつかの実施形態においては、行どうしが順番から外れて活性化されることが可能である。いくつかの実施形態においては、別々の列cの行rどうしが、別々の時点で活性化することが可能である。たとえば、セルr-1、c-1におけるLEDは、タイムスロットT-1中に活性化することが可能であり、セルr-2、c-1におけるLEDは、タイムスロットT-2中に活性化することが可能であり、セルr-1、c-2におけるLEDは、タイムスロットT-2中に活性化することが可能であり、セルr-3、c-1におけるLEDは、タイムスロットT-3中に活性化することが可能であり、セルr-2、c-2におけるLEDは、タイムスロットT-3中に活性化することが可能であり、セルr-1、c-3におけるLEDは、タイムスロットT-3中に活性化することが可能である、といった具合である。
【0152】
図30は、タイルの列におけるLEDに電流を印加するために使用されることが可能である簡略化された回路の例を示している。図30は、薄膜回路層3008における制御線3006とバックプレーン3004を電気的に結合する接合3002を示している。制御線3006は、トランジスタ3012を通じてLED3010に電流を提供する。制御線3006は、図16におけるデータ線1628と同様であることが可能である。トランジスタ3012は、図16におけるトランジスタ1622と同様であることが可能である。接合3002は、図17におけるバンプ1502から形成された金属接合であることが可能である。
【0153】
制御線3006は、タイルの列におけるLED3010に電流を提供する。第1のLED3010-1が、第1の行r-1にあり、第2のLED3010-2が、第2の行r-2にあり、第3のLED3010-3が、第3の行r-3にある、といった具合であり、最終的には第mのLED3010-mが、第mの行r-mにある。トランジスタ3012は、順に活性化して(たとえば、作動して)、制御線3006からの信号がLED3010へ伝わることを可能にする。カソード3014が、LED3010を通って流れる電流のための帰路を提供する。カソード3014は、(たとえば、タイルの1つの列における複数のLED3010に接続されている、ならびに/または複数の列および/もしくはタイルにおけるLEDどうしに接続されている)共通のカソードであることが可能である。
【0154】
バックプレーン3004は、この例においては、メモリ3016、変調回路3018、および電流源3020を含むことが可能である。図30における例は、薄膜回路層とバックプレーンとの間において分割されている機能性に関する限り、図27におけるデバイス2702-Bと同様である。メモリ3016および変調回路3018が薄膜回路層3008にあるならば、そのような構成は、図27におけるデバイス2702-Cと同様であろう。
【0155】
複数のLED3010と結合されている1つの制御線3006を有することによって、バックプレーン3004とLED3010との間における接合3002の数は、LED3010ごとに1つの制御線3006を有する場合と比較して低減されることが可能である。
【0156】
タイルにおける列の数nが8に等しいならば、タイルごとに8つの接合3002および8×m個のLED3010があるであろう。また、タイルごとに8つの変調回路3018および8つのメモリ3016があるであろう。いくつかの実施形態においては、LEDのアレイは、512、1000、2048、2542、またはその他の数のタイルへと分割されることが可能である。
【0157】
図31は、接合3002のための接合部位を有するタイル3100の例を示している。タイル3100は、タイル2902と同様であることが可能である。タイル3100は、m個の行およびn個の列を有する。タイル3100は、8つの列を有する(n=8)。行および列のそれぞれのセルに1つのLEDがある。タイル3100は、LEDのアレイのサブセットを示している。LEDのアレイは、フットプリントを占有し、接合3002は、そのフットプリントにわたって分散している。接合3002は、LEDのアレイの上にあるように見えるが、接合3002は、LEDのアレイとバックプレーンとの間にあり、図31は、LEDのアレイへの接合部位どうしの並置を示している。図31のタイル3100におけるLEDは、1.8μmのピッチを有するが、LEDのその他のピッチが使用されることも可能である。行1~64は115.2μmの合計幅を有し、列は14.4μmの合計幅を有する。その他の寸法が使用されることも可能である。
【0158】
はんだを接合材料として使用して2つのウェハをともに接合しながら、はんだを加熱する。2つのウェハが、別々の熱膨張係数(CTE)を有する基板を有している場合には、それらの2つのウェハは、別々の速度で膨張することが可能であり、これは、接点どうし(すなわち、接合部位どうし、または図16におけるパッド1630などのパッドどうし)の「ウォークオフ」につながり、それによって、接合3002のための接点どうしの位置が合わない。接合温度が高くなればなるほど、より高いウォークオフ、およびより大きなずれにつながる。たとえば、バックプレーンは、シリコン基板を使用して作られることが可能であり、LEDは、GaAsなどのIII-V材料で作られることが可能である。薄膜回路層は、GaAsに適用される(たとえば、LEDのGaAsは、薄膜回路層のための基板としての役割を果たす)。シリコンおよびGaAsは、別々のCTEを有する。バックプレーンにおける接合部位は、薄膜回路層における接合部位と比較して、ずれることになる。なぜなら、シリコンおよびGaAsを加熱して、はんだを溶かして、接合を形成するからである。接合において使用される温度が高ければ高いほど、薄膜回路層における接合部位と比較して、バックプレーンにおける接合部位のずれは大きくなる。
【0159】
ウォークオフを低減するために、より大きな接合部位および/または接合のためのさらに低い温度が使用されることが可能である。また、チップレットを形成するために1つの基板を通じてエッチングすること(たとえば、ドライおよび/またはディープエッチングを使用して薄膜回路層の基板をエッチングすること、GaAsを通じてエッチングすること)は、薄膜回路層における接合部位が移動することを可能にし得る。ウェハ対ウェハ接合の代わりに、ダイ対ウェハまたはダイ対ダイ接合が使用されることが可能である。たとえば、GaAsウェハ上のLEDは、チップレット上で小さなアレイへと分割されることが可能であり、それぞれのチップレットは、n接点およびp接点の両方を有する。より小さなアレイを使用することは、ディスプレイの欠陥部分を再加工することを可能にすることもできる。
【0160】
接合部位どうしの小さなピッチは、アンダーフィルを適用することに伴う困難につながる可能性もある。アンダーフィルを適用することは、追加の剛性を提供すること、熱伝達を補助すること、および/または接合上のストレスを低減することを含む、いくつかの利点を有することが可能である。接合部位どうしが互いに近すぎる場合には、アンダーフィル材料が接合部位どうしの間において流れるようにすることが困難であることがある(たとえば、アンダーフィルの粘性が高すぎること、および/または粒子のサイズが大きすぎることに起因して)。アンダーフィル材料が接合部位どうしの間において流れるようにしないことによって、アンダーフィルの効果が低減される可能性がある。特定の材料は、40ミクロンまでの接合部位どうしのピッチでの使用に適しているとわかっている(たとえば、NamicsからのU8410-302LF1およびXS8410-302SNSB)。特定の材料は、20ミクロンまでの接合部位どうしのピッチでの使用に適しているとわかっている(たとえば、NamicsからのU8410-302F)。代替アプローチは、バックプレーンを薄膜回路層に接合する前に、バックプレーンおよび/または薄膜回路層上に、スピンコーティングされることが可能である粘性材料または積層されることが可能である膜であることが可能である事前に適用される下層膜材料を使用することであることが可能である。
【0161】
図31は、タイル状のローラマルチプレクサを実装することによって、LEDごとに1つの制御線(たとえば、図30における制御線3006)が接合されることになっていた場合よりも、接合3002のための接合部位が大きくなることが可能であるということを示している。図31におけるタイル3100は、64行および8列を有するタイルを示している。8つの接合3002、それぞれの列ごとに1つの接合3002および1つの対応する制御線がある。第1の列c-1の制御線に接続するための第1の接合3002-1、第2の列c-2の制御線に接続するための第2の接合3002-2、第3の列c-3の制御線に接続するための第3の接合3002-3、第4の列c-4の制御線に接続するための第4の接合3002-4、第5の列c-5の制御線に接続するための第5の接合3002-5、第6の列c-6の制御線に接続するための第6の接合3002-6、第7の列c-7の制御線に接続するための第7の接合3002-7、および第8の列c-8の制御線に接続するための第8の接合3002-8がある。接合3002どうしの間における間隔は、LEDごとに1つの接合3002があった場合よりも大きい。接合3002も、LEDごとに1つの接合3002があった場合よりも大きいことが可能である。したがって、バンプどうしは、アレイにおけるLEDどうしのピッチよりも大きな隔たりを伴って分散されることが可能である。
【0162】
いくつかの実施形態においては、小さなピッチ(接合3002どうしの間における距離)は、60、50、40、30、20、15、もしくは10μm以下、および/または1μm以上であることが可能である。ピッチが小さければ小さいほど、基板のCTEミスマッチによって引き起こされるウォークオフを低減するために接合にとって必要とされる温度は低くなる。いくつかの実施形態においては、接合温度は、ウォークオフを低減するために摂氏300度以下である。時として、接合温度は、接合3002どうしのピッチに応じて、摂氏300度、250度、200度、150度、100度、80度、または75度以下であることが可能である。たとえば、ナノポーラス金の圧縮接合は、摂氏75度の接合温度を目標とすることが可能であり、その結果、材料のCTEミスマッチによって引き起こされるストレスが低くなるか、まったくなくなることが可能である。
【0163】
接合温度が低減された場合には、バンプの材料選択が困難になることがある。はんだを接合材料として使用する場合には、バンプ材料にとっての融点は、接合温度以下であり、それによってバンプは、溶融して接合を形成する。バンプ材料の融点も、デバイスの動作温度よりも高い(たとえば、それによって、はんだはデバイスの動作中に再液化しない)。したがって、はんだバンプ(たとえば、図17におけるバンプ1502)は、接合温度以下の融点を有するように構成されている。いくつかの実施形態においては、ナノポーラス金またはナノポーラス銅が、摂氏250度、200度、150度、100度、または75度以下の接合温度で使用される。ナノポーラス金は、およそ150度以下の接合温度を有する。接合温度は、使用される接合圧力および/または接合時間に部分的に依存することが可能である。いくつかの実施形態においては、銅は金よりも安価であるので、金の代わりに銅が使用され、銅を使用することは、金を使用する際に存在している可能性がある銀移行のリスクを低減し、および/または銅は、シリコンを汚染する可能性が低く、それによって銅は、バックエンド処理においては金よりも好ましくなる。ナノポーラス銅は、ナノポーラス金と同様の接合温度(たとえば、150度以下)を有すると予想される。はんだバンプとして使用される材料のいくつかのその他の融点は、摂氏での融点としては、インジウム(180°)、銅(200°)、インジウム-銀(200°)、銅-スズ(250°)、金-スズ(280°)、および金(290°)を含む。(接合3002へと変わる前の)バンプは、球形、円筒形、円錐形、もしくはその他の形状であること、共晶材料もしくは単純な金属(たとえば、AuもしくはCu)でできていること、固体もしくはナノポーラスであること、ならびに/または全体的な加熱を使用して(たとえば、接合ツールもしくはオーブンを使用して)熱的に活性化されること、および/もしくは局所的な加熱を使用して(たとえば、接合温度を生成するためのレーザーを使用して)熱的に活性化されることが可能である。
【0164】
図32は、タイルサイズ(図32においては、列の数が行の数をはるかに超えているので、タイルサイズは、タイルにおける行の数として報告される)をバンプピッチと比較する例示的なチャートである。タイルサイズが増大した場合には、バックプレーンからLEDへ制御信号を送信するために使用されるバンプが少なくなるので、バンプピッチは増大することが可能である。たとえば、タイルサイズが1である場合には、バンプピッチは、LEDのピッチのサイズ(たとえば、図31における1.8μm)になる。タイルサイズが16である場合には、バンプピッチは、7.2μmであることが可能である。タイルサイズが64である場合には、バンプピッチは、14.4μmであることが可能である、といった具合である。LEDのアレイは、LEDの総数を含むことが可能であり、複数の金属接合は、金属接合の総数に対応し、金属接合の総数は、アレイにおけるLEDの総数よりも少なくとも1桁、2桁、または3桁少ない。薄膜回路層の複雑さと、接合どうしのピッチとの間にはトレードオフがある。たとえば、図27におけるデバイス2702-Cの接合どうしのピッチは、図27におけるデバイス2702-Bにおける接合どうしのピッチよりも大きいことが可能であるが、デバイス2702-Cにおいて薄膜回路層を形成することは、デバイス2702-Bと比べて、より複雑である場合があり、および/またはより遅い回路を生成する場合がある。なぜなら、薄膜回路層において使用される材料が、バックプレーンにおいて使用される材料ほど効果的ではない可能性があるからである。
【0165】
図33は、LEDディスプレイを製作するプロセス3300の実施形態のフローチャートである。プロセス3300は、ステップ3302において複数のLEDを形成することから開始する。いくつかの実施形態においては、複数のLEDの数は、4、8、16、32、64、および128以上、ならびに/または64もしくは128以下に等しいことが可能である(たとえば、複数のLEDは、図29のタイル2902における行rの数mに等しいことが可能である)。いくつかの実施形態においては、複数のLEDの数は、307,200、921,600、または2,073,600以上であることが可能である。複数のLEDは、結晶性半導体構造(たとえば、GaAsまたはInPなど、III-Vのエピタキシャル層)から形成されることが可能である。LED3010-1から3010-mは、複数のLEDの例である。
【0166】
ステップ3304において、複数のLEDと電気的に結合されている複数のトランジスタを含む薄膜回路層が形成される。たとえば、図30におけるトランジスタ3012を有する薄膜回路層3008が形成される。それらのトランジスタは、複数のLEDと電気的に結合されている。複数のトランジスタは、複数のLEDのオペレーションを制御するように構成されている。たとえば、トランジスタ3012は、いつ電流がLED3010に印加されるかを制御する。いくつかの実施形態においては、薄膜回路層は、複数のLEDの結晶性半導体構造に格子整合されていない。たとえば、薄膜回路層は、単結晶構造の代わりにアモルファスまたは多結晶構造を有する半導体材料を含むことが可能である。
【0167】
ステップ3306において、制御線が、複数のトランジスタを第1のパッド(たとえば、図16におけるパッド1630)と電気的に接続するために形成される。たとえば、図30における制御線3006は、8、16、32、64、128、または256個のピクセルを制御するように構成されており、ピクセルの数は、2の累乗である必要はなく、したがって33または100個のピクセルのようなその他の数も可能である。制御線は、薄膜回路層において形成されること、および/またはその一部であることが可能である。いくつかの実施形態においては、制御線は、銅、銅合金、アルミニウム、および/またはタングステンで作られることが可能であり、その他の実施形態においては、その他の材料が使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、制御線は、共通信号線(たとえば、制御線3006またはデータ線)である。共通信号線は、グローバル信号を送信するために使用されることが可能である。共通信号線は、行におけるすべてのまたはいくつかのピクセルに接続されることが可能である。たとえば、1つの共通信号線が、行におけるすべてのピクセルのオペレーションを制御するトランジスタと結合されることが可能であり、行には440、1600、1920、もしくは2560個のピクセルがあり、または共通信号線が、行におけるピクセルのうちの1/2(たとえば、720、800、960、もしくは1280個のピクセル)のオペレーションを制御するトランジスタと結合されることが可能である。
【0168】
ステップ3308で、バックプレーン(たとえば、バックプレーン3004)が入手される。バックプレーンは、駆動回路(たとえば、図30からのメモリ3016および/もしくは変調回路3018、ならびに/または図18からのアドレスドライバ1802、データ/ビット線ドライバ1804、制御/タイミングドライバ1806、制御論理1808、および/または電圧供給レギュレータ1810)を含むことが可能である。バックプレーンは、第2のパッドを含む(たとえば、バンプ1502は、図17において第1のパッドおよび第2のパッドに接触しているように示されている)。本明細書において使用される際には、バックプレーンは、uLEDエピタキシャルウェハとは別個の論理ダイ上に形成されている回路を指す場合がある。
【0169】
第1のパッドは、ステップ3310において第2のパッドに接合される(たとえば、図30における接合3002を形成する)。接合することは、はんだ(たとえば、図17におけるバンプ1502)を加熱して、はんだを溶融することを含むことが可能である。はんだを加熱することは、はんだを摂氏300度、250度、200度、175度、または150度以下まで加熱することを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、はんだを加熱することは、摂氏50度、75度、または100度以上である。
【0170】
接合は、第1のパッドを第2のパッドと電気的に結合し、それによって、バックプレーンにおけるコントローラ(たとえば、図18からのアドレスドライバ1802、データ/ビット線ドライバ1804、制御/タイミングドライバ1806、制御論理1808、および/または電圧供給レギュレータ1810)が、制御線と電気的に結合される。いくつかの実施形態においては、この方法はさらに、複数のLEDに接続するための共通のカソード(たとえば、図30におけるカソード3014)を形成することを含む。
【0171】
さまざまなプロセスを使用して、薄膜回路層とバックプレーンとを備えたエピタキシャル構造を形成することが可能である。エピタキシャル構造は、LEDのアレイを形成するために使用される。バックプレーンは、エピタキシャル構造および薄膜回路層と垂直統合されることまたは水平統合されることが可能である。図34図54および図55図64は、垂直統合の例を提供している。図67および図68は、水平統合の例を提供している。バックプレーンがシリコン基板を使用している場合には、シリコン基板は不透明であってLEDのアレイの背後にあることが可能であるので、不透明なディスプレイのために垂直統合が使用されることが可能である。したがってユーザは、LEDのアレイの向こうを見ることはできない。透明なディスプレイのために水平統合が使用されることが可能である。水平統合においては、バックプレーンはLEDのアレイの横にある。エピタキシャル構造および薄膜回路層は、ユーザに対して透明であることが可能であり、透明基板に接合されることが可能である。(たとえば、インジウムスズ酸化物を使用する)透明なトレースを使用して、バックプレーンを薄膜回路層に接続することが可能である。したがって、透明なディスプレイのために水平統合を使用して、ユーザがLEDのアレイの向こうを見ることを可能にすることができる。
【0172】
エピタキシャル層は、個々のLEDを形成するためにエピタキシャル構造の部分を分離するためのさまざまな方法で個片化されることが可能である。たとえば、エッチングを使用してメサを形成することが可能である。図34図54は、エッチングされたメサの例を提供している。イオン注入を使用して、平面LEDを形成することも可能である。図55図65は、プレーナLEDの例を提供している。その他の分離プロセスが使用されることも可能である。
【0173】
次に図34図53を参照すると、エピタキシャル構造においてLEDを形成する目的でエピタキシャル構造を個片化するためにエピタキシャル構造をエッチングする実施形態に関する処理ステップの簡略化された断面図が示されている。図34は、エピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。エピタキシャル構造3400は、第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404を含む。第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404は、基板3406上にある。いくつかの実施形態においては、基板3406は、エピタキシャル構造3400の一部である。第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404は、基板上に(たとえば、基板3406に格子整合されて)成長させること(たとえば、エピタキシャルに成長させること)が可能である。いくつかの実施形態においては、基板は、III-V二元化合物(たとえば、GaAs、GaP)であり、第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404は、二元、三元、または四元化合物(たとえば、InGaAs、InGaAsP)である。
【0174】
エピタキシャル構造3400は、第1のドープされた半導体層3402と第2のドープされた半導体層3404との間に発光層3408を含むことも可能である。発光層3408は、第1のドープされた半導体層3402と第2のドープされた半導体層3404との界面であることが可能であり、または発光層3408は、第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404とは別個の材料(たとえば、多重量子井戸(MQW)を形成するための材料の層)を含むことが可能である。
【0175】
図34において示されている実施形態においては、第1のドープされた半導体層3402は、nドープされ(たとえば、結晶格子におけるさらに少ない電子(過剰な正孔))、第2のドープされた半導体層3404は、pドープされる(たとえば、結晶格子における過剰な電子)。しかしその他の実施形態においては、第1のドープされた半導体層3402は、pドープされることが可能であり、および/または第2のドープされた半導体層3404は、nドープされることが可能である。
【0176】
図35は、エピタキシャル構造3400上に堆積された接触層3502および一時的な接合層3504を有するエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。接触層3502はp接点である。接触層3502は、金属などの導電性材料であることが可能である。接触層3502は、リソグラフィー技術によって堆積させることが可能である。接触層3502は、LEDのアレイにおけるそれぞれのLEDのためのp接点を形成するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、接触層3502は、図30における共通カソード3014を形成するために使用されることが可能である。接触層3502は、第2のドープされた半導体層(pドープされた層)の上に堆積される。いくつかの実施形態においては、接触層3502は、1つまたは複数の垂直ビアによって薄膜回路層におけるグラウンドプレーンと電気的に結合されることが可能である。いくつかの実施形態においては、エピタキシャル構造3400および/または接触層3502は、図16におけるデバイス層1602の一部であることが可能である。
【0177】
一時的な接合層3504は、一時的なキャリアをエピタキシャル構造3400に固定するための接着剤(たとえば、スピンコーティングによって塗布される)であることが可能である。一時的な接合層3504は、接触層3502の上に塗布される。
【0178】
図36は、エピタキシャル構造3400に固定された一時的なキャリア3602を有するエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。一時的なキャリア3602は、一時的な接合層3504によってエピタキシャル構造3400に固定されている。一時的なキャリア3602は、エピタキシャル構造3400のp側に取り付けられている(たとえば、pドープされている第2のドープされた半導体層3404は、nドープされている第1のドープされた半導体層3402よりも、一時的なキャリア3602に近い)。
【0179】
図37は、エピタキシャル構造3400から基板(たとえば、図36における基板3406)が除去された状態のエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。基板が除去された後に、エピタキシャル構造は、(たとえば、化学的機械的平坦化(CMP)によって)平坦化される。nドープされている第1のドープされた半導体層3402は、露出されて平坦化される。
【0180】
図37における構造は、中間構造3700と呼ばれる場合がある。中間構造3700はさまざまなエッチング構成において使用されることができる。たとえば、中間構造は、エピタキシャル構造3400に薄膜回路層を適用する前にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセス(たとえば、図38図42において記述されている)、エピタキシャル構造3400をバックプレーンに接合した後にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセス(たとえば、図43図47において記述されている)、および薄膜回路層からエピタキシャル構造3400までの堆積層どうしの間においてエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセス(たとえば、図48図53において記述されている)のために使用されることが可能である。
【0181】
図38図42は、エピタキシャル構造3400に薄膜回路層を適用する前にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセスの簡略化された断面図を示している。図38は、エピタキシャル構造を個片化するためにエッチングされたエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。図38においては、エピタキシャル構造3400をエッチングすることによってトレンチ3802が形成されている。トレンチ3802は、壁3804どうしによって画定されている。トレンチ3802は、第1のドープされた半導体層3402、発光層3408、第2のドープされた半導体層3404、接触層3502、および/または一時的な接合層3504をエッチングすることによって形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、接触層3502または一時的な接合層3504は、エッチストップとして使用されることが可能である。
【0182】
エピタキシャル構造3400は、第1のドープされた半導体層3402の横(たとえば、n側)からエッチングされて、複数のメサ3808を形成する。一時的なキャリア3602は、複数のメサ3808(エピタキシャル構造3400)が取り付けられる「ハンドル」としての役目を果たすことが可能である。
【0183】
トレンチ3802は、x/y平面において(たとえば、z方向を見て)、グリッドを形成してメサ3808のアレイを作成することが可能である。グリッドは、さまざまな形状によって形成されることが可能であり、それによって、複数のメサ3808のうちのメサ3808は、長方形、円形、正方形、三角形、またはその他の形状のx/y平面における形状を有することが可能である。
【0184】
図39は、エピタキシャル構造3400上に堆積された薄膜回路層1604の実施形態の簡略化された断面図である。薄膜回路層1604は、トランジスタ層1606および相互接続層1608を含む。トランジスタ層1606は、第1のドープされた半導体層3402(たとえば、n型)の露出された表面上に形成されている。トランジスタ層1606は、薄膜トランジスタ半導体材料を含むことが可能である(たとえば、トランジスタ層1606は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)を含むことが可能である)。トランジスタ層1606は、薄膜回路層1604の第1の薄膜層と呼ばれることが可能である。
【0185】
相互接続層1608は、トランジスタ層1606の上に形成されている。相互接続層1608は、薄膜回路層1604の第2の薄膜層と呼ばれることが可能である。金属バンプに接合するためにパッド1630が形成されることも可能である。
【0186】
図40においては、バンプ1502を使用してバックプレーン1704が薄膜回路層1604に接合されている。バックプレーン1704は、ドライバ回路を含むことが可能である。エピタキシャル構造3400、薄膜回路層1604、およびバックプレーン1704は、垂直に配置されている(たとえば、積み重ねられた構造である)。図40は、エピタキシャル構造3400の上に(z方向に)延びている一時的なキャリア3602を示している。
【0187】
図41は、バックプレーン1704を薄膜回路層1604に接合した後に除去された一時的なキャリア(たとえば、図40における一時的なキャリア3602)の実施形態の簡略化された断面図である。いくつかの実施形態においては、一時的なキャリアおよび/または一時的な接合層は、溶媒(たとえば、一時的な接合層を溶解させる溶媒)によって除去される。一時的なキャリアを除去することによって、第2のドープされた半導体層3404および/または接触層3502が露出される。
【0188】
図42は、エピタキシャル構造3400に光学要素4202を付加する実施形態の簡略化された断面図である。光学要素4202を使用して、エピタキシャル構造3400から光をより効率よく抽出することが可能である。たとえば、光学要素4202は、回折格子であることが可能である。光学要素4202は、図42においては回折格子に類似しているように示されているが、光学要素4202は、レンズなどのその他の光学的機能であることが可能である。
【0189】
図43図47は、エピタキシャル構造をバックプレーンに接合した後にエピタキシャル構造をエッチングするプロセスの実施形態の簡略化された断面図を示している。図43は、中間構造3700上に堆積された薄膜回路層1604の実施形態の簡略化された断面図である。図43は、図43における中間構造3700上に薄膜回路層1604を堆積する前に図38におけるトレンチ3802が形成されていないことを除いて、図39と同様である。
【0190】
図44は、薄膜回路層1604をバックプレーン1704に接合する実施形態の簡略化された断面図である。バンプ1502は、薄膜回路層1604をバックプレーン1704に接合するために、および/またはバックプレーン1704から薄膜回路層1604への電気接続を提供するために使用される。一時的なキャリア3602は、接合している間のハンドルとして使用されることが可能である。薄膜回路層1604は、中間構造3700とバックプレーン1704との間にある。
【0191】
図45は、薄膜回路層1604をバックプレーン1704に接合した後に除去された一時的なキャリア(たとえば、図44における一時的なキャリア3602)の実施形態の簡略化された断面図である。図46においては、エピタキシャル構造3400においてエッチングされたトレンチ3802の実施形態の簡略化された断面図が示されている。トレンチ3802は、一時的なキャリアを除去した後に、および/またはバックプレーン1704を薄膜回路層1604に接合した後にエピタキシャル構造3400においてエッチングされる。図47は、(たとえば、図42と同様に)エピタキシャル構造3400に光学要素4202を付加する実施形態の簡略化された断面図である。
【0192】
次に図48図53を参照すると、薄膜回路層からエピタキシャル構造までの堆積層どうしの間においてエピタキシャル構造をエッチングするプロセスの実施形態の断面図が示されている。図48は、中間構造3700上に堆積されたトランジスタ層1606の実施形態の簡略化された断面図である。トランジスタ層1606は、薄膜回路層の第1の薄膜層と呼ばれることが可能である。トランジスタ層1606は、(たとえば、nドープされている)第1のドープされた半導体層3402上に堆積されている。
【0193】
図49は、トランジスタ層1606およびエピタキシャル構造3400の両方を通じたエッチングの実施形態の簡略化された断面図である。トランジスタ層1606およびエピタキシャル構造の両方においてトレンチ4902が形成されている。トランジスタ層1606およびエピタキシャル構造3400における壁4904どうしが、トレンチ4902の側部を画定している。トレンチ4902は、トレンチ4902がトランジスタ層1606ならびにエピタキシャル構造3400を通って延びていることを除いて、トレンチ3802と同様である。トレンチは、複数のLEDを形成するためにエピタキシャル構造3400を分離する。
【0194】
トランジスタ層1606を通ってエッチングしてエピタキシャル構造3400をエッチングする分離プロセスは、いくつかの制限を有する場合がある。たとえば、図48図53における分離プロセスは、トランジスタ層1606が別々のLEDごとに分離されることを想定しているが、これは、いくつかの実施形態においては有効な想定ではない場合がある。たとえば、トランジスタ層1606は、複数のLEDによって共有される回路(たとえば、多重化、変調、メモリ等などの機能を実行するための回路)を実装するために使用される場合がある。
【0195】
図50は、トランジスタ層1606がエッチングされてエピタキシャル構造3400を分離した後の、トランジスタ層1606上に堆積された相互接続層1608の実施形態の簡略化された断面図である。相互接続層1608は、薄膜回路層1604の第2の薄膜層と呼ばれることが可能である。
【0196】
図51においては、バンプ1502を使用してバックプレーン1704が薄膜回路層1604に接合されている。バックプレーン1704は、ドライバ回路を含むことが可能である。エピタキシャル構造3400、薄膜回路層1604、およびバックプレーン1704は、垂直に配置されている(たとえば、積み重ねられた構造である)。図51は、エピタキシャル構造3400の上に(z方向に)延びている一時的なキャリア3602を示している。
【0197】
図52は、バックプレーン1704を薄膜回路層1604に接合した後に除去された一時的なキャリア(たとえば、図51における一時的なキャリア3602)の実施形態の簡略化された断面図である。いくつかの実施形態においては、一時的なキャリアおよび/または一時的な接合層は、溶媒(たとえば、一時的な接合層を溶解させる溶媒)によって除去される。一時的なキャリアを除去することによって、第2のドープされた半導体層3404および/または接触層3502が露出される。
【0198】
図53は、エピタキシャル構造3400に光学要素4202を付加する実施形態の簡略化された断面図である。光学要素4202を使用して、エピタキシャル構造3400から光をより効率よく抽出することが可能である。たとえば、光学要素4202は、回折格子であることが可能である。光学要素4202は、図53においては回折格子に類似しているように示されているが、光学要素4202は、レンズなどのその他の光学的機能であることが可能である。
【0199】
図54は、エピタキシャル構造の部分どうしを分離するためのエッチングのプロセス5400の実施形態のフローチャートである。プロセス5400は、ステップ5402においてエピタキシャル構造(たとえば、図34におけるエピタキシャル構造3400)を入手することから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープされた半導体層(たとえば、図32における第1のドープされた半導体層3402)、第2のドープされた半導体層(たとえば、図32における第2のドープされた半導体層3404)、および/または第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層(たとえば、図32における発光層3408)を含む層状構造であることが可能である。いくつかの実施形態においては、エピタキシャル構造は、基板(たとえば、図34における基板3406)上に第1のドープされた半導体層、発光層、および第2のドープされた半導体層を成長させることによって入手される。
【0200】
ステップ5404において、エピタキシャル構造は、複数のLEDを形成する目的でエピタキシャル構造を個片化するためにエッチングされる。たとえば、図38図46、および図52におけるエピタキシャル構造3400は、(図38において示されているように)メサ3808を形成するためにエッチングされる。図38においては2つのメサのみが描かれているが、多くのメサ(たとえば、図14におけるアレイ1400内のそれぞれの光源1402ごとに1つのメサ)があるということを理解されたい。
【0201】
ステップ5406において、第1の薄膜層がエピタキシャル構造上に堆積される(たとえば、トランジスタ層1606は、図39におけるエピタキシャル構造3400上に形成される)。ステップ5408において、第2の薄膜層がエピタキシャル構造上に堆積される(たとえば、相互接続層1608は、図39におけるトランジスタ層1606上に形成される)。ステップ5410において、第2の薄膜層はバックプレーンに接合される(たとえば、バックプレーン1704は、図40におけるバンプ1502によって薄膜回路層1604に接合される)。ステップ5412において、光抽出要素が形成される(たとえば、図442における光学要素4202)。
【0202】
いくつかの実施形態においては、第2のドープされた半導体層は、pドープされることが可能であり、この方法はさらに、一時的なキャリアを第2のドープされた半導体層に接合してエピタキシャル構造から基板を除去することを含み、基板は、基板の除去(たとえば、図37において記述されているように基板を除去すること)の前に第2のドープされた半導体層よりも第1のドープされた半導体層に近かった。エピタキシャル構造をエッチングすることは、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積する前に生じることが可能である(たとえば、図38)。エピタキシャル構造をエッチングすることは、薄膜回路層をバックプレーンに接合した後に生じることが可能である(たとえば、図41)。エピタキシャル構造をエッチングすることは、第1の薄膜層を堆積した後に、かつ第2の薄膜層を適用する前に生じることが可能である(たとえば、図49)。
【0203】
LEDのアレイを形成する目的でエピタキシャル構造を分離するためにエッチングを行う代わりに、分離のその他の形態が使用されることが可能である。たとえば、複数のLEDを形成する目的でエピタキシャル構造を分離するためにイオン注入が使用されることが可能である。次に図55図64を参照すると、イオン注入によってエピタキシャル構造を分離するプロセスに関する実施形態の断面図が示されている。図55は、図34におけるエピタキシャル構造3400と同様のエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。エピタキシャル構造3400は、第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404を含む。第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404は、基板3406上にある。いくつかの実施形態においては、基板3406は、エピタキシャル構造3400の一部である。エピタキシャル構造3400は、第1のドープされた半導体層3402と第2のドープされた半導体層3404との間に発光層3408を含むことも可能である。示されている実施形態においては、第1のドープされた半導体層3402は、nドープされ、第2のドープされた半導体層3404は、pドープされる。その他の実施形態においては、第1のドープされた半導体層3402は、pドープされることが可能であり、および/または第2のドープされた半導体層3404は、nドープされることが可能である。
【0204】
図56は、イオン注入によるエピタキシャル構造のp側分離の実施形態の簡略化された断面図である。イオンが、第2のドープされた半導体層3404へと注入されて、第2のドープされた半導体層3404の一部分を変更して、ブロッキング領域5602を形成する。ブロッキング領域5602は、複数のLEDを形成するために第2のドープされた半導体層3404の隣り合った部分どうしを分離する。いくつかの実施形態においては、イオン注入の代わりに、またはイオン注入とともに、分離のためのその他のプロセスが使用される(たとえば、化学的またはGaN修飾)。ブロッキング領域5602は、図38におけるトレンチ3802と同様の2次元形状(たとえば、x/y平面における)を有することが可能である。
【0205】
図57は、エピタキシャル構造3400上に堆積された接触層3502および一時的な接合層3504を有するエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。接触層3502および一時的な接合層3504は、図35において記述されているのと同様にエピタキシャル構造3400に適用される。
【0206】
図58は、エピタキシャル構造3400に接合された一時的なキャリア3602を有するエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。一時的なキャリア3602は、一時的な接合層3504によってエピタキシャル構造3400に固定されている。一時的なキャリア3602は、エピタキシャル構造3400のp側に取り付けられている(たとえば、pドープされている第2のドープされた半導体層3404は、nドープされている第1のドープされた半導体層3402よりも、一時的なキャリア3602に近い)。
【0207】
図59は、エピタキシャル構造3400から基板(たとえば、図58における基板3406)が除去された状態のエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。基板が除去された後に、エピタキシャル構造3400は、(たとえば、化学的機械的平坦化(CMP)によって)平坦化される。nドープされている第1のドープされた半導体層3402は、露出されて平坦化される。
【0208】
図60は、イオン注入によるエピタキシャル構造3400のn側分離の実施形態の簡略化された断面図である。イオンが、第1のドープされた半導体層3402へと注入されて、第1のドープされた半導体層3402の一部分を変更して、ブロッキング領域6002を形成する。ブロッキング領域6002は、複数のLEDを形成するために第1のドープされた半導体層3402の隣り合った部分どうしを分離する。いくつかの実施形態においては、イオン注入の代わりに、またはイオン注入とともに、分離のためのその他のプロセスが使用される(たとえば、化学的またはGaN修飾)。ブロッキング領域6002は、第2のドープされた半導体層3404におけるブロッキング領域5602と同様の2次元形状(たとえば、x/y平面における)を有することが可能である。
【0209】
図61は、図39と同様の、エピタキシャル構造3400上に堆積された薄膜回路層1604の実施形態の簡略化された断面図である。薄膜回路層1604は、トランジスタ層1606および相互接続層1608を含む。トランジスタ層1606は、第1のドープされた半導体層3402(たとえば、n型)の露出された表面上に形成されている。トランジスタ層1606は、薄膜トランジスタ半導体材料を含むことが可能である。
【0210】
図62は、図40と同様の、バックプレーン1704に接合された薄膜回路層1604の実施形態の簡略化された断面図である。エピタキシャル構造3400、薄膜回路層1604、およびバックプレーン1704は、垂直に配置されている(たとえば、積み重ねられた構造である)。図62は、エピタキシャル構造3400の上に(z方向に)延びている一時的なキャリア3602を示している。
【0211】
図63は、図41と同様の、バックプレーン1704を薄膜回路層1604に接合した後に除去された一時的なキャリア(たとえば、図62における一時的なキャリア3602)の実施形態の簡略化された断面図である。いくつかの実施形態においては、一時的なキャリアおよび/または一時的な接合層は、溶媒(たとえば、一時的な接合層を溶解させる溶媒)によって除去される。一時的なキャリアを除去することによって、第2のドープされた半導体層3404および/または接触層3502が露出される。
【0212】
図64は、図42と同様の、エピタキシャル構造3400に光学要素4202を付加する実施形態の簡略化された断面図である。光学要素4202を使用して、エピタキシャル構造3400から光をより効率よく抽出することが可能である。たとえば、光学要素4202は、回折格子であることが可能である。光学要素4202は、図64においては回折格子に類似しているように示されているが、光学要素4202は、レンズなどのその他の光学的機能であることが可能である。
【0213】
図58図64は、第1のドープされた半導体層3402および第2のドープされた半導体層3404の両方を(たとえば、イオン注入によって)分離することを示しているが、いくつかの実施形態においては、1つのドープされた半導体層のみが分離される。たとえば、イオン注入によって、第1のドープされた半導体層3402のみが、または第2のドープされた半導体層3404のみが分離されるが、両方は分離されない。
【0214】
図65は、LEDのアレイを形成するためにイオン注入を使用してエピタキシャル構造の部分どうしを分離するプロセス6500の実施形態のフローチャートである。プロセス6500は、ステップ6502においてエピタキシャル構造(たとえば、図55におけるエピタキシャル構造1400)を入手することから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープされた半導体層、第2のドープされた半導体層、および/または第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層を有する層状構造であることが可能である。一時的なキャリアがエピタキシャル構造に接合されることが可能であり、第2のドープされた半導体構造は、第1のドープされた半導体構造と、一時的なキャリアとの間にあり、第1のドープされた半導体構造は、第2のドープされた半導体構造と、エピタキシャル構造の基板との間にある(たとえば、図58)。基板は、除去されることが可能である(たとえば、図59)。
【0215】
ステップ6504において、イオンが、第1のドープされた半導体層に注入されて、複数のLEDを形成するために第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離する(たとえば、図60)。ステップ6506において、薄膜回路層がエピタキシャル構造に適用される(たとえば、図61)。薄膜回路層は、ステップ8508で、バックプレーンに接合される(たとえば、図62)。一時的なキャリアは、除去されることが可能である(たとえば、図63)。ステップ6510において、光抽出要素が形成される(たとえば、図64)。
【0216】
いくつかの実施形態においては、プロセス6500は、一時的なキャリアをエピタキシャル構造に接合する前に第2のドープされた半導体層にイオンを注入することを含むことも可能である(たとえば、図56)。いくつかの実施形態においては、第1のドープされた半導体層は、イオンを注入されない。
【0217】
図66は、エピタキシャル構造の部分どうしを分離するためのプロセス6600の実施形態のフローチャートである。プロセス6600は、ステップ6602においてエピタキシャル構造(たとえば、図35または図55におけるエピタキシャル構造34)を入手することから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープされた半導体層(たとえば、図35もしくは図55における第1のドープされた半導体層3402)、第2のドープされた半導体層(たとえば、図35もしくは図55における第2のドープされた半導体層3404)、および/または第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層(たとえば、図35もしくは図55における発光層3408)を含む層状構造である。
【0218】
ステップ6604において、エピタキシャル構造の部分どうしが分離される。たとえば、エピタキシャル構造を分離することは、複数のLEDを形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することを含むことが可能である。エピタキシャル構造の部分どうしを分離することの例は、図38図46図49図56、および図60において記述されている。エピタキシャル構造の部分どうしを分離することは、エッチングおよびイオン注入を含むさまざまなプロセスによって行われることが可能である。
【0219】
ステップ6606において、薄膜回路層(たとえば、薄膜回路層1604)が、エピタキシャル構造上に堆積される。薄膜回路層は、第1の薄膜層(たとえば、トランジスタ層1606)を含むことが可能であり、第1の薄膜層は、複数のトランジスタ、および/または第2の薄膜層(たとえば、相互接続層1608)を含み、第2の薄膜層は、複数のトランジスタのための相互接続を含む。
【0220】
ステップ6608において、薄膜回路層は、バックプレーンに接合される(たとえば、バックプレーン1704は、図40図44図51、または図62においては薄膜回路層1604に接合されている)。いくつかの実施形態においては、発光層からの光を結合するためにエピタキシャル構造に光抽出要素が形成されることが可能である。たとえば、図42図47図53、または図64における光学要素4202が形成されることが可能である。
【0221】
薄膜回路層をエピタキシャル構造に接合する前に、一時的なキャリア(たとえば、図36もしくは図58における一時的なキャリア3602)が、エピタキシャル構造に接合されることが可能であり、および/またはその一時的なキャリアは、薄膜回路層をバックプレーンに接合した後に除去されることが可能である。
【0222】
図34および図55の実施形態においては、第1のドープされた半導体層3402は、nドープされており、第2のドープされた半導体層3404は、pドープされている。pドープされた層は、共通のものとして使用されることが可能である(たとえば、図30におけるカソード3014)。いくつかの実施形態においては、第1のドープされた半導体層3402は、pドープされることが可能であり、第2のドープされた半導体層3404は、nドープされることが可能である。そうである場合には、図36または図58における一時的なキャリア3602は、使用されないことになる。しかしながら、pドープされた側を共通のものとして使用するのではなく、nドープされた側が共通のものである場合には、より多くのトランジスタが使用される可能性がある。薄膜回路層は非共通側にあるが、いくつかの実施形態においては、薄膜回路層は、ビアを使用して共通側にあることが可能である。
【0223】
図67は、透明基板6702に接合されているエッチングされたエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面図である。透明なディスプレイは、ユーザがそのディスプレイを通して見ることを可能にし、ARアプリケーションにおいて役立つことが可能である。図67においては、LED6704を形成するために使用される2つのメサが、例示の目的のために示されているが、実際のディスプレイに関しては多数のLED6704が想定されている。LED6704どうしを切り離すためにエピタキシャル構造3400を通してトレンチ3802がエッチングされる。図67は断面図を提示しているが、同じまたは同様の個片化プロセスが複数の側面上で実施されて、ひいてはそれぞれのLED6704の外周を画定することが可能である。たとえば、(負のz方向を見る)上から見下ろす視点からは、(たとえば、x/y平面における)LED6704は、正方形またはその他の形状を有することが可能である。
【0224】
薄膜回路層1604が、エピタキシャル構造3400上に堆積される。薄膜回路層1604は、透明基板6702に接合される。透明基板6702は、ガラスまたはその他の透明な材料で作られることが可能である。薄膜回路層1604は、トレース6708と電気的に結合され、トレース6708は、薄膜回路層を透明基板6702上のパッド6710と電気的に接続する。1つのトレース6708および1つのパッド6710のみが、図67において示されているが、薄膜回路層1604を多くのパッド6710と電気的に結合する多くのトレース6708があることが可能であるということを理解されたい。トレース6708は、インジウムスズ酸化物(ITO)などの透明な導電性材料で作られることが可能である。パッド6710は、1つまたは複数のバンプ1502によってバックプレーンと電気的に結合される。
【0225】
図67においては、エピタキシャル構造3400は、バックプレーン1704とともに、垂直ではなく水平に配置されている。エピタキシャル構造3400は、透明基板6702上でバックプレーン1704の隣に置かれている。水平の配置は、シリコン基板を有するバックプレーン1704がディスプレイの周辺に配置されることを可能にし、それによってディスプレイの全体的な透明性を保持する。
【0226】
エピタキシャル構造3400は、トレンチ3802によって分離された部分を有するが、その他の分離プロセス(たとえば、図56または図60において論じられているイオン注入)を使用して、LED6704を個片化することが可能である。いくつかの実施形態においては、装置が、透明基板6702、複数のLED6704、複数のLEDと電気的に結合されている複数のトランジスタを含む薄膜回路層1604であって、複数のトランジスタが、複数のLEDのオペレーションを制御するように構成されており、薄膜回路層1604が、透明基板6702に接合されている、薄膜回路層1604、ならびに/または、透明基板6702に接合されているバックプレーン1704であって、(たとえば、バンプ1502、パッド6710、およびトレース6708によって)薄膜回路層1604と電気的に結合されており、および/もしくは透明基板6702の、薄膜回路層1604と同じ側にある、バックプレーン1704を含む。いくつかの実施形態においては、この装置はさらに、拡張現実システムのフレーム(たとえば、図3におけるフレーム305)を含み、フレームは、複数のLEDを保持し、複数のLEDは、拡張現実システムのためのディスプレイの一部(たとえば、図4における画像ソース412の一部)である。
【0227】
図68は、透明基板6702上のアレイにおけるLED6704からバックプレーン1704までのトレース6708の簡略化された図である。1つのトレース6708は、LED6704のグループ6802をバックプレーン1704に電気的に結合することが可能である。LED6704のグループ6802は、図30において複数のLED3010が制御線3006を共有しているのと同様に、図68においてトレース3708を共有することが可能である。いくつかの実施形態においては、LED6704のグループ6802は、複数のLEDとみなされる。トレース6708は、LED6704のグループ6802の間にあることが可能である。
【0228】
いくつかの実施形態においては、LED6704の複数のダイを透明基板6702に接合して、LED6704のアレイを構築することが可能である。透明基板6702に接合された1つまたは複数のバックプレーン1704があることが可能である。バックプレーン1704は、LED6704のアレイの1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の側面に配置されることが可能である。バックプレーン1704は、ユーザの光路内にないように透明基板6702の側面に結合されている。
【0229】
図は、必ずしも縮尺どおりではなく、層どうしの相対的な厚さは、図において示されている相対的な厚さとは異なる場合があるということに留意されたい。たとえば、いくつかの図が、薄膜回路層をエピタキシャル構造よりも厚いものとして描写していても、エピタキシャル構造は、薄膜回路層よりも著しく厚い場合がある。
【0230】
図69は、LEDアレイを透明基板に接合するためのプロセス6900の実施形態のフローチャートである。プロセス6900は、ステップ6902においてエピタキシャル構造(たとえば、図35または図55におけるエピタキシャル構造34)を入手することから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープされた半導体層(たとえば、図35もしくは図55における第1のドープされた半導体層3402)、第2のドープされた半導体層(たとえば、図35もしくは図55における第2のドープされた半導体層3404)、および/または第1のドープされた半導体層と第2のドープされた半導体層との間における発光層(たとえば、図35もしくは図55における発光層3408)を含む層状構造である。
【0231】
ステップ6904において、薄膜回路層(たとえば、薄膜回路層1604)が、エピタキシャル構造に適用される。ステップ6906において、エピタキシャル構造の部分どうしが分離される。たとえば、エピタキシャル構造を分離することは、複数のLEDを形成するために、第1のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、第2のドープされた半導体層の部分どうしを分離するか、または第1のドープされた半導体層および第2のドープされた半導体層の両方の部分どうしを分離することを含むことが可能である。エピタキシャル構造の部分どうしを分離することの例は、図38図46図49図56、および図60において記述されている。エピタキシャル構造の部分どうしを分離することは、エッチングおよびイオン注入を含むさまざまなプロセスによって行われることが可能である。薄膜回路層を分離することは、薄膜回路層の層どうしを適用する前に、薄膜回路層の層どうし適用した後に、または薄膜回路層の層どうしを適用することどうしの間に行われることが可能である。
【0232】
薄膜回路層をエピタキシャル構造に適用した後に、ステップ6908において、薄膜回路層は、透明基板に接合される(たとえば、薄膜回路層1604は、図67における透明基板6702に接合される)。透明基板は、透明である(たとえば、透明基板を通る75%、85%、90%、95%、または99%よりも高い透過率を有する光の赤色、緑色、および/または青色の波長など、450nmと700nmとの間における波長を有する光に関しては、75%、85%、90%、95%、99%、またはそれよりも高い透過率)。
【0233】
ステップ6910において、バックプレーン(たとえば、図67におけるバックプレーン1704)が、透明基板に接合され、バックプレーンは、薄膜回路層と電気的に結合されており、ならびに/または薄膜回路層およびバックプレーンは、透明基板の同じ側にある。
【0234】
図70は、本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するための例示的なニアアイディスプレイ(たとえば、HMDデバイス)の例示的な電子システム7000の簡略化されたブロック図である。電子システム7000は、上述されているHMDデバイスまたはその他のニアアイディスプレイの電子システムとして使用されることが可能である。この例においては、電子システム7000は、1つまたは複数のプロセッサ7010と、メモリ7020とを含むことが可能である。プロセッサ7010は、複数のコンポーネントにおいてオペレーションを実行するための命令を実行するように構成されることが可能であり、たとえば、ポータブル電子デバイス内での実施に適した汎用プロセッサまたはマイクロプロセッサであることが可能である。プロセッサ7010は、電子システム7000内の複数のコンポーネントと通信可能に結合されることが可能である。この通信可能な結合を実現するために、プロセッサ7010は、バス7040を介してその他の示されているコンポーネントと通信することが可能である。バス7040は、電子システム7000内でデータを転送するように適合されている任意のサブシステムであることが可能である。バス7040は、データを転送するための複数のコンピュータバスおよび追加の回路を含むことが可能である。
【0235】
メモリ7020は、プロセッサ7010に結合されることが可能である。いくつかの実施形態においては、メモリ7020は、短期および長期の両方の格納を提供することが可能であり、いくつかのユニットへと分割されることが可能である。メモリ7020は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)および/もしくはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など、揮発性であること、ならびに/または読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等など、不揮発性であることが可能である。さらにメモリ7020は、セキュアデジタル(SD)カードなど、取り外し可能なストレージデバイスを含むことが可能である。メモリ7020は、電子システム7000に関するコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびその他のデータの格納を提供することが可能である。いくつかの実施形態においては、メモリ7020は、別々のハードウェアモジュールへと分散されることが可能である。命令のセットおよび/またはコードが、メモリ7020上に格納されることが可能である。命令は、電子システム7000によって実行可能であり得る実行可能コードの形態を取ることが可能であり、ならびに/またはソースおよび/もしくはインストール可能コードの形態を取ることが可能であり、これは、(たとえば、さまざまな一般的に利用可能なコンパイラ、インストレーションプログラム、圧縮/解凍ユーティリティーなどのいずれかを使用した)電子システム7000上でのコンパイルおよび/またはインストール時に、実行可能コードの形態を取ることが可能である。
【0236】
いくつかの実施形態においては、メモリ7020は、複数のアプリケーションモジュール7022~7024を格納することが可能であり、これらは、任意の数のアプリケーションを含むことが可能である。アプリケーションの例は、ゲーミングアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、またはその他の適切なアプリケーションを含むことが可能である。アプリケーションは、奥行き感知機能またはアイトラッキング機能を含むことが可能である。アプリケーションモジュール7022~7024は、プロセッサ7010によって実行されることになる特定の命令を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、アプリケーションモジュール7022~7024のうちの特定のアプリケーションまたは部分は、その他のハードウェアモジュール7080によって実行可能であり得る。特定の実施形態においては、メモリ7020は、セキュアなメモリを追加で含むことが可能であり、これは、セキュアな情報に対するコピーまたはその他の不正アクセスを防止するための追加のセキュリティー制御を含むことが可能である。
【0237】
いくつかの実施形態においては、メモリ7020は、その中にロードされているオペレーティングシステム7025を含むことが可能である。オペレーティングシステム7025は、アプリケーションモジュール7022~7024によって提供される命令の実行を開始するように、ならびに/またはその他のハードウェアモジュール7080と、1つまたは複数のワイヤレストランシーバを含むことが可能であるワイヤレス通信サブシステム7030とのインターフェースとを管理するように動作可能であり得る。オペレーティングシステム7025は、スレッド化、リソース管理、データストレージ制御、およびその他の同様の機能性を含めて、電子システム7000のコンポーネントどうしにわたるその他のオペレーションを実行するように適合されることが可能である。
【0238】
ワイヤレス通信サブシステム7030は、たとえば、赤外線通信デバイス、ワイヤレス通信デバイスおよび/もしくはチップセット(Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMAXデバイス、セルラー通信設備等など)、ならびに/または同様の通信インターフェースを含むことが可能である。電子システム7000は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数のアンテナ7034を、ワイヤレス通信サブシステム7030の一部として、またはシステムのいずれかの部分に結合されている別個のコンポーネントとして含むことが可能である。所望の機能性に応じて、ワイヤレス通信サブシステム7030は、ベーストランシーバステーションならびにその他のワイヤレスデバイスおよびアクセスポイントと通信するための別個のトランシーバを含むことが可能であり、その通信は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、さまざまなデータネットワークおよび/またはネットワークタイプと通信することを含むことが可能である。WWANは、たとえば、WiMax(IEEE802.16)ネットワークであることが可能である。WLANは、たとえば、IEEE802.11xネットワークであることが可能である。WPANは、たとえば、Bluetoothネットワーク、IEEE802.15x、またはいくつかのその他のタイプのネットワークであることが可能である。本明細書において記述されている技術は、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せのために使用されることも可能である。ワイヤレス通信サブシステム7030は、ネットワーク、その他のコンピュータシステム、および/または、本明細書において記述されているその他の任意のデバイスとの間でデータがやり取りされることを許可することが可能である。ワイヤレス通信サブシステム7030は、アンテナ7034およびワイヤレスリンク7032を使用して、HMDデバイスの識別子、位置データ、地理的マップ、ヒートマップ、写真、またはビデオなどのデータを送信または受信するための手段を含むことが可能である。ワイヤレス通信サブシステム7030、プロセッサ7010、およびメモリ7020はともに、本明細書において開示されているいくつかの機能を実行するための手段のうちの1つまたは複数の少なくとも一部を含むことが可能である。
【0239】
電子システム7000の実施形態は、1つまたは複数のセンサ7090を含むことも可能である。センサ7090は、たとえば、画像センサ、加速度計、圧力センサ、温度センサ、近接センサ、磁力計、ジャイロスコープ、慣性センサ(たとえば、加速度計とジャイロスコープとを組み合わせるモジュール)、環境光センサ、または、奥行きセンサもしくは位置センサなど、感覚出力を提供するように、および/もしくは感覚入力を受信するように動作可能なその他の任意の同様のモジュールを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、センサ7090は、1つもしくは複数の慣性測定ユニット(IMU)および/または1つもしくは複数の位置センサを含むことが可能である。IMUは、位置センサのうちの1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて、HMDデバイスの初期位置に対するHMDデバイスの推定位置を示す較正データを生成することが可能である。位置センサは、HMDデバイスの動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成することが可能である。位置センサの例は、1つもしくは複数の加速度計、1つもしくは複数のジャイロスコープ、1つもしくは複数の磁力計、動きを検知する別の適切なタイプのセンサ、IMUのエラー訂正のために使用されるタイプのセンサ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能であるが、それらには限定されない。位置センサは、IMUの外部に、IMUの内部に、またはそれらの任意の組合せで配置されることが可能である。少なくともいくつかのセンサは、感知のために、構造化された光パターンを使用することが可能である。
【0240】
電子システム7000は、ディスプレイモジュール7060を含むことが可能である。ディスプレイモジュール7060は、ニアアイディスプレイであることが可能であり、画像、ビデオ、およびさまざまな指示などの情報を電子システム7000からユーザにグラフィカルに提示することが可能である。そのような情報は、1つもしくは複数のアプリケーションモジュール7022~7024、仮想現実エンジン7026、1つもしくは複数のその他のハードウェアモジュール7080、それらの組合せ、または、ユーザのためのグラフィカルコンテンツを解像するためのその他の任意の適切な手段(たとえば、オペレーティングシステム7025によって)から導出されることが可能である。ディスプレイモジュール7060は、LCDテクノロジー、LEDテクノロジー(たとえば、OLED、ILED、μ-LED、AMOLED、TOLEDなどを含む)、発光ポリマーディスプレイ(LPD)テクノロジー、またはその他の何らかのディスプレイテクノロジーを使用することが可能である。
【0241】
電子システム7000は、ユーザ入力/出力モジュール7070を含むことが可能である。ユーザ入力/出力モジュール7070は、ユーザがアクション要求を電子システム7000へ送信することを可能にすることができる。アクション要求は、特定のアクションを実行するための要求であることが可能である。たとえば、アクション要求は、アプリケーションを開始することもしくは終了すること、またはアプリケーション内で特定のアクションを実行することであることが可能である。ユーザ入力/出力モジュール7070は、1つまたは複数の入力デバイスを含むことが可能である。例示的な入力デバイスは、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、ボタン、ダイヤル、スイッチ、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、または、アクション要求を受信して、その受信されたアクション要求を電子システム7000へ通信するためのその他の任意の適切なデバイスを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、ユーザ入力/出力モジュール7070は、電子システム7000から受信された命令に従って触覚フィードバックをユーザに提供することが可能である。たとえば、触覚フィードバックは、アクション要求が受信されたときに、または実行されたときに提供されることが可能である。
【0242】
電子システム7000は、たとえば、ユーザの目の位置を追跡把握する目的で、ユーザの写真またはビデオを撮影するために使用されることが可能であるカメラ7050を含むことが可能である。カメラ7050は、たとえば、VR、AR、またはMRアプリケーションのために、環境の写真またはビデオを撮影するために使用されることも可能である。カメラ7050は、たとえば、数百万または数千万ピクセルを伴う相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、カメラ7050は、3D画像を取り込むために使用されることが可能である2つ以上のカメラを含むことが可能である。
【0243】
いくつかの実施形態においては、電子システム7000は、複数のその他のハードウェアモジュール7080を含むことが可能である。その他のハードウェアモジュール7080のそれぞれは、電子システム7000内の物理的なモジュールであることが可能である。その他のハードウェアモジュール7080のそれぞれは、構造として恒久的に構成されることが可能であるが、その他のハードウェアモジュール7080のうちのいくつかは、特定の機能を実行するように一時的に構成されること、または一時的にアクティブ化されることが可能である。その他のハードウェアモジュール7080の例は、たとえば、オーディオ出力および/または入力モジュール(たとえば、マイクロフォンまたはスピーカー)、近距離無線通信(NFC)モジュール、充電式バッテリー、バッテリー管理システム、有線/ワイヤレスバッテリー充電システムなどを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、その他のハードウェアモジュール7080の1つまたは複数の機能は、ソフトウェアで実施されることが可能である。
【0244】
いくつかの実施形態においては、電子システム7000のメモリ7020は、仮想現実エンジン7026を格納することも可能である。仮想現実エンジン7026は、電子システム7000内のアプリケーションを実行すること、およびHMDデバイスの位置情報、加速度情報、速度情報、予測される今後の位置、またはそれらの任意の組合せをさまざまなセンサから受信することが可能である。いくつかの実施形態においては、仮想現実エンジン7026によって受信された情報は、ディスプレイモジュール7060への信号(たとえば、表示命令)を生成するために使用されることが可能である。たとえば、受信された情報が、ユーザが左を見たことを示している場合には、仮想現実エンジン7026は、仮想環境におけるユーザの動きを反映するHMDデバイスのためのコンテンツを生成することが可能である。加えて、仮想現実エンジン7026は、ユーザ入力/出力モジュール7070から受信されたアクション要求に応答してアプリケーション内でアクションを実行すること、およびフィードバックをユーザに提供することが可能である。提供されるフィードバックは、視覚、可聴、または触覚フィードバックであることが可能である。いくつかの実施態様においては、プロセッサ7010は、仮想現実エンジン7026を実行することが可能である1つまたは複数のGPUを含むことが可能である。
【0245】
さまざまな実施態様においては、上述のハードウェアおよびモジュールは、単一のデバイス上に、または有線もしくはワイヤレス接続を使用して互いに通信することが可能である複数のデバイス上に実装されることが可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、GPU、仮想現実エンジン7026、およびアプリケーション(たとえば、トラッキングアプリケーション)など、いくつかのコンポーネントまたはモジュールは、ヘッドマウントディスプレイデバイスとは別個のコンソール上に実装されることが可能である。いくつかの実施態様においては、1つのコンソールが、複数のHMDに接続されること、または複数のHMDをサポートすることが可能である。
【0246】
代替構成においては、異なるコンポーネントおよび/または追加のコンポーネントが電子システム7000に含まれることが可能である。同様に、それらのコンポーネントのうちの1つまたは複数の機能性は、上述されている様式とは異なる様式でそれらのコンポーネントの間において分散されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、電子システム7000は、ARシステム環境および/またはMR環境など、その他のシステム環境を含むように修正されることが可能である。
【0247】
上で論じられている方法、システム、およびデバイスは、例である。さまざまな実施形態は、必要に応じて、さまざまな手順またはコンポーネントを省略すること、置換すること、または追加することが可能である。たとえば、代替構成においては、記述されている方法は、記述されているのとは異なる順序で実行されることが可能であり、ならびに/またはさまざまな段階が追加されること、省略されること、および/もしくは組み合わされることが可能である。また、特定の実施形態に関して記述されている特徴どうしは、さまざまなその他の実施形態において組み合わされることが可能である。実施形態の別々の態様および要素は、同様の様式で組み合わされることが可能である。また、テクノロジーは進化しており、したがって、要素のうちの多くは例であり、それらの例は、本開示の範囲をそれらの特定の例に限定するものではない。
【0248】
実施形態の徹底的な理解を提供するために、記述においては具体的な詳細が与えられている。しかしながら、実施形態は、これらの具体的な詳細を伴わずに実施されることが可能である。たとえば、よく知られている回路、プロセス、システム、構造、および技術は、実施形態をわかりにくくすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。この記述は、例示的な実施形態を提供しているだけであり、本発明の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図されているものではない。むしろ、実施形態についての前述の記述は、さまざまな実施形態を実施するための有効な記述を当業者に提供するであろう。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置においてさまざまな変更が行われることが可能である。
【0249】
また、いくつかの実施形態は、流れ図またはブロック図として示されているプロセスとして記述された。それぞれが、オペレーションを順次プロセスとして記述している場合があるが、オペレーションのうちの多くは、並列にまたは同時に実行されることが可能である。加えて、オペレーションどうしの順序は、並べ替えられることが可能である。プロセスは、図に含まれていない追加のステップを有することが可能である。さらに、これらの方法の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せによって実施されることが可能である。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実施される場合には、関連付けられているタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、ストレージメディアなどのコンピュータ可読メディアに格納されることが可能である。プロセッサは、関連付けられているタスクを実行することが可能である。
【0250】
具体的な要件に従って実質的な変更が行われることが可能であるということは当業者にとって明らかであろう。たとえば、カスタマイズされたもしくは専用のハードウェアが使用されることも可能であり、および/または特定の要素が、ハードウェア、ソフトウェア(アプレット等などのポータブルソフトウェアを含む)、もしくは両方で実装されることが可能である。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスなどのその他のコンピューティングデバイスへの接続が採用されることが可能である。
【0251】
添付の図を参照すると、メモリを含むことが可能であるコンポーネントは、非一時的なマシン可読メディアを含むことが可能である。「マシン可読メディア」および「コンピュータ可読メディア」という用語は、マシンを特定の様式で動作させるデータを提供することに関与する任意のストレージメディアを指すことが可能である。上で提供されている実施形態においては、さまざまなマシン可読メディアが、実行のために処理ユニットおよび/またはその他のデバイスに命令/コードを提供することに関与することが可能である。追加として、または代替として、マシン可読メディアは、そのような命令/コードを格納および/または搬送するために使用されることが可能である。多くの実施態様においては、コンピュータ可読メディアは、物理的なおよび/または有形のストレージメディアである。そのようなメディアは、不揮発性メディア、揮発性メディア、および送信メディアを含むがそれらには限定されない多くの形態を取ることが可能である。コンピュータ可読メディアの一般的な形態は、たとえば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタル多用途ディスク(DVD)などの磁気および/もしくは光メディア、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有するその他の物理的なメディア、RAM、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM、その他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、以降で記述されている搬送波、またはコンピュータが命令および/もしくはコードを読み出すことが可能であるその他の任意のメディアを含む。コンピュータプログラム製品は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、アプリケーション(アプリ)、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラスを表すことが可能であるコードおよび/もしくはマシン実行可能命令、または命令、データ構造、もしくはプログラムステートメントの任意の組合せを含むことが可能である。
【0252】
本明細書において記述されているメッセージを通信するために使用される情報および信号は、さまざまな異なるテクノロジーおよび技術のうちのいずれかを使用して表されることが可能であるということを当業者なら理解するであろう。たとえば、上の記述全体を通して参照されることが可能であるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは粒子、光場もしくは粒子、またはそれらの任意の組合せによって表されることが可能である。
【0253】
本明細書において使用される「および」および「または」という用語は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に依存することも予想されるさまざまな意味を含むことが可能である。典型的には、「または」は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合には、A、B、およびC(ここでは包括的な意味で使用される)、ならびにA、B、またはC(ここでは排他的な意味で使用される)を意味することを意図されている。加えて、本明細書において使用される「1つまたは複数」という用語は、単数形の任意の機能、構造、もしくは特徴を記述するために使用されることが可能であり、または機能、構造、もしくは特徴の何らかの組合せを記述するために使用されることが可能である。しかしながら、これは単に説明例であり、特許請求されている主題は、この例に限定されるものではないということに留意されたい。さらに、「~の少なくとも1つ」という用語は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合には、A、AB、AC、BC、AA、ABC、AAB、AABBCCC等など、A、B、および/またはCの任意の組合せを意味すると解釈されることが可能である。
【0254】
さらに、特定の実施形態が、ハードウェアおよびソフトウェアの特定の組合せを使用して記述されてきたが、ハードウェアおよびソフトウェアのその他の組合せも可能であるということを認識されたい。特定の実施形態は、ハードウェアのみで、またはソフトウェアのみで、またはそれらの組合せを使用して実施されることが可能である。一例においては、ソフトウェアは、本開示において記述されているステップ、オペレーション、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実行するために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードまたは命令を含むコンピュータプログラム製品を用いて実装されることが可能であり、この場合、コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読メディア上に格納されることが可能である。本明細書において記述されているさまざまなプロセスは、同じプロセッサまたは別々のプロセッサ上で任意の組合せで実施されることが可能である。
【0255】
デバイス、システム、コンポーネント、またはモジュールが、特定のオペレーションまたは機能を実行するように構成されているものとして記述されている場合には、そのような構成は、たとえば、オペレーションを実行するための電子回路を設計することによって、プログラム可能な電子回路(マイクロプロセッサなど)を、オペレーションを実行するようにプログラムすることによって、たとえば、コンピュータ命令もしくはコード、または非一時的なメモリメディア上に格納されているコードもしくは命令を実行するようにプログラムされたプロセッサもしくはコア、またはそれらの任意の組合せを実行することによって達成されることが可能である。プロセスは、プロセス間通信のための従来の技術を含むがそれらには限定されないさまざまな技術を使用して通信することが可能であり、プロセスどうしの別々のペアが、別々の技術を使用することが可能であり、またはプロセスどうしの同じペアが、別々の時点で別々の技術を使用することが可能である。
【0256】
したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載されているさらに広い趣旨および範囲から逸脱することなく、追加、削減、削除、およびその他の修正および変更が行われることが可能であるということは明らかであろう。したがって、特定の実施形態が記述されているが、これらは、限定することを意図されているものではない。さまざまな修正および均等物は、添付の特許請求の範囲の範疇内にある。
図1
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図8B
図9A-D】
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【国際調査報告】