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特表2022-518356レラコリラント含有医薬製剤、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物
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  • 特表-レラコリラント含有医薬製剤、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】レラコリラント含有医薬製剤、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4738 20060101AFI20220308BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220308BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 47/16 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A61K31/4738
A61K47/26
A61K47/34
A61K47/10
A61K47/22
A61K47/16
A61K47/20
A61K47/14
A61K9/48
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536303
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2019067108
(87)【国際公開番号】W WO2020132023
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/781,983
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503345477
【氏名又は名称】コーセプト セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット、イアン
(72)【発明者】
【氏名】レモンズ、トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】チア、イプ-フォン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC29
4C076DD01
4C076DD07
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD52
4C076DD55
4C076DD60
4C076EE23
4C076FF51
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA52
4C086NA03
4C086NA12
4C086ZC41
(57)【要約】
レラコリラント((R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノンを含み、グルココルチコイド受容体モジュレーター(GRM)による治療に適した疾患にかかっている患者への投与(経口投与を含む)に好適な新規製剤が開示される。単一投与剤形は、それら製剤を含有するソフトゲルカプセルを含む。このようなソフトゲルカプセルは、例えば、25ミリグラム(mg)、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、又はその他の量のレラコリラントを含むレラコリラント製剤を含み得る。これらの新規製剤及び単一投与剤形は、クッシング症候群、クッシング病、及びその他の障害を含む疾患及び障害の治療に使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有するレラコリラント((R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノン)の経口投与用製剤:
【化1】

前記製剤は、
約18%~22%のレラコリラント、
約55%~65%の界面活性剤、及び
約18%~22%の可溶化剤を含み
前記界面活性剤は、ソルビタン界面活性剤、ポリソルベート界面活性剤、ポリオキシグリセリド界面活性剤、イオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から選択され、
前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールエステル、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドから選択され、
前記割合は重量%である。
【請求項2】
酸化防止剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記製剤が約0.02%の酸化防止剤を含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記界面活性剤がラウロイルポリオキシグリセリドである、請求項2に記載の製剤。
【請求項5】
20%のレラコリラントと、59.98%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項2に記載の製剤。
【請求項6】
25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
100mgのレラコリラントと、299.9mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項10】
300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項11】
400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項12】
500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項13】
750mgのレラコリラントと、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項14】
レラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルから実質的になる、レラコリラントの経口投与用単位用量(unit dose)であって、
前記レラコリラント製剤は、20%のレラコリラントと、59.98%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなり、
前記割合は重量%である、経口投与用単位用量。
【請求項15】
前記ソフトゲルカプセルが、25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項16】
前記ソフトゲルカプセルが、50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項17】
前記ソフトゲルカプセルが、100mgのレラコリラントと、299.9mgのGelucireラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項18】
前記ソフトゲルカプセルが、200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項19】
前記ソフトゲルカプセルが、300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項20】
前記ソフトゲルカプセルが、400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項21】
前記ソフトゲルカプセルが、500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項22】
前記ソフトゲルカプセルが、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2018年12月19日付けで出願された米国特許出願第62/781,983号の優先権及び利益を主張するものであり、この出願の全内容は参照により本明細書に取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くのヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物は、グルココルチコイド受容体(GR)に結合し、それによって治療活性を有する場合がある。そのような化合物及びそれらの活性は、例えば、米国特許第8,859,774号、米国特許第9,273,047号、米国特許第9,707,223号、米国特許第9,943,505号、及び米国特許第9,956,216号などに開示されている。ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物を含む医薬製剤は、それらの化合物を治療目的でヒト又は動物に投与するために使用することが可能である。
【0003】
GRは正常な生理機能において重要な役割を果たしており、GRの機能の妨害又は改変は多くの疾患及び障害に関与している。ヒトにおいて最も重要なGRリガンドはコルチゾールである。コルチゾールがGRに結合すると、GRが活性化される。GRに結合し、GR活性に影響を与える化合物は、グルココルチコイド受容体モジュレーター(GRM)と呼ばれることがある。例えばGRへのリガンド結合を阻害又は競合することにより、GR活性を低下させるGRMは、GRアンタゴニスト(GRA)と呼ばれる。異常なGR活性による疾患及び障害には、クッシング症候群(典型的には、過剰なコルチゾールによって引き起こされる)、及びアジソン病(典型的には、不十分なレベルのコルチゾールによって引き起こされる)などがある。GRM化合物の治療用途としては、単剤であっても又はその他の薬剤との併用であっても、クッシング症候群及びクッシング病などを含む内分泌系疾患、がん、免疫系疾患、高血圧を含む心血管疾患、糖尿病、高血糖、肝疾患、骨疾患、肥満、抗精神病薬による体重増加、精神疾患、依存性行動及び疾患、並びにその他の疾患及び障害の治療が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、多くのGRM化合物は、その化合物を必要としている対象に投与するのに適した組成物に配合することが難しい。そのような化合物の多くは、水にほとんど溶けないか、又は、医薬組成物において通常使用される他の成分と相溶しないことがあるか、又は、治療用製剤の調製を困難にするその他の特性を有していることがある。また、多くのGRM化合物は不安定であり、経時的に又は光や熱にさらされることで劣化する。あるヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物のこのような特性は、別のヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物の特性とは異なる場合があるため、あるヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物に適した製剤は、別のヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物には適していないことがある。
【0005】
例えば、多くのヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物は、水への溶解性が低く、製剤によっては生体利用効率が低い場合がある。溶解性又は生体利用効率が低いと、効果的な治療のために十分な活性化合物を提供するために、大量の溶液、大きな錠剤若しくはタブレット、又は大量の錠剤若しくはタブレットを投与する必要が生じる。さらに、いくつかのヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物、及びこれらの化合物を含む製剤は、カプセル材料と相互作用するか、又はカプセル材料と相溶しないことがある。このような相互作用、非相溶性、及び不安定性により、ヘテロアリール縮合アザデカリン化合物の分解が生じ、生体利用効率が低下し、又は治療目的でのそれらの実用性を低下させる可能性がある。これらの理由及びその他の理由により、錠剤、タブレット、注射用溶液に使用する医薬製剤及びその他の医薬製剤は、しばしば治療目的に適さない場合がある。
【0006】
したがって、安定性及び/又は生体利用効率が改善されたヘテロアリールケトン縮合アザデカリン化合物を含む改良された製剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願人は本明細書において、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン(HKFA)化合物である(R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノン(米国特許第8,859,774号の実施例18)(「レラコリラント(relacorilant)」又は「CORT125134」としても知られており、下記の構造を有する)を含む製剤を開示する。
【化1】

【0008】
実施形態によっては、本明細書に開示される製剤は、医薬品としての使用に適しており、従来の製剤又は代替製剤と比較して、安定性及び/又は生体利用効率が改善されている。実施形態によっては、上記製剤は、レラコリラント及び薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいてもよい。実施形態によっては、上記製剤は、レラコリラント及び薬学的に許容可能な賦形剤を含み、疾患若しくは障害を処置するためにヒトの患者に、又は獣医学的治療目的で動物に、レラコリラントを経口投与するための医薬組成物に使用するのに適している。
【0009】
実施形態によっては、上記医薬製剤は、有効量のレラコリラントを投与するのに適しており、例えば、単位用量製剤に含まれるレラコリラントは約1~約1000ミリグラム(mg)、又は約1~約500mgである。実施形態によっては、単位用量製剤は、10mg、又は20mg、又は25mg、又は50mg、又は100mg、又は200mg、又は300mg、又は400mg、又は500mgのレラコリラントを含む。実施形態によっては、医薬製剤は、有効量のレラコリラントの投与に適しており、例えば、レラコリラントの1日投与量は約1~100mg/kg/日、又は約1~20mg/kg/日である。
【0010】
実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬製剤は、ゼラチンカプセルに封入して投与するのに適している。実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬製剤は、ソフトゼラチン(「ソフトゲル」)カプセルに封入して投与するのに適している。
【0011】
レラコリラントを含む製剤は、例えば、約5~約35%のレラコリラント、約45~約75%の界面活性剤、約5~約35%の可溶化剤を含んでいてもよく、酸化防止剤を含んでいてもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含む製剤は、例えば、約10~約30%のレラコリラント、約50%~約70%の界面活性剤、約10~約30%の可溶化剤を含んでいてもよく、酸化防止剤を含んでいてもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含む製剤は、例えば、約12~約28%のレラコリラント、約52~約68%の界面活性剤、約12~約28%の可溶化剤を含んでいてもよく、酸化防止剤を含んでいてもよい。更なる実施形態では、製剤は以下の組成を有していてもよい:約15%~約25%のレラコリラント、約55%~約65%の界面活性剤、及び約15%~約25%の可溶化剤、並びに任意選択的に酸化防止剤。さらに別の実施形態では、製剤は以下の組成を有していてもよい:約20%のレラコリラント、約60%の界面活性剤、約20%の可溶化剤、及び約0.02%の酸化防止剤。特定の実施形態では、製剤は以下の組成を有していてもよい:約20%のレラコリラント、約60%のポリオキシルグリセリド、約20%のプロピレングリコール化合物、及び約0.02%の酸化防止剤。さらに特定の実施形態では、製剤は以下の組成を有してもよい:約20%のレラコリラント、約60%のラウロイルポリオキシル-32グリセリド、約20%のモノカプリル酸プロピレングリコール、及び約0.02%の酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、トコフェロール、没食子酸塩(gallate)、又はその他の酸化防止剤)。
【0012】
実施形態によっては、レラコリラント含有製剤を含むカプセルは、ソフトゲルカプセルであってもよい。レラコリラント含有製剤を含むソフトゲルカプセルは、約50%~約75%のゼラチン、及び約25%~約50%の可塑剤(例えば、ソルビトール/グリセリン混合物)から作られていてもよく、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでいてもよく;約58%~約68%のゼラチンと約30%~約42%の可塑剤とから作られていてもよいか、又は、約60%~約70%のゼラチンと約30%~約40%の可塑剤とから、若しくは、約63%~約65%のゼラチンと約35%~約37%の可塑剤とから、若しくは約64%のゼラチンと約36%の可塑剤から作られていてもよく、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでいてもよい。実施形態によっては、レラコリラント含有製剤を含むためのソフトゲルカプセルを製造するための材料のバッチは、例えば、195.05gのゼラチンと111.46gのソルビトール/グリセリン混合物と、必要に応じて含まれる精製水及び/又は着色剤とから作られてもよい
【0013】
更なる例示的な実施形態において、出願人は、レラコリラントを含むソフトゲルカプセルを開示する。レラコリラントを含む上記ソフトゲルカプセルは、本明細書に開示される任意のレラコリラント製剤を含む本明細書に開示される任意のソフトゲルカプセルであってよい。実施形態によっては、レラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルは、約63%~約65%のゼラチンと約35%~約37%の可塑剤とから、又は、約64%のゼラチンと約36%の可塑剤から作られてもよく、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでいてもよい。可塑剤は、例えば、ソルビトール/グリセリン混合物であってもよい。ソフトゲルカプセル中に保持されるレラコリラントは、本明細書に記載される任意の製剤であってよい。実施形態によっては、レラコリラントを含むソフトゲルカプセルは、約15~約25%のレラコリラントと、約50~約70%の界面活性剤と、約15~約25%の可溶化剤と、のレラコリラント製剤を含み、酸化防止剤を含んでいてもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含むソフトゲルカプセルは、約20のレラコリラントと、約60%の界面活性剤と、約20%の可溶化剤と、からなるレラコリラント製剤を含み、酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0014】
実施形態によっては、本明細書に開示される製剤は、コルチゾール過剰を特徴とする障害の治療に使用するのに好適である。実施形態によっては、本明細書に開示される製剤は、クッシング病を含むクッシング症候群の治療に使用するのに好適である。実施形態によっては、本明細書に開示される製剤は、その他の障害の治療に使用するのに好適である。そのような治療方法の実施形態においては、レラコリラントを含む医薬組成物は、単独で投与されてもよいか、又はそのような疾患及び障害のための他の治療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0015】
多くのHKFA化合物は、溶解することが困難であり、薬学的に許容可能な賦形剤との配合が困難であり、多くの製剤において不安定である(すなわち、経時的に許容できない量が分解する)。本出願人は、ヒト対象への投与に好適な代替の製剤及び組成物と比較して安定性が改善された、新規のレラコリラント含有製剤及び医薬組成物を本明細書において開示する。本明細書において開示される新規の製剤は、レラコリラント等のGRMによる治療が可能な疾患及び障害にかかっている患者に、レラコリラントを安全かつ効果的に投与することを可能にすると考えられる。本明細書に開示されている製剤により、代替の製剤及び組成物と比較して、安定性の向上及び経口投与に適したカプセルとの適合性、改善されたレラコリラント製剤の提供、並びにそのような改善されたレラコリラント含有製剤を用いた治療を含む利点が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、健康な絶食状態のヒト対象が150mgのレラコリラント(表IIIの製剤を含むソフトゲルカプセルで提供)を摂取した後の時間帯におけるレラコリラントの血漿濃度を示す。Cmaxは、投与後約3時間後にピークとなりおおよそ200ng/mLであった(解放円;この組成で8人の対象を試験した;対象は、レラコリラント製剤を経口投与した際には絶食していた)。
【0017】
図2図2は、試験用製剤のインビトロ消化試験に使用する容器の理想的な側面図である。この容器は、医薬品有効成分が分割され得る3つの相を備える。
【0018】
図3図3は、図2によるインビトロ消化試験の結果を示しており、インビトロ試験の初期段階で表Iの製剤の最大約15%が水相に分配され、試験の時間ゼロでは約10%が水相に分配されたことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
多くの縮合アザデカリン化合物は製剤化が難しく、多くの縮合アザデカリン化合物は経口投与に好適な製剤では経時的に不安定である。したがって、縮合アザデカリン化合物を含む安定かつ生体利用可能な製剤の開発は、ヒトへの投与に好適な改良された融合アザデカリン製剤を提供するために克服する必要がある重要な課題である。好ましい実施形態には、ヒト患者への経口投与に工程な、縮合アザデカリン化合物を含む安定かつ生体利用可能な製剤の開発を伴う。
【0020】
本出願人は、驚くべきことに、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン(HKFA)化合物「レラコリラント」を、患者への経口投与に好適な医薬組成物に配合することを可能とする複数の製剤を開発した。レラコリラントは、(R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノンであり、下記の構造を有する。
【化2】


(米国特許第8,859,774号の実施例18)
これらのレラコリラント含有製剤は、他の従来又は代替のレラコリラント含有製剤と比較して、安定性が向上し、カプセルとの適合性が改善されている。
【0021】
本明細書では、レラコリラントを含む新規製剤及び新規医薬組成物が開示される。実施形態によっては、上記製剤は、レラコリラントと、薬学的に許容可能な賦形剤(例えば、可溶化剤、界面活性剤、酸化防止剤、充填剤、又は1以上のその他の賦形剤など)と、を含んでいてよい。実施形態によっては、例えば、カプリル酸グリセロール、ポリエチレン又はポリプロピレングリセロールを含むグリセロール類(例えば、Capmul ECM(カプリル酸グリセロール)として市販)などの可溶化剤、及びポリエトキシ化ヒマシ油又はその他の油類(例えば、Kolliphor ELとして市販)などの界面活性剤により、従来又は代替の製剤と比較して、優れた医薬製剤を提供することが可能である。実施形態によっては、HKFA化合物を含むそのような製剤は、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸プロピルなどの没食子酸塩、α-トコフェロールなどのトコフェロール、又はその他の酸化防止剤)を含んでいてもよい。
【0022】
実施形態において、本出願人は、レラコリラント含有製剤のカプセル化に使用するのに好適なゼラチン(「ソフトゲル」)カプセル製剤を本明細書に開示する。レラコリラント含有製剤を含むためのソフトゲルカプセルは、約50%~約75%のゼラチンと、約25%~約50%の可塑剤と、から作られてもよく、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでもよく;約60%~約70%のゼラチンと、約30%~約40%の可塑剤とから、又は約63%~約66%のゼラチンと、約34%~約37%の可塑剤と、から作られてもよく、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでもよい。実施形態によっては、レラコリラント含有製剤を含むためのソフトゲルカプセルを作るための材料のバッチは、例えば、195.05gのゼラチンと111.46gのソルビトール/グリセリン混合物可塑剤とから作られてもよい。実施形態によっては、ゼラチンカプセルは、必要に応じて精製水を含んでもよく、必要に応じて着色剤をさらに含んでもよい。
【0023】
実施形態において、本出願人は、本明細書において、限定されるものではないが以下の製剤を含む、レラコリラント含有製剤を開示する(本明細書において「%」は重量%とする):
約10~約30%のレラコリラントと、約50%~約70%の界面活性剤と、約10~約30%の可溶化剤と、を含み、任意選択的に酸化防止剤を含む製剤;
約15~約25%のレラコリラントと、約55%~約65%の界面活性剤と、約15~約25%の可溶化剤とを含み、任意選択的に酸化防止剤を含む製剤;
約18%~22%のレラコリラントと、約56%~64%の界面活性剤と、約18%~22%の可溶化剤と、を含み、任意選択的に酸化防止剤を含む製剤;
約20%のレラコリラントと、約60%の界面活性剤と、約20%の可溶化剤と、約0.1~約0.5%の酸化防止剤と、を含む製剤;
約20%のレラコリラントと、約60%のポリオキシルグリセリド化合物と、約20%のプロピレングリコール化合物と、約0.02%のBHT又はBHAと、を含む製剤;及び
約20%のレラコリラントと、約60%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、約20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、約0.02%のBHT又はBHAと、を含む製剤。
【0024】
実施形態において、本出願人は、本明細書において、限定されるものではないが以下の製剤を含む、下記の単一のカプセル(例えば、ソフトゲルカプセル)中に含まれる量でのレラコリラント含有製剤を開示する:
25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む製剤;
50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
100mgのレラコリントと、299.9mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
750mgのレラコリラントと、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;
1000mgのレラコリラントと、2999mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、1000mgのモノカプリル酸プロピレングリコール(タイプI)と、1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、を含む製剤;及び
同様の比率の他の製剤。
異なる量のレラコリラントXを有する同じ比率の更なる製剤の量を決定するためには、100mgのレラコリラントに対するXの比率を決定し、100mgのレラコリラントを含む上記製剤の成分量にその比率を乗じる必要がある。例えば、800mgのレラコリラントを含む製剤の場合、800mgのレラコリラント:100mgのレラコリラントの比率は8であり、100mgのレラコリラントを含む製剤の各成分の量を8倍することとなる。
【0025】
実施形態において、本出願人は、本明細書において、レラコリラントを含む単一単位剤形(single unit dosage form)を開示しており、限定されるものではないが以下の単一単位剤形が含まれる:
約10ミリグラム(mg)~約70mgのレラコリラントと薬学的に許容可能な賦形剤との均一混和物を含むカプセルからなる単一単位剤形であって、上記均一混和物は、本明細書に開示される製剤(例えば上記に開示された製剤を含む)である;及び
約20ミリグラム(mg)~約50mgのレラコリラントと薬学的に許容可能な賦形剤との均一混和物を含むカプセルからなる単一単位剤形であって、上記均一混和物は、本明細書に開示される製剤(例えば上記に開示された製剤を含む)である;
約50ミリグラム(mg)~約200mgのレラコリラントと薬学的に許容可能な賦形剤との均一混和物を含むカプセルからなる単一単位剤形であって、上記均一混和物は、本明細書に開示される製剤(例えば上記に開示された製剤を含む)である;
約100ミリグラム(mg)~約400mgのレラコリラントと薬学的に許容可能な賦形剤との均一混和物を含むカプセルからなる単一単位剤形であって、上記均一混和物は、本明細書に開示される製剤(例えば上記に開示された製剤を含む)である;
約200ミリグラム(mg)~約500mgのレラコリラントと薬学的に許容可能な賦形剤との均一混和物を含むカプセルからなる単一単位剤形であって、上記均一混和物は、本明細書に開示される製剤(例えば上記に開示された製剤を含む)である。
実施形態によっては、上記で開示されたものを含む、本明細書で開示される単一単位剤形の内容物の重さは約300ミリグラム(mg)~約600mgである。実施形態によっては、上記で開示されたものを含む、本明細書で開示される単一単位剤形の内容物の総重量は、約300mg;又は約400mg;又は約500mg;又は約600mg;又は約700mg;又は約800mg;又は約900mg;又は約1グラム(g);又は約1.5g;又は約2gである。実施形態によっては、単一単位剤形は、ソフトゲルカプセルに封入されている。さらに他の実施形態では、単一単位剤形はハードシェルカプセルに封入されており、このハードシェルカプセルのサイズは、例えば、サイズ5、サイズ4、サイズ3、サイズ2、サイズ1、サイズ0、サイズ00、及びサイズ000から選択されてもよい。
【0026】
レラコリラントは、グルココルチコイド受容体(GR)に結合し、GRモジュレーター(GRM)である。レラコリラントのGR調節には、コルチゾール等の他のリガンドのGRへの結合に対する拮抗が含まれるため、レラコリラントはGRアンタゴニスト(GRA)である。レラコリラントはGRにはよく結合するが、プロゲステロン受容体(PR)や他のステロイドホルモン受容体にはあまり結合しないため、レラコリラントは、選択的GRモジュレーター(SGRM)と呼ばれることもある。本明細書で開示される新規の医薬組成物は、例えば、GRを調節する一方でPRには大きな影響を与えない医薬組成物を提供することによって有用である。
【0027】
実施形態によっては、レラコリラント含有製剤は、その効果の1つとして、それらが投与された対象における過剰なコルチゾールレベルの有害な影響を軽減し得る。実施形態によっては、レラコリラント含有製剤は、その効果の1つとして、それらが投与された対象における障害を治療するのに有効であり得る。実施形態によっては、レラコリラント含有製剤は、その効果の1つとして、それらが投与された対象における障害の治療において、共同投与された薬剤又は治療法の作用を増強するのに有効であり、ここで、共同投与された薬剤又は治療法は、レラコリラント含有製剤の投与に近い時期、投与よりも前に、投与と同時に、又は投与の後に投与されてもよい。
【0028】
実施形態において、本出願人は、本明細書において、限定されるものではないが以下の方法を含む、レラコリラントを用いる治療に適した症状を治療する方法を開示する:
単一単位剤形でレラコリラントを投与することを含む、レラコリラントを用いる治療に適した症状を治療する方法であって、ここで、上記単一単位剤形は、上記レラコリラントと医薬賦形剤との均一混和物を含み、上記均一混和物は、本明細書で開示される製剤である。本明細書で開示される方法の実施形態によっては、単一単位剤形は、約10ミリグラム(mg)~約500mgのレラコリラントを含むカプセルからなる。
【0029】
本明細書で開示される方法の実施形態によっては、単一単位剤形は、約5ミリグラム(mg)~約500mgのレラコリラントの均一混和物を含むカプセルからなる。本明細書で開示される方法の実施形態によっては、単一単位剤形は、約10ミリグラム(mg)~約250mgのレラコリラントの均一混和物を含むカプセルからなる。本明細書で開示される方法の実施形態によっては、単一単位剤形は、約20ミリグラム(mg)~約150mgのレラコリラントの均一混合物を含むカプセルからなる。
【0030】
実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬組成物は、経口投与用に処方される。実施形態によっては、経口投与には舌下投与が含まれる。実施形態によっては、HKFA化合物は、座薬として投与するために製剤化されており、直腸又は膣内に投与されてもよい。
【0031】
b.定義
本明細書において使用される略語は、化学及び生物学の分野において従来から使用されている意味を有する。
【0032】
本明細書において使用する場合、「化合物」という用語は、固有の識別可能な化学構造を有する分子部分を表すために使用される。化合物は、他の分子と結合していない自由種の形で存在してもよい。化合物は、他の分子と結合しているがその化学的同一性を維持している、より大きな集合体の一部として存在してもよい。化合物が溶媒の分子(複数可)と結合している溶媒和物は、このような結合形態の一例である。水和物は、結合溶媒が水である溶媒和物である。「化合物」という記載は、それが自由な形で存在するか、決等している形で存在するかにかかわらず、(言及された構造の)分子部分そのものを意味する。
【0033】
「患者(patient)」、「対象(subject)」、及び「(~を)必要とする対象(subject in need)」等は、治療薬を投与することにより治療が可能な病気若しくは症状を有する人、又はその疑いのある人を指す。
【0034】
本明細書において使用する場合、「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、「投与される(administered)」、又は「投与(administration)」という用語は、化合物又は組成物(例えば、本明細書に記載されるもの)を対象又は患者に提供することを意味する。
【0035】
本明細書において使用する場合、「投与(administration)」という用語は、治療効果を得るために有効な薬剤又は治療薬(therapeutic)による治療を必要とする対象の体内への薬剤又は他の治療薬の送達を意味する。投与は、例えば、経口投与、静脈内投与、皮下投与、非経口投与、動脈内投与、鼻腔内投与、局所投与、及びその他の投与経路を含む、任意の適切な投与経路によって行ってよい。
【0036】
「処置する(treat)、「処置すること(treating)」及び「処置(treatment)」とは、薬剤又は他の治療薬を患者に提供することを意味する。そのような治療は、治療対象となる疾患又は障害の症候(symptom)の低減(reduction)、又は症候の緩和(amelioration)、又は症候の軽減(abatement)、又は症候の廃止(abolition)を意図しており、典型的にはそのような結果となる。そのような治療は、病理又は症状の治療又は緩和(amelioration)における成功の兆候を意図しており、典型的にはそのような結果となる。成功の兆候には、例えば、軽減;寛解;症候を減退させること(diminishing)、又は病理若しくは症状を患者にとってより許容可能とするようにすること;悪化又は衰退の速度を遅くすること;悪化の最終点をより弱くさせないようにすること;又は、患者の身体的又は精神的な健康状態を改善することなど、任意の客観的又は主観的なパラメータが含まれる。症候の治療又は緩和は、客観的又は主観的なパラメータに基づいて行うことが可能であり、これには、身体検査の結果;病理組織学的検査(例えば、生検された組織の分析);尿、唾液、組織サンプル、血清、血漿、又は血液の実験室分析;又は画像化が含まれる。
【0037】
本明細書において使用する場合、「クッシング症候群(Cushing’s syndrome)」という用語は、過剰なコルチゾール(過剰なコルチゾールは「高コルチゾール症(hypercortisolism)」と呼ばれる)によって引き起こされる一連の症候を意味する。「クッシング病(Cushing’s Disease)」とは、下垂体依存性のクッシング症候群、例えば、下垂体の異常(典型的には下垂体腫瘍)によって引き起こされる過剰なコルチゾールを意味する。クッシング症候群に関連する及びクッシング症候群の予兆である症候としては、例えば、血圧上昇(高血圧)、血糖値上昇(高血糖)、体重増加(典型的には胴体(mid-section)、及び顔面では特徴的な「ムーンフェイス」を引き起こす)、免疫抑制、皮膚の薄さ、にきび、鬱、多毛、及びその他の症候が挙げられる。クッシング症候群を引き起こす過剰なコルチゾールは、外因性のコルチゾール(又はプレドニゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、又はその他のコルチゾールアナログ若しくはコルチゾール模倣品等のコルチゾールアナログ)によるものであり得るか;下垂体腫瘍によるものであるか;副腎腫瘍又はその他の副腎疾患によるものであるか;下垂体又は副腎の中若しくは近くにはない腫瘍によるものであるか;又は、その他の原因によるものであり得る。場合によっては、クッシング症候群の患者が手術を拒否したり、手術をしても病気が治らないか又は症候が緩和されなかったりする場合があるが、このような患者の治療にはレラコリント等のGRMが有効である。
【0038】
クッシング症候群に伴う症状は、限定されないが、内因性クッシング症候群に伴う症状;高コルチゾール症に続発する高血糖;2型糖尿病若しくは耐糖能異常に伴う、又はその原因となる高コルチゾール症;2型糖尿病若しくは耐糖能異常に伴う、又はその原因となる高コルチゾール症に続発する高血糖であってもよい。
【0039】
「グルココルチコステロイド」又は「グルココルチコイド」(両者ともGCと略される)という用語は、グルココルチコイド受容体に結合するステロイドホルモン又は合成アナログを指す。グルココルチコステロイドは、典型的には、21個の炭素原子、環A中のα,β-不飽和ケトン、及び環Dに結合したα-ケトール基を有することを特徴とする。これらは、C-11、C-17、及びC-19における酸素化又は水酸化の程度が異なる;Rawn,「Biosynthesis and Transport of Membrane Lipids and Formation of Cholesterol Derivatives」、「Biochemistry」、Daisyら(編)、1989年、567頁を参照。
【0040】
本明細書において使用する場合、「グルココルチコイド受容体」(「GR」)とは、コルチゾール及び/又はコルチゾールアナログに特異的に結合する一群の細胞内受容体を指す。グルココルチコイド受容体は、コルチゾール受容体とも呼ばれる。この用語には、GRアイソフォーム、組換えGR、及び変異GRが含まれる。「グルココルチコイド受容体」(「GR」)は、コルチゾール及び/又はデキサメタゾン等のコルチゾールアナログに特異的に結合するII型GRを指す(例えば、Turner & Muller, J. Mol. Endocrinol. October 1, 2005 35 283-292を参照)。
【0041】
本明細書において使用する場合、「有効量」、「有効な量」、「治療量」、及び「治療有効量」という用語は、治療対象である疾患の少なくとも1つの症候を治療、除去、又は軽減するのに有効な1つ又は複数の薬理学的薬剤の量(複数可)を意味する。場合によっては、「有効量」、「有効な量」、「治療量」、及び「治療有効量」とは、検出可能な治療又は抑制効果を示すのに有用な機能性薬剤又は医薬組成物の量を指すことができる。効果は、当技術分野で知られている任意のアッセイ方法によって検出することが可能である。
【0042】
本明細書において使用する場合、製剤中の成分リストに関連する「本質的に~からなる」という用語は、記載されている成分を指しているが、製剤は、製剤の有用性に重大な影響を与えないであろうリストされていない成分も含んでいてもよい。
【0043】
本明細書において使用する場合、「賦形剤」、「薬学的に許容可能な賦形剤」、及び「薬学的に許容可能な担体」という用語は、活性成分以外の製剤又は医薬組成物に含まれる任意の化合物又は材料(又は、複数の化合物が所望の医薬活性を有し得る場合には活性成分)を指すために互換的に使用される。賦形剤は、例えば、溶媒、可溶化剤若しくは溶解性向上剤;乳化剤;増量剤;安定剤;希釈剤;界面活性剤;防腐剤;着色剤;香料;充填剤;潤滑剤;又はその他の機能を有し得るその他の剤として機能し得る。賦形剤の非限定的な例としては、水、塩化ナトリウム(NaCl)、通常の生理食塩水、乳酸リンゲル液、通常のショ糖、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング剤、甘味料、香料、及び着色剤等が挙げられる。本明細書において使用する場合、これらの用語は、薬剤投与に適合する、任意及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含むことが意図されている。当業者であれば、他の医薬賦形剤が本発明に有用であり、その使用は当業者によく知られていることを認識するであろう。賦形剤が活性化合物と相容れない限りを除いて、本明細書に開示される製剤において、そのような任意の薬学的に許容可能な賦形剤が使用され得ることが企図されている。また、補助的な活性化合物も組成物に組み込むことが可能であることが理解されるであろう。薬学的に許容可能な賦形剤は、非毒性であることが理解されるであろう。好適な薬学的に許容可能な賦形剤に関する更なる情報は、参照により本明細書に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985に見出すことができる。
【0044】
本明細書において使用する場合、「医薬有効成分(active pharmaceutical ingredient)」、「API」、及びそれらのバリエーションは、患者に投与された場合に治療効果を奏する製剤又は医薬組成物中の化合物を指す。他の成分も有益な効果を有し得るが、製剤又は医薬組成物は、投与される患者にAPIの治療効果を提供するためにAPIを送達するように構成されているか、又はそのように開発されており、他の成分の有益な効果は付随的なものである。
【0045】
本明細書において使用する場合、「製剤」、「医薬製剤」、「組成物」、及び「医薬組成物」等の用語は互換性があり、医学的状態の治療又は医学的状態の症候の改善のために患者に投与するのに好適な組成物を指す。本明細書に開示される医薬製剤は、活性成分(例えば、レラコラント)と、不活性成分(例えば、薬学的に許容可能な賦形剤)と、を含む。実施形態によっては、医薬製剤は、1又は複数の活性成分と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤と、を含む。医薬製剤は患者への投与に好適であり、実施形態によっては、医薬製剤は患者への経口投与に好適である。
【0046】
本明細書において使用する場合、「パーセント」及び「%」という用語は、第1の値と第2の値を比較し、得られた小数を100倍することで得られる割合を指す。本明細書において使用する場合、第1の値は、複数の成分を含む製剤中の1つの成分の重量であり得、第2の値は、全ての成分の重量(すなわち、製剤の総重量)であり得る。したがって、例えば、レラコリラントを含む医薬製剤中のレラコリラント1回分の重量が100ミリグラム(mg)であり、製剤中の全成分の総重量が400mgである場合、レラコリラントは製剤の25%を占めることとなる。
【0047】
本明細書において使用する場合、「重量パーセント」、「重量%」、及び「(%w/w)」等の用語は、少なくとも2つの成分を含む組成物の総重量に対する組成物の1つの成分の割合を指す。
【0048】
本明細書において使用する場合、「約x%~約y%の間」(x及びyは任意の数値)という表現は包含的に用いられており、その範囲には、記載された数値及びそれらの最小値と最大値との間の全ての値が含まれる。
【0049】
本明細書において使用する場合、「単位投与剤形(unit dosage form)」及び「単一投与剤形(single unit dosage form)」という表現は、患者への投与に好適な錠剤、カプセル、及びその他の封入体(enclosure)に含まれる製剤を指す。単位投与剤形での投与量(すなわち、APIの量)は固定されており、患者又は医療従事者によるAPI又は製剤の計量を必要とせずに投与の標準化が可能である。患者への投与量は、複数の錠剤やカプセル剤等を投与することにより増やしてもよい。場合によっては、例えば1つの錠剤を2つ以上に分割して投与することにより、分割投与を行ってもよい。
【0050】
実施形態によっては、本明細書に開示されるレラコリラント含有製剤は経口投与に好適であってよい。
【0051】
医薬製剤は、治療目的で患者にレラコリラント等の医薬成分を投与するためのカプセル中に含まれていてもよい。実施形態によっては、そのようなカプセルは、レラコリラント等の医薬成分を単位用量で患者に投与するのに適している。
【0052】
製剤
ヘテロアルキルケトン縮合アザデカリン(HKFA)化合物は、経口投与に好適な製剤を含む、本明細書に開示される製剤において有用であり得る(米国特許第8,859,774号(その全内容は参照により本明細書に取り込まれる)を参照)。レラコリラントは例示的なHKFA化合物であり、患者に経口投与するのに好適な形態でレラコリラントを提供する製剤が有用である。レラコリラントは、(R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノンであり(米国特許第8,859,774号の実施例18)、「CORT125134」として知られており、以下の構造を有する。
【化3】

【0053】
患者への投与に好適な製剤、及び、実施形態によっては患者への経口投与に好適な製剤は、約1重量%~約50重量%の割合でレラコリラントを含んでもよく;実施形態によっては、そのような製剤は、約5重量%~約35重量%の割合でレラコリラントを含んでもよく;実施形態によっては、そのような製剤は、約10重量%~約30重量%の割合でレラコリラントを含んでもよく;実施形態によっては、そのような製剤は、約15重量%~約25重量%の間の割合でレラコリラントを含んでいてもよく;更なる実施形態においては、そのような製剤は、約17重量%~約23重量%の間の割合でレラコリラントを含んでいてもよく;更なる実施形態においては、そのような製剤は、約19重量%~約21重量%の間の割合でレラコリラントを含んでいてもよく;実施形態によっては、そのような製剤は、約20重量%のリラコリラントを含んでいる。
【0054】
したがって、本出願人は、本明細書において、レラコリラントを含む組成物は、レラコリラントを用いる治療にて来た症状にかかっている患者の治療に有用であり、そのような治療を必要としている患者の治療に使用することが可能であることを開示する。レラコリラントを用いる治療に適した症状としては、限定されるものではないが、例えば、クッシング症候群、クッシング病、糖尿病、高血糖症、及びその他の障害などを含む、本明細書に開示されている症状、障害、及び疾患のいずれか(例えば、上述参照)が挙げられる。
【0055】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するために、医薬的に許容可能な賦形剤は、固体又は液体のいずれかであり得る。調製品としては、錠剤、ピル、カプセル、カシェット、又は座薬に組み込まれた、又はそれらに含まれる製剤が挙げられる。賦形剤は1又は複数の物質であり得、これらの物質は、本明細書で開示されているように、希釈剤、香味剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料としても作用し得る(例えば、上述)。製剤化及び投与のための技術の詳細は、科学文献及び特許文献によく記載されている(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciencesの最新版、Mack Publishing Co, Easton Pa. (Remington's)を参照)。
【0056】
好適な固体賦形剤としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガカント、低融点ワックス、ココアバター、炭水化物、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む(がこれらの限定されない)糖類、トウモロコシ、小麦、コメ、ジャガイモ、又はその他の植物由来のデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース、アラビアゴム及びトラガカントを含むガム類、並びに、ゼラチン及びコラーゲンを含む(がこれらの限定されない)タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、又はその塩(例えばアルギン酸ナトリウム)等の崩壊剤又は可溶化剤を添加してもよい。
【0057】
本明細書で開示される製剤は、ヒトに投与するための医薬組成物に使用するのに好適な、当技術分野で知られている賦形剤及びその他の成分を含んでいてもよい。そのような賦形剤及び成分としては、限定されないが、界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、充填剤、及びその他の成分が挙げられる。例えば、好適な市販の賦形剤及び成分としては、限定されるものではないが、Capmul ECM(グリセロールカプレート);Kolliphor EL(ポリエトキシル化ヒマシ油);Kolliphor EM;Gelucire 44/14(ラウロイルポリオキシル-32グリセリド);Capryol PGMC(モノカプリル酸プロピレングリコール);ポリソルベート20;ポリソルベート80;ソルビトール/グリセリン混合物(例えば、SPI Pharma,Septemes,FRから市販されている「50/50 Blend Sorbitol SpecialTM」);トウモロコシ油;ラウログリコール90;ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA);tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ);没食子酸プロピル;α-トコフェロール(ビタミンE);及びミリスチン酸等が挙げられる。
【0058】
界面活性剤
本明細書において使用する場合、「界面活性剤」という用語は、限定されるものではないが、ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレアイト)界面活性剤及び洗浄剤(例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80等)を指し、ポリオキシルグリセリド(例えば、ラウリルポリオキシルグリセリド及びその他のポリオキシルグリセリド)を含んでもよく、イオン性及び非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0059】
患者への投与(経口投与を含む)に好適な、レラコリラントを含む製剤は、約10重量%~約90重量%の割合で界面活性剤(非イオン性界面活性剤を含む)を含んでいてもよく;実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、約15重量%~約80重量%の割合で界面活性剤(非イオン性界面活性剤を含む)を含んでいてもよく;実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、約20重量%~約75重量%の割合で界面活性剤(非イオン性界面活性剤を含む)を含んでいてもよく;実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、約25重量%~約70重量%の割合で界面活性剤(非イオン性界面活性剤を含む)を含んでもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、非イオン性界面活性剤を含まなくてもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、界面活性剤を含まなくてもよい。
【0060】
非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤は賦形剤として用いられる。本明細書で開示される製剤に使用するのに好適な界面活性剤及び賦形剤としては、モノオレイン酸ソルビタン等のソルビタン界面活性剤を含む非イオン性界面活性剤;ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80(上述のTween(登録商標)20及びTween(登録商標)80としても知られている)を含む多様なサイズのもの);並びにその他の非イオン性界面活性剤(例えば、Cremophor(登録商標)又はKolliphor(登録商標)として販売されているもの(例えば、Cremophor(登録商標) EL、Kolliphor(登録商標) EL、Cremophor(登録商標) RH 40、Cremophor(登録商標) RH 60等)、d-α-トコフェロール、Solutol HS 15、ポロキサマー407、Labrafil(登録商標) M-1944CS(Gattefosse社)、Labrafil M-2125CS(Gattefosse社)、Labrasol(登録商標)(Gattefosse社(フランス国リヨン市サンプリエスト)、Softigen(登録商標) 767)等を含む)、及び当技術分野で知られているその他の界面活性剤が挙げられ得る。
【0061】
例えば、ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)界面活性剤及び洗浄剤(例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80等(ここで、「20」及び「80」等の数字はポリマー中のポリエチレングリコール単位の繰り返し数を示す)は、医薬品の製剤化の際に賦形剤として使用され、界面活性剤としての作用に加えて、活性化合物の乳化及び/又は可溶化を補助する作用を有する。このような非イオン性の洗浄剤及び界面活性剤は、例えば、SIGMA-Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス)から入手可能である。
【0062】
実施形態によっては、本明細書に開示されるレラコリラント含有製剤は、界面活性剤としてゲルシア(Gelucire(例えば、Gelucire(登録商標) 44/14(フランス国リヨン市サンプリエストのGattefosse社から入手可能))を含んでいてもよい。
【0063】
実施形態によっては、本明細書に開示されるレラコリラント含有製剤は、界面活性剤として「Kolliphor」を含んでいてもよい。Kolliphor(登録商標) EL(クレモフォール(cremophor)としても知られている;上記参照)は、非イオン性水中油乳化剤として使用されるポリエトキシ化ヒマシ油である。Kolliphor P188はポロキシマーである。Kolliphor(登録商標) HS 15(ポリエチレングリコール(15)-ヒドロキシステアレート)は可溶化剤/乳化剤である。Kolliphor (登録商標) RH40はマクロゴールグリセロールヒドロキシステアレートである。これら材料はIGMA-Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス)から入手可能である。
【0064】
可溶化剤
患者への投与(経口投与を含む)に好適な、レラコリラントを含む製剤は、溶媒、可溶化剤、若しくは溶解性向上剤、又は、複数種の溶媒、可溶化剤、若しくは溶解性向上剤を、約2重量%~約90重量%の割合で含んでいてもよい。レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、実施形態によっては約3重量%~約80重量%の割合で、実施形態によっては約5重量%~約70重量%の割合で、実施形態によっては約8重量%~約60重量%の割合で、更なる実施形態においては約10重量%~約50重量%の割合で、溶媒、可溶化剤、若しくは溶解性向上剤、又はそれらの複数種を含んでいてもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、溶媒を含まなくてもよい。
【0065】
本明細書において使用する場合、「可溶化剤」という用語は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、その他の水溶性有機溶媒、及び当技術分野で知られているその他の可溶化剤等の可溶化剤を指すが、これらに限定されない。実施形態によっては、可溶化剤は、例えば、プロピレングリコール又はプロピレングリコールエステル(例えば、カプリル酸プロピレングリコール(例えば、モノカプリル酸プロピレングリコール))であってもよい。
【0066】
多くの形態のポリエチレングリコール及びその誘導体は、可溶化剤として有用であり、本明細書に開示される製剤において、他の方法で有用である。例えば、PEGは、300kD又は400kDの平均分子量を有してもよく(例えば、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400);ポリエチレングリコール(PEG)コハク酸塩(例えば、ポリエチレングリコール1000コハク酸塩)としてコハク酸塩の形態で使用されてもよく、PEGのモノ-及びジ-脂肪酸エステル(例えば、PEG300、400、及び1750モノ-及びジ-脂肪酸エステル)の形態で使用されてもよく;その他の形態で使用されてもよい。広範囲の分子量のポリエチレングリコール(例えば、1モル当たりの平均分子量が約300グラムであるPEG300、1モル当たりの平均分子量が約400グラムであるPEG400)は、例えば、SIGMA-Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス)から入手可能である。
【0067】
また、本明細書で開示される製剤において賦形剤として使用される溶媒、可溶化剤、及び溶解性向上剤には、エタノール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びその他の水溶性有機溶媒が含まれてもよい。実施形態によっては、HKFAを含む本明細書に開示される製剤は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Transcutol(登録商標)、Carbitol(登録商標)、dioxitol等の名称で販売されている)を含んでもよく;Transcutol(登録商標)(例えばTranscutol(登録商標) HPは、Gattefosse社(フランス国リヨン市サンプリエスト)から入手可能である。
【0068】
更なる賦形剤
本明細書で開示される製剤に使用される賦形剤は、脂質及びリン脂質を含んでいてもよく、当該脂質及びリン脂質としては、例えば、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、並びにココナッツ油及びパーム種子油の中鎖トリグリセリド等の天然由来の脂質組成物が挙げられる。本明細書で開示される製剤に使用される賦形剤には、例えば、ホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロールL-α-ジミリストイルホスファチジルコリン、L-α-ジミリストイルホスファチジルグリセロール、及びその他のリン脂質等のリン脂質も含まれ得る。脂質及びリン脂質は、例えば、乳化剤、増量剤、充填剤、潤滑剤、及びその他の目的として使用してもよい。
【0069】
実施形態によっては、GRMを含む本明細書に開示される製剤は、中鎖トリグリセリドを含むトリグリセリドを含んでいてもよい。中鎖トリグリセリドは、炭素数が約6~約12の脂肪酸鎖長を有するトリグリセリドである。トリグリセリドには、例えば、1,2,3-トリアセトキシプロパン(トリアセチン又はグリセリントリアセテートとしても知られる)が含まれ得る。トリアセチンは、例えば、SIGMA-Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス)から入手可能である。トリアセチン等のトリグリセリド賦形剤は、例えば、溶媒、可塑剤、及び保湿剤としての役割を果たし得る。
【0070】
本明細書で開示される製剤に使用される賦形剤には、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン等の様々なシクロデキストリンが含まれ得る。シクロデキストリンは、例えば、乳化剤、可溶化剤、及びその他の目的で使用してもよい。
【0071】
レラコリラント含有製剤
実施形態によっては、本明細書に開示されるレラコリラント含有製剤は、モノカプリル酸プロピレングリコール(例えば、Gattefosse社(フランス国リヨン市サンプリエスト)からCapryolTM 90として販売されているもの)を含んでいてもよい。実施形態によっては、本明細書に開示されるレラコリラント含有製剤は、Labrasol(登録商標)(Gattefosse社(フランス国リヨン市サンプリエスト)からCapryolTM 90として販売されているもの;上記参照)等のカプリロカプロイルポリオキシルグリセリドを含んでいてもよい。
【0072】
実施形態によっては、レラコリラントを含み、患者への投与(経口投与を含む)に好適な製剤は、約5重量%~約50重量%の割合でポリエチレングリコール(PEG)を含んでいてもよく;実施形態によっては、GRMを含むそのような製剤及び組成物は、約10重量%~約40重量%の割合でPEGを含んでいてもよく;実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、約15重量%~約30重量%の割合でPEGを含んでいてもよい。
【0073】
実施形態によっては、リラコリラントを含み、患者への投与(経口投与を含む)に好適な製剤は、ポリソルベート(例えば、Tween(登録商標)20又はTween(登録商標)80等)を約5重量%~約75重量%の割合で含んでいてもよく;実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、ポリソルベートを約20重量%~約60重量%の割合で含んでいてもよい。実施形態によっては、レラコリラントを含むそのような製剤及び組成物は、ポリソルベートを含まなくてもよい。
【0074】
本明細書で開示される製剤に使用される賦形剤は、例えば、ミツロウ、トコフェロール(例えば、α-トコフェロール(ビタミンE又はvitEとも呼ばれる))、オレイン酸、アラビアゴム、ラノリン、デンプン、シロップ、ハチミツ、及び中鎖モノ-及びジ-グリセリド等の有機材料(室温で液体であっても半固体であってもよい)を含み得る。このような有機材料は、例えば、増量剤、充填剤、潤滑剤、及びその他の目的で使用してもよい。
【0075】
実施形態によっては、本明細書に開示されるレラコリラント含有製剤は、ビタミンE(例えば、α-トコフェロール及びその他のトコフェロール(例えば、α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE TPGS)を含む))を含んでもよい。ビタミンE TPGSを含むビタミンEは、例えば、SIGMA-Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス)から入手可能である。ビタミンEは、例えば、可溶化剤、乳化剤、及び酸化防止剤としての役割を果たし得る。
【0076】
経口投与用の医薬品を含む、投与用の医薬品の製剤及び製造に有用な更なる賦形剤及び材料としては、洗浄用の滅菌水;エタノール;ゼラチン(例えば、ゼラチン220ブルームのような「ブルーム」単位で測定されるゼリー強度を有する食用ゼラチン);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、「ヒプロメロース」、例えば、Pharmacoat(登録商標) 603及びPharmacoat(登録商標) 615)及びポリビニルアルコールコーティング材料等のコーティング;並びにその他の材料が挙げられる。
【0077】
例示製剤
多くのHKFA GRMを含む多くのGRMは、薬学的に許容可能な製剤に配合することが困難である。問題点としては、水への溶解性の低さ、医薬製剤に使用される溶媒への溶解性の低さ、安定性の低さ、光感受性、生理的環境における沈殿、生体利用効率の低さ、医薬的に許容可能なカプセル及びコーティングとの相性の悪さなどが挙げられる。安定性の悪さは、臨床現場で患者に投与するのに好適な製剤を開発する上で特に問題となる。
【0078】
本出願人は、このような障害を克服すると考えられる製剤を本明細書で開示する。好適な製剤のいくつかの実施形態は、実施例に示されており、また本明細書でより一般的に説明されている。例えば、レラコリラントを含み、ヒトへの経口投与に好適な製剤は、例えば、約15%~約25%のレラコリラントと、約50%~約70%の界面活性剤と、約15%~約25%の可溶化剤とを含み、少量ではあるが有効な量(例えば、約0.1%未満)の抗酸化剤を含んでいてもよい(ここで、%は%w/wを示す)。別の例においては、リラコリラントを含み、ヒトへの経口投与に好適な製剤は、例えば、約20%のレラコリラントと、約60%の界面活性剤と、約20%の可溶化剤とを含み、任意選択的に少量ではあるが有効な量(例えば、約0.1%未満)の抗酸化剤を含んでもよい(ここで%は%w/wを示す)。
【0079】
そのような製剤の実施形態において、界面活性剤はグリセリド(例えば、ポリオキシルグリセリド(例えば、ラウロイルポリオキシル-32グリセリド等)等)であってもよい。実施形態によっては、界面活性剤は、例えば、TWEEN 20又はTWEEN 80等のポリソルベートであってもよい。その他の好適な界面活性剤は、当業者に知られており、ポリソルベートと共に使用してもよいか、又はポリソルベートの代わりに使用してもよいことが理解されるであろう。その他の好適な界面活性剤が当業者に知られていることは理解されるであろう。
【0080】
そのような製剤の実施形態において、可溶化剤はグリセロール、又はポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールを含み得る。そのような製剤の実施形態において、界面活性剤は、プロピレングリコール(例えば、モノカプリル酸プロピレングリコール(例えば、モノカプリル酸プロピレングリコールタイプI)等)であってもよい。そのような製剤の実施形態において、界面活性剤は、グリセロールカプレートであってもよい。そのような製剤及び医薬組成物の更なる実施形態では、限定されるものではないが、可溶化剤は、トウモロコシ油、ヒマシ油、及びその他の油等の1以上の油であってもよく;ポリエチレングリコール(PEG)、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドの1つ以上であってもよく;それらの組み合わせを含んでいてもよい。その他の好適な可溶化剤は当業者に知られており、本明細書に記載される可溶化剤と共に使用してもよいか、又は可溶化剤の代わりに使用してもよいことが理解されるであろう。
【0081】
実施形態によっては、ヒトへの投与に好適なレラコリラントを含む製剤は抗酸化剤を含む。酸化防止剤は、例えば、BHT、BHA、TBHQ、α-トコフェロール(ビタミンE)、没食子酸塩(例えば、没食子酸プロピル等)、又はその他の酸化防止剤であってもよく、それらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0082】
例えば、ヒトへの投与に適したレラコリラントを含む製剤の実施形態においては、以下の市販の成分のうちの1つ以上を含んでいてもよい:Capmul MCM;Kolliphor EL;Kolliphor ELP;Gelucire 44/14;Capryol PGMC;ポリソルベート80;没食子酸プロピル;BHT;BHA;α-トコフェロール;及びミリスチン酸等。
【0083】
実施形態によっては、レラコリラントの単位投与量(unit dosage)は、カプセル(例えば、ソフトゲルカプセル又はハードシェルカプセル)に含まれる。製剤は、ゼラチンカプセルに封入されてもよく、例えば、好ましい実施形態においては、カプセルはソフトゲルカプセルであってもよい。ソフトゲルカプセルは、典型的には、その内容物を収容するのに適したサイズで用意される。カプセルの大きさは、レラコリラント等の医薬品有効成分(API)を1ミリグラム又は数ミリグラムから数百ミリグラムまで収容できるようになっている。実施形態によって、ソフトゲルカプセルに含まれるレラコリラントの量は、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約150mg、約170mg、約175mg、約180mg、約200mg、約225mg、約250mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、又はそれ以上であり得る。ハードシェルカプセルは、所望の製剤を保持するのに好適なサイズを選択することが可能であり、例えば、5号カプセル、4号カプセル、3号カプセル、2号カプセル、1号カプセル、0号カプセル、00号カプセル、及びその他のサイズのカプセル挙げられる。
【0084】
投与
実施形態によっては、製剤は、有効量のレラコリラントの投与に好適であり、例えば、約1~約500ミリグラム(mg)のレラコリラントを含有する単位用量製剤の投与に好適である。実施形態によっては、単位用量レラコリラント製剤は、経口投与に好適である。実施形態によっては、単位用量レラコリラント製剤は、最大約750mgのレラコリラントを含んでいてよい。実施形態によって、レラコリラントの単位用量は、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、又は750mgである。実施形態によっては、レラコリラントを含む製剤は、1日単位での投与、又は1日2回の投与、又は1日3回の投与に好適である。実施形態によっては、レラコリラントを含む製剤は、1日おきに、又は3日おきに、又は4日おきに、又は5日おきに、又は6日おきに、又は週1回の投与に好適である。実施形態によっては、レラコリラントを含む製剤は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80週間の投与に好適である。
【0085】
実施形態によっては、医薬製剤は、有効量のレラコリラントの投与に好適であり、レラコリラントの1日投与量は、例えば、約1~100mg/kg/日であり、好ましくは約1mg/kg/日~約20mg/kg/日である。実施形態によっては、レラコリラントの1日投与量は、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90又は100mg/kg/日である。実施形態によっては、レラコリラントは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80週間投与される。
【0086】
実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬製剤は、ゼラチンカプセルに封入して投与するのに好適である。実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬製剤は、ソフトゼラチン(「ソフトゲル」)カプセルに封入して投与するのに好適である。実施形態によっては、そのようなソフトゲルカプセルは、約50%~約75%のゼラチンと約25%~約50%のソルビトール/グリセリン混合物とから成り、さらに精製水及び/又は着色剤を含んでいてもよい。実施形態によっては、単位用量のレラコリラント製剤は、ソフトゲルカプセルに含まれる。例示的なソフトゲルカプセルは、以下の成分から成っていてもよい。
【表1】
【0087】
実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬製剤は、別の医薬製剤(例えば、別の有効成分を含む錠剤、タブレット、内服液、注射剤、又はその他の製剤)と共に投与するのに好適である。
【0088】
本明細書に開示される製剤及び方法は、上述の通り、GRMを用いた治療に適した任意の症状にかかっている患者の治療に有用である。
【0089】
実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬組成物は、経口投与用に処方される。実施形態によっては、経口投与は舌下投与を含む。実施形態によっては、レラコリラントは、座薬として投与するために製剤化されており、直腸又は膣内に投与されてもよい。
【0090】
そのような医薬組成物中のGRMの投与によって、限定されないが例えばクッシング症候群を含む疾患を治療する方法も提供される。実施形態によっては、GRMによる治療に適した疾患又は症状にかかっている患者に、本明細書で開示される医薬組成物が投与され、実施形態によっては、投与は経口投与を含む。
【0091】
レラコリラントを含む医薬製剤は、単位用量の形態であるであることが好ましい。このような形態では、製剤は適切な量のレラコリラントを含む単位用量に分割される。単位投与剤形は、例えば、レラコリラントを含むか、又は含有する錠剤又はカプセルであってもよい。
【0092】
実施形態によっては、単位投与剤形は、約0.1ミリグラム(mg)のレラコリラントから約750mgのレラコリラントを含み;更なる実施形態では、単位投与剤形は約1mgのレラコリラントから約600mgのレラコリラントを含み;更なる実施形態では、単位投与剤形は約5mgのレラコリラントから約500mgのレラコリラントを含み;更なる実施形態では、単位投与剤形は約10mgのレラコリラントから約400mgのレラコリラントを含み;更なる実施形態では、単位投与剤形は、約15mgのレラコリラントから約350mgのレラコリラントを含む;更なる実施形態では、単位投与剤形は、約20mgのレラコリラントから約300mgのレラコリラントを含み;更なる実施形態では、単位投与剤形は、約25mgのレラコリラントから約250mgのレラコリラントを含む。
【0093】
特定の実施形態では、単位投与剤形は、約5ミリグラム(mg)~約200mgのレラコリラントを含んでいてよい。更なる実施形態では、単位投与剤形は、約10mg~約150mgのレラコリラントを含んでいてよい。さらに別の実施形態では、単位投与剤形は、約15mg~約100mgのレラコリラントを含んでいてよい。さらに別の実施形態では、単位投与剤形は、約20mg~約80mgのレラコリラントを含んでいてもよい。実施形態によっては、単位投与剤形は、約25mg~約75mgのレラコリラントを含んでいてもよい。さらに別の実施形態では、単位投与剤形は、約30mg~約60mgのレラコリラントを含んでいてもよい。
【0094】
特定の実施形態では、単位剤形は、約10mgのレラコリラント;又は約25mgのレラコリラント;又は約40mgのレラコリラント;又は約50mgのレラコリラント;又は約75mgのレラコリラント;又は約100mgのレラコリラント;又は約125mgのレラコリラント;又は約150mgのレラコリラント;又は約200mgのレラコリラント;又は約250mgのレラコリラント;又は約300mgのレラコリラント;又は約350mgのレラコリラント;又は約400mgのレラコリラント;又は約450mgのレラコリラント;又は約500mgのレラコリラント;又は約550mgのレラコリラント;又は約600mgのレラコリラント;又は約650mgのレラコリラント;又は約700mgのレラコリラント;又は約750mgのレラコリラント;又は約800mgのレラコリラントを含んでいてよい。
【0095】
単位投与剤形は、パッケージ化された製剤であり得、このパッケージには個別の量の調製品が含まれており、例えば、パッケージ化された錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプルに入った粉末等がある。また、単位投与剤形は、カプセル、錠剤、カシェット、又はロゼンジ自体でもよいか、又はこれらのいずれかを適切な数だけパッケージ化したものでもよい。
【0096】
レラコリラントを含む単回投与剤形は、1日1回、又は1日に2回、3回、若しくはそれ以上の回数で、1日あたりの望ましい投与量となるように投与してもよい。1日あたりの望ましい投与量(レラコリラントの量)を達成するように、レラコリラントを含む複数の単位の単回投与製剤を、同時に、又は同日に投与してもよい。
【0097】
組成物は、その他の適合する治療剤を含むこともできる。本明細書に記載される化合物は、互いに組み合わせて使用することが可能であり、また、単独では効果がないかもしれないが活性剤の有効性に寄与する可能性がある補助剤と組み合わせて使用することも可能である。
【0098】
用途
実施形態によっては、レラコリラントは、コルチゾール過剰を特徴とする疾患の治療に使用するのに好適である。例えば、実施形態によっては、レラコリラントを含む医薬製剤は、クッシング病を含むクッシング症候群、並びにその他の疾患及び障害の治療に使用するのに好適である。そのような治療法は、単独で、又はそのような疾患及び障害のためのその他の治療法と組み合わせて実施してもよい。
【0099】
レラコリラントを含む医薬製剤、及びレラコリラントを含む医薬製剤を投与することを含む本明細書に開示される方法は、GRMを用いた治療に適した任意の症状にかかっている患者の治療に有用である。GRMを用いた治療に適した症状としては、限定されないが、例えば、肥満、糖尿病、高血糖、心血管疾患、高血圧、シンドロームX、うつ病、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)若しくは後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症、パーキンソン病、認知機能向上、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、虚弱体質、筋力低下、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息及び鼻炎、副腎機能関連疾患、ウイルス感染症、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、アレルギー、創傷治癒、強迫行為、多剤耐性、依存症、精神病、拒食症、悪液質、心的外傷後ストレス症候群、術後骨折、医学的異化作用、大精神病性うつ病、軽度認知障害、精神病、認知症、ストレス障害、抗精神病薬による体重増加、せん妄、うつ病患者の認知障害、ダウン症患者の認知機能低下、インターフェロンα療法に伴う精神病、慢性疼痛、胃食道逆流症に伴う疼痛、産後精神病、産後うつ病、未熟児の神経障害、並びに片頭痛が挙げられる。実施形態によっては、障害又は症状は、大精神病性うつ病、ストレス障害、又は抗精神病薬による体重増加であり得る。実施形態によっては、障害又は症状は、肥満、糖尿病、高血糖症、高血圧、うつ病、不安、及びクッシング症候群から選択され得る。実施形態によっては、障害又は症状は、クッシング症候群であり得、特定の実施形態では、クッシング病であってよく、高コルチゾール症に続発する高血糖を含み得る。
【0100】
本明細書に開示される製剤を用いて治療可能なその他の症状としては、アルコール依存症、アルコール離脱症候、及び過剰なアルコール消費に伴う認知障害が挙げられる。本明細書に開示される製剤は、骨、乳房、前立腺、卵巣、皮膚、脳、膀胱、子宮頸部、肝臓、及び肺等のがん(限定されないが、白血病、リンパ腫、神経芽細胞腫を含む)等のがんを治療するためにも使用することが可能である。
【実施例
【0101】
以下の実施例は、本明細書に開示される方法の実施形態を説明するために提示されるものであり、レラコリラントを含む製剤の本開示を説明する役割を有しているが、制限するものではない。
【0102】
以下の実施例では、賦形剤として、グリセリド(例えばラウロイルポリオキシル-32グリセリド等のラウロイルポリオキシグリセリド)及びジグリセリド;プロピレングリコールを含む、例えばモノカプリル酸プロピレングリコール;ソルビトール;グリセリン;及びソルビトールとグリセリンの混合物を含み;着色剤、及び例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)等の酸化防止剤を含み得た。また、必要に応じて精製水を使用した。
【0103】
更なる実施形態において、製剤は、ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレアート)界面活性剤及び洗剤(例えば、Tween(登録商標)20、及びTween(登録商標)80等)を含む(がこれらに限定されない)界面活性剤;脂質(例えば、トウモロコシ油、ヒマシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、及びその他の油(水素化植物油、ココナッツ油及びパーム種子油の中鎖トリグリセリド、及びヒトへの投与用の医薬組成物に使用するのに好適なその他の油を含む))等;可溶化剤(溶媒及び溶解性増強剤を含む)(限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びその他の水溶性有機溶媒);並びに、限定されないが、BHT、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びビタミンE(α-トコフェロール)等の酸化防止剤等を含み得る。
【0104】
以下の実施例において、使用されるゲルカプセルはソフトゲルカプセルであり、ゼラチン、ソルビトール、及びグリセリンを含んでいた。さらに、ソフトゲルカプセルは、典型的には、精製水(ゲルの調製に必要な量)、及び所望により着色剤をさらに含んでいた。例示的なゲルカプセルのシェルには、195.05gのゼラチンと、同量のソルビトールとグリセリンを含む111.46gのソルビトール-グリセリン混合物と、少量のD-グルシトールが含まれていた。ソルビトールとグリセリンの混合物は、SPI Pharma社(フランス国セプテーム(Septemes))から「Sorbitol SpecialTM」として市販されている。
【0105】
上述の通り、レラコリラント等の多くのHKFA GRMを含む多くのGRMは、薬学的に許容可能な組成物及び溶媒への溶解性が低く、さらに、多くのHKFA GRMを含む多くのそのようなGRM医薬製剤は、しばしば不十分な生体利用効率しか提供しない。さらに、多くのHKFA GRMを含む多くのGRMは、許容可能な安定性を提供するように製剤化することが困難である。レラコリラント等の多くのGRMは、いくつかの製剤(特に塩基性(低pH)の製剤)において、又は光にさらされた場合、若しくはその他の保存条件では、経時的に安定しない。可溶化の要件、及びそのような可溶化に必要な溶媒のために、多くのHKFA GRMを含む多くのGRMは、医薬製剤の許容可能な生体適合性を提供するように(例えば、投与される対象に不快、有害、若しくは毒性の影響を及ぼす可能性のある賦形剤を含まないか、又は最小限の量しか含まない製剤を提供するように)製剤化することが困難である。
【0106】
以下の実施例では、本明細書に記載されているように調製されるいくつかの例示的なレラコリラント含有製剤について説明する。本明細書に記載されている製剤は全て、有効成分の有用な量の可溶化を提供し、かつ有効成分の十分な安定性を含む十分な製剤安定性を提供して、ヒト対象への薬学的に活性な化合物の投与に使用するのに好適であると考えられる。好適な安定性とは、有効量のレラコリラントを長期間(数ヶ月、又は数年の保存期間)にわたって維持する製剤の能力を含む。特に、本明細書に記載されている全ての製剤は、有用な量のレラコリラントの可溶化を提供し、レラコリラントの十分な安定性を含む十分な製剤安定性を提供し、ヒト対象へのレラコリラントの投与に使用するのに好適であると考えられる。さらに、本明細書で開示される製剤は、従来の又は代替の製剤と比較して、レラコリラントの生体利用効率が向上すると考えられる。本明細書に開示されるレラコリラントを含む製剤は、さらに、従来の又は代替の製剤と比較して、生体適合性が改善されると考えられる。本明細書で開示される製剤は、ヒト対象へのレラコリラントの投与における使用に好適であり、レラコリラント等のHKFA化合物による治療に適した障害にかかっているヒト対象の治療における使用に好適であると考えられる。本明細書に開示される製剤は、ヒトへの投与のためのレラコリラントの従来の又は代替の製剤で以前に見受けられた溶解性の低さ、又は生体利用効率の低さ、又は生体適合性の低さ、又は安定性の低さの問題を解決する改良された医薬製剤を提供すると考えられる
【0107】
以下の実施例は、説明のために提供されているものであり、限定するためのものではない。当業者であれば、本質的に同様の結果を得るために変更可能な、様々な重要性の低いパラメータを容易に認識できるだろう。
【0108】
実施例1:臨床的製剤
レラコリラントは、酸性の水溶液中では安定していることが分かった。しかし、レラコリラントは、中性の水溶液中では高温下で経時的に劣化することが分かり、塩基性の条件にも敏感であることが分かった。レラコリラントの安定性及び様々な賦形剤との相性を試験し、好適な賦形剤を特定した。ポリエトキシ化ヒマシ油(ニュージャージー州フローラムパークのBASF社から入手可能なKolliphor EL)及びモノジグリセリド混合物(オハイオ州コロンバスのABITEC社から入手可能なカプリル酸及びカプリン酸を主成分とする中鎖脂肪酸のモノジグリセリドであるCapmul MCM)を含む初期製剤は、相対湿度75%で40℃、及び60℃で2週間の安定性試験を行ったところ、著しい分解(すなわち、不安定性)を示した。モノカプリル酸プロピレングリコール(Capryol PGMC、Gattefosse社(米国ニュージャージー州)から入手可能)及びステアロイルポリオキシル-32グリセリド(Gelucire 50/13、Gattefosse社(米国ニュージャージー州)から入手可能)を含む他の配合物は、望ましい溶解特性を示さなかった。そこで、ステアロイルポリオキシル-32グリセリドの代わりに、ラウリルポリオキシル-32グリセリド(Gelucire 44/14、Gattefosse社(米国ニュージャージー州)から入手可能)を使用した。後述の通り、表IIIの製剤は、驚くべきことに、経口投与を含むヒト患者への投与のためのレラコリラント製剤に使用するのに好適な、改善された安定性を示した。
【0109】
いくつかの試験製剤を調製し、安定性及びその他の試験を行った。これらの試験製剤の組成を表Iに示す。「API」はレラコリラント、「MDC}は中鎖モノジグリセリド(主にカプリル酸及びカプリン酸)、「PEC」はポリエトキシ化ヒマシ油、「LPG」はラウロイルポリオキシル-32グリセリド、「PGM」はモノカプリル酸プロピレングリコール、「BHT」はブチル化ヒドロキシトルエン、「BHA」はブチル化ヒドロキシアニソール、「GLT」は没食子酸プロピル、「MYR」はミリスチン酸、「AT」はα-トコフェロールを示す。
【表2】
【0110】
いくつかの試験製剤中のレラコリラントの安定性を50℃で2週間調べた。好ましい製剤(上記表Iの製剤G)で見られた分解の程度は、製造及び長期保存中のこれらの試薬との適合性が良好であることを示唆した。レラコリラント及びレラコリラント由来の不純物の量を、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した。50℃で2週間保存した後の製剤Gのレラコリラント量には有意な減少は見られなかった。50℃で2週間保存した後に、レラコリラントの割合が最も高く、不純物の量が最も少なく、不純物の増加が最も少なかったのは、その他の製剤と比較して製剤Gであった。
【0111】
また、一連の潜在的な賦形剤におけるレラコリラントの安定性を、表Iの製剤を含め、相対湿度75%で40℃、及び60℃で2週間調べた。主な分解経路は、モノカプリル酸プロピレングリコール及びラウロイルポリオキシル-32グリセリドの両方の賦形剤とレラコリラントの芳香族デカルボニル化が起こることであった。レラコリラントの安定性は、これらの賦形剤の両方で良好であった。表Iの製剤では、レラコリラントは40℃、75%RHで良好な安定性を示した。60℃での分解は、モノカプリル酸プロピレングリコールよりもラウロイルポリオキシル-32グリセリドの方が顕著であったが、見られた分解の程度は、製造時及び長期保存時のこれらの試薬との的剛性が良好であることを示唆した。これらの結果は表IIに示されている((試験期間終了時のレラコリラント)と(レラコリラント+レラコリラント由来の不純物の合計)との比較で測定された純度(%)を示す)。
【表3】
【0112】
試験の結果、最終的な改善した製剤を決定した。
【0113】
以下の表IIIは、溶解性及び安定性が改善された、ソフトゲルカプセルにレラコリラントを組み込むのに好適な改良された製剤を提供する。この製剤は、例えば、1カプセルあたり100mgのレラコリラントを提供するために使用されてもよい(これは、例えば、クッシング症候群又はクッシング病にかかっている患者への投与に好適であってもよい)。また、この製剤は、1カプセルあたり150mgのレラコリラント、又はその他の成分の割合を適切に調整した(全ての成分の相対的な割合を維持した)他の量のレラコリラントを提供するために使用してもよい。
【0114】
表IIIの製剤は以下の成分を含んでいた(割合は重量%である)。
【表4】
【0115】
レラコリラント(API)は、この製剤においてよく溶解し、この製剤において安定している。この製剤は半固体である。この製剤は、図1に示す薬剤動態プロファイルに示されるように、臨床使用に好適な生体利用効率を提供する。8人の絶食状態のヒトボランティアに、表IIIの製剤のレラコリラントを150ミリグラム投与し、投与後の血漿レベルを経時的に測定した。8人の対象の平均値(標準偏差を含む)を示す。これらの対象では、約175ng/mLのピーク血漿濃度が測定された。
【0116】
この製剤を、安定性について試験した。安定性試験は、いくつかの製剤の最大1年までの試験を含んだ。本出願人は、レラコリラントが湿気及び光の両方に敏感であることを決定した。さらに、本出願人は、レラコリラントは、中性又は酸性のpHを有する製剤においてより安定である一方、塩基性のpHを有する製剤(例えば、特に8より大きいpH)においては、経時的な安定性が著しく低いことを決定した。
【0117】
また、製剤の消化の影響をモデル化するために、インビトロモデルを使用した(Williams HD et al., J. Pharm Sci. 101:3360-3380 (2012)を参照)。インビトロモデルを示す模式図を図2に示す。この試験の結果は、生体内に投与された場合の医薬品の生体利用効率を示すものと考えられる。インビトロ消化モデルは、1つの容器に3つの相を含んでいる:i)沈殿した薬剤及び不溶性(例えば、カルシウム)の脂肪酸の石鹸を含むペレット;ii)ミセル及び小胞構造に可溶化された薬剤を含む水相で、胆汁塩(例えばWilliams et al.によって使用されているようなタウロデオキシコール酸ナトリウム等のBS)及びリン脂質(PL)並びに外因性脂質消化物(例えば、脂肪酸(FA)、モノグリセリド(MG)、及びジグリセリド(DG)を含む水相;及びiii)薬剤、残存しているトリグリセリド(TG)、及び一部のジグリセリド(DG)を含む非分散油相。インビトロ消化モデルを行う際に使用する実験配置は図2に示されており、図2は、試験製剤のインビトロ消化試験に使用する容器の理想的な側面図を示す。この容器には、医薬有効成分が分割され得る3つの相を備える。3つの相のそれぞれに見出されるAPIの量は、インビボでのAPIの予想される挙動の指標となり、比較される製剤から得られるであろう予想される生体利用効率の比較を可能にする。例えば、水相に含まれるAPIの量は、その製剤のAPIを投与した後に対象の血漿中に含まれるであろうAPIの量(または割合)の推定値を提供する。
【0118】
図3は、表IIIの製剤のインビトロ消化試験の結果を示す。図3に示すデータは、インビトロ消化モデルにおける表IIIの製剤の性能を経時的に示している。試験の初期段階では、約10~15%のレラコリラントが水相に分離し、その後、時間の経過とともにその割合は減少した。これらの結果から、この製剤のインビトロ消化モデルとヒトのPKプロファイルには相関関係があることが示された(図1参照)。
【0119】
また、表IIIの製剤をサルに投与してインビボ試験を行った(API、リラコラント100mg)。この結果、サルではかなりの血漿曝露量(AUCinf)が見られた。これらの結果を表IVに示す。
【表5】
【0120】
実施形態によっては、これらの製剤の改変には、精製された市販の賦形剤を使用すること(例えば、精製されたKolliphor ELPは、「精製」と表示されていないKolliphor製品と比較して、不純物を著しく低減する)、及び低いpH(例えば、pH8以下、好ましくは約pH7以下のpH)が、不純物をさらに低減するのに役立つことが、当業者には理解されるであろう。不純物を減らすことで、製剤の安定性及びその他の性能パラメータが向上すると考えられる。
【0121】
他のレラコリラント含有製剤が調製されており、あるものは表IIIの調製に先立って、またあるものは表IIIの製剤の改良を試みてその試験後に調製された。例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油及びモノジグリセリド混合物(主にカプリル酸及びカプリン酸の中鎖脂肪酸のモノジグリセリド)を含む初期製剤は、相対湿度75%で40℃、及び60℃で2週間の安定性試験を行ったところ、著しい分解(すなわち、不安定性)を示した。表IIIの製剤(レラコリラント20%、ポリオキシル化ヒマシ油界面活性剤40%、及びカプリル酸グリセロール可溶化剤40%の製剤(割合はは重量%))を改良しようとしたが、不安定であり(40℃、75%相対湿度で1ヶ月間に不純物が4.5%増加した)、少なくともその理由から臨床使用には好適ではないことが判明した。したがって、表IIIの製剤は、試験した他の全ての製剤とは対照的に、好適な生体利用効率を提供しながら、驚くほど安定していることが分かった。このように、表IIIの製剤は、他の製剤と比較して、驚くべき予想外の利点を提供する。
【0122】
実施例2:様々なレラコリラント量の製剤
様々の量のレラコリラントを含むレラコリラント製剤を提供し得る。例えば、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、及び500mgのレラコリラントをそれぞれ含む単一単位剤形を、本明細書で提供される方法に従って調製し得る。本実施例は、様々なレラコリラント量を含むレラコリラントの単一剤形に使用するためのレラコリラント製剤の調製方法を提供する。単一剤形は、これらの製剤を含むソフトゲルカプセルであってもよい。
【表6】
【0123】
ソフトゲルカプセルに上記の表Vに記載された製剤を充填して、所望の量のレラコリラントを含む単一単位剤形を提供してもよい。表Vに記載のレラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルは、約50%~約75%のゼラチンと約25%~約50%のソルビトール/グリセリン混合物(重量)から成り、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、これらのレラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルは、約60%~約70%のゼラチン及び約30%~約40%の可塑剤、又は約63%~約66%のゼラチン及び約34%~約37%の可塑剤から成り、必要に応じて精製水及び/又は着色剤を含んでいてもよい。特定の実施形態では、これらのレラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルは、64%のゼラチン及び36%のソルビトール/グリセリン混合物(重量)、又は63.64%のゼラチン及び36.36%のソルビトール/グリセリン混合物(重量)から成り、これらの割合には、必要に応じて含まれる精製水及び/又は着色剤の重量は含まれていなくてもよい。
【0124】
本明細書中で引用されている全ての特許、特許公報、刊行物、及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、上記の発明は、理解を明確にする目的で、例示及び実施例を用いてある程度詳細に説明してきたが、本発明の教示に照らして当業者であれば、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく、これに特定の変更及び改変を加えることができることが容易に理解できるであろう。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有するレラコリラント((R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノン)の経口投与用製剤:
【化1】

前記製剤は、
8%~22%のレラコリラント、
5%~65%の界面活性剤、及び
8%~22%の可溶化剤を含み
前記界面活性剤は、ソルビタン界面活性剤、ポリソルベート界面活性剤、ポリオキシグリセリド界面活性剤、イオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から選択され、
前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールエステル、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドから選択され、
前記割合は重量%である。
【請求項2】
酸化防止剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記製剤が.02%の酸化防止剤を含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記界面活性剤がラウロイルポリオキシグリセリドである、請求項2に記載の製剤。
【請求項5】
20%のレラコリラントと、59.98%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項2に記載の製剤。
【請求項6】
25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
100mgのレラコリラントと、299.9mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項10】
300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項11】
400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項12】
500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項13】
750mgのレラコリラントと、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項14】
レラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルから実質的になる、レラコリラントの経口投与用単位用量(unit dose)であって、
前記レラコリラント製剤は、20%のレラコリラントと、59.98%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなり、
前記割合は重量%である、経口投与用単位用量。
【請求項15】
前記ソフトゲルカプセルが、25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項16】
前記ソフトゲルカプセルが、50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項17】
前記ソフトゲルカプセルが、100mgのレラコリラントと、299.9mgのウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項18】
前記ソフトゲルカプセルが、200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項19】
前記ソフトゲルカプセルが、300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項20】
前記ソフトゲルカプセルが、400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項21】
前記ソフトゲルカプセルが、500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【請求項22】
前記ソフトゲルカプセルが、750mgのレラコリラントと、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、請求項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
本明細書中で引用されている全ての特許、特許公報、刊行物、及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、上記の発明は、理解を明確にする目的で、例示及び実施例を用いてある程度詳細に説明してきたが、本発明の教示に照らして当業者であれば、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく、これに特定の変更及び改変を加えることができることが容易に理解できるであろう。
<付記>
本開示は以下の態様を含む。
<項1>
以下の構造を有するレラコリラント((R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノン)の経口投与用製剤:
【化1】

前記製剤は、
18%~22%のレラコリラント、
55%~65%の界面活性剤、及び
18%~22%の可溶化剤を含み
前記界面活性剤は、ソルビタン界面活性剤、ポリソルベート界面活性剤、ポリオキシグリセリド界面活性剤、イオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から選択され、
前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールエステル、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドから選択され、
前記割合は重量%である。
<項2>
酸化防止剤をさらに含む、項1に記載の製剤。
<項3>
前記製剤が0.02%の酸化防止剤を含む、項2に記載の製剤。
<項4>
前記界面活性剤がラウロイルポリオキシグリセリドである、項2に記載の製剤。
<項5>
20%のレラコリラントと、59.98%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項2に記載の製剤。
<項6>
25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項7>
50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項8>
100mgのレラコリラントと、299.9mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項9>
200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項10>
300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項11>
400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項12>
500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項13>
750mgのレラコリラントと、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなる、項5に記載の製剤。
<項14>
レラコリラント製剤を含むソフトゲルカプセルから実質的になる、レラコリラントの経口投与用単位用量(unit dose)であって、
前記レラコリラント製剤は、20%のレラコリラントと、59.98%のラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、20%のモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなり、
前記割合は重量%である、経口投与用単位用量。
<項15>
前記ソフトゲルカプセルが、25mgのレラコリラントと、74.975mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、25mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.025mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項16>
前記ソフトゲルカプセルが、50mgのレラコリラントと、149.95mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、50mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.05mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項17>
前記ソフトゲルカプセルが、100mgのレラコリラントと、299.9mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、100mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.1mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項18>
前記ソフトゲルカプセルが、200mgのレラコリラントと、599.8mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、200mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.2mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項19>
前記ソフトゲルカプセルが、300mgのレラコリラントと、899.7mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、300mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.3mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項20>
前記ソフトゲルカプセルが、400mgのレラコリラントと、1199.6mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、400mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.4mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項21>
前記ソフトゲルカプセルが、500mgのレラコリラントと、1499.5mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、500mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.5mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
<項22>
前記ソフトゲルカプセルが、750mgのレラコリラントと、2249.25mgのラウロイルポリオキシル-32グリセリドと、750mgのモノカプリル酸プロピレングリコールと、0.75mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と、からなるレラコリラント製剤を含む、項14に記載のレラコリラントの経口投与用単位用量。
【国際調査報告】