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特表2022-518365布地製品の製織方法およびその方法を実施する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】布地製品の製織方法およびその方法を実施する装置
(51)【国際特許分類】
   A41H 43/00 20060101AFI20220308BHJP
   A41H 37/00 20060101ALI20220308BHJP
   D03D 41/00 20060101ALI20220308BHJP
   A41H 43/04 20060101ALN20220308BHJP
【FI】
A41H43/00 Z
A41H37/00 Z
D03D41/00 Z
A41H43/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538490
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 FR2019053218
(87)【国際公開番号】W WO2020141271
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】18/74416
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521286743
【氏名又は名称】パリ シアンス エ レットル
【氏名又は名称原語表記】PARIS SCIENCES ET LETTRES
【住所又は居所原語表記】60, rue Mazarine, 75006 Paris, FRANCE
(71)【出願人】
【識別番号】521286754
【氏名又は名称】エコール ナショナル シュペリエール デ アーツ デコラティフ
【氏名又は名称原語表記】ECOLE NATIONALE SUPERIEURE DES ARTS DECORATIFS
【住所又は居所原語表記】31, rue d’Ulm, 75005 Paris, FRANCE
(71)【出願人】
【識別番号】521286765
【氏名又は名称】エコール ナショナル シュペリエール デ ミンヌ ド パリ
【氏名又は名称原語表記】ECOLE NATIONALE SUPERIEURE DES MINES DE PARIS
【住所又は居所原語表記】60, boulevard Saint-Michel, 75006 Paris, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセリアル,ジャンヌ
(72)【発明者】
【氏名】モッセ,オレリー
(72)【発明者】
【氏名】バセロー,ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ファウル、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ゲニュベ,イヴォン
【テーマコード(参考)】
4L050
【Fターム(参考)】
4L050AB09
(57)【要約】
一般的に本発明は製織の分野に関する。より詳しくは、本発明は糸状要素から布地製品を製造する方法、かかる布地製品を製造する装置、かかる方法で形成される布地製品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した糸状要素から布地製品を製造する製織装置であり、下の記載から成る:
- 支持体(1)
- 巻取区分(2)
- 布地製品の図柄に対応して製造される形状の輪郭に応じて支持体上の巻取区分を位置決め、または取り外しに好適な手段(3)
- 巻取区分周囲の糸状要素の送達と巻き取りに好適な手段(4)
- 糸状要素の供給
- 直交座標系での「X」軸、「Y」軸、「Z」軸と、所定の配列と図柄に対応した角度システムでのアルファおよびベータ回転の2軸に沿って3次元で手段(3)と手段(4)を移動させるための機械電子手段(5)
- 任意には、糸状要素の1以上のコイルの基底部(9)
- 支持体上に巻取区分の設置が可能な取り外しを可能にするヘッドの移動を制御するソフトウェアを有する制御システム。
【請求項2】
支持手段(3)が巻取区分のプランティング締め具(planting clamp)/把持部(gripper)を備えた取り外し可能または格納式の巻取区分をプランティング(planting)/把持(gripping)するヘッドであり、また、手段(4)が糸状要素の出口を備え、高さ調節可能であり、取り外し可能または格納式の分布ヘッド(4)であることを特徴とする、請求項1に記載の布地製品を製造する製織装置。
【請求項3】
装置はまた糸状要素の張力調整手段(8)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の布地製品を製造する製織装置。
【請求項4】
支持体が巻取区分を収容するのに適することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の布地製品を製造する製織装置。
【請求項5】
巻取区分がピン、ポーン(pawns)、非中空または中空ロッドから成る群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の布地製品を製造する製織装置。
【請求項6】
巻取区分が平滑であるか、また粗さを備えており、また任意には糸状要素が巻取区分から滑り落ちないようにするゴム製スリーブまたは別の粗い材料で覆われ、および/または、圧力下で変形可能であることを特徴とする、請求項5に記載の布地製品を製造する製織装置。
【請求項7】
支持体が下に記載であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の布地製品を製造する製織装置:
平面である、または
平面であり、1つ以上の非平面領域、好ましくは凸面を含むか、または
1つ以上の非平面領域、好ましくは凸面から成る。
【請求項8】
連続した糸状要素から布地製品を製造する方法は:
a) 布地製品の図柄に対応して製造される形状の輪郭を定義するために、支持体上の最初の位置に巻線区分を位置決めするステップ
b) 第1の巻取区分周囲の糸状要素を巻き取るステップ
c) 第2の巻取区分周囲の糸状要素を位置決めするために、糸状要素を引き伸ばすステップであり、糸状要素の第1の区分を形成する
d) 第1の巻取区分へのリターン経路か、別の巻取区分への経路かのいずれかの後で第2の巻取区分周囲に位置する(巻かれる)糸状要素を引き伸ばすステップであり、第2の糸状要素区分を形成する
e) 製造される形状の輪郭に関する全ての巻取区分周囲の糸状要素の引き伸ばし、および、巻き取りステップを繰り返して第3、第4、そして第nまでの糸状要素区分を形成し、布地製品を形成する
f) 下方または上方への垂直並進により、初期の位置から巻取区分の移動で支持体から製造された布地製品を取り除くステップ
上に記載のステップを含む、請求項1~7の1項に記載の製織装置を使用して実施される方法。
【請求項9】
一部巻、全ての巻取区分の周囲での糸状要素の巻き取りが可逆的または不可逆的開ループ型の総巻、ブロック閉ループ型の総巻から成る群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の布地製品を製造する方法。
【請求項10】
巻き取りステップ後の各巻取区分に形成された各ループを封鎖するステップを更に含む、請求項9に記載の布地製品を製造する方法。
【請求項11】
巻取区分のそれぞれに対する糸状要素の経路コースの検証後に、2つの巻取区分の間に配置された糸状要素の各区分が不可逆的に固定される、請求項10に記載の布地製品を製造する方法。
【請求項12】
巻取区分上の少なくとも各ループのブロッキングが機械的、化学的、または熱学的手段により実施される、請求項10に記載の布地製品を製造する方法。
【請求項13】
2つの巻取区分の間に配置された糸状要素を形成する糸状要素の方向付けは無作為に、または、計画的に、手動、半自動、またはプログラムで選択されるが、かかる方向付けは
上に記載の巻取区分の間の2つの区分の重ね合わせを形成して、2つの巻取区分の間の糸状要素のリターン経路か、
または、糸状要素の新たな区分と1つ以上の既存の区分の間において部分的な、または、ループ状巻き取りを形成する、糸状要素の最後の経路からのもの以外の別の巻取区分への糸状要素の経路のいずれかを伴う、請求項6に記載の布地製品を製造する方法。
【請求項14】
布地製品が重複しないで縁から縁まで仕上げられる1つ以上のボタン穴縫い目で、またはその他の縫い目の手段により仕立て上げられることを特徴とする、請求項8~13のいずれか1項に記載の方法により形成された幾つかの布地製品を含む、あつらえの衣服。
【請求項15】
3次元製品を形成する、丸みを帯びた、または単一の凸形状を含んでなるか又はから成ることを特徴とする、請求項8~13のいずれか1項に記載の方法で形成された布地製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般的に本発明は製織の分野に関する。
より詳しくは、本発明は連続した糸状要素から布地製品を製造する装置と、かかる布地製品を製造する方法と、かかる方法で得られた布地製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来型の織物工業は既知の方法で製織し、裁断し、組み付けられる製品の大量生産型である。
このような製造方法において布地設計は、(3次元的な)衣服のシルエットまたは衣服の意図または顧客の期待などを一般的に考慮していない。
【0003】
現在、このことから布地設計とファッションデザインは互いに分離される。
当然ながら、注文仕立ての技巧は今なお存続する。あつらえの衣服を作成する伝統的なステージは次の通り:衣服デザイン作成から成る図柄(pattern)ステージ、かかる全ての図柄の裁断から成る布裁断ステージ、縫われた異なる布の組み付けから成る組み付けステージ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし一般的に、あつらえの衣服の製造は高価な原材料、衣服作成に要した時間による高い生産原価、さらに布の大量のスクラップ(scrap)を伴う。
本発明は布のスクラップを出さない、あつらえの衣服の作成に関する半自動または自動プロセスの提案により、あつらえの衣服作成における伝統的な方法と装置の欠点克服を目的とする。
【0005】
特に本発明は、あつらえの衣服の製造を簡易化して、連続した糸から開放作業構造(openwork structure)による布地または布のメカトロニクス的な生産方法の提案による、コスト低減を目的とする。かかる製造方法は新しい製織装置を用いて実行される。
本発明の目的において製織方法は、連続した糸が相互製織(interweaving)される技術に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1はキャリヤ(carrier)に巻き取りセグメンを設置するための装置を示す斜視図である。
図2図2は巻取区分のプランティング/把持ヘッド(3)の全体図である。
図3図3は分布ヘッド(4)の全体図である。
図4図4は巻取区分上にx回の回数で(図4aでは18回)巻かれた巻取区分と幾つかの糸区分の配置を示す略図であり、図4bは製造された布地を示す。図4cはかかる方法で形成された布地製品を示す。
図5図5は平面プロファイル(一片の状態)(5a)、プロファイルから作ら有れた3次元形状(5b)、翼を形成するプロファイルの反復(5c)を示す。
図6図6Aは振動ボールの写真を示し、また図6Bは巻取区分(ピン)のディレーティング(derating)に関するオペレーションの原理の略図を示しており;ステップ1が上方を向いたピンの1つずつの出口点を表し、ステップ2が重力によるピンの下降を表し、ステップ3がピンの到着検出を表し、ステップ4がピンにおける負荷(loading)状態に従う回転板の回転または停止を表し、ステップ5が本発明による装置の把持部によるトレイの除荷(unloading)を表す。
図7A図7Aは布ボタン穴縫い目を使用した本発明による布地製品の2つの仕上がりを示す。
図7B図7Bは本発明による布地製品の2つの組立を示す。 組立は部分ごとの3つのボタン穴縫い目を示す。
図7C図7Cは本発明による布地製品に関する仕上がりの近接写真を示す。
【0007】
本発明の目的において用語「糸状要素」はポリエステル、羊毛、綿、パールコットン、刺繍スコティッシュコットン(scottish cotton)、ナイロン、天然または合成ラフィア(raffia)、紐(string)を含み、より一般的には引張りのある様々な種類の糸から成り、例えばジオテキスタイル(geotextile)を含有して機械的性能を持つ構成要素に使用されるテクニカルスレッド(technical thread)を含む、編み物と織物製織に使用される全ての糸から成るグループから選択される糸として理解される。
【0008】
本発明の目的において用語「糸状要素区分」とは2つの巻取区分の間の糸状要素の部分(part)という意味である。
本発明の目的において「巻取区分」とは、糸状要素の巻き取りを可能にする支持体上に垂直に配置される手段として理解される。
巻取区分はピン、ポーン(pawns)、非中空または中空ロッドから成るグループから選択される。
【0009】
このことから本発明の第1の目的は連続した糸状要素から布地製品を製造する製織装置であって、
- 支持体(1)と、
- 巻取区分(2)と、
- 布地製品の図柄に対応して製造される形状の輪郭に応じて支持体上の巻取区分を位置決め、または取り外しに好適な手段(3)と、
- 巻取区分周囲の糸状要素の送達と巻き取りに好適な手段(4)と、
- 糸状要素の供給と、
- 直交座標系での「X」軸、「Y」軸、「Z」軸と、所定の配列および図柄に対応した角度システムでのアルファおよびベータ回転の2軸に沿って3次元で手段(3)と手段(4)を移動させるための機械電子手段(5)と、
- 任意には糸状要素の1以上のコイルの基底部(9)と、
- 支持体上に巻取区分の配設が可能で、かつ、巻取区分周囲の糸状要素の巻き取りを可能にする手段(3)と手段(4)の移動を制御するソフトウェアを有する制御システムと、
を含む。
【0010】
本発明の特定の実施形態によれば、支持体上の巻取区分を位置決め、または、取り外しに好適な手段は、巻取区分のプランティング締め具(planting clamp)/把持部(gripper)を備えた取り外し可能または格納式の巻取区分をプランティング(planting)/把持(gripping)するヘッド(3)である。
【0011】
また手段(3)は、直交座標系での「X」軸、「Y」軸、「Z」軸と、アルファおよびベータの2つの角度軸に沿って3次元でプランティング(planting)/把持ヘッド(gripping head)を運動させて、巻取区分を配向(orient)および位置決め(position)する3自由度での機構を備えた直線作動器(liner actuator)を有する。
【0012】
本発明の特定の実施形態では、巻取区分周囲の糸状要素の送達と巻き取りに好適な手段(4)は、糸状要素の出口(outlet)を備え、高さの調節が可能であり、取り外し可能または格納式の分布ヘッド(4)である。
本発明の特定の実施形態では、糸状要素の出口は管状である。
【0013】
本発明による装置は、糸状要素(9)の張力調整手段(8)をさらに含む。
本発明の特定の実施形態では、糸状要素は第1の巻取区分で阻止され、糸状要素の張力が糸状要素の分布ヘッド(4)の張力ブロック上流により確保を図る。
【0014】
本発明の特定の実施形態では、糸状要素の分布ヘッド(4)の移動中、糸状要素の張力は張力システムに支えられる。
【0015】
糸状要素の張力は最終の交差点から張力ブロックまで一定である。
本発明による糸状要素の長さおよび/または張力を変える装置は、張力の測定を可能にするセンサーと、糸状要素の張力下で巻き戻しを可能にする長さおよび/または張力を変える制御ユニットおよびブロックを含む。張力センサーは、張力ブロックと、糸状要素の分布ヘッドの管端に位置するチップ(tip)との間に設置され、制御ブロックにより、当業者に定義される製織ゾーンの関数として糸状要素の張力を測定および/または調節する。
【0016】
本発明による装置は、巻取区分を収容するのに適した支持体を含む。
一般的に支持体はフレーム(13)状であり、その配向は90度まで調整できて作業面を縦横にするか、または地面に対して傾動している。
【0017】
本発明の特定の実施形態では、支持体はフレーム状であり、長さが100~200cmであって、幅が80~150cmであって、好ましくは120x90cm、150x90cm、または、180x90cmである。
本発明の特定の実施形態では、支持体はテーブル状であり、その水平支持体は地上から75~95cmの高さで、または、その垂直支持体は地上から60~80cmの高さで基底部を有する。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、支持体は、1つ以上の層、1つ以上の材料を含んでなるか又は前記1つ以上の層、前記1つ以上の材料から成る。より詳しくは、支持体はコルク、形状記憶、または発泡体から成る部品を含んでなるか又は前記部品から成る。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、支持体は支持体上の巻取区分の同定および位置決めに役立つマーク(mark)を備えるグリッド(grid)またはグラフ(graph)をさらに含む。
本発明の特定の実施形態では、任意に支持体はその上部に設置される開口/オリフィス(orifice)を含み、巻取区分の通過または設置を可能にする。
【0020】
本発明の別の特定の実施形態では、支持体は平面を含んでなるか又は前記平面から成るか、または一連の交差プロファイル(Intersecting profiles)により作成される凸表面を含む。これらのプロファイルには切抜き(cutout)がある。このことから配向と距離においてプロファイルを変えることで初期における支持体の平面上の糸のコース(course)を除いて、糸の引張および成形の目的を満足させて、数多くの常に凸形の表面の再現が可能である。
【0021】
凸表面は初期の支持体の平面上の基底部に、好ましくは90度で固定される交差プロファイルのネットワークにより形成される。
用語「プロファイル」は丸みを帯びた前端部、前部三分の一に向かって最大の厚さ、後ろの薄い後端部を含む空気力学要素の語彙を言う。前端部から後端部の距離はコード(chord)と呼ばれる。
【0022】
例えば本発明によるプロファイルは次に記載の形状を言う:飛行翼、船舶の帆、ブーメランのブレード、羽根、竜骨、帆船の舵、飛行機のプロペラ、ヘリコプターの回転翼。
切断によりプロファイルは変わる。垂直方向に5~10cmで別のプロファイルが続く。プロファイルの高さは変えられるが、2つのプロファイルの間の交差では一定である。
【0023】
このことから幅広い全体的または部分的な凸表面形状の構成を可能にする1セットのプロファイルを有するのが有利である。
例えば対称プロファイルの交点の反復で、図5に示すような翼の構成が可能である。プロファイルは平面、中空、多曲、非対称でもよい。
【0024】
好ましくはプロファイルのネットワークで作られる凸表面の頂部において、メッシュ構造基準は2つの表面(2つの平面)間の簡易端部を置換して、また円弧内または実質的に円弧内に一片を置いて、ソフト遷移にて丸め(rounding)に作られる。
全部または一部の凸形状の基底部において、発明者らは糸状要素のコイルとの衝撃および接触の防止のために、えぐり繰形(コンジェ;conge)の凹状片を支持する。
【0025】
用語「えぐり繰形(conge)または中空成形(hollow moulding)」は、木片の外形を和らげるのに使用される正確な成形経路の端部をマーキングする図柄を言う。
本発明では用語「えぐり繰形(conge)」はプロファイルの基底部の形状を特徴付けるのに使用される。
【0026】
本発明では、当業者は、鋭い端が取り除かれている小さい斜交の、扁平な正則曲面を構成する特定のえぐり繰形として、用語「面取(chamfer)」を使用する。
その値は傾斜と幅から定量化できて、例えば「45度での3mmの面取で先端の切断」などと言う。
【0027】
本発明の別の特定の実施形態では、支持体は少ない1つの3次元領域、好ましくは凸面領域を含んでなるか又は前記凸面領域から成る。
本発明による装置の支持体は適合性が有り、2次元の製造を可能とする平面か、または平面であり、1つ以上の非平面領域、好ましくは凸面を含むか、または1つ以上の非平面領域、好ましくは3次元製品を形成する1つ以上の布地製品の製造を可能にする凸面から成ると当業者は理解する。
【0028】
本発明の別の特定の実施形態では、支持体は支持体上に静止したフレーム(13)を含む。好ましくは、フレームはローラー(rollers)またはボール(balls)が付いた中間的な線形ケージ(cages)を有するレール運搬システム、線形ベアリング/シャフトシステム、または、レール-レール(rail-rail)システムで作られる線形ガイドユニット(liner guide units)を含む線形スライド(liner slides)で作られる。
駆動付きの線形ガイドユニットは、機械的ガイドシステム、電動モーター付きかつシステムに適応する制御付き完全単軸または多軸システムである。
【0029】
本発明の別の特定の実施形態では、ガイドユニットはプロファイルドレール(profiled rails)上において、ローラー(rollers)型の、再循環ボールパッド(recirculating ball pads)および精密ガイドレール(precision guide rails)付きボールガイド(ball guides)から成る群から選択される。
本発明の別の特定の実施形態では、ガイドユニットにより線形運動と回転運動を可能にする。
本発明の別の特定の実施形態では、支持体は巻取区分の、特にピンから成る巻取区分の保存、分布、配向を可能にする振動ボウル(vibrating bowl)(14)を含む。
【0030】
より詳しくは、本発明による振動ボウルにより装置へのピンの自動的な供給を可能にする。この分布システムは、ピン用の垂直保管位置を備えられた、好ましくは、巻取区分に関して5~30か所の垂直保管位置を備えられた、電動回転板に対してタンク内に大量に保存されるピンを供給および方向付けし、ピンは例えばプランティング締め具/把持部により取り上げられる。振動ボウルにはシュート(chute)またはホース(hose)なのどの別の手段が装着され、これによりピンを回転板の到着点に対して、つまり垂直保管位置に向けて落下させる。
【0031】
回転板が満ちると振動ボウルは停止して、把持部を使用してトレイ(tray)は空になる。ピン到達検出器は回転板の回転を開始させる。
本発明の別の特定の実施形態では、巻取区分(2)は、支持体の固定位置において製造中に布地製品の維持に好適な細長要素(elongated elements)を含んでなるか又は前記細長要素から成る。巻取区分は、金属、合金、木材、プラスチック、セラミックを含んでなるか又はそれらから成る。
【0032】
本発明の特定の実施形態では、巻取区分はピン、ポーン、非中空または中空ロッドから成る群から選択される。
後者の場合において、糊は巻取区分の本体と接触する糸の内部巻き取りに塗布される。
本発明の特定の実施形態では、巻取区分は平滑であるか、また粗さを備えている。巻取区分はヘッドの有無は問わない。
【0033】
本発明の特定の実施形態では、巻取区分は、ゴム製スリーブまたは別の粗い材料で覆われ、および/または、圧力下で変形可能であり、糸状要素が巻取区分から滑り落ちないようにする。
本発明の特定の実施形態では、巻取区分は、支持体の表面に対して90~120度の角度で配設される。
【0034】
巻取区分の基底部での糸の補足と、その滑り落ちに役立つには、巻取区分のそれぞれは100~125度、好ましくは110~120度、特に好ましくは115度とするのが有利である。このことから巻かれた糸は巻取区分周囲の引張により押し込まれ、支持体の平面またはプロファイルのネットワークにより形成される凸表面に接触する。
【0035】
巻取区分の高さは、仕立てる布地製品の寸法と複雑性により決定される。
各巻取区分上の通路(巻き取り)の数が重要と考えられて、巻取区分の高さはより高くなる。一般的に巻取区分の高さは、例えばピンは0.5cm~5cmである。
一般的に巻取区分の直径は1~5mm、好ましくは2、3、または、4mmである。
【0036】
本発明の特定の実施形態では、支持体に位置する2個の隣接する巻取区分間の距離は2mm~1cm、好ましくは5mmである。
本発明の特定の実施形態では、巻取区分はジャッキ(jack)または別の昇降システムまたは係止解除機構を備えた支持体の一部に配設される。
本発明の特定の実施形態では、巻取区分は手動で支持体に設置される。
【0037】
本発明の特定の実施形態では、巻取区分はクランプ(11)を備えた手段(3)を使用して支持体に設置され、これにより布地製品の図柄に対応して製造される形状の輪郭に応じて支持体上の巻取区分を位置決め、または、取り外しを可能にする。かかる手段(3)は、特に巻取区分のプランティング(planting)/把持ヘッドはコンピュータシステムにより制御された多関節アーム(arm)に任意に付着される。
【0038】
機械電子手段(5)は、例えばステッパモータ(stepper motor)は直交座標系での「X」軸、「Y」軸、「Z」軸と、所定の配列と図柄に対応したアルファおよびベータの2つの角度軸系に沿って3次元でプランティング/把持ヘッドの移動に使用される。
本発明による装置は特に摩耗の場合に、容易に置換可能な独立部分を含む。
【0039】
使用の第1の構成によれば本発明による装置は、支持体上での巻取区分を設置するためのプランティング/把持ヘッド(3)を含む。
手段(3)は、特にプランティング/把持ヘッドは一般的に直交X-Y面に対応する面で移動可能である。本発明による装置は、X-Y面における支持体に対するプランティング/把持ヘッド(3)の移動を連続的に協調するようにされている制御ユニットをさらに含む。本発明では、用語「制御ユニット」とは製織装置に統合または接続されたソフトウェアとして理解される。
【0040】
制御ユニットは、Z方向と、アルファおよびベータ回転におけるプランティング/把持ヘッド(3)の移動を制御するように構成されている。
制御ユニットは、製造される布地製品の画像(図柄)を負荷(loading)するデジタル入力ができる。
製造される布地製品の画像(図柄)は、LECTRA型スキャンにより、または直接的に装置内のカメラにより走査できる。
次に画像プロセシングは、The MathWorks社が開発したMATLAB(登録商標)(「matrix laboratory」)などの市販のソフトウェアを使用して実施できる。
【0041】
MATLAB(登録商標)により、マトリックスを巧みに扱い、曲線とデータを表示し、アルゴリズムを実装し、ユーザインタフェースの作成を可能にする。コンピュータ制御システムは、本発明による製織装置を制御するために入力の取り込み、および、出力の制御インタフェースを含み、例えばArduino(登録商標)card(Mega)、パワーステージ(power stages)を伴い、Twincat(登録商標)(Beckhoff)、または、Arduino(登録商標)電子カード(Mega)である。
【0042】
本発明による装置のプランティング/把持ヘッド(3)は、制御ユニットにより図柄の走査を可能にする制御ユニットに接続された光学カメラをさらに含む。
カメラにより、本発明による布地製品を製造中に品質と製造欠陥のリアルタイムでのモニタリングと、糸状要素区分の方向に関する記録も可能である。
本発明による装置は、糸状要素の出口を備えた糸状要素のための分布ヘッド(4)を含む。
【0043】
本発明による装置はプランティング/把持ヘッド(3)に対する分布ヘッド(4)が置換可能に設計される。
使用の第2の構成によれば本発明による装置は、支持体に配設された巻取区分周囲の糸状要素の巻き取り用の分布ヘッド(4)を含む。
特に分布ヘッド(4)は一般的に、直交X-Y平面に対応する平面を移動可能である。
【0044】
本発明による装置はまた、X-Y面における支持体に対する分布ヘッド(4)の移動を連続的に協調するようにされている制御ユニットを含む。
本発明では、用語「制御ユニット」とは製織装置に統合または接続されたソフトウェアとして理解される。
制御ユニットはまた、Z方向における分布ヘッド(4)の移動を制御するようにされており、任意にはz軸周囲の分布ヘッド(4)の回転を制御可能にする。制御ユニットには製造される布地製品の画像(図柄)の負荷を可能にするデジタル入力がある。
【0045】
分布ヘッドは巻取区分の配設のために、また任意には支持体上に配設された巻取区分周囲の糸を連続的に引き伸ばし、および、巻き取りをできるために、例えば3次元支持体上においてZ軸に沿って制御可能に立ち上げられる。
機械的に、または半自動的(糸の巻き取りは手動で)に支持体に配設された巻取区分周囲で巻き取り方向を形成するために駆動モーターは備えられており、糸状要素の分布中に「X」および「Y」軸に沿って所定の図柄において分布ヘッド(4)を選択的に移動させる。
それぞれの巻き取りの形成中に「Z」軸に沿った相対的な垂直移動も実施可能であり、巻取区分周囲の紐状部材区分の巻き取りと引張が可能である。
【0046】
特に巻取区分周囲の巻き取り数と糸区分の相互製織は、特に、これらの方向付けは、プログラム可能である。好ましくは、これらの機械的移動は、CAD/CAMシステムから制御モーターおよび分布ヘッドに入力された制御信号を通して達成される。このようなシステムでは、製造される布地製品のデザインは初めに当業者に周知のコンピュータ支援設計(CAD)から作成され、このソフトウェアはコンピュータ支援マシン経由で上記の駆動モーターへ制御信号として、糸状要素区分および針の穿刺の形式で、図柄の形を開放可能なコンピュータデータへの変換に使用される。
【0047】
運用者は作成する布地製品の製造を修正または再配向するために、本発明による装置の自動システムを解除でき、例えば既にプログラムされた巻取区分周囲の巻き取り数のいくつか、および、糸区分の相互製織を変更によって複雑なギャップ構造のゾーン(zones)を解除できる。
好ましくは、製造される布地製品の基底部での糸状要素は糸状要素のコイルなどの動力源により分布ヘッド(4)に供給される。
【0048】
分布ヘッド(4)の上方および下方の垂直移動には別の機械駆動手段が備えられる。駆動モーターは駆動スクリューに回転駆動動力を供給する。
モーターの選択された作動はスクリューを回転させて、平軸受上において分布ヘッド(4)を上方および下方の垂直移動をさせる。
好ましくは、この目的を達成するためのモーターは、任意には高分解能でのステッピングモータである。
しかしステッパーモーター、線形モーター、サーボモーター、同期モーター、直流モーター、水力電動機などの異なる型のモーターも駆動モーターとして使用できることに留意する。
【0049】
図1は手段(3および4)を移動させる異なるモーター(5a、5b、5c)を示し、特に巻取区分のプランティング/把持ヘッド(3)と、分布ヘッド(4)を示す。
特にモーター(5a)によりX軸に沿って少なくとも1つの手段(3)および/または(4)の移動が可能になり、モーター(5b)によりY軸に沿って少なくとも1つの手段(3)および/または(4)の移動が可能になり、モーター(5c)によりY軸に沿って少なくとも1つの手段(3)および/または(4)の移動が可能になる。
【0050】
布地製品の製造は、製造される布地製品の図柄を形成する巻取区分周囲の糸状要素区分を連続的に形成することで達成される。
糸状要素の供給は、糸張力が制御されるように分布ヘッドについて「X」、「Y」、「Z」移動に対して制御される。
本発明の特定の実施形態では、糸状要素のコイルとその基底部は分布ヘッドと接続して配設される。本発明の別の特定の実施形態では、糸状要素のコイルは、装置とは一体となっていない基底部に設置できる。糸状要素のコイルは地上にも設置できる。
本発明による製織装置は全自動、半自動、または手動モードで使用可能と理解される。
【0051】
本発明の別の目的はまた連続した糸状要素から布地製品を製造する方法であり、
a) 布地製品の図柄に対応して製造される形状の輪郭を定義するために、支持体上の最初の位置に巻線区分を位置決めするステップと、
b) 第1の巻取区分周囲の糸状要素を巻き取るステップと、
c) 第2の巻取区分周囲の糸状要素を位置決めするために、糸状要素を引き伸ばすステップであり、糸状要素の第1の区分を形成するステップと、
d) 第1の巻取区分へのリターン経路(return path)か、別の巻取区分への経路かのいずれかの後で、第2の巻取区分周囲に巻かれる糸状要素を引き伸ばすステップであり、第2の糸状要素区分を形成するステップと、
e) 製造される形状の輪郭に関する全ての巻取区分周囲の糸状要素の引き伸ばし、および、巻き取りステップを繰り返して第3、第4、そして第nまでの糸状要素区分を形成して布地製品を形成するステップと、
f) 下方または上方への垂直並進により、初期の位置から巻取区分の移動で支持体から布地製品を取り除くステップと、
を含む。
【0052】
糸状要素の各区分は本来的に可逆的であり、糸状要素の経路を追跡によって形成されたデザイン変更を可能にする。この形状が確認されると2個の巻取区分間の糸状要素の巻き取りは、固定(fixing)(封鎖(blocking))によるか、閉ループ(closed loop)(ハーフキー(half key))かのいずれかにより不可逆的である。
本発明では巻き取りの型は一部巻、開ループ型の総巻(可逆的)、開ループ型の総巻(固定(封鎖)されて不可逆的)、ブロック閉ループ型の総巻(ハーフキー)から成る群から選択される。
例えばボタン穴区分、スリッパ区分(slipper segment)、サドル区分(saddle segment)(1本または2本の糸の両端と一体で)の縫い区分がある。
【0053】
本発明では巻取区分のそれぞれに対する糸状要素の経路コース検証後に、2つの巻取区分の間に配置された糸状要素の各区分は不可逆的に固定されるので、1つの糸区分に切断があっても別の糸区分に影響を及ぼさない。
本発明の1つの実施形態では、かかる方法はまた製造される布地製品の形状内で、輪郭を形成する巻取区分の位置決めを含む。
本発明の別の実施形態では、糸状要素の引き伸ばしのステップは、支持体を備えた巻取区分の角度を変更できる巻取区分に及ぼす張力を引き起こす。
【0054】
本発明の別の実施形態では、かかる方法のステップa)での巻取区分の位置決めは、手動による実施か、または電磁またはメカトロニクス手段で、例えば自動または半自動システムにより制御されたロボットアームで実施される。
本発明の別の実施形態では、かかる方法のステップa)での巻取区分の位置決めは、正規直交枠における座標により定義される。巻取区分は平面上に位置させるか、または、逆に要求に応じて(手動、半自動、または自動的に)支持体から突き出る平面に含まれるか、または、並進運動できる巻取区分を含むレール型の区分上を横方向に移動させる。
本発明の別の実施形態では、かかる方法は巻き取りステップ後の各巻取区分に形成された各ループを封鎖するステップを含む。
【0055】
本発明の別の実施形態では、かかる方法はまた巻取区分周囲の糸状要素の巻き取り後に実施される各糸区分を封鎖するステップを含む。巻き取りは巻取区分周囲の糸部材の少なくとも部分的な巻き取りの形成を含む。
本発明の別の実施形態では、少なくとも1つの封鎖ループ(blocking loop)は巻き取りステップ後の各巻取区分において形成される。
本発明の別の実施形態では、本発明のブロッキングは製造される布地製品の全てのループに形成される。
【0056】
本発明の別の実施形態では、巻取区分上の少なくとも1つのループの封鎖は2本のレグ(leg)のそれぞれが糸状要素の2つの一部巻または総巻のそれぞれを通過すると、例えば封鎖は結び目によるか、縫い、または製織の区分により、または、ステイプル(staple)、糸、糊、樹脂、溶接、「ステイプル」としての金属糸の畳みなどの機械的、化学的、または熱学的手段により実施される。
封鎖は本発明による方法の布地製品を製造に使用された単一の連続した糸状要素以外の糸の捕捉により達成されて、いわゆる「ボタン穴」区分を形成する。
【0057】
本発明の別の実施形態では、本発明の封鎖は1種類以上の機械的、化学的、または熱学的手段を使用して製造される布地製品の全てのループに形成される。
例えば溶接は熱可塑性タイプの糸にのみ好適なのが明らかである。溶接は材料の添加の有無に関係なくできる。
時間を管理しながら「接着」する部分を加熱して固形から粘性の状態に変化させたら、機械的に加圧した後は温度を低下させて固体の状態に戻るまで待機する。
【0058】
本発明の別の実施形態では、かかる方法は2つの隣接封鎖ポイント(blocking point)上の糸を巻き取るステップを含む。
好ましくは、2つの隣接封鎖ポイントでの糸の巻き取りは、巻き取りステップ後に片方または両方の巻き取り点に形成されたループによる封鎖ステップを含む。
【0059】
本発明では、2つの巻取区分の間に配置された糸状要素を形成する糸状要素の方向付けは無作為に、または、計画的に(図面上に設計および提示)、手動、半自動、またはプログラム(この場合はソフトウェアの手段で)で選択され、かかる方向付けは、
上記の巻取区分の間の2つの区分の重ね合わせを形成する、2つの巻取区分の間の糸状要素のリターン経路か、
または、糸状要素の新たな区分と1つ以上の既存の区分の間において部分的な、または、ループ状巻き取りを形成する糸状要素の最後の経路からのもの以外の別の巻取区分への糸状要素の経路のいずれかを伴う。
【0060】
本発明の別の実施形態では、制御ユニットは製造される布地製品の画像(図柄)の負荷を可能にするデジタル入力を含み、デジタル画像には糸状要素区分に関する色、形状、寸法、密度が含まれる。
本発明の別の実施形態では、制御ユニットへの走査画像の負荷はスキャナーなどの走査ツールにより達成される。
本発明の別の実施形態では、デジタル画像は糸状要素区分を表すネットワークとして表される。
【0061】
このことから本発明の方法による布地製品を製造するための製織装置は、装置の制御のために、特に装置の手段(3および4)を作動する各種モーターの制御のために最新式の既存のソフトウェアがインストールされたコンピュータを含むと理解される。加えてコンピュータは製織機に接続された処理と制御モジュールを含む。
かかる装置はまた布地製品を作成するために、運用者がソフトウェアと相互作用することにより操作できるコンピュータに接続(ワイヤが有る場合またはワイヤが無い場合)された入力周辺機器を含む。
【0062】
コンピュータと既知のソフトウェアだけでなく入力周辺機器も織物製品を生成する手段を構成して、コンピュータの処理および制御ユニットだけでなく本発明による装置も製織の手段を構成すると理解される。
糸状要素は普通の製織のように各巻取区分周囲に手動または自動で配置できる。
【0063】
糸状要素は製造される布地製品の巻取区分の間にリターン経路を作成して、各巻取区分が糸状要素の最大50の通路に、好ましくは20以上の通路、または20~30の通路に対応する。
製織に要求される糸状要素の品質と厚さは様々である。
本発明の別の実施形態では、糸状要素は巻取区分周囲に巻かれる前に引っ張られる。
糸状要素の張力はモーターがブレーキ機構を伴い、コイルを(回転で)駆動させるモーターを伴う少なくとも1つのコイルの巻き戻しにより制御される。
【0064】
本発明の別の実施形態では、制御ユニットは製造される布地製品の全ての特性を含み、かかる特性は、
- 各巻取区分上の糸状要素の通路数
- 製造される布地製品の糸状要素区分の総数
- 例えば、正規直交の軸上の糸状要素区分の方向
- 糸状要素区分のオーバーレイ(overlay)または交差の数
に対応する。
【0065】
本発明の別の実施形態では、製造される布地製品内の糸状要素のオーバーレイの数は光学的捕捉システム、具体的にはカメラにより追跡される。
本発明の別の実施形態では、かかる方法により糸状要素によりカバーされない布地製品の形成を可能にし、その面積は0.01~1cm2の平均表面積である。
本発明の方法で製造されるものが衣服であるとき、芸術的アプローチが製造上の主要構成要素となる。
【0066】
次に運用者は自身が選択する次の事項
- 各巻取区分上の糸状要素の通路数
- 例えば正規直交の軸上の糸状要素区分の方向
- 糸状要素区分のオーバーレイまたは交差の数
の実施に、本発明による装置を手動でまたは半自動モードで使用できる。
【0067】
本発明の別の実施形態では、かかる方法で形成された布地製品は複雑な形状をした単一のものを含んでなるか又は単一のものから成り、その外周は少なくとも1つの曲線と1つの直線を含む。
本発明の別の実施形態では、かかる方法で形成された布地製品は3次元製品を形成する丸みを帯びた、または、単一の凸形状を含んでなるか又は単一の凸形状から成る。
本発明の別の実施形態では、かかる方法で形成された布地製品は、糸状要素の単一の重ね合わせによる、少なくとも1つの厚さを含んでなるか又は少なくとも1つの厚さから成る。
【0068】
本発明では、かかる方法で形成された布地製品のそれぞれの周辺部を形成するループは、当業者によって周知のボタン穴縫い目(stitches)で、またはその他の縫い目(stitching point)で結合される。
本発明の別の実施形態では、かかる方法で形成された布地製品は、例えば衣服、目的物の被覆(coating or covering)用生地、自動車の座席などの業務用家具、クロークルーム(cloakroom)の装飾品、靴、防爆タンクおよび風力タービンのプロペラの羽根などの技術的装置の構成要素に仕上げられる。
本発明の別の実施形態では、かかる方法で形成された幾つかの布地製品は衣服、目的物の被覆用生地、業務用家具、クロークルームの装飾品、靴、技術的装置の構成要素などに仕上げられる。
【0069】
幾つかの布地製品の組立は、布地製品を重複しないで縁から縁まで仕上げられる1つ以上のボタン穴縫い目で、またはその他の縫い目の手段により実施できる。
本発明は、図7に示すように、組立が重複しないで縁から縁まで仕上げられる1つ以上のボタン穴縫い目で、またはその他の縫い目の手段により実施されることを特徴とする、かかる方法により形成された幾つかの布地製品の組立に関する。
【0070】
また本発明は、布地製品が重複しないで縁から縁まで仕上げられる1つ以上のボタン穴縫い目で、またはその他の縫い目の手段により仕立て上げられることを特徴とする、かかる方法により形成された幾つかの布地製品を含む、あつらえの衣服に関する。
あつらえの衣服が当業者に周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアで処理されるために、衣服寸法は事前にデジタル化される衣服に対応する。
【0071】
本発明の実施例は下に記載する添付図に関連するがこれに限定されることなく、何よりも本発明の原理の例示を意図している。
図1はキャリヤ(carrier)に巻き取りセグメンを設置するための装置を示す斜視図である。
図2は巻取区分のプランティング/把持ヘッド(3)の全体図である。
図3は分布ヘッド(4)の全体図である。
図4は巻取区分上にx回の回数で(図4aでは18回)巻かれた巻取区分と幾つかの糸区分の配置を示す略図であり、図4bは製造された布地を示す。
図4cはかかる方法で形成された布地製品を示す。
図5は平面プロファイル(一片の状態)(5a)、プロファイルから作ら有れた3次元形状(5b)、翼を形成するプロファイルの反復(5c)を示す。
図6Aは振動ボールの写真を示し、また図6Bは巻取区分(ピン)のディレーティング(derating)に関するオペレーションの原理の略図を示しており;ステップ1が上方を向いたピンの1つずつの出口点を表し、ステップ2が重力によるピンの下降を表し、ステップ3がピンの到着検出を表し、ステップ4がピンにおける負荷(loading)状態に従う回転板の回転または停止を表し、ステップ5が本発明による装置の把持部によるトレイの除荷(unloading)を表す。
図4cは本発明の方法での布地製品の製造を図式的に示す。
図7Aは布ボタン穴縫い目を使用した本発明による布地製品の2つの仕上がりを示す。
図7Bは本発明による布地製品の2つの組立を示す。
組立は部分ごとの3つのボタン穴縫い目を示す。
図7Cは本発明による布地製品に関する仕上がりの近接写真を示す。
【0072】
布地製品は、支持体に配置された巻取区分周囲の糸状要素区分を形成している連続した糸状要素の相互製織により形成される。巻取区分は製織する形状の輪郭を形成するよう支持体状に配設される。
【0073】
糸状要素区分の交差の微妙な差は、運用者により、またはコンピュータプログラムにより定義される。製織の図柄は相対的な製織特性を定義して達成される:
- 各巻取区分上の糸状要素の通路数
- 製造される布地製品の糸状要素区分の総数
- 例えば、正規直交の軸上の糸状要素区分の方向
- 糸状要素区分のオーバーレイまたは交差の数。
【0074】
好ましくは、MATLAB(登録商標)の周知のソフトウェアの特定応用の手段を用いて、製織方向は、言い換えれば、巻取区分周囲の糸状要素区分の配向は製織する布で作られたイメージで事前に定義できる。
別の実施例では、糸状要素区分の位置は制御システムによりカメラ(5MP OmniVision(登録商標)OV5640、歪みの無い)等を経由して記録される。
この実施形態は運用者が布地製品の同一もしくは実質的に同一の、つまり同じ製織方向のものでの作成を希望する時には特に有利である。
【0075】
先に定義された製織特性はコンピュータデータに変換可能である。審美的外観および/または製織特性を除いて変更は、糸状要素の区分の配向における変化を定義するために、また同一形状または実質的に同一形状を有する布地製品を作成するために提供される。
図4の実施例では本発明の製織方法が使用される糸状要素区分の形成の原理を示す。
支持体の表面は図4に示され、かかる表面には第1の左側縦軸において7つの巻取区分があり、第2の右側縦軸には別の巻取区分があり、「下側」の水平軸には10の巻取区分がある。
【0076】
図4は「上側」の水平軸の巻取区分を示さない。
本発明では、用語「下側」および「上側」はX軸に沿った変位と理解される。
同様に「左側」および「右側」は「Y」軸に沿った変位と理解される。
図4に関して左側の垂直軸と「下側」の水平軸の交点上の元の位置において、糸状要素の巻き取りに関する一連のステップは第1の巻取区分の周囲で実施されると理解される。
かかる図は単一の巻取区分周囲にすべて巻かれる18本の糸状要素区分(12a~12r)の形成を示す。
【0077】
この18本の糸状要素区分は第1の巻取区分に対するリターン経路に形成される。
図4bは糸状要素の引き伸ばし、および、巻き取りのステップの反復が交差する糸状要素区分を形成するために製造される形状の全ての巻取区分の周囲で実施される製織ステップを表す。
製造される布地製品の厚さは各巻取り区分に作られた通路の数と、糸状要素の厚さに依存する。
図4cは製造中の布地製品を示す。
ループは本発明の製織装置の巻取り区分に常時付着される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】