(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】複数のアンテナパネルを使用するチャネルサウンディング
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20220308BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20220308BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
H04B7/06 984
H04B7/08 740
H01Q21/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540105
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2020050445
(87)【国際公開番号】W WO2020144286
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザンダー,オロフ
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,クン
(72)【発明者】
【氏名】ルセク,フレドリク
(72)【発明者】
【氏名】パレニウス,トールニー
(72)【発明者】
【氏名】ベンソン,エリック
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA11
5J021HA06
(57)【要約】
複数のアンテナパネルを使用するチャネルサウンディング。無線通信デバイス(102)を操作する方法は、ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて参照信号系列(150)を生成することと(1001)、無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031-5033)のアンテナポート(5031-5033)を介して、かつ無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)を介して、参照信号系列(150)を伝送することと(1002)を含む。シフト信号系列は、参照信号系列(150)を伝送するために使用されるアンテナパネル(5023、5024)に応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信デバイス(102)を操作する方法であって、
‐ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて、参照信号系列(150)を生成することと(1001)、
‐前記無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031-5033)のアンテナポート(5031-5033)を介して、かつ前記無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)を介して、前記参照信号系列(150)を伝送することと(1002)を含み、
前記シフト信号系列は、前記参照信号系列(150)を伝送するために使用される前記アンテナポート(5031-5033)及び前記アンテナパネル(5023、5024)に応じて前記複数の候補シフト信号系列から選択される、方法。
【請求項2】
‐前記アンテナポート(5031-5033)に基づいて、前記複数の候補シフト信号系列から候補シフト信号系列のサブセットを選択することと、
‐前記アンテナパネル(5023、5024)に基づいて、前記候補シフト信号系列のサブセットから前記シフト信号系列を選択することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
‐前記複数のアンテナポート(5031-5033)の数、又は前記複数のアンテナパネル(5023、5024)の数のうち少なくとも1つ、あるいは、前記複数のアンテナポート(5031-5033)と前記複数のアンテナパネル(5023、5024)との連結に応じて、前記ベース信号系列の長さを選択することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記シフト信号系列は、(i)前記複数のアンテナポート(5031-5033)及び前記複数のアンテナパネル(5023、5024)と、(ii)前記複数の候補シフト信号系列とのマッピング(701、702)に基づいて、前記複数の候補シフト信号系列から選択される、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記マッピング(701、702)は、アクセスノード(101)と前記無線通信デバイス(102)との間で予め定められるか、又は、同期される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
‐前記複数のアンテナパネル(5023、5024)の1つ又は複数のアクティブなアンテナパネル(5023、5024)、あるいは、アクティブなアンテナポート(5031-5033)に基づいて前記マッピング(701、702)を決定することをさらに含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
‐前記アンテナポート(5031)及び前記アンテナパネル(5023、5024)に応じた前記複数の候補シフト信号系列からの前記シフト信号系列の選択が行われるかどうかを示す制御信号(152)を通信することをさらに含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
通信ネットワークのアクセスノード(101)を操作する方法であって、
‐無線通信デバイス(102)から信号系列を受信することと(1011)、
‐前記信号系列を、複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較することであって(1012)、前記候補シフト信号系列の各々は、前記無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)、及び前記無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031-5033)のアンテナポート(5031-5033)に関連付けられている、比較することと、
‐前記比較することに基づいて、前記アンテナパネル(5023、5024)及び前記アンテナポート(5031から5033)を判断することと(1013)を含む、方法。
【請求項9】
‐前記比較することは、前記複数のアンテナポート(5031から5033)の各アンテナポート(5031から5033)について、
‐前記対応するアンテナポート(5031-5033)に基づいて、前記複数の候補シフト信号系列から候補シフト信号系列のサブセットを選択することと、
‐前記信号系列と、前記対応するサブセットの前記候補シフト信号系列とを比較することとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アンテナパネル(5023、5024)及び前記アンテナポート(5031から5033)は、(i)前記複数のアンテナポート(5031から5033)及び前記複数のアンテナパネル(5023、5024)と、(ii)前記複数の候補シフト信号系列とのマッピング(701、702)に基づいてさらに判断される、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の種々の例は、概して、サウンディング参照信号の通信に関する。本発明の種々の例は、具体的には、サウンディング参照信号、及びサウンディング参照信号を伝送するために使用されるアンテナパネルに関するインジケーションの通信に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信においては、(i)より高い伝送スループット、及び(ii)モバイル通信デバイス(場合により、ユーザ端末、UEとも呼ばれる)の電力消費の低減が、従前同様、求められている。
【0003】
一部のUEは、ビームフォーミング方式での伝送及び/又は受信(通信)が可能なアンテナのアレイ(アンテナアレイ)を備えている。すなわち、アンテナパネルのアンテナアレイのアンテナ全体の位相コヒーレント伝送が可能である。このことにより、特定の目的のためのビームでの通信が可能である。それに関して、空間多重化及び/又は空間ダイバーシチが、伝送スループットを向上させるために使用される場合がある。
【0004】
一部のUEは、複数のアンテナパネルを備えており、各アンテナパネルは、1つ又は複数のアンテナアレイを備えている。複数のアンテナパネルを備えることによって、複数のビームでの通信の際の柔軟性が向上する。このことは、伝送スループットのさらなる向上を助力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
他方で、複数のアンテナパネルを操作すると、UEにおける電力消費が増加する場合があることが知られている。
【0006】
例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)の文書R1-1813334から、上りリンク(UpLink:UL)ビームマネージメント用のサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)系列の使用が知られている。SRSリソースとアンテナパネルとの関連付けは、UEによって報告されることがあり、そうすると、ネットワークは、より多くのUEアンテナパネルを使用することによる期待利得が小さい場合に、少数のUEパネルに対応するSRSリソースインデックスを構成することができる。3GPP R1-1813490も参照されたい。
【0007】
かかる報告操作は、UEとネットワークとの間の無線リンクでの制御シグナリングオーバーヘッドの増加といった欠点を伴う可能性がある。
【0008】
したがって、送信機(ビームフォーミングのために複数のアンテナパネルを備えている)、及び受信機を含む通信システムでの通信を実施する先進の技法の必要性がある。具体的には、先に確認した制約及び欠点のうち少なくとも一部を克服又は緩和する技法の必要性がある。
【0009】
この必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。従属請求項の特徴は、実施形態を定義する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
無線通信デバイスを操作する方法は、ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて、参照信号系列を生成することを含む。方法はまた、無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートを介して、且つ、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネルを介して、参照信号系列を伝送することも含む。シフト信号系列は、参照信号系列を伝送するために使用されるアンテナポート及び/又はアンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。
【0011】
コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム又はコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを含む。プログラムコードは、制御回路によって実行される場合がある。プログラムコードの実行により、制御回路に無線通信デバイスを操作する方法を実施させる。方法は、ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて、参照信号系列を生成することを含む。方法はまた、無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートを介して、且つ、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネルを介して、参照信号系列を伝送することも含む。シフト信号系列は、参照信号系列を伝送するために使用されるアンテナポート及び/又はアンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。
【0012】
無線通信デバイスを操作する方法は、ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて、参照信号系列を生成するためにモデムを制御することを含む。方法はまた、無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートを介して、且つ、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネルを介して、参照信号系列を伝送するためにモデムを制御することを含む。シフト信号系列は、参照信号系列を伝送するために使用されるアンテナポート及びアンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。
【0013】
通信ネットワークのアクセスノードを操作する方法は、無線通信デバイスから信号系列を受信して、信号系列を複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較することを含む。候補シフト信号系列の各々は、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネル及び無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートに関連付けられている。方法はまた、上記比較に基づいて、アンテナパネル及びアンテナポートを判断することも含む。
【0014】
コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム又はコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを含む。プログラムコードは、制御回路によって実行される場合がある。プログラムコードの実行により、制御回路に通信ネットワークのアクセスノードを操作する方法を実施させる。方法は、無線通信デバイスから信号系列を受信して、信号系列を複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較することを含む。候補シフト信号系列の各々は、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネル及び無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートに関連付けられている。方法はまた、上記比較に基づいて、アンテナパネル及びアンテナポートを判断することも含む。
【0015】
通信ネットワークのアクセスノードを操作する方法は、無線通信デバイスから信号系列を受信して、信号系列を複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較するためにモデムを制御することを含む。候補シフト信号系列の各々は、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネル及び無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートに関連付けられている。方法は、上記比較に基づいて、アンテナパネル及びアンテナポートを判断することを含む。
【0016】
無線通信デバイスは、ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列と、に基づいて、参照信号系列を生成し、無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートを介して、且つ、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネルを介して、参照信号系列を伝送するように構成された制御回路を備える。シフト信号系列は、参照信号系列を伝送するために使用されるアンテナポート及びアンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。
【0017】
通信ネットワークのアクセスノードは、無線通信デバイスから信号系列を受信し、信号系列を、複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較するように構成された制御回路を備え、候補シフト信号系列の各々は、無線通信デバイスの複数のアンテナパネルのアンテナパネル及び無線通信デバイスの複数のアンテナポートのアンテナポートに関連付けられている。制御回路は、さらに、上記比較に基づいて、アンテナパネル及びアンテナポートを判断するように構成される。
【0018】
上記の特徴、及び以下でさらに説明する特徴は、発明の範囲から逸脱することなく、示されるそれぞれの組み合わせだけでなく、他の組み合わせでも、又は単独でも使用されてよいことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、種々の例による、通信システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1による通信システムのノードの詳細を示す概略図である。
【
図3】
図3は、
図1による通信システムのノードの無線インターフェースの詳細を示す概略図である。
【
図4】
図4は、種々の例による、SRS系列の伝送のために割り当てられた複数のリソースエレメントを含む時間-周波数リソースグリッドを示す概略図である。
【
図5】
図5は、種々の例による方法のフロー図である。
【
図6】
図6は、種々の例による方法のフロー図である。
【
図7】
図7は、種々の例による、(i)アンテナポート及びアンテナパネルと、(ii)候補シフト信号系列とのマッピングを示す概略図である。
【
図8】
図8は、種々の例による、(i)アンテナポート及びアンテナパネルと、(ii)候補シフト信号系列とのマッピングを示す概略図である。
【
図9】
図9は、種々の例による方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に述べる。実施形態の以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。本発明の範囲は、以下の記載する実施形態又は図面によって限定されることを意図するものではなく、それらは、単に例示的なものである。
【0021】
図面は、概略表現と見なされるべきであり、また図面内に示された要素は必ずしも縮尺通りに示されているわけではない。むしろ、各種要素は、それらの機能及び一般的な目的が当業者に明らかになるように表現されている。図中に示す又は本明細書で記載する、機能ブロック、デバイス、構成要素、又は他の物理的もしくは機能的ユニット間の任意の接続又は連結は、間接的な接続又は連結によって実現されてもよい。構成要素間の連結は、無線接続を介して確立されてもよい。機能的ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実現されてよい。
【0022】
本開示のいくつかの例は、概して、複数の回路又はその他の電気デバイスについて提示する。回路及びその他の電気デバイス、ならびにそれらによって提供される機能性に対する全ての言及は、本明細書に例示され、記載されるもののみを包括すると限定する意図はない。特定の呼び名が、開示される種々の回路又はその他の電気デバイスに割り当てられる場合があるが、そのような呼び名は、回路及びその他の電気デバイスに関する操作の範囲を限定する意図はない。このような回路及びその他の電気デバイスは、所望される電気的実装形態の特定のタイプに基づいて、いかなる方法でも、互いに及び/又は別々に組み合わされてよい。本明細書に開示のいずれかの回路又はその他の電気デバイスは、任意の数のマイクロコントローラ、グラフィック処理装置(Graphics Processor Unit:GPU)、集積回路、メモリデバイス(例えば、FLASH(登録商標)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、読取り専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、電気的プログラマブル読取り専用メモリ(Electrically Programmable Read Only Memory:EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory:EEPROM)、又はそれらのその他の好適な変形形態)、及び本明細書に開示の操作を実施するために互いに相互作用するソフトウェアを備えていてもよいことを理解されたい。加えて、電気デバイスのうちいずれか1つ又は複数は、開示するような機能の任意の数を実施するためにプログラムされた非一時的コンピュータ可読媒体で具現化されるプログラムコードを実行するように構成されてよい。
【0023】
以下、2つ以上のノードを含む通信システムを使用して無線で通信する技法について記載する。ノードは、送信機及び受信機を実装することができる。例えば、通信システムは、通信ネットワークと、該通信ネットワークに接続されるか、又は接続可能である場合があるUEとによって実現される場合がある。
【0024】
通信ネットワーク(又は、単純にネットワーク)は、無線ネットワークであってよい。簡潔さのために、様々なシナリオについて、セルラネットワークによる通信ネットワークの実装形態を基準にして以下に記載する。セルラネットワークは、複数のセルを含む。各セルは、全カバレッジエリアのうちの対応するサブエリアに相当する。他の例示的実装形態としては、電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)WLANネットワーク、MulteFireなどが挙げられる。
【0025】
以下、モデム、無線インターフェースを備えるUEによる信号の伝送を容易にする技法について記載するが、ここで、該無線インターフェースは、モデム、複数のアンテナポート、及び複数のアンテナパネルを備えるものである。一般に、モデムは、デジタルフロントエンド及びアナログフロントエンドを含むことがある。
【0026】
信号系列は、モデムによって無線周波数(Radio Frequency:RF)バンド、例えば、1GHz~40GHzの範囲で出力されてよい。一般に、信号系列は、複数の時間逐次的シンボルを含むことがあり、各シンボルは、いくつかのビットを符号化している。具体的には、モデムは複数のアンテナポートを含んでいる場合があるので、モデムは各アンテナポートを介して複数の信号系列を出力することが可能である。例えば、モデムは、アンテナポートごとに、複数の増幅器、及び移相器を含んでいてもよい。したがって、アンテナポートは、識別される参照信号を伴う論理エンティティであってよい。アンテナポートは、モデムによって規定され、物理的コネクタにマップされた論理エンティティであってよい。例えば、アンテナポートは、オープンシステムインターフェース(Open System Interface:OSI)モデルに従って物理層上に設定されてよい。アンテナポートを通して伝送されるシンボル及び系列は、無線リンクで同じ伝搬条件に従う。アンテナポートに関する詳細は、例えば、3GPP技術仕様書(Technical Specification:TS)36.211 V15.0.0(2017-12),section 5.2.1に記載されている。一般に、各アンテナパネルは、1つ又は複数のアンテナアレイを含むことがあり。各アンテナアレイは、互いに対して明確に画定された空間的配置で、複数のアンテナを含んでいてもよい。位相コヒーレント伝送は、アンテナアレイによって実現される場合がある。ここで、アレイの別個のアンテナに供給される各RF信号の位相及び振幅は、互いに対して規定されてよい。それによって、ビームフォーミングが可能になる。
【0027】
一般に、ビームフォーミングとは、RF信号の伝送に指向性を加える技法、すなわち、アンテナアレイの異なるアンテナによって伝送されるRF信号間の強め合いの干渉及び弱め合いの干渉を使用することによって、RFエネルギーが集束される好ましい方向を定めることができる技法を意味する。それに関して、ビームフォーミングは、空間多重化及び/又は空間ダイバーシチを促進し、それによって、伝送スループットが向上する。
【0028】
本明細書に記載の技法は、効率的かつ正確なビームマネージメントを促進する。一般に、ビームマネージメントとは、UEと通信ネットワークのアクセスノードとの間の通信のために、1つ又は複数の適切なビームを選択することに関連付けられた論理を意味する。UL通信の場合、UEで伝送ビームが選択されてよい。また、UL通信の場合、BSでの受信ビームの選択も可能である。DL通信の場合、UEで受信ビームが選択されてよい。また、BSでの伝送ビームの選択も可能である。
【0029】
UL通信のビームマネージメントの場合、UEは、1つ又は複数のUL参照信号系列を伝送してもよい。例示的UL参照信号系列とは、UL SRS系列であるが、これについては3GPP TS 36.211 V15.0.0 (2017-12), section 5.5.3、又は3GPP TS 38.211 V15.3.0, section 6.4.1.3.3を参照されたい。一般に、様々な種類とタイプのUL参照信号系列が使用される場合があるが、以下、簡潔さのために、種々の例については、SRS系列に関連して説明する。一般に、SRS系列とアンテナポートとの1対1マッピングが存在する場合がある。
【0030】
通信ネットワークは、UL SRS系列の受信特性、例えば、振幅、位相などを測定する場合がある。次いで、ネットワークは、UEからアクセスノードへの対応する物理伝送チャネルの品質を判定する場合があるが、ここで、該物理伝送チャネルは、UEにおける対応する伝送ビーム、及びUEから通信ネットワークのアクセスノード(Access Node:AN)への伝送経路(及び、概してANの受信ビーム)に関連付けられたものである。このようなプロセスは、概して、チャネルサウンディングと呼ばれる。さらに、ビームマネージメントは、チャネルサウンディングに基づくものである。
【0031】
以下、UEの電力消費の低減を促進する技法について記載する。本明細書に記載の技法は、効率的かつ正確なチャネルサウンディングを促進することができる。この技法により、信頼性が高く、かつ電力効率の良い伝送のために、適切なビームの選択が可能になる。ビームマネージメントは、所望に応じて調整され得る。
【0032】
種々の例によれば、これは、UEによって伝送されるSRS系列と、伝送に使用されるそれぞれのアンテナポート及び/又はアンテナパネルとの関連付けに関する情報を提供することによって実現される。
【0033】
このことにより、ビームマネージメントを実施する際のアンテナパネルのアクティブ化又は非アクティブ化を考慮に入れることが可能になる。例えば、第1アンテナパネルのアンテナアレイによって形成される1つ又は複数のビームを選択して、その結果、第2アンテナパネルが、非アクティブ化され得ることが考えられる。このようにして、UEの電力消費を低減することが可能である。
【0034】
一般に、SRS系列と、それぞれのアンテナポート及び/又はアンテナパネルとの関連付けに関する情報を提供するために有用な種々の選択肢が存在する。
【0035】
例えば、SRS系列とアンテナパネルとの関連付けに関するこのような情報は、旧版互換性を持つ方式で提供される。したがって、既存のプロトコル及び規格を再利用して、複雑さを低減することが可能である。
【0036】
さらなる例として、SRS系列とアンテナパネルとの関連付けに関するこのような情報は、暗黙の方式で提供されてもよい。したがって、明確なインジケータ又は別々の制御シグナリングを必要とせず、それにより、制御シグナリングオーバーヘッドを低減することが可能である。制御シグナリングオーバーヘッドの低減により、UEの電力効率が上がる。また、周波数帯のアクセスが減るため、全体的なデータスループットも向上する可能性がある。
【0037】
例えば、UEが、異なるアンテナポートに対して異なるUL SRS系列を用いることが考えられる。異なるアンテナポートを介してUL SRS系列の出力をすることによって、異なるビームが選択され得る。それに関して、異なるUL SRS系列の受信特性を考慮に入れることによって、異なるアンテナポートに関連付けられた物理伝送チャネル(及び伝送ビーム)間の品質の比較が行われる場合がある。したがって、SRS系列は、伝送に使用される対応するアンテナポートを示してもよい。
【0038】
UEが、異なるアンテナパネルに対して異なるSRS系列を用いることも考えられる。それに関して、異なるUL SRS系列の受信特性を考慮に入れることによって、異なるアンテナパネルに関連付けられた物理伝送チャネル間の品質の比較が行われる場合がある。したがって、SRS系列は、伝送に使用される対応するアンテナパネルを示してもよい。例えば、UL SRS系列がそれを介してその後伝送される特定のアンテナパネルに基づいて、複数の候補UL SRS系列から、UL SRS系列が選択されることが考えられる。
【0039】
概して、異なるアンテナパネル及びアンテナポートに対して異なるSRS系列を実装するのに有用な種々の選択肢が存在する。一選択肢では、異なるアンテナポート及びアンテナパネルに対して、SRS系列に関連付けられた異なるベース系列を選択することが考えられる。別の選択肢では、UL SRS系列は、ベース信号系列と、シフト信号系列と、に基づいて生成される場合があり、この際、異なるシフト信号系列が、異なるアンテナポート及びアンテナパネルに対して選択される。言い換えると、シフト信号系列は、アンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択されることが考えられる。言い換えると、かかる選択肢によれば、異なるアンテナパネルを介して伝送される異なるUL SRS系列に対して、同じベース信号系列が使用される場合があるが、異なるUL SRS系列に対して、異なるシフト信号系列が使用される場合がある。
【0040】
ANでは、受信した信号系列(例えば、SRS系列)を種々の候補シフト信号系列と比較することによって、UEで使用された特定のシフト信号系列を識別することが可能になり、次いで、ANは、UEにおいてSRS系列を伝送するために使用されたアンテナパネルを遡って推論することができる。続いて、ANは、この情報をビームマネージメントの一部として使用できる。例えば、ANは、SRS系列を伝送するために使用されたアンテナパネルに基づいて、そのUEにとって適切な伝送ビームを選択できる。例示的な比較は、受信した信号系列と、種々の候補シフト信号系列との相関の確認を含む。
【0041】
図1は、本明細書にて開示される技法によって効果を得ることができる無線通信システム100を概略的に示す。
【0042】
無線通信システム100は、セルラネットワーク(
図1に図示せず)のAN101及びUE102を含む。AN101は、セルラネットワークの一部であるので、以下、基地局(Base Station:BS)について言及する。他のタイプの通信システムでは、他のタイプのANが用いられてもよい。
【0043】
無線リンク111が、AN101とUE102との間で確立される。無線リンク111は、AN101からUE102への下りリンク(DownLink:DL)リンクを含み、さらに、UE102からAN101へのULリンクを含む。
【0044】
UE102は、スマートフォン、セルラ電話、タブレット、ノートブック、コンピュータ、スマートTV、MTCデバイス、eMTCデバイス、IoTデバイス、NB-IoTデバイス、センサー、アクチュエーターなどのうちの1つであってよい。
【0045】
図2は、BS101及びUE102をさらに詳細に示している。
【0046】
BS101は、プロセッサ5011、メモリ5015、及び無線インターフェース5012(
図2ではベースバンド/フロントエンドモジュール(Base Band / Front End Module:BB/FEM)と表示されている)を備え、制御回路を形成している。無線インターフェース5012は、アンテナアレイを形成している複数のアンテナ5019を含むアンテナパネル5013と、アンテナポート(
図2には図示せず)を介して、連結されている。
【0047】
メモリ5015は、不揮発性メモリであってもよい。メモリ5015は、プロセッサ5011によって実行可能なプログラムコードを記憶してもよい。プログラムコードを実行することによって、信号系列を受信することと、受信した信号系列と参照信号系列とを比較する(例えば、相関を確認する)ことと、ビームマネージメントに関与することと、に関連する技法をプロセッサ5011に実施させてよい。
【0048】
UE102は、プロセッサ5021、メモリ5025、及び無線インターフェース5022(
図2にではベースバンド/フロントエンドモジュール、BB/FEMと表示されている)を備え、制御回路を形成している。無線インターフェース5022は、アンテナポート(
図2には図示せず)を介して、複数のアンテナ5029を含むアンテナパネル5023と連結されている。
【0049】
メモリ5025は、不揮発性メモリであってもよい。メモリ5025は、プロセッサ5021によって実行可能なプログラムコードを記憶してもよい。プログラムコードを実行することによって、SRS系列150を生成するために無線インターフェース5022のモデムを制御することと、SRS系列150を伝送するためにモデムを制御することと、ビームマネージメントに関与することと、に関連する技法をプロセッサ5021に実施させてよい。
【0050】
図2のシナリオでは、UE102は、単一のアンテナパネル5023を備えているように図示されているが、概して、UE102は、複数のアンテナパネルを備えていてもよい。このようなシナリオを、
図3に示す。
【0051】
図3は、UE102の無線インターフェース5022に関する態様を示す。
図3に示すように、無線インターフェース5022は、3つのアンテナポート5031~5033を含むモデム5030を含む。アンテナポート5031~5033は、配線5035を介して、2つのアンテナパネル5023、5024と連結される。
【0052】
図3の例では、配線5035は、アンテナポート5031とパネル5023との間、アンテナポート5032とアンテナパネル5023との間、アンテナポート5033とアンテナパネル5023、5024との間の連結を画定している。一般に、任意選択でスイッチ5036が設けられ、これにより、アンテナポート5033から、アンテナパネル5023か、又はアンテナパネル5024のどちらかへ、RF信号出力をルーティングすることが可能である。
【0053】
一般に、配線5035は、異なるUE102の異なる無線インターフェース5022で、異なるように構成されることがある。このことは、SRS系列とアンテナパネルとの関連付けに関する情報を報告することによる利点が存在する可能性があることを見つけ出す動機となる。SRS系列の伝送に関するさらなる詳細について、
図4と共に説明する。
【0054】
図4は、無線リンク111でSRS系列を伝送するために使用される時間-周波数リソースエレメント161に関する態様を示している。
図4に示すように、時間-周波数グリッド160は、複数の時間-周波数リソースエレメント161を画定している。例えば、キャリア及び複数のサブキャリアを含み、かつシンボルのタイムスロットを画定する直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)技法が、このような時間-周波数グリッド160を画定するために使用される場合がある。
【0055】
時間-周波数グリッド160は、時間分割複信(Time Division Duplexing:TDD)、及び周波数分割複信(Frequency Division Duplexing:FDD)を容易にし、異なる時間-周波数リソースエレメント161で伝送される信号が干渉しない。
【0056】
時間-周波数リソースエレメント161のいくつかは、SRSを伝送するために使用される(
図4では、これらの時間-周波数リソースエレメント161は、黒色で塗りつぶされている)。例えば、BS101及びUE102には、SRSを伝送するために使用される特定の時間-周波数リソースエレメント161が取り決められている場合がある。
【0057】
とりわけ、時間-周波数リソースエレメント161の系列は、SRS系列を伝送するために使用される。SRS系列は、複数の逐次的時間-周波数リソースエレメント161(例えば、M個のリソースエレメント)を占める場合がある。
【0058】
一般に、TDD及びFDDに加えて、符号分割複信(Code Division Duplexing:CDD)を用いることも可能である。特に、CDDは、SRS系列を伝送するために用いられることがある。
【0059】
CDDを使用することによって、複数のアンテナポート5031~5033から発信されるSRS系列は、時間-周波数リソースエレメント161を共有することができる。これにより、周波数帯利用率の向上が可能である。(
図4は、簡潔さのために、共通時間-周波数リソースグリッド160を示しているが、動作可能な実装形態は、時々、OFDM逆フーリエ変換操作の前に、時間-周波数リソースグリッドの個別の定義を含む場合があることに留意されたい)。これより、CDDに関する詳細について説明する。
【0060】
SRS系列は、長さMのZadoff-Chu系列s=[s1 s2…sM]によって実装される場合がある。ここで、Mは、12から1000又はそれ以上まで可変である。さらに、SRS系列は、特定のアンテナポートkに関連付けられ、かつ最大L個のアンテナポートが許容されるので、kは、1から最大L個までの範囲である。アンテナポートk=1…Lから伝送されるSRS系列150 xkは、下記式に従って形成される。
【0061】
xk=[xk1 xk2…xkM] (1)
【0062】
ここで、
xkm=smfkm (2)
fkm=exp(iφk(m-1)/M) 及び、 (3)
【0063】
【0064】
つまり、異なるアンテナポートから送信される異なるSRS系列は、同じベース系列s(場合により、ルート系列とも呼ばれる)を共有するが、それらは、要素ごとに異なる数{fkm}によって乗算されるので(式(2)を参照)、異なるものである。φkは、サイクリックシフトと呼ばれることもある。
【0065】
ベクトルfk、
fk=[fk1 fk2…fkM] (5)
は、いわゆるシフト信号系列に相当する。信号理論によれば、ベクトルfkは、ベース系列の離散フーリエ変換を定義付ける(式(3)を参照)。したがって、時間ドメインにおいて、これはシフトに相当する。
【0066】
上記は、CDDを使用する時間-周波数グリッド160で重複する異なるアンテナポートからのSRS系列の伝送を容易にする。したがって、特定の時間-周波数リソースエレメント161において、{1…M}からのmでインデックス付けされ、伝送される信号は、x1m+x2m+x3m+x4m+…XLmとなる。またMは、ベース系列smの長さである(式(1)を参照)。
【0067】
異なるアンテナポートからのSRS系列は、時間-周波数グリッド160で重複するが、それらは、シフト信号系列の乗法定数{fkm}が、直交系列を形成する(すなわち、fkfl
H=0、k≠l)ので、BS101で別々にすることができる。M個の直交ベクトルfk、すなわち、それらから選択されることになるM個の候補シフト信号系列が存在する。
【0068】
種々の例によれば、既定/固定のベース信号系列と、候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列と、に基づいて、SRS系列を生成することが可能である。具体的には、所与のSRS系列のシフト信号系列は、所与のSRS系列がそれを介して伝送されることになる対応するアンテナポート及び対応するアンテナパネルに基づいて、候補シフト信号系列から選択される場合がある。
【0069】
このために、新しいインデックスnが、全候補シフト信号系列を表すために使用される。
【0070】
fk→fn (6)
【0071】
【0072】
例えば、アンテナポートとアンテナパネルとの間の可能な連結の総数を、
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
アンテナポートと、アンテナパネルとの両方に基づく適切なシフト信号系列の選択についても、
図5及び
図6と共に説明する。
【0077】
図5は、種々の例による方法のフロー図である。
図5の方法は、UE、例えば、
図1及び
図2によるUE102によって実行される場合がある。より詳細には、
図5は、UE102の無線インターフェース5022のモデム5030によって実行される場合がある。
【0078】
ブロック1001で、SRS系列は、ベース信号系列と、シフト信号系列と、に基づいて生成され、この際、該シフト信号系列は、複数の候補シフト信号系列から選択される。
【0079】
ブロック1002で、生成されたSRS系列は、UEの複数のアンテナポートのアンテナポートを介して、かつUEの複数のアンテナパネルのアンテナパネルを介して伝送される。
【0080】
ブロック1001では、シフト信号系列は、ブロック1002でSRS系列がそれを介して伝送される特定のアンテナポート及び特定のアンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。
【0081】
このことにより、SRS系列は、アンテナポート及びアンテナパネルを暗黙に示す。このことにより、受信側のBSは、アンテナポート及びアンテナパネルを遡って推論することができる。受信側のBSは、この情報をビームマネージメントを実施するために使用してよい。対応する技法について、
図6と共に説明する。
【0082】
図6は、種々の例による方法のフロー図である。
図6の方法は、BS、例えば、
図1及び
図2によるBS101によって実行される場合がある。より詳細には、
図6は、BS101の無線インターフェース5012及び/又はプロセッサ5011によって実行される場合がある。
【0083】
ブロック1011で、例えばUEからの信号系列が受信される。例えば、信号系列は、SRS系列の伝送のために割り当てられた時間-周波数リソースグリッドの1つ又は複数のリソースエレメントで受信される場合がある(
図4を参照)。
【0084】
次いで、ブロック1012で、ブロック1011で受信された信号系列は、1つ又は複数の候補シフト信号系列との相関を確認される。時間ドメインでの相関の確認が用いられる。他のタイプの比較も可能である。
【0085】
次いで、ブロック1013で、ブロック1012の相関の確認に基づいて、アンテナパネル及びアンテナポートが判断される。例えば、相関最大値が識別されてよい。続いて、相関最大値は、UEで使用されたシフト信号系列に対応し、それゆえ、シフト信号系列に基づいて、BSは、UEによって用いられた特定のアンテナポート及びアンテナパネルを遡って推論することができる。
【0086】
SRS系列を伝送するためにUEによって用いられた特定のアンテナポート及びアンテナパネルを遡って推論するためにBSによって使用される、(i)アンテナポート及びアンテナパネルと、(ii)候補シフト信号系列との関連付けは、既定のマッピングによって実施される場合がある。マッピングは、UEとネットワークとの間で同期されることが考えられる。UEは、マッピングを使用して、アンテナポート及びアンテナパネルに応じて、複数の候補シフト信号系列から適切なシフト信号系列を選択してもよい。このようなマッピングに関する詳細について、
図7及び
図8と共に説明する。
【0087】
図7は、(i)複数のアンテナパネル内の複数のアンテナポートと、(ii)対応するシフト信号系列とのマッピング701に関する態様を示している。異なる候補シフト系列が、異なるアンテナパネル及びアンテナポートに関連付けられている。
【0088】
図7に示すように、全てのアンテナポートが、各アンテナパネルを介して伝送する場合があるというわけではなく、例えば、「X」と表示されているアンテナポート(
図3のアンテナポート5031に対応する)は、「A」と表示されているアンテナパネル(
図3のアンテナパネル5023に対応する)、「B」(
図3のアンテナパネル5024に対応する)、「C」を介して伝送するが、「D」及び「E」と表示されているアンテナパネルを介しては伝送しない場合がある。このような制限は、モデム5030とアンテナパネル5023、5024との間の配線5035によって課される(
図3を参照)。したがって、マッピング701は、配線5035に対応する。
【0089】
マッピング701は、シフト信号系列に基づいてSRS系列を生成するときに、UE102によって用いられてよく、シフト信号系列は、使用されることになる特定のアンテナパネル及びアンテナポートに基づいてマッピング701によって識別される候補シフト信号系列から選択される場合がある(
図5のブロック1001参照)。
【0090】
マッピング701はまた、アンテナパネル及びアンテナポートを判断する際に、BS101によって使用されてもよく、BS101は、受信した信号系列と、マッピング701によって示されている候補シフト信号系列のうち少なくともいくつかとの相関の確認を実施することができ(
図6のブロック1013を参照)、次いで、マッピングに基づいて、相関最大値を生成するのに関連した候補シフト信号系列に関連付けられたアンテナパネル及びアンテナポートを判断する。
【0091】
UE102及びBS101は、同じマッピング701を使用する必要がある。そのようなものとして、マッピング701は、例えば、UE102と、BS101との両方の操作がそれに応じる規格に従って予め定められることが考えられる。代替又は追加として、マッピング701は、例えば、制御シグナリングを使用して、BS101とUE102との間で同期されることが考えられる。
【0092】
図7の例に従って全てのアンテナポートとアンテナパネルとのペアに対応するためには、7個の候補シフト信号系列を提供することが必要とされる。その際、M>7であり、これは実行可能である(式9を参照)。時々、利用可能な直交候補シフト信号系列の数Mは制限される(式(3)を参照)。例えば、ベース系列の長さを減らすことによって、利用可能な直交候補シフト信号系列の数を減らし、それによってSRS系列伝送に必要とされるシグナリングオーバーヘッドを低減する傾向がある場合がある。より短いベース系列は、SRS系列伝送のために確保されることになる時間-周波数リソースエレメント161の低減をもたらす。それゆえに、(i)複数のアンテナポート及び複数のアンテナパネルと、(ii)候補シフト信号系列との可能な全てのペアに対応するために利用可能な候補シフト信号系列が不足するといった状況が発生する可能性がある。
【0093】
そのような状況を軽減するために、非アクティブ化されるアンテナパネル及び非アクティブ化されるアンテナポートを考慮に入れてマッピングを決定することが可能である。このようなシナリオを、
図8に示す。
【0094】
図8は、(i)複数のアンテナポート及び複数のアンテナパネルと、(ii)対応するシフト信号系列とのマッピング702に関する態様を示している。
図8の例によるマッピング702は、概して、
図7の例によるマッピング701に対応する。
【0095】
図8の例では、マッピング702は、アクティブ化されるアンテナポート「X」及び「Z」のみに基づいて決定されている。アンテナポート「Y」は、非アクティブ化されるので、マッピング702から削除される。それによって、必要とされる候補シフト信号系列の数は、5個に減らすことができる。このようにして、Mの大きさは緩和される(式(9)を参照)。制御シグナリングオーバーヘッドは、SRS系列の伝送に対して、時間-周波数リソースエレメントのより短い系列を割り当てることによって低減することができる。
【0096】
必要な候補シフト信号系列の数を減らすことの代替又は追加として、より多数の候補シフト信号系列が本質的に利用可能となるように、別の手段によってベース系列の長さを増加させることができる。したがって、Mは増加される場合がある。このような技法について、
図9と共に説明する。
【0097】
図9は、種々の例による方法のフロー図である。
図9は、(i)複数のアンテナパネルの複数のアンテナポートと、(ii)対応する候補シフト信号系列とのマッピング701、702の決定に関する態様を説明するものである。例えば、
図9の方法は、UEで完全に又は部分的に実行されてよい。
図9の方法は、BSで完全に又は部分的に実行されることも考えられる。
【0098】
ブロック1021で、アクティブなアンテナポートが決定される。言い換えると、非アクティブ化されるアンテナポートが決定される。例えば、非アクティブ化されるポートは、運転停止状態又はスリープ状態であってもよく、この際、非アクティブ化されるアンテナポートを介して、RF信号を出力することはできない。
【0099】
ブロック1022で、アクティブなアンテナパネルが決定される。言い換えると、非アクティブ化されるアンテナパネルが決定される。例えば、非アクティブ化されるアンテナパネルは、運転停止状態又はスリープ状態であってもよく、この際、RF信号の伝送は起こり得ない。
【0100】
ブロック1023で、アンテナパネルとアンテナポートとの配線の連結が決定される(
図3を参照)。具体的には、アクティブなアンテナパネルと、アクティブなアンテナポートとの配線の連結は、ブロック1021及び1022の結果に基づいて決定される。
【0101】
次に、ブロック1024で、マッピングが決定される。このことは、アクティブなアンテナポートと、アクティブなアンテナパネルとの配線の連結に基づく場合がある。具体的には、ブロック1023による連結によって可能なアクティブなアンテナパネルとアクティブなアンテナポートとのペアの各々に、対応する候補シフト信号系列を割り当てることが考えられる。
【0102】
次いで、ブロック1025で、必要とされる候補シフト信号系列の数に基づいて、ベース信号系列の長さを決定することが可能である。ベース信号系列の長さは、全ての必要とされる候補シフト信号系列に対応するのに充分ではあるが、シグナリングオーバーヘッドを抑えるために可能な限り短い長さとなるように選択することができる。
【0103】
【0104】
したがって、一般に、アンテナポートの数及び/又はアンテナパネルの数、ならびに/あるいはアンテナポートとアンテナパネルとの間の連結に応じて、ベース信号系列の長さを選択することが可能である。例えば、ベース系列の長さは、M>Tとなるように選択されてよい(式(8A)を参照)。つまり、ベース系列の長さは、アンテナポートとアンテナパネルとの間の可能な全ての連結に対して、特定の目的のためのシフト信号系列が利用可能であり、かつシフト信号系列のペアごとの直交性は維持されるように選択することができる。
【0105】
任意選択で、アンテナパネルのアクティベーション状態及び/又はアンテナポートのアクティベーション状態を考慮に入れることができる。例えば、式(8A)では、合計は、アクティブ化される全てのアンテナポートでのみ行われてよい。
【0106】
図10は、BS101とUE102との間の通信のシグナリング図である。
【0107】
4500で、DL制御信号152が、BS101によって伝送され、UE102によって受信される。例えば、対応するインジケータ又は情報フィールドを含む無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)DL制御情報メッセージが、4500で通信されてよい。DL制御信号は、アンテナポート5031~5033と、アンテナパネル5023、5024との両方に応じて、シフト信号系列の選択が、行われるかどうかを示す。一例を挙げると、DL制御信号は、2つ以上の値をとる。第1の値は、アンテナポートのみに応じて(ただし、アンテナパネルには応じない)、複数の候補シフト信号系列からシフト信号系列が選択されることを示す場合があり、第2の値は、アンテナポートとアンテナパネルとの両方に応じて、複数の候補シフト信号系列からシフト信号系列が選択されることを示す場合がある。(任意選択で)第3の値は、アンテナパネルのみに応じて(ただし、アンテナポートには応じない)、複数の候補シフト信号系列からシフト信号系列が選択されることを示す場合がある。
【0108】
図10の例では、DL制御信号152は、複数の候補シフト信号系列からのシフト信号系列の選択が、アンテナポートとアンテナパネルとの両方によって決まることを示している。
【0109】
図10の例では、DL制御信号152は、伝送されるが(したがって、SRS系列の構成に対する決定論理は、BS101に位置する)、他の例では、対応する決定論理は、UE102に常駐するものであってもよく、UL制御信号は、UE102によって伝送されて、BS101によって受信されてもよい。
【0110】
さらに、
図10のシナリオでは、アンテナポート5031~5033と、アンテナパネル5023、5024との両方に応じてシフト信号系列の選択が行われるかどうかを示すために、明確なインジケータが使用されるが、別の例では、より暗黙のインジケーションが、実装されてもよい。例えば、SRS系列がどのように使用されるか(例えば、ビームマネージメント、コードブック向けのULチャネルサウンディング情報取得、非コードブック向けのULチャネルサウンディング情報取得、DLチャネルサウンディング情報取得など向けに)を定義するパラメータが再利用されてよく、この場合に、該パラメータが、ビームマネージメントを定義し、アンテナポートとアンテナパネルとの両方に応じる複数の候補シフト信号系列からのシフト信号系列の選択が行われ得る。
【0111】
4501で、UE102は、BS101に構成制御メッセージ151を伝送する。例えば、構成制御メッセージ151は、アンテナポートの数、アンテナパネルの数、アクティブ化されるアンテナポートの数、アクティブ化されるアンテナパネルの数、非アクティブ化されるアンテナポートの数、非アクティブ化されるアンテナパネルの数のうち最少の1つ、及びアンテナポートとアンテナパネルとの配線などを示してもよい。
【0112】
構成制御メッセージ151に含まれている情報に基づいて、BS101とUE102との両方は、適切なマッピング701、702を決定することが可能である。それに関して、マッピング701、702は、UE102とBS101との間で同期される場合がある。
【0113】
図10の例では、BS101とUE102との両方でマッピングを決定することを可能にする暗黙の情報が、構成制御メッセージ151の一部として伝送されるが、他の例では、適用可能なマッピング701、702に関するより明確な情報が、UE102とBS101との間で通信されることも考えられる。例えば、特定のマッピングが、コードブックから選択されてもよい。
【0114】
続いて、4502~4504で、複数のSRS系列150が、UE102によって伝送されて、BS101によって受信される。SRS系列150は、CDDを使用して(
図10には図示せず)共有時間-周波数リソースエレメント161で伝送され、これは、異なるシフト信号系列を用いることによって実現される。シフト信号系列の差異は、SRS系列の特定のアンテナポート及びアンテナパネルに応じて複数の候補シフト信号系列から選択される。このために、構成制御メッセージ151の情報コンテンツに基づいて決定されたマッピング701、702が用いられる。また、BS101は、マッピング701、702を用いて、それぞれのSRS系列を伝送するために使用された特定のアンテナポートとアンテナパネルとのペアを判断する。
【0115】
マッピング701、702をどのように利用するかに関する詳細について、以下、
図11及び
図12と共に説明する。
【0116】
図11は、種々の例による方法のフロー図である。
図11の方法は、UE、例えば、
図1又は
図2によるUE102によって実行される場合がある。
図11の方法は、複数のSRS系列150の生成に関する態様を説明するものである。例えば、
図11の方法は、
図5による方法のブロック1001の一部として実行される場合がある。
【0117】
最初に、ブロック1031で、対応するSRS系列150が生成される必要がある、1つ又は複数のアクティブ化されるアンテナポートが残っているかどうかがチェックされる。イエスの場合、ブロック1032で、残りのアクティブなアンテナポートのうち目下のアンテナポートが選択される。
【0118】
次に、ブロック1033で、候補シフト信号系列のサブセットが、利用可能な全ての候補シフト信号系列から決定されるが、該利用可能な候補シフト信号系列は、対応するマッピング701、702によって定められる(このマッピング701、702は、任意選択で、順番に、ベース信号系列の長さによって決定される、及び/又はBS101と同期される場合がある)。
【0119】
サブセットは、対応するアンテナポートに関連付けられる。サブセットは、特定のアンテナポートに対する利用可能なアンテナパネルの数に対応する大きさを有する(例えば、
図7及び
図8を参照すると、ポート「X」に関連付けられた候補シフト系列のサブセットは、n={1,2,3}である)。これは、配線5035(
図3を参照)を考慮に入れる場合があるが、簡単なシナリオでは、対応するアンテナポートによる伝送のために、全てのアンテナパネルが使用可能であることが想定される場合がある。
【0120】
次に、1034では、SRS系列150の生成に使用されることになる特定のシフト信号系列は、対応するアンテナパネルに基づいてサブセットから選択される(例えば、
図7及び
図8を参照すると、パネル「B」が使用される場合、サブセットn={1,2,3}からn=2が選択される)。
【0121】
次いで、ブロック1035で、SRS系列は、選択されたシフト信号系列とベース信号系列との要素ごとの乗算によって生成される(式(2)を参照)。
【0122】
次に、ブロック1031が、次の繰り返しで、再実行される。対応するSRS系列150が生成される必要があるアクティブなポートが残っていない場合、方法は、ブロック1036で終了する。
【0123】
図11の方法の操作は、P個の全てのアンテナパネルが、L個の全てのアンテナポートに連結されている、すなわち、LとPとの間の配線が存在するシナリオに関して、さらに説明され得る。ここで、L*Pシフト信号系列は、可能な全てのアンテナポートとアンテナパネルとのペアに対応することが必要とされる(式(8)を参照)。したがって、ベクトルf
n(式(3)及び(6)を参照)によって表される、L*P候補シフト信号系列の数が必要とされる。すなわちφ
n=(n-1)π/(L*P)である。やはり、この場合も、インデックスnは、ある特定のアンテナポートkとアンテナパネルpとのペアに対応する。例えば、nは、n=L*(p-1)+k-1によって導き出されてよい。このシナリオでは、L*Pの候補シフト信号系列が、L個のサブセットに割り当てられる場合があり、各サブセットは、P個のベクトルを含む。次に、アンテナポートk及びパネルpを介して伝送されるSRS系列には、k番目のサブセットからp番目のベクトルが選択される。
【0124】
図12は、種々の例による方法のフロー図である。
図12の方法は、BS、例えば、
図1又は
図2によるBS101によって実行される場合がある。
図12の方法と、
図11の方法は互いに関連する。
図12の方法は、BSによって受信されるSRS系列150を発信したアンテナポート及びアンテナパネルの判断に関する態様を説明するものである。例えば、
図12の方法は、
図6による方法のブロック1012及び1013の一部として実行される場合がある。
【0125】
図12では、BS101は、一連の時間-周波数リソースで、複数の符号多重化されたSRS系列を含む信号系列を受信する。SRS系列の各々は、複数のアンテナポートの特定のアンテナポートに対応する。
【0126】
最初に、ブロック1041で、チェックすべきUEの別のアクティブなアンテナポートが残っているかどうかがチェックされる。ブロック1041は、複数回の繰り返しの外側ループ1099に関連付けられており、ここで、外側ループ1099の各繰り返しは、符号多重化されたSRS系列のうち特定の1つに対応する。
【0127】
ブロック1041のチェックでイエスとなった場合、ブロック1042で、目下のアンテナポートが選択される。
【0128】
ブロック1043で、全ての候補シフト信号系列のサブセットは、ブロック1042で選択された目下のアンテナポートに基づいて決定される。ここで、事前に決定されたマッピング701、702が、考慮に入れられる場合がある。目下のアンテナポートに関連付けられている全ての候補シフト信号系列は、サブセットに含まれている場合がある。
【0129】
次いで、ブロック1044で、ブロック1043で決定された候補シフト信号系列のサブセットに対してチェックすべき別の候補シフト信号系列が残っているかどうかがチェックされる。ブロック1044は、複数回の繰り返しの内側ループ1098に関連付けられている。
【0130】
イエスの場合、ブロック1045で、サブセットから目下の候補シフト信号系列が選択され、ブロック1046で、目下の候補シフト信号系列と、受信された信号系列との相関の確認が実施される。相関の大きさは、記憶される場合がある。次いで、ブロック1044は、内側ループ1098の次の繰り返しで、再実行される。
【0131】
ブロック1044で、目下のポートに対して、チェックすべき別の候補シフト信号系列がないと判断される場合、方法は、ブロック1047で始まる。ここで、外側ループ1099の目下の繰り返しに関連付けられているSRS系列を生成するためにUEで使用されたシフト信号系列は、内側ループ1098で繰り返される全ての相関の確認の最大値に基づいて判断される。
【0132】
次いで、マッピング701、702に基づいて、目下のSRS系列を伝送するためにUEによって使用されたアンテナパネル及びアンテナポートを遡って推論することができる。
【0133】
次いで、ブロック1041が再実行される。すなわち、さらなるアンテナポートを考慮する必要があるかどうか、すなわち、さらなるSRS系列を識別する必要があるかどうかがチェックされる。イエスの場合、ブロック1042で、次のアンテナポートが選択され、外側ループ1099の次の繰り返しが開始される。そうでない場合、方法はブロック1049で終了する。
【0134】
図12の方法の操作は、P個の全てのアンテナパネルが、L個の全てのアンテナポートに連結されているシナリオに関して、さらに説明され得る。アンテナポートk=1..Lごとに、(i)受信した信号系列と、サブセットk内のP個の候補シフト信号系列との相関の確認(ブロック1045、1046参照)、(ii)上記相関値の最大値の判断(ブロック1047を参照)、及び、(iii)最大値が上記サブセット内のp番目の候補シフト信号系列に対応する場合、アンテナポートkがアンテナパネルpでそのSRS系列を伝送するかどうかの判断、を行う。
【0135】
要約すると、SRS系列が、どのアンテナパネル及びアンテナポートから伝送されたかを示すことを容易にする技法について説明した。参考実装形態では、受信された信号系列は、L個の候補シフト信号系列との相関を確認されるが、候補シフト信号系列の各々は、1つのアンテナポートに対応する。本明細書に記載の例によれば、伝送のために使用されたアンテナポートに関する情報に対応するために、受信される信号系列は、最大L*P個の候補シフト信号系列との相関を確認され、それにより、アンテナパネルに関する追加の情報に対応することが可能である。
【0136】
簡単な例:3ビットワードが、8個の異なるステートを搬送する。参考実装形態では、最初の2ビット(4ステート)のみが、使用されるアンテナポートを示し、各例に従って、3番目のビットは、使用されるアンテナパネルを示すために使用される。
【0137】
種々の技法は、フラットチャネルフェージングのために、すなわち、SRS系列のM個の全てのシンボルが全く同じチャネルを経験するチャネルのために、使用されるシフト信号系列が互いに直交している限り、種々の符号多重化されたSRS系列間の受信側での識別における誤差性能が良好であることを見いだすことに基づいている。しかし、選択的なチャネルの場合、DFTベクトルfnによるシフト信号系列のペアごとの直交性の仮定が有効でないために、誤差性能は低下する可能性がある。アンテナパネルに関する情報に対応するために、より多くの候補シフト信号系列を使用することによって、互いに直交していないシフト信号系列のペアをもたらす可能性が上がる。
【0138】
種々の技法は、さらに、実用的な通信システムにおいて、そのような非直交シフト信号系列によって、著しい制限が課されることがないことを見つけ出すことに基づいている。第1に、ミリ波チャネルが指向性があることが見いだされており、したがって、サブ6GHzチャネルほど周波数選択性は厳しいものではない。第2に、典型的には、パネルの数は、概ね2個又は3個とそれほど多くはない。したがって、L*Pは、小さいままである(式(8)を参照)。第3に、SRS系列は、周波数ドメインで部分的に、かつ時間ドメインで部分的に伝送される。時間ドメインでは、チャネルの選択性はほとんどない。
【0139】
【0140】
さらに、多くの場合、チャネルには、ハードウェアで利用可能なL個の全てのアンテナポートを使用できるわけではない。アクティブ化されるポートが少ない場合(かつ、一部のアンテナポートが非アクティブ化される場合)、候補シフト信号系列は、非アクティブ化されるアンテナポートに対しては供給されない可能性がある。その代わりに、利用可能な候補シフト信号系列が、アクティブ化されるアンテナポート及びアクティブ化されるアンテナパネルに対してのみマップされる場合がある(
図8を参照)。
【0141】
説明してきた例を以下に要約する。
例1
無線通信デバイス(102)を操作する方法であって、
‐ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて、参照信号系列(150)を生成することと(1001)、
‐無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031-5033)のアンテナポート(5031-5033)を介して、かつ無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)を介して、参照信号系列(150)を伝送することと(1002)を含み、
当該シフト信号系列は、参照信号系列(150)を伝送するために使用されるアンテナポート(5031-5033)及びアンテナパネル(5023、5024)に応じて複数の候補シフト信号系列から選択される、方法。
例2
‐アンテナポート(5031-5033)に基づいて、複数の候補シフト信号系列から候補シフト信号系列のサブセットを選択することと、
アンテナパネル(5023、5024)に基づいて、候補シフト信号系列のサブセットからシフト信号系列を選択することとをさらに含む、例1の方法。
例3
‐複数のアンテナポート(5031-5033)の数、又は、複数のアンテナパネル(5023、5024)の数のうち少なくとも1つ、あるいは、複数のアンテナポート(5031から5033)と複数のアンテナパネル(5023、5024)との連結に応じて、ベース信号系列の長さを選択することをさらに含む、例1又は例2の方法。
例4
シフト信号系列は、(i)複数のアンテナポート(5031-5033)及び複数のアンテナパネル(5023、5024)と、(ii)複数の候補シフト信号系列とのマッピング(701、702)に基づいて、複数の候補シフト信号系列から選択される、例1~例3のいずれか1つの方法。
例5
マッピング(701、702)は、アクセスノード(101)と無線通信デバイス(102)との間で予め定められるか、又は、同期される、例4の方法。
例6
‐複数のアンテナパネル(5023、5024)の1つ又は複数のアクティブなアンテナパネル(5023、5024)、あるいはアクティブなアンテナポート(5031から5033)に基づいてマッピング(701、702)を決定することをさらに含む、例4又は例5の方法。
例7
‐アンテナポート(5031)及びアンテナパネル(5023、5024)に応じた複数の候補シフト信号系列からのシフト信号系列の選択が行われるかどうかを示す制御信号(152)を通信することをさらに含む、例1~例6のいずれか1つの方法。
例8
通信ネットワークのアクセスノード(101)を操作する方法であって、
‐無線通信デバイス(102)から信号系列を受信することと(1011)、
‐信号系列を、複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較することであって(1012)、候補シフト信号系列の各々は、無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)、及び無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031-5033)のアンテナポート(5031-5033)に関連付けられている、比較することと、
‐上記比較することに基づいて、アンテナパネル(5023、5024)及びアンテナポート(5031-5033)を判断することと(1013)を含む、方法。
例9
上記比較することは、複数のアンテナポート(5031-5033)の各アンテナポート(5031から5033)について、
‐対応するアンテナポート(5031-5033)に基づいて、複数の候補シフト信号系列から候補シフト信号系列のサブセットを選択することと、
‐信号系列と、対応するサブセットの候補シフト信号系列とを比較することとを含む、例8の方法。
例10
アンテナパネル(5023、5024)及びアンテナポート(5031-5033)は、(i)複数のアンテナポート(5031-5033)及び複数のアンテナパネル(5023、5024)と、(ii)複数の候補シフト信号系列とのマッピング(701、702)に基づいてさらに判断される、例8又は例9の方法。
例11
マッピング(701、702)は、アクセスノード(101)と無線通信デバイス(102)との間で予め定められるか、又は、同期される、例10の方法。
例12
‐複数のアンテナパネル(5023、5024)の1つ又は複数のアクティブなアンテナパネル(5023、5024)、あるいはアクティブなアンテナポート(5031-5033)に基づいてマッピング(701、702)を決定することをさらに含む、例10又は例11の方法。
例13
制御回路(5021、5022、5025)を備える無線通信デバイス(102)であって、該制御回路は、
‐ベース信号系列と、複数の候補シフト信号系列から選択されたシフト信号系列とに基づいて、参照信号系列(150)を生成し、
‐無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031から5033)のアンテナポート(5031-5033)を介して、かつ無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)を介して、参照信号系列(150)を伝送するように構成され、
当該シフト信号系列は、参照信号系列(150)を伝送するために使用されるアンテナポート(5031から5033)及びアンテナパネル(5023、5024)に応じて複数の候補シフト信号系列から選択される、無線通信デバイス。
例14
制御回路(5021、5022、5025)は、例1~7のいずれか1つの方法を実行するように構成される、例12の無線通信デバイス(102)。
例15
通信ネットワークのアクセスノード(101)であって、該アクセスノード(101)は、制御回路(5011、5012、5015)を備え、該制御回路は、
‐無線通信デバイス(102)から信号系列を受信し、
‐信号系列を、複数の候補シフト信号系列の候補シフト信号系列と比較し、候補シフト信号系列の各々は、無線通信デバイス(102)の複数のアンテナパネル(5023、5024)のアンテナパネル(5023、5024)、及び無線通信デバイス(102)の複数のアンテナポート(5031-5033)のアンテナポート(5031-5033)に関連付けられており、
‐上記比較に基づいて、アンテナパネル(5023、5024)及びアンテナポート(5031-5033)を判断するように構成される、アクセスノード。
例16
制御回路(5011、5012、5015)は、例8~例12のいずれか1つの方法を実行するように構成される、例14のアクセスノード(101)。
【0142】
本発明をある種の好ましい実施形態に関して示し、記載したが、本明細書を読み理解した上で、等価物及び変更が当業者により行われよう。本発明は、かかる等価物及び変更を全て含み、かつ添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0143】
例えば、種々の例について、SRS系列に関して説明したが、類似の技法もまた、他の種類及びタイプの参照信号、例えば、DL参照信号又はサイドリンク参照信号に用いられてもよい。
【国際調査報告】