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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】砲身取付器及び機関砲
(51)【国際特許分類】
   F41A 25/00 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
F41A25/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540175
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2019084795
(87)【国際公開番号】W WO2020143985
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】102019100579.5
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505190046
【氏名又は名称】ラインメタル バッフェ ムニツィオン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン シュビーガー
(72)【発明者】
【氏名】ベルトルト バウマン
(72)【発明者】
【氏名】リューディガー ボルヒェルト
(57)【要約】
本発明は、砲身(1)を支持するための少なくとも1つの砲身軸受(5、6)を有する架台(2)と、砲身(1)と連結可能な銃尾端部(3)と、を備える、砲身(1)のための砲身取付器に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砲身(1)のための砲身取付器であって、
前記砲身(1)を支持するための少なくとも1つの砲身軸受(5、6)を有する架台(2)と、
前記砲身(1)と連結可能な銃尾端部(3)と、を備え、
前記架台(2)と前記銃尾端部(3)とは、前記銃尾端部(3)を径方向に支持する少なくとも1つのガイド(8.1、8.2、8.3)によって、互いに分離可能に連結されていることを特徴とする、砲身取付器。
【請求項2】
前記架台(2)と前記銃尾端部(3)とは、少なくとも1つの前記ガイド(8.1、8.2、8.3)によって軸方向(A)に移動可能に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の砲身取付器。
【請求項3】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、少なくとも1つの前記砲身軸受(5、6)の径方向において、前記架台(2)と前記銃尾端部(3)とを互いに位置決めすることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の砲身取付器。
【請求項4】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、前記架台(2)に固定され、前記架台(2)と共に前記銃尾端部(3)に対して軸方向(A)に移動可能とされている、又は、前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、前記銃尾端部(3)に固定され、前記銃尾端部(3)と共に前記架台(2)に対して軸方向(A)に移動可能とされていることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項5】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、2つのガイド要素(15.1、15.2)と、前記架台(2)又は前記銃尾端部(3)において、前記ガイド要素(15.1、15.2)の片側を移動可能に受け止めるための2つの対応する形状の凹部(14.1、14.2)と、を備えることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項6】
2つの前記ガイド要素(15.1、15.2)の位置は、上下方向に調整可能とされていることを特徴とする、請求項5に記載の砲身取付器。
【請求項7】
一方の前記ガイド要素(15.1、15.2)の位置は、左右方向に調節可能とされ、他方の前記ガイド要素(15.1、15.2)は、少なくとも1つの前記凹部(14.1、14.2)において、左右方向にクリアランス(11)を有することを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の砲身取付器。
【請求項8】
前記ガイド(8.3)は、前記銃尾端部(3)を支持するために前記架台(2)の下方側に配置されたガイド部材(12)を有することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項9】
前記架台(2)は、前記銃尾端部(3)を前記ガイド(8.1、8.2、8.3)に対して圧縮する押圧装置(13)、特に、ばね負荷されたカムを有することを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の前記砲身取付器と、前記銃尾端部(3)と連結された少なくとも1つの前記砲身(1)と、を備える機関砲。
【請求項11】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、前記砲身(1)と後部砲身軸受(6)との間に径方向クリアランス(10)が形成されるように、前記銃尾端部(3)と前記架台(2)とを互いに径方向に位置決めすることを特徴とする、請求項10に記載の機関砲。
【請求項12】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)の径方向支持長さ(9)は、発射された砲弾が前記砲身(1)を離れるまで後退する質量の後退経路と少なくとも等しい長さであることを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の機関砲。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砲身を支持するための少なくとも1つの砲身軸受を有する架台と、砲身と連結可能な銃尾端部と、を備える、特に大口径兵器の砲身のための砲身取付器に関する。
【0002】
さらに本出願は、少なくとも1つのこの種の砲身取付器と、銃尾端部と連結された少なくとも1つの砲身と、を備える、機関砲、特に大口径兵器に関する。
【背景技術】
【0003】
砲身は、通常、銃尾及び砲身の後退を許容するために架台内に支持されている。支持部は、通常は、滑り軸受ブッシュとして構成されている。この軸受は、兵器システムのための高い精度を実現できるように可能な限り少ないクリアランスで形成される必要がある。しかしながら、発射の間に発生する砲内圧力から生じる砲身の熱膨張と拡張とによって、わずかな軸受のクリアランスが必要とされる。この軸受のクリアランスは、砲身は、通常は、自重で砲身の下方側だけが軸受に支持されていることを意味する。発射されると、砲身はガス圧によって拡張する。この場合に、砲身の中心点は垂直方向に持ち上がる動きをする。この持ち上がる動きは、砲身内の振動を励起し、兵器システムの精度に悪影響を及ぼす。
【0004】
特許文献1によれば、架台管の銃口端部と銃尾端部とに配置された2つの滑りブッシュ内に支持される大口径兵器のための軸受が知られている。砲身が、質量に起因して下方側の軸受の内縁に支持される、この種の滑りブッシュ軸受においては、砲身は、発射の間に発生する砲身拡張によって持ち上げられる。このことは、砲身の振動を引き起こし、各砲弾の命中精度に悪影響を及ぼす。
【0005】
特許文献2は、発射の間に大口径砲身に発生する砲身の振動を回避するために、従来の滑りブッシュ軸受に替えて、発射の間に砲身が径方向において固定された橋脚に当たらず、持ち上がり効果のない軸受を使用することで、水平方向と垂直方向の両方で砲身を拡張し得ることを開示している。架台管において砲身を支持するために、砲身の外周には長手方向に延在する4本の均等に配置されたガイドレールが設けられ、ガイドレールは、スライドレールとして構成されており、ガイドレールは、軸受力の方向と砲身の径方向に拡がる方向が互いに垂直になるように、架台管の対応するガイド溝と係合する。この取り付けの主な欠点は、ガイドレールとガイド溝が架台管の全長にわたって砲身上に延在しているため、大量のエンジニアの作業が必要となることである。大きい兵器システムでは、ガイド要素は、少なくとも部分的に前部領域及び後部領域、又は、複数の領域において設けられている。この種の機関砲においては砲身の交換に時間がかかり、この種の取付台を使用することによる架台の外径は比較的大きくなる。
【0006】
特許文献3によれば、架台管内における大口径砲身の持上り効果のない取付台を有する機関砲が知られている。この場合も、4本のガイドレールが配置されている。しかしながら、滑り軸受ではなく、転がり軸受として構成されている。ガイドレールの軸受面は、砲身が後方に移動する際にフラットケージを介してガイドされる転がり軸受を介して対応する架台管の軸受面に支持されている。特許文献3は、本出願の前提をなす先行技術の欠点として、大口径砲身を長手方向に移動可能に案内するために滑り軸受だけが使用されているが、このことは、ジャミングを防止するために軸受の特段に大きいクリアランスを必要とする点を指摘している。しかしながら、この大きい軸受のクリアランスは、一方で、命中精度に不利な影響を及ぼす。それゆえ、この問題を解決するために、滑り軸受の替わりに、転がり軸受を組み込むことが提案され、これによって砲身は完全にクリアランスなしで案内されるだけでなく、滑りもなく、かつ、摩耗もなく、完全に作動される。
【0007】
特許文献1は、同様に、先行技術である後退及び前進する大口径砲身を2つの滑り軸受ブッシュによって取り付けることに基づいており、この場合は、滑り軸受のクリアランスを守らなければならないために制御されない砲身の横方向の動きによって命中精度に悪影響が出ることが立証されている。この問題は、砲身が架台管内に配置された2つの軸受の内側でクリアランスなく支持されることによって解決される。
【0008】
特許文献4によれば、既存のフィットクリアランス仕様でそれ自体が知られている滑りブッシュ軸受で砲身を銃尾端部における架台管の領域で支持する、大口径兵器のための中央におかれた砲身前部軸受が知られている。
【0009】
大口径兵器のための中央におかれた砲身取付器が、さらに特許文献5に記載されている。この中で、砲身は、架台管の銃口端部に配置された第1の滑りブッシュ軸受と、架台管の銃尾端部に配置された第2の滑りブッシュ軸受と、に支持されている。第1の滑りブッシュ軸受は、持上り効果がないように構成されており、外面が架台管内に滑動可能に支持された砲身ブッシュを備える。各砲身ブッシュは、その内側に、外周に均等に分布された少なくとも3つの溝状の凹部を有しており、この凹部には、架台管の少なくとも3つの帯状の突出部が係合する。砲身、又は、帯状の突出部を支持し、かつ、砲身とぴったりと連結している内輪の外側の表面と、砲身ブッシュの内側の表面との間、並びに、帯の先端と砲身ブッシュの溝形状凹部の内側の表面との間には、発射の間に発生する砲身の拡張がクリアランスの内側に留まるように、所定のクリアランスが設けられている。
【0010】
従来から公知の解決策は、多大な製造コストがかかり、これらの一部は、多くの設置スペースを必要とする。さらに、レールシステムを採用した解決策では、砲身の交換は非常に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第3148265号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3936454号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3150250号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19800193号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10226534号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、砲身持上り動作の低減を許容し、かつ、砲身の交換に悪影響を与えることのない砲身取付器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題は、請求項1の砲身取付器によって解決される。さらに、本課題は、請求項10の機関砲によって解決される。有利な構成形態及び発展形態が、従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明によれば、少なくとも1つの砲身軸受、好ましくは、2つの砲身軸受を有する架台と、砲身と連結可能な銃尾端部と、を備える、砲身のための砲身取付器が提供される。架台及び銃尾端部は、銃尾端部を径方向に支持する少なくとも1つのガイドによって互いに分離可能に連結されている。
【0015】
さらに、本発明によれば、少なくとも1つのこの種の砲身取付器、又は、以下に説明するその発展形態、並びに、銃尾端部と連結された少なくとも1つの砲身が提供される。
【0016】
したがって、本発明によれば、少なくとも1つのガイドを介して銃尾端部と連結される架台を備える砲身取付器が提供される。銃尾端部は、次に、砲身に連結可能とされている。砲身は、銃尾端部によって所定の位置において保持され、銃尾端部は、ガイドによって架台に対して位置決めされ得ることが実現される。これによって、特に、チャンバの領域において、砲身は、もはや架台又は後部砲身軸受に載置されておらず、少なくとも砲弾が発射される瞬間には、砲身軸受に対してクリアランスを有することが実現される。砲身が拡張することによって発生する砲身の持ち上げ動作の実質的な低減が実現される。本発明によれば、砲身及び後部砲身軸受の支持が回避され、特に、砲身が薄い壁厚を有するチャンバの領域では、この結果、砲身の拡張が特に大きくなる。先行技術において知られている解決策のように、砲身全体がレール上で案内されるのではなく、好ましくは、後方へ移動する砲身から砲弾が離れるまで、砲身が案内されるだけである。本発明による機関砲では、砲身が銃尾端部を介して支持されているため、砲身の持ち上げ動作も実質的に小さくされている。
【0017】
また、本発明の実施形態によって、製造コストは、既存の解決策に比べて削減される。さらに、必要とされる設置スペースが大幅に減少し、砲身交換が、ガイドレール及びこれに類するものによって困難にされることがない。これに加えて、砲身取付器の設計は、不必要に複雑にはならない。
【0018】
架台と銃尾端部とは、径方向に支持するガイドによって互いに分離可能に連結されている。すなわち、架台と銃尾端部とは、互いに移動可能とされているが、径方向に支持されている。径方向とは、少なくとも1つの砲身軸受、好ましくは、後部砲身軸受の径方向、及び砲身の径方向とされている。
【0019】
有利な発展形態において、架台と銃尾端部とは、少なくとも1つのガイドによって軸方向に移動可能に連結されて設けられてもよい。これによって、後退する質量が架台に対して軸方向に動くことが可能とされる。
【0020】
軸方向は、砲身及び/又は少なくとも1つの砲身軸受の中心線によって画定される。
【0021】
発展形態において、ガイドは、少なくとも1つの砲身軸受、架台及び銃尾端部の径方向に互いに配置されてもよい。
【0022】
架台と銃尾端部が互いに位置決めされることは、銃尾端部と、これに連結可能な砲身とは、架台及び後部砲身軸受に対して持ち上げられることを意味する。砲身の周囲には、砲身と後部砲身軸受との間に均等なクリアランスが形成されている。それゆえ、砲身は発射の間に、径方向に妨げられずに延伸し得る。砲身の内圧が発射の間に最大となるため、砲身の最大拡張は、砲身のチャンバの領域で発生し、壁厚は減少する。砲身の拡張が大きくなる領域で、後部砲身軸受と砲身との間にクリアランスが生じるように、後部砲身軸受は、好ましくは、この領域に配置されている。
【0023】
好ましくは、ガイドは、架台に固定されており、架台と共に銃尾端部に対して砲身の軸方向に移動可能となるように設けられてもよい。これに対して可能な代替として、ガイドは、銃尾端部に固定されており、銃尾端部と共に架台に対して砲身の軸方向に移動可能となるように設けられてもよい。
【0024】
砲身取付器の実施形態では、ガイドが、2つのガイド要素と、架台又は銃尾端部において、ガイド要素の片側を移動可能に受け止めるための2つの対応する形状の凹部と、を備えてもよい。
【0025】
これに加えて、2つのガイド要素の位置は、上下方向に調整可能とされてもよい。さらに、発展的には、一方のガイド要素の位置が、左右方向に調整可能とされ、他方の保持要素が少なくとも一方の凹部において左右方向にクリアランスを有してもよい。
【0026】
さらに、砲身取付器は、ガイドが、架台の下方側に配置された銃尾端部を支持するためのガイド部材を有してもよい。好ましくは、ガイド部材は、この目的のために、銃尾端部の形状に適合している。
【0027】
これに加えて、砲身取付器の実施形態では、架台が、銃尾端部をガイドに対して圧縮する押圧装置、特にバネ付きカムを有してもよい。このようにして、架台に対する銃尾端部及び砲身の望ましくない傾斜が防止される。
【0028】
また、砲身取付器の発展形態では、砲身と後部砲身軸受との間に径方向のクリアランスが形成されるように、ガイドが、銃尾端部と架台とを互いに径方向に位置決めしてもよい。
【0029】
架台と銃尾端部とが互いに配置されているということは、砲身が、架台及び後部砲身軸受に対して持ち上げられることを意味する。砲身の周囲には、砲身と後部砲身軸受との間に均一なクリアランスが形成されている。それゆえ、砲身は、発射の間に妨げられることなく径方向に延伸し得る。発射の間の砲身の内圧が最も高くなり、肉厚が減少するため、砲身の最大拡張は、砲身のチャンバの領域で発生する。砲身の拡張が最大となる後部砲身軸受と砲身との間にクリアランスが生じるように、後部砲身軸受は、好ましくは、この領域に配置されている。
【0030】
これに加えて、砲身の発展形態では、発射された砲弾が砲身を離れるまで、ガイドの径方向に支持する長さは、後退する質量の後退経路と少なくとも同じ長さとされてもよい。後退する質量は、好ましくは、少なくとも砲身と銃尾端部とを備える。
【0031】
このようにすることによって、少なくとも砲弾が砲身を離れてしまうまでは、砲身と後部砲身軸受との間にクリアランスを有することが実現され、これによって砲身の持上り動作が回避される。ガイドが、後退経路の一部において架台及び銃尾端部と接触しなくなることが可能とされる。次いで、後退した質量が前進する間には、ガイドは、再度センタリング手段又は整列手段によってセンタリングされ、後退する質量は、再びその開始位置へ戻る。このようにして、例えば、架台に配置されたガイドは、再び銃尾端部内に突出し得る。同様に、銃尾端部に配置されたガイドは、再び架台内に突出し得る。
【0032】
以下、例示的な実施形態を参考に、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の一実施形態による砲身取付器を有する機関砲の断面表現としての概略側面図を示す。
図2図2は、図1におけるA-A断面に沿った概略断面図を示す。
図3図3は、図1におけるB-B断面に沿った概略断面図を示す。
図4図4は、本発明の別の実施形態による砲身取付器を有する機関砲の断面表現としての概略側面図を示す。
図5図5は、図4の断面C-Cに沿った概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による砲身取付器を有する機関砲の断面表現としての概略側面図を示しており、以下の開示は、砲身取付器を有する機関砲にも、機関砲と関係なく砲身取付器それ自体にも関する。砲身取付器は、架台2と、砲身1を支持するための2つの砲身軸受5、6と、を有する。前部砲身軸受5は、架台2の前部領域に配置され、後部砲身軸受6は、架台2の後部領域に配置されている。これに加えて、砲身取付器は、砲身1と連結可能な銃尾端部3を有する。架台2と銃尾端部3とは、銃尾端部3を径方向で支持する少なくとも1つのガイド8.1、8.2によって互いに分離可能に連結されている。さらに、架台2と銃尾端部3とは、少なくとも1つのガイド8.1、8.2によって軸方向Aに移動可能に連結されている。
【0035】
砲身1と後部砲身軸受6との間に径方向クリアランス10が形成されるように、ガイド8.1、8.2は、砲身1の径方向でもあり得る後部砲身軸受6の径方向に、架台2と銃尾端部3とを互いに径方向に位置決めする。
【0036】
ガイド8.1、8.2は、後部砲身軸受6の径方向に、特に上下方向に、架台と銃尾端部3とを互いに位置決めするように構成されている。ガイド8.1、8.2は、2つの切欠部16.1、16.2と係合する少なくとも2つの保持要素15.1、15.2を有する。切欠部16.1及び16.2と係合するガイド要素15.1、15.2の一部は、ガイド8.1、8.2の径方向支持長さ9とされている。ガイド8.1、8.2の径方向支持長さは、少なくとも発射された砲弾が砲身1を離れるまで後退する質量の後退経路と等しい長さとされている。後退する質量とは、少なくとも砲身1と銃尾端部3とを備える。
【0037】
保持要素15.1及び15.2は、架台2に固定されている。このために、架台内には凹部14.1、14.2が形成されており、これらの中に保持要素15.1、15.2が固定されている。保持要素15.1、15.2は、架台2と共に砲身1の軸方向に銃尾端部3に対して移動可能とされている。このために、銃尾端部3内に切欠部16.1、16.2が形成されている。
【0038】
図2は、図1の断面A-Aに沿った概略断面図を示す。断面A-Aは、後部砲身軸受6の領域において架台2を貫通する。後部砲身軸受6は、架台2の内側に配置されている。砲身1と後部砲身軸受6との間にはクリアランス10が形成されている。断面A-Aに沿った砲身1の内側には、銃尾楔4によって閉鎖可能な砲身1のチャンバ7が形成されている。2つのガイド要素、15.1、15.2を固定するために、架台2内には、2つの対応する形状の凹部14.1、14.2が形成されている。
【0039】
図3は、図1の断面B-Bに沿った概略断面図を示す。断面は、ガイド8.1、8.2の領域において、銃尾端部3を貫通する。図3から分かるように、砲身1は、銃尾端部3の内側に固定されている。銃尾端部3の内側には、切欠部16.1、16.2が形成されている。切欠部16.1、16.2は、保持要素15.2、15.1を移動可能に受け止めるために用いる。2つの保持要素15.1、15.2の位置は、上下方向に調整可能とされている。一方の保持要素15.2の位置は、左右方向に調整可能とされ、他方の保持要素15.1は、少なくとも1つの切欠部16.1において左右方向クリアランス11を有する。これらの方向は、図中には対応する方向矢印で表示されている。
【0040】
図4は、別の実施形態による本発明の砲身取付器を有する機関砲の断面表現としての概略側面図を示す。この実施形態は、図1から図3の実施形態に基づいており、これらの実施形態の違いについて以下に説明する。ガイド8.3は、図4に示す実施形態によれば、銃尾端部3を支持するために架台2の下方側に配置されたガイド部材12として形成されている。ガイド部材12は、架台2の軸方向長さに沿って形成されている。これに加えて、銃尾端部3をガイド8.1、8.2、8.3に対して圧縮する、ばね負荷されたカムを備えた押圧装置13が構成されている。砲身1と後部砲身軸受6との間に径方向クリアランス10が形成されるように、ガイド部材12及び押圧装置13は、架台2と銃尾端部3とを径方向に互いに位置決めする。
【0041】
ガイド8.3は、銃尾端部3が、砲身1と共に架台2に対して軸方向Aに移動可能となるように構成されている。ガイド部材12は、発射された砲弾が砲身1を離れるまで後退する質量の後退経路9と少なくとも等しい長さとされた、ガイド8.3の径方向支持長さを形成する。
【0042】
図5は、図4の断面C-Cに沿った概略断面図を示す。断面は、ガイド部材12の領域において銃尾端部を貫通する。図5から分かるように、砲身1は、銃尾端部3内に固定されている。銃尾端部3の内側には、ガイド部材12の形状に対応する溝17が形成されている。溝17は、ガイド部材12を移動可能に受け止めるために使用される。
【符号の説明】
【0043】
1 砲身
2 架台
3 銃尾端部
4 銃尾楔
5 前部砲身軸受
6 後部砲身軸受
7 チャンバ
8.1 ガイド
8.2 ガイド
8.3 ガイド
9 径方向支持長さ
10 径方向クリアランス
11 左右方向クリアランス
12 ガイド部材
13 押圧装置
14.1 凹部
14.2 凹部
15.1 ガイド要素
15.2 ガイド要素
16.1 切欠部
16.2 切欠部
17 溝
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砲身(1)のための砲身取付器であって、
前記砲身(1)を支持するための少なくとも1つの砲身軸受(5、6)を有する架台(2)と、
前記砲身(1)と連結可能な銃尾端部(3)と、を備え、
前記架台(2)と前記銃尾端部(3)とは、前記銃尾端部(3)を径方向に支持する少なくとも1つのガイド(8.1、8.2、8.3)によって、互いに分離可能に連結されていることを特徴とする、砲身取付器。
【請求項2】
前記架台(2)と前記銃尾端部(3)とは、少なくとも1つの前記ガイド(8.1、8.2、8.3)によって軸方向(A)に移動可能に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の砲身取付器。
【請求項3】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、少なくとも1つの前記砲身軸受(5、6)の径方向において、前記架台(2)と前記銃尾端部(3)とを互いに位置決めすることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の砲身取付器。
【請求項4】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、前記架台(2)に固定され、前記架台(2)と共に前記銃尾端部(3)に対して軸方向(A)に移動可能とされている、又は、前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、前記銃尾端部(3)に固定され、前記銃尾端部(3)と共に前記架台(2)に対して軸方向(A)に移動可能とされていることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項5】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、2つのガイド要素(15.1、15.2)と、前記架台(2)又は前記銃尾端部(3)において、前記ガイド要素(15.1、15.2)の片側を移動可能に受け止めるための2つの対応する形状の凹部(14.1、14.2)と、を備えることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項6】
2つの前記ガイド要素(15.1、15.2)の位置は、上下方向に調整可能とされていることを特徴とする、請求項5に記載の砲身取付器。
【請求項7】
一方の前記ガイド要素(15.1、15.2)の位置は、左右方向に調節可能とされ、他方の前記ガイド要素(15.1、15.2)は、少なくとも1つの前記凹部(14.1、14.2)において、左右方向にクリアランス(11)を有することを特徴とする、請求項6に記載の砲身取付器。
【請求項8】
前記ガイド(8.3)は、前記銃尾端部(3)を支持するために前記架台(2)の下方側に配置されたガイド部材(12)を有することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項9】
前記架台(2)は、前記銃尾端部(3)を前記ガイド(8.1、8.2、8.3)に対して圧縮する押圧装置(13)、特に、ばね負荷されたカムを有することを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の砲身取付器。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の前記砲身取付器と、前記銃尾端部(3)と連結された少なくとも1つの前記砲身(1)と、を備える機関砲。
【請求項11】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)は、前記砲身(1)と後部砲身軸受(6)との間に径方向クリアランス(10)が形成されるように、前記銃尾端部(3)と前記架台(2)とを互いに径方向に位置決めすることを特徴とする、請求項10に記載の機関砲。
【請求項12】
前記ガイド(8.1、8.2、8.3)の径方向支持長さ(9)は、発射された砲弾が前記砲身(1)を離れるまで後退する質量の後退経路と少なくとも等しい長さであることを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載の機関砲。
【国際調査報告】