IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベラソン インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-5184423D超音波撮像を使用した定量的腹部大動脈瘤分析のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】3D超音波撮像を使用した定量的腹部大動脈瘤分析のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541096
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 US2020013046
(87)【国際公開番号】W WO2020150086
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/793,501
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】503129763
【氏名又は名称】ベラソン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Verathon Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フーシン
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601BB14
4C601BB15
4C601DD01
4C601DD14
4C601EE04
4C601JB34
4C601JB50
4C601JB53
4C601JC05
4C601JC06
4C601JC20
(57)【要約】
システムは、ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信し、送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信するように構成されたプローブを含む。本システムはまた、受信されたエコー情報を処理し、ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、ターゲット血管に対応する3次元脈管モデルを取得することと、3次元ターゲット画像上への3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、3次元脈管モデルの最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、セグメンテーション結果に基づいてターゲット血管についての測定値を計算することとを行うように構成された、少なくとも1つの処理デバイスを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信することと、
前記送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信することと
を行うように構成されたプローブと、
前記受信されたエコー情報を処理し、前記ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、
前記ターゲット血管に対応する3次元脈管モデルを取得することと、
前記3次元超音波画像上への前記3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、
前記3次元脈管モデルの前記最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、
前記セグメンテーション結果に基づいて、前記ターゲット血管についての測定値を計算することと
を行うように構成された少なくとも1つの処理デバイスと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記ターゲット血管が腹部大動脈である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記3次元脈管モデルに基づいて前記ターゲット血管の長手方向中心線を決定する
ように構成された、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記腹部大動脈又は腹部大動脈瘤のうちの少なくとも1つの最大直径を決定する
ように構成され、前記最大直径が前記長手方向中心線に対して垂直に測定される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記セグメンテーション結果を受信することと、
前記セグメンテーション結果の図を表示することと、
前記腹部大動脈の前記最大直径又は前記腹部大動脈瘤の前記最大直径を表示することと
を行うように構成されたディスプレイ
をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記3次元脈管モデルの前記最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記3次元脈管モデルからの複数の異なるシミュレーション形状を適用する
ように構成され、前記複数のシミュレーション形状の各々が、シミュレートされた大動脈データ・セットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記3次元脈管モデルの前記最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記複数の異なるシミュレーション形状のうちの少なくとも1つの1つ又は複数の形状モデルを変更するように構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記3次元脈管モデルの前記最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、
レジリエント・バックプロパゲーションを介して、画像データについて定義されるエネルギー関数を最小にする
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
フレキシブル3次元脈管モデルの最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
長さ制限なしに前記3次元脈管モデルを適用する
ように構成された、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プローブが、さらに、
回転走査からの少なくとも48個の異なる走査平面を使用して、前記ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信する
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信することと、
前記送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信することと、
前記受信されたエコー情報を処理し、前記ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、
前記ターゲット血管に対応するフレキシブル3次元脈管モデルを取得することと、
前記3次元超音波画像上への前記フレキシブル3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、
前記フレキシブル3次元脈管モデルの前記最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、
前記セグメンテーション結果に基づいて、前記ターゲット血管についての測定値を計算することと
を含む方法。
【請求項12】
前記ターゲット血管が腹部大動脈であり、前記ターゲット血管についての前記測定値を計算することが、
前記3次元脈管モデルに基づいて前記ターゲット血管の長手方向中心線を決定すること
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記腹部大動脈又は腹部大動脈瘤のうちの少なくとも1つの最大直径を決定すること
をさらに含み、前記最大直径が前記長手方向中心線に対して垂直に測定される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記セグメンテーション結果、前記腹部大動脈の前記最大直径、又は前記腹部大動脈瘤の前記最大直径のうちの1つ又は複数を示す画像情報を出力すること
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲット血管が腹部大動脈であり、前記ターゲット血管についての前記測定値を計算することが、
前記3次元脈管モデルに基づいて、前記腹部大動脈上の腹部大動脈瘤の体積を決定すること
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記フレキシブル3次元脈管モデルの前記最良適合を識別することが、
前記フレキシブル3次元脈管モデルからの複数の異なるシミュレーション形状を適用すること
を含み、前記複数のシミュレーション形状の各々が、シミュレートされた大動脈データ・セットを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記フレキシブル3次元脈管モデルの前記最良適合を識別することが、
前記複数の異なるシミュレーション形状のうちの少なくとも1つの管径又は球径のうちの1つ又は複数を変化させること
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記受信されたエコー情報を処理し、前記3次元超音波画像を生成することが、
前記3次元超音波画像を取得するために、複数の超音波コーンからのBモード画像を組み合わせること
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、
ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信することと、
前記送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信することと、
前記受信されたエコー情報を処理し、前記ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、
前記ターゲット血管に対応するフレキシブル3次元脈管モデルを取得することと、
前記3次元超音波画像上への前記フレキシブル3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、
前記フレキシブル3次元脈管モデルの前記最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、
前記セグメンテーション結果に基づいて、前記ターゲット血管についての測定値を計算することと
を行わせる命令のシーケンスを記憶した非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記ターゲット血管が腹部大動脈を含み、前記命令が、さらに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記3次元脈管モデルに基づいて前記腹部大動脈の長手方向中心線を決定すること
を行わせる、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2019年1月17日に出願した米国仮特許出願第62/793,501号に基づく優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
腹部大動脈瘤(AAA:Abdominal Aortic Aneurysm)は、横隔膜と大動脈分岐(aortic bifurcation)との間の大動脈の拡張を指し、慣習により、前後方向(anterior-posterior)面又は横断面のいずれかにおいて30ミリメートル又はそれより大きい腹部大動脈直径として定義され得る。超音波撮像は、AAAを患っている患者をスクリーニングするための一般的なモダリティである。超音波撮像は、安価で非侵襲性のリアルタイム撮像を行うが、コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)など、他の撮像モダリティと比較して画像品質が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外科的介入に関する決定を行う際に主要な役割を果たす、AAA重大度の最も一般的な臨床測度は、動脈瘤の直径である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本明細書で説明するシステム及び方法が実装され得る走査システムの概略図である。
図2図1の走査システム中に含まれる論理要素の例示的な構成を示す図である。
図3A】例示的な実装形態による、図1のプローブの一部分を示す図である。
図3B図1のプローブを使用して、Bモード走査面に関連するエコー・データをキャプチャすることを示す図である。
図3C図1のプローブを使用して、2つの超音波コーンに関連するエコー・データをキャプチャすることを示す図である。
図3D】位置トラッキング・システムと図1のプローブとを使用して、エコー・データをキャプチャすることを示す図である。
図3E図1のプローブを使用して、Cモード走査面に関連するエコー・データをキャプチャすることを示す図である。
図4図1及び/又は図2の要素のうちの1つ又は複数中に含まれる構成要素の例示的な構成を示す図である。
図5】例示的な実装形態による、腹部大動脈瘤を測定することに関連する流れ図である。
図6A図5のプロセスによる、3D形状モデルのために使用され得るシミュレートされた大動脈データ・セットを示す図である。
図6B図5のプロセスによる、3D形状モデルのために使用され得るシミュレートされた大動脈データ・セットを示す図である。
図6C図5のプロセスによる、3D形状モデルのために使用され得るシミュレートされた大動脈データ・セットを示す図である。
図6D図5のプロセスによる、3D形状モデルのために使用され得るシミュレートされた大動脈データ・セットを示す図である。
図6E図5のプロセスによる、3D形状モデルのために使用され得るシミュレートされた大動脈データ・セットを示す図である。
図6F図5のプロセスによる、3D形状モデルのために使用され得るシミュレートされた大動脈データ・セットを示す図である。
図7A図5のプロセスによる、3D形状モデルのための変形形態を示す図である。
図7B図5のプロセスによる、3D形状モデルのための変形形態を示す図である。
図8A】腹部大動脈ファントムについての48平面回転走査の図である。
図8B図8Aの回転走査画像からの補間Bモード画像及びCモード画像の図である。
図9A】例示的な実装形態による、ターゲット・データ・セットにフレキシブル3D形状モデルを適用することを示す図である。
図9B】例示的な実装形態による、ターゲット・データ・セットにフレキシブル3D形状モデルを適用することを示す図である。
図9C】例示的な実装形態による、ターゲット・データ・セットにフレキシブル3D形状モデルを適用することを示す図である。
図10A】異なる形状に適用され得る異なる統計的分布タイプの概略図である。
図10B】異なる形状に適用され得る異なる統計的分布タイプの概略図である。
図10C】異なる形状に適用され得る異なる統計的分布タイプの概略図である。
図11】ターゲット3D画像にわたるフレキシブル形状モデルについてのエネルギー関数を最小にすることに対応し得る、簡略化されたエネルギー変化曲線である。
図12】AAA特性を測定するための最良適合フレキシブル形状モデルから生成されたモデルのダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は添付の図面に関する。異なる図面中の同じ参照番号は同じ又は同様の要素を識別し得る。また、以下の詳細な説明は本発明を限定しない。
【0006】
腹部大動脈瘤(AAA)の現在の超音波検査は、単一の2次元(2D)静止画像から導出される前後方向測定を使用する。この方法に関連する誤差の主要な原因は、調査者が像平面を異なって配向させることである。さらに、超音波とコンピュータ断層撮影(CT)との間の一致は不十分であることが知られている。
【0007】
本明細書で説明する実装形態は、動脈瘤を含み得る、腹部大動脈を識別するために超音波撮像を使用することに関する。1つの例示的な実装形態によれば、腹部大動脈の超音波撮像は、大動脈の手動セグメンテーションの必要なしに、及びCTスキャン又は磁気共鳴撮像走査(MRI)など、他の撮像モダリティを使用せずに実行され得る。3次元(3D)超音波は、腹部大動脈の中心線に対して垂直な最大直径と部分体積の両方がそれから計算され得る、3D AAAモデルを確立する機会を与える。本明細書で説明するシステム及び方法によれば、3D超音波は、中心線に垂直なAAA直径並びにAAA体積を推定するなど、大動脈境界を測定するために使用され得る。本システム及び方法は、3D脈管形状モデル及び強度モデルに基づいて3D腹部大動脈セグメンテーションを実行し得る。
【0008】
たとえば、いくつかの実装形態では、超音波スキャナを介して取得される情報に基づいて、腹部大動脈(若しくは他の血管)など当該の構造又は当該の他の構造(たとえば動脈瘤)についての画像セグメンテーションを行うために、フレキシブル3D大動脈モデルが3Dエコー・データに適用される。フレキシブル3D大動脈モデルは、形状モデルに一体化される可能な変形形態とともに、人間の腹部大動脈に基づいて定義される。フレキシブル3D大動脈モデルを新しいエコー・データ・セットに適合させることは、特殊エネルギー関数を最小にすることとして定義され得る。いくつかの実装形態では、フレキシブル3D大動脈モデルは、定義されたセグメントであり得る。他の実装形態では、フレキシブル3D大動脈モデルは無制限(たとえば、長さ制限なし)であり得る。強度モデルも、大動脈構造の内側及び外側の超音波画像輝度を分析することによって定義され得る。
【0009】
セグメンテーションは、3D超音波撮像を使用するAAA評価における定量分析のための第1のステップである。腹部大動脈セグメンテーションが完了すると、中心線抽出及び最大直径計算など、後処理ステップが容易に決定され得る。
【0010】
図1は、例示的な実施例による例示的な走査システム100を示すダイヤグラムである。図1を参照すると、走査システム100は、プローブ110と、ベース・ユニット120と、ケーブル130とを含む。
【0011】
プローブ110は、ハンドル部分112(ハンドル112とも呼ばれる)と、トリガ114と、ノーズ部分116(ドーム116又はドーム部分116とも呼ばれる)とを含む。医療従事者は、患者の当該のエリア(たとえば、血管、器官、関節など)に向けて超音波信号を送信するために、ノーズ部分116中に位置する1つ又は複数の超音波トランシーバ及びトランスデューサをアクティブ化するために、ハンドル112によってプローブ110を保持し、トリガ114を押し得る。たとえば、図1に示されているように、腹部大動脈の画像を取得するために、プローブ110は、患者の腹部領域の上に、及び腹部大動脈など、ターゲット脈管の上に位置決めされ得る。
【0012】
ハンドル112は、ユーザが患者の当該のエリアに対してプローブ110を移動させることを可能にする。上記で説明したように、トリガ114は、患者の当該のエリアが走査されるときに、ドーム116が患者の身体の表面部分と接触している間、選択された解剖学的部分の超音波走査を開始する。ドーム116は、一般に、解剖学的部分に対する適切な音響インピーダンス整合を与え、及び/又は音響エネルギーが解剖学的部分中に投射される際に超音波エネルギーが適切に集束させられることを可能にする材料から形成される。いくつかの実装形態では、ドーム116が患者の皮膚に対して配置されたときに音響インピーダンス整合を与えるために、関心領域(ROI)の上の患者の皮膚に音響ジェル又はジェル・パッドが付けられ得る。
【0013】
ドーム116は、1つ又は複数の超音波トランシーバ要素と、1つ又は複数のトランスデューサ要素(図1に示されていない)とを封入し得る。トランシーバ要素は、ドーム116から外側に向けて超音波エネルギーを送信し、解剖学的部分内の内部構造/組織によって生成された音響反射又はエコーを受信する。1つ又は複数の超音波トランスデューサ要素は、トランシーバ要素による超音波信号の送信に対して異なる走査方向を与えるために、モーターによってドーム116内を移動させられ得る、圧電要素の1次元又は2次元アレイを含み得る。代替的に、トランスデューサ要素は、選択された解剖学的領域が、アレイ中の要素に選択的にエネルギーを与えることによって走査され得るように、プローブ110に対して不動であり得る。
【0014】
例示的な実装形態では、システム100の走査プロトコルは構成可能である。たとえば、走査システム100は、以下でより詳細に説明するように、当該の特定のターゲット器官、当該のターゲット器官のサイズなどに応じて3次元(3D)画像データをキャプチャするために、走査面密度を増加させるか、走査線数を増加させるか、回転走査を扇形走査方法(fan scanning method)に変更するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実装形態では、プローブ110は、最初の標的設定と、ROI内の脈管、器官又は他の構造を走査するようにユーザを誘導することとのために照明され得る、いくつかの矢印を含む方向インジケータ・パネル118を含み得る。たとえば、いくつかの実装形態では、脈管、器官又は構造が、患者の第1の位置において皮膚表面に対して配置されたプローブ110の配置から中心に移される場合、方向矢印は照明されないことがある。しかしながら、脈管、器官又は構造が中心から外れている場合、患者の第2の又は後続の皮膚位置においてプローブ110を再位置決めするようにユーザに指示するために、矢印又は矢印のセットが照明され得る。他の実装形態では、方向インジケータはベース・ユニット120のディスプレイ122上に提示され得る。
【0016】
プローブ110中に位置する1つ又は複数のトランシーバは、好ましくはドーム116内に又はそれに隣接して位置決めされる加速度計及び/又はジャイロスコープを含む慣性基準ユニットを含み得る。加速度計は、好ましくは座標系に対するトランシーバの加速度を感知するように動作可能であり得るが、ジャイロスコープは、同じ又は別の座標系に対するトランシーバの角速度を感知するように動作可能であり得る。したがって、ジャイロスコープは、動的要素を採用する従来の構成であり得るか、光リング・ジャイロスコープなど、光電子デバイスであり得る。一実施例では、加速度計及びジャイロスコープは、共通してパッケージされた及び/又は固体のデバイスを含み得る。他の実施例では、加速度計及び/又はジャイロスコープは、共通してパッケージされた微小電気機械システム(MEMS:Micro-electromechanical System)デバイスを含み得る。各場合において、加速度計とジャイロスコープとは、協働して、患者中の解剖学的関心領域に近接した既知の位置に対する位置の及び/又は角度の変化の決定を可能にする。これらのセンサー(たとえば、加速度計、ジャイロスコープなど)を使用することは、大動脈の全長が単一の走査で十分に回収され得ないときなど、走査システム100が、異なるロケーションにおける走査を組み合わせることによって3D大動脈血管を再構成することを助け得る。
【0017】
プローブ110は、ケーブル130を介してなど、有線接続を介してベース・ユニット120と通信し得る。他の実装形態では、プローブ110は、無線接続(たとえば、Bluetooth、WiFiなど)を介してベース・ユニット120と通信し得る。各場合において、ベース・ユニット120は、ユーザが超音波走査からの処理結果を見ることを可能にし、及び/又はプローブ110の動作中にユーザに対する操作上の対話を可能にする、ディスプレイ122を含む。たとえば、ディスプレイ122は、テキスト及び/又は画像データをユーザに提供する、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ベースのディスプレイ、又は他のタイプのディスプレイなど、出力ディスプレイ/スクリーンを含み得る。たとえば、ディスプレイ122は、患者の選択された解剖学的部分に対してプローブ110を位置決めするための命令を与え得る。ディスプレイ122はまた、選択された解剖学的領域の2次元又は3次元画像を表示し得る。
【0018】
患者の選択された解剖学的部分を走査するために、ドーム116は、走査されるべき解剖学的部分に近接した患者の表面部分に対して位置決めされ得る。ユーザは、トリガ114を押下することによってトランシーバを作動させる。それに応答して、トランスデューサ要素はトランシーバを随意に位置決めし、トランシーバは、選択された解剖学的部分の超音波画像を生成するために、身体中に超音波信号を送信し、トランシーバによって少なくとも部分的に処理され得る対応する戻りエコー信号を受信する。特定の実施例では、システム100は、近似的に約2メガヘルツ(MHz)から近似的に10MHz又はそれより大きい(たとえば、18MHz)まで及ぶ範囲内の超音波信号を送信する。
【0019】
一実施例では、プローブ110は、所定の周波数及び/又はパルス繰り返し数(pulse repetition rate)における超音波エネルギーを生成し、超音波エネルギーをトランシーバに伝達するように構成されたベース・ユニット120に結合され得る。ベース・ユニット120はまた、走査された解剖学的領域の画像を生成するために、トランシーバによって受信される反射された超音波エネルギーを処理するように構成された1つ又は複数のプロセッサ又は処理論理を含む。
【0020】
さらに別の特定の実施例では、プローブ110は、トランシーバを動作可能に制御し、超音波画像を生成するために反射された超音波エネルギーを処理するための、プローブ110内に配置されたマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサに関連するソフトウェアとを含む、自己完結型(self-contained)デバイスであり得る。したがって、プローブ110上のディスプレイは、生成された画像を表示し、及び/又はトランシーバの動作に関連する他の情報を見るために使用され得る。たとえば、その情報は、一連の走査を実行する前にトランシーバの好ましい位置を示す英数字データを含み得る。他の実装形態では、トランシーバは、走査された解剖学的領域の画像が生成され得るように、トランシーバの動作を少なくとも部分的に制御するソフトウェアを含み、また、トランシーバから伝達された情報を処理するためのソフトウェアを含む、ラップトップ又はデスクトップ・コンピュータなど、ローカル又はリモートに位置する汎用コンピュータに結合され得る。
【0021】
図2は、例示的な実装形態による、システム100中に実装される関数型論理構成要素のブロック図である。図2を参照すると、システム100は、データ収集ユニット210と、脈管/器官識別ユニット220と、セグメンテーション・ユニット230と、後処理ユニット240とを含む。例示的な実装形態では、データ収集ユニット210はプローブ110の一部であり得、他の機能ユニット(たとえば、脈管/器官識別ユニット220、セグメンテーション・ユニット230、及び後処理ユニット240)はベース・ユニット120中に実装され得る。他の実装形態では、特定のユニット及び/又は論理は、(たとえば、無線接続を介してインターネットに、又は病院内のローカル・エリア・ネットワークなどにアクセス可能な)、プローブ110とベース・ユニット120の両方に対して外部に位置する計算デバイス又はサーバを介してなど、他のデバイスによって実装され得る。たとえば、プローブ110は、たとえば、無線接続(たとえば、WiFi又は何らかの他の無線プロトコル/技術)を介して、プローブ110とベース・ユニット120とからリモートに位置する処理システムにエコー・データ及び/又は画像データを送信し得る。
【0022】
上記で説明したように、プローブ110は、超音波信号を生成し、送信された信号からエコーを受信し、受信されたエコーに基づいてBモード画像データを生成する、1つ又は複数のトランシーバを含み得る。例示的な実装形態では、データ収集ユニット210は、患者中の関心領域に対応する複数の走査平面に関連するデータを取得する。たとえば、プローブ110は、腹部大動脈のサイズ及び/又は腹部大動脈の動脈瘤のサイズを決定するために、2次元(2D)Bモード画像データを生成するためにデータ収集ユニット210によって処理されるエコー・データを受信し得る。他の実装形態では、プローブ110は、腹部大動脈のサイズを決定するために使用され得る3次元(3D)画像データを生成するために処理されたエコー・データを受信し得る。
【0023】
脈管/器官識別ユニット220は、画像の前処理を実行し、たとえば、(たとえば、データ収集ユニット210によって走査され、集められる)ピクセル強度の微分(differentiation)に基づいて、関心領域内に脈管又は器官が存在するかどうかを検出し得る。前処理の例として、脈管/器官識別ユニット220は、ノイズ低減を適用し、未加工Bモード画像のアスペクト比を調整し、及び/又は走査変換を適用し得る。脈管識別の例として、2D画像において、血液を運ぶ脈管は、淡い影付きのピクセルのエリア内の暗い領域として識別され得、淡い影付きのピクセルは一般に身体組織を表す。別の実装形態では、脈管/器官識別ユニット220は、膀胱(bladder)走査において使用されるものと同様の、大動脈に隣接する特定の構造を検出するためのアーティファクト検出論理を含み得る。
【0024】
セグメンテーション・ユニット230は、データ収集ユニット210及び/又は脈管/器官識別ユニット220からのデータを受信し、腹部大動脈を分割するために3D脈管形状モデルを使用して画像処理を適用し得る。3D脈管形状モデルは、人間のサンプルから得られるシミュレートされた3D AAA形状を含み得る。強度モデルは、人間のサンプルから得られる超音波画像輝度情報を含み得る。一実装形態では、セグメンテーション・ユニット230は、ターゲット3D画像にフレキシブル3D脈管形状モデルを適用し得る。たとえば、以下でより詳細に説明するように、セグメンテーション・ユニット230は、いくつかの可能なエネルギー関数のうちの1つを最小にすることによって、3D脈管形状をターゲット画像データ・セットに適合させ得る。
【0025】
後処理ユニット240は、腹部大動脈に位置する動脈瘤を含む腹部大動脈のサイズを識別し、並びに動脈瘤のサイズ(たとえば、直径)と中心線とを識別するための論理を含む。たとえば、後処理ユニット240は、受信されたエコー・データに関連するすべてのセグメンテーション結果を組み合わせることによって、大動脈構造を完全に構築するための3D再構成機能を提供することができる。このようにして、大動脈直径の測定は、以下で詳細に説明するように、従来の2D撮像を使用することと比較して、より正確になる。
【0026】
図2に示される例示的な構成は簡単のために与えられる。システム100は、図2に示されるものよりも多い又は少ない論理ユニット/デバイスを含み得る。たとえば、システム100は、複数のデータ収集ユニット210と、受信されたデータを処理する複数の処理ユニットとを含み得る。さらに、システム100は、関心領域中のターゲットを識別するために超音波信号を分析することを助けるために、外部ネットワークを介して情報を送信及び受信する通信インターフェース(たとえば、無線周波数トランシーバ)など、追加の要素を含み得る。さらに、本明細書における例示及び説明は主に血管適用例(たとえば、腹部大動脈及び/又は腹部大動脈内の動脈瘤を識別すること)に関するが、他の実施例は、膀胱、前立腺(prostate)/腎臓(kidney)境界、甲状腺(thyroid)など、器官の境界を検出することに適用され得る。
【0027】
図3Aは、超音波画像データを取得するために使用される例示的なデータ収集ユニット210を示す。図3Aを参照すると、データ収集ユニット210は、2つの回転モーターに結合された単一のトランスデューサ要素を含み得る。この実装形態では、超音波プローブ110は、ドーム116に接続されたベース310と、シータ・モーター320と、スピンドル330と、ファイ・モーター340と、トランスデューサ360をもつトランスデューサ・バケット350とを含み得る。シータ・モーター320、ファイ・モーター340、トランスデューサ・バケット350及び/又はトランスデューサ360は、ケーブル130(図3Aに示されていない)を介してシータ・モーター320、ファイ・モーター340、トランスデューサ・バケット350及び/又はトランスデューサ360をベース・ユニット120に電気的に接続する有線又は無線電気接続を含み得る。
【0028】
ベース310は、シータ・モーター320を格納し、超音波プローブ110への構造的支持を与え得る。ベース310は、ドーム116に接続し得(接続は図3Aに示されていない)、超音波プローブ110の構成要素を外部環境から保護するためにドーム116によるシールを形成し得る。シータ・モーター320は、本明細書でシータ(θ)回転軸325と呼ばれる垂直軸の周りを回転することによって、トランスデューサ360に対する長手方向にスピンドル330をベース310に対して回転させ得る。スピンドル330はシャフト335において終端し得、ファイ・モーター340はシャフト335上に取り付けられ得る。ファイ・モーター340は、本明細書でファイ(φ)回転軸345と呼ばれる水平軸である、シータ回転軸325に直交する軸の周りを回転し得る。トランスデューサ・バケット350は、ファイ・モーター340に取り付けられ得、ファイ・モーター340と一緒に動き得る。
【0029】
トランスデューサ360はトランスデューサ・バケット350に取り付けられ得る。トランスデューサ360は、圧電トランスデューサ、容量性トランスデューサ、及び/又は別のタイプの超音波トランスデューサを含み得る。トランスデューサ360は、トランスデューサ360に関連するトランシーバ回路とともに、電気信号を特定の超音波周波数又は超音波周波数の範囲における超音波信号に変換し得、反射された超音波信号(たとえば、エコーなど)を受信し得、受信された超音波信号を電気信号に変換し得る。トランスデューサ360は、トランスデューサ360の表面に実質的に垂直である信号方向365における超音波信号を送信し、受信し得る。
【0030】
信号方向365はファイ・モーター340の動きによって制御され得、ファイ・モーター340の配向はシータ・モーター320によって制御され得る。たとえば、ファイ・モーター340は、特定の平面についての超音波画像データを生成するために180度よりも小さい角度(たとえば、120度)にわたって往復して回転し得、シータ・モーター320は、異なる平面についての超音波画像データを取得するために特定の位置まで回転し得る。
【0031】
照準(aiming)モードでは、シータ・モーター320は静止したままであり得るが、ファイ・モーター340は、特定の照準平面についての超音波画像データを取得するために往復して回転する。照準モードでは、シータ・モーター320は複数の照準平面間を往復して移動し得、ファイ・モーター340は、超音波画像データを取得するために往復して回転し得る。一例として、シータ・モーター320は、照準モードが選択されている間、2つの直交する平面間を移動し得る。別の例として、シータ・モーター320は、照準モード中に互いに120度だけずれた3つの平面を通って順次回転し得る。
【0032】
3D走査モードでは、シータ・モーター320は、当該のエリアの完全な3D走査を取得するために平面(又は「スライス」)のセットを1回又は複数回巡回し得る。より多くの走査面を使用することによって、より高い走査解像度が得られ得る。したがって、従来の12平面走査とは対照的に、本明細書で説明する実装形態は、本明細書で説明する形状適合方法をサポートする解像度を達成するために、48平面のセットを使用し得る。他の実装形態では、48個よりも多い又は少ない平面が使用され得る。平面のセットの各特定の平面内で、ファイ・モーター340は、特定の平面についての超音波画像データを取得するために回転し得る。シータ・モーター320及びファイ・モーター340の動きは3D走査モーターにインターレースされ得る。たとえば、第1の方向におけるファイ・モーター340の動きの後に第1の平面から第2の平面へのシータ・モーター320の動きが起こり得、その後、第1の方向と反対の第2の方向におけるファイ・モーター340の動きが起こり得、その後、第2の平面から第3の平面へのシータ・モーター320の動きが起こり得、同様に続く。そのようなインターレースされた動きは、超音波プローブ110が、スムーズな連続ボリューム走査を取得し、並びに、走査データが取得される速度を改善することを可能にし得る。
【0033】
さらに、シータ・モーター320及びファイ・モーター340は、図3Bに示されているように、大動脈全体が、走査平面の最初のセットと、再構成されたスライスの最初のセットとを介してキャプチャされ得ないときに、走査線数を増加させ、回転走査を「扇形走査」方法に変更するように構成され得る。たとえば、図3Bは、回転走査からの初期超音波コーン380-1が大動脈の長さに基づく大動脈の完全な長さをキャプチャしなかった、シナリオを示す。この場合、シータ・モーター320及びファイ・モーター340は、大動脈構造全体が分析され得るように追加のデータをキャプチャするために、断面スライスに基づいて脈管構造を定量的にキャプチャし、評価するためにトランスデューサ360に関連する回転角を修正することができる。この扇形走査からの後続超音波コーン380-2は、超音波コーン380-1よりも大きい、脈管構造の部分をキャプチャし得る。
【0034】
別の実装形態では、画像収集ユニット210は、より大きいターゲット画像を収集するために、複数の超音波コーンからの走査を縫合することによって、(たとえば、単一の超音波コーン380-1の範囲を超えて)追加のデータをキャプチャし得る。図3Cは、ターゲット画像(たとえば、患者の腹部大動脈)にかかる2つの超音波コーン380-3及び380-4を使用してデータを集めるプローブ110の概略図である。超音波コーン380-3及び380-4とからの画像は連続的に取得され得、画像収集ユニット210は、ターゲット画像の完全なビューを構築するために各超音波コーンの複数のスライスからの画像/ビューを縫合するか又は組み合わせ得る。
【0035】
図3Dに示されているように、さらに別の実装形態では、画像収集ユニット210は、プローブ110など、プローブの相対位置を制御及び/又は監視するためにトラッキング・システム390を使用し得る。図3Dは、トラッキング・システム390上に取り付けられたプローブ110の簡略化された側面図を与える。トラッキング・システムは、トラック394内に取り付けられた回転可能なプローブ・ホルダー392を含み得る。一実施例によれば、トラッキング・システム390は、超音波コーン380-5が当該のエリアの上(たとえば、患者の腹部大動脈の上方)を移動する際、トラック位置とプローブ・ホルダー392の回転とを監視しながら、プローブ110をトラック394に沿って移動し得る。トラッキング・システム390は、機械式インデックス・トラッキング、電磁トラッキング、光トラッキング、又は他のセンサーを使用してトラック394に沿ったプローブ110の位置を監視し得る。別の実装形態では、トラック394の代わりに関節(articulated)アームが使用され得る。トラッキング・システム390を使用して、超音波コーン380-5からの画像は、ターゲット画像の完全なビューを構築するためにプローブ110の相対位置/方位に基づいて縫合されるか又は組み合わせられ得る。
【0036】
図3EはCモード画像平面の簡略図を与える。Cモード画像は、一般に、たとえば、一般的なBモード走査平面に垂直に配向した表現を含み得る。一実装形態では、Cモード画像は、特定の深さにおける回転走査平面の超音波データから生成される断面画像を含み得る。したがって、データ収集ユニット210は、Cモード画像を生成するために各Bモード走査平面(又はスライス)での異なる深さからの画像データを使用し得る。Cモードは、腹部大動脈の長さの実際の全体よりも大動脈の一部分をより多く表現し得る。標的画像は、大動脈の外側にあるライン・アンド・スペースを示す2値画像に対して、より多くは大動脈の内側にあるライン・アンド・スペース(line and space)であり得る。Cモード収集投影画像は、単にトランスデューサ表面に平行な1つの単一平面に限られるのではなく、Cモード画像平面として示される複数の平面に限られる腹部大動脈情報をもたらすことができる。
【0037】
本明細書で説明するシステム及び方法については、主に、回転走査を実行する電気機械的プローブから取得される画像データのコンテキストにおいて説明する。しかしながら、他の実装形態では、他のタイプのプローブが使用され得る。たとえば、3D画像データを取得するために行列プローブ、フリーハンド磁性プローブ、又はフリーハンド光プローブも使用され得る。
【0038】
図4はデバイス400の例示的な構成を示す。デバイス400は、たとえば、データ収集ユニット210、脈管/器官識別ユニット220、セグメンテーション・ユニット230、及び/又は後処理ユニット240の構成要素に対応し得る。デバイス400はまた、ベース・ユニット120など、図1中の要素に対応し得る。図4を参照すると、デバイス400は、バス410と、プロセッサ420と、メモリ430と、入力デバイス440と、出力デバイス450と、通信インターフェース460とを含み得る。バス410は、デバイス400の要素間の通信を可能にする経路を含み得る。
【0039】
プロセッサ420は、1つ又は複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、又は、命令を解釈し、実行し得る処理論理を含み得る。メモリ430は、プロセッサ420による実行のための情報及び命令を記憶し得るランダム・アクセス・メモリ(RAM)又は別のタイプの動的記憶デバイスを含み得る。メモリ430は、プロセッサ420による使用のための静的情報及び命令を記憶し得る読取り専用メモリ(ROM)デバイス又は別のタイプの静的記憶デバイスをも含み得る。メモリ430はソリッド・ステート・ドライブ(SDD)をさらに含み得る。メモリ430はまた、磁気及び/又は光記録媒体(たとえば、ハードディスク)と、それの対応するドライブとを含み得る。
【0040】
入力デバイス440は、キーボード、キーパッド、マウス、ペン、マイクロフォン、タッチ・スクリーン、音声認識及び/又は生体認証機構など、ユーザがデバイス400に情報を入力することを可能にする機構を含み得る。出力デバイス450は、ディスプレイ(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD))、プリンタ、スピーカーなどを含む、ユーザに情報を出力する機構を含み得る。いくつかの実装形態では、タッチ・スクリーン・ディスプレイが入力デバイスと出力デバイスの両方として働き得る。
【0041】
通信インターフェース460は、デバイス400が、有線、無線又は光機構を介して他のデバイスと通信するために使用する、1つ又は複数のトランシーバを含み得る。たとえば、通信インターフェース460は、1つ又は複数の無線周波数(RF)送信機、受信機及び/又はトランシーバ、並びにネットワークを介してRFデータを送信し、受信するための1つ又は複数のアンテナを含み得る。通信インターフェース460はまた、ネットワーク中の要素と通信するためのLAN又は他の機構へのモデム又はイーサネット(登録商標)・インターフェースを含み得る。
【0042】
図4に示された例示的な構成は簡単のために与えられる。デバイス400は、図4に示されたものよりも多い又は少ないデバイスを含み得ることを理解されたい。例示的な実装形態では、デバイス400は、プロセッサ420が、メモリ430など、コンピュータ可読媒体中に含まれている命令のシーケンスを実行することに応答して、動作を実行する。コンピュータ可読媒体は物理又は論理メモリ・デバイスとして定義され得る。ソフトウェア命令は、別のコンピュータ可読媒体(たとえば、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、SSDなど)から、又は通信インターフェース560を介して別のデバイスからメモリ430に読み込まれ得る。代替的に、本明細書で説明する実装形態によるプロセスを実装するために、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)など、ハードワイヤード回路がソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書で説明する実装形態は、ハードウェア回路とソフトウェアのいかなる特定の組合せにも限定されない。
【0043】
再び図2を参照すると、セグメンテーション・ユニット230は、データ収集ユニット210及び/又は脈管/器官識別ユニット220からのデータを受信し、3D脈管形状モデル及び強度モデルに基づいて3D腹部大動脈セグメンテーションを使用してそのデータを分析し得る。セグメンテーション・ユニット230は、次いで、中心線抽出及び最大直径測定のために識別された形状を後処理ユニット240に与え得る。ピクセルごとにデータを分析する以前の超音波ベースのセグメンテーション方法とは対照的に、本明細書で説明する3D形状モデルに基づくシステム及び方法は超音波ノイズ及び他のアーティファクトに対してよりレジリエントである。本システム及び方法はまた、得られた3D構造に基づく、より信頼でき、正確な直径測定方法を提供することができる。
【0044】
図5は、当該のターゲットを識別すること、並びに当該のターゲットに関連するパラメータ又は要素を識別することに関連する、例示的な処理500を示す流れ図である。処理は、ユーザが、当該のターゲット/関心領域を走査するためにプローブ110を操作することから開始し得る。この例では、ターゲットは腹部大動脈であると仮定する。本明細書で説明する特徴は、身体内の他の脈管、器官又は構造を識別するために使用され得ることを理解されたい。
【0045】
例示的な実装形態では、3D形状モデルが腹部大動脈瘤のために定義され得る(ブロック510)。一般に、例示的な実装形態によれば、3D脈管形状モデルは、定量分析目的のために患者の実際の大動脈を表すために使用され得る。シミュレートされた3D形状モデルは、複数の、人間の腹部大動脈からのデータに基づいて定義され得る。可能な変形形態は、次いで形状モデルに一体化され得る。たとえば、図6A図6Fに示されているように、シミュレートされた3D AAA形状モデルが、人間の腹部大動脈特性に基づいて開発され得る。一般に、図6A図6Fにおける3D AAA形状は、動脈瘤を表す組合せにおいて3D管602及び/又は3D球604を含み得る。
【0046】
図6A図6Fは、フレキシブル形状モデルのために使用され得る6つのシミュレートされた3Dデータ・セットを表す。各3Dデータ・セットは、シミュレートされたAAA構造の、上面図(左上フレーム中に示されている、前後方向の)と、側面図(右上フレーム中に示されている、横方向の)と、端面図(左下フレーム中に示されている)とを含む。図6Aは、動脈瘤がない正常な大動脈をもつシミュレーション形状610を表す。図6Bは、大動脈の中心線に沿って球形動脈瘤を有する大動脈をもつシミュレーション形状620を表す。図6Cは、大動脈の中心線に沿って二重球形動脈瘤を有する大動脈をもつシミュレーション形状630を表す。図6Dは、大動脈の中心線から中心が外れた球形動脈瘤を有する大動脈をもつシミュレーション形状640を表す。図6Eは、大動脈の中心線から中心が外れた二重球形動脈瘤を有する大動脈をもつシミュレーション形状650を表す。図6Fは、管形状の動脈瘤を有する大動脈をもつシミュレーション形状660を表す。本モデルでは、管径は各管について異なり得、管径は異なる管において異なり得る。シミュレーション形状610~660の各々は正常及びAAA状態の患者データ(たとえば、超音波データ、CTスキャン・データ、MRIデータなど)から得られ得る。さらに、球直径は異なる管において異なり得、各球は通常の(たとえば、球形)形状であるか又は伸長され得る。6つのシミュレーション形状610~660が図6A図6Fに示されているが、他の実装形態では、より多い又は少ないシミュレーション形状がフレキシブル形状モデルのために使用され得る。
【0047】
図7A及び図7Bはフレキシブル形状モデル700の簡略図を与える。より詳細には、図7A及び図7Bは、シミュレーション形状(たとえば、シミュレーション形状650)が形状適合分析のためにどのようにモーフィング(morph)され得るかを示す。他のシミュレーション形状(たとえば、610~640及び660)は修正されるか、又は同様の様式で修正され得る。図7A及び図7Bの例では、中心線から中心が外れた二重球形動脈瘤(たとえば、図7A及び図7Bの固有形状(Eigen Shape)5に対応する、シミュレーション形状650)の重み付けされた値は、(図7A及び図7Bの右側に位置するスライド・バーによって示されるように)図7Aにおける比較的小さい重みから、図7Bにおけるより大きい重みに増加される。例示的な実装形態によれば、フレキシブル形状モデルは、シミュレーション形状610~660のトレーニング・パターンから「学習」することができる。フレキシブル形状モデルは、明確な輪郭又はメッシュを使用せずにフレキシブルな表現を与え得る。フレキシブル3D形状モデルは、したがって、2D空間における従来の技法よりもノイズ又はシャドーに対して耐性が高い。図7A及び図7Bは、スライド・バーを使用して手動で調整され得るフレキシブル形状モデル700を示す。他の実装形態では、フレキシブル形状モデル700は、プローブ110又はベース・ユニット120中のプロセッサ(たとえば、プロセッサ420)を使用して選択/調整され得る。
【0048】
再び図5を参照すると、患者の画像データが収集され、イメージ・エンハンスメントが適用され得る(ブロック520)。たとえば、ユーザはトリガ114を押し得、プローブ110中に含まれる(たとえば、トランスデューサ360に関連する)トランシーバは、超音波信号を送信し、プローブ110によって受信されるエコー信号に関連するBモード・データを収集する。一実装形態では、データ収集ユニット210は、腹部大動脈を通る12個の異なる平面上に超音波信号を送信し、その12個の異なる平面に対応する12個のBモード画像を生成し得る。この実装形態では、そのデータは2D画像データに対応し得る。他の実装形態では、データ収集ユニット210は3D画像データを生成し得る。たとえば、図3A図3Dについて上記で説明したように、データ収集ユニット210は、大動脈構造全体をキャプチャするために、3D画像を生成するためにインターレース走査を実行し得る。各場合において、送信される超音波信号/走査平面の数は、個別の実装形態に基づいて変わり得る。
【0049】
プローブ110又はベース・ユニット120はまた、超音波画像データにノイズ低減プロセスを適用し得る。たとえば、データ収集ユニット210は、プローブ110からBモード超音波画像を受信し、画像からのスペックル及びバックグラウンド・ノイズを除去するためにノイズ低減及び/又は他の前処理技法を適用し得る。いくつかの実施例では、未加工Bモード画像のアスペクト比は、軸方向解像度と横方向解像度との間の差を補償するためにリサイジング・プロセスによって調整され得る。他の実装形態では、腹部大動脈走査適用例を実行するときなど、腹部大動脈形状を腹部大動脈の予想される又は実際の形状により近付ける(たとえば、円形とは反対に伸長される)ために、走査変換及び/又は機械学習も適用され得る。
【0050】
ベース・ユニット120(たとえば、脈管/器官識別ユニット220)は、超音波画像内で暗いピクセルの濃度を検出するなど、関心領域を検出し得る。暗いピクセルの濃度は、一般に、腹部大動脈を通して血液を運ぶ、腹部大動脈の管腔(lumen)に対応する。たとえば、図8Aは、ファントム810を各Bモード走査平面の中心における暗いピクセルの濃度として示す、データ収集ユニット210によって生成され得るAAAファントムの48スライス回転走査からの一連の画像を示す。ファントム810は例示の目的のために使用されるが、本明細書で説明するシステム及び方法は人間の大動脈/組織にも等しくよく適用される。脈管/器官識別ユニット220は暗いピクセルのエリアを管腔として識別し得る。別の実装形態では、ベース・ユニット120は、ディスプレイ122を介して走査画像のうちの1つから腹部大動脈管腔を選択するなど、オペレータが当該の脈管又は器官を示すか又は選択することを可能にするためのユーザ・インターフェース(たとえば、タッチ・スクリーン、タブレット、マウスなど)を含み得る。
【0051】
依然として図5を参照すると、腹部大動脈管腔が識別されると、脈管/器官識別ユニット220は腹部大動脈の3Dターゲット画像を生成し得る(ブロック530)。たとえば、3D画像データは、Bモード走査に基づいてコンパイルされ得る。一実装形態では、図8Aからの回転走査Bモード画像は、図8Bに示される(たとえば、上面図と、側面図と、端面図とをもつ)3D画像データを生成するために使用され得る。図8Bは、図8AのAAAファントム810の、断面端面図850と、縦断面図855と、Cモード表現860との例示的な画像を含む。断面850、855、及び860中のファントム810のレンダリングは、フレキシブル形状モデル(たとえば、フレキシブル形状モデル700)によって一致させられるべきターゲット3D画像データ・セット820として一緒に使用され得る。
【0052】
図5にさらに示されているように、フレキシブル3D大動脈モデルはターゲット3D画像上に適合され得る(ブロック540)。たとえば、セグメンテーション・ユニット230は、最良適合を決定するためにフレキシブル形状モデル700をターゲット3D画像データ・セット820上に重ね得る。図9A図9Cは形状適合プロシージャ900を示す。図9Aは、重なりなしに示され、中心線902、904に沿って揃えられた、ターゲット3D画像データ・セット820からの断面850、855、及び860の部分の図である。図9Bは、ターゲット3D画像データ・セット820上に重ねられたフレキシブル形状モデル700-1の初期構成の図である。
【0053】
図9Bの例では、シミュレーション形状650(たとえば、中心線から中心が外れた二重球形動脈瘤)が開始画像として最初に選択され得る。最初のシミュレーション形状の選択は、セグメンテーション・ユニット230によって実行されるか、(たとえば、ディスプレイ122を使用して)オペレータによって与えられるか、又はデフォルト選択として含まれ得る。一実装形態では、フレキシブル形状モデル700をターゲット3D画像データ・セット820に適合させることは、エネルギー関数を最小にすることとして定義され得る。
【0054】
形状モデル700をターゲット3D画像データ・セット(たとえば、ターゲット画像データ・セット820)に適合させるために、エネルギー関数を最小にする1つ又は複数の異なる手法が使用され得る。たとえば、レジリエント・バックプロパゲーション(RPROP)は、フィードフォワード人工ニューラル・ネットワークにおける教師あり(supervised)学習のための学習ヒューリスティックである。RPROPは、すべてのパターンについての偏導関数(partial derivative)の符号のみを考慮に入れ(大きさは考慮に入れない)、各「重み」に独立して作用する。各重みについて、最後の反復と比較して総誤差関数の偏導関数の符号変化があった場合、その重みについての更新値には、η-<1として、係数η-が乗算される。最後の反復が同じ符号を生じた場合、更新値には、η+>1として、係数η+が乗算される。更新値は、上記の様式で各重みについて計算され、最終的に、各重みは、総誤差関数が最小になるように、その重みの偏導関数の反対方向において、それ自体の更新値によって変更される。一実装形態では、η+は経験的に1.1に設定され、η-は0.9に設定される。
【0055】
形状モデル700をターゲット3D画像データ・セットに適合させるために使用され得るエネルギー関数は、データ駆動型統計的形状モデルである。データ駆動型統計的形状モデルは、初期化に対してよりロバストであり、セグメンテーション・タスク中のノイズに対してロバストであり得る。揃えられたトレーニング形状{φ}i=1...Nのセットを所与として、形状の各々は、それらの対応する形状ベクトル{α}i=1...Nによって表され得る。この表記法では、統計的形状学習の目標は、トレーニング・サンプルから統計的分布P(α)を推定することである。
【0056】
本明細書で使用する実装形態によれば、データ駆動型統計的形状モデルは、図10Aのサンプルに示されているような一様な密度か、図10Bのサンプルに示されているようなガウス分布か、又は図10Cのサンプルに示されているようなカーネル密度を推定し得る。一様分布については、P(α)=一定である。ガウス分布については、
【数1】

である。カーネル分布については、
【数2】

である。
【0057】
図9Cの例では、修正されたフレキシブル形状モデル700-2がターゲット3D画像データ・セット820上に重ねられる。たとえば、データ駆動型統計的形状モデルを使用して、フレキシブル形状モデル700-2がターゲット画像(たとえば、ファントム810)の3D形状に合致され得る。図11は、ターゲット3D画像データ・セット820上のフレキシブル形状モデル700-2についてのエネルギー関数を最小にするための複数の反復に対応し得るエネルギー変化曲線1100を示す。
【0058】
図5に戻ると、最良適合フレキシブル形状モデルはセグメンテーション結果として記憶され得(ブロック550)、AAA測定値は、記憶されたセグメンテーション結果を使用して計算され得る(ブロック560)。たとえば、ターゲット3D画像データ・セット820に対応する最良適合オーバーレイ(たとえば、フレキシブル形状モデル700-2)は後処理ユニット240によるAAA評価における定量分析のために記憶され得る。図12は、最良適合フレキシブル形状モデル700-2から生成され得る3D(たとえば、ソリッド)モデル1200を示す。3Dモデル1200の形態で利用可能な腹部大動脈セグメンテーションを用いて、後処理ユニット240は、大動脈の中心線1212、大動脈の直径1214、動脈瘤の最大直径1216、及び動脈瘤の体積など、大動脈とAAAの両方についてのサイズ情報を決定し得る。AAAは管状構造ではないので、AAAの体積、及び/又は大動脈全体に対するAAA面積の比は有用な定量的測度であり得る。他の実装形態では、後処理ユニット240は大動脈の総面積及びAAAの直径をも決定し得る。各場合において、後処理ユニット240は、たとえば、ディスプレイ122を介して、又はプローブ110上のディスプレイ118を介して、サイズ及び/又は面積情報を出力し得る。モデル1200を測定及び分析のために使用すると、後処理ユニット240は、大動脈/AAAの中心線をより容易に識別し、(たとえば、中心線に垂直な)最大の腹部大動脈直径を測定するための正しい配向を決定することが可能になる。
【0059】
上記で説明したように、システム100は、ターゲット血管に向けられる超音波信号を送信し、送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信するように構成されたプローブを含み得る。システム100はまた、受信されたエコー情報を処理し、ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、ターゲット血管に対応するフレキシブル3次元脈管モデルを取得することと、3次元ターゲット画像上へのフレキシブル3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、フレキシブル3次元脈管モデルの最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、セグメンテーション結果に基づいて、ターゲット血管についての測定値を計算することとを行うように構成された、少なくとも1つの処理デバイスを含み得る。
【0060】
例示的な実装形態の上記の説明は、例示及び説明を与えるが、網羅的なものでも、実施例を開示されている正確な形態に限定するものでもない。改変及び変形が、上記の教示に照らして可能であるか、又は実施例の実施から得られ得る。
【0061】
たとえば、ターゲット(たとえば、大動脈及び/又はAAA)のサイズを推定するために、患者の腹部大動脈及びAAAなど、当該のターゲットを識別することに関して、特徴について上記で説明した。他の実装形態では、他の脈管、器官又は構造が識別され得、脈管、器官又は構造に関連するサイズ又は他のパラメータが推定され得る。たとえば、本明細書で説明した処理は、膀胱、前立腺、腎臓、子宮、卵巣、心臓など、並びに、面積に関係する測定値など、これらのターゲットに関連する特有の特徴を識別し、表示するために使用され得る。
【0062】
さらに、図5に関して一連のブロックについて説明したが、行為の順序は他の実装形態では異なり得る。その上、非依存ブロックが並列に実装され得る。
【0063】
上記で説明した様々な特徴は、図に示された実装形態においてソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの多くの異なる形態で実装され得ることが明らかになろう。それらの様々な特徴を実装するために使用される実際のソフトウェア・コード又は専用の制御ハードウェアは限定的ではない。したがって、それらの特徴の動作及び挙動について特定のソフトウェア・コードを参照せずに説明したが、当業者は、本明細書での説明に基づいて、それらの様々な特徴を実装するためにソフトウェアを設計し、ハードウェアを制御することが可能であろうことが理解されよう。
【0064】
さらに、本発明のいくつかの部分は、1つ又は複数の機能を実行する「論理」として実装され得る。この論理は、1つ又は複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ若しくは他の処理論理などのハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せを含み得る。
【0065】
前述の明細書では、添付の図面を参照しながら、様々な好ましい実施例について説明した。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載されているように、本発明のより広い範囲から逸脱することなく、それらに様々な改変及び変更が行われ得、追加の実施例が実装され得ることが明らかであろう。本明細書及び図面は、したがって、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えられるべきである。
【0066】
本出願の説明において使用されるいかなる要素、行為、又は命令も、そのように明示的に説明されていない限り、本発明にとって決定的又は本質的であると解釈されるべきでない。また、本明細書で使用する際、冠詞「a」は、1つ又は複数の項目を含むものである。さらに、「に基づいて(based on)」という語句は、別段に明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて(based, at least in part, on)」を意味するものである。
【0067】
当業者に知られているか又は後で知られることになる、本開示に記載された様々な態様の要素のすべての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものである。請求項のいかなる請求項要素も、請求項要素が「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という語句を明確に含まない限り、米国特許法112条(f)項の下で解釈されるべきでない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6A-6F】
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A-9C】
図10A
図10B
図10C
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信することと、
前記送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信することと
を行うように構成されたプローブと、
前記受信されたエコー情報を処理し、前記ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、
前記ターゲット血管に対応する3次元脈管モデルを取得することと、
前記3次元超音波画像上への前記3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、
前記3次元脈管モデルの前記最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、
前記セグメンテーション結果に基づいて、前記ターゲット血管についての測定値を計算することと
を行うように構成された少なくとも1つの処理デバイスと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記ターゲット血管が腹部大動脈であり、
前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記3次元脈管モデルに基づいて前記ターゲット血管の長手方向中心線を決定する
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記腹部大動脈又は腹部大動脈瘤のうちの少なくとも1つの最大直径を決定する
ように構成され、前記最大直径が前記長手方向中心線に対して垂直に測定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記3次元脈管モデルの前記最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記3次元脈管モデルからの複数の異なるシミュレーション形状を適用する
ように構成され、前記複数のシミュレーション形状の各々が、シミュレートされた大動脈データ・セットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記3次元脈管モデルの前記最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
前記複数の異なるシミュレーション形状のうちの少なくとも1つの1つ又は複数の形状モデルを変更するように構成された、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記3次元脈管モデルの前記最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、
レジリエント・バックプロパゲーションを介して、画像データについて定義されるエネルギー関数を最小にする
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
フレキシブル3次元脈管モデルの最良適合を識別するとき、前記少なくとも1つの処理デバイスが、さらに、
長さ制限なしに前記3次元脈管モデルを適用する
ように構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プローブが、さらに、
回転走査からの少なくとも48個の異なる走査平面を使用して、前記ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信する
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ターゲット血管に向けられた超音波信号を送信することと、
前記送信された超音波信号に関連するエコー情報を受信することと、
前記受信されたエコー情報を処理し、前記ターゲット血管の3次元超音波画像を生成することと、
前記ターゲット血管に対応するフレキシブル3次元脈管モデルを取得することと、
前記3次元超音波画像上への前記フレキシブル3次元脈管モデルの最良適合を識別することと、
前記フレキシブル3次元脈管モデルの前記最良適合をセグメンテーション結果として記憶することと、
前記セグメンテーション結果に基づいて、前記ターゲット血管についての測定値を計算することと
を含む方法。
【請求項10】
前記ターゲット血管が腹部大動脈であり、前記ターゲット血管についての前記測定値を計算することが、
前記3次元脈管モデルに基づいて前記ターゲット血管の長手方向中心線を決定すること
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記腹部大動脈又は腹部大動脈瘤のうちの少なくとも1つの最大直径を決定すること
をさらに含み、前記最大直径が前記長手方向中心線に対して垂直に測定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記セグメンテーション結果、前記腹部大動脈の前記最大直径、又は前記腹部大動脈瘤の前記最大直径のうちの1つ又は複数を示す画像情報を出力すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】