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特表2022-518555非免疫抑制性FK506類似体およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】非免疫抑制性FK506類似体およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/04 20060101AFI20220308BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 31/395 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 31/4427 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
C07H15/04 B CSP
A61K31/706
A61K45/00
A61P17/02
A61P3/10
A61K31/395
A61K31/4427
A61K31/675
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543343
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 US2020014699
(87)【国際公開番号】W WO2020154455
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/795,700
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トライトン
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】501335771
【氏名又は名称】ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(72)【発明者】
【氏名】ジュン オー リュウ
(72)【発明者】
【氏名】チャオリ サン
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン ジェイ ペイファー
(72)【発明者】
【氏名】ユエファン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ル キ
(72)【発明者】
【氏名】ズフェン グオ
(72)【発明者】
【氏名】ハンジン ペン
(72)【発明者】
【氏名】アリ アーマディ
【テーマコード(参考)】
4C057
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C057BB02
4C057DD02
4C057JJ03
4C084AA19
4C084ZA891
4C084ZC422
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC58
4C086DA38
4C086EA04
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZC35
4C086ZC42
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は新しいクラスの非免疫抑制性FK506類似体を提供し、それは組織の修復および再生のための適度な潜在的能力の治療論を有するFKBP選択性、小分子BMPアゴニストである。これらの化合物を作製および使用するための方法もここに開示する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体。
【請求項2】
Rは、
【化2-1】
【化2-2】
【化2-3】
からなる群より選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式I:
【化3】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物。
【請求項4】
Rは、
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
からなる群より選ばれる、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つ以上の生物学的活性剤をさらに含む、請求項1もしくは2に記載の化合物、または請求項3もしくは4に記載の組成物。
【請求項6】
式I:
【化5】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体、少なくとも1つの幹細胞モビライザー、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物。
【請求項7】
Rは、
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
からなる群より選ばれる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記幹細胞モビライザーはCXCR4アンタゴニストを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記CXCR4アンタゴニストは、AMD3100、TG-0054、またはAMD3465からなる群より選ばれる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
有効量の請求項1もしくは2に記載の化合物または請求項3~9のいずれか一項に記載の組成物の、それを必要とする対象における組織傷害を処置するための使用。
【請求項11】
請求項1もしくは2に記載の化合物または請求項3~9のいずれか一項に記載の組成物が、少なくとも1つの追加の生物学的活性剤をさらに含む、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記組織傷害は、慢性的な創傷、糖尿病性潰瘍、熱傷、熱湯傷、凍傷および穿刺からなる群より選ばれる、請求項10または11に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への参照】
【0001】
この出願は米国仮特許出願番号第62/795,700号の利益を主張し、それは2019年1月23日付けで出願し、およびここに十分に記載されているかのようにあらゆる目的のために参照によりここに組み込む。
【背景技術】
【0002】
事故、疾患、および武力衝突による損傷は最も一般的な医学的問題の一つである。重度の熱傷および疾患、例えば、糖尿病などのようなものに関連する慢性の非治癒性創傷のための治療コストは年間500億ドルを超えると推定された(Fife(ファイフ)ら、2012)。慢性創傷は人体を感染にかかりやすくし、敗血症につながる可能性のある日和見病原体をもたらすリスクが高まる。それゆえ創傷治癒(WH)を加速することで感染のリスクを減らすことができ、創傷患者の死亡率および罹患率が改善される。しかし、創傷治癒を短縮するための選択肢は限られ、新しい治療法の開発が求められている。
【0003】
本発明者らは、皮膚のWHを加速するための相乗的な薬物の組合せの発見(Lin(リン)ら、2014)、および宿主の再増殖による長期の同種移植片の生存の誘導(Okabayashi(オカバヤシ)ら、2011、Hu(ヒュー)ら、2016、Cameron(カメロン)ら、2016)を以前に報告した。2つのFDA承認薬、Tacrolimus(タクロリムス)(FK506)およびPlerixafor(プレリキサフォル)(AMD3100)の組合せにより、4つの円形全層切除創傷を有するマウスの完全治癒時間が25%短縮され、それは既存の治療様式(therapeutic modalities)では前例がない。加速されたWHは骨髄(BM)由来幹細胞(CD133、CD34、およびcKit)の動員およびCD133幹細胞の創傷部位への補充、ならびに増強された間質由来因子1(SDF-1)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、および肉芽組織における脈管内皮細胞増殖因子(VEGF)の放出(Linら、2014)を伴う。
【0004】
FK506およびAMD3100の組合せ(AF)がWHを加速する根本的な分子メカニズムはあまり研究されていない。AMD3100はケモカイン受容体CXCR4の選択的アンタゴニストであり(Hatse(ハトセ)ら、2002)、および造血幹細胞(HSCs)を骨髄(BM)から末梢血中に送り出すために臨床的に使用され(Liles(リルズ)ら、2003)、そこでそれらは切除照射および/または化学療法が完了するまで回復および保存することができる。HSCsに加えて、AMD3100の注入はBM由来の内皮前駆細胞(EPCs)の動員を増強し、それはマウスでの心筋梗塞後のより一層迅速な脈管新生および機能回復に関連した(Jujo(ジュジョウ)ら、2010、Balaji(バラジ)ら、2013)。しかしながら、AMD3100処置単独による循環幹細胞の数の増加は創傷部位での補充の減少によりわずかに速い治癒しか見せなかった(Linら、2014)。
【0005】
AMD3100とは対照的に、組合せ処置(AF)における低用量FK506によって果たされる正確な役割は謎のままであった。FK506は細菌Streptomyces tsukubaensis(ストレプトマイセス・ツクバエンシス)によって産生されるマクロライドであり、移植拒絶反応の防止ならびに一定の自己免疫疾患の処置に広く使用される免疫抑制剤である(Tanaka(タナカ)ら、1987;Fung(ファン)ら、2004)。FK506の免疫抑制活性についての根底にあるメカニズムは十分に確立された。細胞レベルでは、FK506はTヘルパー細胞の活性化を抑制する。経路レベルでは、それはT細胞受容体から発せられる細胞内シグナル伝達を遮断し、IL-2およびその他のサイトカイン遺伝子の転写活性化がもたらされる。分子レベルでは、バイナリーFKBP-FK506複合体がカルシニューリンのプロテインホスファターゼ活性と関係し、およびその活性を抑制する前に、それがFKBP12および他のメンバーのFKBPファミリーに結合し、活性化T-細胞(NFAT)の核因子のカルシウム依存性脱リン酸化が防止される(Liu(リュウ)ら、1991;Griffith(グリフィス)ら、1995;Kissinger(キッシンジャー)ら、1995)。
【0006】
WHにおけるFK506についての可能性がある根本的なメカニズムはカルシニューリンの抑制による。しかしながら、局所的FK506はWHに有害な影響を有することが示された(Schaffer(シェーファー)ら、1998)。さらに、我々は低用量のFK506(0.1mg/kg)単独で処置した動物が生理食塩水コントロール群と比較してわずかに速い治癒を見せたが、免疫抑制のための標準用量のFK506(1mg/kg)は治癒時間を遅らせ、カルシニューリン抑制がWHに対するFK506の効果の原因であるかどうかという質問には答えられていない。
【0007】
FKBP12はFK506の免疫抑制活性において補助的な役割を果たすが、BMP 1型受容体の活性化を抑制することも示されている(Wang(ワン)ら、1996)。重要なことに、この相互作用はFK506によって少なくすることができた(Spiekerkoetter(シュピーカーコッター)ら、2013)。上皮細胞が損傷に応答して多くのBMP受容体をダウンレギュレートすることが報告されているが、BMPシグナル伝達はまだ創傷治癒のどの段階にも直接関連していない(Lewis(ルイス)ら、2014)。逆に、筋線維芽細胞内の強化されたBMPシグナル伝達が瘢痕のない創傷治癒を促進し得ることが最近報告された(Plikus(プリクス)ら、2017)。BMPsは内皮細胞において炎症促進性の表現型を生成することが実証され、それによって白血球接着およびSDF-1分泌が増やされる(Csiszar(チサール)ら、2006;Young(ヤング)ら、2012)。活性化されると、BMP受容体はSMAD転写因子1、5、および8をリン酸化し、および活性化する。これらのSMADsの主要な標的遺伝子の一つは分化のインヒビター1(ID-1)であり、それは胚発生および幹細胞の自己再生に関連するいくつかの遺伝子の転写を抑制する。以前の研究は、FK506処置後のBMP受容体活性化の下流効果のいくつかを調べたが、それは骨格筋細胞(Spiekerkoetterら、2013)およびヒト滑膜間質(hSSC)細胞(Tateishi(タテイシ)ら、2007)におけるSMAD1およびSMAD5(SMAD1/5と表示)および/またはSMAD8(SMAD1/5/8と表示)リン酸化での増加を伴う。追加的に、MAPKKリン酸化およびID-1発現において増加が観察され、およびFK506の活性は条件付きBMP受容体2型(BMPR2)ノックアウトによって誘発されたマウスでの内皮機能障害を救済するのに十分であった(Spiekerkoetterら、2013)。FK506が平滑筋細胞でのTGF-βシグナル伝達経路(SMAD 2および3)の下流にあるSMADsのリン酸化をアップレギュレートすることが報告された(Giordano(ジョルダーノ)らCardiovasc Res.(カーディオウヴァスキュラァ・リサーチ)2008;Bennet(ベネット)らJ Clin Med.(ジャーナル・オブ・クリニカル・メディシン)2016)。しかしながら、下流の転写活性は補足された外因性TGF-βの存在下で見られただけであった(Spiekerkoetterら、2013;Wangら、1996)。別の研究では、FK506がTGF-β 3型補助受容体エンドグリンの発現を増加させ、および内皮細胞の遊走および血管新生活性の両方を刺激することが示された(Albinana(アルビナナ)ら、2011)。全体として、これらの観察はFK506がカルシニューリン抑制とは無関係にFKBP12を通してそのWH効果を発揮し得る可能性を高めた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、創傷治癒を改善することができる化合物および組成物の必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らはFKBP結合を保持し、カルシニューリン抑制活性を欠く新規な非免疫抑制性FK506類似体を合成した(図1)。新たに合成したFK506類似体はFKBP12-BMPR1相互作用の破壊を通じてリンパ球および内皮細胞におけるBMPシグナル伝達を活性化することが見出された。さらに、本発明者らは今回これらのFK506類似体およびAMD3100の組合せがBMP受容体依存的マナーにおいて糖尿病性ラットでの創傷治癒を加速することが見出されたことを示すことができる。
【0010】
新しく合成したFK506類似体FK506アナログはさまざまな免疫抑制特性を示す一方、それらはすべてFK506と同様の効力によりジャーカット細胞においてBMP経路レポーターを活性化する。さらに、誘導体はジャーカット細胞におけるNFATレポーター抑制において構造依存性の効果を示す。
【0011】
一実施形態によれば、本発明は式I:
【化1】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル(imidazoyl)、シクロアルキ(cycloalky)、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体を提供する。
【0012】
一実施形態によれば、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物を提供する:
【化2-1】
【化2-2】
【化2-3】
【0013】
一実施形態によれば、本発明は、式I:
【化3】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。
【0014】
一実施形態によれば、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物を含む組成物を提供する:
【化4-1】
【化4-2】
【0015】
さらなる実施形態によれば、本発明は式1の化合物か、または式1の化合物、および少なくとも1つ以上の生物学的活性剤を含む組成物を提供する。
【0016】
一実施形態によれば、本発明は、式I:
【化5】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体、少なくとも1つの幹細胞モビライザー、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。
【0017】
一実施形態によれば、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物を含む組成物を提供する:
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
【0018】
特定の実施形態では、幹細胞モビライザーはCXCR4アンタゴニストを含む。例えば、CXCR4アンタゴニストは、AMD3100、TG-0054、またはAMD3465を含むことができる。
【0019】
一実施形態によれば、本発明は、有効量の式I:
【化7】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体;および有効量の少なくとも1つの幹細胞モビライザーを対象に投与することを含む、対象において組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0020】
別の実施形態によれば、本発明は、有効量の式Iの化合物、有効量の少なくとも1つの幹細胞モビライザー、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を対象に投与することを含む、対象において組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態において、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物の有効量を含む組成物を対象に投与することを含む、対象において組織傷害を処置するための方法を提供する:
【化8-1】
【化8-2】
【0022】
さらなる実施形態によれば、本発明は有効量の式Iの化合物、有効量の少なくとも1つの幹細胞モビライザー、少なくとも1つの追加の生物学的活性剤、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を対象に投与することを含む、対象において組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0023】
一実施形態によれば、本発明はアリール置換FK506分子を作製するための方法を提供し、以下のステップが含まれる:a)パラジウム触媒の存在下で十分な量のハロゲン化アリールおよび極性非プロトン性溶媒における塩基を含む混合物に十分な量のFK506を加えること;b)ハロゲン化アリールがFK506と反応してFK506分子上にアリール置換を生成するのに十分な時間混合物を加熱すること、およびc)アリール置換FK506生産物を分離することである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】FK506およびFKVPの化学構造を描く。
図2図2a-2cはFK506類似体がさまざまな免疫抑制特性を見せることを示す。(2a)HUVEC細胞における72時間の類似体処理後の細胞生存率。(2b)すべての類似体はFK506と同様の効力でジャーカット細胞においてBMP経路レポーターを活性化する。(2c)誘導体はジャーカット細胞におけるNFATレポーター抑制において構造依存性の効果を示す。エラーバーはすべての測定値についての平均からの標準偏差を表し(n=3)、および吸光度/発光値はDMSO処理細胞に対して正規化した。
図3】3つの非免疫抑制性類似体(lb、2b、および3b)およびFK506によるBMPレポーター活性化についての用量反応曲線を描く。
図4図4a-4bはカルシニューリンに対する結合の詳細を示す。(4a)カルシニューリンによるFK-506末端オレフィンの拡大図。(4b)カルシニューリンによるFKVPの立体効果。
図5図5a-5c(la-lc)はC40位置にてFK506を修飾することによって非免疫抑制類似体(FKVP)の新規合成を例示する。(5a)FK506、FKVP、SLF、およびCsAの化学構造。(5b)FKVPまたはFK506処理の3日後のジャーカット細胞のレザズリンベースの細胞生存率アッセイ(n=3)。吸光度値はDMSOコントロールに対して正規化した。エラーバーは標準偏差を表す。(5c)PMA/イオノマイシン-活性化ジャーカット細胞のNFAT-ルシフェラーゼレポーター活性はFK506およびCsAによって抑制されるが、FKVPおよびSLFによってはそうでない。用量反応曲線はNFAT-ルシフェラーゼレポーター遺伝子を発現するジャーカット細胞を指示した化合物の段階希釈により処理することによって取得し、および相対的なルシフェラーゼ活性はDMSOコントロール値に対する正規化により定めた(n=3)。
図6】ルテニウム触媒によるクロスメタセシスを介するFVKP合成の概略図を示す。FVKPの合成スキーム。
図7図7a-7bはジャーカット細胞のFVKP処理を描く。
図8図8a-8bはFKVPがFKBP12の結合についてFK506およびラパマイシンの双方と競合することを示す。FK506およびラパマイシンの双方は活性のためにFKBP12を必要とする。(8a)FKVPはカルシニューリン媒介NFAT脱リン酸化のFK506抑制(下側バンド)、(8b)ならびにラパマイシンによるmTOR媒介S6リン酸化の抑制をブロックする。
図9図9a-9cはAMD3100およびFK506またはFKVPの組合せにより処置した糖尿病性GKラットの創傷治癒の加速を示す。(9a)創傷モデル:GKラットの背側にて4つの円形切除創傷(直径8mm)を作り出した。(9b)各処置群についてのGKラットでの創傷の代表的な写真(AF=AMD3100+FK506、AV=AMD3100+FKVP)、0、6、12、18および24日目。(9c)GKラットにおける完全治癒時間の定量分析。すべてのデータは平均±SEMによって表す。
図10図10a-10cは非免疫抑制類似体、例えば、式Iの化合物などのようなものが、BMP 1型受容体活性化を通してID-1レポーターおよびpSMAD1/5リン酸化を活性化することを示す。(10a)FK506およびFKVPの量を増やして処理した後のジャーカット細胞におけるBMP応答エレメント(BRE)レポーター活性。この活性は100nM LDN-193182の添加によって強く抑制される。TGF-β1はネガティブコントロールとして機能するが、BMP4は18時間後にルシフェラーゼ発現の強力な誘導を示す。相対的ルシフェラーゼ活性はDMSOコントロール値への正規化により定めた。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。(10b)ジャーカット細胞におけるFKVPによるSMAD1/5リン酸化の用量依存的誘導。(10c)BMPR1選択的インヒビターLDN-193189はジャーカット細胞においてBMP-4またはFKVPのいずれかによって誘導されるSMAD1/5リン酸化を抑制する。
図11】SMAD/16とは異なり、FKVPはSMAD2/3リン酸化を活性化しないことを示す。ジャーカット細胞は2時間後にSMAD2/3リン酸化において感知できるほどの増加を示さない。陽性コントロール(TGF-β1)と比較したFKVP処置。
図12】AMD-3100がBMPシグナル伝達を単独でまたはFKVPとの組合せにおいて影響を与えないことを示す。ジャーカットBMP FKVPルシフェラーゼアッセイにおけるFKVPおよびAMD3100の単独および併用処置(n=3)。相対的なルシフェラーゼ活性はDMSOコントロール値への正規化により定めた。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。
図13】FKVPがBMPインヒビター、ノギン(Noggin)の存在下でBMPシグナル伝達を活性化することを示す。ジャーカットBMP活性化アッセイにおけるBMP-4、FVKP、FK506およびノギンの併用処置(n=3)。相対的ルシフェラーゼ活性はDMSOコントロール値への正規化により定めた。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。
図14】FKVPがBMP-4刺激に対する細胞の感受性を高めることを例証する。ジャーカットBMP活性化アッセイにおけるBMP-4、FVKP、および併用処置(n=3)。相対的ルシフェラーゼ活性はDMSOコントロール値への正規化により定めた。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。
図15図15a-15cはFKVPがHUVECにおいてSMAD1/5リン酸化およびID-1発現を活性化することを描く。(15a)HUVEC細胞におけるBMP-4、FKVP、LDNの併用処置による処置2時間後のSMAD1/5リン酸化のウエスタンブロット。(15b)200nM FKVPで処置し、およびSMAD1/5リン酸化についてブロットしたHUVEC細胞の経時的ウエスタンブロットおよび(15c)ID-1発現。
図16-1】図16a-16dはFK506およびFKVPによって誘導されるSMAD1/5リン酸化についてFKBP12単独が必要であることを示す。(16a)野生型および異なるFKBPアイソフォームノックアウト細胞におけるFKVPおよびBMP-4によるSMAD1/5リン酸化の誘導。(16b)異なるFKBPアイソフォームノックアウト細胞におけるFKVPおよびFK506によるBMP経路レポーターの活性化およびLDNによるレポーター遺伝子活性化の抑制(n=3)。相対的ルシフェラーゼ活性はDMSOコントロール値への正規化時に定めた。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。
図16-2】(16c)FKBP12-SNAP融合タンパク質の発現はFKBP12KOジャーカット細胞におけるFKVPおよびFK506によるBMP経路の活性化を回復させる(n=3)。(16d)FKVPの不存在下および存在下でSNAP機能化ビーズと組み合わせてFKBP12-SNAPを使用したALK受容体のプルダウン。
図17】FKBP12-SNAPがmTORおよびカルシニューリンの双方と相互作用することを例証する。SNAP-タグプル-ダウンおよびウエスタンブロットはFKBP12-SANPがそれぞれFK506およびラパマイシンの存在下でカルシニューリンおよびmTORの双方と効率的に結合することを示す。陰性コントロールとして、FKVPはカルシニューリンの会合を誘導しない。この実験についてBMPタンパク質処置は精査しなかった。
図18図18a-18cはBMPシグナル伝達の遮断が創傷治癒におけるAF併用療法の有益な効果を妨げることを示す。(18a)生理食塩水、LDN、AFまたはAFプラスLDNで処置したGKラットの創傷の代表的な写真は12日目から始まりAFおよびAFプラスLDN間の違いを示す。(18b)GKラットの完全治癒時間の定量分析。すべてのデータは平均±SEMで表す。(18b)7日目のGKラットの肉芽組織における幹細胞マーカーCD133についての代表的な免疫組織化学的染色。AF処置を受けたラットは生理食塩水コントロール群と比較して肉芽組織におけるCD133細胞(茶色)の数が著しく多かったのに対し、LDN処置は創傷部位におけるCD133幹細胞の数を劇的に減少させた。
図19】何ら特定の理論に拘束されることなく、本実例は本発明の式Iの模範的な化合物、FKVP、および幹細胞刺激物質(stimulator)、AMD3100による増強された治癒の機構的概要を示す。AMD3100はCD133+幹細胞を循環中に放出し、そこでFKVP媒介BMP活性化が創傷組織への補充に影響を与える。FKVPによるFKBP12の全身抑制は創傷に対する必要な免疫応答に影響することなく動員された幹細胞/前駆細胞および内皮細胞の双方においてBMP関連の遺伝子発現を可能にする。
図20】FKVPの構造および化合物の質量スペクトルである。[C49H72N2O12+H] 881.5(HRMS-ESI(m/z):C49H72N2O12 [FKVP+H]+についての計算881.5164、実測881.5135)。
図21】FKVP構造の特性評価のためのNMRスペクトルを描く。(21a)FKVPおよび(21b)FK506(CDCL3)の1H-NMRスペクトル、5.5ppm-6.0ppmの詳細を含み、FKVPにおいての末端アルケンの消失を示す(FK506に存在、黄色で強調表示)。 本発明の詳細な記載
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の例は現在開示する主題の代表的な実施形態を実践するための本技術における通常の技量の者にガイダンスを提供するために含まれた。本開示および本技術における一般的なレベルの技量に照らして、熟練の者は以下の例が模範となることだけを意図するものであり、および多数の変化、修飾、および変動を目下開示する主題の範囲から離れることなく採用することができることを認めることができる。以下の総合的な説明および特定の例は例示の目的だけを意図するものであり、および他の方法によって本開示の化合物を作製することをいかなるマナーにおいても制限するとして解釈されるべきではない。
【0026】
一実施形態によれば、本発明は、式I:
【化9】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルで置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体を提供する。
【0027】
式Iの非免疫抑制化合物は、免疫抑制剤、タクロリムス(Tacrolimus)に由来する。タクロリムス(またFK-506またはフジマイシン(Fujimycin))は主に同種異系器官移植後にペイシェント(人間で言う患者のこと)の免疫系の活動を低下させ、およびそれで器官拒絶反応のリスクを低下させるために使用される免疫抑制薬物である。それはT細胞によるインターロイキン2(IL-2)の産生を減少させる。それはまた、重度のアトピー性皮膚炎(湿疹)、骨髄移植後の重度の難治性ぶどう膜炎、および皮膚の状態の白斑の処置における局所調製物にも使用される。それは日本の土壌サンプルで、それには細菌Streptomyces tsukubaensis(ストレプトマイセス・ツクバエンシス)が含まれたものの発酵ブロスから1984年に発見された23員のマクロライドラクトンである。薬物は商品名Prograf(R)(R)は米国等での登録商標表示)(プログラフ)で一日二回(静脈内)与えられ、Advagraf(R)(アドバグラフ)の徐放性調剤物で一日一回の投与(経口)を可能にされ、Protopic(R)(プロトピック)の局所調剤物の下で販売される。
【0028】
一実施形態によれば、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物を提供する:
【化10-1】
【化10-2】
【0029】
「脂肪族」という用語は当技術で認められる用語であり、および線状、分枝状、および環状のアルカン、アルケンまたはアルキンを含む。一定の実施形態において、本発明での脂肪族基は線状または分枝状であり、および1から-約20個の炭素原子を有する。
【0030】
「アルキル」という用語は当技術で認識され、および飽和脂肪族基を含み、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基が含まれる。一定の実施形態において、直鎖または分枝鎖アルキルはその主鎖において約30個以下の炭素原子(例は、直鎖についてC1-C30、分枝鎖についてC3-C30)、およびあるいはまた約20個以下の炭素原子を有する。同様に、シクロアルキルはそれらの環構造において約3から約10個までの炭素原子を有し、およびあるいはまた環構造において約5、6または7個の炭素を有する。
【0031】
さらに、「アルキル」(または「低級アルキル」)という用語は「非置換アルキル」および「置換アルキル」の双方を含み、それらの後者は炭化水素骨格の一またはそれよりも多く(単に一以上とも言う)の炭素での水素を置換する置換基を有するアルキル部分に言及する。そのような置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシルなどのようなもの)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセタート、またはチオホルマートなどのようなもの)、アルコキシル、ホスホリル、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルファート(硫酸塩などとも言う)、スルホナート(スルホン酸塩などとも言う)、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族またはヘテロ芳香族モイエティ((二分した)一部分とも言う)が含まれ得る。炭化水素鎖上で置換されたモイエティは適切な場合、それら自体が置換され得ることは当技術において熟練する者によって理解されるであろう。例として、置換アルキルの置換基は置換および非置換形態のアミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホナートおよびホスフィナートを含む)、スルホニル(サルファート、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホナートを含む)、およびシリル基、ならびにエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシラート、およびエステルを含む)、--CF3、--CNおよびその他同種類のものなどを含み得る。模範的な置換アルキルを以下に記載する。シクロアルキルはアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、--CF3、--CNおよびその他同種類のものなどでさらに置換し得る。
【0032】
「アラルキル」という用語は当技術で認識され、およびアリール基(例は、芳香族またはヘテロ芳香族基)を含む。
【0033】
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は当技術で認識され、および有機分子では、大抵は炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。例示的なヘテロ原子には、ホウ素、窒素、酸素、りん、硫黄、およびセレンが含まれる。
【0034】
「アリール」という用語は当技術で認識され、および5-、6-、および7-員の単環芳香族基を含み、それは0~4個までのヘテロ原子、例えば、ベンゼン、パイロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾールチアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンおよびその他同種類のものなどを含み得る。環構造においてヘテロ原子を有するこれらの(Thos)アリール基は「アリール複素環」または「ヘテロ芳香族」と称され得る。芳香環は一以上の環位置にて上記のようなそのような置換基、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフィジル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族モイエティ、--CF3、--CNまたはその種の他のものなどで置換され得る。「アリール」という用語はまた、二以上の炭素が2つの隣接する環に共通である二以上の環状環を有する多環式環系を含み(環は「縮合環」であり)、環の少なくとも1つは芳香族であり、例は、他の環状環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/またはヘテロシクリル、または非環状モイエティによって結合された環であり得る。
【0035】
「オルト」、「メタ」および「パラ」という用語は当技術で認識され、およびそれぞれ、1,2-、1,3-および1,4-二置換シクロヘキサンに適用される。例えば、1,2-ジメチルベンゼンおよびオルトジメチルベンゼンという名称は類義語である。
【0036】
「ヘテロシクリル」および「複素環基」という用語は当技術で認識され、および3-ないし約10-員環構造、例えば、3-ないし約7-員環などのようなものを含み、それらの環構造は1~4個のヘテロ原子を含む。複素環はまたポリサイクルであり得る。ヘテロシクリル基には、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサンチン、ピロールイミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えば、アゼチジノンおよびピロリジノンなどのようなもの、スルタム、スルトンおよびその他同種類のものなどが含まれる。複素環は一以上の位置にて、上記のような置換基で置換され得、例えば、ハロゲン、アルキルアラルキル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィなート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族のモイエティ、-CD3、-CNまたはその種の他のものなどである。
【0037】
「ポリシクリル」および多環式基」という用語は当技術で認識され、および二以上の炭素が二以上の環(例は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)を有する構造を含み、二以上の炭素は2つの隣接する環に共通であり、例は、環は「融合環」である。隣接してない原子を介して結合される環、例は、三以上の原子が双方の環に共通する環は、「ブリッジド」リングと称される。ポリサイクルの各々の環は例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族のモイエティ、-CD3、-CNまたはその種の他のものなどの上記のような置換基で置換され得る。
【0038】
「炭素環」という用語は当技術で認められ、および環の各原子が炭素である芳香族または非芳香族環を含む。以下の当技術で認められる用語は以下の意味を有する:「ニトロ」は-NO2を意味し;「ハロゲン」という用語は-F、-Cl、-Br、または-Iを示し;「スルフヒドリル」という用語は-SHを意味し;「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」という用語は-OHを意味し;およびスルホニル」という用語は-SO2-を意味する。
【0039】
「アミン」および「アミノ」という用語は当技術で認識され、および非置換アミンおよび置換アミンの両方を含む。第一級アミンは2つの水素、第二級アミン、1つの水素および別の置換基を伴い、および第三級アミン、2つの水素が置換される。水素の一方または双方についての置換基は例えば、およびアルキル、アルケニル、およびアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環、ポリサイクルなどであることができる。双方の水素がカルボニルで置換される場合、カルボニルで囲まれた窒素はイミドを形成する。
【0040】
「アルキルアミン」という用語は上記で規定されるようにアミン基を含み、それに付着した置換または非置換のアルキルを有する。
【0041】
「アミド」という用語はアミノ置換カルボニルとして当技術に認識される。
【0042】
「アルキルチオ」という用語は当技術で認識され、および上記に規定されるように、およびアルキル基を含み、それに付着した硫黄ラジカルを有する。一定の実施形態において、「アルキルチオ」モイエティは-S-アルキル、-S-アルケニル、-S-アルキニルなどのうちの1つによって代表される。代表的なアルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチオおよびその他同種類のものなどが含まれる。
【0043】
「カルボニル」という用語は当技術で認識され、およびC=0構造を含む。カルボニルはエステル;カルボキシル基;フォルマート(蟻酸塩);チオカルボニル;チオエステル;チオカルボン酸;チオホルマート;ケトン;およびアルデヒドに関与する。
【0044】
「アルコキシル」および「アルコキシ」という用語は当技術で認識され、および上記で規定するように、アルキル基を含み、それに結合した酸素ラジカルを有する。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシおよびその他同種類のものなどが含まれる。
【0045】
「エーテル」は酸素によって共有結合した2つの炭化水素である。したがって、そのアルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、例えば、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニルなどのうちの一つによって代表し得るような、アルコキシルであるか、またはそれに類似する。
【0046】
「スルホナート(スルホン酸塩とも言う)」という用語は当技術で認識され、および硫黄原子が2つの二重結合酸素および1つの単一結合酸素を伴うモイエティを含む。
【0047】
「サルファート(硫酸塩とも言う)」という用語は当技術で認識され、およびスルホナートに似ているが、2つの単一結合酸素を含むモイエティを含む。
【0048】
「スルホンアミド」、「スルファモイル」、「スルホニル」、および「スルホキシド」という用語は当技術で認識され、およびそれぞれはここに記載の様々なR基置換分を含むことができる。
【0049】
「ホスホルアミダイト」および「ホスホンアミダイト」という用語は当技術で認識される。
【0050】
「セレノアルキル」という用語は当技術で認識され、およびアルキル基を含み、それはそれに結合した置換セレノ基を有する。アルキル上で置換され得る模範的な「セレノエーテル」は-Se-アルキル、-Se-アルケニル、-Se-アルキニルなどのうちの一つから選ばれる。
【0051】
例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニルを生成するために、アルケニルおよびアルキニル基に置換を行い得る。
【0052】
炭化水素は当技術で認められる用語であり、および少なくとも1つの水素および1つの炭素原子を有するすべての許容できる化合物を含む。例えば、許容できる炭化水素には、非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、置換または非置換であり得る芳香族および非芳香族有機化合物が含まれる。
【0053】
「保護基」という語句は当技術で認識され、および潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学変換から保護する一時的な置換基を含む。そのような保護基の例には、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、およびそれぞれアルデヒドおよびケトンのアセタールおよびケタールが含まれる。保護基化学の分野は、例えば、Greene(グリーン)ら、Protective Groups in Organic Synthesis 2nd ed.(有機合成における保護基の第二版)、Wiley(ワイリー)、New York(ニューヨーク)、(1991)で概説された。
【0054】
各式、例は、アルキル、アリールなどの規定は、それがいずれかの構造において一回よりも多く発生するとき、明示的にまたは文脈によって別なふうに指示がない限り、同じ構造において他の所での規定から無関係であることを意図する。
【0055】
トリフリル、トシル、メシル、およびノナフリルという用語は当技術で認識され、およびそれぞれ、トリフルオロメタンスルホニル、p-トルエンスルホニル、メタンスルホニル、およびノナフルオロブタンスルホニル基に言及する。トリフラート、トシラート、メシラート、およびノナフラートという用語は当技術で認識され、およびそれぞれ、トリフルオロメタンスルホナートエステル、p-トルエンスルホナートエステル、メタンスルホナートエステル、およびノナフルオロブタンスルホナートエステル官能基および前記基を含む分子に言及する。
【0056】
略語Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、およびMsは当技術で認識され、およびそれぞれメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p-トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルを表す。本技術における通常の技量の有機化学者によって利用される略語のより一層包括的なリストは、Journal of Organic Chemistry(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー)の各巻の第1号に掲載されており;このリストはStandard List of Abbreviations(略語の標準リスト)というタイトルの表に典型的に示される。
【0057】
「置換」または「により置換する」はそのような置換が置換原子および置換成分の許される原子価に従うという暗黙の但し書きを含み、および置換が安定な化合物をもたらすこと、例は、それが変換を自発的に、例えば、転位、環化、除去、または他の反応などによって受けないことが理解されるであろう。
【0058】
「置換され」という用語はまた、有機化合物、例えば、興味があるイミド試薬などのようなもののすべての許容できる置換成分を含むことが企図される。広い態様では、許容できる置換成分には、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。例示的な置換成分には、例えば、ここに記載するものが含まれる。許容できる置換成分は適切な有機化合物について一以上であり、および同じまたは異なっていてもよい。この発明の目的のために、ヘテロ原子、例えば、窒素などのようなものはヘテロ原子の原子価を満たす水素置換基および/またはここに記載の有機化合物の任意の許容可能な置換成分を有し得る。この発明は有機化合物の許容できる置換成分によっていかなるマナーにおいても制限されることを意図していない。
【0059】
一実施形態によれば、本発明はアリール置換FK506分子を作製するための方法を提供し、以下のステップを含む:a)パラジウム触媒および極性非プロトン性溶媒中の塩基の存在下で十分な量のハロゲン化アリールを含む混合物に十分な量のFK506を加えるステップ;b)ハロゲン化アリールがFK506と反応してFK506分子上にアリール置換を作り出すのに十分な時間混合物を加熱するステップ;およびc)アリール置換FK506生成物を分離する。
【0060】
ここで使用するように、本発明は分子の末端アルケニル炭素(炭素40)にてFK506分子へのアリール置換を生成するための新規な方法を提供する。本発明はHeck(ヘック)反応を使用する。ヘック反応(またMizoroki-Heck(ミゾロキ-ヘック)反応とも呼ばれる)は置換アルケンを形成するための塩基およびパラジウム触媒(またはパラジウムナノ材料ベースの触媒)の存在下での不飽和ハロゲン化物(またはトリフラート)とアルケンとの化学反応である。Tsutomu Mizoroki(ツトム・ミゾロキ(溝呂木勉))およびRichard F. Heck(リチャードF, ヘック)にちなんで名付けられた。Heckはこの反応の発見と発展により、2010年のノーベル化学賞を受賞し、それをEi-ichi Negishi(根岸英一)およびAkira Suzuki(鈴木章)と共有した。この反応は、Pd(0)/Pd(II)触媒サイクルに続く炭素-炭素結合形成反応の最初の例、他のPd(0)触媒クロスカップリング反応で見られるのと同じ触媒サイクルであった。
【0061】
いくつかの実施態様において、本発明の方法はFK506のアリール置換化合物(式Iの化合物)を調製するために使用される。
【0062】
いくつかの実施態様では、本発明の方法で使用される触媒は典型的な触媒(Typical catalysts)であり得、およびプレ触媒には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、および酢酸パラジウム(II)が含まれる。
【0063】
いくつかの実施態様では、本発明の方法で使用される支持リガンドはトリフェニルホスフィン、PHOXおよびBINAPである。
【0064】
いくつかの実施態様において、本発明の方法で使用される塩基はトリエチルアミン、炭酸カリウム、トリス(o-トリル)ホスフィン、および酢酸ナトリウムである。
【0065】
いくつかの実施態様において、本発明の方法で使用されるアリール求電子試薬はハロゲン化物、ならびにトリフラート、ならびにハロゲン化ベンジルまたはハロゲン化ビニルである。
【0066】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は酸素の不存在下で起こる。
【0067】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は極性非プロトン性溶媒中で起こる。そのような溶媒の例には、N-メチルピロリドン、THF、酢酸エチル、アセトン、DMF、アセトニトリル、DMSOおよび炭酸プロピレンが含まれる。
【0068】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は反応物を80-130℃の範囲で加熱する。好ましい実施形態では、反応物は約100℃に加熱する。
【0069】
いくつかの実施態様において、FK506に対するハロゲン化アリールの十分な量は1~3モル当量の範囲である。いくつかの実施態様において、十分な量のパラジウム触媒は約2~約20モル%である。いくつかの実施態様において、十分な量の塩基は約5~約30モル%のトリス(o-トリル)ホスフィンまたはトリメチルアミンの間である。
【0070】
いくつかの実施態様において、本発明の方法で使用されるハロゲン化アリールは以下の表1に示されるものから選ばれる。
【0071】
表1:本発明の方法および本発明の方法で使用することができるハロゲン化アリールの概略図。
【表1】
【0072】
一実施形態によれば、本発明は、式I:
【化11】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。
【0073】
一実施形態によれば、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物を含む組成物を提供する:
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【0074】
ここで使用するように、「効果的」という用語は、望ましい、期待される、または意図される結果を達成するのに適切であることを意味する。より一層具体的には、「有効量」または「治療上有効量」は互換的に使用され、および幹細胞モビライザー(stem cell mobilizer)および/または免疫抑制剤の量に言及し、おそらくさらに別の治療剤との組合せにおいて望ましい「処置」(ここで規定する)または治療上の効果、例は、組織傷害または創傷の徴候を防止、緩和、処置または改善するのに有効な量を提供するのに必要である。当技術における通常の技量の者(当業者などとも言う)によって認められるように、必要とされる正確な量は対象の年齢、一般的な状態、処置される状態の重症度、施される特定の化合物および/または組成物、およびその他同種類のものなどに応じて、対象ごとに変動する。任意の個々の場合における適切な「治療上有効量」は関連文書および文献を参照することによって、および/または日常的な実験を使用することによって当技術における通常の技量の者によって定めることができる。
【0075】
本発明の薬剤組成物は対象についての局所的またはインビボでの施与に適した生物学的に適合性のある形態である。薬剤組成物は薬学的に許容可能な担体をさらに含むことができる。「薬学的に許容可能な」という用語は米国連邦または州政府の規制機関(a regulatory agency of the Federal or a state government)によって承認され、または動物、より一層具体的にはヒトで使用するために米国薬局方(the U.S. Pharmacopeia)または他の一般的に認められる薬局方に記載されていることを意味する。「担体」という用語は希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルに言及し、それらとともに幹細胞モビライザーおよび/または式Iの化合物が施される。そのような薬学的担体は滅菌液体、例えば、水および油などのようなものであることができ、石油、動物、植物または合成起源のものが含まれ、制限されないが、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油およびその他同種類のものなどが含まれる。薬剤組成物が経口投与されるとき、水が担体であり得る。薬剤組成物を静脈内投与するとき、生理食塩水(Saline)および水性デキストロースが担体であり得る。生理食塩水および水性デキストロースおよびグリセロール溶液は注入可能な溶液の液状担体として採用し得る。適切な薬学的賦形剤には、でんぷん、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、ライス、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スリムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールおよびその他同種類のものなどが含まれる。薬剤組成物はまた、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤を含み得る。
【0076】
本発明の薬剤組成物は、溶液、懸濁物、乳剤、錠剤、丸薬、カプセル、粉体、徐放性調剤物およびその他同種類のものなどの形態をとることができる。組成物は伝統的な結合剤および担体、例えば、トリグリセリドなどのようなものを用いて、坐剤として調剤することができる。経口調剤物は薬学的等級のマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含み得る。特定の実施形態では、薬剤組成物はペイシェントに適切に投与するための形態を提供するために有効量の幹細胞モビライザーおよび/または式Iの化合物を適切な量の薬学的に許容可能な担体と一緒に含む。調剤物は施与のモードに適合している必要がある。好適な調剤物は皮下製剤である。
【0077】
一実施形態によれば、本発明は、有効量の式I:
【化13】
(式中、Rは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、H、ハロ、N、O、P、C1-C6アルキル、イミダゾイル、シクロアルキ、およびヘテロシクロアルキルにより置換され、前記ヘテロアリール基および前記ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは異性体、もしくは誘導体を対象に投与することを含む、対象における組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0078】
別の実施形態によれば、本発明は有効量の式Iの化合物、および有効量の少なくとも1つの幹細胞モビライザーを含む組成物を対象に投与することを含む、対象における組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0079】
さらなる実施態様によれば、本発明は有効量の式Iの化合物、および有効量の少なくとも1つの幹細胞モビライザー、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を対象に投与することを含む、対象における組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0080】
いくつかの実施態様において、本発明は、Rが以下からなる群より選ばれる、式Iの化合物の有効量を含む組成物を対象に投与することを含む、対象において組織傷害を処置するための方法を提供する:
【化14-1】
【化14-2】
【0081】
さらなる実施形態によれば、本発明は有効量の式Iの化合物、有効量の少なくとも1つの幹細胞モビライザー、少なくとも1つの追加の生物学的活性剤、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を対象に投与することを含む、対象における組織傷害を処置するための方法を提供する。
【0082】
本発明の薬剤組成物は、制限されないが、経口、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、イントラーティキュラー(intrarticular、関節内)、気管支内、イントラアブドミナル(intraabdominal、腹内、腹腔内)、嚢内、軟骨内、イントラキャビタリー(intracavitary、体腔内)、イントラセリアル(intracelial、腔内)、イントラセレベラー(intracelebellar、小脳内、intracerebellar)、脳室内、イントラコリック(intracolic、結腸内、intracolonic)、子宮頸部内、胃内、肝内、心筋内、イントラアスティアル(intraosteal、骨性内)、イントラオシアス(intraosseous、骨内)、骨盤内、心膜内、イントラペリトウニアル(intraperitoneal、腹腔内、腹膜内)、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、イオン導入手段、または経皮的手段を含め、任意の特定の施与経路によって投与することができる。最も適切な経路は経口投与または注入である。一定の実施形態では、皮下注射が好ましい。
【0083】
概して、幹細胞モビライザーおよびここに開示する式Iの化合物を含む薬剤組成物は、単独で(例は、幹細胞モビライザーおよび式Iの化合物を含む調剤物)、または潜在的な毒性を最小限に抑えながら最適な効果を得るために日常的なテストによって規定される適切な投薬にて他の治療薬と協調して使用し得る。本発明の薬剤組成物を利用した投薬レジメンはペイシェントのタイプ、種、齢、体重、性別、病状;処置される状態の重症度;投与経路;ペイシェントの腎および肝機能;および採用される特定の薬剤組成物を含め様々な要因に従って選び得る。通常の技量の医師は状態の進行を予防、対抗、または阻止するために必要な薬剤組成物(および治療薬を含む潜在的に他の薬剤)の有効量を難なく定めおよび処方することができる。
【0084】
最小の毒性と共に最大の効力をもたらす範囲内の治療レジメン(例は、幹細胞モビライザーおよび/または式Iの化合物を別の治療薬と組み合わせて含む薬剤組成物)の濃度を達成する際の最適な精度は、一以上の標的部位に対する薬剤組成物の利用可能性の動力学に基づくレジメンを必要とし得る。処置レジメンの最適濃度を決定するとき、薬剤組成物の分布、平衡、および排除を考慮し得る。ここに開示する薬剤組成物の投薬は望ましい効果を達成するために組み合わせるとき調整し得る。他方、薬剤組成物および様々な治療薬の投薬はいずれかが単独で使用された場合よりも病状が低減される相乗的結果を達成するために独立して最適化され、および組み合わされ得る。
【0085】
特に、ここに開示する薬剤組成物の毒性および治療効果は細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって定められ得、例は、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療上効果がある用量)の決定のためである。毒性および処置効果間の用量比は治療指数であり、およびそれはLD50/ED50比として表し得る。薬剤組成物の細胞毒性が望ましい活性または治療上の成果であるときを除き、大きな治療指数を見せる薬剤組成物が好ましい。有毒な副作用を示す薬剤組成物を使用し得るが、デリバリーシステムは非感染細胞への潜在的な損傷を最小限に抑え、およびそれによって副作用を低減するために、そのような組成物を罹患組織の部位に標的化することができる。大抵、本発明の薬剤組成物は効力を最大にし、および毒性を最小にする方法で施し得る。
【0086】
細胞培養アッセイおよび動物研究から取得したデータはヒトにおいて使用するための一連の投薬量を調剤することにおいて使用し得る。そのような組成物の投薬は、好ましくは毒性がほとんどまたはまったくないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は採用する剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。本発明の方法において使用される任意の組成物について、治療上有効な用量は細胞培養アッセイから最初に推定され得る。細胞培養で決定されたようにIC50(徴候の最大抑制の半分を達成する試験組成物の濃度)を含む循環血しょう濃度範囲を達成するために、動物モデルにおいて用量を調剤し得る。そのような情報はヒトにおいて有用な用量を正確に決定するために使用し得る。血しょうにおけるレベルは例えば、高性能液体クロマトグラフィーによって測定し得る。
【0087】
さらに、本発明の組成物の投薬量管理は薬物動態学的/薬力学的モデリングシステムを使用して最適化し得る。例えば、一以上の投薬レジメンが選ばれ得、および一以上の投薬レジメンの薬物動態/薬力学的プロファイル定めるために薬物動態/薬力学モデルを使用し得る。次に、管理のための投薬レジメンの一を選択し得、それは特定の薬物動態/薬力学的プロファイルに基づく望ましい薬物動態/薬力学的反応を達成する。国際公開(WO)00/67776号を参照し、それは参照によりここに全体として明示的に組み込む。
【0088】
「薬剤」は薬剤組成物としてまたは薬剤組成物において使用され得、または化合物、例えば、小さな合成または自然由来の有機化合物、核酸、ポリペプチド、抗体、フラグメント、アイソフォーム、変種、またはそのような目的のために独立して、すべて本発明に従い使用され得る他の材料などのようなものであり得るすべての物質に言及する。
【0089】
「アンタゴニスト」はタンパク質の少なくとも1つの生物学的活性をダウンレギュレートする(例は、抑えまたは抑制する)薬剤に言及する。アンタゴニストはタンパク質および別の分子間、例は、標的ペプチドまたは酵素基質の相互作用を抑制または減少させる化合物であり得る。アンタゴニストはまた、遺伝子の発現をダウンレギュレートするか、またはそれは存在する発現タンパク質の量を減少させる化合物であり得る。
【0090】
「造血」は血球の発達および恒常性の高度に組織化されたプロセスに言及する。出生前に、造血は卵黄嚢(yolk sack)、次いで肝臓、および最終的には骨髄で起こる。正常な成体では、それは骨髄およびリンパ組織で発生する。すべての血液細胞は多能性幹細胞から発生する。多能性細胞は3つ、2つまたは1つの造血分化経路に関与する幹細胞に分化する。ただし、これらの幹細胞はいずれも形態学的に区別できない。
【0091】
「免疫抑制剤」という用語は免疫系の活性を抑制、遅延、または逆転させる薬剤に言及する。免疫抑制剤は免疫細胞(例えば、T細胞を含む)の応答する機能を直接的に(例は、免疫細胞に作用することによって)または間接的に(他の媒介細胞に作用することによって)抑えることによって作用する。
【0092】
「幹細胞」および「造血幹細胞」という用語はここでは交換可能に使用される。幹細胞は二つの重要な特徴によって他の細胞型と区別される。第一に、幹細胞は時には長期間の不活動の後に、細胞分裂を通じて自らを再生する能力がある特殊化されていない細胞である。第二に、一定の生理学的または実験的条件下で、幹細胞は特別な機能を備えた組織または器官に特異的な細胞になるように誘導することができる。いくつかの器官、例えば、消化管および骨髄などのようなものでは、使い古したまたは損傷した組織を修復および置換するために幹細胞が定期的に分裂する。しかしながら、他の器官、例えば、膵臓および心臓などのようなものでは、幹細胞は特別な条件下で分裂するだけである。
【0093】
「幹細胞」という用語は、赤血球、白血球、および血小板を含め、すべての血液細胞に分化する能力がある多能性幹細胞に言及することができる。例として、本発明において使用される「造血幹細胞」または「幹細胞」は骨髄においてだけでなく、臍帯血由来細胞においても含まれる。
【0094】
本発明の方法によって処置される「ペイシェント」、「対象」、または「宿主」はヒトまたは非ヒト動物、例えば、霊長目、哺乳動物、および脊椎動物などのようなもののいずれかをも言及する。
【0095】
「小分子」は約3キロダルトン(kDa)未満、約1.5キロダルトン未満、または約1キロダルトン未満の分子量を有する組成に言及する。小分子は核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドのミメティック(模造物)、炭水化物、脂質、または他の有機(炭素含有)または無機分子であり得る。「小さな有機分子」は約3キロダルトン未満、約1.5キロダルトン未満、または約1kDa未満の分子量を有する有機化合物(または無機化合物(例は、金属)と複合体を形成した有機化合物)である。
【0096】
ここで使用するように、「処置」、「処置すること」、「処置する」およびその他同種類のものなどの用語は望ましい薬理学的および/または生理学的効果を得ることに言及する。用語はまた、「治療上有効量」の薬剤、例は、幹細胞モビライザーおよび/または免疫抑制剤の適用との関連で使用される。効果は特定の成果、疾患またはその徴候を十分にまたは部分的に防止するという点で予防的であり得、および/または疾患および/または疾患に起因する有害作用の部分的または十分な治癒に関して治療的であり得る。ここで使用される「処置」は対象、特にヒトにおける疾患のあらゆる処置をカバーし、以下を含む:(a)対象において疾患が発生するのを防ぐことであり、そのものは疾患の素因があり得るがそれをもっているようにまだ診断されていないこと;(b)病気を抑制すること、即ち、その発症を阻止すること;および(c)疾患を軽減すること、例は、疾患の退行を引き起こすこと、例は、疾患の症状を十分にまたは部分的に除去することである。特定の実施形態において、用語はペイシェントにおいて創傷治癒を促進または改善することの関連で使用される。他の実施形態では、用語は器官移植レシピエント、創傷、熱傷(burn)の犠牲者、およびIBDを含む自己免疫疾患を処置することの関連で使用される。
【0097】
ここで使用するように、「組織傷害」という用語は皮膚または軟組織の急性または慢性の創傷または潰瘍を意味する。そのような創傷の例には、糖尿病性のただれおよび潰瘍、熱傷、熱湯傷(scalds)、凍傷、穿刺、擦過傷、およびその他同種類のものなどが含まれる。
【0098】
いくつかの実施態様によれば、ここに記載の化合物および薬剤組成物は哺乳動物の皮膚における創傷治癒応答を調節するのに使用するための薬を調製する際に使用することができ、十分な期間の時間について有効量における組成物の局所または皮下適用が含まれる。ここで使用するように、「創傷治癒応答を調節すること」という用語は組織傷害に対する病理学的応答の防止またはダウンレギュレーションを意味し、それは例えば、皮膚におけるケロイドおよび肥大性瘢痕の生成、腱接着、神経損傷に続く伝達ブロック、強皮症、クローン病、食道狭窄、尿道狭窄、胸部インプラント周囲のカプセル(被膜)、肝硬変、アテローム性動脈硬化および骨における線維性)癒着不良によって特徴付けられる。慢性の非治癒性皮膚潰瘍もまた、組織傷害に対する病理学的反応の例であり、および式Iの化合物によって軽減される。
【0099】
幹細胞モビライザー
【0100】
ここに記載のように「幹細胞モビライザー」、「造血幹細胞または前駆細胞のモビライザー」または「モビライズする(移動性を持たせることなど)」(交換可能に使用される)は、それが小さな有機分子、合成または自然由来、またはポリペプチド、例えば、増殖因子またはコロニー刺激因子またはその活性フラグメントまたはミメティックなどのようなもの、核酸、炭水化物、抗体、または骨髄から末梢血への幹細胞の遊走を増強するように作用する他の任意の薬剤であるかどうかにかかわらず、任意の化合物に言及する。幹細胞モビライザーは造血幹細胞または造血前駆細胞/前駆体細胞の数を末梢血において増加させ得、それゆえに器官移植レシピエント、熱傷の犠牲、IBDの処置および/または創傷治癒の促進において使用するための幹細胞のより一層アクセスし易い供給源が可能にされる。特定の実施形態において、幹細胞モビライザーはCD34+および/またはCD133+幹細胞をモビライズする任意の薬剤に言及する。他の実施形態においては、幹細胞モビライザーはCXCR4発現細胞のCXCL12(SDF-1)媒介化学誘引を破壊する。
【0101】
本発明は少なくとも1つの幹細胞モビライザーおよび少なくとも1つの免疫抑制薬を含む薬剤組成物を提供する。概して、幹細胞モビライザーには、制限されないが、有機小分子、ポリペプチド、核酸、および炭水化物が含まれる。
【0102】
ポリペプチドの場合、幹細胞モビライザーはサイトカイン、コロニー刺激因子、プロテアーゼまたはケモカインを含み得る。より一層具体的には、サイトカインには、制限されないが、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-3(IL-3)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-11(IL-11)、インターロイキン-7(IL-7)、およびインターロイキン-12(IL12)が含まれる。
【0103】
コロニー刺激因子の場合、幹細胞モビライザーには、制限されないが、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、幹細胞因子、FLT-3リガンドまたはそれらの組合せを含み得る。
【0104】
別の実施形態において、プロテアーゼ幹細胞モビライザーには、制限されないが、メタロプロテイナーゼ(MMP2またはMMP9のような)セリンプロテアーゼ、(カテプシンG、またはエラスターゼのような)システインプロテアーゼ(カテプシンKのような)およびジペプチジルペプチダーゼ-1(DDP-1 OR(または)CD26)を含み得る。
【0105】
さらに別の実施形態では、ケモカイン幹細胞モビライザーには、制限されないが、CXCL12、IL-8、Mip-1α、およびGROβを含み得る。
【0106】
さらに別の実施形態では、核酸幹細胞モビライザーはDNAまたはRNA分子である。より一層具体的な実施形態では、核酸は低分子干渉RNA(siRNA)分子またはCXCL12に特異的なアンチセンス分子であることができる。
【0107】
炭水化物の場合、幹細胞モビライザーは硫酸化炭水化物であることができ、制限されないが、フコイダン(Fucoidan)および硫酸化デキストランを含み得る。フコイダンはL-フコース、サルファート(硫酸塩とも言う)およびアセタート(酢酸塩とも言う)をモル比1:1.23:0.36から構成される炭水化物であり、および太平洋褐藻(Pacific brown seaweed)のFucus evanescens(ヒバマタ)から分離することができる。Bilan(ビラン)ら、337(8)CARBOHYDRATE RESEARCH(カーボハイドレート・リサーチ)719-30(2002)を参照。硫酸化デキストランはさまざまな硫酸化パターンをもつ一連の多糖類に言及する。例は、Pomin(ポミン)ら、15(12)GLYCOBIOLOGY(グリコバイオロジー)1376-1385(2005);Melo(メロ)ら、279(2)J. BIOL. CHEM.(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー)20824-20835(2004);およびFarias(ファリアス)ら、275(38)J. BIOL. CHEM. 29299-29307(2000)を参照。
【0108】
幹細胞モビライザーには、制限されないが、AMD3100;間質細胞由来因子(SDF-1);SDF-1類似体(例は、CTCE-0214(Chemokine Therapeutics Corp.(ケモカイン・セラピューティクス・コーポレーション)));抗SDF-1抗体;シクロホスファミド;幹細胞因子(SCF);フィルグラスチム;アンセスチム;骨髄系前駆細胞抑制因子(Myeloid Progenitor Inhibitory Factor)-1(MPIF-1)(米国特許出願公開第20080274109号を参照);および最晩期抗原(Very Late Antigen)(VLA-4)アンタゴニスト(例は、アルファ-4インテグリンアンタゴニスト、例えば、ナタリズマブまたは抗ホスホインテグリンα4(Ser988)を含む抗体などのようなもの、クローン6.33(Upstate Cell Signaling Solutions(アップステート・セル・シグナリング・ソリューションズ))、またはペプチド(例は、フェニルアセチル-leu-asp-phe-D-プロリンアミド(Cytel Corp.(サイテル・コーポレーション)、San Diego Calif.(米国カリフォルニア州サンディエゴ))))がさらに含まれ得る。
【0109】
特定の実施形態では、幹細胞モビライザーはCXCR4アンタゴニストを含む。特定の実施形態では、CXCR4アンタゴニストはTG-504(Burixafor(ブリキサフォル);ホスホン酸、p-(2-(4-(6-アミノ-2-(((トランス-4-(((3-(シクロヘキシルアミノ)プロピル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)-4-ピリミジニル)-1-ピペラジニル)エチル)-)(TaiGenBiotechnology Co., Ltd.(タイゲン・バイオテクノロジー社)(台北、台湾))である。他の特定の実施形態において、CXCR4アンタゴニストはAMD3465(N-(ピリジン-2-イルメチル)-1-[4-(1,4,8,11-テトラザシクロテトラデカ-1-イルメチル)フェニル]メタンアミン)である。さらに他の実施形態では、CXCR4アンタゴニストはAMD3100である。AMD3100(1,l'-[1,4-フェニレンビス(メチレン)]ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン)はCXCR4ケモカイン受容体の対称ビシクラム、プロトタイプの非ペプチドアンタゴニストである。米国特許第6,835,731号および第6,825,351号を参照。「AMD」または「AMD3100」という用語はPlerixafor、rINN、USAN、JM3100、およびその商品名であるMozobilTMTMは米国等でのトレードマーク表示)(モゾビル)と交換可能に使用される。便宜上、「Plerixafor」という用語はCXCR4アンタゴニストに言及するために全体を通して使用される。
【0110】
本発明はまた、AMD3100のミメティックを使用することを企図する。CXCR4受容体の主要なリガンド結合ポケットを裏打ちするTM-III、-IV、-V、-VI、および-VIIに位置する16の位置での変異置換により3つの酸残基が識別された:AMD3100の主な相互作用点としてのAsp171(AspIV:20)、Asp262(AspVI:23)、およびGlu288(GluVII:06)。分子モデリングはAMD3100の一方のサイクラム環がTM-IVにおけるAsp171と相互作用するのに対し、他方の環はそれぞれTM-VIおよび-VIIのAsp262およびGlu288のカルボン酸基間に挟まれることを示唆する。ある研究では、VII:06位でのGluだけの導入およびVII:02位での中和Lys残基の除去がAMD3100の親和性における1000倍の増加をCXCR4での親和性の10倍以内にもたらすことを見出した。それゆえに、ミメティック、例えば、改善された経口生物学的利用能を有するペプチドまたは非ペプチドアンタゴニストなどのようなものはCXCR4受容体を効率的および選択的に遮断するように設計することができる。
【0111】
他の実施形態では、幹細胞モビライザーはBKT140である(Biokin Therapeutics, Ltd.(バイオカイン・セラピューティクス社)Rehovot, Israel(イスラエル国レホヴォト)。BKT140(4F-ベンゾイル-TN14003)は高い親和性を有するCXCR4 chomokin receptor(チョモキン受容体)に結合および抑制し、AMD3100で得られた値と比較して~(約)1nmol/LのIC50を示す。さらに、BKT140はPlerixaforのIC50値が51±17nmol/Lであるのに対し、IC50値が0.5~2.5nmol/Lの範囲内でCXCL12によって刺激される細胞移動を妨げ、高い(ahigh)可動化能力(mobilization capacity)が示唆される。Peled(ペレド)ら、20 CLIN. CANCER RES.(クリニカル・キャンサー・リサーチ)469-79(2013)を参照。
【0112】
FK結合タンパク質リガンド
【0113】
少なくとも1つの幹細胞モビライザーと併せて、薬剤組成物は非免疫抑制性のFK結合タンパク質リガンド(複数)を含む。ここに開示する式Iの化合物に加え、非免疫抑制性リガンドの他の例には、メリダマイシン、アンタスコミシン、およびFKBPの合成リガンド(SLF)が含まれる。
【0114】
式Iの化合物の標準の用量は約0.1mg/Kg/日-0.3mg/kg/日(経口)および約0.01mg/kg/日-0.05mg/kg/日(IV)である。一定の実施形態において、タクロリムスの低用量は標準の用量の約10分の1であり、例は、約0.01mg/Kg/日-0.03mg/Kg/日(経口)および約0.001mg/Kg/日-0.005mg/Kg/日(IV)である。
【0115】
一定の実施形態において、幹細胞モビライザーはAMD3100である。そのような実施形態では、薬剤組成物はAMD3100の典型的な用量を含むことができる。この薬物は約0.12-0.24mg/kgでヒト患者に典型的に施される。体重が60kgの患者では、ADM3100の投薬量は皮下注射によって約0.24mg/kg/日である。
【0116】
薬剤組成物は(a)式Iの化合物または非免疫抑制性FKBPリガンドと(b)幹細胞モビライザー(例は、CXCRアンタゴニスト)との比率に関して説明することができる。一定の実施形態では、比率は1/1、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9、1/10、1/11、1/12、1/13、1/14、1/15、1/16、1/17、1/18、1/19、1/20、1/21、1/22、1/23、1/24、1/25、1/26、1/27、1/28、1/29、1/30、1/31、1/32、1/33、1/34、1/35、1/36、1/37、1/38、1/39、1/40、1/41、1/42、1/43、1/44、1/45、1/46、1/47、1/48、1/49、1/50、1/51、1/52、1/53、1/54、1/55、1/56、1/57、1/58、1/59、1/60、1/61、1/62、1/63、1/64、1/65、1/66、1/67、1/68、1/69、1/70、1/71、1/72、1/73、1/74、1/75、1/76、1/77、1/78、1/79、1/80、1/81、1/82、1/83、1/84、1/85、1/86、1/87、1/88、1/89、1/90、1/91、1/92、1/93、1/94、1/95、1/96、1/97、1/98、1/99、1/100、またはそれらよりも多くであり得る。
【0117】
薬剤組成物は(a)式Iの化合物または非免疫抑制性FKBPリガンドおよび(b)幹細胞モビライザーを約1/10-1/100、1/10-1/99、1/10-1/98、1/10-1/97、1/10-1/96、1/10-1/95、1/10-1/94、1/10-1/93、1/10-1/92、1/10-1/91、1/10-1/90、1/10-1/89、1/10-1/88、1/10-1/87、1/10-1/86、1/10-1/85、1/10-1/84、1/10-1/83、1/10-1/82、1/10-1/81、1/10-1/80、1/10-1/79、1/10-1/78、1/10-1/77、1/10-1/76、1/10-1/75、1/10-1/74、1/10-1/73、1/10-1/72、1/10-1/71、1/10-1/70、1/10-1/69、1/10-1/68、1/10-1/67、1/10-1/66、1/10-1/65、1/10-1/64、1/10-1/63、1/10-1/62、1/10-1/61、1/10-1/60、1/10-1/59、1/10-1/58、1/10-1/57、1/10-1/56、1/10-1/55、1/10-1/54、1/10-1/53、1/10-1/52、1/10-1/51、1/10-1/50、1/10-1/49、1/10-1/48、1/10-1/47、1/10-1/46、1/10-1/45、1/10-1/44、1/10-1/43、1/10-1/42、1/10-1/41、1/10-1/40、1/10-1/39、1/10-1/38、1/10-1/37、1/10-1/36、1/10-1/35、1/10-1/34、1/10-1/33、1/10-1/32、1/10-1/31、1/10-1/30、1/10-1/29、1/10-1/28、1/10-1/27、1/10-1/26、1/10-1/25、1/10-1/24、1/10-1/23、1/10-1/22、1/10-1/21、1/10-1/20、1/10-1/19、1/10-1/18、1/10-1/17、1/10-1/16、1/10-1/15、1/10-1/14、1/10-1/13、1/10-1/12、または1/10-1/11の比率範囲において含むことができる。
【0118】
代替の実施形態では、薬剤組成物は(a)式Iの化合物または非免疫抑制FKBPリガンドおよび(b)幹細胞モビライザーを約1/15-1/100、1/15-1/99、1/15-1/98、1/15-1/97、1/15-1/96、1/15-1/95、1/15-1/94、1/15-1/93、1/15-1/92、1/15-1/91、1/15-1/90、1/15-1/89、1/15-1/88、1/15-1/87、1/15-1/86、1/15-1/85、1/15-1/84、1/15-1/83、1/15-1/82、1/15-1/81、1/15-1/80、1/15-1/79、1/15-1/78、1/15-1/77、1/15-1/76、1/15-1/75、1/15-1/74、1/15-1/73、1/15-1/72、1/15-1/71、1/15-1/70、1/15-1/69、1/15-1/68、1/15-1/67、1/15-1/66、1/15-1/65、1/15-1/64、1/15-1/63、1/15-1/62、1/15-1/61、1/15-1/60、1/15-1/59、1/15-1/58、1/15-1/57、1/15-1/56、1/15-1/55、1/15-1/54、1/15-1/53、1/15-1/52、1/15-1/51、1/15-1/50、1/15-1/49、1/15-1/48、1/15-1/47、1/15-1/46、1/15-1/45、1/15-1/44、1/15-1/43、1/15-1/42、1/15-1/41、1/15-1/40、1/15-1/39、1/15-1/38、1/15-1/37、1/15-1/36、1/15-1/35、1/15-1/34、1/15-1/33、1/15-1/32、1/15-1/31、1/15-1/30、1/15-1/29、1/15-1/28、1/15-1/27、1/15-1/26、1/15-1/25、1/15-1/24、1/15-1/23、1/15-1/22、1/15-1/21、1/15-1/20、1/15-1/19、1/15-1/18、1/15-1/17、または1/15-1/16の比率範囲において含むことができる。
【0119】
薬剤組成物内の(a)式Iの化合物または非免疫抑制性FKBPリガンドと(b)幹細胞モビライザーとの比率範囲は約1/20-1/100、1/20-1/99、1/20-1/98、1/20-1/97、1/20-1/96、1/20-1/95、1/20-1/94、1/20-1/93、1/20-1/92、1/20-1/91、1/20-1/90、1/20-1/89、1/20-1/88、1/20-1/87、1/20-1/86、1/20-1/85、1/20-1/84、1/20-1/83、1/20-1/82、1/20-1/81、1/20-1/80、1/20-1/79、1/20-1/78、1/20-1/77、1/20-1/76、1/20-1/75、1/20-1/74、1/20-1/73、1/20-1/72、1/20-1/71、1/20-1/70、1/20-1/69、1/20-1/68、1/20-1/67、1/20-1/66、1/20-1/65、1/20-1/64、1/20-1/63、1/20-1/62、1/20-1/61、1/20-1/60、1/20-1/59、1/20-1/58、1/20-1/57、1/20-1/56、1/20-1/55、1/20-1/54、1/20-1/53、1/20-1/52、1/20-1/51、1/20-1/50、1/20-1/49、1/20-1/48、1/20-1/47、1/20-1/46、1/20-1/45、1/20-1/44、1/20-1/43、1/20-1/42、1/20-1/41、1/20-1/40、1/20-1/39、1/20-1/38、1/20-1/37、1/20-1/36、1/20-1/35、1/20-1/34、1/20-1/33、1/20-1/32、1/20-1/31、1/20-1/30、1/20-1/29、1/20-1/28、1/20-1/27、1/20-1/26、1/20-1/25、1/20-1/24、1/20-1/23、1/20-1/22、または1/20-1/21を含むことができる。
【0120】
他の実施形態では、(a)式Iの化合物または非免疫抑制FKBPリガンドと(b)薬剤組成物内の幹細胞モビライザーとの比率範囲は約1/30-1/100、1/30-1/99、1/30-1/98、1/30-1/97、1/30-1/96、1/30-1/95、1/30-1/94、1/30-1/93、1/30-1/92、1/30-1/91、1/30-1/90、1/30-1/89、1/30-1/88、1/30-1/87、1/30-1/86、1/30-1/85、1/30-1/84、1/30-1/83、1/30-1/82、1/30-1/81、1/30-1/80、1/30-1/79、1/30-1/78、1/30-1/77、1/30-1/76、1/30-1/75、1/30-1/74、1/30-1/73、1/30-1/72、1/30-1/71、1/30-1/70、1/30-1/69、1/30-1/68、1/30-1/67、1/30-1/66、1/30-1/65、1/30-1/64、1/30-1/63、1/30-1/62、1/30-1/61、1/30-1/60、1/30-1/59、1/30-1/58、1/30-1/57、1/30-1/56、1/30-1/55、1/30-1/54、1/30-1/53、1/30-1/52、1/30-1/51、1/30-1/50、1/30-1/49、1/30-1/48、1/30-1/47、1/30-1/46、1/30-1/45、1/30-1/44、1/30-1/43、1/30-1/42、1/30-1/41、1/30-1/40、1/30-1/39、1/30-1/38、1/30-1/37、1/30-1/36、1/30-1/35、1/30-1/34、1/30-1/33、1/30-1/32、または1/30-1/31を含むことができる。
【0121】
さらなる実施形態において、薬剤組成物は(a)式Iの化合物または非免疫抑制FKBPリガンドおよび(b)幹細胞モビライザーを約1/40-1/100、1/40-1/99、1/40-1/98、1/40-1/97、1/40-1/96、1/40-1/95、1/40-1/94、1/40-1/93、1/40-1/92、1/40-1/91、1/40-1/90、1/40-1/89、1/40-1/88、1/40-1/87、1/40-1/86、1/40-1/85、1/40-1/84、1/40-1/83、1/40-1/82、1/40-1/81、1/40-1/80、1/40-1/79、1/40-1/78、1/40-1/77、1/40-1/76、1/40-1/75、1/40-1/74、1/40-1/73、1/40-1/72、1/40-1/71、1/40-1/70、1/40-1/69、1/40-1/68、1/40-1/67、1/40-1/66、1/40-1/65、1/40-1/64、1/40-1/63、1/40-1/62、1/40-1/61、1/40-1/60、1/40-1/59、1/40-1/58、1/40-1/57、1/40-1/56、1/40-1/55、1/40-1/54、1/40-1/53、1/40-1/52、1/40-1/51、1/40-1/50、1/40-1/49、1/40-1/48、1/40-1/47、1/40-1/46、1/40-1/45、1/40-1/44、1/40-1/43、1/40-1/42、または1/40-1/41の比率範囲において含むことができる。
【0122】
代替の実施形態では、薬剤組成物は(a)式Iの化合物または非免疫抑制FKBPリガンドおよび幹細胞モビライザーを約1/50-1/100、1/50-1/99、1/50-1/98、1/50-1/97、1/50-1/96、1/50-1/95、1/50-1/94、1/50-1/93、1/50-1/92、1/50-1/91、1/50-1/90、1/50-1/89、1/50-1/88、1/50-1/87、1/50-1/86、1/50-1/85、1/50-1/84、1/50-1/83、1/50-1/82、1/50-1/81、1/50-1/80、1/50-1/79、1/50-1/78、1/50-1/77、1/50-1/76、1/50-1/75、1/50-1/74、1/50-1/73、1/50-1/72、1/50-1/71、1/50-1/70、1/50-1/69、1/50-1/68、1/50-1/67、1/50-1/66、1/50-1/65、1/50-1/64、1/50-1/63、1/50-1/62、1/50-1/61、1/50-1/60、1/50-1/59、1/50-1/58、1/50-1/57、1/50-1/56、1/50-1/55、1/50-1/54、1/50-1/53、1/50-1/52、1/50-1/51、1/60-1/100、1/60-1/99、1/60-1/98、1/60-1/97、1/60-1/96、1/60-1/95、1/60-1/94、1/60-1/93、1/60-1/92、1/60-1/91、1/60-1/90、1/60-1/89、1/60-1/88、1/60-1/87、1/60-1/86、1/60-1/85、1/60-1/84、1/60-1/83、1/60-1/82、1/60-1/81、1/60-1/80、1/60-1/79、1/60-1/78、1/60-1/77、1/60-1/76、1/60-1/75、1/60-1/74、1/60-1/73、1/60-1/72、1/60-1/71、1/60-1/70、1/60-1/69、1/60-1/68、1/60-1/67、1/60-1/66、1/60-1/65、1/60-1/64、1/60-1/63、1/60-1/62、1/60-1/61の比率範囲において含むことができる。
【0123】
他の実施形態では、(a)式Iの化合物または非免疫抑制FKBPリガンドと(b)薬剤組成物内の幹細胞モビライザーとの比率範囲は約1/70-1/100、1/70-1/99、1/70-1/98、1/70-1/97、1/70-1/96、1/70-1/95、1/70-1/94、1/70-1/93、1/70-1/92、1/70-1/91、1/70-1/90、1/70-1/89、1/70-1/88、1/70-1/87、1/70-1/86、1/70-1/85、1/70-1/84、1/70-1/83、1/70-1/82、1/70-1/81、1/70-1/80、1/70-1/79、1/70-1/78、1/70-1/77、1/70-1/76、1/70-1/75、1/70-1/74、1/70-1/73、1/70-1/72、1/70-1/71、1/80-1/100、1/80-1/99、1/80-1/98、1/80-1/97、1/80-1/96、1/80-1/95、1/80-1/94、1/80-1/93、1/80-1/92、1/80-1/91、1/80-1/90、1/80-1/89、1/80-1/88、1/80-1/87、1/80-1/86、1/80-1/85、1/80-1/84、1/80-1/83、1/80-1/82、1/80-1/81、1/90-1/100、1/90-1/99、1/90-1/98、1/90-1/97、1/90-1/96、1/90-1/95、1/90-1/94、1/90-1/93、1/90-1/92、または1/90-1/91を含むことができる。
【0124】
特定の実施形態では、本発明の薬剤組成物は数週間にわたって少なくとも週に一回施し得る。一実施形態では、薬剤組成物は数週間から数ヶ月にわたって少なくとも週に一回施される。別の実施形態において、薬剤組成物は4~8週間にわたって週に一回施される。さらに別の実施形態では、薬剤組成物は4週間にわたって週に一回施与される。
【0125】
より一層具体的には、薬剤組成物は少なくとも一日一回約2日間、少なくとも一日一回約3日間、少なくとも一日一回約4日間、少なくとも一日一回約5日間、少なくとも一日一回約6日間、少なくとも一日一回約7日間、少なくとも一日一回約8日間、少なくとも一日一回約9日間、少なくとも一日一回約10日間、少なくとも一日一回約11日間、少なくとも一日一回約12日間、少なくとも一日一回約13日間、少なくとも一日一回約14日間、少なくとも一日一回約15日間、少なくとも一日一回約16日間、少なくとも一日一回約17日間、少なくとも一日一回約18日間、少なくとも一日一回約19日間、少なくとも一日一回約20日間、少なくとも一日一回約21日間、少なくとも一日一回約22日間、少なくとも一日一回約23日間、少なくとも一日一回約24日間、少なくとも一日一回約25日間、少なくとも一日一回約26日間、少なくとも一日一回約27日間、少なくとも一日一回約28日間、少なくとも一日一回約29日間、少なくとも一日一回約30日間、または少なくとも一日一回約31日間で施し得る。
【0126】
他の実施形態では、薬剤組成物は隔日で約2日間、隔日で約3日間、隔日で約4日間、隔日で約5日間、隔日で約6日間、隔日で約7日間、隔日で約8日間、隔日で約9日間、隔日で約10日間、隔日で約11日間、隔日で約12日間、隔日で約13日間、隔日で約14日間、隔日で約15日間、隔日で約16日間、隔日で約17日間、隔日で約18日間、隔日で約19日間、隔日で約20日間、隔日で約21日間、隔日で約22日間、隔日で約23日間、隔日で約24日間、隔日で約25日間、隔日で約26日間、隔日で約27日間、隔日で28日間、隔日で約29日間、隔日で約30日間、または隔日で約31日間またはそれよりも多くで施し得る。
【0127】
あるいはまた、薬剤組成物は約毎日一回、約2日に一回、約3日に一回、約4日に一回、約5日に一回、約6日に一回、約7日に一回、約8日に一回、約9日に一回、約10日に一回、約11日に一回、約12日に一回、約13日に一回、約14日に一回、約15日に一回、約一回に一回16日、約17日に一回、約18日に一回、約19日に一回、約20日に一回、約21日に一回、約22日に一回、約23日に一回、約24日に一回、約25日に一回、約26日に一回、約27日に一回、約28日に一回、約29日に一回、約30日に一回、または約31日に一回施され得る。一定の実施形態では、薬剤組成物は一日おきに施される。
【0128】
あるいは、本発明の薬剤組成物は約週に一回、約2週間に一回、約3週間に一回、約4週間に一回、約5週間に一回、約6週間に一回、約7週間に一回、約8週間に一回、約9週間に一回、約10週間に一回、約11週間に一回、約12週間に一回、約13週間に一回、約14週間に一回、約15週間に一回、約16週間に一回、約17週間に一回、約18週間に一回、約19週間に一回、約20週間に一回施し得る。
【0129】
あるいはまた、本発明の薬剤組成物は、約一か月に一回、約2か月に一回、約3か月に一回、約4か月に一回、約5か月に一回、約6か月に一回、約7か月一回、約8か月に一回、約9か月に一回、約10か月に一回、約11か月に一回、または約12か月に一回施し得る。
【0130】
あるいはまた、薬剤組成物は少なくとも週に一回約2週間、少なくとも週に一回約3週間、少なくとも週に一回約4週間、少なくとも週に一回約5週間、少なくとも週に一回約6週間、少なくとも週に一回約7週間、少なくとも週に一回約8週間、少なくとも週に一回約9週間、少なくとも週に一回約10週間、少なくとも週に一回約11週間、少なくとも週に一回約12週間、少なくとも週に一回約13週間、少なくとも週に一回約14週間、少なくとも週に一回約15週間、少なくとも週に一回約16週間、少なくとも週に一回約17週間、少なくとも週に一回約18週間、少なくとも週に一回約19週間、または少なくとも週に一回約20週間施され得る。
【0131】
あるいはまた、薬剤組成物は少なくとも週に一回約1か月間、少なくとも週に一回約2か月間、少なくとも週に一回約3か月間、少なくとも週に一回約4か月間、少なくとも週に一回約5か月間、少なくとも週に一回約6か月間、少なくとも週に一回約7か月間、少なくとも週に一回約8か月間、少なくとも週に一回約9か月間、少なくとも週に一回約10か月間、少なくとも週に一回約11か月間、または少なくとも週に一回約12か月間施され得る。
【0132】
特定の実施形態では、本発明は、FDA承認薬―例えば、幹細胞可動化剤(mobilizing agent)AMD3100などのようなものおよび式Iの化合物の連続的な、または様々な組織傷害(創傷)、器官移植、および炎症性または自己免疫疾患、例えば、炎症性腸疾患(IBD)などのようなものの処置のための組合せの形態での使用に関する。それゆえに、幹細胞可動化剤AMD3100と免疫抑制剤FK506との組合せを含む薬剤組成物は様々な障害の処置に有用である。
【0133】
AMD3100.AMD3100(PlerixaforまたはMozobil)はCXCR4アンタゴニストであり、もともとは抗HIV医薬として開発されたが、CD34および他の幹細胞をそれらの骨髄ニッチから強力に動員する(mobilize、移動性を持たせるとも言う)ことが見出された。AMD3100は骨髄破壊的化学療法に先立ち幹細胞のバンキング(banking、貯蔵、築堤などとも言う)用に多発性骨髄腫ガン患者において使用するために2008年にFDAによって最初に承認された。今日、Plerixaforは骨髄破壊的化学療法に先立ちバンキング用に多発性骨髄腫ガン患者における造血幹細胞を動員するために、しばしばニューポジェン(neupogen)(G-CSF)と共に使用される。動員された幹細胞はその後、ガン処置後に患者に移植される。それゆえに薬物は安全および効果的であることが十分に確立されている。
【0134】
FK506.FK506(TacrolimusまたはPrograph(プログラフ))は1987年に土壌細菌の一種、Streptomyces tsukubaensis(ストレプトマイセス・ツクバエンシス)から発見された。FK506はイムノフィリンFKBP12(FK506結合タンパク質)に結合して新しい複合体を作り出すことによってペプチジル-プロリルイソメラーゼ活性を低下させる。FK506は1994年に肝移植での使用がFDAによって最初に承認され;これは腎臓、心臓、小腸、膵臓、肺、気管、皮膚、および角膜、骨髄、および肢移植を含むように拡張された。式Iの化合物はイムノフィリンFKBP12にも結合することによってペプチジル-プロリルイソメラーゼ活性を低下させるが、FK506の免疫抑制作用を有さない。
【0135】
ここに記載の薬剤組成物は損傷部位における幹細胞の動員、補充(recruiting)および保持において、AMD3100および式Iの化合物の強力な、相乗的な活性を提供する。併用処置は器官移植の受容を誘発し、創傷治癒を促進し、および炎症性腸疾患における腸粘膜の再生を促進する。一定の実施形態において、式Iの化合物対AMD3100の比率は組成物において約1/10~1/100である。特定の実施形態では、薬剤組成物は二つの活性原料だけを含み、第一の活性原料はAMD3100であり、および第二の活性原料は式Iの化合物であり、組成物は10-40mgのAMD3100および0.1~4mgの式Iの化合物を含み、前記化合物が前記AMD3100の効力を増強し、および薬剤組成物が賦形剤をさらに含む。組成物は皮下または静脈内注射用に調剤されるか、またはおそらく経口投与または局所投与用に調剤される。
【0136】
AMD3100および式Iの化合物の投薬量は個別に定め得る。先行技術の治療レジメンでは、AMD3100は約0.12-0.24mg/kg/日にてヒト患者に典型的に施される。式Iの化合物は器官移植後の免疫介在性拒絶反応(immune mediated rejection)を防ぐために、約0.01-0.05mg/Kg/日で静脈内に典型的に投与されるか、または0.1-0.2mg/Kg/日で経口投与される。式Iの化合物の投薬量は臨床反応および観察されたFK506全血トラフ濃度(whole blood trough concentrations)(6-20ng/ml)に従って調整される。動物(げっ歯類)では、AMD3100は骨髄幹細胞を効果的に動員するために約1mg/kg/日で典型的に施される。式Iの化合物は器官移植後の免疫介在性拒絶反応を防ぐために約0.5-3mg/Kg/日にてげっ歯類に典型的に施される。本発明の方法および組成物において、式Iの化合物は典型的には、上記に与えられるものよりも低い投薬量(例は、約0.5-4ng/mlの血液トラフ濃度)において使用されるであろう。それゆえにAMD3100は0.12~0.24mg/kg/日の投薬量にてヒトにおいて使用することができ(動物では1mg/Kg/日)、および式Iの化合物は0.001-0.005mg/Kg(皮下にて)の投薬量にて使用することができる。
【0137】
一実施形態では、ここで提供する本発明の組成物は制御放出組成物、即ち、一以上の化合物が施与後の期間にわたって放出される組成物であることができる。制御放出または徐放性組成物には、親油性デポー(親脂性蓄積所などとも言う)(例は、脂肪酸、ワックス、油)での調剤物が含まれる。別の実施形態では、組成物は即時放出組成物、即ち、化合物のすべてまたは実質的に全体が施与直後に放出される組成物である。
【0138】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、制御放出システムにおいてデリバリーすることができる。例えば、薬剤は静脈内注入、埋め込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、または他の施与様式を使用して施し得る。一実施形態では、ポンプを使用し得る。一実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。
【0139】
さらなる推敲なしに、当技術における熟練者(当業者とも言う)は先行する説明を使用して、本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の例は例証にすぎず、およびたとえなんであれいかなる方法によっても開示の残部を制限するものではない。
【実施例
【0140】
以下の例は、本技術における通常の技量の者に、ここに記載および請求する化合物、組成物、物品、デバイス、および/または方法がどのように作製および評価されるかについての完全な開示および説明を提供するために提示し、および純粋に例示的なものであることを意図し、および本発明者らが彼らの発明と考える範囲を制限することを意図するものではない。数値(例は、量、温度、など)に関して正確さを確かにするための努力がなされたが、ここではいくつかのエラーおよび偏差を考慮すべきである。別なふうに指し示さない限り、部は重量部であり、温度は摂氏または周囲温度であり、および圧力は大気圧またはそれに近い。反応条件、例は、成分濃度、望ましい溶媒、溶媒混合物、温度、圧力および記載されたプロセスから得られる生成物の純度および収率を最適化するために使用することができる他の反応範囲および条件の多くのバリエーションおよび組合せがある。そのようなプロセス条件を最適化するには、合理的および日常的な実験が必要とされるだけであろう。
【0141】
式Iの化合物の化学合成.
【0142】
本発明者らは最初の新規な非免疫抑制性FK506類似体を合成し、FKVPと名付け、それはFKBP結合を保持し、およびカルシニューリン抑制活性を欠く(図1)。FKVPはFKBP12-BMPR1相互作用の破壊を通じてリンパ球および内皮細胞における骨形成タンパク質(Bone Morphogenic Protein)(BMP)シグナル伝達を活性化することが見出された。さらに、FKVPおよびAMD3100の組合せはBMP受容体依存的マナーにおいて糖尿病性ラットでの創傷治癒を促進することが見出された。
【0143】
動物調査のためのFKVP合成および調剤物
【0144】
FK506(100mg、0.120mmol(ミリモル))および40mol%のZhanlb(チャン1b、ザン1bなどと呼ばれる)触媒RuCl2[C21H26N2][C12H17NO3S]の溶液に、3mLの無水DCEにおいて4-ビニルピリジン(14.2μL、0.132mmol)を加えた。混合物を30秒間撹拌した後、120℃で20分間マイクロ波を照射した。次いで混合物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0-25%MeOH)、分取TLC(9:1 DCM:MeOH)、および逆相HPLC(H2O中45-85%ACN)を使用して精製した。変換=25%、精製収率=8%。新しい化合物が>99%親化合物(FK506)を含まないことを確かめるためにLC-MSおよび1H-NMR実験を使用した。生産物はHi-Resolution(ハイ-レゾリューション)MS(図20)および1H-NMR(図21A-B)を使用して特性評価し、次いでDMSOに溶解し、または動物実験用の調剤物において使用した。
【0145】
動物実験では、FKVP粉体を5mg/mLにて80%EtOH/20%Cremophor(クレモフォール)RH60溶液に溶解した。このストックは皮下注射の前に生理食塩水中に1:50に希釈した。
【0146】
表2:抗体情報
【表2】
【0147】
化学薬品:研究グレードのFK506(>98%)はAPExBIOから購入した。LDN-193189塩酸塩、4-ビニルピリジン、および溶媒はMilliporeSigma(ミリポアシグマ)から購入した。Zhan-lbルテニウム触媒(CAS:918870-76-5)はSTREM Chemicals(ストレム・ケミカルズ)から購入した。
【0148】
細胞培養およびトランスフェクション
【0149】
Jurkat(ジャーカット)(E6.1, ATCC)細胞は10%FBSおよび1.5%PennStrep(ペンストレプ)を含むRPMIで培養した。Jurkat細胞(1×106)は400μL血清/抗生物質フリーの0.5%DMSOを有するRPMIにおいてエレクトロポレーション(BioRad(バイオラド)、方形波、250V、950μF)によって10μgのBRE-ルシフェラーゼ(Martine Roussel&Peter ten Dijke(マーティン・ラッセル&ピーター・テン・ダイケ)から快く提供)またはNFAT-ルシフェラーゼcDNA(Promega(プロメガ))によりトランスフェクションした。トランスフェクションの30分後、細胞を完全RPMIに移し、および夜通し休止させた。プレーティングの前に、細胞を新鮮な培地に再懸濁し、および0.5×106細胞/mLに希釈した。HEK293T細胞は10%FBS、1%PennStrep、および500μg/mL G418(Coming(カミング))を含むDMEMで培養した。SuperFect(スーパーフェクト)試薬を使用して細胞をトランスフェクションし、およびトランスフェクションプロトコルを提供した。HUVEC細胞はLonza Endothelial Cell Growth Medium(ロンザ内皮細胞増殖培地)(EGM-2)で培養し、3および7代目間で使用した。すべての細胞は5%CO2により37℃にて培養した。
【0150】
細胞生存率アッセイ
【0151】
JurkatまたはHUVEC細胞は20μLの10×薬物/タンパク質ストックを添加する前に180μLの増殖培地に1000細胞/ウェルにてプレーティングした。72時間のインキュベーション後、22μLのレザズリンナトリウム塩溶液(水中0.1mg/mLストック)を各ウェルに添加し、および37℃でインキュベーションさせた。レザズリン色素の代謝変換は6時間後の570nmでの吸光度によってモニターした。バックグラウンド控除(培地だけ+色素)後、吸光度値を任意の吸光度単位として残すか、またはDMSOで処理した細胞から得られた値に正規化した。
【0152】
ウエスタンブロット
【0153】
Jurkat T細胞を遠心分離(300g、5分)で回収し、PBSで洗浄し、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビター(Cell Signaling(セル・シグナリング))を含むRIPAバッファーにおいて超音波処理により溶解した。DCアッセイ(BioRad)を使用して溶解物(ライセートのこと)を標準化し、およびSDS-PAGEゲルで泳動した。タンパク質を100mAにて夜通しニトロセルロース膜(メンブレンという)に転写した。TBS-T中の5%ミルクで20分間ブロッキングした後、メンブレンを一次抗体と共に4℃で夜通しインキュベーションした(表2)。TBS-Tにより三回洗浄した後、メンブレンを二次抗体(表2)と1時間インキュベーションした。さらに三回洗浄した後、ECL基質(Thermo(サーモ))またはレーザー励起およびフィルター(647nm)のいずれかを用いSynGene(シンジーン)を使用してブロットを可視化した。
【0154】
FKBP12-SNAPプルダウン
【0155】
FKBP12-SNAPはpSNAPfベクター(New England Bio(ニュー・イングランド・バイオ))およびEcoRIとBsrGIの制限部位が追加されたPCR増幅FKBP12(Tobias Meyer(トビアス・マイヤー)からの贈物、Addgene(アドジーン)プラスミド#20175)を使用してクローン化した。ゲル精製したプラスミドはT4DNAリガーゼ(Thermo)を使用してライゲーションし、DH5αに形質転換し、および単一コロニーの選定のためにLB寒天培地にアンピシリンをプラスしたものにプレーティングし、配列決定、およびプラスミド精製をした。
【0156】
Alkl-V5プラスミドはLR Clonase(クロナーゼ)酵素ミックス(Thermo)を使用したpDONR223-ACVRL1(Alkl)(William Hahn&David Root(ウィリアム・ハーン&デイビッド・ルート)からの贈物、Addgeneプラスミド#23873)およびpEF-DEST51(Thermo)ベクターのゲートウェイクローニングによって生成した。プラスミドをDH5αに形質転換し、およびLB寒天培地にアンピシリンをプラスしたものにプレーティングして、単一コロニーの選択、配列決定、およびプラスミド精製をした。HAタグ付きのAlk2、Alk3およびAlk6プラスミドはAristidis Moustakas(アリスティディス・ムスターカス)からの贈物であった(Addgeneプラスミド#80870、80873、80882)。
【0157】
FKBP 12-SNAP(5μg)およびタグ付きALK受容体プラスミド(5μg)をSuperFectおよび提供されたプロトコルを使用してHek293T細胞にコトランスフェクションした。48時間後、細胞をDMSO(0.1%)または1μMFKVPで30分間処理した。1時間後、細胞を1mLの溶解バッファー(150mM NaCl、50mM Tris(トリス)-HCl、0.1%トライトン(Trition、Triton)-100、5%グリセロール、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビター)およびプレートスクレーパーにより容器において溶解した。溶解物を2mLエッペンドルフに移し、および4℃で20分間回転させた。溶解物を14000gで10分間遠心分離し、および~(約として使うことがある)1mLの上清を200nMの薬物または0.2%DMSOと共に新しいチューブに移した。20μLのインプット(投入量)を取り、および沸騰する前に20μLの2×ローディングバッファーと混合した。次いで各溶解物サンプルを40μLの磁性SNAPキャプチャービーズ(New England Bio)を含む250μLのSNAPバッファー(溶解バッファー+5mM DTT)と混合し、および4℃で1時間回転させた。ビーズを1mLの溶解バッファーで3回洗浄した後、100μLの2×ローディングバッファーで煮沸した。煮沸した溶解物をボルテックスし、および遠心分離し、および溶解物(~90μL)をビーズから注意深く取り除き、およびウエスタンブロッティングに使用した。
【0158】
同じ方法を10μgのFKBP12-SNAP cDNAだけのトランスフェクション後のカルシニューリン-FK506およびmTOR-ラパマイシンプルダウンに使用した。
【0159】
FKBPノックアウトライン
【0160】
Jurkat TおよびHek293T細胞はFKBP12(HCP267023-CG01-3-B)、FKBP51(HCP257374-CG01-3-B)、またはFKBP52(HCP205551-CG01-3-B)のためのガイドRNAsを含むオールインワンCRISPR/Cas9(クリスパー/キャス9)(mCherry(mチェリー)タグ付け)プラスミド(Genecopeia(ジーンコペイア))により前述したようにトランスフェクションした。48時間後、細胞をmCherry蛍光(650nmレーザー)用に96ウェルプレート(1細胞/ウェル)に分類した。2週間の培養後、単一クローンをウエスタンブロッティングによって検証した。
【0161】
BMPおよびNFAT経路レポーター
【0162】
BRE-LucによりトランスフェクションしたJurkat T細胞を96ウェルプレート(80μL/ウェルの0.5×106細胞/mL)に分け、および前述の化合物/タンパク質(20μLのRPMI中の5×ストック、0.5%DMSO)により18時間処理した。rBMP-4およびrTGF-β1(R&D)はそれぞれポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして使用した。プレートを3000rpmで10分間遠心分離し、次に注意深く吸引した。細胞を100μLの溶解バッファー(ウェルあたり)に再懸濁し、およびプレートシェーカーに30分間置いた。溶解物の80μLのアリコートを白い壁の96ウェルプレートに移し、およびルシフェラーゼ基質の自動注入の2秒後に発光を記録した。発光値をバックグラウンドで差し引き(溶解バッファー+基質)およびDMSOコントロール値に対し正規化した。
【0163】
FKBP12-SNAPプラスミドによりトランスフェクションしたFKBP12KO Jurkat T細胞はBRE-Lucアッセイで使用する前に1200μg/mL G418で7日間選択した。
【0164】
NFAT-LucによりトランスフェクションしたJurkat T細胞を96ウェルプレート(80μL/ウェルの0.5×106細胞/mL)に分け、およびPMA/Ionomycin(イオノマイシン)(40nM/1μM)での活性化30分前、指示された化合物(20μLのRPMI中の5×ストック、0.5%DMSO)により処理した。6時間後、ウェルを吸引し、溶解し、および前述のように発光を測定した。FK506およびCsAはポジティブコントロールとして機能し、一方でDMSOおよび非活性化ウェルはネガティブコントロール値を与えた。ノックアウト細胞実験を除いて、各実験について使用したJurkat細胞を同時にトランスフェクションし、および翌日のプレーティングおよび処理まで夜通し一緒に培養した。
【0165】
倫理的な動物のケアおよび使用の宣言
【0166】
Charles River(チャールズ・リバー)(Boston, MA(マサチューセッツ州ボストン))から取得したGoto-Kakizaki(後藤-柿崎)(GK)2型糖尿病性ラットを病原体フリー施設に収容し、およびNIHガイドラインおよびthe Johns Hopkins University Animal Care and Use Committee(ジョンズホプキンス大学動物管理使用委員会)(ACUC)によって承認されたプロトコルに従って世話した。この研究では、4-5か月齢にて雄性および雌性の両方のGKラットを使用した。
【0167】
インビボ切除創モデル
【0168】
全層創傷(Full-thickness wound)は滅菌処分可能生検パンチ(sterile disposable biopsy punch)(直径8mm)を用いてラットの背部皮膚に作り出した。動物は生理食塩水、AMD3100(1mg/kg)プラスFK506(0.1mg/kg)またはAMD3100(1mg/kg)プラスFKVP(0.1mg/kg)を創傷直後および完全に治癒し、創傷領域の完全な再上皮化として規定されるまで隔日で皮下注射した。BMPシグナル伝達の役割を評価するために、標準的な生理食塩水またはAF処置に加えて、動物にLDN-193189(2mg/kg/日)を腹腔内(i.p.)注射した。以前に記載された方法(Linら、2014)に従って創傷を毎日評価した。
【0169】
免疫組織化学
【0170】
免疫組織化学染色のために、凍結組織から5μmの切断切片を調製した。凍結切片を-20℃にて10分間アセトンで固定し、および室温で1時間乾燥させた。内因性ペルオキシダーゼを不活性化し、および非特異的抗体結合をブロックした後、標本を抗CD133(1:300、abl9898;Abcam(アブカム))と共に4℃で夜通しインキュベーションした。次いで組織切片をビオチン結合ヤギ抗ウサギIgG(1:200、#14708S Cell Signaling、Danvers, MA(マサチューセッツ州ダンバーズ))とその後30分間室温にてインキュベーションした。VectaStain Elite ABC(ベクタステイン・エリートABC)キット(HRP)(Vector Laboratories(ベクター・ラボラトリーズ)、Burlingame(バーリンゲーム)、CA(カリフォルニア州))を染色の感度を高めるために使用した。ジアミノベンジジン四塩酸塩(5分、D4293、Sigma-Aldrich(シグマ-アルドリッチ)、St. Louis, MO(ミズーリ州セントルイス)を色原体として使用し、およびMayer's Hematoxylin(マイヤーのヘマトキシリン)(30秒、Dako(ダコ)、S3309)を対比染色に使用した。
【0171】
統計
【0172】
創傷治癒の日数を比較するときに、AF、AF+LDN、生理食塩水およびS+LDNグループ間、またはAF、AV、および生理食塩水グループ間の創傷治癒での統計的差異を定めるために一元配置分散分析(ANOVA)を使用した。Bonferroni-Holm post-hoc procedure(ボンフェロー-ニホルム事後手順)をp値の調整に使用した。p<0.05は著しく異なると考えられる。
例1
【0173】
構造活性相関研究を行うために、本発明者らはピリジンコア構造を含むFKVPの新しい類似体を合成した。これまでに、本発明者らおよびその他はFK506(C40)の末端アルケンを修飾して非免疫抑制性のFK506類似体を生成するためにルテニウム触媒によるクロスメタセシス反応(CM)を用いた。不運にも、FKVPおよび他の含窒素類似体は非常に低い収率でしか得ることができなかった。これはルテニウム金属中心に競合的に配位する窒素孤立電子対が原因である可能性が最も高い。アミンの可溶性トシル化塩を使用すると、収率を向上することができたが、それはFKBPの場合には役に立たなかった。
【0174】
CM反応における窒素塩基含有基質に関連する問題に対処するために、我々は代替手段としてヘック反応(Heck reaction)に目を向け、それはヘック反応で使用されるパラジウム触媒はピリジンなどの含窒素複素環と適合性があるためであった。反応条件を最適化した後、我々は100℃でDMFにおいてPd(OAc)2(10mol%)およびP(o-tol)3(20mol%)の存在下でFK506を4-ヨードピリジン(2.0 equiv.(当量))と反応させることが最良の収率(66%)を与えることを見出した。
【0175】
例として、FK-506(0.0500mmol、40mg、1.0 equiv(当量))、ハロゲン化アリール(2.0 equiv)およびPd(OAc)2(0.00500mmol、1.1mg、0.10 equiv)およびP(o-tol)3(0.0100 mmol、3.0mg、0.20 equiv)の混合物)を火炎乾燥した10mL-シュレンク管(Schlenk tube)に入れたものに、K2CO3で乾燥させた乾燥DMF(1.0mL)およびEt3N(0.10mL)をアルゴンバルーン保護下で加え、および混合物を100℃にて撹拌した。反応は質量分析によってモニターした。反応が終了したとき、反応混合物を室温に冷却し、およびグラジエント溶媒(ジクロロメタンおよびメタノール)を用いたフラッシュカラムによって精製して、対応する生産物を与えた。必要に応じてエピマーを分離するためにさらなる精製としてPLCを使用した。
【0176】
FKVPをリードとして、ピリジンコアを有する7つの含窒素複素環式ハロゲン化物および置換アニリンを有する4つのハロゲン化物をヘック反応の基質として選定した。嬉しいことに、すべてのハロゲン化物基質は中程度ないし良好な収率でFK506に正常にカップリングした(表1を参照)。
【0177】
ハロゲン化物基質はヘック反応において明確な反応性を示した。第一に、臭化物およびヨウ化物は同様の収率を与えた。第二に、ピリジンおよびキノリンの電子求引基が収率を増加させるように考えられた(表1、見出項目4、6、7)。第三に、保護されていないアニリンは最低の収率を示した(表1、見出項目9-11)。重要なことに、反応混合物中の未反応のFK506出発物質はフラッシュクロマトグラフィーでより一層高い極性の窒素含有生成物から容易に分離された。
例2
【0178】
FK506アナログを手に、二つの濃度での細胞生存率、BMP活性化およびNFAT活性化に対するそれらの影響を評価した(図2)。HUVEC細胞生存率アッセイでは、我々はキノリン類似体(5b-7b)が10μMで細胞繁殖を抑制し(図2a)、その一方で他の化合物がそれらの細胞毒性においてFK506に匹敵することを見出した。
【0179】
我々は新しい類似体がBMPシグナル伝達経路を活性化できるかどうかを定めるためにJurkat T細胞においてBMP応答エレメント(BRE)経路レポーター(ID1遺伝子プロモーターの制御下にあるルシフェラーゼ)を使用した。化合物の初期のスクリーニングはほとんどの類似体がFK506またはFKVPと同様の活性を有することを示した。これはある程度予想され、それはFKBP12結合が必要であり、およびBMPシグナル伝達の活性化に十分であることを我々が以前に示したからである(図2b)。
【0180】
カルシニューリンに対する類似体の効果を決定するために、我々はJurkat T細胞8d(IL-2プロモーターの制御下にあるルシフェラーゼ)におけるPMA/イオノマイシン-活性化T細胞活性化核内因子(ionomycin-activated Nuclear Factor of Activated T-cell)(NFAT)レポーターを採用した(図2c)。二つの類似体(2b、3b)はFKVP(lb)と同様に最大で10μMまでの濃度にてNFAT-ルシフェラーゼレポーターの有意な抑制を引き起こさなかった。驚くべきことに、他のほとんどの類似体は1μMでNFATレポーターの部分的またはほぼ完全な抑制のいずれかを示した(図2c)。5b、6bおよび7bを含むいくつかの免疫抑制類似体が縮合芳香環の存在のために2bおよび3bよりも嵩高い置換基を有することは注目に値する。それらのより一層嵩高い基がどのようにカルシニューリンの結合部位に収容されているかどうかはまだ決定されていない。
例3
【0181】
我々はBMPルシフェラーゼアッセイで3つの非免疫抑制類似体(lb-3b)のEC50値を決定した。3つの類似体はすべてFK506よりもわずかに強力であることが見出され(図3)、これは極性のより一層高いピリジン置換基による溶解度の増加に起因する可能性がある。3つの類似体の中で、FKVPは12.4nMのIC50を有する最も活発なままであった。
例4
【0182】
FKBP12-FK506-カルシニューリンの複合体の構造はX線結晶学によって以前に決定された。この複合体では、FK-506の末端アルケンが疎水性アミノ酸によって形成されたカルシニューリンでの結合ポケットに収まる(図4a)。FK506の代わりにモデル化した場合、FKVP(lb)でのピリジンモイエティはカルシニューリンの残基M118と立体的に衝突し(図4b)、それは類似体lb-3bによるカルシニューリン結合の排除を説明する。しかし、同じ位置にFKVPよりも嵩張る置換基を含むいくつかの他の類似体がどのように免疫抑制性を維持するかは構造によって説明することはできない。
【0183】
すべての含窒素類似体のpKa値を調査した後、我々はより一層高いpKa値を有する化合物(lb、2b、3b、5b)はより一層少ないカルシニューリン抑制を示すことに気付いた。逆に、電子吸引基によって引き起こされたより一層低いpKaを有するものはすべて1μMにて免疫抑制性であった(4b、6b、7b)。アニリンのpKa値(9b-1lb)はピリジン(lb)よりも低く、それはまたカルシニューリンに対する抑制活性のその保持を説明し得る。これらの観察結果はFK506の末端アルケンでの正に帯電したピリジニウム付属物の形成がFK506の末端アルケンおよびカルシニューリンでの疎水性ポケット間の相互作用を破壊する上でより一層重要な役割を果たすことを示唆する。これらの観察結果は非免疫抑制性FK506類似体におけるカルシニューリン抑制の喪失の代替的および補完的なメカニズムを提供し、それはカルシニューリン結合を立体的に妨げる大きな分子「バンプ」によってこれまでに合理化された。カルシニューリンでの同じ結合ポケットは4b、6bおよび7bに存在するもののような非荷電の嵩張る芳香環に対応するための重要なコンフォメーションの柔軟性をもつ可能性がある。
【0184】
要点を述べると、本発明者らはヘック反応を使用して窒素塩基を含むFK506類似体のワンステップ合成を含む本発明の方法を開発した。BMPシグナル伝達経路を活性化する効力がより一層高い3つの非免疫抑制類似体を識別した。FK506-カルシニューリンの相互作用を妨害する重要な要素は立体的相互作用よりむしろ静電的相互作用によるものであることが見出された。創傷治癒および組織再生におけるBMPシグナル伝達の役割を考えると、FKVPおよび類似体への新たに開発された合成経路は再生医薬用のFK506の非免疫抑制類似体の開発を促進するであろう。
例5
【0185】
C40でのFK506の修飾は非免疫抑制類似体-FKVPにつながった。
【0186】
FK506のインビボ免疫抑制活性はカルシニューリンの抑制を通して媒介されることが確立された(Bueno(ブエノ)ら、2002)。以前の研究はFK506の末端アルケンでの修飾がFKBP結合を保持しながらカルシニューリン抑制をブロックできたことが示された(Clemons(クレモンズ)ら、2002)。AFの組合せによる治癒の促進にカルシニューリン抑制が必要かどうかを定めるために、我々はクロスメタセシスを使用してビニルピリジンモイエティをFK506のエフェクタードメインでの「バンプ」として末端アルケンに融合させることによってFK506の非免疫抑制類似体を設計および合成した。得られる類似体をFKVPと名付けた(図5a)。新たに追加されたピリジンモイエティはカルシニューリンとの相互作用を妨害するために立体的なバルクを提供しながら、水溶性を高めることが意図された(図6)。FKVPの細胞毒性を評価し、およびJurkat T(図5b図7a)および初代HUVEC細胞(図7b)の両方でFK506の細胞毒性と比較した。FK506と同様に、FKVPは10μMまでの濃度で細胞生存率に影響を与えなかった(図5b)。我々は次いでJurkat T細胞でのPMA/イオノマイシン活性化NFAT-ルシフェラーゼレポーター遺伝子に対するFKVPの効果を定めた(Clemonsら、2002)。FK506およびCsAの両方がレポーターの強力な抑制を示したが、FKVPは最大10μMまでの濃度で有意な抑制を引き起こさず(図5c)、FKVPがもはやカルシニューリンを抑制する能力がないことが示唆される。FKVPがFKBPに結合する能力を保持したことを確かめるために、我々はFK506とラパマイシンとを組み合わせた競合アッセイにそれを適用し、それは遊離FKBPの隔離が活性なFKBP12-FK506またはFKBP-ラパマイシン複合体の形成を防止し、およびそれゆえに双方の薬物の活性が拮抗されるからである(Raoら、1997、Abraham(エイブラハム)ら、1996)。カルシニューリンに対するFK506の効果はNFATc2のリン酸化状態の読み出しとして使用して定めた。それゆえに、FK506はPMAおよびイオノマイシンによる刺激に応答してNFATc2の脱リン酸化をブロックした(図8a)。10μMのFKVPの存在はNFATc2脱リン酸化に対するFK506の抑制効果を逆転させ、FKVPおよびFK506間の相互拮抗作用が示唆される。同様に、我々はmTOR活性に対するラパマイシンの効果を調べ、その基質p70s6kのリン酸化状態によって判断されたようである。この場合も、高濃度のFKVPはp70s6kリン酸化に対するラパマイシンの抑制を逆転させた(図8b)。総合すると、これらの結果はFKVPが内因性FKBPタンパク質への競合的結合を通してFK506およびラパマイシンの両方の活性に拮抗する能力があることを明らかに示した。
例6
【0187】
AMD3100と組み合わせたFKVPは創傷治癒を促進した
【0188】
我々は前に、全層皮膚切除後の創傷治癒の促進におけるAMD3100および低用量FK506(AF)の相乗作用を報告した(Linら、2014)。FKVP、が同等の効果をもっているかどうかを定めるために、我々は2型糖尿病性のラットモデルにおいて創傷治癒実験を実行した。糖尿病性のGKラットの剃毛した背中に直径8mmの円形切除によって4つの全層創傷を生成し、および各創傷部位を指定した時間間隔にてデジタル写真で撮影した(図9a)。創傷領域全体の再上皮化を完全治癒の定義パラメーターとして使用し、および各動物での4つの創傷の完全治癒時間を日数で算出した(図9b)。
【0189】
傷を受けたラットをランダムに3つの実験グループに分け、および創傷直後および完全に治癒するまで一日おきに生理食塩水、AF(AMD3100(1.0mg/kg)プラスFK506(0.1mg/kg))またはAV(AMD3100プラスFKVP(0.1mg/kg))の皮下注射を行った。生理食塩水コントロール群は平均26日の十分な治癒時間を示したが、AFで処置した動物は創傷が21日目に十分な再上皮化に達したため、有意に速い治癒を見せ、それは外科的切除創傷の非糖尿病性齧歯動物モデルにおける我々の報告と一致する(Linら、2014)。重要なことに、AV療法を受けた10匹のラットは26日から20日まで十分に治癒するまでの時間が大幅に短縮されたAF相当の効果を表示した(図9c)。これらの結果はカルシニューリンの抑制が創傷治癒の促進におけるAMD3100およびFK506の相乗的活性に関与しないことを強く示唆する。
例7
【0190】
FKVPはBMP 1型受容体を通してID-1レポーターおよびSMAD1/5リン酸化を活性化する
【0191】
FK506のWH加速活性の関連メディエーターとしてカルシニューリンを除外したので、我々はFKBP12およびそれが調節すると報告されているBMPシグナル伝達経路に目を向けた。我々はまず、Jurkat[E6.1]T細胞でBMP応答エレメント(BRE)経路レポーター(ID1遺伝子プロモーターの制御下にあるルシフェラーゼ)(Spiekerkoetterら、2013)を採用することによってFK506およびFKVPの両方がBMPシグナル伝達経路を活性化する能力があるかどうかを定めることから始めた。Jurkatラインは高レベルのFKBP12およびCXCR4に加えてBMPシグナル伝達の機能コンポーネント(BMPR、SMAD1/5)を発現することがわかっており、それを優れたモデルシステムにする。レポーターの選択性を確認するために、rBMP-4およびrTGF-β1をそれぞれ陽性コントロールおよび陰性コントロールとして使用した。FKVPおよびFK506の両方で処理すると、レポーターが用量依存的に活性化され、およびルシフェラーゼ活性の増加は選択的BMP1RインヒビターLDN-193189(LDN)によって十分にブロックされた(図10a)。FK506およびFKVPとは対照的に、シクロスポリンA(CsA)はレポーターを活性化せず(図10a)、それはカルシニューリンがFK506によるBMPR1キナーゼの活性化に関与していないという考えと一致した。
【0192】
下流のBMPR1シグナル伝達イベントを研究するために、我々はSMAD1/5のリン酸化に対するFK506およびFKVPの影響を調べた。両方の化合物は用量依存的なマナーでSMAD1/5リン酸化を誘発し(図10b)、LDN処置によって効果が無効になった(図10c)。対照的に、同じ条件下でリン酸化SMAD2/3の増加はなく(図11)、FKBP12がTGF-β受容体に結合し得る一方で(Chen(チェン)ら、1997)、その解離はTGF-βの不存在下に受容体キナーゼ活性を活性化するには不十分であることが示唆された。この結果はFK506および非機能的類似体が外因性リガンドの添加なしにTGF-β経路レポーターを活性化することは可能でないことを示す以前の研究と一致している(Spiekerkoetterら、2013、Wangら、1996)。BRE-ルシフェラーゼレポーターでは、AMD3100はID-1プロモーター刺激単独またはFKVPとの組合せに影響を及ぼさないことが知見され(図12)、これらの薬物の相乗活性はBMPシグナル伝達のレベルでは発生しないことが示唆された。さらに、我々は細胞外BMPインヒビタータンパク質、ノギン(Noggin)がBMPレポーターのFK506またはFKVP媒介誘導を減少させるのに効果的ではないことを見出した(図13)。これらの観察結果は内因性BMPがFK506またはFKVPによるシグナル伝達活性化に必要ではなく、およびこれらの化合物がBMPタンパク質の過少発現、またはノギンのような細胞外インヒビター(抑制剤などと言うこともある)の過剰発現を伴う組織においてBMPを活性化できたことを示唆する。加えて、FKVPはBMP-4刺激に対する細胞の感受性を相加的に高め、FKBP12結合の抑制が内因性リガンドによる受容体活性化を促進することを示唆した(図14)。SMAD1/5リン酸化およびID-1発現の両方はFKVP処置後のHUVEC細胞において著しく増加し(図15)、一よりも多くの細胞型がFKVPによるBMP活性化に感受性があるという証拠を提供した。総合すると、これらの結果はFK506およびFKVPの両方がBMPR1キナーゼシグナル伝達を活性化する能力があることを指し示し、この活性化がAF併用療法におけるFK506の治癒促進活性に重要な役割を果たす可能性を高めた。
例8
【0193】
FKVP誘発SMAD1/5リン酸化については単独のFKBP12が必要である。
【0194】
FKBP12はFKBPスーパーファミリーのタンパク質のメンバーである。以前の作業では、FKBP12はBMPR1アクチビン様キナーゼ2(ALK2)と関連していることが示された。ただし、いくつかのFKBPsをノックダウンしようとしても、BMPR1シグナル伝達に対する特定の効果を明らかにすることはできず(Spiekerkoetterら、2013)、それはおそらくFKBPsの相対的な安定性および高い豊富さによるであろう。この問題に対処するために、我々は3つのサイトゾルFKBPs、FKBP12、FKBP51、およびFKBP52のCRISPR-Cas9ノックアウトを生成した。3つのタンパク質すべてがFK506に結合することが報告されており(Kozany(コザニー)ら、2009)、およびBRE-ルシフェラーゼレポーターアッセイでは、FKBP12ノックアウト細胞だけがFK506およびFKVPに対する感受性を失ったことが見出された(図16a、16b)。FKBP12KO細胞が構成的に上昇したレベルのSMAD1/5リン酸化を示したことも見ることができ(図16a)、すでに上昇したDMSO処理サンプルと比較してFKBP12KO細胞におけるBMP-4処理の値が低いことが説明される。さらに、新規のSNAPタグ付き融合コンストラクト(構築物などのこと)によるFKBP12の再構成はKO細胞でのFK506/FKVP感度を元の親系統のものに回復させた(図16c)。我々はカルシニューリンおよびmTORをそれぞれFK506およびラパマイシンの存在下でプルダウンするためにこの融合タンパク質を使用することができ、融合SNAPタグはFKBP12-FK506およびFKBP12-ラパマイシン複合体とカルシニューリンまたはmTORとの相互作用を妨害しなかったことが示唆された(図17)。我々は次いでトランスフェクションしたHEK293T細胞からV5またはHAタグ付きALK受容体をプルダウンするために同じコンストラクトを適用した。我々はSNAP-FKBP12およびALK受容体が実際に互いに相互作用し、およびその関連性はFKVPによる競合に敏感であったことを観察した(図16d)。これらの観察結果はFKBP12-BMPR1の相互作用がFKVP-誘発BMPの活性化の効果を仲介することに単独で関与することを強く示唆する。
例9
【0195】
創傷治癒の加速におけるAFの組合せの効果には、BMPシグナル伝達が必要である
【0196】
FK506によるBMP活性化が創傷治癒の加速に関与するかどうかを定めるために、選択的BMPR1キナーゼインヒビター、LDN-193189(2mg/kg/日、i.p.)を生理食塩水またはAFの組合せで処置した創傷GKラットに投与した。LDNはインビボで効果的であることが示され(Cuny(クニー)ら、2008;Sun(サン)ら、2013)、および単独では創傷治癒に影響を与えないと示された。興味深いことに、LDNはAF併用療法の有益な効果を無くし、および完全な治癒までの時間を21日から25日に延長した(図18a、18b)。我々はFK506がAMD3100動員CD133幹細胞の創傷部位(Linら、2014)または損傷臓器(Okabayashiら、2011;Huら、2016;Cameronら、2016;Zhai(ジャイ)ら、2018)への補充(recruitment)において重要な役割を果たすことを報告した。BMPシグナル伝達の遮断が幹細胞の補充を抑制するかどうかをさらに確認するために、手術後7日目に動物から回収した創傷組織切片においてCD133についての免疫組織化学染色を実行した。生理食塩水で処理された動物からの創傷組織切片において小数(2つ、3つ)のCD133+細胞を識別した(図18c)。CD133+細胞の数はAF併用療法を受けている動物での創傷の新たに形成された肉芽組織において著しく増加した。際立って、BMPインヒビターLDNの投与はAF併用処置を受けた動物での創傷におけるCD133+細胞の数を劇的に減少させた。総合すれば、これらの結果はAF併用療法による創傷部位へのより一層多くのCD133+幹細胞の補充がFK506によるBMP活性化に依存し、およびLDNによるBMPシグナル伝達のブロッケード(阻害などのこと)がAF併用療法の有益な効果を排除することを示唆する。
【0197】
本発明者らはAMD3100と組み合わせて使用したときにFK506がWHを加速するメカニズムを調査した。FKVP、新規な、FK506の非免疫抑制類似体を使用して、我々は両方のWH加速のメディエーターとしてカルシニューリンを除外し、FKBPsが両方の効果の主要な標的である可能性が高められた。さらに、我々は大環状FKBPリガンドが内因性FKBP12によるBMPR1の抑制を緩和することによってBMPシグナル伝達を活性化することを実証した。我々はFKBP12がBMPシグナル伝達経路において必須の役割を果たすことを示し、それは非免疫抑制性のFK506類似体の使用を通してカルシニューリン抑制なしに媒介することができる効果である。我々はBMP受容体シグナル伝達がFK506による創傷治癒の増強に必要であり、およびこの活性化をブロックすると創傷領域に補充される幹細胞の数がより一層少なくなることを見出した。BMPシグナル伝達は創傷治癒メカニズム、例えば、幹細胞の走化性または創傷組織における動員細胞の内皮接着などのようなものにおけるいくつかの細胞型を操作し得る(図19)。
【0198】
FKBP12は、FKBPスーパーファミリーの創設メンバーであり、FK506によるカルシニューリンおよびT細胞活性化の抑制を媒介するその役割に加えて多重の細胞および生理学的機能を所有することが示された。FKBP12との関連、およびFKBP12による抑制により、BMPR1キナーゼ調節の別の層が追加される。FK506またはFKVPによるFKBP12抑制の緩和がID-1ルシフェラーゼレポーター遺伝子を活性化するのに十分であることは、BMPRの基礎レベルの活性があること、それはFKBP12によって通常抑えられ、およびこの抑制の緩和は十分な、中程度ではあるが、BMP-4結合と比較したシグナル伝達経路の活性化を導くことを示唆する。それゆえ、BMPRはFKBP12抑制の解放の際、BMP結合の際、およびその両方で、3つの個別の活性化状態で存在し得る。本発明はFK506またはFKVPによる薬理学的なBMPの部分的活性化がAMD3100と組み合わせた創傷治癒を加速するのに十分であることを明らかにする。
【0199】
2型BMP受容体は1型受容体のGSドメインを構成的にリン酸化すると報告されている(ALKs)。FKBP12はGSドメインでの残基に結合することによってALKsのランダムな活性化を抑制すると考えられる(Chaikuad(チャイクアド)ら、2012)。本発明者の結果はこの関連がすべてのBMP-特異的ALKsについてFKVPによって競合されることを示した。FKBP12の喪失はSMAD1/5の基底リン酸化の上昇をもたらすことが示され、その内因性細胞内インヒビターFKBP12の非存在下でのALKsの部分的に活性化された状態が示唆された。付随するFKVPおよびrBMP処置からのID-1レポーター刺激での相加的な増加も、BMPR1の3つの活性化状態と一致する。さらに、BMPインヒビターノギンの添加はFKVPによるID-1レポーター刺激を妨げず、内因性FKBP12によるBMPRの調節がBMPタンパク質受容体結合とは無関係であることが示唆された。
【0200】
FK506によるカルシニューリンの抑制はその強力な免疫抑制活性および腎毒性および神経毒性を含む複数のその副作用の両方の原因であることが示された(Bechstein(ベヒシュタイン)ら、2000、Naesens(ネーセンス)ら、2009)。FK506のカルシニューリン-相互作用エフェクタードメインに分子「バンプ」を新たに配置することによって、NFATレポーター遺伝子アッセイで判断したとき、得られたFKVPはその免疫抑制活性を失った。カルシニューリンと比較して、FKBP12および他のメンバーの機能の喪失は酵母および哺乳類の両方に与える影響がはるかに少なく、および影響は劇的に少ないと考えられる。BMP受容体とは別に、FKBP12はイノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)およびリアノジン受容体でのカルシウムフラックスを調節することが報告され(Cameronら、1995;Jayaraman(ジャヤラマン)ら、1992)、FK506は脈管または心臓平滑筋収縮性に影響を与える可能性があることが示唆された。しかしながら、カルシニューリン抑制単独は高血圧の重要な増強因子として認識された(Hoorn(ホールン)ら、2012)。そういうものとして、本発明の非免疫抑制性FKBPリガンドはより一層少ない副作用を有するはずであり、より一層安全でおよびより一層選択的な薬理学的BMPアゴニストがもたらされる。さらに、FK506によるFKBP52抑制は神経再生を増強することが示され(Gold(ゴールド), B.G.、1999;Gold, B.G.ら、1999)、本効果はBMPシグナル伝達を通してFKBP12-媒介組織再生と相乗作用し得ることが示唆された。
【0201】
式Iの化合物の一つ、FKVPはFK506がまたその免疫抑制効果の欠如のために重要な臨床的意味をも有するのと同様にWHの増強において効果的である。感染のリスクがより一層高いペイシェント、例えば、糖尿病を有するものなどのようなものでは、FKVPによる処置は免疫抑制剤に関連するリスクなしに効果的な処置を提供するであろう。これはこの研究のために後藤-坂崎ラット;齢の3-4か月の後に2型糖尿病を自発的に発症し、および創傷治癒の著しい障害を含め、疾患を患うヒトに影響を与える同じ生理学的症状の多くに苦しむラットモデルの我々の使用において強調される。この研究のためのそのようなモデルを使用することによって、我々は式Iのこれらの化合物の力および処置におけるそれらの使用および臨床使用へのその応用を例示する。FKVPが負荷(challenging)ラットモデルでFK506のWH有効性を反復するという我々の証明はFKVPを魅力的なリード化合物にし、および我々は式Iの他の非免疫抑制化合物がFKVPと同様にカルシニューリンに対する抑制性活性に欠け、および同様の有益な効果があることを示すことができる。さらに、AMD3100およびFKVPの相乗作用は他のいくつかのタイプの組織傷害に適用することができる再生療法を実証する。WHを超えて、我々の研究室は肝部分切除およびAF併用処置後の肝臓再生の改善を示した(Zhaiら、2018)。それゆえに、式Iの化合物のFKVPおよび他の非免疫抑制性FKBP12リガンドは創傷治癒および再生療法の両方での使用が見出され得る。
【0202】
ここで引用する刊行物、特許出願、および特許を含め、すべての参考文献はあたかも各参考文献が個別におよび具体的に参照により組み込まれることが示され、およびその全体がここに記載されたかのように同程度に参照によりここに組み込まれる。
【0203】
本発明を説明する関連での(特に以下の請求の範囲の関連での)「a」および「an」および「the」という用語および同様の指示対象の使用は、ここで別なふうに指し示され、または文脈によって明らかに矛盾しない限り単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。「comprising((部分として)包含すること)」、「having(有すること)」、「including((あるものを全体の一部として)含めること)」、および「containing(含まれている(もの全体を指す)こと)」という用語は別なふうに述べない限り、制限のない用語(即ち、「含むが、それに制限されないこと」を意味すること)として解釈されるべきである。ここでの値の範囲の列挙はここに別なふうに指し示さない限り、範囲内に入る各個別の値を個々に参照する簡略化された方法として役立つことを意図するにすぎず、および各個別の値はここに個別に記載されているかのように明細に組み込まれる。ここに記載のすべての方法は、ここに別なふうに指し示されず、または別なふうに文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。ここで提供されるありとあらゆる例、または模範的な言語(例は、「のようなもの」)の使用は単に本発明をより一層良好に明らかにすることを意図しており、および別なふうに請求されない限り本発明の範囲に制限を与えるものではない。明細でのいかなる文言も請求されていない任意の要素が本発明の実践に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0204】
この発明の好ましい実施態様は本発明を行うために発明者らに知られる最良のモードを含めて、ここに記載されている。これらの好ましい実施形態の変形は前述の説明を読むことで本技術における通常の技量の者には明らかになり得る。本発明者らは熟練した職人(skilled artisans、当業者とも言う)がそのような変形を適切に採用することを期待し、および本発明者らはここに具体的に記載される以外に本発明が実践されることを意図する。したがって、この発明は適用される法によって許可されるようにここに添付した請求の範囲に列挙する主題のすべての修飾および等価物を含む。さらに、そのすべての可能な変形における上記の要素の任意の組合せは、ここに別なふうに指し示さず、または別なふうに文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【0205】
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図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16-1】
図16-2】
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図19
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図21A
図21B
【国際調査報告】