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特表2022-518572動的に調整可能で柔軟なモジュール式の太陽光発電システムおよびその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】動的に調整可能で柔軟なモジュール式の太陽光発電システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/20 20140101AFI20220308BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20220308BHJP
【FI】
H02S30/20
H01L31/04 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543471
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 IB2019059996
(87)【国際公開番号】W WO2020157556
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/797,686
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/872,307
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319003493
【氏名又は名称】キング・アブドゥッラー・ユニバーシティ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・ピー・ヴァン・ケルシャヴェル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジー・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・デ・バスティアニ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・フィリペ・サルヴァドール
(72)【発明者】
【氏名】アハメド・ヘシャム・バラウィ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA08
5F151JA12
(57)【要約】
太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム(400)がある。動的に調整可能なPVシステム(400)は、電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセル(412-1)および第1のセットのPVセル(412-1)をカプセル化する第1の積層フィルム(1801)を含む第1のPVフォールド(410-1)と、電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセル(412-2)および第2のセットのPVセル(412-2)をカプセル化する第2の積層フィルム(1801)を含む第2のPVフォールド(410-2)と、第1の積層フィルム(1801)を第2の積層フィルム(1801)に接続する接続機構(420-5)と、を含む。接続機構(420-5)は、チャンバ(1816)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセル(412-1)を含む第1のPVフォールド(410-1)、および、前記第1のセットのPVセル(412-1)をカプセル化する第1の積層フィルム(1801)と、
電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセル(412-2)を含む第2のPVフォールド(410-2)、および、前記第2のセットのPVセル(412-2)をカプセル化する第2の積層フィルム(1801)と、
前記第1の積層フィルム(1801)を前記第2の積層フィルム(1801)に接続する接続機構(420-5)と、
を備えた、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム(400)であって、
前記接続機構(420-5)が、チャンバ(1816)を含んでいることを特徴とする、動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム(400)。
【請求項2】
前記接続機構が、第1の厚さを有する第1の層(1810)と、
前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する第2の層(1812)と、
をさらに含み、
前記第1の層が前記第1の積層フィルムに取り付けられ、前記第2の層が前記第2の積層フィルムにそれぞれ取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項3】
前記第1の層および前記第2の層が、前記チャンバを画定していることを特徴とする、請求項2に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項4】
前記第1の層および前記第2の層が、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムに縫い付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項5】
前記第1の層の第1の厚さおよび前記第2の層の第2の厚さが、前記第1および第2のPVフォールドの優先的な折り畳み方向を決定し、前記第1および第2のPVフォールドが折り畳まれるとき、前記第2の層が前記第1および第2のPVフォールドに挟まれていることを特徴とする、請求項2に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項6】
前記第1の層および前記第2の層のそれぞれが、空気および/または光が前記接続機構を通過することを可能にするために、それぞれに対応する穴を有していることを特徴とする、請求項2に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項7】
前記第1および第2の積層フィルムの1つまたは複数のエッジが別の材料で補強されていることを特徴とする、請求項1に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項8】
前記第1および第2の積層フィルムは、空気および/または光が積層フィルムを通過することを可能にするために一致穴を有していることを特徴とする、請求項1に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項9】
互いに電気的に接続された一セットのPVセル(422-1)と、
前記一セットのPVセル(412-1)をカプセル化する積層フィルム(1801)であって、複数の開口(2410)を有する積層フィルム(1801)と、
複数のカバー部品(2412)であって、それぞれのカバー部品が前記積層フィルムの対応する開口に嵌合するように構成されている、複数のカバー部品(2412)と、
を含んでなる、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽光発電(PV)フォールド(410-1)において、
前記複数のカバー部品が、前記積層フィルムの素材とは異なる材料で作られていることを特徴とする、太陽光発電(PV)フォールド(410-1)。
【請求項10】
前記複数のカバー部品が、対応する前記開口に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の太陽光発電(PV)フォールド。
【請求項11】
前記複数のカバー部分の材料が、可視光に対して透明で通気性を有するのに対し、前記積層フィルムの材料が、可視光に対して透明で非通気性であることを特徴とする、請求項9に記載の太陽光発電(PV)フォールド。
【請求項12】
前記複数のカバー部分の材料が、可視光に対して不透明で通気性を有するのに対し、前記積層フィルムの材料が、可視光に対して透明で非通気性であることを特徴とする、請求項9に記載の太陽光発電(PV)フォールド。
【請求項13】
前記複数のカバー部分の材料が、可視光に対して不透明で非通気性であるのに対し、前記積層フィルムの材料が、可視光に対して透明で非通気性であることを特徴とする、請求項9に記載の太陽光発電(PV)フォールド。
【請求項14】
前記複数のカバー部品の第1のサブセットが、前記複数のカバー部品の第2のサブセットの材料とは異なる材料でできていることを特徴とする、請求項9に記載の太陽光発電(PV)フォールド。
【請求項15】
電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセル(412-1)を含む第1のPVフォールド(410-1)、および、前記第1のセットのPVセル(412-1)をカプセル化する第1の積層フィルム(1801)と、
電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセル(412-2)を含む第2のPVフォールド(410-2)、および、前記第2のセットのPVセル(412-2)をカプセル化する第2の積層フィルム(1801)と、
前記第1のセットのPVセル(412-1)を前記第2のセットのPVセル(412-2)に電気的に接続する接続機構(420-3)と、
を含んでなる、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム(400)であって、
前記接続機構(420-3)が、前記第1のPVフォールド(410-1)が前記第2のPVフォールド(410-2)の上に折り畳まれるように湾曲可能であることを特徴とする、動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム(400)。
【請求項16】
前記接続機構が、
金属層と、
前記金属層をカプセル化する第3の積層フィルムと、
を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項17】
前記接続機構が、
ダイオードと、
前記ダイオードをカプセル化する第3の積層フィルムと、
を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項18】
前記接続機構は、前記第1および第2のPVフォールドのそれぞれが対応する電気タブに圧着されるように構成された変形可能な金属延長部を有していることを特徴とする、請求項15に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項19】
前記第1のセットのPVセルが第1および第2のサブセットに分割され、PVセルの前記第1および第2のサブセットのそれぞれが直列に接続され、対応するダイオードがそれぞれのサブセットの両端部の間で電気的に接続されていることを特徴とする、請求項15に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項20】
PVセルの前記第1および第2のセットのそれぞれは、並列に接続され、対応するダイオードもまた、各セットに対して電気的に並列に接続されていることを特徴とする、請求項15に記載の動的に調整可能な太陽光発電(PV)システム。
【請求項21】
太陽光発電(PV)システム(400)の表面を動的に調整するための方法であって、
PVシステム(400)を構造(1602)に取り付けるステップ(1700)であって、電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセル(422-1)を備えた第1のPVフォールド(410-1)と、電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセル(412-2)を備えた第2のPVフォールド(410-2)と、を含むPVシステムを取り付けるステップ(1700)と、
前記構造(1602)に関連するパラメータを測定するステップ(1702)と、
前記パラメータに基づいて前記PVシステム(400)の表面を調整するステップ(1708)であって、(1)前記PVシステムにより生成される電気エネルギー、(2)前記構造内における影、および、(3)前記構造内への空気浸透の少なくとも1つが調整される、前記PVシステム(400)の表面を調整するステップ(1708)と、
を含んでなることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
この出願は、「機械的に収縮可能で柔軟なモジュール式の太陽光発電システムおよびその方法」と題された、2019年1月28日に出願された米国仮特許出願第62/797,686号と、2019年7月10日に出願された「機械的に収縮可能で柔軟なモジュール式の太陽光発電システムおよびその方法」と題された米国仮特許出願第62/872,307号の優先権を主張し、これらの開示は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本明細書に開示された主題における実施形態は、一般に、エネルギーを生成するために太陽光放射を使用する太陽光発電システムに関し、より具体的には、動的に調整可能で柔軟な太陽光発電セルフォールドを使用することによって、太陽光発電システムを通過する太陽光および/または空気を制御するための技術およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
太陽光発電(PV)セルは、太陽光エネルギー技術の最も急速に成長している収穫すべき分類になっている。典型的なPVモジュールはシリコン太陽電池に基づく。PVセル100は、伝統的に、図1に示されるように、特別に処理された半導体層104が形成された基板層102を含む(結晶シリコンウェーハが使用される場合、基板は必要ない)。追加の層106は、電荷抽出のために、および/または反射防止コーティング層として、半導体層104の上に形成される。上部電極108および下部電極110は、太陽照射112に曝されたときに半導体層104によって生成された電荷を収集するために、PVセルに取り付けられる。
【0004】
典型的な基板層102(例えば、ガラス)および半導体層104は、セル全体を剛性にする硬質材料(例えば、シリコンまたはシリコンベースの材料)でできている。さらに、個々の太陽電池が生成する電流および電圧は少量であるため、図2に示すように、複数の個々のPVセル100を一緒に接続し、それらを共通の硬質バックシート202とフロントガラス(図示せず)との間にカプセル化してPVセルモジュール200を形成するのが通例である。図2では、個々のPVセル100が直列に接続されており、接続の端部に2つの電極パッド210および212が設けられて、生成された電流および電圧を出力する。支持体202は、一般に、光がそれを通過できないように、硬質で不透明な材料でできている。モジュールをセル間で透明にする不透明でないバックシートを使用するモジュールが市場に流通しているが、これらのモジュールは前面がガラスであるため、依然として剛性である。
【0005】
2つ以上の太陽電池モジュール200を互いに(電気的および機械的に)接続する既知のPVシステム300(例えば、キャンプに使用される、南アフリカのVolkscamperの商標で販売されているBiard 100Wシステム)が存在し、図3に示すように、より多くの電力を生成する。図3は、ヒンジ310で互いに接続された2つの太陽電池モジュール200を有するシステム300を示している。各モジュールのフレーム/基板202は、堅固で、かさばり、剛性であることに留意されたい。さらに、いくつかの支持要素312が、セルを太陽に向けるためにフレーム202に取り付けられている。様々な電子部品314もまた、太陽電池モジュールに接続されていることが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、そのようなシステムは、かさばり、重く、折り畳むのが困難で、機械的収縮システムが適所にない。さらに、これらのシステムでは、太陽電池間を通過できる太陽光の量を制御することはできない。したがって、生成される電流および/または電圧の量だけでなく、PVシステムを通過する太陽光の量も制御することができる、優れた機械的特性を備えた新しいPVシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための動的に調整可能な太陽光発電(PV)システムが存在する。PVシステムは、電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセルを含む第1のPVフォールド、および、前記第1のセットのPVセルをカプセル化する第1の積層フィルムと、電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセルを含む第2のPVフォールド、および、第2のセットのPVセルをカプセル化する第2の積層フィルムと、第1の積層フィルムを第2の積層フィルムに接続する接続機構と、を備えている。接続機構は、チャンバを含む。
【0008】
別の実施形態によれば、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽光発電(PV)フォールド(折り畳み)があり、PVフォールドは、互いに電気的に接続された一セットのPVセルと、一セットのPVセルをカプセル化する積層フィルムであって、複数の開口を有する積層フィルムと、複数のカバー部品であって、各カバー部品が前記積層フィルムの対応する開口に嵌合するように構成されている、複数のカバー部品と、を備えている。複数のカバー部分は、積層フィルムの材質とは異なる材質で作られている。
【0009】
さらに別の実施形態によれば、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための動的に調整可能な太陽光発電(PV)システムがあり、PVシステムは、電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセルを含む第1のPVフォールド、および、第1のセットのPVセルをカプセル化する第1の積層フィルムと、電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセルを含む第2のPVフォールド、および、第2のセットのPVセルをカプセル化する第2の積層フィルムと、第1のセットのPVセルを第2のセットのPVセルに電気的に接続する接続機構と、を備えている。接続機構は、第1のPVフォールドが第2のPVフォールドの上に折り畳まれるように湾曲可能である。
【0010】
さらに別の実施形態によれば、太陽光発電(PV)システムの表面を動的に調整するための方法が存在する。この方法は、PVシステムを構造に取り付けるステップであって、電気エネルギーを生成するための第1のセットのPVセルを備えた第1のPVフォールドと、電気エネルギーを生成するための第2のセットのPVセルを備えた第2のPVフォールドと、を含むPVシステムを取り付けるステップと、構造に関連するパラメータを測定するステップと、パラメータに基づいてPVシステムの表面を調整するステップであって(1)PVシステムにより生成される電気エネルギー、(2)構造内における影、および、(3)構造内への空気浸透の少なくとも1つが調整される、PVシステムの表面を調整するステップと、を含んでなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、1つまたは複数の実施形態を示すと共に、これらの実施形態について説明する。
【0012】
図1】従来の太陽電池を示す。
図2】複数の太陽電池を含む太陽電池モジュールを示す。
図3】折り畳み式太陽光システムを示す。
図4】モジュール式PVシステムを示す。
図5】PVモジュールの内部構造を示す。
図6A】電気的相互接続機構を備えた、折り畳み可能で収縮可能なモジュール式PVシステムを示す。
図6B】電気的相互接続機構を備えた、折り畳み可能で収縮可能なモジュール式PVシステムを示す。
図6C】PVフォールドを接続する柔軟な接続機構を示す。
図6D】PVフォールドを接続する柔軟な接続機構を示す。
図6E】PVフォールドを接続する柔軟な接続機構を示す。
図6F】バイパスダイオードを含む柔軟な接続で互いに接続された複数のPVフォールドを示す。
図7】PVシステムを製作するための方法のフローチャートである。
図8】PVシステムを製作するための別の方法のフローチャートである。
図9A】製作プロセス中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図9B】製作プロセス中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図9C】製作プロセス中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図9D】製作プロセス中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図10】PVシステムの1つの可能な実装を示す上面図である。
図11】PVシステムの別の可能な実装を示す上面図である。
図12A】PVシステムと関連する作動および折り畳み機構とを示す断面図である。
図12B】PVシステムと関連する作動および折り畳み機構とを示す断面図である。
図13A】PVシステムに関連する折り畳み機構の詳細を示す。
図13B】PVシステムに関連する折り畳み機構の詳細を示す。
図13C】PVシステムに関連する折り畳み機構の詳細を示す。
図13D】PVシステムに関連する折り畳み機構の詳細を示す。
図14A】折り畳み機構に水平に取り付けられたPVシステムを示す。
図14B】折り畳み機構に水平に取り付けられたPVシステムを示す。
図15A】折り畳みおよび展開中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図15B】折り畳みおよび展開中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図15C】折り畳みおよび展開中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図15D】折り畳みおよび展開中の様々な段階でのPVシステムを示す。
図16】温室の屋根に配置されたPVシステムを示す。
図17】PVシステムの折り畳みを制御するための方法のフローチャートである。
図18A】異なる厚さを有する第1および第2の層を含む柔軟な接続機構を示す。
図18B】異なる厚さを有する第1および第2の層を含む柔軟な接続機構を示す。
図18C】異なる厚さを有する第1および第2の層を含む柔軟な接続機構を示す。
図19A-19C】2つのPVフォールドを、柔軟な接続機構を用いて互いに取り付けるためのステップを示す。
図20】2つのPVフォールドを接続し、空気および/または光が通過することを可能にする柔軟な接続機構を示す。
図21A-21C】1つまたは複数のエッジが別の材料で補強されているPVフォールドをそれぞれ示す。
図22A】別の材料で補強されたPVフォールドの断面を示す。
図22B】別の材料で補強されたPVフォールドの断面を示す。
図23A】PVフォールドをカプセル化し、空気および/または光が通過することを可能にするための穴を有する積層フィルムを示す。
図23B】PVフォールドをカプセル化し、空気および/または光が通過することを可能にするための穴を有する積層フィルムを示す。
図24】積層フィルムに複数の開口を有するPVフォールドを示す。
図25】積層フィルムを取り囲む別の材料を有するPVフォールドを示す。
図26A】PVフォールドを形成する複数のPVセルの可能な接続を示す。
図26B】PVフォールドを形成する複数のPVセルの可能な接続を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施形態の説明は、添付の図面を参照する。異なる図面の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を示す。以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。以下の実施形態は、簡単にするために、2つのPVフォールドを含むPVシステムに関して説明されている。しかしながら、本明細書で論じられる実施形態は、2つのPVフォールドに限定されない。
【0014】
本明細書全体での「一実施形態」または「実施形態」への言及は、一実施形態に関連して説明される特定の機構、構造または特徴が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」または「実施形態において」という句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の機構、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0015】
一実施形態によれば、接続機構420-1、420-2、および420-3(一般に本明細書では「420-i」という)を介して互いに接続された、折り畳み可能な(「コンサーティーナ(concertina)」形状の)太陽光発電フォールド410-1、410-2(一般に本明細書では「410-i」という)が存在する。図4は、簡略化のために、2つのPVフォールドおよび3つのヒンジのみを示しているが、実施形態は、任意の個数のPVフォールドおよび任意の個数の機械的/電気的接続機構に対して実施され得る。システム400はさらに、モーターを含み得る作動機構430(一般的に図示されているが、詳細については、以下の例において説明される)と、折り畳み機構440(一般的に単純なリンクとして図示されているが、詳細については、以下の実施形態で説明されるであろう)とを含む。作動機構430は、複数のPVフォールド410-iを折り畳むまたは展開するために折り畳み機構440に必要な力を提供する。さらに、PVシステム400はまた、PVフォールドの折り畳みおよび展開を制御するためのコントローラ450を含み得る。図4では、PVのフォールドがパネルの形状で示されているが、PVのフォールドは他の形状を使用し得ることに留意されたい。
【0016】
図4はさらに、それぞれのフォールド(折り畳み)410-iが複数のPVセル412-iを含み、PVセルが互いに電気的に接続されてストリングを形成していることを示している。したがって、フォールドには、カプセル化された一連のセルが含まれる。例えば、図4の実施形態のPVセルは、互いに直列に接続されている。しかしながら、PVセルを並列に接続することも、直列と並列の組み合わせで接続することもできる。PVセルおよびそれらの相互接続リンク414-iによって形成される電気回路は、2つのエンドパッド416A、416Bを有し、そこで、PVセルによって生成された電圧および電流が収集され得る。相互接続リンク414-iが単一の線として示されているが、それぞれの相互接続リンクは、1つまたは複数のワイヤを含み得ることに留意されたい。
【0017】
接続機構420-iに関して、1つの用途では、それは、能動的または受動的ヒンジとして実施され得る。別の用途では、ヒンジは、他の材料、例えば、テープで置き換えることができる。一実施形態では、接続機構420-1はアクティブ(能動的)であり、すなわち、相互接続リンク414-k、414-(k+1)が電気的に接続されてストリングからの電流が他方のストリングに流れるのに対し、接続機構420-2は受動的で、すなわち、その本体に電流を流すためにいかなる電気要素にも接続されていない。このような接続機構の構造については、後で詳しく説明される。
【0018】
PVセル412-iは、任意の既知の構造を有し得る。例えば、太陽電池412-iは、結晶、多結晶、またはアモルファスシリコン技術に基づいている場合があるが、正確なセル技術は、異なる場合があり、例えば、銅インジウムガリウムセレン化物(CIGS)セル、テルル化カドミウム(CdTe)セル、従来のトップセル、両面またはその他の新しいセル技術であってもよい。それぞれのストリング410-iのPVセルのストリングは、可変数の太陽電池で構成され得る。
【0019】
PVフォールド410-iの断面が図5に示され、PVフォールド410-iは、基板および/またはバリアを形成するプラスチックフィルムまたはガラスであり得る第1の層502と、第1の層502の上に形成されたカプセル化された第2の層504と、実際のPVセル412-iを含む第3の層506と、セル層506の上に形成された第4のカプセル層508と、ガラス、硬質プラスチック、柔軟なプラスチックフィルムまたは他の同様の材料で作成され得る第5の上部層510とを含んでいる。第2の層と第4のカプセル化層に使用される一般的な材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または同様の材料である。エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)で作られたプラスチックなど、カプセルのための他の材料も使用され得る。積層全体にわたってガラスではなくプラスチックを使用することで、特に層502、510の場合、個々のストリングを軽量に保つことができる。
【0020】
PVセルは、リボンやバスワイヤをはんだ付けまたは接着する、或いは、印刷可能な導電性インクを使用してセルを直接的に相互接続するなど、従来の折り畳みに使用される相互接続方法を使用して、ストリングに一緒に接続される。セルの形状、サイズ、および間隔(図4における、同じストリング上のセル間の距離dおよび異なるフォールドからのセル間の距離D)は、PVシステムの透明度を制御するようにカスタマイズされ得る。本願での「透明性」という用語は、太陽光やその他のタイプの人工照明を透過するPVフォールドの表面領域を表すために使用される。これは、図4に示す実施形態では、PVフォールド410-2の場合、領域A(PVセル412-iが占めていないフォールドの領域)が透明であるのに対し、PVセル412-iが占める領域、エンドパッド416B、および相互接続リンク414-iが占める領域は、光に対して透明ではない(セルが非常に薄いために透明になるか、他の半透明の太陽電池技術が使用されている場合を除く)ことを意味する。実際、PVセル、相互接続リンク、およびエンドパッドが占める領域は、PVフォールドの背後に影を生成する役割を果たす。距離d、D、およびPVフォールド410-iの折り畳み量を制御することにより、システム400に関連する透明領域および影領域を制御することができる。したがって、このようにして、太陽光発電システムが取り付けられているエンクロージャに入る光の量を制御することが可能である(または単に、太陽光発電システムの入射光とは反対側の光の量を制御する)。
【0021】
接続機構420-1は、1ユニットデバイスとして図6Aに示されている。接続機構420-1は、ロッド606または同様の機構で互いに取り付けられた2つの側面602、604を有する。各側面は、接着剤、ネジ、または同等の機構によって、対応するPVフォールドに取り付けられている。2つの側面は、電気を伝導する材料でできているので、2つの相互接続リンク414-k、414-(k+1)を2つの側面602、604にはんだ付けすることができる。図6Aは、折り畳み線610に沿って部分的に折り畳まれた2つのPVフォールド410-1、410-2を示している。
【0022】
図6Bに示される異なる実施形態では、接続機構420-2は、第1のフォールド410-1に取り付けられた第1の部品622と、第2のフォールド410-2に取り付けられた第2の部品624とを有する2ユニットデバイスである。第1の部品622(または第2の部品)は、オス部626を有し、第2の部品624(または第1の部品)は、メス部628を有する。オス部とメス部は互いに接続し、例えば、互いにスナップ嵌合したり、互いにクリックしたりする。ある用途では、オス部とメス部は柔軟な材料でできているため、曲げることができる。第1の部品622および第2の部品624は、対応するPVフォールドに接着、ねじ込み、または成形されるので、システム400が組み立てられるとき、第1の部品622は単に第2の部品624にスナップ嵌合する。第1の部品622および第2の部品624は、相互接続リンク414-k、414-(k+1)に電気的に接続され、それらは、相互接続リンク間の電気接続を確実にするために導電性材料で作成され得る。
【0023】
さらに別の実施形態では、図6Cに示されるように、相互接続リンク414-k、414-(k+1)は、図示されるように、それらのフォールド410-1、410-2を越えて延在するように構成される。次に、導電性タブであり得るこれらの相互接続リンクは、環境保護のために、積層フィルム642(例えば、エポキシ樹脂)で覆われ得るタブコネクタ640を含む柔軟な接続機構420-3を用いて互いに電気的および機械的に接続される。タブコネクタ640は、電気を通すために金属の薄板を含み、また、柔軟な接続機構420-3全体が柔軟で、容易に曲がり得る。1つの用途では、柔軟な接続機構420-3は、2つのPVフォールドの間の電気的接続のみを確実にし、PVフォールドを折り畳むための機械的接続が依然として必要である。しかしながら、別の用途では、柔軟な接続機構420-3の構造は、2つのPVフォールド間の機械的接続としても機能するのに十分に強力であり得る。
【0024】
図6Dに示されるように、1つの用途では、タブコネクタ640は、遠位で金属製の変形可能な延長部640A、640Bを有するように形成され得る。これらの変形可能な延長部は、対応する導電性タブ414-kを受容するように構成され、次に、クランプ機構を用いて、それぞれのフォールドについてタブコネクタ640と導電性タブ414-kとの間の機械的および電気的接続が達成され得る。
【0025】
この実施形態の1つの変形例では、図6Eに示されるように、バイパス接続機構420-4は、ダイオード644を含むタブコネクタ640を有し、その結果、電流が、例えば、フォールド410-1からフォールド410-2に一方向にのみ流れることができるが、その逆には流れない。このバイパスダイオード644は、1つまたは複数のPVセルに障害があり、フォールド全体をバイパスする必要がある場合に役立つ。
【0026】
例えば、図6Fに示されるように、1つまたは複数のPVフォールドは、接続機構420-3、420-4の組み合わせを用いて隣接するPVフォールドに接続される。この図のPVフォールド410-1は、柔軟な接続機構420-3で隣接するPVフォールド410-2に接続されているが、バイパス接続機構420-4でも接続されている。このように、PVセル412-iに障害が発生した場合(図では各PVセルがダイオードで表されており、各PVセルがダイオードとして機能する、すなわち、電流が一方向に流れるようになっていることに留意すべきである)、バイパス接続機構420-4により、PVフォールド410-2全体がバイパスされ、したがって、PVフォールド410-3によって生成された電流は、故障したPVフォールド410-2をバイパスして、バイパス接続機構420-4に存在するバイパスダイオード644によって、PVフォールド410-1に直接到達する。この構成は、図6Fに示されるように、2つの隣接するPVフォールドの間に3つの接続機構(2つの柔軟な接続機構420-3および1つのバイパス接続機構420-4)を有するように実装されていることに留意されたい。したがって、この配置では、いくつのPVセルが故障しても、それらがPVシステム400内のどこに配置されていても、他のPVフォールドによって生成された電流は依然としてシステムの出力にルーティングされている。さらに、この構成では、PVフォールド間の接続は曲げることができ、柔軟性があり、可動の機械部品を必要としないため、実装が安価であり、収縮プロセス中に機械的な故障が発生する可能性が減少する。
【0027】
それでも、図4に示されるPVシステム400に関して、全セル、半セル、および全セルの小さな部分が、それぞれのストリングに使用され得る。太陽電池業界では、特定のサイズの太陽電池を製造するのが通例であることに留意されたい。したがって、完全なPVセルとは、これらのセルの製造に通常使用されるサイズを意味する。この実施形態では、全セル、半セル、および全セルの小さな部分を使用することにより、幾何学的曲線因子(すなわち、フォールドの透明度および各フォールドによって生成される影)、したがって、組み立てられたシステムを制御することが可能である。太陽電池のサイズと組み合わせた電気的相互接続は、電圧と電流の出力(高電圧、小電流;高電流、小電圧、中間電流/電圧)を制御するように設計され得る。
【0028】
スクリーンの背後の影および/または空気の浸透を制御するために柔軟に開閉するダイナミック(動的)太陽光スクリーンシステムを得るために、各フォールド410-iの一部であるセル412-iのストリングは、セルを環境から保護し、フォールドの透明度を制御し、PVシステムを機械的に折り畳み、収縮できるようにするために、PVラミネート(積層)に作られる。次に、PVフォールド410-iを作成する方法について、図7を参照して説明する。1つのアプリケーションでは、セルのストリングは、透明な材料を使って、真空ラミネート、ロールラミネート、オートクレーブなどの製造技術のいずれかを使用して積層される。積層を光に対して透明にするために、カプセル化と前面および背面の保護のために選択された材料が透明である必要がある。したがって、ステップ700では、1つまたは複数の透明な材料が選択され、ステップ702では、複数のPVセルが互いに電気的に接続される。次に、ステップ704において、単一のPVフォールドに適合するように選択された電気的に接続されたPVセルが、図9Aに示されるように、上部および下部の透明材料の間を延び、PVフォールド410-iを形成する。システム400の各パネルは、このように形成され得る。次に、ステップ706で、1つまたは複数のヒンジ(図6Aおよび図6Bに示される)がパネルに追加され、ステップ708で、パネルが互いに取り付けられて、PVシステム400を形成する。したがって、このシステムはモジュール式である。ステップ710において、フォールド(折り畳み)は、作動機構430および折り畳み機構440を取り付けることによって収縮可能にされる。作動機構430および折り畳み機構440に関する詳細は、後で議論される。
【0029】
既存の折り畳み式太陽光システム、例えば、図3に関して上述したものとは対照的に、PVシステム400はモジュール式であり、フォールドは動的に調整可能である。「動的に調整可能」という用語は、本明細書では、システムまたはモジュールのフォールドが、折り畳みに垂直な軸の方向に、フォールドに沿って開閉され得ることを意味するために使用される。既存の折り畳み式太陽光システムは、動的に調整可能には設計されておらず、PVシステムに関連した領域上における透明度および影を制御することができず、モジュール式ではない。この点に関して、本願における「動的に調整可能な」という用語は、システムが手動または自動のいずれかで制御された方法で開閉され得ることを意味する。フォールドは機械的支持システムに取り付けられ、システムが開閉するときにフォールド間の接合部に沿って折り畳まれる。
【0030】
この文脈における「モジュール式」という用語は、これらのフォールド(折り畳み)が実質的に任意のシステム長に組み合わされ得ることを意味する。フォールド自体は、様々な幅および長さと、幾何学的な充填因子(太陽電池の密度)を有することができ、最終的なPVシステムの自由な形状を可能にする。
【0031】
図4に示される実施形態では、PVシステム400のフォールド(折り畳み)は、接続機構420-iを使用して機械的および電気的に相互接続され、第1のフォールドから開始して反対方向にフォールドが交互に折り畳まれる。このモジュール式システムでは、ヒンジにより、隣接する2つのフォールドが開閉し、ヒンジが反対方向に交互に開閉するため、システム全体がコンサーティーナ(concertina)のように折り畳まれる。折り畳み式システムの展開長さは、必要な数のフォールドを接続することで簡単に変えることができるのに対し、折り畳まれたシステムによってカバーされる総面積は最小のままで、すなわち、おおよそ、フォールドの幅×フォールドの個数(薄板(lamellae)の数を2で割った数)×PVフォールドの長さである。これらのシステムは、機械式ガイド(レール)を使用して水平または垂直に取り付けおよび収縮され、第1のフォールドを所定の位置に保持し、最後のフォールドの位置を制御する任意の方法を使用して開閉が自動化され得る。このような方法には、後で説明するように、リニアモーター、または牽引コード等を使用する機械式システムの使用が含まれ得る。
【0032】
電気機械的相互接続420-iは、収縮式太陽光フォールドの完全な部分である。それらは、フォールド(薄板)を機械的に支え、電気的に相互接続する。相互接続は、接着剤、テープ、ボルト/ナット、ピン、またはその他のロック機構を使用して、フォールドの先端に固定される。相互接続は、2つの終端(図6Aに示される「フォールドヒンジ」)を備えた1つのユニットで構成され、一方の終端が機械的に1つのフォールドに接続し、もう一方の終端が、隣接するフォールドを形成する次のフォールドに接続している。或いは、相互接続の一方の部分が一方のフォールドに取り付けられ、もう一方の部分がもう一方のフォールドに取り付けられている、単純なクイック接続を備えた2つの一致する部品(図6Bに示されている)で構成される。次に、相互接続の原理(例えば、クリップ、クランプ、磁石など)により、1つのフォールドを隣接するフォールドに接続して、折り畳み/湾曲エッジを形成し得る。どちらの場合も、0~180度の折り畳みの自由度が確保され、収縮モード中に必要な機械的安定性が提供される。相互接続は導電性金属からなり、1つのフォールドのセルと隣接するフォールドのセルとの間の電気的接続を可能にして太陽光発電システムを形成する。この場合、例えば、あるフォールドのセルから現れる太陽光リボン、導電性ワイヤ、または導電性インクは、最初に導電性相互接続の一部に電気的に接続され、相互接続の反対側では、また、太陽光リボン、導電性ワイヤ、または導電性インクを介して、隣接するフォールドに電気的に接続され得る。相互接続の原理により、フォールド間の電気的接続が可能になる。或いは、相互接続は、明確に定義された導電性トラックを備えた絶縁体(例えば、絶縁プラスチック)からなり得る。同様に、フォールドのセルは、導電性リボン、ワイヤ、インク、または同様のものを使用して導電性トラックに接続される。その後、導電性トラックは、例えば、絶縁接着剤を使用して電気的に絶縁されるであろう。
【0033】
別の実施形態では、PVフォールド410-iは、図8に関してここで論じられるように、互いに電気的に接続され、支持フィルム(例えば、プラスチック透明材料)上で接合される。第2の材料を使用してフォールドの反対側にフィルムを作成し、ロールラミネーションなどの製造技術を使用して、完全に機能する太陽光発電システムを形成する。個々のフォールドはすでに環境から保護されているため、二次相互接続ラミネーション(積層)に使用される材料には、太陽光発電性フォールドに対する厳しい要件はなく、はるかに安価であることが期待される。次に、相互接続するプラスチックフィルムを成形または切断して、ラミネート間の柔軟性を高め、コンサーティーナタイプの形状を作成するか、圧延することもできる。
【0034】
より具体的には、ステップ800において、複数のPVセル412-iが提供され、ステップ802において、PVセルは、単一の折り畳みに必要なセルのチェーンを形成するために互いに電気的に接続される。次に、ステップ804において、複数のセルは、図9Aに示されるように、支持材料901と上部材料902との間にカプセル化される。例えば、ローリング方法を使用してPVフォールドをカプセル化する場合、2つのロール910、912を使用して、支持材料901および上部材料902を互いに押し付けることができる。ローラーの一方の内側に配置されているが、ローラーの外側または両方のローラーの内側に配置されてもよいヒーター914を使用して、2つのローラーでプレスされた後に、2つの材料901、902が部分的に溶融される。真空積層などの他の方法を使用して、PVセルをカプセル化してPVシステム900を形成することができる。最終的なPVシステム900の例が図9Bに示され、隣接するフォールド(または薄板)910-iの間にヒンジがないことを示す(簡略化のために、4つのフォールド910-1、910-2、910-3、910-4のみを示している)。PVシステム900の相互接続された太陽電池は、1つのモジュールを形成し、その長さは、フォールドの数によって調整され得る。900で示されている相互接続は、太陽電池を相互接続するための1つの可能な方法(ここでは直列)にすぎない。
【0035】
図8の方法に戻ると、ステップ806において、折り畳み線918-i(図9Bを参照)が、隣接するフォールドまたは薄板910-iの間で選択され、ステップ808において、カット(または溝)922-iが、 図9Cに示されるように、支持材料901および上部材料902上の1つおきの折り畳み線に作成される。溝922-iは、動的に調整可能なスクリーンシステムが作動されるときに、ステップ810でパネルが折り畳まれるのを助ける。PVシステム900の部分的に折り畳まれたパネル910-iが図9Dに示され、溝922-iが、折り畳み線を規定し、折り畳まれたシステムの外側を指している。すべてのフォールドに沿って両側に溝、窪み、へこみなどを備えた折り畳み式PVシステムも可能である。
【0036】
ヒンジを有さないPVシステム900の場合、接続機構は、実際には、上部フィルム901および支持フィルム902と、隣接するフォールドの間に形成された溝であることに留意されたい。したがって、支持フィルムおよび上部フィルムは、PVセルが基板を有し、環境から保護されることを保証するだけでなく、セル間の必要な機械的接続、および結果として生じるモジュールを折り畳みおよび展開する能力ももたらす。支持フィルムと上部フィルムは透明な素材でできており、PVセルが占有されていない領域では、入射太陽光がそれらを通過してパネルの反対側に出てくる。このように、それぞれのフォールドがパネルの後ろに部分的な照明をもたらす役割があり、PVシステムはフォールドの折り畳みの量によってこの照明の量を制御することができる。これらの機能は、既存のPVシステムには存在しない。
【0037】
PVシステム400、900は両方とも本質的にモジュール式であり、可変サイズの太陽光発電システムに移動柔軟性および美的自由を可能にする。個々のフォールドの透明度に加えて、フォールドの下の陰影は、ここで説明するように広い領域で制御され得る。これは、温室用途に特に関係する。この目的のために、収縮式の折り畳みを組み合わせて、互いに平行に、互いに反対に、異なる方向に、異なる高さに設置して、大面積の動的に調整可能なスクリーン太陽光発電システムを形成することができる。折り畳み式フォールドシステムは、自然光の条件と特定の照明要件に応じて開閉するようにプログラムされ得る。
【0038】
より具体的には、図4または図9Bに示されるように、互いに接続された複数のPVフォールドを使用する動的に調整可能なスクリーンPVシステム1000が、図10に示されるように、一対のレール1012、1014を含む収縮式機構1010に取り付けられる。より多くのレールを使用できる。折り畳み機構440の一部である牽引バー1020は、PVシステム400の1つのフォールド410-8に固定的に取り付けられている。簡略化するために、PVシステム400は、この実施形態では8つのフォールドまたは薄板のみを有する。しかしながら、任意の数の相互接続されたセル/フォールドが、PVシステム400に使用され得る。牽引バー1020は、折り畳み機構440の一部でもあるケーブル1042、1052に接続されている。ケーブル1042、1052は、回転軸1060と対応するプーリー1043、1053との間で、PVシステム400の下で延在する連続ケーブルである。回転軸1060は、軸1060を方向1064(PVシステム400を開くための方向)または方向1066(PVシステム400を収縮するための方向)のいずれかに回転させるように構成されたモーター1062に接続されている。回転軸1060、モーター1062、およびプーリーは、作動機構430の一部である。コントローラ450は、軸1060の回転方向を制御するためにモーター1062に接続されている。ケーブル1042用の追加のプーリー1044、1045は、このケーブルがいずれかの方向に移動し、牽引バー1020が、方向1021に沿って移動してPVシステム400を折り畳むか、方向1022に沿って移動してPVシステム400を収縮できることを保証する。同様に、追加のプーリー1054、1055は、ケーブル1052がモーター1062によって指示されるようにいずれかの方向に移動できることを保証する。
【0039】
図10のPVシステム400に戻ると、パネル410-1のみが、レール1012、1014にも固定的に取り付けられているバー1013に固定的に取り付けられていることに留意されたい。PVシステム400の他のすべてのフォールドは、レール1012、1014に対して移動(回転)することができる。車輪430-iまたは同様の装置は、システムの折り畳みおよび展開をさらに容易にするために、PVシステム400の1つおきの折り畳み線に沿って取り付けられ得る。車輪430-iは、レール1012、1014に沿って走るように構成される。1つの用途では、車輪は、レール内に延在し、レールに沿ってスライドするように構成される対応するタブに置き換えられる。
【0040】
PVシステムのフォールドが完全に開かれたときまたは広げられたときにそれらの重量の下でたるむのを防ぐために、その端部に固定された少なくとも1つのケーブル1072を含む支持システム1070を追加することが可能である。ケーブル1072は、各パネル410-iに形成された穴470-iを通って延在し、その結果、それぞれのパネルは、このケーブルによって支持される。図10は、1本のケーブル1072および対応する一組の穴470-iのみを示しているが、いくつかの用途では、複数のケーブルが使用され得ることが想定される。ケーブルの数は、太陽光発電システム400の幅Wと、その長さLによって決まる。任意の幅Wと長さLとを使用できる。図10に示されるようなPVシステム400は、垂直、水平、または傾斜面に設置され得ることに留意されたい。これらの表面は、家、工業ビル、ホテルのような商業ビル、温室、駐車場などの一部であり得る。作動機構430は、コントローラ450によって制御される。
【0041】
一実施形態では、1つまたは複数のセンサ452が、有線または無線の方法で、コントローラ450に接続されている。センサ452は、温度、光、湿度、または他のタイプのセンサであり得る。例えば、システム1000が温室の屋根の下に配置されている場合、センサ452は光センサであり得る。コントローラが特定の閾値未満の太陽放射を測定する場合、コントローラは、より多くの太陽光が温室に入り、植物を照射できるように、PVシステム400を収縮する(折り畳む)ように作動機構に指示する。コントローラは、センサ452によって測定された太陽放射が特定の閾値を超えていることを検出すると、温室内の植物の日陰を生成するためにPVシステムに開く(展開する)ように指示して、温室に入る太陽光エネルギーを制限する。さらに、エアコンシステム460が存在し、温室に接続されている場合、コントローラが、PVシステム400によって生成されたエネルギーでエアコンに電力を供給し、温室内の温度をさらに制御するようにプログラムされ得る。ここでの例では温室を使用しましたが、上記のシステムはあらゆるタイプの建物または囲いに使用できる。本明細書に記載のPVシステム400は、太陽光エネルギーから電気エネルギーを生成するためだけでなく、PVシステム400が配置されているエンクロージャに入る太陽光エネルギーの量を制御するため、すなわち太陽光発電システム400の透明度と、エンクロージャ内のシステムによって作られた影とを制御するためにも使用されることに留意されたい。これは、温室などでの植物の成長を最適化するため、または日陰を制御するために使用され得る。
【0042】
作動機構430はまた、図11に示されるように、2つのベルト1110、1112を作動させるモーター1062として実装され得る。収縮式システム1100は、動的に調整可能なスクリーンPVシステム400または900を含み、これは、第1のフォールドが固定されたロッド1113に取り付けられ、そして可動ロッド1120に端部が折り畳まれている。モーター1062は、ロッド1120を前後に動かすことによって、動的に調整可能なスクリーンPVシステム400を開閉することができるように、移動ロッド1120が、ベルト1110、1112に取り付けられている。コントローラ450およびセンサ452は、図10の実施形態のように、モーター1062に接続され得る。図10の実施形態と同様に、折り畳みをベルト1110、1112に取り付けるための車輪またはパッドまたは同様の装置を有することが可能で、その結果、それらは折り畳まれ、そして展開され得る。さらに、図10の(ケーブル1072を備えた)支持システム1070もまた、フォールド410-iを支持するために収縮式システム1100に追加され得る。
【0043】
図12Aは、動的に調整可能なPVシステム400、支持システム1070、および牽引バー1020のみが示されている収縮式システム1000の断面図を示している。支持ケーブル1072は、それぞれのフォールド410-iに形成された穴470-iを通過し、その端部1072A、1072Bは、作動機構430、折り畳み機構440、または任意の他の固定要素のいずれかに固定的に取り付けられる。一実施形態では、プーリー1020がケーブル1072に固定的に取り付けられ、固定端部1072A、1072Bが、図12Bに示されるように、実際、プーリー1044、1045のうちの1つがモーター1062に接続されている場合、折り畳み機構440の代わりに、支持システム1070を使用して、PVシステム400を折り畳みおよび展開することが可能である。
【0044】
図13A図13Dは、折り畳み機構440の一実施形態を示している。図13Aは、複数のPVセル412-iを有する1つのフォールド410-iを示している。フォールド410-iの両側には、ブラケット472-iが取り付けられており、ブラケット472-iは、図10に示す車輪430-iに接続されている。図13Aはまた、レール1014と、それが車輪430-iをどのように囲むかを示している。図13Bは、ブラケット472-iがフォールド410-iに中央で接続されていることを示し、図13Cは、ブラケットがフォールドの側面に接続されていることを示している。図13Dは、部分的に折り畳まれているPVシステム400を示し、また、レール1014に取り付けられている車輪またはブーツ430-iを示している。
【0045】
折り畳み機構440はまた、図14Aおよび図14Bに示されるように実施され得る。この実施形態の折り畳み機構440は、PVシステム400に取り付けられる構造に沿って延在する支持ケーブル1072を含む。複数の接続リング1410-i(または、例えば、フック等の他の形状)は、支持ケーブル1072に沿って配置され、対応する吊り下げケーブル1412-iにリンクされている。それぞれの吊り下げケーブル1412-iは、対応するコネクタ1414-iにリンクされている。それぞれのコネクタ1414-iは、一対のフォールド410-i、410-(i-1)に取り付けられている。フォールドの各対には、2つの隣接するフォールドが含まれる。フォールドの対は、支持ケーブル1072に沿ったリング1410-iの位置に応じて、折り畳みまたは展開することができる。図14Aは、PVシステム400の一部400Aが折り畳まれているのに対し、PVシステムの別の部分400Bがほとんど折り畳まれていないことを示している。第1のフォールド410-1の端部は固定バー1013に取り付けられ、最後のフォールド410-18の端部は牽引バー1020に取り付けられている。牽引バー1020は、コネクタ1021を介して、モーター1062によって作動される移動ケーブル1052に取り付けられている。モーター1062の回転方向に応じて、牽引バー1020は、方向1021に沿って移動して、PVを展開(開放)することができる。システム400または方向1022に沿って、PVシステム400を折り畳む(閉じるまたは収縮する)。
【0046】
図14Bは、PVシステム400が部分的に開いている、収縮システム1400の鳥瞰図を示している。この実施形態では、PVシステム400全体を支持する2つの支持ケーブル1072-1、1072-2があり、牽引バー1020が、移動ケーブル1052に沿って移動する。図14Bはまた、コントローラ450および対応するセンサ452を示している。図14Aおよび図14Bは、水平位置に配置されているPVシステム400を示しているが、PVシステム400は、リング1410-iに、窓の縦型ブラインドのような垂直構成に取り付けられることも可能である。
【0047】
どの作動および折り畳み機構が選択されるかに関係なく、PVシステム400(または900)は、図15Aの収縮状態に示されるように、完全な透明性(影なし)および電気エネルギーの非生成をもたらすように制御され、図15Bおよび図15Cに示されるように、部分的な電気エネルギーの生成を伴う部分的な透明性および部分的な影をもたらすように制御され、さらに、図15Dの開いた状態に示されるように、最大の影および最大の電気エネルギー生成をもたらすように制御され得る。コントローラ450(これらの図には示されていない)は、議論したように、PVシステム400を制御して、2つの状態、すなわち、開状態(または展開)と収縮状態(または折り畳み)との間で任意の所望の透明性および電気エネルギー生成を達成することができる。PVシステム400の長さは、フォールド410-iの追加または除去によって変更(延長または短縮)され得ることに留意されたい。したがって、PVシステム400の長さは、任意の構造に合わせてカスタマイズすることができる。
【0048】
図16は、構造物(温室)1602の屋根に配置されたPVシステム400を示しており、PVシステムは、部分的に折り畳まれ、部分的に広げられている。この実施形態では、作動機構430および折り畳み機構440が、屋根の上部に配置されて示されている。しかしながら、作動機構および折り畳み機構は、屋根の底部または他の任意の場所に配置され得る。図16はまた、構造1602の内部に配置されているコントローラ450およびセンサ452を示している。1つまたは複数のPVシステム400が構造1602に追加され得る。温室内の温度をさらに調整するために、従来のACユニット1620を設けることもできる。ACユニット1620は、PVシステム400によって生成された電気エネルギーによって電力が供給され得る。
【0049】
次に、PVシステム400の透明性および/または影を制御するための方法が、図17に関連して説明される。ステップ1700において、PVシステム400(または900)が、構造1602上に設けられ。PVシステム400は、閉状態または収縮状態のいずれかであり得る。前述したように、構造1602は任意の構造であっても良い。ステップ1702において、1つまたは複数のセンサ452は、構造、例えば、温度、光レベル、影、電力生成、風などに関連する情報を測定する。センサが光センサである場合、光センサは、構造内の植物1630を照らす光1624を測定する。測定データは、ステップ1704でデータのロガー/コントローラ450に電子的に収集され、モバイルデバイス1610にインストールされたアプリケーションを介して監視または設定され得る。アプリケーションは、データロガー450からデータを読み取ることができる。
【0050】
ステップ1706において、コントローラ450は、測定されたデータが所与の閾値を超えているかどうかを推定する。パラメータが所与の閾値を超えることを推定が示す場合、コントローラは、ステップ1708で、作動および折り畳み機構430、440を起動させ、PVシステム400の状態を、開状態または収縮状態の1つから別の状態に変更する。パラメータが所与の閾値を下回る場合、方法はステップ1702に戻る。PVシステム400の状態がステップ1708で変更された後、方法は、パラメータをさらに監視するためにステップ1702に戻る。測定されたパラメータが所与の閾値を超える値を有する場合、PVシステム400の状態は、開状態から収縮状態に、またはその逆に完全に変化する必要はないことに留意されたい。コントローラ450は、2つの完全に開いた状態と完全に収縮された状態との間で、PVシステム400の状態を徐々に変化させるように構成され得る。このようにして、PVシステム400は、エンクロージャに入り、植物を照らす光1626を制御することができる。言い換えれば、PVシステム400は、エンクロージャへの入射光1626と、エンクロージャに入る有効光1624との比率を制御する。
【0051】
PVシステム400をさらに良好に収縮および広げるために、およびオプションで、PVシステム400が設けられるエンクロージャに入る光および/または空気をさらに良好に制御するために、新しい接続機構について、図18Aおよび図18Bに示されている別の実施形態に基づいて議論される。図18Aは、二重層接続機構420-5で互いに接続された複数のPVフォールド410-1~410-4を示している。二重層接続機構420-5は、第1の厚い層1810および第2の薄い層1812を含み、それぞれが2つの隣接するPVフォールド、例えば、PVフォールド410-1および410-2に取り付けられている。2つの層1810および1812は、同じまたは異なる材料でできていてもよい。この実施形態では、厚い層1810は、薄い層1812よりも厚い。一実施形態では、厚い層の厚さは、薄い層の厚さよりも1.1倍から10倍の間である。さらに、この実施形態では、厚い層1810は、薄い層1812がそれらの間に挟まれ、厚い層1810が外側を向くように、2つのPVフォールド410-1および410-2を強制的に折り畳む。言い換えると、2つの層の間の厚さの違いによって、PVフォールドの優先的な折り畳み順序が決まり、これにより、PVフォールドを常にこのように収縮させる。これはまた、薄い層1812の薄い理由であり、すなわち、PVフォールドが折り畳まれているときに容易に曲げることができるようにするためである。
【0052】
一実施形態では、2つの層1810および1812は、布でできている。しかしながら、例えば、プラスチック、ポリマー、または他の任意の湾曲可能な材料などの他の材料が使用され得る。2つの層1810は、二重層接続機構を通過する光の量を選択的に制御するために、透明な材料、例えば、プラスチック、または不透明な材料で作成され得る。1つの用途では、2つの層1810および1812は、それぞれのPVフォールドに縫合1814で取り付けられている。これらの層をPVフォールドに取り付けるために、他の方法、例えば、熱プレス、接着などが使用され得る。
【0053】
より具体的には、図18Bに示されるように、2つの層1810および1812は、PVセル412-1~412-4が積層されている積層フィルム1801に縫合され得る。図18Aは4つのPVフォールドの断面図であり、図18Bは2つのPVフォールドのみの上面図であることに留意されたい。多かれ少なかれPVフォールドは互いに接続され得る。また、2つの層1810および1812は、空気で満たされたチャンバ1816を形成することに留意されたい。図18Cは、展開状態のチャンバ1816および2つの層を示している。この図は、二重層接続機構420-5で接続された2つのPVフォールド410-1および410-2のみを示しています。この図はまた、PVフォールド410-1のPVセル412-1とPVフォールド410-2のPVセル412-2との間の電気接続414-1を示している。前述した実施形態のいずれかと同様に実施され得る電気接続414-1は、チャンバ1816を通過していることに留意されたい。1つの用途では、電気接続414-1は、図6Eのバイパスダイオード644の有無にかかわらず、図6Cに示された金属製の柔軟なタブコネクタ640として実装される。
【0054】
図18A図18Cに示された2つの層1810および1812は、図19A図19Cに関連して議論されるように、PVフォールドに追加され得る。第1に、図19Aに示されるように、電気接続414-1は、第1のPVフォールド410-1のPVセル422-1と第2のPVフォールド410-2のPVセル422-2との間に確立される。1つの用途では、電気接続は、バイパスダイオード644の有無にかかわらず、接続パッド640として実装され得る。次に、図19Bに示されるように、厚い層1810は、2つの隣接するPVフォールド410-1および410-2のエッジ上に配置され、厚い層が、縫合1814を用いて2つのPVフォールドのそれぞれに縫い付けられている。この用途では、厚い層1810は、積層フィルム1801に直接取り付けられる。
【0055】
一実施形態では、光および/または空気を通過させるために、1つまたは複数の穴1910が厚い層1810に形成される。次に、図19Cに示されるように、薄い層1812が、PVフォールド410-1、410-2の反対側に追加され、PVフォールドに、例えば、積層フィルム1801に直接縫合される。図19Bおよび図19Cには、PVセル412-1、412-2がカプセル化されている積層材料1801に、厚い層1810および薄い層1812が直接縫合されていることが示されている。薄い層1812は、対応する穴1912を有することができ、これらはまた、光および/または空気が通過することを可能にするように構成される。図20は、第1の層1810および第2の層1812に開けられた穴1910、1912、並びに、2つのPVフォールドの間で、電気接続414-1が貫通するチャンバ1816を示している。一実施形態では、穴1910、1912は完全に位置合わせされている。別の実施形態では、PVフォールドが展開されるとき、穴1910、1912は互いに部分的に重なり合う。さらに別の実施形態では、図19Cに示されるように、穴1910、1912は互いに重なり合わない。第1の層1810および第2の層1812の幅Wは、最適な折り畳みのために調整され得る。
【0056】
一実施形態では、最初に図19Bで、次に図19Cで行われる縫合は、単一のステップで組み合わされて、両方の層1810、1812が、PVフォールド410-1、410-2の積層フィルムに同時に縫合するようにされ得る。言い換えれば、第1の層1810および第2の層1812のそれぞれに対して個別の縫合を有すること、或いは、両方の層に対して単一のセットの縫合をすることが可能である。前述したように、第1の層1810および第2の層1812に使用される材料は、折り畳むことができる任意の材料であり得る。
【0057】
PVフォールドのエッジは、上記の接続機構に取り付けられる前に、より剛性の高い材料(例えば、硬質プラスチック、熱可塑性プラスチック、金属シートなど)で補強され得る。例えば、図21Aに示されるように、PVフォールド410-1の各エッジが、剛性材料2110で補強され得る。図21Aは、実際、PVフォールド410-1の積層フィルム1801が剛性材料で補強されていることを示している。一実施形態では、図21Bに示されるように、PVフォールドの短いエッジのみが剛性材料2110で補強されている。さらに別の実施形態では、図21Cに示されるように、PVフォールドの長いエッジのみが剛性材料2110で補強されている。これらの実施形態では、PVパネルの1つまたは複数のエッジが剛性材料で補強された後でのみ、PVパネルは、図19A図19Cに関連して説明した方法に基づく接続機構で互いに取り付けられていることに留意されたい。言い換えれば、いくつかの実施形態では、第1の層1810および第2の層1812は、積層フィルム1801の代わりに、強化された材料に直接取り付けられ得る。補強材料2110は、図22Aに示されるように積層フィルム1801の上に追加され、或いは、図22Bに示されるように、PVセルと積層フィルム1801との間の積層フィルム1801の後ろに追加され得る。図22Bに示される実施形態では、オプションの充填材料2210をPVセルの間に配置して、それらの間のギャップを埋めることができる。
【0058】
さらに別の実施形態では、図23Aおよび図23Bに示されるように、積層フィルム1810自体が、空気および/または光の管理のための穴を有し得る。図23Aは、第1の積層フィルム2302上に配置されているPVフォールド410-1のPVセル422-1を示す。第1の積層フィルム2302は、複数の穴2310を有する。次に、図23Bに示されるように、それ自体の穴2312を有する第2の積層フィルム2304が、PVセル422-1の上部に追加され、さらに、2つの積層フィルム2302、2304は、一緒に圧縮されると、最終的な積層フィルム1801を形成する。2つの積層フィルムからの穴2310、2312は、空気および/または光が最終積層フィルム1801を通って移動できるように、互いに重なり合うように選択的に作成される。
【0059】
積層フィルム1801は、PVシステム400の空気および/または光の管理において、柔軟性を可能にするようにさらに構成され得る。例えば、図24に示されるように、ラミネート層1801に形成された、1つ以上のカットオフ(切り欠き)2410(任意の形態または形状を有し得る、開口とも呼ばれる)と、矢印2413によって示されるように、対応するカットオフ2410に嵌合する、対応するカバー部品2412とを有することが可能である。積層フィルム1801は光に対して透明であり、空気を通過させないので、カバー部品2412の材料は、状況に応じて、PVフォールドを通過する空気および/または光の量を制御できるように、光に対して不透明であり、空気が通過することを可能にするように選択され得る(すなわち、通気性材料)。1つの用途では、カバー部品2412は、光に対して透明で通気性があるか、或いは、不透明で通気性がない可能性がある。
【0060】
1つの用途では、カバー部品2412は、例えば、任意の既知の固定プロセス(例えば、縫合、接着、溶接など)を使用することによって、製造プロセス中に積層フィルム1801に固定的に取り付けられる。しかしながら、一実施形態では、より多くの光および/または空気の管理の柔軟性をもたらすために、カバー部品2412は、積層フィルム1801上に形成された、対応するドット2416と係合および嵌合するように構成されたタブ2414を有するように形成され(すなわち、嵌合ファスナーを形成する)、使用時においてカバー部品2412が必要に応じて交換または変更され得る。言い換えれば、温室の屋根などにPVのフォールドを配置した後、季節や時間帯によっては、既存のカバー部品の一部または全部を取り外して、同じ形状ながら空気および/または光の特性が異なる、他のカバー部品に交換され得る。例えば、夏の間、温室が配置されている場所で光が非常に強く、PVのフォールドを通過できる光が少ないことが好ましいと仮定する。この場合、カバー部品2412は、不透明で通気性があるように選択され得る。しかしながら、冬季では、内部の植物を育てるにはより多くの光が必要ながら、冷気は望ましくない。次に、PVフォールドの操作者は、既存のカバー部品2412を、透明で通気性のないものに交換することができる。ある用途では、同じPVフォールドに異なるタイプのカバー部品が含まれ得る。さらに別の用途では、それぞれのPVフォールドは同じタイプのカバー部品を有するが、PVシステム400の異なるPVフォールドは異なるタイプのカバー部品を有する。当業者は、PVシステムが展開される構造内の光および空気の必要性に応じて、カバー部品およびPVフォールドの任意の可能な組み合わせが使用され得ることを理解するであろう。タブ2414およびドット2416は、実際には、嵌合ファスナーを形成するだけでなく、カバー部品が積層フィルムに取り外し可能に取り付けられることを保証する任意のオス/メス機構を形成し得る。一実施形態では、これらの要素は、積層フィルムにカバー部分上に取り付けられたバンドで置き換えられ得る。他の任意の取り付け機構が使用され得る。
【0061】
さらに別の実施形態では、図25に示されるように、積層フィルム1801は、PVセル422-1のそれぞれの周りに輪郭形成/成形され、次いで、単一のカバー部分2512が、それぞれのPVフォールド410-1を通過する光および/または空気を制御するために、積層フィルム1801全体の周りに配置される。カバー部品2512は、必要な用途に応じて、カバー部品2412と同じ材料で作成され得る。単一のカバー部分2512は、例えば、図24に関して論じられるように、オス-メス機構を用いて、積層フィルム1801に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0062】
それぞれのPVフォールド401-iの複数のPVセル412-iは、様々な方法で互いに接続され得る。図26Aは、PVフォールド410-1のすべてのPVセル422-1が2つのセット2602、2604に分割され、それぞれのセットのPVセルが互いに直列に接続されている第1の実装を示す。それぞれのセット2602、2604の端部は、対応するダイオード2610に接続されて、高電圧アプリケーションのために、直列接続されたPVセルを形成する。この構成は、太陽放射照度の値が大きい場合に適している。
【0063】
図26Bに示された実施形態は、所与のPVフォールド410-1のすべてのPVセル422-1を並列に接続し、ダイオード2610をダイオードの各セット2606の端部に追加する。これらの並列接続されたセルは、低太陽放射照度の電流用途に適している。図26Aおよび図26Bに示されたPVセルの電気的接続は、PVフォールド間の接続機構の選択、各PVフォールドに使用される材料/材料タイプ、強化されたエッジ、またはラミネート材料に作られた穴に関係なく、上記の実施形態のいずれかに対して実施され得る。
【0064】
さらに、図18Aから図26Bに関して論じられた実施形態のいずれも、図1図17に関して論じられたPVシステムのいずれかにおいて実施することができ、つまり、本開示における任意の実施形態を他の任意の実施形態と組み合わせ、或いは、複数の実施形態を組み合わせて、PVフォールドシステム400を得ることができる。
【0065】
開示された実施形態は、完全に収縮された状態と完全に開いた状態との間で調整されて、PVセルによって生成される電気エネルギーの量を制御するだけでなく、PVシステムを通過する太陽光および/またはPVシステムによって生成される影の量も制御できるように、収縮可能で、モジュール式の動的に調整可能なスクリーンPVシステムを提供する。電気および光/影は、周辺機器やプロセスに電力を供給したり、制御したり、単に影を作ったりするために使用され得る。この説明は、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。それどころか、例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲に含まれる代替案、変形および同等物を保護することを意図している。さらに、例示的な実施形態の詳細な説明では、特許請求される発明の包括的な理解をもたらすために、数的な特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者は、様々な実施形態がそのような特定の詳細なしで実施され得ることを理解するであろう。
【0066】
本実施形態の特徴および要素は、特定の組み合わせで実施形態に記載されているが、それぞれの特徴または要素は、実施形態における他の特徴および要素なしで単独で使用され、或いは、開示された他の特徴および要素の有無にかかわらず様々な組み合わせで使用され得る。
【0067】
この明細書による説明は、開示された主題の例を使用して、任意のデバイスまたはシステムを作成および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含み、当業者が同じことを実践できるようにしている。主題の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に生じる他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0068】
400 太陽光発電システム
410-i 太陽光発電フォールド
412-i PVセル
414-i 相互接続リンク
416A、416B エンドパッド
420-i 接続機構
430 作動機構
430-i 車輪
440 折り畳み機構
452 センサ
460 エアコンシステム
470-i 穴
472-i ブラケット
450 コントローラ
502 第1の層
504 第2の層
506 第3の層
508 第4の層
510 第5の層
602、604 側面
606 ロッド
622 第1の部品
624 第2の部品
628 メス部
640 タブコネクタ
640A、640B 延長部
642 積層フィルム
644 ダイオード
901 支持材料
902 上部材料
910、912 ロール
914 ヒーター
900 PVシステム
910-i フォールド
918-i 折り畳み線
922-i 溝
1000 スクリーンPVシステム
1012、1014 レール
1010 収縮式機構
1020 牽引バー
1021 コネクタ
1042、1052 ケーブル
1043、1053 プーリー
1060 回転軸
1062 モーター
1064、1066 方向
1070 支持システム
1072 ケーブル
1100 収縮式システム
1110、1112 ベルト
1113、1120 ロッド
1062 モーター
1070 支持システム
1410-i リング
1412-i 吊り下げケーブル
1414-i コネクタ
1602 温室
1610 モバイルデバイス
1620 ACユニット
1630 植物
1624、1626 光
1801 積層フィルム
1810、1812 層
1816 チャンバ
1910、1912 穴
2110 剛性材料
2210 充填材料
2302 第1の積層フィルム
2304 第2の積層フィルム
2310、2312 穴
2410 カットオフ
2412 カバー部品
2414 タブ
2416 ドット
2602、2604 セット
2610 ダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26A
図26B
【国際調査報告】