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特表2022-518603芳香環又は芳香族複素環化合物、その製造方法及び医薬使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(54)【発明の名称】芳香環又は芳香族複素環化合物、その製造方法及び医薬使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 451/06 20060101AFI20220308BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220308BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 31/46 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
C07D451/06
A61P1/00
A61P1/16
A61P3/10
A61P3/04
A61P7/02
A61P9/10 101
A61P29/00
A61P35/00
A61K31/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544611
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(85)【翻訳文提出日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2020072763
(87)【国際公開番号】W WO2020156241
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】201910096771.8
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508010385
【氏名又は名称】中国医▲薬▼研究▲開▼▲発▼中心有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】殷 惠▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】宗 利斌
(72)【発明者】
【氏名】史 建新
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 春▲艶▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 守良
(72)【発明者】
【氏名】路 嘉▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】李 浩
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC21
4C086BC67
4C086CB15
4C086MA03
4C086MA04
4C086ZA36
4C086ZA75
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、芳香環又は芳香族複素環化合物、その製造方法及び医薬使用に関する。特に、本発明は、一般式(I)で示される化合物、その製造方法及び該化合物を含有する医薬組成物、並びに、ファルネソイド誘導体x受容体(Farnesoid X receptor、FXR)アゴニストとしての使用に関し、該化合物及び該化合物を含有する医薬組成物は、FXR活性に関連する疾患、例えば胆汁うっ滞症、糖尿病及びその合併症、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)又は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肥満又は代謝症候群、(異常脂質血症、糖尿病、肥満度指数が異常に高い合併症)、心血管疾患等を治療及び/又は予防するために用いることができる。一般式(I)における各置換基の定義は、明細書における定義と同様である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、
Zは、
【化2】
から選択され、
Xは、CH、CF、N又はNOであり、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、そのうち前記アルキル基又はシクロアルキル基は、場合によって、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基から選択され、前記アルキル基又はアルコキシ基は、場合によって、1つ以上のハロゲンでさらに置換され、
Arは、5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基であり、
Cyは、アリール基又はヘテロアリール基であり、
は、-(CH-R又は-O(CH-Rから選択され、そのうち前記-(CH-又は-O(CH-基は、場合によって、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、オキソ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、COH、SOHから選択される1つ以上の基でさらに置換され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、OR、NR、-CO、-C(O)R、-C(O)NR、-N(R)C(O)R、-C(O)NRSO、-S(O)、-S(O)NR、-N(R)S(O)、又は-S(O)NRCORから選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基又はヘテロアリール基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ハロシクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、そのうち前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、或いは、
及びRは、それらが結合している窒素原子と共に含窒素複素環基を形成し、前記含窒素複素環基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
各Rは、同じであるか又は異なり、かつそれぞれ独立して、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ハロシクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、
nは、0、1又は2であり、
mは、0~6の整数であり、
pは、0、1又は2であり、
qは、0~4の整数であり、
条件は、Arが
【化3】
ではないことであり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す。)
【請求項2】
一般式(II)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化4】
(式中、
、X、Xは、それぞれ独立して、C、N、O又はSから選択され、好ましくはN、Oであり、
Z、n、Cy、R、R、qは、請求項1に記載したとおりである。)
【請求項3】
Zは、
【化5】
であり、
Xは、CH又はNから選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、好ましくはC-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピル基であり、前記アルキル基又はシクロアルキル基は、場合によって、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基から選択され、好ましくは水素、ハロゲン、C-Cハロアルキル基及びC-Cハロアルコキシ基である、請求項1又は2に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
nは、1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Cyは、C-Cアリール基又は5~6員ヘテロアリール基であり、好ましくはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
は、-(CH-R又は-O(CH-Rから選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、OR、NR、-CO、-C(O)R、-C(O)NR、-N(R)C(O)R、-C(O)NRSO、-S(O)、-S(O)NR、-N(R)S(O)、又は-S(O)NRCORから選択され、好ましくは-C(O)R、-C(O)NR、-S(O)、-S(O)NRであり、より好ましくは-C(O)R又は-S(O)NR、さらにより好ましくは-COOHであり、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、そのうち前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、或いは、
及びRは、それらが結合している窒素原子と共に含窒素複素環基を形成し、前記含窒素複素環基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基からさらに選択され、
mは、0~6の整数であり、好ましくは0、1又は2であり、より好ましくは0である、請求項1~5のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
各Rは、同じであるか又は異なり、かつそれぞれ独立して、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基から選択され、
qは、0~4の整数であり、好ましくは0又は1である、請求項1~6のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記化合物は、
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸、
2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-3-メチル安息香酸、
3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-メチル安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-カルボン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メトキシ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-メチル安息香酸、
3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピコリン酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ニコチン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-カルボン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-メチル安息香酸、
3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピコリン酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ニコチン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、
Arが
【化6】
であり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す場合、
【化7】
縮合剤の条件下で、化合物IEとIDを環化反応させて一般式(I)の化合物を得るステップを含み、ここで、縮合剤は、好ましくは塩化亜鉛であり、
Z、n、Cy、R、R、qは、請求項1に記載したとおりである、方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、
Arが
【化8】
であり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す場合、
【化9】
酸化剤の条件下で、化合物IJを環化反応させて一般式(I)の化合物を得るステップを含み、ここで、酸化剤は、好ましくはヨードベンゼンジアセテートであり、
Z、n、Cy、R、R、qは、請求項1に記載したとおりである、方法。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物の、FXRアゴニストの製造における使用。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物の、FXR活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物の製造における使用。
【請求項14】
前記FXR活性に関連する疾患は、慢性肝内胆汁うっ滞症又は肝外胆汁うっ滞症、又は慢性胆汁うっ滞症又は急性肝内胆汁うっ滞症による肝線維化;及び/又は肝臓の閉塞性又は慢性炎症;及び/又は肝硬変;及び/又は肝臓脂肪症及び関連する症候群、アルコール誘発性肝硬変又はウイルス性肝炎に関連する胆汁うっ滞又は線維症;及び/又は肝切除後の肝不全又は肝虚血;及び/又は脂肪肝炎に関連する化学療法;及び/又は急性肝不全;及び/又は炎症性腸疾患;及び/又は脂質及び脂質タンパク質障害;及び/又は糖尿病、及び、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症及び他の臨床症状を含む糖尿病の臨床的合併症;及び/又は脂質、特にトリグリセリドの蓄積、及びトリグリセリドの蓄積による慢性脂肪及び線維症による疾患及び病症、例えば非アルコール性脂肪肝又は非アルコール性脂肪肝炎;及び/又は肥満又は代謝症候群、例えば異常脂質血症、糖尿病、肥満度指数が異常に高い合併症;及び/又は慢性閉塞性アテローム性動脈硬化症のエンドポイントとして発生した急性心筋梗塞、急性脳卒中、又は血栓症;非悪性過増殖性障害及び悪性過増殖性障害、特に肝細胞癌、結腸腺腫及びポリポーシス、結腸腺癌、乳癌、膵臓癌、バレット食道癌及び他の形態の消化管及び肝臓腫瘍性疾患から選択される、請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の技術分野に属し、具体的には、芳香環又は芳香族複素環化合物、その製造方法及びそれを含む医薬組成物、並びに、ファルネソイド誘導体x受容体(Farnesoid X receptor、FXR)の活性を調節して、FXR活性に関連する疾患を治療及び/又は予防する使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ファルネソイド誘導体x受容体(FXR)は、胆汁酸によって活性化される核内受容体として、直接又はオーファン核内受容体の小ヘテロ二量体パートナー(SHP)によって様々な代謝関連遺伝子の発現を調節することができる。FXRは、1995年に発見され、該受容体が超生理学的レベルのファルネソイドによって活性化され得るという事実から命名された。近年の研究を通して、胆汁酸(Bile Acids、BAs)がFXRの最も重要な生理学的リガンドであることが見出されている(Drug Discovery Today、2012、17、988)。
【0003】
異常なレベルの胆汁酸は、肝臓の炎症及び線維化に関連しており、トリグリセリドと比較して、胆汁酸の蓄積は、非アルコール性脂肪肝のより重要な病原因子である。FXRの活性化は、肝臓での胆汁酸の合成及び取り込みを減少させ、かつ胆汁酸の排出を増やして、肝臓での胆汁酸の蓄積を減少させという正味の効果を達成することができる。FXRは、胆汁酸の合成に重要な酵素であるCYP7A1の発現を抑制できるSHPを上方調節することで、胆汁酸の合成を抑制することができる(Pharmacol.Ther.2010、126、228-243)。さらに、FXRは、FGF15/19を誘導してFGFR4を活性化して、JNK経路を活性化することで、CYP7A1の発現を抑制する。FXRは、BSEP及びMRP2を上方調節することによって、NTCPを抑制して肝細胞内の胆汁酸レベルを低下させ、肝細胞の小管膜での胆汁酸の分泌を刺激して、門脈からの胆汁酸の再取り込みを抑制する。FXRは、OSTα/βによって胆汁酸の輸送を調節して制御して、胆汁酸の循環系への排出を促進し、腎臓によって排出される。
【0004】
FXRは、インスリン抵抗性を改善することができ、FXRノックアウトマウスは、グルコース代謝クリアランスの障害を示し、マウスが末梢のインスリン抵抗性を持っていることを示す。FXR活性化によるインスリン抵抗性の改善作用は、以下のメカニズムに関連している可能性がある:FXRは、末梢組織(例えば、筋細胞)での脂質の蓄積を減少させて、特に食事によって誘発される肥満患者の脂質関連毒性を低下させることができる(Acta.Pharmacol.Sin.2015、36、44-50)。小腸でのFXRの活性化は、門脈へのFGF19の放出を促進することができ、FGF19は、ある程度のインスリン感作作用を有し、また、FGF19が体重を減らすという作用を有することが報告されており、FGF19トランスジェニックマウスは食餌誘発性肥満に強い耐性を示す;FXRは、糖新生とグリコーゲン排出量を低下させることができ、コール酸をマウスに給餌することで、PEPCK、G6Pのような糖新生関連酵素の遺伝子の発現を抑制できるが、SHPノックアウトマウスに影響を与えない。FXRアゴニストは、グリコーゲンの排出量を低下させながら、マウスのPEPCKとG6Pを低下させることができる。
【0005】
FXRは、様々な方法により、トリグリセリド及び脂肪酸の生成を抑制し、かつその代謝を促進することができる。FXRは、SREBP1cの発現を抑制することにより、トリグリセリド及び脂肪酸の合成及び分泌を抑制し、VLDLRの発現を促進し、VLDL及びカイロミクロンの除去を向上させ、APOC及びMTPの発現を抑制し、VLDLのアセンブリを抑制し、PPARαを誘導し、脂肪酸のβ酸化を促進し、リポタンパク質リパーゼを誘導して、リポタンパク質及び遊離脂肪酸の代謝作用を強化することができる。FXRは、SRBI、CEH、SCP2などを正に調節することによりHDLの取り込み及びコレステロールの逆輸送を促進することができ、PCSK9の発現及び活性を抑制することによりLDLR及びLDLの除去を強化して、コレステロールを低下させるという効果を達成することもできる(Curr.Opin.Lipidol.2016、27、295-301)。
【0006】
FXRは、様々な炎症関連遺伝子の発現を下方調節することにより炎症を抑制することができ、FXRは、炎症反応と密接に関連し、FXRノックアウトマウスは、TNFα、ICAM-1、α-SMA、TIMP-1、TGFβなどを含む、高いレベルの炎症促進性及び線維化促進性サイトカインを有する。FXRの炎症及び線維化に対する抑制は、以下のメカニズムに関連している可能性がある:FXR活性化の主な炎症抑制メカニズムは、NFκBシグナル伝達経路を拮抗することである。FXR活性化は、胆管閉塞、腸内細菌叢の過剰成長、粘膜損傷、腸管バクテリアルトランスロケーションなどを改善することができる。FXRは、SOCS3の抑制因子を誘導して、STAT3シグナル伝達経路を抑制することができる。FXR活性化は、複数の細胞外マトリックスタンパク質の発現を調節できるMicroRNA mir29aを上方調節することができる。また、別の研究によると、FXRは、肝組織の再生を促進し、かつ幹細胞腫瘍の発生を抑制することができる。したがって、FXRアゴニストは、脂質、特にトリグリセリドの蓄積、及びトリグリセリドの蓄積による慢性脂肪及び線維症による疾患及び病症、例えば、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)又は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の予防及び治療に用いられる(Adv.Ther.2016、33、291-319;Drug Discov. Today、2012、17、988-97)。
【0007】
現在、FXRアゴニストは、既にグローバル革新的な薬物開発において最も注目されているトピックの1つになっている。ここで、ステロイド性FXRアゴニストであるオベチコール酸は、原発性胆汁性肝硬変(PBC)での使用が承認されており、かつNASHを治療する臨床研究(FlINT研究)において高い治療効果を示し、さらにPBC及びNASH治療におけるFXRアゴニストの使用の合理性が証明される。しかしながら、該薬物はステロイド性薬物として選択性が低く、特にTGR5に対してもある程度の作用を有し、重症掻痒症及び高脂血症などの副作用を引き起こしやすい。また、オベチコール酸は、腸肝循環が盛んであるため、体内に大量に蓄積し、安全性リスクを引き起こす。したがって、選択性がより高くかつ薬物動態特性がより高い非ステロイド性FXRアゴニストはより注目されている(Lancet、2015、385、956-65;N.Engl.J.Med.2016、375、631-643)。
【0008】
非ステロイド性FXRアゴニストに関する初期の研究は、GW-4604であり、該化合物は、強いインビトロ活性を有するが、薬物動態特性が低く、かつジアリールエテン構造を有するため、安全性リスクを有する。現在、研究開発が最も速く、最も注目されるのはPX-104であり、該薬物は、高いFXR作動活性及び薬物動態特性を有し、前臨床試験における薬力学モデルにおいて肝臓脂肪蓄積及び損傷を顕著に低下させるという治療効果を示し、現在ではNASHに対する臨床II期研究に進めている(J.Pharmacol.Exp.Ther.2012、343、556-567;J.Med.Chem.2014、57、8035-8055)。それにもかかわらず、PX-104のインビトロ活性にはまださらなる改善の余地があり、臨床用量が比較的高い。したがって、NASH、NAFLD、PBC、又はその他のFXR関連疾患を治療するためのより効果的な新薬の開発のために、FXRを作動する新薬又は改良型薬物が引き続き必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Drug Discovery Today,2012年,17,988
【非特許文献2】Pharmacol.Ther.2010年,126,228-243
【非特許文献3】Acta.Pharmacol.Sin.2015年,36,44-50
【非特許文献4】Curr.Opin.Lipidol.2016年,27,295-301
【非特許文献5】Adv.Ther,2016年,33,291-319
【非特許文献6】Drug Discov. Today,2012,17,988-97
【非特許文献7】Lancet,2015年,385,956-65
【非特許文献8】N.Engl.J.Med.2016年,375,631-643
【非特許文献9】J.Pharmacol.Exp.Ther.2012年,343,556-567
【非特許文献10】J.Med.Chem.2014年,57,8035-8055
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、橋かけ環基で置換された芳香環又は芳香族複素環骨格を含む一連の化合物を設計して合成し、かつそれらに対してFXR活性のスクリーニングを行い、研究結果によると、このような化合物は、高いFXR作動活性を有し、かつFXR活性に関連する疾患を治療する薬物として開発され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明の目的は、一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を提供することである。
【化1】
(式中、
Zは、
【化2】
から選択され、
Xは、CH、CF、N又はNOであり、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、そのうち前記アルキル基又はシクロアルキル基は、場合によって、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基から選択され、前記アルキル基又はアルコキシ基は、場合によって、1つ以上のハロゲンでさらに置換され、
Arは、5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基であり、
Cyは、アリール基又はヘテロアリール基であり、
は、-(CH-R又は-O(CH-Rから選択され、そのうち前記-(CH-又は-O(CH-基は、場合によって、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、オキソ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、CO2H、SO3Hから選択される1つ以上の基でさらに置換され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、OR、NR、-CO、-C(O)R、-C(O)NR、-N(R)C(O)R、-C(O)NRSO、-S(O)、-S(O)NR、-N(R)S(O)、又は-S(O)NRCORから選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基又はヘテロアリール基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ハロシクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、そのうち前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、或いは、
及びRは、それらが結合している窒素原子と共に含窒素複素環基を形成し、前記含窒素複素環基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
各Rは、同じであるか又は異なり、かつそれぞれ独立して、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ハロシクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、
nは、0、1又は2であり、
mは、0~6の整数であり、
pは、0、1又は2であり、
qは、0~4の整数であり、
条件は、Arが
【化3】
ではないことであり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す。)
本発明の1つの好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩は、一般式(II)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩である。
【0012】
【化4】
(式中、
、X、Xは、それぞれ独立して、C、N、O又はSから選択され、好ましくはN、Oであり、
Z、n、Cy、R、R、qは、一般式(I)に記載したとおりである。)
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Arは、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール又は1,3,4-チアジアゾールから選択される。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Zは、
【化5】
であり、
Xは、CH又はNから選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、好ましくはC-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピル基であり、前記アルキル基又はシクロアルキル基は、場合によって、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基から選択され、好ましくは水素、ハロゲン、C-Cハロアルキル基及びC-Cハロアルコキシ基である。
【0014】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
nは、1である。
【0015】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Cyは、C-Cアリール基又は5~6員ヘテロアリール基であり、好ましくはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基である。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
は、-(CH-R又は-O(CH-Rから選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、OR、NR、-CO、-C(O)R、-C(O)NR、-N(R)C(O)R、-C(O)NRSO、-S(O)、-S(O)NR、-N(R)S(O)、又は-S(O)NRCORから選択され、好ましくは-C(O)R、-C(O)NR、-S(O)、-S(O)NRであり、より好ましくは-C(O)R又は-S(O)NR、さらにより好ましくは-COOHであり、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、そのうち前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基でさらに置換され、或いは、
及びRは、それらが結合している窒素原子と共に含窒素複素環基を形成し、前記含窒素複素環基は、場合によって、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基からさらに選択され、
mは、0~6の整数であり、好ましくは0、1又は2であり、より好ましくは0である。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
各Rは、同じであるか又は異なり、かつそれぞれ独立して、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基から選択され、
qは、0~4の整数であり、好ましくは0又は1である。
【0018】
本発明の典型的な化合物は、
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸、
2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-3-メチル安息香酸、
3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-メチル安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-カルボン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メトキシ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-メチル安息香酸、
3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピコリン酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ニコチン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-カルボン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-メチル安息香酸、
3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-フルオロ安息香酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピコリン酸、
6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ニコチン酸、
5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸、
4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸、
又はそれらのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、それらのプロドラッグ又はそれらの薬学的に許容される塩を含むが、これらに限定されない。
【0019】
本発明は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を製造する方法をさらに提供し、それは、
Arが
【化6】
であり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す場合、
【化7】
縮合剤の条件下で、化合物IEとIDを環化反応させて一般式(I)の化合物を得るステップを含み、ここで、縮合剤は、好ましくは塩化亜鉛であり、
Z、n、Cy、R、R、qは、一般式(I)に記載したとおりである。
【0020】
本発明は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を製造する方法をさらに提供し、それは、
Arが
【化8】
であり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す場合、
【化9】
酸化剤の条件下で、化合物IJを環化反応させて一般式(I)の化合物を得るステップを含み、ここで、酸化剤は、好ましくはヨードベンゼンジアセテートであり、
Z、n、Cy、R、R、qは、一般式(I)に記載したとおりである。
【0021】
本発明の別の態様は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0022】
本発明は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれを含む医薬組成物の、FXRアゴニストの製造における使用をさらに提供する。
【0023】
本発明は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれを含む医薬組成物の、FXR活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物の製造における使用をさらに提供する。
【0024】
本発明は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれを含む医薬組成物の、FXRアゴニストとしての使用を提供する。
【0025】
本発明は、本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれを含む医薬組成物の、FXR活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物としての使用をさらに提供する。
【0026】
本発明は、予防上又は治療上有効な量の本発明に記載の一般式(I)で示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれを含む医薬組成物をそれを必要とする被験体に投与することを含む、FXR活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する方法をさらに提供する。
【0027】
本発明の1つの好ましい実施形態では、本発明に記載のFXR活性に関連する疾患は、慢性肝内胆汁うっ滞症又は肝外胆汁うっ滞症、又は慢性胆汁うっ滞症又は急性肝内胆汁うっ滞症による肝線維化;及び/又は肝臓の閉塞性又は慢性炎症;及び/又は肝硬変;及び/又は肝臓脂肪症及び関連する症候群、アルコール誘発性肝硬変又はウイルス性肝炎に関連する胆汁うっ滞又は線維症;及び/又は肝切除後の肝不全又は肝虚血;及び/又は脂肪肝炎に関連する化学療法;及び/又は急性肝不全;及び/又は炎症性腸疾患;及び/又は脂質及び脂質タンパク質障害;及び/又は糖尿病、及び、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症及び他の臨床症状を含む糖尿病の臨床的合併症;及び/又は脂質、特にトリグリセリドの蓄積、及びトリグリセリドの蓄積による慢性脂肪及び線維症による疾患及び病症、例えば非アルコール性脂肪肝又は非アルコール性脂肪肝炎;及び/又は肥満又は代謝症候群、例えば異常脂質血症、糖尿病、肥満度指数が異常に高い合併症;及び/又は慢性閉塞性アテローム性動脈硬化症のエンドポイントとして発生した急性心筋梗塞、急性脳卒中、又は血栓症;非悪性過増殖性障害及び悪性過増殖性障害、特に肝細胞癌、結腸腺腫及びポリポーシス、結腸腺癌、乳癌、膵臓癌、バレット食道癌及び他の形態の消化管及び肝臓腫瘍性疾患であってよい。
【0028】
本発明が属する分野の一般的な方法に従って、本発明の一般式(I)で示される化合物は、酸と薬学的に許容される酸付加塩を生成することができる。前記酸は、無機酸及び有機酸を含み、特に好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸などである。
【0029】
本発明が属する分野の一般的な方法に従って、本発明の一般式(I)で示される化合物は、塩基と薬学的に許容される塩基付加塩を生成することができる。前記塩基は、無機塩基及び有機塩基を含み、許容される有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどを含み、許容される無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムなどを含む。
【0030】
また、本発明は、本発明の一般式(I)で示される化合物のプロドラッグをさらに含む。本発明に記載のプロドラッグは、一般式(I)で示される化合物の誘導体であり、それら自体は弱い活性を有するか又は活性を有しない可能性があるが、投与後、生理的条件下で(例えば、代謝、溶媒分解又は他の方式により)対応する生物学的に活性な形態に変換される。
【0031】
活性成分を含む医薬組成物は、タブレット、糖錠剤、錠剤、水懸濁液又は油懸濁液、分散可能な粉末又は顆粒、乳液、硬カプセル又は軟カプセル、又はシロップ剤又はエリキシル剤などの経口投与の形態であってよい。本分野の任意の既知の薬用組成物の製造方法に従って経口組成物を製造することができ、このような組成物は、甘味剤、矯味剤、着色剤及び防腐剤という成分から選択される1種又は複数種を含有して、美しくておいしい薬用製剤を提供する。タブレットは、活性成分と、混合に用いられる、タブレットを適宜製造する無毒の薬学的に許容される賦形剤とを含有する。これらの賦形剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性賦形剤、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、トウモロコシデンプン又はアルギン酸などの造粒剤及び崩壊剤、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン又はアラビアゴムなどの接着剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの潤滑剤であってよい。これらのタブレットは、コーティングされなくてもよく、薬物の味を遮蔽するか又は胃腸内で崩壊及び吸収を遅延させることで長時間にわたって徐放作用を提供するという既知の技術によりコーティングされてもよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性の味遮蔽物質、又はエチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等の時間延長物質を用いることができる。
【0032】
また、活性成分と、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンなどの不活性固体希釈剤とを混合した硬ゼラチンカプセル、又は、活性成分と、ポリエチレングリコールなどの水溶性担体、若しくピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油などの油溶媒とを混合した軟ゼラチンカプセルを用いて、経口製剤を提供することができる。
【0033】
水懸濁液は、活性物質と、混合に用いられる、水懸濁液を適宜製造する賦形剤とを含有する。このような賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びアラビアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然に生成されるリン脂質(例えばレシチン)、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyleneoxy cetanol)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンオキシドソルビットモノオレエート)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンオキシドソルビタンモノオレエート)であってよい。水懸濁液は、エチルパラベン又はプロピルパラベンなどの1種又は複数種の防腐剤と、1種又は複数種の着色剤と、1種又は複数種の矯味剤と、スクロース、サッカリン又はアスパルテームなどの1種又は複数種の甘味剤とを含有してもよい。
【0034】
油懸濁液は、活性成分をピーナッツ油、オリーブ油、ごま油又はヤシ油などの植物油、又は流動パラフィンなどの鉱物油に懸濁させることにより製造することができる。油懸濁液は、蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールなどの増粘剤を含有することができる。上記甘味剤及び矯味剤を添加することによりおいしい製剤を提供することができる。ブチル化ヒドロキシアニソール又はα-トコフェロールなどの酸化防止剤を添加することにより、これらの組成物を保存することができる。
【0035】
水と、水懸濁液の製造に適用する分散可能な粉末及び顆粒とを添加することにより、活性成分と、混合のための分散剤又は湿潤剤、懸濁剤又は1種又は複数種の防腐剤とを提供することができる。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上述したとおりである。甘味剤、矯味剤及び着色剤などの他の賦形剤を添加することもできる。アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することにより、これらの組成物を保存する。
【0036】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、オリーブ油若しくはピーナッツ油などの植物油、又は流動パラフィンなどの鉱物油、又はそれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、天然に生成されるリン脂質(例えば大豆レシチン)、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばポリエチレンオキシドソルビットモノオレエート)であってよい。エマルションは、甘味剤、矯味剤、防腐剤及び酸化防止剤を含有してもよい。グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースなどの甘味剤でシロップ及びエリキシル剤を製造することができる。このような製剤は、徐放剤、防腐剤、着色剤、及び酸化防止剤を含有してもよい。
【0037】
本発明の医薬組成物は、無菌注射水溶液の形態であってよい。使用可能な許容される溶媒及び溶剤は、水、リンガー溶液及び等張塩化ナトリウム溶液を含む。無菌注射製剤は、活性成分が油相に溶解される無菌注射水中油型マイクロエマルションであってよい。例えば、活性成分を大豆油とレシチンの混合物に溶解する。次に油溶液を水とグリセリンの混合物に添加し、処理してマイクロエマルションを形成する。局所的に大量に注射することにより、注射液又はマイクロエマルションを患者の血流に注入することができる。或いは、本発明の化合物の一定の循環濃度を保持できる方式で、溶液とマイクロエマルションを投与することが好ましい。このような一定の濃度を保持するために、連続静脈内投与装置を用いることができる。
【0038】
本発明の医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の無菌注射水又は油懸濁液の形態であってよい。既知の技術に従って、上記適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤で該懸濁液を製造することができる。無菌注射製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶剤中で製造された無菌注射溶液又は懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール中で製造された溶液であってもよい。また、無菌不揮発性油を溶剤又は懸濁媒体として好都合に用いることができる。この目的のために、合成したモノグリセリド又はジグリセリドを含む任意のブレンド不揮発性油を使用することができる。また、脂肪酸、例えばオレイン酸も、注射剤の製造に用いられる。
【0039】
直腸投与用の坐剤の形態で本発明の化合物を投与することができる。薬物と、適切な非刺激性賦形剤(一般的な温度で固体であるが直腸中で液体であるため、直腸中で溶解して薬物を放出する)とを混合して、これらの医薬組成物を製造することができる。このような物質は、ココアバター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを含む。
【0040】
当業者によく知られているように、薬物の投与量は、様々な要因に依存し、使用される特定化合物の活性、患者の年齢、患者の体重、患者の健康状況、患者の行動、患者の食事、投与時間、投与方式、排泄の速度、薬物の組み合わせなどの要因を含むが、これらに限定されない。また、最適な治療方式、例えば治療のモード、一般式化合物の日用量又は薬学的に許容される塩の種類は、従来の治療スキームに基づいて検証することができる。
【0041】
本発明は一般式(I)で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩、水和物又は溶媒和物を活性成分として含み、薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合して組成物を製造し、かつ臨床的に許容される剤形に製造することができる。他の不利な作用、例えばアレルギー反応などが発生しない限り、本発明の誘導体は、他の活性成分と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物は唯一の活性成分としてもよく、FXR活性に関連する疾患を治療する他の薬物と併用してもよい。併用治療は、各治療成分を同時、別途又は連続的に投与することにより実現される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
特に反する記載がない限り、明細書及び特許請求の範囲に用いられる用語は、以下の意味を有する。
【0043】
用語「アルキル基」とは、1~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖基でありる飽和脂肪族炭化水素基を指し、好ましくは、1~12個の炭素原子を含むアルキル基であり、より好ましくは、1~6個の炭素原子を含むアルキル基である。非限定的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基、n-ノニル基、2-メチル-2-エチルヘキシル基、2-メチル-3-エチルヘキシル基、2,2-ジエチルペンチル基、n-デシル基、3,3-ジエチルヘキシル基、2,2-ジエチルヘキシル基及びその様々な分岐鎖異性体等を含む。より好ましくは、1~6個の炭素原子を含有する低級アルキル基であり、非限定的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基等を含む。アルキル基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、任意の使用可能な結合点で置換されてよく、前記置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、オキソ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0044】
用語「アルケニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子と少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる、上記に記載されたアルキル基、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-、2-又は3-ブテニル基などを指す。アルケニル基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0045】
用語「アルキニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、上記に記載されたアルキル基、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基などを指す。アルキニル基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0046】
用語「シクロアルキル基」とは、飽和又は一部不飽和の単環又は多環式環状炭化水素置換基を指し、シクロアルキル環は、3~20個の炭素原子を含み、好ましくは、3~12個の炭素原子を含み、より好ましくは、3~6個の炭素原子を含む。単環式シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエン基、シクロオクチル基等を含み、多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環及び橋かけ環式シクロアルキル基を含む。
【0047】
用語「スピロシクロアルキル基」とは、5~20員の単環間に1つの炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有し、1つ以上の二重結合を含有してもよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない多環式基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。環同士が共有するスピロ原子の数量に応じて、スピロシクロアルキル基は、単環式スピロシクロアルキル基、二環式スピロシクロアルキル基又は多環式スピロシクロアルキル基に分けられるが、好ましくは、単環式スピロシクロアルキル基及び二環式スピロシクロアルキル基である。より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員又は5員/6員の単環式スピロシクロアルキル基である。スピロシクロアルキル基の非限定的な例は、
【化10】
を含む。
【0048】
用語「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環と系における他の環とが、隣接した一対の炭素原子を共有し、1つ以上の環が、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない5~20員の全炭素多環式基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式縮合シクロアルキル基に分けられるが、好ましくは、二環又は三環であり、より好ましくは、5員/5員又は5員/6員のビシクロアルキル基である。縮合シクロアルキル基の非限定的な例は、
【化11】
を含む。
【0049】
用語「橋かけ環式シクロアルキル基」とは、任意の2つの環が直接結合していない2個の炭素原子を共有し、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない5~20員の全炭素多環式基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式橋かけ環式シクロアルキル基に分けられるが、好ましくは、二環、三環又は四環であり、より好ましくは、二環又は三環である。橋かけ環式シクロアルキル基の非限定的な例は、
【化12】
を含む。
【0050】
前記シクロアルキル環は、アリール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル環に縮合されてよく、そのうち親構造に結合された環は、シクロアルキル基であり、非限定的な例は、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプタン基などを含む。シクロアルキル基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、オキソ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0051】
用語「複素環基」とは、飽和又は一部不飽和の単環又は多環式環状炭化水素置換基を指し、それは、3~20個の環原子を含み、1個以上の環原子は、窒素、酸素又はS(O)(ここで、mは0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であるが、-O-O-、-O-S-又は-S-S-の環部分を含まず、残りの環原子は炭素である。好ましくは、3~12個の環原子を含み、そのうち1~4個の環原子がヘテロ原子であり、最も好ましくは、3~8個の環原子を含み、そのうち1~3個の環原子がヘテロ原子であり、最も好ましくは、5~7個の環原子を含み、そのうち1~2又は1~3個の環原子がヘテロ原子である。単環式複素環基の非限定的な例は、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、ジヒドロイミダゾリル基、ジヒドロフラニル基、ジヒドロピラゾロ基、ジヒドロピロール基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ホモピペラジニル基、ピラニル基などを含み、好ましくは、1,2,5-オキサジアゾール基、ピラニル基又はモルホリニル基である。多環式複素環基は、スピロ環、縮合環及び橋かけ環式の複素環基を含み、
用語「スピロ複素環基」とは、5~20員の単環間に1個の原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する多環式複素環基を指し、1個以上の環原子は、窒素、酸素又はS(O)(ここで、mは0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。それは、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。環同士が共有するスピロ原子の数量に応じて、スピロ複素環基は、単環式スピロ複素環基、二環式スピロ複素環基又は多環式スピロ複素環基に分けられるが、好ましくは、単環式スピロ複素環基及び二環式スピロ複素環基である。より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員又は5員/6員の単環式スピロ複素環基である。スピロ複素環基の非限定的な例は、
【化13】
を含む。
【0052】
用語「縮合複素環基」とは、系における各環と系における他の環とが、隣接した一対の原子を共有し、1つ以上の環が、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない5~20員の多環式複素環基を指し、1個以上の環原子は、窒素、酸素又はS(O)(ここで、mは0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式縮合複素環基に分けられるが、好ましくは、二環又は三環であり、より好ましくは、5員/5員又は5員/6員の二環式縮合複素環基である。縮合複素環基の非限定的な例は、
【化14】
を含む。
【0053】
用語「橋かけ環式複素環基」とは、任意の2つの環が直接結合していない2個の原子を共有し、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない5~14員の多環式複素環基を指し、1個以上の環原子は、窒素、酸素又はS(O)(ここで、mは0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式橋かけ環式複素環基に分けられるが、好ましくは、二環、三環又は四環であり、より好ましくは、二環又は三環である。橋かけ環式複素環基の非限定的な例は、
【化15】
を含む。
【0054】
前記複素環式環は、アリール基、ヘテロアリール基又はシクロアルキル環に縮合されてよく、そのうち親構造に結合された環は、複素環基であり、非限定的な例は、
【化16】
などを含む。
【0055】
複素環基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、オキソ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0056】
用語「アリール基」とは、共役したπ電子系を有する6~14員全炭素単環式又は縮合多環式(すなわち、隣接した炭素原子対を共有する環)基を指し、好ましくは、6~10員であり、例えば、フェニル基及びナフチル基である。より好ましくは、フェニル基である。前記アリール環は、ヘテロアリール基、複素環基又はシクロアルキル環に縮合されてよく、そのうち親構造に結合された環は、アリール環であり、非限定的な例は、
【化17】
を含む。
【0057】
アリール基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0058】
用語「ヘテロアリール基」とは、1~4個のヘテロ原子及び5~14個の環原子を含むヘテロ芳香族系を指し、ヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素から選択される。ヘテロアリール基は、好ましくは、5~10員であり、1~3個のヘテロ原子を含み、より好ましくは、5員又は6員であり、1~2個のヘテロ原子を含み、好ましくは、例えばイミダゾリル基、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾール基、ピロリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、チアジアゾール基、ピラジニル基などであり、好ましくは、イミダゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、ピリミジニル基又はチアゾリル基であり、より好ましくは、ピラゾリル基又はチアゾリル基である。前記ヘテロアリール環は、アリール基、複素環基又はシクロアルキル環に縮合されてよく、そのうち親構造に結合された環は、アリール環であり、非限定的な例は、
【化18】
を含む。
【0059】
ヘテロアリール基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0060】
用語「アルコキシ基」は、-O-(アルキル基)及び-O-(非置換のシクロアルキル基)を指し、アルキル基の定義は上述のとおりである。アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基を含む。アルコキシ基は、置換されても置換されなくてもよく、置換された場合に、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0061】
用語「ハロゲン化アルキル基」とは、1つ以上のハロゲンで置換されたアルキル基を指し、アルキル基は、上記に記載したとおりである。
【0062】
用語「ハロゲン化アルコキシ基」とは、1つ以上のハロゲンで置換されたアルコキシ基を指し、アルコキシ基は、上記に記載したとおりである。
【0063】
用語「ヒドロキシアルキル基」とは、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指し、アルキル基は、上記に記載したとおりである。
【0064】
用語「ヒドロキシ基」とは、-OH基を指す。
【0065】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0066】
用語「アミノ基」とは、-NHを指す。
【0067】
用語「シアノ基」とは、-CNを指す。
【0068】
用語「ニトロ基」とは、-NOを指す。
【0069】
用語「オキソ基」とは、=Oを指す。
【0070】
用語「カルボキシル基」とは、-C(O)OHを指す。
【0071】
用語「メルカプト基」とは、-SHを指す。
【0072】
用語「エステル基」とは、-C(O)O(アルキル基)又は-C(O)O(シクロアルキル基)を指し、アルキル基及びシクロアルキル基は、上記に記載したとおりである。
【0073】
用語「アシル基」とは、-C(O)R基を含む化合物を指し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基である。
【0074】
用語「スルホン酸基」とは、-S(O)OHを指す。
【0075】
用語「スルホン酸エステル基」とは、-S(O)O(アルキル基)又は-S(O)O(シクロアルキル基)を指し、アルキル基及びシクロアルキル基は、上記に記載したとおりである。
用語「スルポニル基」とは、-S(O)R基を含む化合物を指し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基である。
【0076】
用語「アミノアシル基」とは、-C(O)-NRR’を指し、R、R’は、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基である。
【0077】
用語「アミノスルホニル基」又は「スルホンアミド基」とは、-S(O)-NRR’を指し、R、R’は、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基である。
【0078】
「してもよい」又は「してもよく」は、後に記載される事態又は環境が発生してもよいが、必ずしも発生することではないことを意味し、該説明は、該事態又は環境が発生した場合又は発生していない場合を含む。例えば、「アルキル基で置換されてもよい複素環基」とは、アルキル基が存在してもよいが、必ずしも存在するとは限らないことを意味し、該説明は、複素環基がアルキル基で置換された場合と、複素環基がアルキル基で置換されていない場合とを含む。
【0079】
「置換」とは、基における1個以上の水素原子、好ましくは、最多5個、より好ましくは、1~3個の水素原子がそれぞれ独立して、対応する数量の置換基で置換されることを指す。置換基が可能な化学部位のみにあることは言うまでもなく、当業者であれば、努力することなく、(実験又は理論により)可能又は不可能な置換を決定することができる。例えば、遊離水素を有するアミノ基又はヒドロキシ基と、不飽和(例えば、エチレン性)結合を有する炭素原子とが結合した場合に、不安定になる可能性がある。
【0080】
「医薬組成物」は、1種以上の本明細書に記載の化合物又はその生理学的/薬学的に許容される塩又はプロドラッグと他の化学成分の混合物、及び生理学的/薬学的に許容される担体と賦形剤のような他の成分を含有するものを意味する。医薬組成物は、生体への投与を促進し、活性成分の吸収を容易にすることにより生物学的活性を発揮することを目的とする。
【0081】
「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の塩を指し、このような塩は、哺乳動物の体内に投与される場合に安全性及び有効性を有し、かつ所望の生物学的活性を有する。
本発明の化合物の合成方法
【0082】
本発明の目的を達成するために、本発明は、以下の技術手段を採用する。
【0083】
本発明の一般式(I)で示される化合物又はその塩は、以下のスキームによって製造され得て、具体的な製造方法は以下のとおりである。
【0084】
(1)Arが
【化19】
であり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す場合、スキーム1の方法に従って、化合物IAを出発原料として、一般式(I)の化合物を得る。
【化20】
【0085】
スキーム1
スキーム1の合成:
アルカリ性条件下で、化合物IAをZ-CH-Brと反応させて化合物IBを得て、アルカリ性試薬が、好ましくはカリウムt-ブトキシドであり、次に、化合物IBを酸性条件下で脱保護反応させて化合物ICを得て、酸性試薬が、好ましくはトリフルオロ酢酸であり、その後、アルカリ性条件下で、化合物ICを臭化シアンと反応させて化合物IDを得て、アルカリ性試薬が、好ましくは炭酸カリウムであり、さらに、縮合剤条件下で、化合物IDをIEと縮合閉環反応させて一般式(II)の化合物を得て、縮合剤が、好ましくは塩化亜鉛である。
【0086】
Z、n、Cy、R、R、qは、一般式(I)に記載したとおりである。
【0087】
(2)Arが
【化21】
であり、式中、*がCyとの結合点を表し、#が橋かけ環Nとの結合点を表す場合、スキーム2の方法に従って、化合物IFを出発原料として、一般式(I)の化合物を得る。
【化22】
スキーム2
スキーム2の合成:
アルカリ性条件及び縮合剤の作用下で、化合物IFをカルバジン酸t-ブチルと縮合反応させて化合物IGを得て、アルカリ性試薬が、好ましくはDMAPであり、縮合剤が、好ましくはEDCであり、次に、化合物IGを酸性条件下で脱保護反応させて化合物IHを得て、酸性試薬が、好ましくはトリフルオロ酢酸であり、その後、化合物IHをオルトギ酸トリエチルと環化反応させて化合物IIを得て、さらに、アルカリ性条件下で、化合物IIをICと縮合反応させて化合物IJを得て、アルカリ性条件が、好ましくはトリエチルアミンであり、最後に、酸化剤条件下で、化合物IJを環化反応させて一般式(I)の化合物を得て、酸化剤が、好ましくはヨードベンゼンジアセテートである。
【0088】
Z、n、Cy、R、R、qは、一般式(I)に記載したとおりである。
【0089】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0090】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は/及び質量分析(MS)により決定される。NMRシフトは、10-6(ppm)の単位で与えられる。NMRの測定は、Brukerdps300型核磁気計を使用し、測定溶剤が重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、重水素化クロロホルム(CDCl)、重水素化メタノール(CDOD)であり、内部標準がテトラメチルシラン(TMS)である。
【0091】
MSの測定は、1100 Series LC/MSD Trap(ESI)質量分析計(メーカー:Agilent)を使用する。
【0092】
液相の製造は、lc3000高速液体クロマトグラフ及びlc6000高速液体クロマトグラフ(メーカー:創新通恒)を使用する。クロマトグラフィーカラムは、Daisogel C18 10 μm 60A(20mm×250mm)である。
【0093】
HPLCの測定は、島津LC-20AD高速液体クロマトグラフ(Agilent TC-C18 250×4.6mm 5μmクロマトグラフィーカラム)と島津LC-2010AHT高速液体クロマトグラフ(Phenomenex C18 250×4.6mm 5μmクロマトグラフィーカラム)を使用する。
【0094】
薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレートは、青島海洋化工GF254シリカゲルプレートを使用し、薄層クロマトグラフィー(TLC)において使用されたシリカゲルプレートの規格は0.15mm~0.2mmであり、薄層クロマトグラフィーにより製品を分離精製する規格は0.4mm~0.5mmである。
【0095】
カラムクロマトグラフィーは、一般的に、青島海洋シリカゲル100~200メッシュ、200~300メッシュのシリカゲルを担体として使用する。
【0096】
本発明の既知の出発原料は、本分野の既知の方法を用いて又はそれに従って合成することができ、又は網化商城、北京偶合、Sigma、百霊威、易世明、上海書亜、伊諾凱、南京薬石、安耐吉化学などの会社から購入することができる。
【0097】
実施例では特に説明しない限り、反応は、いずれもアルゴン雰囲気又は窒素雰囲気下で行うことができる。
【0098】
アルゴン雰囲気又は窒素雰囲気とは、反応フラスコに約1Lの容積のアルゴンガスバルーン又は窒素ガスバルーンを接続することを指す。
【0099】
マイクロ波反応は、CEM Discover SP型マイクロ波反応器を使用する。
【0100】
実施例では特に説明しない限り、溶液とは、水溶液を指す。
【0101】
実施例では特に説明しない限り、反応の温度は、室温であり、20℃~30℃である。
【0102】
実施例における反応プロセスの監視は、薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用し、反応において用いられる展開剤系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系、B:n-ヘキサン及び酢酸エチル系、C:石油エーテル及び酢酸エチル系、及びD:アセトンを含み、溶剤の体積比は、化合物の極性に応じて調整される。
【0103】
化合物を精製するために用いられるカラムクロマトグラフィーの溶離剤系及び薄層クロマトグラフィーの展開剤系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系、B:石油エーテル、酢酸エチル及びジクロロメタン系、及びC:石油エーテル及び酢酸エチル系を含み、溶剤の体積比は、化合物の極性に応じて調整され、さらに少量のトリエチルアミン及び酢酸などのアルカリ性又は酸性試薬を添加して調整することもできる。
【0104】
実施例1:4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(1)の製造
【化23】
ステップ1:(1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチルエステル(1B)の製造
18-クラウン-6(4.95g、18.7mmol)、(1R,3r,5S)-3-ヒドロキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチルエステル(4.24g、18.7mmol)、THF(90mL)を反応フラスコに添加し、0℃まで降温した。上記混合物にカリウムt-ブトキシド(2.86g、25.5mmol)を添加し、0℃で5分間撹拌した後、4-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(文献WO2011020615に開示された方法に従って製造される)(5.90g、17mmol)を10mLのTHFに溶解し、上記混合物に徐々に滴下し、滴下終了後、室温で2時間撹拌し続けた。反応終了後、反応液に酢酸エチル(100mL)と水(100mL)を添加し、有機相を飽和食塩水、水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、9.20gの黄色油状の粗製表題産物を得て、そのまま次のステップに使用する。
【0105】
ステップ2:4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の製造
(1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.20g、18.7mmol)、ジクロロメタン(36mL)、及びトリフルオロ酢酸(18mL)を反応フラスコに添加し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液、水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、4.00gの黄色固体状の表題産物を得て、收率が54.6%である。
【0106】
ステップ3:(1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボニトリル(1D)の製造
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(4.00g、10.24mmol)、水(80mL)、炭酸カリウム(4.30g、30.72mmol)を反応フラスコに添加し、室温で撹拌しながら臭化シアン(1.20g、11.27mmol)を80mLのジクロロメタンに添加し、反応フラスコに徐々に滴下し、滴下終了後、室温で2時間撹拌し続けた。反応終了後、1N塩酸水溶液(90mL)、水(90mL)でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、4.00gの黄色油状の表題産物を得て、収率が94.0%である。
【0107】
ステップ4:4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸メチルエステル(1E)の製造
p-シアノ安息香酸メチルエステル(2.00g、12.4mmol)、メタノール(40mL)、塩酸ヒドロキシルアミン(0.87g、12.4mmol)、炭酸水素ナトリウム(1.13g、13.4mmol)を反応フラスコに添加し、室温で0.5時間撹拌した後、75℃まで昇温して3時間撹拌し続けた。反応終了後、反応液を50mLの氷水に注ぎ入れ、10分間撹拌し、濾過し、ケーキを水で洗浄し、乾燥させて1.50gの白色固体状のメチル4-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)ベンゾエートを得て、収率が62.2%である。
【0108】
メチル4-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)ベンゾエート(1.00g、2.4mmol)、酢酸エチル(30mL)、0.5N塩化亜鉛のテトラヒドロフラン溶液(18mL)及び(1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボニトリル(1.00g、5.15mmol)を反応フラスコに添加し、50℃で3時間撹拌し、次に70℃まで昇温して18時間撹拌し続けた。反応終了後、反応液に水(100mL)と酢酸エチル(100mL)を添加し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:n-ヘプタン:酢酸エチル=5:1)で精製して、0.60gの白色固体状の表題産物を得て、収率が42.1%である。
【0109】
ステップ5:4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(1)の製造
4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸メチルエステル(0.60g、1mmol)、メタノール(30mL)、2N水酸化カリウム水溶液(10mL)を反応フラスコに添加し、40℃で18時間撹拌した。反応終了後、100mLの水を添加し、塩酸でpH=2~3に調節し、黄色固体が析出し、濾過し、乾燥させて580mgの黄色固体を得て、分取液体クロマトグラフィー(溶離剤:0%~100%のアセトニトリル:水溶液)で精製して、278mgの淡黄色固体状の表題産物を得て、収率が47.5%である。
【0110】
MS:m/z=581.4[M+H]
【0111】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.14(m,2H),1.27(m,2H),1.81(m,2H),2.00(m,6H),2.33(m,1H),3.55(s,1H),4.28(s,2H),4.37(m,2H),7.36(m,1H),7.43(m,2H),8.11(m,2H),8.17(m,2H)。
【0112】
実施例2:2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(2)の製造
【化24】
p-シアノ安息香酸メチルエステルの代わりに2-クロロ-4-シアノ安息香酸メチルエステルを用いた以外、実施例1の製造方法と同じであり、表題化合物2を得た。
【0113】
MS:m/z=615.2[M+H]
【0114】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,2H),1.28(m,2H),1.68(m,2H),1.75(m,4H),1.94(m,2H),2.35(m,1H),3.50(m,1H),4.06(m,2H),4.38(s,2H),7.63(m,3H),7.92(m,1H),8.06(m,2H)。
【0115】
実施例3:6-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボン酸(3)の製造
【化25】
p-シアノ安息香酸メチルエステルの代わりに6-シアノピリジン-2-カルボン酸メチルを用いた以外、実施例1の製造方法と同じであり、表題化合物3を得た。
【0116】
MS:m/z=582.2[M+H]
【0117】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.64(m,2H),1.80(m,4H),1.94(m,2H),2.36(m,1H),3.52(m,1H),4.29(m,2H),4.37(s,2H),7.80(m,3H),8.27(m,3H)。
【0118】
実施例4:5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)チオフェン-2-カルボン酸(4)の製造
【化26】
p-シアノ安息香酸メチルエステルの代わりに5-シアノチオフェン-2-カルボン酸メチルエステルを用いた以外、実施例1の製造方法と同じであり、表題化合物4を得た。
【0119】
MS:m/z=587.1[M+H]
【0120】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.16(m,2H),1.28(m,2H),1.66(m,2H),1.74(m,4H),1.85(m,2H),2.34(m,1H),3.54(m,1H),4.22(m,2H),4.28(s,2H),7.64(m,3H),7.79(m,1H),7.90(m,1H)。
【0121】
実施例5:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-3-メチル安息香酸(5)の製造
【化27】
p-シアノ安息香酸メチルエステルの代わりにメチル4-シアノ-3-メチルベンゾアートを用いた以外、実施例1の製造方法と同じであり、表題化合物5を得た。
【0122】
MS:m/z=595.4[M+H]
【0123】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.12(m,2H),1.28(m,2H),1.78(m,2H),1.86(m,4H),1.91(m,2H),2.31(m,1H),2.65(s,3H),3.58(m,1H),4.06(m,2H),4.26(s,2H),7.58(m,1H),7.66(m,2H),7.93(m,2H),8.05(m,1H)。
【0124】
実施例6:3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(6)の製造
【化28】
p-シアノ安息香酸メチルエステルの代わりに3-シアノ安息香酸メチルを用いた以外、実施例1の製造方法と同じであり、表題化合物6を得た。
【0125】
MS:m/z=581.1[M+H]
【0126】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.59(m,2H),1.68(m,4H),1.98(m,2H),2.31(m,1H),2.65(s,3H),3.48(m,1H),4.07(m,2H),4.28(s,2H),7.59(m,3H),7.75(m,1H),8.25(m,2H),8.57(m,1H)。
【0127】
実施例7:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-メチル安息香酸(7)の製造
【化29】
p-シアノ安息香酸メチルエステルの代わりに4-シアノ-2-メチル安息香酸メチルを用いた以外、実施例1の製造方法と同じであり、表題化合物7を得た。
【0128】
MS:m/z=595.4[M+H]
【0129】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.12(m,2H),1.26(m,2H),1.78(m,2H),1.76(m,4H),1.98(m,2H),2.34(m,1H),2.59(s,3H),3.48(m,1H),4.08(m,2H),4.27(s,2H),7.64(m,3H),7.95(m,3H)。
【0130】
実施例8:4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(8)の合成
【化30】
ステップ1:2-(4-(メトキシカルボニル)ベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(8B)の製造
テレフタル酸モノメチル(5.00g、27.8mmol)、ジクロロメタン(80mL)、カルバジン酸t-ブチル(4.50g、34.4mmol)、DMAP(13.5g、111mmol)及びEDCI(7.50g、38.9mmol)を反応フラスコに添加し、室温で20時間撹拌した。反応終了後、100mLの水、100mLのジクロロメタンを添加して抽出し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、16.30gの淡黄色固体状の表題産物を得て、そのまま次のステップに使用し、収率が100%である。
【0131】
ステップ2:4-(ホルミルヒドラジン)安息香酸メチルエステル(8C)の製造
2-(4-(メトキシカルボニル)ベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(18.94g、64.4mmol)、酢酸エチル(50mL)を反応フラスコに添加し、0℃で飽和塩酸酢酸エチル溶液(40mL)を添加し、次に室温で18時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpHを8~9に調節し、濾過し、乾燥させて、4.80gの白色固体状の表題産物を得て、収率が38.4%である。
【0132】
ステップ3:4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸メチルエステル(8D)の製造
4-(ホルミルヒドラジン)安息香酸メチルエステル(3.00g、15.5mmol)、オルトギ酸トリエチル(11.40g、77.3mmol)を反応フラスコに添加し、105℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:n-ヘプタン:酢酸エチル=3:1)で精製して、1.00gの白色固体状の表題産物を得て、収率が31.7%である。
【0133】
ステップ4:(Z)-N-((E)-((1R,3r,5S)3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチレン)4-(メトキシカルボニル)ベンジルヒドラジン酸(8E)の製造
4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸メチルエステル(0.50g、2.45mmol)、DMF(10mL)、4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)(4.50g、34.4mmol)、TEA(2mL)を反応フラスコに添加し、90℃で18時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(40mL)とジクロロメタン(40mL)を添加し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、0.40gの褐色固体状の表題産物を得て、収率が27.4%である。
【0134】
ステップ5:4-(5-((1R,3r,5S)3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸メチルエステル(8F)の製造
(Z)-N-((E)-((1R,3r,5S)3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチレン)4-(メトキシカルボニル)ベンジルヒドラジン酸(8E)(0.30g、0.5mmol)、ジクロロメタン(10mL)、ヨードベンゼンジアセテート(0.24g、0.756mmol)を反応フラスコに添加し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、残留物を分取液体クロマトグラフィー(溶離剤:0%~100%アセトニトリル:水)で精製して、0.135gの白色固体状の表題産物を得て、収率が45.1%である。
【0135】
ステップ6:4-(5-((1R,3r,5S)3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(8)の製造
4-(5-((1R,3r,5S)3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸メチルエステル(8F)(0.135g、0.23mmol)、メタノール(10mL)、水(5mL)、THF(15mL)、水酸化リチウム(33mg、1.36mmol)を反応フラスコに添加し、40℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応液を塩酸でpH=1~2に調節し、水(40mL)及び酢酸エチル(40mL)を添加し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取液体クロマトグラフィー(溶離剤:0%~100%アセトニトリル:水)で精製して、56mgの白色固体状の表題産物を得て、収率が42.5%である。
【0136】
MS:m/z=581[M+H]
【0137】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.64(m,2H),1.76(m,4H),1.91(m,2H),2.38(m,1H),3.46(m,1H),4.04(m,2H),4.28(s,2H),7.62(m,3H),8.18(m,4H)。
【0138】
実施例9:2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(9)の製造
【化31】
テレフタル酸モノメチルの代わりに3-クロロ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物9を得た。
【0139】
MS:m/z=615.2[M+H]
【0140】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.64(m,2H),1.76(m,4H),1.91(m,2H),2.36(m,1H),3.48(m,1H),4.07(m,2H),4.27(s,2H),7.59(m,1H),7.67(m,2H),7.92(m,1H),8.04(m,1H),8.08(m,1H)。
【0141】
実施例10:6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-カルボン酸(10)の製造
【化32】
テレフタル酸モノメチルの代わりに2,6-ピリジンジカルボン酸モノメチルを用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物10を得た。
【0142】
MS:m/z=582.2[M+H]
【0143】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.64(m,2H),1.75(m,4H),1.90(m,2H),2.35(m,1H),3.48(m,1H),4.09(m,2H),4.27(s,2H),7.72(m,3H),8.25(m,3H)。
【0144】
実施例11:5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸(11)の製造
【化33】
テレフタル酸モノメチルの代わりに5-カルボキシチオフェン-2-カルボン酸メチルエステルを用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物11を得た。
【0145】
MS:m/z=587.1[M+H]
【0146】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.60(m,2H),1.74(m,4H),1.85(m,2H),2.35(m,1H),3.47(m,1H),4.02(m,2H),4.26(s,2H),7.61(m,3H),7.79(m,1H),7.90(m,1H)。
【0147】
実施例12:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロ安息香酸(12)の製造
【化34】
テレフタル酸モノメチルの代わりに3-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物12を得た。
【0148】
MS:m/z=599.4[M+H]
【0149】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.64(m,2H),1.75(m,4H),1.91(m,2H),2.32(m,1H),3.49(m,1H),4.06(m,2H),4.26(s,2H),7.63(m,3H),7.92(m,2H),8.06(m,1H)。
【0150】
実施例13:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メトキシ安息香酸(13)の製造
【化35】
テレフタル酸モノメチルの代わりに3-メトキシ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物13を得た。
【0151】
MS:m/z=611.2[M+H]
【0152】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.64(m,2H),1.76(m,4H),1.91(m,2H),2.32(m,1H),3.48(m,1H),3.92(m,3H),4.07(m,2H),4.26(s,2H),7.61(m,5H),7.77(m,1H)。
【0153】
実施例14:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-メチル安息香酸(14)の製造
【化36】
テレフタル酸モノメチルの代わりに2-メチル-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物14を得た。
【0154】
MS:m/z=595.4[M+H]
【0155】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.59(m,2H),1.76(m,4H),1.91(m,2H),2.37(m,1H),2.65(s,3H),3.48(m,1H),4.06(m,2H),4.28(s,2H),7.56(m,1H),7.66(m,2H),7.90(m,1H),7.96(m,1H),8.05(m,1H)。
【0156】
実施例15:3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(15)の製造
【化37】
テレフタル酸モノメチルの代わりに3-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物15を得た。
【0157】
MS:m/z=581.1[M+H]
【0158】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.60(m,2H),1.67(m,4H),1.88(m,2H),2.32(m,1H),3.48(m,1H),4.09(m,2H),4.26(s,2H),7.59(m,3H),7.77(m,1H),8.23(m,2H),8.51(m,1H)。
【0159】
実施例16:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-フルオロ安息香酸(16)の製造
【化38】
テレフタル酸モノメチルの代わりに2-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物16を得た。
【0160】
MS:m/z=599.4[M+H]
【0161】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.60(m,2H),1.62(m,4H),1.75(m,2H),2.31(m,1H),3.54(m,1H),4.04(m,2H),4.27(s,2H),7.64(m,4H),7.81(m,1H),7.92(m,1H)。
【0162】
実施例17:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸(17)の製造
【化39】
ステップ1:2-(4-ブロモ-3-メチルベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(17B)の製造
4-ブロモ-3-メチル安息香酸(5.98g、27.8mmol)、ジクロロメタン(80mL)、カルバジン酸t-ブチル(4.50g、34.4mmol)、DMAP(13.5g、111mmol)及びEDCI(7.50g、38.9mmol)を反応フラスコに添加し、室温で20時間撹拌した。反応終了後、100mLの水、100mLのジクロロメタンを添加して抽出し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、8.90gの淡黄色固体状の表題産物を得て、そのまま次のステップに使用し、収率が97.1%である。
【0163】
ステップ2:4-ブロモ-3-メチルベンゾヒドラジド(17C)の製造
2-(4-ブロモ-3-メチルベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(8.90g、27.1mmol)、酢酸エチル(50mL)を反応フラスコに添加し、0℃で飽和塩酸酢酸エチル溶液(40mL)を添加し、次に室温で18時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpHを8~9に調節し、濾過し、乾燥させて、5.60gの白色固体状の表題産物を得て、収率が90.5%である。
【0164】
ステップ3:2-(4-ブロモ-3-メチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(17D)の製造
4-ブロモ-3-メチルベンゾヒドラジド(5.60g、24.5mmol)、オルトギ酸トリエチル(50mL)を反応フラスコに添加し、105℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:n-ヘプタン:酢酸エチル=3:1)で精製して、4.20gの白色固体状の表題産物を得て、収率が71.8%である。
【0165】
ステップ4:(Z)-4-ブロモ-N-((E)-(((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチレン)-3-メチルベンゾヒドラジン酸(17E)の製造
2-(4-ブロモ-3-メチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(0.50g、2.10mmol)、DMF(10mL)、4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)(0.82g、2.10mmol)、DIPEA(5mL)を反応フラスコに添加し、110℃で18時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(40mL)とジクロロメタン(40mL)を添加し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、0.40gの褐色固体状の表題産物を得て、収率が30.2%である。
【0166】
ステップ5:2-(4-ブロモ-3-メチルフェニル)-5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール(17F)の製造
(Z)-4-ブロモ-N-((E)-(((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチレン)-3-メチルベンゾヒドラジン酸(0.40g、0.63mmol)、ジクロロメタン(10mL)、ヨードベンゼンジアセテート(0.31g、0.95mmol)を反応フラスコに添加し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して、0.35gの黄色油状物の表題産物を得て、収率が87.8%である。
【0167】
ステップ6:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸メチルエステル(17G)の製造
2-(4-ブロモ-3-メチルフェニル)-5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール(0.35g、0.56mmol)、Pd(dppf)Cl(41mg、0.056mmol)、酢酸ナトリウム(92mg、1.12mmol)、メタノール(10mL)、DMF(3mL)を高圧タンク(TGYF、華欧)に添加し、一酸化炭素で空気を3回排出し、0.5mPaで、80℃で16時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して、0.20gの黄色油状物の表題産物を得て、収率が59.0%である。
【0168】
ステップ7:4-(5-(((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸(17)の製造
4-(5-(((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸メチルエステル(0.20g、0.33mmol)、メタノール(10mL)、水(5mL)、THF(15mL)、水酸化リチウム(33mg、1.36mmol)を反応フラスコに添加し、40℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応液を塩酸でpH=1~2に調節し、水(40mL)及び酢酸エチル(40mL)を添加し、有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取液体クロマトグラフィー(溶離剤:0%~100%アセトニトリル:水)で精製して、76mgの白色固体状の表題産物を得て、収率が38.8%である。
【0169】
MS:m/z=595.3[M+H]
【0170】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.14(m,4H),1.65(m,2H),1.79(m,4H),1.97(m,2H),2.36(m,1H),2.51(m,3H),3.50(m,1H),4.18(m,2H),4.28(s,2H),7.62(m,5H),7.92(m,1H)。
【0171】
実施例18:5-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピコリン酸(18)の製造
【化40】
テレフタル酸モノメチルの代わりにピリジン-2,5-ジカルボン-2-メチルエステルを用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物18を得た。
【0172】
MS:m/z=582.5[M+H]
【0173】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.14(m,4H),1.65(m,2H),1.79(m,4H),1.95(m,2H),2.35(m,1H),3.53(m,1H),4.19(m,2H),4.27(s,2H),7.59(m,3H),8.15(m,1H),8.38(m,1H),9.14(m,1H)。
【0174】
実施例19:6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ニコチン酸(19)の製造
【化41】
テレフタル酸モノメチルの代わりに5-(メトキシカルボニル)-2-ピリジンカルボン酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物19を得た。
【0175】
MS:m/z=582.5[M+H]
【0176】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.95(m,2H),2.35(m,1H),3.53(m,1H),4.20(m,2H),4.27(s,2H),7.62(m,3H),8.12(m,1H),8.39(m,1H),9.14(m,1H)。
【0177】
実施例20:5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸(20)の製造
【化42】
4-ブロモ-3-メチル安息香酸の代わりに4-ブロモチオフェン-2-カルボン酸を用いた以外、実施例17の製造方法と同じであり、表題化合物20を得た。
【0178】
MS:m/z=587.7[M+H]
【0179】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.61(m,2H),1.76(m,4H),1.85(m,2H),2.33(m,1H),3.47(m,1H),4.12(m,2H),4.25(s,2H),7.58(m,3H),7.77(m,1H),8.39(m,1H)。
【0180】
実施例21:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸(21)の製造
【化43】
4-ブロモ-3-メチル安息香酸の代わりに5-ブロモ-3-チオフェンカルボン酸を用いた以外、実施例17の製造方法と同じであり、表題化合物21を得た。
【0181】
MS:m/z=587.4[M+H]
【0182】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.13(m,4H),1.68(m,2H),1.77(m,4H),1.85(m,2H),2.33(m,1H),3.47(m,1H),4.13(m,2H),4.26(s,2H),7.64(m,3H),7.94(m,1H),8.34(m,1H)。
【0183】
実施例22:4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(22)の合成
【化44】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物22を得た。
【0184】
MS:m/z=597.7[M+H]
【0185】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.13(m,4H),1.66(m,2H),1.80(m,4H),1.95(m,2H),2.33(m,1H),3.53(m,1H),4.17(m,2H),4.33(s,2H),7.82(m,4H),7.96(m,2H),8.08(m,2H)。
【0186】
実施例23:2-クロロ-4-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(23)の製造
【化45】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに3-クロロ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物23を得た。
【0187】
MS:m/z=631.5[M+H]
【0188】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.13(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.99(m,2H),2.33(m,1H),3.51(m,1H),4.20(m,2H),4.33(s,2H),7.55(m,2H),7.68(m,2H),7.89(m,2H),7.94(m,1H)。
【0189】
実施例24:6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-カルボン酸(24)の製造
【化46】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに2,6-ピリジンジカルボン酸モノメチルを用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物24を得た。
【0190】
MS:m/z=598.5[M+H]
【0191】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.13(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.98(m,2H),2.33(m,1H),3.51(m,1H),4.20(m,2H),4.32(s,2H),7.62(m,4H),8.25(m,3H)。
【0192】
実施例25:5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸(25)の製造
【化47】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに5-カルボキシチオフェン-2-カルボン酸メチルエステルを用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物25を得た。
【0193】
MS:m/z=603.4[M+H]
【0194】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.65(m,2H),1.74(m,4H),1.79(m,2H),2.33(m,1H),3.53(m,1H),4.14(m,2H),4.32(s,2H),7.65(m,6H)。
【0195】
実施例26:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロ安息香酸(26)の製造
【化48】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに3-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物26を得た。
【0196】
MS:m/z=615.3[M+H]
【0197】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.95(m,2H),2.32(m,1H),3.52(m,1H),4.15(m,2H),4.33(s,2H),7.62(m,2H),7.80(m,2H),7.89(m,2H),8.02(m,1H)。
【0198】
実施例27:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-メチル安息香酸(27)の製造
【化49】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに2-メチル-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物27を得た。
【0199】
MS:m/z=611.4[M+H]
【0200】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.16(m,4H),1.72(m,2H),1.77(m,4H),2.00(m,2H),2.43(m,1H),2.59(s,3H),3.54(m,1H),4.22(m,2H),4.30(s,2H),7.63(m,2H),7.71(m,2H),7.95(m,3H)。
【0201】
実施例28:3-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)安息香酸(28)の製造
【化50】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに3-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物28を得た。
【0202】
MS:m/z=597.2[M+H]
【0203】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.94(m,2H),2.33(m,1H),3.53(m,1H),4.17(m,2H),4.32(s,2H),7.65(m,5H),8.05(m,2H),8.35(m,1H)。
【0204】
実施例29:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-フルオロ安息香酸(29)の製造
【化51】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに2-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)安息香酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物29を得た。
【0205】
MS:m/z=615.5[M+H]
【0206】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.90(m,2H),2.31(m,1H),3.52(m,1H),4.15(m,2H),4.32(s,2H),7.57(m,2H),7.67(m,2H),7.85(m,2H),8.02(m,1H)。
【0207】
実施例30:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-メチル安息香酸(30)の製造
【化52】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用いた以外、実施例17の製造方法と同じであり、表題化合物30を得た。
【0208】
MS:m/z=611.4[M+H]
【0209】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.11(m,4H),1.67(m,2H),1.80(m,4H),2.08(m,2H),2.33(m,1H),2.54(m,1H),3.54(m,1H),4.19(m,2H),4.34(s,2H),7.67(m,6H),7.93(m,1H)。
【0210】
実施例31:5-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピコリン酸(31)の製造
【化53】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりにピリジン-2,5-ジカルボン酸-2-メチルエステルを用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物31を得た。
【0211】
MS:m/z=598.5[M+H]
【0212】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.10(m,4H),1.68(m,2H),1.80(m,4H),1.98(m,2H),2.35(m,1H),3.53(m,1H),4.20(m,2H),4.34(s,2H),7.59(m,4H),8.15(m,1H),8.36(m,1H),9.14(m,1H)。
【0213】
実施例32:6-(5-((1R,3r,5S)-3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ニコチン酸(32)の製造
【化54】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、テレフタル酸モノメチルの代わりに5-(メトキシカルボニル)-2-ピリジンカルボン酸を用いた以外、実施例8の製造方法と同じであり、表題化合物32を得た。
【0214】
MS:m/z=598.5[M+H]
【0215】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.13(m,4H),1.69(m,2H),1.81(m,4H),1.95(m,2H),2.35(m,1H),3.53(m,1H),4.18(m,2H),4.28(s,2H),7.63(m,4H),8.12(m,1H),8.39(m,1H),9.14(m,1H)。
【0216】
実施例33:5-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸(33)の製造
【化55】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、4-ブロモ-3-メチル安息香酸の代わりに4-ブロモチオフェン-2-カルボン酸を用いた以外、実施例17の製造方法と同じであり、表題化合物33を得た。
【0217】
MS:m/z=603.3[M+H]
【0218】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.13(m,4H),1.66(m,2H),1.79(m,4H),1.85(m,2H),2.35(m,1H),3.34(m,1H),4.15(m,2H),4.33(s,2H),7.57(m,4H),7.79(m,1H),8.38(m,1H)。
【0219】
実施例34:4-(5-((1R,3r,5S)-(3-((5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-4-イル)メトキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸(34)の製造
【化56】
4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2,6-ジクロロフェニル)イソオキサゾール(1C)の代わりに4-((((1R,3r,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)オキソ)メチル)-5-シクロプロピル-3-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール(文献WO2012087519に開示された方法に従って製造される)を用い、4-ブロモ-3-メチル安息香酸の代わりに5-ブロモ-3-チオフェンカルボン酸を用いた以外、実施例17の製造方法と同じであり、表題化合物34を得た。
【0220】
MS:m/z=603.4[M+H]
【0221】
H NMR(300MHz,DMSO): δppm1.17(m,4H),1.72(m,2H),1.85(m,4H),1.93(m,2H),2.56(m,1H),3.53(m,1H),4.18(m,2H),4.38(s,2H),7.61(m,2H),7.70(m,2H),8.01(m,1H),8.41(m,1H)。
【0222】
本発明の化合物に対する生物学的評価
試験例1:本発明の化合物のFXR作動活性の評価
ルシフェラーゼレポーター遺伝子実験(luciferase assay)を用いて本発明の化合物のFXR作動活性を評価する。
【0223】
実験手順は、以下を含む。luc2P-GAL4-HEK293安定形質転換細胞株(HEK293細胞によってpGL4.35プラスミドをトランスフェクトし、Hygromycin Bを用いてスクリーニングして確立されたものである。該細胞は、9×GAL4 UAS及びホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子を含有する。リガンド活性化LBD-GAL4 DBD融合タンパク質は、核に入り、9×GAL4 UASに結合して下流のルシフェラーゼレポーター遺伝子の転写を活性化することができる)を96ウェルプレートに移し、1ウェルあたりに1×10細胞である。X-tremeGENE HPトランスフェクション試薬を用いてpBIND-FXR(FXR-LBDをpFN26A-BIND hRluc-neo Flexi(R)ベクターに挿入することにより構築されたものである。プラスミドは、サイズが7.5kbであり、Amp耐性を有し、FXR-LBDを含有し、FXR-LBD及びGAL4 DBD融合タンパク質を発現することができる)をトランスフェクトし、プラスミドとトランスフェクション試薬との比率が1μg: 2μlであり、具体的な使用量は、1ウェルあたりに100ngのプラスミド、0.2μlのX-tremeGENE HPトランスフェクション試薬であり、試験化合物を添加し(各化合物を添加する最高濃度が30μMであり、3倍希釈し、合計で10個の濃度がある)、ルシフェラーゼ発現を誘導した。24時間後、試験細胞を含有する96ウェルプレートをインキュベータから取り出し、室温に置き、1ウェルあたりに、ウェル内の培地の体積に等しいDual-Glo(R) Luciferase Reagent(80μl/ウェル)を添加し、均一に混合し、室温で20minインキュベートし、細胞を十分に溶解させ、次にウェルプレート内の液体全体を96ウェルマイクロタイタープレートに移し、多機能プレートリーダー(メーカー:Bio Tek(USA)、型番:Synergy4)を用いてホタルルシフェリン値を測定し、1ウェルあたりに初期培地の体積と等しいDual-Glo(R) Stop & Glo(R) Reagent(80μl/ウェル)を添加し、均一に混合し、室温で10minインキュベートし、次にレニラルシフェリン値を測定した。レニラ蛍光の測定順序は、ホタル蛍光の測定順序と同じであるべきである。GraphPad Prism 5ソフトウェアを用いて、非線形回帰法を採用して曲線適合及びEC50計算を行い、適合方程式は、Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((LogEC50-X)*HillSlope))である。ここで、EC50が半有効濃度であり、Topが最大効果であり、Bottomがブランク効果であり、HillSlopeが勾配である。化合物の活性は、表1に示すとおりである。
【0224】
表1では、Aは、化合物がFXRを作動する活性のEC50<25nMを指し、Bは、EC50=25nM~50nMを指し、Cは、EC50=50nM~100nMを指し、Dは、EC50=100nM~500nMを指し、Eは、EC50>500nMを指す。
【0225】
【表1】
結論:上記表1に記載されるように、本発明の化合物は、インビトロFXR作動活性を示す。
【0226】
試験例2:本発明の化合物のイソチオシアン酸1-ナフチル(ANIT)誘発性胆汁うっ滞ラットモデルに対する治療効果
動物:北京市維通利華実験動物技術有限会社から購入され、動物生産許可証番号がSCXK(京)2016-0011であり、許可証発行機構が北京市科学技術委員会であり、体重が220~240gである7~8週齢の雄性SDラット。
【0227】
試料調製:本発明の化合物をDMSOに添加し、完全に溶解するまで超音波処理した。0.5%のCMC-Na(DMSO:0.5%のCMC-Na=1:99)を添加して定容した後、均一に溶解するまで超音波処理し、使用に備える。
【0228】
動物を3~5日間順化させて、体重に応じて、正常群、モデル群、実施例8(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例11(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例12(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例14(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例20(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例22(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例26(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、実施例28(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群、及び実施例29(3mg/kg/d、10mg/kg/d)群の20群に分け、1群あたりに10匹であり、最初に胃内投与し、投与体積を10mL/kgとし、1日1回投与し、合計で4日間投与した。投与2日目に、正常群以外に各動物にANIT(イソチオシアン酸1-ナフチル、Macklin、純度98%、品番:N814658、CAS番号:551-06-4、規格:5g/ボトル、保存条件:2~8度、ロット番号:C10116101。)を、試料投与の4時間後、50mg/kgの投与量で、5mL/kgの投与体積で1回胃内投与し、4日目に朝に絶食させた。小動物麻酔器を用いてイソフルラン吸入で麻酔した後、毛細ガラス管を用いて、眼球後静脈叢から採血して約1時間放置し、1匹あたりに約1mlであり、3500回転/分で、10分間遠心分離し、血清を採取し、AU480全自動生化学分析システム(BECKMAN COULTER)を用いてALT、AST、GGT及びTBA指標を測定して血中薬物濃度を測定した。肝臓を摘出し、秤量し、細切し、生理食塩水(肝臓重量:生理食塩水=1:2)を添加し、ホモジナイズした後に冷凍保存し、肝臓中薬物濃度を測定し、超高速液体クロマトグラフィーShimadzu、LC 30AD、及び三連四重極型質量分析装置AB、TQ5500で検出した。
【0229】
本発明の化合物のANIT誘発性胆汁うっ滞ラットに対する治療効果は、以下の表2に示すとおりである。本発明の化合物の、ANIT誘発性胆汁うっ滞ラットに4日間投与した後の血中薬物濃度及び肝臓中薬物濃度は、以下の表3、表4及び表5に示すとおりである。
【0230】
【表2】
【0231】
【表3】
【表4】
【表5】
結論:本発明の実施例8、11、12、14、20、22、26、28、29がANIT誘発性胆汁うっ滞ラット血清中のALT、AST、GGT及びTBAレベルを顕著に低下させたため、本発明の化合物がラットのANIT誘発性胆汁うっ滞を顕著に改善できることを示す。そして、これらの化合物は、高い肝臓標的性を有する。
【0232】
試験例3:本発明の化合物のhERGチャネルに対する作用の試験
試験試薬:
【表6】
試験機器:
【表7】
細胞内外液:
細胞外液: 140mMのNaCl、3.5mMのKCl、1mMのMgCl、2mMのCaCl、10mMのグルコース、10mMのHEPES、及び1.25mMのNaHPO、NaOHでpH=7.4に調節した。
【0233】
細胞内液: 20mMのKCl、115mMのK-アスパラギン酸、1mMのMgCl、5mMのEGTA、10mMのHEPES、及び2mMのNa-ATP、KOHでpH=7.2に調節した。
【0234】
試験試料の調製:
10mLの細胞外液で本発明の実施例8の化合物ストック溶液(30.26mMのDMSO溶液)を順に希釈し、0.3μΜ、1μΜ、3μΜ、0μΜ以及30μΜの液体に調製した。目視で試験試料の溶解性を確認すると、試験試料全体が溶解して肉眼で見える沈殿物がなかった。
【0235】
シサプリド(陽性対照)の調製:
10mgのシサプリドを2066.29μLのジメチルスルホキシド(DMSO)で10mMのストック溶液に調製した。ジメチルスルホキシド(DMSO)でシサプリドストック溶液を順に1μM、10μM、100μM及び1mMに希釈し、合計で4つの濃度がある。検出する前に、1つの濃度あたりに10μL取って10mLの細胞外液に添加して、DMSO濃度が0.1%であることを確保した。シサプリドの最終的な作業濃度は1nM、10nM、100nM及び1μMである。目視でシサプリドの溶解性を確認すると、シサプリド全体が溶解して肉眼で見える沈殿物がなかった。
【0236】
細胞培養:
hERGカリウムチャネルを安定に発現するHEK293細胞株(サプライヤCreacell、品番A-0302)を、10%のウシ胎児血清及び0.8mg/mLのG418を含有するDMEM培地で培養し、培養温度が37℃であり、二酸化炭素の濃度が5%である。
【0237】
細胞継代:古い培地を除去してPBSで1回洗浄し、次に1mLのTrypLE(TM)発現溶液を添加し、37℃で0.5分間インキュベートした。細胞を皿の底部から離脱させる場合、5mLの37℃で予熱した完全培地(10%のウシ胎児血清及び0.8mg/mLのG418を含有するDMEM培地)を添加した。細胞懸濁液をピペットで軽くピペッティングして、凝集した細胞を分離した。細胞懸濁液を滅菌遠心管に移し、1000rpmで5分間遠心分離して細胞を収集した。拡大培養するか又は維持培養し、細胞を6センチメートルの細胞培養皿に接種し、1つの細胞培養皿あたりの接種細胞量が2.5×10個の細胞(最終体積:5mL)である。細胞の電気生理学的活性を維持するために、細胞密度は80%を超えてはならない。パッチクランプで検出し、実験前に細胞をTrypLE(TM)発現溶液で分離し、3×10個の細胞をカバーガラスに広げ、24ウェルプレートで培養し(最終体積:500μL)、18時間後、実験により検出した。
【0238】
電気生理学的記録の実験方法:
全細胞hERGカリウム電流に全細胞パッチクランプ記録を行う電圧刺激スキームは以下のとおりである。全細胞シールを形成した後にパッチクランプを-80mVに設定した。クランプ電圧を-80mVから+30mVまで脱分極して2.5秒維持し、その後に-50mVに4秒維持して、hERGチャネルのテール電流を励起することができる。実験は、-50mVをリーク電流として検出した。10秒ごとにデータを繰り返して収集し、薬物のhERGテール電流に対する作用を観察した。実験データをEPC-10増幅器(HEKA)により収集してPatchMaster(HEKA)ソフトウェアに記憶した。
【0239】
微小電極プラー(P97、Sutter Instruments)で毛細ガラス管(BF150-86-10、Sutter Instruments)から記録電極を作成した。倒立顕微鏡(IX71、Olympus)で微小電極マニピュレーター(MP285、Sutter Instruments)を操作し、記録電極を細胞に接触させて、負圧を与えて吸引し、GΩシールを形成した。GΩシールを形成した後に迅速静電容量補償を行い、次に負圧を与え続け、細胞膜を破り、全細胞記録モードを形成した。そして低速静電容量補償を行って膜容量及び直列抵抗を記録した。リーク補償を行わなかった。
【0240】
全細胞記録されたhERG電流が安定した後に投与を開始し、各薬物濃度で5分間(又は電流が安定するまで)作用した後に次の濃度で検出し、各試験化合物に対して複数の濃度で検出した。細胞を広げたカバーガラスを倒立顕微鏡内の記録浴槽に置き、試験化合物及び化合物を含まない外液が重力灌流方法を利用して低濃度から高濃度へ記録セルを順に流れて細胞に作用し、記録中に真空ポンプを利用して液体交換を行った。各細胞に対して化合物を含まない外液で検出された電流を自体の対照群とした。3つの細胞を独立して繰り返して検出した。全ての電気生理学的実験は、室温で行われた。
【0241】
データ品質基準:
以下の基準は、データを受け入れることができるか否かを判断するために用いられる。
【0242】
(1)直列抵抗≦20MΩ
(2)シール抵抗≧1GΩ
(3)開始テール電流ピーク値≧400pA
(4)開始テール電流ピーク値が活性化電流ピーク値より大きい
(5)テール電流には明らかな自発的減衰がない(5分間内に自発的減衰が5%未満である)
(6)膜電位が-80mVである場合に明らかなリーク電流がない(リーク電流≦100pA)。
【0243】
本発明の実施例8の化合物のhERGチャネルへの抑制作用及び50%抑制濃度(IC50)の結果は、以下の表6に示すとおりである。
【0244】
【表8】
実験結果によると、本発明の実施例8の化合物は、hERGチャネルに対して抑制作用がない。
【国際調査報告】