(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 37/10 20060101AFI20220309BHJP
D06F 37/28 20060101ALI20220309BHJP
D06F 39/14 20060101ALI20220309BHJP
D06F 34/20 20200101ALI20220309BHJP
【FI】
D06F37/10
D06F37/28
D06F39/14 Z
D06F34/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522519
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2019110543
(87)【国際公開番号】W WO2020083037
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】201811234636.7
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811234616.X
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811234680.8
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【テーマコード(参考)】
3B165
3B167
【Fターム(参考)】
3B165AA05
3B165AE02
3B165AE07
3B165BA34
3B165CA01
3B165CA12
3B165CA15
3B165CA17
3B165CB01
3B165CB31
3B165CC02
3B165JM02
3B165JM03
3B167AA05
3B167AE02
3B167AE07
3B167BA34
3B167KA84
3B167KB02
(57)【要約】
ドラム洗濯機及びその制御方法において、ドラム洗濯機は内槽(1)を含み、前記内槽に投入口が設けられている。前記投入口には内槽ドア(2)が設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉される。前記内槽ドアには、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されている。前記内槽ドアと内槽の間には、内槽の投入口の形状に適合する環状のシール構造(23)が設置されている。内槽ドアは取り外し可能且つ回動可能に内槽の投入口に設置されている。前記内槽ドアは、内槽ドアで内槽の投入口を密閉するためのロック装置を備える。当該ドラム洗濯機は、検出構造がシンプル且つ確実であるとともに、良好に密閉することで漏水を防止可能である。且つ、内槽ドアの着脱が容易である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内槽を含み、前記内槽に投入口が設けられているドラム洗濯機において、
前記投入口には内槽ドアが設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉され、前記内槽ドアには、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されていることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記ハウジングにおける内槽ドア寄りの位置に検出部材が固定されており、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、ハウジングにおける内槽ドアに対応する位置には本体ドアが設けられており、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記本体ドアに検出部材が固定されており、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
前記検出部材はリードスイッチであり、前記被検出部材は磁石であり、内槽ドアが所定の位置に閉止されると、磁石とリードスイッチの間が所定の距離となって、対応する信号が生成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のドラム洗濯機。
【請求項5】
前記内槽ドアは、一端が内槽にヒンジ接続され、他端にドアロックが設けられており、前記ドアロックにおける本体ドア寄りの側に被検出部材が設置されており、前記リードスイッチは、ハウジング/本体ドアにおける被検出部材に対応する位置に設置されており、
好ましくは、前記本体ドアはヒンジによりハウジングに装着されており、前記本体ドアと内槽ドアは同一の開放方向を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載のドラム洗濯機。
【請求項6】
前記内槽ドアに設置される被検出部材と、ハウジング/本体ドアに設置される検出部材は同一の水平面に位置することを特徴とする請求項2又は3に記載のドラム洗濯機。
【請求項7】
ドラム洗濯機の制御方法であって、
前記ドラム洗濯機は内槽を含み、前記内槽に投入口が設けられており、前記投入口には内槽ドアが設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉され、前記内槽ドアには位置検出装置が設置されており、前記制御方法では、ドラム洗濯機が位置検出装置の信号から内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、前記ハウジングの対応する位置に検出部材が固定されており、前記制御方法では、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときのハウジングとの距離によって信号Aが生成され、内槽が所定の位置に閉止されていないときのハウジングとの距離によって信号Bが生成され、ドラム洗濯機は、内槽ドアが閉止されると検出を行い、信号Aを受信した場合には所定の位置に閉止されたとの判断結果を得て洗浄を行うことを特徴とする請求項7に記載のドラム洗濯機の制御方法。
【請求項9】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記ハウジングには本体ドアが設けられており、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、前記本体ドアにおける内槽ドア上の被検出部材に対応する位置に検出部材が設置されており、前記制御方法では、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときの閉止後の本体ドアとの距離によって信号A’が生成され、内槽が所定の位置に閉止されていないときの閉止後の本体ドアとの距離によって信号B’が生成され、ドラム洗濯機は、内槽ドア及び本体ドアが閉止されると検出を行い、信号A’を受信した場合には所定の位置に閉止されたとの判断結果を得て洗浄を行うことを特徴とする請求項7に記載のドラム洗濯機の制御方法。
【請求項10】
ドラム洗濯機の動作過程全般にわたり、位置検出装置の信号の変化に基づいて内槽ドアの位置を監視するか、洗濯機の動作過程において、内槽ドアが1回開放されて再び閉止されるごとに、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする請求項7に記載のドラム洗濯機の制御方法。
【請求項11】
内槽の投入口を密閉するための内槽ドアが内槽に設置されているドラム洗濯機において、
前記内槽ドアと内槽の間には、内槽の投入口の形状に適合する環状のシール構造が設置されていることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項12】
前記内槽の投入口には、外向きにカールすることで一定の弧度を有する巻縁が形成されており、前記シール構造における巻縁との接触面には巻縁に適合する巻縁凹溝が設けられていることを特徴とする請求項11に記載のドラム洗濯機。
【請求項13】
巻縁を巻縁凹溝に嵌入したあと、シール構造の変形により巻縁をしっかりと包み込むよう、前記巻縁凹溝の断面形状の弧度は、巻縁の断面形状の弧度よりも大きくなっていることを特徴とする請求項12に記載のドラム洗濯機。
【請求項14】
前記シール構造と内槽ドアは、一体的に成型されるか、取り外し可能に固定接続されることを特徴とする請求項11に記載のドラム洗濯機。
【請求項15】
前記内槽ドアには位置規制部が設けられており、前記シール構造には装着部が設けられており、前記装着部が位置規制部に位置規制されることで固定接続がなされることを特徴とする請求項14に記載のドラム洗濯機。
【請求項16】
前記位置規制部は、内部が広く、内槽寄りの部分が狭くなった環状凹溝であり、前記シール構造の装着部と位置規制凹溝の断面形状は適合しており、シール構造は位置規制部に装入されることで固定されることを特徴とする請求項15に記載のドラム洗濯機。
【請求項17】
前記内槽ドアは回動可能に内槽の投入口に設置されており、好ましくは、前記内槽ドアは、一端がヒンジによって内槽の投入口に固定されており、他端にロック装置が設けられていることを特徴とする請求項11~16に記載のドラム洗濯機。
【請求項18】
前記ヒンジは、内槽及び内槽ドアにそれぞれ設置されるヒンジ軸及びヒンジベースを含み、前記ヒンジ軸は伸縮可能にヒンジベースに設置されていることを特徴とする請求項17に記載のドラム洗濯機。
【請求項19】
前記内槽ドアには、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されていることを特徴とする請求項11~16に記載のドラム洗濯機。
【請求項20】
前記内槽ドアには磁石が設置されており、前記ドラム洗濯機は、ハウジングと、ハウジングに設置された本体ドアを更に含み、前記ハウジング又は本体ドアにはリードスイッチが設置されており、ハウジング又は本体ドアと内槽ドアとの距離によりリードスイッチの開閉状態が変化することで、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かが判断されることを特徴とする請求項19に記載のドラム洗濯機。
【請求項21】
内槽と、内槽の投入口に設置される内槽ドアを含むドラム洗濯機において、
前記内槽ドアは取り外し可能且つ回動可能に内槽の投入口に設置されており、前記内槽ドアは、内槽ドアで内槽の投入口を密閉するためのロック装置を備えることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項22】
前記内槽ドアには伸縮可能な回転軸が設けられており、内槽の対応位置には軸孔が設けられており、前記回転軸は、着脱が容易となるよう、伸縮可能に設けられた一端を少なくとも含むことを特徴とする請求項21に記載のドラム洗濯機。
【請求項23】
前記内槽ドアには空洞が設けられており、前記空洞は第1空洞と第2空洞を含み、前記回転軸は、第1空洞内に固定される第1回転軸と、伸縮可能に第2空洞内に設置される第2回転軸を含み、前記第1回転軸と第2回転軸は同軸に設置されることを特徴とする請求項22に記載のドラム洗濯機。
【請求項24】
前記第2空洞内には固定ブロック及び弾性部材が設けられており、前記弾性部材は、一端が位置決めブロックに当止しており、他端が第2回転軸に当止して第2回転軸を伸縮可能としていることを特徴とする請求項23に記載のドラム洗濯機。
【請求項25】
前記内槽ドアには空洞が設けられており、前記回転軸は、空洞の両端に設けられるとともに同軸に設置される第1回転軸及び第2回転軸を含み、第1回転軸と第2回転軸の間には弾性部材が設けられており、前記第1回転軸と第2回転軸はいずれも空洞に対して伸縮可能であることを特徴とする請求項22に記載のドラム洗濯機。
【請求項26】
前記空洞の内部には位置規制凹溝が設けられており、前記回転軸の外部には位置規制凹溝と適合する位置規制突起が設けられており、或いは、空洞の内部には位置規制突起が設けられており、前記回転軸の外部には位置規制突起と適合する位置規制凹溝が設けられており、周方向における回転軸の回動が規制されていることを特徴とする請求項23又は25に記載のドラム洗濯機。
【請求項27】
前記ロック装置はロック孔及びロックピンを含み、前記ロック孔及びロックピンはそれぞれ内槽及び内槽ドアに設置されており、前記ロック装置には、ロックピンがロック孔に挿入されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されていることを特徴とする請求項21に記載のドラム洗濯機。
【請求項28】
前記ロック装置は更にラッチを含み、前記ロック孔はラッチに設けられており、前記ロック装置は更にロックベースを含み、前記ロックベースにはラッチが係入される回避孔が設けられており、前記ロックピンは伸縮可能にロックベースに設置されるとともに、ロック孔に挿入されることでロックを実現可能であり、前記ラッチ及び/又はロックピンには位置検出装置が設置されていることを特徴とする請求項27に記載のドラム洗濯機。
【請求項29】
前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記ラッチ及び/又はロックピンに被検出部材が設置されており、前記ドラム洗濯機は更に外槽及びハウジングを含み、前記外槽又はハウジングに検出部材が設置されており、
好ましくは、ラッチに対応する検出部材がハウジングの前方パネルに設置されており、ロックピンに対応する検出部材が外槽に設置されていることを特徴とする請求項28に記載のドラム洗濯機。
【請求項30】
請求項21~29のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の制御方法において、
ドラム洗濯機はラッチ及び/又はロックピンが所定の位置に到達した旨の信号を受信すると、内槽ドアが所定の位置に閉止されたと判断することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭用電気製品の分野に属し、具体的には、ドラム洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。しかし、所要時間の長さや使用水量の多さなど、洗濯機にも一定の欠点は存在する。一方、社会の発展に伴い、水資源は大切な自然資源としてますます重要視されている。それに伴い、人々の節水意識も高まっており、如何にして洗濯機の節水機能を実現するかがとりわけ重要となっている。
【0003】
従来技術における孔無し内槽を有するドラム洗濯機は、伸縮可能なドアシールを設置することで内槽前方の投入口を閉塞するか、内槽の投入口に内槽ドアが設置されている。しかし、内槽ドアはハウジングの内部に設置されているため、ユーザは内槽ドアの位置を容易には観察できない。一方で、内槽ドアが内槽とシール構造を形成しなくなると、密閉された洗浄空間を形成不可能となり、節水洗浄という目的を実現できなくなる。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、ドラム洗濯機及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0007】
ドラム洗濯機は、内槽を含み、前記内槽に投入口が設けられている。前記投入口には内槽ドアが設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉される。前記内槽ドアには、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されている。
【0008】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含む。前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記ハウジングにおける内槽ドア寄りの位置に検出部材が固定されており、前記内槽ドアに被検出部材が固定されている。検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0009】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含む。ハウジングにおける内槽ドアに対応する位置には本体ドアが設けられている。前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記本体ドアに検出部材が固定されており、前記内槽ドアに被検出部材が固定されている。検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0010】
前記検出部材はリードスイッチであり、前記被検出部材は磁石である。内槽ドアが所定の位置に閉止されると、磁石とリードスイッチの間が所定の距離となって、対応する信号が生成される。
【0011】
前記内槽ドアは、一端が内槽にヒンジ接続され、他端にドアロックが設けられている。前記ドアロックにおける本体ドア寄りの側に被検出部材が設置されており、前記リードスイッチが、ハウジング/本体ドアにおける被検出部材に対応する位置に設置されている。
【0012】
好ましくは、前記本体ドアはヒンジによりハウジングに装着されており、前記本体ドアと内槽ドアは同一の開放方向を有している。
【0013】
前記内槽ドアに設置される被検出部材と、ハウジング/本体ドアに設置される検出部材は同一の水平面に位置する。
【0014】
ドラム洗濯機の制御方法では、前記ドラム洗濯機が内槽を含み、前記内槽に投入口が設けられている。前記投入口には内槽ドアが設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉される。前記内槽ドアには位置検出装置が設置されている。前記制御方法では、ドラム洗濯機が位置検出装置の信号から内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0015】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含む。前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、前記ハウジングの対応する位置に検出部材が固定されている。前記制御方法では、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときのハウジングとの距離によって信号Aが生成され、内槽が所定の位置に閉止されていないときのハウジングとの距離によって信号Bが生成される。ドラム洗濯機は、内槽ドアが閉止されると検出を行い、信号Aを受信した場合には所定の位置に閉止されたとの判断結果を得て洗浄を行う。
【0016】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記ハウジングには本体ドアが設けられている。前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、前記本体ドアにおける内槽ドア上の被検出部材に対応する位置に検出部材が設置されている。前記制御方法では、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときの閉止後の本体ドアとの距離によって信号Aが生成され、内槽が所定の位置に閉止されていないときの閉止後の本体ドアとの距離によって信号Bが生成される。ドラム洗濯機は、内槽ドア及び本体ドアが閉止されると検出を行い、信号Aを受信した場合には所定の位置に閉止されたとの判断結果を得て洗浄を行う。
【0017】
ドラム洗濯機の動作過程全般にわたり、位置検出装置の信号の変化に基づいて内槽ドアの位置を監視するか、洗濯機の動作過程において、内槽ドアが1回開放されて再び閉止されるごとに、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0018】
ドラム洗濯機は、内槽の投入口を密閉するための内槽ドアが内槽に設置されている。また、前記内槽ドアと内槽の間には、内槽の投入口の形状に適合する環状のシール構造が設置されている。
【0019】
前記内槽の投入口には、外向きにカールすることで一定の弧度を有する巻縁が形成されており、前記シール構造における巻縁との接触面には巻縁に適合する巻縁凹溝が設けられている。
【0020】
前記巻縁凹溝の断面形状の弧度は、巻縁の断面形状の弧度よりも大きくなっている。これにより、巻縁を巻縁凹溝に嵌入したあと、シール構造の変形により巻縁をしっかりと包み込む。
【0021】
前記シール構造と内槽ドアは、一体的に成型されるか、取り外し可能に固定接続される。
【0022】
前記内槽ドアには位置規制部が設けられている。また、前記シール構造には装着部が設けられており、前記装着部が位置規制部に位置規制されることで固定接続がなされる。
【0023】
前記位置規制部は、内部が広く、内槽寄りの部分が狭くなった環状凹溝である。前記シール構造の装着部と位置規制凹溝の断面形状は適合しており、シール構造は位置規制部に装入されることで固定される。
【0024】
前記内槽ドアは回動可能に内槽の投入口に設置されている。好ましくは、前記内槽ドアは、一端がヒンジによって内槽の投入口に固定されており、他端にロック装置が設けられている。
【0025】
前記ヒンジは、内槽及び内槽ドアにそれぞれ設置されるヒンジ軸及びヒンジベースを含む。前記ヒンジ軸は伸縮可能にヒンジベースに設置されている。
【0026】
前記内槽ドアには、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されている。
【0027】
前記内槽ドアには磁石が設置されている。また、前記ドラム洗濯機は、ハウジングと、ハウジングに設置された本体ドアを更に含む。前記ハウジング又は本体ドアにはリードスイッチが設置されており、ハウジング又は本体ドアと内槽ドアとの距離によりリードスイッチの開閉状態が変化することで、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かが判断される。
【0028】
ドラム洗濯機は、内槽と、内槽の投入口に設置される内槽ドアを含む。前記内槽ドアは取り外し可能且つ回動可能に内槽の投入口に設置されている。また、前記内槽ドアは、内槽ドアで内槽の投入口を密閉するためのロック装置を備える。
【0029】
前記内槽ドアには伸縮可能な回転軸が設けられており、内槽の対応位置には軸孔が設けられている。前記回転軸は、着脱が容易となるよう、伸縮可能に設けられた一端を少なくとも含む。
【0030】
前記内槽ドアには空洞が設けられている。前記空洞は第1空洞と第2空洞を含む。前記回転軸は、第1空洞内に固定される第1回転軸と、伸縮可能に第2空洞内に設置される第2回転軸を含む。前記第1回転軸と第2回転軸は同軸に設置される。
【0031】
前記第2空洞内には固定ブロック及び弾性部材が設けられている。前記弾性部材は、一端が位置決めブロックに当止しており、他端が第2回転軸に当止して第2回転軸を伸縮可能としている。
【0032】
前記内槽ドアには空洞が設けられている。前記回転軸は、空洞の両端に設けられるとともに同軸に設置される第1回転軸及び第2回転軸を含む。第1回転軸と第2回転軸の間には弾性部材が設けられており、前記第1回転軸と第2回転軸はいずれも空洞に対して伸縮可能である。
【0033】
前記空洞の内部には位置規制凹溝が設けられており、前記回転軸の外部には位置規制凹溝と適合する位置規制突起が設けられている。或いは、空洞の内部には位置規制突起が設けられており、前記回転軸の外部には位置規制突起と適合する位置規制凹溝が設けられている。これにより、周方向における回転軸の回動が規制されている。
【0034】
前記ロック装置はロック孔及びロックピンを含む。前記ロック孔及びロックピンはそれぞれ内槽及び内槽ドアに設置されている。また、前記ロック装置には、ロックピンがロック孔に挿入されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されている。
【0035】
前記ロック装置は更にラッチを含み、前記ロック孔はラッチに設けられている。前記ロック装置は更にロックベースを含み、前記ロックベースにはラッチが係入される回避孔が設けられている。前記ロックピンは伸縮可能にロックベースに設置されるとともに、ロック孔に挿入されることでロックを実現可能である。また、前記ラッチ及び/又はロックピンには位置検出装置が設置されている。
【0036】
前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記ラッチ及び/又はロックピンに被検出部材が設置されている。また、前記ドラム洗濯機は更に外槽及びハウジングを含み、前記外槽又はハウジングに検出部材が設置されている。
【0037】
好ましくは、ラッチに対応する検出部材がハウジングの前方パネルに設置されており、ロックピンに対応する検出部材が外槽に設置されている。
【0038】
ドラム洗濯機の制御方法において、前記ドラム洗濯機は上記のドラム洗濯機である。制御方法において、ドラム洗濯機は、ラッチ及びロックピンが所定の位置に到達した旨の信号を受信すると、内槽ドアが所定の位置に閉止されたと判断する。
【発明の効果】
【0039】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0040】
内槽ドアと対応位置との距離から内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断するため、内槽及び内槽ドアに複雑な検出構造を設置することなく、磁石を設置することで距離の検出を完了し得る。よって、ドラム洗濯機における判断に都合がよい。
【0041】
内槽と内槽ドアの間にシール構造を設置して、ロック構造及び回転軸構造と組み合わせることで、内槽ドアを閉止したあとに密閉空間が形成されるようにしているため、内槽からの漏水が防止される。シール構造は、一端が内槽の巻縁と適合する形状をなしており、他端が内槽ドアに固定されることで安定的な構造を形成している。
【0042】
回転軸構造とロック装置を組み合わせることで、内槽ドアを内槽に対し閉止及びロックできる。また、回転軸構造は伸縮可能に設置されているため、内槽ドアの着脱が容易である。且つ、ロック装置には位置検出装置が設置されているため、内槽ドアと内槽とのロックを保証可能であり、漏水が防止される。
【0043】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0044】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】
図1は、本発明のドラム洗濯機の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明のドラム洗濯機の分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の内槽及び内槽ドアの正面図である。
【
図4】
図4は、
図3におけるA-A部分の断面図の一実施例である。
【
図5】
図5は、
図3におけるA-A部分の断面図の一実施例である。
【
図9】
図9は、本発明におけるシール構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0047】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0048】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0049】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0050】
本発明はドラム洗濯機に関する。前記ドラム洗濯機を
図1及び
図2に示す。
【0051】
従来のドラム洗濯機の内槽は脱水孔を有しており、洗浄過程では内槽と外槽の間に水が満たされる。しかし、内槽と外槽の間は洗浄が容易でないため、汚れや垢が溜まりやすく、内槽内で衣類が汚染される。且つ、内槽と外槽の間の水は実質的には洗浄に関与しないため、水資源が無駄になってしまう。そこで、本発明のドラム洗濯機は、
図1に示すように、孔無し内槽を有するドラム洗濯機となっている。
【0052】
本発明のドラム洗濯機は、ハウジング3と、前端のハウジング3に設置される本体ドア4を含むとともに、内槽1と外槽を含んでいる。内槽1には、ユーザが衣類を内槽1に投入するための投入口が設けられている。閉塞された洗浄空間を内槽1に確実に形成するために、
図1及び
図2に示すように、内槽1の投入口には内槽ドア2が設置されている。前記内槽ドア2は開閉可能であり、取り外し可能且つ回動可能に内槽1の投入口に設置されている。また、動作過程で洗浄水が飛散しないよう、内槽ドア2で内槽1の投入口を密閉するためのロック装置が備わっている。
【0053】
内槽ドア2の固定方式を
図2~
図8に示す。一般的なドラム洗濯機の本体ドア4は、開閉が水平な回動によってなされる。そのため、内槽ドア2は、内槽ドア2の水平な両端に接続すればよい。
図3に示すように、内槽ドア2の一端を回転軸構造とし、回転軸及び孔構造を利用して内槽1に固定するとともに、他端をロック構造22とすることで、内槽ドア2を閉止したあと確実に密閉状となるようにする。
【0054】
前記内槽ドア2には伸縮可能な回転軸が設けられており、内槽1の対応位置には軸孔が設けられている。前記回転軸は、着脱が容易となるよう、伸縮可能に設けられた一端を少なくとも含む。
【0055】
図4は、一実施形態を示しており、一端のみが伸縮可能に設けられている。
図4は、本発明に係るドラム洗濯機における回転軸構造の断面図の一実施例であって、
図3のA-A部分の断面図である。前記内槽ドア2には第1空洞211と第2空洞212が設けられており、空洞には回転軸を伸出可能とする軸孔が備わっている。前記回転軸は、第1空洞211内に固定される第1回転軸と、伸縮可能に第2空洞212内に設置される第2回転軸を含む。前記第1回転軸213と第2回転軸214は同軸に設置される。前記第2空洞212内には固定ブロック215及び弾性部材216が設けられている。前記弾性部材216は、一端が固定ブロック215に当止しており、他端が第2回転軸214に当止して第2回転軸214を伸縮可能としている。
【0056】
装着しようとする際には、まず第1回転軸を内槽1の対応する軸孔に挿入してから、第2回転軸を第2空洞212内に押し込む。第2回転軸には固定ブロック215及び弾性部材が設けられているため、回転軸が目標位置に到達したあと、第2回転軸は再び空洞211’の軸孔から伸出して内槽1に設けられた軸孔に挿入される。これにより、内槽ドア2を内槽1に固定するとともに、回動可能とする。
【0057】
図5は、本発明におけるドラム洗濯機の回転軸構造の他の実施形態であって、回転軸の両端が伸縮可能に設けられている。
図5は、
図3のA-A部分の断面図である。前記内槽ドア2には空洞211’が設けられている。前記回転軸は、空洞211’の両端に設けられるとともに、同軸に設置される第1回転軸213’及び第2回転軸214’を含む。第1回転軸213’と第2回転軸214’の間には弾性部材216’が設けられており、前記第1回転軸と第2回転軸はいずれも空洞211’に対して伸縮可能である。具体的には、
図5に示すように設置する。第1回転軸と第2回転軸の間には弾性部材が設けられているため、装着過程では、第1回転軸及び/又は第2回転軸を空洞211’に押し込むことができる。そして、所定の位置に到達すると、第1回転軸/第2回転軸が飛び出して、内槽1の軸孔に挿入されることで、固定構造を形成するとともに軸沿いに回動可能となる。
【0058】
好ましくは、
図6に示すように、回転軸と空洞211’の間には位置規制構造が設けられている。
図6は、
図3のB-B部分の断面図である。空洞211’の内部には位置規制凹溝217が設けられており、回転軸には位置規制突起218が設けられている。位置規制突起218は位置規制凹溝217に係入する。これにより、内槽ドア2の回動過程において、回転軸と空洞211’の内壁とが相対運動することで内部における弾性部材等の構造の接続に支障をきたすとの事態を防止している。或いは、その他の位置規制構造によって、回転軸と空洞211’の周方向における相対運動を規制する。
【0059】
回転軸構造の対向端にはロック装置が設けられている。前記ロック装置はロック孔2221とロックピン2211を含み、前記ロック装置はロック孔2221とロックピン2211を含む。前記ロック孔2221及びロックピン2211は、それぞれ内槽1及び内槽ドア2に設置されている。
【0060】
図7及び
図8は本発明のロック装置である。内槽1にはロックベース221が設けられており、内槽ドア2にはラッチ222が設けられている。また、ラッチ222にはロック孔2221が備わっている。ロックベース221はラッチ222を回避する回避構造を有している。且つ、ロックベース221にはロックピン2211が設置されている。前記ロックピン2211は回避構造に挿入可能である。ラッチ222が回避構造に挿入されたあと、ロックピン2211はラッチ222のロック孔2221に対し整列可能である。よって、ラッチ222が回避構造に挿入されて、ロックピン2211がロック孔2221に挿入されることで、内槽ドア2はロック状態となる。
【0061】
ロックピン2211は他端にロックバネを有している。これにより、ロックピン2211はロックバネの働きで伸出状態となっており、ラッチ222がロックピン2211に当止したときにのみ収縮する。前記ロックピン2211を
図8に示す。ロックピン2211の伸出する先端には面取りが施されており、ラッチ222における回避構造に挿入される一端にも対応する面取りが施されている。ラッチ222がロックピン2211に接触すると、ロックピン2211は上方へ移動してロックバネを圧縮する。また、ラッチ222が回避構造の内部に向かって一定の距離だけ移動すると、ロック孔2221がロックピン2211の下部まで移動する。すると、ロックバネの働きでロックピン2211がロック孔2221に押し込まれ、内槽ドア2のロックが実現される。
【0062】
図9に示すように、内槽1と内槽ドア2の間には、内槽1の投入口の形状に適合する環状のシール構造23が更に設置されている。よって、内槽1内の水が隙間から流れ出し、正常な動作に支障をきたすとの事態が防止される。
【0063】
図10は、
図9の一部の拡大図である。図示するように、内槽1の投入口には、外向きにカールすることで一定の弧度を有する巻縁が形成されている。巻縁は、反転させることで閉塞パターンを形成可能である。前記シール構造23における巻縁との接触面には、当該巻縁に適合する巻縁凹溝が設けられている。
【0064】
シール構造23の具体的な設置位置については、
図7を参照してもよい。
【0065】
前記巻縁凹溝の断面形状の弧度は、巻縁の断面形状の弧度よりも大きくなっている。これにより、巻縁を巻縁凹溝に嵌入したあと、シール構造23の変形により巻縁をしっかりと包み込む。
【0066】
巻縁の断面の弧度と巻縁凹溝の円弧形状が適合していない場合や、巻縁凹溝の弧度が小さすぎる場合には、内槽1の巻縁とシール構造23の間に隙間が形成されるため、当止させたとしても良好なシール構造23を形成することができない。また、前記シール構造23と内槽ドア2は、一体的に成型されるか、取り外し可能に固定接続される。
【0067】
図10に示すように、前記内槽ドア2には位置規制部が設けられている。また、前記シール構造23には装着部231が設けられており、前記装着部231が位置規制部に位置規制されることで固定接続がなされる。前記位置規制部は、内部が広く、内槽1寄りの部分が狭くなった環状凹溝である。前記シール構造23の装着部231と位置規制凹溝217の断面形状は適合しており、シール構造23は位置規制部に装入されることで固定される。
【0068】
洗浄過程では、閉塞された洗浄空間を内槽1に形成せねばならないため、内槽ドア2が所定の位置に閉止されたか否かを判定する必要がある。所定の位置に閉止されていない場合には、内槽1から漏水するため、槽間に水を存在させない洗浄過程を実現することができない。
【0069】
本発明のドラム洗濯機は、内槽ドア2に位置検出装置を設置することで、内槽ドア2が所定の位置に閉止されたか否かを検出する。原理としては、内槽ドア2と内槽ドア2に近接する固定構造との距離を検出することで判断する。内槽ドア2と固定構造との距離が所定の距離に達した場合には、内槽ドア2が所定の位置に閉止されたと判定可能であるが、達していない場合には所定の位置に到達していない。
【0070】
当該方式は、具体的に次のように設置される。
図1に示すように、前記ドラム洗濯機は更にハウジング3を含む。また、前記位置検出装置は検出部材6と被検出部材5を含む。前記ハウジング3における内槽ドア2寄りの位置に検出部材6が固定されており、前記内槽ドア2に被検出部材5が固定されている。且つ、検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドア2が所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0071】
検出部材は、ハウジング3に設置するほか、本体ドア4に設置してもよい。本体ドア4は移動するが、ユーザは本体ドア4が所定の位置に閉止されたか否かを容易に判断することができる。そのため、本体ドア4が所定の位置に閉止されたあと、本体ドア4とハウジング3内部の内槽ドア2が所定の位置に到達したか否かを判断可能である。
【0072】
ハウジング3における内槽ドア2に対応する位置には本体ドア4が設けられている。前記本体ドア4と内槽ドア2は同一の開放方向を有している。また、前記本体ドア4には検出部材が固定されており、前記内槽ドア2には被検出部材が固定されている。且つ、検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドア2が所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0073】
上記の検出部材をリードスイッチ、上記の被検出部材を磁石としてもよい。内槽ドア2が所定の位置に閉止されると、磁石とリードスイッチの間が所定の距離となって、対応する信号が生成される。
【0074】
本発明における位置検出装置は磁石とリードスイッチの組み合わせに限らず、その他の近接スイッチとしてもよい。ただし、内槽ドア2は内槽1とともに回転する必要があるため、内槽1の回転に支障をきたさないよう、電気供給や信号伝送を要する回路構造を内槽ドア2に設置するのは好ましくない。
【0075】
検出部材と被検出部材が確実に感応し得るよう、これらをできる限り近い距離に設置することで、より鋭敏な感応が可能となる。好ましくは、前記内槽ドア2に設置される被検出部材と、ハウジング3/本体ドア4に設置される検出部材は同一の水平面に位置する。
【0076】
本発明のドラム洗濯機はロック装置を有しているため、ロック装置のラッチ222、ロックピン2211等の部材が所定の位置に達したか否かによって内槽ドア2のロックの有無を判断してもよい。これは、上記の実施形態の原理とは異なっている。
【0077】
図8に示すように、ロック装置には、ラッチ222とロックピン2211が所定の位置に同時に到達してロック状態を形成したか否かを検出するための位置検出装置を設置してもよい。ただし、ラッチ222は水平運動し、ロックピン2211は垂直運動するため、これらの距離検出装置は設置位置が異なる。
【0078】
ラッチ222の位置を検出する検出部材は本体ドア4又はハウジング3の前方パネルに設置すればよく、ロックピン2211の位置を検出する検出部材は外槽の然るべき位置かハウジング3の上部又は底部に設置すればよい。
【0079】
図11に示すように、内槽ドアは第1ドア体24及び第2ドア体25から構成される。第2ドア体には、ドア体の剛性を強化して変形及び漏れを防止すべく、補強リブ251が設けられている。第1ドア体と第2ドア体は、フック及びネジによって固定される。
【0080】
本発明は、更に、ドラム洗濯機の制御方法に関する。前記ドラム洗濯機については上述の通りである。前記制御方法では、位置検出装置の信号から内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0081】
位置検出装置が内槽ドアの外部とハウジングに設置されている場合、制御方法では、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときのハウジングとの距離によって信号Aが生成され、内槽が所定の位置に閉止されていないときのハウジングとの距離によって信号Bが生成される。ドラム洗濯機は、内槽ドアが閉止されると検出を行い、信号Aを受信した場合には所定の位置に閉止されたとの判断結果を得て洗浄を行う。
【0082】
位置検出装置が内槽ドアの外部と本体ドアに設置されている場合、制御方法では、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときの閉止後の本体ドアとの距離によって信号A’が生成され、内槽が所定の位置に閉止されていないときの閉止後の本体ドアとの距離によって信号B’が生成される。ドラム洗濯機は、内槽ドア及び本体ドアが閉止されると検出を行い、信号A’を受信した場合には所定の位置に閉止されたとの判断結果を得て洗浄を行う。
【0083】
位置検出装置がロック装置のロックピンとラッチに設置されている場合、制御方法では、ラッチが回避構造に挿入されてロック孔がロックピンと整列したとき、ラッチとハウジング/本体ドアとの距離によって信号aが生成されるが、その他の位置の場合には信号aが生成されることはない。また、ロックピンが完全に伸出した状態になると、ロックピンと外槽の上部/底部、或いはハウジングの上部/底部との距離によって信号bが生成されるが、その他の位置の場合には信号bが生成されることはない。また、2つの位置検出装置が同時に信号aと信号bを生成したとき、ドラム洗濯機は、ロックピンがロック孔に挿入されてロックを形成したと判断する。また、信号a或いは信号bが存在する場合、又は2つの信号がいずれも存在しない場合には、ロック状態であるとは判断できない。
【0084】
ドラム洗濯機の動作過程全般にわたり、位置検出装置の信号の変化に基づいて内槽ドアの位置を監視するか、洗濯機の動作過程において、内槽ドアが1回開放されて再び閉止されるごとに、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断する。
【0085】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0086】
1 内槽
2 内槽ドア
21 回転軸構造
211 第1空洞
211’ 空洞
212 第2空洞
213 第1回転軸
213’ 第1回転軸
214 第2回転軸
214’ 第2回転軸
215 固定ブロック
216 弾性部材
216’ 弾性部材
217 位置規制凹溝
218 位置規制突起
22 ロック構造
221 ロックベース
2211 ロックピン
222 ラッチ
2221 ロック孔
23 シール構造
231 装着部
24 第1ドア体
25 第2ドア体
251 補強リブ
3 ハウジング
4 本体ドア
5 被検出部材
6 検出部材
【手続補正書】
【提出日】2021-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内槽を含み、前記内槽に投入口が設けられているドラム洗濯機において、
前記投入口には内槽ドアが設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉され、前記内槽ドアには、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されていることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記ハウジングにおける内槽ドア寄りの位置に検出部材が固定されており、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
前記ドラム洗濯機は更にハウジングを含み、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、ハウジングにおける内槽ドアに対応する位置には本体ドアが設けられており、前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記本体ドアに検出部材が固定されており、前記内槽ドアに被検出部材が固定されており、検出部材と被検出部材の位置関係から、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
ドラム洗濯機の制御方法であって、
前記ドラム洗濯機は内槽を含み、前記内槽に投入口が設けられており、前記投入口には内槽ドアが設置されており、前記内槽ドアが閉止されると投入口が密閉され、前記内槽ドアには位置検出装置が設置されており、前記制御方法では、ドラム洗濯機が位置検出装置の信号から内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする方法。
【請求項5】
ドラム洗濯機の動作過程全般にわたり、位置検出装置の信号の変化に基づいて内槽ドアの位置を監視するか、洗濯機の動作過程において、内槽ドアが1回開放されて再び閉止されるごとに、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判断することを特徴とする請求項4に記載のドラム洗濯機の制御方法。
【請求項6】
内槽の投入口を密閉するための内槽ドアが内槽に設置されているドラム洗濯機において、
前記内槽ドアと内槽の間には、内槽の投入口の形状に適合する環状のシール構造が設置されていることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項7】
前記内槽の投入口には、外向きにカールすることで一定の弧度を有する巻縁が形成されており、前記シール構造における巻縁との接触面には巻縁に適合する巻縁凹溝が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のドラム洗濯機。
【請求項8】
巻縁を巻縁凹溝に嵌入したあと、シール構造の変形により巻縁をしっかりと包み込むよう、前記巻縁凹溝の断面形状の弧度は、巻縁の断面形状の弧度よりも大きくなっていることを特徴とする請求項7に記載のドラム洗濯機。
【請求項9】
前記内槽ドアには位置規制部が設けられており、前記シール構造には装着部が設けられており、前記装着部が位置規制部に位置規制されることで固定接続がなされることを特徴とする請求項6に記載のドラム洗濯機。
【請求項10】
前記位置規制部は、内部が広く、内槽寄りの部分が狭くなった環状凹溝であり、前記シール構造の装着部と位置規制凹溝の断面形状は適合しており、シール構造は位置規制部に装入されることで固定されることを特徴とする請求項9に記載のドラム洗濯機。
【請求項11】
前記内槽ドアは回動可能に内槽の投入口に設置されており、好ましくは、前記内槽ドアは、一端がヒンジによって内槽の投入口に固定されており、他端にロック装置が設けられていることを特徴とする請求項6~10に記載のドラム洗濯機。
【請求項12】
内槽と、内槽の投入口に設置される内槽ドアを含むドラム洗濯機において、
前記内槽ドアは取り外し可能且つ回動可能に内槽の投入口に設置されており、前記内槽ドアは、内槽ドアで内槽の投入口を密閉するためのロック装置を備えることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項13】
前記内槽ドアには伸縮可能な回転軸が設けられており、内槽の対応位置には軸孔が設けられており、前記回転軸は、着脱が容易となるよう、伸縮可能に設けられた一端を少なくとも含むことを特徴とする請求項12に記載のドラム洗濯機。
【請求項14】
前記内槽ドアには空洞が設けられており、前記空洞は第1空洞と第2空洞を含み、前記回転軸は、第1空洞内に固定される第1回転軸と、伸縮可能に第2空洞内に設置される第2回転軸を含み、前記第1回転軸と第2回転軸は同軸に設置されることを特徴とする請求項13に記載のドラム洗濯機。
【請求項15】
前記第2空洞内には固定ブロック及び弾性部材が設けられており、前記弾性部材は、一端が位置決めブロックに当止しており、他端が第2回転軸に当止して第2回転軸を伸縮可能としていることを特徴とする請求項14に記載のドラム洗濯機。
【請求項16】
前記内槽ドアには空洞が設けられており、前記回転軸は、空洞の両端に設けられるとともに同軸に設置される第1回転軸及び第2回転軸を含み、第1回転軸と第2回転軸の間には弾性部材が設けられており、前記第1回転軸と第2回転軸はいずれも空洞に対して伸縮可能であることを特徴とする請求項13に記載のドラム洗濯機。
【請求項17】
前記空洞の内部には位置規制凹溝が設けられており、前記回転軸の外部には位置規制凹溝と適合する位置規制突起が設けられており、或いは、空洞の内部には位置規制突起が設けられており、前記回転軸の外部には位置規制突起と適合する位置規制凹溝が設けられており、周方向における回転軸の回動が規制されていることを特徴とする請求項14又は16に記載のドラム洗濯機。
【請求項18】
前記ロック装置はロック孔及びロックピンを含み、前記ロック孔及びロックピンはそれぞれ内槽及び内槽ドアに設置されており、前記ロック装置には、ロックピンがロック孔に挿入されたか否かを検出するための位置検出装置が設置されていることを特徴とする請求項12に記載のドラム洗濯機。
【請求項19】
前記ロック装置は更にラッチを含み、前記ロック孔はラッチに設けられており、前記ロック装置は更にロックベースを含み、前記ロックベースにはラッチが係入される回避孔が設けられており、前記ロックピンは伸縮可能にロックベースに設置されるとともに、ロック孔に挿入されることでロックを実現可能であり、前記ラッチ及び/又はロックピンには位置検出装置が設置されていることを特徴とする請求項18に記載のドラム洗濯機。
【請求項20】
前記位置検出装置は検出部材と被検出部材を含み、前記ラッチ及び/又はロックピンに被検出部材が設置されており、前記ドラム洗濯機は更に外槽及びハウジングを含み、前記外槽又はハウジングに検出部材が設置されており、
好ましくは、ラッチに対応する検出部材がハウジングの前方パネルに設置されており、ロックピンに対応する検出部材が外槽に設置されていることを特徴とする請求項19に記載のドラム洗濯機。
【国際調査報告】