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特表2022-518701フォトニック回路が実装された無線周波数ミキサ
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  • 特表-フォトニック回路が実装された無線周波数ミキサ 図1
  • 特表-フォトニック回路が実装された無線周波数ミキサ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】フォトニック回路が実装された無線周波数ミキサ
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/2575 20130101AFI20220309BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20220309BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
H04B10/2575 120
H04J14/02
G02F1/01 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541101
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(85)【翻訳文提出日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2020050916
(87)【国際公開番号】W WO2020148337
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】1900552.9
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】306032578
【氏名又は名称】レオナルド・ユーケー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leonardo UK Ltd
【住所又は居所原語表記】1 Eagle Place,St.James’s,London,SW1Y 6AF,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フリント、イアン
(72)【発明者】
【氏名】ミルザ、タイムール
(72)【発明者】
【氏名】ハーサ、シキリ
【テーマコード(参考)】
2K102
5K102
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA01
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102CA13
2K102DA04
2K102DB04
2K102DC08
2K102EA02
5K102AA01
5K102AB13
5K102AD01
5K102AH21
5K102KA01
5K102KA42
5K102MB09
5K102MC15
5K102PC11
5K102PH02
5K102PH37
5K102PH42
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102PH50
5K102RD26
(57)【要約】
受信されたRF信号をダウンコンバートする一般の方法は、受信されたRF信号をLO信号と混合してビート信号を生成することによるものである。同時に受信された複数のRF信号が受信機電子機器内でビートすることは一般的である。これらのビートは、意図的にダウンコンバートされた信号の周波数と同様の周波数で発生し得るため、両者のビートを区別することは困難であり得る。ここではフォトニック回路を使用して実装されたRFミキサについて説明する。回路は、RF信号およびLO信号を別個の光ビームに印加するように構成されており、ビームを分割および結合する構成によって、RF信号を搬送するビームを平衡フォトダイオード受信機の第1の光入力に提供し、RF信号およびLO信号を搬送する別のビームを平衡フォトダイオード受信機の第2の光入力に提供する。異なるRF信号間で形成されたビート生成物は両方の光入力に存在するため、受信された平衡フォトダイオードの電気出力で相殺される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)ミキサであって
前記RFミキサの入力を通して受信されたRF信号を第1の光ビームに印加するように適合された第1のフォトニック変調器と、
LO信号源からのLO信号を第2の光ビームに印加するように構成された第2のフォトニック変調器と、
前記第1のフォトニック変調器から出力された前記第1の光ビームを分割して第3の光ビームおよび第4の光ビームを提供するように構成された光スプリッタと、
前記第3の光ビームを前記第2の光ビームと結合するように適合された光コンバイナと、
前記結合された第3の光ビームおよび第2の光ビームを受信するように構成された第1の光検出器、および
前記第4の光ビームを受信するように構成された第2の光検出器
の電気応答間の差に対応する電気信号出力を提供するように構成された平衡光検出器回路と
を備えるRFミキサ。
【請求項2】
前記第1のフォトニック変調器が第1のマッハツェンダー変調器を備え、前記第2のフォトニック変調器が第2のマッハツェンダー変調器を備える、請求項1に記載のRFミキサ。
【請求項3】
アンテナからRF信号を受信するように構成された、請求項1または2に記載のRFミキサ。
【請求項4】
前記RFミキサの出力は、ADCへの入力を提供する、請求項1から3のいずれかに記載のRFミキサ。
【請求項5】
前記RFミキサは、ダウンコンバータとして機能する、請求項1から4のいずれかに記載のRFミキサ。
【請求項6】
第1の波長を有する光を放射する第1の光源と、前記第1の光源からの前記光を分割して前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを提供するように構成されたさらなる光スプリッタとを備える、請求項1から5のいずれかに記載のRFミキサ。
【請求項7】
前記第1の波長とは異なる第2の波長の補助光ビームを提供する第2の光源と、
前記第2の光ビームを前記補助光ビームと多重化するマルチプレクサと、
ここで、前記第2のフォトニック変調器は、LO信号源からの前記LO信号を前記多重化された第2の光ビームおよび補助ビームに印加するように適合され、
前記多重化された第2の光ビームおよび補助ビームは、前記第3の光ビームと結合される、
前記第1のフォトダイオードに到達する前に、前記結合された第3の光ビームおよび第2の光ビームから前記補助光ビームを分離するように構成されたデマルチプレクサと、
前記分離された補助光ビームを受信し、それに応答して、前記第2の光変調器によってそれに印加された前記LO信号を出力するように構成された第3の光検出器と、
前記第1の光検出器からの前記電気信号出力と、前記平衡光検出器の前記電気信号出力とを受信し、それらの間の差に対応する電気信号を、減算回路の出力において提供するように構成された減算回路と
を備える、請求項6に記載のRFミキサ。
【請求項8】
前記第1の光検出器および/または第2の光検出器において、前記結合された第2のビームおよび第3のビームならびに第4のビームの光強度を実質的に一致させるために、前記第1、第2、第3および第4の光ビームのうちの1つまたは複数の強度を変えるように構成された1つまたは複数の強度コントローラを備える、請求項1に記載のRFミキサ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のRFミキサを備える光ファイバ無線リンク。
【請求項10】
アンテナからADCに前記RF信号を送信するように構成されており、ここで、前記RFミキサは、前記アンテナから離れており、前記リンクが、
前記アンテナからの前記RF信号をさらなる光ビームに印加するように構成されたさらなるフォトニック変調器と、実質的に前記アンテナとRFミキサとの間に延在するファイバであって、それに沿って、RF信号が印加された前記さらなる光ビームが搬送されるファイバと、前記さらなる光ビームを受信して、前記さらなる光ビームに印加された前記RF信号に対応する電気信号を出力するように構成されたさらなる光検出器であって、出力が前記RFミキサの入力に接続されているさらなる光検出器と
を備える、請求項9に記載の光ファイバ無線リンク。
【請求項11】
前記RFミキサは、空中プラットフォームのアビオニクスベイに配置されている、請求項10に記載の光ファイバ無線リンク。
【請求項12】
アップコンバートまたはダウンコンバートする目的で無線周波数を混合する方法であって、
第1のフォトニック変調器を使用して、前記RFミキサの入力を通して受信されたRF信号を第1の光ビームに印加することと、
第2のフォトニック変調器を使用して、LO信号源からのLO信号を第2の光ビームに印加することと、
前記第1のフォトニック変調器から出力された前記第1の光ビームを分割して第3の光ビームおよび第4の光ビームを提供することと、
前記第3の光ビームを前記第2の光ビームと結合することと、
平衡光検出器回路を使用して、
前記結合された第3の光ビームおよび第2の光ビームを受信するように構成された第1の光検出器、および
前記第4の光ビームを受信するように構成された第2の光検出器
の電気応答間の差に対応する電気信号出力を提供することと
を含む方法。
【請求項13】
第1の波長を有する光を放射する第1の光源からの光出力を分割して前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを提供することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の光ビームを、前記第2の光ビームとは異なる波長を有する補助光ビームと多重化することと、
前記多重化された第2の光ビームおよび補助ビームに前記LO信号を印加することと、
前記多重化された第2の光ビームおよび補助ビームを前記第3の光ビームと結合することと、
前記第1のフォトダイオードに到達する前に、前記結合された第3の光ビームおよび第2の光ビームから前記補助光ビームを分離することと、
前記分離された補助光ビームを受信し、それに印加された前記LO信号を出力するように構成された第3の光検出器を使用することと、
前記第1の光検出器からの前記電気信号出力と、前記平衡光検出器の前記電気信号出力とを受信するように構成された減算回路を使用して、それらの間の差に対応する電気信号を、前記減算回路の出力において提供することと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アンテナとADCとの間でRF信号を送信する方法であって、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法を含み、前記アンテナとRFミキサとの間でRF信号を送信することは、
さらなるフォトニック変調器を用いてさらなる光ビームに前記RF信号を印加することと、前記RF信号が印加されている前記さらなる光ビームを、実質的に前記アンテナとRFミキサとの間に延在するファイバを介して送信することと、前記ファイバの出力において後に前記さらなる光ビームを受信して、前記さらなる光ビームに印加された前記RF信号に対応する電気信号を提供するように構成されたさらなる光検出器を使用することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一態様では、フォトニック回路が実装されたRFミキサに関し、別の態様では、ファイバーリンクによって搬送されるRF信号をアップコンバートまたはダウンコンバートする目的でRFミキサを備える光ファイバ無線(RoF:Radio-on-Fibre)リンクに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波RF受信機は、典型的には、受信された信号がアナログデジタル変換器(ADC)によって処理され得るように、受信された信号をダウンコンバートするための手段を含む。マイクロ波RF送信機も同様に、多くの場合、デジタルアナログ変換器(DAC)の出力を所望の送信周波数にアップコンバートするアップコンバータを備える。アップコンバートおよびダウンコンバートは、変換されるべき信号をLO信号と混合することによって達成される。混合信号は、干渉して、2つの混合信号の間の周波数で生じるビートを形成する。LO信号の周波数を選択することによって、ビートの周波数を、受信機の場合にはADCによって処理可能な所望の周波数範囲内に収めることができる。
【0003】
異なる周波数のマイクロ波RF信号が密集している環境では、2つ以上の同時に受信された信号が受信機電子機器内でビートすることは一般的である。これらの受信された信号間のビートは、ダウンコンバートされた信号と同じ範囲内に収まる周波数で生じる可能性があるため、両者を区別することは困難であり得る。この問題は、非常に広い周波数帯域にわたって信号を受信する必要があり、対象となる信号の正確な周波数が事前に知られていない可能性がある電子戦争(EW)受信機の用途において深刻である。
【0004】
本発明は、この問題を改善するために考案された。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、無線周波数(RF)ミキサが提供されており、このRFミキサは、RFミキサの入力を通して受信されたRF信号を第1の光ビームに印加するように適合された第1のフォトニック変調器と、LO信号源からのLO信号を第2の光ビームに印加するように構成された第2のフォトニック変調器と、第1のフォトニック変調器から出力された第1の光ビームを分割して第3の光ビームおよび第4の光ビームを提供するように構成された光スプリッタと、第3の光ビームを第2の光ビームと結合するように適合された光コンバイナと、以下の電気応答間の差に対応する電気信号出力を提供するように構成された平衡光検出器回路とを備える:
結合された第3の光ビームおよび第2の光ビームを受信するように構成された第1の光検出器、および第4の光ビームを受信するように構成された第2の光検出器。
【0006】
受信されたRF信号間の干渉から生じる不要なビート周波数は、平衡光検出器回路への両方の入力に存在するため、平衡光検出器回路によって実質的に除去されて、その出力には存在しなくなるのに対して、LO信号と受信されたRF信号との間の干渉から生じるビート周波数は、平衡光検出器回路への一方の入力だけに存在し、光検出器回路の出力に存在することとなる。
【0007】
受信機システムにおいて実装される場合、これは、デジタルシグナルプロセッサに渡される前に、望ましくないビートが、受信された信号から除去されることを可能にする。2つのRF信号を同時に送信するように構成された送信機システムの場合、本発明は同様に、アンテナへの入力から不要なビート周波数を除去することを可能にする。
【0008】
さらに、この構成によって、上述の機能を提供することに加えて、平衡光検出器は、ビームが発生する単一のレーザ源の出力パワーの時間的変化に起因する、光検出器回路によって受信される2つのビームの光パワーの変動をバランスさせるというその従来の機能も提供することができる。
【0009】
RFミキサは、電気光学トランスデューサにおいて、結合された第2および第3のビームならびに第4のビームの光強度を実質的に一致させるために、第1、第2、第3、および第4の光ビームのうちの1つまたは複数の強度を変えるように構成された1つまたは複数の強度コントローラを備え得る。
【0010】
第1のフォトニック変調器は、第1のマッハツェンダー変調器であり得る。第2のフォトニック変調器は、第2のマッハツェンダー変調器であり得る。第1および第2のマッハツェンダー変調器は、好ましくは並列に配置され、単一のフォトニックモノリス(チップ)上に形成され得る。
【0011】
RFミキサは、第1の波長を有するコヒーレント光を放射する第1の光源(典型的にはレーザ)と、第1の光源からの光を分割して第1の光ビームおよび第2の光ビームを提供するように構成されたさらなる光スプリッタとを備え得る。
【0012】
上述の構成では、平衡光検出器回路の出力は、LO信号および/またはその高調波を含むこととなる。ミキサは、ADCに渡される前に、この出力からLO信号およびその高調波を実質的に除去する手段を備えることが好ましい。
【0013】
これは、第2のフォトニック変調器を使用して、第2の光ビームと第2の光ビームとは異なる波長の補助光ビームとを含む多重化光ビームにLO信号を印加することによって達成され得る。次いで、好ましくは、多重化ビームが第3のビームと結合された後で、かつ、結合された第2のビームおよび第3のビームが平衡光検出器回路によって受信される前に、補助ビームを第2のビームから分離することができる。さらなる光検出器は、分離されたさらなる光ビームを受信し、LO信号を表す電気信号を出力するために使用され得、この電気信号は、例えば差動増幅器によって実装される減算回路の第1の入力を形成し、平衡光検出器の出力が、減算回路の第2の入力を形成する。減算回路は、その入力で受信された信号間の差に対応する電気信号をその出力で提供するように構成される。減算回路の出力は、ADCへの入力を形成し得る。
【0014】
直接LO信号源からのLO信号を使用することと比較して、第2のフォトニック変調器を使用してLO信号を第2のビームに印加する場合、減算回路によって実行される減算プロセスが、LO信号を除去することに加えて、第2のフォトニック変調器から生じる歪み生成物(distortion product)を除去するという利点がある。
【0015】
RFミキサは、第2の光ビームの波長とは異なる波長の補助光ビームを提供する第2の光源(典型的にはレーザ)と、第2の光ビームを補助光ビーム光と多重化するマルチプレクサとを備え得る。
【0016】
RFミキサは、使用時に、受信機システムにおいてダウンコンバータとして機能し得る。その場合、アンテナからRF信号を受信し、デジタルシグナルプロセッサによる処理のためにRFミキサから渡されたダウンコンバートされたRF信号をデジタル化するように構成されたADCに接続された出力を有するように構成され得る。
【0017】
本発明の別の態様では、様々に上述したようなRFミキサを備える光ファイバ無線リンクが提供される。
【0018】
フォトニックリンクは、マイクロ波RF信号をアンテナからデジタル処理システムに向けて送信するように構成され得る。そのため、フォトニックリンクは、アンテナからアナログデジタル変換器に信号を転送するように構成され得る。
【0019】
RFミキサはアンテナから離れていてもよく、フォトニックリンクは、アンテナからのRF信号をさらなる光ビームに印加するように構成されたさらなるフォトニック変調器と、実質的にアンテナとRFミキサとの間に延在するファイバであって、それに沿って、RF信号が印加されたさらなる光ビームが搬送されるファイバと、さらなる光ビームを受信して、さらなる光ビームに印加されたRF信号に対応する電気信号を出力するように構成されたさらなる光検出器であって、出力がRFミキサの入力に接続されているさらなる光検出器を備え得る。
【0020】
1つの用途では、光ファイバ無線リンクは、飛行機などの空中プラットフォーム上に取り付けられたアンテナによって受信された信号を、空中プラットフォームのアビオニクスベイに配置されているデジタル処理システムに送信するために使用され得る。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、請求項12に記載の、アップコンバートまたはダウンコンバートする目的で無線周波数を混合する方法が提供される。
【0022】
方法は、第1の波長を有する光を放射する第1の光源からの光出力を分割して第1の光ビームおよび第2の光ビームを提供することを含み得る。
【0023】
方法は、第2の光ビームを、第2の光ビームとは異なる波長を有する補助光ビームと多重化することと、多重化された第2の光ビームおよび補助ビームにLO信号を印加することと、多重化された第2の光ビームおよび補助ビームを第3の光ビームと結合することと、第1のフォトダイオードに到達する前に、結合された第3の光ビームおよび第2の光ビームから補助光ビームを分離することと、分離された補助光ビームを受信し、それに印加されたLO信号を出力するように構成された第3の光検出器を使用することと、第1の光検出器からの電気信号出力と、平衡光検出器の電気信号出力とを受信するように構成された減算回路を使用して、それらの間の差に対応する電気信号を、減算回路の出力において提供することとを含み得る。
【0024】
方法は、さらなるフォトニック変調器を用いてさらなる光ビームにRF信号を印加することと、RF信号が印加されているさらなる光ビームを、実質的にアンテナとRFミキサとの間に延在するファイバを介して送信することと、ファイバの出力において後にさらなる光ビームを受信して、さらなる光ビームに印加されたRF信号に対応する電気信号を提供するように構成されたさらなる光検出器を使用することとによって、アンテナとRFミキサとの間でRF信号を送信することを含み得る。
【0025】
本発明は、以下の図面を参照して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】アンテナとデジタル処理システムとの間の光ファイバ無線リンクの概略図である。
図2】光ファイバ無線リンクの第2の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、アンテナ1とデジタル信号処理システム2との間の光ファイバ無線リンクを示す。光ファイバ無線リンクは、デジタル信号処理システム2によって処理される前にアナログデジタル変換器4によってデジタル化され得るように、アンテナ1を通して受信されたRF信号をダウンコンバートするために使用されるフォトニックRFミキサ3を含む。
【0028】
アンテナ1によって受信されたRF信号(例えばマイクロ波RF信号)は、RFミキサ3の第1の入力9に渡される。
【0029】
RFミキサ3は、第1のマッハツェンダー変調器5と第2のマッハツェンダー変調器6とを備える。マッハツェンダー変調器5,6は、並行して動作するように構成される。2つのマッハツェンダー変調器5,6は、単一のフォトニックモノリス上に形成され得る。
【0030】
第1のレーザ源7およびビームスプリッタ8は、両方のマッハツェンダー変調器5,6の光入力に光を提供する。
【0031】
第1のマッハツェンダー変調器5は、RFミキサ3の第1の入力9で受信されたRF信号を第1の光ビーム(I)に印加するように構成される。受信されたRF信号間の干渉によって生成された任意のビート周波数(以下、RF-RFビート生成物(RF-RF beat product))も印加される。
【0032】
第2のマッハツェンダー変調器6は、RFミキサ3の第2の入力11で受信された局部発振器10からの(典型的にはRF周波数の)LO信号を第2の光ビーム(II)に印加するように構成される。
【0033】
第1のマッハツェンダー変調器5および第2のマッハツェンダー変調器6のバイアス条件に応じて、第1の光ビーム(I)および第2の光ビーム(II)は、RF信号およびLO信号に加えてまたはその代わりに、それぞれRF信号およびLO信号の高調波を搬送し得る。読みやすくするために、以下の説明はRF信号およびLO信号に言及するが、その代わりに/それに加えて、これらの信号の高調波を意味すると解釈され得ることは認識されるであろう。
【0034】
選択されたバイアス条件にかかわらず、第1のマッハツェンダー変調器5および第2のマッハツェンダー変調器6の両方が同じバイアス条件で動作することが好ましい。
【0035】
RF信号を搬送する第1の光ビーム(I)は、光スプリッタ12によって分割されて、各々がRF信号を搬送する第3の光ビーム(III)および第4の光ビーム(IV)を提供する。LO信号を搬送する第2のビーム(II)および第3のビーム(III)は、光コンバイナ13によって結合されて、RF信号、RF-RFビート生成物、LO信号、ならびにLOとRF信号との間のビート周波数およびLOとRF-RFビート生成物との間のビート周波数を含むそれらの混合生成物を搬送する結合された第5のビーム(V)を生成する。
【0036】
第3の光ビーム(III)の表現と並んだ図1の矢印は、光が光スプリッタ12と光コンバイナ13との間で一方向のみに進むことを確実にするための光アイソレータの存在を示す。
【0037】
コンバイナ13への入力における第2のビーム(II)および第3のビーム(III)の光強度は実質的に同じであることが好ましい。これは、例えば、スプリッタ8が第1のビーム(I)よりも光学的に弱い第2のビーム(II)を出力して、スプリッタ12が、第3のビーム(III)が第4のビーム(IV)よりも強くなるように分割するように、スプリッタ8および12を不等スプリッタにすることによって達成され得る。代替的に、あまり好ましくはないが、ビームのうちの1つまたは複数のビームの光強度は、同調可能な減衰器を使用して制御され得る。第1のマッハツェンダー5および第2のマッハツェンダー6の一方または両方がこの機能に使用され得るが、または1つまたは複数の別個の光学部品が使用され得る。
【0038】
平衡光検出器回路14は、第4のビーム(IV)を第1の光入力で、結合された第5のビーム(V)を第2の光入力で、別々にかつ同時に受信するように構成される。
【0039】
平衡光検出器回路14は、2つのフォトダイオード検出器14A,14Bを備える。第1のフォトダイオード検出器14Aは、第4のビームIVを受信し、第4のビームIV上で搬送されるRF信号およびそれらの混合生成物を表す第1の電気信号を出力するように構成される。
【0040】
第2のフォトダイオード検出器14Bは、結合された第5の光ビーム(V)を受信し、RF信号およびそれらの混合生成物、LO信号およびLO信号とRF信号との間の混合生成物、ならびにLOから生じたものを含む混合およびビート周波数を表す第2の電気信号を出力するように構成される。
【0041】
リンクはさらに、フォトダイオード14Aおよび14Bにおける2つのビームIV,(V)の光強度が類似するように、IVビームまたは結合された(V)ビームのいずれかを減衰させる可変減衰器を含み得る。
【0042】
リンクはまた、フォトダイオード14A、14BにおけるRF位相が実質的に同じになるように、第4のビームIVおよび/または第5のビーム(V)のRF位相を調整するための位相コントローラを含み得る。
【0043】
第1のフォトダイオード検出器14Aおよび第2のフォトダイオード検出器14Bは、それらの電気出力が相殺するようにバランスよく配置される。これは、例えば、差動増幅器14Cまたは他のコモンモード阻止構成を使用して実装され得る。そのため、平衡フォトダイオード回路14の電気出力における信号は、IVビームおよび結合された(V)ビーム上で搬送される信号間の差を表す。
【0044】
RF信号およびRF-RFビート生成物は、第4のIVビームおよび第5の(V)ビームの両方で搬送されて、第1の電気信号および第2の電気信号の両方の一部を形成するため、それらは相殺され、LOおよび受信されたRF信号から生じたビート生成物およびLOだけが残る。
【0045】
これらの混合生成物の除去は、相対強度雑音(RIN)と呼ばれることが多い、経時的なレーザ源1の振幅から生じる雑音の除去に加えて行われる。さらに、追加の利点として、この構成は、第4の光ビーム(IV)および第5の光ビーム(V)にも存在する、第1のマッハツェンダー変調器によって生成された歪み生成物も除去する。
【0046】
平衡光検出器14の出力は、ADC4へのアナログ入力を形成し、ADC4は、DSP2による受信のための同等デジタル信号を出力する。
【0047】
リンクは、ADC4が分解することができない平衡光検出器回路14の出力からの高周波信号成分を除去するために、ADCの前にローパスフィルタ15をさらに含み得る。
【0048】
空中プラットフォーム上での使用を含む様々な用途のために、RFミキサ3がアンテナ1から離れており、それによって、電力へのアクセスがより容易で、空間がより広く、環境条件の制御(熱変動、風、雨などからの保護)がより容易な場所に配置することができることが好ましい。本例では、アンテナ1は、空中プラットフォームの翼、機首、または尾部(または機体の他の部分)上にあるように例示されており、RFミキサ3、ADC4およびDPS2は、空中プラットフォームのアビオニクスベイ内に、アンテナ1から離れて配置されている。
【0049】
アンテナ1からのRF信号は、電気コネクタによって、例えば、アンテナ1からミキサ3に同軸リードによって搬送され得る。しかしながら、これは損失が大きいため、アンテナ1からのRF信号は、好ましくは光学的に線形のリンクであるさらなる光リンクを介してRFミキサ3に搬送されることが好ましい。
【0050】
さらなる光リンクは、好ましくはアンテナ1から離れて位置しており、好ましくはアビオニクスベイ内に保持される第2のレーザ16と、アンテナ1に近接して位置し、レーザ16から出力され、光ファイバを介して変調器17に搬送される第6のビーム(VI)にアンテナ1からのRF信号を印加するように構成されたさらなるマッハツェンダー変調器17とを含む。第6のビーム(VI)は、変調器17から出力された後、ファイバを介してRFミキサ3に近接する位置、例えばアビオニクスベイ内に搬送され、そこで、第6のビーム(VI)に印加されたRF信号に対応する電気信号出力を提供する光検出器18によって受信される。光検出器18からの電気出力は、RFミキサ3の第1の入力9で受信される。
【0051】
この構成が、アンテナ1を処理システム2から離れて配置することが望まれる場合に使用可能であることは認識されるであろう。明らかな用途は、セルラーネットワークマストの頂部に近接するアンテナから、マストの基部に近接するキャビネット、ベイなどへの電気通信信号の伝達である。
【0052】
本発明は光ダウンコンバータとして実装されて説明されているが、本発明はアップコンバータとしても同様に適用することができる。例えば、リンクは、例えば所望のマイクロ波周波数でアンテナから送信するために送信機システムによって生成された2つの入力信号をアップコンバートするために送信機とアンテナとの間で使用され得、本発明は、これら2つの入力信号によって形成されるあらゆるビート生成物を抑制するように作用する。
【0053】
図2は、図1の構成によって除去された生成物に加えて、第2のマッハツェンダー変調器6のLO信号および歪み成分を除去するように適合された変形リンクを説明する。
【0054】
第2の実施形態は、追加的に、第1のレーザ7からのビームの波長とは異なり、したがって第1のビームIおよび第2のビーム(II)の波長とも異なる波長を有する第7のビーム(VII)を出力するさらなるレーザ源20を含む。好ましくは、第1のビームIと第7のビーム(VII)との間の波長分離は、フォトダイオードセンサ14A,14Bによって認識され得る周波数での光ビートを回避するために、少なくとも2nmである。
【0055】
第7のビーム(VII)は、MUXコンバイナ21を通して第2のビーム(II)と多重化され、出力された結合された第7のビーム(VII)および第2のビーム(II)は、第2のMZ変調器6の光入力を形成する。第2のMZ変調器6は、LO信号を(VII)ビームおよび(II)ビームの両方に印加し、これらのビームは、次いで、コンバイナ13によって(III)ビームと結合されて、結合された第2のビーム(II)、第3のビーム(III)、および第7のビーム(VII)を含む出力が提供される。第7の(VII)ビームは、(II)ビームおよび(III)ビームと相互作用しない。第7の(VII)ビームは、波長感応型スプリッタ(De MUX)22によって(II)ビームおよび(III)ビームから分離され、分離された第7のビーム(VII)は、さらなる光検出器23によって受信され、さらなる光検出器23は、第7のビーム(VII)に印加されたLO信号と同等の電気信号を出力する。光検出器23からの出力の位相は、位相コントローラ24によって調整され、差動増幅器25(または同等の機能を有する回路)の第1の入力に供給され、差動増幅器25はまた、第2の入力において、平衡光検出器回路14からの出力を受信する。差動増幅器25は、2つの入力で受信された信号間の差に対応する信号を出力する。位相コントローラ24は、差動増幅器25の両方の入力に到達するLO信号の位相が同じになることを確実にするために使用され得る。
【0056】
平衡フォトダイオード検出器回路14を除くRFミキサ3のすべての構成要素は、単一の集積光回路として、すなわち、平衡フォトダイオード回路がモノリス上にフリップチップされた状態で単一の光モノリシック材料(チップ)上に形成されることが好ましい。しかしながら、2つ以上の別個の光学部品から、またはそれらのハイブリッドとして、RFミキサ機能を提供することが可能である。
図1
図2
【国際調査報告】