IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アヴェドロ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-518792角膜拡張性障害を治療するための光架橋剤としてのビス(ジアジリン)誘導体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】角膜拡張性障害を治療するための光架橋剤としてのビス(ジアジリン)誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 229/02 20060101AFI20220309BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20220309BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/396 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/4523 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 27/10 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 41/00 20200101ALI20220309BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/525 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/121 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/409 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 33/34 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 33/32 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 33/24 20190101ALI20220309BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 33/28 20060101ALI20220309BHJP
   C07K 5/062 20060101ALI20220309BHJP
   C07K 5/068 20060101ALI20220309BHJP
   C07K 5/06 20060101ALI20220309BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
C07D229/02 CSP
C07D403/14
C07D401/14
A61K31/396
A61K31/4178
A61K31/4523
A61K38/05
A61K31/5377
A61K31/4025
A61P27/02
A61P27/10
A61P27/12
A61P29/00
A61P43/00 121
A61K41/00
A61K45/00
A61K31/525
A61K31/121
A61K31/519
A61K31/498
A61K31/47
A61K31/122
A61K31/409
A61K33/34
A61K33/32
A61K33/24
A61K33/06
A61K33/28
C07K5/062
C07K5/068
C07K5/06
C07D413/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543272
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(85)【翻訳文提出日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 US2020015071
(87)【国際公開番号】W WO2020154673
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/796,803
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】509209063
【氏名又は名称】アヴェドロ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Avedro Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ヒル ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】アドラー デスモンド
【テーマコード(参考)】
4C063
4C084
4C086
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB09
4C063CC21
4C063CC25
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD21
4C063EE01
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA11
4C084AA22
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA14
4C084CA59
4C084MA02
4C084MA16
4C084MA58
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZC412
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC07
4C086BC21
4C086BC28
4C086BC34
4C086BC38
4C086BC51
4C086BC73
4C086CB04
4C086CB09
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA16
4C086HA01
4C086HA03
4C086HA05
4C086HA07
4C086HA08
4C086HA09
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA58
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZB11
4C086ZC75
4C206AA01
4C206CB12
4C206CB28
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA36
4C206MA78
4C206NA05
4C206ZA33
4C206ZB11
4C206ZC41
4C206ZC75
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA11
4H045BA50
4H045EA20
4H045FA30
4H045GA25
(57)【要約】
本開示は、電磁波(例えば、UV光)照射への曝露に応答して角膜において架橋結合を生じさせる、式(I)、(I-a)、または(I-b)のビス(ジアジリン)誘導体を特徴とする。これらの化合物は、例えば、疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、ヒト)を治療するのに有用であり、ここで、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化、または角膜の急峻化(例えば、隆起))が、該疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している。そのような疾患、障害、または状態の例には、(i)角膜拡張性障害、(ii)視覚状態、および(iii)前述のいずれかまたはここで開示されるいずれかの続発症または併存症である疾患、障害、または状態が挙げられる。そのような疾患、障害、または状態のさらに具体的な非限定的な例には、円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、テリエン周辺角膜変性、近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視が挙げられる。いくつかの態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加および補充の非存在下で行うことができ、これはいくつかの適用で有利であり得る。好ましい例示的な化合物は、例えば、実施例1などのビス(ジアジリン)アミノ酸誘導体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
の化合物であって、
式中、
LAおよびLBの各々が独立して、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C5アルキレンであり;
Aが、角膜実質への該化合物の送達(例えば、無傷の角膜上皮を介する)を増強しかつ/もしくは角膜コラーゲンへの該化合物の結合を増強する部分であり;
B1およびB2の各々が独立して-Z1-Z2-Z3であり、ここで、
・Z1が、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンであり;
・Z2が、結合、-N(Rd)-、-O-、もしくは-S-であり;かつ
・Z3が、ハロ、H、もしくは、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~7アルキルであり;
Raの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rbの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');オキソ;-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rdの各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択され;
ReおよびRfの各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より独立して選択され;かつ
R'およびR''の各出現が、HおよびC1~4アルキルからなる群より独立して選択されるか、もしくは、R'およびR''が、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって、3~8個の環原子を含む環を形成し、ここで該環が、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている1~7個の環炭素原子と;(b)N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(R'およびR''に結合した窒素原子に加えて)とを含む、
該化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Aが、角膜実質への前記化合物の、無傷の角膜上皮を介する送達を増強しかつ/または角膜コラーゲンへの該化合物の結合を増強する部分である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式(I-a):
の化合物であって、
式中、
A1が、1~10個(例えば、1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、1個)のR1を差し挟まれているC2~C20アルキレンであり;
B1およびB2の各々が独立して-Z1-Z2-Z3であり、ここで、
・Z1が、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンであり;
・Z2が、結合、-N(Rd)-、-O-、または-S-であり;かつ
・Z3が、H、ハロ、または、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~7アルキルであり;
R1の各出現が、
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・C(R22;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される二価基であり;
R2の各出現が、
(i)Ra;
(ii)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(iii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L2-ヘテロシクリル;
(iv)1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール;
(v)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリール;ならびに
(vi)H
からなる群より独立して選択されるか、または
(vii)-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1が、結合して、5~8個の環原子を含む環を形成し、ここで該環が、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている3~6個の環炭素原子(CH(R2)に加えて)と;(b)N(Rd1)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(Rd1に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
R3の各出現が、
(i)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(ii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L3-ヘテロシクリル;
(iii)1~4個のRcによって置換されていてもよいL3-C6~C10アリール;ならびに
(iv)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリール
からなる群より独立して選択され;
Raの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rbの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');オキソ;-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rcの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rdの各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択され;
ReおよびRfの各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より独立して選択され;かつ
R'およびR''の各出現が、HおよびC1~4アルキルからなる群より独立して選択されるか、または、R'およびR''が、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって、3~8個の環原子を含む環を形成し、ここで該環が、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている1~7個の環炭素原子と;(b)N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(R'およびR''に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
Rd1の各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1が、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成し;
かつ
各出現におけるL2およびL3の各々が独立して、結合、または、オキソおよびRaより独立して選択される1~3個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキレンである、
該化合物。
【請求項4】
A1が、1~4個(例えば、1個、2~3個、3~4個、2個、3個、または4個)の独立して選択されるR1を差し挟まれているC4~C8(例えば、C4~C6)アルキレンである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
1つのR1が独立して、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-または-N(R3)-であり(例えば、1つのR1が-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である)、かつ他のR1基の各々が、-N(Rd1)-、(C=O)、-O-、S(O)p、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-、および-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-からなる群より独立して選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
式(I-b):
の化合物であって、
式中、
B1およびB2の各々が独立して-Z1-Z2-Z3であり、ここで、
・Z1が、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンであり;
・Z2が、結合、-N(Rd)-、-O-、もしくは-S-であり;かつ
・Z3が、H、ハロ、もしくは、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~7アルキルであり;
E1、F1、G1、H1、J1、L1、M1、およびQ1の各々が、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;および
・R1
より独立して選択され;
R1の各出現が、
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、もしくは2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・C(R22;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より独立して選択され;
ただし、E1およびF1のうちの少なくとも一方が、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレンであり、ただし、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの1~4つが、それぞれ独立して選択されるR1であり;
R2の各出現が、
(i)Ra;
(ii)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(iii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L2-ヘテロシクリル;
(iv)1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール;
(v)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリール;ならびに
(vi)H
からなる群より独立して選択されるか、または
(vii)-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1が、結合して、5~8個の環原子を含む環を形成し、ここで該環が、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている3~6個の環炭素原子(CH(R2)に加えて)と;(b)N(Rd1)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(Rd1に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
R3の各出現が、
(i)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(ii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L3-ヘテロシクリル;
(iii)1~4個のRcによって置換されていてもよいL3-C6~C10アリール;ならびに
(iv)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリール
からなる群より独立して選択され;
Raの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rbの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');オキソ;-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rcの各出現が、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rdの各出現が、H C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択され;
ReおよびRfの各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より独立して選択され;かつ
R'およびR''の各出現が、HおよびC1~4アルキルからなる群より独立して選択されるか、もしくは、R'およびR''が、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって、3~8個の環原子を含む環を形成し、ここで該環が、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている1~7個の環炭素原子と;(b)N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(R'およびR''に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
Rd1の各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択されるか、もしくは、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1が、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成し;
かつ
各出現におけるL2およびL3の各々が独立して、結合、もしくは、オキソおよびRaより独立して選択される1~3個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキレンである、
該化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
H1またはJ1のうちの一方が-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
E1およびQ1の各々が、
1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレン(例えば、C2~4アルキレン、例えば、非置換C2~4アルキレン)
である、請求項6または7記載の化合物。
【請求項9】
F1が、-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)、-O-、または-S-である、請求項6~8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
式II:
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
E1およびQ1の各々が、
1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレン(例えば、C2~4アルキレン、例えば、非置換C2~4アルキレン)
であり;
F1が、-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)、-O-、または-S-であり;かつ
H1、G1、L1、およびM1の各々が、
・結合;
・-N(Rd1)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される、
請求項6記載の化合物。
【請求項11】
L1およびM1の各々が結合である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
G1およびH1の各々が結合である、請求項10~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
F1が-N(Rd)-(例えば、NH)である、請求項10~12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
式II-a:
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項10~13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
G1がS(O)pでありかつpが1または2である、請求項10または11記載の化合物。
【請求項16】
F1が-O-である、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
H1が-N(Rd1)-(例えば、NH)である、請求項15~16のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
式II-b:
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項15~17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
L1が-C(=O)CH(R2)(CH2)N(Rd1)-である、請求項10記載の化合物。
【請求項20】
M1、G1、およびH1の各々が結合である、請求項10および19のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
F1が-O-または-N(Rd1)-である、請求項19~20のいずれか一項記載の化合物。
【請求項22】
式(II-c1)もしくは(II-c2):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項19~21のいずれか一項記載の化合物。
【請求項23】
L1がC(=O)である、請求項10記載の化合物。
【請求項24】
M1、G1、およびH1の各々が結合である、請求項10および23のいずれか一項記載の化合物。
【請求項25】
F1が-O-または-N(Rd1)-である、請求項10および23~24のいずれか一項記載の化合物。
【請求項26】
式(II-d):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項10および23~25のいずれか一項記載の化合物。
【請求項27】
L1が-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である、請求項10記載の化合物。
【請求項28】
M1、G1、およびH1の各々が結合である、請求項10および27のいずれか一項記載の化合物。
【請求項29】
F1が-O-または-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)である、請求項10および27~28のいずれか一項記載の化合物。
【請求項30】
式(II-e):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項10および27~29のいずれか一項記載の化合物。
【請求項31】
以下の式:
を有する、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
H1およびJ1のうちの一方が-N(R3)-または-N(Rd1)-である、請求項6記載の化合物。
【請求項33】
式(III):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項6または32記載の化合物。
【請求項34】
E1およびQ1の各々が、
1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレン(例えば、C2~C4アルキレン、C2~C3アルキレン、C2アルキレン、例えば、非置換C2アルキレン)
である、請求項6および32~33のいずれか一項記載の化合物。
【請求項35】
F1およびM1の各々が結合である、請求項6および32~34のいずれか一項記載の化合物。
【請求項36】
G1およびL1の各々が、
・結合;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される、請求項6および32~35のいずれか一項記載の化合物。
【請求項37】
G1およびL1の各々が結合である、請求項6および32~36のいずれか一項記載の化合物。
【請求項38】
H1が結合である、請求項6および32~37のいずれか一項記載の化合物。
【請求項39】
H1がC(=O)である、請求項6および32~37のいずれか一項記載の化合物。
【請求項40】
R2の各出現が、
・H;
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択されるか、または、
・-CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1が、結合してピロリジン環を形成する、
請求項3~39のいずれか一項記載の化合物。
【請求項41】
R2の各出現が、
・H;
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される、請求項3~40のいずれか一項記載の化合物。
【請求項42】
R2の各出現が、
・H;
より独立して選択される、請求項3~41のいずれか一項記載の化合物。
【請求項43】
R3の各出現が、
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される、請求項3~42のいずれか一項記載の化合物。
【請求項44】
R3の各出現が、
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される、請求項3~43のいずれか一項記載の化合物。
【請求項45】
R3の各出現が、
より独立して選択される、請求項3~44のいずれか一項記載の化合物。
【請求項46】
R3の各出現が、
より独立して選択される、請求項3~45のいずれか一項記載の化合物。
【請求項47】
R3の各出現がL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、該ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、請求項3~42のいずれか一項記載の化合物。
【請求項48】
R3の各出現がL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、該ヘテロシクリルが4~6個(例えば、5~6個)の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい(例えば、ヘテロシクリルが、ピロリジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルであり得る)、請求項47記載の化合物。
【請求項49】
L3が結合である、請求項47~48のいずれか一項記載の化合物。
【請求項50】
L3が、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6アルキルである、請求項47~48のいずれか一項記載の化合物。
【請求項51】
L3が、1個のオキソによって置換されているC1~6(例えば、C1~4)アルキレンである(例えば、
であり得る)、請求項47~48のいずれか一項記載の化合物。
【請求項52】
R3が、
より選択される、請求項47~48のいずれか一項記載の化合物。
【請求項53】
B1およびB2の各々が独立して-Z1-Z3である(すなわち、Z2が結合である)、請求項1~52のいずれか一項記載の化合物。
【請求項54】
Z3が、H、ハロ、またはC1~3アルキルである、請求項1~53のいずれか一項記載の化合物。
【請求項55】
Z1が、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンである、請求項1~54のいずれか一項記載の化合物。
【請求項56】
B1およびB2の各々が、CH3、CHRa、CH(Ra2、およびC(Ra2 -ハロより独立して選択される、請求項1~55のいずれか一項記載の化合物。
【請求項57】
B1およびB2の各々が、CH3、CHF2、CH2F、およびCF3より独立して選択される、請求項1~56のいずれか一項記載の化合物。
【請求項58】
Rd1の各出現が、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');および-S(O)1~2(C1~4アルキル)からなる群より独立して選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1が、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成する、請求項3~57のいずれか一項記載の化合物。
【請求項59】
Rd1の各出現が、H;C1~6アルキル;およびC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択される、請求項3~58のいずれか一項記載の化合物。
【請求項60】
Rd1の各出現がHである、請求項3~59のいずれか一項記載の化合物。
【請求項61】
またはその薬学的に許容される塩より選択される、請求項1~60のいずれか一項記載の化合物。
【請求項62】
請求項1~61のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項63】
それを必要とする対象の角膜に、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物または請求項62記載の薬学的組成物を投与する工程;および
該角膜に電磁放射線を照射し、それによって該角膜において架橋結合を生じさせる工程
を含む、眼の角膜に治療を実施するための方法。
【請求項64】
1つまたは複数の角膜拡張性障害(corneal ectatic disorder)を治療するために使用される、請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記1つまたは複数の角膜拡張性障害が、円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性(pellucid marginal degeneration)、術後拡張症(post-operative ectasia)、およびテリエン周辺角膜変性からなる群より選択される、請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記角膜拡張性障害が円錐角膜(例えば、進行性円錐角膜)である、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記角膜拡張性障害が術後拡張症(例えば、LASIK後拡張症(post-LASIK ectasia))である、請求項65記載の方法。
【請求項68】
近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視からなる群より選択される視覚状態を治療するために使用される、請求項63記載の方法。
【請求項69】
前記化合物または前記組成物が前記角膜に直接投与される(すなわち、角膜上皮を除去することなく)、請求項63~68のいずれか一項記載の方法。
【請求項70】
前記電磁放射線が紫外線(例えば、UV-A光)を含む、請求項63~69のいずれか一項記載の方法。
【請求項71】
前記電磁放射線がレーザー放射線である、請求項63~70のいずれか一項記載の方法。
【請求項72】
放射線の持続時間が1~60分である、請求項70~71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
前記放射線が、350~380nm(例えば、360~370nm)の波長を有する、請求項63~72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
前記電磁放射線の放射照度が、0.1~100mW/cm2である、請求項63~73のいずれか一項記載の方法。
【請求項75】
前記角膜に追加の架橋剤を投与する工程をさらに含む、請求項63~74のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
前記追加の架橋剤が、リボフラビン、2,3-ブタンジオン、葉酸、キノキサリン、キノリン、ジブカイン、メトトレキセート、メナジオン、およびベルテポルフィン、ならびにそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記対象の角膜に、前記架橋剤とは異なる1つまたは複数の添加物質を投与する工程をさらに含む、請求項63~76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
前記添加物質が、鉄、銅、マンガン、クロム、バナジウム、アルミニウム、コバルト、水銀、カドミウム、ニッケル、ヒ素、2,3-ブタンジオン、および葉酸からなる群より選択される、請求項77記載の方法。
【請求項79】
炎症、白内障、または水晶体障害のための追加の眼科治療剤を前記対象に投与する工程をさらに含む、請求項63~78のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月25日に出願された米国特許仮出願第62/796,803号の恩典を主張し、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
【0002】
技術分野
本開示は、電磁波照射への曝露に応答して角膜において架橋結合を生じさせる化学実体(例えば、化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩および/もしくは水和物および/もしくはプロドラッグ)を特徴とする。本開示はまた、該化学実体を含有する組成物、ならびに該化学実体を使用および作製する他の方法を特徴とする。化学実体は、例えば、疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、ヒト)を治療するのに有用であり、ここで、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が、該疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している。そのような疾患、障害、または状態の非限定的な例には、(i)角膜拡張性障害(corneal ectatic disorder)、(ii)視覚状態、および(iii)前述のいずれかまたは本明細書において開示されるいずれかの続発症または併存症である疾患、障害、または状態が挙げられる。そのような疾患、障害、または状態のさらに具体的な非限定的な例には、円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性(pellucid marginal degeneration)、角膜拡張症(例えば、術後拡張症(post-operative ectasia)、例えば、LASIK後拡張症(post-LASIK ectasia))、テリエン周辺角膜変性、近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
背景
近視、円錐角膜、および遠視などの様々な眼障害は、角膜の異常な形状を伴う。例えば、レーザー角膜切削形成術(LASIK)は、角膜を通過する光が眼の後ろに位置する網膜上に適切に集束されるように角膜を再形成する多くの矯正治療の1つである。角膜の異常な形状に対処する特定の治療の成功は、治療が適用された後の角膜構造の変化の安定性に依存する。
【0004】
治療は角膜の所望の整形を最初に達成し得るが、角膜内のコラーゲン原線維が所望の整形が達成された後に変化し続ける場合、角膜の整形の所望の効果は少なくとも部分的に低減または逆転され得る。例えば、LASIK手術によって引き起こされる角膜の菲薄化および脆弱化に起因して、LASIK後拡張症として知られる合併症が起こり得る。LASIK後拡張症では、角膜に進行性急峻化(隆起)が認められる。整形後の角膜の構造を強化および安定化するために、いくつかの治療ではまた、角膜組織内の架橋結合が開始され得る。例えば、光感作剤(例えば、リボフラビン)が架橋剤として角膜に適用される。架橋剤が角膜に適用されると、架橋剤は光源(例えば、紫外線(UV)光)によって活性化されて、それにより、架橋剤が、角膜内の遊離酸素ラジカル(例えば、一重項酸素)および/または他のラジカルの放出を引き起こすのに十分なエネルギーを吸収する。ラジカルは、放出されると、角膜コラーゲン原線維間に共有結合を形成し、それによって角膜コラーゲン原線維を架橋させ、角膜の構造を強化および安定化する。
【0005】
架橋剤によって引き起こされる有利な構造変化のために、架橋剤は、いくつかの治療の主要な局面として適用され得る。例えば、円錐角膜を治療するために架橋剤が適用され得る。角膜内の屈折変化を誘発して、近視、遠視、乱視、不正乱視、老視などのような障害を矯正するために、架橋結合治療が使用され得る。
【0006】
2011年3月18日に出願された米国特許出願公開第2011/0237999号(特許文献1)、2012年4月3日に出願された米国特許出願公開第2012/0215155号(特許文献2)、2014年5月19日に出願された米国特許出願第2014/0343480号(特許文献3)、2012年10月31日に出願された米国特許出願第2013/0060187号(特許文献4)、2011年4月13日に出願された国際特許出願公開第2011/130356号(特許文献5)、2015年2月26日に出願された国際特許出願公開第2015/130944号(特許文献6)、および2015年12月2日に出願された国際特許出願第2016/090016号(特許文献7)は、角膜上皮細胞の除去の有無にかかわらず屈折矯正手術後の眼障害、例えば、円錐角膜(例えば、進行性円錐角膜)または角膜拡張症の治療の際に眼の角膜において架橋結合活性を生じさせるためのシステムおよび組成物(例えば、リボフラビンまたはリン酸リボフラビンホスフェートの点眼液)を記載している。PHOTREXA(登録商標)VISCOUS(20%デキストラン点眼液中のリボフラビン5’-ホスフェート)0.146%およびPHOTREXA(登録商標)(リボフラビン5’-ホスフェート点眼液)0.146%は、進行性円錐角膜の治療のための角膜コラーゲン架橋結合にKXL(商標)システムとともに使用することが示されている光増強剤である。
【0007】
米国特許出願公開第20160083352号(特許文献8)によって電子装置および光電子工学的装置などにおける使用のための光架橋剤としてジアジリン化合物が開示された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0237999号
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0215155号
【特許文献3】米国特許出願第2014/0343480号
【特許文献4】米国特許出願第2013/0060187号
【特許文献5】国際特許出願公開第2011/130356号
【特許文献6】国際特許出願公開第2015/130944号
【特許文献7】国際特許出願第2016/090016号
【特許文献8】米国特許出願公開第20160083352号
【発明の概要】
【0009】
概要
本開示は、電磁波照射への曝露に応答して角膜において架橋結合を生じさせる化学実体(例えば、化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩および/もしくは水和物および/もしくはプロドラッグ)を特徴とする。本開示はまた、該化学実体を含有する組成物、ならびに該化学実体を使用および作製する他の方法を特徴とする。化学実体は、例えば、疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、ヒト)を治療するのに有用であり、ここで、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が、該疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している。そのような疾患、障害、または状態の非限定的な例には、(i)角膜拡張性障害、(ii)視覚状態、および(iii)前述のいずれかまたは本明細書において開示されるいずれかの続発症または併存症である疾患、障害、または状態が挙げられる。そのような疾患、障害、または状態のさらに具体的な非限定的な例には、円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、テリエン周辺角膜変性、近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視が挙げられる。いくつかの態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加および補充の非存在下で行うことができ、これはいくつかの適用で有利であり得る。
【0010】
一局面では、特徴的な化学実体は、式I:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含み、
式中、A1、B1、およびB2は、本明細書において定義される通りであり得る。
【0011】
一局面では、特徴的な化学実体は、式I:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含み、
式中、A1、B1、およびB2は、本明細書において定義される通りであり得る。
【0012】
一局面では、特徴的な化学実体は、式I:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含み、
式中、E1、F1、G1、H1、J1、L1、M1、Q1、B1、およびB2は、本明細書において定義される通りであり得る。
【0013】
一局面では、薬学的組成物は、本明細書において記載される化学実体(例えば、本明細書において一般的もしくは具体的に記載される化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する組成物)と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを含むことを特徴とする。
【0014】
一局面では、角膜において架橋結合を生じさせるための方法は、角膜と本明細書において記載される化学実体(例えば、本明細書において一般的もしくは具体的に記載される化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する組成物)とを接触させる工程;および角膜に電磁放射線を照射する工程を含むことを特徴とする。そのような方法は、例えば、疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、ヒト)の眼の角膜に化学実体を投与する工程であって、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が、疾患、障害、または状態(例えば、円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、テリエン周辺角膜変性、近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視)の病態および/または症状および/または進行に寄与している、工程を含み、角膜に電磁放射線を照射し得る。方法は、限定されることなく、(例えば、機械的剛性を付与することによって)角膜に屈折矯正を提供する工程を含み、角膜の構造を強化および安定化し得る。
【0015】
別の局面では、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している、疾患、障害、または状態の治療方法を特徴とする。方法は、疾患、障害、または状態を治療するのに有効な量で、本明細書において記載される化学実体(例えば、本明細書において一般的もしくは具体的に記載される化合物、その薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する組成物)を投与する工程を含む。
【0016】
さらなる局面では、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している、疾患、障害、または状態の治療方法を特徴とする。方法は、そのような治療を必要とする対象の眼の角膜に、本明細書において記載される化学実体(例えば、本明細書において一般的もしくは具体的に記載される化合物、その薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する組成物)の有効量を投与する工程;および角膜に電磁放射線を照射する工程を含む。
【0017】
そのような疾患、障害、および状態の非限定的な例には、角膜拡張性障害がある。特定の態様では、角膜拡張性障害は、円錐角膜である。特定の態様では、角膜拡張性障害は、球状角膜である。特定の態様では、角膜拡張性障害は、ペルーシド角膜辺縁変性である。特定の態様では、角膜拡張性障害は、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)である。特定の態様では、角膜拡張性障害は、テリエン周辺角膜変性である。
【0018】
そのような疾患、障害、および状態の別の非限定的な例には、視覚状態がある。特定の態様では、視覚状態は近視である。特定の態様では、視覚状態は遠視である。特定の態様では、視覚状態は近視である。特定の態様では、視覚状態は遠視である。特定の態様では、視覚状態は乱視である。特定の態様では、視覚状態は不正乱視である。特定の態様では、視覚状態は老視である。
【0019】
複数の態様は、以下の有利な特性のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0020】
いくつかの態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加および補充の非存在下で行うことができ、これはいくつかの適用で有利であり得る。
【0021】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化学実体および組成物は、角膜上皮細胞を事前に除去することなく角膜に適用することができ、それによって患者の快適性を改善する。
【0022】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化学実体および組成物は、比較的短い持続時間の電磁放射線を使用して角膜内で架橋結合することができる。
【0023】
他の態様は、「詳細な説明」および/または特許請求の範囲に記載されているものを含む。
【0024】
追加の定義
本明細書において記載される開示の理解を容易にするために、いくつかの追加の用語を以下に定義する。一般に、本明細書において使用される命名法ならびに本明細書において記載される有機化学、医薬品化学、および薬理学における実験手順は、当技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。別段の定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を一般に有する。本明細書および添付の付録を通して言及される特許、出願、公開出願、および他の刊行物の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0025】
本明細書において使用される場合、製剤、組成物、または成分に関する用語「許容される」は、治療される対象の健康全般に持続的な有害な効果を及ぼさないことを意味する。
【0026】
本明細書において使用される用語「有効量」または「治療有効量」は、治療される疾患または状態の症状のうちの1つまたは複数をある程度軽減する、投与される化学実体(例えば、本明細書において一般的もしくは具体的に記載される化合物、その薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する組成物)の十分な量を指す。結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因の低減および/または軽減、または生物系の任意の他の所望の変化を含む。例えば、治療的使用のための「有効量」は、疾患症状の臨床的に有意な減少をもたらすために必要とされる、本明細書において開示される化合物を含む組成物の量である。任意の個々の場合での適切な「有効」量は、用量漸増試験などの任意の好適な技術を使用して決定される。
【0027】
用語「賦形剤」または「薬学的に許容される賦形剤」は、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば、液体または固体の充填剤、希釈剤、担体、溶媒、または封入材料を意味する。一態様では、各成分は、薬学的製剤の他の成分と適合し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症を伴わずヒトおよび動物の組織または器官と接触して使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に見合っているという意味で「薬学的に許容される」。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.;Lippincott Williams&Wilkins:Philadelphia,PA,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.;Rowe et al.,Eds.;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009;Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.;Ash and Ash Eds.;Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.;Gibson Ed.;CRC Press LLC:Boca Raton,FL,2009を参照されたい。
【0028】
用語「薬学的に許容される塩」は、それが投与される生物に対して重大な刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性および特性を無効にしない、化合物の製剤を指す。特定の例では、薬学的に許容される塩は、本明細書において記載される化合物と、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などとを反応させることによって得られる。いくつかの例では、薬学的に許容される塩は、本明細書において記載される酸性基を有する化合物と塩基とを反応させて、塩、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リジンなどのようなアミノ酸との塩を形成することによって、または予め決定された他の方法によって得られる。薬理上許容される塩は、医薬に使用することができるものであれば特に限定されない。本明細書において記載される化合物が塩基と形成する塩の例には、以下が挙げられる:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびアルミニウムなどの無機塩基とのその塩;メチルアミン、エチルアミン、およびエタノールアミンなどの有機塩基とのその塩;リジンおよびオルニチンなどの塩基性アミノ酸とのその塩;ならびにアンモニウム塩。塩は、以下との酸付加塩によって具体的に例示される酸付加塩であってよい:鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸、有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、およびエタンスルホン酸;酸性アミノ酸、例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸。
【0029】
用語「薬学的組成物」は、本明細書において記載される化合物と、他の化学成分(本明細書において「賦形剤」と総称される)、例えば、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、および/または増粘剤との混合物を指す。薬学的組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。当技術分野において、限定されることなく、直腸投与、経口投与、静脈内投与、エアロゾル投与、非経口投与、眼投与、肺投与、および局所投与を含む、化合物を投与する複数の技術が存在する。
【0030】
用語「対象」は、限定されることなく、霊長類(例えば、ヒト)、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、またはマウスを含む動物を指す。本明細書において、用語「対象」および「患者」は、例えば、ヒトなどの哺乳動物対象に関して区別なく使用される。
【0031】
疾患、障害、または状態を治療する文脈では、用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、および「治療(treatment)」は、障害、疾患、もしくは状態、もしくは障害、疾患、もしくは状態に関連する症状のうちの1つもしくは複数を軽減もしくは抑止することを含むこと、または疾患、障害、もしくは状態、もしくはその1つもしくは複数の症状の進行、拡大、もしくは悪化を遅らせることを意味する。
【0032】
用語「ハロ」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、またはヨード(I)を指す。
【0033】
用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖であり得る炭化水素鎖を指す。例えば、C1~10は、基がその中に1個以上10個以下の炭素原子を有し得ることを示す。非限定的な例には、メチル、エチル、iso-プロピル、tert-ブチル、n-ヘキシルが挙げられる。
【0034】
用語「ハロアルキル」は、1つまたは複数の水素原子が、独立して選択されるハロによって置換されているアルキルを指す。
【0035】
用語「アルコキシ」は、-O-アルキルラジカル(例えば、-OCH3)を指す。
【0036】
用語「ハロアルコキシ」は、-O-ハロアルキルラジカル(例えば、-OCF3)を指す。
【0037】
用語「アルキレン」は、分岐または非分岐の二価アルキル(例えば、-CH2-)を指す。
【0038】
用語「アリーレン」などは、環系の二価形態、ここでは二価アリールを指す。
【0039】
用語「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖であり得る炭化水素鎖を指す。アルケニル部分は、示された数の炭素原子を含む。例えば、C2~6は、基がその中に2個以上6個以下の炭素原子を有し得ることを示す。
【0040】
用語「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖であり得る炭化水素鎖を指す。アルキニル部分は、示された数の炭素原子を含む。例えば、C2~6は、基がその中に2個以上6個以下の炭素原子を有し得ることを示す。
【0041】
用語「アリール」は、各環の0、1、2、3、または4個の原子が置換基によって置換されていてもよく、単環式ラジカルを含む環が芳香族であり、二環式または三環式ラジカルを含む縮合環のうちの少なくとも1つが芳香族、例えば、テトラヒドロナフチルである6炭素単環式、10炭素二環式、または14炭素三環式芳香環系を指す。アリール基の例には、フェニル、ナフチルなども挙げられる。
【0042】
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、3~10個の炭素、好ましくは3~8個の炭素、さらに好ましくは3~6個の炭素を有する飽和環状炭化水素基を含み、シクロアルキル基は置換されていてもよい。好ましいシクロアルキル基には、限定されることなく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。
【0043】
用語「ヘテロアリール」は、単環式の場合1~3個のヘテロ原子、二環式の場合1~6個のヘテロ原子または三環式の場合1~9個のヘテロ原子を有する芳香族5~8員単環式、8~12員二環式、または11~14員三環式環系を指し、該ヘテロ原子は、O、N、またはS(例えば、炭素原子、および単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれN、OまたはSの1~3個、1~6個、または1~9個のヘテロ原子)より選択され、各環の0、1、2、3、または4個の原子は置換基によって置換されていてもよく、単環式ラジカルを含む環は芳香族であり、二環式または三環式ラジカルを含む縮合環のうちの少なくとも1つは芳香族である(ただし、ヘテロ原子を含む環、例えばテトラヒドロイソキノリニルである必要はない。例示的なヘテロアリール系は、限定されることなく、以下の環系に由来する:ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール(=[1,3]オキサゾール)、イソオキサゾール(=[1,2]オキサゾール)、チアゾール(=[1,3]チアゾール)、イソチアゾール(=[1,2]チアゾール)、[1,2,3]トリアゾール、[1,2,4]トリアゾール、[1,2,4]オキサジアゾール、[1,3,4]オキサジアゾール、[1,2,4]チアジアゾール、[1,3,4]チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、[1,2,3]トリアジン、[1,2,4]トリアジン、[1,3,5]トリアジン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン[1,3]ベンゾオキサゾール、[1,3]ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、様々なナフチリジン、例えば、[1,8]ナフチリジン、様々なチエノピリジン、例えば、チエノ[2,3-b]ピリジンおよびプリン。
【0044】
用語「ヘテロシクリル」は、単環式の場合1~3個のヘテロ原子、二環式の場合1~6個のヘテロ原子、または三環式の場合1~9個のヘテロ原子を有する非芳香族5~8員単環式、8~12員二環式、または11~14員三環式環系を指し、該ヘテロ原子は、O、N、またはS(例えば、炭素原子、および単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれN、O、またはSの1~3個、1~6個、または1~9個のヘテロ原子)より選択され、各環の0、1、2、または3個の原子は置換基によって置換されていてもよい。ヘテロシクリル基の例には、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
【0045】
さらに、本態様の化合物を構成する原子は、そのような原子のあらゆる同位体形態を含むことが意図される。同位体は、本明細書において使用される場合、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、限定されることなく、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が含まれ、かつ炭素の同位体には13Cおよび14Cが含まれる。
【0046】
本発明の1つまたは複数の態様の詳細は、以下の説明、および本開示の一部と明確に見なされる添付の付録に記載される。他の特徴および利点も、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0047】
詳細な説明
本開示は、電磁波照射への曝露に応答して角膜において架橋結合を生じさせる化学実体(例えば、化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩および/または水和物および/またはプロドラッグ)を特徴とする。本開示はまた、化学実体を含有する組成物、ならびに化学実体を使用および作製する他の方法を特徴とする。化学実体は、例えば、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、ヒト)を治療するのに有用である。そのような疾患、障害、または状態の非限定的な例には、(i)角膜拡張性障害、(ii)視覚状態および(iii)前述のいずれかまたは本明細書において開示されるいずれかの続発症または併存症である疾患、障害、または状態が挙げられる。そのような疾患、障害、または状態のさらに具体的な非限定的な例には、円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、テリエン周辺角膜変性、近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視が挙げられる。いくつかの態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加および補充の非存在下で行うことができ、これはいくつかの適用で有利であり得る。
【0048】
式(I)の化合物
一局面では、本開示は、式(I):
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とし、
式中、
LAおよびLBの各々は独立して、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C5アルキレンであり;
Aは、角膜実質への化合物の送達(例えば、無傷の角膜上皮を介する)を増強しかつ/または角膜コラーゲンへの化合物の結合を増強する部分であり;
B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z2-Z3であり、ここで、
・Z1は、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンであり;
・Z2は、結合、-N(Rd)-、-O-、または-S-であり;かつ
・Z3は、ハロ、H、または、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~7アルキルであり;
Raの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rbの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');オキソ;-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rdの各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択され;
ReおよびRfの各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より独立して選択され;かつ
R'およびR''の各出現は、HおよびC1~4アルキルからなる群より独立して選択されるか、または、R'およびR''は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって、3~8個の環原子を含む環を形成し、ここで環は、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている1~7個の環炭素原子と;(b)N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(R'およびR''に結合した窒素原子に加えて)とを含む。
【0049】
可変記号A
式(I)のいくつかの態様では、Aは、角膜実質への化合物の送達(例えば、無傷の角膜上皮を介する)を増強しかつ/または角膜コラーゲンへの化合物の結合を増強する部分である。
【0050】
式(I)のいくつかの態様では、Aは、角膜実質への化合物の、無傷の角膜上皮を介する送達を増強し、かつ/または角膜コラーゲンへの化合物の結合を増強する、部分である。
【0051】
式(I)のいくつかの態様では、Aは、角膜上皮細胞を透過することができる部分(例えば、小分子部分)である。
【0052】
いくつかの態様では、Aはペプチド部分である。
【0053】
特定の態様では、Aは、N末端でLAに、C末端でLBに結合している。式(I)の特定の他の態様では、Aは、C末端でLAに、N末端でLBに結合している。
【0054】
特定の態様では、Aは、コラーゲンに結合するデコリン配列から得られるペプチド部分である。前述の特定の態様では、Aは、I型コラーゲンに結合するデコリン配列から得られるペプチド部分である(例えば、Aは、その全体が参照により本明細書に組み入れられるJ.Biol.Chem.2007,282,16062に報告されたデコリン配列SYIRIADTNITから得られるペプチド部分である)。前述の態様の非限定的な例として、Aは、配列RIADのペプチド部分を含むことができる。
【0055】
特定の態様では、Aは、アスポリン配列から得られるペプチド部分である(例えば、Aは、その全体が参照により本明細書に組み入れられるJ.Biol.Chem.2007,282,16062に報告されたアスポリン配列HIRIAEAKLTから得られるペプチド部分である)。前述の態様の非限定的な例として、Aは、配列RIAEのペプチド部分であり得る。
【0056】
特定の態様では、Aは、ビグリカン配列から得られるペプチド部分である(例えば、Aは、その全体が参照により本明細書に組み入れられるJ.Biol.Chem.2007,282,16062に報告されたアスポリン配列NYLRISEAKLTから得られるペプチド部分である。
【0057】
特定の態様では、Aは、ルミカンおよび/またはフィブロモジュリンに結合する部分である。
【0058】
可変記号LAおよびLB
式(I)のいくつかの態様では、LAおよびLBの各々は独立して、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C3アルキレンである。
【0059】
前述の特定の態様では、LAおよびLBの各々は独立して、1個からのRaによって置換されていてもよいC1~C3アルキレンである。
【0060】
前述の態様の非限定的な例として、LAおよびLBの各々は独立して、非置換C1~C3アルキレン(例えば、非置換C2~3アルキレン;例えば、非置換エチレンまたはプロピレン)であり得る。
【0061】
可変記号B1およびB2
式(I)のいくつかの態様では、B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z3である(すなわち、Z2は結合である)。
【0062】
式(I)のいくつかの態様では、Z3は、H、ハロ、またはC1~3アルキルである。
【0063】
式(I)のいくつかの態様では、Z3は、HまたはC1~3アルキルである(例えば、Z3はHであり得る)。
【0064】
式(I)のいくつかの態様では、Z3はハロである(例えば、Z3はFであり得る)。
【0065】
式(I)のいくつかの態様では、Z1は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンである(例えば、Z1は、メチレン、CHF、またはCF2であり得る)。
【0066】
特定の態様では、Z1は、非置換C1~3アルキレン(例えば、CH2)である。
【0067】
特定の態様では、Z1は、非置換C1~3アルキレンであり、Z3はHである。
【0068】
特定の態様では、Z1は、1~2個の独立して選択されるハロ(例えば、F)によって置換されているC1~3アルキレンである。
【0069】
特定の態様では、B1およびB2の各々は、CH3、CHRa、CH(Ra2、およびC(Ra2-ハロより独立して選択される。
【0070】
前述の態様の非限定的な例として、B1およびB2の各々は独立して、CH3、CHF2、CH2F、およびCF3(例えば、CH3)であり得る。
【0071】
式(I-a)の化合物
別の局面では、本開示は、式(I-a):
の化合物を特徴とし、
式中、
A1は、1~10個(例えば、1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、1個)のR1を差し挟まれているC2~C20アルキレンであり;
B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z2-Z3であり、ここで、
・Z1は、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンであり;
・Z2は、結合、-N(Rd)-、-O-、または-S-であり;かつ
・Z3は、ハロ、H、または、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~7アルキルであり;
R1の各出現は、
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・C(R22;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される二価基であり;
R2の各出現は、
(i)Ra;
(ii)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(iii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L2-ヘテロシクリル;
(iv)1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール;
(v)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリール;ならびに
(vi)H
からなる群より独立して選択されるか、または
(vii)-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、5~8個の環原子を含む環を形成し、ここで環は、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている3~6個の環炭素原子(CH(R2)に加えて)と;(b)N(Rd1)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(Rd1に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
R3の各出現は、
(i)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(ii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L3-ヘテロシクリル;
(iii)1~4個のRcによって置換されていてもよいL3-C6~C10アリール;ならびに
(iv)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリール
からなる群より独立して選択され;
Raの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rbの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');オキソ;-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rcの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rdの各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択され;
ReおよびRfの各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より独立して選択され;かつ
R'およびR''の各出現は、HおよびC1~4アルキルからなる群より独立して選択されるか、またはR'およびR''は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって、3~8個の環原子を含む環を形成し、ここで環は、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている1~7個の環炭素原子と;(b)N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(R'およびR''に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成し;
かつ
各出現におけるL2およびL3の各々は独立して、結合、または、オキソおよびRaより独立して選択される1~3個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキレンである。
【0072】
可変記号A1
式(I-a)のいくつかの態様では、A1は、1~4個(例えば、1個、2~3個、3~4個、2個、3個、または4個)の独立して選択されるR1を差し挟まれているC4~C8アルキレンである。
【0073】
特定の態様では、A1は、1~4個(例えば、1個、2~3個、3~4個、2個、3個、または4個)の独立して選択されるR1を差し挟まれているC4~C6アルキレンである。
【0074】
特定の態様では、A1は、1個の独立して選択されるR1を差し挟まれている。
【0075】
特定の態様では、A1は、2~3個(例えば、2個または3個)の独立して選択されるR1を差し挟まれている。
【0076】
特定の態様では、A1は、3~4個(例えば、3個または4個)の独立して選択されるR1を差し挟まれている。
【0077】
特定の態様では、A1は、1~3個の独立して選択されるR1を差し挟まれている。
【0078】
特定の態様では、A1は、2~4個の独立して選択されるR1を差し挟まれている。
【0079】
可変記号R 1
式(I-a)のいくつかの態様では、1つのR1は独立して、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-、または-N(R3)-である(例えば、1つのR1は-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-であるか、または1つのR1は-N(R3)-である)。
【0080】
前述の特定の態様では、他のR1基の各々は、-N(Rd1)-、(C=O)、-O-、S(O)p、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-、および-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-からなる群より独立して選択される。
【0081】
前述の態様の非限定的な例として、他のR1基の各々は、-N(H)-、(C=O)、-O-、S(O)2、-C(=O)CH(R2)N(H)-、および-C(=O)CH2CH2N(H)-からなる群より独立して選択され得る。
【0082】
可変記号R2およびR3
式(I-a)のいくつかの態様では、R2はHである。
【0083】
式(I-a)のいくつかの態様では、R2は、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキルである。
【0084】
特定の態様では、R2は、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である。
【0085】
前述の特定の態様では(R2が、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である場合)、各Raは、-OH;-SH;-NReRf;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;および-NR'C(=NR')NR'R''より独立して選択される。
【0086】
前述の態様の非限定的な例として、各Raは、-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る(例えば、各Raは、-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る)。
【0087】
式(I-a)のいくつかの態様では、R2は、
1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール;または
ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリール
である。
【0088】
特定の態様では、R2は、フェニルが1~2個のRcによって置換されていてもよい、L2-フェニルである。
【0089】
特定の態様では、R2は、ヘテロアリールが5~9個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリールである。
【0090】
前述の態様の非限定的な例として、R2は、インドリルまたはイミダゾリルが、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-インドリルまたはL2-イミダゾリルであり得る。
【0091】
前述の特定の態様では(R2は、1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール、または、ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリールである場合)、各Rcは、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-;および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルより独立して選択される。
【0092】
前述の態様の非限定的な例として、各Rcは、-OH、F、-NReRf、C1~4アルキル;およびC1~4ハロアルキルより独立して選択され得る(例えば、RcはOHである)。
【0093】
特定の態様では、L2は、1~3個のRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6(例えば、C1~4)アルキレンである。
【0094】
式(I-a)のいくつかの態様では、R2の各出現は、
・H;
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択されるか、または
・-CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合してピロリジン環を形成する。
【0095】
特定の態様では、R2の各出現は、
・H;
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0096】
前述の態様の非限定的な例として、R2の各出現は、
・H;
より独立して選択され得る。
【0097】
式(I-a)のいくつかの態様では、R3の各出現は、
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル、
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル、
・(C1~C6アルキレン)-インドリル、ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0098】
式(I-a)のいくつかの態様では、R3は、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキルである。
【0099】
特定の態様では、R3は、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である。
【0100】
前述の特定の態様では(R3が、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である場合)、各Raは、-OH;-SH;-NReRf;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;および-NR'C(=NR')NR'R''より独立して選択される。
【0101】
前述の態様の非限定的な例として、各Raは、-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る(例えば、各Raは、-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る;例えば、各Raは、-NH2およびCO2Hより独立して選択され得る)。
【0102】
式(I-a)のいくつかの態様では、R3は、
1~4個のRcによって置換されていてもよいL3-C6~C10アリール;または
ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリール
である。
【0103】
特定の態様では、R3は、フェニルが1~2個のRcによって置換されていてもよいL3-フェニルである。
【0104】
特定の態様では、R3はL3-ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールが5~8個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい。
【0105】
前述の態様の非限定的な例として、R3は、インドリルまたはイミダゾリルが、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよいL3-インドリルまたはL3-イミダゾリルであり得る。
【0106】
前述の特定の態様では(R3は、1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール、または、ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリールである場合)、各Rcは、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-;および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルより独立して選択される。
【0107】
前述の態様の非限定的な例として、各Rcは、-OH、F、-NReRf、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルより独立して選択され得る(例えば、RcはOHである)。
【0108】
特定の態様では、L3は、1~3個のRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6(例えば、C1~4)アルキレンである。
【0109】
特定の態様では、L3は、1個のオキソによって置換されているC1~6(例えば、C1~4)アルキレンである。前述の非限定的な例として、L3
であり得る。
【0110】
特定の態様では、L3は結合である。
【0111】
特定の態様では、R3の各出現は、
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0112】
前述の態様の非限定的な例として、R3の各出現は、
より独立して選択され得る。
【0113】
特定の態様では、R3の各出現は、-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキルより独立して選択される。
【0114】
前述の態様の非限定的な例として、R3の各出現は、
より独立して選択され得る。
【0115】
いくつかの態様では、R3の各出現はL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい。
【0116】
特定の態様では、R3の各出現はL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが4~6個(例えば、5~6個)の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい(例えば、ヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルであり得る)。
【0117】
特定のこれらの態様では、L3は結合である。
【0118】
特定の態様では(R3の各出現がL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい場合)、L3は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6アルキルである。
【0119】
特定の態様では(R3の各出現がL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい場合)、L3は、1個のオキソによって置換されているC1~6(例えば、C1~4)アルキレンである(例えば、
であり得る)。
【0120】
非限定的な例として、R3は、
より選択され得る。
【0121】
可変記号B1およびB2
式(I-a)のいくつかの態様では、B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z3である(すなわち、Z2は結合である)。
【0122】
式(I-a)のいくつかの態様では、Z3は、H、ハロ、またはC1~3アルキルである。
【0123】
式(I-a)のいくつかの態様では、Z3は、HまたはC1~3アルキルである(例えば、Z3はHであり得る)。
【0124】
式(I-a)のいくつかの態様では、Z3はハロである(例えば、Z3はFであり得る)。
【0125】
式(I-a)のいくつかの態様では、Z1は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンである(例えば、Z1は、メチレン、CHF、またはCF2であり得る)。
【0126】
特定の態様では、Z1は、非置換C1~3アルキレン(例えば、CH2)である。
【0127】
特定の態様では、Z1は、非置換C1~3アルキレンであり、Z3はHである。
【0128】
特定の態様では、Z1は、1~2個の独立して選択されるハロ(例えば、F)によって置換されているC1~3アルキレンである。
【0129】
特定の態様では、B1およびB2の各々は、CH3、CHRa、CH(Ra2、およびC(Ra2-ハロより独立して選択される。
【0130】
前述の態様の非限定的な例として、B1およびB2の各々は独立して、CH3、CHF2、CH2F、またはCF3(例えば、CH3)であり得る。
【0131】
可変記号Rd1
式(I-a)のいくつかの態様では、Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');および-S(O)1~2(C1~4アルキル)からなる群より独立して選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成する。
【0132】
特定の態様では、Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;およびC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択される。
【0133】
特定の態様では、Rd1の各出現はHである。
【0134】
式(I-b)の化合物
別の局面では、本開示は、式(I-b):
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とし、
式中、
B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z2-Z3であり、ここで、
・Z1は、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンであり;
・Z2は、結合、-N(Rd)-、-O-、または-S-であり;かつ
・Z3は、H、ハロ、または、1~4個のRaによって置換されていてもよいC1~7アルキルであり;
E1、F1、G1、H1、J1、L1、M1、およびQ1の各々は、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;および
・R1
より独立して選択され;
R1の各出現は、
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・C(R22
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より独立して選択され;
ただし、E1およびF1のうちの少なくとも一方は、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレンであり、ただし、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの1~4つは、それぞれ独立して選択されるR1であり;
R2の各出現は、
(i)Ra;
(ii)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(iii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L2-ヘテロシクリル;
(iv)1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール;
(v)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリール;ならびに
(vi)H
からなる群より独立して選択されるか、または
(vii)-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、5~8個の環原子を含む環を形成し、ここで環は、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている3~6個の環炭素原子(CH(R2)に加えて)と;(b)N(Rd1)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(Rd1に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
R3の各出現は、
(i)1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
(ii)ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい、L3-ヘテロシクリル;
(iii)1~4個のRcによって置換されていてもよいL3-C6~C10アリール;ならびに
(iv)ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリール
からなる群より独立して選択され;
Raの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rbの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');オキソ;-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rcの各出現は、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-NR'C(=NR')NR'R'';および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Rdの各出現は、H C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択され;
ReおよびRfの各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より独立して選択され;かつ
R'およびR''の各出現は、HおよびC1~4アルキルからなる群より独立して選択されるか、またはR'およびR''は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって、3~8個の環原子を含む環を形成し、ここで環は、(a)HおよびC1~3アルキルより独立して選択される1~2個の置換基によってそれぞれが置換されている1~7個の環炭素原子と;(b)N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択される0~3個の環ヘテロ原子(R'およびR''に結合した窒素原子に加えて)とを含み;
Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)1~2(C1~4アルキル);-OH;およびC1~4アルコキシからなる群より選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成し;
かつ
各出現におけるL2およびL3の各々は独立して、結合、または、オキソおよびRaより独立して選択される1~3個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキレンである。
【0135】
式(I-b)のいくつかの態様では、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの1~4つは、それぞれ独立して選択されるR1である。
【0136】
特定の態様では、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの1~3つ(例えば、2~3つ)は、それぞれ独立して選択されるR1である。
【0137】
前述の特定の態様では、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの1~2つ(例えば、1または2つ)は、それぞれ独立して選択されるR1である。
【0138】
前述の特定の態様では、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの2~3つ(例えば、2または3つ)は、それぞれ独立して選択されるR1である。
【0139】
前述の特定の態様では、F1、G1、H1、J1、L1、およびM1のうちの2~4つ(例えば、2、3または4つ)は、それぞれ独立して選択されるR1である。
【0140】
可変記号H1およびJ1
式(I-b)のいくつかの態様では、H1およびJ1の各々は、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より独立して選択される。
【0141】
特定の態様では、H1およびJ1の各々は、
・結合;
・-N(Rd1)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より独立して選択される。
【0142】
式(I-b)のいくつかの態様では、H1およびJ1のうちの一方は独立して、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である(例えば、J1は-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である)。
【0143】
前述の特定の態様では、H1およびJ1のうちの他方は、
・結合;
・-N(Rd1)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より独立して選択される。
【0144】
前述の特定の態様では(H1およびJ1のうちの一方が独立して、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である(例えば、J1は-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である)場合)、H1およびJ1のうちの他方は、結合、-N(Rd1)-、および-O-より独立して選択される(例えば、H1は結合であり得るか、H1は-N(Rd1)(例えば、-N(H)-)であり得る)。
【0145】
式(I-b)のいくつかの態様では、H1およびJ1のうちの一方は独立して、-N(R3)-または-N(Rd1)-である。前述の特定の態様では、H1およびJ1のうちの一方は独立して-N(R3)-である。
【0146】
前述の特定の態様では(H1およびJ1のうちの一方が独立して、-N(R3)-または-N(Rd1)-である場合)、H1およびJ1のうちの他方は、
・結合;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される。
【0147】
前述の態様の非限定的な例として、H1およびJ1のうちの一方が独立して、-N(R3)-または-N(Rd1)-である場合、H1およびJ1のうちの他方は、結合またはC(=O)であり得る。
【0148】
可変記号E1およびQ1
式(I-b)のいくつかの態様では、E1およびQ1の各々は、1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレンである。
【0149】
前述の特定の態様では、E1およびQ1の各々は、1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C4アルキレンである。
【0150】
前述の態様の非限定的な例として、E1およびQ1の各々は、非置換である、独立して選択されるC2~C4アルキレン(例えば、C2~C3アルキレン、例えば、C2アルキレン)であり得る。
【0151】
可変記号F1
式(I-b)のいくつかの態様では、F1は、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0152】
特定の態様では、F1は、結合、-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)、-O-、および-S-より選択される。
【0153】
特定の態様では、F1は結合である。
【0154】
特定の態様では、F1は、-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)である。
【0155】
特定の態様では、F1は-O-である。
【0156】
特定の態様では、F1は-S-である。
【0157】
可変記号G1
式(I-b)のいくつかの態様では、G1は、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0158】
特定の態様では、G1は、
・結合;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0159】
特定の態様では、G1は結合である。
【0160】
特定の態様では、G1は、p=1または2(例えば、p=2)であるS(O)pである。
【0161】
可変記号M1
式(I-b)のいくつかの態様では、M1は、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0162】
特定の態様では、M1は、
・結合;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0163】
特定の態様では、M1は結合である。
【0164】
可変記号L1
式(I-b)のいくつかの態様では、L1は、
・結合;
・1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキレン;
・-N(Rd1)-;
・-N(R3)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0165】
特定の態様では、L1は、
・結合;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
からなる群より選択される。
【0166】
特定の態様では、L1は結合である。
【0167】
特定の態様では、L1は-C(=O)CH(R2)(CH2)N(Rd1)-(例えば、R2=H)である。
【0168】
特定の態様では、L1はC(=O)である。
【0169】
特定の態様では、L1は-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である。
【0170】
可変記号R2およびR3
式(I-b)のいくつかの態様では、R2はHである。
【0171】
式(I-b)のいくつかの態様では、R2は、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキルである。
【0172】
特定の態様では、R2は、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である。
【0173】
前述の特定の態様では(R2が、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である場合)、各Raは、-OH;-SH;-NReRf;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;および-NR'C(=NR')NR'R''より独立して選択される。
【0174】
前述の態様の非限定的な例として、各Raは、-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る(例えば、各Raは、-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る)。
【0175】
式(I-b)のいくつかの態様では、R2は、
1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール;または
ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリール
である。
【0176】
特定の態様では、R2は、フェニルが1~2個のRcによって置換されていてもよい、L2-フェニルである。
【0177】
特定の態様では、R2は、ヘテロアリールが5~8個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリールである。
【0178】
前述の態様の非限定的な例として、R2は、インドリルまたはイミダゾリルが、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-インドリルまたはL2-イミダゾリルであり得る。
【0179】
前述の特定の態様では(R2は、1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール、または、ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L2-ヘテロアリールである場合)、各Rcは、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-;および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルより独立して選択される。
【0180】
前述の態様の非限定的な例として、各Rcは、-OH、F、-NReRf、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルより独立して選択され得る(例えば、RcはOHである)。
【0181】
特定の態様では、L2は、1~3個のRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6(例えば、C1~4)アルキレンである。
【0182】
式(I-b)のいくつかの態様では、R2の各出現は、
・H;
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択されるか、または
・-CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合してピロリジン環を形成する。
【0183】
特定の態様では、R2の各出現は、
・H;
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0184】
前述の態様の非限定的な例として、R2の各出現は、
・H;
より独立して選択され得る。
【0185】
式(I-b)のいくつかの態様では、R3の各出現は、
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0186】
式(I-b)のいくつかの態様では、R3は、1~3個のRaによって置換されていてもよいC1~C6アルキルである。
【0187】
特定の態様では、R3は、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である。
【0188】
前述の特定の態様では(R3が、1~2個のRaによって置換されていてもよいC1~C4アルキル(例えば、1個のRaによって置換されているC1~C4アルキル)である場合)、各Raは、-OH;-SH;-NReRf;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;および-NR'C(=NR')NR'R''より独立して選択される。
【0189】
前述の態様の非限定的な例として、各Raは、-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る(例えば、各Raは、-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より独立して選択され得る;例えば、各Raは、-NH2、およびCO2Hより独立して選択され得る)。
【0190】
式(I-b)のいくつかの態様では、R3は、
1~4個のRcによって置換されていてもよいL3-C6~C10アリール;または
ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリール
である。
【0191】
特定の態様では、R3は、フェニルが1~2個のRcによって置換されていてもよいL3-フェニルである。
【0192】
特定の態様では、R3はL3-ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールが5~8個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい。
【0193】
前述の態様の非限定的な例として、R3は、インドリルまたはイミダゾリルが、1~2個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよいL3-インドリルまたはL3-イミダゾリルであり得る。
【0194】
前述の特定の態様では(R3は、1~4個のRcによって置換されていてもよいL2-C6~C10アリール、または、ヘテロアリールが5~10個の環原子を含み、1~4個の環原子が、N、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロアリール環炭素原子のうちの1つもしくは複数が、1~4個の独立して選択されるRcによって置換されていてもよい、L3-ヘテロアリールである場合)、各Rcは、-OH;-SH;-F;-Cl;-Br;-NReRf;C1~4アルキル;C1~4ハロアルキル;C1~4アルコキシ;C1~4ハロアルコキシ;-C(=O)O(C1~4アルキル);-C(=O)OH;-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');-S(O)0~2(C1~4アルキル);シアノ;-;および1~4個の独立して選択されるC1~4アルキルによって置換されていてもよいC3~6シクロアルキルより独立して選択される。
【0195】
前述の態様の非限定的な例として、各Rcは、-OH、F、-NReRf、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルより独立して選択され得る(例えば、RcはOHである)。
【0196】
特定の態様では、L3は、1~3個のRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6(例えば、C1~4)である。
【0197】
特定の態様では、L3は、1個のオキソによって置換されているC1~6(例えば、C1~4)アルキレンである。前述の非限定的な例として、L3
であり得る。
【0198】
特定の態様では、L3は結合である。
【0199】
特定の態様では、R3の各出現は、
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0200】
前述の態様の非限定的な例として、R3の各出現は、
より独立して選択され得る。
【0201】
特定の態様では、R3の各出現は、-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキルより独立して選択される。
【0202】
前述の態様の非限定的な例として、R3の各出現は、
より独立して選択され得る。
【0203】
いくつかの態様では、R3の各出現はL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい。
【0204】
特定の態様では、R3の各出現はL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが4~6個(例えば、5~6個)の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい(例えば、ヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルであり得る)。
【0205】
特定の態様では(R3の各出現がL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい場合)、L3は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6アルキルである。
【0206】
特定の態様では(R3の各出現がL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい場合)、L3は、1個のオキソによって置換されているC1~6(例えば、C1~4)アルキレンである(例えば、
であり得る)。
【0207】
非限定的な例として、R3は、
より選択され得る。
【0208】
可変記号Rd1
式(I-b)のいくつかの態様では、Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');および-S(O)1~2(C1~4アルキル)からなる群より独立して選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成する。
【0209】
特定の態様では、Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;およびC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択される。
【0210】
特定の態様では、Rd1の各出現はHである。
【0211】
可変記号B1およびB2
式(I-b)のいくつかの態様では、B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z3である(すなわち、Z2は結合である)。
【0212】
式(I-b)のいくつかの態様では、Z3は、H、ハロ、またはC1~3アルキルである。
【0213】
式(I-b)のいくつかの態様では、Z3は、HまたはC1~3アルキルである(例えば、Z3はHであり得る)。
【0214】
式(I-b)のいくつかの態様では、Z3はハロである(例えば、Z3はFであり得る)。
【0215】
式(I-b)のいくつかの態様では、Z1は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンである(例えば、Z1は、メチレン、CHF、またはCF2であり得る)。
【0216】
特定の態様では、Z1は、非置換C1~3アルキレン(例えば、CH2)である。
【0217】
特定の態様では、Z1は、非置換C1~3アルキレンであり、Z3はHである。
【0218】
特定の態様では、Z1は、1~2個の独立して選択されるハロ(例えば、F)によって置換されているC1~3アルキレンである。
【0219】
特定の態様では、B1およびB2の各々は、CH3、CHRa、CH(Ra2、およびC(Ra2-ハロより独立して選択される。
【0220】
前述の態様の非限定的な例として、B1およびB2の各々は独立して、CH3、CHF2、CH2F、またはCF3であり得る。
【0221】
式(I-b)の非限定的な組合せ
[1]
式(I-b)のいくつかの態様では、H1またはJ1のうちの一方は、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-であり、かつ
E1およびQ1の各々は、1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレン(例えば、C2~4アルキレン、例えば、非置換C2~4アルキレン)である。
【0222】
前述の特定の態様では、F1は、-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)、-O-、または-S-)である。
【0223】
[1]の特定の態様では、式(I-b)の化合物は、化合物 式(II):
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
E1およびQ1の各々は、1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレン(例えば、C2~4アルキレン、例えば、非置換C2~4アルキレン)であり;
F1は、-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)、-O-、または-S-であり;かつ
H1、G1、L1、およびM1の各々は、
・結合;
・-N(Rd1)-;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される。
【0224】
[1-1]
式(II)のいくつかの態様では、L1およびM1の各々は結合である。
【0225】
式(II)のいくつかの態様では、G1およびH1の各々は結合である。
【0226】
式(II)のいくつかの態様では、F1は-N(Rd)-(例えば、NH)である。
【0227】
特定の態様では、式IIの化合物は、式(II-a):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0228】
[1-2]
式(II)のいくつかの態様では、G1はS(O)pでありかつpは1または2である。
【0229】
前述の特定の態様では(式II中、G1がS(O)pでありかつpが1または2である場合)、F1は-O-である。
【0230】
特定の態様では(式II中、G1がS(O)pでありpが1または2である場合;および/またはF1が-O-である場合)、H1は-N(Rd1)-(例えば、NH)である。
【0231】
特定の態様では、式(II)の化合物は、式(II-b):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0232】
[1-3]
式(II)のいくつかの態様では、L1は-C(=O)CH(R2)(CH2)N(Rd1)-である。
【0233】
前述の特定の態様では(式(II)中、L1が-C(=O)CH(R2)(CH2)N(Rd1)-である場合)、M1、G1、およびH1の各々は結合である。
【0234】
前述の特定の態様では(式II中、L1が-C(=O)CH(R2)(CH2)N(Rd1)-である場合;および/または式(II)中、M1、G1、およびH1の各々が結合である場合)、F1は、-O-または-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)である。
【0235】
特定の態様では、式(II)の化合物は、式(II-c1)もしくは(II-c2):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0236】
[1-4]
式(II)のいくつかの態様では、L1はC(=O)である。
【0237】
前述の特定の態様では(式(II)中、L1がC(=O)である場合)、M1、G1、およびH1の各々は結合である。
【0238】
前述の特定の態様では(式(II)中、L1がC(=O)である場合;および/または式(II)中、M1、G1、およびH1の各々が結合である場合)、F1は、-O-または-N(Rd1)-である。
【0239】
特定の態様では、式(II)の化合物は、式(II-d):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0240】
[1-5]
式(II)のいくつかの態様では、L1は-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である。
【0241】
前述の特定の態様では、M1、G1、およびH1の各々は結合である。
【0242】
特定の態様では(例えば、L1が-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-である場合、および/またはM1、G1、およびH1の各々が結合である場合)、F1は、-O-または-N(Rd1)-(例えば、-N(H)-)である。
【0243】
特定の態様では、式(II)の化合物は、式(II-e):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0244】
前述の態様の非限定的な例として、化合物は、以下の式:
を有する。
【0245】
[2]
式(I-b)のいくつかの態様では、H1およびJ1のうちの一方は、-N(R3)-または-N(Rd1)-である(例えば、H1およびJ1のうちの一方は-N(R3)である)。
【0246】
前述の特定の態様では、式(I-b)の化合物は、式(III):
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0247】
式(III)の特定の態様では、E1およびQ1の各々は、1~3個のRaによって置換されていてもよい、独立して選択されるC1~C6アルキレン(例えば、C2~C4アルキレン、C2~C3アルキレン、C2アルキレン、例えば、非置換C2アルキレン)である。
【0248】
前述の特定の態様では、F1およびM1の各々は結合である。
【0249】
特定の態様では、G1およびL1の各々は、
・結合;
・-O-;
・pが0、1、または2であるS(O)p;
・C(=O);
・C(=S);
・CHR2;
・-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-;および
・-C(=O)CH(R2)CH2N(Rd1)-
より独立して選択される。
【0250】
前述の態様の非限定的な例として、G1およびL1の各々は結合である。
【0251】
[2]の前述の特定の態様では、H1は結合である。
【0252】
[2]の前述の特定の態様では、H1は(C=O)である。
【0253】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R2の各出現は、請求項40~42に定義される通りである。
【0254】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R2の各出現は、
・H;
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択されるか、または
・-CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合してピロリジン環を形成する。
【0255】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R2の各出現は、
・H;
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0256】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R2の各出現は、
・H;
より独立して選択される。
【0257】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R3の各出現は、請求項43~45に定義される通りである。
【0258】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R3の各出現は、
・-NH2、-OH、-SH、-SMe、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;
・1~2個の-OHによって置換されていてもよい(C1~C6アルキレン)-フェニル;
・(C1~C6アルキレン)-インドリル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0259】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R3の各出現は、
・-NH2、-OH、-NH(C=NH)NH2、CO2H、およびCO2NH2より選択される1~2個の置換基によって置換されていてもよいC1~C6アルキル;ならびに
・(C1~C6アルキレン)-イミダゾリル
より独立して選択される。
【0260】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R3の各出現は、
より独立して選択される。
【0261】
前述の態様の非限定的な例として、R3の各出現は、
からなる群より独立して選択され得る。
【0262】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R3の各出現はL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが3~10個の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~4個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい。
【0263】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、R3の各出現はL3-ヘテロシクリルより独立して選択され、ここで、ヘテロシクリルが4~6個(例えば、5~6個)の環原子を含み、1~3個の環原子が、N(Rd)、O、およびSからなる群よりそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり、かつヘテロシクリル環炭素原子のうちの1つまたは複数が、1~2個の独立して選択されるRbによって置換されていてもよい(例えば、ヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルであり得る)。
【0264】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では(R3がL3-ヘテロシクリルである場合)、L3は結合である。特定の他の態様では、L3は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよい(例えば、非置換)C1~6アルキルである。[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では(R3がL3-ヘテロシクリルである場合)、L3は、1個のオキソによって置換されているC1~6(例えば、C1~4)アルキレンである(例えば、
であり得る)。
【0265】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では(R3がL3-ヘテロシクリルである場合)、R3は、
より選択される。
【0266】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、B1およびB2の各々は、請求項53~57に定義される通りである。
【0267】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、B1およびB2の各々は独立して-Z1-Z3である(すなわち、Z2は結合である)。
【0268】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、Z3は、H、ハロ、またはC1~3アルキルである。[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、Z1は、1~3個の独立して選択されるRaによって置換されていてもよいC1~3アルキレンである。
【0269】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、B1およびB2の各々は、CH3、CHRa、CH(Ra2、およびC(Ra2 -ハロより独立して選択される。
【0270】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、B1およびB2の各々は、CH3、CHF2、CH2F、およびCF3より独立して選択される。
【0271】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、Rd1の各出現は、請求項58~60に定義される通りである。
【0272】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;C3~6シクロアルキル;-C(O)(C1~4アルキル);-C(O)O(C1~4アルキル);-CON(R')(R'');-S(O)1~2(NR'R'');および-S(O)1~2(C1~4アルキル)からなる群より独立して選択されるか、または、-C(=O)CH(R2)N(Rd1)-基におけるR2およびRd1は、結合して、上記で定義された5~8個の環原子を含む環を形成する。
【0273】
[1]([1-1]~[1-4]を含む)および[2]の特定の態様では、Rd1の各出現は、H;C1~6アルキル;およびC3~6シクロアルキルからなる群より独立して選択される。前述の態様の非限定的な例として、各Rd1はHであり得る。
【0274】
いくつかの態様では、化合物は、以下の表A1またはその薬学的に許容される塩より選択される。
【0275】
【表A-1】
【0276】
薬学的組成物および投与
概要
いくつかの態様では、光活性化光への曝露に応答して角膜において架橋結合を生じさせる化学実体(例えば、化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩および/もしくは水和物および/もしくはプロドラッグ)は、化学実体および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と、任意で、本明細書において記載される1つまたは複数の追加の治療用物質とを含む、薬学的組成物として投与される。
【0277】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられるU.S.2018/0236077に記載されている通りである。
【0278】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化学実体は、1つまたは複数の送達剤と組み合わせて投与され得る。送達剤には、限定されることなく、麻酔剤、鎮痛剤、等張化剤、剪断減粘性増粘剤、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤)、またはキレート剤が含まれる。麻酔剤の非限定的な例には、ピロカルピン、プロパラカイン、テトラカイン、またはオキシブプロカインが挙げられ得る。鎮痛剤の非限定的な例には、メントール、ベンジルアルコール、またはフェニルエチルアルコールが挙げられる。等張化剤の非限定的な例には、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)-8、エタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、またはトリアセチンが挙げられる。剪断減粘性増粘剤の非限定的な例には、カルボマー、ポリカルボフィル、ジェランガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはヒアルロン酸ナトリウムが挙げられる。イオン性界面活性剤の非限定的な例には、塩化ベンザルコニウムが挙げられる。非イオン性界面活性剤の非限定的な例には、ポロキサマー407、テトロン1107、テトロン1304、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール(PEG)-40硬化ヒマシ油、レシチン、ポリソルベート60、ポリエチレングリコール(PEG)-35ヒマシ油、トコフェルソラン(TPGS)、ノノキシノール-9、またはチロキサポールが挙げられる。キレート剤の非限定的な例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはシトレートが挙げられる。
【0279】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化学実体は、1つまたは複数の予備製剤(preparatory formulation)と組み合わせて、角膜の上皮に投与され得る。特定の態様では、予備製剤は、角膜の上皮の透過性を増大させる。前述の非限定的な例として、予備製剤は、亜鉛メタロプロテイナーゼ、銅メタロプロテイナーゼ、パパイン、ブロメライン、アクチニジン、フィカイン、N-アセチルシステイン、アンブロキソール、カルボシステイン、またはエルドシステインのうちの1つまたは複数を含むことができる。特定の態様では、1つまたは複数の予備製剤は、1つまたは複数の麻酔剤(例えば、ピロカルピン、プロパラカイン、テトラカイン、またはオキシブプロカイン)をさらに含むことができる。
【0280】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化学実体は、(i)角膜実質に送達された1つもしくは複数の治療用物質を希釈することなく、角膜の上皮から1つもしくは複数の治療用製剤を除去すること、(ii)角膜の水和を制御するための上皮の密着結合、(iii)角膜実質に送達される1つもしくは複数の治療用物質の酸化を促進すること、または(iv)上皮から角膜実質に1つもしくは複数の治療用製剤をさらに送達することのうちの1つまたは複数を行うように構成された1つまたは複数の増強製剤と組み合わせて、投与され得る。前述の非限定的な例として、増強製剤は、二価金属塩、1つもしくは複数の酸化促進剤、または1つもしくは複数のグリコサミノグリカンのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0281】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化学実体は、1つまたは複数の増強製剤の適用に応答して、1つまたは複数の治療後製剤と組み合わせて投与され得、1つまたは複数の治療後製剤は、1つもしくは複数の二価金属塩、1つもしくは複数の粘性剤、1つもしくは複数のグリコサミノグリカン、または1つもしくは複数の抗生物質のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0282】
いくつかの態様では、化学実体は、1つまたは複数の従来の薬学的賦形剤と組み合わせて投与され得る。薬学的に許容される賦形剤には、限定されることなく、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達系(SEDDS)、例えば、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、薬学的剤形に使用される界面活性剤、例えば、Tween、ポロキサマーまたは他の同様のポリマー送達マトリックス、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、ホスフェート、トリス、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマーおよび羊毛脂が含まれる。シクロデキストリン、例えば、α-、βおよびγ-シクロデキストリン、もしくは化学修飾誘導体、例えば、2-および3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリン、または他の可溶化誘導体も、本明細書において記載される化合物の送達を増強するために使用することができる。本明細書において記載される化学実体を0.005%~100%の範囲で含有し、残部が非毒性賦形剤から構成される剤形または組成物が調製されてもよい。企図される組成物は、本明細書において提供される化学実体を0.001%~100%、一態様では0.1~95%、別の態様では75~85%、さらなる態様では20~80%含有し得る。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるか、または明らかであろう。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition(Pharmaceutical Press,London,UK.2012)を参照されたい。
【0283】
投与経路および組成物成分
組成物は、液体溶液または懸濁液として調製することができる。投与前に液体を加えて溶液または懸濁液を調製するための使用に適した固体形態も調製することができる。調製物を乳化させることもできる。そのような製剤の調製は、本開示に照らして当業者に公知であろう。
【0284】
組成物は局所的に(例えば、局所点滴として眼内に)投与することができる。
【0285】
眼内使用に適した薬学的形態には、滅菌水溶液(例えば、緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液;例えば、点眼液、例えば20%デキストラン点眼液)または分散液;ゴマ油、落花生油または水性プロピレングリコールを含む製剤;および滅菌溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。一般に、形態は無菌でなければならず、容易に注射され得る程度に流動性でなければならない。形態はまた、製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。
【0286】
また、担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物および植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に使用することによって、組成物の長期吸収がもたらされ得る。
【0287】
滅菌溶液は、必要に応じて、上に列挙した様々な他の成分とともに適切な溶媒に必要量の活性化合物を組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、基本的な分散媒と上に列挙したものからの必要な他の成分とを含有する滅菌ビヒクルに、様々な滅菌された活性成分を組み込むことによって調製される。滅菌溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末と、その事前に滅菌濾過された溶液からの任意の追加の所望の成分とが得られる。
【0288】
特定の態様では、賦形剤は無菌であり、望ましくない物質を一般に含まない。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌することができる。錠剤およびカプセルなどの様々な経口剤形賦形剤については、無菌性は必要とされない。USP/NF規格で通常十分である。
【0289】
眼用組成物は、限定されることなく、以下のいずれかのうちの1つまたは複数を含むことができる:デキストラン、ビスコーゲン(viscogen)(例えば、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール);安定剤(例えば、プルロニック(トリブロックコポリマー)、シクロデキストリン);防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ETDA、SofZia(ホウ酸、プロピレングリコール、ソルビトールおよび塩化亜鉛;Alcon Laboratories,Inc.)、Purite(安定化オキシクロロ錯体;Allergan,Inc.))。
【0290】
組成物は、軟膏およびクリームを含むことができる。軟膏は、典型的にはワセリンまたは他の石油派生物に基づく半固体調製物である。選択された活性剤を含有するクリームは、典型的には粘性液体または半固体エマルジョンであり、多くの場合、水中油型または油中水型のいずれかである。クリーム基剤は、典型的には水洗浄可能であり、油相、乳化剤および水相を含有する。「内部」相と呼ばれることもある油相は、一般に、ワセリンとセチルアルコールまたはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールとから構成される。水相は、必ずしもそうとは限らないが、通常、体積が油相を超え、一般に湿潤剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性界面活性剤である。他の担体またはビヒクルと同様に、軟膏基剤は、不活性、安定、非刺激性および非感作性であるべきである。
【0291】
特定の態様では、本明細書において開示される化合物および組成物は、アプリケーターを使用して眼の角膜に適用することができる。アプリケーターの非限定的な例には、点眼器またはシリンジが挙げられ得る。
【0292】
特定の態様では、本明細書において記載される化合物および組成物は、組成物の化合物が角膜上皮を通過して角膜実質の下にある領域に至ることを可能にする製剤で投与することができる。他の態様では、本明細書において提供される化合物または組成物が、下にある組織にさらに直接的に適用されることを可能にするために、角膜上皮が除去またはそうでなければ切開され得る。
【0293】
したがって、いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物および組成物は、角膜に直接適用される(例えば、角膜上皮を除去およびそうでなければ切開することなく)。他の態様では、角膜上皮は、本明細書において記載される化合物および組成物が適用される前に除去またはそうでなければ切開される。
【0294】
投与量
投与量は、患者の要件、治療される状態の重症度、および使用される特定の化合物に応じて変化させてもよい。特定の状況に対する適切な投与量は、医療分野の当業者によって決定され得る。場合によっては、手技全体を通して、または連続送達を提供する手段によって、総投与量を分割し、数回に分けて投与してもよい。
【0295】
いくつかの態様では、組成物は、本明細書において記載される化学実体を0.01~100mg/mL(例えば、0.02~50mg/mL、0.04~25mg/mL、0.08~12.5mg/mL、0.16~6.25mg/mL、0.2~5mg/mL)含む溶液(例えば、緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液;例えば、点眼液、例えば、20%デキストラン点眼液)である。前述の特定の態様では、単位投与量は、0.001~1mL(例えば、0.002~0.5mL、0.010~0.25mL、例えば、0.020~0.1mL)である。
【0296】
いくつかの態様では、組成物は、本明細書において記載される化学実体を0.001%~20%(例えば、0.002%~10%、0.004%~5%、0.008%~2.5%)含む溶液(例えば、緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液;例えば、点眼液、例えば、20%デキストラン点眼液)である。前述の特定の態様では、単位投与量は、0.001~1mL(例えば、0.002~0.5mL、0.010~0.25mL、例えば、0.020~0.2mL)である。
【0297】
レジメン
前述の投与量は、特定の期間にわたって定期的に投与することができる。いくつかの態様では、単位投与量は、1~1200秒毎(例えば、2~300秒毎、2~150秒毎、5~150秒毎、5~100秒毎、5~10秒毎、10~150秒毎、50~150秒毎)に投与することができる。前述の特定の態様では、投与量は、1~1200分(例えば、1~600分、5~120分、10~120分)の期間にわたって投与される。
【0298】
治療方法
概要
本開示は、疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、ヒト)を治療するための方法を特徴とし、ここで、角膜の異常な形状(例えば、角膜の菲薄化、例えば、角膜の両側性菲薄化、例えば、角膜の中央、中心傍、もしくは周辺の両側性菲薄化;または角膜の急峻化(例えば、隆起))が、該疾患、障害、または状態の病態および/または症状および/または進行に寄与している。特定の態様では、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される状態のうちの任意の1つもしくは複数と関連するか、その併存症であるか、もしくは続発症である1つもしくは複数の状態を治療することを含み得るかまたはさらに含み得る。
【0299】
いくつかの態様では、方法は、対象を特定する工程をさらに含む。
【0300】
特定の態様では、本明細書において記載される化学実体は、(例えば、機械的剛性を付与することによって)角膜に屈折矯正を提供する。特定の態様では、本明細書において記載される化学実体は、角膜の構造を強化および安定化する。特定の態様では、本明細書において記載される化学実体は、視力矯正に使用することができる。
【0301】
方法
いくつかの態様では、方法は、それを必要とする対象の眼の角膜に、本明細書において開示される化合物、またはその薬学的組成物を投与する工程、および角膜に電磁放射線(例えば、光)を照射し、それによって角膜において架橋結合を生じさせる工程を含む。
【0302】
前述の特定の態様では、方法は、それを必要とする対象の角膜の角膜実質に、本明細書において開示される化合物、またはその薬学的組成物を投与する工程を含む。
【0303】
特定の態様では、本明細書において開示される化合物、またはその薬学的組成物は、角膜上皮細胞を除去することなく角膜に投与される。
【0304】
いくつかの態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加および補充の非存在下で行うことができ、これはいくつかの適用で有利であり得る。
【0305】
他の態様では、方法は、照射中に角膜でO2の濃度を増加または減少させる工程をさらに含む。
【0306】
特定の態様では、方法は、1つまたは複数の送達剤を角膜に投与する工程をさらに含み、1つまたは複数の送達剤は、本明細書において他の箇所に記載される通りである。
【0307】
特定の態様では、方法は、それを必要とする対象(例えば、それを必要とする対象の角膜)に、角膜の上皮の透過性を増大させる1つまたは複数の予備製剤を投与する工程をさらに含み、1つまたは複数の予備製剤は、本明細書において他の箇所に記載される通りである。
【0308】
特定の態様では、方法は、角膜の上皮に1つまたは複数の強化製剤を投与する工程をさらに含み、1つまたは複数の強化製剤は、
(i)角膜実質に送達された1つもしくは複数の治療用物質を希釈することなく、角膜の上皮から1つもしくは複数の治療用製剤を除去すること、
(ii)角膜の水和を制御するための上皮の密着結合、
(iii)角膜実質に送達される1つもしくは複数の治療用物質の酸化を促進すること、または
(iv)上皮から角膜実質に1つもしくは複数の治療用製剤をさらに送達すること
のうちの1つまたは複数を行うように構成され、
1つまたは複数の増強製剤は、本明細書において他の箇所に記載される通りである。
【0309】
特定の態様では、方法は、1つまたは複数の増強製剤の適用に応答して、それを必要とする対象に1つまたは複数の治療後製剤を投与する工程をさらに含み、1つまたは複数の増強製剤は、本明細書において他の箇所に記載される通りである。
【0310】
電磁放射線
いくつかの態様では、それを必要とする対象の眼の角膜に照射される電磁放射線は光放射線である。特定の態様では、光放射線は、本明細書において記載される化合物に反応(例えば、光誘起電子移動および/または断片化)を起こさせ、それによって架橋結合を可能にするのに適切な波長、エネルギー、および持続時間を有する。
【0311】
いくつかの態様では、光の波長は、本明細書において記載される化合物の吸収に対応するかそれを包含し、本明細書において記載される化合物と接触した組織の領域に到達する、例えば、本明細書において記載される化合物が存在する領域に透過するように選択することができる。
【0312】
いくつかの態様では、照射される電磁放射線のエネルギーは、2000J/cm2未満である。前述の特定の態様では、照射される電磁エネルギーは、1~500J/cm2である。角膜に吸収されるエネルギーの総線量は、角膜上皮の領域を通して吸収されるエネルギーの量である有効線量として説明することができる。例えば、角膜表面の領域に対する有効線量は、例えば、5J/cm2~20J/cm2または30J/cm2(例えば、5.4J/cm2)であり得る。
【0313】
いくつかの態様では、電磁放射線は、約0.1~100mW/cm2(例えば、1~100mW/cm2)の放射照度で照射される。特定の態様では、電磁放射線は、約1~5mW/cm2(例えば、3mW/cm2)の放射照度で照射される。
【0314】
いくつかの態様では、電磁放射線は、可視スペクトル、赤外スペクトル、または紫外スペクトル内の波長を有する。いくつかの態様では、電磁放射線は、約300nm~約800nm(例えば、300nm~700nm)の波長の放射線を含む。特定の態様では、電磁放射線は、(例えば、350~380nm、例えば、360~370nm、例えば、365nmの波長の)紫外線A(UVA)光を含む。特定の態様では、電磁放射線は、(例えば、400nm~550nm、例えば、約452nmの波長の)可視波長を含む。いくつかの態様では、電磁放射線はレーザー放射線である。特定の態様では、レーザー放射線は、1~100mWの平均出力で照射される。
【0315】
いくつかの態様では、放射線の持続時間は30秒~1時間である。特定の態様では、照射の持続時間は、1分~1時間(例えば、30分)である。
【0316】
いくつかの態様では、眼の角膜は、本明細書において記載される化合物または組成物を用いて、さらに広範囲に治療することができる。放射線は、特定のパターンに従って、治療される角膜の領域に選択的に導かれ得る。
【0317】
特定の態様では、電磁放射線は、1つまたは複数のミラーまたはレンズを用いて、角膜上の特定のパターンに向けて(例えば、角膜内の特定の焦点面で、例えば、架橋結合活性が望まれる下にある領域の特定の深さで)導かれるか集束されてもよい。
【0318】
いくつかの態様では、角膜の選択された領域内で所望の程度の架橋結合を達成するために、電磁放射線の特定のレジームを変調することができる。例えば、電磁放射線は、波長、帯域幅、強度、出力、位置、透過深さ、および/または治療期間(曝露サイクルの持続時間、暗サイクル、および曝露サイクルと暗サイクル持続時間との比)の任意の組合せに従って送達され得る。
【0319】
いくつかの態様では、電磁波照射は、電磁放射線の照射を空間的および時間的に変調するためのデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を備えるシステムを使用して送達される。前述の特定の態様では、光は、半導体チップ上にマトリクス状に配置された微視的に小さいミラーによって生成される正確な空間パターンで投影される。各ミラーは、投影された光のパターン内の1つまたは複数のピクセルを表す。DMDを用いて、トポグラフィーガイド架橋結合を行うことができる。トポグラフィーに応じたDMDの制御は、いくつかの異なる空間的および時間的な放射照度および線量プロファイルを使用し得る。これらの空間的および時間的な線量プロファイルは、連続波照明を使用して作成され得るが、上述したように、様々な周波数およびデューティサイクルレジームの下で照明源をパルス化することによって、パルス照明を介して変調されてもよい。あるいは、DMDは、ピクセル毎に異なる周波数およびデューティサイクルを変調して、連続波照明を使用して最終的な柔軟性を与えることができる。あるいは、パルス照明および変調DMD周波数とデューティサイクルとの組合せの両方を組み合わせてもよい。これにより、特定の量の空間的に決定された角膜架橋結合が可能になる。この空間的に決定された架橋結合は、治療前計画および/または治療中の角膜架橋結合のリアルタイム監視および変調のために、線量測定、干渉測定、光干渉断層法(OCT)、角膜トポグラフィーなどと組み合わせられ得る。さらに、前臨床患者情報を有限要素生体力学的コンピューターモデリングと組み合わせて、患者固有の治療前計画を作成してもよい。
【0320】
いくつかの態様では、電磁放射線は、多光子励起顕微鏡を使用して送達される。特に、特定の波長の単一光子を角膜に送達するのではなく、比較的長い波長、すなわち比較的低いエネルギーの複数の光子が送達され、これらが組み合わさって架橋結合を開始する。有利には、長い波長の方が、短い波長よりも小さい程度に角膜内で散乱され、これにより、長い波長の光の方が短い波長の光よりも効率的に角膜を透過することが可能になる。また、長い波長の方が光増感剤による光の吸収がはるかに少ないため、角膜内の比較的深い深さでの入射照射の遮蔽効果も従来の短波長照明よりも低減される。これにより、深さ固有の架橋結合に対する制御を強化することが可能になる。例えば、いくつかの態様では、2つの光子が使用されてもよく、各光子は、本明細書において開示される化合物または組成物の分子を励起して、以下でさらに説明される光化学的動力学反応を生成するのに必要なエネルギーの約半分を有する。本明細書において開示される化合物が両光子を同時に吸収すると、角膜組織内で反応性ラジカルを放出するのに十分なエネルギーを吸収する。態様はまた、比較的低いエネルギーの光子を利用してもよく、その結果、本明細書において開示される化合物の分子は、反応性ラジカルを放出するために、例えば、3、4、または5個の光子を同時に吸収しなければならなくなる。複数の光子がほぼ同時に吸収される可能性は低いため、励起光子の高い束が必要とされる場合があり、高い束はフェムト秒レーザーを介して送達され得る。
【0321】
いくつかの態様では、電磁放射線は、連続的に(連続波(CW))、またはパルス放射線として照射される。特定の態様では、この選択は、架橋結合の量、速度および程度に影響を及ぼす。特定の態様では、電磁放射線光がパルス放射線として照射される場合、曝露サイクルの持続時間、暗サイクル、および曝露サイクルと暗サイクル持続時間との比は、結果として生じる角膜補強に影響を及ぼす。パルス放射線を使用して、同じ量または線量のエネルギーを送達した場合の連続波照明によって達成され得るよりも、角膜組織の補強を大きくまたは小さくさせることができる。好適な長さおよび周波数の光パルスを使用して、さらに最適な化学増幅を達成してもよい。パルス光治療の場合、オン/オフデューティサイクルは、約1000/1~約1/1000であってよい。放射照度は、約0.1mW/cm2~約1000mW/cm2の平均放射照度であってよく、パルス速度は、約0.01HZ~約1000Hzまたは約1000Hz~約100,000Hzであってよい。
【0322】
いくつかの態様では、DMDを使用すること、光源110を電子的にオンおよびオフにすること、および/または機械的もしくは光電子(例えば、ポッケルスセル)シャッターまたは機械的チョッパーまたは回転開口を使用することによってパルス放射線を送達することができる。DMDのピクセル固有の変調能力、ならびに角膜に送達される変調周波数、デューティサイクル、放射照度および線量に基づくその後の剛性付与のために、複雑な生体力学的剛性パターンを角膜に付与して、様々な量の屈折矯正を可能にすることができる。これらの屈折矯正は、例えば、近視、遠視、乱視、不正乱視、老視、ならびに眼の状態、例えば、円錐角膜、ペルーシド角膜辺縁疾患(pellucid marginal disease)、LASIK後拡張症、および角膜生体力学的変化/変性などの他の状態などによる複雑な角膜屈折面矯正の組合せを含み得る。DMDシステムおよび方法の具体的な利点は、それがランダム化された非同期パルストポグラフィックパターニングを可能にし、非周期的で均一に見える照明を作り出し、これにより、2Hz~84Hzのパルス周波数で光過敏性のてんかん発作またはフリッカー・バーティゴを引き起こす可能性を排除することである。
【0323】
電磁放射線を送達するためのシステムおよび方法の例は、例えば、2011年3月18日に出願され、「Systems and Methods for Applying and Monitoring Eye Therapy」と題された米国特許出願公開第2011/0237999号、2012年4月3日に出願され、「Systems and Methods for Applying and Monitoring Eye Therapy」と題された米国特許出願公開第2012/0215155号、および2013年3月15日に出願され、「Systems and Methods for Corneal Cross-Linking with Pulsed Light」と題された米国特許出願公開第2013/0245536号に記載されており、これらの出願の内容は参照により全体が本明細書に組み入れられる。
【0324】
酸素
いくつかの態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加および補充の非存在下で行うことができ、これはいくつかの適用で有利であり得る。他の態様では、特許請求される方法は、酸素レベルの追加または補充の存在下で行うことができ、本明細書において記載されるように、特許請求される方法は、酸素レベルの追加または補充の使用が有益であり得る1つまたは複数の追加の治療用物質(本明細書において記載される式Iの化合物以外の薬剤)を投与する工程をさらに含むことができる。
【0325】
いくつかの態様では、架橋結合速度を制御するために、照射中にO2の濃度を能動的に増加または減少させる(例えば、増加させる)。酸素は、いくつかの異なる方法で架橋結合治療中に適用され得る。いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物を含む薬学的組成物は、O2により過飽和にすることができる。したがって、本明細書において記載される化合物を眼に適用すると、比較的高濃度のO2がリボフラビンとともに角膜内に直接送達され、リボフラビンが電磁放射線に曝露された場合にO2を伴う反応に影響を及ぼす。別の手法によれば、O2の定常状態(選択された濃度、例えば>21%で)を角膜の表面で維持して、選択された量のO2に角膜を曝露し、O2を角膜に進入させてもよい。架橋結合治療中に酸素を適用するための例示的なシステムおよび方法は、例えば、2010年10月21日に出願され、「Eye Therapy」と題された米国特許第8,574,277号、2012年10月31日に出願され、「Systems and Methods for Corneal Cross-Linking with Pulsed Light」と題された米国特許出願公開第2013/0060187号に記載されており、これらの出願の内容は参照により全体が本明細書に組み入れられる。
【0326】
したがって、いくつかの態様では、方法は、選択された濃度の酸素を眼に適用する工程をさらに含んでもよく、選択された濃度は、大気中の酸素の濃度よりも高い。
【0327】
適応症
いくつかの態様では、状態、疾患、または障害は、眼障害である。
【0328】
いくつかの態様では、眼障害は、角膜剛性の低下を伴う。
【0329】
拡張性障害
特定の態様では、状態、疾患、または障害は、角膜拡張性障害である。拡張性障害の非限定的な例には、円錐角膜(例えば、乳頭円錐(nipple cone)、卵形円錐(oval cone)、または球円錐(globus cone)を伴う円錐角膜;例えば、進行性円錐角膜)、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、およびテリエン周辺角膜変性が挙げられる。
【0330】
特定の態様では、状態、疾患、または障害は、屈折矯正手術後に発症する角膜拡張性障害(例えば、術後角膜拡張症)である。屈折矯正手術の非限定的な例には、放射状角膜切開術(RK)、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)またはレーザー角膜切削形成術(LASIK)が挙げられる。
【0331】
特定の態様では、状態、疾患、または障害は、細菌性角膜炎である。
【0332】
視覚状態
いくつかの態様では、疾患、状態、または障害は、近視、遠視、乱視、不正乱視、老視である。
【0333】
いくつかの態様では、眼障害は、白内障(例えば、核、皮質、後部、二次性、外傷性、または放射線白内障)または水晶体障害である。
【0334】
併用療法
本開示は、単剤療法レジメンおよび併用療法レジメンの両方を企図する。
【0335】
いくつかの態様では、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される化合物の投与と組み合わせて1つまたは複数の追加の療法(例えば、1つまたは複数の追加の治療用物質および/または1つまたは複数の治療レジメン)を実施する工程をさらに含むことができる。
【0336】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物は、追加の治療用物質のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与され得る。代表的な追加の治療用物質には、限定されることなく、炎症、白内障、水晶体障害、または限定されることなく、円錐角膜(例えば、乳頭円錐、卵形円錐、または球円錐を伴う円錐角膜)、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、およびテリエン周辺角膜変性を含む拡張性障害のための治療用物質が含まれる。
【0337】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質には、例えば、本明細書と同日に出願され、Compounds and Compositions for Eye Treatmentと題され、代理人整理番号第45387-0003P01号である米国仮特許出願に記載されているものを含め、架橋剤として有用なものが含まれる。
【0338】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質には、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2014年5月19日に出願された米国特許出願公開第2014/0343480号に記載されているものを含め、架橋剤として有用なものが含まれる。非限定的な例には、
・リボフラビン(例えば、リボフラビンまたはリン酸リボフラビン);
・2,3-ブタンジオン;
・葉酸;
・キノキサリン(例えば、Olaquidox);
・キノリン(例えば、クロロキニン(chloroquinine)、ヒドロキシクロロキニン(hydroxychloroquinine)およびキニーネ);
・ジブカイン;
・メトトレキセート;
・メナジオン;および
・ベルテポルフィン
ならびにそれらの誘導体が挙げられる。
【0339】
架橋剤の追加の非限定的な例には、光増感剤、例えば、ローズベンガル、メチレンブルーおよびN-ヒドロキシピリジン-2-(1H)-チオンが挙げられ得る。架橋剤のさらなる非限定的な例にはまた、光増感剤、例えば、Photofrin.RTM、合成ジポルフィリンおよびジクロリン(dichlorin)、金属置換基を有するまたは有しないフタロシアニン、様々な置換基を有するまたは有しないクロロアルミニウムフタロシアニン、O-置換テトラフェニルポルフィリン、3,1-メソテトラキス(o-プロピオンアミドフェニル)ポルフィリン、バーディン(verdin)、プルプリン、オクタエチルプルプリンのスズおよび亜鉛誘導体、エチオプルプリン、ヒドロポルフィリン、テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリンシリーズのバクテリオクロリン(例えば、プロトポルフィリンI~プロトポルフィリンIX、コプロポルフィリン、ウロポルフィリン、メソポルフィリン、ヘマトポルフィリンおよびサフィリン)、クロリン、クロリンe6、クロリンe6のモノ-1-アスパルチル誘導体、クロリンe6のジ-1-アスパルチル誘導体、スズ(IV)クロリンe6、メタ-テトラヒドロキシフェニルクロリン(meta-tetrahydroxphenylchlorin)、ベンゾポルフィリン誘導体、ベンゾポルフィリン一酸誘導体、ベンゾポルフィリンのテトラシアノエチレン付加物、ベンゾポルフィリンのジメチルアセチレンジカルボキシレート付加物、Diels-Adler付加物、ベンゾポルフィリンの一酸環’’a’’誘導体、スルホン化アルミニウムPC、スルホン化AlPc、ジスルホン化、テトラスルホン化誘導体、スルホン化アルミニウムナフタロシアニン、金属置換基を有するまたは有しない、かつ様々な置換基を有するまたは有しないナフタロシアニン、クロロフィリス(chlorophylis)、バクテリオクロロフィルA、アントラセンジオン、アントラピラゾール、アミノアントラキノン、フェノキサジン色素、チアジン、メチレンブルー、フェノチアジン誘導体、カルコゲナピリリウム(chalcogenapyrylium)色素、カチオン性セレナおよびテルラピリリウム(tellurapyrylium)誘導体、環置換カチオン性PC、フェオホルビド誘導体、天然ポルフィリン、ヘマトポルフィリン、ALA誘発性プロトポルフィリンIX、内因性代謝前駆体、5-アミノレブリン酸、ベンゾナフトポルフィラジン(benzonaphthoporphyrazine)、カチオン性イミニウム塩、テトラサイクリン、ルテチウムテキサフィリン、テキサフィリン、スズ-エチオ-プルプリン、ポルフィセン、ベンゾフェノチアジニウム(benzophenothiazinium)、キサンテン、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン、シアニン、メロシアニン540、セレニウム置換シアニン、フラビン、リボフラビン、プロフラビン、キノン、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフタルジイミド(naphthaldiimide)、ナフタルイミド(naphthalimide)、ビクトリアブルー、トルイジンブルー、ジアンソロキノン(dianthroquinone)(例えば、ヒペリシン)、フラーレン、ローダミンならびにその感光性誘導体(photosensitive derivative)が挙げられ得る。
【0340】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の薬剤は、金属(元素形態およびイオン形態を含む)(例えば、金属塩、例えば、二価金属塩)を含む。非限定的な例には、任意で過酸化水素と組み合わせて、
・鉄(例えば、鉄(II)、例えば、FeSO4)(特定の態様では、鉄添加物質は、クエン酸緩衝液に溶解されてもよい);
・銅;
・マンガン;
・クロム;
・バナジウム;
・アルミニウム;
・コバルト;
・水銀;
・カドミウム;
・ニッケル;および
・ヒ素
が挙げられる。
【0341】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質は、例えば麻酔剤として有用なものを含む。非限定的な例には、ピロカルピン、プロパラカイン、テトラカイン、またはオキシブプロカインが挙げられる。
【0342】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質は、例えば鎮痛剤として有用なものを含む。非限定的な例には、メントール、ベンジルアルコール、またはフェニルエチルアルコールが挙げられる。
【0343】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質は、例えば、角膜の上皮の透過性を増大させるために有用なものを含む。非限定的な例には、亜鉛メタロプロテイナーゼ、銅メタロプロテイナーゼ、パパイン、ブロメライン、アクチニジン、フィカイン、N-アセチルシステイン、アンブロキソール、カルボシステイン、またはエルドシステインが挙げられる。
【0344】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質は、例えば、白内障および/または水晶体障害の治療用物質として有用なものを含む。
【0345】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質は、例えば抗生物質として有用なものを含む。
【0346】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療用物質は、例えば遺伝子療法に有用なものを含む。
【0347】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療レジメンは、炎症、白内障、水晶体障害、または限定されることなく、円錐角膜(例えば、乳頭円錐、卵形円錐または球円錐を伴う円錐角膜)、球状角膜、ペルーシド角膜辺縁変性、角膜拡張症(例えば、術後拡張症、例えば、LASIK後拡張症)、およびテリエン周辺角膜変性を含む拡張性障害のための治療レジメンを含む。
【0348】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療レジメンは、近視、遠視、乱視、不正乱視、および老視のための治療レジメンを含む。
【0349】
いくつかの態様では、1つまたは複数の追加の治療レジメンは、眼科手術を含む。非限定的な例には、
・角膜移植(corneal transplant)手術;
・白内障手術;
・レーザー手術;
・角膜移植(keratoplasty)(例えば、全層角膜移植または表層角膜移植);
・屈折矯正手術(例えば、角膜切開術(RK)、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)またはレーザー角膜切削形成術(LASIK));
・角膜整形;および
・角膜裂傷の治療
が挙げられる。
【0350】
1つまたは複数の追加の治療レジメンの追加の非限定的な例には、コンタクトレンズ療法、羊膜療法、LASIK療法、および抗生物質の投与が挙げられる。
【0351】
化合物調製および生物学的アッセイ
当業者によって理解され得るように、本明細書における式の化合物を合成する方法は、当業者には明らかであろう。本明細書において記載される化合物を合成するのに有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R. Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T. W. Greene and RGM. Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d. Ed.,John Wiley and Sons(1991);L. Fieser and M. Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL. Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)ならびにその後続版に記載されているものを含む。
【0352】
いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物を調製するのに有用な中間体は、以下のスキームおよび非限定的な例のうちのいずれか1つまたは複数に記載の化学作用を使用して調製することができる。
【0353】
化合物調製
略語
【実施例
【0354】
合成例
中間体I-1、I-2、I-3、およびI-4の合成
中間体I-1、I-2、I-3、およびI-4を以下のスキームに従って合成した。
【0355】
化合物ii
7Mアンモニアのメタノール(500mL)溶液中の4-ヒドロキシブタン-2-オン(i)(50g、567mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、-40℃でヒドロキシルアミン-O-スルホン酸(96.27g、851mmol)の乾燥メタノール(200mL)溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で少なくとも5時間、次いで20℃で一晩撹拌した。混合物をCelite(商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して化合物(ii)を得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
ESI-MS m/z=103.2[M+H]
【0356】
中間体I-1
持続的な橙褐色が現われるまで、化合物(ii)(340mmol)およびトリエチルアミン(94.73mL、680mmol)のDCM(1L)溶液に、遮光下でヨウ素(86.4g、340mmol)をゆっくり加えた。得られた混合物を20℃で2時間撹拌した。続いて、混合物を飽和ブラインを用いて洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー、石油エーテル中EtOAc 0~30%の溶出勾配によって精製して、黄色液体として中間体(I-1)(13g)を得た。
【0357】
中間体I-2
中間体(I-1)(3g、30mmol)のDCM(30mL)溶液に、塩化トシル(6.1g、36mmol)を加えた。混合物を0℃で撹拌し、トリエチルアミン(6.06g、60mmol)を滴下した。混合物を室温に加温し、遮光下でさらに5時間撹拌した。続いて、混合物を飽和ブラインを用いて洗浄し、有機層を濃縮し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、無色油状物として中間体(I-2)(5.9g)を得た。
【0358】
化合物iv
7Mアンモニアのメタノール(400mL)溶液中の4-オキソペンタン酸(iii)(30g、258.36mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、-40℃でヒドロキシルアミン-O-スルホン酸(43.83g、387.54mmol)の乾燥メタノール(200mL)溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で少なくとも5時間、次いで20℃で一晩撹拌した。混合物をCelite(商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して化合物(iv)を得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
ESI-MS m/z=131.1[M+H]
【0359】
中間体I-3
化合物(iv)(40g、307.35mmol)のDCM(400mL)遮光0℃撹拌溶液に、TEA(62.20g、614.69mmol)およびヨウ素(78.01g、307.35mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を20℃で2時間撹拌し、飽和ブライン(400mL)を用いて洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、石油エーテル中EtOAc 20~40%の溶出勾配によって精製して、黄色油状物として中間体(I-3)(15.1g)を得た。
【0360】
化合物vi
3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]プロパン酸(v)(60g、317.11mmol)、N-メトキシ-メチルアミン塩酸塩(37.12g、380.53mmol)およびTEA(80.22g、792.77mmol)のDMF撹拌溶液に、HOBT(47.13g、348.82mmol)およびEDCl(121.58g、634.21mmol)を0℃で少しずつ加えた。混合物を20℃で5時間撹拌した後、水(2L)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×800mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を水(3×800mL)、飽和ブライン(1L)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィー、石油エーテル中EtOAc 0~30%の溶出勾配によって精製して、淡黄色油状物として化合物(vi)(63.5g)を得た。
ESI-MS m/z=233.2[M+H]
【0361】
化合物vii
アルゴン雰囲気下、化合物(vi)(63.5g、273.38mmol)のTHF(1L)0℃撹拌溶液に、メチルマグネシウムブロミド1MのTHF(328mL、328.07mmol)溶液を滴下した。混合物を0℃で5時間撹拌した後、NH4Cl水溶液(1L)を用いてクエンチし、EtOAc(3×800mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(3×1L)、飽和ブライン(1L)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、石油エーテル中EtOAc 0~15%の溶出勾配によって精製して、無色油状物として化合物(vii)(24.8g)を得た。
【0362】
化合物viii
7Mアンモニアのメタノール(300mL)溶液中の化合物(vii)(24.8g、132.45mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、-40℃でヒドロキシルアミン-O-スルホン酸(29.96g、264.90mmol)の乾燥メタノール溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で少なくとも5時間、次いで20℃で一晩撹拌した。混合物をCelite(商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して化合物(viii)を得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
ESI-MS m/z=202.3[M+H]
【0363】
化合物ix
化合物(viii)(30g、149.05mmol)のDCM(300mL)遮光0℃撹拌溶液に、TEA(30.17g、298.11mmol)およびヨウ素(37.83g、149.05mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を20℃で2時間撹拌し、飽和ブライン(300mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー、石油エーテル中EtOAc 0~30%の溶出勾配によって精製して、黄色油状物として化合物(ix)(13g)を得た。
【0364】
中間体I-4
化合物(ix)(5g、25.09mmol)のDCM(30mL)撹拌0℃溶液に、TFA(15mL)を加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮して中間体(I-4)トリフルオロ酢酸塩を得、これをさらに精製することなく以下の手順で使用した。
ESI-MS m/z=197.3[M+H]
【0365】
化合物2(実施例1)の合成
実施例1を以下のスキームに従って合成した。
【0366】
化合物1
化合物(ix)から得られた中間体(I-4)(900mg、4.5mmol)のDCM(20mL)溶液に、2-ヨード酢酸無水物(354mg、6.75mmol)およびDIPEA(1.74g、13.5mmol)を一度に加えた。混合物を遮光下室温で3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウムを用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。合わせた有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、黄色油状物として化合物(1)(1.38g)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=268。
【0367】
化合物2(実施例1)
DMF(20mL)中の化合物(1)(1.38g)と中間体(I-4)(5mmol)と炭酸カリウム(2.78g)との混合物を遮光下室温で5時間撹拌した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和ブラインおよび水を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC、カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム19×250mm、10μm;移動相A:0.05%TFA水溶液、移動相B:MeCN;流速:25mL/分;勾配:7分で2%B~17%B;254/220nm;Rt:3.81分によって精製して、黄色固体として化合物(2)(実施例1)(173.5mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]+=239。
【0368】
化合物6(実施例2)の合成
実施例2を以下のスキームに従って合成した。
【0369】
化合物3
化合物(ix)から得られた中間体(I-4)(500mg、2.5mmol)、Fmoc-L-Arg(Pbf)-H(1.6g、2.5mmol)、HOBT(407mg、3mmol)およびEDCI(0.86g、5mmol)のDMF(20mL)撹拌室温溶液に、DIPEA(0.96g、7.5mmol)を滴下した。混合物を光を排除して室温で3時間撹拌し、次いで、水を用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製し、黄色油状物として化合物(3)(1.2g)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=730。
【0370】
化合物4
10%ジエチルアミンのTHF(15mL)溶液に化合物(3)(1.2g、1.65mmol)を加え、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、化合物(4)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
m/z(ES+),[M+H]=508。
【0371】
化合物5
DMF(15mL)中の化合物(3)から得られた化合物(4)(1.2g、1.65mmol)と中間体(I-2)(627.38mg、2.47mmol)と炭酸カリウム(458.7mg、3.3mmol)との混合物を遮光下55℃で10時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和ブラインおよび水を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色油状物として化合物(5)(300mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=590。
【0372】
化合物6(実施例2)
化合物(5)(300mg、0.51mmol)の0℃のDCM(10mL)撹拌溶液に、TFA(5mL)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC、カラム:Atlantis Prep T3 OBDカラム19×150mm 5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:MeCN;流速:20mL/分;勾配:10分で14%B~14%B;254/220nm;Rt:8.12分を使用して精製し、凍結乾燥後に無色油状物として化合物(6)(実施例2)(40.8mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=339。
【0373】
化合物10(実施例3)の合成
実施例3を以下のスキームに従って合成した。
【0374】
化合物7
化合物(ix)から得られた中間体(I-4)(500mg、2.5mmol)、Fmoc-L-Gln(Trt)-OH(1.53g、2.5mmol)、HOBt(407mg、3mmol)およびEDCI(0.86g、5mmol)のDMF(20mL)撹拌室温溶液に、DIPEA(0.96g、7.5mmol)を滴下した。混合物を光を排除して室温で3時間撹拌し、次いで、水を用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色油状物として化合物(7)(1.37g)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=692。
【0375】
化合物8
10%ジエチルアミンのTHF(15mL)溶液に化合物(7)(1.37g、2.92mmol)を加え、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色固体として化合物(8)(680mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=470。
【0376】
化合物9
DMF(15mL)中の化合物(8)(680mg、1.45mmol)と中間体(I-2)(551mg、2.17mmol)と炭酸カリウム(403.1mg、2.9mmol)との混合物を遮光下55℃で10時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和ブラインおよび水を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色油状物として化合物(9)を得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
m/z(ES+),[M+H]=590。
【0377】
化合物10(実施例3)
前の工程から得られた化合物(9)の0℃のDCM(10mL)撹拌溶液に、TFA(5mL)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC、カラム:SunFire C18 OBDカラム、100Å、5μm、19mm×250mm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:MeCN;流速:25mL/分;勾配:10分で10%B~30%B;254/220nm;Rt:8.76分を使用して精製して、凍結乾燥後に無色油状物として化合物(10)(実施例3)(39mg)を得た。
【0378】
化合物14(実施例4)の合成
実施例4を以下のスキームに従って合成した。
【0379】
化合物11
化合物(ix)から得られた中間体(I-4)(500mg、2.5mmol)、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH(960mg、2.5mmol)、HOBt(407mg、3mmol)およびEDCI(0.86g、5mmol)のDMF(10mL)撹拌室温溶液に、DIPEA(0.96g、7.5mmol)を滴下した。混合物を光を排除して室温で3時間撹拌し、次いで、水を用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色油状物として化合物(11)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
m/z(ES+),[M+H]=465。
【0380】
化合物12
10%ジエチルアミンのTHF(15mL)溶液に前の工程から得られた化合物(11)を加え、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色固体として化合物(12)(480mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=243。
【0381】
化合物13
DMF(15mL)中の化合物(12)(480mg、1.98mmol)と中間体(I-2)(757mg、2.98mmol)と炭酸カリウム(550.4mg、3.96mmol)との混合物を遮光下55℃で10時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和ブラインおよび水を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物(13)を得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
m/z(ES+),[M+H]=324。
【0382】
化合物14(実施例4)
前の工程から得られた化合物(13)の0℃のDCM(10mL)撹拌溶液に、TFA(5mL)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC、カラム:SunFire C18 OBD Prepカラム、100Å、5μm、19mm×250mm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:MeCN;流速:25mL/分;勾配:10分で10%B~30%B;254/220nm;Rt:8.38分を使用して精製して、凍結乾燥後に無色油状物として化合物(14)(実施例4)(71mg)を得た。
【0383】
化合物18(実施例5)の合成
実施例5を以下のスキームに従って合成した。
【0384】
化合物15
化合物(ix)から得られた中間体(I-4)(500mg、2.5mmol)、Fmoc-L-Glu(tBu)-OH.H2O(1.06g、2.5mmol)、HOBt(407mg、3mmol)およびEDCI(0.86g、5mmol)のDMF(10mL)撹拌室温溶液に、DIPEA(0.96g、7.5mmol)を滴下した。混合物を光を排除して室温で3時間撹拌し、次いで、水を用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色油状物として化合物(15)(520mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=507。
【0385】
化合物16
10%ジエチルアミンのTHF(15mL)溶液に化合物(15)(520mg、1.03mmol)を加え、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、化合物(16)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
m/z(ES+),[M+H]=285。
【0386】
化合物17
DMF(15mL)中の前の工程から得られた化合物(16)と中間体(I-2)(381mg、1.5mmol)と炭酸カリウム(278.1mg、2mmol)との混合物を遮光下55℃で10時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和ブラインおよび水を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色油状物として化合物(17)(150mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=367。
【0387】
化合物18(実施例5)
化合物(17)(150mg、0.51mmol)の0℃のDCM(10mL)撹拌溶液に、TFA(5mL)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC、カラム:Atlantis Prep T3 OBDカラム19×150mm 5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:MeCN;流速:20mL/分;勾配:8分で20%B~20%B;254/220nm;Rt:7.57分を使用して精製して、凍結乾燥後に無色油状物として化合物(18)(実施例5)(11.3mg)を得た。
【0388】
化合物25(実施例6)の合成
実施例6を以下のスキームに従って合成した。
【0389】
化合物19
中間体(I-2)(2.30g、9.04mmol)およびtert-ブチル3-アミノプロパノエート(5.25g、36.18mmol)のMeCN(30mL)撹拌0℃溶液に、K2CO3(12.50g、90.45mmol)を加えた。混合物を60℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(3×100mL)、飽和ブライン(200mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、PE/EtOAc(3:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(19)(1.5g)を得た。
ESI-MS m/z=228.5[M+H]
【0390】
化合物20
化合物(19)(1.50g、6.6mmol)のDCM(10mL)撹拌溶液に、TFA(10mL)を加えた。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、化合物(20)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
ESI-MS m/z=172.2[M+H]
【0391】
化合物21
1,4-ジオキサン(50mL)および飽和NaHCO3水溶液(50mL)中の化合物(20)(1g、5.84mmol)の撹拌0℃混合物に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(1.91g、8.75mmol)を少しずつ加えた。続いて、混合物を20℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(2×100mL)を用いて抽出し、これを廃棄し、残りの溶液を1M HClを用いてpH6に酸性化した。得られた混合物をEtOAc(3×300mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×300mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液、B:MeCN、25分で10%~100%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーを使用して残渣を精製して、無色油状物として化合物(21)(1g)を得た。
ESI-MS m/z=272.3[M+H];294.2[M+Na]
【0392】
化合物22
化合物(21)(3g、7.29mmol)のDMF(100mL)撹拌0℃溶液に、中間体(I-1)(0.80g、8.02mmol)、DIPEA(1884.68mg、14.58mmol)、HOBT(197.04mg、1.46mmol)およびEDCI(1471.46mg、9.48mmol)を加えた。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した後、水(300mL)で希釈し、EtOAc(3×300mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×300mL)、飽和NaCl水溶液(300mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、PE/EtOAc(4:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、灰白色固体として化合物(22)(3g)を得た。
【0393】
化合物23
化合物(22)(2g、4.05mmol)のTHF(30ml)撹拌0℃溶液に、ジエチルアミン(15mL)を滴下した。混合物を20℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。PE/EtOAc(10:1)、次いでDCM/MeOH(7:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(23)(1g)を得た。
ESI-MS m/z=272.2[M+H]
【0394】
化合物24
化合物(23)(600mg、2.21mmol)および化合物(21)(600mg、2.21mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(857.44mg、6.63mmol)およびHATU(1261.28mg、3.32mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(3×30mL)、飽和ブライン(50mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液、B:MeCN、30分で0~100%B、検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(24)(800mg)を得た。
ESI-MS m/z=525.3[M+H];547.3[M+Na]
【0395】
化合物25(実施例6)
化合物(24)(800mg、1.53mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)0℃撹拌溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(20mL)溶液を滴下した。得られた混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、淡黄色油状物として化合物(25)(実施例6)(550mg)を得た。
【0396】
化合物29(実施例7)の合成
実施例7を以下のスキームに従って合成した。
【0397】
化合物26
Fmoc-L-His(Trt)-OH(774.7mg、1.25mmol)、中間体(I-1)(250mg、2.5mmol)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(5mg、0.125mmol)のDCM(15mL)溶液に、EDCI(361mg、1.88mmol)を加えた。混合物を遮光下室温で2時間撹拌した後、DCM(50mL)で希釈し、水(20mL)および飽和ブライン(10mL)を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、化合物(26)(841mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=702。
【0398】
化合物27
化合物(26)(841mg、1.2mmol)を10%ジエチルアミンのTHF(10mL)溶液に溶解させ、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色固体として化合物(27)(420mg)を得た。
【0399】
化合物28
DMF(10mL)中の化合物(27)(420mg、0.88mmol)と化合物(21)(271mg、1.00mmol)とPyBOP(0.91g、1.75mmol)とDIPEA(338.6mg、2.63mmol)との混合物を遮光下室温で一晩撹拌した。混合物をクエンチし、酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物(28)(490mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=733。
【0400】
化合物29(実施例7)
化合物(28)(490mg、0.67mmol)のDCM(10mL)0℃溶液に、TFA(5mL)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC、カラム:XBridge Prep Phenyl OBDカラム19×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:MeCN;流速:20mL/分;勾配:7分で15%B~15%B;254/220nm;Rt:4.92分によって精製して、凍結乾燥後に無色油状物として化合物(29)(実施例7)(62.7mg)を得た。
【0401】
化合物33(実施例8)の合成
実施例8を以下のスキームに従って合成した。
【0402】
化合物30
Fmoc-L-Lys(Boc)-OH(585.7mg、1.25mmol)、中間体(I-1)(250mg、2.5mmol)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(5mg、0.13mmol)のDCM(15mL)溶液に、EDCI(361mg、1.88mmol)を加えた。混合物を遮光下室温で2時間撹拌した後、DCM(50mL)で希釈し、水(20mL)および飽和ブライン(10mL)を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、化合物(30)(717mg)を得た。
m/z(ES+),[M+Na]=573。
【0403】
化合物31
化合物(30)(717mg、1.31mmol)を10%ジエチルアミンのTHF(10mL)溶液に溶解させ、混合物を遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色固体として化合物(31)(240mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=329。
【0404】
化合物32
化合物(31)(240mg、0.73mmol)、化合物(21)(271mg、1.00mmol)、PyBOP(0.76g、1.46mmol)およびDIPEA(282mg、2.19mmol)のDMF(10mL)溶液を遮光下室温で一晩撹拌した。混合物を水を用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和ブラインを用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、減圧下で濃縮して、化合物(32)(620mg)を得た。
m/z(ES+),[M+H]=582。
【0405】
化合物33(実施例8)
化合物(32)(620mg、1.07mmol)のDCM(10mL)0℃溶液に、TFA(5mL)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、遮光下室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC、カラム:XBridge Prep Phenyl OBDカラム19×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:MeCN;流速:20mL/分;勾配:7分で15%B~15%B;254/220nm;Rt:4.92分によって精製して、凍結乾燥後に無色油状物として化合物(33)(実施例8)(47.7mg)を得た。
【0406】
化合物37(実施例9)の合成
実施例9を以下のスキームに従って合成した。
【0407】
化合物34
(2S)-4-(tert-ブトキシ)-2-([[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]アミノ)-4-オキソブタン酸(6.23g、15.13mmol)および中間体(I-4)(1.50g、15.13mmol)のDMF(50mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(11.73g、90.78mmol)およびHATU(8.63g、22.69mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。有機層を水(2×100mL)、飽和ブライン(100mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、PE/EtOAc(3:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して残渣を精製して、淡黄色固体として化合物(34)(2g)を得た。
ESI-MS m/z=493[M+H];515[M+Na]
【0408】
化合物35
化合物(34)(600mg、1.25mmol)のTHF(15mL)0℃撹拌溶液に、ジエチルアミン(15mL)を加えた。混合物を20℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。PE/EtOAc=10:1、次いでDCM/MeOH(10:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(35)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=271.4[M+H]
【0409】
化合物36
化合物(21)(300mg、1.11mmol)および化合物(35)(300mg、1.11mmol)のDMF(5.00mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(428.72mg、3.32mmol)およびHATU(630.64mg、1.66mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.5%NH4HCO3水溶液、30分で0~100 B%、B:MeCN、検出器:UV200nm、60%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(36)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=524.4[M+H];546.3[M+Na]
【0410】
化合物37(実施例9)
4M HClの1,4-ジオキサン(4.0mL)溶液中の化合物(36)(180mg、34.40mmol)の溶液を20℃で撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.01%HCl水溶液;B:MeCN、25分で0%~100%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色半固体として化合物(37)(実施例9)(144mg、99.78%)を得た。
【0411】
化合物43(実施例10)の合成
実施例10を以下のスキームに従って合成した。
【0412】
化合物38
中間体(I-4)(800mg、4.10mmol)および(2S)-6-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-2-([[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]アミノ)ヘキサン酸(1920.83mg、4.10mmol)のDMF(10mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(3179.01mg、24.6mmol)およびHATU(2026.08mg、5.33mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、水(200mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)、飽和ブライン(200mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%NH4HCO3水溶液;B:MeCN、検出器:200nm、80%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色固体として化合物(38)(1.2g)を得た。
ESI-MS m/z=572.4[M+Na]
【0413】
化合物39
化合物(38)(600mg、1091.56mmol)のTHF(60mL)溶液に、ジエチルアミン(30mL)を加えた。得られた混合物を20℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。PE/EtOAc(10:1)、次いでDCM/MeOH(7:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(39)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=328.2[M+H]
【0414】
化合物40
化合物(21)(248.59mg、0.92mmol)および化合物(39)(300mg、0.92mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(355.25mg、2.75mmol)およびHATU(522.57mg、1.37mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%NH4HCO3水溶液、B:MeCN、検出器、200nm、20分で10%~80%の勾配を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(40)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=581.4[M+H]
【0415】
化合物41
化合物(40)(300mg)を4M HClの1,4-ジオキサン(15mL)溶液中20℃で6時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、化合物(41)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
ESI-MS m/z=381.3[M+H]
【0416】
化合物42
化合物(41)(290mg、0.76mmol)およびtert-ブチルN-[(1E)-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ][(メチルスルファニル)アミノ]メチリデン]カルバメート(465.51mg、1.52mmol)のDMF(5.00mL)0℃撹拌溶液に、TEA(0.23g、2.27mmol)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(18.62mg、0.15mmol)を少しずつ加えた。混合物を20℃で一晩撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液、B:MeCN、検出器、UV254nm、25分で10%~90%の勾配を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、黄色油状物として化合物(42)(200mg)を得た。
ESI-MS m/z=623.5[M+H]
【0417】
化合物43(実施例10)
4M HClの1,4-ジオキサン(5mL)溶液中の化合物(42)(200mg、0.32mmol)を20℃で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.01%HCl水溶液;B:MeCN、30分で0%~100%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色半固体として化合物(43)(実施例10)(83mg)を得た。
【0418】
化合物45(実施例11)の合成
実施例11を以下のスキームに従って合成した。
【0419】
化合物44
中間体(I-3)(94.79mg、0.74mmol)および化合物(35)(200mg、0.74mmol)のDMF(2mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(382.47mg、2.96mmol)およびHATU(365.74mg、0.96mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%NH4HCO3水溶液;B:MeCN、70%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(44)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=381.2[M+H]
【0420】
化合物45(実施例11)
4M HClのジオキサン(5mL)溶液中の化合物(44)(100mg、0.53mmol)を20℃で6時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.01%ギ酸水溶液;B:MeCN、20分で10%~60%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(45)(実施例11)(53mg)を得た。
【0421】
化合物49(実施例12)の合成
実施例12を以下のスキームに従って合成した。
【0422】
化合物46
中間体(I-4)(800mg、8.07mmol)および(2S)-4-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-2-([[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]アミノ)ブタン酸(3.55g、8.07mmol)のDMF(10.00mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(3.13g、24.21mmol)およびHATU(4.60g、12.10mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×200mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、PE/EtOAc(3:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(46)(1g)を得た。
ESI-MS m/z=522.3[M+H]
【0423】
化合物47
化合物(46)(1g、1.92mmol)およびジエチルアミン(4mL)のTHF(20mL)溶液を20℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、PE/EtOAc(10:1)、次いで、DCM/MeOH(7:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(47)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=300.4[M+H]
【0424】
化合物48
化合物(47)(300mg、1.0mmol)および中間体(I-3)(128.4mg、1.0mmol)のDMF(5.00mL)0℃撹拌溶液に、HATU(495.33mg、1.30mmol)およびDIPEA(388.54 mg、3.01mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%NH4HCO3水溶液;B:MeCN、検出器:UV200nm、25分で0~100%B、50%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(48)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=410.3[M+H]
【0425】
化合物49(実施例12)
4M HClのジオキサン(3ml)溶液中の化合物(48)(300mg、0.73mmol)を20℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%NH4HCO3水溶液;B:MeCN、10%~70%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(49)(実施例12)(206.8mg)を得た。
【0426】
化合物52(実施例13)の合成
実施例13を以下のスキームに従って合成した。
【0427】
化合物50
中間体(I-2)(2g、7.87mmol)およびtert-ブチル2-アミノアセテート塩酸塩(3.09g、23.59mmol)のMeCN(20mL)室温撹拌溶液に、K2CO3(6.53g、47.33mmol)を加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、水(200mL)で希釈し、EtOAc(3×200mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×300mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。PE/EtOAc(3:1)を用いて溶出される、シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(50)(1.2g)を得た。
ESI-MS m/z=214.3[M+H]
【0428】
化合物51
化合物(50)(1.2g、5.63mmol)のDMF(10mL)0℃撹拌溶液に、NaH(0.68g、17.10mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した後、中間体(I-2)(1.43g、5.63mmol)のDMF(3mL)溶液を滴下した。得られた混合物を20℃で4時間撹拌した後、飽和NH4Cl水溶液(40mL)を用いて0℃でクエンチした。混合物をEtOAc(3×30mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を水(2×40mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%NH4HCO3水、B:MeCN、25分で0%~100%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(51)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=296.2[M+H]
【0429】
化合物52(実施例13)
4M HClのジオキサン(10mL)溶液中の化合物(51)(200mg、0.68mmol)を20℃で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム:SunFire Prep C18 OBDカラム19×150mm、5μm;移動相A:水(0.1%ギ酸)、移動相B:MeCN;流速:25mL/分;勾配:8分で5%B~25%B;254/220nm;Rt:7.23分を使用する分取HPLCによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(52)(実施例13)(53mg)を得た。
【0430】
化合物54(実施例14)の合成
実施例14を以下のスキームに従って合成した。
【0431】
化合物53
化合物(50)(300mg、1.41mmol)および中間体(I-3)(180.23mg、1.41mmol)のDMF(5.00mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(545.38mg、4.22mmol)およびHATU(802.24mg、2.11mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:NH4HCO3水溶液;B:MeCN、検出器、UV200nm.25分で0~100%B、50%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(53)(200mg)を得た。
ESI-MS m/z=324.3[M+H]
【0432】
化合物54(実施例14)
化合物(53)(200mg、0.62mmol)の1,4-ジオキサン0℃撹拌溶液に、1,4-ジオキサン中4MのHClを加えた。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液;B:MeCN、20分で10%~70%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(54)(実施例14)(50mg)を得た。
【0433】
化合物57(実施例15)の合成
実施例15を以下のスキームに従って合成した。
【0434】
化合物55
tert-ブチルN-(2-アミノエチル)カルバメート(630.03mg、3.93mmol)および中間体(I-2)(500mg、1.97mmol)のMeCN(20mL)0℃撹拌溶液に、K2CO3(543.44mg、3.99mmol)およびKI(32.63mg、0.2mmol)を加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(20mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。PE/EtOAc(1:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(55)(280mg)を得た。
ESI-MS m/z=243.3[M+H]
【0435】
化合物56
中間体(I-3)(148.05mg、1.16mmol)および化合物(55)(280mg、1.16mmol)のDMF(2mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(448.01mg、3.47mmol)およびHATU(571.15mg、1.50mmol)を加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:NH4HCO3水溶液、B:MeCN、検出器、200nm、70%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(56)(270mg)を得た。
ESI-MS m/z=353.3[M+H]
【0436】
化合物57(実施例15)
化合物(56)(200mg)の1,4-ジオキサン0℃撹拌溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(6mL)溶液を滴下した。混合物を20℃で6時間撹拌した後、真空下で濃縮して、無色油状物として化合物(57)(実施例15)(100mg)を得た。
【0437】
化合物60(実施例16)の合成
実施例16を以下のスキームに従って合成した。
【0438】
化合物58
tert-ブチル1-オキサ-6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-カルボキシレート(600mg、2.81mmol)および中間体(I-4)(278.90mg、2.81mmol)のエタノール(50mL)0℃撹拌溶液に、NaHCO3(708.88mg、8.44mmol)を少しずつ加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、検出器、UV200nm、20%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、黄色油状物として化合物(58)(500mg)を得た。
ESI-MS m/z=313.4[M+H]
【0439】
化合物59
中間体(I-3)(236.4mg、1.85mmol)および化合物(58)(524mg、1.68mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(650mg、5.04mmol)およびHATU(829.07mg、2.18mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、検出器、UV254nm、30分で0~100%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(59)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=445.3[M+Na]
【0440】
化合物60(実施例16)
化合物(59)(200mg、0.47mmol)のMeCN 0℃撹拌溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(4mL)溶液を滴下した。混合物を20℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、検出器、UV200nm、25分で0~100%、20%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(60)(実施例16)(100mg)を得た。
【0441】
化合物64(実施例17)の合成
実施例17を以下のスキームに従って合成した。
【0442】
化合物61
化合物(50)(750mg)のDCM(15mL)撹拌溶液に、TFA(15mL)を20℃で加えた。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、化合物(61)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
ESI-MS m/z=158.2[M+H]
【0443】
化合物62
化合物(61)(750mg、0.48mol)の1,4-ジオキサン(10mL)および飽和NaHCO3水溶液(10mL)0℃撹拌溶液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.3g、10.75mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した後、1M HClを用いてpH6~7に中和した。水層をEtOAc(3×50mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を水(3×50mL)、飽和ブライン(100mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液、B:MeCN、30分で0%~100%の勾配、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(62)(250mg)を得た。
ESI-MS m/z=258.2[M+H]
【0444】
化合物63
化合物(62)(237.94mg、0.93mmol)および化合物(35)(250mg、0.93mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(358.57mg、2.77mmol)およびHATU(457.12mg、1.2mmol)を少しずつ加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、30分で0%~100%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(63)(380mg)を得た。
ESI-MS m/z=510.3[M+H]
【0445】
化合物64(実施例17)
化合物(63)(200mg、0.39mmol)の1,4-ジオキサン0℃撹拌溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(3mL)溶液を滴下した。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%酢酸水溶液;B:MeCN、20%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(64)(実施例17)(75mg)を得た。
【0446】
化合物68(実施例18)の合成
実施例18を以下のスキームに従って合成した。
【0447】
化合物65
中間体(I-2)(1g、3.93mmol)およびtert-ブチル(2S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロパノエート(633.9mg、3.93mmol)のMeCN(100mL)0℃撹拌溶液に、K2CO3(1.09g、7.86mmol)を加えた。混合物を60℃で48時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×200mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、25分で10%~90%の勾配;検出器、UV200nm.を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、黄色油状物として化合物(65)(0.50g)を得た。
ESI-MS m/z=244.4[M+H]
【0448】
化合物66
化合物(65)(0.50g、2.05mmol)のDCM(15mL)0℃撹拌溶液に、TFA(15mL)を滴下した。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、化合物(66)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
ESI-MS m/z=188.2[M+H]
【0449】
化合物67
化合物(66)(55.38mg、0.3mmol)および化合物(35)(80mg、0.3mmol)のDMF(2mL)0℃撹拌溶液に、DIPEA(114.74mg、0.89mmol)およびHATU(146.28mg、0.39mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、20分で10%~50%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(67)(70mg)を得た。
ESI-MS m/z=440.2[M+H]
【0450】
化合物68(実施例18)
化合物(67)(70mg、0.16mmol)の撹拌溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(2mL)溶液を20℃で滴下した。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:25分で10%~90%の勾配;検出器、UV200nm、15%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(68)(実施例18)(51mg)を得た。
【0451】
化合物73(実施例19)の合成
実施例19を以下のスキームに従って合成した。
【0452】
化合物69
tert-ブチル(2S)-2-アミノ-6-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]ヘキサノエート(1.19g、3.93mmol)および中間体(I-2)(1g、3.93mmol)のMeCN(100mL)0℃撹拌溶液に、K2CO3(1.09g、7.86mmol)を少しずつ加えた。混合物を60℃で48時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×200mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。PE/EtOAc(5:1から3:1)を用いて溶出される、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(69)(1g)を得た。
ESI-MS m/z=385.2[M+H]
【0453】
化合物70
化合物(69)(570mg)のDCM(30mL)0℃撹拌溶液に、TFA(30mL)を滴下した。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、(化合物70)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
ESI-MS m/z=229.2[M+H]
【0454】
化合物71
化合物(70)(1g、4.38mmol)の1,4-ジオキサン(30mL)0℃撹拌溶液に、飽和NaHCO3水溶液(30mL)およびジ-tert-ブチルジカーボネート(955.98mg、4.38mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した後、1M HClを用いてpH6~7に中和した。水層をEtOAc(3×50mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を水(2×100mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、20分で10%~50%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(71)(200mg)を得た。
ESI-MS m/z=329.3[M+H]
【0455】
化合物72
化合物(71)(170mg、0.52mmol)および化合物(35)(153.93mg、0.57mmol)のDMF(3mL)0℃撹拌溶液に、HATU(236.19mg、0.62mmol)およびDIPEA(200.7mg、1.55mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.05%ギ酸水溶液;B:MeCN、20分で10%~80%の勾配;検出器、UV200nmを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(72)(100mg)を得た。
ESI-MS m/z=581.6[M+H]
【0456】
化合物73(実施例19)
化合物(72)(100mg、0.17mmol)の1,4-ジオキサン20℃撹拌溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(4mL)溶液を滴下した。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム:SunFire C18 OBD Prepカラム、100Å、5μm、19mm×250mm;移動相A:水(0.1%ギ酸)、移動相B:MeCN;流速:25mL/分;勾配:7分で1%B~1%B;200nm;Rt:5.6分)を使用する分取HPLCによって残渣を精製して、白色固体として化合物(73)(実施例19)(34.6mg)を得た。
【0457】
化合物75(実施例20)の合成
実施例20を以下のスキームに従って合成した。
【0458】
化合物74
中間体(I-2)(1.41g、5.55mmol)のMeCN(20mL)室温撹拌溶液に、中間体(I-4)(500mg、5.04mmol)およびK2CO3(2.11g、15.13mmol)を少しずつ加えた。混合物を70℃で16時間撹拌し、室温に冷却した後、減圧下で濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×200mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮して化合物(74)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
ESI-MS m/z=182.2[M+H]
【0459】
化合物75(実施例20)
モルホリン-4-イル酢酸(286.47mg、1.97mmol)のDMF(2mL)0℃撹拌溶液に、化合物(74)(300mg、1.79mmol)、DIPEA(695.62mg、5.38mmol)およびHATU(886.82mg、2.33mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19×250mm、5μm;移動相A:水(10mmol/L NH4HCO3)、移動相B:MeCN;流速:25mL/分;勾配:12分で32%B~40%B;220/200nm;Rt:9.98分)を使用する分取HPLCによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(75)(実施例20)(16.6mg)を得た。
【0460】
化合物78(実施例21)の合成
実施例21を以下のスキームに従って合成した。
【0461】
化合物76
中間体(I-2)(500mg、1.967mmol)のMeCN(10mL)室温撹拌溶液に、tert-ブチル(2S)-3-アミノ-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート(511.86mg、1.97mmol)およびK2CO3(815.21mg、5.9mmol)を少しずつ加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した後、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水(50mL)で希釈し、水層をEtOAc(3×50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮して化合物(76)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
ESI-MS m/z=343.5[M+H]
【0462】
化合物77
化合物(76)(800mg、2.34mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、中間体(I-3)(329.27mg、2.57mmol)、DIPEA(905.8mg、7.01mmol)およびHATU(1065.94mg、2.80mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液、移動相B:MeCN;30分で0%~100%の勾配;検出器、UV220nm、70%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(77)(200mg)を得た。
ESI-MS m/z=453.4[M+H]
【0463】
化合物78(実施例21)
化合物(77)(200mg、0.44mmol)の1,4-ジオキサン20℃溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(20mL)溶液を加えた。混合物を20℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液;B:MeCN;検出器、UV200nm、30分で10%~100%の勾配、20%Bを使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、白色固体として化合物(78)(実施例21)(40.1mg)を得た。
【0464】
化合物81(実施例22)の合成
実施例22を以下のスキームに従って合成した。
【0465】
化合物79
中間体(I-2)(507.88mg、2.0mmol)のMeCN(40mL)室温撹拌溶液に、tert-ブチル4-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(400mg、2.0mmol)およびK2CO3(828.07mg、5.99mmol)を少しずつ加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した後、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮して化合物(79)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
ESI-MS m/z=283.3[M+H]
【0466】
化合物80
化合物(79)(600mg、2.13mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、中間体(I-3)(299.47mg、2.34mmol)、DIPEA(823.82mg、6.37mmol)およびHATU(1.05g、2.76mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液;B:30分で0%~100%の勾配;検出器、UV220nm、60%を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(80)(300mg)を得た。
ESI-MS m/z=415.3[M+Na]
【0467】
化合物81(実施例22)
化合物(80)(300mg)の室温溶液に4M HClの1,4-ジオキサン(20mL)溶液を滴下し、20℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液、B:MeCN、検出器、UV220nm、30分で0%~100%の勾配、20%を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(81)(実施例22)(200mg)を得た。
【0468】
化合物84(実施例23)の合成
実施例23を以下のスキームに従って合成した。
【0469】
化合物82
中間体(I-2)(600.75mg、2.36mmol)のMeCN(40mL)室温撹拌溶液に、tert-ブチル(3R)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(400mg、2.15mmol)およびK2CO3(890.43mg、6.44mmol)を少しずつ加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した後、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)を用いて洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、濾液を減圧下で濃縮して化合物(82)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
ESI-MS m/z=257.1[M+H]
【0470】
化合物83
中間体(I-3)(315.12mg、2.46mmol)のDMF(5mL)0℃撹拌溶液に、化合物(82)(600mg、2.24mmol)、DIPEA(866.88mg、6.71mmol)およびHATU(1105.15mg、2.91mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液;B:MeCN;検出器、UV220nm、30分で0%~100%の勾配、70%を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、無色油状物として化合物(83)(200mg)を得た。
ESI-MS m/z=412.9[M+H]
【0471】
化合物84(実施例23)
化合物(83)(200mg、0.53mmol)の1,4-ジオキサン20℃溶液に、4M HClの1,4-ジオキサン(15mL)溶液を加えた。混合物を20℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。以下の条件、すなわち、カラム、C18シリカゲル;移動相、A:0.1%ギ酸水溶液;B:MeCN;検出器、UV254nm、30分で0%~100%の勾配、20%を使用する逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、淡黄色油状物として化合物(84)(実施例23)(100mg)を得た。
【0472】
化合物を評価するための方法:
ブタ眼角膜平坦化アッセイ
4℃の生理食塩水中のブタ全球を室温に加温した。次いで、切れ味の悪いメス刃を用いて角膜の上皮を除去し、角膜を上に向けた水平位置でカスタム可動式眼ホルダーに眼を入れた。次いで、雰囲気、温度および湿度の制御を可能にする密閉チャンバー(典型的には37.0℃の水浴)の内部に眼ホルダーを配置した。注射針を介して各眼に挿入された標準的な高さのIVバッグから血液バンク緩衝生理食塩水ラインを挿入することによって、IOPを一定の圧力に維持する。血液バンク緩衝生理食塩水中5%デキストランT500を各眼の角膜表面に2時間かけて90秒毎に滴下して、眼を安定化させる。デキストランの滴下を中断し、角膜の中心上で小さなゴム製Oリングによって適所に保持された試験化合物の溶液を試験眼の角膜表面に浸漬させる。設定浸漬時間(典型的には10分)後、Oリングを除去し、生理食塩水を用いて過剰の試験溶液を洗い流す。次いで、試験眼を垂直位置に向け、Pentacam(登録商標)HR device fine cornea 100 scanを使用して、角膜の処置前表面角膜曲率測定を測定する。次いで、眼を水平位置に戻し、所望の投与期間にわたって365nmのUVA光の特定のパターンを角膜に投与する。さらに1.5時間にわたり5%デキストラン液滴を再開した後、眼を垂直位置に戻し、先のようにPentacam(登録商標)HR device fine cornea 100 scanを使用して、角膜の処置後表面角膜曲率測定を測定する。処置前後の角膜画像間の差分マップを取得し、中心3mmゾーンの角膜曲率測定(Km)の全体的な変化をジオプトリーの変化として記録する。
【0473】
以下の注記は、アッセイにおける特定の工程についてのさらなる説明を提供する。
(1)生理食塩水中でブタの眼球を室温に加温した後、眼を、角膜を上に向けてカスタム可動式眼ホルダーに直ちに入れたか、またはホルダーに入れる前に切れ味の悪いメス刃を用いて最初に上皮を除去した。
(2)本明細書において使用されるIOPとは、「眼内圧」を指す。針を介して標準的な高さのIVバッグから血液バンク緩衝生理食塩水ラインを各眼に挿入することによって、IOPを維持した。
(3)血液バンク緩衝生理食塩水中0.5%~10%(典型的には5%)デキストランT500を各眼の角膜上に2時間かけて90秒毎に滴下して、眼を安定化させた。次いで、試験眼を垂直位置に向け、Pentacam(登録商標)HR device(fine cornea 100 scan)を使用して、角膜の処置前表面角膜曲率測定スキャンを行う。次いで、眼を水平位置に戻し、デキストラン液滴を、角膜の中心上の小さなゴム製Oリングによって適所に保持された試験化合物の溶液(典型的には生理食塩水中0.22%w/v)に置き換える。
(4)設定浸漬時間5~30分(典型的には10分)後、Oリングを除去し、生理食塩水を用いて過剰の試験溶液を洗い流す。
【0474】
本開示の選択された実施例に関する代表的なブタ角膜平坦化データ*を以下の表B-1に列挙する。
【0475】
【表B-1】
*UVA光を37.0℃の通常(21%O2)雰囲気下、365nm、30mW/cm2の放射照度、8.1分間の連続波(CW)、15Jの総線量で4mmの円の中に照射した。
【0476】
ブタ眼角膜補強アッセイ
4℃の生理食塩水中のブタ全球を室温に加温した。眼を、角膜を上に向けた水平位置でカスタム可動式眼ホルダーに直ちに入れたか、または、ホルダーに入れる前に切れ味の悪いメス刃を用いて最初に上皮を除去した。次いで、雰囲気、温度および湿度の制御を可能にする密閉チャンバー(典型的には37.0℃の水浴)の内部に眼ホルダーを配置した。次いで、角膜の中心上で小さなゴム製Oリングによって適所に保持された試験化合物の溶液を試験眼の角膜表面に浸漬させる。設定浸漬時間(典型的には10分)後、Oリングを除去し、生理食塩水を用いて過剰の試験溶液を洗い流す。所望の投与期間にわたって、365nmのUVA光の特定のパターンを試験眼の角膜に投与する。次いで、フェムト秒レーザー(Zeimer、LDV1)を使用して、所望の厚さ(典型的には200μmの角膜弁を眼から切除する。角膜弁を周囲温度で20分間生理食塩水に入れ、次いで、biorakeアタッチメント(幅3.5mmに及ぶ5タイン)を使用して、二軸伸縮計(CellScale Biotester5000、Waterloo,ON)に取り付ける。37℃の生理食塩水中で4μm/sの一定速度で、試料が破損するまで角膜弁を伸長させる。力対距離曲線の最大勾配を計算し、未処置の角膜から得られた勾配と比較する。
【0477】
以下の注記は、アッセイにおける特定の工程についてのさらなる説明を提供する。
(1)次いで、角膜の中心上で小さなゴム製Oリングによって適所に保持された試験化合物の溶液(典型的には生理食塩水中0.22%w/v)を試験眼の角膜表面に浸漬させる。5~30分間(典型的には10分間)の設定浸漬時間後、Oリングを除去し、生理食塩水を用いて過剰の試験溶液を洗い流す。
(2)次いで、フェムト秒レーザー(Zeimer、LDV1)を使用して、所望の厚さおよび直径(典型的には厚さ200μm×直径8mm)の角膜弁を眼から切除する。角膜弁を周囲温度で20分間生理食塩水に入れ、次いで、食塩水中で二軸伸縮計(CellScale Biotester5000、Waterloo,ON)に取り付けるか、5%デキストランT500/生理食塩水中でテスターに直接取り付ける。
(3)Biorakeアタッチメント(幅3.5mmに及ぶ5タイン)を使用して、弁を37℃で4μm/sの一定速度で、X(5Nロードセル)およびY(10Nロードセル)方向の両方に同時に伸長させながら保持する。
(4)力対距離曲線の最大勾配は、補強値に対応する。これを未処置の角膜から得られたものと比較する。
【0478】
本開示の選択された実施例に関する代表的なブタ補強データ**を以下の表C-1に列挙する。
【0479】
【表C-1】
**UVA光を37.0℃の通常(21%O2)雰囲気下、365nm、30mW/cm2の放射照度、8.1分間の連続波(CW)、15Jの総線量で9mmの円の中に照射した。
未処置の角膜の最大勾配値=10.1。
#処置前に眼の上皮を除去しなかった。
【0480】
本発明のいくつかの態様を説明してきた。それでもなお、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の態様は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある
【国際調査報告】