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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】チェアー、押圧デバイス
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/00 20060101AFI20220309BHJP
   A47C 16/02 20060101ALI20220309BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20220309BHJP
   A47C 7/14 20060101ALI20220309BHJP
   A47C 1/035 20060101ALI20220309BHJP
   A47C 1/024 20060101ALI20220309BHJP
   A47C 1/037 20060101ALI20220309BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20220309BHJP
   A63B 23/00 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
A47C16/02
A47C7/38
A47C7/14 C
A47C1/035
A47C1/024
A47C1/037
A47C7/62 Z
A63B23/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543538
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2020052349
(87)【国際公開番号】W WO2020157232
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】102019102375.0
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521330459
【氏名又は名称】ベーレント、 クリスティアン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベーレント、 クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
3B099
【Fターム(参考)】
3B084DB01
3B084DB09
3B084JA02
3B084JA05
3B084JC12
3B095CA03
3B099BA01
(57)【要約】
本発明は人間を座らせるためのチェアーに関する。チェアーが、
- チェアーの上に載せられている人間の胴体部の前側又は胴体部の後側の少なくとも一部に合うように適合されるか又は適合可能である上半身接触表面を有する上半身セクションと、
- 人間の大腿部の少なくとも前側の少なくとも一部に合うように適合されるか又は適合可能である下半身接触表面を有する下半身セクションと
を備え、
上半身セクション及び下半身セクションが、上半身接触表面及び下半身接触表面により所定の過伸展角度で人間の股関節の過伸展姿勢を作るように、構成されるか又はそのように構成可能であり、また互いを基準としてポジションが固定可能である。チェアーの上で臀部の過伸展角度を形成することにより、大腿前部及び臀部の筋肉の縮みが軽減され得る。さらに、人体に力を加えるための押圧デバイスが開示され、押圧デバイスがチェアーの上で使用されるように適合され、押圧デバイスが1つ又は複数の圧力ユニットを有し、1つ又は複数の圧力ユニットの各々が、所定の圧力ロケーションにおいて、チェアーの上に座らせられている人間の身体に局部圧力又は点の圧力を加えるように適合される少なくとも1つの圧力ヘッドを有する。さらに、このような押圧デバイスを有するチェアーが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間を座らせるためのチェアーであって、前記チェアーが、
- 前記チェアーの上に載せられている人間の胴体部の前側又は胴体部の後側の少なくとも一部に合うように適合されるか又は適合可能である上半身接触表面を有する上半身セクションと、
- 前記人間の大腿部の少なくとも前側の少なくとも一部に合うように適合されるか又は適合可能である下半身接触表面を有する下半身セクションと
を備え、
前記上半身セクション及び前記下半身セクションが、前記上半身接触表面及び前記下半身接触表面により所定の過伸展角度で前記人間の股関節の過伸展姿勢を作るように、構成されるか又はそのように構成可能であり、また互いを基準としてポジションが固定可能である
チェアー。
【請求項2】
前記臀部の前記過伸展姿勢が、好適には背中が前記チェアーにもたれ掛かっている状態で、着座姿勢にある人間において達成される、ことを特徴とする、請求項1に記載のチェアー。
【請求項3】
前記臀部の前記過伸展姿勢が、前記チェアーの上で膝立ち姿勢である人間において達成される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のチェアー。
【請求項4】
前記臀部の前記過伸展姿勢が、前記チェアーの上で立っている、具体的には前のめりになっている人間において達成される、ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項5】
前記臀部の前記過伸展姿勢が、前記チェアーの上で腹臥位ポジション又は跨ぐ形のポジションにある人間において達成される、ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項6】
前記上半身セクションが、単独で、又は前記下半身セクションと共に、水平方向を基準として好適には少なくとも40°の傾斜ポジション角度で斜め上方に延在させる形で、前記第1の接触表面により前記人間の胴体部の傾斜位置を形成するように、構成されるか又は構成可能であるか或いはそのような位置で固定可能である、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項7】
支持要素が提供され、前記支持要素が前記人間の身体を下方で支持するように設計及び構成されるか又は構成可能であり、さらにこのために固定可能であり、前記支持要素が好適には、フット・レスト、膝支持体、膝/脛支持体、又は尻部支持体、或いはシート・シェル又はシート・サドルのようなもの、として設計される、ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項8】
臀部カウンター・ベアリング要素が提供され、前記臀部カウンター・ベアリング要素が好適にはその位置が調整可能であり、及び/又は取り外し可能に構成され、前記臀部カウンター・ベアリング要素が前記人間の臀部の背面側に接触して載置されるように設計され、前記臀部カウンター・ベアリング要素が、前記人間の前記臀部をcutting lineから逸脱させるのを防止するように構成されるか又は構成可能であり、さらにそのような位置に固定可能であり、前記臀部カウンター・ベアリング要素が、好適には、圧力棒又は圧力ローラー、尻部支持体、或いはシート・シェル又はシート・サドルのようなもの、として設計される、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項9】
前記上半身セクション及び前記下半身セクションが中央連結部により互いに接続され、前記中央連結部が横軸を中心として前記上半身セクションを基準として前記下半身セクションを枢動させること又はその逆を可能にし、前記中央連結部がロック可能であり、具体的には能動的にロック可能である、ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項10】
前記下半身セクションが2つの脚部部分を有し、前記中央連結部が2つの個別の連結部を有し、各個別の連結部が前記下半身セクションの脚部部分を横軸を中心として前記上半身セクションを基準として枢動させるのを可能にし、各個別の連結部がロック可能であり、具体的には能動的にロック可能であり、好適には前記中央連結部の各個別の連結部が前記脚部部分の長手方向軸を中心とした回転を可能にし、及び/又は前記個別の連結部が矢状軸を中心とした前記脚部部分の枢動を可能にする、ことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項11】
前記個別の連結部がボール・ジョイントとして設計される、ことを特徴とする、請求項10に記載のチェアー。
【請求項12】
前記中央連結部が完全枢動連結部を有し、前記完全枢動連結部が、前記個別の連結部をロックする場合、前記横軸を中心として前記上半身セクションを基準として前記下半身セクションの全体を枢動させるのを又はその逆を可能にし、前記完全枢動連結部がロックされ得、具体的には能動的にロックされ得る、ことを特徴とする、請求項10又は11に記載のチェアー。
【請求項13】
前記上半身セクションが前記人間の胸部の少なくとも一部分を支持するための胸部支持体、及び前記人間の腹部の少なくとも一部分を支持するための腹部支持体を備え、前記胸部支持体及び前記腹部支持体が互いに堅固に接続されるか又は中間連結部により横軸を中心として枢動可能に接続される、ことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項14】
前記中央連結部と前記中間連結部との間にロッカーが提供され、前記ロッカーが特に好適にはテレスコピック式であり、さらに、好適には、前記胸部支持体及び前記腹部支持体が前記ロッカーを基準として共に枢動可能である、ことを特徴とする、請求項13に記載のチェアー。
【請求項15】
前記下半身セクションの全体、又は前記脚部部分の各々が個別に、互いに堅固に接続されるか又は横軸を中心として枢動可能となるように中間連結部により接続される大腿部支持体及び下側脚部支持体を備え、好適には、前記大腿部支持体が前記中央連結部に接続される、ことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項16】
前記下半身セクションの全体、又は前記脚部部分の各々が、前記人間の足を支持するように設計される足支持体を有し、前記足支持体が前記下側脚部支持体に堅固に接続されるか、或いは、横軸、矢状軸、及び/又は長手方向軸を中心として枢動可能となるように端部連結部により前記下側脚部支持体に接続され、前記足支持体が好適には、前記中間連結部からのその距離を調整可能にするように設計される、ことを特徴とする、請求項15に記載のチェアー。
【請求項17】
前記足支持体が、前記身体のつま先を過伸展状態で支持するように設計されるつま先ストップを有し、前記つま先ストップが好適には、前記端部連結部からのその距離を調整可能にするように設計され、前記足支持体がさらに、好適には、ヒール・ストップ及び/又は足の甲の押さえデバイスを有する、ことを特徴とする、請求項16に記載のチェアー。
【請求項18】
少なくとも1つのフット・レストが提供され、前記少なくとも1つのフット・レストが前記下側脚部支持体の領域及び/又は前記大腿部支持体の領域に、特には前記下半身セクションの前記中間連結部の領域に及び/又は前記中央連結部の下方に、配置されるか又は配置され得る、ことを特徴とする、請求項15から17までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項19】
少なくとも1つのフット・ローラーが提供され、前記少なくとも1つのフット・ローラーが、膝の角度のついたポジションにおいて足を掛止するように設計され、さらにはそのために前記人間の前記臀部の後方に配置されるか又は配置可能であり、前記フット・ローラーが好適にはその位置を調整可能にするように設計される、ことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項20】
少なくとも1つの膝支持体が提供され、前記少なくとも1つの膝支持体が、前記下半身セクションの上で膝を支持するように設計され、さらにはそのために構成されるか又は構成可能であり、前記膝支持体が好適にはその位置を調整可能にするように設計される、ことを特徴とする、請求項1から19までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項21】
背中支持体が提供され、前記背中支持体が背中を支持するように設計され、さらにそのために構成されるか又は構成可能であり、前記背中支持体が好適にはその位置を調整可能にするように設計される、ことを特徴とする、請求項8から20までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項22】
レッグ・レストが提供され、前記レッグ・レストが、特には、前記臀部の前方の領域において前記身体の前方で前記人間の脚部を水平に載置するように設計され、さらにそのために構成されるか又は構成され得、前記レッグ・レストが好適には、枢動可能となるように及び/又はテレスコピック式となるように設計され、さらに、好適には、枢動可能となるように、また特には折り畳み可能となるように及び/又はテレスコピック式となるように、大腿部レストに接続される延長部分を有する、ことを特徴とする、請求項1から21までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項23】
前記チェアーがフロア表面の上で前記チェアーを支持するように適合されるスタンディング・ベースを備え、前記上半身セクション及び前記下半身セクションが、好適には、横軸を中心として前記スタンディング・ベースを基準としてベース枢動連結部によりユニットとして枢動可能であり、前記ベース枢動連結部がロック可能であり、具体的には能動的にロック可能であり、さらに、好適には、前記スタンディング・ベースが垂直軸を中心として枢動するのを可能にする、ことを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項24】
ヘッド・モジュールが提供され、前記ヘッド・モジュールが、生理学的ポジションで前記チェアーの上に座らせられている人間の頭部を保持して前記頭部を動かすときに誘導し、好適には、2つのパッド又は他の解剖学的形状の部分が両側において乳様突起を包囲し、前記乳様突起を後方及び上方に引き、カウンター・ベアリングとしての前頭部支持体が提供され、好適には、ばね機構又は油圧機構などによる前記ヘッド・モジュールが前記頭部を前方及び/又は側方に動かすのを可能にし、特にはレール摺動機構により、軸椎歯突起の軸に概して一致する回転を可能にし、前記ヘッド・モジュールが、好適には、ばね機構又は油圧機構などにより、前記頭部を、前方、後方、及び/又は側方に動かすのを可能にし、具体的には、レール摺動機構により軸椎歯突起の軸に概して一致する回転を可能にする、ことを特徴とする、請求項1から23までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項25】
前記下半身セクションが、下向きで前記チェアーの上に腹臥位ポジションで座らせられている人間の足を支持する足支持体を備え、前記足支持体が好適には、ヒンジ式に取り付けられ、前記足の伸展ポジションを作るような位置に調整可能且つ/又は固定可能であり、前記足支持体が好適には、少なくとも1つのヒンジ方向において弾性的に予張力を与えられることが可能である、ことを特徴とする、請求項1から24までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項26】
前記チェアーが、座位ポジションで人間を座らせるように適合される座位に変換可能又は調整可能である、ことを特徴とする、請求項1から25までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項27】
前記座位ポジションにおいて、前記下半身セクションが、少なくとも部分的に、座部表面として機能し、前記上半身セクションが、少なくとも部分的にバックレストとして機能し、特にはバックレストとして機能する、ことを特徴とする、請求項26に記載のチェアー。
【請求項28】
着座ポジションで人間を受けるためのチェアーであって、前記チェアーが、第1の部分的な座部表面及び第2の部分的な座部表面に分割される座部表面を備え、前記第2の部分的な座部表面が前記第1の部分的な座部表面に対してある角度で傾斜しており、つまり傾くことが可能であり、ここでは、人間が、一方の脚部の大腿部の後側を前記第1の部分的な座部表面の上に載せて前記大腿部の前側を前記第2の部分的な座部表面に接触させる形で、腰掛けるとき、前記第1の部分的な座部表面及び前記第2の部分的な座部表面が、所定の過伸展角度で前記人間の股関節の過伸展姿勢を提供する、チェアー。
【請求項29】
前記チェアーが、
- オフィス・チェアー、
- リラクシング・チェアー、アームチェアー、又はカウチ、
- ニーリング・チェアー、スツール、又はベンチ、
- シッティング・スツール又はシッティング・フレーム、
- ワーク・チェアー又はワーク・フレーム、
- 治療用チェアー又は治療用カウチ、
- エクササイズ・チェアー又はエクササイズ・ベンチ
のうちの1つとして、設計可能、変換可能、又は調整可能である、ことを特徴とする、請求項1から28までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項30】
前記チェアーが、前記座位ポジションにあるとき、少なくとも1つの工業規格又は商業規格による、オフィス・チェアーのための要求条件を満たし、前記少なくとも1つの工業規格又は商業規格が、具体的には、2002年バージョン及び/又は2018年バージョンの、DIN EN 1335-1、DIN EN 1335-2、及び/又はDIN EN 1335-3、を含み、前記チェアーが、好適には、この規格のタイプC、別法としてタイプB、又は別法としてタイプAを含む、ことを特徴とする、請求項26から28までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項31】
サドル-ルーフ形状の座部を有するように成形される股スツール(470)として形成される、人間を受けるためのチェアーであって、ここでは前記チェアーの上に跨る形で腰掛けることが可能であり、その結果、一方の大腿部の下側を用いて及び他方でもう一方の大腿部の上側を用いて、股スツールの半体に腰掛けることになる、チェアー。
【請求項32】
人体に力を加えるための押圧デバイスであって、前記押圧デバイスが、具体的には前記請求項のいずれか一項に記載のチェアーである、チェアーと共に使用されるように、前記チェアーに取り付けられるように、或いは前記チェアーに解除可能に又は非解除可能に接続されるように、適合され、前記押圧デバイスが、所定の圧力ロケーションにおいて、前記チェアーの上に座らせられている人間の身体に局部圧力又は点の圧力を加えるように適合される少なくとも1つの圧力ヘッドを各々が有する1つ又は複数の圧力ユニットを備える、押圧デバイス。
【請求項33】
前記圧力ロケーションが、osteopressureの趣旨における圧力点又は痛点、並びに/或いは指圧又はマッサージの治療エリアの趣旨におけるエネルギー・ポイントに一致する、ことを特徴とする、請求項32に記載の押圧デバイス。
【請求項34】
前記圧力ロケーションが、前記人間の身体上の筋肉又は筋肉グループの起始又は付着箇所に一致する、これが具体的には:
・小転子(両側)のところの腰筋のアプローチ(approach)(両側)(a)
・骨盤(結合線)(両側)のところの下前腸骨棘のところの直筋の起始(b)
・仙骨のところの(c)及び腸骨稜(両側)のところの(d)広背筋の起始
・腸骨稜(両側)のところの(e)及び仙骨(両側)のところの(f)腸肋筋の起始
・仙骨のところの、並びに下部腰椎(両側)の、棘突起のところの、及び横突起のところの、胸最長筋(両側)の起始(g)
・仙骨のところの梨状筋(両側)の起始(h)
・仙骨のところの、並びに胸部及び腰部の椎体の、横突起のところの、及び棘突起のところの、多裂筋の起始(i)
・仙骨のところの大殿筋の起始(j)
・腸骨稜の下側縁部のところの中殿筋及び小殿筋の起始(各々の、複数の圧力点を有する)(k)
・腸骨稜及び上前腸骨棘(両側)のところの大腿筋膜張筋(両側)の起始(l)
・恥骨のところのadductus brevis、minimusの起始(m)
・上前腸骨棘(両側)のところの縫工筋の起始(n)
・腸骨稜(両側)のところの内腹斜筋の起始(o)
・腸骨稜(両側)のところの腹横筋の起始(p)
・腸骨稜(両側)のところの外腹斜筋の起始(q)
・腸骨稜(両側)のところの腰方形筋の起始(r)
・剣状突起(胸骨の下側縁部)のところの、結合線(両側)のところの、及び第5~第7肋骨のところの、腹直筋の起始及び付着点(s)
・medial clavicle(両側)のところの(t)、及び胸骨(両側)のところの(u)、胸鎖乳突筋の起始
・肩甲骨のところの肩甲拳筋(両側)の起始(v)
・棘上筋(両側)の起始(w)
・第1肋骨及び第2の肋骨(両側)までの両方の斜角筋(両側)のアプローチ(x)
・肩峰及び鎖骨(両側)までの僧帽筋のアプローチ(y)
・胸骨及び鎖骨のところの大胸筋(両側)の起始(z)
・proc. coracoideus(両側)までの小胸筋(両側)の起始(aa)
・proc. coracoideus(両側)までの上腕二頭筋短頭(両側)の起始(bb)
・外側鎖骨(両側)及び肩峰(両側)のところの三角筋(cc)
・腓腹筋(両側)の両方の筋腹の起始(dd)
・ヒラメ筋の起始(ee)
・大腿二頭筋の起始及び付着点(ff)
・前脛骨筋(両側)の起始(gg)
・半膜様筋(両側)のアプローチ及び起始(hh)
・半腱様筋(両側)のアプローチ及び起始(ii)
・medial tibiaまでの薄筋のアプローチ(jj)
・大内転筋のアプローチ及び起始(kk)
・prox. femurのところの中間広筋の起始(ll)
・外側大腿骨のところの外側広筋の起始(mm)、並びに
・粗線のところの内側広筋の起始(nn)
から選択される、ことを特徴とする、請求項32又は33に記載の押圧デバイス。
【請求項35】
前記1つ又は複数の圧力ユニットの少なくとも1つの圧力ユニットが、局所的な位置決め、圧力方向、及び/又は圧力強度において調整可能となるように設計される、ことを特徴とする、請求項32から34までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項36】
1つ又は複数の押付用ユニットの少なくとも1つの押付用ユニットが交換可能な押付ヘッドを有する、ことを特徴とする、請求項32から35までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項37】
前記圧力ヘッドがベースを有し、前記圧力ヘッドが前記圧力ベースと一体に形成されるか或いは前記ベースに堅固に接続されるか又は前記ベースに交換可能に接続され、前記ベースが好適には、円形、楕円形、円錐形、又は細長い形状を有する、ことを特徴とする、請求項32から36までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項38】
前記圧力ヘッドが円形であるか又は前記ボディに近い端部のところで鋭利である、ことを特徴とする、請求項32から37までのいずれか一項に記載のチェアー。
【請求項39】
前記圧力ヘッドが、少なくともその表面上で、好適には、発泡ポリプロピレン、硬質プラスチック、軟質プラスチック、又はゴムである、中程度の硬さ及び中程度の強度の材料を有する、ことを特徴とする、請求項32から38までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項40】
前記圧力ユニットのうちの複数の圧力ユニットが組み合わされて圧力モジュールを形成する、ことを特徴とする、請求項32から39までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項41】
前記1つ又は複数の圧力ユニットの少なくとも1つの圧力ユニットが、送りムーブメント、振動、パルス、回転、ローリング、又は屈曲を適用するように、或いは電荷、又は磁場若しくは電磁場を与えるか、加熱又は冷却を施すように、設計される、ことを特徴とする、請求項32から40までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項42】
前記1つ又は複数の圧力ユニットの少なくとも1つの圧力ユニットが、好適には、ばね機構、或いは油圧駆動装置、空気圧駆動装置、又はモーター駆動装置を介して、圧力強度が調整可能である、ことを特徴とする、請求項32から41までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項43】
前記1つ又は複数の圧力ユニットの少なくとも1つの圧力ユニットが、前記圧力ユニットによって加えられる力に対応する出力信号を出力する力センサを備える、ことを特徴とする、請求項32から42までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項44】
好適には、前記圧力ユニットによって加えられる力に対応する、前記圧力ユニットのセンサから受信される信号を受信及び処理することにより、また好適には、手動で予め定められる圧力値又はアルゴリズムによって決定される圧力値に基づいて、前記1つ又は複数の圧力ユニットの少なくとも1つの圧力ユニットを制御するための制御装置が提供される、ことを特徴とする、請求項32から43までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項45】
前記1つ又は複数の圧力ユニットの少なくとも1つの圧力ユニット、及び前記押圧デバイスの処置を受ける人間によって操作可能である緊急停止機能を制御するための制御装置が提供される、ことを特徴とする、請求項32から44までのいずれか一項に記載の押圧デバイス。
【請求項46】
前記チェアーが、前記チェアーに取り付けられるか、或いは前記チェアーに堅固に又は脱着自在に接続される、請求項32から45までのいずれか一項に記載の押圧デバイスを有する、ことを特徴とする、具体的には請求項1から31までのいずれか一項に記載の、人間を座らせるためのチェアー。
【請求項47】
大腿部接触表面を備える、チェアーのための追加要素であって、前記追加要素が、前記大腿部接触表面を前記チェアーの座部表面の横に配置するように、及び前記大腿部接触表面を前記座部表面を基準としてある角度で傾斜するか又は傾斜可能とするように、前記チェアーに取り付け可能であり、その結果、人間が一方の脚部の大腿部の後側を前記追加要素の前記大腿部接触表面に接触させる形で前記座部表面の上に腰掛けるとき、前記座部表面及び前記大腿部接触表面が過剰ストレッチ位置となり、人間が一方の脚部の大腿部の後側及び大腿部の前側を前記追加要素の前記大腿部接触表面に接触させる形で載置するように前記座部表面の上に腰掛けるとき、所定の過伸展角度を有する前記人間の股関節の過伸展姿勢が作られる、追加要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間を座らせるためのチェアー、及び1つ又は複数の圧力ロケーションのところで人体に局部圧力又は点の圧力(punctual pressure)を加えるための押圧デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
チェアーは、従来、着座ポジションにおいて、バックレストに接触させて背中を載置する状態で及び大腿部の裏側を座部表面上に載置する状態で、上半身及び大腿部により90°よりわずかに大きいか又は小さい角度を形成させる形で、人体を座らせるように設計される。高頻度の座る行為により、前大腿部及び後大腿部及び臀部の前側の筋肉並びにふくらはぎが縮むことになり、それにより脊椎、臀部、及び膝関節にダメージが与えられ、さらには大腿部の裏側及び尻部に褥瘡が発生する可能性があり、さらには他の望ましくない事象が発生する可能性がある。
【0003】
脊椎の歪みを少なくとも低減することを目的として、細い接続部分によりそのバックレストが座部に接続されるチェアーを使用することが知られており、ここでは、人間が跨る形でチェアーに腰掛けて腹部又は胸部を用いてバックレストにもたれ掛かる。これもやはり長時間では居心地が悪くなることから、靴底を地面に付ける座位(sole sitting posture)又は代替の座位として、特にこのような跨る形の座部(astride seat)を可能にするチェアーが開発されてきた。例えば、米国特許第454,100号が、座部と、2つの傾斜している大腿部受け部と、大腿部受け部の間で斜め上方に隆起している中央カラムと、中央カラムの上側端部のところにある横棒の形態の肘支持体とを備えるチェアーを説明している。概して自転車サドルの形状である座部を取り付けられる管状フレームを備えるサンデッキ・チェアーが米国特許第3,220,771号から知られており、ここでは、座部から離れる斜め上方を向いているU形の外側端部のところで約45°の角度で接続される2つの平行な管から構成されるセクションが腕支持体を担持し、腕支持体が平行な管の上で変位させられ得る。
【0004】
米国特許第4,832,407号及びEP0163437A1からそれぞれ、そのバックレストが細い上側部分及び翼部の形態の横方向に延在する幅広の下側部分を有するようなオフィス・チェアーが知られている。両方の形状が通常の座位及び跨る形の座位の両方を可能にし、ここでは、胸骨がバックレストの頂部に接触する状態で載置される。両方の着座ポジションにおいて、前腕又は肘がバックレストの翼部の上に載置され得る。米国特許第4,832,407号では、跨る形の座部に膝を載置するのを可能にするための脛レストが提供される。EP0163437A1では、座部表面がクロス・サドル形状であり、つまりエッジ・センターがわずかに隆起しており、角部が傾斜している。
【0005】
米国特許第5,295,728号及び米国特許第3,754,787号から、ワーク・チェアー又はスタンディング・チェアーが知られており、ここでは、使用者が前方にわずかに屈曲してほぼ立っている姿勢でサドルの上に腰掛け、前方において胸部支持体の上で自らを支える。サドル及び胸部支持体の両方が高さ調整可能である。前腕が完全に自由である。
【0006】
米国特許第4,662,361号及び米国特許第5,971,485号から、座部表面、胸部支持体、及び前額支持体又はフェイス支持体、並びに前腕支持体を有する(後者ではさらに脛支持体を有する)マッサージ・チェアーが知られている。同様の形態で、座部表面及び膝/脛支持体を備えるいわゆるニー・チェアーも知られており、ここでは、座部表面が比較的大きく角度をつけられており、体重が座部表面及び膝/脛支持体によって完全に吸収されて平衡状態を維持される。
【0007】
米国特許第6,287,243(B1)号が多様な異なるトレーニング・ベンチの1つの例であり、ここでは、座部セクション及びバックレスト・セクションが、互いに対して枢動するのを可能にするように、及び多様な筋力トレーニングを実施することを目的として仰向け又はうつ伏せで人を横たわらせるのを可能にするように、構成される。バックレスト部分が、通常、背中又は胸部のための安定した支持体を提供するのに十分に幅広であるが、バックレスト部分に隣接するところで腕を自由に動かすのを可能にするのに十分な程度で細くなっている。上で言及した発行文献では、座部部分及びバックレスト部分が結合された状態で動く形で互いに対して枢動させられ得、座部部分及びバックレストが互いに独立してベース・フレームを基準として枢動させられ得るような形態も知られている。
【0008】
DE202009005763U1から、腹臥位リクライニング・チェアー又は仮眠用リクライニング・チェアーが知られており、ここでは、リクライニング表面及び座部表面の両方が腹臥位の睡眠ポジションに対して人間工学的に適合され、ここではリクライニング表面がわずかに上方に湾曲しており、長辺に向かうにつれて下方に傾斜しており、肩支持体の下方で及び最下位部分のところで少なくともわずかに細くなっており、座部表面が等しい幅でリクライニング表面に連結しており、その端部に向かうにつれて再び幅広になっており、その結果、腕及び脚部を下に垂らすことが可能となり、頭部が支持され、足の甲又は脛がフロアの上に載置され、それにより人が短時間において日常では完全に普通ではないポジションをとることが可能となる。
【0009】
概してチェアーとして説明され得る上で言及した家具のすべてが、すべての可能な姿勢において、また特には具体的には「人間工学的姿勢」と認識される姿勢において、股関節を程度の差はあるが屈曲することになる、という共通点を有する。特に、従来のチェアーに何度も腰掛けるような人では、前大腿部及び臀部の筋肉がしばしば縮むこと及び脊椎が好ましくない形で荷重を受けることが問題となる。腹部の筋肉、背中の筋肉、脚部屈筋(leg flexor)、及びふくらはぎの筋肉などの、他の胴体の筋肉及び脚部の筋肉でも同様の悪影響が観察され得る。
【0010】
ストレッチ・エクササイズの15分後に筋肉の伸び量(lengthening)がストレッチ前のその元の状態に戻ることが科学文献から知られている(例えば、Esposito F.ら、「Time course of stretching-induced changes in mechanomyogram and force characteristics」、J. Electromyography and Kinesology、2011年、Vol.21、795~802頁)。臨床経験から、骨の対しての筋肉付着部に圧力が加えられる場合に伸展性が向上し、また維持される、というエビデンスが存在する。これは脳幹神経節を介する受容体媒介フィードバック(receptor-mediated feedback)によって説明され、ここではその結果として、中枢を媒介する筋肉のカウンター・テンション(centrally mediated muscular counter-tension)を低減する。これは、静止時においても骨に対しての筋肉付着部により骨に引張応力が加えられ、中立応力又は正の圧縮応力が一切存在しない、という生体力学的原理によるものである。組織の細胞に圧力が加えられると組織が超弾性になることも知られている。別の刊行物で、長時間の圧力により細胞が伸長可能となることが説明されている(Latorreら、「Active superelasticity in three-dimensional epithelia of controlled shape」、Nature、2018年、Vol563、203~208頁、https://doi.org/10.1038/s41586-018-0671-4)。
【0011】
上記の趣旨で圧力を加える場合、ストレッチの残効時間を有意に延ばすことができる。この効果は例えばosteopressureで利用される。これまでのところ、力を加えること(application)は、必要である場合に、プッシャ、棒、ボール・バー、ボール、指圧ペンなどの、補助具の補助により、主として、治療専門家により手動で行われている。このような治療方法の欠点は、作業員の労力が大きいこと、並びに自己治療が困難であるか又は不可能であることを理由として治療専門家のところへの来院又は治療専門家の訪問が必要となること、である。指圧及びマッサージなどの他の形で手動により力を加えることにも同じことが当てはまる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第454,100号
【特許文献2】米国特許第3,220,771号
【特許文献3】米国特許第4,832,407号
【特許文献4】EP0163437A1
【特許文献5】米国特許第5,295,728号
【特許文献6】米国特許第3,754,787号
【特許文献7】米国特許第4,662,361号
【特許文献8】米国特許第5,971,485号
【特許文献9】米国特許第6,287,243(B1)号
【特許文献10】DE202009005763U1
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Esposito F.ら、「Time course of stretching-induced changes in mechanomyogram and force characteristics」、J. Electromyography and Kinesology、2011年、Vol.21、795~802頁
【非特許文献2】Latorreら、「Active superelasticity in three-dimensional epithelia of controlled shape」、Nature、2018年、Vol563、203~208頁、https://doi.org/10.1038/s41586-018-0671-4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの目的は、より好ましい身体姿勢に関して従来技術を基準として改善される、例えば腹臥位ポジション又は着座ポジションで、人間を受けるためのチェアーを提供することである。
【0015】
本発明の1つの目的は、付随の腱、靭帯、及び筋膜と共に、臀部及び/又は脚部並びに/或いは腹部の筋肉、また特には股関節屈筋、の縮みを軽減する、例えば腹臥位ポジション又は着座姿勢で、人間を座らせるためのチェアーを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、特にはチェアーの上で実施される他の活動を中断するのを必要とすることなく、臀部及び/又は脚部の筋肉並びに/或いは腹部の筋肉の特定のストレッチ姿勢を可能にする、例えば腹臥位ポジション又は着座ポジションで、人間を座らせるためのチェアーを作ることである。
【0017】
本発明の別の目的は、着座ポジションの変化性に関して従来技術を基準として改善される、例えば腹臥位ポジション又は着座ポジションで、人間を座らせるためのチェアーを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、多様な人体寸法及び体形に対しての適合性に関して従来技術を基準として改善される、例えば腹臥位ポジション又は着座ポジションで、人間を座らせるためのチェアーを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、具体的にはオフィス・チェアーである、通常のチェアーに対しての通常の座位と、付随の腱、靭帯、及び筋膜と共に、臀部及び/又は脚部の筋肉、また特には股関節屈筋、の縮みを軽減するストレッチ姿勢との間での変換性を有するチェアーを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、osteopressure、指圧、又はマッサージの趣旨において手動で力を加えることの有用性を拡張及び向上させることである。
【0021】
本発明の別の目的は、特には他の活動を中断するのを必要とすることなく、自己治療のosteopressure、指圧、又はマッサージの趣旨において、手動で力を加えるのを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的が、少なくとも一部の側面において、請求項1の特徴によって解決される。有利な別の発展形態及び好適な実施例がサブクレームの主題を形成する。
【0023】
人間を座らせるための本発明によるチェアーが、
- チェアーの上に載せられている人間の胴体部の前側又は胴体部の後側の少なくとも一部に合うように適合されるか又は適合可能である上半身支持表面を有する上半身セクションと、
- 人間の大腿部の少なくともフロント・サイドの少なくとも一部に合うように適合されるか又は適合可能である下半身支持表面を有する下半身セクションと
を備え、
上半身セクション及び下半身セクションが、上半身支持表面及び下半身支持表面により所定の過伸展角度で人間の股関節の過伸展姿勢を作るように、構成されるか又はそのように構成可能であり、また互いを基準としてポジションが固定可能である。
【0024】
冒頭で説明したように、従来のチェアーに何度も腰掛けるような人は、前大腿部及び臀部の筋肉がしばしば縮んでその引張力により脊椎に好ましくない応力が加えられる、という問題を有する。本発明によるチェアーでは、上半身支持表面及び下半身支持表面により股関節の過伸展角度を作ることが実現される。この目的のため、例えば、上半身支持表面及び下半身支持表面が、過伸展の方向において角度を180°未満に制限することができる。言い換えると、これは、下半身支持表面が、チェアーの上に載置される人間の方を向いて過剰伸展角度で、上半身支持表面の直線の延在方向に対して傾斜している、と説明され得る。過剰伸展角度が段階的に又は無段階で調整可能である。これが好適は少なくとも数度である。過剰伸展角度が少なくとも3°であってよく、また特には少なくとも5°であってよく、好適には少なくとも7°又は少なくとも10°であってよい。また、この角度は最大90°以上で調整可能であり、その結果、股関節の可動性が増大することで、伸展が達成され得る。特に女性の場合、経時的にこの角度に到達することが起こりにくいというわけではない。対して、股関節の屈曲を可能にするためにチェアーが調整可能であることが有利である。その理由は、少なくとも初期において、人間が過伸展に到達しない可能性があるからである。したがって、実際に想定又は設定される過伸展角度が、通常の関節柔軟性、トレーニング条件、及び/又はトレーニング目標などの、個別の事情に合うように適合され得る。
【0025】
このチェアーの上に腰掛けている人間が股関節のところでわずかに後方に角度をつけられる大腿部を有し、その結果、前大腿部及び臀部の筋肉の縮みが軽減される。したがって、本発明によるチェアーの恒常的な使用により、従来のチェアーに腰掛けることによって生じる機能障害を軽減する。この人間の姿勢が改善される。したがって、このチェアーを恒常的に使用することが、この人間の健康に寄与する。
【0026】
好適には、チェアーが、チェアーの上で腹臥位ポジション又は跨る形のポジションにある人間において過伸展姿勢を達成するように、設計される。
【0027】
別法として、チェアーが、好適にはチェアーに対して背中がもたれ掛かっている状態で、チェアーの上に腰掛けている人間において過伸展姿勢を作るように、設計される。
【0028】
別法として、チェアーが、チェアーの上で立っている、具体的には前のめりになっている人間において過伸展姿勢を達成するように、設計される。
【0029】
別法として、チェアーが、チェアーの上で膝立ち姿勢である人間において過伸展姿勢を達成するように、設計される。
【0030】
チェアーが、上で言及した姿勢のうちの複数の姿勢又はすべての姿勢を可能にするように、また具体的には姿勢を変化させることを目的として上で言及した姿勢のうちの複数の姿勢又はすべての姿勢を変換可能にするように、設計され得る。
【0031】
好適には、チェアーが、上半身のフロント・サイドに合うように特に適合される上半身支持表面を、少なくとも30°、また特には少なくとも40°、また好適には少なくとも45°で、水平方向を基準として傾斜させるように、設計される。これにより、人間が特には腹臥位ポジション又はフォワード・ポジションにおいてチェアーに腰掛けるか又はチェアーの上で横たわること、及びさらには事務作業などの特定の活動を実施することが可能となる。上半身支持表面がより急勾配となると、姿勢がよりスタンディング姿勢/リーニング姿勢へと移行し、通常の活動を通常の形で実施することがより容易になる。したがって、水平方向を基準として、少なくとも60°で、また特には少なくとも70°で上半身支持表面が傾斜することが適切となり得る。上半身がある程度後方に傾斜することも考えられ得る。いずれの場合も、また特には上半身が上半身支持セクションに対して前のめりになっている姿勢では、腕が任意の通常の作業のために自由となる。上半身支持セクションが、そこを通して腕を前方に延在させるのを可能にする対応する切り抜き部分を有するなどして、この目的のために適切に成形され得る。実際的な実施例では、上半身セクションが胸部支持体及び腹部支持体を有することができ、胸部支持体が例えば90°に接近することができる又はさらには90°を越えることができ、腹部支持体が60°~70°の間であってよいか又はそれ以上であってもよい。
【0032】
上半身支持表面がより急勾配になると、チェアーの上にいる人間を滑り落とすことのないように支持表面上で保持するための支持要素の必要性が増す。このような支持要素が多様な位置に設けられ得る。例えば、この支持要素が、脚部を下方から支持するためのフットプレート、曲がっている膝を下方から支持するための膝支持体、斜め下から/後方から臀部又は尻部を支持するための臀部支持体、並びに/或いは股のところで人間を支持するためのサドル、であってよい。フットプレートがさらに足首の屈曲及び/又は伸展に関して調整可能であってよく、その結果、さらにふくらはぎのストレッチが達成され得る。
【0033】
臀部支持体がさらに、チェアーの上に腰掛けている人間が自分の臀部をチェアーに固定することになるのを保証し、その結果、股関節の目標の過伸展が安全に維持される。具体的には、臀部支持体が、臀部を上半身支持表面の方向に押圧するように設計され得る。
【0034】
本発明によるチェアーは、デバイスを一般的なデバイス又は特別な使用のデバイスと呼ぶか又はそう呼ぶことが可能であるか、或いはデバイスを他のデバイス(座部、スツール、ニーリング・ベンチ、アームチェアー、カウチ、支持体、フレームなど)と呼ぶか又はそう呼ぶことか可能であるかにかからわらず、座っている、横たわっている、膝立ちしている、スクワット又は半立位の、わずかに前のめりになっている、或いは他のポジションで、人体を座らせるか又は人体を支持するための任意のデバイスである。本発明では、腹臥位ポジションは、上半身のフロント・サイドをチェアーの支持表面の方に向けるポジションである。本発明では、上半身セクションが、身体の前側又は後側において上半身を完全に又は部分的に座らせるか又は載置するように設計される支持表面を有するセクションであり、下半身セクションが、本発明の文脈では、身体の下半身のフロント・サイドを、また具体的には上大腿部のフロント・サイドを、完全に又は部分的に受けるか又はそれらに接触するように設計される支持表面を有するセクションである。本文脈では、それぞれの接触表面が平坦であるか又は湾曲していてよいか、標準的な体輪郭に従うように成形されていてよいか、或いは多様な体輪郭に合うように適合可能となるように設計され得る。本発明では、股関節の過剰伸展ポジションが、直立スタンスに対応する位置を越えて股関節を後方に歪めるような位置であると理解される。
【0035】
本発明の別の態様が、1つ又は複数の圧力ユニットを有する、チェアーに取り付けられるように設計されるか又はこのようなチェアーに接続されている、人体に力を加えるための押圧デバイスに関連し、1つ又は複数の圧力ユニットの各々が少なくとも1つの圧力ヘッドを有し、圧力ヘッドが、所定の圧力ロケーションにおいて、チェアーの上に座らせられている人間の身体に局部圧力又は点圧力を加えるように設計される。このような押圧デバイスを用いることにより、osteopressure、指圧、又はマッサージの趣旨における手動で力を加えることの適用性が拡張され得るか又は改善され得、自己治療で力を加えることが可能となり得る。このような押圧デバイスを、特定の筋肉又は筋肉グループをストレッチする上述のチェアーに接続することにより、このようなチェアーによって行われるストレッチの効率に関して特に有利な効果が達成され得る。チェアーに取り付けられるか又は接続されることにより、チェアーの上に位置する人間の身体を基準とした圧力要素の位置関係が予め定められ、力を加えることが単純且つ安全なものとなる。チェアーの上に位置する人間が他の活動を実施することを継続することができる。特に有利には、圧量要素の位置が調整可能となり得る。制御システムが力を加えることをさらに改善及び単純化することができ、力を加えることをより安全でより信頼性の高いものとすることができる。
【0036】
本発明の別の態様が、チェアーに取り付けられるか或いはチェアーに固定的に又は着脱自在に接続される押圧デバイスを有する、具体的には上述したような、チェアーに関連する。
【0037】
添付図面を参照して、本発明の選択される実施例を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の実施例によるチェアー(基本形態)を示す側面図である。
図2】スタンディング・ベースを有さない図1のチェアーを示す図1の線「II-II」に沿う上面図である。
図3】実際的な用途の図1のチェアーを示す図である。
図4】別の実際的な用途の図1のチェアーを示す図である。
図5】別の実際的な用途の図1のチェアーを示す図である。
図6】別の実際的な用途の図1のチェアーを示す図である。
図7】別の実際的な用途の図1のチェアーを示す図である。
図8】別の実際的な用途の図1のチェアーを示す図である。
図9】実際的な用途の、別の位置にある図1のチェアーを示す図である。
図10】実際的な用途の、別の位置にある図1のチェアーを示す図である。
図11】実際的な用途の、別の位置にある図1のチェアーを示す図である。
図12】実際的な用途の、別の位置にある図1のチェアーを示す図である。
図13図2の図による下半身セクションの非調整可能要素を備える、本発明の別の実施例の実例によるチェアー(変形形態1)を示す図である。
図14図2の図による本発明の別の実施例の実例による部分的に引っ込められた圧力要素を備えるチェアーを示す図である。
図15図14のチェアーのカフを示す断面図である。
図16】チェアーに取り付けられるためのヘッド・モジュールを示す側面図である。
図17図16のヘッド・モジュールを示す正面図である。
図18図1のチェアーの修正さえたフット・レストを示す図である。
図19】本発明の別の実施例による第1の位置にあるチェアー(変形形態2)を示す側面図である。
図20】第2の位置にある図19のチェアーを示す図である。
図21】連続する腹部支持体を備える本発明の別の実施例による図19のチェアーを示す背面図である。
図22】くびれを有する腹部支持体を備える本発明の別の実施例による図19のチェアーを示す図である。
図23】通常の座位ポジションにある実際的な用途の図19のチェアーを示す図である。
図24】別の実際的な用途の図19のチェアーを示す図である。
図25】回転した、及び広がった位置にある、本発明の別の実施例によるチェアーを示す正面図である。
図26】回転した、広がった、及び捻転した位置にある、本発明の別の実施例によるチェアーを示す正面図である。
図27】ニー・ベンチの形態の本発明の別の実施例によるチェアー(変形形態3)を示す側面図である。
図28】折り返され得る大腿部支持体/座部表面を備える、本発明の別の実施例によるチェアー(変形形態4)を示す側面図である。
図29】別の位置にあるか又は実際的な用途の、図1のチェアーを示す図である。
図30】サドル・スツールの形態の本発明の別の実施例によるチェアー(変形形態5)を示す側面図である。
図31】本発明の別の実施例による、左右に揺れるバックレスト(swing-through backrest)及び下方に折り畳まれ得る座部表面/大腿部支持体を備える第1の位置にあるチェアー(変形形態6)を示す側面図である。
図32】第2の位置にある図31のチェアー(変形形態6)を示す図である。
図33】第3の位置にある図31のチェアー(変形形態6)を示す図である。
図34A】本発明の別の実施例によるチェアーのための腕支持体を示す図である。
図34B】本発明の別の実施例によるチェアーのための腕支持体を示す図である。
図34C】本発明の別の実施例によるチェアーのための腕支持体を示す図である。
図34D】本発明の別の実施例によるチェアーのための腕支持体を示す図である。
図34E】本発明の別の実施例によるチェアーのための腕支持体を示す図である。
図35】本発明の別の実施例による、アンダーフレームの一変形形態を備える図1によるチェアーを示す図である。
図36】本発明の別の実施例による、一変形形態のアンダーフレーム、折り畳まれたレッグ・レスト、及びヘッド・レストを備える図1によるチェアーを示す図である。
図37】本発明の別の実施例によるチェアーのための、安定性を向上させるための折り畳み機構を示す図である。
図38】本発明の別の実施例の実例による、後退可能である、長さ及び圧力強度の調整のために機能する、ばね機構を備える圧力要素の実例を示す側面図である。
図39】スタンドである変形形態としての、本発明の別の実施例によるチェアーを示す側面図である。
図40】テーブルにねじ留めされる変形形態としての、本発明の別の実施例によるチェアーを示す側面図である。
図41A】腕を自由に動かすのを可能にしながら、肩部を後方に押圧する種々の形態の本発明の別の実施例によるチェアーのためのショルダー・モジュールを示す図である。
図41B】腕を自由に動かすのを可能にしながら、肩部を後方に押圧する種々の形態の本発明の別の実施例によるチェアーのためのショルダー・モジュールを示す図である。
図41C】腕を自由に動かすのを可能にしながら、肩部を後方に押圧する種々の形態の本発明の別の実施例によるチェアーのためのショルダー・モジュールを示す図である。
図41D】腕を自由に動かすのを可能にしながら、肩部を後方に押圧する種々の形態の本発明の別の実施例によるチェアーのためのショルダー・モジュールを示す図である。
図42A】本発明の別の実施例によるチェアーのための背中支持体を示す側面図である。
図42B】本発明の別の実施例によるチェアーのための背中支持体を示す正面図上面図である。
図42C】本発明の別の実施例によるチェアーのための背中支持体を示す上面図である。
図43A】通常のチェアー/オフィス・チェアーに対してのアタッチメントの変形形態としての、本発明の別の実施例によるチェアーを示す正面図である。
図43B】通常のチェアー/オフィス・チェアーに対してのアタッチメントの変形形態としての、本発明の別の実施例によるチェアーを示す側面図である。
図44】傾斜安全デバイスを備えるチェアー・アタッチメントの変形形態としての、本発明の別の実施例によるチェアーを示す図である。
図45】より詳細に示される圧力要素を備える図14のチェアーを示す図である。
図46】圧力要素を備える胸椎支持体を示す図である。
図47A】ステップ・スツールとしての本発明の別の実施例によるチェアーを示す側面図である。
図47B】ステップ・スツールとしての本発明の別の実施例によるチェアーを示す正面図である。
図47C】分割式のサドル表面を備える図47Bによるチェアーを示す図である。
図48A】印を付される圧力点を備える人体を示す正面図(前側図)である。
図48B】印を付される圧力点を備える人体を示す背面図(背側図)である。
図48C】前骨盤のところの左側の上前腸骨棘のところの圧力点を示す図である。
図48D】胸骨及び剣状突起のところの圧力点を示す図である。
図49】チェアーの別の実施例を示す多様な斜視図である。
図50】チェアーの別の実施例を示す多様な斜視図である。
図51】チェアーの別の実施例を示す多様な斜視図である。
図52】チェアーの別の実施例を示す多様な斜視図である。
図53図49から52に示される実施例の横棒を備える追加部分を示す多様な図である。
図54図49から52に示される実施例の横棒を備える追加部分を示す多様な図である。
図55図49から52に示される実施例の横棒を備える追加部分を示す多様な図である。
図56図49から52に示される実施例の横棒を備える追加部分を示す多様な図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
すべての図的表示が概略的なものであることを理解されたい。方向及び位置の指示は通常の解剖学的名称に従って使用され、特に明記しない限り、腹臥位ポジションにある、チェアーの上に載せられている身体を参照するものである。長手方向は、基本的に、本発明によるチェアーの上に腹臥位ポジションで載せられている身体のストレッチ状態の脊椎に沿って延びるつまり第一頸椎と仙骨との間を延びる方向として理解される。しかし、長手方向は、図面平面内を図1の線II-IIに概して沿って延びている方向のための局所的な方向の表示として理解され得る。横方向は、本発明によるチェアーの上で腹臥位ポジションにある身体の両方の股関節又は両方の肩関節を通って延びており、図1の図面平面に対して垂直である方向であると理解される。矢状方向は長手方向及び横方向に対して垂直である方向として理解され、つまり、図1の図面平面の線II-IIに対して垂直であるか又は図2の図面平面に対して垂直である方向として理解される。矢状面は、図1の図面平面に平行に、或いは図1の図面平面内で、長手-矢状方向に延びている平面として理解される。正中面は、身体の正確に中心を延びている矢状面である。前頭面は、長手-横方向に延びており、図2の図面平面に平行であるか又は図2の図面平面内にある平面である。
【0040】
本発明の実施例によるチェアーが、上半身セクション1及び下半身セクション2、さらにはスタンディング・ベース4(図1及び2)を有する。上半身セクション1及び下半身セクション2が、一方で人間の少なくとも胴体部の前側領域において上半身に合うように、及び他方で人間の少なくとも大腿部の前側領域において下半身に合うように、少なくとも部分的に適合されるそれぞれの支持表面を形成するように構成される。上半身セクション1及び下半身セクション2が中央連結部3を介して互いに接続される。上半身セクション1及び下半身セクション2から構成される構造がベース枢動連結部5を介してスタンディング・ベース4にヒンジ式に取り付けられる。
【0041】
上半身セクション1が胸部支持体6及び腹部支持体7を有し、胸部支持体6及び腹部支持体7が中間連結部8を介して互いに接続され、中間連結部8が以下では区別するために上側中間連結部8と称される。胸部支持体6が胸骨ストラット又は胸骨ベアリング31及び2つの側方翼部32を有する。胸骨ブレース6が単一部片又は2つの部片であってよいか、或いは複数の接続されるコンプレッション・パッドを備えるか又は有してもよい。胸骨支持体/ストラット31が、チェアーの上で腹臥位ポジションで支持される人間の胸骨に当接されるか又は肋骨をブリッジするように構成され、女性の大きい胸筋又は乳房の内側領域に不快な圧力が加えられるのを回避するために及びボタン又はブラ・ストラップなどの装身具からの圧力点が形成されるのを回避するために軸方向において比較的細くなっているか又は窪んでいる。側方翼部32が胸骨支持体31の上側部分から上方にわずかな角度で延在し、それにより鎖骨の下方から人間の上側胸部に対しての可能な限り幅広な側方支持体を提供する。さらに、側方翼部32が女性の乳房を避けるように構成され、つまり乳房の上方に配置され得るように構成され、及び概して人間のcorner肩関節の前方で幅方向において終端するように構成され、その結果、肩の可動性が損なわれないままとなる。腹部支持体7がリブ・カップ33及び腹部領域34を有する。
【0042】
リブ・シェル33が、人間の下側胸郭をシェルのように下から支えるように設計及び構成される。リブ・シェルが脚部をその下に配置するのを下方にするように細くなっているが、さらにアーム・レストを取り付けるために補強され得る。腹部領域34がリブ・シェル33の下側端部から下方に延在し、人間の腹部に接触して載置されるように構成及び形成される。腹部領域34がリブ・シェル33より細くなっており、その結果、脚部をさらに身体の前方に動かすことが可能となる(図3、4、12を参照されたい)。すべての部分が多部片であってよい。
【0043】
ロッカー9が上側中間連結部8を中央連結部3に接続する(図1、2)。この実施例では、ロッカー9はそれ自体実質的に剛体であるが、ある程度の弾性を有することができるか又はそれ自体のばね機構を有することができる。この一定の弾性が、人間を支持するために十分な当接性を上半身セクション1に提供するのに十分な剛性を有することを意図される。したがって、身長及び体重に応じて、多様な弾性が適切となり得る。
【0044】
任意選択で、ロッカー9が、多様な上半身の長さに適合するようにテレスコピック式となるように設計され得、腹部支持体がさらに摺動可能であってよく、ロッカーを基準として固定され得る。上側中間連結部8を介して、胸部支持体6及び腹部支持体7が正中面において(つまり、横軸を中心として)互いに少なくとも枢動可能であり、それにより胸部及び腹部の個別の輪郭に適合することが可能となるが、さらに側筋、靭帯、及び筋膜のストレッチを達成するために並びに/或いはチェアーの上で実施される活動に関して好ましいポジションをとるために傾斜可能及び回転可能であってもよい。この動かす方向を基準として、上側中間連結部8がロック可能となるように設計され、その結果、胸部支持体6と腹部支持体7との間の枢動位置に設定されると上側中間連結部8が効果的に固定され得る。上側中間連結部8は省かれてもよい。
【0045】
任意選択で、上側中間連結部8が、1つ軸、2つの軸、又は3つの軸において、ロッカー9を基準として胸部支持体6及び腹部支持体7をユニットとして枢動させるのを可能とするように、設計され得、それにより人間によって実施される活動においての上半身の可動性を向上させる。この種類の動きに関して、上側中間連結部8がさらにロック可能となるように設計され得るが、自由に動くことが可能であってもよい。過度な位置にくるのを回避するために及び事故を回避するために、可動範囲を制限することが実現され得る。任意選択で、弾性構成要素及び/又は減衰構成要素がさらに提供され得る。例えば、上側中間連結部8が、胸部支持体6及び/又は腹部支持体7並びに/或いはこれらの両方の制限される弾性的な動きを可能にするゴム/プラスチック要素又はばね要素を有することができ、ここでは、応力を加えられない場合に中央ポジションに戻る。別法として、ばね式のレバー機構がこの目的のために提供され得る。
【0046】
胸部支持体6がさらに、側方翼部32をこの動きに追従させるように、設計され得る。
【0047】
胸部支持体6及び腹部支持体7のこの特別なデザインさらには胸部支持体6及び腹部支持体7の互いを基準とした可動性により、上半身セクション1が、腹臥位ポジションでチェアーの上に横たわっている人間の上半身のフロント・サイドの輪郭に合うように可変的に適合され得、その結果、人間が快適なポジションをとることが可能となる。筋肉及び乳房が押しつぶされることがなく、肩及び腕が自由に動くことができる。
【0048】
任意選択で、一方又は両方の腕を上半身の前方に快適に配置するのを可能にするためのアーム・レストが提供され得る。しかし、このアーム・レストは可動性をさらに制限することがない。(以下でより詳細には示されない)。
【0049】
このアーム・レストが側方翼部32に取り付けられ得るか或いは側方においてリブ・シェル33のいずれかの側又は一方側に取り付けられ得る(以下でより詳細には示されない)。
【0050】
任意選択で、アーム・レストがある機構を介して畳まれ得、それによりフット・ローラー(22、後でより詳細に説明される)を形成する。この目的のため、アーム・レストが中央連結部3又は大腿部支持体に取り付けられるか又はこれらの近くにあってよい。
【0051】
中央連結部3を介して、上半身セクション1及び下半身セクション2が、少なくとも矢状面において(つまり、横軸を中心として)、互いを基準として枢動させられ得る。原則的には、下半身セクション2が全体として上半身セクション1を基準として枢動可能であることで十分である可能性がある。本実施例の実例では、下半身セクション2が2つの別個の脚部部分10を有し、したがって、中央連結部3が2つの別個の単一連結部30を有し、単一連結部30が側方においてロッカー9に取り付けられ、各々が脚部部分10に連結され、単一連結部30を介して、これらのそれぞれの連結される脚部部分10が上半身セクション1を基準として個別に枢動させられ得る。この実施例の実例では、ロッカー9が中央連結部3を越えてさらに下半身セクション2の領域まで延在し、スタンディング・ベース3に接続されるためのベース枢動連結部5を、その下側端部のところで、担持する。図面の明瞭さを向上させるために図2ではスタンディング・ベース4が切り取られている。
【0052】
上述したロッカー9に対しての中央連結部3の接続の代替形態として、中央連結部3及び/又はベース枢動連結部5を支持するための、補強され得る中央フレーム(より詳細には示されない)が提供されてもよい。
【0053】
中央連結部3の位置さらにはベース枢動連結部5の連接は、任意の考えられる形態として設計され得る。上述の形態の代替形態として、例えば図3~8、11、12の側面図で示されるように、図2の説明図を基準として中央連結部3を上方にオフセットすることも考えられる。提供される場合の、ロッカー9、中央連結部3(単一連結部30を有する)、及びベース枢動連結部4の接続の構造的デザインも、任意の考えられる形態で達成され得る。
【0054】
各単一連結部30が、上半身セクション1を基準とした脚部部分全体の枢動及び/又は回転を可能にするように構成される。単一連結部30が矢状面内での(つまり、横軸を中心とした)少なくとも1種類の枢動を可能にし、それにより人間の股関節の一定の屈曲角度又は伸展角度を実現する。任意選択で、単一連結部30がさらに、前頭面での枢動(つまり、矢状軸を中心とした)を可能にすることができ、それにより脚部部分10の開き角を予め定める。さらに、脚部部分10の外側又は内側への回転を予め定めるために、捻転(つまり、それぞれの脚部部分10の長手方向軸における回転)がさらに実現され得る。それぞれの自由度が、個別の部分的な連結部(ヒンジ、アクスル、ボールのようなもの、など)により統合され得るか、或いは順番に又は組み合わせの連結部(ボール・ジョイント)として実現され得る。したがって、中央連結部3が、任意選択で、単一連結部30(図25、26も参照)を介して、例えば、最大3つの動きの方向(回転方向)を可能にする。中央連結部3又はその単一連結部30の各々が、可能性として考えられる部分的に連結部として、ロック可能となるように、つまりそれぞれの設定されるポジションにおいて固定可能となるように、設計される。
【0055】
任意選択で、単一連結部30に加えて、中央連結部3が、追加の完全旋回連結部(図示せず)を有することができ、この完全旋回連結部が、上半身セクション1を基準としたそれぞれの枢動ポジションにおいて脚部部分10を固定した状態で、下半身セクション2をユニットとして枢動させるのを可能にする。この事例では、完全枢動連結部が、単一連結部を接続するラインの近く又はそのラインの中に配置されることが有利である。さらに、このような完全枢動連結部が、任意選択で、水平軸を中心とした枢動することに加えて別の軸を中心として回転するように設計され得、それにより例えば、下部脊椎の捻転及び/又は横方向の傾斜運動を可能にする。完全枢動連結部及び単一連結部が、少なくとも完全枢動連結部の枢動方向を基準として、共通の横方向枢動軸又は異なる横方向枢動軸を有することができる。
【0056】
下半身セクション2の脚部部分10の各々が、大腿部支持体11及び下側脚部支持体12を有する。大腿部支持体11及び下側脚部支持体12が中間連結部13を介して互いに接続され、中間連結部13が以下では下側中間連結部13と称される。後でさらに説明される変形形態では、脚部部分10が互いに接続され得、大腿部支持体11及び下側脚部支持体12が互いに接続され得、或いはすべての部分が互いに固定的に接続され得る。さらに、脚部部分10の各々が、端部連結部15により下側脚部支持体12に接続される足支持体14を有する。足支持体14がばね又は他のデバイスを用いてつま先の側部を上方に押すことができる。足支持体14が、傾斜、回転、及び枢動するように設計され得る。
【0057】
より具体的には、大腿部支持体11が大腿部棒16及び大腿部パッド17を有する。大腿部パッド17が、支持プレートに取り付けられる詰め物を有する支持プレートを備えることができ(より詳細には示されない)、大腿部棒16に固定的に取り付けられ、変形形態において摺動可能且つ固定可能となり得る。大腿部棒16が、単一連結部30のうちの連結される単一連結部30を介して、上半身セクション2のロッカー9にヒンジ式に取り付けられる。上述した処置を用いて、下半身セクションが大腿部のフロント・サイドに当接されるように適合される。これらの処置の個別の処置が排除されてもよいことに留意されたい。
【0058】
さらに、下側脚部支持体12が下側脚部棒18及び下側脚部パッド19を有する。下側脚部パッド19が支持プレートに取り付けられる詰め物を有する支持プレート(より詳細に示されない)を有することができ、下側脚部棒18に固定的に取り付けられ、変形形態において摺動可能且つ固定可能となり得る。下側脚部棒18が、下側中間連結部13を介して、連結される大腿部支持体11の大腿部棒16にヒンジ式に取り付けられる。
【0059】
この実施例では、下側中間連結部13及び端部連結部15が、横軸を中心として枢動することのみを可能にする単純な枢動連結部である。下側中間連結部13及び端部連結部15がロック可能となるように設計される。任意選択で、大腿部棒16及び/又は下側脚部棒18がテレスコピック式となるように設計される。任意選択で、中間連結部13及び/又は端部連結部15がさらに一層の自由度を可能にすることができる。
【0060】
臀部カウンター・ベアリング要素20が、弓又は他のストラット部分(より詳細には示されない)を介して中央連結部3から一定の距離のところに配置される。臀部カウンター・ベアリング要素20が、中央連結部3から所定の距離のところで、腹臥位ポジションでチェアーの上に横たわっている人間の臀部を支持するように機能し、その結果、臀部が中央連結部3から逸脱することが防止される。臀部カウンター・ベアリング要素20がシェル又はサドルの形態で人間の座部接触部分(bottom)上で形作られ得、或いは臀部カウンター・ベアリング要素20が単純なローラー若しくは単純なビームとして又はベルト又はストラップなどのより単純な形態として形成され得る。臀部カウンター・ベアリング要素20が鼻骨凹部を提供することができ、コンプレッション要素(後述を参照されたい)を有することができる。中央連結部3からの臀部カウンター・ベアリング要素20の距離が調整可能且つ固定可能である。任意選択で、臀部カウンター・ベアリング要素20の長手方向位置がやはり調整可能且つ固定可能である。別の任意選択の変形形態で、臀部カウンター・ベアリング要素20がさらに取り外し可能となるように設計され得る。さらに、別の任意選択の変形形態で、臀部カウンター・ベアリング要素20が通常の座位ポジションのためのヘッド・レストとして逆さで使用され得る(図10を参照されたい)。この事例では、臀部カウンター・ベアリング要素20が有利にはパッド入りの背面を有することができる。臀部カウンター・ベアリング要素20がさらに、任意選択で、座部表面の下から展開されるように、座部表面の側方、前方、若しくは後方から、又は腹部部分の下から、下方に揺動するように、或いは大きい側方弓を用いて頭部部分から下方に揺動するように、形成され得る。臀部カウンター・ベアリング要素20が側方で拘束され得るか(つまり、外側において脚部部分10に隣接する)、又は中央で拘束される(つまり、脚部部分10の間にある)。上半身セクション1及び下半身セクション2が、人間の股関節を過伸展させることになるような、腹臥位ポジションの人間の上半身及び下半身を支持するそれぞれの支持表面を形成する場合、臀部カウンター支持部材20が人間の股関節をこの過伸展ポジションで保持するのを保証する(図3、4、5、6、7、12を参照されたい)。このことは、特別な用途の後述の説明でより明らかとなる。
【0061】
フット・ローラー22が弓又は他のストラット部分(より詳細には示されない)を介して中央連結部3から一定の距離のところに配置され、臀部カウンター・ベアリング20の後方に位置する。フット・ローラー22が、チェアーの上で腹臥位ポジションで支持される人間の一方の脚部又は両方の脚部を屈曲させるのを可能にするように及び座部接触部分の後方で足を掛止するのを可能にするように機能し、任意選択で、ストレッチを増大させるのに対応するように調整可能である。特には両方の脚部を屈曲させる場合に、このポジションを支援するために、膝支持体24(図6)が提供され得、人間の一方の膝がこの膝支持体24の上に載置され得る。任意選択で、中央連結部3からのフット・ローラー22の距離が調整され得、固定され得る。任意選択で、フット・ローラー22の長手方向位置がやはり調整可能且つ固定可能である。フット・ローラー22がチェアーの全幅に跨って延在することができ、その結果、フット・ローラー22が任意選択で両足のために使用され得る。別法として、各々が一方の側のためのものである2つのフット・ローラー22が提供され得る。フット・ローラー22が側方で又は中央で(つまり、脚部部分10の間で)拘束され得る。フット・ローラー22は任意選択であり、排除されてもよく、及び/又は取り外し可能となるように設計され得る。変形形態で、フット・ローラー22が枢動機構により任意選択のアーム・レストから外へ枢動させられ得るか、又は折り畳み/旋回/摺動機構によりアーム・レストから作られ得る。さらに、他の任意選択の変形形態で、フット・ローラー22が通常の着座ポジションのためのヘッド・レストとして逆さで使用され得る(図10を参照されたい)。フット・ローラー22が、任意選択でさらに、座部表面の下から展開されるように、座部表面の側方、前方、若しくは後方から、又は腹部部分の下から、展開されるように、設計され得るか、或いは大きい側方弓を用いて頭部部分から下方に揺動するように設計され得る。
【0062】
背中支持体23が弓又は他のストラット部分(より詳細には示されない)を介して上半身セクション1から一定の距離のところに配置され、臀部カウンター・ベアリング要素20(図1)の上方に位置する。背中支持体23が、チェアーの上で腹臥位ポジションで支持される人間の背中に当接されるのを実現するように機能する(図8を参照されたい)。任意選択で、上半身セクション1からの背中支持体23の距離が調整可能且つ固定可能である。任意選択で、背中支持体23の長手方向位置がやはり調整可能且つ固定可能である。さらに任意選択で、背中支持体23が横軸を中心として移動可能である。横軸を中心とした角度位置が制限可能であってよく、並びに/或いは調整可能且つ固定可能であってよい。背中支持体23が側方で又は中央で(つまり、脚部部分10の間から始まって臀部カウンター・ベアリング要素20の後方に誘導される)拘束され得る。背中支持体23は任意選択であり、排除されてもよく、及び/又は取り外し可能となるように設計され得る。
【0063】
ニー・レスト24が下側脚部パッド19の上方で下側脚部棒18に取り付けられ、フット・レスト25が中央連結部3の下方で又はレッグ・レスト26(図1、2)の下方で大腿部棒16に取り付けられる。チェアーの各側に1つのニー・レスト24及び1つのフット・レスト25が提供され得る。ニー・レスト24が人間の一方の膝を載置するように機能し、折り畳み可能となるように設計される(図1、2、及び他の図では、ニー・レスト24が折り畳まれて非機能位置で示される)。フット・レスト25が人間の一方の足を支持するように機能し、一方側(図4を参照されたい)又は両側(図8を参照されたい)において基本の腹臥位ポジションを維持しながら人間が臀部の過伸展を少なくとも一時的に中断して代わりに股関節屈曲ポジション(flexed hip position)をとるのを可能にするように機能し、股関節屈曲ポジションでは、殿筋及び背中の筋肉を、また特には殿筋を、ある程度顕著にストレッチさせる。上側フット・レスト25により両側で足が支持される場合、上述の背中支持体23によって効果的に安定させられ得るスクワット・ポジションがとられる(図8を参照されたい)。膝支持体24及びフット・レスト25の各々が高さ調整可能且つ高さ固定可能となるように設計され得る。さらに、膝支持体24及びフット・レスト25は任選選択であり、やはり、排除されてもよく、及び/又は取り外し可能となるように設計され得る。
【0064】
チェアーの考えられる用途の別の変形形態がレッグ・レスト26によって達成され、レッグ・レスト26がやはり、弓又は他のストラット部分(より詳細には示されない)を介して中央連結部3のエリアにおいて上側フット・レストの上方に接続されたままである(図1、2)。レッグ・レスト26の角度位置が、傾斜、回転、及び枢動において、調整可能且つ固定可能であってよい。任意選択で、レッグ・レストがやはりテレスコピック式であってよく、つまり中央連結部3からのその距離が調整可能且つ固定可能である。レッグ・レスト26が膝が屈曲している場合に人間の脚部を持ち上げるのに使用され、一般に使用時に水平方向において調整可能である(図3、12を参照されたい)。レッグ・レスト26が、一般に、上半身セクション1にヒンジ式に取り付けられるように構成される。レッグ・レスト26は任意選択であり、排除されてもよく、及び/又は取り外し可能となるように設計され得る。
【0065】
レスト延長部分27がレッグ・レスト26を延長するために提供され、レッグ・レスト26に接続される(図1、2)。レッグ・レストがレッグ・レスト26に取り付け可能であってよいか又は連結部(より詳細には示されない)によりヒンジ式に取り付けられ得る。レッグ・レストが任意選択でテレスコピック式であってよく、並びに/或いは、高さ調整可能、枢動可能、及び/又は取り外し可能であってよい。レスト延長部分27の位置が調整可能且つ固定可能であってよい。レスト延長部分27が、膝を伸展させた状態で人間の脚部を持ち上げるように機能する(図5を参照されたい)。脚部の位置を固定するために、押さえデバイス51が提供され得、押さえデバイス51がレッグ・レスト26(図5)から離れて大腿部を動くのを防止するために膝の上方で大腿部を支持するのを実現する。レッグ・レスト26からの押さえデバイス51の距離が調整可能且つ固定可能であってよい。レスト延長部分27が任意選択であり、排除されてもよく、及び/又は取り外し可能となるように設計され得る。同様に、押さえデバイス51が任意選択であり、やはり排除されてもよく、及び/又は取り外し可能となるように設計され得る。任意選択で、フット・ローラー22が変換可能な形で押さえデバイス51として構成可能及び/又は使用可能であってよいか、或いは押さえデバイス51が変換可能な形でフット・ローラー22として構成可能及び/又は使用可能であってもよい。
【0066】
チェアーのスタンディング・ベース4が、ベース・フレーム36、スリーブ37、及びガス・シリンダ38を有する。ベース・フレーム36がフロアの上に配置されるように設計され、五角形、プレート、フレーム、又は他に適切な形状の形態であってよい。ベース・フレーム36がスリーブ37を支持し、ガス・シリンダ38がスリーブ37の中に固定的に設置される。ガス・シリンダ38が垂直方向の上方を向いており、ガス・クッションの上でピストン39を担持する。ピストン39がベース枢動連結部5のところで終端する。ピストン39がシリンダ38の中に回転可能に設置される。ピストン39及びシリンダ38がさらに、チェアーの高さを調整するのに使用され得る。ベース枢動連結部5及び中央連結部3が共通の支持体(より詳細には示されない)に取り付けられ得る。この支持体は、シート、管、或いは他のフレーム又は接続点であってよい。
【0067】
スタンディング・ベース4がさらに任意の他の考えられる形状をとることができる。これの別の実例が図35~37に示される。さらに後述で、本発明によるチェアーを、別のチェアー又はテーブル若しくは他の物体の上に設置され得るか或いは他のベースの解決策を用いてねじで留められるタイプの変形形態として設計するような実施例も説明される。示される5つの枝の代わりとしての複数の枝を有する他の変形形態、フレーム、又はプレートも提供され得る。オフィス・チェアーでは一般的であるように、スタンディング・ベース4がホイールを有することができる。このようなホイールは任意選択でロック可能であってよい。オフィス・チェアーでは一般的であるように、シリンダ38がレバー機構により解除可能且つロック可能であってよい。シリンダ38のための油圧駆動装置又は空気圧駆動装置がさらに提供され得る。さらに、モーター付き駆動装置がさらに提供され得る。こうすることで、スタンディング・ベース4が、フロア又はベース・フレーム36の上で人間が自分を支えるのを必要とすることなく、延伸及び後退するように設計され得る。別の選択肢が、ロック式の又は固定式の、スタンディング・ベース全体の段階的な又は無段階の高さ調整に関連するものであってよい。1つの単純な形態で、このような選択肢が、その長さ方向に沿って分布するラジアル方向の戻り止め孔と、戻り止め孔に選択的に係合されるロック・ピンとを有する直立管によって実装され得、シリンダ38を担持するスリーブ管がこの直立管に接触する形で支持され得る。別の選択肢として、ベース枢動連結部5が平行なリンク構成によって実装され得る。この事例では、スタンディング・ベースの高さ調整が、平行なリンク構成を介して大腿部棒16の枢動に関連付けられ得る。さらに、固定されるフレームの形態の本発明によるチェアーも考えられる。すべての事例で高さ調整が必須である必要はない。さらに、任意選択で、スタンディング・ベース4が滑らないように固定され得るか、或いはロックされ得る(腹臥位ポジションでチェアーを広げるときに手動で又は自動で)。
【0068】
上で示したように、上半身セクション1及び下半身セクション2が、人間の股関節を過伸展させることになるような、腹臥位ポジションの人間の上半身及び下半身を支持するそれぞれの支持表面を形成する。これに関して、臀部カウンター・ベアリング要素20が、この過伸展ポジションにある人間の股関節を保持することを実現することができる。この実施例では、上側胸部(つまり、胸骨及びその上方)が胸部支持体6に接触して載置され、下側胸部及び腹部が腹部支持体7に接触して載置され、大腿部が大腿部パッド17に接触して載置され、座部接触部分が臀部カウンター・ベアリング要素20に接触して載置され、臀部カウンター・ベアリング要素20が、臀部にちょうどこの過伸展ポジションのところに位置させるような距離のところで保持される(図3、4、5、6、7、12を参照されたい)。こうすることで、股関節屈筋、腱、靭帯、及び筋膜を軽くストレッチさせ、それによりこれらの組織の縮みを低減する。ストレッチの程度が中央連結部3を介して調整され得、必要である場合、ストレッチの程度に応じて徐々に又は継続的に、増大させられ得る。さらに、凸形の腹部支持体上での腹臥位ポジションが背中の筋肉をストレッチさせる。腹部の筋肉のストレッチはまた、胸部支持体を介しても達成され得、それにより背中上部が緩められる。
【0069】
この実施例によるチェアーがこのポジションの多様な変形形態を可能にする。図面に具体的には示されない基本ポジションで、両方の大腿部が大腿部パッド17の上に載置され、両方の下側脚部が下側脚部パッド19の上に載置され、両方の足が足支持体14の上に載置される。比較的直立のポジションで下側脚部を載置することが絶対に必要というわけではない。しかし、下側脚部支持体が、下側脚部が既に水平方向に対してわずかに角度をつけられている場合に下側脚部が滑るのを防止する。
【0070】
別の実際的な用途で、脚部が過伸展ポジションから解放され、レッグ・レスト26の上で身体の前側で屈曲させられる(図3)。記述される筋肉に加えて、さらに、外転筋及び内部の回旋筋が、付随の腱、靭帯、及び筋膜と共に、ストレッチさせられ得る。
【0071】
チェアーの過伸展角度がさらに増大すると、このストレッチがさらに増大することができる(図11、12)。
【0072】
別の実際的な用途で、脚部が過伸展位置から解放され、フット・レスト25の上で身体の前側で屈曲させられ得る(図4)。これがさらに、股関節伸筋肉及び膝関節伸筋、並びに付随の腱、靭帯、及び筋膜をストレッチさせることができる。
【0073】
別の実際的な用途で、脚部が過伸展ポジションから解放され、レッグ・レスト26及びレスト延長部分27の上で身体の前側へと外側にストレッチされる(図5)。これがさらに、股関節伸筋及び膝関節屈筋、並びに付随の腱、靭帯、及び筋膜をストレッチさせることができる。押さえデバイス51が脚部を伸展させた状態で維持するのを補助する。脚部がレスト延長部27を用いずにレッグ・レスト26の上に配置され得、ここでは膝が屈伸した状態であり、下側脚部が垂れている。
【0074】
別の実際的な用途で、足がフット・レスト14から離されて身体の後方でフット・ローラー22の中に掛止され得る。股関節伸筋が過伸展状態を維持し、膝関節伸筋が、その付随する腱、靭帯、及び筋膜を共に、ストレッチされ得る。
【0075】
別の実際的な用途で、両方の脚部が過伸展ポジションから解放されて下側フット・レスト24又は(好適には)上側フット・レスト25の上で身体の前側に配置され得る(図8)。一本足の場合(図4を参照されたい)と同様に、股関節伸筋及び膝関節伸筋が、付随する腱、靭帯、及び筋膜と共に、ストレッチされ得る。加えて、背中の筋肉が軽くストレッチされ得、腰椎が解放され得る。背中支持体23がこのポジションを安定させるのを補助する。
【0076】
別の実際的な用途で、両方の足がフット・レスト14から離され得、身体の後方でフット・ローラー22の中に掛止され得る(図6)。股関節伸筋が過伸展状態を維持し、膝関節伸筋が、その付随する腱、靭帯、及び筋膜と共に、ストレッチされ得る。同時に、足が解放され得、足の血液の蓄積が回避又は軽減され得る。フット・ローラー22の位置を変化させることにより、(方向矢印62)、快適な及び/又は特に効果的なポジションを見つけるのを補助することができる。図6では折り曲げられて機能的ポジションで示される下側脚部棒18に取り付けられる膝支持体24が、このポジションを安定させるのを補助することができる。
【0077】
中央連結部3及び下側中間連結部13により、チェアーが別の実際的な用途(図9、10)で着座ポジションをさらに提供することができる。この事例では、中央連結部3及び中間連結部13の両方が概して右側に角度をつけられる反対側のポジションに送られ、大腿部支持体11がベース枢動連結部5により概して水平なポジションに送られる。下側脚部支持体12が足を伸ばせる空間を得るのを可能にするために大腿部支持体11の下で後方に枢動させられ得、下側脚部支持体12がこの目的のために1つ又は複数の連結部を装備することができる。胸部支持体6及び腹部支持体7の中にある接続可能なエア・クッション(より詳細には示されない)が支持表面を人間の背中の輪郭に適合させるのを補助することができる。この示されるポジションでは、本発明によるチェアーがオフィス・チェアーのための要求条件を満たすように寸法決定及び構成され得る。オフィス・チェアーのための要求条件は多様な工業規格又は商業規格で定められている。現在、例えば、2002年バージョン及び/又は2018年バージョンの、DIN EN 1335-1、DIN EN 1335-2、及び/又はDIN EN 1335-3が権威のある規格である。チェアーが、好適には、この規格のタイプCに従って設計され得、別法としてタイプB又はタイプAに従って設計されてもよい。
【0078】
図13に示される本発明の別の実施例で、チェアーが、従来と同様に、中央連結部3によって互いに接続される上半身セクション1及び下半身セクション2を有し、後で説明される変形形態を除いて、図1、2に示されるチェアーと同様の形でさらに詳細に構成される。従来から外れることとして、下半身セクション2が単一部片であり、つまり2つの脚部セクションへと分割されず、さらには中間連結部を有さない。したがって、下半身セクション2が、2つの大腿部パッド17及び2つの下側脚部パッド19を取り付けるところである単一のフレーム131、さらには単一端部連結部15を介する両足のための単一足支持体14を有する。中央連結部3が横方向に1つの枢動方向のみを提供する。この実施例では上記の実施例より大幅により単純である構造であり、したがって製造するのに安価であり、同時に腹臥位ポジションにおいて臀部の過伸展を制御するための中央における機能を依然として有する。
【0079】
本発明の独立した態様でもある任意選択の追加が、図1による第1の実施例の実例の拡張として、図14に示される押圧デバイスによって実現される。ここでは、押圧デバイスが、チェアーに設けられる選択されるロケーションのところに設けられる圧力ユニット141を備え、圧力ユニットが特定の圧力ロケーションのところで人間の身体に圧力を加えるように設計及び構成される。それぞれの圧力ユニット141が各々別個に又はいくつかのグループ(モジュール)としてチェアーに取り付けられ得るか、或いは脱着自在に又は非脱着自在にチェアーに接続され得る。
【0080】
冒頭で説明したように、筋肉の付着点又は起始に強い圧力を長時間加えることにより筋肉の伸張性を向上させることができる。圧力ユニット141はこの目的のために提供される。圧力ユニット141が局所的な位置決め(localization)において可変的に調整可能となり得、圧力方向が調整可能となり得、圧力の強さが調整可能となり得、圧力ヘッドが交換可能となるように設計され得る。
【0081】
例えば、押付用ユニット141が以下のように設計され得る:
- 円形のベース、楕円形のベース、円錐形のベース、又は細長いベース(例えば、図38のベース382)が、身体の近くの端部のところに押付ヘッド(例えば、図38の圧力ヘッド381)を有する;
- 押付ヘッドが主として円形であるが、形状が鋭利である部分を有してもよい;
- 押付ヘッドがベースに一体に形成され得るか、ベースに固定的に接続され得るか、又はベースに交換可能に接続され得る;
- 押付ヘッドが、少なくとも表面上に、例えば、fascia roll(BlackRoll(登録商標))のような(発泡)ポリプロピレンなどの、中程度の強度(柔らかくない)の材料特性を有する材料を有することができるが、硬質プラスチック及び軟質プラスチック又はゴムを有することもできる。他の適切な材料には、発泡ポリプロピレン(ePP)、発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)、発泡ポリ乳酸(ePLA)、発泡ポリエチレン(ePE)、発泡ポリエチレンブロックアミド(ePEBA)、又は発泡ポリエチレンテレフタレート(ePET)が含まれる。これらの材料を混合することにより、硬さ及び弾性が調整され得る。
【0082】
図38が、圧力調整のための調整可能なばね機構383及び折り畳み機構386を備える押付要素140の任意選択の変形形態を示す。押付ヘッド381が押付要素140のベース382の上に変位可能に配置される。任意選択で、ノッチ又は同様のものが、ベース382から押付ヘッド381を落下させないようにするのを保証することができる。ばね機構が、押付要素140のベース382に取り付けられる当接部384を有する。ばね385が押付ヘッド381と当接部384との間で支持される。ばね385の予荷重が、任意選択で、ベース382上のねじ部387により調整可能となり得る。折り畳み機構386が連接レバー組立体を有し、押付要素140のベースを支持する。
【0083】
圧力ユニット141の局所的な位置決め及び圧力方向が、以下の示されるような、osteopressureから既知である圧力点又は痛点に従って選択され得る。圧力点又は痛点が具体的には以下のものを含むことができる:
- 臀部/骨盤/脊椎領域
・小転子(両側)のところの腰筋のアプローチ(approach)(両側)(a)
・骨盤(結合線)(両側)のところの下前腸骨棘のところの直筋の起始(b)
・仙骨のところの(c)及び腸骨稜(両側)のところの(d)広背筋の起始
・腸骨稜(両側)のところの(e)及び仙骨(両側)のところの(f)腸肋筋の起始
・仙骨のところの、並びに下部腰椎(両側)の、棘突起のところの、及び横突起のところの、胸最長筋(両側)の起始(g)
・仙骨のところの梨状筋(両側)の起始(h)
・仙骨のところの、並びに胸部及び腰部の椎体の、横突起のところの、及び棘突起のところの、多裂筋の起始(i)
・仙骨のところの大殿筋の起始(j)
・腸骨稜の下側縁部のところの中殿筋及び小殿筋の起始(各々の、複数の圧力点を有する)(k)
・腸骨稜及び上前腸骨棘(両側)のところの大腿筋膜張筋(両側)の起始(l)
・恥骨のところのadductus brevis、minimusの起始(m)
・上前腸骨棘(両側)のところの縫工筋の起始(n)
・腸骨稜(両側)のところの内腹斜筋の起始(o)
・腸骨稜(両側)のところの腹横筋の起始(p)
・腸骨稜(両側)のところの外腹斜筋の起始(q)
・腸骨稜(両側)のところの腰方形筋の起始(r)
- 胸部/首エリア
・剣状突起(胸骨の下側縁部)のところの、結合線(両側)のところの、及び第5~第7肋骨のところの、腹直筋の起始及び付着点(s)
・medial clavicle(両側)のところの(t)、及び胸骨(両側)のところの(u)、胸鎖乳突筋の起始
・肩甲骨のところの肩甲拳筋(両側)の起始(v)
・棘上筋(両側)の起始(w)
・第1肋骨及び第2の肋骨(両側)までの両方の斜角筋(両側)のアプローチ(x)
・肩峰及び鎖骨(両側)までの僧帽筋のアプローチ(y)
- 肩エリア
・胸骨及び鎖骨のところの大胸筋(両側)の起始(z)
・proc. coracoideus(両側)までの小胸筋(両側)の起始(aa)
・proc. coracoideus(両側)までの上腕二頭筋短頭(両側)の起始(bb)
・外側鎖骨(両側)及び肩峰(両側)のところの三角筋(cc)
- 膝(両側)の背面
・腓腹筋(両側)の両方の筋腹の起始(dd)
・ヒラメ筋の起始(ee)
・大腿二頭筋の起始及び付着点(ff)
- 脚部/膝(両側)の前側
・前脛骨筋(両側)の起始(gg)
・半膜様筋(両側)のアプローチ及び起始(hh)
・半腱様筋(両側)のアプローチ及び起始(ii)
・medial tibiaまでの薄筋のアプローチ(jj)
・大内転筋のアプローチ及び起始(kk)
・prox. femurのところの中間広筋の起始(ll)
・外側大腿骨のところの外側広筋の起始(mm)
・粗線のところの内側広筋の起始(nn)
【0084】
上に列記される圧力点a~z、aa~nnのロケーションが図48A~48Eに概略的に示される。図48Aが人体のフロント・サイドを示す。図48Bが人体のバック・サイドを示す。図48Cが、身体の半分の、腸骨稜を有する骨盤領域を示す。図48Dが、身体の半分の、剣状突起、結合線、及び第5~第7肋骨を有する胸骨の下側領域を示す(各々が詳細な切欠図である)。
【0085】
図45図14の本発明によるチェアーを拡大図で示しており、ここでは、身体の上の圧力点に対しての圧力要素141が、上述の列記及び図48A~48Eの図による、括弧の中に設定される対応する文字を割り当てられており、例えば、141(a)が圧力点aのための圧力要素であり、141(b)が圧力点bのための圧力要素である、などとなる。さらなる参照符号を有さずに1つの文字が図の括弧内に示される限りにおいて、圧力要素のための参照記号141が常にこの1つの文字と共に読まれなければならない。
【0086】
osteopressureの趣旨で使用されるように設計されることに加えて、圧力ユニット141は指圧又はマッサージの趣旨で使用されるために設計され得、局所的に位置決めされ得る。指圧のために設計される場合、圧力ユニットが、例えば、伝統的な漢方薬(TCM:traditional Chinese medicine)から言い伝えられるエネルギー・ポイント又は西洋医学で認識される指圧ポイントに従って、局所的に位置決めされ得、設計され得る。マッサージのために設計される場合、圧力ユニットが、所望のマッサージ方法に対応する適切な治療エリアに従って位置決め及び設計され得る。
【0087】
例えば、ネック・アンテナ142(図14図45)が胸部支持体6に取り付けられ得、首領域の周りを延在することができ、複数の圧力ユニット141を有することができる。さらに、付着点143がパッド部分のところまで窪んでいてよく(ここでは、胸部支持体6のところに示される)、パッド部分が1つ又は複数の圧力ユニット141を有し、圧力ユニット141が戻り止めの目盛り(detent scale)によって高さ変更可能となり得る。さらに、圧力ユニット141を支持する臀部弓144が提供され得る。個別の圧力ユニット141がパッド17、19、20、22、23、26、27又はフレーム部材9、16、18、24、25に直接に取り付けられ得るか又はクランプ可能であってよく、或いは、その上で、折り畳み可能、回転可能、枢動可能、又は延伸可能であってもよい。
【0088】
スリーブ145が、肢部支持体のうちの任意の1つの肢部支持体のところで、例えば17又は19である、パッドの周りに配置され得、さらにレッグ・レスト26上に配置され得、圧力ユニット141を支えることができる。スリーブ145が、例えば、大腿部パッド17又はフレーム131にクランプされ得るクランプ要素151を有することができ、さらに、大腿部の内側に圧力を加えるための圧力ユニット141のためのホルダ152と、圧量ユニット141の反対側の人間の大腿部の側を支えるためのカウンター圧力フラップ153とを有することができる(図15)。圧力ユニット141の圧力が調整可能であってよく、ここでは、具体的には、結果として、カウンター圧力フラップ153と圧力ユニット141との間の距離が変更され得るようになるか或いはカウンター圧力フラップ153又は圧力ユニット141が個別の挿入され得るようになる。これは、例えば、スリーブの幅、カウンター圧力フラップ153又はホルダ152の弾性、又はホルダ152の調整動作を変化させることにより、行われ得る。スリーブ145の固有の剛性が十分ではない場合、歪むのを防止するためのカウンター圧力フラップ153とホルダ152との間にロック・デバイスが設けられてよい。
【0089】
後方肩エリアのための胸椎/肩モジュール460が提供され得、胸椎/肩モジュール460が、例えば、背中支持体23(図1)に取り付けられ得るか又は背中支持体23に一体化され得る(図46)。圧力ユニット141に加えて、胸椎/肩モジュール460が、胸椎のエリア内で隆起しており例えばマッサージ効果を適用することができる瘤461を有する。
【0090】
図47A~47Cが、股スツール470の表面にある圧力要素141の考えられるロケーションを示す。股スツール470が、跨る形でその上に腰掛けるのを可能にする概略サドル-ルーフ形状の座部表面を有するように成形され、その結果、一方の大腿部の下側面を用いて、及び反対側においてもう一方の大腿部の上側面を用いて、股スツールの半分に腰掛けることが可能となる。この場合、上半身がサドル上の座るところの位置に対して直角となり、つまり、上半身の前面が股スツールのスツール突条に概して平行になる。これにより、上半身にカウンター・ベアリング要素がない場合でも、本発明に従って臀部が過剰伸展するようになる。
【0091】
圧力要素が小転子のところにある腰筋の付着点の上方に位置する(141(a))。スツールが剛体であってよいか又はスツール突条内で枢動可能であってよく、分割式の座部の場合、分割式の座部が互いに枢動させられ得る。
【0092】
圧力ユニット141が完全に受動的に機能することができ、人間の身体の所定のポイントにのみ圧力を加えるように構成され、ここでは、各圧力ユニット141が、人間の身体が本発明によるチェアーの一部分の形態であるカウンター・ベアリング又は別の圧力ユニット141にたどり着くときの方向において作用する。任意選択で、圧力ユニット141が、例えば、送りモーション、振動、パルス、回転、ローリング、又は屈曲を適用する形で、或いは電荷、磁場若しくは電磁場を与えるか、加熱又は冷却を施す形で、能動的となるように設計されてもよい。個別の人体寸法に対応するのに、及び/又は加えられる圧力の大きさを調整するのに、送込みモーションが有用となり得る。具体的には、指圧治療を念頭に置いて設計される場合、圧力点を目標温度まで加熱又は冷却することが利用され得る。
【0093】
任意選択で、圧力ユニット141の圧力強度が、例えば、調整可能なばね機構又はモーター付きの機構を介して、調整され得る。この目的のため、力センサがそれぞれの圧力ユニット141のところに設けられ得、力センサの出力信号が制御装置及び/又は制御ディスプレイに供給され得る。制御システム内で、個別の圧力ユニット141が、必要である場合に所定の閾値に従う形で、手動で指定される圧力値又はアルゴリズムによって決定される圧力値に従って制御され得る。さらに、任意選択で、圧量を加えるときのタイミングを制御することも可能となる。
【0094】
さらに、圧力ユニットを個別に又はモジュールと組み合わせて折り畳むか又は後退させることが可能となり、その結果、圧力ユニットがさらに圧力を加えることがなくなる。制御システムの場合、緊急停止機能が提供されてもよい。
【0095】
本発明のチェアーに対しての別の任意選択の追加がヘッド・モジュール160(図16、17)に関連する。ヘッド・モジュール160が、弓161、弓161の一方の端部のところにある前頭部パッド162、及び弓161のもう一方の端部のところにある2つの首パッド163を有する。
【0096】
2つの首パッド163が2つのサイド・バー(古い歯科患者用チェアー(dentist’s chair)から既知である)を介して弓161の下側部分に取り付けられる。首パッド163が頭の蓋骨の乳様突起(両側)のエリアに位置する。使用時、首パッド163が後方から頭蓋骨を支持してわずかの上方の圧力を加えて、それにより頸椎の後筋をわずかにストレッチさせる。前頭部パッド162がカウンター支持体として機能する。これにより、首の筋肉を有意に緩めることができる。アタッチメント164が、本発明によるチェアーの一部分に対してヘッド・モジュール160を取り付けるために提供され得る。ヘッド・モジュール160が、頭部を、前方、後方、又は側方に動かすのを可能にするためのばね・伸展機構165を有する。加えて、ばね機構が首を伸展させる。
【0097】
このヘッド・モジュール160は、前頭部パッドを支持する弓161の前方端部を用いる形で又は用いない形で、上で説明したチェアーとは無関係に使用され得る別個の発明性のある概念を表すものである。具体的には、ヘッド・モジュール160が首に加えられる過度な応力を低減するのを補助する。
【0098】
アタッチメント164がさらに、概して軸椎歯突起及び頸椎のところで頭部の回転軸を提供することを目的として、湾曲レールを有して弓160に沿って摺動することができ同時に回転することができる枢動・摺動機構166を介してチェアーの一部分を有するように形成され得る。レールが別個の支持体を有するように構成され得、ここでは、弓160がアタッチメント164と一体に形成され、レールに沿って誘導される。
【0099】
枢動・摺動機構が単一の平面を有することができるか、又は安定性を向上させる場合には複数の平面を有することができる。
【0100】
さらなる追加として、本発明によるチェアーのすべての詰め物要素又は選択される詰め物要素の中にマッサージ・デバイスが実装され得る。さらに、本発明のチェアーのすべての詰め物又は選択される詰め物が、受動的なマッサージ効果を提供するためのテクスチャ(texturing)を有することができる。
【0101】
さらなる任意選択の追加が足支持体14に関連する。上記の実施懈怠では、足支持体14が単一のプレートとして設計され、単一のプレートがふくらはぎの筋肉をストレッチさせるように調整可能である。この調整はばね機構185によってさらに強化され得る。足支持体が、様々な製造業者から市販されている圧力マット(例えば、Kybun(登録商標)マット、aeris(登録商標)muvmat、など)を受け入れることができる。補完のために、足支持体が、ヒール・ストップ又はヒール・パッド181、上方に調整可能であるつま先ストップ182、及び押さえデバイス183(図18)を有することができる。単純なデザインでは、押さえデバイス183がさらにストラップ又はバンドとして設計されてもよく、より複雑なデザインでは、任意選択でパッドを備える、可動である且つロック可能である圧力部分として設計され得る。押さえデバイス183が、つま先を持ち上げるような足のポジションを達成するのに使用され得、結果として、つま先の屈筋を、付随の腱、靭帯、及び筋膜と共に、ストレッチさせる。足支持体14が、任意選択で、調整機構186によりテレスコピック式となるように設計され得、それにより多様な足の長さに適合することが可能となる。
【0102】
図19から24では、本発明のよるチェアーの単純な変形形態(変形形態2)が示される。ここでは、任意選択の機能の大部分が省かれている。その基本的なデザインでは、チェアーが通常のオフィス・チェアーのように使用され得る(図23)。しかし、本発明によると、この変形形態が、臀部の過伸展の選択肢をさらに有することができる(図24)。
【0103】
変形形態2が、バックレスト203を越えて後方に突出する座部表面延長部分202を備える座部表面201を有するチェアーを備える。中央連結部3を介して、側方に分割されて2つの部分となる座部表面201の座部表面の半体204、205の各々が可変的に調整可能である手法で個別に下方に折り畳まれ得、固定され得、さらに任意選択で離間され得る。下側脚部のための別のベアリング要素207が座部表面201から展開され得、さらに固定及び離間され得る。追加の延長部分或いはクリップオン延長部分又は展開延長部分210が提供され得る(図24)。本発明による使用では、人間が水平ポジションのままで座部表面201又は座部表面の半体204に跨る形で腰掛け、バックレスト203が腹部支持体7として機能する。一方の大腿部がバックレスト203(腹部支持体7)の下に突出し、座部表面延長部分202がこの時点でレッグ・レスト26として機能する。もう一方の脚部が座部表面の半体204の上で大腿部の前側に載置され、座部表面の半体204がある角度で下方に下げられて大腿部支持体11として機能し、本発明の趣旨の下半身接触表面を備える下半身セクションの一部分を形成する。その結果、この脚部が臀部のところで下方に過伸展する。この事例では、下側脚部が広げられたベアリング要素207の上に載置され、ここでは、延長部分210が、任意選択で、延伸しているか、クリップで留められているか、又は展開されている。したがって、延長部分210を備えるベアリング要素207が下側脚部支持体12として機能する。腹部支持体7として機能するバックレスト203が連続していてよいか(図21)、又は脚部を前方で支持するために形成される凹部206を有する(図22)。別法として、この部分が第1のデザインの実例(図1、2)のように設計されてもよい。
【0104】
図25及び26が、種々のポジションにおいて、例えば図1の、本発明によるチェアーの、補強、回転、及び捻転のための種々の任意選択の選択肢を示す。
【0105】
図27が、臀部カウンター・ベアリング要素20を備えるニー・ベンチの形態の本発明によるチェアー(変形形態3)を示しており、臀部カウンター・ベアリング要素20がさらに本発明による臀部を過伸展させる。
【0106】
図28がチェアー(変形形態4)を示しており、ここでは、座部が一方側で下方に下げられ得る。これは、通常の座部においても、一方の脚部が臀部のところで下方に伸展させられ得、下側部分の上に載置され得る、ことを意味する。この機構は他の点では変形形態2に一致する。中央連結部3がフレーム(より詳細には示されない)上に設置され、補強を行うように及び回転するようにさらに設計され得る。
【0107】
図29が、枢動する中央連結部3及び下側中間連結部13を備える、例えば図1の、本発明によるチェアーの考えられる用途を示す。オフィス・チェアーとして使用される場合、このポジションがさらに股関節の一方側のみの過伸展を可能にすることができる。
【0108】
図30が、腹部支持体7、並びに高さ調整機能及び大腿部支持体11を備える、サドル・スツールの形態の本発明によるチェアー(変形形態5)を示しており、これが本発明に従って臀部を過伸展させるのを可能にする。
【0109】
図31~33が変形形態(変形形態6)を示しており、ここでは、バックレストが大腿部支持体となり、座部表面が腹部支持体となる。これらの1つの変形形態がさらに(図33)、1回又は複数回で展開され得る下側脚部支持体を有する。
【0110】
図34A~34Eが、折り畳み/枢動機能343を介して、アーム・レスト342(図34A)としての機能的ポジションからフット・ローラー22(さらに図1を参照されたい)としての機能へと変換され得る腕支持体341の1つの考えられる実施例を示す。
【0111】
図35は、別のフレームの選択肢を備える、本発明の別の実施例による図1による変形形態1のチェアーを示す。この機能性は図1~12に示される機能性の大部分に一致する。ベース枢動連結部が、第1のベース枢動連結部351、第2のベース枢動連結部352、及び中央連結部3に分解される。第1のベース枢動連結部351がスタンディング・ベース4のガス・シリンダ38のピストン39に取り付けられ、第1のストラット353を介して第2のベース枢動連結部352に接続され、第1のストラット353がピストン39を基準として第1のベース枢動連結部351内で第2のベース枢動連結部352まで枢動させられ得、第2のベース枢動連結部352が第2のストラット354を介して中央連結部3に接続され、第2のストラット354が第1のストラット353を基準として第2のベース枢動連結部352内で枢動させられ得る。ロッカー9が説明したように中央連結部3にヒンジ式に取り付けられる。さらに、大腿部支持体11の大腿部棒16さらに中央連結部3のところでヒンジ式に取り付けられる。さらに補助ストラット357が支持連結部356にヒンジ式に取り付けられ得るか又は固定され得、支持連結部356のところで終端する。テレスコピック式の棒355が、支持連結部356と大腿部棒16の上にある別の連結部359との間で延伸することができる。これにより、枢動連結部351、352又は中央連結部3を緩めるのを必要とすることなく、大腿部支持体11の傾斜を調整することが可能となる。補助ロッカー358が中央連結部3の上で支持され、任意選択で中央連結部3内に枢動可能に連接され得る。フット・レスト25及びレッグ・レスト26が補助ロッカー358にヒンジ式に取り付けられ得、その結果、フット・レスト25及びレッグ・レスト26が使用時に水平方向に折り畳まれ得、非使用時に垂直方向に折り畳まれ得る。すべての連結部が、説明したように、解除可能及びロック可能となり得る。このフレームの選択肢は下側脚部セクションを有さない形で図に示されているが、このセクションがもちろん存在してもよく、さらには、臀部カウンター支持要素、フット・ローラー、背中支持体、膝支持体などの、説明される他の要素(任意選択で取り外し可能であり、この図では取り外されることが想定される)が存在してもよい。
【0112】
図36が、別のフレーム選択肢、折り畳まれる下側脚部支持体12、フット・レスト25を備える折り畳まれるレッグ・レスト26、及びヘッド・レスト361を備える、図1による変形形態1のチェアーを示す。動作形態は、図1~12又は35に示される動作形態に大部分が一致する。
【0113】
図37が、オフィス・チェアーとして設計される本発明によるチェアーの上で特に有利に使用され得る任意選択の折り畳み機構371を示しており、任意選択の折り畳み機構371が本発明によるチェアーの安定性を向上させる。好適には、チェアーが、チェアーの腹臥位ポジション(図1他)を設定している場合に折り畳み機構371を自動で展開するように構成され、フロア上で広範囲に支持されるのを可能にする。使用のためには、この実例ではガス・スプリングが頂部のところに存在しなければならない。他の変形形態も考えられる。例えば、スタンディング・ベース4のストラットが伸ばされ得、任意選択で、チェアーの腹臥位ポジションを設定するときに自動で延伸させられ得る。
【0114】
図39が、スタンドの変形形態の形の、本発明の別の実施例によるチェアーを示しており、ここでは、上半身セクション1及び下半身セクション2がスタンディング・ベース4をさらに備える剛体フレームとして互いに接続され、スタンディング・ベース4がやはり堅固に接続され、剛体フレームがさらに臀部カウンター・ベアリング要素20及びフット・ローラー22を装備する。
【0115】
図40が、ねじクランプ40を用いる、ねじで留められる卓上用のバージョンを示す。
【0116】
図41Aから41Dが肩モジュール410の3つの変形形態を多様な図で示す。このモジュールは胸部支持体6の側方翼部32に取り付けられるものであり、テレスコピック式であってよく、例えば通常のオフィス業務のための可動範囲内で肩を動かすのを可能にすることを目的として、ボールの上に設置され得る。肩モジュールが畳まれるように設計され得る。
【0117】
図42Aから42Cが、圧力ユニット141を備える変形形態の図1の背中支持体23を、側面図、正面図、及び上面図で示す。圧力ユニット141が、この図では、括弧の中に対応する文字を有する、上記の列記及び図48A~48Eの説明図による身体上の関連の圧力点を有する形で示されており、例えば、141(d)が圧力点dのための圧力要素であり、141(i)が圧力点iのための圧力要素である、などとなる。さらなる参照符号を有さずに1つの文字が図の括弧内に示される限りにおいて、圧力要素のための参照記号141が常にこの1つの文字と共に読まれなければならない。背中支持体23が圧力ユニット141を用いて又は用いずに使用され得る。圧力ユニット141が背中の筋肉のアタッチメント・ポイントを押圧する。圧力ユニット141を用いて、圧力が、例えば通常1日約5分といったように、制限される時間でのみ背中に加えられ得る。1つの変形形態として、圧力ユニットを有さない背中支持体がある。
【0118】
図43A及び43Bが、アタッチメントの変形形態として、本発明によるチェアー要素430を2つの図で示す。チェアー要素430が、第1及び第3の変形形態の下半身セクション2に一致し、大腿部支持体11(204)、下側脚部支持体12(207)、及び下側中間連結部13を備える。任意選択でさらに延長部分210が下側脚部支持体12の上に設けられ得る。
【0119】
チェアー要素430が大腿部支持体上の側方に配置されるねじクランプ431を有し、ねじクランプ431を用いて、チェアー要素が従来のチェアーに固定され得、具体的には従来のチェアーのチェアー・レッグに固定され得、それにより臀部の過伸展を可能にする。このアタッチメントは他の手法でも実現され得る。
【0120】
チェアー要素430が独立発明を形成する。
【0121】
図44が、座るための家具(seating furniture)440の別の部片に取り付けられるためのチェアー・アタッチメントの変形形態としての、本発明によるチェアーの変形形態を示す。この目的のため、この変形形態のチェアーがフックイン・デバイス441を有する。このアタッチメントは他の手法でも実現され得る。安定性を向上させるために、傾斜安全デバイス442が任意選択で提供され、傾斜安全デバイス442が座部としての家具(seat furniture)の上に設置され得る。座るための家具の一部片の代わりに、この変形形態は、手すり、欄干、窓枠などの、他の物体にも取り付けられ得る。例えば、本発明は、しばしば長時間腰掛ける状態で又は長時間立っている状態で本発明を用いるような観察の状況又は監視の状況においても使用され得る。
【0122】
大腿部支持体又は着座表面がさらに横方向において分割され得、つまり、中央連結部3、ベース枢動連結部5、又は中間連結部3の軸に平行な方向において分割され得る。このように横方向において分割することは、非使用時に臀部カウンター・ベアリング要素20を収容する場合に有利である可能性がある。
【0123】
別の実施例の実例を以下で説明する。ここでは、等しい部分が同じ参照符号を付され、特に明記しない限り、上記の説明が同様に適用される(図49から56)。
【0124】
このさらなる実施例では、ベース枢動連結部5が平行なリンク機構によって実現される。このような平行なリンク機構は上記で既に説明した。
【0125】
この実施例では、大腿部支持体11(大腿部棒16)が全体として枢動させられ得、下側脚部支持体12が側方に枢動させられ得る。下側脚部支持体12は、軸方向に延伸するように、又は下側中間連結部13内で軸方向に枢動するように、設計されてもよい。下側中間連結部が前方座部表面の下に位置する。
【0126】
臀部カウンター・ベアリング20及びフット・ローラー22がアタッチメント部分490内で実現される(図53から図56)。アタッチメント部分490が左側又は右側に取り付けられ得、この目的のために、2つの枢動ベアリング510が提供され、2つの枢動ベアリング510が、大腿部棒16、中央連結部5、又は連結部3に取り付けられる。任意選択で、枢動ベアリング510のうちの1つの枢動ベアリングが枢動棒シャフト530を支持することができる。この事例では、ロック・デバイス511が枢動棒シャフト530のロック・ナット531に係合され得、枢動棒シャフト530を軸方向において固定する。ロック・デバイス511がロックねじとして設計され得、このロックねじがさらに、枢動棒491の枢動位置を固定する。これが、例えば、クランプ作用により、又はロック・ナット531を円周方向においてロックすることにより、実施され得る。別法として、ロック・デバイス511が単純なロック・ボルトとして設計され得、この事例では、枢動棒491の枢動位置が多様な手法で固定される。これは例えば、シャフト端部533のところでの又はシャフト・シート534のところでの円周方向のロック作用、及び枢動ベアリング510でのカウンター・ロック作用によるものである。
【0127】
要素491~494が臀部カウンター・ベアリング要素20を形成する。テレスコピック式の棒492が枢動棒491内に変位可能に設置され、ばね要素によりこのユニットから離れるように付勢される。回転ホイール512により、テレスコピック式の棒492がばね力に逆らってこのユニットの方に移動させられ得る。このプロセスでは、解除レバー513が、枢動棒シャフト530上のロック・リム532上にラチェット式に動くように段階的に係合され得、それにおりテレスコピック式の棒492の位置を固定する。解除レバー513を操作することにより、係合が解除され得、テレスコピック式の棒492がばね作用下でデバイスから離れるように動くことができる。その結果、臀部の過剰伸展の趣旨における臀部カウンター・ベアリング要素20の押圧作用が解除され得、人間が自由に解放され得る。
【0128】
要素491、495~497がフット・ローラー22を形成する。安全性のために、フット・ローラー22が一方側のみに提供され得る。その理由は、両側で足を掛止することにより事故が発生する可能性があるからである。このような事故は片側のみのデザインの場合に回避される。さらに、フット・ローラーのための代替のデザインが既に上で説明されており、ここでも同様に適用され得る。
【0129】
枢動レバー495が、枢動可能及び移動可能となるように、枢動棒491上に設置される。この目的のために、2つの摺動レール436及びロック・セクション540が枢動棒491上に設けられ得る。枢動レバー495を支持する摺動ベアリング437が枢動棒491上の摺動レール436に沿って摺動することができる。それにより、ロック・ボルト538がロック・セクション540のロックに選択的に関与することができ、枢動レバー495の変位位置を固定することができる。ロック・ボルト538がさらに、摺動ベアリング437内での枢動レバー495の回転軸を形成する。摺動ボルト561が枢動レバー495の枢動運動を制限するためにmimic560の中に誘導され得る。レバー自由端562がテーパ状であってよく、対応する形状のレバー端部受け部514内で受けられ得、レバー端部受け部514がさらに枢動棒491又は摺動レール536の端部に取り付けられ得る。これによりさらに、枢動レバー459の枢動位置を固定することが可能となり、これは特にはチェアーの着座構成において特に有利である可能性がある。
【0130】
任意選択で、フット・ローラー22の代わりにストラップ又はループなどが提供されてもよい。
【0131】
大腿部パッド17のためのベース500が大腿部棒16に取り付けられ、大腿部パッド支持体501及びレスト502がベース500に取り付けられる。大腿部パッド17が図49~52に明瞭に示される。
【0132】
臀部カウンター支持要素20が全体として折り重ねられ得、その結果、横棒493がレスト502上に載置され、ここではパッド494が上方を向く。臀部カウンター支持パッド494を調整するために、臀部カウンター支持パッド494が臀部パッド支持体522上に設置され得、臀部パッド支持体522が枢動ベアリング523を介して横棒493に結合される。枢動ベアリング523内の回転位置がロック・デバイス524により固定可能となり得る。大腿部パッド17(ここでは示されない)が大腿部パッド支持体501の長さに沿ってのみ延在する。したがって、臀部カウンター支持パッド494及び大腿部パッド17が一体に着座表面を形成することができる。レスト499が大腿部パッド支持体498から高さ方向においてオフセットされ得、その結果、大腿部パッド17及び横棒493が平面を形成する。これが上述した横方向における分割に相当する。さらに、これにより、チェアーを着座構成へと容易に変換することが可能となる(例えば、図9、10、19、20、35、36を参照されたい)。示されるスタンディング構成では、より短い大腿部パッド17が有利である。その理由は、大腿部キャップ17が膝小僧の上方で終端することになり、膝小僧に干渉しないからである。
【0133】
胸部支持体6と腹部支持体7との間にある上側中間連結部8が、横軸及びロッカー9の長手方向軸を中心とした少なくとも2つの自由度を有するように提供され得る。腹部支持体7がロッカー9上で変位可能となり得る。レッグ・レスト26がロッカー9上で変位可能となり得、この目的のために、ロッカー9が、上半身セクション1及び下半身セクション2を接続する中央連結部3を越えて下方に延在することができる。
【0134】
この実施例では、下側脚部パッド19が各脚部において上側部分及び下側部分へと分割される。上側部分が下側脚部棒18を基準として枢動させられ得、下側部分が変位させられ得る。下側脚部部分18が全長にわたってテレスコピック式であってよいか、又は下側中間連結部13内で大腿部棒16を基準として変位可能であってよい。端部連結部15が下側脚部スパー18の上で摺動可能である弓と、弓上の遠位側に配置される枢動連結部とを有することができる。
【0135】
原則的には、上述のすべての連結部がロックされ得る。このロックは、対応する摩擦面を互いに対して押圧することにより、摩擦的に実現され得る。ロックは、例えば対応する構造的表面を互いに対して押圧するといったような、能動的なロックによっても達成され得る。これらの表面は、例えば、互いに係合される対応する鋸歯又は窪みなどの、隆起部及び凹部を有することができ、別法として、ロック要素が、能動的なロックのために、連結部の両側に形成される凹部に係合され得る。これの単純な実例として、貫通孔を有するソケット、及びソケットを通過して延びている有孔リング・セグメント又はディスク・セグメントがあり、ここでは、連結部の枢動位置に応じて、貫通孔がリング・セグメント又はディスク・セグメント内の孔のうちの1つの孔に位置合わせされ、その結果、ピンがこれらの孔を通過させられ得るようになる。多種多様な形態のこのようなロック連結部が、例えば、オフィス・チェアー、トレーニング設備、又は治療用チェアー/治療用カウチ・ベッドの分野の、当業者には知られている。
【0136】
本発明は添付の特許請求の範囲のみによって限定され、これらの実施例で説明される他の細部によっては限定されない。一実施例で説明される細部は、本明細書で詳細には説明されていない場合でも、他の実施例でも使用され得る。同様に、独立請求項で定義される特徴を達成するために絶対に必要であるというわけではない限り、細部が省かれてもよい。例えば、上半身セクション1及び下半身セクション2が互いに定位置に配置され、これらのベアリング表面により、チェアーの上で腹臥位ポジションで横たわっている人間の股関節に対して所望の形で過伸展させるような場合のみ、中央連結部3が省かれてよい。同様に、中間連結部8、13、端部連結部15、及びベース枢動連結部5などの他の連結部が剛体接続部に交換されてもよい。説明される調整のためのすべての選択肢が任意選択である。
【0137】
本発明によるチェアーを使用する場合、特には股関節を過剰伸展している状態の、ストレッチ姿勢が健全な範囲内に収めること、つまりそれぞれの関節の通常の可動範囲内に収めること、が保証されることが有利である。股関節の過剰伸展のこの健全な範囲は、もちろん、個人のトレーニング状態によって決定される。専門家の分野で使用されるニュートラル・ゼロ法は、通常、通常の可動範囲において15°の最大過剰伸展を定めるが、体操選手又は曲芸師で見られるように、適切に訓練された個人ではより大きい値が達成され得る。
【0138】
本発明によるチェアーは完全に新規な概念であり、腹臥位ポジションで人間の身体を座らせることができ、付随の腱、靭帯、及び筋膜と共に、股関節屈筋の縮みを軽減することができ、さらなるストレッチを行うために及び/又はポジションを解除するために別のポジションをとるのを可能にすることができる。チェアーが、生活エリア、及び、オフィス、作業場、監視エリア、車両、組立体、ラボラトリなどの、多様な仕事環境のための仕事エリアの両方で、使用され得るか、或いは、一般人、及び治療を行う医者又は治療専門家の両方のための、さらには患者のための、医療作業、理学療法的作業、又は外科作業のために、使用され得る。チェアーは、立っている、通常通り座っている、前屈みになっている、スクワットの、膝立ちしている、及び横たわっている姿勢に、調整され得る。
【0139】
対応するモジュール、ホルダなどを備える、本発明による圧力ユニット141を組み込むことにより、ストレッチ効果の有意な向上及び効果的なリラクゼーションが達成され得、追加の治療効果も得られる。
【0140】
上述の実施例に含まれる特徴は、大部分が、任意選択であり、交換可能である。本発明のそれぞれの適用可能な独立請求項によって定義される。サブクレームで定義される有利な別の発展形態及び実施例が別の独立発明を構築することができる。上述の各々の特徴が、単独で、又は他の特徴との組み合わせで、具体的に説明される形、並びに具体的には説明されない組み合わせ及び下位の組み合わせの形、の両方で、独立発明を構築することができる。
【0141】
例えば、圧力ユニット141のすべての圧力ユニット又は選択される圧力ユニットが、図に示されて上で説明された本発明によるチェアーの実施例、変化形態、及び変形形態のすべてに設けられてもよく又はこれらのすべてには設けられなくてもよい。
【0142】
連結部が、1つの実施例、変化形態、又は変形形態で説明されるものであっても、この連結部が必要に応じて省かれてもよく、また、別の実施例、変化形態、又は変形形態で説明される別の形態をとることもできる。
【0143】
すべての実施例、変化形態、又は変形形態において、実施例、変化形態、又は変形形態のすべての特徴は、具体的に説明されない場合でも、その適用が具体的に省かれたり修正されたり又は明確に不可能であったりしない限り、それらの基づく実施例、変化形態、又は変形形態から適用されなければならない。
【0144】
また、実施例、変化形態、又は変形形態で説明される、任意の追加又は拡張、選択肢、又は代替物は、技術的で妥当であるか又は技術的に可能である範囲から逸脱しない限り、同じ又は別の実施例、変化形態、又は変形形態において、個別に、或いは任意の組み合わせ又は下位の組み合わせで、適用され得、このようにして得られた対象が独立発明をさらに形成することができる。
【0145】
【表1-1】

【表1-2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図34C
図34D
図34E
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41A
図41B
図41C
図41D
図42A
図42B
図42C
図43A
図43B
図44
図45
図46
図47A
図47B
図47C
図48A
図48B
図48C
図48D
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
【国際調査報告】