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  • 特表-免疫調節剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】免疫調節剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/14 20060101AFI20220309BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20220309BHJP
   C07D 491/08 20060101ALI20220309BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20220309BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220309BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/4355 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20220309BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220309BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
C07D403/14
C07D417/14 CSP
C07D491/08
C07D491/048
C07D491/107
A61K31/5377
A61K31/496
C07D498/04 111
A61K31/5386
A61K31/4355
A61K31/427
A61K39/39
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P37/06
A61P31/00
A61P35/00
A61P37/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544657
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2020073405
(87)【国際公開番号】W WO2020156363
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】201910083149.3
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910819220.X
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520405134
【氏名又は名称】ヒットジェン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100157923
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴喰 寿孝
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ドンユー
(72)【発明者】
【氏名】パン,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】マー,ロング
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ウェンジ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヤンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シー
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ウェイピン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ヤンピング
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C072
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA03
4C050AA04
4C050BB02
4C050BB04
4C050BB07
4C050CC15
4C050CC16
4C050CC18
4C050EE01
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH03
4C050HH04
4C063AA05
4C063BB09
4C063CC26
4C063CC62
4C063DD22
4C063DD26
4C063EE01
4C072AA03
4C072BB02
4C072CC01
4C072CC11
4C072DD10
4C072EE07
4C072FF16
4C072GG01
4C072HH07
4C072JJ03
4C072UU01
4C085AA38
4C085EE06
4C085FF17
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC73
4C086BC82
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB08
4C086ZB09
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB32
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、免疫調節剤を開示し、具体的には、式(I)に示される化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩を開示した。本発明により提供される化合物は、STINGと効果的に結合することができ、良好なSTINGタンバク質アゴニスト作用を有し、様々な腫瘍に対して良好な阻害効果を示す。したがって、本発明に係る化合物は、STINGアゴニストとして様々な関連疾患を治療するために用いることができる。本発明に係る化合物は、STING活性に関連する疾患を治療する医薬品(特に、炎症性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染性疾患、癌又は前癌症候群を治療する医薬品)の製造、及び免疫アジュバントの製造において非常に良い応用の見通しがあり、STINGの活性に関連する疾患のための医薬品の臨床的スクリーニング及び/又は製造において新しい選択肢を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)に示される化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩である。
【化1】
(ただし、Lは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基から選ばれ、
、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキルアミノ基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びR2’は、それぞれ独立して、水素、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(O)R、-C(O)OR、ハロゲン、C~Cアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキルアミノ基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びR4’は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
X、及びX’は、それぞれ独立して、-CH-、-NH-、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~4個のRで任意選択的に置換された5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
かつ、X、及びX’が-CH-、-NH-、-O-から選ばれた場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも1つは、0~4個のRで任意選択的に置換された硫黄含有5~6員の芳香族複素環又は酸素含有5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びRは、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OR、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、-NR、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合シクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる。)
【請求項2】
前記化合物は下記の式(I)に示される構造を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【化2】
(ただし、Lは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基から選ばれ、
、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル基から選ばれ、
、及びR2’は、それぞれ独立して、水素、-C(O)NRから選ばれ、
、及びR4’は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
X、及びX’は、それぞれ独立して、-CH-、-NH-、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~4個のRで任意選択的に置換された5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
かつ、X、及びX’が-CH-、-NH-、-O-から選ばれた場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~4個のRで任意選択的に置換された硫黄含有5~6員の芳香族複素環又は酸素含有5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びRは、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OR、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、-NR、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる。)
【請求項3】
、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して水素であり、
、及びR2’は、それぞれ独立して、-C(O)NRから選ばれ、
、及びR4’は、それぞれ独立して、水素であり、
X、及びX’は、それぞれ独立して、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~3個のRで任意選択的に置換された5員の芳香族複素環から選ばれ、
かつ、X、及びX’が-O-である場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~3個のRで任意選択的に置換された硫黄含有5員の芳香族複素環から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、0~1個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
X、及びX’のうちの少なくとも一つは、-S-であり、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された
【化3】
から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、
【化4】
から選ばれ、
c’は、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
e’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれ、
は、水素、C~Cアルキル基から選ばれる、ことを特徴とする請求項3に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
X、及びX’は、-O-であり、
A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~2個のRで任意選択的に置換された
【化5】
から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、
【化6】
から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
e’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれ、
は、水素、C1~C6アルキル基から選ばれる、ことを特徴とする請求項3に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記化合物は式(II)で示される構造を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【化7】
(ただし、X、及びX’は、それぞれ独立して、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された
【化8】
から選ばれ、かつ、X、及びX’のいずれかも-O-である場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~2個のRで任意選択的に置換された
【化9】
から選ばれ、
c’は、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、前記ハロゲンはFであることが好ましく、
、及びR5’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、
【化10】
から選ばれ、
e’は、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、-ORa’、C~Cアルキル基、3~4員のシクロアルキル基から選ばれ、
a’は、C~Cアルキル基から選ばれる。)
【請求項7】
Xは、-O-、-S-から選ばれ、
X’は、-O-であり、
は、C~Cアルキル基から選ばれ、
5’は、
【化11】
から選ばれ、
e’は、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、-ORa’、C~Cアルキル基、3~4員のシクロアルキル基から選ばれ、
a’は、C~Cアルキル基から選ばれる、ことを特徴とする請求項6に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記0~2個のRで任意選択的に置換された
【化12】
であり、
前記0~2個のRで任意選択的に置換された
【化13】
である、ことを特徴とする請求項6に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
前記化合物は、
【化14-1】
【化14-2】
【化14-3】
【化14-4】
【化14-5】
【化14-6】
【化14-7】
【化14-8】




である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記化合物において、R、及びR5’は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OH、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記化合物は、下記の式(III)で示される、ことを特徴とする請求項10に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【化15】
(ただし、R、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンから選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された
【化16】
から選ばれ、
c’は、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
5’は、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、-OH、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合シクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基から選ばれる。)
【請求項12】
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、
【化17】
から選ばれ、
5’は、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、-OH、
【化18】
から選ばれる、ことを特徴とする請求項11に記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記化合物は、
【化19-1】
【化19-2】
である、
ことを特徴とする請求項10~12のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
STINGを活性化する医薬品の製造における請求項1~13のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項15】
STINGの活性に関連する疾患を治療するための医薬品の製造における請求項1~13のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
前記STINGの活性に関連する疾患は、炎症、自己免疫疾患、感染性疾患、癌、前癌症候群に関連する疾患の一種又は複数種である、ことを特徴とする請求項15に記載の使用。
【請求項17】
炎症、自己免疫疾患、感染性疾患、癌又は前癌症候群を治療するための医薬品の製造における請求項1~13のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項18】
免疫アジュバントの製造における請求項1~13のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項19】
請求項1~13のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として、薬学的に許容される添加物を加えて製造された製剤である、ことを特徴とする医薬品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫調節剤に関し、具体的には、STINGを活性化する化合物および医薬品の製造における免疫調節剤としてのその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の免疫系は、一般的に「自然免疫系」と「獲得免疫系」に分けることができる。自然免疫系は、感染の抵抗、腫瘍成長の阻害及び自己免疫疾患の発病過程において重要な役割を果たし、主に、パターン認識受容体を介して病原微生物および癌細胞成分を認識し、下流のシグナル経路を開始し、最終的にサイトカインの発現を誘導することにより、病原微生物および癌細胞成分を死滅する。また、獲得免疫系は、抗体および特定のTリンパ球の産生を促進する。
【0003】
STING(インターフェロン遺伝子刺激因子、TMEM173、MITAなど)は、細胞内へのDNA侵入の応答の肝要なノード分子であり、細胞質DNAの刺激下で、細胞質DNAの受容体のシグナルを認識し、インターフェロン産生を誘導するプロセスで肝要な役割を果たす。宿主細胞のDNA認識受容体が外因性または内因性の「非自己」DNAを認識した後、シグナルをノード分子であるSTINGに伝達し、そして、STINGは急速に二量体化して小胞体から核周囲の小体に移動する。STINGの活性化は、IRF 3及びNKκB経路のアップレギュレーションを引き起こし、それより、インターフェロン-βおよび他のサイトカインの誘導がつながる。
【0004】
ヒトインターフェロンを誘導する化合物は、さまざまな疾患(アレルギー性疾患およびその他の炎症性疾患、アレルギー性鼻炎および喘息、感染性疾患、神経変性疾患、前癌症候群および癌を含む)の治療に用いることでき、免疫組成物又はワクチンのアジュバントとしても用いることできる。したがって、STINGを活性化できる新規な化合物の発見は、1型IFN経路に関連する疾患(炎症性、アレルギー性および自己免疫疾患、感染性疾患、癌、前癌症候群を含む)を治療する効果的な方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明は免疫調節剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記の式(I)に示される化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
(ただし、Lは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基から選ばれ、
、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキルアミノ基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びR2’は、それぞれ独立して、水素、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(O)R、-C(O)OR、ハロゲン、C~Cアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキルアミノ基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びR4’は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
X、及びX’は、それぞれ独立して、-CH-、-NH-、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~4個のRで任意選択的に置換された5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
かつ、X、及びX’が-CH-、-NH-、-O-から選ばれた場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも1つは、0~4個のRで任意選択的に置換された硫黄含有5~6員の芳香族複素環又は酸素含有5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びRは、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OR、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、-NR、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合シクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる。)
【0007】
さらに、前記化合物は下記の式(I)に示される構造を有する。
【化2】
(ただし、Lは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基から選ばれ、
、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル基から選ばれ、
、及びR2’は、それぞれ独立して、水素、-C(O)NRから選ばれ、
、及びR4’は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
X、及びX’は、それぞれ独立して、-CH-、-NH-、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~4個のRで任意選択的に置換された5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
かつ、X、及びX’が-CH-、-NH-、-O-から選ばれた場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~4個のRで任意選択的に置換された硫黄含有5~6員の芳香族複素環又は酸素含有5~6員の芳香族複素環から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
、及びRは、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OR、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、-NR、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる。)
【0008】
さらに、R、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して水素であり、
、及びR2’は、それぞれ独立して、-C(O)NRから選ばれ、
、及びR4’は、それぞれ独立して、水素であり、
X、及びX’は、それぞれ独立して、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~3個のRで任意選択的に置換された5員の芳香族複素環から選ばれ、
かつ、X、及びX’が-O-である場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~3個のRで任意選択的に置換された硫黄含有5員の芳香族複素環から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、0~1個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる。
【0009】
さらに、X、及びX’のうちの少なくとも一つは、-S-であり、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された
【化3】
から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、
【化4】
から選ばれ、
c’は、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
e’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれ、
は、水素、C~Cアルキル基から選ばれる。
【0010】
さらに、X、及びX’は、-O-であり、
A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~2個のRで任意選択的に置換された
【化5】
から選ばれ、
、及びR5’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、
【化6】
から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
e’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれ、
は、水素、C1~C6アルキル基から選ばれる。
【0011】
さらに、前記化合物は下記の式(II)で示される構造を有する。
【化7】
(ただし、X、及びX’は、それぞれ独立して、-O-、-S-から選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された
【化8】
から選ばれ、
かつ、X、及びX’のいずれかも-O-である場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~2個のRで任意選択的に置換された
【化9】
から選ばれ、
c’は、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基、から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
好ましくは、前記ハロゲンはFであり、
、及びR5’は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、
【化10】
から選ばれ、
e’は、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、-ORa’、C~Cアルキル基、3~4員のシクロアルキル基から選ばれ、
a’は、C~Cアルキル基から選ばれる。)
【0012】
さらに、Xは、-O-、-S-から選ばれ、
X’は、-O-であり、
は、C~Cアルキル基から選ばれ、
5’は、
【化11】
から選ばれ、
e’は、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、-ORa’、C~Cアルキル基、3~4員のシクロアルキル基から選ばれ、
a’は、C~Cアルキル基から選ばれる。
【0013】
さらに、前記0~2個のRで任意選択的に置換された
【化12】
であり、
前記0~2個のRで任意選択的に置換された
【化13】
である。
【0014】
さらに、前記化合物は、以下のとおりである。
【化14-1】
【化14-2】
【化14-3】
【化14-4】
【化14-5】
【化14-6】
【化14-7】
【化14-8】
【化14-9】
【0015】
さらに、前記化合物において、R、及びR5’は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OH、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロヘテロシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけシクロアルキル基、0~4個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基、-C(O)Rから選ばれ、
は、独立して、-OR、C~Cアルキル基、3~6員のシクロアルキル基から選ばれる。
【0016】
さらに、前記化合物は、下記の式(III)で示される。
【化15】
(ただし、R、R、R1’、及びR3’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンから選ばれ、
A環、及びA’環は、それぞれ独立して、0~2個のRで任意選択的に置換された
【化16】
から選ばれ、
c’は、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、ハロゲン、C~Cアルキル基、ハロゲンで置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
5’は、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、-OH、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された3~6員のヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員のスピロヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された5~10員の橋かけヘテロシクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合シクロアルキル基、0~2個のRで任意選択的に置換された7~10員の縮合ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、C~Cアルキル基から選ばれる。)
【0017】
さらに、A環、及びA’環は、それぞれ独立して、
【化17】
から選ばれ、
5’は、0~2個のRで任意選択的に置換されたC~Cアルキル基から選ばれ、
は、それぞれ独立して、-OH、
【化18】
から選ばれる。
【0018】
さらに、前記化合物は、以下の通りである。
【化19-1】
【化19-2】
【0019】
本発明の幾つかの実施形態においては、式(I)に示される化合物について、A環、及びA’環はそれぞれに独立して、0~3個のRで置換された5員の窒素含有芳香族複素環であることが好ましく、かつX、及びX’が-O-である場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは硫黄かつ窒素含有5員の芳香族複素環から選ばれる。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態においては、式(I)に示される化合物について、A環、及びA’環は、それぞれに独立して、好ましくは、0~3個のRで置換されたピロール、0~3個のRで置換されたピラゾール、0~3個のRで置換されたイミダゾール、0~3個のRで置換されたチアゾール、0~3個のRで置換されたイソチアゾール、0~3個のRで置換されたオキサゾール、0~3個のRで置換されたイソオキサゾールであり、かつX、及びX’が-O-である場合には、A環、及びA’環のうちの少なくとも一つは0~3個のRで置換されたチアゾール、0~3個のRで置換されたイソチアゾールから選ばれる。
【0021】
本発明は、さらにSTINGを活性化する医薬品の製造における上記の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0022】
本発明は、さらにSTINGの活性に関連する疾患を治療するための医薬品の製造における上記の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0023】
さらに、前記STINGの活性に関連する疾患は、炎症、自己免疫疾患、感染性疾患、癌、前癌症候群に関連する疾患の一種又は複数種である。
【0024】
本発明は、さらに炎症、自己免疫疾患、感染性疾患、癌又は前癌症候群を治療するための医薬品の製造における上記の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0025】
本発明は、さらに免疫アジュバントの製造における上記の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0026】
本発明は、さらに上記の化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として、薬学的に許容される添加物を加えて製造された製剤である医薬品を提供する。
【0027】
本発明で定義されるSTINGの活性に関連する疾患とは、STINGが該疾患の病理発生において重要な役割を果たす疾患である。
【0028】
STINGの活性に関連する疾患には、炎症、アレルギー性及び自己免疫疾患、感染性疾患、癌、前癌症候群が含まれる。
【0029】
「癌」又は「悪性腫瘍」とは無制御な異常な細胞増殖を特徴とする様々な疾患のいずれか一つであり、影響を受けた細胞が局所的にまたは血流およびリンパ系を介して他の体の場所へ拡散する能力(即ち、転移)、多くの特徴的な構造および/または分子的特徴のうちのいずれか一つである。「癌細胞」とは初期、中期、または後期段階で腫瘍発展の複数の段階を経る細胞である。癌には、肉腫、乳癌、肺癌、脳癌、骨癌、肝臓癌、腎臓癌、結腸癌や前立腺癌が含まれる。いくつかの実施形態において、式(I)で示される化合物は、結腸癌、脳癌、乳癌、線維肉腫および有棘細胞癌から選ばれた癌を治療するために用いられる。いくつかの実施形態において、癌は、黒色腫、乳癌、結腸癌、肺癌および卵巣癌から選ばれる。いくつかの実施形態において、治療される癌は、転移性癌である。
【0030】
炎症性疾患には、組織病理学的炎症を特徴とするさまざまな障害が含まれる。炎症性疾患の例としては、尋常性ざ瘡、喘息、セリアック病、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、骨盤内炎症性疾患、再灌流障害、関節リウマチ、サルコイドーシス、血管炎、ハウスダストマイトに起因する気道炎症および間質性膀胱炎が挙げられる。なお、炎症性疾患と自己免疫疾患との間には大きな重複がある。本発明の幾つかの実施形態は、炎症性疾患の喘息を治療に関する。一般的には、免疫系は、炎症性疾患に関与し、アレルギー反応や一部のミオパチーに現れ、免疫系の多くの疾患が異常炎症を引き起こす。
【0031】
本発明で提供される化合物および誘導体は、IUPAC(国際純正・応用化学連合)又はCAS(ケミカル・アブストラクツ・サービス、Columbus、OH)の命名システムに従って命名することができる。
【0032】
本発明で使用される用語の定義については、特に断りがない限り、本明細書で最初に記載されるグループまたは用語の定義は、全ての該グループまたは該用語に適用することができる。本明細書で具体的に定義されない用語については、開示した内容および文脈を基づいて当業者がそれらに与えることができるという意味を与える。
【0033】
「置換」とは、分子内の水素原子が別の原子または分子で置き換えられることである。
【0034】
炭化水素基における炭素原子の含有量の最小値および最大値は、接頭辞で示されており、例えば、接頭辞(C~C)のアルキル基が「a」個から「b」個の炭素原子を含有する任意のアルキル基を示す。従って、例えば、(C~C)アルキル基とは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基を指す。
【0035】
本発明において、「アルキル基」とは、所定の数のメンバー原子を有する飽和炭化水素鎖を指す。例えば、C~Cアルキル基とは、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよい。分枝状のアルキル基の代表的な例としては、一つ、2つ、又は3つの分岐鎖を持つ基が挙げられる。アルキル基は、本明細書で定義される1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されてもよい。アルキル基には、メチル、エチル、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチル)、ペンチル(n-ペンチル、イソペンチルおよびイソペンチル)およびヘキシルが含まれる。アルキル基は、例えばC~Cアルコキシ基のような別の基の一部であることができる。
【0036】
本発明におけるC~Cアルコキシ基とは、「a」個から「b」個の炭素原子を含有するアルキル基を対応する酸素原子と結合して得られた基である。
【0037】
本発明における「C~Cアルキレン基」とは、2個から6個の炭素原子を有する二価の飽和脂肪族炭化水素基である。アルキレン基には、分枝状または直鎖状の炭化水素基が含まれる。「(C~C)アルキレン基」としては、例えば、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ジメチルエチレン、ペンチレンが挙げられる。
【0038】
同様に、「C~Cアルケニレン基」とは、2個から6個の炭素原子を含有する、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含む二価の脂肪族炭化水素基である。アルケニレン基には、分枝状または直鎖状の基が含まれる。アルケニレン基における炭素-炭素二重結合には、シス型二重結合とトランス型二重結合が含まれる。
【0039】
同様に、「C~Cアルキニレン基」とは、2個から6個の炭素原子を含有する、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含む二価の脂肪族炭化水素基である。アルキニレン基には、分枝状または直鎖状の基が含まれる。
【0040】
本発明では、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)Rにおける-C(O)-は、炭素と酸素の2種類の原子が二重結合によって連結されるカルボニル基
【化20】
を示す。
【0041】
本発明における「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素というハロゲン基である。
【0042】
本発明における免疫アジュバント、即ち、免疫調節剤とは、抗感染、抗ウイルス、抗腫瘍、抗アレルギー、喘息などの面で免疫力を増強および調節する機能を有する物質であり、臨床的に主に炎症、自己免疫疾患、感染性疾患、癌、前癌症候群に関連する疾患の補助治療に用いられる。用語「薬学的に許容される」とは、ある担体、ビヒクル、希釈剤、添加物、及び/又は形成される塩が一般に医薬剤形を構成する他の成分と化学的または物理的に適合し、かつ受容体と生理学的に適合していることである。
【0043】
用語「塩」および「薬学的に許容される塩」とは、上記の化合物又はその立体異性体が無機及び/又は有機の酸や塩基と形成された酸性塩及び/又は塩基性塩を指し、双性イオン塩(内塩)も含み、さらに例えばアルキルアンモニウム塩のような四級アンモニウム塩も含む。これらの塩は、化合物の最終的な分離および精製から直接に得ることができ、上記の化合物又はその立体異性体を一定量(例えば、当量)の酸又は塩と適当に混合して得られることができる。これらの塩は、溶液中で沈殿物を生成し、濾過によって収集されるか、または溶媒の蒸発後で回収されるか、又は、水性媒体中で反応した後に凍結乾燥によって調製される可能である。本発明にかかる塩は、化合物の塩酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、臭化水素酸塩、フッ化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、またはトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
【0044】
ある実施形態においては、本発明の一種又は複数種の化合物は、互いに組み合わせて使用することができる。本発明に係る化合物を任意の他の活性剤と組み合わせて使用して細胞機能を調節するかまたは疾患を治療するための医薬品又は医薬組成物を調製することができる。化合物のグループを使用する場合、これらの化合物を同時に、別々に、又は順次に被検対象に投与することができる。
【0045】
本発明により提供される化合物は、STINGと効果的に結合することができ、良好なSTINGタンバク質アゴニスト機能を有し、様々な腫瘍に対して良好な阻害効果を示すとともに、マウスの免疫記憶メカニズムを活性化して腫瘍の再刺激を阻害することもできる。したがって、本発明に係る化合物は、STINGアゴニストとして様々な関連疾患を治療するために用いることができる。本発明に係る化合物は、STING活性に関連する疾患を治療する医薬品(特に、炎症性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染性疾患、癌又は前癌症候群を治療する医薬品)の製造、及び免疫アジュバントの製造において非常に良い応用の見通しがあり、STINGの活性に関連する疾患用医薬品の臨床的スクリーニング及び/又は製造において新しい選択肢を提供する。
【0046】
上記の本発明の内容に基づき、この分野における一般的な技術知識および慣用される手段に従い、上記の本発明の基本的な技術思想から逸脱することなく、他の様々な修正、置換または変更を行うことができることが明らかである。
【0047】
以下、実施例の形で具体的な実施形態を通じて、上記の本発明の内容をさらに詳細に説明するが、上記の本発明の主題の範囲が以下の具体例に限られることを理解されるべきではない。上記の本発明の内容に基づいて実施されるすべての技術は、本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、CT26腫瘍モデルに対する本発明の実施例で製造された化合物の阻害効果を示すグラフである。
図2図2は、CT26腫瘍腫瘍の再刺激モデルに対する本発明の実施例で製造された化合物の阻害効果を示すグラフであり、ここで、実施例2(4.5mg/kg)、実施例2(1.5mg/kg)、実施例5(1.5mg/kg)、実施例15(3mg/kg)、実施例15(1mg/kg)、実施例17(1.5mg/kg)、実施例29(1mg/kg)の曲線が重複している。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の具体的な実施形態に使用される原料、設備は、すべて既知の製品であり、市販の製品から入手したものである。
【0050】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は(および)質量分析(MS)により同定される。NMRシフト(δ)は、10-6(ppm)の単位とした。NMRの測定は、(Bruker AvanceIII 400およびBruker Avance 300)核磁気装置を使用し、測定溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、重水素化クロロホルム(CDCl)、重水素化メタノール(CDOD)であり、内部標準物質はテトラメチルシラン(TMS)である。
【0051】
LC-MSの測定には、島津液体クロマトグラフ質量分析計(Shimadzu LC-MS 2020(ESI))を使用する。
【0052】
HPLCの測定には、島津の高圧液体クロマトグラフ(Shimadzu LC-20A)を使用する。
【0053】
逆相分取クロマトグラフィーには、Gilson GX-281逆相分取クロマトグラム装置を使用する。
【0054】
薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレートには、煙台黄海HSGF254または青島GF254シリカゲルプレートを使用し、薄層クロマトグラフィーによる製品の分離および精製の仕様は0.4mm~0.5mmである。
【0055】
カラムクロマトグラフィーは、一般に、煙台黄海制の200~300メッシュのシリカゲルを担体として使用する。
【0056】
本発明における既知の出発原料は、当技術分野における周知の方法を使用するか、またはそれに従って合成することができ、又は安耐吉化学、成都化龍化工、韶遠化学テクノロジー、J&K Scientificなどの会社から購入することができる。
【0057】
水素雰囲気とは、反応フラスコが約1Lの容量の水素気球に接続されることを意味する。
【0058】
水素化反応は、通常、真空引きをして水素を充填する操作を3回繰り返す。
【0059】
実施例においては、特に断りのない限り、反応は、窒素雰囲気下で行われる。
【0060】
実施例においては、特に断りのない限り、溶液は、水溶液を指す。
【0061】
実施例においては、特に断りのない限り、反応の温度は室温である。
【0062】
実施例においては、特に断りのない限り、Mはモル毎リットルである。
【0063】
室温は、最適な反応の温度であり、20℃~30℃である。
【0064】
一晩とは、12±1時間である。
【0065】
PEは石油エーテル、EAは酢酸エチル、DCMはジクロロメタン、MeOHはメタノール、DMFはN,N-ジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシド、DMAPは4-ジメチルアミノピリジン、DIPEAはジイソプロピルエチルアミン、Bocはtert-ブトキシカルボニル基、TFAはトリフルオロ酢酸、DBUは1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン、HATUはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、を指す。
【0066】
以下は、中間体化合物の調製である。
1.中間体化合物:4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミドの合成
【化21】
【0067】
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(18.5g,75.3mmol)アンモニア水(200mL)を含有するシングルネックフラスコに加え、60℃で3時間撹拌した。反応液を100mLに濃縮し、冷却した後、濾過し、固体を氷水で洗浄し、乾燥させた後、4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(12.5g,54.1mmol)を褐色の固体として得た。
【0068】
MS(ESI)m/z=231[M+H]
HNMR(400MHz,DMSO-d):δ8.29(s,1H),8.04(d,1H),7.87(d,1H),7.78(s,1H),4.01(s,3H)。
2.中間体化合物:4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミドの合成
【化22】
【0069】
氷浴中で、4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(7.5g,32.5mmol)を乾燥されたDCM(90mL)に分散させ、さらに、それに三臭化ホウ素(120mL,1M)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴を外し、窒素ガス保護下、室温下で一晩反応させた。反応終了後、反応液を冰水に投入し、30分間激しく撹拌し、濾過し、フィルターケーキを水で洗浄して乾燥させた後、4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(6.00g,27.7mmol,85.3%収率)を淡黄色の固体として得た。
【0070】
MS(ESI)m/z =217[M+H]
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ11.73(s,1H),8.21(s,1H),7.92(s,1H),7.80(s,1H),7.66(s,1H)。
3.中間体化合物:1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの合成
【化23】
【0071】
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(4.00g,25.9mmol)を乾燥されたDCM(80mL)に分散させ、氷浴中で、それに塩化オキサリル(3.9g,31.1mmol)及び触媒量のDMFを滴下した。室温下で1時間反応させた後、揮発性物質を減圧下で回転蒸発により除去した。粗生成物にDCM(20mL)を加え、さらに回転蒸発により溶媒を除去した後、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5ーカルボニルクロリド(4.46g,100%の収率)を得、そのまま次の反応に使用した。
【0072】
0℃で、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド(4.46g,25.9mmol)を乾燥されたアセトン(20mL)に溶解し、チオシアン酸カリウム(5.0g,51.5mmol)のアセトン(100mL)溶液に滴下し、室温下で3時間撹拌し、反応系を濾過して無機塩を除去し、濾液を濃縮した後の粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル(v/v)=1/15)で精製し、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(4.0g,20.4mmol,78.7%)を透明な茶黄色の液体として得た。
【0073】
MS(ESI)m/z=196[M+H]
4.中間体化合物:4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの合成
【化24】
【0074】
ステップ1:4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルクロリドの合成
【0075】
4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボン酸(2g,11.7mmol)を乾燥されたDCM(40mL)に分散させ、氷浴中で、それに塩化オキサリル(1.9g,15.1mmol)及び触媒量のDMFを滴下した。室温下で1時間反応させた後、揮発性物質を減圧下で回転蒸発により除去した。粗生成物にDCM(20mL)を加え、回転蒸発により溶媒を除去した後、4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルクロリド(2.2g,100%の収率)を得、そのまま次の反応に使用した。
【0076】
ステップ2:4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの合成
【0077】
0℃で、4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルクロリド(2.2g,11.7mmol)を乾燥されたアセトン(10mL)に溶解し、チオシアン酸カリウム(2.3g,23.4mmol)のアセトン(50mL)溶液に滴下し、室温下で3時間撹拌し、反応系を濾過して無機塩を除去し、濾液を濃縮した後の粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル、v/v=1/15)で精製し、4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(2.15g,10.2mmol,収率:87%)を透明な茶黄色の液体として得た。
【0078】
MS(ESI)m/z=213[M+H]
5.中間体化合物:4-クロロ-3-(3-モルフォリノ)-5-ニトロベンズアミドの合成
【化25】
【0079】
3-モルホリノプロパン-1-オール(1.0g,9.79mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液にTEA(2.7mL,19.58mmol)及び塩化パラトルエンスルホニル(2.0g,10.77mmol)を加え、室温下で2時間反応させ、水とジクロロメタンとを加えて抽出し、有機相をそれそれ水と飽和食塩水とで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した後、4-モルホリノプロピル4-メチルベンゼンスルホネートを得、そのまま次の反応に使用した。
【0080】
4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(845mg,3.9mmol)のDMF(10mL)溶液に炭酸カリウム(1.08g,7.8mmol)、ヨウ化カリウム(0.12g,0.72mmol)および4-モルホリノプロピル4-メチルベンゼンスルホネート(1.17g,3.9mmol)を加え、75℃で24時間を反応させた。反応終了後、ろ過して無機塩を除去し、濾液を水に加えて酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄し、さらに乾燥させて濃縮した後、4-クロロ-3-(3-モルフォリノ)-5-ニトロベンズアミド(1.0g,収率:75.5%)を得た。
6.中間体化合物:4-(3-(2-クロロ-5-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジニル-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
【化26】
【0081】
ステップ1:4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【0082】
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(10g,40.7mmol)を無水ジクロロメタン(100mL)に分散させ、氷浴中で三臭化ホウ素(40.8g,162.8mmol)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。反応終了後、氷浴中でメタノールをゆっくりと滴下して反応をクエンチし、次に、それを回転蒸発により乾燥させた。それにメタノール(100mL)、および濃硫酸(0.2mL)を加え、反応液を75℃に加熱して一晩撹拌した。冷却後、減圧下で濃縮して溶媒を除去し、さらに、150mL水を加え、超音波分散後、濾過し、固体を水で洗浄し、固体を乾燥させた後、4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(8.89g,38.4mmol)を得た。
【0083】
ステップ2:4-(3-(2-クロロ-5-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジニル-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
【0084】
4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(10g,47.2mmol)、4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル-1-カルボン酸tert-ブチル(10.6g,47.2mmol)およびトリフェニルホスフィン(20.4g,77.7mmol)を窒素ガス保護下、無水THF(200mL)に溶解した。氷浴中で、上記反応液にDIAD(15.8g,77.7mmol)を滴下した後、反応液を室温まで昇温し、16時間撹拌した。反応液を水に加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=2/1)で精製して目的化合物(13g,収率:61%)を、淡黄色の固体として得た。
7.中間体化合物:4-(3-(2-クロロ-5-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジニル-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
【化27】
【0085】
4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(36.8g,159.3mmol)をDMF(300mL)に溶解し、さらに4-モルホリノプロピル4-メチルベンゼンスルホネート(74g,247.5mmol)及びKCO(44.5g,318.6mmol)を加えた。該反応液を75℃で16時間撹拌し、濾過して無機塩を除去し、DMFを減圧下で蒸留してDMFを除去した。粗生成物を酢酸エチルに溶解し、それぞれ水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、残りの酢酸エチル30mLまで濃縮し、濾過し、目的化合物(48.7g,収率:86%)を黄色固体として得た。
8.中間体化合物:4-フルオロ-3-(メチルチオ)-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【化28】
【0086】
ステップ1:3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロ安息香酸の合成
【0087】
4-フルオロ-3-ニトロ安息香酸(50g,270mmol)を濃硫酸(200ml)に分散させ、さらにNBS(47.5g,270mmol)を加えた。75℃まで昇温し、一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ゆっくりと氷水に加えて撹拌し、淡黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させた後、目的化合物(66g)を得た。
【0088】
ステップ2:3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【0089】
氷浴中で、3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロ安息香酸(66g,249mmol)のメタノール(400ml)溶液に塩化チオニル(44.5g,373.5mmol)を滴下した。75℃まで昇温し、一晩撹拌した。約100mlの溶剤が残るまで濃縮し、冷却後、固体を続いて析出させ、濾過して乾燥させ、3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロ安息香酸メチル(56g)を得た。
【0090】
ステップ3:4-フルオロ-3-(メチルチオ)-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【0091】
3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロ安息香酸メチル(80mg,0.14mmol)のトルエン()およびtert-ブタノール(mL)の溶液に、チオ酢酸メチル(11mg,0.14mmol)、Pd(dba)(13mg,0.014mmol)、xantphos(8mg,0.014mmol)、KPO(36mg,0.166mmol)を順に加え、窒素ガス保護下、110℃で一晩反応させ、反応が完了した。室温まで冷却し、反応液を濃縮し、粗生成物を順相カラム(溶離剤:PE/EA=3/1、v/v)で精製分離し、目的化合物(g、収率:45%)を得た。
9.中間体化合物:4-フルオロ-3-((3-モルホリノプロピル)チオ)-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【化29】
【0092】
ステップ1:3-モルホリノプロピルメルカプタンアセテートの合成
【0093】
4-モルホリノプロピル4-メチルベンゼンスルホネート(9g,30.1mmol)のDMF(100mL)溶液にチオ酢酸カリウム(6.86g,60.2mmol)、炭酸カリウム(12.5g,90.3mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。ろ過して無機塩を除去し、回転蒸発により溶剤を除去し、粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=20/1)で精製し、目的化合物(5g,収率:81%)を得た。
【0094】
ステップ2:4-フルオロ-3-((3-モルホリノプロピル)チオ)-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【0095】
3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロ安息香酸メチル(3.4g,12.3mmol)のトルエン(50mL)およびtert-ブタノール(5mL)の溶液に、3-モルホリノプロピルメルカプタンアセテート(3g,14.8mmol)、Pd(dba)(1.13g,1.23mmol)、xantphos(0.72g,1.23mmol)、KPO(7.83g,36.9mmol)を順に加え、窒素ガス保護下、110℃で一晩反応させ、反応を終了した。室温まで冷却し、反応液を濃縮して得られた粗生成物を順相カラム(溶離剤:PE/EA=1/1、v/v)で精製分離し、目的化合物化合物(1.8g,収率:41%)を得た。
10.中間体化合物:1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの合成
【化30】
【0096】
ステップ1:1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリドの合成
【0097】
1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(2g,11.7mmol)を乾燥されたDCM(40mL)に分散させ、氷浴中で、それに塩化オキサリル(1.9g,15.1mmol)および触媒量のDMFを滴下した。室温下で1時間反応させた後、揮発性物質を減圧下で回転蒸発により除去した。粗生成物にDCM(20mL)を加え、回転蒸発により溶媒を除去した後、4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルクロリド(2.2g,100%の収率)を得、そのまま次の反応に使用した。
【0098】
ステップ2:1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの合成
【0099】
0℃で、1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド(2.2g,11.7mmol)を乾燥されたアセトン(10mL)に溶解し、チオシアン酸カリウム(2.3g,23.4mmol)のアセトン(50mL)溶液に滴下し、室温下で3時間撹拌し、反応系を濾過して無機塩を除去し、濾液を濃縮した後で得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル、v/v=1/15)で精製し、4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(2.15g,10.2mmol,収率:87%)を透明な茶黄色の液体として得た。
【0100】
MS(ESI)m/z=214[M+H]
【0101】
以下は、本発明に係る化合物の製造について、説明する。
実施例1
【化31】
【0102】
ステップ1:(トランス)-tert-ブチル(4-(4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)n-ブト-2-エニル)カルバメートの合成
【0103】
室温下で、4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(500mg,2.17mmol)及び(4-アミノブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(966mg,4.34mmol)をジメチルスルホキシド(10mL)に溶解し、反応液にトリエチルアミン(1.1g,10.84mmol)を滴下した。反応混合物を115℃まで昇温し、同温度で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、水を加えて希釈し、大量のオレンジ色の固体が析出し、濾過し、フィルターケーキを水(15mL×3)で洗浄し、真空ポンプ付けロータリーエバポレーターで乾燥させ、(トランス)-tert-ブチル(4-(4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)n-ブト-2-エニル)カルバメート(化合物1b)(450mg, 収率:57%)を、オレンジ色の固体として得た。
【0104】
MS(ESI)m/z=381[M+H]
【0105】
ステップ2:(トランス)-tert-ブチル(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)n-ブト-2-エニル)カルバメートの合成
【0106】
化合物1b(450mg,1.18mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した後、アンモニア水(1.62mL,11.80mmol)、亜ジチオン酸ナトリウム(1.22g,7.01mmol)の水溶液(6mL)を順に加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、反応液の色がオレンジレッドから白になった。反応液から回転蒸発によりメタノールを除去し、その後、水を加えて希釈し、酢酸エチル(20mL×4)を加えて抽出し、分離して得られた有機相を飽和食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、(トランス)-tert-ブチル(4-((2アミノ-4カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)n-ブト-2-エニル)カルバメート(化合物1c)(260mg,収率:58%)、白色固体としてを得た。
【0107】
MS(ESI)m/z=351[M+H]
【0108】
ステップ3:(トランス)-tert-ブチル(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1-ヒドロ-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズイミダゾリル)n-ブト-2-エニル)カルバメートの合成
【0109】
化合物1c(260mg,0.742mmol)及び化合物1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-ホルミルイソチオシアネート(145mg,0.74mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、室温下で1時間撹拌し、その後、HATU(338mg,0.89mmol)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(147mg,0.96mmol)を反応液に加え、続いて室温で1時間撹拌し、反応液を水で希釈し、濾過し、生成した白色固体を回収し、水で(5mL×3)洗浄し、その後、逆相カラム(溶離剤:アセトニトリル/水=1/3、v/v)で分離し、(トランス)-tert-ブチル(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1-ヒドロ-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズイミダゾリル)n-ブト-2-エニル)カルバメート(化合物1d)(313mg,収率:82%)を、白色固体として得た。
【0110】
MS(ESI)m/z=512[M+H]
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.86(s,1H),8.02(s,1H),7.67(s,1H),7.48-7.32(m,2H),7.00-6.87(m,1H),6.65(s,1H),5.85-5.50(m,2H),4.93(d,2H),4.61(q,2H),3.98(s,3H),3.51(m,2H),2.55(m,2H),2.18(s,3H),1.35(t,3H),1.32(s,9H)。
【0111】
ステップ4:(トランス)-1-(4-アミノn-ブト-2-エニル)-2-(1-エチル-3-メチル-1-ヒドロ-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1-ヒドロ-ベンズイミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0112】
化合物1d(290mg,0.57mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、塩酸(6Nの水溶液,3mL,18mmol)を滴下した。反応液を室温で30分間撹拌した後、40℃まで昇温し、撹拌を3時間続けた。反応液をスピン乾燥して得られた粗生成物を逆相カラム(溶離剤:水/アセトニトリル=50/50、v/v)で分離精製し、化合物(トランス)-1-(4-アミノn-ブト-2-エニル)-2-(1-エチル-3-メチル-1-ヒドロ-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1-ヒドロ-ベンズイミダゾリル-5-カルボキサミド(化合物1e)(230mg,収率:98%)を、淡黄色の固体として得た。
【0113】
MS(ESI)m/z=412.0[M+H]
【0114】
ステップ5:(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-(3-モルフォリノ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0115】
化合物1e(150mg,0.37mmol)、4-クロロ-3-(3-モルフォリノ)-5-ニトロベンズアミド(127mg,0.37mmol)及びDIPEA(220mg,1.85mmol)をn-ブタノール(5mL)に混合して溶解し、反応混合物を120℃まで昇温し、同温度で48時間撹拌し、室温まで冷却した後、水を加えて希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(15mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶剤を除去し、得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離剤:アセトニトリル/水=30/70、v/v)で分離し、(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-(3-モルフォリノ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミド(化合物1f)(130mg,収率:48.9%)を得た。
【0116】
MS(ESI)m/z=719.3[M+H]
【0117】
ステップ6:(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルフォリノ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0118】
氷浴中で、アンモニア水(0.35mL)を化合物1f(130mg,0.18mmol)のメタノール(5mL)溶液に滴下し、反応液を0℃で5分間撹拌した後、亜ジチオン酸ナトリウム(154mg,0.28mmol)の水溶液(2mL)をゆっくりと加えた。反応混合物をゆっくりと室温に昇温し、撹拌を3時間続いた。水を加えて希釈し、濾過し、濾液をスピン乾燥して得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離剤:アセトニトリル/水=50/50、v/v)で分離し、(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルフォリノ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミド 1g(91mg,収率:74%)を、白色固体として得た。
【0119】
MS(ESI)m/z=688.3[M+H]
【0120】
ステップ7:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0121】
化合物 1g(91mg,0.13mmol)及び4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(28mg,0.13mmol)をDMF(3mL)に混合して溶解し、室温下で0.5時間撹拌し、その後、HATU(49mg,0.13mmol)及びDIPEA(34mg,0.26mmol)を順に加え、室温下で撹拌を2時間続いた。反応液を逆相HPLCで精製し、化合物1(21mg,収率19%)を、白色固体として得た。
【0122】
MS(ESI)m/z=867.4[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.80-12.92(m,1H),9.64-9.73(m,1H),7.93-8.01(m,1H),7.64-7.67(m,2H),7.28-7.43(m,3H),6.52-6.57(m,2H),5.76-5.82(m,2H),4.85-4.94(m,4H),4.51-4.58(m,2H),3.99-4.05(m,3H),3.90-3.97(m,4H),3.71(s,3H),3.24-3.32(m,4H),3.11-3.17(m,4H),2.92-3.06(m,4H),2.65-2.70(m,4H),2.54-2.55(m,4H),2.31-2.36(m,4H),2.11(s,3H),1.86-1.95(m,2H),1.26-1.33(m,3H),1.14-1.21(m,3H)。
実施例2
【化32】
【0123】
ステップ1:(E)-4-((4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【0124】
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(30g,122mmol)n-ブタノール(500mL)に分散させ、さらに(E)-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(22.8g,122mmol)及びDIPEA(78.9g、609mmol)を加えた。反応液を120℃まで昇温し、18時間撹拌した。減圧下で蒸留して得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、氷浴下で希塩酸(0.5M)を適量に加え、pHを中性に調整し、分離した有機相を水と飽和食塩水とでそれそれ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、2b(48.3g,収率:99%)を得た。
【0125】
MS(ESI)m/z=396.3[M+H]
【0126】
ステップ2:(E)-3-アミノ-4-((4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)アミノ)-5-メトキシ安息香酸メチルの合成
【0127】
氷浴中で、2b(48.3g,122mmol)のメタノール(400mL)溶液にアンモニア水(120mL)を加え、10分間後で、亜ジチオン酸ナトリウム(106.3g,611mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製し、化合物2c(28.6g,収率:64%)を得た。
【0128】
MS(ESI)m/z=366.3[M+H]
【0129】
ステップ3:(E)-1-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-メチル-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0130】
氷浴中で、2c(15g,41.1mmol)のDMF(200mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(8.7g,41.1mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(15.9g,123.3mmol)及びHATU(18.8g,49.3mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過し、固体を乾燥させ、2d(14.4g,収率:64%)を得た。
【0131】
MS(ESI)m/z=544.3[M+H]
【0132】
ステップ4:(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0133】
氷浴中で、2d(6g,11mmol)のDCM(200mL)にTFA(6mL)を加え、その後、室温まで昇温し、2時間反応させた。減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、酢酸エチルを加えた後、また減圧下でスピン乾燥して遊離TFAを除去し、化合物2e(4.9g,収率:99%)を得た。
【0134】
MS(ESI)m/z =444.3[M+H]
【0135】
ステップ5:(E)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1-(4-((4-(メトキシカルボニル)-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0136】
2e(4.9g,11mmol)をn-ブタノール(100mL)に分散させ、さらに、4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロ安息香酸メチル(4.0g,11mmol)及びDIPEA(7.2g,55mmol)を加えた。反応液を120℃まで昇温し、18時間撹拌した。減圧下で蒸留して得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、それぞれ水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、シリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2)で精製し、2f(8.4g,収率:99%)を得た。
【0137】
MS(ESI)m/z=766.3[M+H]
【0138】
ステップ6:(E)-1-(4-((2-アミノ-4-(メトキシカルボニル)-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル)-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0139】
氷浴中で、2f(8.4g,11mmol)のメタノール(50mL)溶液にアンモニア水(11mL)を加え、10分間後で、亜ジチオン酸ナトリウム(9.6g,55mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製し、化合物2g(5.1g,収率:63%)を得た。
【0140】
MS(ESI)m/z=736.3[M+H]
【0141】
ステップ7:(E)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0142】
氷浴中で、2g(5.1g,6.94mmol)のDMF(100mL)溶液に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(1.4g,6.94mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(2.7g,20.82mmol)及びHATU(3.2g,8.33mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、2h(4.8g,収率:77%)を得た。
【0143】
MS(ESI)m/z=897.3[M+H]
【0144】
ステップ8:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0145】
2h(4.8g,5.38mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)の混合溶液(20mL)に溶解し、水酸化リチウム(2.3g,53.8mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物2i(4.65g,収率:99%)を得た。
【0146】
MS(ESI)m/z=869.3[M+H]
【0147】
ステップ9:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルフォリノ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0148】
2i(4.65g,5.38mmol)をDMF(100mL)に溶解し、HATU(4.9g,12.86mmol)及びDIPEA(4.2g,32.14mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(1.3g,16.07mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物2(2.5g,収率:54%)を得た。
【0149】
MS(ESI)m/z=867.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.79-12.96(m,1H),11.30-11.46(m,1H),7.92-8.14(m,2H),7.63-7.69(m,2H),7.33-7.45(m,3H),7.26-7.32(m,1H),6.53-6.59(m,1H),5.81-5.92(m,1H),5.68-5.79(m,1H),4.51-4.59(m,2H),3.97-4.04(m,2H),3.85-3.93(m,2H),3.81(s,3H),3.72-3.79(m,2H),3.02-3.24(m,6H),2.85-2.98(m,2H),2.58(s,3H),2.13(s,3H),1.90-2.01(m,2H),1.30(t,J=7.08Hz,3H),1.17(t,J=7.44Hz,3H)。
実施例3
【化33】
【0150】
ステップ1:(E)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-メチルエステル-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0151】
氷浴中で、2g(0.5g,0.69mmol)のDMF(5mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.18g,0.83mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(0.27g,2.08mmol)及びHATU(0.32g,0.83mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、3a(623mg,収率:99%)を得た。
【0152】
MS(ESI)m/z=914.3.3[M+H]
【0153】
ステップ2:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0154】
3a(623mg,0.68mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム水和物(0.17g,4.08mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物3b(610mg,収率:99%)を得た。
【0155】
MS(ESI)m/z=886.3[M+H]
【0156】
ステップ3:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0157】
3b(610mg,0.68mmol)をDMF(10mL)に溶解し、HATU(4.9g,1.36mmol)及びDIPEA(0.53g,4.08mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(0.16g,2.04mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物3(206mg,収率34%)を得た。
【0158】
MS(ESI)m/z=884.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.80-12.91(m,1H),11.10-11.23(m,1H),7.91-8.12(m,2H),7.60-7.69(m,2H),7.26-7.48(m,4H),5.71-5.95(m,2H),3.98-4.11(m,2H),3.85-3.95(m,2H),3.71-3.83(m,5H),3.04-3.29(m,8H),2.88-3.01(m,2H),2.56-2.60(m,4H),1.95-2.04(m,2H),1.12-1.24(m,6H)。
実施例4
【化34】
【0159】
ステップ1:(E)-4-((4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)アミノ)-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロ安息香酸メチルの合成
【0160】
4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロ安息香酸メチル(6.8g,19mmol)をn-ブタノール(100mL)に分散させ、さらに、(E)-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(3.5g,19mmol)及びDIPEA(12.3g,95mmol)を加えた。反応液を120℃まで昇温し、18時間撹拌した。減圧下で蒸留して得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、氷浴中でpHを中性にするように希塩酸(0.5M)を適量に加え、分離して得られた有機相を水と飽和食塩水とでそれそれ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、4b(7.3g,収率:76%)を得た。
【0161】
MS(ESI)m/z=509.3[M+H]
【0162】
ステップ2:(E)-3-アミノ-4-((4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)アミノ)-5-(3-モルホリノプロポキシ)安息香酸メチルの合成
【0163】
氷浴中で、4b(7.3g,14.4mmol)のメタノール(100mL)溶液にアンモニア水(15mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(12.5g,71.9mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2)で精製し、化合物4c(4.5g,収率:65%)を得た。
【0164】
MS(ESI)m/z=479.3[M+H]
【0165】
ステップ3:(E)-1-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-)モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0166】
氷浴中で、4c(1.8g,3.76mmol)のDMF(30mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.96g,4.52mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(1.46g,11.3mmol)及びHATU(1.72g,4.52mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、4d(1.9g,収率:77%)を得た。
【0167】
MS(ESI)m/z=657.3[M+H]
【0168】
ステップ4:(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]〕イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0169】
氷浴中で、4d(1.9g,2.9mmol)のDCM(40mL)にTFA(3mL)を加え、その後、室温まで昇温し、2時間反応させた。減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、酢酸エチルを加えた後、減圧下でスピン乾燥し、遊離TFAを除去し、化合物4e(1.6g,収率:99%)を得た。
【0170】
MS(ESI)m/z=557.3[M+H]
【0171】
ステップ5:(E)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-((4-(メトキシカルボニル)-2-(メチルチオ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-ケトエン-1-イル)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0172】
(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]〕イミダゾリル-5-カルボン酸メチル(556mg,1mmol)のDMF(10mL)溶液にDIPEA(387mg,3mmol)及び4-フルオロ-3-メチルチオ-5-ニトロ安息香酸メチル(245mg,1mmol)を加え、室温で3時間を反応させた。反応液を水に加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、化合物4f(616mg,収率:79%)を得た。
【0173】
MS(ESI)m/z=782.3[M+H]
【0174】
ステップ6:(E)-1-(4-((2-アミノ-4-(メトキシカルボニル)-6-(メチルチオ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2)メチルエステル-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0175】
氷浴中で、4f(616mg,0.79mmol)のメタノール(5mL)溶液にアンモニア水(1mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(686mg,3.94mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製し、化合物4g(435mg,収率:73%)を得た。
【0176】
MS(ESI)m/z=752.3[M+H]
【0177】
ステップ7:(E)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0178】
氷浴中で、4g(145mg,0.193mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(46mg,0.232mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(75mg,0.579mmol)及びHATU(89mg,0.232mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、4h(150mg,収率:85%)を得た。
【0179】
MS(ESI)m/z=913.3[M+H]
【0180】
ステップ8:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0181】
4h(150mg,0.16mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム(69mg,1.64mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物4i(126mg,収率:86%)を得た。
【0182】
MS(ESI)m/z=885.3[M+H]
【0183】
ステップ9:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0184】
4i(126mg,0.143mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(131mg,0.342mmol)及びDIPEA(110mg,0.855mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(34mg,0.428mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物4(54mg,収率:43%)を得た
【0185】
MS(ESI)m/z=883.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.79-12.88(m,1H),11.10-11.12(m,1H),7.95-8.12(m,2H),7.85-7.89(m,1H),7.62-7.68(m,2H),7.33-7.46(m,3H),6.52(s,1H),5.71-5.78(m,2H),5.11-5.18(m,2H),4.85-4.94(m,2H),4.47-4.55(m,2H),4.05-4.10(m,4H),3.87-3.91(m,4H),3.71-3.81(m,4H),3.22-3.29(m,2H),3.08-3.18(m,8H),2.89-3.01(m,2H),2.57(s,3H),2.46(s,3H),2.10(s,3H),2.00-2.07(m,2H),1.28(t,J=7.08Hz,3H),1.17(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例5
【化35】
【0186】
化合物5は、化合物4と同じ合成方法で調製された。ステップ3およびステップ7で使用した閉環原料を交換し、即ち、ステップ3で1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートを使用し閉環させ、ステップ7で4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネートを使用し閉環させる以外、化合物4と同様のステップ及び実験方法で、化合物5(67mg)を得た。
【0187】
MS(ESI)m/z=883.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.90-13.04(m,1H),10.92-11.05(m,1H),7.93-8.14(m,2H),7.83-7.87(m,1H),7.62-7.70(m,2H),7.34-7.48(m,2H),7.27-7.32(m,1H),6.51-6.67(m,1H),5.66-5.83(m,4H),5.06-5.12(m,2H),4.89-4.96(m,2H),4.50-4.59(m,2H),3.99-4.05(m,2H),3.86-3.94(m,2H),3.70-3.80(m,2H),3.19-3.27(m,2H),3.06-3.15(m,4H),2.88-3.00(m,2H),2.49(s,3H),2.12(s,3H),1.95-2.03(m,2H),1.30(t,J=7.08Hz,3H),1.17(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例6
【化36】
【0188】
化合物6は、化合物2と同じ合成方法により製造した。化合物2の合成に使用された4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロ安息香酸メチルの代わりに、4-フルオロ-3-((3-モルホリノプロピル)チオ)-5-ニトロ安息香酸メチルを使用した以外、化合物2の合成方法と同じである。
【0189】
MS(ESI)m/z=883.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.73-12.84(m,1H),10.59-10.82(m,1H),7.98-8.14(m,2H),7.91-7.98(m,1H),7.75-7.83(m,1H),7.59-7.67(m,1H),7.31-7.49(m,3H),6.51-6.59(m,1H),5.87-5.96(m,1H),5.69-5.78(m,1H),5.18-5.29(m,2H),4.83-4.90(m,4H),4.51-4.58(m,4H),3.88-3.97(m,2H),3.81(s,3H),3.67-3.79(m,2H),3.27-3.37(m,2H),3.04-3.15(m,4H),2.91-3.03(m,4H),2.55(s,3H),2.11(s,3H),1.77-1.88(m,2H),1.29(t,J=7.04Hz,3H),1.14(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例7
【化37】
【0190】
ステップ1:(E)-1-(4-((2-(3-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-4-(メトキシカルボニル)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-ケトエン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0191】
(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]〕イミダゾリル-5-カルボン酸メチル(0.65g,1.4mmol)をn-ブタノール(15mL)に分散させ、さらに、4-(3-(2-クロロ-5-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジニル-1-カルボン酸tert-ブチル(630mg,1.4mmol)及びDIPEA(1.8g,14mmol)を加えた。反応液を120℃まで昇温し、18時間撹拌した。減圧下で蒸留して得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、それぞれ水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、シリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2)で精製し、7a(312mg,収率26%)を得た。
【0192】
MS(ESI)m/z=865.2[M+H]
【0193】
ステップ2:(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-4-(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0194】
氷浴中で、7a(285mg,0.36mmol)のメタノール(10mL)溶液にアンモニア水(0.5mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(311mg,1.8mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、粗生成物として化合物7b(296mg,純度90%,収率:96%)を得た。
【0195】
MS(ESI)m/z=835.0[M+H]
【0196】
ステップ3:(E)-7-(3-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2)-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-5-(メトキシカルボニル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イルメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0197】
氷浴中で、7b(296mg,0.34mmol)のDMF(3mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(66mg,0.34mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、HATU(155mg,0.41mmol)及びDIPEA(88mg,0.68mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、7c(346mg,収率:97%)を得た。
【0198】
MS(ESI)m/z=996.4[M+H]
ステップ4:(E)-7-(3-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0199】
7c(340mg、0.34mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/0.5)の混合溶液(5.5mL)に溶解し、水酸化リチウム(142mg、3.4mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。有機溶剤を回転蒸発により除去し、粗生成物を水に溶解し、酢酸エチルで抽出し、相分離して得られた水相を、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物7d(220mg、収率:67%)を得た。
【0200】
MS(ESI)m/z=968.4[M+H]
【0201】
ステップ5:(E)-4-(3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-tert-ブチルエステルメトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-7-イル)オキシ)プロピル)ピペラジニル-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
【0202】
7d(158mg、0.16mmol)をDMF(2mL)に溶解し、HATU(182mg、0.48mmol)及びDIPEA(103mg、0.8mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(64.5mg、0.82mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加えて固体を析出させ、濾過し、純水で洗浄し、乾燥させた後、化合物7e(140mg、収率:90%)を得た。
【0203】
MS(ESI)m/z=966.5[M+H]
【0204】
ステップ6:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0205】
氷浴中で、化合物7e(140mg,0.14mmol)のDCM(5mL)溶液にTFA(2mL)を加え、室温までゆっくりと昇温してから1時間反応させ、その後、回転蒸発により溶剤を除去した。オイルポンプによる減圧下で遊離TFAを除去し、化合物7f(130mg,80%の純度)を得た。
【0206】
MS(ESI)m/z=866.4[M+H]
【0207】
ステップ7:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0208】
化合物7f(10mg,0.011mmol)のメタノール(1mL)溶液に30%のホルムアルデヒド液(2滴)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、水素化ホウ素ナトリウム(1.3mg)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物7(8.5mg,収率:87%)を得た。
【0209】
H NMR(400MHz,DMSO-d6+DO)δ7.59(s,1H),7.58(s,1H),7.31(s,1H),7.26(s,1H),6.46(s,1H),5.87-5.67(m,2H),4.99-4.78(m,4H),4.53-4.38(m,2H),4.10(t,J=6.1Hz,2H),3.70(s,3H),3.48(s,8H),3.17(dt,J=13.6,5.6Hz,2H),3.04(dd,J=15.0,7.7Hz,2H),2.86(s,3H),2.07(s,3H),2.06-1.97(m,2H),1.21(t,J=7.1Hz,3H),1.09(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=880.4[M+H]
実施例8
【化38】
【0210】
化合物7f(60mg,0.07mmol)のメタノール溶液にアセトアルデヒド(18mg)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13mg,0.21mmol)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物8(31mg,収率49.5%)を得た。
【0211】
H NMR(400MHz,MeOD)δ7.67(s,1H),7.63(s,1H),7.38(s,2H),6.76(s,1H),6.07-5.96(m,1H),5.93-5.79(m,1H),5.19(d,J=5.5Hz,2H),5.07(d,J=5.1Hz,2H),4.68(q,J=7.1Hz,2H),4.21(t,J=5.9Hz,2H),3.87(s,7H),3.64(s,4H),3.51-3.40(m,3H),3.40-3.34(m,2H),3.29-3.22(m,2H),2.85(s,3H),2.28(s,3H),2.27-2.17(m,2H),1.44(t,J=7.2Hz,6H),1.33(t,J=7.6Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=894.41[M+H]
実施例9
【化39】
【0212】
化合物7f(50mg,0.058mmol)のメタノール溶液にアセトン(3mL)を加え、さらに、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、50℃に加熱し、4時間反応させ、反応液を0℃に冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(11mg,0.17mmol)を加え、室温下で一晩反応させ、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物9(23mg,収率:43%)を得た。
【0213】
H NMR(400MHz,DMSO-d6+DO)δ7.61(s,1H),7.57(s,1H),7.33(s,1H),7.26(s,1H),6.48(s,1H),5.87-5.62(m,2H),4.90(s,4H),4.45(q,J=6.7Hz,2H),4.13(t,J=5.7Hz,2H),3.69(s,3H),3.67-3.32(m,10H),3.32-3.23(m,2H),3.04(q,J=7.3Hz,2H),2.58(s,3H),2.18-2.09(m,2H),2.07(s,3H),1.29(d,J=6.6Hz,6H),1.21(t,J=7.1Hz,3H),1.10(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=908.43[M+H]
実施例10
【化40】
【0214】
化合物7f(60mg,0.055mmol)のメタノール溶液に1-エトキシ-1-トリメチルシロキシシクロプロパン(48mg,0.277mmol)を加え、さらに、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、その後、醋酸水素化ホウ素ナトリウム(47mg,0.22mmol)を加え、50℃に加熱して一晩反応させ、LCMSよりすべて中間体のイミンへ変換したことが示されたら、室温まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(10mg,0.16mmol)を加えた。水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物10(27.7mg,収率:55%)を得た。
【0215】
H NMR(400MHz,DMSO-d6+D2O)δ7.57(s,2H),7.23(s,1H),7.21(s,1H),6.46(s,1H),5.83-5.63(m,2H),4.85(d,J=10.9Hz,4H),4.45(dd,J=13.3,6.5Hz,2H),3.64(s,4H),3.27-2.91(m,10H),2.87(s,3H),2.05(s,3H),2.01(s,1H),1.85(s,2H),1.21(t,J=7.1Hz,3H),1.09(t,J=7.5Hz,3H),0.55(d,J=6.5Hz,2H),0.43(s,2H)。
MS(ESI)m/z=906.41[M+H]
実施例11
【化41】
【0216】
7f(10mg,0.011mmol)のDMF(1mL)溶液にTEA(5.5mg,0.055mmol)及び無水酢酸(3.3mg,0.033mmol)を加え、室温下で2時間反応させ、反応液を分取HPLCで精製し、化合物11(6.5mg,収率:62%)を得た。
【0217】
H NMR(400MHz,DMSO-d6+D2O)δ7.61(d,J=1.6Hz,2H),7.27(s,2H),6.48(s,1H),5.84-5.58(m,2H),4.87(d,J=4.9Hz,4H),4.47(dd,J=13.8,6.8Hz,2H),4.01(s,2H),3.68(s,3H),3.33(s,4H),3.17-3.04(m,5H),2.87(s,4H),2.54(s,3H),2.07(s,3H),2.02(s,3H),1.97(s,2H),1.23(t,J=7.1Hz,3H),1.12(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=908.39[M+H]
【0218】
実施例7の合成方法に従い実施例12~23の化合物12~23も調製した。
実施例12
【化42】
【0219】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(40mg,0.044mmol)のメタノール(2mL)溶液に30%のホルムアルデヒド溶液(2滴)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、水素化ホウ素ナトリウム(5.2mg)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物12(29mg,収率:75%)を得た。
【0220】
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.79(s,1H),11.85(s,2H),8.03(s,1H),7.97(s,1H),7.65(s,1H),7.62(s,1H),7.36(s,2H),7.34(s,2H),6.49(s,1H),5.97-5.84(m,1H),5.79-5.65(m,1H),4.96(d,J=3.9Hz,2H),4.86(d,J=5.3Hz,2H),4.49(q,J=7.0Hz,3H),4.15-4.08(m,4H),3.83(s,8H),3.64(s,5H),3.44(s,4H),3.22(s,2H),3.09(q,J=7.5Hz,2H),2.86(d,J=20.8Hz,3H),2.55(s,3H),2.09(s,5H),1.25(t,J=7.1Hz,3H),1.14(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=880.4[M+H]
実施例13
【化43】
【0221】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(50mg,0.058mmol)のメタノール溶液にアセトアルデヒド(18mg)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13mg,0.21mmol)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物13(30mg,収率:58%)を得た。
【0222】
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.80(s,1H),11.80(s,1H),8.03(s,1H),7.96(s,1H),7.65(s,1H),7.63(s,1H),7.36(s,3H),7.34(s,1H),6.50(s,1H),5.94-5.89(m,1H),5.78-5.70(m,1H),4.96(d,J=3.8Hz,2H),4.86(d,J=5.3Hz,2H),4.50(q,J=6.9Hz,2H),4.09(t,J=5.5Hz,2H),3.68(s,4H),3.38(s,4H),3.20(s,4H),3.09(q,J=7.5Hz,2H),2.54(s,3H),2.09(s,5H),1.26(q,J=6.9Hz,6H),1.14(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=894.41[M+H]
実施例14
【化44】
【0223】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(50mg,0.058mmol)のメタノール溶液にアセトン(3mL)を加え、さらに、酢酸でpHを4程度に調整し、50℃まで加熱し、4時間反応させ、反応液を0℃まで冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(11mg,0.17mmol)を加え、室温下で一晩反応させ、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物14(23mg,収率:43.7%)を得た。
【0224】
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.80(s,1H),11.86(s,1H),8.03(s,1H),7.96(s,1H),7.65(s,1H),7.63(s,1H),7.36(s,3H),7.34(s,1H),6.50(s,1H),5.99-5.87(m,1H),5.79-5.70(m,1H),4.96(d,J=4.2Hz,2H),4.86(d,J=5.5Hz,2H),4.50(q,J=6.9Hz,2H),4.10(t,J=5.5Hz,2H),3.83(s,3H),3.71-3.37(m,8H),3.22(s,2H),3.09(q,J=7.4Hz,2H),2.54(s,3H),2.09(s,5H),1.30(d,J=6.5Hz,5H),1.25(t,J=7.1Hz,3H),1.14(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=908.43[M+H]
実施例15
【化45】
【0225】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(50mg,0.058mmol)のメタノール溶液に1-エトキシ-1-トリメチルシロキシシクロプロパン(48mg,0.277mmol)を加え、さらに、酢酸でpHを4程度に調整し、その後、醋酸水素化ホウ素ナトリウム(47mg,0.22mmol)を加え、50℃に加熱して一晩反応させ、LCMSよりすべて中間体のイミンへ変換したことが示されたら、室温まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(10mg,0.16mmol)を加えた。水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物15(9mg,収率17%)を得た。
【0226】
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.82(s,1H),8.03(s,1H),7.96(s,1H),7.66(s,1H),7.64(s,1H),7.45-7.26(m,3H),6.52(s,1H),5.98-5.84(m,1H),5.79-5.68(m,1H),4.95(s,2H),4.85(d,J=5.4Hz,2H),4.52(dd,J=14.2,7.2Hz,2H),4.03(s,1H),3.79(s,2H),3.66-3.14(m,6H),3.10(dd,J=15.0,7.5Hz,2H),2.53(s,2H),2.11(s,2H),1.99(s,1H),1.27(t,J=7.1Hz,2H),1.15(t,J=7.5Hz,2H),0.99(s,2H),0.74(s,2H)。
MS(ESI)m/z=906.41[M+H]
実施例16
【化46】
【0227】
化合物(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(20mg,0.023mmol)のメタノール溶液に30%のホルムアルデヒド液(2滴)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、水素化ホウ素ナトリウム(2.6mg,0.069mmol)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物16(10mg,収率:48%)を得た。
【0228】
MS(ESI)m/z=896.37[M+H]
実施例17
【化47】
【0229】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(60mg,0.07mmol)のメタノール溶液にアセトアルデヒド(18mg)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13mg,0.21mmol)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物17(26mg,収率:41%)を得た。
【0230】
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.80(s,1H),11.77(s,1H),8.06(s,1H),7.98(s,1H),7.85(s,1H),7.63(s,2H),7.40(s,1H),7.36(s,2H),6.51(s,1H),5.92-5.79(m,1H),5.79-5.68(m,1H),5.15(d,J=2.6Hz,2H),4.91(d,J=3.9Hz,2H),4.51(dd,J=14.1,7.0Hz,4H),4.14(t,J=5.3Hz,2H),3.70(s,4H),3.39(s,5H),3.20(s,4H),3.09(q,J=7.4Hz,2H),2.53(s,3H),2.45(s,3H),2.13(s,2H),2.09(s,3H),1.33-1.19(m,7H),1.14(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=910.39[M+H]
実施例18
【化48】
【0231】
((E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(60mg,0.07mmol)のメタノール溶液にアセトン(3mL)を加え、さらに、酢酸でpHを4程度に調整し、50℃まで加熱し、4時間反応させ、反応液を0℃まで冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(11mg,0.17mmol)を加え、室温下で一晩反応させ、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物18(17mg,26%)を得た。
【0232】
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.81(s,1H),12.12(s,1H),11.84(s,1H),8.06(s,1H),7.98(s,1H),7.85(s,1H),7.63(s,2H),7.41(s,1H),7.37(s,2H),6.52(s,1H),5.91-5.67(m,2H),5.15(d,J=2.5Hz,2H),4.91(d,J=3.5Hz,2H),4.51(q,J=7.0Hz,2H),4.16(t,J=5.6Hz,2H),3.81-3.39(m,10H),3.24(s,2H),3.09(q,J=7.4Hz,2H),2.54(s,3H),2.45(s,4H),2.14(s,2H),2.09(s,3H),1.30(d,J=6.5Hz,6H),1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.14(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(ESI)m/z=924.40[M+H]
実施例19
【化49】
【0233】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(60mg,0.07mmol)のメタノール溶液に1-エトキシ-1-トリメチルシロキシシクロプロパン(48mg,0.277mmol)を加え、さらに、酢酸でpHを4程度に調整し、その後、醋酸水素化ホウ素ナトリウム(47mg、0.22mmol)を加え、50℃に加熱して一晩反応させた、LCMSよりすべて中間体のイミンへ変換したことが示されたら、室温まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(10mg,0.16mmol)を加えた。水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物19(16mg,収率:25%)を得た。
【0234】
MS(ESI)m/z=922.39[M+H]
実施例20
【化50】
【0235】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(10mg,0.011mmol)のメタノール溶液に30%のホルムアルデヒド液(2滴)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、さらに、水素化ホウ素ナトリウム(1.3mg,0.033mmol)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物20(5mg,収率:51%)を得た。
【0236】
MS(ESI)m/z=896.37[M+H]
実施例21
【化51】
【0237】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(60mg,0.07mmol)のメタノール溶液にアセトアルデヒド(18mg)を加え、0.5時間後、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、そして、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13mg,0.21mmol)を加え、3時間反応させた後、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物21(8mg,収率:12%)を得た。
【0238】
H NMR(400M,MeOD-d4)δ7.83-7.90(m,1H),7.74-7.79(m,1H),7.68-7.74(m,1H),7.34-7.45(m,1H),6.75-6.83(m,1H),5.82-6.02(m,2H),5.18-5.34(m,4H),4.67-4.79(m,2H),4.17-4.28(m,2H),3.54-3.99(m,8H),3.36-3.47(m,4H),3.26-3.30(m,2H),2.89(s,3H),2.58(s,3H),2.32(s,3H),2.17-2.27(m,2H),1.42-1.53(m,6H),1.32-1.39(m,3H)。
MS(ESI)m/z=910.39[M+H]
実施例22
【化52】
【0239】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(60mg,0.07mmol)のメタノール溶液にアセトン(3mL)を加え、さらに、酢酸でpHを4程度に調整し、50℃まで加熱し、4時間反応させ、反応液を0℃まで冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(11mg,0.17mmol)を加え、室温下で一晩反応させ、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物22(17mg,26%)を得た。
【0240】
H NMR(400M、MeOD-d4)δ7.85-7.90(m,1H),7.74-7.79(m,1H),7.70-7.74(m,1H),7.37-7.41(m,1H),6.78-6.83(m,1H),5.82-6.01(m,2H),5.18-5.34(m,4H),4.68-4.78(m,2H),4.19-4.26(m,2H),3.66-3.87(m,8H),3.40-3.47(m,2H),3.28-3.32(m,2H),2.89(s,3H),2.58(s,3H),2.32(s,3H),2.18-2.28(m,2H),1.44-1.53(m,9H),1.31-1.40(m,3H)。
MS(ESI)m/z=924.40[M+H]
実施例23
【化53】
【0241】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド(40mg,0.045mmol)のメタノール溶液に1-エトキシ-1-トリメチルシロキシシクロプロパン(39mg,0.225mmol)を加え、そして、酢酸を加えてpHを4程度に調整し、その後、醋酸水素化ホウ素ナトリウム(47mg,0.22mmol)を加え、50℃まで加熱して一晩反応させ、水を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物23(10mg,収率:24%)を得た。
【0242】
MS(ESI)m/z=922.39[M+H]
【0243】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドのDMF溶液にTEAおよび対応する酸塩化物を加え、室温下で2時間反応させ、反応液を分取HPLCで精製し、化合物24、25、26、27、28を得た。化合物の構造及び特性は、以下の表1に示した。
【0244】
【表1】
【0245】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドのDMF溶液にTEA及び対応する酸塩化物を加え、室温下で2時間反応させ、反応液を分取HPLCで精製し、化合物29、30、31、32、33、34を得た。化合物の構造及び特性は、下記の表2に示した。
【0246】
【表2-1】
【表2-2】
【0247】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドのDMF溶液にTEA及び対応する酸塩化物を加え、室温下で2時間反応させ、反応液を分取HPLC精製し、化合物35、36、37、38、39、40を得た。化合物の構造及び特性は、下記の表3に示した。
【0248】
【表3-1】
【表3-2】
【0249】
(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドのDMF溶液にTEA及び対応する酸塩化物を加え、室温下で2時間反応させ、反応液を分取HPLC精製し、化合物41、42、43、44、45、46を得た。化合物の構造及び特性は、下記の表4所示:
【0250】
【表4-1】
【表4-2】
実施例47
【化54】
ステップ1:(E)-メチル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(((2-メトキシ-4-(メトキシカルボニル)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0251】
4e(2.1g,3.8mmol)をn-ブタノール(20mL)に分散させ、さらに、4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロ安息香酸メチル(0.93g,3.8mmol)及びDIPEA(2.5g,19mmol)を加えた。反応液を120℃まで昇温し、18時間撹拌した。減圧下で蒸留して得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、それぞれ水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、シリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2)で精製し、47a(2.0g,収率:70%)を得た。
【0252】
MS(ESI)m/z=766.2[M+H]
ステップ2:(E)-メチル-1-(4-(((2-アミノ-6-メトキシ-4-(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0253】
氷浴中で、47a(600mg,0.78mmol)のメタノール(5mL)溶液にアンモニア水(1mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(679mg,3.9mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥し、化合物47b(459mg,収率:80%)を得た。
【0254】
MS(ESI)m/z=736.3[M+H]
ステップ3:(E)-メチル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-5-(メトキシカルボニル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0255】
氷浴中で、47b(200mg,0.27mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(58mg,0.27mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(70mg,0.54mmol)及びHATU(102mg,0.27mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、47c(185mg,収率:75%)を得た。
【0256】
MS(ESI)m/z=915.3[M+H]
ステップ4:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0257】
47c(185mg,0.2mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)の混合溶液(5mL)に溶解し、水酸化リチウム(42mg,1.0mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物47d(141mg,収率:80%)を得た。
【0258】
MS(ESI)m/z=887.3[M+H]
ステップ5:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H)-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0259】
47d(141mg,0.16mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(152mg,0.4mmol)及びDIPEA(82mg,0.64mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(38mg,0.48mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物47(30mg,収率:43%)を得た。
【0260】
MS(ESI)m/z=885.4[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.81-12.98(m,2H),9.69-9.77(m,1H),7.93-8.02(m,2H),7.61-7.69(m,2H),7.37-7.43(m,2H),7.26-7.34(m,2H),5.71-5.90(m,4H),4.80-4.94(m,4H),4.46-4.54(m,2H),3.90-4.00(m,4H),3.75(s,3H),3.58-3.64(m,4H),3.21-3.26(m,2H),3.05-3.20(m,6H),2.93-3.00(m,2H),2.64-2.70(m,2H),2.31-2.36(m,2H),2.12(s,3H),1.80-1.94(m,4H),1.29(t,J=7.04Hz,3H),1.16(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例48
【化55】
ステップ1:(E)-メチル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0261】
氷浴中で、2g(0.51g,0.69mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.15g,0.69mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(0.27g,2.07mmol)及びHATU(0.32g,0.83mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、48a(0.48g,収率:77%)を得た。
【0262】
MS(ESI)m/z=915.3[M+H]
【0263】
ステップ2:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0264】
48a(0.48g,0.52mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)の混合溶液(20mL)に溶解し、水酸化リチウム水和物(0.22g,5.2mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物48b(0.45g,収率:97%)を得た。
【0265】
MS(ESI)m/z=886.3[M+H]
【0266】
ステップ3:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド))-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0267】
48b(0.45g,0.51mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(0.46g,1.22mmol)及びDIPEA(0.33g,2.55mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(0.2g,2.55mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物48(0.26g,収率:57%)を得た。
【0268】
MS(ESI)m/z=884.4[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.82-12.97(m,2H),9.55-9.85(m,1H),7.92-8.02(m,2H),7.61-7.67(m,2H),7.35-7.45(m,2H),7.28-7.35(m,3H),5.77-5.89(m,2H),4.86-4.93(m,4H),4.44-4.52(m,2H),4.03-4.07(m,2H),3.91-3.98(m,2H),3.73(s,3H),3.59-3.67(m,4H),3.26-3.32(m,4H),3.12-3.18(m,4H),2.95-3.04(m,2H),2.53(s,3H),2.09(s,3H),1.86-1.99(m,2H),1.26(t,J=7.04Hz,3H),1.17(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例49
【化56】
【0269】
ステップ1:(E)-メチル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル5-カルボン酸メチルの合成
【0270】
氷浴中で、4g(145mg,0.19mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(49mg,0.23mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(75mg,0.58mmol)及びHATU(89mg,0.23mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、49a(116mg,収率:64%)を得た。
【0271】
MS(ESI)m/z=931.3[M+H]
【0272】
ステップ2:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0273】
49a(116mg,0.12mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム水和物(54mg,12.4mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物49b(102mg,収率:90%)を得た。
【0274】
MS(ESI)m/z=903.3[M+H]
ステップ3:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド))-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0275】
49b(102mg,0.11mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(103mg,0.27mmol)及びDIPEA(88mg,0.68mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(27mg,0.34mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物49(46mg,収率:45%)を得た。
【0276】
MS(ESI)m/z=901.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.77-13.08(m,1H),10.91-10.99(m,1H),7.94-8.14(m,2H),7.83-7.90(m,1H),7.61-7.68(m,2H),7.31-7.48(m,3H),5.72-5.84(m,2H),5.09-5.17(m,2H),4.87-4.91(m,2H),4.41-4.49(m,2H),4.03-4.13(m,2H),3.86-3.97(m,2H),3.69-3.81(m,2H),3.22-3.33(m,2H),3.07-3.20(m,4H),2.91-3.04(m,2H),2.56(s,3H),2.47(s,3H),2.08(s,3H),1.99-2.07(m,2H),1.25(t,J=7.04Hz,3H),1.16(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例50
【化57】
【0277】
ステップ1:(E)-メチル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0278】
氷浴中で、4g(145mg,0.19mmol)のDMF(5mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(49mg,0.23mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(75mg,0.58mmol)及びHATU(89mg,0.23mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、50a(116mg,収率:64%)を得た。
【0279】
MS(ESI)m/z=930.3[M+H]
ステップ2:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0280】
50a(116mg,0.12mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム水和物(54mg,12.4mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物50b(103mg,収率:91%)を得た。
【0281】
MS(ESI)m/z=902.3[M+H]
【0282】
ステップ3:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0283】
50b(103mg,0.11mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(103mg,0.27mmol)及びDIPEA(88mg,0.68mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(27mg,0.34mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物50(36mg,収率35%)を得た。
【0284】
MS(ESI)m/z=900.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.79-12.99(m,1H),10.99-11.08(m,1H),7.89-8.16(m,2H),7.83-7.87(m,1H),7.63-7.67(m,2H),7.29-7.48(m,3H),5.75-5.81(m,2H),5.08-5.12(m,4H),4.88-4.92(m,4H),4.01-4.10(m,2H),3.86-3.95(m,2H),3.70-3.81(m,2H),3.21-3.30(m,2H),3.07-3.17(m,6H),2.90-3.01(m,2H),2.56(s,3H),1.97-2.09(m,2H),1.17(dt,J=7.44、3.00Hz,6H)。
実施例51
【化58】
【0285】
ステップ1:(E)-メチル-1-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0286】
氷浴中で、4c(0.74g,1.55mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.34g,1.55mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(0.6g,4.65mmol)及びHATU(0.71g、1.86mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、51a(0.88g,収率:86%)を得た。
【0287】
MS(ESI)m/z=658.3[M+H]
【0288】
ステップ2:(E)-メチル-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0289】
氷浴中で、51a(0.88g,1.34mmol)のDCM(40mL)にTFA(3mL)を加え、その後、室温まで昇温し、2時間反応させた。減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、酢酸エチルを加えた後、減圧下でスピン乾燥し、遊離TFAを除去し、化合物51b(0.66g,収率:88%)を得た。
【0290】
MS(ESI)m/z=558.3[M+H]
【0291】
ステップ3:(E)-メチル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-((4-(メトキシカルボニル)-2-(メチルチオ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0292】
51b(557mg,1mmol)のDMF(10mL)溶液にDIPEA(387mg,3mmol)及び4-フルオロ-3-メチルチオ-5-ニトロ安息香酸メチル(245mg,1mmol)を加え、室温で3時間を反応させた。反応液を水に加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、化合物51c(451mg,収率:58%)を得た。
【0293】
MS(ESI)m/z=783.3[M+H]
【0294】
ステップ4:(E)-1-(4-((2-アミノ-4-(メトキシカルボニル)-6-(メチルチオ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2)メチルエステル-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノメチル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0295】
氷浴中で、51c(451mg,0.58mmol)のメタノール(5mL)溶液にアンモニア水(1mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(502mg,2.88mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製し、化合物51d(417mg,収率:94%)を得た。
【0296】
MS(ESI)m/z=753.3[M+H]
【0297】
ステップ5:(E)-メチル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0298】
氷浴中で、51d(139mg,0.193mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(46mg,0.232mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(75mg,0.579mmol)及びHATU(89mg,0.232mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、51e(120mg,収率:71%)を得た。
【0299】
MS(ESI)m/z=914.3[M+H]
【0300】
ステップ6:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0301】
51e(120mg,0.13mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム(55mg,1.31mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物51f(112mg,収率:96%)を得た。
【0302】
MS(ESI)m/z=886.3[M+H]
【0303】
ステップ7:(E)-1-(4-(5-(5-カルバモイル-2-)(1-スチレン-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-スチレン-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-アンスリルアミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0304】
51f(112mg,0.126mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(116mg,0.304mmol)及びDIPEA(98mg,0.759mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(30mg,0.380mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物51(51mg,収率:46%)を得た。
【0305】
MS(ESI)m/z=884.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.76-13.12(m,1H),11.07-11.17(m,1H),7.95-8.13(m,2H),7.85-7.90(m,1H),7.61-7.70(m,2H),7.31-7.46(m,3H),6.51(s,1H),5.71-5.76(m,2H),5.09-5.16(m,2H),4.89-4.96(m,2H),4.42-4.47(m,4H),4.00-4.07(m,2H),3.85-3.94(m,2H),3.70-3.81(m,2H),3.18-3.28(m,2H),3.04-3.13(m,2H),2.87-3.00(m,2H),2.45(s,3H),2.10(s,6H),1.95-2.04(m,2H),1.23-1.32(m,6H)。
実施例52
【化59】
【0306】
ステップ1:(E)-メチル-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル5-カルボン酸メチルの合成
【0307】
氷浴中で、51d(139mg,0.193mmol)のDMF(5mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(49mg,0.232mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(75mg,0.579mmol)及びHATU(89mg,0.232mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、52a(118mg,収率:68%)を得た。
【0308】
MS(ESI)m/z=931.3[M+H]
【0309】
ステップ2:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0310】
52a(118mg,0.13mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム(55mg,1.31mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、を得た。化合物52b(110mg,収率:96%)。
【0311】
MS(ESI)m/z=903.3[M+H]
【0312】
ステップ3:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド))-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0313】
52b(110mg,0.122mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(112mg,0.293mmol)及びDIPEA(95mg,0.732mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(29mg,0.366mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物52(32mg,収率:29%)を得た。
【0314】
MS(ESI)m/z=901.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.93-12.98(m,1H),10.88-10.96(m,1H),7.94-8.13(m,2H),7.84-7.88(m,1H),7.63-7.68(m,2H),7.28-7.46(m,3H),5.70-5.83(m,2H),5.06-5.12(m,2H),4.90-4.96(m,2H),4.45-4.52(m,4H),3.98-4.06(m,2H),3.86-3.94(m,2H),3.68-3.80(m,2H),3.19-3.27(m,2H),3.05-3.16(m,4H),2.88-3.00(m,2H),2.49(s,6H),2.10(s,3H),1.93-2.03(m,2H),1.28(t,J=7.04Hz,3H),1.16(t,J=7.48Hz,3H)。
実施例53
【化60】
【0315】
ステップ1:(E)-メチル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ))-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0316】
氷浴中で、51d(139mg,0.193mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(49mg,0.232mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(75mg,0.579mmol)及びHATU(89mg,0.232mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、53a(108mg,収率:62%)を得た。
【0317】
MS(ESI)m/z=932.3[M+H]
【0318】
ステップ2:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0319】
53a(108mg,0.12mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:1/1/1)との混合溶液に溶解し、水酸化リチウム(49mg,1.16mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物53b(100mg,収率:95%)を得た。
【0320】
MS(ESI)m/z=904.3[M+H]
【0321】
ステップ3:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0322】
53b(100mg,0.111mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(102mg,0.266mmol)及びDIPEA(88mg,0.665mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(27mg,0.333mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物53(41mg,収率:41%)を得た。
【0323】
MS(ESI)m/z=902.3[M+H]
H NMR(400M,DMSO-d6)δ12.89-13.08(m,1H),10.47-10.57(m,1H),7.92-8.13(m,2H),7.85-7.89(m,1H),7.61-7.69(m,2H),7.30-7.48(m,3H),5.74-5.79(m,2H),5.09-5.16(m,2H),4.89-4.95(m,2H),4.41-4.49(m,6H),4.03-4.07(m,2H),3.89-3.95(m,2H),3.66-3.75(m,2H),3.21-3.30(m,2H),3.08-3.17(m,2H),2.92-3.02(m,2H),2.45(s,3H),2.10(s,3H),2.08(s,3H),1.91-2.03(m,2H),1.20-1.30(m,6H)。
実施例54
【化61】
【0324】
ステップ1:(E)-メチル-1-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0325】
氷浴中で、4c(3.0g,6.27mmol)のDMF(30mL)溶液に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(1.35g,6.90mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(1.62g,12.54mmol)及びHATU(2.62g,6.9mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、3時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、54a(3.21g,収率:80%)を得た。
【0326】
MS(ESI)m/z=640.3[M+H]
【0327】
ステップ2:(E)-メチル-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0328】
氷浴中で、54a(3.20g,4.0mmol)のDCM(30mL)にTFA(5mL)を加え、その後、室温まで昇温し、2時間反応させた。減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、酢酸エチルを加えた後、減圧下でスピン乾燥し、遊離TFAを除去し、化合物54b(4.2g)を得、そのまま次のステップに使った。
【0329】
MS(ESI)m/z=540.3[M+H]
【0330】
ステップ3:(E)-メチル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-((4-(メトキシカルボニル)-2-(メチルチオ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0331】
54b(296mg,粗生成物,0.37mmol)のDMF(10mL)溶液にDIPEA(143mg,1.1mmol)及び4-フルオロ-3-メチルチオ-5-ニトロ安息香酸メチル(91mg,0.37mmol)を加え、室温で3時間を反応させた。反応終了後、混合液を水に加え、濾過し、水で洗浄して乾燥させた後、54c(120mg,収率:42%)を黄色の固体として得た。
【0332】
MS(ESI)m/z=765.3[M+H]
【0333】
ステップ4:(E)-メチル-1-(4-(((2-アミノ-4-(メトキシカルボニル)-6-(メチルチオ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸メチルの合成
【0334】
氷浴中で、54c(120mg,0.16mmol)のメタノール(5mL)溶液にアンモニア水(1mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(140mg,0.8mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=10/1、v/v)で精製し、化合物54d(55mg,収率:48%)を得た。
【0335】
MS(ESI)m/z=735.3[M+H]
【0336】
ステップ5:(E)-メチル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-5-(メトキシカルボニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル 5-カルボン酸メチルの合成
【0337】
氷浴中で、54d(55mg,0.074mmol)のDMF(5mL)溶液に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(16mg,0.08mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(20mg,0.15mmol)及びHATU(34mg,0.09mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、3.5時間反応させた。反応液をゆっくりと水に加え、白色っぽい固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、54e(50mg,収率:75%)を得た。
【0338】
MS(ESI)m/z=897.0[M+H]
【0339】
ステップ6:(E)-1-(4-(5-カルボキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボン酸の合成
【0340】
54e(50mg,0.056mmol)をメタノールとテトラヒドロフランと水(体積比:2/1/0.5)の混合溶液(3.5mL)に溶解し、水酸化リチウム(12mg,0.28mmol)を加えた。75℃まで昇温し、撹拌しながら一晩反応させた。回転蒸発により有機溶媒を除去し、室温まで冷却し、氷浴中で固体が析出しなくなるまで希塩酸(1M)で調整し、濾過して固体を乾燥させ、化合物54f(38mg,収率:78%)を得た。
【0341】
MS(ESI)m/z=867.0[M+H]
【0342】
ステップ7:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(メチルチオ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0343】
54f(38mg,0.043mmol)をDMF(5mL)に溶解し、HATU(49mg,0.129mmol)及びDIPEA(30mg,0.215mmol)を加えた。0.5時間後、重炭酸アンモニウム(16mg,0.131mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、分取HPLCで精製し、化合物54(18mg,収率:47%)を白色固体として得た。
【0344】
MS(ESI)m/z=866.3[M+H]
H NMR(400MHz,DMSO)δ12.98(s,2H),9.79(s,1H),8.06(s,1H),7.95(s,1H),7.87(d,J=1.3Hz,1H),7.66(s,1H),7.63(d,J=1.3Hz,1H),7.43(s,1H),7.37(s,1H),7.29(s,1H),6.52(s,1H),6.51(s,1H),5.78-5.61(m,2H),5.12(s,2H),4.90(s,2H),4.52(p,J=7.3Hz,4H),4.00(t,J=5.6Hz,2H),3.94(d,J=12.4Hz,2H),3.26(d,J=11.8Hz,3H),3.11(s,3H),2.97(s,3H),2.43(d,J=8.4Hz,3H),2.12(s,3H),2.10(s,3H),1.96-1.81(m,2H),1.28(td,J=7.1,4.1Hz,6H)。
実施例55
【化62】
【0345】
ステップ1:(E)-1-(4-((2-(3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0346】
化合物1e(3.0g,7.3mmol)、3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(2.84g,7.3mmol)及びDIPEA(4.7g,36.5mmol)をn-ブタノール(60mL)に混合して溶解し、反応混合物を120℃まで昇温し、同温度で48時間撹拌し、室温まで冷却した後、水を加えて希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、回転蒸発により溶剤を除去して得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離剤:アセトニトリル/水=50/50、v/v)で分離し、化合物55a(4.2g,収率:75%)を得た。
【0347】
MS(ESI)m/z=764.3[M+H]
【0348】
ステップ2:(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0349】
氷浴中で、アンモニア水(5.5mL)を化合物55a(4.2g,5.5mmol)のメタノール(40mL)溶液に滴下し、反応液を0℃で10分間撹拌し後、亜ジチオン酸ナトリウム(4.8g,27.5mmol)の水溶液(10mL)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温にゆっくりと戻し、撹拌を3時間続いた。ろ過して無機塩を除去し、濾液をスピン乾燥して得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(溶離剤:アセトニトリル/水=60/40、v/v)で分離し、化合物55b(2.8g,収率:69%)を、白色固体として得た。
【0350】
MS(ESI)m/z=734.3[M+H]
【0351】
ステップ3:(E)-N-(7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0352】
氷浴中で、4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(805mg,3.8mmol)を化合物55b(2.8g,3.8mmol)のDMF(40mL)に加え、20分間後、HATU(1.59g,4.18mmol)及びDIPEA(980mg,7.6mmol)を順に加え、室温下で撹拌を2時間続いた。反応終了後、水に注ぎ、固体が析出し、固体を濾過より回収して乾燥させた後、化合物55c(2.5g,収率:71%)を得た。
【0353】
MS(ESI)m/z=912.4[M+H]
【0354】
ステップ4:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7)-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0355】
化合物55c(2.5g,2.7mmol)のTHF(10mL)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリド(8.1mL,1Mのテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温下で4時間撹拌しながら反応させた。回転蒸発により溶剤を除去し、粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離剤:アセトニトリル/水=40/60、v/v)で分離し、化合物55(1.6g,収率:74%)を得た。
【0356】
MS(ESI)m/z=798.3[M+H]
実施例56
【化63】
【0357】
氷浴中で、化合物55(100mg,0.12mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にトリエチルアミン(36mg,0.36mmol)及びメタンスルホニルクロリド(14mg,0.13mmol)を加えた。室温まで昇温し、2時間反応させ、LCMSより反応が完了したことが示された。反応液に炭酸カリウム(50mg,0.36mmol)及び8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(68mg,0.6mmol)を加え、50℃に昇温して2時間反応させ、回転蒸発により溶剤を除去した。粗生成物を分取HPLCで精製し、化合物56(15mg)を得た。
【0358】
化合物56の製造方法に従い、化合物55及び対応するアミンを原料として、化合物57、58、59、60、61、62、63、64を得た。化合物の構造及び特性は、下記の表5に示した。
【0359】
【表5-1】
【表5-2】
実施例65
【化64】
【0360】
ステップ1:4-アミノ-2-フルオロ-5-メトキシベンズアミドの合成
【0361】
室温下で、2-フルオロ-5-メトキシ-4-ニトロベンズアミド(10g,46.7mmol)のメタノール(100mL)溶液に10%のパラジウム炭素(1.5g)を加え、室温下で水素化反応を5時間行い、濾過よりパラジウム炭素を除去し、濾液をスピン乾燥し、化合物65a(7.7g,収率:89%)を得た。
【0362】
MS(ESI)m/z=185[M+H]
【0363】
ステップ2:(E)-(4-((4-カルバモイル-5-フルオロ-2-メトキシフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチルの合成
【0364】
化合物65a(7.5g,40.7mmol)をDMF(150mL)に溶解し、炭酸カリウム(8.4g,61mmol)及び(E)-(4-ブロモブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(10.1g,40.7mmol)を順に加えた。60℃まで昇温して8時間反応させ、冷却後、濾過して無機塩を除去し、濾液をスピン乾燥し、酢酸エチルで溶解した後、それぞれ水および飽和食塩水で洗浄し、有機相をスピン乾燥し、その後、シリカゲルカラム(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)で精製し、化合物65b(5.2g,収率36%)を得た。
【0365】
MS(ESI)m/z=354[M+H]
【0366】
ステップ3:(E)-(4-((4-カルバモイル-5-フルオロ-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチルの合成
【0367】
化合物65b(5.2g,14.7mmol)を無水酢酸(30mL)に溶解し、氷浴中で0℃に冷却した後、硝酸(1.7g,17.6mmol、65%の純度)を反応液に滴下し、0℃で保持しながら2時間反応させた。反応液を水に加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機相を濃縮した後、シリカゲルカラム(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製し、化合物65c(2g,収率34%)を得た。
【0368】
MS(ESI)m/z=399[M+H]
【0369】
ステップ4:(E)-(4-((4-カルバモイル-5-フルオロ-2-メトキシ-6-アミノフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチルの合成
【0370】
氷浴中で、65c(2g,5mmol)のメタノール(20mL)溶液にアンモニア水(5mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(4.3g,25mmol)の水溶液を加え、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、スピン乾燥して得られた粗生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=50/1-30/1)で精製し、化合物65d(1.1g,収率:64%)を得た。
【0371】
MS(ESI)m/z=369[M+H]
【0372】
ステップ5:(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-4-フルオロ-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチルの合成
【0373】
氷浴中で、65d(1.1g,2.9mmol)のDMF(20mL)溶液に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(565mg,2.9mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(748mg,5.8mmol)及びHATU(1.3g,3.48mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、12時間反応させた。反応液を水にゆっくりと注ぎ、黄色の固体が析出し、濾過して固体を乾燥させ、65e(1.1g,収率:75%)を得た。
【0374】
MS(ESI)m/z=530[M+H]
【0375】
ステップ6:(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルぼん酸めちるの合成
【0376】
氷浴中で、65e(1.1g,2.1mmol)のDCM(10mL)にTFA(5mL)を加え、その後、室温まで昇温し、2時間反応させた。減圧下で回転蒸発により溶剤を除去し、酢酸エチルを加えた後で減圧下でスピン乾燥し、遊離TFAを除去し、化合物65f(1.5g,トリフルオロ酢酸を含む)を得た。
【0377】
MS(ESI)m/z=430[M+H]
【0378】
ステップ7:(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-4-フルオロ-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0379】
65f(1.5g,2.1mmol、57%の純度)をn-ブタノール(10mL)に分散させ、そして、4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(720mg,2.1mmol)及びDIPEA(1.35g,10.5mmol)を加えた。反応液を120℃まで昇温し、18時間撹拌した。減圧下で蒸留して得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、それぞれ水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後でスピン乾燥し、シリカゲルカラム(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=30/1)で精製し、65g(770mg,収率:49%)を得た。
【0380】
MS(ESI)m/z=737.[M+H]
【0381】
ステップ8:(E)-1-(4-(((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-4-フルオロ-7-メトキシ-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-5-カルボキサミドの合成
【0382】
氷浴中で、65g(500mg,0.68mmol)のメタノール(10mL)溶液にアンモニア水(1mL)を加え、10分間後、亜ジチオン酸ナトリウム(591mg,3.4mmol)の水溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、2時間反応させた。ろ過して無機塩を除去し、濾液を濃縮して粗生成物を得、そして、逆相カラムクロマトグラフィー(溶離剤:アセトニトリル/水=60/40)を使って化合物65h(200mg,収率:41%)を得た
【0383】
MS(ESI)m/z=707[M+H]
【0384】
ステップ9:(E)-N-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-4-フルオロ-7-メトキシ-1H)-ベンズ[d]イミダゾリル-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンズ[d]イミダゾリル-2-イル)-4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキサミドの合成
【0385】
氷浴中で、65h(100mg,0.14mmol)のDMF(3mL)溶液に4-エチル-2-メチルチアゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(30mg,0.14mmol)を加えた。0.5時間反応させた後、DIPEA(54mg,0.42mmol)及びHATU(53mg,0.14mmol)を加え、その後、室温まで昇温し、2時間反応させた。反応液を分取HPLCで精製し、65(20mg,収率:16%)を得た。
【0386】
MS(ESI)m/z=885[M+H]
【0387】
以下、本発明の有益な効果について、実験例を通して説明する。
実験例1:本発明に係る化合物のSTINGタンバク質への結合親和力の測定
【0388】
(1)実験方法
化合物のSTINGタンバク質への結合親和力は、タンパク質の熱伝達実験(TSA)により測定した。20mM Hepes、150mM NaCl、1mM MgCl、1mM DTT、pH=7.5の緩衝液に、100ug/ml STINGタンバク質を異なる濃度の化合物および5X SYPRO オレンジ色素と混合し、qPCR機器でタンパク質の溶解曲線を測定し、Protein Thermal Shift Software 1.3ソフトでTm値をフィッティングし、異なる濃度の化合物を加えた場合と化合物を加えなかった場合とのタンパク質のTm差を計算し、化合物の濃度によるΔTmの変化に応じてフィッティングして解離定数Kdを得た。文献(Nature.2018 Dec,564(7736):439-443)に報告された化合物3を陽性参照化合物として使用した。試験結果は、表6に示し、各化合物のKd値は、以下の説明に従って分類する。
「+」は、Kd値が10μMを超えることを示す。
「++」は、Kd値が10μM未満で1μMを超えることを示す。
「+++」は、Kd値が1μM未満であることを示す。
Kdは低いほど、化合物のSTINGタンバク質への結合親和力が強いことを示す。
【0389】
(2)実験結果
【表6】
【0390】
上記の実験結果から、本発明に係る化合物が、参照化合物のインビトロ親和力と同等の、STINGタンバク質と結合する良好な能力を有することを示し、従って、本発明に係る化合物は有効なSTINGタンバク質の調節剤として使用することができる。
実験例2.STINGタンバク質に対する本発明に係る化合物のアゴニスト機能の測定
【0391】
(1)実験方法
本実験では、化合物の刺激によるヒト末梢血単球細胞株のTHP1細胞(上海セルバンク)から産生されたIFN-β及びCXCL10(IP10)サイトカインの変化を検出することにより、stingアゴニストの機能を評価した。実験の初日には、IFN-β(R&D、#DY814-05)及びIP10(BD、#550926)ELISAテストキット取扱説明書に従ってELISAプレートをコーティングした。化合物をDMSOに溶解してストック溶液とし、そして、培地で2Xの作業濃度に希釈し、ウェルあたり100μLになるように96ウェルプレートに加え、対数増殖期にあるTHP1細胞を計数し、そして、2×10/mLの濃度になるように希釈し、上記の化合物を含む96ウェルプレートにウェルあたり100μLで加え、よく混ぜ、37℃、5%COのインキュベーターで18時間培養した。次の日には、上記の細胞培養上清を、ウェルあたり100μL取り、IFN-βおよびIP10 ELISAテストキットに従ってそれぞれ検出し、OD450値を読み取り、検量線に従ってIFN-β及びIP10の濃度に変換し、GraphPad 5.0により用量反応曲線を適合させてEC50値を求めた。EC50は、半数効果濃度(concentration for 50% of maximal effect,EC50)であり、50%の個体に効果を引き起こす薬物濃度である。
陽性参照化合物としては、文献(Nature.2018 Dec;564(7736):439-443)に報告されている化合物3を使用した。
【0392】
(2)実験結果
実験結果は下記の表7に示される。ただし、各化合物のEC50値は、以下の説明に従って分類する。
「+」は、EC50値が1μMを超えることを示す。
「++」は、EC50値が1μM未満で100nMを超えることを示す。
「+++」は、EC50値が100nM未満で10nMを超えることを示す。
「++++」は、EC50値が10nM未満であることを示す。
【0393】
【表7】
【0394】
上記の実験データは、本発明に係る化合物がTHP1細胞を刺激してIFN-β及びCXCL10(IP10)サイトカインを生じる良好な活性を有し、優れたSTINGタンバク質アゴニスト機能を持つことを示している。特に、参照化合物と比較して、化合物2、4、5、15、19、23、35、40、49、50、51、52、53などの本発明に係る化合物は、同等またはそれ以上の、免疫細胞を刺激してサイトカインを生じる活性を有する。
実験例3.マウス生体内でのIFN-β誘導実験
【0395】
(1)実験方法
Balb/Cマウスの背中に5×10個のCT26細胞を皮下接種した。接種後、腫瘍体積が200-300mm範囲にある担癌マウスを選んで実験を行った。腫瘍の体積とセグメントのランダムな方法に従って、各グループに3匹ずつ、合わせて21グループにランダムに群分けした。異なるの用量の医薬品(本発明の化合物)を尾静脈を介して注入した。ただし、対照群は、対照溶媒(5%のDMSO、40%のPEG400を生理食塩水で調製した)を投与した。投与3時間後、マウス眼窩静脈から採血し、抗凝固剤としてEDTA・2Kを使用した。採取したマウス全血8000gを5分間遠心分離した後で上層の血漿を採取した。投与3時間後、マウス腫瘍組織を採取し、秤量し、そして9倍の体積のPBSを加えて均一化した。ホモジネートを10000 rpmで15分間遠心分離した後、上清を回収し検出に用意した。IFN-βテストキット(R&D、#DY814-05)に従ってそれぞれ検出し、OD450値を読み取り、検量線に従ってIFN-βの濃度に変換した。
【0396】
(2)実験結果
実験結果から、マウスの尾静脈投与が血液および腫瘍においてSTING経路の下流のIFN-βの放出を誘導することができることを示している。本発明に係る化合物を投与した後の腫瘍内のIFN-βレベルが血漿中のIFN-βレベルの3倍以上であり、サイトカインが腫瘍組織に比較的濃縮されており、血中のサイトカインが少ないことを示し、より高い治療可能域を有することが示唆されている。
実施例4.本発明に係る化合物の腫瘍阻害効果(CT26腫瘍モデル)
【0397】
(1)実験方法
Balb/cマウスを1週間休ませた後、各マウスに5×10個の細胞を含む細胞懸濁液を100uL接種するように、CT26細胞を背中に皮下接種した。平均腫瘍体積が120mm程度に成長すると、腫瘍の体積サイズに従って、各グループに5匹ずつ、ランダムに群分けした。群分け後の1、4、8日目に、各グループのマウスに尾静脈から静脈内投与した。ただし、対照群は、対照溶媒(5%のDMSO、40%のPEG400を生理食塩水で調製した)を投与した。群分け当日に、最初の投与後週3回、安楽死の前、バーニアキャリパーで腫瘍の長径および短径を測定し、腫瘍体積を計算し、腫瘍体積に基づき腫瘍の成長曲線を描いた。腫瘍体積は、次の式に従って計算した:V=1/2×長径×短径×短径。
【0398】
(2)実験結果
実験結果が図1に示され、本発明の実施例で製造された化合物は、投与20日後、腫瘍増殖を効果的に阻害することができ、また、用量依存的な腫瘍増殖の阻害効果を示すことができる。
実施例5.本発明に係る化合物の腫瘍阻害効果(H22腫瘍モデル)
【0399】
(1)実験方法
昆明マウスを1週間休ませた後、各マウスに5×10個の細胞を含む細胞懸濁液を100uL接種するように、H22細胞を背中に皮下接種した。平均腫瘍体積が200mm程度に成長すると、腫瘍の体積サイズに従って、各グループに7匹ずつ、ランダムに群分けした。群分け後の1、4、8日目に、それぞれ高、中、低の用量群におけるマウスに尾静脈から(本発明に係る化合物)静脈内投与したか、又は1、8、15日目に高用量群におけるマウスに尾静脈から静脈内投与した。ただし、対照群は、対照溶媒(5%のDMSO、40%のPEG400を生理食塩水で調製した)を投与した。群分け当日に、最初の投与後週に3回、安楽死の前、バーニアキャリパーで腫瘍の長径および短径を測定し、腫瘍体積を計算し、そして、腫瘍体積に基づき腫瘍の成長曲線を描いた。腫瘍体積は、次の式に従って計算した:V=1/2×長径×短径×短径。
【0400】
(2)実験結果
本発明に係る化合物は、投与30日後、腫瘍増殖を効果的に阻害することができ、また、用量依存的な腫瘍増殖の阻害効果を示すことができる。
実施例6.本発明に係る化合物の腫瘍阻害効果(腫瘍再刺激モデル)
【0401】
(1)実験方法
上記の実験例4のCT26抗腫瘍効果モデルにおける腫瘍退縮を伴う各グループのマウスを引き続き観察し、最後の投与から30日後、各マウスに5×10個の細胞を含む細胞懸濁液を100uL接種するように、再びに背中にCT26細胞を皮下接種した。薬物で治療されなかったマウスを対照群として、同様にCT26細胞を接種した。腫瘍を観察し、腫瘍の成長を記録した。
【0402】
(2)実験結果
実験結果は図2に示し、対照群は、接種後でCT26腫瘍が増殖することができるが、本発明に係る化合物での治療後に腫瘍が完全退縮したマウスは接種後で腫瘍が再び増殖することができなく、これらの化合物がマウスの免疫記憶メカニズムを活性化し、マウスが再接種された腫瘍細胞に対して免疫を持つことを示す。
【0403】
このように、本発明は、これらの化合物は、STINGと効果的に結合することができ、良好なSTINGタンバク質アゴニスト機能を有し、様々な腫瘍に対して良好な阻害効果を示し、またマウスの免疫記憶メカニズムを活性化して腫瘍の再刺激を阻害することもできる、式(I)で示される化合物を開示した。したがって、本発明に係る化合物は、STINGアゴニストとして様々な関連疾患を治療するために使用することができる。本発明に係る化合物は、STING活性に関連する疾患を治療する医薬品(特に、炎症性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染性疾患、癌又は前癌症候群を治療する医薬品)の製造、及び免疫アジュバントの製造において非常に良い応用の見通しがあり、臨床的にSTINGの活性に関連する疾患用医薬品の臨床的スクリーニング及び/又は製造において新しい選択肢を提供する。
図1
図2
【国際調査報告】