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特表2022-518865マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法及び照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/46 20060101AFI20220309BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20220309BHJP
   G01J 3/10 20060101ALI20220309BHJP
   F21K 9/60 20160101ALI20220309BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20220309BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220309BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20220309BHJP
【FI】
G01J3/46 Z
H01L33/00 L
G01J3/10
F21K9/60
F21V9/30
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545290
(86)(22)【出願日】2020-01-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2020071762
(87)【国際公開番号】W WO2020156130
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】201910102793.0
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010010559.8
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521341466
【氏名又は名称】▲じん▼ 鵬
【氏名又は名称原語表記】JIN, Peng
【住所又は居所原語表記】Room 211, Building 21, Yunjingli Community, Liyuan Town, Tongzhou District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】▲じん▼ 鵬
【テーマコード(参考)】
2G020
5F142
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020CB21
2G020CB36
2G020CB43
2G020CC26
2G020CD03
2G020CD34
2G020CD37
2G020DA02
2G020DA03
2G020DA04
2G020DA22
2G020DA33
2G020DA34
5F142AA25
5F142DA64
5F142DA73
5F142DB32
5F142DB40
5F142EA31
5F142GA21
(57)【要約】
本発明は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法及び照明システムを提供する。この方法は、色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させる。この方法は、LED制御チャネルをグループ化最適化により削減し、且つマルチチャネルLEDによって廃止された技術であるフィルターを使用することにより、制御チャネルの数が大幅に削減され、マルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションする光源は、分光スペクトルで変換する色度により制御しなければならないことがなく、単一の色度により制御できるという質的な変化を形成している。それにより、分析性能の低い純粋な色度技術は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするプロセスにおいて、分析性能の高い分光色度技術によって達成される光源性能を上回るか、又は到達することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で色温度調整方向に応じて、主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択して、演色評価数が90%よりも大きい主光源制御チャネルを構成するステップと、
選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn(n≧1)種類の波長が380-420nmにあるLEDを選択して、波長補足制御チャネルを構成するステップと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源であるLEDを選択し、この光源とフィルターで色温度調整制御用チャネルを構成し、色温度調整制御用チャネル光源の波長がLEDと混合色材の透明体で形成されており、前記混合色材は、顔料、染料、蛍光粉、量子ドットなどのスペクトルの一部を吸収した後この波長の光を放出できる物質、或いは、硬化可能な透明物体又は色材を包み且つ中間層にできる透明物体から選択されるステップと、
アンチグレア均質化レンズとLEDの垂直距離及び配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するステップと、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップとを含む、ことを特徴とするマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法。
【請求項2】
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で、色温度調整方向に応じて主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択するステップと、
1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標補正用フィルターを主光源の上に配置して演色評価数が90%よりも大きい主光源制御チャネルを構成するステップと、
選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長が380-420nmにあるLEDを波長補足制御チャネルの光源として選択するステップと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度により、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで波長補足制御チャネルを構成するステップと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源であるLEDを選択して、この光源とフィルターで色温度調整制御用チャネルを構成し、色温度調整制御用チャネル光源の波長がLEDと混合色材の透明体で形成されており、前記混合色材は、顔料、染料、蛍光粉、量子ドットなどのスペクトルの一部を吸収した後この波長の光を放出できる物質、或いは、硬化可能な透明物体又は色材を包み且つ中間層にできる透明物体から選択されるステップと、
アンチグレア均質化レンズとLEDの垂直距離及び配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するステップと、
色度測定の色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法。
【請求項3】
キーポイントの色温度の第2の主光源制御チャネルを追加するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法。
【請求項4】
マイクロコンピュータプロセッサと色度測定は、閉ループフィードバックシステムを形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法。
【請求項5】
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された1種類の高演色評価数LEDを主光源とする演色評価数が90%よりも大きい主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲と、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って選択されたシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長が380-420nmにあるLEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDとフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルであって、色温度調整制御用チャネル光源の波長がLEDと混合色材の透明体で形成されており、前記混合色材は、顔料、染料、蛍光粉、量子ドットなどのスペクトルの一部を吸収した後この波長の光を放出できる物質、或いは、硬化可能な透明物体又は色材を包み且つ中間層にできる透明物体から選択される色温度調整制御用チャネルと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
LEDまでの垂直距離と配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するためのアンチグレア均質化レンズと、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるためのマイクロコンピュータコントローラとを含む、ことを特徴とするマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システム。
【請求項6】
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された主光源である1種類の高演色評価数LEDと、主光源の上に配置される、1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標の補正フィルターで構成される、演色評価数が90%よりも大きい主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲とシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って、波長補足制御チャネルの光源として、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長が380-420nmにあるLEDを選択し、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度によりn種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDとフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルであって、色温度調整制御用チャネル光源の波長がLEDと混合色材の透明体で形成されており、前記混合色材は、顔料、染料、蛍光粉、量子ドットなどのスペクトルの一部を吸収した後この波長の光を放出できる物質、或いは、硬化可能な透明物体又は色材を包み且つ中間層にできる透明物体から選択される色温度調整制御用チャネルと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
LEDまでの垂直距離と配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するためのアンチグレア均質化レンズと、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるためのマイクロコンピュータコントローラとを含む、ことを特徴とする請求項5に記載のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システム。
【請求項7】
キーポイントの色温度を増加させる第2の主光源制御チャネルをさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システム。
【請求項8】
異なるイベントの発生を検出してマイクロコンピュータコントローラに送信するための挙動感知センサをさらに含み、前記マイクロコンピュータコントローラは、色度測定装置と共に閉ループフィードバックシステムを形成するためにも使用され、前記マイクロコンピュータコントローラは、挙動感知センサが送信したイベントを受信し、且つ異なるイベントに対応する色温度と照度の調整を制御するためにも使用される、ことを特徴とする請求項5に記載のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測色学用の光源の分野に属し、特にマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
当初、測色学の分野の標準照明体は、A、B、C、D、Eの5種類を含む。B及びC照明体光源のフィルターは、使用が不便であり、紫外線スペクトルエネルギーが含まれないため、第三回に更新された2004年国際照明委員会(CIE)015テクニカルレポートマニュアルには、過去の推奨事項の現在の廃止状況に含まれている。E照明体は、等エネルギー白光であり、人工的に認定された一貫した白色点の基準に属し、測色学用照明の分野に適用されていない。A照明体は、2856Kの色温度でほぼ滑らかで連続的なスペクトルエネルギー分布を持っており、それは、例えばCIEによって標準光源として推奨されたA照明体に適合する色温度2856Kのタングステンフィラメントランプなど、多くの光源でこのようなスペクトル分布を備えている。一般的に使用される高演色評価数LEDは、A照明体標準に達する必要がある場合、シミュレーションする方法が必要である。最も広く使用されているD照明体もある。CIEは、これまで推奨される光源をそれに提供していないため、それは、業界のシミュレーション照明体の重要な課題である。高品質のCIE標準照明体光源、特にD照明体光源は、色の主観的な評価、色測定、撮影、高度な画像の取得と分析などの測色学の分野で必要とされることがよくある。CIEは、これまでD照明体に適した光源を提供していないため、長い間にわたって、これらの分野で必要とされる照明体Dは、A光源とカラーフィルターによって形成される光源、標準蛍光管光源、スペクトル制御に基づくマルチチャネルLEDハイブリッド光源の3つの技術に依存して実現されている。
【0003】
A光源とカラーフィルターで形成された光源は、優れた性能指標を持っているが、そのエネルギー消費の問題と寿命の問題及びこれら2つの問題の組み合わせによって引き起こされるコストの問題により、それは、一部の計器にのみ適用されることができるため、例えば比色ライトボックス、分光光度計測定などのリンクでは、アプリケーションの量が極めて大きい業界は、仕方がないから、光源性能が悪いが、エネルギー消費とコストが低い標準蛍光管光源を使用するしかない。マルチチャネルのスペクトル制御に基づく高性能LEDハイブリッド光源は、そのコストがより高いため、広く使用される可能性はより低くなる。
【0004】
高演色評価数LEDなどの安価な省エネ技術がさまざまな照明分野で大規模にアプリケーションされることに伴い、これらの測色学視覚のアプリケーション分野の人々は、このようなLED技術を用いて、以下の欠点を持っている従来の標準蛍光管光源を徐々に置き換えたいと考えている。
【0005】
1.従来の標準蛍光管の色温度は、固定されており、調整できない。これらの分野では、例えば測色学に関連する印刷分野での色の主観的な評価リンクのiso3664国際規格の規定により使用されているD50照明体など、複数の種類の色温度標準光源が参照のために必要になることがよくある。中国の関連基準は、実際の効果にもっと注意を払っており、D50とD65の2つの照明体を推奨している。
【0006】
2.異なるメーカー間の従来の標準蛍光管の製品色度座標の偏差が大きすぎるため、関連するiso国際規格の中には、光源の色度座標のu’v’許容値を0.005の広すぎる範囲に設定しているため、異なるメーカー間、さらにはバッチ間でも、光源下の色を比較すると、色収差は、明らかである。
【0007】
3.従来の標準蛍光管は、寿命が短いため、これらの分野の基準を満たしたい場合は、従来の標準蛍光管の寿命は、これらの分野で2000-2500時間しか使用できないことが多いため、交換する必要がある。
【0008】
4.従来の標準蛍光管の明るさが調整できないことによるエネルギー消費の問題により、たとえば、色評価リンクでの印刷と製造のアプリケーションでは、標準観察環境ISO3664:2009は、2つの種類の照度環境を明確に規定している。1つは、厳しい評価条件P1に使用される2000luxの高照度であり、もう1つは、500lux照度の印刷物の実際の評価条件P2である。ISO3664:2009の4.3.1では、「経験によれば、P1の高照度レベルは、画像の階調再現と色において誤った感覚を与え、これらの画像は、最終的に低照度レベルの場合で消費者によりアプリケーションされることを示している。高照度下で非常に楽にして許容できる画像は、通常の照度レベルでは、必ずしも満足できるものではない。」ということを明確に指摘している。実際の印刷プロセス全体で、P1条件の照明が必要な時間は、約10%-20%のみであり、残りの80%-90%の時間は、P2条件を使用してP1条件を支援し、作業者は、印刷物の実際の効果を考慮に入れると同時に、それなりのエネルギーを節約できる必要があるが、これは、従来の標準蛍光管では実現できない。
【0009】
5.従来の標準蛍光管は、スペクトルレベルが低く、メタメリズム指数が通常にはCDレベル、すなわち可視光メタメリズム指数が1.0未満のCレベル、紫外線メタメリズム指数が1.5未満のDレベルにしか到達できない。個別のメーカーのハイエンド製品のメタメリズム指数は、ほとんどCCレベルに到達できるが、ISO3664ではBCレベルの使用が推奨されており、CDレベルは、推奨されていないが使用できる最低指数として定義されている。
【0010】
6.従来の標準蛍光管スペクトルの演色評価数は低く、一般的な演色評価数は、Ra>90%であり、特別な演色評価数は、Ri>80である。演色評価数は、重要な指数であり、その計算式100-4.6ΔEから、この指数は、この光源下と標準光源下の被観察対象物の色収差の大きさに直接関連していることがわかる。演色評価数80で表される飽和色を色収差に変換した場合、色収差は、約4.35であり、この色収差は、これらの分野で受け入れられていないが、受け入れられる必要がある。
【0011】
7.測色学アプリケーション分野の従来の標準蛍光管下で見られる色は、計器の測定値と一致せず、しばしば一致していないことがある。測定は、明らかに正しいが、視覚的には、間違っている。
【0012】
8.従来の標準蛍光管のスペクトルは、校正できない。ランプチューブは、360度にわたって発光するため、ビーム反射板を使用する必要がある。光へのほこりの影響を減らすために、通常、照明装置には、光透過プレートの層もあり、反射鏡と光透過プレートはいずれも、性能がそもそも高くない光源の品質にさらに影響を与え、この影響は、校正して改善する必要がある。
【0013】
標準光源ランプチューブは、技術と性能の欠点に加えて、より重要な欠陥は、それは寿命が短く、使用量が多い蛍光灯であるということである。それは、水銀を含んでいるため、有害廃棄物である。現在、中国にもリサイクルに関連する組織がなく、この種の危険性は、使用量が巨大な印刷業界のグリーンプリンティング認定にも記載されていない。毎年、大量の標準光源ランプチューブは、処理されずに廃棄され、環境汚染を引き起こしている。2017年8月16日に発効した『水銀に関する水俣公約』には、「2021年から、中国は、『水銀に関する水俣公約』で要求される水銀含有電池と蛍光灯製品の製造と使用を段階的に廃止する。2032年までに、すべての一次水銀採鉱を停止する。」ということが記載されている。現在、一般照明の分野は、すでに基本的にLEDに置き換えられているが、本発明に関与する分野の専門照明のみは、置き換えられることができないか、又は置き換えには、高コストが必要である。それを置き換えたい場合は、行政強制が必要であるが、関連する産業用アプリケーションは、これらのコストを負担することが不本意である。したがって、環境保護の問題に迫られて、人々は、標準光源ランプチューブを、標準光源ランプチューブの使用コストにより近いか、又はそれよりも低い環境に優しい製品と置き換えることを渇望している。
【0014】
標準光源ランプチューブには、これらの欠点があり、高演色評価数LEDは、演色性と同等性が高く、全寿命コストが標準光源ランプチューブよりもはるかに低いが、人々は、高演色評価数LEDがこれらの測色学関連の分野で広く適用されるための適切な方法をまだ見つけることができない。高演色評価数LEDは、演色評価数、環境保護、エネルギー消費、寿命、安定性及び全寿命コストにおいて、いずれも従来の標準蛍光管より優れているが、その色度座標と色温度は、D照明体から外れており、そして多数の高演色評価数LEDの可視光メタメリズム指数は、1.5未満のdレベルにしか到達できない。それは、紫外線スペクトルエネルギーを含まないため、その紫外線メタメリズム指数が2よりも大きい。LEDは、点状光源であり、配置後に眩しい光を発しやすいことが多い。通常、レンズで光を均質化した後にのみ、視覚照明に使用でき、レンズは、LEDの本来の技術的性能に影響を与える。総合的な分析では、これらの要因がこれらの専門分野でのこの高性能、低エネルギー、低コストの光源のアプリケーションを妨げているとされている。これまで、関連する技術分野の人々は、このような分野で高演色評価数LEDをアプリケーションすることができない。
【0015】
高演色評価数LEDのアプリケーション範囲を拡大するために、先行技術には、US8592748B2、2016100298255及び201810812579.Xによって表される先行技術など、これらの分野の標準光源要件を部分的に満たすことができるいくつかのマルチチャネルLEDハイブリッド技術が開示されている。そのうち、特許権者が標準光源業界の巨頭であるjustNormlichtのために出願した特許US8592748B2には、異なる波長の5つの単色LEDと異なる色温度の2つの白色LEDチャネルは、スペクトル曲線フィッティングに依存しており、2700k-10000kの色温度調整が可能な標準照明体光源、特にD照明体のシミュレーションを実現することが開示されている。その後、2016年に、CIE色と視覚部(Colour and Vision)の会長がチーフサイエンティストである常州千明会社が出願した特許2016100298255には、異なる波長の14個のLEDチップを使用して、スペクトル曲線によるターゲットスペクトルの多点近似により、2700k-10000kの色温度調整が可能な標準照明体光源を実現していることが開示されている。この特許は、マルチチャネルLEDに基づくシミュレーション標準照明体の性能、特にD照明体光源の性能を極致まで押し上げた。最後に、2018年に民営会社である浙江智彩が出願した特許201810812579.Xでは、特許US8592748B2号の5+2チャネルの変形と同様に、7つの単色LEDが2つの白色LEDと組み合わせることにより、簡単なスペクトル混合プロセスを一連の式に書いた後、標準照明体D65光源を混合した。マルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションする歴史的なプロセスから、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションすることは、スペクトル曲線の無限近似方法のみに依存している偏見がわかった。この偏見は、色度座標、色温度、演色評価数、メタメリズム指数などによるものであり、性能の説明に使用されるすべてのパラメータはいずれも、スペクトルから変換されたものである。すなわち、同じのスペクトルは、100%同じの色度座標、色温度、演色評価数、メタメリズム指数などの技術パラメータを有する。これらのパラメータを逆調整することにより、RGBW4チャネルに基づいてシミュレーションされた白光など、すべてのパラメータを比較的高い技術指標に同時に到達させることができない。この技術が色度制御によってシミュレーションされた白光の性能は、CIE標準照明体の光源性能に到達することができない。単色LEDは、波長が多く、波長範囲が狭いという特性は、スペクトル曲線が滑らかでない標準照明体Dのスペクトル曲線の無限近似に適しているため、LED技術がない場合、人々は、フィルターを使用してA光源を効果の良いD光源にシミュレーションし、使用されるフィルターはいずれも、LEDマルチチャネル技術で考慮されている技術的方法に含まれていない。2009年に最初の特許を取得した5+2チャネルの実現から、2016年の14チャネルの性能の極致の実現まで、そして2018年までのいわゆるn-2が本質的に7+2種類のLEDハイブリッドであることは、例外なく、スペクトルの密な配置を使用して不足している波長を埋めること、及び各埋め波長のスペクトルを標準照明体スペクトルに無限に近似させることにより実現される。これらの3つの特許で表される業界の巨頭、業界の専門家、及び業界の通常の技術者は、2009年からこれまで、フィルター又は励起レンズがマルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションすることに参加するなど、マルチチャネルLEDにより標準照明体光源を実現する他の可能性を考慮したことはない。又は、ペクトル優位性の原則に準拠していないため、考慮されたが、数え切れないほどの実験を経て実現できなかった。又は、参加後、技術効果を生み出さなかったり、逆の効果を生み出したりするため、この方法を使用して、マルチチャンネルLEDに基づいて標準照明本体をシミュレーションすることに参加することをあきらめた。
【0016】
なお、上記3つの特許には開示されているマルチチャネルLEDハイブリッド技術はいずれも、コストが高いため、これらの測色学関連分野で広く使用されることができない。コストが高い理由は、これら3つの特許はいずれも、スペクトル計算とスペクトル無限近似の方法に基づくものであり、この方法の校正には、分光光度計などの計器又はセンサが必要である。標準照明体、特にDには、紫外線エネルギーが含まれているため、エネルギーのこの部分により、アンチグレアと光均質化用レンズの黄変を引き起こす。さらに、50,000時間の寿命を持っている光源は、光源が高品質の技術指標で安定している必要がある場合、これらの計器又はセンサのデータ収集は、フィードバックする必要がある。
【0017】
いくつかの紫外線チップのLEDは、CIE標準照明体のD部分の要件を満たすことができるが、寿命が短すぎ、色温度が固定され、価格が高すぎ、且つメーカーがアンチグレアレンズによる偏差を考慮していないため、広く使用されることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従来技術の問題を解決するために、本発明は、コストやエネルギー消費を削減することができるマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法及び照明システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の技術案の1つは、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法を提供する。この方法は、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で色温度調整方向に応じて、主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択して、主光源制御チャネルを構成するステップと、
選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn(n≧1)種類の波長LEDを選択して、波長補足制御チャネルを構成するステップと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源であるLEDを選択し、この光源とフィルターで色温度調整制御用チャネルを構成するステップと、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップとを含む。
【0020】
さらに改善された技術案では、前記方法は、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で、色温度調整方向に応じて主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択するステップと、
1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標補正用フィルターを主光源の上に配置して主光源制御チャネルを構成するステップと、
選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDを波長補足制御チャネルの光源として選択するステップと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度により、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで波長補足制御チャネルを構成するステップと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源であるLEDを選択して、この光源とフィルターで色温度調整制御用チャネルを構成するステップと、
色度測定の色度座標に従って、最大照度に到達している主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップとを含む。
【0021】
さらに改善された技術案では、色度測定の色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップの前に、
アンチグレア均質化レンズとLEDの垂直距離及び配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するステップをさらに実行する。
【0022】
さらに改善された技術案では、前記方法は、
キーポイントの色温度の第2の主光源制御チャネルを追加するステップをさらに含む。
【0023】
さらに改善された技術案では、前記方法は、
マイクロコンピュータプロセッサと色度測定は、閉ループフィードバックシステムを形成するステップをさらに含む。
【0024】
本発明の別の技術案は、マルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションするための照明システムを提供する。この照明システムは、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された1種類の高演色評価数LEDを主光源とする主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲と、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って選択されたシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDとフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるためのマイクロコンピュータコントローラと、を含む。
【0025】
さらに改善された技術案では、前記照明システムは、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された主光源である1種類の高演色評価数LEDと、主光源の上に配置される、1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標の補正フィルターで構成される主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲とシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って、波長補足制御チャネルの光源として、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDを選択し、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度によりn種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDとフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるためのマイクロコンピュータコントローラと、を含む。
【0026】
さらに改善された技術案では、前記照明システムは、
LEDまでの垂直距離と配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するためのアンチグレア均質化レンズをさらに含む。
【0027】
さらに改善された技術案では、前記照明システムは、
キーポイントの色温度を増加させる第2の主光源制御チャネルをさらに含む。
【0028】
さらに改善された技術案では、前記照明システムは、
異なるイベントの発生を検出してマイクロコンピュータコントローラに送信するための挙動感知センサをさらに含み、前記マイクロコンピュータコントローラは、色度測定装置と共に閉ループフィードバックシステムを形成するためにも使用され、前記マイクロコンピュータコントローラは、挙動感知センサが送信したイベントを受信し、且つ異なるイベントに対応する色温度と照度の調整を制御するためにも使用される。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法及び照明システムを提供する。本発明によって提供される方法は、以下の有益な効果を有する。
【0030】
1.本発明は、LED制御チャネルをグループ化、最適化により削減し、且つマルチチャネルLEDによって廃止された技術であるフィルターを使用することにより、制御チャネルの数を大幅に削減し、マルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションする光源は、分光スペクトルで変換する色度により制御しなければならないことがなく、単一の色度により制御できるという質的な変化を形成している。分析性能の低い純粋な色度技術は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするプロセスにおいて、分析性能の高い分光色度技術によって達成される光源性能を上回るか、又は到達することができる。
【0031】
2.この方法の校正調整と閉ループフィードバック制御方法は、分光色度方法ではなく、色度方法に基づいているため、照明体光源をシミュレーションするときのフィードバックシステムは、分光技術を採用する分光光度計又は分光放射度計などの計器ではなく、比色計を使用できる。さらに、マルチチャネルに基づいて標準光源をシミュレーションするコストを大幅に削減し、基本的に1つの分光・色度センサの価格は、非分光・色度センサの15倍以上であり、すなわち、コストは、15倍削減された。
【0032】
3.低レベルの方法を使用して本発明によって実施された技術指標は、高レベルの方法によって実施された技術指標を超えるか、又は到達している。
【0033】
4.本発明によって提供される方法は、エネルギー消費の削減を実現する。LEDは、定電流回路電源を必要とするため、直列抵抗器や定電流駆動チップの使用などの技術により定電流を実現する必要がある。これらのエネルギー消費は、電気から光に変換することができず、制御チャネルが多すぎるとそのような損失が多すぎる。本発明は、制御チャネルが少ないので、本発明は、エネルギー消費を削減することができる。
【0034】
5.従来のLEDシミュレーションは、スペクトル関数に基づいて対応する多すぎるチャネルを制御するため、グループ化制御することができない。いかなるグループ化はいずれも、その原理に適合しない可能性をもたらし、本発明によって提供される方法は、事前グループ化最適化を採用し、同時に制御するために必要な制御チャネルは少ない。チャネルの大幅な削減は、さらなるコスト削減を意味する。また、その性能指標も従来技術よりも高くなっている。
【0035】
6.本発明によって提供される方法は、故障率が低い。1つの制御チャネルが追加されるたびに、故障の確率は、大幅に増加し、それにより長期安定性に影響を与える。本発明は、制御チャネルが少ないため、前記故障率が大幅に低下する。
【0036】
7.本発明によって提供される方法は、マルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションすることがスペクトル曲線の無限近似のみに依存するという技術的偏見を克服し、マルチチャネルLED分野の当業者に新しいアイデアを提供する。
【0037】
8.従来の製品よりも安価で性能の高い省エネ製品は、広く使用されるに伴い、関連業界の標準許容値の低減を確実に促進でき、さらに、測色学アプリケーション分野全体でさまざまな産業の発展を促進することができる。
【0038】
9.環境保護に役立っており、関連分野で水銀含有蛍光灯を段階的に廃止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明のいくつかの実施例における1種類のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法のフローチャートである。
図2】本発明の他のいくつかの実施例における1種類のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法のフローチャートである。
図3】本発明の他のいくつかの実施例における1種類のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法のフローチャートである。
図4】本発明の他のいくつかの実施例における1種類のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システムの構造ブロック図である。
図5】本発明の他のいくつかの実施例における1種類のマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システムの構造ブロック図である。 図面のフローチャートに示されているステップは、コンピュータ実行可能命令のセットなどに応じてコンピュータシステムで実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1に示すように、本発明のいくつかの実施例は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法を提供する。この方法は、
(1)シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で色温度調整方向に応じて、主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択して、主光源制御チャネルを構成するステップと、
(2)選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn(n≧1)種類の波長LEDを選択して、波長補足制御チャネルを構成するステップと、
(3)シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源であるLEDを選択し、この光源とフィルターで色温度調整制御用チャネルを構成するステップと、
(4)色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップとを含む。
【0041】
本発明によって提供されるマルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法は、マルチチャネルLED調光を制御するために、スペクトル系収集装置の代わりに色度測定装置に依存し、色度座標が標準に達すると、演色評価数、色温度、メタメリズム指数が同時に標準に達できる。また、本発明は、光源に影響を与えるLEDレンズの黄変の問題を解決するために、フィルター法によるLEDマルチチャネル混合光のプリセット色温度変化軌跡の形成を提供する。この方法に基づくマルチチャネルLEDは、等価変位後に、紫外線エネルギーを必要としない他の照明の分野にも適用できる。
【0042】
図2に示すように、本発明の他のいくつかの実施例は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法を提供する。この方法は、色度座標に基づいて、3つのプリセットチャネルLEDを調整して、必要に応じて多色温度と多明るさを調整するCIE標準照明体光源を実現する。この方法は、以下のステップを含む。
【0043】
ステップS10において、シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で、色温度調整方向に応じて、主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択し、
そのうち、シミュレーションが必要なCIE標準照明体は、標準照明体Dであり、色温度調整は、5000K-10000Kの範囲をカバーし、照明環境要件は、ISO3664、ISO3668の照明環境要件を満たしている。ISO3664で規定されているD50に従い、5000Kに近い高演色評価数LEDを選択し、この高演色評価数LEDの演色評価数R1-14の平均値は、90よりも大きい。性能指標を向上させるために、本実施例では、演色評価数R1-14の平均値が95よりも大きい約4800Kの高演色評価数LEDを、主光源制御チャネルの主光源として選択する。rgb混色に基づく通常の白色LEDを使用して、通常の白色LEDの演色評価数を調整して高演色評価数LEDを形成することにより実現されることもできる。つまり、この目的は、演色評価数が90%よりも大きいチャネルを形成することである。
【0044】
ステップS20において、1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標補正用フィルターを主光源の上に配置して主光源制御チャネルを構成し、
5000Kに近い高演色評価数LEDの色度座標基準は、黒体軌跡と等温線の交点であり、日光曲線に対するD光源の色度座標は、この交点の緑寄り方向に位置している。シミュレーション性能を向上させるために、本出願は、主光源に補正フィルターを配置している。選択された主光源制御チャネルの色度座標は、シミュレーションが必要な標準光源から大きく外れていない場合、この補正フィルターは、不要である。
【0045】
ステップS30において、ステップS10で選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲をシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、波長補足制御チャネルの光源として、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDを選択し、
いくつかの好ましい実施例では、主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要な標準照明体Dのスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、このLED主光源が380nm-420nmセグメントで対応するエネルギーを持っていないことがわかったため、補足として、380-420nmを選択する。380-420nmに到達できる波長カバー範囲がないため、波長カバー範囲を380nm、400nm、420nmに分割してそれぞれ補足する。すなわち、波長補足制御チャネルの光源として、3種類の発光波長のLEDを選択する。なお、420nm波長のLEDを主光源制御チャネル内に配置すると、この等価変位は、紫外線エネルギーを個別に制御する光源を生成できる。この光源は、たとえば芸術品の観察環境など、紫外線エネルギーが禁止されているか、又は紫外線エネルギーを個別に調整できる一部の光源環境に適している。
【0046】
ステップS40において、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度により、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで波長補足制御チャネルを構成し、
そのうち、n種類の波長LEDの各種類の単一LEDの放射度を、標準照明体D50のスペクトル放射度曲線にマッピングすることにより、この補足に必要な各種類の波長のLED数を計算でき、これらすべての数のLEDは、一つの波長補足制御チャネルを構成する。
【0047】
ステップS50において、シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲及び色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源としてLEDを選択し、この光源とフィルターは、色温度調整制御用チャネルを構成し、
そのうち、波長補足制御チャネルから放出される光と色温度調整制御用チャネルからの光は、2つの軌跡線を形成し、波長補足制御チャネルは、CIE色度図上での垂直になる傾向のある調整軌跡線を形成し、色温度調整制御用チャネルは、色温度変化曲線に近い調整軌跡線を形成する。
【0048】
CIE1976色度図にシミュレーションが必要な標準照明体内の2つの色温度の色度座標を混色原理で線に接続すると、色温度の上昇方向に近い接続線の延長線上に、色度図の最外周に形成される波長値の交点が現れる。この交点により表される波長は、色温度調整制御用チャネル光源の波長である480nmである。この波長は、450nm LEDと混合色材の透明体で形成されることができる。この混合色材は、顔料、染料、蛍光粉、量子ドットなどのスペクトルの一部を吸収した後この波長の光を放出できる物質であってもよく、好ましくは、蛍光粉である。蛍光粉がスペクトルの一部を吸収できるだけでなく、吸収後に励起されて発光するため、顔料や染料よりも省エネなどの効果がある。混合色材は、透明エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ガラス、セラミックなどの硬化可能な透明物体であるか、又は色材を包み且つ中間層にできる透明物体であってもよい。本発明において、透明な二成分エポキシ樹脂を蛍光粉と混合して使用し、混合比率は、好ましくは19:1である。エポキシ樹脂は、スペクトルの一部を吸収するため、本発明は、混合比率を決定した後、この比率の±1%の精度で正確な比補正を行い、他のnm波長の蛍光粉を添加することもでき、その目的は、LEDと蛍光粉を利用して、色温度調整範囲内で調整できる色度座標軌跡線を構築し、且つ調整プロセス中に他のnm波長エネルギーを補足することである。
【0049】
ステップS60において、色度測定の色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させ、
そのうち、色度座標に基づいて、シミュレーションが必要な標準照明体光源の色度座標を測定する。3つの制御チャネル内のLEDを点灯し、主光源制御チャネルに基づいて、色度を測定すること、又は色度を分析することにより、色度座標を測定し、色温度調整制御用チャネルと波長補足制御チャネルがCIE色度図上に形成する交点を調整して、シミュレーションが必要な標準照明体の色度座標に近似させると、必要な照明体の多色温度と多照度のシミュレーションが完了する。
【0050】
上記方法でシミュレーションした標準照明体の性能は、表1に示すとおりである。
【0051】
【表1】
【0052】
図3に示すように、本発明の他のいくつかの実施例は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための方法を提供する。この方法は、色度座標に基づいて、3つのプリセットチャネルLEDを調整して、多色温度及び多明るさを必要に応じて調整できるCIE標準照明体光源を実現する。この方法は、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲内で、色温度調整方向に応じて主光源として1種類の高演色評価数LEDを選択するステップS1と、
1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標補正用フィルターを主光源の上に配置して主光源制御チャネルを構成するステップS2と、
ステップS1で選択された主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲を、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲と比較することにより、波長補足制御チャネルの光源として、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDを選択するステップS3と、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度により、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで波長補足制御チャネルを構成するステップS4と、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて、色温度調整制御用チャネルの光源であるLEDを選択して、それと色材を含むフィルターで色温度調整制御用チャネルを構成するステップS5と、
アンチグレア均質化レンズとLEDの垂直距離及び配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するステップS6と、
色度によって測定された色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるステップS7と、
キーポイントの色温度の第2の主光源制御チャネルを追加するステップS8と、
マイクロコンピュータプロセッサと色度測定は、閉ループフィードバックシステムを形成するステップS9と、を含む。
【0053】
LEDが点状光源であるため、直接使用すると眩しさが発生する。本発明では、眩しさを避けると同時に光均質化効果を高めるために、アンチグレア均質化レンズを使用する。シミュレーション性能をさらに向上させるために、対応する色温度で第2の主光源チャネルを追加することもできる。このチャネルを波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルとともに使用して、新しい局所の3チャネルと全体の4チャネルを形成する。色温度の範囲をA光源、すなわち色温度範囲2700K-10000K内で調整可能に拡張すると、2700kの高演色評価数LEDを添加することにより、第2の主光源制御チャネルのために、波長補足制御チャネルと色温度調整制御用チャネルで形成される局所の3チャネル制御と全体の4チャネル制御を配置することができる。閉ループフィードバックシステムを形成して、色度座標を較正することにより、長期間の使用による偏差を確保する。
【0054】
図4に示すように、いくつかの好ましい実施例では、本発明は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システムを提供する。この照明システムは、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された1種類の高演色評価数LEDを主光源とする主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲と、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って選択されたシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDとフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるためのマイクロコンピュータコントローラと、を含む。
【0055】
色度測定装置は、シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標を定期的に収集してマイクロコンピュータコントローラに送信するために使用される。マイクロコンピュータコントローラは、受信した色度測定装置のフィードバック情報にプログラムで応答する。たとえば、使用中に、色度センサを定期的に使用して現在の照明の色度座標を収集し、それをマイクロコンピュータコントローラに送信できる。マイクロコンピュータコントローラは、合格であると判断すると、現在の照明を継続し、不合格であると判断すると、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルを調整して、合格にする。
【0056】
いくつかの好ましい実施例では、本発明は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システムを提供する。この照明システムは、色度座標に基づいて、3チャネル以上のLEDを調整してプリセットすることにより、多色温度と多照度の必要に応じた調整を実現するCIE標準照明体光源照明システムである。この照明システムは、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された主光源である1種類の高演色評価数LEDと、主光源の上に配置される、1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標の補正フィルターで構成される主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲とシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って、波長補足制御チャネルの光源として、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDを選択し、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度によりn種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDとフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させるためのマイクロコンピュータコントローラと、を含む。
【0057】
本発明によって提供されるマルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションするための照明システムは、CIE標準照明体を高性能でシミュレーションすることができる。
【0058】
図5に示すように、いくつかの好ましい実施例では、本発明は、マルチチャネルLEDに基づいてCIE標準照明体をシミュレーションするための照明システムを提供する。この照明システムは、色度座標に基づいて、3チャネル以上のLEDを調整してプリセットすることにより、多色温度と多照度の必要に応じた調整を実現するCIE標準照明体光源照明システムである。この照明システムは、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度範囲に応じて、色温度調整方向に応じて選択された主光源である1種類の高演色評価数LEDと、主光源の上に配置される、1種類以下の色材が含まれる主光源制御チャネルの色度座標の補正フィルターで構成される主光源制御チャネルと、
主光源のLEDスペクトル波長カバー範囲とシミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲との比較に従って、波長補足制御チャネルの光源として、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲を補足するために使用されるn種類の波長LEDを選択し、シミュレーションが必要なCIE標準照明体のスペクトル波長カバー範囲内の波長補足制御チャネルにおけるn種類の波長LEDが位置する標準照明体内の波長の相対放射度と、n種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDが位置する波長の放射度によりn種類の波長LEDにおける各種類の波長LEDの数を決定し、対応する数のn種類の波長LEDで構成される波長補足制御チャネルと、
シミュレーションが必要なCIE標準照明体の色温度シミュレーション範囲と色温度調整方向に応じて選択された色温度調整チャネルの光源であるLEDと色材を含むフィルターで構成される色温度調整制御用チャネルと、
LEDまでの垂直距離と配置距離の推奨比率に応じて主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル及び色温度調整制御用チャネルのLEDを配置し、距離で密に配置されたグループを形成し、これらのグループをコピーして、必要な最大照度を達成するためのアンチグレア均質化レンズと、
シミュレーションされたCIE標準照明体光源の色度座標を測定するための色度測定装置と、
色度座標に従って、主光源制御チャネル、波長補足制御チャネル、及び色温度調整制御用チャネルの明るさを調整して、混合後の色度座標をシミュレーションが必要なCIE標準照明体の色度座標に到達させる、色度測定装置と共に閉ループフィードバックシステムを形成するためにも使用され、挙動感知センサが送信したイベントを受信し、且つ異なるイベントに対応する色温度と照度の調整を制御するためにも使用されるマイクロコンピュータコントローラと、
キーポイントの色温度を増加させる第2の主光源制御チャネルと、
異なるイベントの発生を検出してマイクロコンピュータコントローラに送信するための挙動感知センサと、を含む。
【0059】
そのうち、挙動感知センサは、ユーザーの挙動にどのような照明、例えば色温度、明るさ、照明時間などを必要とするかを判断し、且つマイクロコンピュータコントローラに送信するために使用され、マイクロコンピュータコントローラは、それを制御する。ユーザーが被観察物をある挙動感知センサが応答できる領域に置くと、この挙動感知センサは、行為と動作を受信してマイクロコンピュータコントローラに送信し、マイクロコンピュータコントローラは、3つのチャネルを制御して、照明を所定の行為と動作の設定に到達させる。
【0060】
本発明によって提供されるマルチチャネルLEDに基づいて標準照明体をシミュレーションする照明システムは、CIE標準照明体を高性能でシミュレーションすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】