(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(54)【発明の名称】経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20220309BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B18/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564902
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(85)【翻訳文提出日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2020073282
(87)【国際公開番号】W WO2020151670
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】201910075428.5
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521322465
【氏名又は名称】李漢忠
(71)【出願人】
【識別番号】521322476
【氏名又は名称】王君臣
(71)【出願人】
【識別番号】521322487
【氏名又は名称】張学斌
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】李漢忠
(72)【発明者】
【氏名】王君臣
(72)【発明者】
【氏名】張学斌
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF19
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK06
4C160MM54
(57)【要約】
本発明の実施例では経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを開示しており、表示設備、ユーザーが入力する操作指令を受け取るHCI設備(Human Computer Interaction)、レゼクトスコープ、レゼクトスコープ治具機構、上記レゼクトスコープ治具機構を上記レゼクトスコープの軸方向に沿って進退させることや上記レゼクトスコープの中心軸を巡って回転させること、上記レゼクトスコープの中心軸上のプリセット点を巡って回転させることに用いられる六自由度タンデム機械アーム、及び制御の核心となるワークステーションを含む。本発明実施例の技術案は、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを使用することで、外科医が遠隔で手術操作を実施し、遠隔手術および高精度の操作を実現し、手術の安全性を高めると共に施術医師の体力節約にも寄与する効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムは、以下のものを含み:
表示設備:ワークステーションと通信接続しており、上記ワークステーションから送信される表示データを受信し、上記表示データーに基づき画像をユーザー向けに表示し;
HCI設備(Human Computer Interaction):上記ワークステーションと通信接続しており、ユーザーが入力する操作指令を受け取ると共に、上記ワークステーションまで送信し;
レゼクトスコープ:電気切除ループを含み、上記ワークステーションと通信接続しており、得られた画像情報を上記ワークステーションまで送信し、上記ワークステーションから発送した第1制御信号に基づき上記電気切除ループの電流強度を制御し;
レゼクトスコープ治具機構:上記ワークステーションと通信接続しており、上記レゼクトスコープをホールドし、上記ワークステーションから受信した第2制御信号に基づき、上記電気切除ループを上記レゼクトスコープの軸方向に沿って進退させることに用いられ;
六自由度タンデム機械アーム:上記ワークステーションと通信接続しており、上記レゼクトスコープ治具機構と固定接続されており、上記ワークステーションから受信した第3制御信号に基づき、上記レゼクトスコープ治具機構を、上記レゼクトスコープの軸方向に沿って進退させたり、上記レゼクトスコープの中心軸を巡って回転させたり、上記レゼクトスコープの中心軸上のプリセット点を巡って回転させることに用いられ;
上記ワークステーション:上記レゼクトスコープから得た上記画像情報に基づき、上記表示データーを生成し、上記表示設備まで送信することに用いられ;上記HCI設備から得た上記操作指令に基づき、上記第1制御信号を生成して、上記レゼクトスコープに送信したり、及び/又は第2制御信号を生成して、上記レゼクトスコープの治具機構に送信したり、及び/又は第3制御信号を生成して、上記六自由度タンデム機械アームに送信することに用いられることを特徴とする経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項2】
さらに、AR表示設備を含み、上記ワークステーションと通信接続しており、上記ワークステーションから得たAR表示データーに基づき、ユーザー向けの3D画像を表示することに用いられ;
上記ワークステーションは、さらに、上記レゼクトスコープから得た上記画像情報に基づき、AR表示データーを生成して、上記AR表示設備に送信することに用いれるを特徴とする請求項1に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項3】
上記HCI設備は、三自由度操作棒又は三自由度マウスを含み、さらに6個の第1機能ボタンと1個の第2機能ボタンを含むことを特徴とする請求項1に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項4】
6個の上記第1機能ボタンは、上記六自由度タンデム機械アームの六つの関節と一対一であり、ユーザーの入力操作に基づき、上記プリセット・ボタンが対応する関節の制御モードの起動又は取消に用いられ;上記第2機能ボタンは、ユーザーが上記第2機能ボタンを押した際のキーストローク信号を受け取り、上記ワークステーションが上記キーストローク信号に基づき上記第1制御信号を生成することに用いられることを特徴とする請求項3に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項5】
さらに、力センサを含み、上記ワークステーションと通信接続されており、上記レゼクトスコープ治具機構と上記六自由度タンデム機械アームとの接続部に設置され、上記レゼクトスコープと接触体との間の接触力を感知し、接触力の信号をワークステーションに送信することに用いられることを特徴とする請求項1に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項6】
上記ワークステーションは、さらに、上記力センサから受信された上記接触力の信号がプリセット値より大きい場合、上記レゼクトスコープ、上記レゼクトスコープ治具機構、および上記六自由度タンデム機械アームを作業停止させる制御に用いられることを特徴とする請求項5に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項7】
上記レゼクトスコープ治具機構は、支持板を介して、ボルト固定の方式で上記六自由度タンデム機械アームの末端関節とフランジ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項8】
上記レゼクトスコープ治具機構は、プッシュブロック、スライダー、モーター、同期ベルトを含み;
上記プッシュブロックは電気切除ループと固定接続されており、上記スライダーは上記プッシュブロックと固定接続されており、上記同期ベルトは上記スライダーと固定接続されており、上記モーターが回転すると、上記同期ベルトが移動し、上記モーターの駆動により上記電気切除ループが上記レゼクトスコープの軸方向に沿って進退作動するようになることを特徴とする請求項7に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項9】
上記モーターはDCサーボモーターであることを特徴とする請求項8に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【請求項10】
さらに、移動台を含み、上記六自由度タンデム機械アームのベースと固定接続されており、上記六自由度タンデム機械アームを支持すると共に、六自由度タンデム機械アームを駆動して地面上で移動することに用いられることを特徴とする請求項1-9の何れか一項に記載の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月25日、中国国家知的財産局に提出された特許の出願番号が201910075428.5であり、発明の名称が「経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステム」の先行出願の優先権を主張する。当該先行出願を全文引用することで本出願に編み込む。
【0002】
本発明の実施例はロボット技術に関し、特に経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
経尿道的レゼクトスコープ手術は、低侵襲/非侵襲型の外科手術であり、主に前立腺肥大症や膀胱腫瘍の切除に用いられている。
【0004】
現段階でレゼクトスコープ手術中に、患者が、手術台に砕石位に横たわり、外科医は、患者の会陰の真正面に座り、レゼクトスコープを操作して施術を行っている。
【0005】
施術中に、医師は、レゼクトスコープの位置と姿勢を頻繁に調整することで、各方向の病変組織を切除しているが、病変組織の残留や切除面の不規則の問題をかけており、前立腺肥大患者の場合は、医師の経験不足で方向を迷うか、侵襲が組織と臓器に接近してリスクになる事すらある。その同時に、施術中に体力への負担も非常に大きく、かつ医師の位置が患者と近いため、患者からの体液に汚染され易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを提供するもので、外科医が遠隔で操作を実施し、遠隔手術および高精度の操作を実現し、手術の安全性を高めると共に施術医師の体力節約にも寄与できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを提供しており、以下のものを含む:
表示設備:ワークステーションと通信接続しており、上記ワークステーションから送信される表示データを受信し、上記表示データーに基づき画像をユーザー向けに表示することに用いられる;
HCI設備(Human Computer Interaction):上記ワークステーションと通信接続しており、ユーザーが入力する操作指令を受け取ると共に、上記ワークステーションまで送信することに用いられる;
レゼクトスコープ:電気切除ループを含み、上記ワークステーションと通信接続しており、得られた画像情報を上記ワークステーションまで送信し、上記ワークステーションから受信した第1制御信号に基づき上記電気切除ループの電流強度を制御することに用いられる;
レゼクトスコープ治具機構:上記ワークステーションと通信接続しており、上記レゼクトスコープのホールドし、上記ワークステーションから受信した第2制御信号に基づき、上記電気切除ループを上記レゼクトスコープの軸方向に沿って進退させることに用いられる;
六自由度タンデム機械アーム:上記ワークステーションと通信接続し、上記レゼクトスコープ治具機構と固定接続されており、上記ワークステーションから受信した第3制御信号に基づき、上記レゼクトスコープ治具機構を上記レゼクトスコープの軸方向に沿って進退させたり、上記レゼクトスコープの中心軸を巡って回転させたり、上記レゼクトスコープの中心軸上のプリセット点を巡って回転させることに用いられる;
ワークステーション:上記レゼクトスコープから得られた上記画像情報に基づき、上記表示データーを生成し、上記表示設備まで送信することに用いられる;上記HCI設備から得られた上記操作指令に基づき、上記第1制御信号を生成して、上記レゼクトスコープに送信したり、及び/又は第2制御信号を生成して、上記レゼクトスコープの治具機構に送信したり、及び/又は第3制御信号を生成して、上記六自由度タンデム機械アームに送信することに用いられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施例では、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを通じて、外科医が遠隔で手術操作を実施し、遠隔手術を実現すると共に手術の操作精度を向上させ、医師が患者接近施術をせざるえない問題を解決する同時に、手術の安全性を高め、施術医師の体力を節約する効果を実現ことにもなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明実施例中の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムの構造イメージ図。
【
図2】本発明実施例中のもう一種の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムの構造イメージ図。
【
図3】本発明実施例中のレゼクトスコープ治具機構の構造イメージ図。
【
図4】本発明実施例中の又一種の経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムの構造イメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面と実施例をあげながら、本発明に対してさらに詳しく説明する。ここで言及される特定の実施例は、本発明を説明することだけに使われるものであり、本発明を限定するものではないことを理解されべく。なお、説明の便宜上、添付図面は本発明に関わる構造の一部だけを示しており、全ての構造を示してないことにも一言説明しておきたい。
【0011】
(実施例)
本発明の実施例では経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを提供しており、本実施例は経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを通して外科手術を実施する場合に用いられ、
図1に示すように、当該システムは以下のものを含む:
表示設備1:ワークステーション3と通信接続しており、ワークステーション3から発信される表示データーを受信し、表示データーに基づき画像をユーザー向けに表示することに用いられる;その内、表示設備1は、液晶表示パネルであってよく、外科医が経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムを操作して施術する際、レゼクトスコープ4を患者の患部に挿入して、患部の画像を取ってからワークステーション3に送信し、ワークステーション3はレゼクトスコープ4からの画像情報を表示設備1が識別できる表示データーに変換することで、患部の画像を外科医に表示する。
【0012】
HCI設備2は、ワークステーション3と通信接続しており、ユーザーが入力する操作指令を受け取ると共に、ワークステーション3まで送信することに用いられる;その内、HCI設備2はユーザーから電気切除ループ41の電流強度への制御操作を受け取ったり、及び/又はユーザーから電気切除ループ41への進退操作を受け取ったり、及び/又はユーザーからレゼクトスコープ4への空間的移動操作を受け取ったりする。例えば、レゼクトスコープ4をレゼクトスコープの軸方向に沿って進退させるか、レゼクトスコープ4をレゼクトスコープの中心軸を巡って回転させたり、レゼクトスコープ4をレゼクトスコープの中心軸上の事前セットポイントを巡って回転させることに用いられる。
【0013】
レゼクトスコープ4は、電気切除ループ41を含み、ワークステーション3と通信接続しており、取得した画像情報をワークステーション3に送信し、ワークステーション3から受信した第1制御信号に基づき電気切除ループ41の電流強度を制御することに用いられる。その内、外科医は、電気切除ループ41の電流強度を制御することにより、切除の速度と止血の効能を制御する。
【0014】
レゼクトスコープ治具機構5は、ワークステーション3と通信接続しており、レゼクトスコープ4をホールドし、ワークステーション3から受信した第2制御信号に基づき、電気切除ループ41をレゼクトスコープの軸方向に沿って進退するように駆動することに用いられる。その内、レゼクトスコープ治具機構5はレゼクトスコープ4をホールド固定すると共に、電気切除ループ41をレゼクトスコープの軸方向に沿って進退するように駆動することで、電気切除ループ41を確実に指定位置まで動かせ、切除又は止血の操作を実施する。
【0015】
六自由度タンデム機械アーム6は、ワークステーション3と通信接続しており、レゼクトスコープ治具機構5と固定接続しており、ワークステーション3から受信した第3制御信号に基づき、レゼクトスコープ治具機構5を、レゼクトスコープの軸方向に沿って進退させるか、レゼクトスコープの中心軸を巡って回転させるか、レゼクトスコープの中心軸上の事前設定ポイントを巡って回転させることに用いられる。その内、六自由度タンデム機械アーム6に六つの関節を設けて、レゼクトスコープ治具機構5が、レゼクトスコープの軸方向に沿って進退する場合やレゼクトスコープの中心軸を巡って回転する場合、レゼクトスコープの中心軸上の事前設定ポイントを巡って回転する場合、動き易くし、施術中の凡ゆる動作が自由に行える基盤となっている。
【0016】
ワークステーション3は、レゼクトスコープ4から得られた画像情報に基づき、表示データーを生成して、表示設備1までに送信することに用いられる;HCI設備2から送信された操作指令に基づき、第1制御信号を生成して、レゼクトスコープ4までに送信、及び/又は第2制御信号を生成して、レゼクトスコープ治具機構5までに送信、及び/又は第3制御信号を生成して、六自由度タンデム機械アーム6までに送信する。
【0017】
その内、ワークステーション3は、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムの核心となる制御設備であり、一般的にはデーター処理機能を備えたコンピュータ設備である。理解されべくことは、当経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムの各構成モジュールの間は有線接続又は無線接続されても良く、
図1では、レゼクトスコープ治具機構5とワークステーション3の接続線を表示しておらず、六自由度タンデム機械アーム6とワークステーション3の接続線も表示していない。
【0018】
本発明の実施例は、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムにより、外科医が遠隔で施術できるようにし、遠隔手術の実現と共に操作の精度を高め、医師が患者接近施術をせざるをえない問題を解決する同時に、手術の安全性を高め、施術医師の体力節約にも寄与する効果がある。
【0019】
上記の技術案を基盤に、
図2に示すように、当経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムには、さらに、ワークステーション3と通信接続されているAR 表示設備7を含んで良く、ワークステーション3から得られたAR表示データーに基づき、ユーザー向けの3D画像を表示することに用いられる;
ワークステーション3は、レゼクトスコープ4から得られた画像情報に基づき、AR表示データーを生成して、AR表示設備までに送信することにも用いられる。
【0020】
その内、AR表示設備7の処理を経て、外科医は患者体内の情況を呈する3D画像を観察することができるため、患部への観察に役立ち手術動作の正確性の向上に繋がる。
【0021】
選択的に、HCI設備2は、三自由度操作棒又は三自由度マウスを含み、6個の第1機能ボタンと1個の第2機能ボタンも含む。
【0022】
その内、6個の第1機能ボタンは、六自由度タンデム機械アームの六つの関節と一対一で対応し、ユーザーの入力操作に基づき、プリセット・ボタンが対応する関節の制御モードの起動又は取消に用いられる;つまり、ユーザーがその内の一つの第1機能ボタンを押した場合、もし現在、当第1機能ボタンに対応する関節が制御モードなってない場合は、当該関節に対する制御モードに入り、この際、ユーザーが三自由度操作棒に対してプリセット軸を巡る回転操作を行う場合、当該関節の動作に対しての調節が行われる。ユーザーがその内の一つの第1機能ボタンを押した場合、もし現在、当第1機能ボタンに対応する関節が既に制御モードになっている場合は、当関節に対する制御モードから退出する。
【0023】
第2機能ボタンは、ユーザーが第2機能ボタンを押した際のキーストローク信号を受け取り、ワークステーション3がキーストローク信号に基づき第1制御信号を生成することに用いられる。その内、第2機能ボタンはキーストロークをプリセットできるボタンであり、ユーザーがキーストロークを押す深さにより、其々のキーストローク信号を生成し、当キーストローク信号はワークステーション3に送信され、ワークステーション3でキーストローク信号に基づき第1制御信号を生成して、電気切除ループ41の電流強度を制御することに用いられる。例示的に、ユーザーが第2機能ボタンを押す深さが深くなるにつれ、電気切除ループ41の電流強度も大きくなる。ワークステーション3はUSB接続ポートからHCI設備2の操作棒とボタンの状態を読み取り、処理を経て得られた制御データーは六自由度タンデム機械アーム6とレゼクトスコープ治具機構5の制御に用いられる。同時に、ワークステーション3は六自由度タンデム機械アーム6の各関節の位置データーおよびレゼクトスコープ治具機構5の電気切除ループ41を動かす部品の位置データーを受信して、後の処理に用いることができる。
【0024】
選択的に、上記の技術案を基盤に、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムは、さらに力センサを含んでよく、ワークステーション3と通信接続されており、レゼクトスコープ治具機構5と六自由度タンデム機械アーム6との接続部に設置され、レゼクトスコープ接触体との間の接触力を感知し、接触力の信号をワークステーション3までに送信することに用いられる。
【0025】
そして、ワークステーション3はまた、力センサから受信された接触力の信号がプリセット値より大きい場合、レゼクトスコープ4、レゼクトスコープ治具機構5、および六自由度タンデム機械アーム6を作業停止するように制御する。手術の全過程において、力センサーを通じて、レゼクトスコープ4と患者との間の接触力を得ることができる。接触力が大きすぎる場合、医師はロボットを急停止させた後に、ロボットを適切な手術の姿勢に調整することができる。
【0026】
図3が示すように、選択的に、レゼクトスコープ治具機構5は、支持板55を介して、ボルト固定の方式で六自由度タンデム機械アーム6の末端関節にフランジ接続されている。
【0027】
選択的に、レゼクトスコープ治具機構5は、プッシュブロック51、スライダー52、モーター53、同期ベルト54を含む。
【0028】
プッシュブロック51は電気切除ループ41と固定接続されており、スライダー52はプッシュブロック51と固定接続されており、同期ベルト54はスライダー52と固定接続されており、モーター53が回転すると、同期ベルト54が移動し、モーター53の駆動により電気切除ループ41がレゼクトスコープの軸方向に沿って進退移動するようになる。その内、モーター53はDCサーボモーターであってよい。ワークステーション3は、DCサーボモーターのエンコーダのパルスをリアルタイムで収集し、リアルタイム位置の計算に用いる。
【0029】
選択的に、上記技術案を基盤に、
図4に示すように、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムには、移動台8が含れても良く、六自由度タンデム機械アーム6のベースと固定接続されており、六自由度タンデム機械アーム6を支持すると共に、六自由度タンデム機械アーム6を駆動して地面上で移動することに用いられる。
【0030】
例示的に、移動台8には、4つのキャスターを設けることができ、少なくとも2つのキャスターにロック装置を設けることで、六自由度タンデム機械アーム6及びそれに接続されているレゼクトスコープ治具機構5とレゼクトスコープ治具機構5上に持たれているレゼクトスコープ4を移動させ易くすると共に、指定位置まで移動させた後にキャスターをロックすることができる。
【0031】
好ましくは、経尿道的レゼクトスコープ手術ロボットシステムにおいて、HCI設備2を介して六自由度タンデム機械アーム6への制御を実現する以外に、本発明の実施例の技術案はレゼクトスコープ画像を統合して病変点を自動特定することも実現できる。外科医がレゼクトスコープ画像内のある一点Pを選択すると、その部分を切除領域として特定し、ワークステーション3は計算を経て、六自由度タンデム機械アーム6を空間内のある一軸を巡って回転するように制御する。最終的な効果としては電気切除ループ41の最低点のP点への移動が実現される。上記操作過程において、外科医は六自由度タンデム機械アーム6の各関節を逐一に調整する必要もなく、指定位置を選択するだけで実現できる。六自由度タンデム機械アーム6が必要とする移動指令は全てワークステーション3がデーターを採集と計算した後、通信ポート(例えばTCP/IP イーサネット接続ポート)を介して六自由度タンデム機械アーム6の制御器に送信して執行される。
【0032】
一般的に、手術を開始する際に、外科医が上記方法の通りに電気切除ループを手術区域向けに照準させる。その後、外科医は、HCI設備上の機能ボタンを通じて、DCサーボモーターを制御対象として選択する。外科医は、第1プリセット軸方向に沿って操作棒を前に押す/バックするだけで、DCサーボモーターの正転/逆転を制御できる。実現過程は以下の通り:ワークステーション3が操作棒のデーターを読み取り、処理を経て電気切除ループの位置情報に変換させ、通信ポート(例えばUSBなど)を介してレゼクトスコープ治具機構5のマイクロ処理器(例えばシングルチップマイクロコンピュータなど)に送信する。マイクロ処理器の処理を経てPWM波を生成し、駆動器により電圧に変換させ、DCサーボモーターの回転を制御する。同時に、マイクロ処理器は、DCサーボモーターのエンコーダパルスをリアルタイムで採集し、リアルタイムの位置を計算することに用いる。かつ、ワークステーション3から送信された目標位置と比較し、その差の値をPWMの生成に使い、閉ループ型制御を形成する。レゼクトスコープ治具機構5上の電気切除ループ41の伸縮を制御するプッシュブロックは滑動部と固定接続させる。DCサーボモーターは同期ベルトを回転させることで、同期ベルトと固定接続されている滑動部を並行移動させ、最終的に電気切除ループ41の伸縮動作を実現させる。手術中、外科医が第1プリセット軸方向に沿って操作棒を前に押すと、電気切除ループ41が伸びて、病変組織と接触する。その後、医師が第1プリセット軸方向に沿って操作棒をバックすると、電気切除ループ41がバックする過程に、エネルギープラットフォームを通じて介して電気切除ループ41上の電流強度を制御することで、病変組織に対する切除が行われる。
【0033】
注意:上記は、本発明における比較的よい実施例および活用の技術原理だけに過ぎないものである。当業者は、本発明は本明細書に記載されている特定の実施例に限らず、本発明の請求範囲から逸脱することなく、当業者にとって言えば様々な明らかな変更、再調整および置換えを行うことができることを理解されべく。従って、上記の実施例をもって本発明をより詳しく説明したが、本発明は上記実施例らに限らず、本発明の考え方の枠組を逸脱しないうち、同等の効果を果たすはるかに多い実施例が含まれるし、そして、本発明の請求範囲は特許請求の範囲によって決められる。
【国際調査報告】