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特表2022-518928生検管路シール剤アプリケータ装置および生検システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-17
(54)【発明の名称】生検管路シール剤アプリケータ装置および生検システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/145 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
A61M5/145 504
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544143
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020015194
(87)【国際公開番号】W WO2020159862
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/798,151
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】アディソン,ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC04
4C066DD07
4C066EE14
4C066FF01
4C066HH02
4C066HH05
4C066HH12
4C066HH17
(57)【要約】
生検管路シール剤アプリケータ装置が、ハウジングと、ハウジングの内部チャンバ内で伸張位置と後退位置との間で動くように構成された本体を有するシリンジとを備える。本体は、生検カニューレへの接続のために構成される。シリンジのプランジャは、シリンジの円筒内で近位位置と遠位位置との間で動くように構成されたピストンを有する。ばねユニットが、シリンジの本体およびハウジングに結合される。ギアトレーンが、ハウジング、シリンジの本体、およびシリンジのプランジャの各々に作動的に結合される。ギアトレーンは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、本体が伸張位置から後退位置に向かって動かされる際、近位位置から遠位位置に向かってシリンジのプランジャを動かすように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検カニューレの装着ハブへの接続のための生検管路シール剤アプリケータ装置であって、
内部チャンバを有するハウジングと、
本体およびプランジャを有するシリンジであって、
前記本体は、前記内部チャンバ内で前記ハウジングに摺動可能に結合され、前記本体は、前記ハウジングの前記内部チャンバ内で、伸張位置と後退位置との間で動くように構成され、前記本体は、円筒と、送達ポートおよびカプラを画定する遠位端部分とを有し、前記送達ポートは、前記円筒と流体連通し、前記カプラは、前記生検カニューレの前記装着ハブへの接続のために構成され、
前記プランジャは、前記円筒内で前記送達ポートに対し近位側に位置決めされ、前記円筒内で近位位置と遠位位置との間で動くように構成されたピストンを有する、シリンジと、
第1の端部および第2の端部を有するばねユニットであって、前記第1の端部は、前記シリンジの前記本体に結合され、前記第2の端部は、前記ハウジングに結合され、前記ばねユニットは、装填状態と解放状態とを有し、前記本体が前記伸張位置にあるとき、前記ばねユニットは、前記後退位置に向かう方向において前記シリンジの前記本体に付勢力を加える前記装填状態にある、ばねユニットと、
前記ハウジングの前記内部チャンバ内に位置するギアトレーンであって、前記ギアトレーンは、前記ハウジング、前記シリンジの前記本体、および前記シリンジの前記プランジャの各々に作動的に結合され、前記ギアトレーンは、前記本体が、前記ばねユニットによって加えられる前記付勢力によって前記伸張位置から前記後退位置に向かって動かされる際、前記プランジャを前記近位位置から前記遠位位置に向かって動かすように構成される、ギアトレーンと、
を備える、生検管路シール剤アプリケータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記ギアトレーンのギア比は、前記シリンジの前記プランジャを前記遠位位置に向かって押圧し、前記シリンジの前記本体を約1:2.25の比で前記後退位置に向かって引き込むように選択される、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、前記ハウジングは、第1のスライドチャネルおよび第2のスライドチャネルを有する側壁を備え、前記第1のスライドチャネルは、前記側壁において長手方向に延び、前記側壁を通って前記ハウジングの前記内部チャンバまで延び、前記第2のスライドチャネルは、前記側壁において長手方向に延び、前記側壁を通って前記ハウジングの前記内部チャンバまで延び、前記第2のスライドチャネルは前記第1のスライドチャネルに平行であり、
前記シリンジは、
前記シリンジの前記本体から外方に延びて、前記第1のスライドチャネルに摺動可能に係合する第1の上側ガイド部材と、
前記シリンジの前記本体から外方に延びて、前記第2のスライドチャネルに摺動可能に係合する第2の上側ガイド部材と、
を備える、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記シリンジは、
前記シリンジの前記本体から外方に延びて、前記第1のスライドチャネルに摺動可能に係合する第1の下側ガイド部材と、
前記シリンジの前記本体から外方に延びて、前記第2のスライドチャネルに摺動可能に係合する第2の下側ガイド部材と、
を備える、装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、前記シリンジの前記本体を、前記ハウジングに対し前記伸張位置に、前記装填状態にある前記ばねユニットを用いて保持するように構成されたロック部材を備えるアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記シリンジの前記本体が、前記ばねユニットによって加えられる前記付勢力によって、前記伸張位置から前記後退位置に向かって動かされるように前記ロック部材を解放するように構成される、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記シリンジの前記本体の前記円筒内で、前記本体の前記送達ポートと、前記シリンジの前記プランジャの前記ピストンとの間に配置された流動性シール剤材料を備え、前記アクチュエータは、前記ハウジングの前記内部チャンバ内の所定の場所に前記シリンジをロックするための少なくとも1つのロック部材であって、前記ロック部材が解放されると、前記ばねユニットが、前記流動性シール剤材料を分注するために前記シリンジの前記本体と前記プランジャとの双方を動かすように構成される、少なくとも1つのロック部材を備える、装置。
【請求項7】
請求項3または4に記載の装置であって、前記本体を、前記ハウジングに対し前記伸張位置に、前記装填状態にある前記ばねユニットを用いて保持するように構成されたロック部材を備えるアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記本体が、前記ばねユニットによって加えられる前記付勢力によって、前記伸張位置から前記後退位置に向かって動かされるように前記ロック部材を解放するように構成され、前記ロック部材は、第1のねじ切りされたノブおよび第2のねじ切りされたノブであり、前記第1のねじ切りされたノブは、前記第1のスライドチャネルを通って延び、前記第1の上側ガイド部材にねじ係合し、前記第2のねじ切りされたノブは、前記第2のスライドチャネルを通って延び、前記第2の上側ガイド部材にねじ係合する、装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置であって、前記ばねユニットは、引張りばねの対を備え、前記本体が前記伸張位置にあるとき、前記引張りばねの対は、前記本体を前記後退位置に向かって付勢する緊張状態にある、装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置であって、前記シリンジの前記本体の前記円筒内で、前記本体の前記送達ポートと、前記シリンジの前記プランジャの前記ピストンとの間に位置する流動性ヒドロゲルを含む、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記流動性ヒドロゲルは放射線不透過性である、装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の装置であって、前記本体の前記カプラは、前記生検カニューレの前記装着ハブに接続され、前記装置は、
前記シリンジの前記本体が前記伸張位置から前記後退位置に動かされる際、前記生検カニューレが同時に引き込まれ、
前記シリンジの前記プランジャは、前記生検カニューレが引き込まれる際、前記流動性ヒドロゲルが前記シリンジの前記本体の前記送達ポートから、前記生検カニューレを通じて吐出されるように、前記シリンジの前記本体が前記伸張位置から前記後退位置まで動かされるのと同時に前記近位位置から前記遠位位置まで動かされる、
ように構成される、装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置であって、前記ギアトレーンは、
前記内部チャンバ内で前記ハウジングに接続された第1のラックギアと、
前記内部チャンバ内で前記ハウジングに接続された第2のラックギアと、
前記シリンジの前記プランジャの長さに沿って形成された第3のラックギアと、
前記シリンジの前記プランジャの長さに沿って形成された第4のラックギアと、
前記ハウジングの前記第1のラックギアおよび前記シリンジの前記プランジャの前記第3のラックギアの各々と係合された第1のデュアルスパーギアと、
前記ハウジングの前記第2のラックギアおよび前記シリンジの前記プランジャの前記第4のラックギアの各々と係合された第2のデュアルスパーギアと、
を備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記ハウジングは、前記シリンジの前記送達ポートおよび前記プランジャを通って延びる中心軸を有し、
前記第1のデュアルスパーギアは第1の回転軸を有し、
前記第2のデュアルスパーギアは第2の回転軸を有し、
前記第1の回転軸は前記第2の回転軸に平行であり、前記ハウジングの前記中心軸は、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間に置かれる、装置。
【請求項14】
請求項12に記載の装置であって、前記第1のデュアルスパーギアおよび前記第2のデュアルスパーギアの各々が第1のスパーギアおよび第2のスパーギアを有し、前記第1のスパーギアは前記第2のスパーギアよりも多くの歯を有し、
前記第1のデュアルスパーギアの前記第1のスパーギアは、前記ハウジングの前記第1のラックギアと係合され、
前記第1のデュアルスパーギアの前記第2のスパーギアは、前記シリンジの前記プランジャの前記第3のラックギアと係合され、
前記第2のデュアルスパーギアの前記第1のスパーギアは、前記ハウジングの前記第2のラックギアと係合され、
前記第2のデュアルスパーギアの前記第2のスパーギアは、前記シリンジの前記プランジャの前記第4のラックギアと係合される、装置。
【請求項15】
請求項3から7のいずれか一項に記載の装置であって、前記ばねユニットは引張りばねの対を含み、前記引張りばねの対は前記内部チャンバ内に配置され、前記引張りばねの対の第1の引張りばねは、前記内部チャンバ内で前記第1の上側ガイド部材と前記ハウジングとの間に連設され、前記引張りばねの対の第2の引張りばねは、前記内部チャンバ内で前記第2の上側ガイド部材と前記ハウジングとの間に連設される、装置。
【請求項16】
生検システムであって、
カニューレ管腔および装着ハブを有する生検カニューレと、
前記生検カニューレの前記カニューレ管腔を通じて受けられるように構成された生検プローブを有する生検装置と、
前記生検プローブが前記生検カニューレの前記カニューレ管腔から除去された後の、前記生検カニューレの前記装着ハブへの接続のために構成された生検管路シール剤アプリケータ装置であって、前記生検管路シール剤アプリケータ装置は、
内部チャンバを有するハウジングと、
本体およびプランジャを有するシリンジであって、
前記本体は、前記内部チャンバ内で前記ハウジングに摺動可能に結合され、前記本体は、前記ハウジングの前記内部チャンバ内で、伸張位置と後退位置との間で動くように構成され、前記本体は、円筒と、送達ポートおよびカプラを画定する遠位端部分とを有し、前記送達ポートは、前記円筒と流体連通し、前記カプラは、前記生検カニューレの前記装着ハブへの接続のために構成され、
前記プランジャは、前記円筒内で前記送達ポートに対し近位側に位置決めされ、前記円筒内で近位位置と遠位位置との間で動くように構成されたピストンを有する、シリンジと、
第1の端部および第2の端部を有するばねユニットであって、前記第1の端部は、前記シリンジの前記本体に結合され、前記第2の端部は、前記ハウジングに結合され、前記ばねユニットは、装填状態と解放状態とを有し、前記本体が前記伸張位置にあるとき、前記ばねユニットは、前記後退位置に向かう方向において前記シリンジの前記本体に付勢力を加える前記装填状態にある、ばねユニットと、
前記ハウジングの前記内部チャンバ内に位置するギアトレーンであって、前記ギアトレーンは、前記ハウジング、前記シリンジの前記本体、および前記シリンジの前記プランジャの各々に作動的に結合され、前記ギアトレーンは、前記シリンジの前記本体が、前記ばねユニットによって加えられる前記付勢力によって前記伸張位置から前記後退位置に向かって動かされるとき、同時に前記シリンジの前記プランジャを前記近位位置から前記遠位位置に向かって動かすように構成される、ギアトレーンと、
を備える、生検管路シール剤アプリケータ装置と、
を備える、生検システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記シリンジの前記本体の前記円筒内で、前記本体の前記送達ポートと、前記シリンジの前記プランジャの前記ピストンとの間に配置された流動性シール剤材料と、
少なくとも1つのロック部材であって、前記ハウジングの前記内部チャンバ内の所定の場所に前記シリンジをロックするように構成され、前記ロック部材が解放されると、前記ばねユニットが、前記流動性シール剤材料を分注するために前記シリンジの前記本体および前記プランジャの双方を動かすように構成された、少なくとも1つのロック部材と、
を備える、システム。
【請求項18】
請求項16または17に記載のシステムであって、前記ギアトレーンは、
前記内部チャンバ内で前記ハウジングに接続された第1のラックギアと、
前記内部チャンバ内で前記ハウジングに接続された第2のラックギアと、
前記シリンジの前記プランジャの長さに沿って形成された第3のラックギアと、
前記シリンジの前記プランジャの長さに沿って形成された第4のラックギアと、
前記ハウジングの前記第1のラックギア、および前記シリンジの前記プランジャの前記第3のラックギアの各々と係合された第1のデュアルスパーギアと、
前記ハウジングの前記第2のラックギア、および前記シリンジの前記プランジャの前記第4のラックギアの各々と係合された第2のデュアルスパーギアと、
を備える、システム。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか一項に記載のシステムであって、前記シリンジの前記本体を、前記ハウジングに対し前記伸張位置に、前記装填状態にある前記ばねユニットを用いて保持するように構成されたロック部材を備えるアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記シリンジの前記本体が、前記ばねユニットによって加えられる付勢力によって、前記伸張位置から前記後退位置に向かって動かされるように前記ロック部材を解放するように構成される、システム。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記ハウジングは、第1のスライドチャネルおよび第2のスライドチャネルを有する側壁を備え、前記第1のスライドチャネルは、前記側壁において長手方向に延び、前記側壁を通って前記ハウジングの前記内部チャンバまで延び、前記第2のスライドチャネルは、前記側壁において長手方向に延び、前記側壁を通って前記ハウジングの前記内部チャンバまで延び、前記第2のスライドチャネルは前記第1のスライドチャネルに平行であり、
前記シリンジは、前記シリンジの前記本体から外方に延び、前記第1のスライドチャネルに摺動可能に係合する第1のガイド部材と、前記シリンジの前記本体から外方に延び、前記第2のスライドチャネルに摺動可能に係合する第2のガイド部材とを備え、
前記ばねユニットは引張りばねの対を含み、前記引張りばねの対は前記内部チャンバ内に配置され、前記引張りばねの対の第1の引張りばねは、前記内部チャンバ内で前記第1のガイド部材と前記ハウジングとの間に連設され、前記引張りばねの対の第2の引張りばねは、前記内部チャンバ内で前記第2のガイド部材と前記ハウジングとの間に連設される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2019年1月29日に出願された「BIOPSY TRACT SEALANT APPLICATOR DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/798,151号の優先権を主張する。
【0002】
[0002]本発明は、生検手順において用いるための補助装置に関し、より詳細には、生検管路シール剤アプリケータ装置を対象とする。
【背景技術】
【0003】
[0003]気胸、および更には、胸部チューブの配置を必要とする気胸は、経皮的肺生検を行う臨床医およびこれを受ける患者にとって大きな懸念事項である。経胸壁針生検(TTNB)を受ける患者における気胸の発生率は、9%~54%であり、平均約20%であると報告されている。最大17%の気胸は、胸部チューブ配置を必要とするほど大きい。気胸を発症する患者のうち、5%~18%が胸部チューブ配置を必要とする。
【0004】
[0004]気胸の発症は、自動生検装置を用いた単針微細針吸引(FNA)、同軸針FNAおよびコア生検についても本質的に同じであると考えられている。気胸のリスクを高める要因は、患者の加齢、閉塞性肺疾患、病変の深度の増大、胸膜の複数回の通過、針が胸膜を横切る時間の増大、および葉間裂の横断を含む。気胸は、手技中に、または手技の直後に発生する可能性があり、この理由から、針の除去に続いて領域のCTスキャンを行うことが重要である。TTNBの他のより一般的でない合併症としては、喀血(咳とともに血液を吐き出す)、血胸(胸膜腔内に血液が貯留するタイプの胸水)、感染症、および空気塞栓症が挙げられる。
【0005】
[0005]肺生検の約30%が、結果として何らかの形態の気胸を生じ、これにより、管を差し込むためのプラグを配備することが困難または不可能になることも一部で示唆されている。
【0006】
[0006]当該技術分野において必要とされているのは、気胸を低減するかまたはなくすことができ、気胸が生じる前であっても後であっても配備することができる生検管路シール剤アプリケータ装置である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]本発明は、気胸を低減するかまたはなくすことができ、気胸が生じる前であっても後であっても配備することができる生検管路シール剤アプリケータ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]1つの形態において、本発明は、生検カニューレの装着ハブへの接続のための生検管路シール剤アプリケータ装置を対象とする。生検管路シール剤アプリケータ装置は、ハウジングと、シリンジと、ばねユニットと、ギアトレーンとを備える。ハウジングは内部チャンバを有する。シリンジは本体およびプランジャを有する。本体は、内部チャンバ内でハウジングに摺動可能に結合される。本体は、ハウジングの内部チャンバ内で伸張位置と後退位置との間で動くように構成される。本体は、円筒と、送達ポートおよびカプラを画定する遠位端部分とを有する。送達ポートは円筒と流体連通する。カプラは、生検カニューレの装着ハブとの接続のために構成される。プランジャは、円筒内で送達ポートに対し近位側に位置決めされたピストンを有し、円筒内で近位位置と遠位位置との間で動くように構成される。ばねユニットは、第1の端部および第2の端部を有する。第1の端部は、シリンジの本体に結合され、第2の端部は、ハウジングに結合される。ばねユニットは、装填状態(charged state)および解放状態(discharged state)を有し、本体が伸張位置にあるとき、ばねユニットは、後退位置に向かう方向において、シリンジの本体に対し付勢力を加える装填状態にある。ギアトレーンは、ハウジングの内部チャンバ内に配置される。ギアトレーンは、ハウジング、シリンジの本体、およびシリンジのプランジャの各々に作動的に結合される。ギアトレーンは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、本体が伸張位置から後退位置に向かって動かされる際、近位位置から遠位位置に向かってプランジャを動かすように構成される。
【0009】
[0009]本発明は、別の形態において、生検カニューレと、生検装置と、生検管路シール剤アプリケータ装置とを備える生検システムを対象とする。生検カニューレは、カニューレ管腔および装着ハブを有する。生検装置は、生検カニューレのカニューレ管腔を通じて受けられるように構成された生検プローブを有する。生検管路シール剤アプリケータ装置は、生検プローブが生検カニューレのカニューレ管腔から除去された後の、生検カニューレの装着ハブへの接続のために構成される。生検管路シール剤アプリケータ装置は、前の段落において上記で説明したように構成することができ、以下でより詳細に説明されるように構成することができ、ギアトレーンは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、シリンジの本体が伸張位置から後退位置に向かって動かされる際、近位位置から遠位位置に向かってシリンジのプランジャを同時に動かすように構成される。
【0010】
[0010]本発明の利点は、気胸の低減または防止を支援するために、生検カニューレが生検管路から引き込まれる(すなわち、撤収されている)際に、生検管路を充填するのに適切な量および速度で流動性シール剤材料を生検管路に同時に送達するように、本発明の生検管路シール剤アプリケータ装置を構成することができることである。
【0011】
[0011]別の利点は、流動性シール剤材料を患者の解剖学的構造に過剰に分注し、結果として手技上の合併症が生じ得ることを低減するかまたはなくすことを支援するように、生検管路シール剤アプリケータ装置を構成することができることである。
【0012】
[0012]更に別の利点は、流動性材料、例えばヒドロゲルを生検管路に送達するための生検管路シール剤アプリケータ装置が、使いやすく、医師の最小限のトレーニングしか必要としなくてよいことである。
【0013】
[0013]また更なる利点は、導入器カニューレの所望の引き込み速度対シール剤シリンジプランジャの押圧速度を選択するためにギアトレーンのギア比を選択することによって、導入器カニューレからシール剤が流れ出るかまたは噴出するように動作するように生検管路シール剤アプリケータ装置を構成することができることである。
【0014】
[0014]添付図面と併せて解釈される本発明の実施形態の以下の説明を参照することにより、本発明の上記およびその他の特徴および利点、ならびにそれらを獲得する方式がより明らかになり、本発明がよりよく理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015]患者の胸壁および肺の図示部分と連動した、本発明の実施形態に従って構成された、生検装置と、生検カニューレと、生検管路シール剤アプリケータ装置とを通常備える生検システムの概略図であり、生検管路シール剤アプリケータ装置は準備状態(armed state)にある。
図2】[0016]患者の胸壁および肺の図示部分と連動した、図1の生検システムの概略図であり、生検管路シール剤アプリケータ装置は配備状態(deployed state)にある。
図3】[0017][0018]図3図12は、図1に示す準備状態の生検管路シール剤アプリケータ装置の様々な図を示し、図3は、図1の生検カニューレに結合された図1の生検管路シール剤アプリケータ装置の斜視図である。
図4】[0019]図1の生検カニューレに結合された図1の生検管路シール剤アプリケータ装置の側面図であり、アクチュエータの位置に対する伸張位置および後退位置を特定する。
図5】[0020]図1の生検カニューレに結合され、上から見たときに、図4の向きから反時計回りに90度回転された、図1の生検管路シール剤アプリケータ装置の別の側面図であり、アクチュエータの位置に対する伸張位置および後退位置を特定する。
図6】[0021]図1および図3図5の生検管路シール剤アプリケータ装置の上面図である。
図7】[0022]図6の線7-7に沿って取得された、図1および図3図6の生検管路シール剤アプリケータ装置の断面図であり、アクチュエータの位置に対し特定された伸張位置および後退位置に関して、ハウジングに対するシリンジ本体の伸張位置を示す。
図8】[0023]図7の生検管路シール剤アプリケータ装置の断面図の一部分の拡大図である。
図9】[0024]ハウジングが除去されて、図1および図3図8の生検管路シール剤アプリケータ装置のシリンジ、ギアトレーンの一部分、アクチュエータ、およびばねユニットが露出した状態の、図3の生検管路シール剤アプリケータ装置の斜視図を示す。
図10】[0025]生検カニューレに結合され、上から見たときに、図9の向きから反時計回りに90度回転された、図9の生検管路シール剤アプリケータ装置の別の斜視図である。
図11】[0026]ハウジングが除去されて、図1および図3図10の生検管路シール剤アプリケータ装置のシリンジ、ギアトレーン、アクチュエータ、およびばねユニットが露出した状態の、図5の生検管路シール剤アプリケータ装置の斜視図を示す。
図12】[0027]生検カニューレに結合され、上から見たときに、図11の向きから反時計回りに90度回転された、図11の生検管路シール剤アプリケータ装置の側面展開図である。
図13】[0028][0029]図13図22は、図2に示す配備状態の生検管路シール剤アプリケータ装置の様々な図を示し、図13は、図2の生検カニューレに結合された図2の生検管路シール剤アプリケータ装置の斜視図である。
図14】[0030]図2の生検カニューレに結合された図2の生検管路シール剤アプリケータ装置の側面図であり、アクチュエータの位置に対する伸張位置および後退位置を特定する。
図15】[0031]図2の生検カニューレに結合され、上から見たときに、図14の向きから反時計回りに90度回転された、図2の生検管路シール剤アプリケータ装置の別の側面図であり、アクチュエータの位置に対する伸張位置および後退位置を特定する。
図16】[0032]図2および図13図15の生検管路シール剤アプリケータ装置の上面図である。
図17】[0033]図16の線17-17に沿って取得された、図2および図13図16の生検管路シール剤アプリケータ装置の断面図であり、アクチュエータの位置に対し特定された伸張位置および後退位置に関して、ハウジングに対するシリンジ本体の伸張位置を示す。
図18】[0034]図17の生検管路シール剤アプリケータ装置の断面図の一部分の拡大図である。
図19】[0035]ハウジングが除去されて、図2および図13図18の生検管路シール剤アプリケータ装置のシリンジ、ギアトレーンの一部分、アクチュエータ、およびばねユニットが露出した状態の、図13の生検管路シール剤アプリケータ装置の斜視図を示す。
図20】[0036]生検カニューレに結合され、上から見たときに、図19の向きから反時計回りに90度回転された、図19の生検管路シール剤アプリケータ装置の別の斜視図である。
図21】[0037]ハウジングが除去されて、図2および図13図20の生検管路シール剤アプリケータ装置のシリンジ、ギアトレーン、アクチュエータ、およびばねユニットが露出した状態の、図15の生検管路シール剤アプリケータ装置の側面図を示す。
図22】[0038]生検カニューレに結合され、上から見たときに、図21の向きから反時計回りに90度回転された、ばねユニットが除去された図21の生検管路シール剤アプリケータ装置の側面展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0039]複数の図の全体を通して、対応する参照符号は対応する部分を指す。本明細書に述べられる実例は本発明の一実施形態を示しており、こうした実例は、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0017】
[0040]ここで図面、特に図1および図2を参照すると、本発明の実施形態に従って構成された、生検装置12と、生検カニューレ14と、生検管路シール剤アプリケータ装置16とを通常備える生検システム10が示されている。図1において、生検管路シール剤アプリケータ装置16の可動構成要素は準備状態で位置決めされている。図2において、生検管路シール剤アプリケータ装置16の可動構成要素は配備状態で位置決めされている。
【0018】
[0041]図1を参照すると、患者の胸壁18および肺20の図示部分と連動した生検システム10が示される。生検カニューレ14および生検装置12(または代替的にトロカール)は、肺20の内部への生検管路22、すなわちアクセス通路を形成するように組み合わせて用いられてもよい。特に、生検管路22は、胸壁18の胸郭内で隣接する肋骨24-1、24-2間に形成され、壁側胸膜26、胸膜腔28および臓側胸膜30を通って延び、肺20の内部へのアクセスを提供する。本明細書において、壁側胸膜26および臓側胸膜30はまとめて胸膜層26、30と呼ばれる。図1において、生検装置12および生検管路シール剤アプリケータ装置16の各々は、生検カニューレ14を通って長手方向に延びる中心軸32に沿って連続的に配置することができる。
【0019】
[0042]図1に示す本例において、肺20の生検が完了したと仮定することができ、生検装置12の生検プローブ12-1(例えばニードル)は、生検カニューレ14のカニューレ管腔14-1から除去され、生検カニューレ14は生検管路22において適所に留まる。
【0020】
[0043]生検カニューレ14は、近位端部分14-3および遠位端14-4を有するカニューレシャフト14-2を含む。カニューレ管腔14-1は、装着ハブ14-5を通って遠位端14-4まで延び、中心軸32がカニューレ管腔14-1を通って長手方向に延びる。近位端部分14-3は、胸壁18の外部に(すなわち、外皮より上に)位置する装着ハブ14-5に固定して取り付けることができる。遠位端14-4は、臓側胸膜30に対し遠位側に、すなわち臓側胸膜30よりも下に位置決めされ、胸膜層26、30に対する生検カニューレ14の遠位端14-4の場所を、例えば、超音波撮像またはX線撮像等の撮像システムを用いて決定および/または確認することができる。
【0021】
[0044]生検カニューレ14のカニューレ管腔14-1からの生検装置12の生検プローブ12-1の除去に続いて、次に、生検管路シール剤アプリケータ装置16を、例えばルアータイプ接続を介して生検カニューレ14の装着ハブ14-5に接続することができる。
【0022】
[0045]配備状態を示す図2も参照すると、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、生検カニューレ14の引き込みと、カニューレ管腔14-1を通じた流動性シール剤材料34、例えば流動性ヒドロゲルの送達とを同時に行うように構成される。より詳細には、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、生検カニューレ14が、気胸の低減または防止を支援するために、生検管路22から引き込まれる(すなわち、撤収される)際に、生検管路22を充填するのに適切な量および速度で流動性シール剤材料34を生検管路22に同時に送達するように構成することができる。また、有利には、同時のカニューレ引き込み/シール剤配備の態様の観点において、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、流動性シール剤材料34を患者の解剖学的構造に過剰に分注し、結果として手技上の合併症が生じ得ることを低減するかまたはなくすことを支援する。
【0023】
[0046]いくつかの実施態様において、流動性シール剤材料34は、所望の場合、生検管路22内の流動性シール剤材料34の配置の確認を支援するために、X線撮像を通じて撮像可能な流動性放射線不透過性ヒドロゲルとすることができる。
【0024】
[0047]図3図12は、準備状態の生検管路シール剤アプリケータ装置16の様々な図を示す。準備状態において、生検管路シール剤アプリケータ装置16の様々な可動構成要素が伸張位置16-1(例えば、図4図5および図7)にあり、例えば、生検管路シール剤アプリケータ装置16の可動構成要素が解放されるとき、生検カニューレ14の引き込みを有効にし、生検管路シール剤アプリケータ装置16によって保持される流動性シール剤材料34の送達可能部分の同時配備を有効にする準備ができている。伸張位置16-1は、送達されることになる流動性シール剤材料34の量に依拠して、生検管路シール剤アプリケータ装置16の長さ(すなわち、長さ方向)に沿った可変範囲とすることができ、生検管路シール剤アプリケータ装置16の様々な可動構成要素の初期位置決めに基づく。
【0025】
[0048]任意選択で、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、生検管路シール剤アプリケータ装置16が所定の量の流動性シール剤材料34を送達するための使用の用意が整った状態で、かつ生検カニューレ14の装着ハブ14-5(図1も参照されたい)への接続の用意が整った状態でユーザに到達するように、準備状態で出荷されてもよい。代替的に、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、非準備状態で出荷されてもよく、生検管路シール剤アプリケータ装置16の駆動力送達構成要素、例えばばねは、切り離され、かつ/または他の形で使用不能状態にされ、この場合、生検管路シール剤アプリケータ装置16の駆動力送達構成要素、例えばばねは、使用の前に接続され、かつ/または他の形で使用可能にされる。
【0026】
[0049]図13図22は、配備状態の生検管路シール剤アプリケータ装置16の様々な図を示す。配備状態において、生検管路シール剤アプリケータ装置16の様々な可動構成要素は後退位置16-2にあり(例えば、図4図5および図7(準備状態)と比較して、図14図15および図17(配備状態)を参照されたい)、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、生検カニューレ14を完全に引き込み、(準備状態にある間)最初は生検管路シール剤アプリケータ装置16によって保持されていた流動性シール剤材料34の送達可能部分が、完全に配備された、すなわち、図2に示すように、生検カニューレ14の遠位端14-4を通じて送達された状態にある。流動性シール剤材料34の非送達可能部分は、流動性シール剤材料34の送達可能部分の完全な配備後であっても、生検カニューレ14のカニューレ管腔14-1の少なくとも一部分内に留まることができることを認識されたい。
【0027】
[0050]図3図7および図9(準備状態)ならびに図13図17および図19(配備状態)を特に参照すると、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、ハウジング36、シリンジ38、ギアトレーン40、アクチュエータ42およびばねユニット44を備える。
【0028】
[0051]ハウジング36は、内部チャンバ48を画定する側壁46を有する。ハウジング36は、第1のラックギア50および第2のラックギア52を更に備える。本実施形態において、図3図6図13および図16に最も良好に示されるように、ハウジング36および側壁46は、ハウジング36の中心軸32に沿って楕円形の断面形状をし、縦方向に見ると、ハウジング36の楕円形の湾曲は、対向する副外周部分と、対向する主外周部分とを形成する。第1のラックギア50および第2のラックギア52の各々は、内部チャンバ48内でハウジング36の側壁46に接続され、第1のラックギア50および第2のラックギア52の各々は、側壁46の長手方向の延びに沿って内部チャンバ48内で長手方向に向けられる。第1のラックギア50および第2のラックギア52の各々は、内部チャンバ48における側壁46と一体に形成することができ、側壁46から内方に突出することができる。本実施形態において、第1のラックギア50および第2のラックギア52は、ギアトレーン40の線形の固定部分を形成し、第1のラックギア50および第2のラックギア52は、ハウジング36の内部チャンバ48内で側壁46に取り付けられる。
【0029】
[0052]本実施形態において、第1のラックギア50および第2のラックギア52は、非径方向に(又は、互いに正反対ではない位置で)対向し、側壁46のそれぞれの対向する副外周部分から内方に延びる。換言すれば、本実施形態において、第1のラックギア50および第2のラックギア52は対向する方向に向き、ハウジング36の長径の対向する側面において平行であり、すなわち互いに径方向にオフセットされる。
【0030】
[0053]特に図3図7図13および図17を参照すると、側壁46は、第1のスライドチャネル46-1および第2のスライドチャネル46-2を有する。第1のスライドチャネル46-1は、側壁46において長手方向に延び、側壁46を通ってハウジング36の内部チャンバ48に延びる。第2のスライドチャネル46-2は、側壁46において長手方向に延び、側壁46を通ってハウジング36の内部チャンバ48に延びる。本実施形態において、第2のスライドチャネル46-2は第1のスライドチャネル46-1に平行であり、第1のスライドチャネル46-1および第2のスライドチャネル46-2は、ハウジング36の対向する副外周部分においてハウジング36の幅にわたって径方向に対向する。
【0031】
[0054]図4図5および図7(準備状態)ならびに図14図15および図17(配備状態)を参照すると、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、生検管路シール剤アプリケータ装置16の準備状態に対応する伸張位置16-1と、生検管路シール剤アプリケータ装置16の配備状態に対応する後退位置16-2とを有する。例えば、伸張位置16-1および後退位置16-2は、第1のスライドチャネル46-1および第2のスライドチャネル46-2に沿ってアクチュエータ42の位置(基準点として機能する)によって画定することができる。図4図5図7図14図15および図17における括弧によって示されるように、伸張位置16-1は、配備中により少ないかまたはより多い流動性シール剤材料34の配備に選択的に対応するために、生検管路シール剤アプリケータ装置16の長さに沿った可変範囲とすることができる。
【0032】
[0055]以下で更に詳細に説明するように、側壁46は、ギアトレーン40の長手方向に位置決め可能な回転部分を摺動可能に装着するために構成された第3のスライドチャネル46-3および第4のスライドチャネル46-4も有する。本実施形態において、第3のスライドチャネル46-3および第4のスライドチャネル46-4は、側壁46の対向する主外周部分において非径方向に位置する。
【0033】
[0056]図6図12(準備状態)および図16図22(配備状態)を参照すると、シリンジ38は、ハウジング36の内部チャンバ48内で移動可能である。シリンジ38は、本体54およびプランジャ56を備える。本体54は、第1の上側ガイド部材58-1と、第2の上側ガイド部材58-2と、第1の下側ガイド部材60-1と、第2の下側ガイド部材60-2と、第1の長手方向のアーム62-1と、第2の長手方向のアーム62-2とを備える。第1の長手方向のアーム62-1は、第1の上側ガイド部材58-1から上方に延び、第2の長手方向のアーム62-2は第2の上側ガイド部材58-2から上方に延びる。
【0034】
[0057]第1の上側ガイド部材58-1は、シリンジ38の本体54から外方に延び、第1のスライドチャネル46-1(例えば、図3図4図7図13図14および図17を参照)に摺動可能に係合する。第2の上側ガイド部材58-2は、シリンジ38の本体54から外方に延び、第2のスライドチャネル46-2(例えば、図3図7図13および図17を参照)に摺動可能に係合する。第1の下側ガイド部材60-1は、シリンジ38の本体54から外方に延び、第1のスライドチャネル46-1に摺動可能に係合する。第2の下側ガイド部材60-2は、シリンジ38の本体54から外方に延び、第2のスライドチャネル46-2に摺動可能に係合する。
【0035】
[0058]図7および図17に最も良好に示されるように、シリンジ38の本体54は、第1の上側ガイド部材58-1、第2の上側ガイド部材58-2、第1の下側ガイド部材60-1、および第2の下側ガイド部材60-2を介して内部チャンバ48内のハウジング36に摺動可能に結合される。したがって、本体54は、ハウジング36の内部チャンバ48内で、伸張位置16-1(すなわち、準備状態)と、後退位置16-2(すなわち、配備状態)との間で移動可能である。本体54は、より一般的には、流動性シール剤材料34(図2も参照)を保持するための管または管状部分とすることができる円筒54-1を有する。特に図12および図22を参照すると、本体54の遠位端部分54-2は、送達ポート54-3およびカプラ54-4を画定する。送達ポート54-3は円筒54-1と流体連通する。シリンジ38の本体54のカプラ54-4は、生検カニューレ14の装着ハブ14-5への接続のための、例えばルアー取付具として構成される。ハウジング36の中心軸32は、シリンジ38の送達ポート54-3およびプランジャ56を通って延びる。
【0036】
[0059]図7図12および図17図22を参照すると、シリンジ38のプランジャ56は、頭部端56-1、シャフト部分56-2、第3のラックギア56-3、第4のラックギア56-4およびピストン56-5を備える。第3のラックギア56-3および第4のラックギア56-4の各々は、プランジャ56のシャフト部分56-2の長さに沿って形成される。本実施形態において、第3のラックギア56-3および第4のラックギア56-4は、(ハウジング36に対する)ギアトレーン40の線形可動部分を形成し、第3のラックギア56-3および第4のラックギア56-4は、シリンジ38のプランジャ56のシャフト部分56-2の反対側に取り付けられる。
【0037】
[0060]特に図7図9図12図17および図19を参照すると、ピストン56-5は、円筒54-1内で送達ポート54-3に対し近位側に位置決めされ、円筒54-1内で近位位置64-1と遠位位置64-2との間(図9を参照)で移動可能である。シリンジ38の本体54の装填(伸張)位置が可変範囲であるのと同じように、シリンジ38のプランジャ56のピストン56-5の近位位置64-1も可変範囲である。シリンジ38のプランジャ56のピストン56-5の近位位置64-1の実際の位置は、ギアトレーン40のギア比と、ハウジング36の内部チャンバ48内の本体54の所定の初期位置とによって決定される。流動性シール剤材料34(図2も参照)は、シリンジ38の本体54の円筒54-1内で、本体54の送達ポート54-3(図12を参照)と、シリンジ38のプランジャ56のピストン56-5(図9を参照)との間に位置する。本体54のカプラ54-4は、図9図12および図19図22に示すように、生検カニューレ14の装着ハブ14-5に接続することができる。
【0038】
[0061]再び図3図7図13および図17を参照すると、ギアトレーン40は、ハウジング36の内部チャンバ48内に位置する。ギアトレーン40は、ハウジング36、シリンジ38の本体54、シリンジ38のプランジャ56の各々に作動的に結合される(図6図8図12図16および図18図22も参照)。ギアトレーン40は、ばねユニット44によって加わる付勢力によって、本体54が伸張位置16-1から後退位置16-2に向かって動かされる際、近位位置64-1から遠位位置64-2に向かってプランジャ56を動かすように構成される。1つの実施態様において、例えば、ギアトレーン40のギア比は、約1:2.25の比で、すなわち、シリンジ38の本体54の2.25ミリメートルの移動あたり、シリンジ38のプランジャ56の1ミリメートルの移動の比で、プランジャ56を遠位位置64-2に向かって押し、本体54を後退位置16-2に向かって引き込むように選択することができる。
【0039】
[0062]上記で説明したように、ギアトレーン40は、内部チャンバ48内でハウジング36に接続された第1のラックギア50と、内部チャンバ48内でハウジング36に接続された第2のラックギア52と、プランジャ56の長さ(すなわち、長さ方向)に沿って形成された第3のラックギア56-3と、プランジャ56の長さに沿って形成された第4のラックギア56-4とを備える。加えて、ギアトレーン40は、第1のデュアルスパーギア66および第2のデュアルスパーギア68を備える。
【0040】
[0063]第1のデュアルスパーギア66および第2のデュアルスパーギア68は、ギアトレーン40の回転部分を形成する。図6図9図11図16および図19図21に最も良好に示されるように、第1のデュアルスパーギア66は、ハウジング36の第1のラックギア50、およびシリンジ38のプランジャ56の第3のラックギア56-3の各々と回転可能に係合される。第2のデュアルスパーギア68は、ハウジング36の第2のラックギア52、およびシリンジ38のプランジャ56の第4のラックギア56-4の各々と回転可能に係合される。
【0041】
[0064]図6図9図16および図19に最も良好に示すように、第1のデュアルスパーギア66は第1の回転軸70を有し、第2のデュアルスパーギア68は第2の回転軸72を有する。第1のデュアルスパーギア66の第1の回転軸70は、第2のデュアルスパーギア68の第2の回転軸72に平行であり、ハウジング36の中心軸36-1は、第1の回転軸70と第2の回転軸72との間に置かれ、すなわち、第1の回転軸70および第2の回転軸72は平行であり、非同軸である。
【0042】
[0065]特に図12および図22を参照すると、第1のデュアルスパーギア66は第1のスパーギア66-1および第2のスパーギア66-2を有し、第1のスパーギア66-1は第2のスパーギア66-2よりも多くの歯を有する。第2のデュアルスパーギア68は第1のスパーギア68-1および第2のスパーギア68-2を有し、第1のスパーギア68-1は第2のスパーギア68-2よりも多くの歯を有する。
【0043】
[0066]図3図5図9図13図19および図15を参照すると、第1のデュアルスパーギア66は、ハウジング36の側壁46の第3のスライドチャネル46-3を通過して、第1のデュアルスパーギア66の第1のスパーギア66-1にねじ係合するねじ74を介してハウジング36の側壁46に摺動可能かつ回転可能に装着される。図11図12図21および図22も参照すると、第1のデュアルスパーギア66はまた、第1のデュアルスパーギア66の第2のスパーギア66-2を通過してこれにねじ係合するねじ76を介してシリンジ38の本体54の第2の長手方向のアーム62-2に回転可能に装着され、ねじ74は、第1のデュアルスパーギア66の第1の回転軸70に沿ってねじ76と同軸である。本実施形態において、第1のデュアルスパーギア66は、ハウジング36の側壁46と、シリンジ38の本体54の第2の長手方向のアーム62-2との間に軸方向に保持される。
【0044】
[0067]同様に、図3図7図9図13、および図17図19を参照すると、第2のデュアルスパーギア68は、ハウジング36の側壁46の第4のスライドチャネル46-4を通過して、第2のデュアルスパーギア68の第1のスパーギア68-1にねじ係合するねじ78を介してハウジング36の側壁46に摺動可能かつ回転可能に装着される。図11図12図21および図22も参照すると、第2のデュアルスパーギア68はまた、第2のデュアルスパーギア68の第2のスパーギア68-2を通過してこれにねじ係合するねじ80を介してシリンジ38の本体54の第1の長手方向のアーム62-1に回転可能に装着され、ねじ78は、第2のデュアルスパーギア68の第2の回転軸72に沿ってねじ80と同軸である。本実施形態において、第2のデュアルスパーギア68は、ハウジング36の側壁46と、シリンジ38の本体54の第1の長手方向のアーム62-1との間に軸方向に保持される。
【0045】
[0068]第1のデュアルスパーギア66の第1のスパーギア66-1は、ハウジング36の第1のラックギア50(図6および図16を参照)と回転可能に係合され、第1のデュアルスパーギア66の第2のスパーギア66-2は、プランジャ56の第3のラックギア56-3(図11図12図21および図22も参照)と回転可能に係合される。同様に、第2のデュアルスパーギア68の第1のスパーギア68-1は、ハウジング36の第2のラックギア52(図6および図16を参照)と回転可能に係合され、第2のデュアルスパーギア68の第2のスパーギア68-2は、プランジャ56の第4のラックギア56-4(図11図12図21および図22も参照)と回転可能に係合される。
【0046】
[0069]図1図2図3図7図11図13図17および図21を参照すると、アクチュエータ42は、ハウジング36に対し伸張位置16-1で、装填状態のばねユニット44を用いてシリンジ38の本体54を保持するように構成された少なくとも1つのロック部材を備える。本実施形態において、アクチュエータ42は第1のロック部材82および第2のロック部材84を含み、第1のロック部材82および第2のロック部材84は、ハウジング36に沿って対称的に配置される。第1のロック部材82(例えば、ねじ切りされたノブ)は、ハウジング36の側壁46の第1のスライドチャネル46-1(図3図4図6図13図14および図16を参照)を通って延び、シリンジ38の本体54の第1の上側ガイド部材58-1(図11および図21を参照)の一部分にねじ係合する。同様に、第2のロック部材84(例えば、ねじ切りされたノブ)は、ハウジング36の側壁46の第2のスライドチャネル46-2(図3図6図8図13および図16図18を参照)を通って延び、シリンジ38の本体54の第2の上側ガイド部材58-2(図11および図21を参照)の一部分にねじ係合する。
【0047】
[0070]本実施形態において、ロック部材82、84は、ハウジング36の対向する側面において露出した、例えば、ハウジング36の側壁46の対向する副外周部分(図3図7および図13図17を参照)において露出した、ねじ切りされたノブである。ロック部材82(第1のねじ切りされたノブ)は、ハウジング36の第1のスライドチャネル46-1を通って延び、第1の上側ガイド部材58-1(図11および図21を参照)にねじ係合し、第2のロック部材84(第2のねじ切りされたノブ)は、ハウジング36の第2のスライドチャネル46-2を通って延び、第2の上側ガイド部材(図11および図21を参照)にねじ係合し、ノブは、シリンジ38をハウジング36の内部チャンバ48内の所定の場所にロックするために、(締められているとき)ハウジング36に対し押圧するように構成される。換言すれば、ノブは、生検管路シール剤アプリケータ装置16の準備状態に対応する伸張位置16-1において生検管路シール剤アプリケータ装置16の可動構成要素を保持するようにハウジング36に対し締められる。アクチュエータ42は、ユーザによるロック部材82、84の手動操作(例えば、緩める)によって、ロック部材82、84を解放するように構成され、それによって、シリンジ38の本体54は、ばねユニット44によって加えられる付勢力によって伸張位置16-1から後退位置16-2まで動かすことができる。
【0048】
[0071]図3図6図12図13および図16図22を参照すると、ばねユニット44は、生検管路シール剤アプリケータ装置16の準備状態(例えば、伸張位置16-1)と、生検管路シール剤アプリケータ装置16の配備状態(後退位置16-2)との間の動きの駆動力を与えるように構成される。ばねユニット44は、第1の端部44-1および第2の端部44-2を有し、第1の端部44-1は、ハウジング36に結合され(例えば、孔-フック配置でラックギア50、52の上側部分に接続され)、第2の端部44-2は、シリンジ38の本体54に結合される(例えば、下側ガイド部材60-1、60-2に、例えばその周囲に接続される)。
【0049】
[0072]本実施形態において、図6図12および図16図22を参照すると、ばねユニット44は、引張りばね86、88の対を含む。本実施形態は複数の引張りばね86、88を含むが、所望の場合、動作は単一のばねを用いて有効にされ得ることが検討される。本実施形態において、引張りばね86、88の対は内部チャンバ48内に配置される。引張りばね86、88の対の第1の引張りばね86は、内部チャンバ48内で、シリンジ38の本体54の第1の上側ガイド部材58-1と、ハウジング36の第1のラックギア50の上側部分との間に連設される。引張りばね86、88の対の第2の引張りばね88は、内部チャンバ48内で、シリンジ38の本体54の第2の上側ガイド部材58-2と、ハウジング36の第2のラックギア52の上側部分との間に連設される。
【0050】
[0073]ばねユニット44は、伸張位置16-1に対応する装填状態と、後退位置16-2に対応する解放状態とを有する。シリンジ38の本体54が伸張位置16-1にあるとき、ばねユニット44は、後退位置16-2に向かう方向においてシリンジ38の本体54に付勢力を加える装填(例えば伸張)状態にある。より詳細には、本実施形態において、シリンジ38の本体54が伸張位置16-1にあるとき、引張りばね86、88の対の各ばねは、本体54を後退位置16-2に向けて付勢する緊張状態にある。
【0051】
[0074]本実施形態において、準備状態(図1および図3図12を参照)において、ロック部材82、84(例えば、ねじ切りされたノブ)は、ハウジング36の内部チャンバ48内の所定の場所においてシリンジ38をロックするようにハウジング36に対し押圧する。(例えば、図2および図13図22の配備状態におけるように)ノブが緩められると、ばねユニット44は、シリンジ38の送達ポート54-3から流動性シール剤材料34を分注し、そして流動性シール剤材料34を生検カニューレ14(図2を参照)から分注するために、ギアトレーン40のギア比に応じて異なる比でシリンジ38の本体54およびプランジャ56の双方を動かす駆動力を与える。
【0052】
[0075]言い換えると、準備状態において、アクチュエータ42のロック部材82、84は、ハウジング36に対し伸張位置16-1において、装填状態にあるばねユニット44を用いてシリンジ38の本体54を保持する。
【0053】
[0076]アクチュエータ42は、ばねユニット44によって加えられる付勢力によって伸張位置16-1から後退位置16-2に向かってシリンジ38の本体54が動かされ、プランジャ56が、ギアトレーン40のギア比によって決まる速度で反対方向に動かされるように、ロック部材82、84を解放するように構成される。本体54が伸張位置16-1から後退位置16-2に向かって動かされる際(図7および図17を比較されたい)、生検カニューレ14は、患者における生検管路22から引き込まれる(図2を参照)。また、プランジャ56は、本体54が伸張位置16-1から後退位置16-2に向かって動かされるのと同時に、近位位置64-1から遠位位置64-2まで動かされ(図9を参照)、それによって、図2に示されるように、生検カニューレ14が生検管路22を通じて引き込まれる際、流動性ヒドロゲルがシリンジ38の本体54の送達ポート54-3から生検カニューレ14を通じて生検管路22内に吐出される。
【0054】
[0077]1つの実施態様において、生検管路シール剤アプリケータ装置16の使用は、図1に示すように、生検カニューレ14の遠位端14-4が胸膜層26、30に対し遠位側にある状態で、生検カニューレ14を生検管路22内に残すことから開始することができる。図9図12および図19図22を参照すると、生検管路シール剤アプリケータ装置16のシリンジ38の本体54のカプラ54-4は、例えばルアー取付具として、引張りばね86、88が取り付けられていない状態で生検カニューレ14の装着ハブ14-5に接続され、それによって生検管路シール剤アプリケータ装置16はまだ準備状態にない。接続されると、図1および図3図12を参照すると、シリンジ38は、ハウジング36内の所望の位置に位置決めされ、アクチュエータ42のロック部材82、84(ノブ)が締められる。次に、引張りばね86、88は、緊張状態において、準備状態を達成するように取り付けられ、ここで、生検管路シール剤アプリケータ装置16は、使用のための用意が整った状態になっている。図2および図13図22を参照すると、アクチュエータ42のロック部材82、84(ノブ)を緩めることによって、生検管路シール剤アプリケータ装置16が作動され、同時に流動性シール剤材料34を生検管路22内に配備しながら、生検カニューレ14を生検管路22から引き込み始める。
【0055】
[0078]1つの実施形態において、例えば、生検管路22が17ゲージの生検カニューレ14によって形成され、生検管路22が20mmの長さであるという判断に基づいて、必要とされる流動性シール剤材料34の最大量が、例えば0.111立方センチメートル(cc)であると推定することができる。これを知ることにより、所与の直径を有する、例えば2mmの直径を有するシリンジ38のプランジャ56にどれだけのプランジャスローが必要とされるかを判断することができる。ギアトレーン40のギアは、同期して機能し、流動性シール剤材料34が、生検カニューレ14が除去される際に適宜分注されることを確実にする。
【0056】
[0079]生検管路シール剤アプリケータ装置16が生検カニューレ14(既に患者内にある)と係合されると、アクチュエータ42は、シリンジ38、そして生検カニューレ14を患者から引き抜くようにばねユニット44を作動させる。ギアトレーン40のギアは、例えば、約1:2.25の比で(例えば、シリンジ38が2.25mm患者から引き抜かれるごとに、プランジャ56がシリンジ38内に1mm押し込まれる)プランジャ56を作動させ、押し、これによって、このサイズの管路について適切な量の流動性シール剤材料34を生検管路22内に分注する。
【0057】
[0080]以下の項目も本発明に関する。
[0081]1つの形態において、本発明は、生検カニューレの装着ハブへの接続のための生検管路シール剤アプリケータ装置に関する。生検管路シール剤アプリケータ装置は、内部チャンバを有することができるハウジングと、本体およびプランジャを有するシリンジと、第1の端部および第2の端部を有するばねユニットと、ハウジングの内部チャンバ内に位置するギアトレーンとを備える。シリンジの本体は、内部チャンバ内でハウジングに摺動可能に結合することができる。本体は、ハウジングの内部チャンバ内で伸張位置と後退位置との間で動くように構成することができる。本体は、円筒(より一般的には、管または管状部分とすることができる)と、送達ポートおよびカプラを画定する遠位端部分とを有することができる。送達ポートは円筒と流体連通する。カプラは、生検カニューレの装着ハブとの接続のために構成することができる。プランジャは、円筒内で送達ポートに対し近位側に位置決めさたピストンを有することができ、円筒内で近位位置と遠位位置との間で動くように構成することができる。ばねユニットの第1の端部は、シリンジの本体に結合することができ、ばねユニットの第2の端部は、ハウジングに結合することができる。ばねユニットは、装填状態および解放状態を有し、本体が伸張位置にあるとき、ばねユニットは、後退位置に向かう方向において、シリンジの本体に対し付勢力を加える装填状態にある。ギアトレーンは、ハウジング、シリンジの本体、およびシリンジのプランジャの各々に作動的に結合される。ギアトレーンは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、本体が伸張位置から後退位置に向かって動かされる際、近位位置から遠位位置に向かってプランジャを動かすように構成することができる。
【0058】
[0082]任意選択で、ギアトレーンのギア比は、シリンジのプランジャを遠位位置に向かって押圧し、シリンジの本体を約1:2.25の比で後退位置に向かって引き込むように選択することができる。
【0059】
[0083]実施形態のうちの任意のものにおいて、ハウジングは、第1のスライドチャネルおよび第2のスライドチャネルを有することができる側壁を備えることができ、第1のスライドチャネルは、側壁において長手方向に延び、側壁を通ってハウジングの内部チャンバまで延び、第2のスライドチャネルは、側壁において長手方向に延び、側壁を通ってハウジングの内部チャンバまで延び、第2のスライドチャネルは第1のスライドチャネルに平行とすることができる。シリンジは、シリンジの本体から外方に延びて、第1のスライドチャネルに摺動可能に係合する第1の上側ガイド部材と、シリンジの本体から外方に延びて、第2のスライドチャネルに摺動可能に係合する第2の上側ガイド部材とを備えることができる。
【0060】
[0084]任意選択で、シリンジは、シリンジの本体から外方に延びて、第1のスライドチャネルに摺動可能に係合する第1の下側ガイド部材と、シリンジの本体から外方に延びて、第2のスライドチャネルに摺動可能に係合する第2の下側ガイド部材とを備えることができる。
【0061】
[0085]実施形態のうちの任意のものにおいて、生検管路シール剤アプリケータ装置は、ハウジングに対し伸張位置において、装填状態にあるばねユニットを用いてシリンジの本体を保持するように構成することができるロック部材を備えるアクチュエータを更に備えることができる。アクチュエータは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、シリンジの本体を伸張位置から後退位置に向かって動かすことができるように、ロック部材を解放するように構成することができる。
【0062】
[0086]実施形態のうちの任意のものにおいて、流動性シール剤材料は、シリンジの本体の円筒内で、本体の送達ポートと、シリンジのプランジャのピストンとの間に位置することができる。アクチュエータを含む実施形態において、アクチュエータは、ハウジングの内部チャンバ内の所定の場所にシリンジをロックする少なくとも1つのロック部材を備えることができ、ロック部材が解放されると、ばねユニットが、流動性シール剤材料を分注するためにシリンジの本体とプランジャとの双方を動かすように構成することができる。
【0063】
[0087]アクチュエータを含む実施形態において、アクチュエータは、本体を、ハウジングに対し伸張位置に、装填状態にあるばねユニットを用いて保持するように構成することができるロック部材を備えることができ、アクチュエータは、ばねユニットによって加えられる付勢力によって、伸張位置から後退位置に向かって本体を動かすことができるようにロック部材を解放するように構成することができる。ロック部材は、例えば、第1のねじ切りされたノブおよび第2のねじ切りされたノブとすることができ、第1のねじ切りされたノブは、ハウジングの側壁の第1のスライドチャネルを通って延び、第1の上側ガイド部材にねじ係合し、第2のねじ切りされたノブは、ハウジングの側壁の第2のスライドチャネルを通って延び、第2の上側ガイド部材にねじ係合する。
【0064】
[0088]実施形態のうちの任意のものにおいて、任意選択で、ばねユニットは、引張りばねの対を備えることができ、本体が伸張位置にあるとき、引張りばねの対は、本体を後退位置に向かって付勢する緊張状態にある。
【0065】
[0089]実施形態のうちの任意のものにおいて、流動性ヒドロゲルは、シリンジの本体の円筒内で、本体の送達ポートと、シリンジのプランジャのピストンとの間に位置することができる。
【0066】
[0090]いくつかの実施形態は流動性ヒドロゲルを含むことができ、流動性ヒドロゲルは放射線不透過性とすることができる。
[0091]いくつかの実施形態では、本体のカプラは、生検カニューレの装着ハブに接続することができ、生検管路シール剤アプリケータ装置は、シリンジの本体が伸張位置から後退位置に動かされる際、生検カニューレが同時に引き込まれ、シリンジの本体が伸張位置から後退位置まで動かされるのと同時にシリンジのプランジャが近位位置から遠位位置まで動かされるように構成することができ、それによって、生検カニューレが引き込まれる際、シリンジの本体の送達ポートから、生検カニューレを通じて流動性ヒドロゲルを吐出することが可能である。
【0067】
[0092]いくつかの実施形態では、ギアトレーンは、内部チャンバ内のハウジングに接続された第1のラックギアと、内部チャンバ内のハウジングに接続された第2のラックギアと、シリンジのプランジャの長さに沿って形成された第3のラックギアと、シリンジのプランジャの長さに沿って形成された第4のラックギアと、ハウジングの第1のラックギア、およびシリンジのプランジャの第3のラックギアの各々と係合された第1のデュアルスパーギアと、ハウジングの第2のラックギア、およびシリンジのプランジャの第4のラックギアの各々と係合された第2のデュアルスパーギアとを備えることができる。
【0068】
[0093]前の段落に記載のギアトレーンにおいて、ハウジングは、送達ポートおよびシリンジのプランジャを通って延びる中心軸を有することができ、第1のデュアルスパーギアは第1の回転軸を有し、第2のデュアルスパーギアは第2の回転軸を有し、第1の回転軸は、第2の回転軸に平行にすることができ、ハウジングの中心軸は、第1の回転軸と第2の回転軸との間に置くことができる。
【0069】
[0094]第1および第2のデュアルスパーギアを有して構成されたギアトレーンを有する実施形態において、第1のデュアルスパーギアおよび第2のデュアルスパーギアの各々が第1のスパーギアおよび第2のスパーギアを有することができ、第1のスパーギアは第2のスパーギアよりも多くの歯を有することができる。第1のデュアルスパーギアの第1のスパーギアは、ハウジングの第1のラックギアと係合することができる。第1のデュアルスパーギアの第2のスパーギアは、シリンジのプランジャの第3のラックギアと係合することができる。第2のデュアルスパーギアの第1のスパーギアは、ハウジングの第2のラックギアと係合することができる。第2のデュアルスパーギアの第2のスパーギアは、シリンジのプランジャの第4のラックギアと係合することができる。
【0070】
[0095]いくつかの実施形態は、引張りばねの対を備えるばねユニットを有することができ、シリンジの本体は、第1の上側ガイド部材および第2の上側ガイド部材を備える。引張りばねの対はハウジングの内部チャンバ内に配置することができ、引張りばねの対の第1の引張りばねは、内部チャンバ内で第1の上側ガイド部材とハウジングとの間に連設することができ、引張りばねの対の第2の引張りばねは、内部チャンバ内で第2の上側ガイド部材とハウジングとの間に連設することができる。
【0071】
[0096]別の形態において、本発明は生検システムに関する。生検システムは、生検カニューレと、生検装置と、生検管路シール剤アプリケータ装置とを備える。生検カニューレは、カニューレ管腔および装着ハブを有することができる。生検装置は、生検カニューレのカニューレ管腔を通じて受けられるように構成された生検プローブを有することができる。生検管路シール剤アプリケータ装置は、生検プローブが生検カニューレのカニューレ管腔から除去された後の、生検カニューレの装着ハブへの接続のために構成することができる。生検管路シール剤アプリケータ装置は、ハウジングと、シリンジと、ばねユニットと、ギアトレーンとを備えることができる。ハウジングは内部チャンバを有する。シリンジは、本体およびプランジャを有することができ、本体は、内部チャンバ内でハウジングに摺動可能に結合することができる。本体は、ハウジングの内部チャンバ内で伸張位置と後退位置との間で動くように構成することができる。本体は、円筒と、送達ポートおよびカプラを画定する遠位端部分とを有することができる。送達ポートは円筒と流体連通することができる。カプラは、生検カニューレの装着ハブとの接続のために構成することができる。プランジャは、円筒内で送達ポートに対し近位側に位置決めされたピストンを有することができ、円筒内で近位位置と遠位位置との間で動くように構成することができる。ばねユニットは、第1の端部および第2の端部を有することができる。第1の端部は、シリンジの本体に結合することができ、第2の端部は、ハウジングに結合することができる。ばねユニットは、装填状態および解放状態を有することができ、本体が伸張位置にあるとき、ばねユニットは、後退位置に向かう方向において、シリンジの本体に対し付勢力を加える装填状態にある。ギアトレーンは、ハウジングの内部チャンバ内に配置することができる。ギアトレーンは、ハウジング、シリンジの本体、およびシリンジのプランジャの各々に作動的に結合される。ギアトレーンは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、シリンジの本体が伸張位置から後退位置に向かって動かされる際、近位位置から遠位位置に向かってシリンジのプランジャを同時に動かすように構成することができる。
【0072】
[0097]前の段落の実施形態において、流動性シール剤材料は、シリンジの本体の円筒内で、本体の送達ポートと、シリンジのプランジャのピストンとの間に位置することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのロック部材は、ハウジングの内部チャンバ内の所定の場所にシリンジをロックするように構成することができ、ロック部材が解放されると、ばねユニットが、流動性シール剤材料を分注するためにシリンジの本体とプランジャとの双方を動かすように構成することができる。
【0073】
[0098]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、ギアトレーンは、内部チャンバ内のハウジングに接続された第1のラックギアと、内部チャンバ内のハウジングに接続された第2のラックギアと、シリンジのプランジャの長さに沿って形成された第3のラックギアと、シリンジのプランジャの長さに沿って形成された第4のラックギアと、ハウジングの第1のラックギア、およびシリンジのプランジャの第3のラックギアの各々と係合された第1のデュアルスパーギアと、ハウジングの第2のラックギア、およびシリンジのプランジャの第4のラックギアの各々と係合された第2のデュアルスパーギアとを備えることができる。
【0074】
[0099]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、生検管路シール剤アプリケータ装置は、ハウジングに対し伸張位置において、装填状態にあるばねユニットを用いてシリンジの本体を保持するように構成することができるロック部材を備えるアクチュエータを備えることができる。アクチュエータは、ばねユニットによって加わる付勢力によって、シリンジの本体を伸張位置から後退位置に向かって動かすことができるように、ロック部材を解放するように構成することができる。
【0075】
[00100]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、生検管路シール剤アプリケータ装置のハウジングは、第1のスライドチャネルおよび第2のスライドチャネルを有することができる側壁を備えることができ、第1のスライドチャネルは、側壁において長手方向に延び、側壁を通ってハウジングの内部チャンバまで延び、第2のスライドチャネルは、側壁において長手方向に延び、側壁を通ってハウジングの内部チャンバまで延びる。第2のスライドチャネルは第1のスライドチャネルに平行にすることができる。シリンジは、シリンジの本体から外方に延びて、第1のスライドチャネルに摺動可能に係合する第1のガイド部材と、シリンジの本体から外方に延びて、第2のスライドチャネルに摺動可能に係合する第2のガイド部材とを備えることができる。ばねユニットは、引張りばねの対を備えることができ、引張りばねの対は、内部チャンバ内に配置することができる。引張りばねの対の第1の引張りばねは、内部チャンバ内で第1のガイド部材とハウジングとの間に連設することができ、引張りばねの対の第2の引張りばねは、内部チャンバ内で第2のガイド部材とハウジングとの間に連設することができる。
【0076】
[00101]本明細書において用いられるとき、程度についての語は、そのように修飾された特性からの許容可能な変動を示すことを意図された、相対的な修飾語である。これは、修飾する絶対的な値または特性に限定されることを意図されたものではなく、むしろ、その反対のものよりも多くの物理的特性または機能的特性を有し、かつこうした物理的特性または機能的特性に近づき、またはそれを近似することを意図されたものである。
【0077】
[00102]少なくとも1つの実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲の中で更に変更されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明の任意の変形形態、使用法、または適応をカバーすることを意図されている。更に、本出願は、本発明が関係し、添付の特許請求の範囲に記載の限定に含まれる、当技術分野における知られているかまたは慣例的な実施の範囲内にある、本開示からの逸脱をカバーすることを意図されている。
図1
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【国際調査報告】