(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-17
(54)【発明の名称】スペクトルエッジ検出
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G01N21/64 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544393
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(85)【翻訳文提出日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 US2019042124
(87)【国際公開番号】W WO2020159569
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518244644
【氏名又は名称】レアサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】クーパー ジェレミー ライアン
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043BA16
2G043CA05
2G043EA01
2G043EA06
2G043FA01
2G043FA02
2G043GA08
2G043HA01
2G043HA02
2G043HA09
2G043JA02
2G043LA01
2G043LA03
2G043MA01
2G043NA04
(57)【要約】
本開示内容は、一般に、サンプル上またはサンプル内の多数のバイオマーカー(生体指標)の検出、特に複数の検出構成成分中の個々の検出構成成分の検出に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを分析する方法であって、前記サンプルは、第1の発光スペクトルを有する第1の検出構成成分を含み、前記第1の発光スペクトルは、ピーク強度波長でピーク発光強度を有するとともに前記ピーク強度波長よりも短い波長でピーク強度よりも小さな発光強度を備えた前側スペクトルエッジおよび前記ピーク強度波長よりも大きな波長で前記ピーク強度よりも小さい発光強度を備えた後側スペクトルエッジを有し、前記方法は、
前記サンプルを励起光で刺激しながら画像化装置により、前記第1の発光スペクトルの第1の発光波長で前記サンプルの第1の原画像を収集するステップを含み、前記第1の原画像は、前記第1の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第1の全信号を有し、
前記サンプルを励起光で刺激しながら前記画像化装置により、前記第1の発光スペクトルの第2の発光波長で前記サンプルの第2の原画像を収集するステップを含み、前記第2の原画像は、前記第2の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第2の全信号を有し、
プロセッサにより、前記第1および前記第2の原画像に基づいて前記第1の検出構成成分の最終画像を出力するステップを含み、
前記第1の発光波長は、前記第1の発光スペクトルの前記前側スペクトルエッジまたは前記第1の発光スペクトルの前記後側スペクトルエッジ内にある、方法。
【請求項2】
前記第2の発光波長は、前記第1の発光スペクトルの前記ピーク強度の状態にあり、前記第1の発光波長での前記発光強度は、前記第2の発光波長での前記発光強度よりも低い、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2の発光波長は、前記第1の発光波長と同一の、前記第1の発光スペクトルのスペクトルエッジ内にあり、前記第1の発光波長での前記発光強度は、前記第2の発光波長での前記発光強度よりも低い、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第2の発光波長は、前記第1の発光波長とは異なる、前記第1の発光スペクトルのスペクトルエッジ内にあり、前記第1の発光波長での前記発光強度は、前記第2の発光波長での前記発光強度よりも低い、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第2の発光波長は、前記第1の発光波長とは異なる、前記第1の発光スペクトルのスペクトルエッジ内にあり、前記第1の発光波長での前記発光強度は、前記第2の発光波長での前記発光強度と同一である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1および前記第2の全信号のうちの少なくとも一方は、自己蛍光またはバックグラウンドによって生じる信号をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記サンプルは、第2の発光スペクトルを有する第2の検出構成成分をさらに含み、前記第2の発光スペクトルは、ピーク強度波長でピーク発光強度、前記ピーク強度波長よりも短い波長でピーク強度よりも小さな発光強度を備えた前側スペクトルエッジ、および前記ピーク強度波長よりも大きな波長で前記ピーク強度よりも小さい発光強度を備えた後側スペクトルエッジを含み、前記第1および前記第2の全信号のうちの少なくとも一方は、前記第2の検出構成成分によって生じる信号をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記プロセッサにより、前記第1および前記第2の原画像に基づいて前記第2の検出構成成分の最終画像を出力するステップをさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第1の原画像が収集される際の前記第1の発光波長は、前記第2の発光スペクトルの前記前側スペクトルエッジまたは前記後側スペクトルエッジ内にあり、前記第2の原画像が収集される際の前記第2の発光波長は、前記第1の発光波長と同一の、前記第2の発光スペクトルの前記前側スペクトルエッジまたは前記後側スペクトルエッジ内にあり、前記第2の発光スペクトルは、前記第2の発光波長の場合よりも前記第1の発光波長の場合の方が低い発光強度を有する、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルを励起光で刺激しながら前記画像化装置により、前記第2の発光スペクトルの第3の発光波長で前記サンプルの第3の原画像を収集するステップをさらに含み、前記第3の発光波長は、前記第2の発光スペクトルの前記ピーク強度波長であり、前記第3の原画像は、前記第2の検出構成成分の前記ピーク強度波長での第2の検出構成成分信号を含む第3の全信号を有する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記プロセッサにより、前記第1、前記第2、および前記第3の原画像のうちの少なくとも2つに基づいて前記第2の検出構成成分の最終画像を出力するステップをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第1の原画像が収集される際の前記第1の発光波長は、前記第2の発光スペクトルの前記前側スペクトルエッジまたは前記後側スペクトルエッジ内にあり、前記第2の原画像が収集される際の前記第2の発光波長は、前記第2の発光スペクトルの前記ピーク強度の状態にあり、前記第2の発光スペクトルは、前記第2の発光波長の場合よりも前記第1の発光波長の場合の方が低い発光強度を有する、請求項7記載の方法。
【請求項13】
前記サンプルを励起光で刺激しながら前記画像化装置により、第2の発光スペクトルの第3の発光波長で前記サンプルの第3の原画像を収集するステップをさらに含み、前記第3の発光波長は、前記第1の発光波長とは異なる、前記第2の発光スペクトルのスペクトルエッジ内にあり、前記第3の原画像は、前記第2の検出構成成分の前記第3の発光波長で第2の検出構成成分信号を含む第3の全信号を有する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサにより、前記第1、前記第2、および前記第3の原画像のうちの少なくとも2つに基づいて前記第2の検出構成成分の最終画像を出力するステップをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1の原画像が収集される際の前記第1の発光波長は、前記第2の発光スペクトルの前記前側スペクトルエッジまたは前記後側スペクトルエッジ内にあり、前記第2の原画像が収集される際の前記第2の発光波長は、前記第1の発光波長とは異なる、前記第2の発光波長のスペクトルエッジ内にある、請求項7記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルを励起光で刺激しながら前記画像化装置により、前記第2の発光スペクトルの第3の発光波長で前記サンプルの第3の原画像を収集するステップをさらに含み、前記第3の原画像は、前記第2の検出構成成分の前記第3の発光波長で第2の検出構成成分信号を含む第3の全信号を有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサにより、前記第1、前記第2、および前記第3の原画像のうちの少なくとも2つに基づいて前記第2の検出構成成分の最終画像を出力するステップをさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1の発光スペクトルの前記前縁および前記第2の発光スペクトルの前記前縁は、1~50nmのオフセットを有し、前記オフセットは、前記第1の発光スペクトルの前記前縁の波長と、前記同一の発光強度を有する前記第2の発光スペクトルの前記前縁の波長との差である、請求項7記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサにより、前記第1および前記第2の原画像に基づいて前記第2の検出構成成分の最終画像を出力するステップをさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項20】
前記第1の検出構成成分は、蛍光性または発色性であり、前記第2の検出構成成分は、蛍光性または発色性である、請求項7記載の方法。
【請求項21】
スクリーン上で、前記第1の検出構成成分の前記第1の原画像、前記第2の原画像、および前記最終画像のうちの少なくとも1つを最終使用者またはオペレータに表示するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
1つまたは2つ以上の発光スペクトルセレクタにより、前記第1の発光波長を前記第1の発光波長を有する第1の発光から選択するステップと、
前記第1の発光波長を検出器により捕捉するステップとをさらに含み、
前記第1の発光波長を選択して捕捉する前記ステップは、前記第1の発光波長を収集する前記ステップのサブステップである、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記第1の全信号は、前記第1の画像の第1の画素で収集され、前記第2の全信号は、前記第2の画像の第2の画素で収集され、前記第1および前記第2の画素は、前記サンプル上のまたは前記サンプル内の同一の場所に対応する、請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記サンプルを励起光で刺激しながら前記画像化装置により、前記第1の発光スペクトルの第3の発光波長で前記サンプルの第3の原画像を収集するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記第1、前記第2、および前記第3の原画像のうちの1つは、前記第1の発光スペクトルの前記ピーク強度の状態にある、請求項24記載の方法。
【請求項26】
他の2つの前記原画像は、互いに同一の前記前側スペクトルエッジまたは後側スペクトルエッジ内にある、請求項25記載の方法。
【請求項27】
他の2つの前記原画像は、前記第1の発光スペクトルの互いに異なるスペクトルエッジ内にある、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記第1、前記第2、および前記第3の原画像のうちの少なくとも2つは、前記第1の発光スペクトルの前記同一のスペクトルエッジ内にある、請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記第1、前記第2、および前記第3の原画像は、前記第1の発光スペクトルの前記同一のスペクトルエッジ内にある、請求項24記載の方法。
【請求項30】
1つまたは2つ以上のプロセッサまたはデバイスにサンプルを分析する方法を実施させる命令を含む非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記サンプルは、第1の発光スペクトルを有する第1の検出構成成分を含み、前記第1の発光スペクトルは、ピーク強度波長でピーク発光強度を有するとともに前記ピーク強度波長よりも短い波長でピーク強度よりも小さな発光強度を備えた前側スペクトルエッジおよび前記ピーク強度波長よりも大きな波長で前記ピーク強度よりも小さい発光強度を備えた後側スペクトルエッジを有し、前記方法は、
前記サンプルを励起光で刺激しながら画像化装置により、前記第1の発光スペクトルの第1の発光波長で前記サンプルの第1の原画像を収集するステップを含み、前記第1の原画像は、前記第1の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第1の全信号を有し、
前記サンプルを励起光で刺激しながら前記画像化装置により、前記第1の発光スペクトルの第2の発光波長で前記サンプルの第2の原画像を収集するステップを含み、前記第2の原画像は、前記第2の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第2の全信号を有し、
プロセッサにより、前記第1および前記第2の原画像に基づいて前記第1の検出構成成分の最終画像を出力するステップを含み、
前記第1の発光波長は、前記第1の発光スペクトルの前記前側スペクトルエッジまたは前記第1の発光スペクトルの前記後側スペクトルエッジ内にある、非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において言及する全ての刊行物および特許出願を参照により引用し、個々の刊行物または特許出願が具体的にかつ個々に参照により引用されているかのごとくこれらの記載内容全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
本開示内容(本発明)は、一般に、サンプル上またはサンプル内の多数のバイオマーカー(生体指標)の検出、特に、複数の検出構成成分内における個々の検出構成成分の検出に関する。
【背景技術】
【0003】
サンプルは、分析のために画像化されるべき関心のある物質を含む場合が多い。これら関心のある物質は、検出して画像化することが望ましい場合のある複数のバイオマーカーおよび/または成分を含む場合がある。現行のフィルタおよび画像化機器は、限定された数の標識(ラベル)を任意所与の一時点において使用できるにすぎない。その結果、医者、研究者、および懸濁液を用いて働く人たちは、サンプルをより効率的かつ正確に画像化するシステムおよび方法を求め続けている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一観点によれば、サンプルを分析する方法であって、サンプルは、第1の発光スペクトルを有する第1の検出構成成分を含み、第1の発光スペクトルは、ピーク強度波長でピーク発光強度を有するとともにピーク強度波長よりも短い波長でピーク強度よりも小さな発光強度を備えた前側スペクトルエッジおよびピーク強度波長よりも大きな波長でピーク強度よりも小さい発光強度を備えた後側スペクトルエッジを有し、この方法は、
サンプルを励起光で刺激しながら画像化装置により、第1の発光スペクトルの第1の発光波長でサンプルの第1の原画像を収集するステップを含み、第1の原画像は、第1の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第1の全信号を有し、
サンプルを励起光で刺激しながら画像化装置により、第1の発光スペクトルの第2の発光波長でサンプルの第2の原画像を収集するステップを含み、第2の原画像は、第2の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第2の全信号を有し、
プロセッサにより、第1および第2の原画像に基づいて第1の検出構成成分の最終画像を出力するステップを含み、
第1の発光波長は、第1の発光スペクトルの前側スペクトルエッジまたは第1の発光スペクトルの後側スペクトルエッジ内にあることを特徴とする方法が提供される。
【0005】
本発明の別の観点によれば、1つまたは2つ以上のプロセッサまたはデバイスにサンプルを分析する方法を実施させる命令を含む非一過性コンピュータ可読媒体であって、サンプルは、第1の発光スペクトルを有する第1の検出構成成分を含み、第1の発光スペクトルは、ピーク強度波長でピーク発光強度を有するとともにピーク強度波長よりも短い波長でピーク強度よりも小さな発光強度を備えた前側スペクトルエッジおよびピーク強度波長よりも大きな波長でピーク強度よりも小さい発光強度を備えた後側スペクトルエッジを有し、上記方法は、
サンプルを励起光で刺激しながら画像化装置により、第1の発光スペクトルの第1の発光波長でサンプルの第1の原画像を収集するステップを含み、第1の原画像は、第1の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第1の全信号を有し、
サンプルを励起光で刺激しながら画像化装置により、第1の発光スペクトルの第2の発光波長でサンプルの第2の原画像を収集するステップを含み、第2の原画像は、第2の発光波長で第1の検出構成成分信号を含む第2の全信号を有し、
プロセッサにより、第1および第2の原画像に基づいて第1の検出構成成分の最終画像を出力するステップを含み、
第1の発光波長は、第1の発光スペクトルの前側スペクトルエッジまたは第1の発光スペクトルの後側スペクトルエッジ内にあることを特徴とする非一過性コンピュータ可読媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】例示の第1の発光スペクトルを示す図である。
【
図1B】例示の第2の発光スペクトルを示す図である。
【
図1C】例示の第3の発光スペクトルを示す図である。
【
図2A】例示の第4の発光スペクトルおよびバックグラウンド信号を示す図である。
【
図3A】例示の第1および第2の発光スペクトルを示す図である。
【
図3B】例示の第1および第2の発光スペクトルを示す図である。
【
図3C】例示の第1および第2の発光スペクトルを示す図である。
【
図3D】例示の第1および第2の発光スペクトルを示す図である。
【
図3E】例示の第1および第2の発光スペクトルおよび第3の発光スペクトルを示す図である。
【
図5E】原画像のうちの少なくとも2つに基づいて得られた最終画像を示す図である。
【
図5F】原画像のうちの少なくとも2つに基づいていられた最終画像を示す図である。
【
図5G】原画像のうちの少なくとも2つに基づいていられた最終画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、用いられる検出構成成分のそれぞれの発光および/または励起波長に基づいて複数の検出構成成分、例えばオーバーラップしたスペクトルを有する検出構成成分から個々の検出構成成分のスペクトルデータを得るシステムおよび方法に関する。本発明は、さらに、多数の別々の蛍光性標的を識別しながら蛍光性画像を記録するシステムおよび方法に関する。
【0008】
以下の説明において、「原画像」という用語は、センサまたは検出器によって捕捉され、処理されていなかったデータまたは少なくとも1つの信号を含む画像(オペレータまたは最終使用者に視覚的に表示されようとそうでなかろうと、いずれにせよ)を表すために用いられる。
【0009】
以下の説明において、「最終画像」という用語は、処理されたデータまたは少なくとも1つの信号を含む画像(オペレータまたは最終使用者に視覚的に表示されようとそうでなかろうと、いずれにせよ)を表すために用いられている。「最終画像」はまた、2つまたは3つ以上の原画像または他の最終画像の比較および/または分析の結果として得られる出力画像である画像(オペレータまたは最終使用者に視覚的に表示されようとそうでなかろうといずれにせよ)を表すために使用される場合がある。
【0010】
以下の説明において、「光」という用語は、多重化および画像化の種々の使用および観点を表すために使用される。この「光」という用語は、電磁スペクトルの可視部分中の電磁線の表示には限定されず、電磁スペクトルの紫外線部分および赤外線部分中の放射線を表すことも意図される。
【0011】
以下の説明において、「サンプル」という用語は、生物学的流体、生物学的半固体、生物学的固体(個体、例えば組織のままである場合があり、あるいは任意適当な仕方で液化されている場合がある)懸濁液、懸濁液の一部分、懸濁液の一成分などを表すために使用される。
【0012】
以下の説明において、「標的分析物」または「標的物質」という用語は、関心のある生物学的物質を表すために用いられる。
【0013】
以下の説明において、「非標的分析物」という用語は、標的分析物ではない生物学的物質を表すために用いられる。
【0014】
以下の説明において、「バイオマーカー(生体指標)」という用語は、標的分析物もしくは標的物質上または標的分析物もしくは標的物質内に存在する物質(すなわち、標的分析物内に例えば食菌作用を介して内在化された細胞内または細胞外標的分析物など)を表すために用いられる。バイオマーカーとしては、ペプチド、タンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、エピトープ、イソフォルム、DNA、RNAなどが挙げられるが、これらには限定されない。バイオマーカーは、投薬のための標的分子であるのが良い。
【0015】
以下の説明において、「親和性分子」という用語は、別の分子に結合しまたはこれと相互作用することができる分子であればどのようなものでも表すために用いられる。相互作用または結合は、共有であっても良くまたは非共有であっても良い。親和性分子としては、抗体、ハプテン、タンパク質、アプタマー、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または別の分子と相互作用しもしくは結合する任意の適当な分子(例えば、バイオマーカー、結合ペアの分子またはビオチンまたはアビジン(これらには限定されない)を含む相補分子、その他)が挙げられるが、これらには限定されない。
【0016】
以下の説明において、「検出構成成分」という用語は、検出のための信号を提供し、それによりサンプルまたは試料内の別の化合物、別の物質、分析物などの存在を示す化合物または物質を表すために用いられる。検出構成成分は、蛍光性であるのが良く、例えば蛍光性プローブであり、あるいは発色性であるのが良く、例えば発色性染料であるのが良い。蛍光性プローブは、反応性染料、有機染料、蛍光性タンパク質、量子ドット、非タンパク質有機分子、ナノ粒子(例えば、ナノダイヤモンド)などであるのが良い。
【0017】
検出構成成分は、検出のための信号を提供し、それによりサンプルまたは試料内の別の化合物、別の物質、分析物などの存在を示す化合物または物質である。検出構成成分は、トレーサーとして、ある特定の構造体のための標識として、バイオマーカーのための標識としてあるいはその他として使用できる。検出構成成分を分布しても良く、あるいは検出構成成分は、摂取、選択的摂取、拡散および結合分子への取り付け(これらには限定されない)を含む仕方で適当な構造またはバイオマーカーを標識表示することができる。検出構成成分は、直接的標識化または間接的標識化によってバイオマーカーに結合されるのが良い。
【0018】
種々の酵素標識(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼおよびアルカリホスフェイト)とともに使用できる発色性染料としては、3,3’‐ジアミノベンジジン(DAB),3‐アミノ‐9‐エチルカルバゾール(AEC)、4‐クロロ‐1‐ナフトール(CN),P‐フェニレンジアミン二塩酸塩/ピロカテコール(Hanker-Yates試薬)、ファストレッドTR、ニューフクシン、ファストブルーBBなどが挙げられるがこれらは限定されない。蛍光性プローブとしては、1,5IAEDANS、1,8‐ANS、4‐メチルウンベリフェロン、5‐カルボキシ‐2,7ジクロロフルオレセイン、5‐カルボキシフルオレセイン(5‐FAM)、5‐カルボキシナフトフルオレセイン、5‐カルボキシテトラメチルローダミン(5‐TAMRA)、5‐FAM(5‐カルボキシフルオレセイン)、5‐HAT(ヒドロキシトリプタミン)、5‐ヒドロキシトリプタミン(HAT)、5‐ROX(カルボキシ‐X‐ローダミン)、5‐TAMRA(5‐カルボキシテトラメチルローダミン)、6‐カルボキシローダミン6G、6‐CR 6G、6‐JOE、7‐アミノ‐4‐メチルクマリン、7‐アミノアクチノマイシンD(7‐AAD)、7‐ヒドロキシ‐4‐メチルクマリン、9‐アミノ‐6‐クロロ‐2‐メトキシアクリジン、ABQ、アシッドフクシン、ACMA(9‐アミノ‐6‐クロロ‐2‐メトキシアクリジン)、アクリジンオレンジ、アクリジンレッド、アクリジンイエロー、アクリフラビン、アクリフラビンフォイルゲンSITSA、エクオリン(発光タンパク質)、自家蛍光タンパク質、Alexa Fluor 350(商標)、Alexa Fluor 430(商標)、Alexa Fluor 488(商標)、Alexa Fluor 532(商標)、Alexa Fluor 546(商標)、Alexa Fluor 568(商標)、Alexa Fluor 594(商標)、Alexa Fluor 633(商標)、Alexa Fluor 647(商標)、Alexa Fluor 660(商標)、Alexa Fluor 680(商標)、アリザリンコンプレキソン、アリザリンレッド、アロフィコシアニン(APC)、AMC、AMCA‐S、AMCA(アミノメチルクマリン)、AMCA‐X、アミノアクチノマイシンD、アミノクマリン、アミノメチルクマリン(AMCA)、アニリンブルー、ステアリン酸アントロシル、APC(アロフィコシアニン)、APC‐Cy7、APTRA‐BTC、APTS、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー7GLL、アタブリン、ATTO‐TAG(商標)CBQCA、ATTO‐TAG(商標)FQ、オーラミン、オーロホスフィンG、オーロホスフィン、BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール)、BCECF(高pH)、BCECF(低pH)、ベルベリン硫酸塩、ベータラクタマーゼ、BFP青方偏移GFP(Y66H:青色蛍光タンパク質)、BFP/GFP FRET、ビマン、ビスベンズアミド、ビスベンズアミド(ヘキスト)、bis‐BTC、ブランコフォルFFG、ブランコフォルSV、BOBO(商標)‐1、BOBO(商標)‐3、ボディパイ492/515、ボディパイ493/503、ボディパイ500/510、ボディパイ505/515、ボディパイ530/550、ボディパイ542/563、ボディパイ558/568、ボディパイ564/570、ボディパイ576/589、ボディパイ581/591、ボディパイ630/650‐X、ボディパイ650/665‐X、ボディパイ665/676、ボディパイFl、ボディパイFL ATP、ボディパイFl‐セラミド、ボディパイR6G SE、ボディパイTMR、ボディパイTMR‐X 抱合体、ボディパイTMR‐X,SE、ボディパイTR、ボディパイTR ATP、ボディパイTR‐X SE、BO‐PRO(商標)‐1、BO‐PRO(商標)‐3、ブリリアントスルホフラビンFF、ブリリアントバイオレット421、ブリリアントバイオレット510、ブリリアントバイオレット605、ブリリアントバイオレット650、ブリリアントバイオレット711、ブリリアントバイオレット786、BTC、BTC‐5N、カルセイン、カルセインブルー、カルシウムクリムソン(商標)、カルシウムグリーン、カルシウムグリーン‐1、カルシウムグリーン‐2、カルシウムグリーン‐5N、カルシウムグリーン‐C18、カルシウムオレンジ、カルコフロールホワイト、カルボキシ‐X‐ローダミン(5‐ROX)、カスケードブルー(商標)、カスケードイエロー、カテコールアミン、CCF2(GeneBLAzer)、CFDA、CFP(シアン蛍光タンパク質)、CF405S、CF488A、CF543、CF568、CF647、CF750、CF780、FP/YFP FRET、クロロフィル、クロモマイシンA、クロモマイシンA、CL‐NERF、CMFDA、セレンテラジン、セレンテラジンcp、セレンテラジンf、セレンテラジンfcp、セレンテラジンh、セレンテラジンhcp、セレンテラジンip、セレンテラジンn、セレンテラジンO、クマリンファロイジン、C‐フィコシアニン、CPMメチルクマリン、CTC、CTCホルマザン、Cy2(商標)、Cy3.1 8、Cy3.5(商標)、Cy3(商標)、Cy5.1 8、Cy5.5(商標)、Cy5(商標)、Cy7(商標)、シアンGFP、サイクリックAMPフルオロセンサ(FiCRhR)、CyQuant 細胞増殖アッセイ、ダブシル、ダンシル、ダンシルアミン、ダンシルカダベリン、ダンシルクロリド、ダンシルDHPE、DAPI、ダポキシル(Dapoxyl )、ダポキシル2(Dapoxyl 2)、ダポキシル2(Dapoxyl 3)、DCFDA、DCFH(ジクロロジヒドロフルオレセインジアセタート)、DDAO、DHR(ジヒドロローダミン123)、ジ‐4‐ANEPPS、ジ‐8‐ANEPPS、DiA(4‐ジ‐16‐ASP)、ジクロロジヒドロフルオレセインジアセタート(DCFH)、DiD‐脂溶性トレーサー、DiD(DiIC18(5))、DIDS、ジヒドロローダミン123(DHR)、DiI(DiIC18(3))、ジニトロフェノール、DiO(DiOC18(3))、DiR、DiR(DiIC18(7))、DM‐NERF(高pH)、DNP、ドーパミン、DsRed、DTAF、DY‐630‐NHS、DY‐635‐NHS、EBFP(高感度青色蛍光タンパク質)、ECFP(高感度シアン蛍光タンパク質)、EGFP(高感度緑色蛍光タンパク質)、ELF97、エオシン、ER‐Tracker (商標)グリーン、ER‐Tracker (商標)レッド、ER‐Tracker (商標)ブルー‐ホワイトDPX、エリスロシン、エリスロシンITC、エチジウムブロミド、エチジウムホモダイマー1(EthD‐1)、オイクリシン、ユーコライト(EukoLight )、塩化ユウロピウム(III)、EYFP(高感度黄色蛍光タンパク質)、ファストブルー、FDA、FIF(ホルムアルデヒド誘起蛍光)、FITC、FITC抗体、フラゾオレンジ:Fluo‐3、Fluo‐4、フルオレセイン(FITC)、フルオレセインジアセタート、フルオロエメラルド、フルオロゴールド(ヒドロキシスチルバミジン)、フルオロルビー、フルオロX、FM1‐43(商標)、FM4‐46、フラレッド(商標)(高pH)、フラレッド(商標)/Fluo‐3、フラ‐2,高カルシウム、フラ‐2,低カルシウム、フラ‐2/BCECF、ゲナクリルブリリアントレッドB、ゲナクリルブリリアントイエロー10GF、ゲナクリルピンク3G、ゲナクリルイエロー5GF、GeneBlazer(CCF2)、GFP(S65T)、GFP赤方偏移(rsGFP)、GFPワイルドタイプ,非紫外光励起(wtGFP)、GFPワイルドタイプ,紫外光励起(wtGFP)、GFPuv、シュウ酸、グラニュラブルー、ヘマトポルフィリン、ヘキスト33258、ヘキスト33342、ヘキスト34580、HPTS、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシスチルバミジン(フルオロゴールド)、ヒドロキシトリプタミン、Indo‐1,高カルシウム、Indo‐1,低カルシウム、インドジカルボシアニン(DiD)、インドトリカルボシアニン(DiR)、イントラホワイトCfJC‐1、JO‐JO‐1、JO‐PRO‐1、レーザープロ、ラウロダン、LDS751、ロイコホールPAF、ロイコホールSF、ロイコホールWS、リサミンローダミン、リサミンローダミンB、カルセイン/エチジウムホモダイマー、LOLO‐1、LO‐PRO‐1、ルシファーイエロー、リソトラッカーブルー、リソトラッカーブルー‐ホワイト、リソトラッカーグリーン、リソトラッカーレッド、リソトラッカーイエロー、リソセンサーブルー、リソセンサーグリーン、リソセンサーイエロー/ブルー、マググリーン、マグダラレッド(フロキシンB)、マグ‐フラレッド、マグ‐フラ‐2、マグ‐フラ‐5、マグ‐Indo‐1、マグネシウムグリーン、マグネシウムオレンジ、マラカイトグリーン、マリーナブルー、マキシロンブリリアントフラビン10GFF、マキシロンブリリアントフラビン8GFF、メロシアニン、メトキシクマリン、ミトトラッカーグリーン、ミトトラッカーオレンジ、ミトトラッカーレッド、ミトラマイシン、モノブロモビマン、モノブロモビマン(mBBr‐GSH)、モノクロロビマン、MPS(メチルグリーンピロニンスチルベン)、mストロリベー(mStrawberry )、NBD、NBDアミン、ナイルレッド、ニトロベンゾオキサジドール、ノルアドレナリン、ヌクレアファストレッド、ヌクレアイエロー、ナイロサンブリリアントイアビンE8G、オレゴングリーン(商標)、オレゴングリーン(商標)488、オレゴングリーン(商標)500、オレゴングリーン(商標)514、パシフィックブルー、パラローズアニリン(フォイルゲン)、PBFI、PE‐Cy5、PE‐Cy7、PerCP、PerCP‐Cy5.5、PE‐テキサスレッド(レッド613)、フロキシンB(マグダラレッド)、ホレートAR、ホレートBKL、ホレートRev、ホレートRPA、ホスフィン3R、フォトレジスト、フィコエリトリンB、フィコエリトリンR、PKH26(シグマ)、PKH67、PMIA、ポントクロームブルーブラック、POPO‐1、POPO‐3、PO‐PRO‐1、PO‐PRO‐3、プリムリン、プロシオンイエロー、プロピジウムヨウ化物(PI)、ピレン、ピロニン、ピロニンB、ピロザルブリリアントフラビン7GF、QD400、QD425、QD450、QD500、QD520、QD525、QD530、QD535、QD540、QD545、QD560、QD565、QD570、QD580、QD585、QD590、QD600、QD605、QD610、QD620、QD625、QD630、QD650、QD655、QD705、QD800、QD1000、QSY7、キナクリンマスタード、レッド613(PE‐テキサスレッド)、レソルフィン、RFP、RH414、Rhod‐2、ローダミン、ローダミン110、ローダミン123、ローダミン5GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミンB200、ローダミンBエクストラ、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミングリーン、ローダミンファロイジン、ローダミンファロイジン、ローダミンレッド、ローダミンWT、ローズベンガル、R‐フィコシアニン、R‐フィコエリスリン、rsGFP(赤方偏移GFP(S65T))、S65A、S65C、S65L、S65T、サファイアGFP、SBFI、セロトニン、Sevronブリリアントレッド2B、Sevronブリリアントレッド4G、SevronブリリアントレッドB、オレンジ、SevronイエローL、sgGFP(商標)(スーパーグローGFP(super glow GFP))、SITS(プリムリン)、SITS(スチルベンイソチオスルホン酸)、SNAFLカルセイン、SNAFL‐1、SNAFL‐2、SNARFカルセイン、 SNARF1、ソディウムグリーン、スペクトラムアクア、スペクトラムグリーン、スペクトラムオレンジ、スペクトラムレッド、SPQ(6‐メトキシ‐N‐(3‐スルホプロピル)キノリニウム)、スチルベン、スルホローダミンB can C 、スルホローダミンGエクス
トラ、SYTO11、SYTO12、SYTO13、SYTO14、SYTO15、SYTO16、SYTO17、SYTO18、SYTO20、SYTO21、SYTO22、SYTO23、SYTO24、SYTO25、SYTO40、SYTO41、SYTO42、SYTO43、SYTO44、SYTO45、SYTO59、SYTO60、SYTO61、SYTO62、SYTO63、SYTO64、SYTO80、 SYTO81、SYTO82、SYTO83、SYTO84、SYTO85、SYTOXブルー、SYTOXグリーン、SYTOXオレンジ、SYTOXレッド、テトラサイクリン、テトラメチルローダミン(TRITC)、テキサスレッド(商標)、レキサスレッド‐X(商標)抱合体、チアジカルボシアニン(DiSC3)、チアジンレッドR、チアゾールオレンジ、チオフラビン5、チオフラビンS、チオフラビンTCN、チオライト、チオゾールオレンジ、チノポールCBS(カルコフロールホワイト)、TMR、TO‐PRO‐1、TO‐PRO‐3、TO‐PRO‐5、TOTO‐1、TOTO‐3、トリカラー(PE‐Cy5)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、トゥルーブルー、トゥルーレッド、チューブリントラッカー(商標)グリーン、ウルトラライト、ウラニンB、Uvitex SFC、wtGFP(ワイルドタイプGFP)、WW781、X‐ローダミン、XRITC、キシレンオレンジ、Y66F、Y66H、Y66W、イエローGFP(黄方偏移)、緑色蛍光タンパク質、YFP(黄色蛍光タンパク質)、YO-PRO-1、YO-PRO-3、YOYO-1、YOYO-3、ならびにこれらの組み合わせおよび誘導体が挙げられるが、これらには限定されない。一実施形態では、検出構成成分、例えば有機蛍光体は、少なくとも100ダルトン(D)の分子量を有するのが良く、かかる分子量としては、少なくとも1kD、少なくとも10kD、少なくとも25kD、少なくとも50kD、少なくとも75kD、少なくとも100kD、少なくとも150kD、少なくとも200kD、少なくとも250kD、少なくとも300kD、少なくとも340kD、少なくとも350kD、少なくとも500kD、および少なくとも750kDが挙げられるが、これらには限定されない。
【0019】
以下の説明において、「染料」または「標識」という用語は、区別なく用いられ、これらは、検出構成成分に結合されまたはこれと相互作用する親和性分子を表すために用いられる。結合または相互作用は、直接的または間接的である。直接的結合または相互作用は、バイオマーカーと検出構成成分との共有結合性または非共有結合性相互作用を含む。間接的結合または相互作用は、結合ペアを形成する少なくとも第1および第2の相補分子の使用を含む。第1および第2の相補分子は、組み合わせ状態で、以下の方法、すなわち、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合性相互作用、非共有結合性相互作用、共有結合性相互作用、親和性相互作用などのうちの少なくとも1つの仕方で結合しまたは相互作用する結合ペアである。結合ペアとしては、免疫型結合ペア、例えば抗原抗体反応、抗原抗体フラグメント、ハプテン‐抗ハプテン、または一次抗体‐二次抗体、非免疫型結合ペア、例えばビオチン‐アビジン、ビオチン‐ストレプトアビジン、葉酸‐葉酸結合タンパク質、ホルモン‐ホルモン受容体、レクチン‐特定の炭水化物、酵素‐酵素、酵素‐基質、酵素‐基質類似体、酵素‐偽基質(酵素活性によっては触媒できない基質類似体)、酵素‐補因子、酵素‐モジュレータ、酵素‐阻害剤、またはビタミンB12‐内因子が挙げられるが、これらには限定されない。結合ペアの他の適当な例としては、相補的核酸フラグメント(相補的ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含む)、プロテインA抗体、プロテインG抗体、核酸‐核酸結合タンパク質、ポリマーリンカー(例えば、ポリエチレングリコール)、またはポリヌクレオチド‐ポリヌクレオチド結合タンパク質が挙げられる。結合ペアは、増幅法に含まれる場合がありまたは増幅法として使用できる。増幅法はまた、信号を増大させるようバイオマーカーに結合されまたはこれと相互作用する検出構成成分の数を増大させるよう実施される。一実施形態では、結合ペアが用いられる場合、染料は、あらかじめ共役されるのが良く、例えば、標識化、染色、または付加ステップ中、親和性分子がサンプルに付加されたときの検出構成成分に既に結合されまたは相互作用するようになっている。一実施形態では、結合ペアが用いられる場合、染料がサンプル内に共役されるのが良く、その結果、標識化、染色、または付加ステップが親和性分子‐最初の結合分子抱合体、第2の結合ペア分子‐検出構成成分抱合体の導入(任意所望のまたは適当な順序で)含む少なくとも2つのサブステップを含むようになっており、第1および第2の結合ペア分子は、互いに相補するとともに互いに結合しまたは相互作用する。
【0020】
さらに、「複数の染料」は、親和性分子および/または検出構成成分が互いに異なる2つまたは3つ以上の染料を表すために使用される場合がある。例えば、抗CK-Alexa 647が抗EpCAM-Alexa 647 とは異なる。別の例として、抗CK-Alexa 647は、抗CK-Alexa 488とは異なる。
【0021】
以下の説明において、「抱合体」という用語は、第2の化学物質、分子、構成成分などに結合されまたはこれと相互作用する第1の化学物質、分子、構成成分などを表すために用いられる。結合または相互作用は、直接的または間接的である。直接的結合または相互作用は、バイオマーカーと検出構成成分との共有結合性または非共有結合性相互作用を含む。間接的結合または相互作用は、結合ペアを形成する少なくとも第1および第2の相補分子の使用を含む。第1および第2の相補分子は、組み合わせ状態で、以下の方法、すなわち、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合性相互作用、非共有結合性相互作用、共有結合性相互作用、親和性相互作用などのうちの少なくとも1つの仕方で結合しまたは相互作用する結合ペアである。結合ペアとしては、免疫型結合ペア、例えば抗原抗体反応、抗原抗体フラグメント、ハプテン‐抗ハプテン、または一次抗体‐二次抗体、非免疫型結合ペア、例えばビオチン‐アビジン、ビオチン‐ストレプトアビジン、葉酸‐葉酸結合タンパク質、ホルモン‐ホルモン受容体、レクチン‐特定の炭水化物、酵素‐酵素、酵素‐基質、酵素‐基質類似体、酵素‐偽基質(酵素活性によっては触媒できない基質類似体)、酵素‐補因子、酵素‐モジュレータ、酵素‐阻害剤、またはビタミンB12‐内因子が挙げられるが、これらには限定されない。結合ペアの他の適当な例としては、相補的核酸フラグメント(相補的ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含む)、プロテインA抗体、プロテインG抗体、核酸‐核酸結合タンパク質、ポリマーリンカー(例えば、ポリエチレングリコール)、またはポリヌクレオチド‐ポリヌクレオチド結合タンパク質が挙げられる。
【0022】
以下の説明において、「信号」という用語は、データを1つの場所または源から別の場所または検出器に伝える電流または電磁場を表すために用いられる。例えば、信号を検出構成成分によって発光させることができ、それにより標的分析物、例えば細胞上または細胞内の検出構成成分の存在を伝えることができる。
【0023】
以下の説明において、「多重化」という用語は、サンプルを複数の染料で標識化するプロセスまたはキットを表すために用いられる。検出構成成分の各々は、互いに異なる波長を放出する。例えば、少なくとも2つの染料は、サンプルを標識化するよう使用できる。多重化は、2個、4個、6個、8個、10個、12個、16個、20個、24個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個またはそれ以上の染料を含むのが良い。
【0024】
標的分析物上のバイオマーカーを標識化する例示の方法について説明する。一実施形態では、少なくとも1つの標的分析物を含むことが疑われるサンプルを得る。サンプル収集および/または処理の適当な装置、システム、および/または方法としては、以下の米国特許および米国特許出願公開、すなわち、米国特許第7,074,577号明細書、同第7,220,593号明細書、同第7,329,534号明細書、同第7,358,095号明細書、同第7,629,176号明細書、同第7,915,029号明細書、同第7,919,049号明細書、同第8,012,742号明細書、同第9,039,999号明細書、同第9,217,697号明細書、同第9,492,819号明細書、同第9,513,291号明細書、同第9,533,303号明細書、同第9,539,570号明細書、同第9,541,481号明細書、同第9,625,360号明細書、米国特許出願公開第2014/0161688号明細書、同第2017/0014819号明細書、同第2017/0059552号明細書、同第2017/0074759号明細書のうちの1つまたは2つ以上に記載された装置、システム、および/または方法を含むのが良く、これら米国特許および米国特許出願公開の各々を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。標的分析物の回収、隔離、または採取に適した装置、システム、および/または方法は、以下の米国特許および米国特許出願公開、すなわち、米国特許第9,222,953号明細書、同第9,440,234号明細書、同第9,519,002号明細書、同第9,810,605号明細書、米国特許出願公開第2017/0219463号明細書、同第2017/0276575号明細書のうちの1つまたは2つ以上に記載された装置、システム、および/または方法を含むのが良く、これら米国特許および米国特許出願公開の各々を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0025】
一実施形態では、サンプルは、サンプル収集後に染色を受けるのが良い。一実施形態では、サンプルは、サンプルの処理後に染色を受けるのが良い。一実施形態では、サンプルを多重化するのが良い。少なくとも1つの染料が例えばオートステイナー(autostainer)によりまたはオペレータによって手動で標識のためにサンプルに添加される。一実施形態では、少なくとも1つの標的分析物を染色する。一実施形態では、少なくとも1つの非標的分析物または非標的物質を染色する。一実施形態では、少なくとも1つの標的分析物および少なくとも1つの非標的分析物または物質を染色する。
【0026】
染色後、サンプルを画像化するのが良く、それにより、染色されたサンプルを光源、例えばレーザまたは発光ダイオードからの励起光、例えば赤外光、赤色光、青色光、緑色光、および/または紫外光の1つまたは2つ以上の波長で照明する。画像化は、フローサイトメーターまたは顕微鏡、例えば蛍光顕微鏡、スキャナ、または任意他の適当な画像化システムもしくはモダリティにより行われるのが良い。一実施形態では、画像化は、検出構成成分が画像化されると、明視野および/または暗視野照明、蛍光など(これらには限定されない)を含むスペクトルにわたって信号を提供することができるシステムで実施されるのが良い。生成された画像を複数の検出構成成分が用いられる場合に重ね合わせるのが良い。発光、反射、拡散、散乱およびこれらの組み合わせが検出/画像化に用いられる。画像を分析すると、例えば標的分析物を回収しまたは採取することが望ましい場合、標的分析物を検出し、数え上げ、かつ/あるいはその存在場所を突き止めることができる。画像化は、管内で、顕微鏡スライド上で、または画像化のための任意適当な容器または基体内で実施される。
【0027】
上記方法は、画像化顕微鏡、スキャナ、フローサイトメーター、またはマイクロフルイディックデバイス、例えばチップもしくはマイクロチャネルのうちの少なくとも1つによって実施でき、あるいは、この方法は、上記の任意の組み合わせによって実施できる。説明する方法は、検出構成成分が画像化されると、明視野および/または暗視野照明、蛍光など(これらには限定されない)を含むスペクトルにわたって信号を提供することができるシステムで使用できる。
【0028】
スペクトルエッジ検出
スペクトルエッジ検出は、サンプルの構成要素が1つまたは2つ以上の信号内でどのように寄与しているかを突き止めることによってサンプルの構成要素をサンプルの他の構成要素から識別するプロセスである。例えば、サンプル構成要素は、検出構成成分、化学物質、生体分子、構造、化合物、物質、デポジットまたはこれらの組み合わせであるのが良い。換言すると、スペクトルエッジ検出は、発光スペクトルを有する構成要素を他の構成要素から識別することができるプロセスである。
【0029】
一観点では、スペクトルエッジ検出は、どの検出構成成分が検出されているとともに/あるいは画像化されているかについて曖昧さのないという点で、例えば検出構成成分を直交的に識別することによって個々の検出構成成分を複数の検出構成成分(例えば、多重化中)から識別することができるプロセスである。例えば関心のある検出構成成分から、関心のある信号の特徴を、例えばバックグラウンド、自己蛍光、または望まれない検出構成成分からの特徴のない信号(すなわち、信号が未知の値および/または構造を有する)の存在下において識別することができる。換言すると、スペクトルエッジ検出は、検出構成成分の強度(およびかくしてそれぞれの寄与分)が未知である場合、複数の信号(または画像)中の望まれない検出構成成分から寄与分をなくすことによって、少なくとも部分的にオーバーラップしたスペクトルを有する複数の検出構成成分からの寄与分で構成される複数の信号(または画像)中の関心のある検出構成成分の寄与分を決定する。
【0030】
原画像は、発光スペクトルの所与の波長で、例えば所与の発光波長で収集される。各原画像は、全信号を含む。各全信号は、1つまたは2つ以上の検出構成成分からの1つまたは2つ以上の信号を含む。各全信号は、さらに、バックグラウンドまたは自己蛍光に起因する信号をさらに含む場合がある。
【0031】
スペクトルエッジ検出はまた、例えば、検出構成成分を基準検出構成成分に対して検出する際、または、意図していようと(例えば、酸素濃度、金属イオン濃度、環境上の変化、細胞内取り込み(エンドサイトーシス)、細胞外放出(エキサイトーシス)などを(これらには限定されない)を含むサンプル変数を検出する検出構成成分)、非意図的でいようと(例えば、サンプルまたは試薬の可変pHにより検出構成成分がエミッションシフトを有する)、いずれにせよ、1つまたは2つ以上の要因に基づくエミッションシフトを呈する検出構成成分を組み込む際、信号の小規模な変化を考慮に入れるのが良い。
【0032】
スペクトルエッジ検出は、例えば検出構成成分のための発光スペクトルまたは励起スペクトルのエッジ(例えば、後側エッジ(後縁)または前側エッジ(前縁))を用いて複数のスペクトル的にオーバーラップした検出構成成分内の単一の検出構成成分を識別する。例えば、2つの原画像を検出構成成分の同一の前側または後側スペクトルエッジに沿って得ることができ、2つの原画像を検出構成成分の異なる前側および後側スペクトルエッジに沿って得ることができ、あるいは、1つの原画像を検出構成成分の前側または後側スペクトルエッジに沿って得ることができ、1つの原画像を検出構成成分のピーク発光強度で得ることができる。スペクトルエッジ検出はまた、単一の検出構成成分または複数の検出構成成分について上述した具体化例の組み合わせを利用することができる。例えば、複数の検出構成成分を用いる場合、第1の検出構成成分をピークおよび前側スペクトルエッジからの信号により検出することができ、第2の検出構成成分を前側スペクトルエッジからの信号により検出することができ、第3の検出構成成分を前側スペクトルエッジおよび後側スペクトルエッジからの信号により検出することができる。さらに、スペクトルエッジ検出は、第1の検出構成成分のための曲線および第2の検出構成成分のための線を形成することができ、その結果、この線の少なくとも一部分が各発光スペクトルのデータ点(例えば、所与の発光/励起波長での信号)を含む曲線に該当する。
【0033】
図1Aは、第1の検出構成成分の発光スペクトル102を示している。発光スペクトル102は、前側スペクトルエッジ(スペクトル前縁)104および後側スペクトルエッジ(スペクトル後縁)106を含む。換言すると、前側スペクトルエッジ104は、ピーク発光108の左側に位置する発光スペクトル102の一部分であり、後側スペクトルエッジ106は、ピーク発光108の右側に位置する発光スペクトル102の一部分である。発光スペクトル102が示されているが、このスペクトルは、励起スペクトルであっても良い。
【0034】
図1Bは、第2の検出構成成分の発光スペクトル110を示している。発光スペクトル110は、前側スペクトルエッジ(スペクトル前縁)112および後側スペクトルエッジ(スペクトル後縁)114を含む。換言すると、前側スペクトルエッジ112は、ピーク発光116の左側に位置する発光スペクトル110の一部分であり、後側スペクトルエッジ114は、ピーク発光116の右側に位置する発光スペクトル110の一部分である。発光スペクトル110が示されているが、このスペクトルは、励起スペクトルであっても良い。
【0035】
図1Cは、第3の検出構成成分の発光スペクトル120を示している。発光スペクトル120は、前側スペクトルエッジ(スペクトル前縁)122および後側スペクトルエッジ(スペクトル後縁)124を含む。換言すると、前側スペクトルエッジ122は、ピーク発光126の左側に位置する発光スペクトル120の一部分であり、後側スペクトルエッジ124は、ピーク発光126の右側に位置する発光スペクトル120の一部分である。発光スペクトル120が示されているが、このスペクトルは、励起スペクトルであっても良い。
【0036】
一実施形態では、バックグラウンドまたは自己蛍光を画像または信号から除きながら染料または検出を検出する方法またはシステムのうちの任意のものを用いることができる。例えば、第1の検出構成成分の2つまたは3つ以上の原画像が提供され、その結果、これら画像の少なくとも1つが第1の検出構成成分のスペクトルエッジの下方端部に位置し、これら画像の少なくとも1つが第1の検出構成成分のスペクトルエッジの上方端部に位置する。原画像のうちの少なくとも1つは、自己蛍光またはバックグラウンドにより生じる信号を含む。第1の検出構成成分の第1の最終画像が提供され、この第1の最終画像は、第1の最終画像が第1の検出構成成分からの原画像に基づいており、第1の最終画像は、自己蛍光またはバックグラウンドにより生じる信号を含まない。これは、バックグラウンドまたは自己蛍光をどの画像からも除くよう任意の数の検出構成成分について実施できる。
【0037】
図2Aおよび
図2Bでは、第4の検出構成成分(発光スペクトル204で示されている)が個々の検出構成成分をバックグラウンドまたは自己蛍光に対して識別する方法の一例として用いられている。しかしながら、注目されるべきこととして、本明細書において説明する方法は、これには限定されず、この方法を第1、第2、および/または第3の検出構成成分(発光スペクトル102,110,120によって示されている)または他の任意の適当な検出構成成分について実施することができる。
【0038】
図2Aは、発光スペクトル204およびバックグラウンド信号202を示している。バックグラウンド信号202は、関心のある信号に対して比較的不変であり、したがって既知の値を持つ一定値(すなわち、直線)として示されると見込まれる。加うるに、発光スペクトル204とバックグラウンド信号202との相対的強度は未知である。
【0039】
わかりやすくするために、
図2B~
図3Eは、信号波長から得られた画像I
1~I
18を示している。しかしながら、画像I
1~I
18を所与の帯域幅全体にわたって得ることができ(すなわち、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、75nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nmまたはそれ以上)、その結果、画像(二点鎖線で示されている)は、それぞれの帯域幅全体にわたって平均信号を示している。加うるに、原画像が得られるが、信号(例えば、個々の信号を含む全信号)は、画像相互間のサンプルの同一の場所に相当する原画像中の画素からのものである。例えば、点Aは、画像化対象のサンプル上またはサンプル内の所与の場所である。第1の全画像中の点Aを表す第1の画素は、第1の全信号を含む。第2の全画像中の点Aを表す第2の画素は、第2の全信号を含む。本明細書において説明する方法のうちの1つまたは2つ以上を用いて、第1および第2の原画像のそれぞれの第1および第2の画素の第1および第2の全信号を評価するとともに/あるいは比較して個々の検出構成成分の寄与分を求める。
【0040】
図2Bは、画像化中に得られた第1および第2の信号S
1,S
2をそれぞれ含む原画像I
1,I
2を示している。信号S
1,S
2は、第4の検出構成成分およびバックグラウンド202の全寄与分を示している。原画像I
1は、前側スペクトルエッジの下方端部上の第1の信号S
1を含み、原画像I
2は、前側スペクトルエッジの上方端部上のところで取られている。第4の検出構成成分(発光スペクトル204で示されている)を識別するため、現画像I
1,I
2を分析するとともに、第1の信号S
1と第2の信号S
2との間の第4の検出構成成分の相対寄与分を求めるために任意適当な数学的、コンピュータ計算的、または幾何学的プロセスまたは変換により信号の変化を処理し、比較するとともに/あるいは分析し、かかるプロセスまたは変換としては、減算、微分、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。次に、処理、比較および/または分析に基づいて第4の検出構成成分を示す最終の画像を提供することができる。
【0041】
スペクトルエッジ検出を複数の検出構成成分内の各検出構成成分について実施することができ、それにより任意所望の数の検出構成成分によりサンプルまたはそのフラクションの多重化を可能にする。一実施形態では、少なくとも2つの検出構成成分を多重化のために用いることができる。一実施形態では、任意適当な数の検出構成成分を用いることができ、その数は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、16個、20個、24個、28個、30個、32個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、または100個である。一実施形態では、任意適当な数の検出構成成分を用いることができ、数は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、16個、20個、24個、28個、30個、32個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、または100個までである。一実施形態では、任意適当な数の検出構成成分を用いることができ、数は、3個未満、4個未満、5個未満、6個未満、7個未満、8個未満、9個未満、10個未満、11個未満、12個未満、16個未満、20個未満、24個未満、28個未満、30個未満、32個未満、40個未満、50個未満、60個未満、70個未満、80個未満、90個未満、または100個未満である。
【0042】
スペクトルエッジ検出を、スペクトルオフセットを有する検出構成成分について実施することができ、この場合、スペクトルオフセットは、比較可能なスペクトルエッジ上またはスペクトルピークのところのスペクトルの差である。一実施形態では、このプロセスは、スペクトルオフセットの差が50nm以下である検出構成成分について実施できる。一実施形態では、このプロセスは、スペクトルオフセットの差が10nm以下である検出構成成分について実施できる。一実施形態では、このプロセスは、スペクトルオフセットの差が1~50nm以下である検出構成成分について実施できる。一実施形態では、このプロセスは、スペクトルの差が10~50nm以下である検出構成成分について実施できる。一実施形態では、このプロセスをスペクトルオフセットの差が1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、75nm、80nm、90nm、または100nmである検出構成成分について実施できる。一実施形態では、連続して位置するスペクトル相互間(例えば、ピークのところでの)差は、同一であるのが良い(例えば、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分は、10nmだけ離されており、第2の検出構成成分と第3の検出構成成分は、10nmだけ離されている)。一実施形態では、連続して位置するスペクトル相互間(例えば、ピークのところでの)差は、互いに異なっていても良い(例えば、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分は、10nmだけ離されており、第2の検出構成成分と第3の検出構成成分は、25nmだけ離されている)。
【0043】
一実施形態では、各検出構成成分の信号寄与分(例えば、寄与分または減算係数による)は、例えば、関心のない検出構成成分(すなわち、第1の検出構成成分は、関心のない検出構成成分であり、第2の検出構成成分は、関心のある検出構成成分である場合、かつ/あるいはまた第1の検出構成成分は、関心のある検出構成成分であり、第2の検出構成成分は、関心のない検出構成成分である場合)またはバックグラウンド/自己蛍光によって提供される信号寄与分を打ち消しまたはゼロにすることによって少なくとも2つの原画像により決定できる。2以上であればどのような数の原画像をもスペクトルエッジ検出のために得ることができ、かかる数は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、40、50、60、70、75、80、90、100またはこれ以上を含むが、これらには限定されない。
【0044】
図3A~
図3Eに関しわかりやすくするために、第1の検出構成成分の発光スペクトル102はまた、“A”によって示され、第2の検出構成成分の発光スペクトル110は、“B”によって示され、第3の検出構成成分の発光スペクトル120は、“C”によって示されている。この別名におけるA、B、またはCに続く添え字は、関心のある検出構成成分が寄与強度である画像を示している。例えば、データ点A
3は、発光スペクトル102上のデータ点A
3によって示された原画像I
3内のAの寄与分(または第1の検出構成成分)を示している。そこで、A
3~A
18は、それぞれ原画像I
3~I
18中のAの寄与分(または、第1の検出構成成分)を示し、B
3~B
18は、それぞれ原画像I
3~I
18中のBの寄与分(または、第2の検出構成成分)を示し、C
3~C
18は、それぞれ原画像I
3~I
18中のCの寄与分(または、第3の検出構成成分)を示している。
【0045】
図3Aは、第1および第2の検出構成成分の発光スペクトル102,110を示している。原画像I
3,I
4,I
5が得られている。原画像I
3は、前側スペクトルエッジ104の下方端部のところで取られ、原画像I
4は、前側スペクトルエッジ112の下側端部ともオーバーラップする前側スペクトルエッジ104の上方端部のところで取られ、原画像I
5は、前側スペクトルエッジ112の上方端部のところで取られている。発光スペクトル102,110が示されているが、このスペクトルは、励起スペクトルであっても良い。
【0046】
一実施形態では、4つ以上の原画像を得ることができる。一実施形態では、原画像の各々を用いて検出構成成分のうちの唯一の検出構成成分を分析する。一実施形態では、原画像のうちの1つまたは2つ以上を用いて検出構成成分のうちの少なくとも2つ(すなわち、オーバーラップが存在する)を分析する。一実施形態では、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分との間の原画像のうちで同一のものが存在しない(すなわち、全ての画像は、別々である)。一実施形態では、第1の検出構成成分の原画像のうちの少なくとも1つと第2の検出構成成分の原画像のうちの少なくとも1つは、同一の画像である。
【0047】
一実施形態では、後側スペクトルエッジの上方端部のところでとられた原画像は、前側スペクトルエッジの上方端部を含むことができ、またその逆が成り立つ(すなわち、前側スペクトルエッジの上方端部のところでとられた原画像は、後側スペクトルエッジの上方端部を含むことができる)。一実施形態では、特定のスペクトルエッジの上方端部のところで取られた原画像は、対向したスペクトルエッジの上方端部を含まない(すなわち、上の方の後側スペクトルエッジのところの原画像は、上の方の前側スペクトルエッジを含まず、上の方の前側スペクトルエッジのところの原画像は、上の方の後側スペクトルエッジを含まない)。
【0048】
第1の検出構成成分(発光スペクトル102によって示されている)および第2の検出構成成分(発光スペクトル110によって示されている)を識別するため、原画像I3,I4,I5を分析し、第1および第2の検出構成成分の相対寄与分を求める。例えば、相対寄与分を任意適当な数学的、コンピュータ計算的、または幾何学的プロセスまたは変換によって求めることができ、かかるプロセスまたは変換としては、減算、微分、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。次に、第1の検出構成成分の最終画像を原画像I3,I4の分析結果、例えば原画像I3,I4全体にわたる第1の検出構成成分の相対寄与分に基づいて提供する。次に第2の検出構成成分の最終画像を原画像I4,I5の分析結果、例えば原画像I4,I5全体にわたる第2の検出構成成分の相対寄与分に基づいて提供する。
【0049】
図3Bは、得られた原画像I
6,I
7,I
8を有することを除き、
図3Aの発光スペクトルとほぼ同じ例示の第1および第2の発光スペクトルを示している。原画像I
6,I
8は、第1の検出構成成分の発光強度が同一または実質的に同一の値を有しかつ第2の検出構成成分の発光強度が画像相互間で異なる点のところで取られている。原画像I
7は、第2の検出構成成分に関する少なくとも3つのデータ点が線を形成する1点のところでとられている。
【0050】
図3Cは、得られた原画像I
9,I
10を有することを除き、
図3Aの発光スペクトルとほぼ同じ例示の第1および第2の発光スペクトルを示している。原画像I
9,I
10は、第1の検出構成成分のスペクトルエッジの上方端部が第2の検出構成成分の異なるスペクトルエッジの下方端部とオーバーラップするとともに第1の検出構成成分のスペクトルエッジの下方端部が第2の検出構成成分の異なるスペクトルエッジの上方端部とオーバーラップした点のところでとられている。
図3Cに示されているように、第1 の検出構成成分の後側エッジは、第2の検出構成成分の前側エッジとオーバーラップしており、その結果、原画像I
9は、第1の検出構成成分の後側スペクトルエッジの上方端部および第2の検出構成成分の前側スペクトルエッジの下方端部を含み、原画像I
10は、第1の検出構成成分の後側スペクトルエッジの下方端部および第2の検出構成成分の前側スペクトルエッジの上方端部を含む。一実施形態では、第1の検出構成成分の前側エッジは、第2の検出構成成分の後側エッジとオーバーラップしている。
【0051】
図3Dは、得られた原画像I
11~I
14を有することを除き、
図3Cの発光スペクトルとほぼ同じ例示の第1および第2の発光スペクトルを示している。原画像I
12,I
13は、それぞれ発光スペクトル102および発光スペクトル110のピークのところでとられている。スペクトルのピーク発光を用いると、原画像相互間の検出構成成分の相対寄与分を求めることができ、他方の原画像は、ピーク発光が収集される検出構成成分の発光スペクトルのスペクトルエッジ(前側または後側)内にある。
【0052】
一実施形態では、第1の発光スペクトルの2つまたは3つ以上の原画像が得られ、この場合、これら画像のうちの少なくとも1つは、第1の発光スペクトルのスペクトルエッジの下方端部のところにあり、画像のうちの少なくとも1つは、第1の発光スペクトルの同一のスペクトルエッジの上方端部のところにある。第2の発光スペクトルの2つまたは3つ以上の原画像が得られ、この場合、これら画像のうちの少なくとも1つは、第2の発光スペクトルのスペクトルエッジの下方端部のところにあり、画像のうちの少なくとも1つは、第2の発光スペクトルの同一のスペクトルエッジの上方端部のところにある。第1の検出構成成分(第1の発光スペクトルによって示されている)の第1の最終画像および第2の検出構成成分(第2の発光スペクトルによって示されている)の第2の最終画像が提供され、この場合、第1および第2の最終画像は、第1および第2の検出構成成分からの原画像に基づいている。一実施形態では、第1および第2の発光スペクトルの原画像のうちの少なくとも1つは、同一の画像である。例えば、第1の発光スペクトルの第2の画像(第1の発光スペクトルのスペクトルエッジの上方端部のところに位置する)は、第2の発光スペクトルの第1の画像(第2の発光スペクトルのスペクトルエッジの下方端部のところに位置する)と同一の画像である。
【0053】
2つの検出構成成分を説明したが、このプロセスを任意の数の検出構成成分に使用することができる。換言すると、n番目の発光/励起スペクトルの2つまたは3つ以上の原画像が得られ、この場合、これら画像のうちの少なくとも1つは、n番目の発光/励起スペクトルのスペクトルエッジの下方端部のところにあり、これら画像のうちの少なくとも1つは、n番目の発光/励起スペクトルのスペクトルエッジの上方端部のところにあり、nは、1以上(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、16、20、24、28、30、32、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上)である。次に、このプロセスを少なくとも1つまたは2つ以上の発光/励起スペクトルについて繰り返す。
【0054】
一実施形態では、オーバーラップしたスペクトルを有する個々の検出構成成分による信号寄与分を求めるため、一検出構成成分の少なくとも3つのデータ点を得るべきであり、その結果、3つのデータ点が曲線を形成し、別の検出構成成分の少なくとも2つのデータ点が得られるべきであり、その結果、2つのデータ点が線を形成する。どの検出構成成分が曲線を形成するためのデータ点または線を形成するためのデータ点を必要とするかについての決定は相対的スペクトルエッジに基づくことが必要である。換言すると、互いに異なる発光スペクトルの同一のスペクトルエッジ(すなわち、前側または後側)を用いる場合、同一のスペクトルエッジの少なくとも一部分を有する発光スペクトルは、少なくとも2つのデータ点だけを必要とする他の発光スペクトルのうちの発光スペクトルに分類される。少なくとも2つのデータ点(すなわち、線を形成するデータ点)を用いると、他の検出構成成分により提供される曲線の存否を問わず、検出構成成分の寄与分を求めることができ、さらに、少なくとも3つのデータ点(すなわち、曲線を形成するデータ点―少なくとも2つが同一のスペクトルエッジにあるにせよ、1つがピーク強度のところにあるにせよいずれにせよ)を用いると、当初の検出構成成分により提供される線の存否を問わず他の検出構成成分の寄与分を求めることができる。
【0055】
一実施形態では、オーバーラップしたスペクトルを有する個々の検出構成成分による信号寄与分を求めるため、一検出構成成分の少なくとも3つのデータ点が収集され、その結果、3つのデータ点は、曲線を形成し、別の検出構成成分の少なくとも3つのデータ点が収集され、その結果、これら3つのデータ点は、曲線または線を形成する。例えば、
図3Dに戻ってこれを参照すると、データ点B
12~B
14のデータ点を以下の方程式に代入することができる。
上式において、C
Bは、発光Bの曲率(例えば、第2導関数)であり、S
B12は、画像I
12の波長における発光Bの信号強度であり、S
B13は、画像I
13の波長における発光Bの信号強度であり、S
B14は、画像I
14の波長における発光Bの信号強度である。A
12~A
14のデータ点を以下の方程式に代入することができる。
上式において、C
Aは、発光Aの曲率(例えば、第2導関数)であり、S
A12は、画像I
12の波長における発光Aの信号強度であり、S
A13は、画像I
13の波長における発光Aの信号強度であり、S
A14は、画像I
14の波長における発光Aの信号強度である。検出構成成分は、これら発光波長における大きな曲率(すなわち、より正(例えば、+5が+2よりも大きく、別の例として、+4は-1よりも大きい)またはより負(例えば、-6は-1よりも大きく(絶対値で言って)、別の例として、-5は+2よりも大きい))が個々の検出構成成分に一致しているので、互いに識別可能である。換言すると、検出構成成分は、互いに異なる発光波長全体にわたり大きな曲率を有する。例えば、Alexa 647は、660nm、670nm、および680nmにわたり、同一の発光波長にわたるAlexa 594よりも大きな曲率を有する。Alexa 594は、609nm、619nm、および632nmにわたり、同一の発光波長にわたるAlexa 647よりも大きな曲率を有する。したがって、660nm、670nm、および680nmにわたる曲率に基づいて、Alexa 674をAlexa 594から識別することができ、609nm、619nm、および632nmにわたる曲率に基づいて、Alexa 594をAlexa 647から識別することができる。
【0056】
図3Eは、4つの画像I
15~I
18の3つの発光スペクトル102,110,120(A,B,C)を示している。発光Bの前側エッジは、発光Aの前側エッジの下側に位置する。したがって、発光Aについては少なくとも3つのデータ点(例えばA
15~A
17またはA
15,A
16,A
18)が得られ、発光Bについては少なくとも2つのデータ点(例えば、B
15とB
16、またはB
15とB
17、またはB
16とB
17)が得られる。加うるに、発光Cの前側エッジは、発光Bの前側エッジの下に位置する。したがって、発光Bについては少なくとも3つのデータ点(例えばB
15,B
17,B
18またはB
16~B
18)が得られ、発光Cについては少なくとも2つのデータ点(例えば、C
16とC
17、またはC
17とC
18、またはC
16とC
18)が得られる。発光A~発光Cのそれぞれのデータ点を用いると、検出構成成分のそれぞれの寄与分を求めることができる。
【0057】
一実施形態では、第1の発光スペクトルの2つの別々の発光波長における2つまたは3つ以上の原画像が得られ、この場合、これら画像のうちの少なくとも1つは、第1の発光スペクトルの前側スペクトルエッジまたは後側スペクトルエッジ内にあり、これら画像のうちの少なくとも1つは、第1の発光スペクトルの後側スペクトルエッジまたは前側スペクトルエッジ内にある。換言すると、2つまたは3つ以上の原画像は、同一の発光スペクトルの互いに異なるスペクトルエッジ内にある(すなわち、前側スペクトルエッジ内の少なくとも1つの原画像および後側スペクトルエッジ内の少なくとも1つの原画像、前側スペクトルエッジは、一検出構成成分の発光スペクトル内にある)。
図3Eに示されているように、発光スペクトルA,Bの信号は、これらの発光スペクトルの互いに異なるスペクトルエッジ上の原画像を介して収集される(発光スペクトルAについてはA
15とA
17、発光スペクトルBについてはB
15/B
16/B
17とB
18)。互いに異なるスペクトルエッジ上の信号の強度は、互いに等しくても良くまたはそうでなくても良い(例えば、強度は、一方のスペクトルエッジ上で大きく、他方のスペクトルエッジ上で小さくても良い)。
【0058】
一実施形態では、第1の発光スペクトルの2つまたは3つ以上の原画像が得られ、この場合、原画像のうちの少なくとも1つは、第1の発光スペクトルの前側スペクトルエッジまたは後側スペクトルエッジ内にあり、これら画像のうちの少なくとも1つは、第1の発光スペクトルの後側スペクトルエッジまたは前側スペクトルエッジ内にあり、原画像のうちの少なくとも1つは、ピーク強度波長の状態にある。換言すると、2つまたは3つ以上の原画像は、同一の発光スペクトルの互いに異なるスペクトルエッジ内にあり、1つの原画像は、ピーク強度波長の状態にある。
図3Eに示されているように、発光スペクトルAは、この発光スペクトル(発光スペクトルAについてはA
15とA
17)の互いに異なるスペクトルエッジ上に信号を提供し、ピーク強度波長(発光スペクトルAについてはA
16)の状態で信号を提供する。
【0059】
図3Eは、前側スペクトルエッジ、ピーク発光、および後側スペクトルエッジ内で発光スペクトルAから収集された原画像を示し、これは、1つだけの発光スペクトルには限定されるようにはなっていない。同一形式の原画像を所望した数の発光スペクトルについて収集することができる。
【0060】
さらに別の観点では、検出構成成分で標識化されまたは染色されているかどうかにかかわらず、化学物質、生体分子、構造、化合物、物質、デポジットなどを識別することができる。上述した検出構成成分と類似の仕方での非検出構成成分要素は、刺激されると波長を放出し、それにより発光スペクトルを形成する。発光スペクトルは、非検出構成成分要素に固有であるのが良く、したがって、互いに異なる非検出構成成分要素は、互いに異なる発光スペクトルを有する。しかしながら、非検出構成成分要素は、自己蛍光発光スペクトルを含む。換言すると、非検出構成成分要素は、信号をもたらす上で、検出構成成分で標識化または染色される必要はない。非検出構成成分要素は、これら自体の組成、構造などに特有の自然の特性に起因して蛍光を出す。自己蛍光発光スペクトルは、非検出構成成分要素を検出構成成分および互いにオーバーラップした発光スペクトルを有する他の非検出構成成分要素はから識別するために用いられる。
【0061】
上述するとともに以下に説明する同じ技術、方法、および/またはプロトコルを非検出構成成分要素により提供される自己蛍光発光スペクトルを含む自己蛍光発光スペクトルに適用することができる。さらに、
図2A~
図2Bに示されているように、上述するとともに以下に説明する技術、方法、および/またはプロトコルを検出構成成分および非検出構成成分要素を含むサンプルに利用することができる。
【0062】
非検出構成成分要素は、核、細胞質、サイトゾル(細胞分可溶成分)、細胞膜、細胞壁、線維、軟骨、細胞、間質液、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、炭水化物、核酸、シトクロム、フラビン、コラーゲン、脂質、他の生体分子、細胞内および細胞外デポジット、異物など、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0063】
一実施形態では、信号強度の変化(例えば、画素レベル)を用いると、検出構成成分を識別することができる。
【0064】
一実施形態では、例えば発光スペクトルの代表的な点が得られる場合、信号強度の変化率または変化分をそのスペクトルの後側エッジに基づいて求めることができる。一実施形態では、例えば発光スペクトルの代表的な点が得られる場合、信号強度の変化率または変化分をスペクトルの前側エッジに基づいて求めることができる。
【0065】
一実施形態では、例えば励起スペクトルの代表的な点が得られる場合、強度の変化率または変化分をそのスペクトルの後側エッジに基づいて求めることができる。一実施形態では、例えば励起スペクトルの代表的な点が得られる場合、強度の変化率または変化分をスペクトルの前側エッジに基づいて求めることができる。
【0066】
一実施形態では、信号強度の変化分を予想値と比較するのが良い。例えば、強度の変化分は、予想値の±(プラスまたはマイナス)0.01%まで、0.02%まで、0.05%まで、0.1%まで、0.15%まで、0.2%まで、0.25%まで、0.3%まで、0.35%まで、0.4%まで、0.45%まで、0.5%まで、0.55%まで、0.6%まで、0.65%まで、0.7%まで、0.75%まで、0.8%まで、0.85%まで、0.9%まで、0.95%まで、1%まで、2%まで、5%まで、10%まで、15%まで、20%まで、25%まで、30%まで、33%まで、35%まで、40%まで、45%まで、50%まで、55%まで、60%まで、65%まで、70%まで、75%まで、80%まで、85%まで、90%まで、95%まで、または99%までであるのが良い。一実施形態では、信号強度の変化分をしきい値と比較するのが良い。一実施形態では、信号強度の変化分は、正または負である場合があり、その結果、正または負の変化分は、所望の検出構成成分を識別する。
【0067】
一実施形態では、例えば画像処理および分析中、しきい値を適用して信号が所望の検出構成成分、望ましくない検出構成成分、ノイズ、またはバックグラウンドによって生じたかどうかを判定することができる。
【0068】
一実施形態では、例えば所望のまたは所定の波長における第1の画像と第2の画像との信号強度の変化分が第1のしきい値以上である場合、画素または信号は、結果的に生じる分析のための画像のために「続行」され、これに対し、第1の画像と第2の画像との間の信号の変化分が第1のしきい値未満である場合、画素または信号は、結果的に生じる分析のための画像にとって「ターンオフ」される。
【0069】
一実施形態では、第1の検出構成成分の発光スペクトル102の第1の発光導関数を得ることができ、第2の検出構成成分の発光スペクトル110の第2の発光導関数を得ることができる。一次導関数について説明するが、任意のこれよりも高次の導関数を実施することが望ましい場合には計算するのが良い。
【0070】
一実施形態では、例えば発光スペクトルの代表的な点が得られる場合、変化率は、しきい値以上であるのが良い。一実施形態では、例えば発光スペクトルの代表的な点が得られる場合、強度の変化分は、正であっても良く、少なくともしきい値の量だけ正であっても良く、かつ/あるいは第1の発光のある特定の倍数だけ正であっても良い。一実施形態では、例えば励起スペクトルの代表的な点が得られる場合、変化率は、しきい値以下であるのが良い(すなわち、より負であり、例えば、-5は、-3よりも小さい)。一実施形態では、例えば励起スペクトルの代表的な点が得られる場合、強度の変化分は、負であっても良く、少なくともしきい値の量だけ負であっても良く、かつ/あるいは第1の励起のある特定の倍数だけ負であっても良い。
【0071】
一例として、Δx(発光波長の変化分)が10nmであり、Δy(発光強度の変化分)が50%であり、勾配が50%/10nmまたは5%/nmである。第1の画像と第2の画像を比較した場合、それぞれの画素相互間の少なくとも5倍の強度の増加分は、第1の検出構成成分のせいにすることができ、画素は、「続行」され、これに対し、それぞれの画素相互間の5倍未満の強度の増加分の原因を第1の検出構成成分以外の何か(例えば、バックグラウンド)のせいにすることができ、画素は、「ターンオフ」される。この実施例は、値および/または百分率に限定されるものではない。第1のしきい値は、発光強度の予期または予想変化分に基づく範囲を含むのが良い。例えば、第1のしきい値は、勾配±(プラスまたはマイナス)0.01%まで、0.02%まで、0.05%まで、0.1%まで、0.15%まで、0.2%まで、0.25%まで、0.3%まで、0.35%まで、0.4%まで、0.45%まで、0.5%まで、0.55%まで、0.6%まで、0.65%まで、0.7%まで、0.75%まで、0.8%まで、0.85%まで、0.9%まで、0.95%まで、1%まで、2%まで、5%まで、10%まで、15%まで、20%まで、25%まで、30%まで、33%まで、35%まで、40%まで、45%まで、50%まで、55%まで、60%まで、65%まで、70%まで、75%まで、80%まで、85%まで、90%まで、95%まで、または99%であるのが良い。
【0072】
勾配は、次式によって与えられる条件を満たす。
勾配 = 第2の発光強度-第1の発光強度
第2の発光波長-第1の発光波長
【0073】
一実施形態では、第1の検出構成成分を励起した(それにより第1の画像を得た)場合、第1の励起光の波長は、第2の検出構成成分を励起しないよう選択されるのが良い。次に、第2の励起光の波長もまた、第1の検出構成成分を励起し(それにより第2の画像を提供し)、第2の検出構成成分を励起しないよう選択されるのが良い。第1の画像と第2の画像を処理してこれらを比較すると、励起波長の変化に起因する第1の検出構成成分の発光に基づいて発光強度の変化分(換言すると、勾配、またはy/x)を得ることができる。
【0074】
一実施形態では、励起光のうちの少なくとも1つは、1つまたは2つ以上の検出構成成分を刺激することができる。しかしながら、結果として生じる勾配は、以下に説明するように、1つまたは2つ以上の望まれない検出構成成分の信号を除去するよう使用できる。
【0075】
一実施形態では、2つまたは3つ以上の励起波長に起因して生じる2つまたは3つ以上の画像を互いに比較して処理すると、所望の勾配を算出することができる。結果的に生じる勾配を用いると、最終画像において信号をオンの状態に保ちまたは信号をオフにすることができる。一実施形態では、2つまたは3つ以上の励起波長に起因して生じる2つまたは3つ以上の信号を互いに比較して処理すると、所望の勾配を算出することができる。結果的に生じる勾配は、最終画像において信号をオンに保ちまたは信号をオフにするよう使用できる。
【0076】
一実施形態では、上述の方法またはシステムのうちの任意のものをサンプルまたはそのフラクション上またはその中の複数の染料に用いることができる。ステップは、染料のうちの少なくとも2つについて同時に実施することができまたは第1の染料につき、次に第2の染料について実施することができる。一実施形態では、一次またはこれよりも高次の導関数を各検出構成成分スペクトルエッジについて計算することができる。一実施形態では、それぞれの検出構成成分のスペクトルエッジを用いると、互いに異なる検出構成成分の発光を区別することができる。
【0077】
一実施形態では、原画像の最小数は、nであり、この場合、nは、検出構成成分の数である。例えば、第1の原画像を第1の発光スペクトルの後側エッジの上方端部のところでおよび第2の発光スペクトルの前側エッジの下方端部のところで得ることができる。第2の原画像を第1の発光スペクトルの後側エッジの下方端部のところでおよび第2の発光スペクトルの前側エッジの上方端部のところで得ることができる。第1の原画像と第2の原画像を処理するとともに/あるいは分析すると、第1の検出構成成分(第1の発光スペクトルによって示されている)の第1の最終画像および第2の検出構成成分(第2の発光スペクトルによって示されている)の第2の最終画像を提供することができる。発光スペクトルについて説明しているが、この実施形態は、励起スペクトルについて実施することができる。
【0078】
一実施形態では、原画像の最小数は、n+1であり、この場合、nは、検出構成成分の数である。
【0079】
一実施形態では、第1および第2の検出構成成分の原画像および最終画像の全ては、例えばスクリーン(例えば、電話、タブレット、コンピュータ、テレビ、PDA、手持ち型デバイスなどのうちの少なくとも1つのスクリーン)上で最終使用者またはオペレータに表示される。一実施形態では、第1および/または第2の検出構成成分の原画像のうちの少なくとも1つが表示される。一実施形態では、第1および/または第2の検出構成成分の最終画像のうちの少なくとも1つが表示される。一実施形態では、原画像のうちのどれも表示されないが、最終画像のうちの少なくとも1つが表示される。一実施形態では、原画像のうちのどれも表示されないが、最終画像の全てが表示される。
【0080】
信号(例えば、同一のスペクトルエッジ、互いに異なるスペクトルエッジ、ピークおよび1つのスペクトルエッジ、ピークおよび2つのスペクトルエッジなど)を収集する実施例は、例示の収集について具体的に説明される発光スペクトルに限定されるものではない。むしろ、信号収集は、1つまたは2つ以上の発光スペクトルに適用可能であり、この場合、全ての発光スペクトルが、同一の収集(例えば、同一のスペクトルエッジ、互いに異なるスペクトルエッジ、ピークおよび1つのスペクトルエッジ、ピークおよび2つのスペクトルエッジなど)を有し、少なくとも2つの発光スペクトルが同一の収集を有し、または同一の収集を有する発光スペクトルはない。
【0081】
原画像を得るため、画像化がフローサイトメーターまたは顕微鏡、例えば蛍光顕微鏡、スキャナなどを用いて実施されるのが良い。画像化は、従来型落射蛍光、ライトシート(light sheet )顕微鏡、超解像度顕微鏡、および共焦点顕微鏡を用いて実施できる。
図4Aは、蛍光顕微鏡の光路を示している。この光路は、励起光404、例えば可視、赤外(“IR”)または紫外(“UV”)スペクトルの光を放出する励起源402を含む。励起光404は、少なくとも第1の励起波長406および第2の励起波長408を含む複数の波長を有する。励起光404は、励起スペクトルセレクタ410と相互作用し、その結果、第1の励起波長406は、励起スペクトルセレクタ410を通り、第2の励起波長408は、励起スペクトルセレクタ410を通ることがないよう遮断される。次に、第1の励起波長406は、第2のフィルタ412で反射される。第2のフィルタ412は、第1の励起光406の方向を対物レンズ414に向ける。
【0082】
対物レンズ414は、第1の励起波長406を受け取って第1の励起波長をサンプルまたはそのフラクション434上、その中、またはその近くの一点または表面のところに集束させる。第1の励起波長406は、サンプルまたはそのフラクション434上またはその中の第1の検出構成成分(図示せず)を刺激し、それにより第1の検出構成成分(図示せず)が第1の発光波長を有する第1の発光416を放出する。第1の発光416は、対物レンズ414によって捕捉され、第2のフィルタ412を通って戻され、発光スペクトルセレクタ430を通り、そして発光検出器440に至る。発光検出器440は、画像データを捕捉するための電荷結合素子(“CCD”)、CMOSカメラ、科学CMOSカメラ、フォトダイオード、光電子増倍管などであるのが良く、画像データは、次に、画像にコンパイルされ、コンピュータまたはカレンソフトウェアまたはプログラムによって処理されて分析されるのが良い。
【0083】
励起源402は、励起光404もまた放出する。しかしながら、励起光404は、いまや、励起スペクトルセレクタ410と相互作用し、その結果、第2の励起波長408は、励起スペクトルセレクタ410を通り、第1の励起波長406は、励起スペクトルセレクタ410を通らないよう遮断される。次に、第2の励起波長408は、第2のフィルタ412で反射される。第2のフィルタ412は、第2の励起光408の方向を対物レンズ414中に向ける。対物レンズ414は、第2の励起波長408を受け取って第2の励起波長をサンプルまたはそのフラクション434上、その中、またはその近くの一点または表面のところに集束させる。第2の励起波長408は、サンプルまたはそのフラクション434上またはその中の第1の検出構成成分(図示せず)を刺激し、それにより第1の検出構成成分(図示せず)が第2の発光波長を有する第2の発光418を放出する。第2の発光418は、対物レンズ414によって捕捉され、第2のフィルタ412を通って戻され、発光スペクトルセレクタ430を通り、そして発光検出器440に至る。
【0084】
説明したプロセスを任意の数の検出構成成分について任意の回数にわたって実施することができる。
【0085】
第2のフィルタ412は、各々、二色性、多色性、帯域幅、帯域除去、または任意適当なフィルタえあって良い。
【0086】
サンプルまたはそのフラクション434は、ベース432上またはカバー436とベース432との間に配置されるのが良い。カバー436およびベース432は、画像化を可能にするよう光学的に明澄であるのが良い。サンプル434,カバー436、およびベース432は、サンプル434を必要に応じてx方向、y方向、またはz方向に動かすようプラットホーム428上に配置されるのが良い。プラットホーム428は、第1の励起波長406をサンプルまたはそのフラクション434内、その上、またはその近くに対物レンズ414によって集束させることができるアパーチュア438を有するのが良い。プラットホーム428は、駆動装置420によって駆動されるのが良く、駆動装置420は、サンプル434を位置決めするためにz方向駆動装置424、x方向駆動装置422、およびy方向駆動装置426のうちの少なくとも1つを含む。駆動装置420は、モーター、例えばサーボモーターまたはステッピングモーター、圧電アクチュエータ、ソレノイドなどであるのが良い。
【0087】
光路は、境界光信号のSN比を増大させるよう、例えば共焦点顕微鏡に設けられたカットオフアパーチュア(図示せず)をさらに含むのが良い。
【0088】
ベース432は、ガラス、不活性金属、金属、半金属、有機物質、無機物質、およびプラスチック材料、例えばポリマー、およびこれらの組み合わせで構成されるのが良い。カバー436は、光学的に透明な物質で構成されるのが良い。
【0089】
図4Bは、励起源402が別々の光406,408として第1および第2の励起波長を放出することを除き、
図4Aの蛍光顕微鏡の光路とほぼ同じ蛍光顕微鏡の光路を示している。
【0090】
図4Cは、励起スペクトルセレクタ410が光路に組み込まれていないことを除き、
図4Bの蛍光顕微鏡の光路とほぼ同じ蛍光顕微鏡の光路を示している。
【0091】
一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410または発光スペクトルセレクタ430は、所与の波長を遮断しまたは通すフィルタであるのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410または発光スペクトルセレクタ430は、ノッチフィルタ、帯域除去フィルタ、または帯域通過フィルタであるのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410または発光スペクトルセレクタ430は、音響光学的可変フィルタまたは液晶波長可変フィルタであるのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410または発光スペクトルセレクタ430は、回折格子であるのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410または発光スペクトルセレクタ430は、フィルタを到来光に対して傾斜させ、旋回させ、または調節する角度に基づいて所与の波長を遮断しまたは通過させ、それによりフィルタへの光の入射角度を変化させるよう再角度付け可能なフィルタを含むのが良い。一例として、第1の励起波長406は、励起スペクトルセレクタ410を通過し、第2の励起波長408は、励起スペクトルセレクタの角度に起因して励起スペクトルセレクタ410を通過しないよう遮断される。次に、励起スペクトルセレクタ410を再角度付け(θ)すると、第1の励起波長406を遮断し、第2の励起波長408を通過させることができる。この実施例において、励起スペクトルセレクタ410、第1の励起波長406、および第2の励起波長408について説明しているが、光路は、これには限定されることが意図されていない。
【0092】
再角度付けを発光スペクトルセレクタ430に適用すると、ある特定の発光波長を遮断させたり通過させたりすることができる。加うるに、回転または角度付けをどの原画像の捕捉前または捕捉後にも実施することができる。一実施形態では、発光スペクトルセレクタ430は、第1のフィルタ442と発光との間の一入射角度(長い破線で描かれたフィルタ442によって示されている)から第1のフィルタ442と発光との間のあらゆる角度を含む別の入射角(短い破線で描かれたフィルタ442によって示されている)に回転させまたは角度付けることができる第1のエミッションフィルタ442を含むのが良い。例えば、第1の原画像を第1のフィルタ442が第1の入射角に向けられた状態で得ることができる。次に、第1のフィルタ442の角度を第1の入射角から第2の入射角に向けなおすことができる。すると、第2の原画像を得ることができる。加うるに、少なくとも1つ以上の原画像を捕捉する際、第1のフィルタ442の角度を第2の入射角から第3の入射角に再角度付けすることができる。すると、第3の原画像を得ることができる。加うるに、少なくとも1つ以上の原画像を捕捉する際、第1のフィルタ442の角度を第3の入射角から第4の入射角に再角度付けすることができる。すると、第4の原画像を得ることができる。一実施形態では、第1、第2、第3、および第4の角度のうちの少なくとも2つは、同一である。一実施形態では、第1、第2、第3、および第4の角度のうちで同一の角度のものはない。
【0093】
一実施形態では、発光スペクトルセレクタ430は、2つまたは3つ以上のエミッションフィルタ442,444を含むのが良く、その結果、各フィルタを回転させまたは角度付けすることができる。第1のフィルタ442を発光との間の一入射角度(長い破線で描かれたフィルタ442によって示されている)から第1のフィルタ442と発光との間のあらゆる角度を含む別の入射角(短い破線で描かれたフィルタ442によって示されている)に回転させまたは角度付けることができる。第2のフィルタ444を発光との間の一入射角度(長い破線で描かれたフィルタ444によって示されている)から第2のフィルタ444と発光との間のあらゆる角度を含む別の入射角(短い破線で描かれたフィルタ444によって示されている)に回転させまたは角度付けることができる。第1および第2のフィルタ442,444を互いに別個独立に回転させまたは角度付けすることができる。換言すると、第1のフィルタ442は、任意の数の位置(すなわち、第1の位置、第2の位置、第3の位置、第4の位置、……n番目の位置)を有するのが良く、各位置は、互いに異なる角度に対応している。第2のフィルタ444は、任意の数の位置(すなわち、第1の位置、第2の位置、第3の位置、第4の位置、……n番目の位置)を有するのが良く、各位置は、互いに異なる角度に対応している。各フィルタ442,444は、他方のフィルタとは独立の位置(または角度)を取ることができ、例えば、フィルタ442,444のうちの一方または両方を角度付けまたは回転させることができ、その結果、フィルタ442,444は、同一の入射角または互いに異なる入射角を取ることができる。フィルタ442,444は、所望の波長を得るよう位置決めまたは角度付け可能である。
【0094】
例えば、第1の原画像を第1のフィルタ442が第1の入射角に向けられるとともに第2のフィルタ444が第3の入射角に向けられた状態で得ることができる。次に、第1のフィルタ442の角度を第1の入射角から第2の入射角に向けなおすことができ、その間、第2のフィルタ444は、第3の入射角の状態にとどまる。すると、第2の原画像を得ることができる。加うるに、少なくとも1つ以上の原画像を捕捉する際、第2のフィルタ444の角度を第3の入射角から第4の入射角に向けなおすことができる。すると、第3の原画像を得ることができる。一実施形態では、第1、第2、第3、および第4の角度のうちの少なくとも2つは、同一である。一実施形態では、第1、第2、第3、および第4の角度のうちで同一の角度のものはない。
【0095】
少なくとも1つのフィルタを回転させまたは角度付ける実施形態の任意のものに関し、任意のフィルタを任意所望の時間またはステップだけ回転させまたは角度付けると、所望の発光波長を得ることができる。例えば、第1および第2のフィルタ442,444がそれぞれ第1および第3の入射角に向けられた状態で第1の原画像を得た後、第1および第2のフィルタ442,444をそれぞれ第2および第4の入射角に回転させまたは角度付けることができる。すると、第2の原画像を得ることができる。次に、フィルタ442,444のうちの一方または両方を回転させまたは角度付けることができる。第3の原画像を得ることができる。換言すると、各フィルタを任意の点でかつ任意の量だけ他の1つまたは複数のフィルタとは独立して回転させまたは角度付けると、任意の原画像および/または任意所望の発光波長を得ることができる。
【0096】
一実施形態では、複数のフィルタを用いることができ、これらフィルタは、狭い帯域幅を有する(例えば、1nm、2nm、3nm、5nm、10nm、20nm、25nm、50nm、1~50nmなど)。したがって、回転に加えてまたは回転に代えて、フィルタを内外に交換すると、所望の発光または励起波長を提供することができる。
【0097】
さらに、1つおよび2つのフィルタについて説明したが、任意の数のフィルタを用いることができ、かかる数は1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、15個、20個、25個、30個、40個、50個、60個、70個、75個、80個、90個、または100個を含むが、これらには限定されない。
【0098】
本明細書において説明した実施例および実施形態を発光スペクトルセレクタ430に利用することができるが、回転させまたは角度付けすることができる1つまたは2つ以上のフィルタ、およびかかるフィルタを用いる方法を励起スペクトルセレクタ410にも利用することができる。したがって、一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410および発光スペクトルセレクタ430のうちの少なくとも1つは、回転させまたは角度付けすることができる少なくとも1つのフィルタを含むのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410および発光スペクトルセレクタ430のうちの一方は、回転させまたは角度付けすることができる少なくとも1つのフィルタを含むのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ410と発光スペクトルセレクタ430の両方は、回転させまたは角度付けすることができる少なくとも1つのフィルタを含むのが良い。
【0099】
励起スペクトルセレクタ410または発光スペクトルセレクタ430の個々のフィルタと、フィルタと励起光または発光との間の入射角を、所望のスペクトルエッジの下方側エッジと上方側エッジのところで所望の原画像に合わせて選択することができる。例えば、一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで50nm以下のスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで10nm以下のスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで1~50nmのスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、75nm、80nm、90nm、または100nmのスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、連続して位置するスペクトル(例えば、ピークのところ)相互間の差は、同一であるのが良い(例えば、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分は、10nmだけ離され、第2の検出構成成分と第3の検出構成成分は、10nmだけ離される)。一実施形態では、連続して位置するスペクトル(例えば、ピークのところ)相互間の差は、互いに異なるのが良い(例えば、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分は、10nmだけ離され、第2の検出構成成分と第3の検出構成成分は、25nmだけ離される)。
【0100】
一実施形態では、任意のフィルタへの光の入射角は、0.0゜、1.0゜、2.0゜、3.0゜、4.0゜、5.0゜、6.0゜、7.0゜、8.0゜、9.0゜、10.0゜、11.0゜、12.0゜、15.0゜、20.0゜、25.0゜、30.0゜、40.0゜、45.0゜、50.0゜、60.0゜、70.0゜、75.0゜、80.0゜、85.0゜、または89.9゜であるのが良い。一実施形態では、任意のフィルタへの光の入射角は、最大90゜まで(しかしながら90゜を含まない)であるのが良い。一実施形態では、任意のフィルタに対する光の入射角は、90゜未満であるのが良い。一実施形態では、任意のフィルタに対する光の入射角は、0゜~89.9゜であるのが良い。上述したように、2つまたは3つ以上のフィルタが設けられている場合、各フィルタは、自由にかつ他のフィルタとは独立して回転し、その結果、2つまたは3つ以上のフィルタは、同一の入射角を有することができまたは同一の入射角有するフィルタが2つは存在しない。入射角は、得られるべき所望の波長に応じて選択される。
【0101】
画像またはファイルのどれであっても、原画像であろうと処理済みであろうといずれにせよ、本発明の任意の実施形態の実施の際、任意の時点において任意適当な記憶媒体に記憶させることができる。記憶媒体としては、ハードディスク、読み取り書き込み記憶装置(RAM)、読み取り専用記憶装置(ROM)、分散型コンピューティングシステムの記憶装置、光ディスク(例えば、コンパクトディスク、ディジタル多用途ディスク、またはBlu-ray(登録商標)ディスク)、フラッシュメモリデバイス、メモリーカードなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0102】
本発明の実施形態は、上述した方法およびその任意のステップ(これらは、方法およびステップの任意の組み合わせを含む)を実施する命令を記憶することができる非一過性コンピュータ可読媒体を含む。例えば、非一過性コンピュータ可読媒体は、1つまたは2つ以上のプロセッサまたは類似のデバイスによって実行可能な命令を記憶することができる。
【0103】
本発明の実施形態は、上述の方法およびこれら方法の任意のステップ(これらは、方法およびステップの任意の組み合わせを含む)を実施する命令を記憶することができる2つまたは3つ以上の非一過性コンピュータ可読媒体を含む。例えば、実行のための命令は、2つまたは3つ以上のプロセッサまたは類似のデバイスに分割することができる。
【0104】
本発明の別の実施形態は、コンピュータにより実行可能な命令を読みだして実行するコンピュータまたは機器(例えば、電話、タブレット、PDAなど)、例えば、任意の実施形態の機能を実行するために記憶媒体(上述したように、画像またはファイルを記憶する記憶媒体と同一であっても良くまたはこれとは異なっていても良い)上に記録されまたは記憶された非一過性コンピュータ可読媒体をさらに含むのが良い。コンピュータは、中央処理装置(CPU)、超小型演算処理装置(MPU)、または他の回路構成のうちの1つまたは2つ以上を含むことができ、また、別々のコンピュータまたは別々のコンピュータプロセッサのネットワークを含むことができる。コンピュータにより実行可能な命令は、例えば、ネットワークまたは記憶媒体からコンピュータに提供可能である。
【0105】
コンピュータまたは機器はまた、例えばモニターまたはスクリーン上に、原画像でれ処理済みの画像であれいずれにせよ、画像またはファイルのうちの任意のものを表示するよう構成されているのが良い。
【0106】
実施例
SytoxオレンジおよびCF568でラベル表示されたサンプルを提供して画像化する。
図5Aは、第1の原画像を発光波長550nm(±5nm)で示している。
図5Bは、第2の原画像を発光波長570nm(±5nm)で示している。
図5Cは、第3の原画像を発光波長590nm(±5nm)で示している。第1、第2、および第3の原画像内の1つまたは2つ以上の信号が自己蛍光、Sytoxオレンジ、およびCF568のうちの1つまたは2つ以上によって提供される。
図5Eは、自己蛍光およびCF568によって生じた信号を完全ではなくとも部分的に除去するために、第1、第2、および第3の原画像が上述したようにエミッション曲率に基づく分析および処理を受けた後におけるSytoxオレンジの最終画像を示している。
【0107】
SytoxオレンジおよびCF568でラベル表示されたサンプルを提供して画像化する。
図5Bは、第2の原画像を発光波長570nm(±5nm)で示している。
図5Dは、第4の原画像を発光波長600nm(±5nm)で示している。第2および第4の原画像内の1つまたは2つ以上の信号が自己蛍光、Sytoxオレンジ、およびCF568のうちの1つまたは2つ以上によって提供される。
図5Fは、自己蛍光およびSytoxオレンジによって生じた信号を完全ではなくとも部分的に除去するために、第1、第2、第3、および第4の原画像のうちの少なくとも2つが上述したようにエミッション勾配に基づく分析および処理を受けた後におけるCF568の最終画像を示している。
【0108】
図5Gは、SytoxオレンジおよびCF568によって生じた信号を完全ではなくとも部分的に除去するために、第1、第2、第3、および第4の原画像のうちの少なくとも2つが上述したようにエミッション勾配に基づく分析および処理を受けた後における自己蛍光の最終画像を示している。換言すると、
図5Gは、サンプルの特定の構造の自己蛍光を示している。
【0109】
特徴または要素が本明細書において別の特徴または要素「上」に位置していると記載されている場合、これは、他の特徴または要素上に直接位置する場合があり、または介在する特徴または要素もまた存在している場合がある。これとは対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素「上に直接」位置していると記載されている場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、特徴または要素が別の特徴または要素に「連結され」、「取り付けられ」、または「結合され」と記載されている場合、これは、他の特徴または要素に直接連結され、取り付けられ、もしくは結合されている場合があり、または介在する特徴または要素が存在している場合がある。これとは対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素に「直接連結され」、「直接取り付けられ」、または「直接結合され」と記載されている場合、これは介在する特徴または要素は存在しない。一実施形態に対して説明しまたは図示しているが、説明されまたは図示されている特徴または要素は、他の実施形態に当てはまる。また、当業者であれば理解されるように、別の特徴に「隣接して」設けられている構造または特徴への言及は、この隣接の特徴とオーバーラップしまたはその下に位置する部分を有する場合がある。
【0110】
本明細書で用いられる用語法は、特定の実施形態についてのみ説明するためであり、かかる用語法は、本発明を限定するものではない。例えば、原文明細書で用いられている単数形“a”、“an”、および“the”は、別段の明示の指定がなければ、複数形をも含むものである。さらに理解されるように、“comprises”(訳文では、「~を有する」としている場合が多い)および/または“comprising”という用語は、本明細書で用いられる場合、記載した特徴、ステップ、操作、要素および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは2つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネントおよび/またはこれらの群の存在または追加を排除しない。本明細書で用いられている「および/または」という表現は、関連の列記したアイテムのうちの1つまたは2つ以上の任意の組み合わせおよび全ての組み合わせを含んでおり、この表現を“/”と省略表記している場合がある。
【0111】
空間的に、図形的に、または数的に関連性のある用語、例えば、「~の下に」、「~より下に」、「~の下の」、「~の上に」、「~の上の方に」、「~よりも高い」などは、本明細書においては、図面に示されているように1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するために説明の便宜上用いられている場合がある。理解されるように、空間的に関連性のある用語は、図面に示された向きに加えて、使用または操作の際に異なる向きを含むことが意図されている。例えば、図示のデバイス、システム、または方向を逆にした場合、他の要素または特徴の「~の下の」または「~の下の方に」と記載された要素は、他の要素または特徴「の上に」向く。かくして、例示の用語「~の下に」は、上と下の向きの両方を含む場合がある。もしくは、デバイスが別の方向に差し向けられる場合があり(90゜または他の向きに回転され)、本明細書で用いられる空間的に関連性のある記述はそれに従って解釈される。同様に、「~の上方に」、「~の下方に」、「~に垂直の」、「~に水平の」などは、特段の指定がなければ、説明の目的で本明細書において用いられている。さらに、「~の下の」、「~よりも高い」などは、要素、特徴、情報などを示すために用いられ、これらは、表、グラフ、またはプロットのさらに下にまたはさらに上に位置し、あるいは、値もしくは強度において小さいまたは大きい。
【0112】
「第1」および「第2」という用語は、本明細書においては、種々の特徴/要素(ステップを含む)を説明するために用いられている場合があるが、これら特徴/要素は、別段の指定がなければ、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、一特徴/要素を別の特徴/要素から識別するために用いられている場合がある。かくして、以下に説明する第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれる場合があり、同様に、以下に説明する第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれる場合があり、このことは、本発明の教示から逸脱しない。加うるに、「第1」および「第2」が用いられるが、これらの用語は、種々の特徴/要素を1つだけまたは2つだけに限定することを意図していない。むしろ、3つ(すなわち、第3)、4つ(すなわち、第4)以上が該当する場合またはそのようにすることが望ましい場合に含められまたは用いられる場合がある。
【0113】
原文明細書および以下の原文特許請求の範囲全体を通じて、別段の必要がなければ、“comprise”およびその語尾変化、例えば“comprises”および“comprising”は、種々のコンポーネントを方法および物品(例えば、装置および方法を含む構成物および機器)において共同して用いることができることを意味している。例えば、“comprising”という用語は、任意の記載された要素またはステップを含めることを示唆するが、任意他の要素またはステップを排除することを意味していないと理解される。
【0114】
本明細書および特許請求の範囲において、実施例に用いられるものとして、しかも別段の明示の指定がなければ全ての数は、単語の前に「約」または「ほぼ」が位置しているように読まれるべきであり、これは、この用語が明示的に現れていない場合であってもそうである。「約」または「ほぼ」という語句は、記載された値および/または位置が値および/または位置の妥当な予想範囲内にあるということを示すために大きさおよび/または位置を記載している場合に使用される場合がある。例えば、数値は、記載された値(または値の範囲)の±0.1%、記載された値(または値の範囲)の±1%、記載された値(または値の範囲)の±2%、記載された値(または値の範囲)の±5%、記載された値(または値の範囲)の±10%などの値を有する場合がある。本明細書において与えられている任意の数値はまた、別段の指定がなければ、約またはほぼその値を含むものと理解されるべきである。例えば、値「10」が示されている場合、「約10」もまた示されている。本明細書において列記された任意の数値範囲は、本明細書において包含された全ての部分範囲を含むことが意図されている。また、当業者によって適切に理解されるように、値が示されている場合、その値「以下」、「その値以上」およびこれら値相互間の考えられる範囲もまた示されていることは言うまでもない。例えば、値「X」が示されている場合、「X以下」、ならびに「X以上」(例えば、Xは数値である)もまた示されている。また、本願全体を通じて、データが多くの互いに異なるフォーマットで提供されており、このデータが終点および始点ならびにデータ点の任意の組み合わせによる範囲を表している。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が示されている場合、10超、10以上、10未満、10以下、10に等しい、ならびに15超、15以上、15未満、15以下、15に等しいが開示されているとともに10~15とみなされることは言うまでもない。また、2つの特定の単位相互間の各単位もまた開示されていることは言うまでもない。例えば、10および15が示されている場合、11、12、13,14もまた示されている。
【0115】
種々の例示の実施形態を上述したが、多くの変更のうちの任意のものを特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、種々の実施形態に対して行うことができる。例えば、種々の説明した方法ステップを実施する順序を変形実施形態では変更する場合が多くあり、他の変形実施形態では、1つまたは2つ以上の方法ステップが全て省かれる場合がある。種々の装置およびシステム実施形態のオプションとしての特徴が含まれている実施形態もあれば、含まれていない実施形態もある。したがって、上記説明は、主として、例示目的であり、本発明の範囲が特許請求の範囲に記載されているかのように本発明の範囲を限定するものと解されるべきではない。
【0116】
本明細書に含まれる実施例および例は、例示のためであって限定する目的ではなく、本発明の主題を実施する特定の実施形態を示している。上述したように、他の実施形態を利用するとともに特定の実施形態から導き出すことができ、その結果、構造上および論理上の置換および変更を本発明の範囲から逸脱することなく実施できる。単に便宜上であって本発明の範囲を任意の単一の本発明または本発明の技術的思想に自発的に制限することを意図せず、事実、2以上が開示されている場合、本発明の主題のかかる実施形態を本明細書では個々にまたはひとまとめに「本発明」という表現によって言及する場合がある。かくして、特定の実施形態を本明細書において図示するとともに説明したが、同一の目的を達成するよう工夫された構成を図示の特定の実施形態に代えて用いることができる。本開示内容は、種々の実施形態の任意かつ全ての改造例または変形例を含むものである。上述の実施形態、および本明細書において具体的に説明した他の実施形態の組み合わせは、上述の説明を検討すると、当業者には明らかになろう。
【0117】
上記説明は、例示目的で、本発明の徹底的な理解を提供するよう特定の用語体系を用いた。しかしながら、当業者には明らかなように、特定の細部は、本明細書において説明したシステムおよび方法を実施するために必要とされるわけではない。特定の実施形態の上述の説明は、図示および説明の目的のために例示的に提供されている。上記説明は、本開示内容が全てでありまたは本開示内容を説明した形態そのものに限定することを意図していない。多くの改造および変形が上記教示を考慮して可能である。実施形態は、本開示内容の原理および実用的な利用可能性を最もよく説明し、それにより当業者が本開示内容および意図した特定の用途に合った種々の変更を加えた種々の実施形態を最適利用することができるようにするために図示されるとともに説明されている。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の記載かおよびその均等範囲によって定められる。
【国際調査報告】