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特表2022-518988DRMコンテンツ並列パッケージング装置及びそれを含むDRMコンテンツ並列パッケージングシステム及びDRMコンテンツ並列パッケージング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】DRMコンテンツ並列パッケージング装置及びそれを含むDRMコンテンツ並列パッケージングシステム及びDRMコンテンツ並列パッケージング方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/266 20110101AFI20220311BHJP
   H04N 21/835 20110101ALI20220311BHJP
【FI】
H04N21/266
H04N21/835
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020573440
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 KR2019018770
(87)【国際公開番号】W WO2021137314
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0178750
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年 韓国通信情報科学学会 (KICS) ウィンターカンファレンス 令和1年1月24日開催
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.YouTube
(71)【出願人】
【識別番号】520510209
【氏名又は名称】ギョンジュ スマート メディア センター
(71)【出願人】
【識別番号】520510210
【氏名又は名称】ウキョン インフォメーション テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】シン サンホ
(72)【発明者】
【氏名】オ ジェホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ユンハ
(72)【発明者】
【氏名】キム デソ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジェヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ジュンヘン
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164MB13S
5C164MB31P
5C164SA32S
5C164SB25S
5C164SC01P
(57)【要約】
本発明は、映像コンテンツの容量に関係なく、DRMパッケージングの所要時間と演算量を減少させることができるDRMコンテンツ並列パッケージング装置及びそれを含むDRMコンテンツ並列パッケージングシステム及びDRMコンテンツ並列パッケージング方法に関するものであって、
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング装置は、
複数個のNALユニット(Network Abstraction Layer Unit)を含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するNAL分割モジュール;前記NAL分割モジュールによって分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてNALユニットをデコーディングし、デコーディングを通じて抽出されたQTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングし、DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングする並列パッケージングモジュール;を含む。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のNALユニット(Network Abstraction Layer Unit)を含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するNAL分割モジュール;
前記NAL分割モジュールによって分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてNALユニットをデコーディングし、デコーディングを通じて抽出されたQTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングし、DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングする並列パッケージングモジュール;
を含むDRMコンテンツ並列パッケージング装置。
【請求項2】
前記並列パッケージングモジュールは、前記分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、前記DRMメタデータをパッケージングする複数個のDRMパッケージングモジュールが並列に形成され、
前記DRMパッケージングモジュールそれぞれは、
CABACデコーダを用いて前記NALユニットをデコーディングするデコーディング手段;
前記デコーディング手段によるデコーディングの結果で導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、選択されたQTCデータのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームを挿入演算してDRMパッケージングを遂行するパッケージング手段;及び、
CABACエンコーダを用いて前記DRMパッケージングが遂行されたNALユニットをエンコーディングするエンコーディング手段
を含む、請求項1に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング装置。
【請求項3】
前記パッケージング手段は、
前記NALユニットの映像イメージを具現する映像フレームに含まれているYCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCらのうち少なくとも一つ以上のQTCのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームに対して挿入演算を遂行してDRMパッケージングする、請求項2に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング装置。
【請求項4】
DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを一時保存する共有メモリ;
前記共有メモリに一時保存された複数個のNALユニットを整列するNAL整列モジュール
をさらに含む、請求項2に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング装置。
【請求項5】
ユーザー端末と有無線通信を遂行する通信部;
複数個のNALユニットを含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するNAL分割モジュールと、前記NAL分割モジュールによって分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてNALユニットをデコーディングし、デコーディングを通じて抽出されたQTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングし、DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングする並列パッケージングモジュールを含む並列パッケージング部;
を含むDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバー。
【請求項6】
前記並列パッケージングモジュールは、前記分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、前記DRMメタデータをパッケージングする複数個のDRMパッケージングモジュールが並列に形成され、
前記DRMパッケージングモジュールそれぞれは、
CABACデコーダを用いて前記NALユニットをデコーディングするデコーディング手段;
前記デコーディング手段によるデコーディングの結果で導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、選択されたQTCデータのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームを挿入演算してDRMパッケージングを遂行するパッケージング手段;及び、
CABACエンコーダを用いて前記DRMパッケージングが遂行されたNALユニットをエンコーディングするエンコーディング手段
を含む、請求項5に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバー。
【請求項7】
前記パッケージング手段は、
前記NALユニットの映像イメージを具現する映像フレームに含まれているYCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCらのうち少なくとも一つ以上のQTCのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームに対して挿入演算を遂行してDRMパッケージングする、請求項6に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバー。
【請求項8】
前記並列パッケージング部は、
DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを一時保存する共有メモリ;
前記共有メモリに一時保存された複数個のNALユニットを整列するNAL整列モジュール
をさらに含む、請求項5に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバー。
【請求項9】
コンピューティング装置によって遂行され、コンピューティング装置が、
複数個のNALユニットを含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するステップ;
分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてデコーディングするステップ;
分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、前記デコーディングを通じて獲得されたデータの中で、QTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングするステップ;
分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACエンコーダを用いて前記DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングするステップ
を含む、DRMコンテンツ並列パッケージング方法。
【請求項10】
前記DRMメタデータをパッケージングするステップは、
前期デコーディングステップで導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、選択されたQTCデータのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームを挿入演算してDRMパッケージングを遂行することを特徴とする、請求項9に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング方法。
【請求項11】
前記DRMメタデータをパッケージングするステップは、
前記NALユニットの映像イメージを具現する映像フレームに含まれているYCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCらのうち少なくとも一つ以上のQTCのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームに対して挿入演算を遂行してDRMパッケージングする、請求項10に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング方法。
【請求項12】
DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを一時保存するステップ;
一時保存された複数個のNALユニットを整列するステップ;
をさらに含む、請求項9に記載のDRMコンテンツ並列パッケージング方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像コンテンツの容量に関係なく、DRMパッケージングの所要時間と演算量を減少させることができるDRMコンテンツ並列パッケージング装置及びそれを含むDRMコンテンツ並列パッケージングシステム及びDRMコンテンツ並列パッケージング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、5G技術の商用化に加え、YouTubeのような個人メディアなどの活性化や底辺拡大に伴い、それに関連するデジタルコンテンツの流通や配信関連プラットフォームの需要が爆発的に増加しており、関連産業群が急成長している。
【0003】
しかし、デジタルコンテンツ著作権への認識不足により、デジタルコンテンツの違法コピーや無断使用による問題が大きく浮上し始め、それにより、デジタル著作権管理(Digital Rights Management、DRM)の重要性が高まっている。
【0004】
DRMは、デジタルコンテンツの著作権を保護するための技術及びサービス管理体系と技法を総称する用語であって、様々なデバイス環境での著作権情報を保護するために、多数の研究開発と商用化サービスが行われている。映像コンテンツに対するDRM技術は大きく二つに分けられ、これは映像に対してDRMパッケージングを遂行することと、複合ライセンス技術を通じて映像コンテンツ供給者とユーザーの間に、安全かつ効率的なDRMサービスを提供する。
【0005】
既存のDRMパッケージング技術は、特定のコンテンツの著作権を、該当コンテンツ内に挿入してコンテンツの違法コピーや無断使用を根絶するものであって、H.264(最大4K60FPS)級のコンテンツに対してのみ遂行が可能だったし、細部のパッケージング技法としては、スクランブリング(scrambling)又は対称キー/非対称キーの暗号アルゴリズムを主に使用した。
【0006】
それによって生じる問題は、以下の通りである。
【0007】
一つ目は、DRMパッケージングの遂行速度と演算量に関する問題である。対称キー/非対称キーの暗号アルゴリズムの場合、近年、該当アルゴリズムの安全性問題によって秘密キー(Secret Key)の長さが増加することに伴い、暗号化又は復号化の際にかかる速度と演算量が指数関数的に増加する傾向にある。実感型コンテンツの場合、既存のコンテンツに比べ最大で8倍まで容量が増加するため、暗号アルゴリズムを適用する場合にかかる時間と演算量が増加し、それを受けて関連分野においては、別途のソフトウェア又はハードウェアを新たに開発・構築しなければならないため、これを解決するためにかかる費用が増加することになる。
【0008】
二つ目は、DRMパッケージングに必要な各種キー(key)の管理に関する問題である。スクランブリング又は対称キー/非対称キーの暗号アルゴリズムを、DRMパッケージングの際に使用する場合、これを管理するためのキー管理政策とシステムが必要となる。特に、対称キー暗号アルゴリズムの場合、特定のコンテンツへの認可されたユーザーごとに秘密キーが存在しなければならないので、コンテンツと認可されたユーザーが増える場合、これに対するキーも指数関数的に増加せざるをえなくなり、これに対するキー管理システムの追加的な所要とともに、より複雑な形態のキー管理政策が導入される必要があるため、これを解決するための費用が増加することになる。
【0009】
三つ目は、実感型コンテンツメタデータの管理に関する問題である。既存のコンテンツは、双方向インターアクション(Interaction)サービスを提供していなかったため、映像コンテンツのみが存在したが、実感型コンテンツの場合、人の五感を利用して、実在感や没入感を向上させる映像コンテンツと双方向インターアクションが可能なメタデータが別途存在する。
【0010】
既存のDRMパッケージング技法は、こうしたメタデータの管理及びパッケージングが不可能であるため、これを解決するための新たな形態のDRMコンテンツパッケージング技術の開発が求められるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、映像コンテンツの容量に関係なく、DRMパッケージングの所要時間と演算量を減少させることができるDRMコンテンツ並列パッケージング装置及びそれを含むDRMコンテンツ並列パッケージングシステム及びDRMコンテンツ並列パッケージング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング装置は、
【0013】
複数個のNALユニット(Network Abstraction Layer Unit)を含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するNAL分割モジュール;前記NAL分割モジュールによって分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてNALユニットをデコーディングし、デコーディングを通じて抽出されたQTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングし、DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングする並列パッケージングモジュール;を含む。
【0014】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング装置において、前記並列パッケージングモジュールは、前記分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、前記DRMメタデータをパッケージングする複数個のDRMパッケージングモジュールが並列に形成されてもよい。前記DRMパッケージングモジュールそれぞれは、CABACデコーダを用いて前記NALユニットをデコーディングするデコーディング手段;前記デコーディング手段によるデコーディングの結果で導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、選択されたQTCデータのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームを挿入演算してDRMパッケージングを遂行するパッケージング手段;及び、CABACエンコーダを用いて前記DRMパッケージングが遂行されたNALユニットをエンコーディングするエンコーディング手段を含むことができる。
【0015】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング装置において、前記パッケージング手段は、前記NALユニットの映像イメージを具現する映像フレームに含まれているYCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCらのうち少なくとも一つ以上のQTCのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームに対して挿入演算を遂行することができる。
【0016】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング装置において、DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを一時保存する共有メモリ;前記共有メモリに一時保存された複数個のNALユニットを整列するNAL整列モジュールをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバーは、
【0018】
ユーザー端末と有無線通信を遂行する通信部;複数個のNALユニットを含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するNAL分割モジュールと、前記NAL分割モジュールによって分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてNALユニットをデコーディングし、デコーディングを通じて抽出されたQTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングし、DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングする並列パッケージングモジュールを含む並列パッケージング部;を含む。
【0019】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバーにおいて、前記並列パッケージングモジュールは、前記分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、前記DRMメタデータをパッケージングする複数個のDRMパッケージングモジュールが並列に形成されてもよい。前記DRMパッケージングモジュールそれぞれは、CABACデコーダを用いて前記NALユニットをデコーディングするデコーディング手段;前記デコーディング手段によるデコーディングの結果で導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、選択されたQTCデータのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームを挿入演算してDRMパッケージングを遂行するパッケージング手段;及び、CABACエンコーダを用いて前記DRMパッケージングが遂行されたNALユニットをエンコーディングするエンコーディング手段を含むことができる。
【0020】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバーにおいて、前記パッケージング手段は、前記NALユニットの映像イメージを具現する映像フレームに含まれているYCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCらのうち少なくとも一つ以上のQTCのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームに対して挿入演算を遂行することができる。
【0021】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバーにおいて、前記並列パッケージング部は、DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを一時保存する共有メモリ;前記共有メモリに一時保存された複数個のNALユニットを整列するNAL整列モジュールをさらに含むことができる。
【0022】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法は、
【0023】
コンピューティング装置によって遂行され、コンピューティング装置が、複数個のNALユニットを含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割するステップ;分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてデコーディングするステップ;分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、前記デコーディングを通じて獲得されたデータの中で、QTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングするステップ;分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACエンコーダを用いて前記DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングするステップを含む。
【0024】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法において、前記DRMメタデータをパッケージングするステップは、前期デコーディングステップで導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、選択されたQTCデータのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームを挿入演算してDRMパッケージングを遂行することができる。
【0025】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法において、前記DRMメタデータをパッケージングするステップは、前記NALユニットの映像イメージを具現する映像フレームに含まれているYCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCらのうち少なくとも一つ以上のQTCのビットストリームとDRMメタデータのビットストリームに対して挿入演算を遂行してDRMパッケージングすることができる。
【0026】
本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法において、DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを一時保存するステップ;一時保存された複数個のNALユニットを整列するステップ;をさらに含むことができる。
【0027】
その他、本発明の様々な側面による具現例らの具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法及びDRMコンテンツ並列パッケージングシステムによると、
【0029】
既存の実感型コンテンツに対するDRMパッケージングを遂行する際、コンテンツの容量に比例して所要時間と演算量が増加していたのに対し、DRMパッケージングモジュールを適切な数で並列配置して並列にDRMパッケージングを遂行することにより、容量に関係なく、所要時間と演算量は一定にすることができる。
【0030】
したがって、大容量高画質の映像コンテンツ、8K級の実感型コンテンツに対して効率的なDRMパッケージングを遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムが図示されたブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムが図示されたブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバーの並列パッケージング部の構成が図示されたブロック図である。
図4図4は、HEVCベースの実感型コンテンツビットストリーム(bit stream)構造を図示した図面である。
図5図5は、並列パッケージングモジュールの一構成であるDRMパッケージングモジュールの構成が図示されたブロック図である。
図6図6は、QTCでのDRMパッケージング過程を説明するための図面である。
図7図7は、本発明の一実施例に係るDRMアンパッケージング過程が図式的に図示された図面である。
図8図8は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムの動作過程が図示された順序図である。
図9図9は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムの動作過程が図示された順序図である。
図10図10は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムの動作過程が図示された順序図である。
図11図11は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法が図示された順序図である。
図12図12は、本発明の一実施例に係る、コンピューティング装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を例示し、詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。
【0033】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明確に異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴らや数字、&#8203;&#8203;ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング装置及びそれを含むDRMコンテンツ並列パッケージングシステム及びDRMコンテンツ並列パッケージング方法を説明する。
【0034】
図1及び図2は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムが図示されたブロック図である。
【0035】
図1及び図2に図示されたように、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムは、ユーザー端末(100)とDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバー(200、以下DRM並列パッケージングサーバーともいう。)を含む。図1は、DRM並列パッケージングサーバー(200)が自主的に複数個の映像コンテンツをデータベース化して保存した場合を図示しており、図2は、外部のコンテンツ提供者(Contents Provider、CP1~CP3)が別途にDRM並列パッケージングサーバー(200)へ映像コンテンツを提供する場合を図示している。
【0036】
本発明において、DRMパッケージングの対象である映像コンテンツは、特に限定されないが、大容量高画質の映像コンテンツにさらに有効に活用することができる。好ましくは、映像コンテンツは、複数個のNALユニット(Network Abstraction Layer Unit)を含む。大容量高画質の映像コンテンツは、例えば、仮想現実コンテンツ(VRコンテンツ)、拡張現実コンテンツ(ARコンテンツ)、双方向インターアクションコンテンツなど、HEVC(High Efficiency Video Codec)ベースの4K120FPS(Frame Per Second)級、又は8K120FPS級の実感型コンテンツであってもよい。具体的には、HEVC(H.264、H.265)ベースの8K級の実感型コンテンツであってもよい。もちろん、120FPS級のコンテンツだけでなく、60~120FPS級のコンテンツ、120~240FPS級のコンテンツなど、様々なレベルのコンテンツに制限なく適用することができる。
【0037】
ユーザー端末(100)は、ユーザーのキー操作によって有無線通信網を経由して、DRM並列パッケージングサーバー(200)と各種データを送受信することができる端末のことを指すものであり、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、ノートパソコン、個人向けの携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)及び移動通信端末(Mobile Communication Terminal)などのいずれか一つであってもよく、有無線通信網を経由してDRM並列パッケージングサーバー(200)に接続するためのウェブブラウザとプログラムを保存するためのメモリ、プログラムを実行して演算及び制御するためのマイクロプロセッサーなどを備えている端末のことを意味する。
【0038】
ユーザーは、ユーザー端末(100)を通じてDRM並列パッケージングサーバー(200)へ、特定の映像コンテンツに対する転送要請(ダウンロード要請)を行うことができる。
【0039】
DRM並列パッケージングサーバー(200)は、ユーザー端末(100)から特定の映像コンテンツに対する転送要請を受信すると、該当映像コンテンツにDRM並列パッケージング(以下、「DRMパッケージング」ともいう。)して、ユーザー端末(100)へ転送する。又は、DRM 並列パッケージングサーバー(200)は、予め複数個の映像コンテンツをDRMパッケージングして保存することができ、DRM並列パッケージングサーバー(200)は、ユーザー端末(100)から特定の映像コンテンツに対する転送要請を受信すると、予めDRMパッケージングされた映像コンテンツの中から該当映像コンテンツを選択して、ユーザー端末(100)へ転送することができる。
【0040】
そのために、DRM並列パッケージングサーバー(200)は、通信部(210)、並列パッケージング部(220)、保存部(230)、制御部(図示せず)を含むことができる。
【0041】
通信部(210)は、有無線通信網を経由してユーザー端末(100)、外部のコンテンツ提供者(CP1~CP3)と連動する機能を遂行する通信手段であって、各種データを送受信する機能を遂行する。
【0042】
保存部(230)は、DRM並列パッケージングサーバー(200)の駆動に必要な各種データ及びプログラムを保存する。実施例に従って保存部(230)は、DRMパッケージング処理されていない複数個の映像コンテンツや、予めDRMパッケージング処理された複数個の映像コンテンツを保存することができる。又は、保存部(230)は、外部のコンテンツ提供者(CP1~CP3)により予めDRMパッケージング処理された複数個の映像コンテンツを保存することができる。
【0043】
並列パッケージング部(220)は、映像コンテンツに対してDRM並列パッケージング処理作業を遂行する。並列パッケージング部(220)は、映像コンテンツを複数個のNALユニットに分割し、個々のNALユニットをDRMパッケージング処理する。並列パッケージング部(220)は、ユーザー端末(100)の転送要請に応じて、該当映像コンテンツをDRMパッケージング処理するか、或いはユーザー端末(100)の転送要請とは関係なく、予め複数個の映像コンテンツをDRMパッケージング処理して保存部(230)に保存することができる。
【0044】
制御部(図示せず)は、DRM並列パッケージングサーバー(200)の全般的な機能を制御する。
【0045】
図3は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング管理サーバーの並列パッケージング部(220)の構成が図示されたブロック図である。
図3に図示されたように、並列パッケージング部(220)は、NAL分割モジュール(221)と、並列パッケージングモジュール(222)と、共有メモリ(223)と、NAL整列モジュール(224)とを含むことができる。前記のモジュールら(221~224)は、それぞれ所定の機能を遂行する構成要素として、ハードウェア、ソフトウェア、或いはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで具現されてもよい。例えば、前記モジュールら(221~224)は、プログラムモジュールを意味することができ、これはプロセッサー(Processor)によって実行されて所定の機能を遂行する、ソフトウェアの構成要素であってもよい。
【0046】
一方、前記のモジュールら(221~224)は、DRM並列パッケージングサーバー(200)の並列パッケージング部(220)を構成する構成要素として説明されるが、必ずしもDRM並列パッケージングサーバー(200)の並列パッケージング部(220)として機能するのではなく、独自の装置として具現されてもよい。すなわち、前記のモジュールら(221~224)の機能が具現された独立的なDRMコンテンツ並列パッケージング装置として具現されてもよい。
【0047】
NALユニット(Network Abstraction Layer Unit)とは、ネットワーク(Network)から独立した映像レイヤー(Layer)を意味するもので、映像コンテンツにNALユニットが存在すると、映像が転送される過程で特定の部分にエラーが発生しても後続する映像に支障を与えないことを意味する。
【0048】
図4は、HEVCベースの実感型コンテンツのビットストリーム(bit stream)構造を図示した図面である。図4は、H.264級の映像コンテンツ(以下、H.264)のビットストリーム構造であるが、H.265級の映像コンテンツもこれと類似した構造を有することができる。
【0049】
H.264級の映像コンテンツは、初めの段階からネットワーク転送を目的に開発されたもので、映像コンテンツの効率的な転送のためにNALユニットを含んで構成される。
【0050】

図4を参照すると、HEVCベースの実感型コンテンツビットストリームは、NALユニットとRBSP(Raw Byte Sequence Playload)を備える。RBSPにはSPS、PPSなどの情報を知らせるパラメータセットと、VCL(Video Coding Layer)に当たるSliceデータRBSPが含まれてもよい。VCLは、実際のH.264の圧縮されたデータを示し、VCLデータは、NALユニットを通じて外部とのインターフェースが行われるようになる。H.264のすべてのデータは、それぞれのNALユニットから構成される。
【0051】
映像コンテンツ(H.265又はH.264)は、NALユニット構造を有している。映像自体はビットストリーム構造を有しており、ビットストリームは、連続したNAL構造(NAL headerとRBSP)を成している。H.265のNALユニットは、64個のNALユニット種類を有しており、実際の映像情報を有しているNALユニットは、0番から3番(32種のNAL)である。これをVCLといい、残りの32番から63番までのNALユニットをnon-VCLという。non-VCLは、通常、映像再生、解像度、1秒あたりフレーム数、映像の開始と終了など、映像の復号化に必要な各種パラメータ情報を有する。本発明は、VCLに当たるNALユニット(0番から31番)に対するDRMパッケージング過程を並列化する。
【0052】
NAL分割モジュール(221)は、NALユニットパーサ(Parser)を用いて、複数個のNALユニットを含んで構成された映像コンテンツを個々のNALユニットに分割する。
【0053】
並列パッケージングモジュール(222)は、NAL分割モジュール(221)によって分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてNALユニットをデコーディングし、デコーディングを通じて抽出されたQTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングし、DRMメタデータパッケージングが完了されたNALユニットをエンコーディングする。
【0054】
並列パッケージングモジュール(222)には、分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、DRMメタデータをパッケージングする複数個のDRMパッケージングモジュール(222a~222n)が並列に形成される。並列パッケージングモジュール(222)は、事前に定義されたCPUベースの多重スレッド(Thread)を活用して遂行されてもよい。スレッドは、CPUが独立的に処理する一つの作業単位を意味するもので、通常、コア個数とスレッド個数は同一であり、4コア4スレッドCPUの場合、一度に4個のコアで4つの作業(スレッド)を同時に処理することができる。複数個のDRMパッケージングモジュール(222a~222n)の個数は、コアの個数(スレッド個数)と同一であることができる。
【0055】
それぞれのDRMパッケージングモジュール(222a~222n)は、分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、DRMメタデータをパッケージングする。DRMパッケージングモジュール(222a~222n)については、図5を参照して後述する。
【0056】
共有メモリ(223)は、DRMパッケージング(デコーディング、パッケージング、エンコーディング)が完了された複数個のNALユニットを一時保存し、NAL整列モジュール(224)は、共有メモリ(223)に一時保存された複数個のNALユニットを整列する。
【0057】
H.264のすべてのデータは、それぞれのNALユニットから構成され、それぞれのNALユニットは、固有の一連番号を有する。NAL整列モジュール(224)は、NALユニット固有の一連番号を用いて、DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを整列することができる。
一方、NALユニットを含むすべての映像コンテンツが固有の一連番号を有するわけではない。この場合、NAL整列モジュール(224)は、整列を遂行することができなくなる。そこで、本発明の一実施例においては、NALユニットの所定の領域(例えば、ヘッド領域)に順序識別のためのフラグを挿入する。
【0058】
フラグ挿入は共有メモリ(223)に保存される前であるなら、どのステップで遂行されてもよい。例えば、NAL分割モジュール(221)が映像コンテンツを個々のNALユニットに分割する時、又は並列パッケージングモジュール(222)がDRMパッケージングを遂行する時、遂行されてもよい。
【0059】
個別NALユニットに対するそれぞれのDRMパッケージングモジュール(222a~222n)が遂行するDRMパッケージングは&#8203;&#8203;、時間差が存在する。したがって、エンコーディングが完了されたNALユニットの順序は、本来の映像コンテンツに含まれているNALユニットの順序とは異なる場合がある。DRMパッケージングが完了された順にNALユニットを整列すれば、本来の映像コンテンツを具現することができないので、DRMパッケージングが完了されたNALユニットを一時保存し、整列する過程が必要である。
【0060】
図5を参照して、DRMパッケージングモジュール(222a~222n)について説明する。図5は、並列パッケージングモジュール(222)の一構成であるDRMパッケージングモジュール(222a~222n)の構成が図示されたブロック図である。
【0061】
図5に図示されたように、それぞれのDRMパッケージングモジュール(222a~222n)は、デコーディング手段(2221)、パッケージング手段(2222)、エンコーディング手段(2223)を含むことができる。前記手段ら(2221~2223)は、それぞれ所定の機能を遂行する構成要素として、ハードウェア、ソフトウェア、或いはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで具現されてもよい。例えば、前記手段ら(2221~2223)は、プログラムモジュールを意味することができ、これはプロセッサー(Processor)によって実行されて所定の機能を遂行する、ソフトウェアの構成要素であってもよい。
【0062】
パッケージング手段(2222)は、映像イメージを表現するチャンネルの中の一つであるYCbCrチャンネルに存在するQTCを用いて、DRMパッケージングを遂行する。さらに具体的には、パッケージング手段(2222)は、YCbCrチャンネルの中で、輝度を表現するYチャンネルに存在するQTCのうち少なくとも一つ以上のQTCとDRMメタデータのビットストリームに対してXOR演算を遂行してパッケージングする。
【0063】
すなわち、パッケージング手段(2222)は、複数のチャンネルの中からYCbCrチャンネルを選択し、YCbCrチャンネルの中から輝度を表現するYチャンネルにある一部のQTCを選択し、YチャンネルのQTCの少なくとも一つのビットストリームと、これと対応する位置のDRMメタデータのビットストリームに対してXOR演算を遂行してDRMパッケージングを遂行する。
【0064】
Yチャンネルは、基本的な白黒映像に関する情報であり、Yチャンネルを参照して、CbチャネルとCrチャネルが生成される。この時、生成される方法によって、無損失又は損失圧縮を通じて原本と同一の画質又は原本と比較して相対的に低下した画質のカラー画像が生成される。本発明においては、YCbCrのこうした原理を利用してYチャンネルに対してのみDRMパッケージングを遂行する。すなわち、Yチャンネルに対してのみパッケージングを遂行させれば、これを参照して生成されるチャンネルであるCbチャンネルとCrチャンネルは自動的にパッケージングされる効果が現れる。また、YCbCrのうちYチャンネルではない、Cb、CrチャンネルにDRMパッケージングを遂行する場合、パッケージングの演算量と所要時間が増大する。さらに、DRMパッケージングは&#8203;&#8203;、映像の歪みを増大させて、認証されていない不正ユーザーが映像を見ることができないようにする技術であるので、パッケージングされた映像の結果に対して、原本と比較して歪みが増大することに優れていると言える。したがって、パッケージング手段(2222)によるDRMパッケージングは、YCbCrチャンネルのうちYチャンネルにあるQTCに対して遂行されることが好ましい。
【0065】
エンコーディング手段(2223)は、DRMパッケージングが遂行された映像フレームをエンコーディングしてDRMパッケージングされたNALユニットを生成する。エンコーディング手段(2223)は、周囲の状況に応じて適応的に符号化を遂行する二進算術符号化方式を遂行するCABACエンコーダであってもよい。
【0066】
図6は、QTCでのDRMパッケージング過程を説明するための図面である。
【0067】
図6は、DRMパッケージング過程の中で、QTC内に選択される領域と、該当領域にDRMメタデータを挿入する過程を説明するものであって、一つのQTCは、該当映像の信号周波数分布によって4つの領域に分けられる。4つの領域LL(Low Low)、LH(Low High)、HL(High Low)及びHH(High High)と表記され、4つの領域のMSB(Most Significant Bit:最も大きな桁のビット、すなわち、最も左のビット)1ビット又はそれ以上のビットを選択して、これに対応するDRMメタデータのビットストリーム(Bitstream)と互いにXOR演算してDRMパッケージングを遂行する。もちろん、こうしたXOR演算は、必ずしもMSB1ビット及びそれを含む2以上のビットに限定されるものではない。例えば、LSB(Least Significant Bit:最も小さい桁のビット、すなわち、最も右のビット)1ビット及び、それよりも大きい桁のビットの一部に対して遂行されてもよい。図6に例示されたDRMパッケージング過程は、ピクセル内のMSB2ビットとDRMメタデータのビットストリーム2ビットがXOR演算を遂行した結果を例示している。
【0068】
一方、DRMアンパッケージング(Unpackaging)過程は、DRMパッケージング過程を逆に遂行するものであって、図7に図示された通りである。DRMパッケージングが完了された映像コンテンツ(例えば、HEVC映像ファイル)をダウンロード或いはストリーミングを受けたパケットに対してCABACデコーディング過程を遂行した後、獲得したパッケージングされたQTCに対してパッケージングの際に遂行した領域を選択した後、合法的なユーザー(Legal Subscriber)が所有したDRMメタデータのビットストリームと共にXOR演算を遂行してアンパッケージングされたQTCを獲得した後、HEVCデコーディング過程を通じてデータを転送して処理するようにする。これにより、実際のユーザーがダウンロード或いはストリーミングを受けた映像データをリアルタイムでアンパッケージングを遂行して、遅延時間なしに、本来の映像を視聴することが可能である。
【0069】
次に、図8図10を参照して、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムの動作過程を説明する。
【0070】
図8図10は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージングシステムの動作過程が図示された順序図である。
【0071】
図8は、ユーザー端末(100)からの映像コンテンツの転送要請がある場合、DRM並列パッケージングサーバー(200)が、リアルタイム・ストリーミング方式でDRMパッケージングされた映像コンテンツを提供するシステムである。
【0072】
まず、ユーザーは、ユーザー端末(100)を通じてDRM並列パッケージングサーバー(200)へ、特定の映像コンテンツの転送を要請する。(S110)DRM並列パッケージングサーバー(200)は、該当映像コンテンツ提供者(CP)に映像コンテンツの提供を要請し、これを受信する。(S120、S130)DRM並列パッケージングサーバー(200)は、映像コンテンツをDRMパッケージング処理(S140)して、リアルタイムでユーザー端末(100)へ転送する。(S150)この過程において、DRM並列パッケージングサーバー(200)が自主的に映像コンテンツを保存している場合、S120~S130のステップは省略されてもよい。
【0073】
図9及び図10は、ユーザー端末(100)からの映像コンテンツの転送要請がある前に、予め不特定の複数個の映像コンテンツをDRMパッケージングして保存した後、ユーザー端末(100)を通じて転送要請がある場合、予めDRMパッケージングされた映像コンテンツを転送するシステムであって、図9は、DRM並列パッケージングサーバー(200)で予めDRMパッケージング処理する場合であり、図10は、映像コンテンツ提供者(CP)が予めDRMパッケージング処理する場合である。
【0074】
図9を参照すると、DRM並列パッケージングサーバー(200)が映像コンテンツ提供者(CP)に映像コンテンツの提供を要請し、これを受信する。(S210、S220)DRM並列パッケージングサーバー(200)は、映像コンテンツをDRMパッケージング処理して保存する。(S230)ユーザー端末(100)からの映像コンテンツの転送要請がある場合(S240)、DRM並列パッケージングサーバー(200)は、該当映像コンテンツが予めDRMパッケージング処理された場合、該当映像コンテンツをユーザー端末(100)へ転送する。(S250)もし、DRMパッケージング処理されていない映像コンテンツが要請された場合、図8の過程を遂行する。
【0075】
図10を参照すると、DRM並列パッケージングサーバー(200)から映像コンテンツの提供が要請(S310)されると、映像コンテンツ提供者(CP)は、自主的に該当映像コンテンツをDRMパッケージング処理(S320)し、DRM並列パッケージングサーバー(200)へ転送する。(S330)ユーザー端末(100)からの映像コンテンツの転送要請がある場合(S340)、DRM並列パッケージングサーバー(200)は、該当映像コンテンツをユーザー端末(100)へ転送する。(S350)
【0076】
次に、図11を参照して、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法を説明する。図11は、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法が図示された順序図である。
【0077】
まず、DRMパッケージを遂行する映像コンテンツを受信する。(S10)
【0078】
映像コンテンツは、特に限定されないが、大容量高画質の映像コンテンツにさらに有効に活用することができる。好ましくは、映像コンテンツは複数個のNALユニット(Network Abstraction Layer Unit)を含む。大容量高画質の映像コンテンツは、例えば、仮想現実コンテンツ(VRコンテンツ)、拡張現実コンテンツ(ARコンテンツ)、双方向インターアクションコンテンツなど、HEVC(High Efficiency Video Codec)ベースの4K120FPS(Frame Per Second)級、又は8K120FPS級の実感型コンテンツであってもよい。具体的には、HEVC(H.264、H.265)ベースの8K級の実感型コンテンツであってもよい。もちろん、120FPS級のコンテンツだけでなく、60~120FPS級のコンテンツ、120~240FPS級のコンテンツなど、様々なレベルのコンテンツに制限なく適用することができる。
【0079】
次に、映像コンテンツを個々のNALユニットに分割する。(S20)
【0080】
次に、分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、DRMパッケージングを遂行する。(S30)
具体的には、分割された複数個のNALユニットそれぞれに対して、CABACデコーダを用いてデコーディングを遂行する。(S31)CABACデコーダでNALユニットをデコーディングすると、それぞれの映像フレームに対して5つのデータが導き出される。導き出されるデータは、QTC、一般制御データ、内部予測データ、フィルター制御データ、動作データである。
【0081】
次に、QTCデータ内にDRMメタデータをパッケージングする。(S32)
【0082】
CABACデコーダによるデコーディングの結果で導き出されたデータらの中からQTCデータを選択し、QTCデータ内の一部の領域に対してDRMメタデータとQTCデータをXOR演算遂行してDRMパッケージングする。
【0083】
DRMメタデータパッケージングのステップ(S32)は、それぞれの映像フレームに存在する複数のチャンネルの中からYCbCrチャンネルを選択し、YCbCrチャンネルの中から輝度を表現するYチャンネルにある一部のQTCを選択し、YチャンネルのQTCの少なくとも一つのビットストリームと、これと対応する位置のDRMメタデータのビットストリームに対してXOR演算を遂行してDRMパッケージングを遂行する。
【0084】
次に、DRMパッケージングが遂行された映像フレームをCABACエンコーダでエンコーディングしてDRMパッケージングされたNALユニットを生成する。(S33)
【0085】
次に、DRMパッケージング(デコーディング、パッケージング、エンコーディング)が完了された複数個のNALユニットを一時保存する。(S40)
【0086】
次に、一時保存された複数個のNALユニットを整列する。(S50)
【0087】
NALユニット固有の一連番号を用いて、DRMパッケージングが完了された複数個のNALユニットを整列する。又は、NALユニットの所定の領域(例えば、ヘッド領域)に順序識別のためのフラグを挿入し、挿入されたフラグを用いてNALユニットを整列する。フラグ挿入はS40のステップの前であるならどのステップで遂行されてもよい。
【0088】
前記のような、本発明の一実施例に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法及びDRMコンテンツ並列パッケージングシステムによると、既存の実感型コンテンツに対するDRMパッケージングを遂行する際、コンテンツの容量に比例して所要時間と演算量が増加していたのに対し、DRMパッケージングモジュールを適切な数で並列配置して並列にDRMパッケージングを遂行することにより、容量に関係なく、所要時間と演算量は一定にすることができる。したがって、大容量高画質の映像コンテンツ、8K級の実感型コンテンツに対して効率的なDRMパッケージングを遂行することができる。
【0089】
図12は、本発明の実施例に係る、コンピューティング装置を示す図面である。図12のコンピューティング装置(TN100)は、本明細書で記述された装置(例えば、DRM並列パッケージング装置、DRM並列パッケージングサーバーなど)であってもよい。
【0090】
図12の実施例において、コンピューティング装置(TN100)は、少なくとも一つのプロセッサー(TN110)、送受信装置(TN120)、及びメモリ(TN130)を含むことができる。また、コンピューティング装置(TN100)は、保存装置(TN140)、入力インターフェース装置(TN150)、出力インターフェース装置(TN160)などをさらに含むことができる。コンピューティング装置(TN100)に含まれている構成要素らは、バス(bus)(TN170)によって連結されて互いに通信を遂行することができる。
【0091】
プロセッサー(TN110)は、メモリ(TN130)及び保存装置(TN140)の中で少なくとも一つに保存されたプログラム命令(program command)を実行することができる。プロセッサー(TN110)は、中央処理装置(CPU:central processing unit)、グラフィック処理装置(GPU:graphics processing unit)、又は本発明の実施例に係る方法らが遂行される専用のプロセッサーを意味することができる。プロセッサー(TN110)は、本発明の実施例に関連して記述された手順、機能、及び方法などを具現するように構成されてもよい。プロセッサー(TN110)は、コンピューティング装置(TN100)の各構成要素を制御することができる。
【0092】
メモリ(TN130)及び保存装置(TN140)それぞれは、プロセッサー(TN110)の動作に関連する様々な情報を保存することができる。メモリ(TN130)及び保存装置(TN140)それぞれは、揮発性保存媒体及び不揮発性保存媒体の中で、少なくとも一つから構成されてもよい。例えば、メモリ(TN130)は、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)及びランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)の中で、少なくとも一つから構成されてもよい。
【0093】
送受信装置(TN120)は、有線信号又は無線信号を送信又は受信することができる。送受信装置(TN120)は、ネットワークに連結されて通信を遂行することができる。
【0094】
一方、本発明は、コンピュータプログラムで具現されてもよい。本発明は、ハードウェアと結合されて、本発明に係るDRMコンテンツ並列パッケージング方法を実行させるために、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に保存されたコンピュータプログラムで具現されてもよい。
【0095】
本発明の実施例に係る方法らは、様々なコンピュータ手段を通じて読み取り可能なプログラム形態に具現されて、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。ここで、記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて含むことができる。
【0096】
記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計され構成されたものらであるか、或いはコンピュータソフトウェア当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。
【0097】
例えば記録媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープといった磁気媒体(magnetic media)、CDROM、DVDといった光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)といった磁気-光媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどといったプログラム命令を保存し遂行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。
【0098】
プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるような機械語だけでなく、インタプリタなどを使用して、コンピュータによって実行され得る高級言語を含むことができる。
【0099】
こうしたハードウェア装置は、本発明の動作を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてもよく、その逆も同じである。
【0100】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者なら、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、又は追加等により、本発明を多様に修正及び変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるとする。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】