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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/12 20060101AFI20220311BHJP
【FI】
D06F39/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520385
(86)(22)【出願日】2019-10-12
(85)【翻訳文提出日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2019110830
(87)【国際公開番号】W WO2020078282
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201811209828.2
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA10
3B165BA42
3B165BA43
3B165BA82
3B165BA83
3B165CB31
3B165CB60
3B165DW01
3B165DW05
3B165GA25
(57)【要約】
本発明は、洗浄装置を開示する。当該洗浄装置は、洗浄槽を含み、洗浄槽の底部に排水口が設けられている。また、更に、洗浄槽の下方に装着され、動作可能に洗浄槽に対し近接/離開することで排水口の開閉を制御する排水ユニットと、洗浄槽の下方且つ排水ユニットの一方の側に設けられ、動作可能に洗浄槽に対し近接/離開することで洗浄槽の回動を阻止/解除するロックユニットと、排水ユニットとロックユニットが共用する駆動部材であって、伝動部材により排水ユニットとロックユニットを洗浄槽に対し近接/離開させるよう同期駆動し、ロックユニットが洗浄槽から離開した位置にある場合、ロックユニットから洗浄槽のロック位置までの最小距離は排水ユニットから排水口までの最小距離よりも小さい駆動ユニット、を含む。本発明の洗浄装置は構造がシンプルであり、ロックユニットと排水ユニットを一体化したモジュール構造のため装着しやすい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽を含み、前記洗浄槽の底部に排水口が設けられている洗浄装置であって、
前記洗浄槽の下方に装着され、動作可能に前記洗浄槽に対し近接/離開することで排水口の開閉を制御する排水ユニットと、
前記洗浄槽の下方且つ前記排水ユニットの一方の側に設けられ、動作可能に前記洗浄槽に対し近接/離開することで前記洗浄槽の回動を阻止/解除するロックユニットと、 前記排水ユニット及び前記ロックユニットが共用する駆動部材であって、伝動部材により前記排水ユニット及び前記ロックユニットを前記洗浄槽に対し近接/離開させるよう同期駆動し、前記ロックユニットが前記洗浄槽から離開した位置にある場合、前記ロックユニットから前記洗浄槽のロック位置までの最小距離は前記排水ユニットから排水口までの最小距離よりも小さい、駆動ユニット、を含むことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
受水槽を含み、前記洗浄槽の排水口は受水槽内に位置し、
前記排水ユニット及び前記ロックユニットは、前記受水槽の底に装着されており、上下に移動して前記洗浄槽に対し近接/離開するよう配置されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記排水ユニットは、バルブプラグ、及び、前記バルブプラグを運動させるバルブプラグロッドを含み、
前記ロックユニットはロックロッドを含み、前記洗浄槽の底には前記ロックロッドの上端部と係合するロック凹部が設けられており、
前記ロックロッドの上端部が前記洗浄槽のロック凹部から離開した位置にある場合、前記バルブプラグの上端面から排水口との係合密封箇所までの最小距離は、前記ロックロッドの上端部及び前記ロック凹部が有効ロックされるまでの最小距離よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記ロックロッドの上端部は、前記バルブプラグの上端面が存在する水平面よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記ロック凹部は、排水口の密封箇所が存在する水平面よりも前記ロックロッドの位置が低くなるよう効果的に規制することを特徴とする請求項3又は4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄槽の排水口には開閉可能な密封構造が設けられており、通常は前記密封構造によって排水口が閉止されており、
前記排水ユニットは押付ロッドを含んでおり、前記押付ロッドは、前記密封構造を上方へ移動させて開放するよう制御可能に配置され、
前記ロックユニットはロックロッドを含み、前記洗浄槽の底には前記ロックロッドの上端部と係合するロック凹部が設けられており、
前記ロックロッドの上端部が前記洗浄槽のロック凹部から離開した位置にある場合、前記押付ロッドの上端から前記密封構造までの最小距離は、前記ロックロッドの上端部及び前記ロック凹部が有効ロックされるまでの最小距離よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記ロックロッドの上端部は前記押付ロッドの上端部よりも高いことを特徴とする請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記ロック凹部は、前記密封構造に押付ロッドが押し付けられる位置が存在する水平面よりも前記ロックロッドの位置が低くなるよう効果的に規制することを特徴とする請求項6又は7に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記排水ユニット及び前記ロックユニットは、動作可能に同一の固定ベースに設けられて、一体的なモジュール構造をなすよう集積されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記駆動ユニットは駆動モータであり、伝動部材は、前記駆動モータから出力される回転を排水ユニット/ロックユニットの往復直線運動に変換する伝動構造として配置されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記伝動部材は伝動プーリ及び伝動ロッドを含み、前記伝動プーリが駆動モータ軸に装着されており、前記伝動ロッドの一端は前記伝動プーリに対し偏心動作可能に接続され、他端は排水ユニット/ロックユニットに動作可能に接続され、
或いは、前記伝動部材はねじ伝動部材であることを特徴とする請求項10に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯の分野に属し、具体的には洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパルセータ洗濯機は、内槽の周壁に複数の脱水孔が設けられている。内槽と外槽は連通しており、内槽が衣類投入領域となって衣類の洗浄に用いられる。つまり、内槽と外槽の側壁の間に満たされる水は洗浄には関与せず、実質的に洗浄に関与するのは内槽内の水のため、膨大な水資源が無駄になってしまう。このほか、内槽と外槽の間に余りにも多くの水が存在すると、洗剤の濃度が低下して洗浄効果に支障をきたす。また、水流が内槽と外槽の間を頻繁に行き来するため、使用を続けるうちに、内槽と外槽の側壁の間の領域が汚れの溜まり場となる。つまり、水道水中の水垢、粉末洗剤からの遊離物、衣類のセルロース、人体の有機物及び衣類により持ち込まれる埃や細菌が内槽と外槽の側壁の間に極めて容易に滞留する。これらのカビは、使用履歴の長い洗濯機の内部に蓄積された大量の汚れが効果的に除去されないことで繁殖する。使用者の目に付かないこうした汚れが除去されなければ、次の洗浄後に細菌が衣類に付着して人体にもたらされ、交差感染の問題が招来される。
【0003】
こうした状況に対し、改良を行っているメーカーもある。水資源を節約するために、多くの洗濯機が孔無し内槽方式を採用し、内槽と外槽を分離することで、外槽に水を存在させることなく内槽のみに貯水するようにしている。また、内槽の側壁の上端寄りに排水孔を開設するか、上から下へ向かう導水経路を採用して水を導出している。これにより、洗濯機の脱水時に、水は遠心力の働きで内槽の内壁に振り飛ばされたあと、内槽の内壁沿いに上方へ移動することで、内槽上端の排水孔から直接排出されるか、導水経路を通じて導出される。こうすることで、洗濯機の節水効果が向上し、洗剤の使用量の節約となる。また、内槽と外槽の間に細菌が繁殖して衣類に交差汚染が生じるとの事態をいっそう回避可能となる。
【0004】
上記の構造は従来の洗濯機に比べて改良されてはいるが、依然として次のような欠点が存在する。まず、排水時には内槽の回転駆動のみで水を上部の吐水孔から排出するため、排水時間が長くなる。また、排水過程では駆動装置の動作が必要なため、電力消費が相対的に大きくなる。最後に、長期間使用しているうちに、泥砂の粒子等の堆積汚れが排出されず、少しずつ内槽内に溜まって行く。これらが過剰に堆積すると細菌が繁殖しやすくなり、衣類の二次汚染が招来されるほか、ひいては、衣類やパルセータ軸の密封部材といった内槽内の部材に摩耗が生じてしまう。
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、出願人がこれまでに研究開発した技術では、内槽底に排水口を設け、当該排水口に開閉を制御可能な排水機構を設けている。また、排水機構を排水口に係合させて密封を実現可能となるよう、内槽の位置を規定するロック機構を更に設けている。例えば、特許文献1は、洗濯機内槽のロック機構及び洗濯機を開示しており、内槽底部に第1定位構造を設け、外槽底部に第2定位構造を設け、前記第2定位構造を伸縮可能な構造としている。前記第1定位構造と前記第2定位構造が凹凸嵌合すると内槽はロックされ、前記第1定位構造と前記第2定位構造が離れると内槽のロックが解除される。前記内槽底部にはロック孔が設けられ、前記外槽底部には伸縮可能なロック軸が少なくとも設置される。前記ロック軸がロック孔に挿入されると内槽はロックされ、前記ロック軸がロック孔から抜けると内槽のロックが解除される。洗浄時には内槽がロックされ、且つ内槽と外槽の間に水は存在しない。
【0006】
具体的には、内槽底部にロック孔が設けられており、伸縮可能なロック軸を利用してロック孔との係合がなされる。ロック軸が伸出すると、ロック孔との凹凸篏合によって内槽がロックされ、ロック軸が収縮すると、ロック孔から抜け出すことで内槽のロックが解除される。
【0007】
内槽がロックされると、排水機構を利用して内槽の排水口を閉止する。一方、内槽が回動する際には、排水機構が内槽の排水口を開放し、内槽内の水が排水口から外槽に流れ込んだあと、外槽から排出される。しかし、当該構造では、ロック機構と排水機構が別々に駆動する。且つ、先にロック軸を伸出させ、ロック孔と凹凸篏合させて内槽をロックするよう駆動したあとに、排水機構によって内槽の排水口を密封するよう制御する。当該構造は複雑であり、2組の駆動機構を用いてロック機構と排水機構を別々に駆動させねばならないため、生産コストが高騰する。また、制御が複雑であり、制御精度に対する要求が高くなる。
【0008】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願第201510057876.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、ロック及び排水構造がシンプル且つ低コストであり、同期制御が可能な洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0012】
洗浄装置であって、洗浄槽を含み、洗浄槽の底部に排水口が設けられている。また、更に、洗浄槽の下方に装着され、動作可能に洗浄槽に対し近接/離開することで排水口の開閉を制御する排水ユニットと、洗浄槽の下方且つ排水ユニットの一方の側に設けられ、動作可能に洗浄槽に対し近接/離開することで洗浄槽の回動を阻止/解除するロックユニットと、排水ユニットとロックユニットが共用する駆動部材であって、伝動部材により排水ユニットとロックユニットを洗浄槽に対し近接/離開させるよう同期駆動し、ロックユニットが洗浄槽から離開した位置にある場合、ロックユニットから洗浄槽のロック位置までの最小距離は排水ユニットから排水口までの最小距離よりも小さい駆動ユニット、を含む。
【0013】
更に、前記洗浄装置は、受水槽を含み、洗浄槽の排水口は受水槽内に位置する。
【0014】
前記排水ユニットとロックユニットは、受水槽の底に装着されており、上下に移動して洗浄槽に対し近接/離開するよう配置される。
【0015】
上記の受水槽は、制振ユニットを介して洗浄装置のハウジングに接続される。受水槽により洗浄槽を支持することで、洗浄槽を回動可能にハウジング内に設置できるだけでなく、洗浄槽から排出された洗浄水を収集して、受水槽と連通する排水管から洗浄装置の外部に排出することも可能である。
【0016】
更に、前記排水ユニットは、バルブプラグと、バルブプラグを運動させるバルブプラグロッドを含む。
【0017】
前記ロックユニットはロックロッドを含み、洗浄槽の底にはロックロッドの上端部と係合するロック凹部が設けられている。
【0018】
ロックロッドの上端部が洗浄槽のロック凹部から離開した位置にある場合、バルブプラグの上端面から排水口との係合密封箇所までの最小距離は、ロックロッドの上端部とロック凹部が有効ロックされるまでの最小距離よりも大きい。
【0019】
更に、前記ロックロッドの上端部は、バルブプラグの上端面が存在する水平面よりも高い。
【0020】
更に、前記ロック凹部は、排水口の密封箇所が存在する水平面よりもロックロッドの位置が低くなるよう効果的に規制する。
【0021】
更に、前記洗浄槽の排水口には開閉可能な密封構造が設けられており、通常は密封構造によって排水口が閉止されている。
【0022】
前記排水ユニットは押付ロッドを含んでおり、押付ロッドは、密封構造を上方へ移動させて開放するよう制御可能に配置される。
【0023】
前記ロックユニットはロックロッドを含み、洗浄槽の底にはロックロッドの上端部と係合するロック凹部が設けられている。
【0024】
ロックロッドの上端部が洗浄槽のロック凹部から離開した位置にある場合、押付ロッドの上端から密封構造までの最小距離は、ロックロッドの上端部とロック凹部が有効ロックされるまでの最小距離よりも大きい。
【0025】
更に、前記ロックロッドの上端部は押付ロッドの上端部よりも高い。
【0026】
更に、前記ロック凹部は、密封構造に押付ロッドが押し付けられる位置が存在する水平面よりもロックロッドの位置が低くなるよう効果的に規制する。
【0027】
更に、前記排水ユニットとロックユニットは、動作可能に同一の固定ベースに設けられて、一体的なモジュール構造をなすよう集積される。
【0028】
更に、前記固定ベースは、受水槽に直接的又は間接的に装着される。
【0029】
更に、前記駆動ユニットは駆動モータであり、伝動部材は、駆動モータから出力される回転を排水ユニット/ロックユニットの往復直線運動に変換する伝動構造として配置される。
【0030】
好ましくは、伝動部材は伝動プーリと伝動ロッドを含む。伝動プーリは駆動モータ軸に装着されている。伝動ロッドの一端は伝動プーリに対し偏心動作可能に接続され、他端は排水ユニット/ロックユニットに動作可能に接続される。
【0031】
或いは、伝動部材はねじ伝動部材である。
【発明の効果】
【0032】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0033】
本発明の洗浄装置では、洗浄槽のロックユニットと排水ユニットに一体駆動を採用している。本発明の構造によれば、洗浄槽を先にロックしてから密封を実現するため、ロックユニットと排水ユニットが同時に作用する場合のような洗浄槽の回動による排水ユニットの摩耗が回避される。
【0034】
1.ロックユニットと排水ユニットが一体駆動するため、構造がシンプルであり、生産コストの節約となるほか、装着しやすい。また、一体化されたモジュール構造は装着しやすく、2つの部材を単独で装着するフローが簡略化される。
【0035】
2.ロックユニットから洗浄槽のロック位置までの最小距離は排水ユニットから排水口までの最小距離よりも小さくなっている。そのため、駆動ユニットが動力を同期出力し、ロックユニットが先に洗浄槽をロックしたときに、排水ユニットは洗浄槽の底部における排水口と依然として一定の安全距離を有している。よって、排水ユニットとロックユニットが同時に洗浄槽の回動を妨げることで排水ユニットが摩耗又は変形するとの事態が回避される。
【0036】
3.ロックユニットと排水ユニットは、同期駆動によって、ロック動作と閉止動作を間隔を置いて完了させる制御構造を採用している。よって、制御が一段と簡潔且つ円滑となり、故障率が低下する。
【0037】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0038】
図面は本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、本発明の洗浄装置の構造を示す図である。
図2図2は、図1のA部分を示す図である。
図3図3は、本発明のロックユニットと排水ユニットの初期状態を示す図である。
図4図4は、本発明のロックユニットのロック開始状態を示す図である。
図5図5は、本発明の排水ユニットの排水口密封状態を示す図である。
図6図6は、本発明の他の排水口密封構造を示す図である。
図7図7は、本発明の他の排水ユニットの排水口開放状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0041】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0042】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0043】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0044】
図1図7に示すように、本発明で記載する洗浄装置は、ハウジング(図示しない)と、回動可能にハウジング内に設置される洗浄槽1と、洗浄槽1を支持する受水槽2を含む。洗浄槽1の底部には排水口3が設けられている。給水及び洗浄の過程では排水口3が閉じられて、洗浄槽1が貯水槽となる。洗浄装置は、更に、排水ユニット4、ロックユニット5及び駆動ユニット6を含む。排水ユニット4は洗浄槽1の下方における受水槽2の底に装着されており、動作可能に洗浄槽1に対し近接/離開することで排水口3の開閉を制御する。ロックユニット5は、洗浄槽1の下方における受水槽2の底であって、排水ユニット4の一方の側に設けられており、動作可能に洗浄槽1に対し近接/離開することで洗浄槽1の回動を阻止/解除する。
【0045】
本発明における排水ユニット4とロックユニット5は、伝動部材7によって排水ユニット4とロックユニット5を洗浄槽1に対し近接/離開させるよう同期駆動する駆動ユニット6を共用する。ロックユニット5が洗浄槽1から離開した位置にある場合、ロックユニット5から洗浄槽1のロック位置までの最小距離は排水ユニット4から排水口3までの最小距離よりも小さい。当該構造によれば、駆動ユニット6が動力を同期出力し、ロックユニット5が先に有効動作距離範囲に進入したときに、排水ユニット4は洗浄槽1の底部における排水口3と依然として一定の安全距離を有している。よって、排水ユニットとロックユニットが同時に洗浄槽の回動を妨げることで排水ユニットが摩耗又は変形するとの事態が回避される。
【0046】
上記の受水槽は、制振ユニットを介して洗浄装置のハウジングに接続される(図示しない)。受水槽により洗浄槽を支持することで、洗浄槽を回動可能にハウジング内に設置できるだけでなく、洗浄槽から排出された洗浄水を収集して、受水槽と連通する排水ユニットから洗浄装置の外部に排出することも可能である。当該制振ユニットには、従来のパルセータ洗濯機における懸架ロッド式の制振構造を採用してもよいし、受水槽の下方に装着して上方に向かって支持する減衰式の制振構造を採用してもよいし、これらの組み合わせを採用してもよい。
【0047】
当該受水槽2は、槽状構造やトレー状構造をなしてもよいし、洗浄槽の下方に支持される支持プレートと、支持プレートの上方に設置される環状の突出リブで構成してもよい。また、従来の洗濯機における外槽を利用してもよいし、洗浄槽の上端縁よりも低い桶構造(図1及び図7参照)を採用してもよい。図1に示すように、排水ユニット4とロックユニット5は受水槽2の底部に設けられている。これらの上端はいずれも動作可能に受水槽2の底部に挿通されており、且つ受水槽2の底部に密封状に設置されている。また、下端は動作可能に固定ベース11内に挿設されている。固定ベース11は、受水槽2の底に固定的に装着されている。
【0048】
本発明の洗浄装置は、給水及び洗浄時に、洗浄槽の底部の排水口が閉じられて洗浄槽が貯水槽となる。また、洗浄時には、洗浄槽内のパルセータが単独で回動するよう制御してもよいし、パルセータと洗浄槽がそれぞれ回動するよう制御してもよい。排水時には、洗浄槽の底部の排水口を開放し、洗浄槽内の水を外部の受水槽に排出したあと、排水管から排出する。また、脱水時には、洗浄槽を高速で回転駆動させることで衣類内の水分を遠心力により振り飛ばし、洗浄槽の周壁に沿って上昇させる。そして、これを洗浄槽の周壁の上部における脱水孔から振り出すか、洗浄槽1の周壁における導水経路14により上方から下方へ外部の受水槽2内まで案内する(図7参照)。
【0049】
本発明の一実施形態として、図1図3図5に示すように、本発明で記載する排水ユニット4は、バルブプラグ41と、バルブプラグ41を運動させるバルブプラグロッド42を含む。また、前記ロックユニット5はロックロッド51を含み、洗浄槽1の底部には、ロックロッド51の上端部と係合するロック凹部12が設けられている。
【0050】
ロックロッド51の上端部が洗浄槽1のロック凹部12から離開した位置にある場合、バルブプラグ41の上端面から排水口3との係合密封箇所までの最小距離は、ロックロッド51の上端部とロック凹部12が有効ロックされるまでの最小距離よりも大きい。
【0051】
更に、前記ロックロッド51の上端部はバルブプラグ41の上端面が存在する水平面よりも高くなっており、高さの差をHとする(図3図5参照)。
【0052】
及び/又は、前記ロック凹部12は、排水口3の密封箇所が存在する水平面よりもロックロッド51の位置が低くなるよう効果的に規制する。
【0053】
本発明の洗浄装置は、バルブプラグ41で排水口3を密封する。当該構造では、給水及び洗浄の過程で、ロックユニット5と排水ユニット4が同期して洗浄槽の底に近接することで、洗浄槽1がロックされて回動不可能になるとともに、排水口3が密封される。また、排水及び脱水の過程では、ロックユニット5と排水ユニット4が同期して洗浄槽の底から離開することで、洗浄槽1が自由状態になるとともに、排水口3が開放される。
【0054】
本発明の更なる実施形態として、図6及び図7に示すように、本発明で記載する洗浄槽の排水口3には開閉可能な密封構造13が設けられており、通常は密封構造13によって排水口3が閉止されている。また、前記排水ユニット4は押付ロッド43を含んでいる。押付ロッドは、密封構造13を上方へ移動させて開放するよう制御可能に配置される。
【0055】
ロックロッド51の上端部が洗浄槽1のロック凹部12から離開した位置にある場合、押付ロッド43の上端から密封構造13までの最小距離は、ロックロッド51の上端部とロック凹部12が有効ロックされるまでの最小距離よりも大きい。
【0056】
更に、前記ロックロッド51の上端部は押付ロッド43の上端部よりも高くなっている。
【0057】
及び/又は、前記ロック凹部12は、密封構造13に押付ロッド43が押し付けられる位置が存在する水平面よりもロックロッド51の位置が低くなるよう効果的に規制する。
【0058】
本発明の洗浄装置は、通常は密封構造13によって排水口3を閉止しており、排水過程のときだけ押付ロッド43により密封構造13を上昇させて開放し、排水を実行する。そのため、本発明の洗浄槽1は、給水及び洗浄過程では排水口3が密封構造13により閉止される。当該過程では、洗浄槽を回転駆動させることで、より多くの洗浄水流を得ることが可能である。
【0059】
更なる実施形態として、本発明で記載する洗浄槽1の底部におけるロック凹部12は、ロック孔とするか、洗浄槽1の底部に設けられる遮断部であって、ロックロッドを妨げる位置規制凹部として構成する。好ましくは、前記ロック孔は洗浄槽底のフランジ8に設けられる(図3参照)。
【0060】
本発明の一実施形態として、図1に示すように、本発明で記載する排水ユニット4とロックユニット5は一体構造をなすよう集積されて、動作可能に同一の固定ベース11に設けられている。
【0061】
より好ましくは、排水ユニット4とロックユニット5は上下に伸縮可能に固定ベース11に設置される。
【0062】
本発明の一実施形態として、本発明で記載する駆動ユニット6は駆動モータである。伝動部材7は、駆動モータから出力される回転を排水ユニット4/ロックユニット5の往復直線運動に変換する伝動構造として配置される。好ましくは、駆動ユニット6は固定ベース11に固定的に装着されて、排水ユニット4、ロックユニット5、固定ベース11と一体構造をなすよう集積される。
【0063】
より好ましくは、図2に示すように、伝動部材7は伝動プーリ9と伝動ロッド10を含み、伝動プーリ9が駆動モータ軸に装着されている。伝動ロッド10の一端は伝動プーリ9に対し偏心動作可能に接続され、他端は排水ユニット4/ロックユニット5に動作可能に接続される。
【0064】
或いは、伝動部材7はねじ伝動部材である。
【0065】
本発明の代替方案として、前記バルブプラグロッドを中空の排水管構造とし、バルブプラグをバルブプラグロッドの上端部及び排水口の周縁を覆うパッキン構造とする。また、バルブプラグロッドの下端をホースを通じて排水弁に接続する(図示しない)。当該構造では、給水及び洗浄の過程で、ロックユニットと排水ユニットが同期して洗浄槽の底に近接することで、洗浄槽がロックされて回動不可能になるとともに、排水口3が密封される。この状態では、バルブプラグロッドの下端と連通している排水弁が閉状態となって、洗浄槽内の水の流出を阻止する。一方、排水過程には2種類の制御方式が存在する。第1の方式では、ロックユニット5と排水ユニット4が同期して洗浄槽の底から離開することで、洗浄槽1が自由状態になるとともに排水口3が開放される。洗浄槽内の水は、受水槽2内に流入し、受水槽2に別途設置されている排水構造から排出される。或いは、バルブプラグロッドが下方に移動してバルブプラグロッドの上端が受水槽底の内表面以下となることで、当該中空のバルブプラグロッドから受水槽内の水が排出される。また、第2の方式では、ロックユニットと排水ユニットが給水及び洗浄過程と状態を変えることなく維持され、バルブプラグロッドの下端と連通する排水弁を開放することで、当該排水弁から排水する。脱水過程では、ロックユニット5と排水ユニット4が同期して洗浄槽の底から離開することで、洗浄槽1が自由状態になるとともに排水口3が開放される。洗浄槽内の水は、受水槽2内に流入し、受水槽2に別途設置されている排水構造から排出される。或いは、バルブプラグロッドが下方に移動してバルブプラグロッドの上端が受水槽底の内表面以下となることで、当該中空のバルブプラグロッドから受水槽内の水が排出される。
【0066】
本発明の一実施形態として、図1及び図7に示すように、本発明で記載する洗浄槽1の上部にはバランスリング15が設けられている。遠心力によって上昇した水が洗浄槽1とバランスリング15との接続箇所から振り出されて飛散しないよう、バランスリング15と洗浄槽1の上端は密封状に接続されている。これらの密封は、バランスリング15の外側壁と洗浄槽1の上端の内周壁を密封する方式や、バランスリング15を洗浄槽1の上端縁に支持することで端面を密封するよう設置する方式や、両者を組み合わせるか、ロール・ヘミングによりパッキンを挟設する方式等で実現可能である。
【0067】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】