(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】洗濯機の排水装置、洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 39/12 20060101AFI20220311BHJP
【FI】
D06F39/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520386
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(85)【翻訳文提出日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2019111392
(87)【国際公開番号】W WO2020078365
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201811209809.X
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811209132.X
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】▲ハォ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA10
3B165BA33
3B165BA42
3B165BA72
3B165BA82
3B165CB31
3B165CB60
3B165DW01
3B165DW05
3B165JM03
(57)【要約】
本発明は、洗濯機の排水装置、洗濯機及びその制御方法を提供する。洗濯機は内槽と集水装置を含み、内槽の底部に排水孔が開設されている。洗浄過程では、内槽と集水装置の間に水は存在しない。一方、排水過程及び脱水過程では、内槽内の水が集水装置に進入して排出される。排水装置は密封機構とロック機構を含む。前記密封機構は閉塞部品と駆動部材を含む。閉塞部品は排水口に装着されて排水口を常時閉に維持する。また、駆動部材は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する出力端を有している。前記ロック機構が内槽をロック及び位置決めし、駆動部材の出力端が往復運動することで、閉塞部品が押し出されて排水孔を開放するか、位置復帰して排水孔を閉止する。本発明の排水装置における密封機構の閉塞部品によれば、内槽のセルフ密封が可能となるため、衣類のデュアルパワー洗浄機能が実現される。また、ロック部材を組み合わせて内槽をロックすることで、密封機構による排水口の開放がいっそう容易となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の排水装置であって、前記洗濯機は内槽及び集水装置を含み、前記内槽の底部に排水孔が開設されており、洗浄過程では、前記内槽と前記集水装置との間に水は存在せず、排水過程及び脱水過程では、前記内槽内の水が前記集水装置に進入して排出される排水装置であって、
密封機構とロック機構を含み、前記密封機構は閉塞部品と駆動部材を含み、前記閉塞部品は排水口に装着されて前記排水口を常時閉に維持し、前記駆動部材は、前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する出力端を有しており、前記ロック機構が前記内槽をロック及び位置決めし、前記駆動部材の出力端が往復運動することで、前記閉塞部品が押し出されて前記排水孔を開放するか、位置復帰して前記排水孔を閉止することを特徴とする排水装置。
【請求項2】
前記ロック機構は、前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するロックロッド、及び、前記ロックロッドを往復運動させるロックモータを含み、前記内槽の底部にはロック孔が設けられており、前記ロックモータが前記ロックロッドを上方に運動させると、前記ロックロッドが前記ロック孔に挿入されて前記内槽のロック及び位置決めが実現されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項3】
前記ロックモータは、前記ロックロッドに直接接続されて、前記ロックロッドを前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動させる、
或いは、前記ロックモータは、伝動機構を介して前記ロックロッドに伝動可能に接続されて、前記ロックロッドを前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動させることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項4】
前記伝動機構は、ロック伝動プーリとロック伝動ロッドを含み、前記ロック伝動プーリには偏心して設置される第1接続部と第2接続部が備わっており、前記ロックモータの出力軸は、前記ロック伝動プーリの第1接続部に固定接続されて前記ロック伝動プーリを回動させ、前記ロック伝動ロッドは、一端が枢着軸を介して前記第2接続部に回動可能に接続され、他端が枢着軸を介して前記ロックロッドに回動可能に接続されることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項5】
前記ロック機構は弾性復元部材を含み、前記弾性復元部材は、前記ロックロッドのうち前記集水装置内に位置する一端と前記集水装置の内壁との間に位置規制及び装着され、
好ましくは、前記弾性復元部材は、前記ロックロッドに配設される巻きバネであり、前記ロックロッドには前記巻きバネを規定する位置規制突起が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項6】
前記閉塞部品は閉塞部材及び支持部材を含み、前記支持部材は、前記内槽の底部に固定装着されて前記排水孔まで延伸しており、前記閉塞部材は、相対的に摺動可能に前記支持部材に装着されており、
洗浄又はすすぎ時には、前記閉塞部材が前記排水孔と密封状に係合して前記内槽内に洗浄水が満たされ、排水時には、前記駆動部材の出力端が前記閉塞部材を排水孔から押し出すことで前記排水孔を開放し、前記内槽内の洗浄水を前記排水孔から排出することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項7】
前記集水装置には、ロック機構及び密封機構の駆動部材を同時に装着するための共用装着部が備わっていることを特徴とする請求項1又は2又は6に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項8】
前記共用装着部は前記集水装置に設置される共用装着口であり、前記ロック機構及び前記密封機構の駆動部材は、いずれも前記共用装着口内に装着されることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項9】
前記排水装置は装着ハウジングを含み、前記ロック機構及び前記密封機構の駆動部材はいずれも前記装着ハウジングに装着されて、前記装着ハウジングを介して共用装着口内に装着されることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項10】
前記ロック機構はロック機構ハウジングを含み、前記駆動部材は駆動部材ハウジングを含み、前記装着ハウジングには、前記ロック機構ハウジングを固定装着するための第1装着口、及び、前記駆動部材ハウジングを固定装着するための第2装着口が備わっていることを特徴とする請求項9に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項11】
前記駆動部材は駆動モータを含み、前記出力端は前記駆動モータの駆動により往復運動する押付ロッドであり、前記押付ロッドは前記駆動モータの駆動により閉塞部品に向かって運動し、前記押付ロッドは前記閉塞部品を押し出すことで前記排水孔を開放し、排水を行うことを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項12】
前記ロック機構は、前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するロックロッドを含み、前記駆動部材の出力端は前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する前記押付ロッドであり、前記ロックロッド及び前記押付ロッドは同一の共用モータにより駆動されることを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の洗濯機の排水装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の排水装置を有する洗濯機であって、
内槽と集水装置を含み、前記内槽の底部に排水孔が開設されており、洗浄過程では、前記内槽と前記集水装置との間に水は存在せず、排水過程及び脱水過程では、前記内槽内の水が前記集水装置に進入して排出されることを特徴とする洗濯機。
【請求項14】
請求項13に記載の洗濯機の制御方法であって、
前記洗濯機は、ロック機構が内槽をロック及び位置決めするよう制御するとともに、駆動部材の出力端が前記内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するよう制御して、閉塞部品を排水孔から押し出すか、位置復帰させて排水孔を閉塞することで、排水孔を開放/閉止することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
洗浄/すすぎ/脱水過程において、前記洗濯機は、ロック機構及び駆動部材の出力端がいずれも位置復帰状態となるよう制御することで、閉塞部品により排水孔を閉塞して閉止を維持し、
排水過程において、前記洗濯機は、ロック機構の出力端を伸出させて内槽をロック及び位置決めするよう制御するとともに、駆動部材の出力端を伸出させるよう制御して、閉塞部品を排水孔から押し出すことで排水孔を開放することを特徴とする請求項14に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項16】
洗浄/すすぎ過程において、前記洗濯機は、減速クラッチ装置を制御して内槽の正逆回転を実現することで、デュアルパワー洗浄を行うことを特徴とする請求項14又は15に記載の洗濯機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔無し内槽洗濯機における排水の技術分野に関し、具体的には、洗濯機の排水装置、洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、従来の洗濯機の構造には内槽と外槽という2つの部分が含まれており、内槽と外槽が連通している。内槽には脱水のための脱水孔が開設されており、外槽は貯水槽となるよう封止されている。そのため、洗濯機が動作する際には、内槽と外槽の間の領域に水が満たされる。よって、洗濯機を長期間にわたり使用・運転しているうちに、内槽と外槽の間の領域が水中に含まれる汚れや糸屑で覆われ、使用年月が長くなるにつれて細菌や異臭が発生する結果、洗浄効果やユーザエクスペリエンスに大きな影響が及ぶ。
【0003】
内槽と外槽の間に水が満たされるために生じる内槽と外槽の汚染問題を解決するために、従来の新型の洗濯機は、内槽と外槽の間を密封することで汚染問題を根絶可能としている。既知の解決策では、内槽を孔無し内槽として設計することで内槽と外槽を隔離し、内槽を貯水槽としている。また、内槽からの排水を実現するために、外部に位置する密封構造を内槽の排水孔に押し付けることで内槽の密封を実現している。しかし、このような場合には、内槽が外槽に対して相対的に回動不可能となる。よって、内槽内の負荷が洗濯物の回動に起因してぐらつくと、密封構造にもぐらつきが生じるリスクがあり、漏水が発生する恐れがある。
【0004】
このほか、生活水準の向上に伴って、衣類の洗浄効果に対するユーザの要求も高まり続けている。基本的に、従来の洗濯機は、洗浄又はすすぎ過程において、いずれもパルセータの回動により水流を攪拌することで衣類を洗浄する。しかし、このような洗浄方式で形成される水流はやや画一的であり、洗浄効果の向上が望まれる。一方、従来のデュアルパワー洗濯機の場合には、洗浄及びすすぎ時にパルセータと内槽を逆方向に回動させるよう制御することで、水流に対しより多くの動力を付与可能である。これにより、水流形態が増加し、水流効果が強化されるため、比較的良好な洗浄効果が備わる。
【0005】
以上より、本発明は、槽間に水が存在し得ない洗濯機を提供するとともに、デュアルパワー洗濯機の洗浄方式を備えることで、衣類の清潔度と洗濯機の清潔度というユーザによる2つの要求を満足させることを主旨とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、洗濯機の排水装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
洗濯機の排水装置であって、洗濯機は内槽と集水装置を含み、内槽の底部に排水孔が開設されている。洗浄過程では、内槽と集水装置の間に水は存在しない。一方、排水過程及び脱水過程では、内槽内の水が集水装置に進入して排出される。排水装置は密封機構とロック機構を含む。前記密封機構は閉塞部品と駆動部材を含む。閉塞部品は排水口に装着されて排水口を常時閉に維持する。また、駆動部材は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する出力端を有している。前記ロック機構が内槽をロック及び位置決めし、駆動部材の出力端が往復運動することで、閉塞部品が押し出されて排水孔を開放するか、位置復帰して排水孔を閉止する。
【0008】
更に、前記ロック機構は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するロックロッドと、ロックロッドを往復運動させるロックモータを含む。前記内槽の底部にはロック孔が設けられており、前記ロックモータがロックロッドを上方に運動させると、ロックロッドがロック孔に挿入されて内槽のロック及び位置決めが実現される。
【0009】
更に、前記ロックモータは、ロックロッドに直接接続されて、ロックロッドを内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動させる。或いは、前記ロックモータは、伝動機構を介してロックロッドに伝動可能に接続されて、ロックロッドを内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動させる。
【0010】
更に、前記伝動機構は、ロック伝動プーリとロック伝動ロッドを含む。ロック伝動プーリには偏心して設置される第1接続部と第2接続部が備わっている。前記ロックモータの出力軸は、ロック伝動プーリの第1接続部に固定接続されてロック伝動プーリを回動させる。前記ロック伝動ロッドは、一端が枢着軸を介して第2接続部に回動可能に接続され、他端が枢着軸を介してロックロッドに回動可能に接続される。
【0011】
更に、前記ロック機構は弾性復元部材を含んでいる。弾性復元部材は、ロックロッドのうち集水装置内に位置する一端と集水装置の内壁との間に位置規制及び装着される。
【0012】
好ましくは、前記弾性復元部材は、ロックロッドに配設される巻きバネであり、ロックロッドには巻きバネを規定する位置規制突起が設けられている。
【0013】
更に、前記閉塞部品は閉塞部材と支持部材を含む。支持部材は、内槽の底部に固定装着されて排水孔まで延伸しており、閉塞部材は、相対的に摺動可能に支持部材に装着されている。
【0014】
洗浄又はすすぎ時には、前記閉塞部材が排水孔と密封状に係合し、内槽内に洗浄水が満たされる。一方、排水時には、前記駆動部材の出力端が閉塞部材を排水孔から押し出すことで排水孔を開放し、内槽内の洗浄水を排水孔から排出する。
【0015】
更に、前記集水装置には、ロック機構及び密封機構の駆動部材を同時に装着するための共用装着部が備わっている。
【0016】
更に、前記共用装着部は集水装置に設置される共用装着口であり、前記ロック機構及び密封機構の駆動部材は、いずれも当該共用装着口内に装着される。
【0017】
更に、前記排水装置は装着ハウジングを含む。前記ロック機構及び密封機構の駆動部材はいずれも当該装着ハウジングに装着されて、当該装着ハウジングを介して共用装着口内に装着される。
【0018】
更に、前記ロック機構はロック機構ハウジングを含み、前記駆動部材は駆動部材ハウジングを含む。前記装着ハウジングには、ロック機構ハウジングを固定装着するための第1装着口と、駆動部材ハウジングを固定装着するための第2装着口が備わっている。
【0019】
更に、前記駆動部材は駆動モータを含む。前記出力端は駆動モータの駆動により往復運動する押付ロッドである。押付ロッドは駆動モータの駆動により閉塞部品に向かって運動する。押付ロッドは、閉塞部品を押し出すことで排水孔を開放し、排水を行う。
【0020】
更に、前記ロック機構は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するロックロッドを含み、前記駆動部材の出力端は内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する押付ロッドである。前記ロックロッドと押付ロッドは同一の共用モータにより駆動される。
【0021】
本発明の第2の目的は、洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0022】
前記排水装置を備える洗濯機は、内槽と集水装置を含み、内槽の底部に排水孔が開設されている。洗浄過程では、内槽と集水装置の間に水は存在せず、排水過程及び脱水過程では、内槽内の水が集水装置に進入して排出される。
【0023】
本発明の第3の目的は、洗濯機の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0024】
前記洗濯機の制御方法において、洗濯機は、ロック機構が内槽をロック及び位置決めするよう制御するとともに、駆動部材の出力端が内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するよう制御する。これにより、閉塞部品が押し出されるか、位置復帰して排水孔を閉塞することで、排水孔が開放/閉止される。
【0025】
更に、洗濯機の制御方法は以下を含む。
【0026】
洗浄/すすぎ/脱水過程において、洗濯機は、ロック機構及び駆動部材の出力端がいずれも位置復帰状態となるよう制御することで、閉塞部品により排水孔を閉塞して閉止を維持する。
【0027】
一方、排水過程において、洗濯機は、ロック機構の出力端を伸出させて内槽をロック及び位置決めするよう制御するとともに、駆動部材の出力端を伸出させるよう制御して、閉塞部品を排水孔から押し出すことで排水孔を開放する。
【0028】
更に、洗濯機の制御方法は以下を含む。
【0029】
洗浄/すすぎ過程において、洗濯機は、減速クラッチ装置を制御して内槽の正逆回転を実現することで、デュアルパワー洗浄を行う。
【発明の効果】
【0030】
本発明における洗濯機の内槽は貯水槽となるため、内槽には「孔無し」設計を採用している。また、外槽を省略し、集水装置により内槽からの排水のみを収集して排出するよう変更している。これにより、本実施例の洗濯機は以下の技術的効果を有する。
【0031】
1.ハウジングの容積を変えることなく内槽の容量を増大させることができ、洗濯機の容量増大効果が実現される。
【0032】
2.洗浄過程において、水は内槽内にのみ存在することから、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と内槽の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避される。従って、より良好な洗浄効果を有する。
【0033】
3.外槽を省略し、内槽を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に水が存在しなくなる。これにより、洗浄用水量が減少するため、洗浄用水量の節約となる。
【0034】
本発明の排水装置は内槽自体の構造に設計されている。密封機構の閉塞部品は内槽のセルフ密封を可能とするため、洗濯機の動作時には内槽と外槽の間に水が存在し得ず、汚染されるとの事態が防止される。且つ、ユーザにとっては節水技術の応用にもなる。このほか、内槽を密封機構でセルフ密封したあとに、内槽とパルセータの相対的な回動を実現可能なため、衣類のデュアルパワー洗浄機能が実現される。また、ロック部材を組み合わせて内槽をロックすることで、密封機構による排水口の開放がいっそう容易となるため、排水の正常な進行が保証される。
【0035】
本発明では、ロック機構及び密封機構の駆動部材を集水装置の共用装着部に集積及び装着しているため、集水装置の構造全体が簡略化され、密封装着がより容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1における洗濯機の槽体ユニットの構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1における洗濯機の内槽の分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1における集水装置の平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1における排水装置が内槽の排水孔を閉止した状態(ロック機構が未ロック)の構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例1における排水装置が内槽の排水孔を閉止した状態(ロック機構がロック)の構造を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1における排水装置が内槽の排水孔を開放した状態(ロック機構がロック)の構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例2における密封機構を洗濯機に装着した場合の組み付けを示す図である(排水孔が閉状態)。
【
図8】
図8は、本発明の実施例2における密封機構を洗濯機に装着した場合の組み付けを示す図である(排水孔が開状態)。
【
図9】
図9は、本発明の実施例2における密封機構の閉塞部品の分解図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例3における洗濯機の内槽の分解図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例3における排水装置が内槽の排水孔を閉止した状態(ロック機構が未ロック)の構造を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例3における排水装置が内槽の排水孔を閉止した状態(ロック機構がロック)の構造を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例3における排水装置が内槽の排水孔を開放した状態(ロック機構がロック)の構造を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例4における洗濯機の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、図面を組み合わせて、本発明における洗濯機の排水装置、洗濯機及びその制御方法について詳述する。
【実施例1】
【0038】
図1~
図6に示すように、本実施例の洗濯機は内槽500と集水装置800を含み、内槽500の底部に排水孔が開設されている。洗浄過程では、内槽500と集水装置800の間に水は存在しない。一方、排水過程及び脱水過程では、内槽500内の水が集水装置800に進入して排出される。
【0039】
本実施例における洗濯機の内槽は貯水槽となるため、内槽には「孔無し」設計を採用している。また、外槽を省略し、集水装置により内槽からの排水のみを収集して排出するよう変更している。これにより、本実施例の洗濯機は以下の技術的効果を有する。
【0040】
1.ハウジングの容積を変えることなく内槽の容量を増大させることができ、洗濯機の容量増大効果が実現される。
【0041】
2.洗浄過程において、水は内槽内にのみ存在することから、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と内槽の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避される。従って、より良好な洗浄効果を有する。
【0042】
3.外槽を省略し、内槽を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に水が存在しなくなる。これにより、洗浄用水量が減少するため、洗浄用水量の節約となる。
【0043】
本実施例では、「孔無し」内槽洗濯機における排水の課題を解決するために、密封機構とロック機構1200を含む排水装置を提供する。前記密封機構は閉塞部品と駆動部材900を含む。閉塞部品は排水口に装着されて排水口を常時閉に維持する。また、駆動部材900は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する出力端を有している。前記ロック機構1200が内槽500をロック及び位置決めし、駆動部材900の出力端が往復運動することで、閉塞部品が押し出されて排水孔を開放するか、位置復帰して排水孔を閉止する。
【0044】
本実施例の排水装置は内槽自体の構造に設計されている。密封機構の閉塞部品は内槽のセルフ密封を可能とするため、洗濯機の動作時には内槽と外槽の間に水が存在し得ず、汚染されるとの事態が防止される。且つ、ユーザにとっては節水技術の応用にもなる。このほか、内槽を密封機構でセルフ密封したあとに、内槽とパルセータの相対的な回動を実現可能なため、衣類のデュアルパワー洗浄機能が実現される。また、ロック部材1200を組み合わせて内槽をロックすることで、密封機構による排水口の開放がいっそう容易となるため、排水の正常な進行が保証される。
【0045】
本実施例の一実施形態として、前記ロック機構1200は、内槽500の中心軸線と平行な方向に往復運動するロックロッドと、ロックロッドを往復運動させるロックモータを含む。前記内槽の底部にはロック孔が設けられており、前記ロックモータがロックロッドを上方に運動させると、ロックロッドがロック孔に挿入されて内槽のロック及び位置決めが実現される。
【0046】
更に、前記ロックモータは、ロックロッドに直接接続されて、ロックロッドを内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動させる。或いは、前記ロックモータは、伝動機構を介してロックロッドに伝動可能に接続されて、ロックロッドを内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動させる。
【0047】
具体的に、前記伝動機構は、ロック伝動プーリとロック伝動ロッドを含む。ロック伝動プーリには偏心して設置される第1接続部と第2接続部が備わっている。前記ロックモータの出力軸は、ロック伝動プーリの第1接続部に固定接続されてロック伝動プーリを回動させる。前記ロック伝動ロッドは、一端が枢着軸を介して第2接続部に回動可能に接続され、他端が枢着軸を介してロックロッドに回動可能に接続される。
【0048】
更に、前記ロック機構は弾性復元部材を含んでいる。弾性復元部材は、ロックロッドのうち集水装置内に位置する一端と集水装置の内壁との間に位置規制及び装着される。
【0049】
好ましくは、前記弾性復元部材は、ロックロッドに配設される巻きバネであり、ロックロッドには巻きバネを規定する位置規制突起が設けられている。
【0050】
本実施例の一実施形態として、前記閉塞部品は閉塞部材100と支持部材600を含んでいる。支持部材600は内槽500の底部に固定装着されており、且つ排水孔まで延伸している。また、閉塞部材100は、相対的に摺動可能に支持部材600に装着されている。
【0051】
洗浄又はすすぎ時には、前記閉塞部材100が排水孔と密封状に係合し、内槽500内に洗浄水が満たされる。一方、排水時には、前記駆動部材の出力端が閉塞部材を排水孔から押し出すことで排水孔を開放し、内槽内の洗浄水を排水孔から排出する。
【0052】
本実施例の洗濯機の制御方法において、洗濯機は、ロック機構が内槽をロック及び位置決めするよう制御するとともに、駆動部材の出力端が内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するよう制御する。これにより、閉塞部品が押し出されるか、位置復帰して排水孔を閉塞することで、排水孔が開放/閉止される。
【0053】
更に、本実施例の洗濯機の制御方法では、洗浄/すすぎ/脱水過程において、洗濯機は、ロック機構及び駆動部材の出力端がいずれも位置復帰状態となるよう制御することで、閉塞部品により排水孔を閉塞して閉止を維持する。
【0054】
一方、排水過程において、洗濯機は、ロック機構の出力端を伸出させて内槽をロック及び位置決めするよう制御するとともに、駆動部材の出力端を伸出させるよう制御して、閉塞部品を排水孔から押し出すことで排水孔を開放する。
【0055】
更に、本実施例の洗濯機の制御方法では、洗浄/すすぎ過程において、洗濯機は、減速クラッチ装置を制御して内槽の正逆回転を実現することで、デュアルパワー洗浄を行う。
【実施例2】
【0056】
図7~
図9に示すように、本実施例における洗濯機の排水装置は、洗濯機が内槽500を含んでいる。前記内槽500の底部には排水孔が開設されており、前記排水密封装置は排水孔と密封状に係合可能な密封機構を含んでいる。前記密封機構は閉塞部品と駆動部材900を含む。閉塞部品は閉塞部材100と支持部材600を含んでいる。支持部材600は内槽の底部に固定装着されており、且つ排水孔まで延伸している。また、閉塞部材100は、相対的に摺動可能に支持部材600に装着されている。
【0057】
洗浄又はすすぎ時には、前記閉塞部材100が排水孔と密封状に係合し、内槽内に洗浄水が満たされる。一方、排水時には、前記閉塞部材100が排水孔を開放することで、内槽内の洗浄水が排水孔から排出される。
【0058】
本実施例の排水密封装置は内槽自体の構造に設計されている。密封機構の閉塞部品は内槽のセルフ密封を可能とするため、洗濯機の動作時には内槽と外槽の間に水が存在し得ず、汚染されるとの事態が防止される。且つ、ユーザにとっては節水技術の応用にもなる。このほか、内槽を密封機構でセルフ密封したあとに、内槽とパルセータの相対的な回動を実現可能なため、衣類のデュアルパワー洗浄機能が実現される。
【0059】
本実施例の一実施形態として、前記支持部材600は固定部と嵌装部601を含む。固定部は、内槽の底部に固定装着されており、且つ排水孔まで延伸して嵌装部に固定接続される。嵌装部601は中空の摺動経路を有している。また、前記閉塞部材100は、密封部101及び接続部102を含む。接続部102は、摺動可能に嵌装部601における中空の摺動経路内に設置されて、密封部101と排水孔との密封及び分離を実現する。
【0060】
更に、前記固定部のうち嵌装部601に接続される一端であって、前記排水孔の内部に位置する部分には、排水時に糸屑を円滑に滑落させる平滑構造602が備わっている。
【0061】
好ましくは、前記平滑構造602は、両端が高く中央が低くなった鞍型構造をなしている。
【0062】
より好ましくは、前記平滑構造の上面は、下方に向かって湾曲した円弧面をなしている。
【0063】
具体的に、前記嵌装部601は内部が中空のスリーブである。また、前記閉塞部材100の底面には、排水孔と係合する円環密封部が備わっている。前記接続部102は、円環密封部の円心位置に設置されるセンターロッドである。前記センターロッドは、スリーブ内に挿入されて相対的に摺動可能である。
【0064】
好ましくは、前記閉塞部材100はガスケット300を更に含む。前記ガスケット300は円環密封部に設置されている。
【0065】
閉塞部材100によるセルフ密封と、排水孔を開放したあとの位置復帰及び密封を維持するために、前記密封機構は弾性部材を含んでいる。前記弾性部材は、一端が支持部材600に当接し、他端が閉塞部材100に当接している。前記弾性部材は、閉塞部材100が排水孔と分離した状態となるまで摺動する際に変形して、閉塞部材100の弾性復元による密封を実現する。
【0066】
好ましくは、前記弾性部材は初期状態において圧縮状態であり、閉塞部品と排水孔との密封状の係合を維持する。
【0067】
本実施例の一実施形態として、前記弾性部材は圧縮バネ200である。圧縮バネ200は嵌装部601の中空の摺動経路内に配設される。圧縮バネ200は、一端が嵌装部601に当接し、他端が閉塞部材100に当接している。
【0068】
更に、前記閉塞部材100のセンターロッドの端部には留め具700が装着される。また、前記嵌装部601の上端には、中空の摺動経路の内部に向かって一定の距離だけ延伸して形成される位置規制段差が備わっている。前記圧縮バネ200はセンターロッドに覆設され、一端が留め具700に当接するとともに、他端が位置規制段差に当接している。
【0069】
本実施例における前記閉塞部品は上部カバーを含んでいる。上部カバーの上端面は円弧面をなしている。また、上部カバーの下端面には、排水孔と密封状に係合する密封部が備わっている。
【0070】
排水時には、排水孔から流出する洗浄水が支持部材の嵌装部601内に進入する恐れがある。その場合、時間の経過とともに、洗浄水中の糸屑や汚物、或いは異物が進入することで、例えば圧縮バネ200といった嵌装部601内部の部材に影響が及び、正常な動作が不可能になる結果、閉塞部品の正常な位置復帰及び密封効果に支障をきたす恐れがある。そこで、嵌装部600内部の部材の動作環境について相対的な安定性を保証するために、本実施例で記載する密封機構は密封部材を含んでいる。密封部材の両端が閉塞部品と支持部材の間に密封状に装着されることで密封空間が形成される。
【0071】
好ましくは、前記密封部材は密封コルゲートスリーブ1000である。密封コルゲートスリーブ1000は、一端が閉塞部品に密封状に接続され、他端が支持部材の嵌装部に密封状に接続されることで、前記嵌装部601の内部を完全に覆う密封空間を形成する。密封コルゲートスリーブ1000は密封効果を有しており、且つ、上部カバーの上下運動に伴って伸縮可能である。本構造はシンプル且つ低コストであり、圧縮バネ200について動作環境の密封性を保証する。
【0072】
本実施例における密封機構の各部品間の組み付け関係について
図1を参照する。まず、支持部材600を2つのネジでフランジ400に組み付けてから、ガスケット300を有する閉塞部材100を嵌装部601の中空の摺動経路内に組み付ける。そして、他端から圧縮バネ200を留め具700で係止すれば装着が完了する。
【0073】
密封の動作原理:圧縮バネ200は圧縮されると、一端の力が支持部材600に作用するとともに、一端が留め具700に作用する。留め具700は閉塞部材100のセンターロッドを通じて閉塞部材100全体にバネ力を伝達し、閉塞部材100がバネ力の作用で内槽底に押圧されることで密封効果が奏される。以上を
図1に示す。
【0074】
排水の動作原理:排水準備時には、内槽が位置決め構造によって密封構造と駆動機構の位置を重ね合わせる。このとき、駆動機構1000の出力端が留め具700を突き上げて上部カバーを上方へ移動させる。これにより、上部カバーと排水孔の間に隙間が発生し、排水が実現される。また、このとき、圧縮バネ200も限界位置まで圧縮される。排水が完了すると、駆動機構1000の出力端1001が収縮することで、上部カバーがバネ力の作用によって排水孔を再び密封する。以上を
図2に示す。
【0075】
本実施例の排水装置を設計する際には、内槽とガスケットの双方にテーパー状設計を採用する。これにより、衣類が排水口付近に集中した場合、水流の衝撃及び異物自体の重力の作用によって、異物をいっそう排出しやすくなる。また、長期間の運転による糸屑の堆積も防止しやすい。
【0076】
また、密封用のゴムパッドを密封構造の上部全体に固定する。異物が当該内槽底に張り付いて排出される場合を考慮すると、内槽は金属であるステンレスからなり、摩擦減衰がゴムの摩擦抵抗よりも小さいため、異物をいっそう排出しやすい。また、長期間の運転による糸屑の堆積も防止しやすい。
【0077】
支持部材600には鞍型構造を採用している。これにより、異物が内槽から排出される際にフレームに接触したとしても、フレームが平面の場合のように異物が滞る恐れが大きくなるとの事態が防止される。また、半円型の構造設計によれば、減衰が低減するため、長期間の運転による糸屑の堆積も防止しやすい。
【0078】
支持部材600の嵌装部601は、閉塞部材100のセンターロッドに対し中間ばめとすればよい。これにより、糸屑や異物がバネ空間内に進入してバネの動作を滞らせるとの事態が効果的に防止される。
【0079】
好ましくは、前記駆動機構として排水弁を選択可能である。排水弁の押上柱からの押動力が確実に留め具に作用するよう、排水弁の押上柱は留め具700の内側円柱の直径よりも大きくする必要がある。これにより、押動力が閉塞部材100のセンターロッドに直接作用して、押上柱が抜け落ちるとの潜在的リスクが防止される。また、当該箇所は、ネジにより係合及び固定してもよいし、弾性により係合及び固定してもよい。
【0080】
本実施例の一実施形態として、洗濯機は内槽の外部に設置される集水装置800を含む。また、排水密封装置は駆動機構900を更に含む。前記駆動機構900は集水装置に装着されて密封機構に対応する。前記駆動機構は、上下に伸縮可能な出力端を有する。
【0081】
洗浄又はすすぎ時には、前記駆動装置の出力端が収縮する。そして、密封機構が排水孔と密封状に係合し、内槽内に洗浄水が満たされる。排水時には、前記駆動装置の出力端が伸出し、密封機構を突き上げることで排水孔から分離させる。これにより、排水孔が開放され、内槽内の洗浄水が排水孔から集水装置内に流出して排出される。
【0082】
本実施例における駆動装置の出力端1001は伸縮ロッドである。前記伸縮ロッドは支持部材600内に伸入して閉塞部材100を突き上げることが可能である。
【0083】
更に、本実施例は、内槽を含む洗濯機を提供する。前記内槽の底部には排水孔が開設されている。また、前記内槽の底部には、排水孔と密封状に係合可能な密封機構を含む排水密封装置が装着される。密封構造は閉塞部品と支持部材を含む。支持部材は内槽の底部に固定装着されており、且つ排水孔まで延伸している。また、閉塞部品は、相対的に摺動可能に支持部材に装着されている。
【0084】
洗浄又はすすぎ時には、前記閉塞部品が排水孔と密封状に係合し、内槽内に洗浄水が満たされる。また、排水時には、前記閉塞部品が排水孔を開放することで、内槽内の洗浄水が排水孔から排出される。
【0085】
本実施例の洗濯機によれば、槽間に水が存在し得ないため、内槽と外槽の間の領域が容易に汚染されるとの課題が解決される。且つ、本実施例の洗濯機は、デュアルパワー洗浄を実現可能なため、洗濯効果が向上し、洗濯に対するユーザの要求を満足させられる。
【0086】
本実施例の内槽は孔無し内槽である。本実施例の内槽の槽壁は、上部に脱水孔が周設されているほかは全て封止されている。好ましくは、脱水孔は内槽口に設置されている。また、内槽口にバランスリングを装着することで、バランスリングによって脱水孔を隠すことができるため、見た目的には孔の無い内槽構造が実現される。
【実施例3】
【0087】
図10~
図13に示すように、本実施例の排水装置は密封機構とロック機構を含む。前記密封機構は閉塞部品と駆動部材を含む。閉塞部品は排水口に装着されて排水口を常時閉に維持する。また、駆動部材は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する出力端を有している。前記ロック機構が内槽をロック及び位置決めし、駆動部材の出力端が往復運動することで、閉塞部品が押し出されて排水孔を開放するか、位置復帰して排水孔を閉止する。前記集水装置には、装着に用いられ、ロック機構及び密封機構の駆動部材を同時に装着するための共用装着部が備わっている。
【0088】
本実施例では、ロック機構及び密封機構の駆動部材を集水装置の共用装着部に集積及び装着しているため、集水装置の構造全体が簡略化され、密封装着がより容易となる。
【0089】
更に、前記共用装着部は、集水装置に設置される共用装着口である。前記ロック機構及び密封機構の駆動部材は、いずれも当該共用装着口内に装着される。
【0090】
本実施例の一実施形態として、前記排水装置は装着ハウジング1300を含む。前記ロック機構及び密封機構の駆動部材はいずれも当該装着ハウジング1300に装着されて、当該装着ハウジング1300を介して共用装着口内に装着される。
【0091】
具体的に、前記ロック機構はロック機構ハウジングを含み、前記駆動部材は駆動部材ハウジングを含む。前記装着ハウジング1300には、ロック機構ハウジングを固定装着するための第1装着口と、駆動部材ハウジングを固定装着するための第2装着口が備わっている。
【実施例4】
【0092】
本実施例の洗濯機は内槽と集水装置を含み、内槽の底部に排水孔が開設されている。洗浄過程では、内槽と集水装置の間に水は存在しない。一方、排水過程及び脱水過程では、内槽内の水が集水装置に進入して排出される。また、内槽からの排水を実現する排水装置と、集水装置内の水位を検出する水位検出装置を更に含む。排水装置は密封機構とロック機構を含む。前記密封機構は閉塞部品と駆動部材を含む。閉塞部品は排水口に装着されて排水口を常時閉に維持する。また、駆動部材は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動する出力端を有している。前記ロック機構が内槽をロック及び位置決めし、駆動部材の出力端が往復運動することで、閉塞部品が押し出されて排水孔を開放するか、位置復帰して排水孔を閉止する。
【0093】
更に、前記内槽の槽壁における最高水位以下の部分は閉塞状に設置されており、内槽の槽壁における最高水位よりも上の部分には脱水孔が設置されている。
【0094】
前記集水装置は、内槽の下方に位置し、且つ内槽と同軸に設けられている。また、集水装置は開口した貯水室を有している。前記集水装置の開口は内槽の脱水孔よりも低くなるよう設けられている。
【0095】
前記水位検出装置の検出端は、集水室の貯水室と連通している。
【0096】
更に、前記ロック機構は、内槽の中心軸線と平行な方向に往復運動するロックロッドと、ロックロッドを往復運動させるロックモータを含む。前記内槽の底部にはロック孔が設けられており、前記ロックモータがロックロッドを上方に運動させると、ロックロッドがロック孔に挿入されて内槽のロック及び位置決めが実現される。
【0097】
更に、前記水位検出装置は主制御盤に電気的に接続され、前記駆動部材の制御装置、ロックモータの制御装置はそれぞれ主制御盤に電気的に接続される。
【0098】
本実施例で記載する洗濯機の制御方法では、排水過程において、水位検出装置が集水装置内の水位の異常を検出すると、洗濯機が駆動装置の出力端を位置復帰させるよう制御することで、閉塞部品が排水孔を閉塞して閉止を維持する。
【0099】
更に、前記水位検出装置が集水装置内の水位が異常か否かを検出する際には、集水装置からの溢水を防止するための安全水位を前記集水装置に設定しておく。そして、排水過程において、水位検出装置は集水装置内の水位が安全水位に達したことを検出すると、集水装置内の水位が異常であると判断する。
【0100】
更に、集水装置内の水位が異常な場合には、洗濯機が駆動装置の出力端を位置復帰させるよう制御することで、閉塞部品が排水孔を閉塞して閉止を維持する。これがなされない場合には、排水が継続される。
【0101】
好ましくは、前記集水装置に最低水位を設定しておき、閉塞部品が排水孔を閉塞したあとに、水位検出装置が集水装置内の水位を検出する。そして、集水装置内の水位が最低水位まで低下すると、駆動部材の出力端を伸出させるよう制御して、閉塞部品を排水孔から押し出すことで排水孔を開放する。これにより、排水過程を継続し、所定の時間が経過しても最低水位に達しない場合には警報を発する。
【0102】
更に、洗濯機の排水過程において、集水装置内の水位異常検出回数Nが所定の値N0に達した場合、洗濯機は、駆動装置の出力端を位置復帰させるよう制御することで、閉塞部品により排水孔を閉塞して閉止を維持する。これにより、洗濯機は排水を停止して警報を発する。
【0103】
更に、洗濯機は、ロック機構の出力端を伸出させて内槽をロック及び位置決めするよう制御する。また、駆動部材の出力端を伸出させるよう制御し、閉塞部品を排水孔から押し出すことで排水孔を開放して、排水過程を進行する。
【0104】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【国際調査報告】