(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】ローンチ・ヴィークル、およびローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ
(51)【国際特許分類】
B64G 1/22 20060101AFI20220311BHJP
B64G 1/00 20060101ALI20220311BHJP
F16F 9/02 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
B64G1/22
B64G1/00 A
F16F9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543118
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 CN2020073597
(87)【国際公開番号】W WO2020151718
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】201910068004.6
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519218187
【氏名又は名称】藍箭航天空間科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】張 彦杰
(72)【発明者】
【氏名】趙 立喬
(72)【発明者】
【氏名】張 瑜
(72)【発明者】
【氏名】呉 雪
(72)【発明者】
【氏名】李 永俊
(72)【発明者】
【氏名】韓 召洋
(72)【発明者】
【氏名】張 亜民
(72)【発明者】
【氏名】南 鉄玲
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA10
3J069CC09
3J069EE18
(57)【要約】
ローンチ・ヴィークル及ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダが提供される。この多段空気圧支持シリンダは、シリンダ体(1)と、主シリンダ体(10)内部に設けられる燃焼ガス発生器(2)と、伸縮部に設けられる緩衝装置(3)とを含む。シリンダ体(1)は、主シリンダ体(10)と、互いに嵌合されるとともに少なくとも一部が主シリンダ体(10)内に設けられる複数の副シリンダ体(11)とを含み、主シリンダ体(10)はシリンダ体(1)の固定部を構成し、複数の副シリンダ体(11)はシリンダ体(1)の伸縮部を構成する。ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダは、安全で、信頼性が高く、全体が軽量である利点を有し、使用過程においてロケット着陸装置に対する迅速起動、支持、制振、安定化および傾き補正の要求を満すことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダであって、
前記多段空気圧支持シリンダは、シリンダ体(1)と、燃焼ガス発生器(2)と、緩衝装置(3)とを含み、
前記シリンダ体(1)は、主シリンダ体(10)と、互いに嵌合されるとともに少なくとも一部が前記主シリンダ体(10)内に設けられる複数の副シリンダ体(11)とを含み、前記主シリンダ体は、前記シリンダ体(1)の固定部を構成し、複数の前記副シリンダ体は、前記シリンダ体(1)の伸縮部を構成し、
前記燃焼ガス発生器(2)は、前記主シリンダ体の内部に設けられ、
前記緩衝装置(3)は、前記伸縮部に設けられ、
前記燃焼ガス発生器(2)は、起動時にガスを発生することにより複数の前記副シリンダ体(11)を前記主シリンダ体の軸方向に沿って伸長するように付勢するものであり、
前記緩衝装置(3)は、着陸中のロケットが受ける力を緩衝するものである、ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項2】
前記シリンダ体(1)は、隣り合う2つの前記副シリンダ体(11)の間、または前記主シリンダ体とそれに隣り合う前記副シリンダ体(11)との間に設けられる位置規制装置(12)をさらに含み、
前記副シリンダ体(11)がそれに隣り合う前記副シリンダ体(11)または主シリンダ体の所定位置に延出した後、前記位置規制装置(12)は、前記副シリンダ体(11)を前記所定位置に選択的に固定する、請求項1に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項3】
前記位置規制装置(12)は、ロックピン、ロックブロック、ロックボール、ラチェットまたは偏心輪である、請求項2に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項4】
前記主シリンダ体(10)の内壁には、第1突起構造(101)が設けられ、
前記副シリンダ体(11)の一端の外壁には、第2突起構造(111)が設けられ、
前記副シリンダ体(11)の他端の内壁には、第3突起構造(112)が設けられ、
前記主シリンダ体(10)とそれに隣り合う前記副シリンダ体(11)とは、前記第1突起構造(101)および前記第2突起構造(111)により互いに係合し、
隣り合う2つの前記副シリンダ体(11)は、前記第3突起構造(112)および前記第2突起構造(111)により互いに係合する、請求項2に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項5】
前記第1突起構造(101)には、第1貫通孔(102)が形成され、
前記貫通孔(102)に対応する前記第2突起構造(112)における位置には、ブラインドビア(113)が形成され、
前記第3突起構造には、第2貫通孔(114)が形成され、
前記主シリンダ体(10)とそれに隣り合う前記副シリンダ体(11)との間において、前記位置規制装置(12)は、前記第1貫通孔(102)に係合して設けられるとともに、前記ブラインドビア(113)内に延在し、
隣り合う2つの前記副シリンダ体(11)において、前記位置規制装置(12)は、前記副シリンダ体(11)の前記第2貫通孔(114)に係合して設けられるとともに、隣り合う前記副シリンダ体(11)の前記ブラインドビア(113)に延在する、請求項4に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項6】
前記緩衝装置(3)は、油圧・空気圧式緩衝器である、請求項1に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項7】
前記油圧・空気圧式緩衝器は、前記伸縮部に位置する前記副シリンダ体(11)に内嵌されるシリンダロッド(31)を含み、
前記シリンダロッド(31)は、前記副シリンダ体(11)の内壁に沿って移動可能である、請求項6に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項8】
前記シリンダロッド(31)は、一端が開口する中空構造であり、
前記開口は、前記副シリンダ体(11)の内部に位置し、
前記シリンダロッド(31)の開口には、前記副シリンダ体(11)の外壁と前記シリンダ体(1)の内壁を接続する接続板(33)が設けられ、
前記シリンダロッド(31)の中空構造は、前記副シリンダ体(11)の内腔に連通して第1腔体(32)を構成し、
前記シリンダロッド(31)の外壁、前記副シリンダ体(11)の内壁、および前記接続板(33)は第2腔体(34)を構成する、請求項7に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項9】
前記第1腔体(32)には、油液が貯蔵され、
前記第2腔体(34)の内部には、移動可能なピストン(341)が設けられ、
前記ピストン(341)によって、前記第2腔体(34)は第1サブ腔体(342)と第2サブ腔体(343)に分けられ、
前記第2サブ腔体(343)内には、加圧ガスが貯蔵される、請求項8に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項10】
前記第1サブ腔体(342)には、逆止め弁(35)およびオリフィス(36)が設けられ、
前記オリフィス(36)は、前記第1腔体(32)内の油液を前記第1サブ腔体(342)内に排出するためのものであり、
前記逆止め弁(35)は、前記第1サブ腔体(342)内の油液を前記第1腔体(32)内に排出するためのものである、請求項9に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダを含むローンチ・ヴィークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空宇宙分野に関し、特にローンチ・ヴィークルおよびローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、中国のロケット着陸装置は比較的少なく、従来の着陸装置として固定式支持脚を使用するものもあり、電気シリンダを使用するものもある。固定式支持脚は回収試験のみに適用され、ロケットの回収着陸に適用できない。電気シリンダを着陸支持脚として使用することにより、ロケットの着陸装置を正確に開き、支持を提供でき、原理的には着陸回収を実現できるが、電気シリンダは、それ自体の重量が重く、緩衝装置を加えると、回収陸装置全体は非常に重くなるため、ロケットのキャリア能力が低下するとともに、液体ロケットは、電気シリンダに対してより高い防爆レベルを要求している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、安全で、信頼性が高く、全体が軽量で、ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダを如何に提供するかは、当該技術分野では解決されるべき技術的問題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題の少なく一部を解決するために、本発明によれは、ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダであって、上記多段空気圧支持シリンダは、シリンダ体と、燃焼ガス発生器と、緩衝装置とを含み、上記シリンダ体は、主シリンダ体と、互いに嵌合されるとともに少なくとも一部が上記主シリンダ体内に設けられる複数の副シリンダ体とを含み、上記主シリンダ体は、上記シリンダ体の固定部を構成し、複数の上記副シリンダ体は、上記シリンダ体の伸縮部を構成し、上記燃焼ガス発生器は、上記主シリンダ体の内部に設けられ、上記緩衝装置は、上記伸縮部に設けられ、上記燃焼ガス発生器は、起動時にガスを発生することにより複数の上記副シリンダ体を上記主シリンダ体の軸方向に沿って伸長するように付勢するものであり、上記緩衝装置は、着陸中のロケットが受ける力を緩衝するものである、ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダが提供される。
【0005】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記シリンダ体は、隣り合う2つの上記副シリンダ体の間、または上記主シリンダ体とそれに隣り合う上記副シリンダ体との間に設けられる位置規制装置をさらに含み、上記副シリンダ体がそれに隣り合う上記副シリンダ体または主シリンダ体の所定位置に延出した後、上記位置規制装置は、上記副シリンダ体を上記所定位置に選択的に固定する。
【0006】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記位置規制装置は、ロックピン、ロックブロック、ロックボール、ラチェットまたは偏心輪である。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記主シリンダ体の内壁には、第1突起構造が設けられ、上記副シリンダ体の一端の外壁には、第2突起構造が設けられ、上記副シリンダ体の他端の内壁には、第3突起構造が設けられ、上記主シリンダ体とそれに隣り合う上記副シリンダ体とは、上記第1突起構造および上記第2突起構造により互いに係合し、隣り合う2つの上記副シリンダ体は、上記第3突起構造および上記第2突起構造により互いに係合する。
【0008】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記第1突起構造には、第1貫通孔が形成され、上記貫通孔に対応する上記第2突起構造における位置には、ブラインドビアが形成され、上記第3突起構造には、第2貫通孔が形成され、上記主シリンダ体とそれに隣り合う上記副シリンダ体との間において、上記位置規制装置は、上記第1貫通孔に係合して設けられるとともに、上記ブラインドビア内に延在し、隣り合う2つの上記副シリンダ体において、上記位置規制装置は、上記副シリンダ体の上記第2貫通孔に係合して設けられるとともに、隣り合う上記副シリンダ体の上記ブラインドビアに延在する。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記緩衝装置は油圧・空気圧式緩衝器である。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記油圧・空気圧式緩衝器は、上記伸縮部に位置する上記副シリンダ体に内嵌されるシリンダロッドを含み、上記シリンダロッドは、上記副シリンダ体の内壁に沿って移動可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記シリンダロッドは、一端が開口する中空構造であり、上記開口は、上記副シリンダ体の内部に位置し、上記シリンダロッドの開口には、上記副シリンダ体の外壁と上記シリンダ体の内壁を接続する接続板が設けられ、上記シリンダロッドの中空構造は、上記副シリンダ体の内腔に連通して第1腔体を構成し、上記シリンダロッドの外壁、上記副シリンダ体の内壁、および上記接続板は第2腔体を構成する。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記第1腔体には、油液が貯蔵され、上記第2腔体の内部には、移動可能なピストンが設けられ、上記ピストンによって、上記第2腔体は第1サブ腔体と第2サブ腔体に分けられ、上記第2サブ腔体内には、加圧ガスが貯蔵される。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、上記第1サブ腔体には、逆止め弁およびオリフィスが設けられ、上記オリフィスは、上記第1腔体内の油液を上記第1サブ腔体内に排出するためのものであり、上記逆止め弁は、上記第1サブ腔体内の油液を上記第1腔体内に排出するためのものである。
【0014】
本発明の別の態様によれば、上記多段空気圧支持シリンダを含むローンチ・ヴィークルがさらに提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例のローンチ・ヴィークル及ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダは、以下の有益な効果を少なくとも1つ有する。
【0016】
本発明に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、燃焼ガス発生器内の燃焼ガスは複数の副シリンダ体を延出させて固定する。ロケットが回収されて着陸する際に、多段空気圧支持シリンダは支持作用を奏する。本発明に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダは、構造が簡単で、安全で、信頼性が高く、全体的に軽量である。
【0017】
本発明上記ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、副シリンダ体が延出した後、位置規制装置により副シリンダ体を固定し、緩衝制振性能に優れ、多段の副シリンダ体間の密封要求が低く、生産加工のコストが低い。
【0018】
本発明に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダにおいて、シリンダ体の伸縮部には油圧・空気圧式緩衝器が設けられる。油圧・空気圧式緩衝器内の空気圧原理によって、支持シリンダの重量が効果的に減少されるため、ロケットの回収着陸装置全体の重量が減少され、ロケットのキャリア能力が向上する。
【0019】
本発明に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダは、ロケットが回収されて着陸する過程において、4本の着陸支持脚は同時に着陸するわけではない。1番目の支持脚が着陸した時に、多段空気圧支持シリンダは支持および制振緩衝作用を奏し、2、3、4番目の支持脚が着陸した場合、1番目の持脚承が受ける圧力が小さくなり、油圧・空気圧式緩衝器はシリンダロッドを延伸させ、ロケットの傾斜姿勢を素早くまっすぐにし、安定化および傾き補正の作用を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダが収縮状態にある場合の構造模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダの延出状態の第1構造模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダの延出状態の第2構造模式図である。
【
図4】
図3における隣り合う副シリンダ体の間または主シリンダ体と隣り合う副シリンダ体との間の接続構造の局所拡大図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダの緩衝装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、本発明の様々な例示的な実施形態を詳細に説明する。詳細な説明は、本発明の限定と見なされるべきではなく、本発明の特定の態様、特性、および実施形態のより詳細な説明として理解されるべきである。
【0022】
本発明における前述の用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本説明を限定するために使用されないことを理解されたい。また、本発明の数値範囲については、範囲の上限と下限、およびそれらの間の各中間値が具体的に開示されていることを理解されたい。記載値または記載範囲内の中間値と、前述の範囲内の他の記載された値または中間値との間のそれぞれの小さい範囲も、この注記に含まれる。これらの小さい範囲の上限と下限は、個別に範囲に含めることも、範囲から除外することもできる。
【0023】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、事前説明の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明には好ましい方法および材料のみが記載されているが、本発明に記載されているものと類似または同等の任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験に使用することができる。本明細書で言及されるすべての文献は、この文献に関連する方法および/または材料を開示および説明するために参照により組み込まれる。組み込まれた文献と矛盾する場合は、本明細書の内容が優先される。
【0024】
本発明の範囲または趣旨から逸脱しない限り、本発明の明細書の具体的な実施形態に様々改良および変化を加えることができ、これは当業者にとって自明なものである。本明細書および実施例は例示的なものに過ぎない。
【0025】
本明細書で使用される「包含」、「含む」、「有する」、「含有」等の用語は、すべて開放的な用語であり、含むがこれらに限定されないことを意味する。
【0026】
本明細書で使用される「および/または」は、上記もののいずれかまたはすべての組み合わせを含む。
【0027】
以下、実施形態により図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0028】
図1から
図4に示すように、本発明によれば、ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダであって、上記多段空気圧支持シリンダは、シリンダ体1と、燃焼ガス発生器2と、緩衝装置3とを含み、上記シリンダ体1は、主シリンダ体10と、互いに嵌合されるとともに少なくとも一部が上記主シリンダ体10内に設けられる複数の副シリンダ体11とを含み、上記主シリンダ体は、上記シリンダ体1の固定部を構成し、複数の上記副シリンダ体は、上記シリンダ体1の伸縮部を構成し、上記燃焼ガス発生器2は、上記主シリンダ体の内部に設けられ、上記緩衝装置3は、上記伸縮部に設けられ、上記燃焼ガス発生器2は、起動時にガスを発生することにより複数の上記副シリンダ体11を上記主シリンダ体の軸方向に沿って伸長するように付勢するものであり、上記緩衝装置3は、着陸中のロケットが受ける力を緩衝するものである、ローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダが提供される。
【0029】
本発明に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダは、使用される過程において、燃焼ガス発生器2は、主シリンダ体10の底部に設けられてもよい。燃焼ガス発生器2は、制御信号の制御によって点火し、特定の圧力を有する燃焼ガスが発生し、燃焼ガスによる動力は複数の副シリンダ体11を延出させて固定する。緩衝装置3は伸縮部の内部に設けられるとともに、上記主シリンダ体の底部から離れた副シリンダ体の内部に位置する。ロケットが回収されて着陸する際に、延出状態にあるシリンダ体1はロケットを支持する作用を発揮し、伸縮部に位置する緩衝装置3はロケットに対して制振緩衝の作用を発揮する。
【0030】
上記実施形態において、燃焼ガス発生器2は、上記シリンダ体1に動力を提供する。上記燃焼ガス発生器2は、化学反応によりガスが発生する他のガス源または、外部ガス源を使用してもよい。
【0031】
図4に示すように、上記シリンダ体1は、隣り合う2つの上記副シリンダ体11の間、または上記主シリンダ体とそれに隣り合う上記副シリンダ体11との間に設けられる位置規制装置12をさらに含み、上記副シリンダ体11がそれに隣り合う上記副シリンダ体11または主シリンダ体の所定位置に延出した後、上記位置規制装置12は、上記副シリンダ体11を上記所定位置に選択的に固定する。
【0032】
ロケットが回収されて着陸する際に、延出状態にあるシリンダ体1は、位置規制装置12により主シリンダ体10およびそれに隣り合う副シリンダ体11を所定位置に固定し、位置規制装置12により隣り合う2つの副シリンダ体11を所定位置に固定する。これによって、シリンダ体1は延出状態に維持される。
【0033】
上記実施形態において、上記主シリンダ体10の内壁には、第1突起構造101が設けられ、
上記副シリンダ体11の一端の外壁には、第2突起構造111が設けられ、
上記副シリンダ体11の他端の内壁には、第3突起構造112が設けられ、
上記主シリンダ体10とそれに隣り合う上記副シリンダ体11とは、上記第1突起構造101および上記第2突起構造111により互いに係合し、
隣り合う2つの上記副シリンダ体11は、上記第3突起構造112および上記第2突起構造111により互いに係合する。
【0034】
上記第1突起構造(101)には、第1貫通孔(102)が形成され、上記貫通孔(102)に対応する上記第2突起構造(112)における位置には、ブラインドビア(113)が形成され、上記第3突起構造には、第2貫通孔(114)が形成され、上記主シリンダ体(10)とそれに隣り合う上記副シリンダ体(11)において、上記位置規制装置(12)は、上記第1貫通孔(102)に係合して設けられるとともに、上記ブラインドビア(113)内に延在する。これによって、主シリンダ体10および隣り合う副シリンダ体11は所定位置に固定される。隣り合う2つの上記副シリンダ体(11)において、上記位置規制装置(12)は、上記副シリンダ体(11)の上記第2貫通孔(114)に係合して設けられるとともに、隣り合う上記副シリンダ体(11)の上記ブラインドビア(113)に延在する。これによって、隣り合う2つの副シリンダ体11は所定位置に固定される。
【0035】
上記実施形態において、上記位置規制装置12はロックピン、ロックブロック、ロックボール、ラチェットまたは偏心輪である。
【0036】
上記実施形態において、上記緩衝装置3液圧制振装置、空気バネまたは機械バネである。
【0037】
図5に示すように、本発明に記載のローンチ・ヴィークルを回収するための多段空気圧支持シリンダの一実施形態において、上記緩衝装置3は油圧・空気圧式緩衝器である。
【0038】
上記油圧・空気圧式緩衝器は、上記伸縮部に位置する上記副シリンダ体11に内嵌されるシリンダロッド31を含み、上記シリンダロッド31は、上記副シリンダ体11の内壁に沿って移動可能である。
【0039】
上記シリンダロッド31は、一端が開口する中空構造であり、上記開口は、上記副シリンダ体11の内部に位置し、上記シリンダロッド31の開口には、上記副シリンダ体11の外壁と上記シリンダ体1の内壁を接続する接続板33が設けられ、上記シリンダロッド31の中空構造は、上記副シリンダ体11の内腔に連通して第1腔体32を構成し、上記シリンダロッド31の外壁、上記副シリンダ体11の内壁、および上記接続板33は第2腔体34を構成する。
【0040】
上記実施形態において、上記第1腔体32には、油液が貯蔵され、上記第2腔体34の内部には、移動可能なピストン341が設けられ、上記ピストン341によって、上記第2腔体34は第1サブ腔体342と第2サブ腔体343に分けられ、上記第2サブ腔体343内には、加圧ガスが貯蔵される。
【0041】
上記実施形態において、上記第1サブ腔体342には、逆止め弁35およびオリフィス36が設けられ、上記オリフィス36は、上記第1腔体32内の油液を上記第1サブ腔体342内に排出するためのものであり、上記逆止め弁35は、上記第1サブ腔体342内の油液を上記第1腔体32内に排出するためのものである。
【0042】
上記実施形態において、第2サブ腔体343の外壁には調整気嚢4が設けられる。調整気嚢4により第2サブ腔体343内の空気の圧力値を調整する。
【0043】
ロケットが回収されて着陸する過程において、4本の着陸支持脚は同時に着陸するわけではない。1番目の支持脚が着陸すると、多段空気圧支持シリンダ上の油圧・空気圧緩衝装置は衝撃を受け、シリンダロッド31は力を受けて下に運動して第1腔体32内の油液をオリフィス36から第1サブ腔体342内に押し込む。油液は第1サブ腔体342内で堆積してピストン341を第2サブ腔体343へ運動させることで、第2サブ腔体343内のガスが圧縮され、第2サブ腔体343内の圧力が増大する。油液ダンピングおよび加圧ガスはロケットの着陸に対して制振緩衝作用を奏する。次いで、2、3、4番目の支持脚が着陸し、この場合、1番目の持脚承が受ける圧力が小さくなり、油圧・空気圧緩衝装置におけるピストン341は、第2サブ腔体343中の圧縮空気の作用下で第1サブ腔体342へ運動する。第1サブ腔体342中の油液は、逆止め弁35を通過して第1腔体32に排出される。油液は第1腔体32内で堆積してシリンダロッド31を延出させることにより、ロケットの傾斜姿勢を素早くまっすぐにする。この過程において、油圧・空気圧緩衝装置は、安定化および傾き補正の作用を奏する。
【0044】
本発明によれば、上記多段空気圧支持シリンダを含むローンチ・ヴィークルがさらに提供される。
【0045】
本発明の範囲または趣旨から逸脱しない限り、本発明の明細書の具体的な実施形態に様々改良および変化を加えることができ、これは当業者にとって自明なものである。本発明の明細書から得られた他の実施形態は、当業者にとって自明なものである。本明細書および実施例は例示的なものに過ぎない。
【符号の説明】
【0046】
1 シリンダ体、
10 主シリンダ体、
101 第1突起構造、
102 第1貫通孔、
11 副シリンダ体、
111 第1突起構造、
112 第2突起構造、
113 ブラインドビア、
114 第2貫通孔、
12 位置規制装置、
2 燃焼ガス発生器、
3 緩衝装置、
31 シリンダロッド、
32 第1腔体、
33 接続板、
34 第2腔体、
341 ピストン、
342 第1サブ腔体、
343 第2サブ腔体、
35 逆止め弁、
36 オリフィス、
4 調整気嚢。
【国際調査報告】