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特表2022-519042流体送給システム用の溶接蓋体及びプラグ溶接
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】流体送給システム用の溶接蓋体及びプラグ溶接
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/12 20060101AFI20220311BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20220311BHJP
   F16K 27/10 20060101ALI20220311BHJP
   F16L 55/00 20060101ALN20220311BHJP
【FI】
F16K27/12
F16K27/00 Z
F16K27/10
F16L55/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544157
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 IB2020000069
(87)【国際公開番号】W WO2020157574
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/798,371
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520456631
【氏名又は名称】コンパート システムズ ピーティイー.リミテッド
【氏名又は名称原語表記】COMPART SYSTEMS PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】レザイー、フレデリック
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051BB09
3H051BB10
3H051CC01
3H051DD02
3H051FF15
(57)【要約】
第1の材料の固体ブロックから形成された基板本体であって、第1の面、及び第1の面に対向する第2の面を有する基板本体と、基板本体の第1の面に画成される複数の対の部品導管ポートと、それぞれの各対の部品導管ポート間に延び、かつ、それぞれの対の部品導管ポートの各部品導管ポートと流体連通している複数の流体流路であって、それぞれの各流体流路は、基板本体の第2の面に形成されている、複数の流体流路と、第2の材料から形成された少なくとも1つの蓋体であって、少なくとも1つの流体流路を封止するように構築された第1の蓋体面、及び、第1の面に対向する第2の蓋体面を有する、少なくとも1つの蓋体とを備えるフロー基板である。基板本体は、少なくとも1つの蓋体と結合するように構成された開口部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料の固体ブロックから形成された基板本体であって、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを有する、基板本体と、
前記基板本体の前記第1の面に画成される複数の対の部品導管ポートと、
それぞれの各対の部品導管ポート間に延び、かつ、前記それぞれの対の部品導管ポートの各部品導管ポートと流体連通する複数の流体流路であって、それぞれの各流体流路は、前記基板本体の前記第2の面に形成されている、複数の流体流路と、
第2の材料から形成された少なくとも1つの蓋体であって、前記複数の流体流路のうちの少なくとも1つの流体流路を封止するように構築された第1の蓋体面と、前記第1の面に対向する第2の蓋体面とを有する、少なくとも1つの蓋体と
を備える、フロー基板であって、
前記基板本体は、前記少なくとも1つの蓋体と結合するように構成された開口部を含む、フロー基板。
【請求項2】
前記少なくとも1つの蓋体は、溶接蓋体リップをさらに備える、請求項1に記載のフロー基板。
【請求項3】
前記溶接蓋体リップは前記第1の蓋体面と面一である、請求項2に記載のフロー基板。
【請求項4】
前記溶接蓋体リップは前記第1の蓋体面と面一ではない、請求項2に記載のフロー基板。
【請求項5】
前記少なくとも1つの蓋体は、溶接蓋体リップをさらに備え、かつ、前記基板本体は基板本体リップを備える、請求項1に記載のフロー基板。
【請求項6】
前記溶接蓋体リップは、前記溶接蓋体が前記基板本体と結合されるとき、前記基板本体リップに接近する、請求項3に記載のフロー基板。
【請求項7】
基板本体を成形する方法であって、 前記基板本体にある開口部に近接させて溶接蓋体を置くことと、
押圧ツールによって前記溶接蓋体及び前記基板本体の1つ以上を押圧することであって、前記押圧ツールは押圧要素を備えることと、
押圧の結果として形成されたスエージ接合部によって前記基板本体に前記溶接蓋体を固定することと
を備える、基板本体を成形する方法。
【請求項8】
前記スエージ接合部を溶接することをさらに備える、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項9】
前記溶接蓋体は溶接蓋体リップを備え、前記押圧要素は、隣接して角度のついた面を具備する平面を備える、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項10】
前記溶接蓋体リップは、第1の蓋体面と面一ではない、請求項9に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項11】
前記溶接蓋体リップは第1の蓋体面と面一である、請求項9に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項12】
前記溶接蓋体リップは、前記スエージ接合部を形成する間、前記溶接蓋体リップに隣接する前記基板本体と当接し、かつ、前記押圧要素は、前記溶接蓋体リップと当接する、請求項11に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項13】
前記押圧要素は、第1の押圧要素部分及び第2の押圧要素部分を備え、前記第1の押圧要素部分は、前記スエージ接合部を形成する間、前記溶接蓋体に当接し、かつ、前記第2の押圧要素部分は前記本体基板に当接する、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項14】
前記溶接蓋体は溶接蓋体リップを備え、前記本体基板は基板本体リップを備え、かつ、前記押圧要素は、隣接して角度のついた面を具備する平面を備え、前記平面は、前記スエージ接合部を形成する間、前記溶接蓋体リップと前記本体基板リップとに当接する、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項15】
前記押圧ツールは、蓋体保持要素をさらに備え、かつ、前記押圧要素は楔形を備え、かつ、スエージ接合部を形成する間、前記押圧要素は前記基板本体と当接するとともに前記蓋体保持要素は前記溶接蓋体と当接する、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項16】
前記蓋体保持要素はバネ材料を備える、請求項15に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項17】
前記押圧要素は前記溶接蓋体に当接する、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項18】
前記基板本体は、前記溶接蓋体に隣接して90度の角を備える、請求項17に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項19】
前記基板本体は、前記溶接蓋体に隣接して丸みを帯びた角を備える、請求項18に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項20】
前記溶接蓋体は、接着剤を使用して前記基板本体に結合される、請求項7に記載の基板本体を成形する方法。
【請求項21】
基板本体を成形する方法であって、 前記基板本体にある開口部に近接させてプラグを置くことと、
前記プラグ及び前記基板本体の1つ以上を、押圧要素を備える押圧ツールによって押圧することと、
押圧の結果として形成されたスエージ接合部によって前記基板本体に前記プラグを固定することと
を備える、基板本体を成形する方法。
【請求項22】
基板本体を成形する方法であって、 前記基板本体にある開口部に近接させてチューブスタブを置くことと、
前記チューブスタブ及び前記基板本体の1つ以上を、押圧要素を備える押圧ツールによって押圧することと、
押圧の結果として形成されたスエージ接合部によって、前記基板本体に前記チューブスタブを固定することと
を備える、基板本体を成形する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体送給システム、より詳細には、半導体加工、製薬及び石油化学の業界で使用するための、極端な流量及び/又は高温表面実装流体送給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
流体送給システムは、流体の流れを調整及び操作するために、多くの現代の産業プロセスにおいて使用されており、これらのプロセスに所望の物質を制御しながら受け入れるようにする。実務者らは、流体流路導管を備えるフロー基板に取り外し自在に取り付けた流体取扱部品を有する、全ての種類の流体送給システムを開発してきた。そのようなフロー基板の配置構成は、フローシーケンスを確立し、それにより、流体取扱部品が所望の流れの調整及び制御をもたらす。そのようなフロー基板と取り外し自在な流体取扱部品との間のインターフェースは、標準化されており、そのバリエーションはわずかである。そのような流体送給システム設計は、モジュールシステム又は表面実装システムと説明されることが多い。モジュールシステム及び表面実装流体送給システムの代表的な用途は、半導体製造装置において使用されるガスパネル、及び、石油化学精製において使用されるサンプリングシステムを含む。半導体を作製するプロセス段階を実行するために使用される多くのタイプの製造装置は、まとめて、ツールと呼ばれる。本発明の実施形態は、概して、半導体加工用の流体送給システムに関し、具体的には、標準温度を使用するが、プロセス流体が周囲温度超の温度に加熱される、極端な流量及び/又は高温の条件下での使用に特に好適である、表面実装流体送給システムに関する。本発明の態様は、局在性であるか又は半導体加工ツールの周りで分配されているかに拘わらず、表面実装流体送給システム設計に応用できる。
【0003】
産業用プロセス流体送給システムは、機械的特性に応じて、かつ、送給中の流体との潜在的な化学的相互作用を考慮して、選択された材料から製作された流体流路導管を有する。耐食性及び頑健性のためにステンレス鋼及び高ニッケル合金が一般的に選択されるが、コストや製作しやすさがより大きな関心事である場合など、時として、アルミニウム、他の合金が好適かもしれない。流体流路はまた、流体のイオン汚染の可能性があることによって金属使用を除外し得る応用では、ポリマー材料で構成され得る。流体取扱部品をフロー基板流体流路導管に封止接合する方法が、通常、別個のパーツのタイプ数を最少にするために、特定の表面実装システム設計内で標準化されている。ほとんどの接合方法は、変形可能なガスケットを使用し、これは、流体成分と、ガスケットが取り付けられるフロー基板との間に置かれる。ガスケットは、特許文献1及び特許文献2に見られるような、単純なエラストマーOリング又は特殊な金属シールリングとし得る。半導体エレクトロニクス産業、及び大部分に金属シールを使用する流体送給システムの構築の始まりは、初期開発であったため、半導体製造装置において高純度流体を制御しながら送給することは、関心事であった。好適なベローズシールバルブの初期の一例は、特許文献3に見られる一方で、例えば、流体導管を接合するために広く使用されているVCR(登録商標)継手は、特許文献4に見られ、及び典型的な初期のダイヤフラムシールバルブは、特許文献5に見られる。純度要求が最新のマイクロプロセッサー装置の作製に必要とされるものよりも厳しくない太陽電池製作への最近の商業的関心が、エラストマーシールを使用する流体送給システムへの回帰をもたらすのかもしれない。
【0004】
単一の流体種を取り扱うことを目的としたシーケンスに組み立てられた一群の流体取扱部品は、ガススティックと呼ばれることが多い。プロセス流体を特定の半導体加工室に送給することを目的としたいくつかのガススティックで構成された装置サブシステムは、ガスパネルと呼ばれることが多い。1990年代に、幾人かの発明者が、ガスパネルのメンテナンス性及びサイズの問題に対して、ガススティックを作り出すことによって取り組んだ。(該ガススティックにおいて)全体的な流体流路は不動態化金属構造からなり、導管を含み、該導管を介してプロセス流体が移動し、バルブなどの能動的な(及び受動的な)流体取扱部品が取り外し自在に取り付けられている。受動的な流体流路要素は、マニホールド、基板、ブロックなどと様々に呼ばれており、個々の発明者らの仕事内でも一致していないことがある。本開示では、他の流体取扱装置が装着され得る1つ又は複数の受動的な流体流路を含む流体送給システム要素を指すために、フロー基板という用語を使用することを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,803,507号明細書
【特許文献2】米国特許第6,357,760号明細書
【特許文献3】米国特許第3,278,156号明細書
【特許文献4】米国特許第3,521,910号明細書
【特許文献5】米国特許第5,730,423号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、表面実装流体送給フロー基板に関する。該表面実装流体送給フロー基板は、通常の加工処理条件用であるが、プロセス流体が、周囲環境を上回る(又は下回る)温度まで加熱(又は冷却)される、極端な流量及び/又は高温の条件下での使用に特に適合されている。本明細書で使用されるように、さらには半導体加工用流体送給システムの関連において、「極端な流量」という表現は、約50SLM超又は約50SCCM未満のガス流量に対応する。本発明の重要な態様は、他の表面実装アーキテクチャよりも断面積(サイズ)が実質的に大きい又は小さい流体流路導管を有するフロー基板を製作する能力である。
【0007】
本発明によるフロー基板は、ガススティックの一部分を形成するために使用され得るか、又はガススティック全体を形成するために使用され得る。本発明のいくつかの実施形態は、単一のフロー基板のみを使用してガスパネル全体を提供するために使用され得る。本発明のフロー基板は、米国特許第8,307,854号明細書(以下「’854号特許」)に説明されているように、標準化されたスティックブラケットにしっかりと締結され得、それにより、しっかりした機械的な整合をもたらし、それにより、フロー基板間のインターロッキングフランジ構造の必要性も無くす。さらに、本発明のフロー基板は、’854号特許に説明されているように、1つ以上のマニホールド接続ポートをさらにもたらすように適合され得、それにより、流体送給スティック間の横断方向の接続を可能にする。’854号特許は、本明細書で全体的に説明されたかのように、本明細書に参照することにより援用される。
【0008】
本発明のフロー基板形態は、バルブ及び流体取扱部品と使用するために調整され得る。該流体取扱部品は、バルブ(又は他の流体取扱部品)装着面上に、対称的なポート配置(例えば、W状シール装置)又は非対称的なポート配置(例えば、標準的な「C-シール(C-Seal)」装置)を有する。非対称的な設計のみを本明細書に示す。なぜなら、そのような装置は、半導体装置市場で最も一般に入手可能であるためである。
【0009】
一実施形態によれば、フロー基板は、第1の材料の固体ブロックから形成された基板本体であって、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有する基板本体と、基板本体の第1の面に画成される複数の対の部品導管ポートと、それぞれの各対の部品導管ポート間に延び、かつ、それぞれの対の部品導管ポートの各部品導管ポートと流体連通する複数の流体流路であって、それぞれの各流体流路は基板本体の第2の面に形成されている、複数の流体流路と、第2の材料から形成された少なくとも1つの蓋体であって、複数の流体流路のうちの少なくとも1つの流体流路を封止するように構築された第1の蓋体面と、第1の面に対向する第2の蓋体面とを備える、少なくとも1つの蓋体とを備え、基板本体は、少なくとも1つの蓋体と結合するように構成された開口部を含む。
【0010】
別の実施形態によれば、基板本体を成形する方法は、基板本体にある開口部に近接させて溶接蓋体を置くことと、溶接蓋体及び基板本体の1つ以上を、押圧要素を備える押圧ツールによって押圧することと、押圧の結果として形成されたスエージ接合部によって、基板本体に溶接蓋体を固定することを備える。
【0011】
さらに別の実施形態によれば、基板本体を成形する方法は、基板本体にある開口部に近接させてプラグを置くことと、プラグ及び基板本体の1つ以上を、押圧要素を備える押圧ツールによって押圧することと、押圧の結果として形成されたスエージ接合部によって、基板本体にプラグを固定することを備える。
【0012】
さらに別の実施形態によれば、基板本体を成形する方法は、基板本体にある開口部に近接させてチューブスタブを置くことと、チューブスタブ及び基板本体の1つ以上を、押圧要素を備える押圧ツールによって押圧することと、押圧の結果として形成されたスエージ接合部によって、基板本体にチューブスタブを固定することを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】フロー基板の第1の実施形態の平面図。
図1B図1Aの線A-Aに沿って取った、図1Aのフロー基板の断面図。
図1C図1A及び図1Bのフロー基板の下側からの図。
図1D図1A~Cのフロー基板の立面図。
図1E図1Bの線B-Bに沿って取った、図1Bのフロー基板の断面図。
図1F図1Bの線C-Cに沿って取った、図1Bのフロー基板の断面図。
図1G図1A~Fのフロー基板の端面図。
図1H図1Bに示すフロー基板の一部分の分解図。
図1I図1A~Hの下側からのフロー基板の立面図。
図1J図1A~Iのフロー基板の切り欠き図。
図2A】フロー基板の第2の実施形態の平面図。
図2B図2Aの線A-Aに沿って取った、図2Aのフロー基板の断面図。
図2C図2A及び図2Bのフロー基板の下側からの図。
図2D】本発明の一態様による図2A~Cのフロー基板の立面図。
図2E図2Bの線B-Bに沿って取った、図2Bのフロー基板の断面図。
図2F図2Bに示すフロー基板の一部分の分解図。
図2G】蓋体の組み立て前の、下側からの図2A~Fのフロー基板の様々な立面図。
図2H】蓋体の組み立て後の、下側からの図2A~Gのフロー基板の立面図。
図3A】本発明によるフロー基板の第3の実施形態の平面図。
図3B図3Aの線A-Aに沿って取った、図3Aのフロー基板の断面図。
図3C図3A及び図3Bのフロー基板の下側からの図。
図3D図3Bの線B-Bに沿って取った、図3A~Cのフロー基板の一部分の分解断面図。
図3E】第1の溶接準備を示す、下側からの図3A~Dのフロー基板の一部分の分解図。
図4A】フロー基板の第4の実施形態の平面図。
図4B図4Aの線A-Aに沿って取った、図4Aのフロー基板の断面図。
図4C図4Bの線B-Bに沿って取った、図4A~Bのフロー基板の一部分の分解断面図。
図4D】第2の溶接準備を示す、下側からの図4A~Cのフロー基板の一部分の分解図。
図4E】溶接蓋体が適所にあることが示されている、図4A~Dのフロー基板の断面図。
図4F図4Eのフロー基板の一部分の分解断面図。
図4G】下側からの図4A~Fのフロー基板の立面図。
図5図3~4のフロー基板と使用するための溶接蓋体の様々な図。
図6A】本発明の一態様によるフロー基板の実施形態の断面図。
図6B】本発明の一態様による、プレス機が第1の位置にある、図6Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図6C】本発明の一態様による、プレス機が第2の位置にある、図6Bのフロー基板の部分の分解断面図。
図7A】本発明の一態様によるフロー基板の別の実施形態の断面図。
図7B】本発明の一態様による、プレス機が第1の位置にある、図7Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図7C】本発明の一態様による、プレス機が第2の位置にある、図7Bのフロー基板の部分の分解断面図。
図8A】本発明の一態様による、フロー基板の別の実施形態の断面図。
図8B】本発明の一態様による、プレス機が第1の位置にある、図8Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図8C】本発明の一態様による、プレス機が第2の位置にある、図8Bのフロー基板の部分の分解断面図。
図9A】本発明の一態様による、フロー基板の別の実施形態の断面図。
図9B】本発明の一態様による、プレス機が蓋体保持要素を備え、プレス機が第1の位置にある、図9Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図9C】本発明の一態様による、プレス機が第2の位置にある、図9Bのフロー基板の部分の分解断面図。
図10A】本発明の一態様による、フロー基板の別の実施形態の断面図。
図10B】本発明の一態様による、プレス機が第1の位置にある、図10Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図10C】本発明の一態様による、プレス機が第2の位置にある、図10Bのフロー基板の部分の分解断面図。
図11A】本発明の一態様による、フロー基板の別の実施形態の断面図。
図11B】本発明の一態様による、開口部に近接して丸みを帯びた縁、及びプレス機が第1の位置にある、図11Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図11C】本発明の一態様による、開口部に近接して直角の縁、及びプレス機が第1の位置にある、図11Aのフロー基板の部分の分解断面図。
図12A】本発明の一態様による、フロー基板の別の実施形態の断面図。
図12B1】本発明の一態様による、開口部に近接して丸みを帯びた縁を備える、図12Aのフロー基板の一部分の分解断面図。
図12B2】本発明の一態様による、開口部に近接して直角の縁を備える、図12Aのフロー基板の部分の分解断面図。
図12C】本発明の一態様による、図12B1の溶接蓋体及びフロー基板の一部分の分解断面図。
図13A】本発明の一態様による、フロー基板と使用するためのプラグの上面図。
図13B】本発明の一態様による、図13Aのプラグ及びフロー基板の断面図。
図14A】本発明の一態様による、フロー基板と使用するためのチューブスタブの上面図。
図14B】本発明の一態様による、図14Aのチューブスタブ及びフロー基板の断面図。
図15】本発明の一態様による、溶接蓋体、プラグ、及び/又はチューブスタブをフロー基板と結合する方法のステップのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、その用途が、以下の記載で説明されるか又は図面に示される詳細な構成及び構成部品の配置に限定されない。本発明は、他の実施形態を可能にし、かつ、様々な方法で実行又は実施できる。また、本明細書で使用される表現法及び用語法は、説明のためのものであり、限定とみなされるべきではない。本明細書での「含む」、「備える/からなる」、又は「有する」、「収容する」、「巻き込む/関連する」、及びそれらの変形例の使用は、以下にリストするアイテム及びそれらの等価物、並びに追加的なアイテムを包含することを意味する。
【0015】
本発明の流体送給フロー基板で操作される流動材料は、物質の特定の温度及び圧力に応じて液相と気相との間が変化し得る、ガス物質、液状物質、又は蒸気性物質とし得ることを理解されたい。代表的な流動物質は、アルゴン(Ar)などの純元素、三塩化ホウ素(BC13)などの蒸気化合物、キャリアガス又は液状試薬中で通常液状の四塩化ケイ素(SiC14)などの混合物とし得る。
【0016】
図1A~Jは、非対称ポート配置(例えば、C状シール部品)を有する流体取扱部品と一緒に使用するための、本発明の実施形態によるモジュールフロー基板を示し、流体取扱部品のポートのうちの一方が部品の中心と軸方向に整合し、かつ、他方が軸外に置かれている。図面には示さないが、本発明の実施形態は、対称的なポート配置、例えばW状シール部品を有する流体取扱部品と一緒に使用するように修正され得ることを理解されたい。米国特許第8,496,029号明細書(「’029号特許」)(全体的に本明細書に参照することにより援用する)も参照されたい。
【0017】
図示の通り、フロー基板100は、材料の固体ブロックから形成された基板本体101と、関連の蓋体195(図1I参照)とを含み、それらそれぞれは、フロー基板の目的の用途に応じた好適な材料(例えばステンレス鋼)から形成され得る。基板100は、流体取扱部品(例えばバルブ、圧力トランスデューサ、フィルタ、調整器、マスフローコントローラなど)が取り付けられる部品取付面105を含む。フロー基板の部品取付面105には、1つ以上の部品導管ポート120が形成されている。部品導管ポート120aは、通常、第1の流体取扱部品の第1のポート(流入口又は流出口)に流体接続される一方、部品ポート120bは、一般に、第1の流体取扱部品の第2のポート(流出口又は流入口)に流体接続され、部品導管ポート120cは、一般に、第1の流体取扱部品とは異なる第2の流体取扱部品のポート(流出口又は流入口)に流体接続され得る。
【0018】
部品導管ポート120c及び120d並びに部品導管ポート120e及び120fはそれぞれ、それぞれの流体取扱部品の流入口及び流出口に接続されており、かつ、フロー基板100が、非対称ポート配置を有する流体取扱部品にどのように明確に好適であるかを示す。部品ポート120gは、一般に、マスフローコントローラなどの装置の流入口又は流出口ポートに関連付けられ、流体送給スティックの複数のフロー基板間でプロセス流体の流れを連通させるために使用され得る。
【0019】
部品導管ポート120a及び120bには、複数の部品装着ネジ穴110a、110b、110c、及び110dが関連付けられ、それらそれぞれは、流体取扱部品をフロー基板100に封止装着するために使用される締結具(図示せず)のネジ付端部を受け入れ得る。導管ポート120gには、一対の部品装着ネジ穴110y、110zが関連付けられ、それらそれぞれは、流体取扱部品、例えばマスフローコントローラの一ポートをフロー基板100に封止装着するために、締結具(図示せず)のネジ付端部を受け入れる。流体送給スティック内の隣接するフロー基板は、一般に、流体取扱部品の他方のポートを隣接するフロー基板に封止装着するために必要な追加的な対の装着穴を提供し得ることを理解されたい。各対の部品導管ポートには、リークポート125a(部品導管ポート120a及び120b用)、及び125b(部品導管ポート120c及び120d用)が関連付けられ、導管ポートとそれぞれの流体取扱部品との間のどんな漏れも検出できるようにする。
【0020】
フロー基板100は、フロー基板100に沿って長手方向に(すなわち、図1Aの左側から右側へ)流体を運ぶために使用されるいくつかの流体流路175a、175b、175c、及び175dを含む。例えば、流体流路175aは、チューブスタブ接続部135と部品導管ポート120aとの間に延び、流体流路175bは、部品導管ポート120bと120cとの間に延び、流体流路175cは、部品導管ポート120dと部品導管ポート120eとの間に延び、かつ、流体流路175dは、部品導管ポート120fと120gとの間に延びる。チューブスタブ接続部135は、一般に、プロセス流体源又はシンクに、(例えば、溶接によって)流体接続され得る。
【0021】
複数のダウエルピン穴150a~150hがフロー基板100に形成されており、これらは、部品取付面105から、部品取付面105に対向するフロー基板の一側面の接続取付面115まで貫通して延びる。接続取付面115は、例えば’854号特許に説明されているように、基板100を流体送給スティックブラケットに、マニホールドに、又はそれら双方に接続するために使用され得る。これらのダウエルピン穴150a~150hのそれぞれは、異なる機能を果たすために使用され得るダウエルピン(図示せず)を受け入れ得る。第1の機能は、蓋体195をフロー基板100の本体101と整合させることであり、かつ、第2の機能は、’854号特許に説明されているのと同様の方法で、フロー基板を流体送給スティックブラケットと整合させることである。いくつかの据え付けでは、これらの機能のうちの第1の機能のみが実行され得、整合(及び下記でさらに詳細に説明するように溶接)後に、ダウエルピンが取り外されて、別のフロー基板本体及び蓋体で再使用されるようにしてもよいことを理解されたい。本発明のさらなる態様によれば、ダウエルピンの位置は、既存のモジュールフロー基板システム、例えば、Klsシステムと互換性があるように、後方とし得る。
【0022】
図1Cは、複数のフロー基板装着穴130が見える下側からのフロー基板100の図を示す。複数のフロー基板装着穴130は、蓋体195に形成され、かつ、蓋体195を貫通してフロー基板の本体101内へ延びる(図1Iに明白に示す)。フロー基板本体内では、フロー基板装着穴130には、締結具(図示せず)を受け入れるための雌ネジが切られており、フロー基板100を装着面、例えば流体送給スティックブラケットの面に下側から装着する。フロー基板装着穴130の配置は、フロー基板100が取り付けられる装着面内での装着穴の配置に応じて、変えられ得る。
【0023】
図面に見られ得るように、部品導管ポート120及び流体流路175は全て、コスト効率の良い方法で機械加工されている。それゆえ、図1Fに示すように、部品導管ポート120a~120gはそれぞれ、部品取付面105からフロー基板100の本体101の第1の面すなわち上面内へ機械加工することによって形成され得、流体流路175b、175c、及び175dはそれぞれ、フロー基板の本体101の第2の面すなわち底面から機械加工することによって形成され得、及び流体流路175aは、図1Eに示すように、フロー基板の本体の一側面から機械加工することによって形成され得る。流体流路175は、それらの耐食性を高めるように加工され得る。図面に示されている流体流路175の寸法は、より高い流量、例えば約50SLMを上回る流量に特に好適であることを理解されたい。実際、図面に示されている流体流路の寸法は、高流量応用(例えば、約50~100SLM)並びに非常に高い流量応用(例えば、約200SLM超)において、フロー基板100を使用できるようにする。それゆえ、本発明の実施形態は、約200SLM~1000SLMの非常に高い流量で動作するように設計されている、新たに発生した半導体製造装置で、使用され得る。流体流路の寸法は、簡単な方法で、例えば、単に流体流路175b、175c、及び175dのうちの1つ以上の断面積を減少することによって、より低流量の応用のために縮小され得ることを理解されたい。実際、部品導管ポート120は流体流路とは異なるプロセスの段階において形成されるため、流体流路の寸法は、部品導管ポートの寸法によって制約されず、それゆえ、流体流路の断面積は、広範囲の流量に対応するために、部品導管ポートの断面積よりも著しく大きくても、小さくても、又はそれと同じでもよい。
【0024】
図1H及び図1Iは、本発明の態様による蓋体195の様々な詳細を示す。一実施形態は、周囲温度超の温度に頻繁に加熱され得る半導体プロセス流体と一緒に使用するように特に適合されており、同実施形態によれば、蓋体195は、約0.02インチ(0.5mm)厚さのステンレス鋼の薄いシートから形成される。前記ステンレス鋼のシートの薄さは、基板の接続取付面115に熱を加えることによって、熱を、フロー基板内に流れるプロセス流体に簡単に伝達できるようにする。熱源は、ブロックヒータによって、’854号特許に説明されているものと同様のフロー基板が取り付けられる流体送給スティックブラケットの溝に挿入されたカートリッジヒータによって、又は米国特許第7,307,247号明細書に説明されているような薄膜ヒータによって、もたらされ得る。望まれる場合、蓋体の薄さもまた、フロー基板内を流れる流体を冷却することができることを理解されたい。
【0025】
本発明の一態様によれば、ステンレス鋼のシートは、流体流路175b、175c、及び175dを囲んで画成する溝123を形成するために、化学的にエッチングされ得る。そのような化学エッチングは正確に行われ得るため、溝を形成する他の方法や、代用されることがある機械加工などよりも、安価になり得る。一実施形態によれば、溝は、約0.01インチ(0.25mm)の厚さにエッチングされ得る。各流体流路175b、175c、及び175dを囲んで画成する溝123が存在することは、いくつもの目的に役立つ。例えば、溝の薄さにより、例えば電子ビーム溶接によって、蓋体をフロー基板の本体101に溶接できるようにし、溝123が存在しなかった場合よりも、使用する時間が短縮され、かつ、エネルギーが削減される。溶接は、溝によって画成された各流体流路の周りをトレースすることによって実施され、それにより、流体密封シールを形成する。電子ビーム溶接は、いずれの汚染も最小限にするために、真空環境において実施され得る。フロー基板本体101及び蓋体195に使用されている材料が、ステンレス鋼などの高純度金属である場合、真空溶接環境は、溶接時に汚染物質(例えば炭素、硫黄、マンガンなど)をさらに無くすように作用する。電子ビーム溶接が一般的に好ましいが、レーザ溶接などの他のタイプの溶接も使用され得ることを理解されたい。
【0026】
溝123の存在はまた、溶接中のガイドとして機能する。溝が流体流路の周縁を画成するからである。フロー基板の本体101にあるダウエルピン穴150a、150b、及び蓋体195にある対応するダウエルピン穴150a’、150b’は、ダウエルピンを受け入れ、それにより、蓋体195を、溶接中、フロー基板100の本体と整合させ、かつ、それと位置合わせして保持されることができるようにする。ダウエルピンは、溶接の完了後、取り外されて再使用されてもよいし、又は装着面とのフロー基板の整合を助けるものとして、適所に保たれてもよい。
【0027】
各図面には流体流路を4つのみ示すが、本発明の製造の実施形態の容易さ及び低コストが、任意の数の流体流路及び部品ポートを簡単にフロー基板に画成可能にすることを理解されたい。この点について、流体送給スティック全体の流体流路及び部品接続ポートの全ては、単一のフロー基板に形成され得る。或いは、流体送給スティックは、上述のフロー基板100などの2つ以上のフロー基板を使用することによって、形成され得る。
【0028】
図2A~Hは、本発明の別の実施形態によるモジュールフロー基板を示す。’029号特許も参照のこと。第1の実施形態と同様に、この実施形態は、非対称ポート配置(例えば、C状シール部品)を有する流体取扱部品と一緒に使用するように、特に適合されている。該非対称ポート配置は、流体取扱部品のポートのうちの一方が部品の中心と軸方向に整合し、かつ、他方が軸外しで置かれる。図面には示さないが、この実施形態は、先の実施形態のように、対称的なポート配置、例えばW-シール(W-Seal)部品を有する流体取扱部品と一緒に使用するように変形され得ることを理解されたい。この第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、より大量の(すなわち、より高流量な)条件下で使用するように特に適合されるが、約50SCCM未満などのより少量の条件下での使用にも適合され得る。この第2の実施形態は、第1の実施形態と多くの同様の設計態様を共有するため、違いのみを下記で詳細に説明する。
【0029】
図示の通り、フロー基板400は、材料の固体ブロックから形成された基板本体401と、関連の蓋体495とを含み(図2G参照)、それらそれぞれは、フロー基板の目的の用途に従って、好適な材料(ステンレス鋼など)から形成され得る。一義的にはコスト的な理由があるものの、非金属材料の使用を保証する用途においては(例えばイオン汚染が懸念事項である場合)、フロー基板の本体401及び/又は蓋体495はまた、プラスチックなどのポリマー材料から形成(例えば、成形又は機械加工)され得る。プラスチックなどの他の材料の使用は、フロー基板400を、イオン汚染が懸念事項である化学的送給用途若しくは生物学的用途に、及び/又はコストが懸念事項である用途に、特に好適にする。
【0030】
第1の実施形態と同様に、フロー基板400は、流体取扱部品(例えばバルブ、圧力トランスデューサ、フィルタ、調整器、マスフローコントローラなど)が取り付けられる部品取付面105を含む。フロー基板400の部品取付面105には、第1の実施形態に関して説明したものと同様の機能を有する1つ以上の部品導管ポート120が形成されている。部品導管ポート120のそれぞれには、複数の部品装着ネジ穴110a、110b、110c、110d、110y、及び110zが関連付けられており、それらそれぞれは、前述したものと同様の方法で流体取扱部品(図示せず)をフロー基板400に封止装着するために使用される締結具のネジ付端部(図示せず)を受け入れる。各対の部品導管ポートには、リークポート125a(部品導管ポート120a及び120b用)、及び125b(部品導管ポート120c及び120d用)が関連付けられ、導管ポートとそれぞれの流体取扱部品との間のいずれの漏出も検出できるようにする。
【0031】
第1の実施形態と同様に、フロー基板400は、流体をフロー基板400に沿って長手方向に(すなわち、図2Aでは左側から右側へ)運ぶために使用されるいくつかの流体流路175a、175b、175c、及び175dを備える。前述の通り、チューブスタブ接続部135は、一般に、プロセス流体源又はシンクに流体接続され得る(例えば、溶接によって、又はエポキシなどの好適な接着剤を使用することによって)。
【0032】
第1の実施形態と同様に、複数のダウエルピン穴150a~150hは、フロー基板400に形成され、部品取付面105から、部品取付面に対向するフロー基板の側面にある接続取付面115まで延びる。’854号特許に説明されているように、接続取付面115は、基板400を流体送給スティックブラケットに、マニホールドに、又はそれら双方に接続するために使用され得る。前述の通り、これらのダウエルピン穴150a~150hのそれぞれは、異なる機能を果たすために使用され得るダウエルピン(図示せず)を受け入れ得る。第1の機能は、蓋体495をフロー基板400の本体401と整合させることであり、及び第2の機能は、’854号特許に説明されているのと同様の方法で、フロー基板を流体送給スティックブラケットと整合させることである。いくつかの据え付けでは、これらの機能の第1の機能のみが果たされ得ることを理解されたい。例えば、使用されるダウエルピンの長さに依存して、ダウエルピンは、蓋体495から突き出て接続取付面115を越えて延びてもよく、ダウエルピンが、フロー基板を、流体送給スティックブラケット又は他の装着面にある対応する穴と整合させるために使用され得る。ダウエルピンが接続取付面115を越えて延びる場合、ダウエルピンの位置は、既存のモジュールフロー基板システムと互換性があるように、後方にあり得る。或いは、ダウエルピンの長さは、接続取付面を越えて延びないが、整合を保証するために依然として蓋体495に係合するようなものとし得る。
【0033】
図2Cは、複数のフロー基板装着穴130が見える下側からのフロー基板400の図を示す。複数のフロー基板装着穴130は、蓋体495に形成され、かつ、蓋体195を通ってフロー基板の本体401(図2Gにより明白に示す)内へ延びる。フロー基板本体内では、フロー基板装着穴130(図2Gでは130a、130b)は、締結具421(図2H)を受け入れるように雌ネジが切られて、フロー基板400を装着面、例えば流体送給スティックブラケットに、下側から装着するようにする。締結具421はまた、下記でさらに説明するように、各流体流路175b、175c、及び175dの周りにそれぞれシールを形成するために、変形可能なガスケット455、例えばエラストマーOリングを圧縮するために使用される。図面に見られ得るように、部品導管ポート120及び流体流路175は、ここでも、コスト効率の良い方法で機械加工又は成形され得る。
【0034】
図2D~Hは、本発明の一態様による蓋体495の様々な詳細を示す。図2B及び図2Eに示す通り、蓋体495の厚さは、第1の実施形態の厚さよりもかなり厚く(例えば、0.13インチ(3.3mm)対0.02インチ(0.5mm))、熱を伝達する効果を幾分弱くするか、又はフロー基板内を流れる流体を冷却する。特にフロー基板400の蓋体495及び本体401がプラスチックなどの比較的非伝導性材料から形成される場合、及び露出面115が下側から加熱(又は冷却)される場合は、そのようになる。しかしながら、蓋体495のこの厚さは、蓋体495を十分に剛性なものとなり、それ自体の装着面の機能を果たすことができるようにし、かつ、エラストマーシール455を保持するのに十分な深さの溝423をそこに形成できるようにする。第1の実施形態の蓋体195とはさらに対照的に、また、図2Gに最も明白に示す通り、溝423は、蓋体495の面に機械加工される。該蓋体495の面(すなわち、第1の実施形態のような流体送給スティックブラケット又は他の装着面と位置合わせして配置される露出面115ではなく、基板400の本体401と位置合わせして配置されるときの、蓋体495の非露出面)は、フロー基板の本体401と位置合わせして配置される。溝423の寸法は、追加的なシールリテーナを使用することなく、フロー基板400の本体401へ蓋体495を組み立てている間に、エラストマーシール455を適所に保持するようにされる。組み立てている間、特に図2Gを参照すると、エラストマーシール455は、蓋体495の上面内に画成された溝423内に位置決めされ、蓋体495の上面は、基板の本体401と位置合わせして配置されているため、それぞれ、蓋体495にあるダウエルピン穴150a’は、本体401にあるダウエルピン穴150aと整合し、蓋体にあるダウエルピン穴150b’は、本体401にあるダウエルピン穴150bと整合し、かつ、蓋体495にある基板装着穴130a’及び130b’は、本体401にある基板装着穴130a及び130bと整合する。この実施形態の溝423は、蓋体の表面に機械加工されていると説明されているが、他のプロセスによって、例えば成形によって形成されてもよいことを理解されたい。
【0035】
図2Hに見られ得るように、複数の締結具421は、蓋体495をフロー基板400の本体401に固定するために使用される。これらの締結具421は、2つの目的、すなわち、フロー基板400を流体送給スティックブラケットに下側から装着すること、及び、エラストマーシール455を圧縮して、流体流路175b~dの周縁における流体密封シールを保証することに適い得る。使用中、エラストマーシール455は、一般に、蓋体495の溝423内の適所に配置される。そのため、蓋体は、ダウエルピン穴150に挿入されたダウエルピンによって支援されて、フロー基板400の本体401と整合する。ここで、蓋体495のダウエルピン穴150a’、150b’などを通って延びるダウエルピンは、蓋体495及びエラストマーシール455をフロー基板400の基板本体401と共に適所に固定するように機能し、それにより単一ユニットを形成する。フロー基板400は、流体送給スティックブラケット又は他の装着面上の所望の位置に配置され、かつ、締結具421は、ブラケット又は他の装着面の下側から挿入される。締結具421を締め付けることによって、流体密封シールが流体流路の周縁に形成され、かつ、蓋体495がフロー基板400の本体401と位置合わせされるように、フロー基板は装着面に固定されるとともに、エラストマーシール455は圧縮される。
【0036】
蓋体495はフロー基板400の本体401に溶接されないため、蓋体495及び関連のエラストマーシール455は、最小限の努力で、後で取り外され得ることを理解されたい。それゆえ、例えば、流体流路175b、175c、又は175dを洗浄するか或いは点検したい場合、蓋体495は、簡単に取り外されて、流体流路を露出及び/又は洗浄して、エラストマーシール455の1つ以上を交換などし得る。
【0037】
この第2の実施形態に関連付けられた図面には、流体流路を4つのみ示すが、本発明の製造の実施形態の容易さ及び低コストが、任意の数の流体流路及び部品ポートを簡単にフロー基板に規定することを可能にすることを理解されたい。この関連で、流体送給スティック全体又は化学的若しくは生物学的送給システムのための流体流路及び部品接続ポートは全て、単一のフロー基板に形成され得る(機械加工によって、成形によって、又は成形と機械加工の組み合わせによって)。
【0038】
図2A~Hに示す実施形態は、下側から加熱又は冷却されるとき、フロー基板内を流れる流体への熱エネルギー(加熱又は冷却)の伝達に効果的ではないかもしれないが、この第2の実施形態は、そのような使用のために修正され得ることを理解されたい。例えば、長手方向ヒータ用穴を形成して、蓋体495を直接加熱し、もって流体流路175内を流れる流体を加熱する1つ以上のカートリッジ型ヒータの挿入を可能にするために、蓋体495の厚さは増し得る。そのような修正は、プラスチックなどの非伝導性材料からフロー基板の本体401が形成される箇所でも使用され得る。例えば、熱伝導性をさらに高めるために、蓋体495は、アルミニウムなどの熱伝導性材料から形成され得るが、フロー基板の本体401は、異なる材料、例えばプラスチックから形成される。
【0039】
具体的には説明しないが、’854号特許に説明されている他の態様は、本明細書で説明されるフロー基板と一緒に使用するように適合され得ることを理解されたい。例えば、長手方向に方向付けられた流体流路に加えて、フロー基板は、横断方向に向けられたマニホールド流体流路を含み得る。そのような実施形態では、チューブスタブ接続部135と同様のチューブスタブ接続部は、フロー基板の本体101(401)の横方向側面から延び得、マニホールド流体流路は、流体流路175aに対して説明したのと同様の方法で形成されている。
【0040】
本発明の実施形態は、2つのポートを有する流体取扱部品の使用に関して主に説明されたが、本出願人の発明の実施形態は、3ポートの部品、例えば3ポートのバルブでの使用に対して修正され得ることを理解されたい。しかしながら、そのような流体取扱部品はあまり一般的ではなく、典型的にはより高価であるため、2ポートの流体取扱部品が一般的には好ましい。
【0041】
上述の図1及び図2の実施形態は、基板本体内に形成された複数の流体流路が、基板本体の底面に取り付けられる共同のすなわち統合蓋体によって封止されるフロー基板に関する。図1A~Jの実施形態は、流体流路のそれぞれの周りでフロー基板の底面に溶接される統合蓋体を使用して、流体流路のそれぞれを封止するが、図2A~Hの実施形態は、基板本体の底面に対して押し付けられると、流体流路のそれぞれの周りに配置された複数のエラストマーシールを圧縮する統合蓋体を使用して、流体流路のそれぞれを封止する。本出願人の発明の別の態様によれば、図1及び図2に示すように、フロー基板にある複数の流体流路のそれぞれを封止するために統合蓋体を使用するのではなく、その代わりに、複数の個々の蓋体が使用され得る。複数の個々の蓋体を使用する本出願人の発明の実施形態について、ここで、図3~12に関して説明する。’029号特許も参照のこと。
【0042】
図3A~Eは、複数の関連の蓋体を含み、各蓋体が、フロー基板の本体に形成されたそれぞれの流体流路に関連付けられているフロー基板に関する。蓋体は、構造が図5に示す蓋体595と同様とし得、及び基板の本体内の凹んだ所に置かれ、その後、適所にシーム溶接される。蓋体は、例えば、金属片、例えばステンレス鋼を打ち抜き加工することによって又は機械加工することによって、形成され得る。図3A~Cは、2つのポートのある流体取扱部品に対応できることに加えて、本発明のいくつかの実施形態は、3ポートを有する流体取扱部品に対応するように修正され得ることを示す。
【0043】
図3D及び図3Eに最もよく示し得るように、流体流路のそれぞれは、溶接縁805、応力緩和壁810及び応力緩和溝815を含む、溶接構造(溶接準備又は開口部とも呼ばれる)によって、囲まれる。応力緩和溝815は、蓋体595をフロー基板の本体に溶接縁805に沿ってシーム溶接する間に発生し得る、いずれの反り、捩じれ、又は他の歪みも防止するように作用し、及び溶接された蓋体595の露出面は、フロー基板の本体に収まる。基板の本体への蓋体の溶接は、一般に、溶接箇所に小さな隆起を残すが、この隆起を除去するために追加的な表面処理は必要としない。なぜなら、隆起は、フロー基板の本体の底面を越えて延びておらず、適所に残され得るためである。
【0044】
図4A~Gは、同様に、対応する個々の蓋体によって封止される流体流路を含む、本発明によるフロー基板の代替的な設計を示す。図4A~Gは、基板の部品取付面に形成された2つの部品導管ポートを相互接続する単一の流体流路のみを示し、本明細書で示す図4A~Gは、主に、この特定の実施形態で使用される溶接構造の仕組みを詳述するために使用されるので、基板本体は、図3A~Eに示すものと同様の複数の流体流路を含み得ることを理解されたい。この実施形態で使用される蓋体は、図5に示すように、金属片又は金属シートから、打ち抜き加工又は機械加工などによって、形成され得る。
【0045】
図4Cに最もよく示されるように、溶接構造は、溶接縁1005、応力緩和壁1010及び応力緩和溝1015を含み、それぞれ、図3A~Eに関して上記で説明したものと同様の機能を果たす。しかしながら、図3A~Eの実施形態とは対照的に、図4A~Gに示す実施形態はまた、溶接蓋体リップ1020をも含む。製造中、それぞれの蓋体595(図5)を、封止されるべき流体流路のそれぞれに配置した後、例えばこのために構築されたダイ又はジグを使用して、各流体流路を囲む溶接蓋体リップ1020に機械的な力を加える。ダイ又はジグに加えられる機械的な力(すなわち、押圧)は、リップを内側に溶接縁の方へ向かって押したり又は折り曲げたりし(すなわち、スエージ加工)、それぞれの蓋体595をフロー基板の本体内に捕らえて保持する(すなわち、スエージ接合部を生じる)。その後、1つ又は複数のその関連の保持された蓋体を備える基板は、単一ユニットとして操作され得る。そのため、それぞれの各蓋体は、折り曲げられた溶接蓋体リップ及び溶接縁に沿ってシーム溶接されて、漏れ止めシールを形成し得る。図3A~Eの実施形態のように、溶接縁に沿って形成される可能性のあるいずれかの溶接隆起を除去するために、追加的な表面処理又は機械加工は必要とされない。なぜなら、隆起は、基板本体の底面を越えて延びないためである。図3A~Eの先の実施形態のように、応力緩和溝は、フロー基板の本体への溶接縁1005に沿った蓋体595のシーム溶接中に発生し得るいずれの反り、捩じれ、又は他の歪みも防止するように作用する。
【0046】
図5は、図3~4の実施形態と使用され得る蓋体595を示す。好都合なことに、蓋体595は、非常に低コストで、金属シートから機械加工、成形、鋳造、鍛造、又は打ち抜かれ得る。本発明の一実施形態では、蓋体595の厚さは、約0.035インチ(0.9mm)の厚さであり、統合溶接蓋体195の厚さのほぼ2倍であるため、高圧応用においても、追加的な補強は必要ない。溶接蓋体の厚さは、使用される材料及び溶接プロセスに依存して、変わり得る。厚さ及び材料を選択して、溶接蓋体と基板本体との間の完全溶込溶接を可能にしていずれのボイド/間隙も無くし(例えば、いずれのボイド/間隙も埋める)、システムから漏出した材料のためのいずれの取り込み区域も最小限にする/無くすことが有益である。
【0047】
図6A~Cは、対応する個々の蓋体によって封止された流体流路を含む、本発明によるフロー基板のさらに別の代替的な設計を示す。図3A~Eの実施形態のように、基板本体501は、図3Aに示すものと同様の複数の流体流路を含み得ることを理解されたい。しかしながら、本明細書に示す図6A~Cは、主に、この特定の実施形態において使用される溶接蓋体形成の構造の詳細を示す。この実施形態に示す溶接蓋体695は、上記で図5に関して説明した溶接蓋体595と同様とし得、かつ、図5に示すように、金属片又は金属シートから、打ち抜き加工又は機械加工などによって、形成され得る。しかしながら、溶接蓋体695は、基板本体501との異なる接合オプションを可能にする異なるプロファイルを有し得る。溶接蓋体695は、溶接蓋体リップ697(すなわち隆起したリップ)を含み得、かつ、基板本体501は、凹んだ平らな底部502及び凹んだ溶接蓋体底面503を含み得る。凹んだ平らな底部502は、基板本体にある開口部に隣接し得る(及び溶接蓋体が基板本体501と結合されると、溶接蓋体695に隣接する)。凹んだ平らな底部502は、溶接中の基板本体の変形を防止するのを助けるために、応力緩和溝又は他の同様の特徴の一部とし得る。
【0048】
溶接蓋体695は、第1の面699(すなわち、第1の蓋体面、第1の溶接蓋体面)と、第2の面701(すなわち、第2の蓋体面、第2の溶接蓋体面と)とを備え得る。溶接蓋体695は、基板本体501の開口部と結合され得、ここで、第2の蓋体面701は、凹んだ溶接蓋体底面503と嵌合する。溶接蓋体695を基板本体501の開口部と結合する間、プレス機900が使用されて、溶接蓋体リップ697を押圧し、かつ、溶接蓋体リップ697を変形して基板本体501と溶接蓋体695との間のいずれの間隙(すなわち、ボイド)も埋めて、スエージ接合部703を生じ得る。本明細書で説明するスエージ接合部を使用することは、溶接蓋体695と基板本体501との間の間隙を最小限にする及び/又は無くすのに有益である。溶接蓋体695と基板本体501との間のいずれの間隙も、501と695との間にボイドを生じ得、これは、システムから漏出した材料の取り込み区域を生じ得る。結合後、溶接蓋体695の第1の面699は、結合済みの溶接蓋体と本体501の、外表面になる。第1の面699は、図6Aでは底面、及び図6B~6Cでは上面として示されている。
【0049】
押圧後、変形された溶接蓋体リップ697は、間隙を埋め、かつ、溶接蓋体695は、産業及び必要な条件に適切な溶接プロセスによって、適所に溶接され得る。例示的な溶接プロセスは、限定されないが、電子ビーム溶接、レーザ溶接、TIG溶接、MIG溶接、及び他の適切な溶接技術を含む。この設計の恩恵は、溶接蓋体が、溶接蓋体を基板本体に固定するために必要な特徴(例えば、溶接蓋体リップ)を含み得ることであり、これは(i.)基板本体上に特徴を機械加工する必要性を軽減し、かつ、(ii.)アセンブリ全体(例えば、基板本体+溶接蓋体)をより低コストにし得る。
【0050】
図6Aは、基板本体501と結合された溶接蓋体695を示す。図6Bは、プレス機902が溶接蓋体695の溶接蓋体リップ697及び間隙に隣接して位置決めされている、溶接蓋体695の部分断面図である。図6Cは、プレス機900が溶接蓋体リップ697に当接し、かつ、溶接蓋体リップ697の材料を変形させて、溶接蓋体695と基板本体501との間の間隙を埋めた後の、溶接蓋体695の部分断面図である。
【0051】
プレス機900は、平面である押圧面904を備える押圧突起902を含み得るとともに、押圧面904は、溶接蓋体リップ697に当接し、かつ、溶接蓋体リップ697を変形させて、溶接蓋体695と基板本体との間の間隙を埋め得る。押圧突起902は、溶接蓋体695及び/又は基板本体501から材料を案内する(すなわち、押し込む、向かわせる、動かすなど)ような形状にされて、溶接蓋体695と基板本体501との間にスエージ接合部703を形成し得る。
【0052】
図7A~Cは、上記で説明し、かつ、図6A~Cに示したものと同様であるが、基板本体に溶接蓋体を固定することに関して別の変形例である、溶接蓋体の別の実施形態を示す。図7Aは、溶接蓋体695Aを備える基板本体501の断面図である。溶接蓋体695Aは、基板本体501の開口部と結合され得、ここで、第2の蓋体面701Aは、凹んだ溶接蓋体底面に合致する。溶接蓋体695Aは、基板本体501と同じ平面にあり得る(例えば、第1の溶接蓋体面699Aは、基板本体501の隣接する面と面一とし得る)。プレス機900は、間隙を塞ぐために、押圧突起902Aを含み得る。該押圧突起902Aは、溶接蓋体695Aと基板本体501が当接する箇所から材料を一緒に押圧し得る。
【0053】
押圧突起902Aは、2つの当接点904A及び904B(例えば、谷によって分離される2つの山)のある押圧面を備え得る。2つの当接点の一方904Aは、溶接蓋体695Aに当接し得るとともに、2つの当接点の他方904Bは、溶接蓋体695Aに隣接する基板本体501に当接し得る。プレス機900は、溶接蓋体縁及び基板本体縁を押圧し、かつ、溶接蓋体縁及び基板本体縁を変形させて基板本体501と溶接蓋体695Aとの間の間隙を埋めて、スエージ接合部703を生じるために、使用され得る。押圧後、変形された溶接蓋体縁は間隙を埋め、及び溶接蓋体695Aは、本明細書で説明するような溶接プロセスによって、適所に溶接され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、プレス機900はまた、プレス機が動く前及び動いている間に、溶接蓋体695Aを適所に保持するために事前設定された又は調整可能な圧力のある、バネを含み得る及び/又はバネ仕掛けとし得る。これは、溶接蓋体695Aが適所で基板本体501に押し込まれる前に、溶接蓋体695Aの不随意な動きを防止することを助け得る。本明細書で説明する実施形態のいずれかは、溶接蓋体の動きを防止及び/又は制限する、バネのある及び/又はバネ仕掛けのプレス機を含み得る。
【0055】
図7A~7Cの実施形態の利点は、溶接蓋体695A又は基板本体501のいずれも、作るために追加的なコスト(例えば、溶接蓋体リップ697及び/又は基板本体リップ505を機械加工するための時間/お金)を要求する追加的な機構(例えば、上述しかつ、図6B~Cに示す溶接蓋体リップ697及び/又は図8B~Cに示す基板本体リップ505)を有していないことである。
【0056】
図8A~Cは、溶接蓋体及び基板本体のさらに別の実施形態である。図8Aは、基板本体501及び溶接蓋体695の断面図である。溶接蓋体695は溶接蓋体リップ697を有し得、及び基板本体501は基板本体リップ505を有し得る。溶接蓋体695が基板本体501と結合されると、溶接蓋体リップ697及び基板本体リップ505は、互いに接近し得る。
【0057】
プレス機900は、概ね平らな押圧面904を備える押圧要素902を有し得る。押圧面904は、溶接蓋体リップ697及び基板本体リップ505に当接してそれらを変形させ、溶接蓋体695と基板本体501との間の間隙を埋めて、スエージ接合部703を生じ得る。押圧後、変形された溶接蓋体695は、本明細書で説明したような溶接プロセスによって、適所で溶接され得る。
【0058】
図8A~Cに示す実施形態は、基板本体と溶接蓋体との間のより大きな間隙を塞ぐのに有益とし得る。なぜなら、2つの溶接蓋体リップ(例えば、溶接蓋体リップ697及び基板本体リップ505)を有し、これが、(溶接蓋体リップ及び/又は基板本体リップを含まない実施形態と比較して)間隙を埋めるための追加的な材料を提供するためである。
【0059】
図9A~Cは、溶接蓋体及び基板本体のさらに別の実施形態である。図9Aは、基板本体501及び溶接蓋体695Aの断面図である。溶接蓋体695Aは、突出する特徴がなくて概ね平らとし、かつ、第1の溶接蓋体面699A及び第2の溶接蓋体面701Aを有し得る。溶接蓋体695Aは、基板本体501の開口部と結合され得る。いくつかの実施形態では、第1の溶接蓋体面699Aは、隣接する基板本体501と同一平面にあるとし得る。他の実施形態では、第1の溶接蓋体面699Aは、基板本体501よりも高い(例えば、隣接する基板本体501よりも上方に突出する)又は低いとし得る(例えば、基板本体501の凹んだ所にある)。
【0060】
プレス機900は、三角形(例えば、尖っている楔)の押圧面904Aを備える押圧突起902Bを含み得、ここで、押圧突起902Bの三角形の角の1つが基板本体501に当接する。プレス機900はまた、プレス機900が溶接蓋体695Aと係合する間、溶接蓋体695Aを適所に保持するように構成されている蓋体ホルダ906を備え得る。蓋体ホルダ906は、例えば、バネ仕掛けとし得(例えば、バネを備えることによって、及び/又は、変形可能な本質的にバネ力をもたらす材料を使用することによって)、プレス機900が溶接蓋体695Aに力を加えるとき、溶接蓋体695Aに一定の力をもたらす。
【0061】
押圧面904Aは、溶接蓋体695Aに隣接する基板本体501の部分を変形させ、かつ、基板本体501及び溶接蓋体695Aからの変形された材料によって、溶接蓋体695Aと基板本体501との間の間隙を埋めて、スエージ接合部703を生じ得る一方で、蓋体ホルダ906は、溶接蓋体695Aの一部分と当接して、溶接蓋体695Aの動きを制限及び/又は防止する。
【0062】
押圧後、基板本体501及び溶接蓋体縁からの変形された材料は、間隙を埋め、かつ、溶接蓋体695Aは、本明細書で説明するような溶接プロセスによって適所に溶接され得る。この設計の利点は、溶接蓋体及び/又は基板本体上の追加的な特徴が回避でき、それにより、それらのパーツのためのコストを削減することである。
【0063】
図10A~Cは、溶接蓋体及び基板本体の別の実施形態を示す。図9Aは、基板本体501及び溶接蓋体695Bの断面図である。溶接蓋体695Bは、第1の溶接蓋体面699B及び第2の溶接蓋体面701Bを有し得る。溶接蓋体695Bは、概ね平らとし得、溶接蓋体リップ697Bは、第2の溶接蓋体面699Bと平面を形成する(例えば、溶接蓋体リップ697Bは、第2の溶接蓋体面699Bを、溶接蓋体リップが存在しない第1の溶接蓋体面699Bよりも概ねわずかに大きくする)。
【0064】
溶接蓋体695Bが基板本体501と結合されると、溶接蓋体リップ695Bは、開口部の第1の部分(例えば、開口部のリップ又は縁)に当接し得、かつ、第2の溶接蓋体面701Bは、開口部の第2の部分(例えば、溶接縁)に当接し得る。この実施形態では、図示の通り、第1の溶接蓋体面699Bは、基板本体501よりも高い(例えば、隣接する基板本体501よりも上方に突出する)。プレス機900は、平面の押圧面904を備える押圧突起902を有し得、かつ、押圧面904は、溶接蓋体リップ697Bに当接し、かつ、溶接蓋体リップ697Bを変形させて、溶接蓋体695Bと基板本体501との間の間隙を埋めて、スエージ接合部703を生じ得る。押圧突起902はまた、押圧面904に隣接して角度のついた面を含んで、押圧された(すなわち、スエージ加工された)材料を、溶接蓋体695Bと基板本体501との間の間隙の方へ押し得る。
【0065】
押圧後、変形された溶接蓋体縁は、溶接蓋体695Bと基板本体501との間の間隙を埋め得、かつ、溶接蓋体695Bは、本明細書で説明するような溶接プロセスによって適所に溶接され得る。この設計の恩恵は、溶接蓋体が複雑な設計を有しておらず、かつ、基板本体が追加的な特徴を含まず、それにより、コストを低く保ち得ることである。
【0066】
図11A~Cは、溶接蓋体及び基板本体のさらに別の実施形態を示す。図11Aは、基板本体501及び溶接蓋体695Aの断面図である。図11Bは、基板本体501の開口部に結合された溶接蓋体695Aの部分断面図である。溶接蓋体695Aは、基板本体501と同じ平面にあるとし得る(例えば、第1の溶接蓋体面699Aは、基板本体501の隣接する面と平面を形成し得る)。基板本体501の開口部は、丸みを帯びた角507を有し得、これは、溶接蓋体695Aを基板本体501に挿入して押し込む間の、溶接蓋体695Aの整合を手助けし得る(例えば、ガイドとしての機能を果たす)。図11Cは、鋭い角509のある基板本体501の開口部(すなわち、丸みを帯びていない、直角、直線など)を備える溶接蓋体の部分断面図である。
【0067】
プレス機900は、押圧面を備える押圧突起902Cを含み得る。押圧面は、溶接蓋体695Aの形状(例えば、円、卵形、長方形、三角形など)に対応して、溶接蓋体695Aを基板本体501に押し込んでいる間、溶接蓋体695Aの周りに等しい圧力をかけ得る。
【0068】
この実施形態では、プレス機900は、溶接蓋体695Aを開口部へと強く押し込む(例えば、基板本体501への溶接蓋体695Aの摩擦嵌合)。押し込み後、溶接蓋体695Aは、本明細書で説明するような溶接プロセスによって、適所に溶接され得る。溶接蓋体及び基板本体に必要とされる機械加工が最小量であることに起因して経済的なオプションであることに加えて、この実施形態は、溶接蓋体695Aと基板本体501との間の間隙を完全に塞ぐ必要のない応用において有益とし得る。
【0069】
図12A~Cは、溶接蓋体及び基板本体の別の実施形態を示す。図12Aは、基板本体501及び溶接蓋体695の断面図である。図12B1は、基板本体501の開口部に結合された溶接蓋体695の部分断面図である。基板本体501の開口部は、基板本体501に溶接蓋体695を挿入して押し込んでいる間、溶接蓋体695の整合を手助けし得る、丸みを帯びた角507を有し得る。図12B2は、鋭い角509(すなわち、丸みを帯びていない、直角、直線など)のある基板本体501の開口部のある、溶接蓋体695の部分断面図である。溶接蓋体695は、接着剤705(すなわち、グルー)又は同様の仕組み(例えば、接着部を生じるための工業用の金属結合又は非金属結合グルー)を使用して基板本体501と結合され得る。図12Cは、溶接蓋体695と基板本体501との間のグルー705による接着部の断面図である。
【0070】
接着剤は、いずれかの塗布法(例えば、吹き付け、テーピング、ディスペンシング、ブラシなど)を使用して、基板本体501、溶接蓋体695、又はそれら双方に塗布され得る。この形態は、溶接につながらない、金属、プラスチック、複合材及び他の非金属の応用の結合に使用され得る。接着剤は、漏れのない結合部(すなわち、接合部、接続部など)を可能にするために、システムを流れるタイプの材料に耐性があるように選択され得る。溶接蓋体を基板本体に結合するために接着剤を使用することの恩恵は、溶接蓋体を基板本体に溶接するのに関連する時間及びコストなしで、システムを流れる材料に耐性がある、漏れのない結合部を生じる能力を含む。
【0071】
図13A~Bは、基板本体用のプラグ及びプラグと基板本体を結合するために使用され得るプレス機を示す。図13Aは、基板本体にある開口部(図13Aには示さず)を封止するために使用され得るプラグ950の上面図である。図13Bは、プレス機900がプラグ950及び基板本体501の外表面に隣接して位置決めされた状態で(プラグ950を押圧して、プラグ950と基板本体501との間にスエージ接合部を生じる前)、基板本体501と結合されたプラグ950の断面図である。上述の形態/方法のいずれかは、プラグ950を基板本体501に結合するために使用され得る。さらに、図1~5(及び関連の説明)に関連する形態のいずれかも、プラグを基板本体に取り付けるために使用され得る。
【0072】
図14A~Bは、基板本体用のチューブスタブ及びチューブスタブと基板本体を結合するために使用され得るプレス機を示す。図14Aは、基板本体601にある開口部と結合され得るチューブスタブ960の上面図である。図14Bは、プレス機900が、チューブスタブ960に隣接してその周りに、及び基板本体601に隣接して位置決めされた状態で(基板本体を押圧し、かつ、基板本体601の一部分を押圧することによって、チューブスタブ960と基板本体601との間にスエージ接合部を生じる前)、基板本体601と結合されたチューブスタブ960の断面図である。チューブスタブの壁(例えば、基板本体のスエージ加工材料部分のみ、接着剤など)を変形させない上述の形態/方法のいずれかは、チューブスタブを、本体上のかしめリップを含む基板本体に結合するために使用され得る。
【0073】
図15は、溶接蓋体に結合された基板本体を成形する方法におけるステップを示すフローチャートである。方法1000は、基板本体にある開口部に近接させて溶接蓋体を置くステップ(ブロック1002によって表す)、溶接蓋体及び基板本体の1つ以上を、押圧ツールを用いて押圧するステップであって、押圧ツールは押圧要素を備えるステップ(ブロック1004によって表す)、基板本体に溶接蓋体を固定するステップ(ブロック1006によって表す)、及び基板本体に溶接蓋体を溶接するステップ(ブロック1008によって表す)を備え得る。固定ステップ1006は、本明細書で説明するようなスエージ接合部、接着剤接合、及び溶接接合のうちの1つ以上を使用することを含み得る。溶接接合は、本明細書で説明するような任意の好適な溶接プロセスの使用を含み得る。溶接蓋体は、本明細書で説明する特徴及び/又は形態のいずれかを有し得る。押圧ツールはまた、対応する溶接蓋体と協働するように、本明細書で説明する任意の特徴及び/又は形態を有し得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B1
図12B2
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】