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特表2022-519105チューブ、チューブの製造方法および関連デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】チューブ、チューブの製造方法および関連デバイス
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/31 20210101AFI20220311BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220311BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220311BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20220311BHJP
   B22F 10/20 20210101ALI20220311BHJP
【FI】
B22F10/31
B33Y10/00
B33Y50/02
B33Y80/00
B22F10/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544769
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2020052669
(87)【国際公開番号】W WO2020161096
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】1900017-3
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591098101
【氏名又は名称】カンタール・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルーウィン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】カオ, ペンチェン
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018CA44
4K018EA60
4K018HA03
4K018KA07
4K018KA53
(57)【要約】
入口部分(17)、出口部分(19)、および入口部分(17)と出口部分(19)との間の湾曲したチューブ部分(7)を含むチューブ(1)が開示される。湾曲したチューブ部分(7)の垂直断面(cr7)は、角度(a1)<100°で互いに交わる、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面(13、13’)を含む。本開示はさらに、チューブ(1)を製造する方法(100)、コンピュータプログラム、およびコンピュータ可読媒体(200)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ(1)を製造する方法(100)であって:
-材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(110)であって、堆積される第1の層(3)が一緒になって、チューブ(1)の第1のチューブ部分(7)の第1のチューブの半分(5)を形成するように、材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(110)と、
-材料の第2の層(3’)を連続的に堆積する工程(120)であって、堆積される第2の層(3’)が一緒になって、第1のチューブ部分(7)の第2のチューブの半分(11)を形成するように、材料の第2の層(3’)を連続的に堆積する工程(120)とを含み、
第2の層(3’)を、第2のチューブの半分(11)が、角度(a1)<100°で互いに交わる、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面(13、13’)を得るように堆積させる、方法。
【請求項2】
材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(110)、および第2の層(3’)を連続的に堆積する工程(120)が:
-材料の第1の層(3)および第2の層(3’)を堆積方向(d1)に堆積する工程(122)を含み、
材料の第2の層(3’)を連続的に堆積する工程(120)が:
-2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面(13、13’)間の角度(a1)の二等分線(b1)が、堆積方向(d1)に対して実質的に平行になるように、材料の第2の層(3’)を堆積する工程(124)を含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
材料の第1層の層(3)および第2層(3’’)を堆積方向(d1)に堆積する工程(122)が:
-局所重力ベクトル(gv)と実質的に一致する堆積方向(d1)に、材料の第1の層(3)および第2の層(3’)を堆積する工程(126)を含む、請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(110)が:
-第1のチューブの半分(5)が、実質的に弧状の内側区切り面(15)を得るように、材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(112)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(110)、および第2の層(3’)を連続的に堆積する工程(120)が:
-第1のチューブ部分(7)が、湾曲したチューブ部分(7)を形成するように、材料の第1の層(3)および第2の層(3’)を堆積する工程(129)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
-材料の第3の層(3’’)を連続的に堆積する工程(130)であって、堆積させる第3の層(3’’)が、それぞれが第1のチューブ部分(7)に取り付けられる入口部分(17)および出口部分(19)を形成するように、材料の第3の層(3’’)を連続的に堆積する工程(130)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
材料の第3の層(3’’)を連続的に堆積する工程(130)が:
-入口部分(17)および出口部分(19)のそれぞれが、楕円形、長円形、または実質的に円形の内側区切り面(17’、19’)を得るように、材料の第3の層(3’’)を連続的に堆積する工程(132)を含む、請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
材料の第1の層(3)を連続的に堆積する工程(110)、第2の層(3’)を連続的に堆積する工程(120)、および第3の層(3’’)を連続的に堆積する工程(130)が:
-チューブ(1)が、入口部分(17)から出口部分(19)までの流路(21)において実質的に一定の有効断面積(A)を得るように、材料の第1の層(3)、第2の層(3’)、および第3の層(3’’)を連続的に堆積する工程(134)を含む、請求項6または7に記載の方法(100)。
【請求項9】
材料のそれぞれ堆積される層(3、3’、3’’)が金属材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項10】
付加製造機(50)のコンピュータ(40)によって実行されるときに、付加製造機(50)に請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(100)を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項11】
付加製造機(50)のコンピュータ(40)によって実行されるときに、付加製造機(50)に請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(100)を実行させる、コンピュータ可読媒体(200)。
【請求項12】
流体を案内するためのチューブ(1)であって、
-入口部分(17)と、
-出口部分(19)と、
-入口部分(17)と出口部分(19)との間の湾曲したチューブ部分(7)とを含み、
湾曲したチューブ部分(7)の垂直断面(cr7)は、角度(a1)<100°で互いに交わる、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面(13、13’)を含む、チューブ(1)。
【請求項13】
2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面(13、13’)間の角度(a1)の二等分線(b1)が、平面(p1)に実質的に平行であり、平面(p1)は、入口部分(17)と出口部分(19)の中心軸(C1、C2)と平行である、請求項12に記載のチューブ(1)。
【請求項14】
湾曲したチューブ部分(7)の垂直断面(cr7)が、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面(13、13’)とは反対側に、実質的に弧状の内側区切り面(15)を含む、請求項12または13に記載のチューブ(1)。
【請求項15】
金属材料で形成されている、請求項12から14のいずれか一項に記載のチューブ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チューブを製造する方法に関する。本開示はさらに、コンピュータプログラム、コンピュータ可読媒体、および流体を案内するためのチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、3D印刷と呼ばれる、コンピュータ制御下で材料を接合または固化して3次元のオブジェクトを作成するための様々なプロセスのいずれかである。材料は、通常、一緒に融合されている液体分子または粉末粒子などの層ごとに一緒に添加される。材料噴射、バインダー噴射、粉末床溶融、材料押出、有向エネルギー堆積、シートラミネーションなどのカテゴリーに分類できる様々な種類の付加製造プロセスがある。「3D印刷」という用語は、元来、バインダー材料を、インクジェットプリンターヘッドを備えた粉末床上に層ごとに堆積させるプロセスを指していた。最近では、この用語は、様々な付加製造技術を包含するのに使用されている。
【0003】
付加製造法には、複雑な形状や形状のオブジェクトを迅速に製造できるなど、多くの利点がある。しかしながら、いくつかの形状および幾何学形態は、所望の結果を伴う製造が困難である。このような形状または幾何学形態のオブジェクトを製造するときに直面する問題を克服するための一般的な方法は、冷却速度を上げる、印刷速度を遅くする、または1つまたは複数の支持構造体を追加することである。しかしながら、このようなアプローチは制御が難しく、通常は品質が低下したり、生産性が低下したりする。さらに、オブジェクトの内部に支持構造体を追加する場合、オブジェクトに損傷を与えることなく支持構造体をオブジェクトから除去することが困難である可能性があり、また、可能性のある除去後に、表面を処理することは困難である可能性がある。さらに、支持構造体を除去せずに残すと、支持構造体によってオブジェクトの機能および観が変化する可能性がある。
【0004】
さらに、一般に、今日の消費者市場では、製品が異なる特徴と機能を含む場合、それは利点であるが、一方で、製品は、費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および/または特性を備えている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、上記の問題および欠点の少なくともいくつかを克服するか、または少なくとも軽減することである。
【0006】
本開示の第1の態様によれば、目的は、チューブを製造する方法によって達成される。方法は:
材料の第1の層を連続的に堆積する工程であって、堆積される第1の層が一緒になって、チューブの第1のチューブ部分の第1のチューブの半分を形成するように、材料の第1の層を連続的に堆積する工程と、
第2の層を連続的に堆積する工程であって、堆積される第2の層が、一緒になって、第1のチューブ部分の第2のチューブの半分を形成するように、材料の第1の層を連続的に堆積する工程と、
を含み、
第2の層を、第2のチューブの半分が、100°未満の角度で互いに交わる、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を得るように堆積する。
【0007】
この方法は、チューブの製造中、つまり、該方法の実行中に、第2のチューブの半分が100°未満の角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を得るように第2の層が堆積されるため、支持構造体を使用する必要性を低減または回避するための条件を提供する。さらには、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面が、チューブの製造中のチューブの内側区切り面のオーバーハングを潜在的に低減するため、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性を低減または回避するチューブを製造する方法が提供される。
【0008】
チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避されるため、チューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体の除去後にチューブの内面を処理する必要性を低減または回避する方法が提供される。
【0009】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性が低減または回避されるため、迅速かつ費用効果の高い方法でチューブを製造するための条件を有する方法が提供される。
【0010】
したがって、上記の問題および欠点の少なくともいくつかを克服する、または少なくとも軽減する方法が提供される。その結果、上記の目的が達成された。上記または以下に定義される方法の一実施形態によれば、材料の第1の層および第2の層を連続的に堆積する工程は:
-材料の第1の層および第2の層を堆積方向に堆積する工程を含み、
材料の第2の層を連続的に堆積する工程は:
2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度の二等分線が堆積方向に実質的に平行になるように、材料の第2の層を堆積する工程を含む。
【0011】
したがって、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避される方法が提供される。該方法は、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度の二等分線が、堆積方向に実質的に平行になるように、材料の第2の層を堆積する工程を含むため、さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性をさらに低減または回避するチューブを製造する方法が提供され。これらの特徴により、チューブの製造中にチューブの内側区切り面の程度のオーバーハングを得る条件を有する、安定で剛性の第2のチューブの半分が提供される。
【0012】
チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避されるため、チューブから支持構造を除去する必要性がさらに低減または回避される方法が提供され、支持構造の除去後のチューブの内面を処理する必要性がさらに低減または回避される。
【0013】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性がさらに減少または回避されるため、より迅速かつより費用効果の高い方法でチューブを製造するための条件を有する方法が提供される。
【0014】
上記または以下に定義される方法の一実施形態によれば、材料の第1の層および第2の層を堆積方向に堆積する工程は:
-局所重力ベクトルと実質的に一致する堆積方向に、材料の第1の層および第2の層を堆積する工程を含む。
【0015】
それにより、提供される方法は、チューブの製造中に支持構造を使用する必要性を低減または回避する。さらに、該方法は、局所重力ベクトルと実質的に一致する堆積方向に材料の第1の層および第2の層を堆積する工程を含むため、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性をさらに低減または回避するチューブを製造する方法が提供される。その結果として、チューブの製造中にチューブの内側区切り面の低度のオーバーハングを得る条件を有する、安定で剛性の第2のチューブの半分が提供される。
【0016】
チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避されるため、チューブから支持構造を除去する必要性がさらに低減または回避される方法が提供され、支持構造の除去後のチューブの内面を処理する必要性がさらに低減または回避される。
【0017】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性がさらに減少または回避されるため、より迅速かつより費用効果の高い方法でチューブを製造するための条件を有する方法が提供される。
【0018】
上記または以下に定義される方法の一実施形態によれば、材料の第2の層を連続的に堆積する工程は:
-2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度が20~100度の範囲内になるように、材料の第2の層を連続的に堆積する工程を含む。一実施形態によれば、20~95度、25~95度など、30~80度など、50~92度などの範囲である。一実施形態によれば、角度は90度未満である。
【0019】
それにより、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性をさらに低減または回避する方法が提供される。さらには、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性をさらに低減または回避するチューブを製造する方法が提供される。これは、該方法が、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度が上で定義された通りになるように、材料の第2の層を連続的に堆積する工程を含むためである。その結果として、チューブの製造中にチューブの内側区切り面の低度のオーバーハングを得る条件を有する、安定で剛性の第2のチューブの半分が提供される。
【0020】
チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避されるため、チューブから支持構造を除去する必要性がさらに低減または回避される方法が提供され、支持構造の除去後のチューブの内面を処理する必要性がさらに低減または回避される。さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性がさらに減少または回避されるため、より迅速かつより費用効果の高い方法でチューブを製造するための条件を有する方法が提供される。
【0021】
上記または以下に定義される方法の一実施形態によれば、材料の第1の層を連続的に堆積する工程は:
-第1のチューブの半分が実質的に弧状の内側区切り面を得るように、材料の第1の層を連続的に堆積する工程を含む。
【0022】
それにより、該方法によって製造されたチューブの内面は、チューブを通って流れる流体の流れに与える影響が少なくなる一方で、該方法は、迅速かつ費用効果の高い方法でチューブを製造するのに適した条件および特性を備えている。
【0023】
本発明の方法の一実施形態によれば、材料の第1の層および第2の層を連続的に堆積する工程は:
-第1のチューブ部分が湾曲したチューブ部分を形成するように、材料の第1の層および第2の層を堆積する工程を含む。
【0024】
湾曲したチューブは、そのようなチューブの配向に関係なく、大きなオーバーハングを回避することが難しいため、付加製造を使用して製造することは本質的に困難である。しかしながら、第2の層を、第2のチューブの半分が100°未満の角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を得るように堆積することから、チューブの製造中に大きなオーバーハングを回避することができる。
【0025】
したがって、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避される、湾曲したチューブを製造できる方法が提供される。さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性を低減または回避する、湾曲したチューブを製造する方法が提供される。
【0026】
湾曲したチューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避されるため、湾曲したチューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体の除去後に湾曲したチューブの内面を処理する必要性を低減または回避する方法が提供される。
【0027】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性が低減または回避されるため、湾曲したチューブを迅速かつ費用効果の高い方法で製造するための条件を有する方法が提供される。
【0028】
別の実施形態によれば、上記または以下で定義される方法は:
-第3の層が、それぞれが第1のチューブ部分に取り付けられる入口部分および出口部分を形成するように、材料の第3の層を連続的に堆積する工程を含む。
【0029】
これにより、入口部と出口部とを有する湾曲チューブを迅速かつ費用効果の高い方法で製造できる方法が提供される。
【0030】
上記または以下に定義される方法の一実施形態によれば、材料の第3の層を連続的に堆積する工程は:
-入口部分および出口部分のそれぞれが楕円形、長円形、または実質的に円形の内側区切り面を得るように、材料の第3の層を連続的に堆積する工程を含む。
【0031】
したがって、該方法によって製造されたチューブの内面は、チューブを流れる流体の流れに与える影響が少なくなる、一方で、該方法は、迅速かつ費用効果の高い方法でチューブを製造するのに適した条件および特性を有する。
【0032】
本発明方法の一実施形態によれば、材料の第1、第2、および第3の層を連続的に堆積する工程は:
-チューブが、入口部分から出口部分までの流路内で実質的に一定の有効断面積を得るように、材料の第1、第2、および第3の層を連続的に堆積する工程を含む。
【0033】
本開示によれば、有効断面積は、流体が主に流れる面積である。流体の流れの性質は、最も簡単な経路を通って流れることであり、それゆえ、圧力が最も低い方向に向かって流れ、有効断面積は、圧力が最も低くなるチューブ内の領域である。
【0034】
それにより、該方法によって製造されたチューブの内面は、チューブを通って流れる流体の流れに与える影響が少なくなる一方で、該方法は、迅速かつ費用効果の高い方法でチューブを製造するのに適した条件および特性を備えている。
【0035】
一実施形態によれば、材料の第1、第2、および第3の層を連続的に堆積する工程は:
-入口部分の中心軸(C1)と出口部分の中心軸(C2)との間の角度が0~100度、例えば、0~90度の範囲内になるように、材料の第1、第2、および第3の層を連続的に堆積する工程を含み得る。
【0036】
一実施形態によれば、入口部分の中心軸(C1)と出口部分の中心軸(C2)は平行である。別の実施形態によれば、入口部分の中心軸(C1)および出口部分の中心軸(C2)は、空間内で任意の方向を有することができる。
【0037】
それにより、該方法によって製造されたチューブは、有意の曲率を備えている。そのようなチューブは、そのようなチューブの配向に関係なく大きなオーバーハングを回避することが難しいため、付加製造を使用して製造することは本質的に困難である。しかしながら、第2の層を、第2のチューブの半分が、ある角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を得るように堆積することから、チューブの製造中に大きなオーバーハングを回避することができる。
【0038】
したがって、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避される、湾曲したチューブを製造できる方法が提供される。さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性を低減または回避する、湾曲したチューブを製造する方法が提供される。
【0039】
湾曲したチューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避されるため、湾曲したチューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体を取り外した後のチューブの湾曲した内面を処理する必要性を低減または回避する方法が提供される。
【0040】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性が低減または回避されるため、湾曲したチューブを迅速かつ費用効果の高い方法で製造するための条件を有する方法が提供される。
【0041】
任意選択的に、各材料の堆積される層は、金属材料、プラスチック材料、またはセラミック材料を含む。上記または以下に定義されるチューブは、同じまたは異なる材料から構成され得る。
【0042】
これにより、該方法で製造されたチューブは、高温流体の案内を含む様々な目的に利用することができ、この方法は、迅速かつ費用効果の高い方法でチューブを製造するのに適した条件および特性を有する。
【0043】
本開示の第2の態様によれば、プログラムが付加製造機のコンピュータによって実行されるときに、付加製造機に、本開示のいくつかの実施形態による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムによって目的が達成される。コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータにここに記載のいくつかの実施形態による方法を実行させる命令を含むため、コンピュータプログラムは、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性を低減または回避するための条件を提供する。さらに、チューブの2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面が、チューブの製造中のチューブの内側区切り面のオーバーハングを潜在的に低減するため、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性を低減または回避するコンピュータプログラムが提供される。
【0044】
チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避されるため、チューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体の除去後にチューブの内面を処理する必要性を低減または回避するコンピュータプログラムが提供される。
【0045】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性が低減または回避されるため、コンピュータプログラムは、迅速かつ費用効果の高い方法でチューブを製造するための条件を提供する。
【0046】
したがって、コンピュータプログラムは、上記の欠点の少なくともいくつかを克服するか、または少なくとも軽減するように提供される。その結果、上記の目的が達成された。
【0047】
本開示の第3の態様によれば、付加製造機のコンピュータによって実行されると、付加製造機に本開示のいくつかの実施形態による方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体によって目的が達成される。コンピュータ可読媒体は、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータにここに記載のいくつかの実施形態による方法を実行させる命令を含むため、上記の欠点の少なくともいくつかを克服する、または少なくとも軽減するための条件を提供するコンピュータ可読媒体が提供される。その結果、上記の目的が達成された。
【0048】
本開示の第4の態様によれば、目的は、流体を案内するためのチューブによって達成される。チューブは、入口部分、出口部分、および入口部分と出口部分との間の湾曲したチューブ部分とを含み、湾曲したチューブ部分の垂直断面は、100°未満の角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を含む。
【0049】
湾曲したチューブは、そのようなチューブの配向に関係なく、大きなオーバーハングを回避することが難しいため、付加製造を使用して製造することは本質的に困難である。しかしながら、湾曲したチューブ部分の垂直断面は、100°未満の角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を含むことから、付加製造を使用するチューブの製造中に大きなオーバーハングを回避することができる。
【0050】
さらには、付加製造を使用してチューブを製造する場合、湾曲したチューブ部分の垂直断面が、100°未満の角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を含むため、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性が低減または回避される。さらに、湾曲したチューブ部分の垂直断面は、100°未満の角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を含むため、付加製造を使用してチューブを製造する場合、冷却速度を上げる必要性と製造速度を遅くする必要性が低減または回避される。これは、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面が、付加製造を使用したチューブの製造中にチューブの内側区切り面のオーバーハングを潜在的に低減するからである。
【0051】
したがって、チューブの付加製造プロセスにおいて、チューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体の除去後、チューブの内面を処理する必要性を低減または回避するチューブが提供される。
【0052】
さらに、付加製造を使用して迅速かつ費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および特性を有するチューブが提供される。
【0053】
したがって、上記の問題および欠点の少なくともいくつかを克服するか、または少なくとも軽減するチューブが提供される。その結果、上記の目的が達成された。
【0054】
任意選択的に、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度の二等分線は、入口部分および出口部分を通って延在している平面に実質的に平行である。
【0055】
これにより、角度の二等分線と入口部分と出口部分を通る平面とが、製造プロセスの位置で重力ベクトルと実質的に一致するように、チューブを配向するだけで、付加製造を使用してチューブを製造するときに大きなオーバーハングを回避できる。
【0056】
したがって、これらの特徴により、付加製造を使用してチューブを製造する場合、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避される。さらに、付加製造を使用してチューブを製造する場合、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性がさらに低減または回避される。
【0057】
したがって、チューブの付加製造プロセスにおいて、チューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体の除去後、チューブの内面を処理する必要性を低減または回避するチューブが提供される。
【0058】
さらに、付加製造を使用してより迅速かつより費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および特性を有するチューブが提供される。
【0059】
任意選択的に、平面は入口部分と出口部分の中心軸と平行である。これにより、入口部分と出口部分のそれぞれの中心軸を通って延びる角度と平面の二等分線が、製造プロセスの位置で重力ベクトルと実質的に一致するようにチューブを配向するだけで、付加製造を使用してチューブを製造するときに、大きなオーバーハングをさらに回避できる。
【0060】
したがって、これらの特徴により、付加製造を使用してチューブを製造する場合、チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避される。さらに、付加製造を使用してチューブを製造する場合、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性がさらに低減または回避される。
【0061】
したがって、チューブの付加製造プロセスにおいて、チューブから支持構造体を除去する必要性を低減または回避し、支持構造体の除去後、チューブの内面を処理する必要性を低減または回避するチューブが提供される。
【0062】
さらに、付加製造を使用してより迅速かつより費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および特性を有するチューブが提供される。
【0063】
任意選択的に、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度は、上で定義された範囲内である。それにより、付加製造を使用するチューブの製造中に支持構造体を使用する必要性をさらに低減または回避するチューブが提供される。さらに、付加製造を使用してチューブを製造する際に、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性をさらに低減または回避するチューブが提供される。これは、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面の間の角度が、チューブの製造中にチューブの内側区切り面の低度のオーバーハングを得る条件を有する安定で剛性の第2のチューブの半分を提供するからである。
【0064】
チューブの製造中に支持構造体を使用する必要性がさらに低減または回避されるため、チューブの付加製造プロセスにおいて、チューブから支持構造体を除去する必要性をさらに低減または回避し、支持構造阿智の除去後にチューブの内面を処理する必要性をさらに低減または回避するチューブが提供される。
【0065】
さらに、冷却速度を上げる必要性および製造速度を遅くする必要性がさらに低減または回避されるため、付加製造を使用してより迅速かつより費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および特性を有するチューブが提供される。
【0066】
一実施形態によれば、上記または以下に定義されるチューブにおいて、湾曲したチューブ部分の垂直断面は、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面は、その反対側に、実質的に弧状の内側区切り面を含む。これにより、チューブの内面は、チューブを流れる流体の流れに与える影響が少なくなる一方で、チューブは、付加製造を使用して迅速かつ費用効率の高い方法で製造するのに適した条件と特性を備えている。
【0067】
任意選択的に、入口部分および出口部分のそれぞれは、楕円形、長円形、または実質的に円形の内側区切り面を含む。これにより、管の内面は、管を流れる流体の流れに与える影響が少なくなる一方で、管は、付加製造を使用して迅速かつ費用効率の高い方法で製造するのに適した条件と特性を備えている。
【0068】
一実施形態によれば、上記また以下に定義されるチューブは、入口部分から出口部分までの流路内に実質的に一定の有効断面積を含む。これにより、チューブの内面は、チューブを流れる流体の流れに与える影響が少なくなる一方で、チューブは、付加製造を使用して迅速かつ費用効率の高い方法で製造するのに適した条件と特性を備えている。
【0069】
一実施形態によれば、入口部分の中心軸と出口部分の中心軸との間の角度は、0~90度などの0~120度の範囲内であり、それにより、チューブは、有意な曲率を備えている。一実施形態によれば、入口部分と出口部分の中心軸は平行である。別の実施形態によれば、入口部分および出口部分の中心軸は、互いに相対的な空間内の任意の方向を有することができる。そのようなチューブは、そのようなチューブの配向に関係なく大きなオーバーハングを回避することが難しいため、付加製造を使用して製造することは本質的に困難である。しかしながら、湾曲したチューブ部分の断面が、ある角度で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面を含むことから、付加製造を使用するチューブの製造中に大きなオーバーハングを回避することができる。
【0070】
任意選択的に、チューブは金属材料によって形成される。これにより、チューブは、高温流体の案内を含む様々な目的に利用することができ、チューブは、迅速かつ費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および特性を有する。チューブは、プラスチック材料またはセラミック材料から製造することもできる。チューブは、同じ材料または異なる材料で構成することができる。
【0071】
本開示のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の詳細な説明を検討するときに明らかになるであろう。
【0072】
それらの特定の特徴および利点を含む本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明および添付の図面で論じられる例示的な実施形態から容易に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】いくつかの実施形態によるチューブの斜視図を示している。
図2図1に示したチューブの湾曲したチューブ部分と基部部分の断面を示している。
図3図1に示されているチューブを通る第2の断面を示している。
図4】チューブの製造方法を示している。
図5】付加製造機を概略的に示している。
図6】コンピュータ可読媒体を示している。
【発明の実施するための形態】
【0074】
次に、本開示の態様をより完全に説明する。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。よく知られている機能または構造は、簡潔さおよび/または明確にするために必ずしも詳細に説明されるとは限らない。
【0075】
図1は、いくつかの実施形態によるチューブ1の斜視図を示している。図示の実施形態によれば、チューブ1は、気体または液体などの流体を案内するように構成される。チューブ1は、入口部分17、出口部分19、および入口部分17と出口部分19との間の湾曲したチューブ部分7を備える。ここのいくつかの実施形態によれば、湾曲したチューブ部分7は、第1のチューブ部分7とも呼ばれる。チューブ1は、湾曲部分7に取り付けられた基部部分20をさらに含む。基部部分20は、いくつかの穴22を含む。穴22のそれぞれは、チューブ1を第2の構造体に固定するように固定要素を受容するように適合されている。ここでさらに説明されるように、チューブ1は、付加製造法を使用して製造されるように適合されている。
【0076】
図2は、図1に示されているチューブ1の湾曲したチューブ部分7および基部部分20を通る垂直断面cr7を示している。垂直断面cr7の位置は、図1の矢印「cr7」で示されている。垂直断面cr7は、チューブ1を通る意図される流れ方向に垂直である。以下では、図1図2を同時に参照する。図2に見られるように、湾曲したチューブ部分7の垂直断面cr7は、100°未満の角度a1で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’を備える。それにより、ここでさらに説明されるように、低度のオーバーハングを備えたチューブ1を製造するための条件が提供される。オーバーハングは、新しい材料が既存の材料によって支持されていない側においてコンポーネントの製造中に、コンポーネントの既存の材料に新しい材料を堆積させる角度として定義することができる。図2には、チューブ1の湾曲したチューブ部分7の第1のチューブの半分5を形成するように互いに堆積される、材料の第1の層3が示されている。さらに、チューブ1の湾曲したチューブ部分7の第2のチューブの半分11を形成するように互いに堆積させる、材料の第2の層3’が示されている。2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’は、湾曲したチューブ部分7の第2のチューブの半分11に含まれている。図2に見られるように、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’を形成する材料の第2の層3’を、低く実質的に一定のオーバーハングで、互いの上に堆積させる。これらの特徴により、ここでさらに説明されるように、チューブ1は、支持構造体を使用せずに、また冷却速度を上げたり製造速度を遅くしたりせずに製造するための条件を有する。
【0077】
図示の実施形態によれば、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’の間の角度a1は、約81度である。さらなる実施形態によれば、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’との間の角度a1は、20~100度の範囲内であり得る。一実施形態によれば、30~80度、50~92度などの20~95度の範囲である。一実施形態によれば、角度は90度未満である。
【0078】
これにより、チューブ1を低度のオーバーハングで製造できることが保証され得る。
【0079】
さらに、図示の実施形態によれば、湾曲したチューブ部分7の垂直断面cr7は、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’とは反対側に、実質的に弧状の内側区切り面15を備える。さらに、図2に見られるように、基部部分20は、垂直断面cr7で測定され、実質的に弧状の内側区切り面15の曲率半径rよりも大きい最小幅wを備えている。これらの特徴により、湾曲したチューブ部分7の第1のチューブの半分5を低度のオーバーハングで製造するための条件が提供される。
【0080】
図3は、図1に示されているチューブ1を通る垂直断面cr1を示している。垂直断面cr1の位置は、図1の矢印「cr1」で示されている。垂直断面cr1は、入口部分17および出口部分19のそれぞれの中心軸C1、C2を通って延びる平面p1内に作られている。さらに、断面cr1は、入口部分17から出口部分19まで、チューブ1を通る流路21を通って真っ直ぐに作られている。
【0081】
図示の実施形態によれば、入口部分17の中心軸C1と出口部分19の中心軸C2との間の角度a2は、約0度である。
【0082】
したがって、図示の実施形態によれば、入口部分17の中心軸C1は、出口部分19の中心軸C2に実質的に平行である。その結果、図示の実施形態によれば、チューブ1が流体を案内するために使用される場合、入口部分17における流れの方向は、出口部分19における流れの方向とほぼ反対である。言い換えれば、そのような実施形態では、入口部分17における流れの方向と出口部分19における流れの方向との間の角度は、約180度である。さらなる実施形態によれば、入口部分17の中心軸C1と出口部分19の中心軸C2との間の角度a2は、0~90度など、および0~20度などの、0~120の範囲ないであり得る。さらなる実施形態によれば、入口部分の中心軸(C1)と出口部分の中心軸(C2)とは平行であるか、または入口部分の中心軸(C1)と出口部分の中心軸(C2)とは、空間内で任意の方向をとることができる。
【0083】
図2には、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’の間の角度a1の二等分線b1が示されている。角度a1の二等分線b1も図3に示されている。図3に見られるように、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’の間の角度a1の二等分線b1は、入口部分17および出口部分19を通って延びる平面p1に実質的に平行である。その利点を以下に説明する。
【0084】
図示の実施形態によれば、チューブ1は、図2および図3に示される直立位置で製造されるように構成される。付加製造機は、堆積される第1の層3が一緒になって、チューブ1の湾曲したチューブ部分7の基部部分20および第1のチューブの半分5を形成するように、材料の第1の層3を連続的に堆積することによってチューブ1を製造することができる。次に、付加製造機は、堆積される第2の層3’が一緒になって、湾曲したチューブ部分7の第2のチューブの半分11を形成するように、材料の第2の層3’を連続的に堆積することができる。そのような付加製造機50は、以下でさらに説明されるように、図5に示されている。
【0085】
図2および図3に示されるように、材料の第1の層3および第2の層3’は、局所重力ベクトルgvと実質的に一致する堆積方向d1に堆積される。さらに、図2および図3に見られるように、堆積方向d1は、各層3、3’、3’’の延長面に実質的に垂直である。すなわち、各層3、3’、3’’は、層3、3’、3’’がその上に堆積される層3、3’、3’’の延長面に実質的に垂直な堆積方向d1に堆積される。したがって、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’との間の角度a1の二等分線b1は、平面p1に実質的に平行であるため、2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’のそれぞれに低度のオーバーハングが提供される。また、入口部17の中心軸C1と出口部19の中心軸C2との間の角度a2は約0度であり、入口部分17と出口部分19の中心軸C1、C2は、局所重力ベクトルgvと一致する方向に延在しているため、入口部分17および出口部分19は、本質的にオーバーハングなしで製造することができる。このようにして、入口部分17および出口部分19のそれぞれは、例えば、製造プロセス中にオーバーハングすることなく、楕円形、長円形、または実質的に円形の内側区切り面17’、19’を備えることができる。図示の実施形態によれば、入口部分17および出口部分19のそれぞれは、図1に最も良好に見られるように、実質的に円形の内部区切り面17’、19’を備える。
【0086】
従来の設計のUベンドラウンドチューブは、付加製造(AM)で製造するのが困難であった。Uベンドラウンドチューブの自然な形状のため、方向に関係なく大きなオーバーハングを回避することは非常に困難である。重力方向GVに沿った45度より大きい角度を有するオーバーハング構造は、通常、凝固時主として重力に、変形や乏しい表面をもたらす。オーバーハングの問題を克服するための一般的な方法は、冷却速度を上げる、印刷速度を遅くする、または支持構造体を添加することである。しかしながら、このようなアプローチは制御が難しく、通常は品質が低下したり、生産性が低下したりする。特に、Uベンドラウンドチューブの内側に支持構造体を添加すると、Uベンドの内側から支持体を取り外すことが非常に困難になり、そして取り外した後の表面の処理が困難になる。取り外さずに支持体を残したままにすると、Uベンドチューブに沿った経路の有効プロファイルが変更され、これにより、流体が通過する特定の用途において不要な圧力変化が発生する。しかしながら、チューブ1の特徴により、チューブ1は、支持構造体を使用せずに、また冷却速度を上げたり、製造速度を遅くしたりすることなく、付加製造を使用して製造することができる。
【0087】
図示の実施形態によれば、チューブ1は、入口部分17から出口部分19まで、チューブ1を通る流路21内に実質的に一定の有効断面積Aを含む。このようにして、チューブ1の内面は、チューブ1を流れる流体の流れに与える影響が少ない一方で、チューブ1は、迅速かつ費用効果の高い方法で製造するのに適した条件および特性を有する。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態によれば、チューブ1は、金属材料によって形成される。これにより、燃焼ガス、高温排気ガスなどの高温流体の案内を含む様々な目的に使用できるチューブ1が提供される。さらなる実施形態によれば、チューブ1は、ポリマー材料またはセラミック材料などの別の種類の材料から製造することができる。
【0089】
図4は、チューブを製造する方法100を示している。チューブは、図1図3に示される実施形態によるチューブ1であり得る。したがって、以下では、図1図4を同時に参照する。チューブ1を製造する方法100は:
-堆積される第1の層3が一緒になって、チューブ1の第1のチューブ部分7の第1のチューブの半分5を形成するように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程110と、
-堆積される第2の層3’が一緒になって、第1のチューブ部分7の第2のチューブの半分11を形成するように、材料の第2の層3’を連続的に堆積する工程120と、を含み、
第2の層3’を、第2のチューブの半分11が、100°未満の角度a1で互いに交わる2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’を得るように堆積させる。
【0090】
図4に示されるように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程110、および第2の層3’を連続的に堆積する工程120は:
-材料の第1の層3および第2の層3’を堆積方向d1に堆積する工程122とを含むことができ、
材料の第2の層3’を連続的に堆積する工程120は:
-2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’間の角度a1の二等分線b1が堆積方向d1に実質的に平行になるように、材料の第2の層3’を堆積する工程124を含む。
【0091】
さらに、図4に示されるように、材料の第1の層3および第2の層3’を堆積方向d1に堆積する工程122は:
-局所重力ベクトルgvと実質的に一致する堆積方向d1で材料の第1の層3および第2の層3’を堆積方向d1に堆積する工程126を含む。
【0092】
さらに、図4に示されるように、材料の第2の層3’を連続的に堆積する工程120は:
-2つの実質的に真っ直ぐな内側区切り面13、13’間の角度a1が、上記で定義された範囲内になるように、材料の第2の層3’を連続的に堆積する工程を含み得る。
【0093】
さらに、図4に示されるように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程110は:
-第1のチューブの半分5が、実質的に弧状の内側区切り面15を得るように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程112を含み得る。
【0094】
さらに、図4に示されるように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程110、および第2の層3’を連続的に堆積する工程120は:
-第1のチューブ部分7が湾曲したチューブ部分7を形成するように、材料の第1の層3および第2の層3’を堆積する工程129を含み得る。
【0095】
さらに、図4に示されるように、方法100はさらに:
-堆積される第3の層3’’が、それぞれが第1のチューブ部分7に取り付けられる入口部分17および出口部分19を形成するように、材料の第3の層3’’を連続的に堆積する工程130を含み得る。
【0096】
さらに、図4に示されるように、材料の第3の層3’’を連続的に堆積する工程130は:
-入口部分17および出口部分19のそれぞれが楕円形、長円形、または実質的に円形の内側区切り面17’、19’を得るように、材料の第3の層3’’を連続的に堆積する工程132を含み得る。
【0097】
さらに、図4に示されるように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程110、第2の層3’を連続的に堆積する工程120、および第3の層3’’を連続的に堆積する工程130は:
-チューブ1が、入口部分17から出口部分19までの流路21において実質的に一定の有効断面積Aを得るように、材料の第1の層3、第2の層3’、および第3の層3’’を連続的に堆積する工程134を含み得る。
【0098】
さらに、図4に示されるように、材料の第1の層3を連続的に堆積する工程110、第2の層3’を連続的に堆積する工程120、および第3の層3’’を連続的に堆積する工程130は:
‐入口部分17の中心軸C1と出口部分19の中心軸C2との間の角度a2が、0~90度などの0~120度の範囲内にあるように、あるいは、入口部分の中心軸(C1)と出口部分の中心軸(C2)が平行であるように、あるいは、入口部分の中心軸(C1)および出口部分の中心軸(C2)が、空間内で任意の方向をとることができるように、材料の層3、3’、3’’を連続的に堆積する工程136を含み得る。
【0099】
ここに記載の方法100によれば、材料の各堆積される層3、3’、3’’は、金属材料を含み得る。
【0100】
図5は、付加製造機50を概略的に示している。付加製造機50は、堆積ヘッド32と、堆積ヘッド32の位置を変更するように配置されたステッピングモーターなどのモーターとを備える。付加製造機50は、堆積ヘッド32の位置および堆積ヘッド32から堆積される材料の堆積速度を制御するように配置された制御装置35をさらに備える。制御装置35は、コンピュータ40を備える。
【0101】
本開示のいくつかの実施形態は、付加製造機50のコンピュータ40によってプログラムが実行されるときに、付加製造機50にここに記載のいくつかの実施形態による方法100を実行させる命令を含むコンピュータプログラムに関する。したがって、コンピュータプログラムは、プログラムが付加製造機50のコンピュータ40によって実行されるとき、図1図3に示される実施形態に従って、材料の第1の層3、第2の層3’、および第3の層3’’を連続的に堆積することによって、付加製造機50にチューブ1を製造させる。図4を参照して方法100について説明された様々な実施形態はすべて、ここで説明される制御装置35と組み合わせることができることは理解されよう。すなわち、制御装置35は、方法100の工程110、112、120、122、124、126、128、129、130、132、134、および136のいずれか1つを実行するように構成され得る。
【0102】
図6は、付加製造機50のコンピュータ40によって実行されると、付加製造機50にいくつかの実施形態による方法100を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体200を示している。
【0103】
当業者は、チューブ1を製造する方法100が、プログラムされた命令によって実施され得ることを理解するであろう。これらのプログラムされた命令は、通常、コンピュータプログラムによって構成され、制御装置35で実行されると、制御装置35が、ここに記載の方法の工程110、112、120、122、124、126、128、129、130、132、134、および136などの所望の制御を実行することを保証する。コンピュータプログラムは、通常、コンピュータプログラムが格納される適切なデジタル記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品200の一部である。
【0104】
制御装置35は、実質的に任意の適切なタイプのプロセッサ回路またはマイクロコンピュータの形態をとることができる計算ユニット、例えば、デジタル信号処理用の回路(デジタル信号プロセッサ、DSP)、中央処理装置(CPU)、処理装置、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、または、命令を解釈して実行する可能性のあるその他の処理ロジックを含み得る。ここで利用される表現「計算ユニット」は、例えば、上記のもののいずれか、一部、またはすべてなどの、複数の処理回路を含む処理回路を表すことができる。
【0105】
制御装置35は、メモリユニットをさらに含むことができ、計算ユニットはメモリユニットに接続することができ、メモリユニットは、例えば、計算ユニットが計算を実行できるようにするために必要となる可能性のある、格納されたプログラムコードおよび/または格納されたデータを計算ユニットに提供し得る。計算ユニットはまた、計算の部分的または最終的な結果をメモリユニットに格納するように適合させることができる。メモリユニットは、データまたはプログラム、すなわち、命令のシーケンスを一時的または永続的に格納するために利用される物理的デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態によれば、メモリユニットは、シリコンベースのトランジスタを含む集積回路を含み得る。メモリユニットは、様々な実施形態において、例えば、メモリカード、フラッシュメモリ、USBメモリ、ハードディスク、またはデータを格納するための別の同様の揮発性または不揮発性ストレージユニット、例えば、ROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラム可能な読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能PROM)、EEPROM(電気的消去可能PROM)などを含み得る。
【0106】
制御装置35は、入力信号および出力信号を受信および/または送信するために、付加製造機50の構成要素に接続されている。これらの入力および出力信号は、入力信号受信デバイスが情報として検出することができ、制御装置35によって処理可能な信号に変換することができる波形、パルス、または他の属性を含み得る。次に、これらの信号を計算ユニットに供給することができる。1つまたは複数の出力信号送信デバイスは、計算ユニットからの計算結果を、付加製造機50の他の部分および/または信号が意図される1つまたは複数の構成要素に伝達するための出力信号に変換するように構成され得る。入力信号と出力信号を送受信するための付加製造機50のそれぞれの構成要素への接続のそれぞれは、ケーブル、データバス、例えば、CAN(コントローラーエリアネットワーク)バス、MOST(メディア指向システムトランスポート)バスまたはその他のバス構成、またはワイヤレス接続の中から1つまたは複数の形態をとることができる。
【0107】
図示の実施形態では、付加製造機50は、制御装置35を含むが、それに代えて、全体的または部分的に2つ以上の制御装置または制御ユニットに実装され得る。
【0108】
コンピュータプログラム製品200は、制御装置35の1つまたは複数の計算ユニットにロードされるとき、いくつかの形態に従って、方法の工程110、112、120、122、124、126、128、129、130、132、134、および136の少なくともいくつかを実行するためのコンピュータプログラムコードを運搬する、例えば、データキャリアの形態で提供され得る。データキャリアは、例えば、図6に示されているようなCD ROMディスク、またはROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラム可能な読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能なPROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的に消去可能なPROM)、ハードディスク、メモリスティック、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、または、機械可読データを非一時的な方法で保持する可能性のある、ディスクやテープなどの他の適切な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品はさらに、サーバ上にコンピュータプログラムコードとして提供され得、遠隔で、例えば、インターネットまたはイントラネット接続を介して、または他の有線または無線通信システムを介して、制御装置35にダウンロードされ得る。
【0109】
前述のことは、様々な例示的な実施形態の例示であり、本開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解されたい。当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態が修正され得ること、例示的な実施形態の異なる特徴を組み合わせて、ここに記載されたもの以外の実施形態を作成することができることを理解するであろう。
【0110】
ここで使用される場合、「含む」または「含む」という用語は、制限がなく、1つまたは複数の記載された特徴、要素、ステップ、コンポーネント、または機能を含むが、1つまたは複数の他の機能、要素、ステップ、コンポーネント、機能、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0111】
上記から理解されるように、方法100によれば、材料の第1の層3、第2の層3’および第3の層3’’は、互いに連続的に堆積され、互いに接合されて、コヒーレント構造を形成する。さらに、方法100によれば、材料の第1の層3、第2の層3’および第3の層3’’が連続的に形成され、互いに接合されて、コヒーレント構造を形成する。したがって、本開示全体を通して、「堆積」という文言は、「形成」という文言に置き換えることができる。
【0112】
ここで使用される「層」という用語は、1つまたは複数の層が印刷されることを意味することを意図している。
【0113】
ここで使用される「実質的に平行」という表現は、参照される物体間の角度が7度未満であることを包含し得る。
【0114】
ここで使用される「実質的に一致する」という表現は、言及される物体間の角度が7度未満であることを包含し得る。
【0115】
ここで使用される「実質的に垂直」という表現は、参照される物体間の角度が83~97度の範囲内にあることを包含し得る。
【0116】
ここで使用される「実質的に真っ直ぐ」という表現は、言及される物体が平面の形状から10%未満しか逸脱しないことを包含し得、ここでは、尖った丸天井またはアーチなどのわずかに湾曲した表面を含むことを意図する。
【0117】
ここで使用される「実質的に弧状」という表現は、言及される物体が弧状構造の形状から10%未満しか逸脱していないことを包含し得る。
【0118】
ここで使用される「実質的に円形」という表現は、言及される物体が円の形状から10%未満しか逸脱していないことを包含し得る。
【0119】
ここで使用される「実質的に一定」という表現は、言及される態様が10%未満しか変化しないことを包含し得る。
【0120】
ここで言及するチューブ1は、バット光重合、ステレオリソグラフィー、材料噴射、バインダー噴射、粉末床溶融、材料押し出し、指向性エネルギー堆積、選択的レーザー溶融/焼結、またはシートラミネーションのカテゴリー内の付加製造プロセスを使用して製造することができる。同様に、ここで参照される100は、バット光重合、ステレオリソグラフィー、材料噴射、バインダー噴射、粉末床溶融、材料押し出し、指向性エネルギー堆積、選択的レーザー溶融/焼結、またはシートラミネーションのカテゴリー内の製造方法であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】