(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(54)【発明の名称】作図補助具
(51)【国際特許分類】
B43L 13/14 20060101AFI20220311BHJP
B43L 13/20 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
B43L13/14 D
B43L13/20 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565150
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 IL2020050082
(87)【国際公開番号】W WO2020152676
(87)【国際公開日】2020-07-30
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521322498
【氏名又は名称】エゴ,モシェ
【氏名又は名称原語表記】EGO, Moshe
(71)【出願人】
【識別番号】521322502
【氏名又は名称】ガージ,アディール
【氏名又は名称原語表記】GARJI, Adir
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】エゴ,モシェ
(72)【発明者】
【氏名】ガージ,アディール
(72)【発明者】
【氏名】ベン ハイム,モシェ
(57)【要約】
本発明は、一連の実線および破線の溝付き線を備え、前記溝付き線が、少なくとも1つの完全な空間的物体を平面に作図することを案内するように適用されている、少なくとも1つの薄型テンプレートを含む作図補助具に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の実線および破線の溝付き線を備える、少なくとも1つの薄型テンプレートを含む作図補助具であって、前記溝付き線は、少なくとも1つの完全な空間的物体を平面に作図することを案内するように適用されている、作図補助具。
【請求項2】
前記溝付き線は、前記溝付き線の間の前記テンプレートの領域を、前記溝付きテンプレートの本体にしっかりと頑丈に完全な形で保持するように、特定の点において短く中断されている、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項3】
溝付き線のそれぞれは、前記溝付き線の作図方向を示す案内矢印と共に示されている、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項4】
溝付き線のそれぞれは、前記溝付き線の作図順序を示す通し番号と共に示されている、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項5】
少なくとも1つの前記薄型テンプレートが、可撓性または剛性のシート状材料で構成されている、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項6】
少なくとも1つの前記薄型テンプレートが、金属またはプラスチック材料で構成されている、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項7】
薄型テンプレートのそれぞれが、過度に突出した領域を含む、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項8】
テンプレートのそれぞれの前記過度に突出した領域に、前記テンプレートの内容を言及する固有のマークまたは文字が刻印されている、請求項7に記載の作図用キット。
【請求項9】
前記キットの異なる前記テンプレートの前記突出した領域の位置が互いに被らず、前記テンプレートを積み重ねたときに全ての過度に突出した領域が目に付きやすい、請求項7に記載の作図用キット。
【請求項10】
前記溝付き線は、3Dの幾何学的物体を画定している、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項11】
前記3Dの幾何学的物体の1つの面の中心または全体的な中心に、基準点が溝付けされている、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項12】
前記テンプレートの周囲形状が矩形である、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項13】
前記テンプレートに長さを測定する目盛りが適用され、更に前記テンプレートを寸法測定に利用できるようにする、請求項1に記載の作図用キット。
【請求項14】
前記作図用キットは、2次元の幾何学的図形を画定する一連の溝付き線と基準点とを有する追加の作図用テンプレートを備える、請求項1に記載の作図用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幾何学的作図器の分野にある。より詳細には、本発明は、単一の層で構成されたテンプレートを使用することによって、完全な3次元(3D)の幾何学的図形を作図することを可能にする作図補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
幾何学的図形の3次元(3D)の作図を教えることは、特に幼い小学生の教育者にとってよく知られた難問である。基本的な幾何学的図形についての知識および作図技能を身につけ始めたばかりの幼い生徒は、二次元(2D)図形と3D物体との間の違いを認識はするが、3D物体を二次元の図で表すことに困難を要する。
【0003】
紙または板書に空間的物体を作図することを成し遂げるには、生徒は、前記物体の空間的な外観を(テンプレートまたは3D物体サンプルによって提供される場合)、正面がその2D図形に類似し、背面もその2D図形に類似しているが部分的に隠れており(すなわち、部分的に破線(隠れ線)によって示される)、その他の面は比較的傾斜させて部分的に隠して作図しなければならないことを念頭に入れながら想像または再現しなければならない。この複雑な作業には、空間的な理解と技術的な作図技術の両方が必要となる。第一の主要な目標は生徒の空間的な理解を深めることであり、従って十分な3D作図支援がない場合、主要な目的を達成することを犠牲にして、第二の目標である技術的な作図にかなりの授業時間が費やされてしまう。
【0004】
全ての見えている輪郭線と隠れている輪郭線とを備える完全な3D図形を容易に作図するために、幼い生徒を補助するための道具をタイミングよく提供することは、上述した主要な目標を達成する過程における貴重な授業時間を節約することになる。更に、好適な案内要素を備える3D作図具によって、所望の空間的物体をタイミングよく正確に再現することができ、これにより、幼い生徒の自己効力感および技術的な作図技能の両方を向上させることとなる。
【0005】
幾何学的作図器の分野における先行技術としては、例えば、KR101781001に開示されるような、部分的な3D図形の輪郭線を備える定規であって、そのような定規に溝の付いた基準点を備えた定規における形態で、限定的な作図補助を提供している。生徒は、紙の上に定規を保持したままで、3~4つの溝の付いた輪郭線を写し取ることができる。生徒は、溝付き線を引き、基準点に印を付けた後、定規を脇に移動させ、部分的な案内図および基準点に基づいて、所望の図形の輪郭線、および奥行き寸法を表す背面ならびに側面の見えている線/隠れ線を完成させる。記載されるような部分的な案内では、困難な技術的作図作業の大部分が補助されないままであるため、上述した問題は解決されていない。
【0006】
完全な3D図形のステンシルテンプレートに全ての一連の案内溝を溝付けすると、完全な図形が画定されて前記定規から容易に切り抜かれてしまうため、製造時または通常の使用時に破損することのない、全ての見えている線と隠れ線とを備える完全な溝付きの3D形状のステンシルを製造することは、困難であるということが理解できる。
【0007】
従って、本発明の目的は、長さ、幅および奥行きの寸法を参照することによって完全な3D図形の作図を生徒に案内する、全ての一連の実線および破線の溝を含んだ補助作図具を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、所望の図形の作図が完了するまで前記テンプレートを移動またはシフトさせる必要がなく、単一のテンプレートまたは単一の層を使用して、3D図形を連続して作図するための手段を含む補助作図具を提供することである。
【0009】
本発明の更に別の目的は、幼い生徒によるデリケートでない扱いに適した、耐久性のある溝付きの作図用テンプレートのキットを提供することである。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、一連の実線および破線の溝付き線を備え、前記溝付き線は、少なくとも1つの完全な空間的物体を平面に作図することを案内するように適用されている、少なくとも1つの薄型テンプレートを含む作図補助具に関する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、溝付き線は、前記溝付き線の間のテンプレートの領域を、前記溝付きテンプレートの本体にしっかりと頑丈に完全な形で保持するように、特定の点において短く中断されている。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、溝付き線のそれぞれは、前記溝付き線の作図方向を示す案内矢印と共に示されている。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、溝付き線のそれぞれは、溝付き線の作図順序を示す通し番号と共に示されている。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの薄型テンプレートは、可撓性または剛性のシート状材料で構成されている。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの薄型テンプレートは、金属またはプラスチック材料で構成されている。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、薄型テンプレートのそれぞれは、過度に突出した領域を含む。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、テンプレートのそれぞれの過度に突出した領域には、前記テンプレートの内容を言及する固有のマークまたは文字が刻印されている。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記キットの異なるテンプレートの突出した領域の位置が互いに被らず、前記テンプレートを積み重ねたときに全ての過度に突出した領域が目に付きやすくなっている。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、溝付き線は、3Dの幾何学的物体を画定している。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、3Dの幾何学的物体の1つの面の中心または全体的な中心に、基準点が溝付けされている。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、テンプレートの周囲形状が矩形である。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、テンプレートに長さを測定する目盛りが適用され、更に前記テンプレートを寸法測定に利用できるようにする。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、作図用キットは、2次元の幾何学的図形を画定する一連の溝付き線と基準点とを有する追加の作図用テンプレートを備える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態による、完全な空間的物体を作図することができる作図用テンプレートを概略的に示す。
【
図2】本発明の実施形態による、その各々で異なる図形の完全な空間的物体を作図することができる作図用テンプレートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、全ての一連の実線および/または破線の溝付き線を使用して、平面(例えば、紙、板)上に見えている/隠れている全ての線および面を含んだ完全な空間的物体を作図することが可能な少なくとも1つのテンプレートを含む、作図補助具または作図補助キットに関する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態による、完全な3Dの幾何学的図形を作図するための作図用テンプレート100の図を示す。テンプレート100は、一連の実線の溝付き線121および破線の溝付き線122によって3Dの幾何学的図形(例えば、この図では3Dの円錐形)が画定されている、(例えば、矩形輪郭の)薄型プレート110を備える。本発明の一実施形態によれば、溝付き線のそれぞれは、溝付き線121および122の作図順序および作図方向を示す方向矢印130および通し番号140が添えられており、単一のテンプレートを使用して3Dの幾何学的図形を連続して作図することが達成される(例えば、この例では3Dの円錐形)。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、作図用テンプレート100は、3Dの幾何学的図形の中心にある基準点150(例えば、
図1の円錐形の円形底部に概略的に示されるような)を更に含み得る。例えば、基準点150によって、使用者が新たに学習した3Dの円錐形を以前学習した2Dの円に関連付けることができ、従って新たに学習したものをより良く身につけさせることが可能となり得る。
【0028】
実線の溝付き線121は短く中断されてはいるが、3Dの円錐形状の一体性を保ちながら、溝付き線121および122、ならびにプレート110間の領域171および172の構造を頑丈で完全な形を保つことができるように、中断点160が最小限必要とされる寸法および位置を有していることに気づかれるであろう。
図1の実施形態では、中断点160は、領域171および領域172の頂点に位置しているが、本発明のいくつかの実施形態では、中断点を異なる位置に配置することができる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、作図用テンプレート100は、可撓性の薄型プレートで作製されている(すなわち、薄型プレート110は可撓性である)。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、テンプレート100は、更にテンプレート100を例えば寸法測定に利用できるようにする、テンプレート100の周囲に刻まれた目盛りを更に含み得る。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、テンプレート100は、識別文字である「円錐形」が刻まれた過度に突出した領域190を更に含んでもよく、これによって、積み重ねたテンプレートから円錐形のテンプレートを容易に取り出すことが可能となる。当然のことながら、領域190の寸法および位置、識別文字および言語は、本発明の異なる実施形態によって異なっていてもよい。更に、例えば、テンプレート100の内容を示す、寸法を小さくした円錐形といった、他の識別マークを使用することができる。
【0032】
図2(A)~
図2(F)は、本発明の実施形態による、その各々で異なる図形の完全な空間的物体を作図することができる、いくつかの作図用テンプレートを概略的に示している。
図1と同様に、
図2(A)~
図2(F)の作図用テンプレートのそれぞれは、異なる3Dの幾何学的図形を画定するために使用される、一連の実線の溝付き線と破線の溝付き線とを含んでいる。所望により、溝付き線のそれぞれに、溝付き線の作図順序および作図方向を示す方向矢印および通し番号を添えることができ、
図1のテンプレート100について上記で記載されているように、3Dの幾何学的図形を連続して作図することが達成される。
【0033】
図2(A)は、三角柱の形をした3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートを概略的に示している。
図2(B)は、直方体の形をした3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートを概略的に示している。
図2(C)は、三角錐の形をした3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートを概略的に示している。
図2(D)は、四角錐の形をした3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートを概略的に示している。
図2(E)は、球体の形をした3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートを概略的に示している。
図2(F)は、円柱の形をした3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートを概略的に示している。
【0034】
図1および
図2(A)~
図2(F)について示された作図用テンプレートは、全ての一連の実線および/または破線の溝付き線を使用して、平面上に見えている/隠れている全ての線および面を含む、完全な空間的物体を作図するための作図用キットとして使用することができる。
【0035】
本発明の実施形態によれば、上記のキットは、追加のテンプレートを更に含み得る。例えば、
図3は、本発明の別の実施形態を示すものであり、この実施形態では、上記に記載される3Dの幾何学的図形の作図用テンプレートと同様に、2Dの幾何学的図形の作図を補助するテンプレートからなる補足キット300が上記のキットに提供される。例えば、テンプレート301は、直角および鈍角などの、1つ以上の2Dの三角形の作図を補助することができる。同様に、テンプレート302は、二等辺三角形および凧形の作図を補助することができる。キット300の他の2Dテンプレートは、円、長方形などの作図を補助することができる。本発明の一実施形態によれば、2Dテンプレートのそれぞれは、幾何学的図形のそれぞれに関連する視覚的指示、例えば印刷された名称、角度名などを含んでもよい。
【0036】
本発明の実施形態を実例として説明してきたが、本発明は、特許請求の範囲を逸脱することなく、多くの変形、変更、および適用と共に実施され得ることが理解されよう。
【国際調査報告】