(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/23 20060101AFI20220314BHJP
C12N 1/14 20060101ALN20220314BHJP
【FI】
A61L2/23
C12N1/14 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525723
(86)(22)【出願日】2019-05-24
(85)【翻訳文提出日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 KR2019006288
(87)【国際公開番号】W WO2020111414
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0152263
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521202503
【氏名又は名称】ダンジン ネイチャー ワールド クーパレイティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,キョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ギ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C058
【Fターム(参考)】
4B065AA57X
4B065BB23
4B065BB26
4B065BD42
4B065BD43
4B065CA55
4C058AA01
4C058BB07
4C058JJ03
(57)【要約】
本発明は,家畜の糞尿をもって製造した堆肥粒子を合成樹脂と混合して多種多様な成形製品の原料となるペレットを準備して,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の容器などの射出,押出又は成形などの素材,すなわち,家畜の糞尿の活用で大気汚染,土壌汚染及び水質汚染を解消し,家畜の糞尿と共に合成樹脂の混合体をもって,焼却するに際して低炭素を可能にした環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材として活用するようにして,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化できるようにした環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて準備された堆肥粒子を合成樹脂,抗菌剤,結合剤,分散剤及びスリップ剤と共に熱混合及び押出ししつつカットして形成されたペレットからなり,
前記堆肥粒子にアクリル粉末をさらに加え,
前記堆肥粒子に油分をさらに加え,
前記ペレットは,前記堆肥粒子30~50wt%,前記合成樹脂30~50wt%,前記抗菌剤5~10wt%,前記結合剤2~3wt%,前記分散剤10~20wt%,前記スリップ剤0.5~1wt%,前記アクリル粉末0.1~1wt%,前記油分0.5~1wt%を含み,
前記合成樹脂は,ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)であり,
前記抗菌剤は,ポゾランであり,
前記結合剤は,無水マレイン酸であり,
前記分散剤は,酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)又は白雲石パウダーであり,
前記スリップ剤は,アミド系スリップ剤であることを特徴とする環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材。
【請求項2】
前記微生物培地は,キノコ培地であることを特徴とする請求項1記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材。
【請求項3】
前記堆肥腐熟用微生物は,バシラス及び乳酸菌であることを特徴とする請求項1記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材。
【請求項4】
前記油分は,流動パラフィンであることを特徴とする請求項1記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材。
【請求項5】
前記堆肥粒子は,前記家畜の糞尿66~75wt%,前記大鋸屑10~17wt%,前記微生物培地11~17wt%,前記堆肥腐熟用微生物0.1~0.7wt%を含むことを特徴とする請求項1又は請求項4記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材。
【請求項6】
前記家畜の糞尿は,牛糞50~58wt%,豚糞2~8wt%,鶏糞6~15wt%を含むことを特徴とする請求項1記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材。
【請求項7】
家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて堆肥粒子を準備するステップ(S10)と,
前記堆肥粒子を合成樹脂,抗菌剤,結合剤,分散剤及びスリップ剤と共に熱混合及び押出ししつつカットしてペレットを形成するステップ(S20)と,
を含み,
前記ステップS10は,
前記家畜の糞尿を前記大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合して堆肥混合物を準備するステップ(S11)と,
前記堆肥混合物に空気を注入しつつ攪拌して堆肥発酵物を準備するステップ(S12)と,
前記堆肥発酵物を後熟させて堆肥後熟物を準備するステップ(S13)と,
前記堆肥後熟物を乾燥させて堆肥乾燥物を準備するステップ(S14)と,
前記堆肥乾燥物を細かく砕いて前記堆肥粒子を準備するステップ(S15)と,
を含むことを特徴とする環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項8】
前記ステップS11において,前記堆肥混合物は,水分の含有量を50~70%にし,
前記ステップS12において,前記堆肥発酵物は,前記堆肥混合物を2ヵ月間発酵させて,水分の含有量を40~45%にし,
前記ステップS13において,前記堆肥後熟物は,前記堆肥発酵物を2ヵ月間後熟させて,水分の含有量を35~40%にし,
前記ステップS14において,前記堆肥乾燥物は,前記堆肥後熟物を乾燥させて,水分の含有量を5~10%にし,
前記ステップS15において,前記堆肥粒子は,前記堆肥乾燥物を砕いて,粒径を70~90meshにすることを特徴とする請求項7記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項9】
前記ステップS10において,前記微生物培地は,キノコ培地であることを特徴とする請求項7記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項10】
前記ステップS10において,前記堆肥腐熟用微生物は,バシラス及び乳酸菌であることを特徴とする請求項7記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項11】
前記ステップS20において,前記堆肥粒子にアクリル粉末をさらに加えることを特徴とする請求項7乃至請求項10いずれか一項に記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項12】
前記ステップS20において,前記堆肥粒子に油分をさらに加えることを特徴とする請求項11記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項13】
前記ステップS20において,前記油分は,流動パラフィンであることを特徴とする請求項12記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項14】
前記ステップS10において,前記堆肥粒子は,前記家畜の糞尿66~75wt%,前記大鋸屑10~17wt%,前記微生物培地11~17wt%,前記堆肥腐熟用微生物0.1~0.7wt%を含むことを特徴とする請求項12記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項15】
前記ステップS10において,前記家畜の糞尿は,牛糞50~58wt%,豚糞2~8wt%,鶏糞6~15wt%を含むことを特徴とする請求項12記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項16】
前記ステップS20において,前記ペレットは,前記堆肥粒子30~50wt%,前記合成樹脂30~50wt%,前記抗菌剤5~10wt%,前記結合剤2~3wt%,前記分散剤10~20wt%,前記スリップ剤0.5~1wt%,前記アクリル粉末0.1~1wt%,前記油分0.5~1wt%を熱混合及び押出ししつつカットして形成されることを特徴とする請求項12記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項17】
前記ステップS20において,熱混合は,70~80℃の温度で15~30分間行われることを特徴とする請求項16記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【請求項18】
前記ステップS20において,押出は,160~190℃の温度で行われることを特徴とする請求項17記載の環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法に係り,さらに詳しくは,家畜の糞尿をもって製造した堆肥粒子を合成樹脂と混合して多種多様な成形製品の原料となるペレットを準備し,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の産業容器の射出成形又は押出成形などの素材,すなわち,家畜の糞尿の活用で大気汚染,土壌汚染及び水質汚染を解消し,家畜の糞尿と共に合成樹脂と混合体とすることによって,焼却するに際して低炭素であることを可能にする環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に,家畜の糞尿としては,牛糞,豚糞,鶏糞などが挙げられるが,このような家畜の糞尿は,大気中に異臭を放つばかりではなく,土壌汚染はもとより,地下水までも汚染させる環境汚染の主犯となっている。
【0003】
本発明の出願人は,家畜の糞尿の処理の問題に苦慮していたところ,2016年12月21日付けで「牛糞を活かした植木鉢の製造方法」という名称の発明を大韓民国特許庁に特許出願して,2018年11月01日付けで大韓民国特許第1916213号(以下,先行技術文献と称する。)をもって登録を受けた。
【0004】
先行技術文献に開示されている牛糞を活かした植木鉢の製造方法は,牛糞を乾燥機を用いて150℃で140~150分間乾燥するステップ(ステップ1)と,前記乾燥された牛糞を成形して成形物を製造するステップ(ステップ2)と,前記成形物の内部を100℃で60分間乾燥するステップ(ステップ3)と,前記内部が乾燥させられた成形物の外部を150℃で140~150分間乾燥して植木鉢を製造するステップ(ステップ4)と,を含み,前記ステップ1における前記乾燥後の牛糞の水分含有量は,50~55重量%であり,前記ステップ4における前記乾燥後の前記植木鉢の内部の水分含有量は,35重量%であり,前記植木鉢の外部の水分含有量は20重量%とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術文献には,牛糞を乾燥させた成形物をもって植木鉢を製造することが記載されているが,このような先行技術文献に開示されている牛糞を活かした植木鉢の製造方法は,水分に弱いだけではなく,外部の衝撃に破損し易いため長寿命を保証することができないという限界を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は,家畜の糞尿をもって製造した堆肥粒子を合成樹脂と混合して多種多様な成形製品の原料となるペレットとして準備し,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の容器などの射出成形,押出成形などの素材,すなわち,家畜の糞尿の活用で大気汚染,土壌汚染及び水質汚染を解消し,家畜の糞尿とともに合成樹脂の混合体をもって,焼却するに際して発生する炭素を低炭素に可能にする環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は,水分及び衝撃に強く,長寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化できるようにする環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法を提供するところにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物とともに混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて堆肥粒子を準備し,大鋸屑による水分の吸収を可能にし,大鋸屑及び家畜の糞尿を微生物培地及び堆肥腐熟用微生物とともに攪拌及び発酵させて家畜の糞尿の積極的な分解を実現しながら,後熟及び乾燥をもってさらなる発酵及び分解を行うとともに,水分までも取り除いて合成樹脂との結合しやすさを実現できるようにする環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法を提供するところにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は,堆肥粒子を合成樹脂と混合しつつ結合剤で結合するとともに,抗菌剤で細菌を根絶しつつ分散剤で製品を成形するときの収縮率を最小化させ,かつ,スリップ剤をもって製品を成形するときの脱型が行われ易いように熱混合及び押出ししつつカットして形成されたペレットを用意することにより,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の容器及び部品などの射出成形,押出成形などの成形素材,すなわち,環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材として活用することを可能にして,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化させることのできる環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法を提供するところにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明は,家畜の糞尿をもって製造した堆肥粒子を合成樹脂と混合して多種多様な成形製品の原料となるペレットを準備して,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の容器などの射出成形,押出成形などの素材とし,すなわち,家畜の糞尿の活用で大気汚染,土壌汚染及び水質汚染を解消し,家畜の糞尿とともに合成樹脂の混合体をもって,焼却するに際して低炭素化を可能にするという効果を奏する。
【0011】
また,本発明は,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化できるようにするという効果を奏する。
【0012】
さらに,本発明は,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物とともに混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて堆肥粒子を用意して,大鋸屑による水分の吸収を可能にし,大鋸屑及び家畜の糞尿を微生物培地及び堆肥腐熟用微生物とともに攪拌及び発酵させて家畜の糞尿の積極的な分解を実現しながら,後熟及び乾燥をもってさらなる発酵及び分解を行うと共に,水分までも取り除いて合成樹脂との容易な結合を実現できるようにするという効果を奏する。
【0013】
さらにまた,本発明は,堆肥粒子を合成樹脂と共に混合しつつ結合剤で結合すると共に,抗菌剤で細菌を根絶しつつ分散剤で製品を成形するときの収縮率を最小化させ,かつ,スリップ剤をもって製品を成形するときの脱型が行われ易いように熱混合及び押出ししつつカットして形成されたペレットを用意することにより,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の容器及び部品などの射出,押出又は成形などの素材,すなわち,環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材として活用することを可能にして,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化させることができるという効果を奏する。
【0014】
本発明は,大鋸屑の中に混合されている家畜の糞尿を発酵及び分解させると共に,家畜の糞尿の発酵をさらに促してより分解させ易くすることができるという効果を奏する。
【0015】
本発明は,合成樹脂の成分に類似の性質をもって堆肥粒子と結合し易くし,ひいては,堆肥粒子及び合成樹脂をもってペレットに仕上げられるときにコーティング層をなして長期にわたって保管するときに水分に弱いという現象を克服できるようにするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法を示す工程図である。
【
図2】本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法に適用される家畜の糞尿を堆肥粒子にする過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の技術的な解決方法としての環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材は,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて用意された堆肥粒子を合成樹脂,抗菌剤,結合剤,分散剤及びスリップ剤と共に熱混合及び押出ししつつカットして形成されたペレットからなり,
前記堆肥粒子にアクリル粉末をさらに加え,
前記堆肥粒子に油分をさらに加え,
前記ペレットは,前記堆肥粒子30~50wt%,前記合成樹脂30~50wt%,前記抗菌剤5~10wt%,前記結合剤2~3wt%,前記分散剤10~20wt%,前記スリップ剤0.5~1wt%,前記アクリル粉末0.1~1wt%,前記油分0.5~1wt%を含み,
前記合成樹脂は,ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)であり,
前記抗菌剤は,ポゾランであり,
前記結合剤は,無水マレイン酸であり,
前記分散剤は,酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)又は白雲石パウダーであり,
前記スリップ剤は,アミド系スリップ剤である
ことをその技術的な構成上の基本的な特徴とする。
【0018】
本発明の技術的な解決方法としての環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法は,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて堆肥粒子を準備するステップ(S10)と,
前記堆肥粒子を合成樹脂,抗菌剤,結合剤,分散剤及びスリップ剤と共に熱混合及び押出ししつつカットしてペレットを形成するステップ(S20)と,
を含み,
前記ステップS10は,
前記家畜の糞尿を前記大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合して堆肥混合物を準備するステップ(S11)と,
前記堆肥混合物に空気を注入しつつ攪拌して堆肥発酵物を準備するステップ(S12)と,
前記堆肥発酵物を後熟させて堆肥後熟物を準備するステップ(S13)と,
前記堆肥後熟物を乾燥させて堆肥乾燥物を準備するステップ(S14)と,
前記堆肥乾燥物を細かく砕いて前記堆肥粒子を準備するステップ(S15)と,
を含むことをその技術的な構成上の基本的な特徴とする。
【0019】
本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材及びその製造方法の好適な実施形態について図面を参照して説明し,その実施形態として多数が存在してもよく,このような実施形態を通して本発明の目的,特徴及びメリットなどについて理解することがなお一層容易になる。
【0020】
本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材は,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて準備された堆肥粒子を合成樹脂,抗菌剤,結合剤,分散剤及びスリップ剤と共に熱混合及び押出ししつつカットして形成されたペレットからなる。
【0021】
家畜の糞尿は,大気汚染,土壌汚染及び水質汚染の主な要因となっており,これと同様に,合成樹脂もまた数十年乃至数百年経っても腐らないばかりではなく,焼却する際に二酸化炭素が飛散して大気を甚だしく汚染しながら,人体に致命的な環境汚染を引き起こす主因となっている。
【0022】
このような事情に鑑みて,本発明は,家畜の糞尿をもって製造した堆肥粒子を合成樹脂と混合して多種多様な成形製品の原料となるペレットを準備し,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の産業容器などの射出成形,押出成形などの素材とし,すなわち,家畜の糞尿の活用で大気汚染,土壌汚染及び水質汚染を解消し,家畜の糞尿と共に合成樹脂の混合体をもって,焼却するに際して低炭素で行うことを可能にした環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材として活用するようにして,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化できるようにした発明である。
【0023】
特に,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,粉砕して堆肥粒子を準備することにより,大鋸屑による水分の吸収を可能にし,大鋸屑及び家畜の糞尿を微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に攪拌及び発酵させて家畜の糞尿の積極的な分解を実現しつつ,後熟及び乾燥をもってさらなる発酵及び分解を行うと共に,水分までも取り除いて合成樹脂との結合しやすさを実現できるようにする。
【0024】
このように細かく砕かれて準備された堆肥粒子を合成樹脂と共に混合しつつ結合剤で結合すると共に,抗菌剤で細菌を根絶しつつ分散剤で製品を成形するときの収縮率を最小化させ,かつ,スリップ剤をもって製品を成形するときの脱型が行われ易いように熱混合及び押出ししつつカットして形成されたペレットを準備することにより,農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の産業容器及び産業部品などの射出成形,押出成形などの素材,すなわち,環境にやさしい低炭素分解性抗菌成形素材として活用することを可能にして,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化できるようにする。
【0025】
このとき,微生物培地は,キノコ培地であり,堆肥腐熟用微生物は,バシラス及び乳酸菌であってもよく,具体的には,キノコ培地は,大鋸屑の中に混合されている家畜の糞尿を容易に発酵及び分解させ,バシラス及び乳酸菌は,大鋸屑の中に混合されている家畜の糞尿の発酵を促してさらに分解させ易くする。
【0026】
好ましくは,堆肥粒子にアクリル粉末をさらに加えて,合成樹脂の成分に似た性質をもって堆肥粒子と結合し易くし,ひいては,堆肥粒子に流動パラフィンなどの油分をさらに加えてペレットに仕上げられるときにコーティング層をなして長期にわたって保管するときに水分に弱いという現象を克服できるようにする。
【0027】
好ましくは,堆肥粒子は,家畜の糞尿66~75wt%,大鋸屑10~17wt%,微生物培地11~17wt%,堆肥腐熟用微生物0.1~0.7wt%を含む。
【0028】
家畜の糞尿は,66wt%以下である場合,ペレットを形成する上で環境汚染の防止に対する効率が低く,75wt%以上である場合,水分を過剰に含有してしまうため好ましくなく,大鋸屑は,10wt%以下である場合,家畜の糞尿の水分を低減し難く,17wt%以上である場合,相対的に家畜の糞尿の組成比が低くなるため,ペレットを形成する上で効率性が低く,微生物培地は,11wt%以下である場合に発酵率が低く,17wt%以上である場合,むしろ大鋸屑を腐敗させ過ぎるため好ましくなく,堆肥腐熟用微生物は,0.1wt%以下である場合,発酵率及び腐熟率が低く,0.7wt%以上である場合,大鋸屑を腐敗させ過ぎるため好ましくない。
【0029】
因みに,家畜の糞尿は,牛糞50~58wt%,豚糞2~8wt%,鶏糞6~15wt%を含んでいてもよい。
【0030】
牛糞は,繊維質に富んでいるため,50wt%以下である場合,相対的に繊維質が少ない豚糞及び鶏糞の組成比が高くなるため好ましくなく,58wt%以上である場合,環境汚染の主犯である豚糞及び牛糞が占める組成比が低くなるため好ましくなく,豚糞は,水分の含有量が高いことを考慮して,最小2wt%,且つ,最大8wt%に限定し,ひいては,鶏糞もまた,豚糞よりは少ないものの,水分の含有量が高いため,最小6wt%,かつ,最大15wt%に限定する。
【0031】
一方,ペレットは,堆肥粒子30~50wt%,合成樹脂30~50wt%,抗菌剤5~10wt%,結合剤2~3wt%,分散剤10~20wt%,スリップ剤0.5~1wt%,アクリル粉末0.1~1wt%,油分0.5~1wt%を含む。
【0032】
環境汚染源である家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて準備された堆肥粒子と,環境汚染源である合成樹脂を,堆肥粒子の割合と同じ割合である30~50wt%にして,堆肥粒子の弱い物性,すなわち,強度に弱い物性を合成樹脂をもって補う一方で,合成樹脂(ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET))の弱い物性,すなわち,数十年乃至数百年経っても腐らない物性を堆肥粒子をもって補って,大気汚染,土壌汚染,水質汚染などの環境汚染を最小化できるようにする。
【0033】
抗菌剤としては,堆肥粒子の中に含有されている各種の菌を滅菌させるためにポゾランを適用することができ,このようなポゾラン(Pozzolan)は,遠赤外線の波長率が93~94%であり,かつ,ゲルマニウム3~4ppmのアルカリ成分を有していることから,空気の浄化,殺菌作用,重金属の浄化,悪臭の除去,脱臭,毒性の中和などの効能に優れており,その結果,牛糞,豚糞及び鶏糞の中に存在する各種の細菌を消滅させてなお一層安全に使用できるようにし,5wt%以下である場合,滅菌効果が低く,さらに,抗菌の最大値である10wt%以下に限定する。
【0034】
結合剤としては,堆肥粒子及び合成樹脂の相互間の強固な結合のために無水マレイン酸(Maleic Anhydride)を適用することができ,このような無水マレイン酸は,熱混合及び熱攪拌に際して合成樹脂及び堆肥粒子の融合を可能にし,2wt%以下である場合,堆肥粒子及び合成樹脂の相互間の結合力を保つことができず,約3wt%である場合,堆肥粒子及び合成樹脂の相互間の結合力を最大限に保つことができるため好ましい。
【0035】
分散剤としては,堆肥粒子及び合成樹脂の相互間の結合により準備されたペレットを活用して,各種の農水畜産用品や産業部品を射出,押出又は成形した後に硬化させるときに収縮による誤差を最小化させるために,すなわち,収縮率を最小化させるために,白雲石パウダーを適用することができ,このような白雲石パウダーは,その固有の成分である酸化カルシウム(CaO)及び酸化マグネシウム(MgO)を通して堆肥粒子及び合成樹脂の中に含有されてペレットとして準備された後,産業部品を製作するときにその収縮率を最小化させる作用をするものであって,10wt%以下である場合,収縮率が低く,20wt%までである場合に,収縮率を最適にすることができるため好ましい。
【0036】
スリップ剤としては,堆肥粒子及び合成樹脂の相互間の結合により準備されたペレットを活用して,各種の農水畜産用品や産業部品を射出,押出又は成形した後に硬化させるときに表面の摺動性(滑り性)を向上させて脱型が行われ易いように,アミド系スリップ剤を適用することができ,このようなアミド系スリップ剤としては,脂肪酸から合成されたアミド系の高い融点を有し,ヒドロキシル(Hydroxyl)基がアミノ(Amino)構造に置換されて中性的な構造を有している化合物を用いることができる。
【0037】
アミド系スリップ剤の例としては,エルカミド(erucamide),オレアミド(Oleamide),ベヘンアミド(behenamide),ステアラミド(stearamide),ステアリルステアラミド(stearyl stearamidel),ステアリルエルカミド(stearyl erucamide),オレイルパルミチルアミド(oleylpalmityl amide)が挙げられ,これらのアミド系スリップ剤は,堆肥粒子及び合成樹脂の中に含有されてペレットとして準備された後,産業部品を製作するときに金型から脱型され易くするものであって,0.5wt%以下である場合,脱型し難く,1wt%までである場合,最適に脱型することができるため好ましい。
【0038】
アクリル粉末は,合成樹脂の成分に似た性質をもって堆肥粒子と結合し易くするものであって,0.1wt%以下である場合,合成樹脂及び堆肥粒子の相互間の結合力に影響を及ぼすことができず,1wt%までである場合,堆肥粒子及び合成樹脂の相互間の結合力を最適にすることができるため好ましい。
【0039】
油分は,ペレットに仕上げられるときにコーティング層をなして長期にわたって保管するときに水分に弱いという現象を克服できるようにするものであって,油分として流動パラフィンを適用することができ,このような流動パラフィンは,0.5wt%以下である場合にコーティング力を発揮することができず,1wt%までである場合,ペレットのコーティング力を最適にすることができるため好ましい。
【0040】
図1は,本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法を示す工程図であり,
図2は,本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法に適用された家畜の糞尿を堆肥粒子にする過程を示すフローチャートである。
【0041】
本発明に係る環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材の製造方法は,
図1に示すように,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて堆肥粒子を準備し(S10),堆肥粒子に合成樹脂,抗菌剤,結合剤,分散剤及びスリップ剤と共に熱混合及び押出ししつつカットしてペレットを形成する工程(S20)からなる。
【0042】
家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて堆肥粒子を準備するステップ(S10)により,大鋸屑による水分の吸収を可能にし,大鋸屑及び家畜の糞尿を微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に攪拌及び発酵させて家畜の糞尿の積極的な分解を実現しながら,後熟及び乾燥をもってさらなる発酵及び分解を行うと共に,水分までも取り除いて合成樹脂との結合しやすさを実現できるようにし,ひいては,このように細かく砕かれて準備された堆肥粒子を合成樹脂と共に混合しつつ結合剤で結合すると共に,抗菌剤で細菌を根絶しつつ分散剤で製品を成形するときの収縮率を最小化させ,かつ,スリップ剤をもって製品を成形するときの脱型が行われ易いように熱混合及び押出しつつカットして形成されたペレットを形成するステップ(S20)により,環境にやさしい低炭素分解性抗菌素材を準備して,後続する農水畜産用品や産業用品,自動車部品又は各種の容器などの射出,押出又は成形などを可能にし,このような製品を通して,水分及び衝撃に強く,寿命を保証することができるだけではなく,焼却ないしは分解に際しての環境汚染までも極小化させることが可能になる。
【0043】
より具体的に,前記ステップS10は,
図2に示すように,家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合して堆肥混合物を準備し(S11),堆肥混合物に空気を注入しつつ攪拌して堆肥発酵物を準備し(S12),堆肥発酵物を後熟させて堆肥後熟物を準備し(S13),堆肥後熟物を乾燥させて堆肥乾燥物を準備した後(S14),堆肥乾燥物を細かく砕いて堆肥粒子を準備するステップ(S15)からなる。
【0044】
家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合して堆肥混合物を準備した後,この堆肥混合物に空気を注入しつつ攪拌して堆肥発酵物を準備することにより,攪拌に際して空気による堆肥混合物の均一な発酵が可能になり,このような堆肥発酵物を貯蔵庫において再び後熟させて,すなわち,再び熟成させて十分に発酵された堆肥後熟物を準備した後,乾燥させて堆肥乾燥物にし,次いで,これらの堆肥乾燥物を細かく砕いて堆肥粒子を準備した後,合成樹脂と結合し易くする。
【0045】
このとき,前記ステップS11において,堆肥混合物は,水分の含有量を50~70%にし,前記ステップS12において,堆肥発酵物は,堆肥混合物を2ヵ月間発酵させて,水分の含有量を40~45%にし,前記ステップS13において,堆肥後熟物は,堆肥発酵物を2ヵ月間後熟させて,水分の含有量を35~40%にし,前記ステップS14において,堆肥乾燥物は,堆肥後熟物を乾燥させて,水分の含有量を5~10%にし,前記ステップS15において,堆肥粒子は,堆肥乾燥物を砕いて,粒径を70~90meshにする。
【0046】
具体的に,家畜の糞尿は,ほとんどが水分からなるが,本発明においては,大鋸屑を入れて水分の含有量を50~70%に調整し,このとき,水分の含有量が50%以下である場合,大鋸屑が多くなり過ぎて合成樹脂と結合され難く,水分の含有量が70%以上である場合,発酵及び後熟が行われ難いため好ましくない。
【0047】
次いで,堆肥混合物を2ヵ月間十分に発酵させて水分の含有量を40~45%に低くして堆肥発酵物を準備し,再び堆肥発酵物を2ヵ月間貯蔵庫において十分に後熟させて水分の含有量が35~40%である堆肥後熟物を準備し,再び堆肥後熟物を乾燥させて水分の含有量が5~10%である堆肥乾燥物を準備した後,70~90meshに細かく砕いて合成樹脂と結合し易くする。
【0048】
一方,前記ステップS10において,微生物培地は,キノコ培地であり,前記ステップS10において,堆肥腐熟用微生物は,バシラス及び乳酸菌であってもよい。
【0049】
キノコ培地は,大鋸屑の中に混合されている家畜の糞尿を発酵及び分解させ,バシラス及び乳酸菌もまた,大鋸屑の中に混合されている家畜の糞尿の発酵を促してさらに分解され易くする。
【0050】
さらに,前記ステップS20において,堆肥粒子にアクリル粉末をさらに加えて,合成樹脂の成分に似た性質をもって堆肥粒子と結合し易くし,ひいては,前記ステップS20において,堆肥粒子に流動パラフィンなどの油分をさらに加えてペレットに仕上げられるときにコーティング層をなして長期にわたって保管するときに水分に弱いという現象を克服できるようにする。
【0051】
一方,前記ステップS10において,堆肥粒子は,家畜の糞尿66~75wt%,大鋸屑10~17wt%,微生物培地11~17wt%,堆肥腐熟用微生物0.1~0.7wt%を含んでいてもよい。
【0052】
家畜の糞尿は,66wt%以下である場合,ペレットを形成する上で効率性が低く,75wt%以上である場合,水分を過剰に含有してしまうため好ましくなく,大鋸屑は,10wt%以下である場合,家畜の糞尿の水分を希釈し難く,17wt%以上である場合,相対的に家畜の糞尿の組成比が低くなるため,ペレットを形成する上で効率性が低く,微生物培地は,11wt%以下である場合,発酵率が低く,17wt%以上である場合,むしろ大鋸屑を腐敗させ過ぎるため好ましくなく,堆肥腐熟用微生物は,0.1wt%以下である場合,発酵率及び腐熟率が低く,0.7wt%以上である場合,大鋸屑を腐敗させ過ぎるため好ましくない。
【0053】
因みに,前記ステップS10において,家畜の糞尿は,牛糞50~58wt%,豚糞2~8wt%,鶏糞6~15wt%を含んでいてもよい。
【0054】
牛糞は,繊維質に富んでいるため,50wt%以下である場合,相対的に繊維質が少ない豚糞及び鶏糞の組成比が高くなるため好ましくなく,58wt%以上である場合,環境汚染の主犯である豚糞及び牛糞が占める組成比が低くなるため好ましくなく,豚糞は,水分の含有量が高いことを考慮して,最小2wt%,かつ,最大8wt%に限定し,ひいては,鶏糞もまた,豚糞よりは少ないものの,水分の含有量が高いため,最小6wt%,かつ,最大15wt%に限定する。
【0055】
前記ステップS20において,ペレットは,堆肥粒子30~50wt%,合成樹脂30~50wt%,抗菌剤5~10wt%,結合剤2~3wt%,分散剤10~20wt%,スリップ剤0.5~1wt%,アクリル粉末0.1~1wt%,油分0.5~1wt%を熱混合及び押出ししつつカットして形成される。
【0056】
環境汚染源である家畜の糞尿を大鋸屑,微生物培地及び堆肥腐熟用微生物と共に混合,攪拌,発酵,後熟及び乾燥させた後,細かく砕いて準備された堆肥粒子と,環境汚染源である合成樹脂を堆肥粒子の割合と同じ割合である30~50wt%にして,堆肥粒子の弱い物性,すなわち,強度に弱い物性を合成樹脂をもって補う一方で,合成樹脂(ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET))の弱い物性,すなわち,数十年乃至数百年経っても腐らない物性を堆肥粒子をもって補って,大気汚染,土壌汚染,水質汚染などの環境汚染を最小化できるようにする。
【0057】
好ましくは,前記ステップS20において,熱混合は,70~80℃の温度で15~30分間行われて,堆肥粒子及び合成樹脂を混合し易くし,このとき,70℃以下及び18分以下である場合,堆肥粒子の中に合成樹脂が円滑に混合されないため好ましくなく,80℃以上及び30分以上である場合,堆肥粒子に合成樹脂が均一に混合される前に合成樹脂が溶融されてしまうという現象が生じるため好ましくない。
【0058】
さらに,前記ステップS20において,押出しは,160~190℃の温度で行われるようにして,堆肥粒子入り合成樹脂が160℃から190℃に至るまで容易に溶融されながら速やかに押出しできるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は,土壌汚染,地下水の汚染,大気汚染などの環境汚染を防ぐと共に,各種の農水畜産用品や産業部品を合成樹脂で製作しようとする産業分野において利用可能である。
【国際調査報告】