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特表2022-519161ハイブリッドTFTベースのマイクロディスプレイプロジェクタのためのアーキテクチャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】ハイブリッドTFTベースのマイクロディスプレイプロジェクタのためのアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220314BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20220314BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20220314BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220314BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20220314BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/33
G09F9/30 310
G09G3/32 A
G09G3/20 641A
G09G3/20 624B
G09G3/20 680A
H01L33/62
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535760
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 US2020015553
(87)【国際公開番号】W WO2020163127
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/801,424
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/660,643
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/861,254
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/863,659
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】フェイスブック・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FACEBOOK TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】特許業務法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】モリス, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴワード, ジョン
【テーマコード(参考)】
2H199
5C080
5C094
5C380
5F142
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA43
2H199CA49
2H199CA53
2H199CA62
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA70
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA96
2H199CA97
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC03
5C080CC04
5C080EE19
5C080EE29
5C080KK50
5C094AA15
5C094AA21
5C094AA22
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094DB01
5C094EB05
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB14
5C094HA10
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB34
5C380AB35
5C380AB40
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC34
5C380CC45
5C380CC62
5C380CC63
5C380CD012
5C380CD013
5C380CF52
5C380CF66
5C380DA07
5C380DA33
5C380DA42
5C380DA44
5F142CA11
5F142CB14
5F142CG07
5F142CG27
5F142EA02
5F142EA31
5F142FA46
5F142GA02
(57)【要約】
人工現実ヘッドセットにおけるニアアイディスプレイなどの、小型の高解像度発光ダイオード(LED)ディスプレイの場合、LEDは、互いに近接して間隔がおかれている。バックプレーンは、LEDディスプレイにおけるLEDのアレイを駆動するために使用され得る。複数の相互接続が、バックプレーンをLEDのアレイに電気的に結合する。LED間の間隔が、相互接続間隔よりも小さくなるにつれて、薄膜回路層は、バックプレーンとLEDのアレイとの間の数または相互接続を減少させるために使用され得る。それによって、相互接続間隔が、LED間隔よりも大きくなり得る。これによって、駆動回路を有するシリコンバックプレーンの使用がLEDディスプレイにおけるLEDの動作を制御することがやはり可能となると同時に、LEDディスプレイにおけるLEDがより密集して配列されることが可能となり得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および前記第1のドープ半導体層と前記第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイと、
前記LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、前記LEDのアレイが、前記薄膜回路層のための支持構造であり、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するための回路を含む、薄膜回路層と、
複数のメタルボンドを用いて前記薄膜回路層に結合されたバックプレーンであって、前記複数のメタルボンドを通して前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、前記複数のメタルボンドの数が、前記LEDのアレイ内のLEDの数よりも少ない、バックプレーンと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記LEDのアレイが、発光側および前記発光側の反対側を有し、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイの前記発光側の前記反対側の上に堆積され、
前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するためのピクセル回路を形成するように相互接続されたトランジスタおよびキャパシタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピクセル回路が、前記LEDのアレイ内のLEDの強度を制御するためにアナログのパルス符号変調またはパルス幅変調を実施する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ピクセル回路のストレージキャパシタが、1つまたは複数の選択信号によってデータラインに結合されるように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
ピクセル回路が、前記バックプレーンと前記薄膜回路層との間のメタルボンドの数を減少させるように相互接続される、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記バックプレーンが、前記複数のメタルボンドのうちのメタルボンドを通してグローバル信号を前記薄膜回路層に送信するように構成され、前記グローバル信号が、行データライン、列データライン、アナログバイアス、電圧供給、パルスクロック、またはテスト有効化特徴のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記薄膜回路層が、セレクタマルチプレクサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記セレクタマルチプレクサが、前記薄膜回路層の複数のトランジスタに電気的に結合された、前記薄膜回路層の共通信号線を含み、
前記共通信号線からの電流が周期的に前記複数のトランジスタのそれぞれを通過するように、前記複数のトランジスタが、交互に活性化するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
一意のアドレスが、前記LEDのアレイ内の各LEDに割り当てられ、
制御信号が、前記一意のアドレスと、前記LEDのアレイ内の選択されたLEDの動作を制御する動作信号と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記動作信号が、前記選択されたLEDを通って流れる電流の大きさを制御するように構成され、
前記動作信号が、前記選択されたLEDに電流が流れる期間内の時間の割合を表すデジタル信号を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
半導体構造を得ることであって、前記半導体構造が、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および前記第1のドープ半導体層と前記第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造である、半導体構造を得ることと、
前記半導体構造上に薄膜回路層を堆積することと、
前記発光層からの発光を制御するために前記薄膜回路層に回路を形成することと、
バックプレーンを得ることであって、前記バックプレーンが、複数のメタルボンドを通して前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを得ることと、
前記薄膜回路層または前記バックプレーン上に複数の相互接続を形成することと、
前記複数の相互接続を用いて前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接着することであって、前記複数の相互接続が、接着後に前記複数のメタルボンドになる、前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接着することと、
前記半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、前記複数のメタルボンドの数が、前記LEDのアレイ内のLEDの数よりも少なく、前記LEDのアレイが、発光側および前記発光側の反対側を有し、前記薄膜回路層が、前記発光側の前記反対側の上に堆積される、LEDのアレイを形成することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記バックプレーンを得ることが、シリコンウェハのシリコンデバイス層に複数のCMOSトランジスタおよび相互接続を形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記LEDのアレイを形成することが、前記半導体構造をシンギュレートすることを含み、前記半導体構造をシンギュレートすることが、前記バックプレーンを前記薄膜回路層に接着する前に生じる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記バックプレーンが、接着の前に前記バックプレーンに形成された電気回路を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ニアアイディスプレイのためのシステムであって、
フレームと、
前記フレームに結合された導波路ディスプレイと、
光源を含むプロジェクタとを備え、前記プロジェクタが、前記導波路ディスプレイに光を向けるように構成され、前記光源が、
第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および前記第1のドープ半導体層と前記第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイ、
前記LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、前記LEDのアレイが、前記薄膜回路層のための支持構造であり、前記薄膜回路層が、前記LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するための回路を含む、薄膜回路層、ならびに
複数のメタルボンドを用いて前記薄膜回路層に結合されたバックプレーンであって、前記複数のメタルボンドを通して前記薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、前記複数のメタルボンドの数が、前記LEDのアレイ内のLEDの数よりも少ない、バックプレーンを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年2月5日に出願された米国出願第62/801,424号および2019年10月22日に出願された米国出願第16/660,643号の優先権を主張する。米国出願第62/801,424号および第16/660,643号の内容は、全ての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ディスプレイ用のマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)に関する。
【0003】
より詳細には、本開示は、制御回路を有するディスプレイデバイスの統合に関する。
【背景技術】
【0004】
発光ダイオード(LED)は、電気エネルギーを光エネルギーに変換し、サイズの縮小、耐久性の向上、および効率性の増大など、他の光源よりも多くの利益をもたらす。LEDは、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、投影システム、およびウェアラブル電子デバイスなどの、多くのディスプレイシステムにおいて光源として使用され得る。AlN、GaN、InNなどの合金などのIII-V族およびIII族窒化物半導体に基づくマイクロLED(「μLED」)は、その(例えば、100μm未満、50μm未満、10μm未満、または5μm未満の長さ寸法を有する)小型サイズ、高充填密度(および、したがってより高い解像度)、ならびに高輝度に起因して、様々なディスプレイ用途のために開発され始めている。例えば、異なる色(例えば、赤、緑、および青)の光を発するマイクロLEDが、テレビまたはニアアイディスプレイシステムなどのディスプレイシステムのサブピクセルを形成するために使用され得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、ディスプレイ用のマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)に関する。より詳細には、本開示は、制御回路を有するディスプレイデバイスの統合に関する。ディスプレイは、ユビキタスであり、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップ、TV、およびディスプレイシステムのコアコンポーネントである。今日の共通ディスプレイ技術は、発光ダイオード(LED)ディスプレイを含む。
【0006】
ディスプレイは、バックプレーン上でLEDディスプレイデバイスのアレイを組み立てることによって生成され得る。LEDディスプレイデバイスのアレイの1つまたは複数のLEDディスプレイデバイスは、ピクセルを形成するようにグループ化され得る。ディスプレイは、各ピクセルを制御する制御信号を発生させ得る。バックプレーンは、LEDディスプレイデバイスに対する、かつ電気的な接続を提供してLEDディスプレイデバイスに制御信号を送信するための構造的支持を提供し得る。LEDディスプレイデバイスのバックプレーンとの統合は、バックプレーン上のLEDデバイスの製作だけでなくピクセルレベルの相互接続に影響を及ぼすことがあり、その全てがLEDディスプレイデバイスの性能に影響を及ぼす場合がある。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、発光ダイオード(LED)のアレイ、LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層、および複数のメタルボンドを用いて薄膜回路層と結合されたバックプレーンを含む装置が提供される。LEDのアレイは、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造でできている。LEDのアレイは、薄膜回路層のための支持構造である。薄膜回路層は、LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するための回路を含む。バックプレーンは、複数のメタルボンドを通して薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を有する。複数のメタルボンドの数は、LEDのアレイ内のLEDの数よりも少ない。いくつかの実施形態では、LEDのアレイが、発光側および発光側の反対側を有し、薄膜回路層は、LEDのアレイの発光側の反対側の上に堆積され、薄膜回路層が、LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するためのピクセル回路を形成するように相互接続されたトランジスタおよびキャパシタを含む。ピクセル回路は、好ましくは、LEDのアレイ内のLEDの強度を制御するためにアナログのパルス符号変調またはパルス幅変調を実施する。ピクセル回路のストレージキャパシタは、好ましくは、1つまたは複数の選択信号によってデータラインに結合されるように構成される。ピクセル回路は、好ましくは、バックプレーンと薄膜回路層との間のメタルボンドの数を減少させるように相互接続される。いくつかの実施形態では、単一のピクセル回路は、複数の行選択信号に接続され得る。バックプレーンは、好ましくは、複数のメタルボンドのうちのメタルボンドを通してグローバル信号を薄膜回路層に送信するように構成され、グローバル信号は、行データライン、列データライン、アナログバイアス、電圧供給、パルスクロック、またはテスト有効化特徴のうちの1つまたは複数を含む。好ましい実施形態では、薄膜回路層のトランジスタは、グローバルネットを充電する/放電するために使用されない。薄膜回路層は、好ましくは、セレクタマルチプレクサを含む。セレクタマルチプレクサは、好ましくは、薄膜回路層の複数のトランジスタに電気的に結合された、薄膜回路層の共通信号線を含み、共通信号線からの電流が周期的に複数のトランジスタのそれぞれを通過するように、複数のトランジスタが、交互に活性化するように構成される。薄膜回路層は、好ましくは、メモリ回路および変調器回路を含む。いくつかの好ましい実施形態では、一意のアドレスが、LEDのアレイ内の各LEDに割り当てられ、制御信号は、一意のアドレスと、LEDのアレイ内の選択されたLEDの動作を制御するための動作信号と、を含む。いくつかの好ましい実施形態では、動作信号が、選択されたLEDを通って流れる電流の大きさを制御するように構成され、動作信号が、選択されたLEDに電流が流れる期間内の時間の割合を表すデジタル信号を含む。いくつかの実施形態では、LEDの中心間の間隔は、好ましくは、3ミクロンよりも離れていない。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、半導体構造を得ることであって、半導体構造が、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造である、半導体構造を得ること、半導体構造上に薄膜回路層を堆積すること、発光層からの発光を制御するために薄膜回路層に回路を形成すること、バックプレーンを得ることであって、バックプレーンが、複数のメタルボンドを通して薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを得ること、薄膜回路層またはバックプレーン上に複数の相互接続を形成すること、複数の相互接続を用いてバックプレーンを薄膜回路層に接着することであって、複数の相互接続が、接着後に複数のメタルボンドになる、バックプレーンを薄膜回路層に接着すること、ならびに/または半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、複数のメタルボンドの数が、LEDのアレイ内のLEDの数よりも少なく、LEDのアレイが、発光側および発光側の反対側を有し、薄膜回路層が、発光側の反対側の上に堆積される、LEDのアレイを形成すること、を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、バックプレーンを得ることは、好ましくは、シリコンウェハのシリコンデバイス層に複数のCMOSトランジスタおよび相互接続を形成することを含む。いくつかの実施形態では、LEDのアレイを形成することは、好ましくは、半導体構造をシンギュレートすることを含み、半導体構造をシンギュレートすることが、バックプレーンを薄膜回路層に接着する前に生じる。いくつかの実施形態では、薄膜回路層は、ウェハレベルの上の半導体構造上に形成される。いくつかの実施形態では、バックプレーンは、好ましくは、接着の前にバックプレーンに形成された電気回路を含む。
【0009】
第1の態様のいくつかの実施形態によれば、装置は、発光ダイオード(LED)のアレイと、LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層と、複数のメタルボンドを用いて薄膜回路層に結合されたバックプレーンと、を含む。LEDのアレイは、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造でできている。LEDのアレイは、薄膜回路層のための支持構造である。薄膜回路層は、LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するための回路を含む。バックプレーンは、複数のメタルボンドを通して薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を有する。複数のメタルボンドの数は、LEDのアレイ内のLEDの数よりも少ない。複数のメタルボンドは、好ましくは、薄膜回路層をバックプレーンに接着する間のウォークオフを減少させるために、摂氏300度未満の融解点または接着温度を有する材料でできている。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のメタルボンドは、好ましくは、ナノ多孔質銅を含む。複数のメタルボンドのメタルボンド間の間隔は、好ましくは、5ミクロン以上かつ18ミクロン以下である。LEDのアレイは、好ましくは、LEDのカウントを含み、複数のメタルボンドは、メタルボンドのカウントに対応し、メタルボンドのカウントは、LEDのカウントより少なくとも2桁少ない大きさである。LEDのアレイは、好ましくは、フットプリントを占め、複数のメタルボンドは、フットプリント上に分散している。LEDのアレイ内の各LEDは、好ましくは、結晶半導体構造で形成され、薄膜回路層は、LEDのアレイの結晶半導体構造に合致する格子ではない。いくつかの実施形態では、薄膜回路層は、好ましくは、アモルファス構造、または多結晶構造を有する半導体材料を含む。いくつかの実施形態では、薄膜回路層は、好ましくは、c軸配向結晶性インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶質シリコン(LTPS)、またはアモルファスシリコン(a-Si)のうちの少なくとも1つを含む材料を含む。LEDのアレイは、好ましくは、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、リン化インジウムガリウム(AlInGaP)、またはヒ化ガリウム(GaAs)のうちの少なくとも1つを含む材料を含む。バックプレーンの駆動回路は、好ましくは、単一結晶シリコンにある。バックプレーンの駆動回路は、好ましくは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)トランジスタを含む。
【0011】
第2の態様のいくつかの実施形態において、方法は、半導体構造を得ることであって、半導体構造が、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造である、半導体構造を得ることと、半導体構造上に薄膜回路層を堆積することと、発光層からの発光を制御するために薄膜回路層に回路を形成することと、バックプレーンを得ることであって、バックプレーンが、複数のメタルボンドを通して薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む、バックプレーンを得ることと、薄膜回路層またはバックプレーン上に複数のバンプを形成することであって、複数のバンプが、好ましくは、摂氏300度未満の融解点または接着温度を有する材料でできている、複数のバンプを形成することと、複数のバンプを用いてバックプレーンを薄膜回路層に接着することであって、接着することが、好ましくは、摂氏300度未満の温度を使用し、複数のバンプが、接着後に複数のメタルボンドになる、バックプレーンを薄膜回路層に接着することと、を含む。方法は、好ましくは、半導体構造から発光ダイオード(LED)のアレイを形成することであって、複数のメタルボンドの数が、LEDのアレイ内のLEDの数より少ない、LEDのアレイを形成することを含む。いくつかの実施形態では、バックプレーンを薄膜回路層に接着することは、摂氏200度未満の温度を使用する。LEDのアレイ内の複数のLEDは、好ましくは、バックプレーンを薄膜回路層に接着した後で、複数のメタルボンドのうちの1つのメタルボンドを通してバックプレーンから電流を受信するように構成される。LEDのアレイは、好ましくは、複数のタイルに分割され、複数のタイルのうちの各タイルは、LEDの複数の行を含み、複数の行のうちの行が、異なる時間に活性化されるように構成される。複数のメタルボンドのメタルボンド間の間隔は、好ましくは、5ミクロン以上かつ18ミクロン以下である。薄膜回路層に回路を形成することは、好ましくは、薄膜回路層における複数のトランジスタと、複数のトランジスタに電気的に結合された1つの制御ラインと、を形成することを含む。
【0012】
第2の態様のある実施形態によれば、方法は、エピタキシャル構造を得ることであって、エピタキシャル構造が、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状構造である、エピタキシャル構造を得ることと、複数の発光ダイオード(LED)を形成するために、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することと、エピタキシャル構造へ薄膜回路層を堆積することであって、薄膜回路層が、第1の薄膜層および第2の薄膜層を含む、堆積することと、を含む。方法は、好ましくは、薄膜回路層をバックプレーンに接着することを含む。いくつかの実施形態では、第1の薄膜層は、好ましくは、複数のトランジスタを含む。第2の薄膜層は、好ましくは、複数のトランジスタのための相互接続を含み、第1のドープ半導体層は、nドープ層である。第2のドープ半導体層は、好ましくは、pドープ層である。第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することは、好ましくは、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方をエッチングすることを含む。第2のドープ半導体層は、好ましくは、pドープされており、方法は、一時キャリアを第2のドープ半導体層に接着することと、エピタキシャル構造から基板を除去することであって、基板が、基板の除去前は第2のドープ半導体層よりも第1のドープ半導体層に近かった、基板を除去することと、をさらに含む。第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方をエッチングすることは、好ましくは、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積する前に生じる。第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方をエッチングすることは、好ましくは、薄膜回路層をバックプレーンに接着した後で生じる。第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方をエッチングすることは、好ましくは、第1の薄膜層を堆積した後、かつ第2の薄膜層を塗布する前に生じる。第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方をエッチングすることは、好ましくは、第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方をエッチングすることを含み、第1の薄膜層をエッチングすることをさらに含む。方法は、いくつかの実施形態では、発光層から光をカップリングアウトするために、エピタキシャル構造へ光抽出素子を形成することをさらに含み得る。方法は、好ましくは、薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積する前に、一時キャリアをエピタキシャル構造に接着することをさらに含む。方法は、好ましくは、薄膜回路層の第2の薄膜層をバックプレーンに接着した後、一時キャリアを除去することと、一時キャリアをエピタキシャル構造に接着することであって、第2のドープ半導体層が、第1のドープ半導体層と一時キャリアとの間にあり、第1のドープ半導体構造が、第2のドープ半導体構造とエピタキシャル構造の基板との間にある、接着することと、をさらに含む。方法は、好ましくは、エピタキシャル構造から基板を除去することをさらに含み、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することが、エピタキシャル構造上に薄膜回路層を堆積する前に、第1のドープ半導体層にイオンを注入して第1のドープ半導体層の一部を分離することを含む。方法は、好ましくは、一時キャリアをエピタキシャル構造に接着する前に、第2のドープ半導体層にイオンを注入することをさらに含む。方法は、好ましくは、エピタキシャル構造から基板を除去する前に、一時キャリアをエピタキシャル構造に接着することをさらに含み、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することは、一時キャリアをエピタキシャル構造に接着する前に、第2のドープ半導体層にイオンを注入することを含む。
【0013】
第2の態様のある実施形態において、方法は、エピタキシャル構造を得ることであって、エピタキシャル構造が、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状構造である、エピタキシャル構造を得ることと、エピタキシャル構造に薄膜回路層を塗布することと、複数の発光ダイオード(LED)を形成するために、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することと、薄膜回路層をエピタキシャル構造に塗布した後、薄膜回路層を透明基板に接着することと、を含む。方法は、好ましくは、バックプレーンを透明基板に接着することであって、バックプレーンが、薄膜回路層に電気的に結合される、バックプレーンを透明基板に接着することを含む。薄膜回路層およびバックプレーンは、好ましくは、透明基板の同一の側の上にある。いくつかの実施形態では、複数のLEDを形成するために、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することは、好ましくは、エッチングすることを含む。複数のLEDを形成するために、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することは、好ましくは、イオン注入を用いる。複数のLEDを形成するために、第1のドープ半導体層の一部を分離すること、第2のドープ半導体層の一部を分離すること、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の一部を分離することは、好ましくは、薄膜回路層をエピタキシャル構造に塗布する前に実行される。
【0014】
第1の態様のある実施形態において、装置は、透明基板と、複数の発光ダイオード(LED)と、複数のLEDに電気的に結合された複数のトランジスタを含む薄膜回路層と、を含み、複数のトランジスタは、複数のLEDの動作を制御するように構成され、薄膜回路層は、透明基板に接着されている。装置は、好ましくは、透明基板に接着されたバックプレーンを含み、バックプレーンが、薄膜回路層に電気的に結合される。バックプレーンは、好ましくは、透明基板の、薄膜回路層と同一の側の上にある。いくつかの実施形態では、装置は、好ましくは、拡張現実システムのフレーム、複数のLEDを保持するフレームを含み、複数のLEDは、拡張現実システムのためのディスプレイの一部である。装置は、好ましくは、複数のLEDのうちの複数のLEDの動作を制御するために、薄膜回路層と透明基板との間の1つのボンドを複数のトランジスタのうちの複数のトランジスタと電気的に結合する、薄膜回路層内のトレースをさらに含む。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、ニアアイディスプレイのためのシステムであって、フレームと、フレームに結合された導波路ディスプレイと、光源を含むプロジェクタとを備え、プロジェクタが、導波路ディスプレイに光を向けるように構成され、光源が、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)のアレイ、LEDのアレイ上に堆積された薄膜回路層であって、LEDのアレイが、薄膜回路層のための支持構造であり、薄膜回路層が、LEDのアレイ内のLEDの動作を制御するための回路を含む、薄膜回路層、ならびに複数のメタルボンドを用いて薄膜回路層に結合されたバックプレーンであって、複数のメタルボンドを通して薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含み、複数のメタルボンドの数が、LEDのアレイ内のLEDの数よりも少ない、バックプレーンを含む、システムが提供される。第1の態様の装置の任意の特徴は、第1の態様の方法または第3の態様のシステムと互換性があってもよく、かつその逆も同様であると理解されたい。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を判断するために単独で用いられることを意図するものでもない。主題は、本開示の明細書全体、任意または全ての図面、および各請求項の適当な部分に対する参照によって、理解されるべきである。前述したことは、他の特徴および例とともに、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付図面において、以下でより詳細に説明される。
【0016】
例示的な実施形態が、以下の図面を参照して、以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】特定の実施形態による、ニアアイディスプレイを含む人工現実システム環境の例の簡略ブロック図である。
図2】本明細書において開示される例のいくつかを実装するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスの形態にある、ニアアイディスプレイの例の斜視図である。
図3】本明細書において開示される例のいくつかを実装するための眼鏡の形態にある、ニアアイディスプレイの例の斜視図である。
図4】特定の実施形態による、導波路ディスプレイを含む光学的シースルーの拡張現実システムの例の図である。
図5A-B】特定の実施形態による、導波路ディスプレイを含むニアアイディスプレイデバイスの例の図である。
図6】特定の実施形態による、拡張現実システムにおける画像ソースアセンブリの例の図である。
図7A】特定の実施形態による、垂直なメサ構造を有する発光ダイオード(LED)の例の図である。
図7B】特定の実施形態による、放物線メサ構造を有するLEDの例の断面図である。
図8A】特定の実施形態による、LEDのアレイ用のダイウェハ間接着の方法の例の図である。
図8B】特定の実施形態による、LEDのアレイ用のウェハ間接着の方法の例の図である。
図9A-D】特定の実施形態による、LEDのアレイ用のハイブリッド接着の方法の例の図である。
図10】特定の実施形態による、二次光学コンポーネントが作製されたLEDアレイの例の図である。
図11】例示的なディスプレイの側面図である。
図12図11の例示的なディスプレイの上面図である。
図13】バックプレーンが薄膜回路層に接着されている、LEDアレイに堆積した薄膜回路層の例の図である。
図14】マイクロLEDのアレイの例の図である。
図15】マイクロLEDのアレイに関連するマイクロバンプ位置付けの例の図である。
図16】LED上の薄膜回路層の断面図である。
図17】LEDアレイに接着したバックプレーンの例の断面図である。
図18】ディスプレイデバイスの例示的なアーキテクチャの図である。
図19】ディスプレイデバイスの例示的な変調回路の図である。
図20】ディスプレイデバイスの例示的な変調回路の図である。
図21】ディスプレイデバイスの例示的な変調回路の図である。
図22】ピクセルごとに1つの接続を用いたアドレス指定方式の例を示す。
図23】行および列を用いたアドレス指定方式の例を示す。
図24】2つの行信号を用いてLEDをアドレス指定するための例としての回路を示す。
図25】LEDをアドレス指定するために複数の行信号を用いた例としてのレイアウトを示す。
図26】ディスプレイデバイスを製作するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図27】薄膜回路層に機能性を追加することについての複雑性およびマイクロバンプ減少の例としてのスライディングスケールを示す。
図28】マイクロLEDディスプレイを製作するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図29】タイルに分割されたアレイの例を示す。
図30】タイル内の行に電流を印加するために使用される回路の例を示す。
図31】タイルのためのバンプ位置の例を示す。
図32】タイルサイズをバンプピッチと比較した例としてのグラフである。
図33】LEDディスプレイを製作するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図34】エピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面である。
図35】エピタキシャル構造上に堆積されたコンタクト層および一時接着層を有するエピタキシャル構造の実施形態の簡略化された断面である。
図36】一時キャリアがエピタキシャル構造に接着されているエピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図37】基板がエピタキシャル構造から除去されているエピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図38】エピタキシャル構造をシンギュレートするようにエッチングされたエピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図39】エピタキシャル構造の上に堆積された薄膜回路層の一実施形態の簡略断面図である。
図40】バックプレーンに接着された薄膜回路層の一実施形態の簡略断面図である。
図41】接着後に一時キャリアが除去された一実施形態の簡略断面図である。
図42】光抽出素子をエピタキシャル構造に追加する一実施形態の簡略断面図である。
図43】エピタキシャル構造をエッチングする前に薄膜回路層をエピタキシャル構造に堆積する一実施形態の簡略断面図である。
図44】薄膜回路層をバックプレーンに接着する一実施形態の簡略断面図である。
図45】接着後に一時キャリアが除去された一実施形態の簡略断面図である。
図46】一時キャリアを除去後にエピタキシャル構造をエッチングする一実施形態の簡略断面図である。
図47】光抽出素子をエピタキシャル構造に追加する一実施形態の簡略断面図である。
図48】薄膜回路層の第1の薄膜層をエピタキシャル構造に堆積する一実施形態の簡略断面図である。
図49】第1の薄膜層とエピタキシャル構造の両方を貫通してエッチングする一実施形態の簡略断面図である。
図50】第1の薄膜層とエピタキシャル構造の両方をエッチング後に薄膜回路層の第2の薄膜層を第1の薄膜層に堆積する一実施形態の簡略断面図である。
図51】薄膜回路層をバックプレーンに接着する一実施形態の簡略断面図である。
図52】接着後に一時キャリアが除去された一実施形態の簡略断面図である。
図53】光抽出素子をエピタキシャル構造に追加する一実施形態の簡略断面図である。
図54】エピタキシャル構造の部分を分離するエッチングのプロセスの一実施形態のフローチャートである。
図55】エピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図56】イオン注入によってエピタキシャル構造のp側を分離する一実施形態の簡略断面図である。
図57】コンタクト層および一時接着層がエピタキシャル構造の上に堆積されているエピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図58】一時キャリアがエピタキシャル構造に接着されているエピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図59】基板がエピタキシャル構造から除去されている、エピタキシャル構造をエッチングする一実施形態の簡略断面図である。
図60】イオン注入によってエピタキシャル構造のn側を分離する一実施形態の簡略断面図である。
図61】エピタキシャル構造の上に堆積された薄膜回路層の一実施形態の簡略断面図である。
図62】バックプレーンに接着された薄膜回路層の一実施形態の簡略断面図である。
図63】接着後に一時キャリアが除去された一実施形態の簡略断面図である。
図64】光抽出素子をエピタキシャル構造に追加する一実施形態の簡略断面図である。
図65】イオン注入を用いてエピタキシャル構造の部分を分離するプロセスの一実施形態のフローチャートである。
図66】エピタキシャル構造の部分を分離するプロセスの一実施形態のフローチャートである。
図67】透明基板に接着されたエピタキシャル構造の一実施形態の簡略断面図である。
図68】透明基板に接着されたLEDアレイへのトレースの簡略図である。
図69】LEDアレイを透明基板に接着する一実施形態のフローチャートである。
図70】いくつかの実施形態によるニアアイディスプレイの一例の電子システムの簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図は、例示の目的のみのために本開示の実施形態を示す。当業者は、例示される構造および方法の代替的実施形態が、本開示の原理または謳われている利益から逸脱することなく採用され得ることを以下の説明から容易に認識するであろう。
【0019】
添付図面において、類似のコンポーネントおよび/または特徴は、同一の参照ラベルを有し得る。さらに、同一の種類の様々なコンポーネントが、類似のコンポーネントを区別するダッシュおよび第2のラベルにより参照ラベルに続くことによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが明細書において使用される場合、説明は、第2の参照ラベルとはかかわりなく、同一の第1の参照ラベルを有する類似コンポーネントのいずれか1つに適用可能である。
【0020】
本開示は、概して、発光ダイオード(LED)に関する。より詳細には、限定ではなく、本明細書に開示されるものは、回路をLEDディスプレイと統合するための技法である。デバイス、システム、方法、材料などを含む、様々な発明の実施形態が、本明細書に説明される。
【0021】
今日の共通ディスプレイ技術は、液晶ディスプレイ(LCD)から、より最近の有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイおよびアクティブマトリクス式有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイに及ぶ。無機発光ダイオード(ILED)は、優れた電池性能および強化された輝度に基づくフラットディスプレイ画像生成器の第3世代として台頭してきている。本明細書で説明される「μLED」、「uLED」、「マイクロLED(micro-LED)」、または「マイクロLED(MicroLED)」は、小さなアクティブ発光領域(例えば、2,000μm未満)を有する特定の種類のILEDを指し、いくつかの例では、小さなアクティブ発光領域から発する光の輝度レベルを増大させるように指向性光を発生させることが可能である。いくつかの例では、マイクロLEDは、50μm未満、20μm未満、または10μm未満のアクティブ発光厚さを有するLEDを指してもよい。いくつかの例では、長さ寸法は、2μmまたは4μmと同程度に小さくてもよい。残りの開示について、「LED」は、μLED、ILED、OLED、または他の種類のLEDデバイスを指してもよい。
【0022】
ILEDディスプレイは、OLEDディスプレイとは異なるプロセスを用いて製造され得る。例えば、OLEDデバイスは、ディスプレイ基板上に直接製作される。対照的に、ILEDデバイスは、ディスプレイ基板とは別々に製作される。ILEDデバイスの基材は、結晶基板上で成長されてLEDスターターウェハを形成し得る。LEDスターターウェハは、個々のLEDダイを作り出すための様々なステップを通して処理されてもよく、各LEDダイはLEDデバイスを含む。一旦製作されると、LEDダイは、キャリア基板からバックプレーンに移され得る。バックプレーンは、ディスプレイデバイスのディスプレイバックプレーンであり得る。ディスプレイデバイスのLEDデバイスは、ピクセルを形成するために分割され得る。各ピクセルは、制御回路から制御信号を受信して、例えば、ピクセルによって表示される強度および色を設定し得る。バックプレーンは、また、制御信号をLEDデバイスに送信するための信号線を含み得る。バックプレーンは、LEDデバイスと信号線との間に電気的な接続を提供するために、バンプまたは他の相互接続構造を含み得る。
【0023】
いくつかの例では、各ピクセルが制御信号を個別に受信し得るように、バックプレーンは、各LEDデバイス、または各ピクセル(1つまたは複数のLEDデバイスを含み得る)につき1つのバンプを含んでもよい。しかしながら、そのような配列は、多数のバンプがバックプレーン上に設置されることにつながり得る。例えば、100万ピクセルを含むディスプレイは、100万のバンプを含み得る。多数のバンプおよび関連する信号線は、LEDデバイスと制御回路との間の緊密な統合、およびLEDデバイスの製作を劣化させる場合があり、その全てが、ディスプレイの性能に影響を及ぼし得る。
【0024】
本開示の例は、ディスプレイ装置を提供する。ディスプレイ装置は、発光ダイオード(LED)デバイス、トランジスタ層、およびバックプレーンを含み得る。トランジスタ層は、LEDデバイスに電気的に接続され、(a)トランジスタのグループ、および(b)トランジスタのグループに電気的に接続され、トランジスタのグループ間で共有される共通信号線を含む。トランジスタの各グループは、LEDデバイスの各LEDデバイスに対応し、共通信号線から受信される制御信号に基づいて、対応するLEDデバイスの動作を制御するように構成されたトランジスタを含む。バックプレーンは、バンプを含んでもよく、各バンプは、共通信号線の1つまたは複数と電気的に接続される。バックプレーンは、制御信号を生成し、制御信号をバンプに送信するように構成されるコントローラをさらに含み得る。
【0025】
いくつかの例では、トランジスタ層は、ピクセルを形成する各LEDデバイスのバックエンド上に形成される薄膜トランジスタ(TFT)を含み得る。コントローラがバックプレーンの内部にある場合、バックプレーンは、シリコン相補型金属酸化膜半導体(CMOS)コントローラを統合するシリコン基板を含み得る。コントローラは、バンプを介して各ピクセルのTFTを駆動し得る。バンプは、トランジスタ層の共通信号線に接続され、バンプおよび共通線は、ピクセルのTFT間で共有される。共通信号線は、ピクセルを選択するための選択信号(例えば、行選択信号および/または列選択信号を含むピクセルアドレス)、ならびにピクセルの色および/または出力強度を選択するための動作信号を搬送し得る。ピクセルを駆動するために、コントローラは、そのピクセルをターゲットとする選択信号および動作信号をバンプに送信し得る。信号は、共通信号線からピクセルのTFTによって受信され得るが、ターゲットピクセルのTFTだけが、選択信号によって選択されて動作信号に応答する。
【0026】
開示される技法では、バックプレーン上に形成されるバンプ(または他の種類の相互接続構造)の数が、実質的に減少され得る。バンプは、制御信号を個々のピクセルに提供する代わりに、ピクセルのうちのいくつかまたは全ての間で共有される共通制御信号を提供するために使用され得る。さらに、コントローラはより少ない数のバンプおよび信号線と電気的に接続されるため、コントローラは、よりコンパクトにされ、より高速で動作し得る。それによって、TFTの性能要件が緩和され、電力が低下され得る。さらに、開示される技法は、単一ウェハ/基板上のTFTおよびLEDデバイスのモノリシック製作も可能にする。それによって、LEDデバイスおよびLEDデバイスを制御するTFTの緊密な統合が可能となるだけでなく、LEDデバイスの最適化も容易になる。これらの全てが、LEDデバイスの性能およびディスプレイ装置の性能を改善し得る。
【0027】
本明細書で説明されるマイクロLEDは、人工現実システムなどの様々な技術と合わせて使用され得る。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)またはヘッドアップディスプレイ(HUD)システムなどの人工現実ステムは、概して、仮想環境においてオブジェクトを描く人工画像を提示するように構成されるディスプレイを含む。ディスプレイは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、または混合現実(MR)アプリケーションにおけるように、仮想オブジェクトを提示し、または現実オブジェクトの画像を仮想オブジェクトと組み合わせることができる。例えば、ARシステムにおいて、ユーザは、仮想オブジェクトの表示画像(例えば、コンピュータ生成画像(CGI))および、例えば、透明ディスプレイガラスもしくはレンズを通して見ること(光学シースルーと呼ばれることが多い)、またはカメラによってキャプチャされる周辺環境の表示画像を見ること(ビデオシースルーと呼ばれることが多い)による周辺環境の両方を見ることがある。いくつかのARシステムでは、人工画像が、LEDベースのディスプレイサブシステムを用いてユーザに提示され得る。
【0028】
本明細書で使用される、「発光ダイオード(LED)」という用語は、少なくともn型半導体層、p型半導体層、およびn型半導体層とp型半導体層との間の発光領域(即ち、活性領域)を含む、光源を指す。発光領域は、量子ウェルなどの1つまたは複数のヘテロ構造を形成する1つまたは複数の半導体層を含み得る。いくつかの実施形態では、発光領域は、それぞれが複数(例えば、約2~6)の量子ウェルを含む、1つまたは複数の多重量子ウェル(MQW)を形成する複数の半導体層を含み得る。
【0029】
本明細書で使用される、「マイクロLED」または「μLED」という用語は、チップの長さ寸法が100μm未満、50μm未満、20μm未満、10μm未満、またはそれ未満など、約200μm未満であるチップを有するLEDを指す。例えば、マイクロLEDの長さ寸法は、6μm、5μm、4μm、2μm、またはそれ未満と同程度に小さくてもよい。いくつかのマイクロLEDは、少数キャリア拡散長と同等の長さ寸法(例えば、長さまたは直径)を有し得る。しかしながら、本明細書における開示は、マイクロLEDに限定されず、ミニLEDおよび大型LEDにも適用され得る。
【0030】
本明細書で使用される、「接着」という用語は、接着剤接着、金属間接着、金属酸化物接着、ウェハ間接着、ダイウェハ間接着、ハイブリッド接着、半田付け、アンダーバンプメタライゼーションなどの、2つ以上のデバイスおよび/またはウェハを物理的および/または電気的に接続するための様々な方法を指してもよい。例えば、接着剤接着は、硬化型接着剤(例えば、エポキシ)を使用して、接着剤を通して2つ以上のデバイスおよび/またはウェハを物理的に接着し得る。金属間接着は、例えば、半田付け界面(例えば、パッドもしくはボール)、導電性接着剤、または金属間溶接継手を用いた、ワイヤ接着またはフリップチップ接着を含み得る。金属酸化物接着は、金属および酸化物のパターンを各表面上に形成し、酸化物部分を接着し、次いで金属部分を接着して導電経路を生成し得る。ウェハ間接着は、いかなる中間層もなしに2つのウェハ(例えば、シリコンウェハまたは他の半導体ウェハ)を接着してもよく、2つのウェハの表面間の化学結合に基づく。ウェハ間接着は、ウェハ洗浄および他の前行程、室温での整列および事前接着、ならびに約250℃またはそれより高い高温でのアニーリングを含み得る。ダイウェハ間接着は、1つのウェハ上のバンプを使用して、事前形成されたチップの特徴をウェハのドライバと整列し得る。ハイブリッド接着は、例えば、ウェハ洗浄、1つのウェハのコンタクトの別のウェハのコンタクトとの高精度整列、室温でのウェハ内の誘電物質の誘電接着、および例えば、250~300℃またはそれより高い温度でアニーリングすることによるコンタクトの金属接着を含み得る。本明細書で使用される、「バンプ」という用語は、概して、金属パッドなどの、接着中に使用され、または形成される金属相互接続を指し得る。開示される技法は、いわゆる「バンプなし」接着工程に適用され得る。
【0031】
以下の説明では、説明のため、開示の例の完全な理解をもたらすために、具体的詳細が明らかにされている。しかしながら、様々な例が、これらの具体的詳細なしに実施され得ることは明らかである。例えば、デバイス、システム、構造、アセンブリ、方法、および他のコンポーネントは、不要な詳細において例を不明確にしないために、ブロック図形式でコンポーネントとして示され得る。他の事例では、周知のデバイス、プロセス、システム、構造、および技法は、例を不明確にすることを避けるために、必要な詳細なしで示され得る。図面および説明は、限定的であることを意図するものではない。本開示において活用されている用語および表現は、限定ではなく説明の点から使用され、そのような用語および表現の使用において、図示および説明される特徴の任意の均等物またはその一部を除外する意図はない。「例」という単語は、本明細書において「例、事例、または例示としての役割をすること」を意味するために使用される。本明細書において「例」として説明されるいかなる実施形態または設計も、必ずしも他の実施形態または設計よりも好適または有利であると解釈されるべきではない。
【0032】
図1は、特定の実施形態による、ニアアイディスプレイ120を含む人工現実システム環境100の例の簡略ブロック図である。図1に示される人工現実システム環境100は、ニアアイディスプレイ120、任意選択の外部撮像デバイス150、任意選択の入出力インターフェース140を含むことができ、これらのそれぞれは、任意選択のコンソール110に結合することができる。図1は、1つのニアアイディスプレイ120、1つの外部撮像デバイス150、および1つの入出力インターフェース140を含む人工現実システム環境100の例を示しているが、人工現実システム環境100にはあらゆる数のこれらのコンポーネントを含むことができ、またはコンポーネントのいずれも省略することができる。例えば、コンソール110と通信する、1つまたは複数の外部撮像デバイス150によってモニタリングされる複数のニアアイディスプレイ120があってもよい。いくつかの構成では、人工現実システム環境110には、外部撮像デバイス150、任意選択の入出力インターフェース140、および任意選択のコンソール110が含まれなくてもよい。代替的な構成では、異なる、または追加的なコンポーネントが、人工現実システム環境100に含まれる場合がある。
【0033】
ニアアイディスプレイ120は、ユーザにコンテンツを提示するヘッドマウントディスプレイであってもよい。ニアアイディスプレイ120によって提示されるコンテンツの例としては、画像、動画、音声のうちの1つもしくは複数、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、音声は、ニアアイディスプレイ120、コンソール110、または両方から音声情報を受信して、音声情報に基づいて音声データを提示する外部デバイス(例えば、スピーカ、および/またはヘッドフォン)を介して提示される場合がある。ニアアイディスプレイ120は、1つまたは複数の剛体を含む場合があり、この剛体は互いに堅くまたは緩く結合することができる。剛体間の堅い結合は、結合した剛体が単一の剛性エンティティとして作用できるようにすることができる。剛体間の緩い結合は、剛体が互いに対して動くことを可能にすることができる。様々な実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、1つの眼鏡を含む、あらゆる適切なフォームファクタで実装することができる。図2および図3に関して、ニアアイディスプレイ120のいくつかの実施形態を、以下でさらに説明する。追加的に、様々な実施形態では、本明細書において説明する機能性を、ニアアイディスプレイ120外部の環境の画像と、人工現実コンテンツ(例えば、コンピュータ生成の画像)とを組み合わせるヘッドセットにおいて使用することができる。したがって、ニアアイディスプレイ120は、ニアアイディスプレイ120外部の物理的な実世界の環境の画像を、生成したコンテンツ(例えば、画像、動画、音など)で拡張し、ユーザに拡張した現実を提示することができる。
【0034】
様々な実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、ディスプレイ電子機器122、ディスプレイ光学機器124、および視線追跡ユニット130のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、1つまたは複数のロケータ126、1つまたは複数の位置センサ128、および慣性測定ユニット(IMU)132を含むこともできる。ニアアイディスプレイ120は、視線追跡ユニット130、ロケータ126、位置センサ128、およびIMU132のいずれも省略することができるか、または様々な実施形態に追加的な要素を含むことができる。追加的に、いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、図1と併せて説明される様々な要素の機能を組み合わせる要素を含むことができる。
【0035】
ディスプレイ電子機器122は、例えば、コンソール110から受信したデータに応じてユーザに対して画像を表示する、または画像の表示を容易にすることができる。様々な実施形態では、ディスプレイ電子機器122は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、無機発光ダイオード(ILED)ディスプレイ、マイクロ発光ダイオード(μLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス式OLEDディスプレイ(AMOLED)、透明OLEDディスプレイ(TOLED)、または何らかの他のディスプレイなどの、1つまたは複数のディスプレイパネルを含むことができる。例えば、ニアアイディスプレイ120の一実装形態では、ディスプレイ電子機器122は、正面TOLEDパネル、後面ディスプレイパネル、および正面と後面のディスプレイパネル間に光学コンポーネント(例えば、減衰器、偏光子、または回折もしくは分光フィルム)を含むことができる。ディスプレイ電子機器122は、赤、緑、青、白、または黄などの主要な色を発光するためのピクセルを含むことができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイ電子機器122は、二次元パネルにより生み出される立体効果による三次元(3D)画像を表示して、画像深度の主観的知覚を作り出すことができる。例えば、ディスプレイ電子機器122は、ユーザの左目と右目との正面にそれぞれ位置付けられる、左ディスプレイと右ディスプレイとを含むことができる。左右のディスプレイは、立体効果(即ち、ユーザが画像を見ることによる画像深度の知覚)を作り出すよう、互いに対して水平方向にずらした画像の複製を提示することができる。
【0036】
特定の実施形態では、ディスプレイ光学機器124は、画像コンテンツを光学的に(例えば、光学導波路およびカプラを使用して)表示すること、またはディスプレイ電子機器122から受信した画像光を拡大すること、画像光に関連付けられる光学的誤差を補正すること、および補正した画像光をニアアイディスプレイ120のユーザに提示することができる。様々な実施形態では、ディスプレイ光学機器124は、例えば、基板、光学導波路、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、入出力カプラ、またはディスプレイ電子機器122から発せられる画像光に影響を与え得るあらゆる他の適切な光学素子などの、1つまたは複数の光学素子を含むことができる。ディスプレイ光学機器124は、様々な光学素子の組み合わせ、ならびに機械的結合を含む場合があり、組み合わせにおいて光学素子同士の相対的な間隔および配向を維持している。ディスプレイ光学機器124において1つまたは複数の光学素子は、反射防止コーティング、反射コーティング、フィルタリングコーティング、または様々な光学コーティングの組み合わせなどの、光学的なコーティングを有する場合がある。
【0037】
ディスプレイ光学機器124による画像光の拡大によって、ディスプレイ電子機器122を、大型のディスプレイよりも物理的に小さく、軽量で、省電力にすることができる。追加的に、拡大は表示されるコンテンツの視野を広げることができる。ディスプレイ光学機器124による画像光の拡大率は、ディスプレイ光学機器124の光学素子の調節、追加、または除去によって変えることができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ光学機器124は、表示された画像を、ニアアイディスプレイ120よりもユーザの目から離れている場合がある1つまたは複数の画像平面に投影することができる。
【0038】
ディスプレイ光学機器124は、二次元光学的誤差、三次元光学的誤差、またはそれらのあらゆる組み合わせなどの、1つまたは複数の種類の光学的誤差を補正するように設計されてもよい。二次元誤差には、2つの次元で生じ得る光学収差が含まれる場合がある。二次元誤差の種類の例としては、樽型歪み、ピンクッション歪み、縦色収差、横色収差を挙げることができる。三次元誤差には、3つの次元で生じ得る光学的誤差が含まれる場合がある。三次元誤差の種類の例としては、球面収差、コマ収差、像面湾曲、非点収差を挙げることができる。
【0039】
ロケータ126は、ニアアイディスプレイ120上で特定の位置において、ニアアイディスプレイ120上の基準点に対して互いに相対的に位置付けられるオブジェクトであり得る。いくつかの実装形態では、コンソール110は、外部撮像デバイス150によってキャプチャされた画像中にロケータ126を特定して、人工現実ヘッドセットの位置、配向、またはその両方を決定することができる。ロケータ126は、LED、コーナーキューブリフレクタ、反射マーカ、ニアアイディスプレイ120が動作する環境とは対照的な種類の光源、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ロケータ126がアクティブなコンポーネント(例えば、LEDまたは他の種類の発光デバイス)である実施形態では、ロケータ126は、可視帯域(例えば、約380nm~750nm)、赤外(IR)帯域(例えば、約750nm~1mm)、紫外帯域(例えば、約10nm~約380nm)、電磁波スペクトルの別の部分、または電磁波スペクトルの部分のあらゆる組み合わせにおいて、発光することができる。
【0040】
外部撮像デバイス150は、1つもしくは複数のカメラ、1つもしくは複数のビデオカメラ、ロケータ126のうちの1つもしくは複数を含む画像をキャプチャすることができるあらゆる他のデバイス、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。追加的に、外部撮像デバイス150は、(例えば、信号対ノイズ比を向上させるために)1つまたは複数のフィルタを含むことができる。外部撮像デバイス150は、外部撮像デバイス150の視野において、ロケータ126が発した、または反射した光を検出するように構成することができる。ロケータ126が、パッシブな素子(例えば、レトロリフレクタ)を含む実施形態では、外部撮像デバイス150は、ロケータ126の一部または全てを照射する光源を含むことができ、これは光を外部撮像デバイス150内の光源に向けて逆方向に反射することができる。低速の校正データが、外部撮像デバイス150からコンソール110に通信される場合があり、外部撮像デバイス150は1つまたは複数の校正パラメータをコンソール110から受信して、1つまたは複数の撮像パラメータ(例えば、焦点距離、焦点、フレームレート、センサ温度、シャッタスピード、アパーチャなど)を調節することができる。
【0041】
位置センサ128は、ニアアイディスプレイ120の動きに応じて、1つまたは複数の測定信号を生成することができる。位置センサ128の例としては、加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、他の動き検出用もしくは誤差補正用センサ、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。例えば、いくつかの実施形態では、位置センサ128には、並進運動(例えば、前方/後方、上方/下方、または左/右)を測定するための複数の加速度計、および回転運動(例えば、ピッチ、ヨー、またはロール)を測定するための複数のジャイロスコープが含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、様々な位置センサは、互いに直交して配向していてもよい。
【0042】
IMU132は、位置センサ128のうちの1つまたは複数から受信した測定信号に基づいて高速の校正データを生成する電子デバイスであり得る。位置センサ128は、IMU132の外部、IMU132の内部、またはそれらのあらゆる組み合わせで位置付けられる場合がある。1つまたは複数の位置センサ128からの、1つまたは複数の測定信号に基づいて、IMU132は、ニアアイディスプレイ120の最初の位置に対するニアアイディスプレイ120の推定位置を示す高速の校正データを生成することができる。例えば、IMU132は、加速度計から受信した測定信号を時間で積分して速度ベクトルを推定し、速度ベクトルを時間で積分し、ニアアイディスプレイ120での基準点の推定位置を決定することができる。代替的に、IMU132は、サンプリングした測定信号をコンソール110に与える場合があり、高速の校正データを決定することができる。基準点は一般的に空間中の点として定めることができるが、様々な実施形態では、基準点はニアアイディスプレイ120内部の点(例えば、IMU132の中心)として定めることもできる。
【0043】
視線追跡ユニット130は、1つまたは複数の視線追跡システムを含むことができる。視線追跡とは、ニアアイディスプレイ120に対する目の向きと位置を含む、目の位置を決定することを指すことができる。視線追跡システムは、1つまたは複数の目を撮像する撮像システムを含む場合があり、任意選択で、目から反射された光を撮像システムでキャプチャできるように、目に向けて光を生成することができる光エミッタを含んでもよい。例えば、視線追跡ユニット130は、可視スペクトルまたは赤外スペクトルで発光する非コヒーレントまたはコヒーレントな光源(例えば、レーザダイオード)、およびユーザの目で反射された光をキャプチャするカメラを含むことができる。別の例として、視線追跡ユニット130は、小型のレーダユニットによって発せられた無線波が反射されたものをキャプチャする場合がある。視線追跡ユニット130は、目を傷めることのない、または身体的な不快感を生じることのない、周波数および強度で発光する、低出力の光エミッタを使用することができる。視線追跡ユニット130は、視線追跡ユニット130によってキャプチャされる目の画像においてコントラストを高めつつ、視線追跡ユニット130によって消費される全体的な電力を低減する(例えば、視線追跡ユニット130に含まれる光エミッタおよび撮像システムによって消費される電力を低減する)ように配置することができる。例えば、いくつかの実装形態では、視線追跡ユニット130は、100ミリワット未満の電力を消費する場合がある。
【0044】
ニアアイディスプレイ120は、例えば、ユーザの瞳孔間距離(IPD)を決定すること、注視方向を決定すること、奥行き手がかりを導入すること(例えば、ユーザの主な視線の外側の曖昧な画像)、VRメディア内でのユーザ対話における経験則を収集すること(例えば、与えられる刺激の関数として、任意の特定の対象、オブジェクト、またはフレームに対して費やされる時間)のための目の向き、ユーザの少なくとも片方の目の向きに部分的に基づく何らかの他の関数、またはそれらのあらゆる組み合わせを使用する場合がある。目の向きは、ユーザの両目について決定することができるため、視線追跡ユニット130は、ユーザがどこを見ているかを決定することができる。例えば、ユーザの注視する方向を決定することには、ユーザの左右の目の決定された向きに基づいて決定された収束点を決定することが含まれ得る。収束点は、ユーザの目の2つの中心窩軸が交差する点であり得る。ユーザの注視の向きは、収束点と、ユーザの目の瞳孔同士の中間点とを通る線の向きであり得る。
【0045】
入出力インターフェース140は、ユーザがアクションリクエストをコンソール110に送信できるようにするデバイスであり得る。アクションリクエストは、特定のアクションを実施するためのリクエストであり得る。例えば、アクションリクエストは、あるアプリケーションを開始させること、もしくは終了させること、またはアプリケーション内で特定のアクションを実施することであり得る。入出力インターフェース140は、1つまたは複数の入力デバイスを含むことができる。入力デバイスの例としては、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、グローブ、ボタン、タッチスクリーン、またはアクションリクエストを受信して、受信したアクションリクエストをコンソール110に通信するあらゆる他の適切なデバイスを挙げることができる。入出力インターフェース140によって受信されたアクションリクエストは、コンソール110に通信することができ、コンソール110はリクエストされたアクションに対応するアクションを実施することができる。いくつかの実施形態では、入出力インターフェース140は、コンソール110から受信した命令にしたがって、触覚フィードバックをユーザに与えることができる。例えば、入出力インターフェース140は、アクションリクエストが受信された時、またはコンソール110がリクエストされたアクションを実施して命令を入出力インターフェース140に通信した時、触覚フィードバックを与える場合がある。いくつかの実施形態では、外部撮像デバイス150を使用して、ユーザの動きを決定するために、コントローラ(これには例えばIR光源が含まれる場合がある)またはユーザの手の、場所または位置を追跡することなど、入出力インターフェース140を追跡することができる。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、ユーザの動きを決定するために、コントローラまたはユーザの手の、場所または位置を追跡することなど、入出力インターフェース140を追跡するために、1つまたは複数の撮像デバイスを含むことができる。
【0046】
コンソール110は、外部撮像デバイス150、ニアアイディスプレイ120、および入出力インターフェース140のうちの1つまたは複数から受信した情報にしたがって、ユーザに提示するために、ニアアイディスプレイ120にコンテンツを与えることができる。図1に示される例では、コンソール110は、アプリケーションストア112、ヘッドセット追跡モジュール114、人工現実エンジン116、および視線追跡モジュール118を含むことができる。コンソール110のいくつかの実施形態は、図1に関して説明されるモジュールとは異なるモジュール、または追加的なモジュールを含むことができる。以下でさらに説明される機能は、本明細書において説明されるものとは異なる様式で、コンソール110のコンポーネント間に分散されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、コンソール110は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含むことができる。プロセッサは、並列に命令を実行する複数の処理ユニットを含むことができる。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、ハードディスクドライブ、リムーバブルメモリ、またはソリッドステートドライブ(例えば、フラッシュメモリまたはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))などの、任意のメモリであってもよい。様々な実施形態では、図1に関して説明されるコンソール110のモジュールは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体における命令としてエンコードすることができ、プロセッサによって実行されると、以下でさらに説明される機能をプロセッサに実施させる。
【0048】
アプリケーションストア112は、コンソール110による実行用に、1つまたは複数のアプリケーションを記憶することができる。アプリケーションは、命令の一群を含むことができ、命令は、プロセッサによって実行されると、ユーザに提示するコンテンツを生成する。アプリケーションによって生成されるコンテンツは、ユーザの目の動きを介してユーザから受信した入力、または入出力インターフェース140から受信した入力に応じたものであってもよい。アプリケーションの例としては、ゲーム用アプリケーション、会議用アプリケーション、動画再生アプリケーション、または他の適切なアプリケーションを挙げることができる。
【0049】
ヘッドセット追跡モジュール114は、外部撮像デバイス150からの低速の校正情報を使用して、ニアアイディスプレイ120の動きを追跡することができる。例えば、ヘッドセット追跡モジュール114は、低速の校正情報から観察されたロケータおよびニアアイディスプレイ120のモデルを使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を決定することができる。ヘッドセット追跡モジュール114は、高速の校正情報からの位置情報を使用して、ニアアイディスプレイ120の基準点の位置を決定することもできる。追加的に、いくつかの実施形態では、ヘッドセット追跡モジュール114は、高速の校正情報、低速の校正情報、またはそれらのあらゆる組み合わせの部分を使用して、ニアアイディスプレイ120の将来的な場所を予測することができる。ヘッドセット追跡モジュール114は、ニアアイディスプレイ120の、推定されたまたは予測された将来位置を、人工現実エンジン116に与えることができる。
【0050】
人工現実エンジン116は、人工現実システム環境100内でアプリケーションを実行すること、およびヘッドセット追跡モジュール114から、ニアアイディスプレイ120の位置情報、ニアアイディスプレイ120の加速度情報、ニアアイディスプレイ120の速度情報、ニアアイディスプレイ120の予測された将来位置、またはそれらのあらゆる組み合わせを受信することができる。人工現実エンジン116は、視線追跡モジュール118から、推定された目の位置および向き情報を受信することもできる。受信した情報に基づいて、人工現実エンジン116は、ユーザへの提示のために、ニアアイディスプレイ120に提供するコンテンツを決定することができる。例えば、受信した情報が、ユーザが左を見ていることを示している場合、人工現実エンジン116は、ニアアイディスプレイ120用に、仮想環境においてユーザの目の動きを反映するコンテンツを生成することができる。追加的に、人工現実エンジン116は、コンソール110で実行中のアプリケーション内で、入出力インターフェース140から受信したアクションリクエストに応じたアクションを実施し、そのアクションが実施されたことを示すフィードバックをユーザに与えることができる。フィードバックは、ニアアイディスプレイ120を介する視覚的もしくは聴覚的なフィードバック、または入出力インターフェース140を介する触覚フィードバックであり得る。
【0051】
視線追跡モジュール118は、視線追跡ユニット130から視線追跡データを受信し、視線追跡データに基づいてユーザの目の位置を決定することができる。目の位置には、ニアアイディスプレイ120に対する目の向き、場所、もしくはその両方、またはそれらのあらゆる要素を含むことができる。目の回転軸は、目の眼窩内で場所の関数として変化するため、眼窩内で目の場所を決定することにより、視線追跡モジュール118は、目の向きをより正確に決定することができる。
【0052】
図2は、本明細書において開示される例のいくつかを実装するためのHMDデバイス200の形態にある、ニアアイディスプレイの例の斜視図である。HMDデバイス200は、例えば、VRシステム、ARシステム、MRシステム、またはそれらのあらゆる組み合わせの一部であり得る。HMDデバイス200は、本体220および頭部ストラップ230を含むことができる。図2は、斜視図として、本体220の底面223、正面225、および左面227を示している。頭部ストラップ230は、調節可能であり、延長可能な長さを有することができる。HMDデバイス200の本体220と頭部ストラップ230との間には、ユーザが自身の頭部にHMDデバイス200を装着できるようにするために十分な間隔があり得る。様々な実施形態では、HMDデバイス200は、追加的なコンポーネント、より少ないコンポーネント、または異なるコンポーネントを含む場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、HMDデバイス200は、頭部ストラップ230ではなく、例えば次の図3に示されるように、眼鏡のテンプル、およびテンプル先端を含むことができる。
【0053】
HMDデバイス200は、コンピュータ生成の要素を伴う、物理的な、実世界環境の仮想視および/または拡張視を含むメディアを、ユーザに提示することができる。HMDデバイス200によって提示されるメディアの例としては、画像(例えば、二次元(2D)または三次元(3D)の画像)、動画(例えば、2Dまたは3Dの動画)、音声、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。画像および動画は、HMDデバイス200の本体220に囲われる1つまたは複数のディスプレイアセンブリ(図2には図示せず)によって、ユーザのそれぞれの目に対して提示することができる。様々な実施形態では、1つまたは複数のディスプレイアセンブリは、単一の電子ディスプレイパネルまたは複数の電子ディスプレイパネル(例えば、ユーザのそれぞれの目に対して、1つのディスプレイパネル)を含むことができる。電子ディスプレイパネルの例としては、例えば、LCD、OLEDディスプレイ、ILEDディスプレイ、μLEDディスプレイ、AMOLED、TOLED、何らかの他のディスプレイ、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。HMDデバイス200は、2つの目ボックス領域を含むことができる。
【0054】
いくつかの実装形態では、HMDデバイス200は、奥行きセンサ、動きセンサ、位置センサ、および視線追跡センサなど、様々なセンサ(図示せず)を含むことができる。これらのセンサの一部は、感知を行うために構造化された光パターンを使用する場合がある。いくつかの実装形態では、HMDデバイス200は、コンソールと通信するための入出力インターフェースを含むことができる。いくつかの実装形態では、HMDデバイス200は、HMDデバイス200内部でアプリケーションを実行して、HMDデバイス200の奥行き情報、位置情報、加速度情報、速度情報、予測された将来位置、またはそれらのあらゆる組み合わせを様々なセンサから受信することができる仮想現実エンジン(図示せず)を含むことができる。いくつかの実装形態では、仮想現実エンジンによって受信された情報は、1つまたは複数のディスプレイアセンブリへの信号(例えば、表示命令)を作成するために使用する場合がある。いくつかの実装形態では、HMDデバイス200は、本体220上の固定位置に、基準点に対して互いに相対的に位置付けられるロケータ(ロケータ126などであるが、図示せず)を含むことができる。ロケータのそれぞれは、外部撮像デバイスによって検出可能な光を発することができる。
【0055】
図3は、本明細書において開示される例のいくつかを実装するための眼鏡の形態にある、ニアアイディスプレイ300の例の斜視図である。ニアアイディスプレイ300は、図1のニアアイディスプレイ120の具体的な実装形態であり得、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、および/または混合型のディスプレイとして動作するように構成することができる。ニアアイディスプレイ300は、フレーム305およびディスプレイ310を含むことができる。ディスプレイ310は、ユーザにコンテンツを提示するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ310はディスプレイ電子機器および/またはディスプレイ光学機器を含むことができる。例えば、図1のニアアイディスプレイ120に関して上述したように、ディスプレイ310は、LCDディスプレイパネル、LEDディスプレイパネル、または光学ディスプレイパネル(例えば、導波路ディスプレイアセンブリ)を含むことができる。
【0056】
ニアアイディスプレイ300は、フレーム305上またはその内部に様々なセンサ350a、350b、350c、350d、および350eをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ350a~350eには、1つまたは複数の奥行きセンサ、動きセンサ、位置センサ、慣性センサ、または周囲光センサが含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、センサ350a~350eは、異なる方向に様々な視野を表現する画像データを生成するように構成された1つまたは複数の画像センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ350a~350eを入力デバイスとして使用して、ニアアイディスプレイ300の表示されたコンテンツを制御すること、もしくはコンテンツに影響を与えること、および/または対話的なVR/AR/MR体験をニアアイディスプレイ300のユーザに提供することができる。いくつかの実施形態では、センサ350a~350eを、立体視イメージングに用いることもできる。
【0057】
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ300は、物理的環境に光を投影するために、1つまたは複数のイルミネータ330をさらに含むことができる。投影される光は、様々な周波数帯域(例えば、可視光、赤外光、紫外光など)に関連付けることができ、様々な目的に使用することができる。例えば、イルミネータ330は、暗い環境において(または、赤外光、紫外光の強度が低い環境などにおいて)光を投影し、センサ350a~350eがこの暗い環境内部で様々なオブジェクトの画像をキャプチャするのを支援することができる。いくつかの実施形態では、イルミネータ330を使用して、特定の光パターンを環境内部のオブジェクト上に投影することができる。いくつかの実施形態では、イルミネータ330は、図1に関して上述したロケータ126などのロケータとして使用することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ300は、高解像度カメラ340を含むこともできる。カメラ340は、視野内の物理的環境の画像をキャプチャすることができる。キャプチャされた画像は、仮想オブジェクトをキャプチャした画像に追加するために、またはキャプチャした画像内の物理的オブジェクトを編集するために、例えば仮想現実エンジン(例えば図1の人工現実エンジン116)によって処理することができ、処理された画像は、ARまたはMR用途向けのディスプレイ310によってユーザに表示することができる。
【0059】
図4は、特定の実施形態による、導波路ディスプレイを含む光学的シースルーの拡張現実システム400の例を図示している。拡張現実システム400は、プロジェクタ410およびコンバイナ415を含むことができる。プロジェクタ410は、光源または画像ソース412、およびプロジェクタ光学系414を含むことができる。いくつかの実施形態では、光源または画像ソース412は、上述の1つまたは複数のマイクロLEDデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像ソース412は、仮想オブジェクトを表示する、LCDディスプレイパネル、またはLEDディスプレイパネルなどの複数のピクセルを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像ソース412は、コヒーレントな、または部分的にコヒーレントな光を生成する光源を含む場合がある。例えば、画像ソース412は、レーザダイオード、垂直共振器面発光レーザ、LED、および/または上述のマイクロLEDを含む場合がある。いくつかの実施形態では、画像ソース412は、それぞれが主色(例えば、赤、緑、または青)に対応する単色の画像光を発する複数の光源(例えば、上述のマイクロLEDのアレイ)を含む場合がある。いくつかの実施形態では、画像ソース412は、マイクロLEDの3つの二次元アレイを含む場合があり、マイクロLEDのそれぞれの二次元アレイは、主色(例えば、赤、緑、または青)を発光するように構成されたマイクロLEDを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像ソース412は、空間光変調器などの光学パターン生成器を含む場合がある。プロジェクタ光学系414は、画像ソース412からの光を調整すること、例えば、画像ソース412からの光を拡大、コリメート、走査すること、またはコンバイナ415に投影することができる、1つまたは複数の光学コンポーネントを含むことができる。1つまたは複数の光学コンポーネントとしては、1つまたは複数のレンズ、液体レンズ、ミラー、アパーチャ、および/または格子を挙げることができる。例えば、いくつかの実施形態では、画像ソース412は、マイクロLEDの1つまたは複数の一次元アレイまたは縦長の二次元アレイを含む場合があり、プロジェクタ光学系414は、マイクロLEDの一次元アレイまたは縦長の二次元アレイを走査して画像フレームを生成するように構成された、1つまたは複数の一次元スキャナ(例えば、マイクロミラーまたはプリズム)を含むことができる。いくつかの実施形態では、プロジェクタ光学系414は、画像ソース412からの光を走査できるようにする複数の電極を備える液体レンズ(例えば、液晶レンズ)を含むことができる。
【0060】
コンバイナ415は、プロジェクタ410からの光をコンバイナ415の基板420に結合するための入力カプラ430を含むことができる。コンバイナ415は、第1の波長範囲において光の少なくとも50%を透過させ、第2の波長範囲において光の少なくとも25%を反射させることができる。例えば、第1の波長範囲は、約400nmから約650nmまでの可視光であってもよく、第2の波長範囲は、例えば約800nmから約1000nmまでの赤外帯域であってもよい。入力カプラ430は、体積型ホログラフィック格子、回折光学素子(DOE)(例えば、表面レリーフ型格子)、基板420の傾斜面、または屈折カプラ(例えば、ウェッジまたはプリズム)を含むことができる。入力カプラ430は、可視光に対して、30%、50%、75%、90%を上回るか、またはそれより高い結合効率を有することができる。基板420に結合された光は、基板420内を例えば全反射(TIR)で伝搬する。基板420は、1つの眼鏡のうちの1つのレンズの形態であってもよい。基板420は、平坦または屈曲した表面を有する場合があり、1つまたは複数の種類の誘電物質、例えばガラス、石英、プラスチック、ポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、結晶、またはセラミックなどを含むことができる。基板の厚さは、例えば約1mm未満から約10mm以上にわたる場合がある。基板420は、可視光に対して透明であってもよい。
【0061】
基板420は、基板420によって導光されてその内部を伝搬する光を少なくとも一部、基板420から取り出すように構成された出力カプラ440のうちの複数を含むか、それらに結合し、拡張現実システム400のユーザの目490に取り出した光460を方向付けることができる。入力カプラ430として、出力カプラ440は格子カプラ(例えば、体積型ホログラフィック格子、または表面レリーフ型格子)、他のDOE、プリズムなどを含むことができる。出力カプラ440は、様々な場所において、様々な結合(例えば、回折)効率を有する場合がある。基板420は、コンバイナ415の正面の環境からの光450を、損失無く、または少しの損失で通過させることもできる。出力カプラ440もやはり、少しの損失で光450を通過させることができる。例えば、いくつかの実装形態では、光450が少しの損失で屈折され得るように、または出力カプラ440を通過できるようにすることにより、光460から取り出される光よりも高い強度を有するべく、出力カプラ440は、光450に対して低い回折効率を有してもよい。いくつかの実装形態では、出力カプラ440は、光450に対して高い回折効率を有することができ、光450を少ない損失で特定の所望の方向(即ち、回折角)に回折することができる。結果として、ユーザは、コンバイナ415の正面の環境とプロジェクタ410によって投影された仮想オブジェクトとが組み合わされた画像を見ることができる。
【0062】
図5Aは、特定の実施形態による、導波路ディスプレイ530を含むニアアイディスプレイ(NED)デバイス500の例を図示している。NEDデバイス500は、ニアアイディスプレイ120、拡張現実システム400、または他の種類のディスプレイデバイスの一例であり得る。NEDデバイス500は、光源510、投影光学系520、および導波路ディスプレイ530を含むことができる。光源510は、赤光エミッタのパネル512、緑光エミッタのパネル514、青光エミッタのパネル516など、様々な色のための複数の光エミッタのパネルを含むことができる。赤光エミッタ512は、1つのアレイ状にまとめられ、緑光エミッタ514は、1つのアレイ状にまとめられ、青光エミッタ516は、1つのアレイ状にまとめられる。光源510における光エミッタの寸法およびピッチは、小さくてもよい。例えば、各光エミッタは、2μm未満(例えば約1.2μm)の直径を有する場合があり、ピッチは2μm未満(例えば約1.5μm)であってもよい。このように、各赤光エミッタ512、緑光エミッタ514、青光エミッタ516それぞれにおける光エミッタの数は、960×720、1280×720、1440×1080、1920×1080、2160×1080、または2560×1080ピクセルなど、表示画像のピクセル数以上であることが可能である。したがって、表示画像は、光源510によって同時に生成することができる。走査素子は、NEDデバイス500では使用されない場合がある。
【0063】
導波路ディスプレイ530に到達する前、光源510によって発せられた光は、レンズのアレイを含み得る投影光学系520によって調整することができる。投影光学系520は、光源510によって発せられた光を導波路ディスプレイ530に対してコリメートまたはフォーカスすることができ、導波路ディスプレイ530には、光源510によって発せられた光を導波路ディスプレイ530に結合するためのカプラ532が含まれる場合がある。導波路ディスプレイ530に結合された光は、例えば図4に関して上述したような全反射により、導波路ディスプレイ530内部を伝搬することができる。カプラ532は、導波路ディスプレイ530内部を伝搬する光の一部を、導波路ディスプレイ530からユーザの目590に向けてカップリングアウトすることもできる。
【0064】
図5Bは、特定の実施形態による、導波路ディスプレイ580を含むニアアイディスプレイ(NED)デバイス550の例を図示している。いくつかの実施形態では、NEDデバイス550は、走査ミラー570を使用して、光源540からの光を、ユーザの目590が位置し得る画像野に投影することができる。NEDデバイス550は、ニアアイディスプレイ120、拡張現実システム400、または他の種類のディスプレイデバイスの一例であり得る。光源540は、赤光エミッタの複数行542、緑光エミッタの複数行544、青光エミッタの複数行546など、様々な色の光エミッタの、1つもしくは複数の行、または1つもしくは複数の列を含むことができる。例えば、赤光エミッタ542、緑光エミッタ544、および青光エミッタ546は、それぞれがN行を含むことができ、それぞれの行には例えば2560光エミッタ(ピクセル)が含まれる。赤光エミッタ542は、1つのアレイ状にまとめられ、緑光エミッタ544は、1つのアレイ状にまとめられ、青光エミッタ546は、1つのアレイ状にまとめられる。いくつかの実施形態では、光源540は、色ごとに光エミッタの単一のラインを含むことができる。いくつかの実施形態では、光源540は、赤、緑および青の色ごとに、光エミッタの複数の列を含むことができ、それぞれの列が例えば1080光エミッタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源540の光エミッタの寸法および/またはピッチは、比較的大きい(例えば、約3~5μm)場合があるため、光源540は表示画像全体を同時に生成するために十分な光エミッタを含んでいない場合がある。例えば、単一色用の光エミッタの数は、表示画像のピクセル数(例えば、2560×1080ピクセル)より少ない場合がある。光源540によって発せられた光は、光をコリメートした、または光を収束したビームのセットであり得る。
【0065】
走査ミラー570に到達する前、光源540によって発せられた光は、コリメートレンズ、またはフリーフォーム光学素子560など様々な光学デバイスによって調整することができる。フリーフォーム光学素子560としては、例えば多面体プリズム、または光源540によって発せられた光を走査ミラー570に向けること、光源540によって発せられた光の伝搬方向を例えば約90°以上変えることができる、別の光を曲げる素子を挙げることができる。いくつかの実施形態では、フリーフォーム光学素子560は、光を走査するよう回転可能であってもよい。走査ミラー570および/またはフリーフォーム光学素子560は、光源540によって発せられた光を反射して導波路ディスプレイ580に投影することができ、導波路ディスプレイ580には、光源540によって発せられた光を導波路ディスプレイ580に結合するためのカプラ582が含まれる場合がある。導波路ディスプレイ580に結合された光は、例えば図4に関して上述したような全反射により導波路ディスプレイ580内部を伝搬することができる。カプラ582は、導波路ディスプレイ580内を伝搬する光の一部を、導波路ディスプレイ580からユーザの目590に向けてカップリングアウトすることもできる。
【0066】
走査ミラー570は、微小電気機械システム(MEMS)ミラーまたは任意の他の適切なミラーを含むことができる。走査ミラー570は、1つの次元または2つの次元において走査するよう回転することができる。走査ミラー570が回転すると、各走査サイクルにおいて表示画像全体を導波路ディスプレイ580に投影して導波路ディスプレイ580によってユーザの目590に向けることができるように、光源540によって発せられた光を、導波路ディスプレイ580の様々なエリアに向けることができる。例えば、光源540が1つまたは複数の行または列にある全てのピクセルに対する光エミッタを含む実施形態では、走査ミラー570は列または行方向(例えば、xまたはy方向)に回転して画像を走査することができる。光源540が1つまたは複数の行または列にある全てではなく一部のピクセルに対する光エミッタを含む実施形態では、走査ミラー570は、行および列の方向の両方(例えば、xおよびy方向の両方)に回転して、表示画像を(例えば、ラスタタイプの走査パターンを使用して)投影することができる。
【0067】
NEDデバイス550は、所定の表示期間動作することができる。表示期間(例えば、表示サイクル)とは、画像全体が走査または投影される持続時間を指すことができる。例えば、表示期間は、所望のフレームレートの逆数であり得る。走査ミラー570を含むNEDデバイス550では、表示期間は走査期間または走査サイクルと称されることもある。光源540による光生成は、走査ミラー570の回転と同期される場合がある。例えば、それぞれの走査サイクルは複数の走査ステップを含む場合があり、光源540は、それぞれ個々の走査ステップにおいて異なる光パターンを生成することができる。
【0068】
それぞれの走査サイクルでは、走査ミラー570が回転すると、表示画像が導波路ディスプレイ580およびユーザの目590に投影され得る。表示画像の所与のピクセル場所の実際の色値および光強度(例えば、明るさ)は、走査期間中にピクセル場所を照射している3色(例えば、赤、緑、および青)の光線の平均であり得る。走査期間を完了した後、走査ミラー570は最初の位置に向かって反転して次の表示画像の最初の数行に光を投影することができるか、または逆方向に回転するか、もしくはパターンを走査して、次の表示画像について光を投影して、ここで駆動信号の新しいセットが光源540に与えられ得る。それぞれの走査サイクルで走査ミラー570が回転する度に、同一のプロセスを繰り返すことができる。このように、様々な画像を、様々な走査サイクルにおいて、ユーザの目590に投影することができる。
【0069】
図6は、特定の実施形態による、ニアアイディスプレイシステム600における画像ソースアセンブリ610の例を図示している。画像ソースアセンブリ610は、図4図5Bを参照して上述したように、例えば、ユーザの目に投影される表示画像を生成することができる表示パネル640、および表示パネル640によって生成された表示画像を導波路ディスプレイに投影することができるプロジェクタ650を含む場合がある。表示パネル640は、光源642および光源642用のドライバ回路644を含むことができる。光源642は、例えば、光源510または540を含むことができる。プロジェクタ650は、例えば、上述のフリーフォーム光学素子560、走査ミラー570、および/または投影光学系520を含むことができる。ニアアイディスプレイシステム600は、光源642とプロジェクタ650(例えば、走査ミラー570)を同期して制御するコントローラ620を含むこともできる。画像ソースアセンブリ610は、画像光を生成して、導波路ディスプレイ530または580などの導波路ディスプレイ(図6には図示せず)に出力することができる。上述のように、導波路ディスプレイは、1つまたは複数の入力結合素子において画像光を受信し、受信した画像光を1つまたは複数の出力結合素子に導光することができる。入力および出力結合素子としては、例えば、回折格子、ホログラフィック格子、プリズム、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。入力結合素子は、導波路ディスプレイで全反射が生ずるように選択することができる。出力結合素子は、全反射した画像光の一部を導波路ディスプレイからカップリングアウトすることができる。
【0070】
上述のように、光源642は、アレイまたはマトリクス状に配置された複数の光エミッタを含むことができる。各光エミッタは、赤色光、青色光、緑色光、赤外光など、単色光を発することができる。本開示では、しばしばRGB色を議論するが、本明細書において説明される実施形態は、主色として赤、緑、および青を使用することに限定されない。ニアアイディスプレイシステム600の主色として、他の色を使用することも可能である。いくつかの実施形態では、ある実施形態によるディスプレイパネルは、4色以上の主色を使用する場合がある。光源642の各ピクセルは、赤マイクロLED、緑マイクロLED、および青マイクロLEDを含む3つのサブピクセルを含む場合がある。半導体LEDは、一般的に、半導体材料の複数層内部に活性発光層を含む。半導体材料の複数層は、異なる化合物材料、または様々なドーパントおよび/もしくは様々なドープ密度を伴う同一の基材を含むことができる。例えば、半導体材料の複数層は、n型材料層、ヘテロ構造(例えば、1つまたは複数の量子ウェル)を含み得る活性領域、およびp型材料層を含む場合がある。半導体材料の複数層は、特定の配向を有する基板表面上に成長させることができる。いくつかの実施形態では、光の取り出し効率を向上させるために、半導体材料の層の少なくとも一部を含むメサを形成する場合がある。
【0071】
コントローラ620は、光源642および/またはプロジェクタ650の操作など、画像ソースアセンブリ610の画像レンダリング操作を制御することができる。例えば、コントローラ620は、画像ソースアセンブリ610のための命令を決定して、1つまたは複数の表示画像をレンダリングすることができる。命令には、表示命令および走査命令が含まれ得る。いくつかの実施形態では、表示命令には画像ファイル(例えば、ビットマップファイル)が含まれる場合がある。表示命令は、例えば、図1に関して上述したコンソール110などのコンソールから受信することができる。走査命令は、画像光を生成するために画像ソースアセンブリ610によって使用される場合がある。走査命令は、例えば、画像光の光源種類(例えば、単色、または多色)、走査レート、走査装置の向き、1つもしくは複数の照射パラメータ、またはそれらのあらゆる組み合わせを指定することができる。コントローラ620は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせを含むことができるが、本開示の他の態様を曖昧にしないように、ここでは図示しない。
【0072】
いくつかの実施形態では、コントローラ620は、ディスプレイデバイスのグラフィック処理ユニット(GPU)であり得る。他の実施形態では、コントローラ620は、他の種類のプロセッサであってもよい。コントローラ620によって実施される操作には、表示用のコンテンツを取得すること、およびそのコンテンツを別個のセクションに分割することが含まれる場合がある。コントローラ620は、光源642の個々の光源素子に対応するアドレスおよび/または個々の光源素子に印加される電気的バイアスを含む走査命令を、光源642に提供することができる。コントローラ620は、光源642に、最終的にユーザに表示される画像内の1つまたは複数のピクセルの行に対応する光エミッタを使用して別個のセクションを順次提示するように命令することができる。コントローラ620は、プロジェクタ650に光の様々な調節を実施するように命令することもできる。例えば、コントローラ620は、図5Bに関して上述したように、プロジェクタ650を制御して、個別のセクションを、導波路ディスプレイ(例えば、導波路ディスプレイ580)の結合素子の様々なエリアまで走査することができる。このように、導波路ディスプレイの射出瞳において、それぞれ個別の部分が様々な個々の場所において提示される。それぞれ個別のセクションが異なるそれぞれの時間において提示されるが、個別のセクションの提示および走査は、ユーザの目が様々なセクションを単一の画像または一連の画像に統合できるよう十分高速に生じる。
【0073】
画像プロセッサ630は、汎用プロセッサ、および/または本明細書において説明される特徴を実施することに特化した1つもしくは複数の特定用途向け回路であり得る。一実施形態では、汎用プロセッサは、メモリに連結され、本明細書において説明される特定のプロセスをプロセッサに実施させるソフトウェア命令を実行することができる。別の実施形態では、画像プロセッサ630は、特定の特徴を実施することに特化した1つまたは複数の回路であってもよい。図6の画像プロセッサ630は、コントローラ620とドライバ回路644とは別個のスタンドアロンのユニットとして示されているが、画像プロセッサ630は、他の実施形態ではコントローラ620またはドライバ回路644のサブユニットであってもよい。換言すると、これらの実施形態では、コントローラ620またはドライバ回路644は、画像プロセッサ630の様々な画像処理機能を実施することができる。画像プロセッサ630は、画像処理回路と称される場合もある。
【0074】
図6に示される例では、光源642は、コントローラ620または画像プロセッサ630から送信されたデータまたは命令(例えば、表示命令および走査命令)に基づいて、ドライバ回路644によって駆動され得る。一実施形態では、ドライバ回路644は、光源642の様々な光エミッタに接続し、それらを機械的に保持する回路パネルを含むことができる。光源642は、コントローラ620によってセットされ、潜在的に画像プロセッサ630およびドライバ回路644によって調節される、1つまたは複数の照射パラメータにしたがって発光することができる。照射パラメータは、光を生成するために光源642によって使用される場合がある。照射パラメータとしては、例えば、光源波長、パルスレート、パルス振幅、ビーム種類(連続的か、パルス化されているか)、発せられる光に影響を及ぼし得る他のパラメータ、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、光源642によって生成される光源光には、赤色光、緑色光、青色光、またはそれらのあらゆる組み合わせの複数のビームが含まれる場合がある。
【0075】
プロジェクタ650は、光源642によって生成された画像光のフォーカシング、結合、調整、または走査などの、光学機能のセットを実施することができる。いくつかの実施形態では、プロジェクタ650は、結合アセンブリ、光調整アセンブリ、または走査ミラーアセンブリを含む場合がある。プロジェクタ650は、光源642からの光を光学的に調節し、潜在的にはリダイレクトする、1つまたは複数の光学コンポーネントを含む場合がある。光の調節の一例としては、拡大、コリメート、1つまたは複数の光学的誤差の補正(例えば、像面湾曲、色収差など)、何らかの他の光の調節、またはそれらのあらゆる組み合わせなどの光の調整を挙げることができる。プロジェクタ650の光学コンポーネントとしては、例えば、レンズ、ミラー、アパーチャ、格子、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。
【0076】
プロジェクタ650は、画像光を、その1つまたは複数の反射および/または屈折部分を介してリダイレクトすることができ、それにより画像光が導波路ディスプレイに対して特定の配向で投影される。画像光がリダイレクトされる場所は、1つまたは複数の反射および/または屈折部分の具体的な配向に依存する場合がある。いくつかの実施形態では、プロジェクタ650は、少なくとも2つの次元で走査する単一の走査ミラーを含む。他の実施形態では、プロジェクタ650は、それぞれが互いに直交する方向に走査する、複数の走査ミラーを含むことができる。プロジェクタ650は、ラスタ走査(水平方向または垂直方向)、バイレゾナント走査またはそれらのあらゆる組み合わせを実施することができる。いくつかの実施形態では、2つの次元に沿って走査してユーザの目に対して提示するメディアの二次元投影画像を生成するために、プロジェクタ650は、水平方向および/または垂直方向に沿って、特定の振動周波数で制御された振動を発生させることができる。他の実施形態では、プロジェクタ650は、1つまたは複数の走査ミラーと類似のまたは同一の機能を果たすことができるレンズまたはプリズムを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像ソースアセンブリ610は、プロジェクタを含まなくてもよく、その場合、光源642によって発せられた光は直接導波路ディスプレイに入射してもよい。
【0077】
図7Aは、垂直方向のメサ構造を有するLED700の例を図示している。LED700は、光源510、540、または642の光エミッタであり得る。LED700は、半導体材料の複数層などの、無機材料から作られたマイクロLEDであってもよい。層状の半導体発光デバイスは、III-V族半導体材料の複数層を含むことができる。III-V族半導体材料としては、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、またはインジウム(In)などの1つまたは複数のIII族元素を、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)またはアンチモン(Sb)などのV族元素と組み合わせたものを挙げることができる。III-V族半導体材料のV族元素が窒素を含む場合、III-V族半導体材料はIII族窒化物材料と称される。層状の半導体発光デバイスは、気相エピタキシ(VPE)、液相エピタキシ(LPE)、分子ビームエピタキシ(MBE)、または有機金属気相堆積(MOCVD)などの技法を用いて、複数のエピタキシャル層を基板上に成長させることによって製造することができる。例えば、半導体材料の層は、GaN、GaAs、もしくはGaP基板、または限定はしないがサファイア、シリコンカーバイド、シリコン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、リチウムガレート、部分的に置換されたスピネル型、もしくはβLiAlO構造を共有する四元正方晶酸化物を含む基板などの、特定の結晶面方位(例えば、極性、無極性、または半極性面方位)の基板上に層ごとに成長させることができ、基板は特定の方向に切断して特定の面を成長面として露出させることができる。
【0078】
図7Aに示される例では、LED700は、例えば、サファイア基板またはGaN基板を含み得る基板710を含むことができる。半導体層720は、基板710の上に成長させることができる。半導体層720は、GaNなどのIII-V族材料を含むことができ、pドープ(例えば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeを用いる)またはnドープ(例えば、SiもしくはGeを用いる)することができる。1つまたは複数の活性層730は、半導体層720の上に成長させて、活性領域を形成することができる。活性層730は、1つもしくは複数のInGaN層、1つもしくは複数のAlInGaP層、および/または1つもしくは複数のGaN層などのIII-V族材料を含むことができ、これらは1つまたは複数の量子ウェルまたはMQWなどの、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することができる。半導体層740は、活性層730の上に成長させることができる。半導体層740は、GaNなどのIII-V族材料を含むことができ、pドープ(例えば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeを用いる)またはnドープ(例えば、SiもしくはGeを用いる)することができる。半導体層720と半導体層740のうちの一方は、p型層であることができ、もう一方はn型層であることができる。半導体層720と半導体層740とは、活性層730を挟みこんで発光領域を形成する。例えば、LED700は、マグネシウムをドープされたp型GaNの層と、ケイ素または酸素をドープされたn型GaNの層との間に据えられたInGaNの層を含むことができる。いくつかの実施形態では、LED700は、亜鉛またはマグネシウムをドープされたp型AlInGaPの層と、セレン、ケイ素またはテルルをドープされたn型AlInGaPの層との間に据えられたAlInGaPの層を含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、電子ブロック層(EBL)(図7Aには図示せず)は、活性層730と半導体層720または半導体層740のうちの少なくとも1つとの間に層を形成するよう、成長させることができる。EBLは、電子リーク電流を低減してLEDの効率を改善することができる。いくつかの実施形態では、PまたはP++半導体層などの高濃度ドープ半導体層750が、半導体層740上に形成され、オーミックコンタクトを形成するためのコンタクト層として作用し、デバイスの接触インピーダンスを低減することができる。いくつかの実施形態では、導電層760を、高濃度ドープ半導体層750上に形成することができる。導電層760は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)またはAl/Ni/Au薄膜を含むことができる。一例では、導電層760は、透明なITO層を含む場合がある。
【0080】
半導体層720(例えば、n型GaN層)と接触させるために、また活性層730により発せられる光をLED700からより効率よく取り出すために、半導体材料層(高濃度ドープ半導体層750、半導体層740、活性層730、および半導体層720を含む)は、半導体層720を露出させ、層720~760を含むメサ構造を形成するようエッチングされる場合がある。メサ構造は、デバイス内にキャリアを閉じ込めることができる。メサ構造をエッチングすることにより、成長プレーンに直交し得るメサの側壁732の形成がもたらされる場合がある。パッシベーション層770は、メサ構造の側壁732に形成することができる。パッシベーション層770は、SiO層などの酸化物層を含む場合があり、LED700から発せられた光を反射するリフレクタとして作用することができる。Al、Au、Ni、Tiまたはそれらのあらゆる組み合わせなどの金属層を含む場合があるコンタクト層780は、半導体層720上に形成することができ、LED700の電極として作用することができる。追加的に、Al/Ni/Au金属層などの別のコンタクト層790が、導電層760上に形成される場合があり、LED700の別の電極として作用することができる。
【0081】
電圧信号がコンタクト層780と790に印加されると、電子とホールとが活性層730で再結合することができ、ここで電子とホールとの再結合によりフォトンが発せられる。発せられるフォトンの波長とエネルギーは、活性層730における価電子帯と導電帯との間のエネルギーバンドギャップに依存し得る。例えば、InGaN活性層は、緑または青の光を発することができ、AlGaN活性層は、青から紫外の光を発することができ、その一方でAlInGaP活性層は赤、橙、黄、または緑の光を発することができる。発せられたフォトンは、パッシベーション層770によって反射され、上部(例えば、導電層760およびコンタクト層790)または底部(例えば、基板710)からLED700を出ていくことができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、LED700は、発せられる光をフォーカスもしくはコリメートするために、または発せられる光を導波路に結合するために、基板710などの発光面に、レンズなどの1つまたは複数の他のコンポーネントを含む場合がある。いくつかの実施形態では、LEDは、平面、円錐、半放物線、または放物線などの別の形状のメサを含む場合があり、メサの基部エリアは、円形、矩形、六角形または三角形であってもよい。例えば、LEDは曲線形状(例えば、放物面形状)および/または非曲線形状(例えば、円錐形状)のメサを含むことができる。メサは、切頭されていてもよく、切頭されていなくてもよい。
【0083】
図7Bは、放物線メサ構造を有するLED705の例の断面図である。LED700と同様、LED705は、III-V族半導体材料の複数層など、半導体材料の複数層を含むことができる。半導体材料の層は、GaN基板またはサファイア基板などの基板715上にエピタキシャル成長させることができる。例えば、半導体層725は、基板715の上に成長させることができる。半導体層725は、GaNなどのIII-V族材料を含むことができ、pドープ(例えば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeを用いる)またはnドープ(例えば、SiもしくはGeを用いる)することができる。1つまたは複数の活性層735は、半導体層725の上に成長させることができる。活性層735は、1つもしくは複数のInGaN層、1つもしくは複数のAlInGaP層、および/または1つもしくは複数のGaN層などのIII-V族材料を含むことができ、これらは1つまたは複数の量子ウェルなどの、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することができる。半導体層745は、活性層735の上に成長させることができる。半導体層745は、GaNなどのIII-V族材料を含むことができ、pドープ(例えば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeを用いる)またはnドープ(例えば、SiもしくはGeを用いる)することができる。半導体層725と半導体層745のうちの一方は、p型層であることができ、もう一方はn型層であることができる。
【0084】
半導体層725(例えば、n型GaN層)と接触させるために、また活性層735により発せられる光をLED705からより効率よく取り出すために、半導体層は、半導体層725を露出させ、層725~745を含むメサ構造を形成するようエッチングされる場合がある。メサ構造は、デバイスの注入エリア内にキャリアを閉じ込めることができる。メサ構造をエッチングすることは、層725~745の結晶成長に関連付けられる成長面とは非平行な、または場合によっては成長面に直交するメサ側壁(本明細書ではファセットとも称される)の形成につながり得る。
【0085】
図7Bに示されるように、LED705は平坦上部を含むメサ構造を有することができる。誘電層775(例えば、SiOまたはSiNx)は、メサ構造のファセット上に形成され得る。いくつかの実施形態では、誘電層775は、誘電物質の複数層を含むことができる。いくつかの実施形態では、金属層795を、誘電層775上に形成することができる。金属層795は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、チタン(Ti)、銅(Cu)、またはそれらのあらゆる組み合わせなどの、1つまたは複数の金属または金属合金材料を含むことができる。誘電層775および金属層795は、活性層735によって基板715に向かって発せられる光を反射することができるメサリフレクタを形成することができる。いくつかの実施形態では、メサリフレクタは、発せられる光を少なくとも部分的にコリメートすることができる放物線リフレクタとして作用するよう放物線形状であることができる。
【0086】
電気コンタクト765と電気コンタクト785とは、電極として作用するよう、半導体層745と半導体層725とにそれぞれ形成することができる。電気コンタクト765および電気コンタクト785は、Al、Au、Pt、Ag、Ni、Ti、Cuまたはそれらのあらゆる組み合わせ(例えば、Ag/Pt/AuもしくはAl/Ni/Au)など、それぞれ導電材料を含むことができ、LED705の電極として作用することができる。図7Bに示される例では、電気コンタクト785はnコンタクトであり得、電気コンタクト765はpコンタクトであり得る。電気コンタクト765および半導体層745(例えば、p型半導体層)は、活性層735によって発せられる光を基板715に戻す方向に反射するためのバックリフレクタを形成することができる。いくつかの実施形態では、電気コンタクト765および金属層795は、同一の材料を含むことができ、同一のプロセスを使用して形成することができる。いくつかの実施形態では、追加的な導電層(図示せず)を中間的な導電層として、電気コンタクト765および785と半導体層との間に含めることができる。
【0087】
電圧信号がコンタクト765および785全体に印加されると、電子とホールは活性層735内で再結合することができる。電子とホールの再結合は、フォトンを発生させ、ひいては光を生み出すことができる。発せられたフォトンの波長とエネルギーは、活性層735における価電子帯と導電帯との間のエネルギーバンドギャップに依存し得る。例えば、InGaN活性層は、緑または青の光を発することができるが、AlInGaP活性層は赤、橙、黄、または緑の光を発することができる。発せられたフォトンは、多くの様々な方向に伝搬し、メサリフレクタおよび/またはバックリフレクタによって反射される場合があり、例えば図7Bに示される底面(例えば、基板715)LED705から出ていく場合もある。レンズまたは格子などの1つまたは複数の他の二次光学コンポーネントは、発せられる光をフォーカスもしくはコリメートするために、および/または発せられる光を導波路に結合するために、基板715などの発光面に形成することができる。
【0088】
上述のLEDの一次元または二次元のアレイは、光源(例えば、光源642)を形成するようウェハ上で製造することができる。ドライバ回路(例えば、ドライバ回路644)は、例えば、CMOSプロセスを使用してシリコンウェハ上で作製することができる。LEDおよびウェハ上のドライバ回路は、さいの目に切り分けてから接着することができるか、またはウェハレベルで接着してからさいの目に切り分けることができる。LEDおよびドライバ回路について、接着剤接着、金属間接着、金属酸化物接着、ウェハ間接着、ダイウェハ間接着、ハイブリッド接着などの様々な接着技法を用いることができる。
【0089】
図8Aは、特定の実施形態による、LEDのアレイ用のダイウェハ間接着の方法の例を図示している。図8Aに示される例では、LEDアレイ801は、キャリア基板805に複数のLED807を含むことができる。キャリア基板805は、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、Siなどの、様々な材料を含む場合がある。LED807は、例えば、接着を行う前に、様々なエピタキシャル層を成長させること、メサ構造を形成すること、および電気コンタクトまたは電極を形成することによって作製することができる。エピタキシャル層は、GaN、InGaN、(AlGaIn)P、(AlGaIn)AsP、(AlGaIn)AsN、(AlGaIn)Pas、(Eu:InGa)N、(AlGaIn)Nなどの様々な材料を含むことができ、n型層、p型層、および1つまたは複数の量子ウェルまたはMQWなどの、1つまたは複数のヘテロ構造を含む活性層を含むことができる。電気コンタクトは、金属または金属合金などの、様々な導電性の材料を含むことができる。
【0090】
ウェハ803は、受動的または能動的(例えば、ドライバ回路811)な集積回路が作製されたベース層809を含むことができる。ベース層809は、例えばシリコンウェハを含むことができる。ドライバ回路811は、LED807の動作を制御するために使用することができる。例えば、LED807ごとのドライバ回路は、2つのトランジスタと1つのキャパシタを有する2T1Cピクセル構造を含むことができる。ウェハ803は、さらに接着層813を含むことができる。接着層813は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、AuTiなど様々な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、パターン化層815が接着層813の表面に形成される場合があり、パターン化層815はCu、Ag、Au、Alなどの導電性材料から作られた金属性のグリッドを含むことができる。
【0091】
LEDアレイ801は、接着層813またはパターン化層815を介してウェハ803に接着することができる。例えば、パターン化層815は、LEDアレイ801のLED807を、対応するウェハ803上のドライバ回路811とアラインするために使用することができるCuSn、AuSn、またはナノ多孔質Auなどの様々な材料から作られた金属パッドまたはバンプを含むことができる。一例では、LEDアレイ801は、LED807が、ドライバ回路811に対応するそれぞれの金属パッドまたはバンプと接触するまでウェハ803に向けて近づけることができる。LED807のうちの一部または全てを、ドライバ回路811にアラインすることができ、次いでパターン化層815を介して金属間接着など様々な接着技法によりウェハ803に接着することができる。LED807がウェハ803に接着された後、キャリア基板805をLED807から除去することができる。
【0092】
図8Bは、特定の実施形態による、LEDのアレイ用のウェハ間接着の方法の例を図示している。図8Bに示されるように、第1のウェハ802は、基板804、第1の半導体層806、活性層808、および第2の半導体層810を含むことができる。基板804は、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、Siなどの、様々な材料を含む場合がある。第1の半導体層806、活性層808、および第2の半導体層810は、GaN、InGaN、(AlGaIn)P、(AlGaIn)AsP、(AlGaIn)AsN、(AlGaIn)Pas、(Eu:InGa)N、(AlGaIn)Nなどの、様々な半導体材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の半導体層806は、n型層であってもよく、第2の半導体層810はp型層であってもよい。例えば、第1の半導体層806は、nドープGaN層(例えば、SiまたはGeでドープされている)であることができ、第2の半導体層810はpドープGaN層(例えば、Mg、Ca、Zn、またはBeでドープされている)であることができる。活性層808は、例えば1つまたは複数のGaN層、1つまたは複数のInGaN層、1つまたは複数のAlInGaP層などを含むことができ、これらは1つまたは複数の量子ウェルまたはMQWなどの、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1のウェハ802は、接着層を含むこともできる。接着層812は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、AuTiなど様々な材料を含むことができる。一例では、接着層812は、pコンタクトおよび/またはnコンタクト(図示せず)を含む場合がある。いくつかの実施形態では、第1のウェハ802の上には、基板804と第1の半導体層806との間にバッファ層などの他の層が、含まれてもよい。バッファ層は、多結晶体GaN、またはAlNなど、様々な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンタクト層は第2の半導体層810と接着層812との間にあってもよい。コンタクト層は、第2の半導体層810および/または第1の半導体層806への電気コンタクトを設けるために、あらゆる適切な材料を含むことができる。
【0094】
第1のウェハ802は、上述のようにドライバ回路811および接着層813を含むウェハ803に、接着層813および/または接着層812を介して接着することができる。接着層812および接着層813は、同一の材料から作ってもよく、または異なる材料から作ってもよい。接着層813および接着層812は、実質的に平坦であってもよい。第1のウェハ802は、金属間接着、共晶接着、金属酸化物接着、陽極接着、熱圧着接着、紫外(UV)接着、および/またはフュージョン接着などの、様々な方法によってウェハ803に接着することができる。
【0095】
図8Bに示されるように、第1のウェハ802は、下向きに(即ち、ウェハ803を向く)第1のウェハ802のp側(例えば、第2の半導体層810)でウェハ803に接着することができる。接着の後、基板804は第1のウェハ802から除去することができ、次いで第1のウェハ802をn側から処理することができる。処理には、例えば個々のLED用の特定のメサ形状の形成、ならびに個々のLEDに対応する光学コンポーネントの形成が含まれる場合がある。
【0096】
図9A図9Dは、特定の実施形態による、LEDのアレイ用のハイブリッド接着の方法の例を図示している。ハイブリッド接着は、一般的に、ウェハのクリーニングと活性化、1つのウェハのコンタクトと別のウェハのコンタクトとの高精度整列、室温下のウェハ表面での誘電物質の誘電性接着、および高温下でのアニーリングによるコンタクトの金属接着を含むことができる。図9Aは、受動的または能動的な回路920が作製された基板910を示している。図8A図8Bに関して上述したように、基板910は、例えばシリコンウェハを含むことができる。回路920は、LEDのアレイ用のドライバ回路および様々な電気的な相互接続を含むことができる。接着層は、誘電領域940、および電気的な相互接続を通じて回路920に接続されたコンタクトパッド930を含むことができる。コンタクトパッド930は、例えばCu、Ag、Au、Al、W、Mo、Ni、Ti、Pt、Pdなどを含むことができる。誘電領域940における誘電物質としては、SiCN、SiO、SiN、Al、HfO、ZrO、Taなどを挙げることができる。接着層は、例えば化学機械的研磨を用いて平坦化して研磨される場合があり、平坦化または研磨により、コンタクトパッドにディッシング(ボウル状の外形)が生じる場合がある。接着層の表面は、例えばイオン(例えば、プラズマ)または高速原子(例えば、Ar)ビーム905によって、クリーニングして活性化することができる。活性化された表面は、原子的にクリーンであり得、例えば室温下でウェハ同士が接触した場合に、ウェハ同士の直接接着の形成のために再活性となることができる。
【0097】
図9Bは、例えば図7A図8Bに関して上述したような、マイクロLED970のアレイが作製されたウェハ950を図示している。ウェハ950はキャリアウェハであってもよく、例えば、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、Siなどを含む場合がある。マイクロLED970は、ウェハ950上にエピタキシャルに成長させたn型層、活性領域、およびp型層を含む場合がある。エピタキシャル層には、上述の様々なIII-V族半導体材料が含まれる場合があり、エピタキシャル層において、実質的に垂直構造、放物線構造、円錐構造などの、メサ構造をエッチングするためにp型層側から処理することができる。パッシベーション層および/または反射層は、メサ構造の側壁に形成することができる。pコンタクト980およびnコンタクト982は、メサ構造に堆積した誘電物質層960に形成することができ、p型層およびn型層でそれぞれ電気コンタクトを作ることができる。誘電物質層960における誘電物質としては、例えばSiCN、SiO、SiN、Al、HfO、ZrO、Taなどを挙げることができる。pコンタクト980およびnコンタクト982は、例えばCu、Ag、Au、Al、W、Mo、Ni、Ti、Pt、Pdなどを含むことができる。pコンタクト980、nコンタクト982、および誘電物質層960の上面が、接着層を形成することができる。接着層は、例えば化学機械的研磨を用いて平坦化して研磨される場合があり、研磨により、pコンタクト980およびnコンタクト982にディッシングが生じる場合がある。接着層は、次いで、例えばイオン(例えば、プラズマ)または高速原子(例えば、Ar)ビーム915によって、クリーニングして活性化することができる。活性化された表面は、原子的にクリーンであり得、例えば室温下でウェハ同士が接触した場合に、ウェハ同士の直接接着の形成のために再活性となることができる。
【0098】
図9Cは、接着層で誘電物質を接着するための室温接着プロセスを示している。例えば、誘電領域940およびコンタクトパッド930を含む接着層と、pコンタクト980、nコンタクト982、および誘電物質層960を含む接着層とが表面活性化された後、ウェハ950およびマイクロLED970は上下をひっくり返して基板910および基板に形成された回路に接触させることができる。いくつかの実施形態では、接着層が互いに押し合うように、圧縮圧力925を、基板910およびウェハ950にかけることができる。表面活性化とコンタクトにおけるディッシングにより、誘電領域940と誘電物質層960とは、表面引力により直接接触することができ、表面原子はダングリングボンドを有する場合があり、また活性化後で不安定なエネルギー状態にある場合があるため、これらの間で反応して化学結合を生ずることができる。したがって、誘電領域940および誘電物質層960の誘電物質は、熱処理または圧力があってもなくても、結合することができる。
【0099】
図9Dは、接着層における誘電物質の接着後の、接着層におけるコンタクトを接着するためのアニーリングプロセスを示している。例えば、コンタクトパッド930とpコンタクト980またはnコンタクト982とは、例えば、約200~400℃またはそれよりも高温で、アニーリングによって接着することができる。アニーリングプロセスの間、熱935によってコンタクトは誘電物質よりも膨張し(異なる熱膨張係数のため)、それによって、コンタクトパッド930とpコンタクト980またはnコンタクト982とが接触するよう、また活性化された表面に直接メタルボンドを形成するよう、コンタクト同士の間のディッシングギャップを近づけることができる。
【0100】
2つの接着されたウェハが異なる熱膨張係数(CTE)を有する材料を含むいくつかの実施形態では、室温下で接着された誘電物質が、異なる熱膨張によって生じるコンタクトパッドの誤整列を低減または防ぐよう支援することができる。いくつかの実施形態では、アニーリングの間、高温において、コンタクトパッドの誤整列をさらに低減または回避するために、接着の前にマイクロLED同士の間に、マイクロLEDのグループ同士の間に、基板の一部または全体を通じてなど、トレンチが形成される場合がある。
【0101】
マイクロLEDがドライバ回路に接着された後、マイクロLEDが作製された基板は、薄くするか、または除去することができ、例えば、マイクロLEDの活性領域から発せられる光を取り出すため、コリメートするため、およびリダイレクトするために、様々な二次光学コンポーネントをマイクロLEDの発光表面に作製することができる。一例では、マイクロLED上にマイクロレンズを形成することができ、各マイクロレンズは、それぞれのマイクロLEDに対応することができ、光の取り出し効率を改善するよう支援し、マイクロLEDによって発せられた光をコリメートすることができる。いくつかの実施形態では、二次光学コンポーネントは、基板またはマイクロLEDのn型層に作製してもよい。いくつかの実施形態では、二次光学コンポーネントは、マイクロLEDのn型側に堆積された誘電層に作製してもよい。二次光学コンポーネントの例としては、レンズ、格子、反射防止(AR)コーティング、プリズム、フォトニック結晶などを挙げることができる。
【0102】
図10は、特定の実施形態による、二次光学コンポーネントが作製されたLEDアレイ1000の例の図である。LEDアレイ1000は、例えば、図8A図9Dに関して上述したあらゆる適切な接着技法を用いて、LEDチップまたはウェハを、電気回路が作製されたシリコンウェハと接着することによって作ることができる。図10に示した例では、LEDアレイ1000は、図9A図9Dに関して上述したようなウェハ間のハイブリッド接着技法を用いて、接着することができる。LEDアレイ1000は、例えば、シリコンウェハであり得る基板1010を含むことができる。LEDドライバ回路などの集積回路1020を、基板1010に作製することができる。集積回路1020は、コンタクトパッド1030を通じて、マイクロLED1070のpコンタクト1074およびnコンタクト1072に接続することができ、コンタクトパッド1030は、pコンタクト1074およびnコンタクト1072とのメタルボンドを形成することができる。基板1010の誘電層1040は、フュージョン接着を通じて誘電層1060に接着することができる。
【0103】
LEDチップまたはウェハの基板(図示せず)は、薄くすることができるか、またはマイクロLED1070のn型層1050を露出させるために除去することができる。球面マイクロレンズ1082、格子1084、マイクロレンズ1086、反射防止層1088などの、様々な二次光学コンポーネントを、n型層1050の内部、または上部に形成することができる。例えば、球面マイクロレンズのアレイは、グレースケールマスクおよび露光に対して線形な応答を有するフォトレジストを用いて、またはパターン化フォトレジスト層の熱リフローによって形成されたエッチングマスクを用いて、マイクロLED1070の半導体材料においてエッチングすることができる。二次光学コンポーネントは、類似のフォトリソグラフィック技法または他の技法を用いて、n型層1050に堆積された誘電層においてもエッチングすることができる。例えば、マイクロレンズアレイは、バイナリマスクを用いてパターン化されたポリマー層の熱リフローを通じてポリマー層に形成することができる。ポリマー層のマイクロレンズアレイは、二次光学コンポーネントとして使用することができるか、またはマイクロレンズアレイの外形を誘電層または半導体層に転写するためのエッチングマスクとして使用することができる。誘電層としては、例えばSiCN、SiO、SiN、Al、HfO、ZrO、Taなどを挙げることができる。いくつかの実施形態では、マイクロLED1070は、マイクロレンズと反射防止コーティング、半導体材料でエッチングされたマイクロレンズと誘電物質層でエッチングされたマイクロレンズ、マイクロレンズと格子、球面レンズと非球面レンズなど、複数の対応する二次光学コンポーネントを有することができる。図10には、3つの異なる二次光学コンポーネントが示されており、マイクロLED1070に形成され得る二次光学コンポーネントのいくつかの例を示しているが、必ずしも異なる二次光学コンポーネントが全てのLEDアレイに対して同時的に使用されるということを意味するものではない。
【0104】
次に図11および図12を参照すると、ディスプレイ装置1100の側面図が図11に示され、ディスプレイ装置1100の上面図が図12に示されている。ディスプレイ装置1100は、ニアアイディスプレイの光源(例えば、光源412、410、540または642)の一部であってもよい。ディスプレイ装置1100は、複数のLEDを含む。複数のLEDは、マイクロLEDである可能性がある。図11および図12の例は、マイクロLEDデバイスに基づいているが、図11および図12の例は、他の種類の光エミッタ(例えば、半導体レーザおよびLED)にも同様に適用可能であることを理解されたい。
【0105】
図11に示されるように、ディスプレイ装置1100は、例えばバックプレーン1104上に組み立てられたμLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cを含むμLEDダイ1102のアレイを含むことができる。バックプレーン1104は、電気的な接続を提供するため、および/または複数のμLEDダイ1102に構造上の支持を提供するために、複数のμLEDダイ1102を取り付けるための構造を含むことができる。本明細書において使用される際、「バックプレーン」とは、複数のLEDデバイス(μLEDデバイスを含むことができる)を取り付けるため、および/または複数のLEDデバイスに電気信号を与えるための、表面(平坦、屈曲などであり得る)を提供する構造を指す場合がある。バックプレーン1104は、ディスプレイデバイスを形成するためのディスプレイバックプレーンとして構成することができる。例えば、バックプレーン1104は、ディスプレイ素子を形成するLEDデバイスのアセンブリを保持することができ、バックプレーン1104は、ディスプレイ素子によって表示される情報を制御するために、電気信号をLEDデバイスに与えるためのトレースを含むこともできる。バックプレーン1104は、他のコンポーネントに接続することができるトレースを含むことができる。バックプレーン1104は、トレースへのアクセスを提供することができる電気的な接触点、例えば金属パッドを含むこともできる。例えば、図11および図12に示されるように、バックプレーン1104は、μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cとそれぞれ電気的に接続するための、電気トレース1106-a、1106-b、および1106-cを含む。電気トレース1106-a、1106-b、および1106-cは、異なるμLEDダイ1102に異なる信号を印加することによって、μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cのそれぞれを、別個に制御することを可能にする。バックプレーン1104は、μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cのそれぞれに対するリターン電流経路として作用するための、電気トレース1108をさらに含む。バックプレーン1104は、薄膜トランジスタ(TFT)層、ガラス基板、ポリマー、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの、様々な種類の材料を含む場合がある。図11は、バックプレーン1104が矩形の形状を有するように図示しているが、バックプレーン1104は様々な形状およびサイズを取り得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、単一のuLEDダイ1102は、単一のuLEDデバイスを有することができる。いくつかの実施形態では、単一のuLEDダイ1102は、複数のuLEDデバイスを有することができる。例えば、uLEDダイ1102は、2,073,600(例えば、1920×1080)個のuLEDデバイスを有する場合がある。
【0106】
μLEDダイ1102-a、μLEDダイ1102-b、およびμLEDダイ1102-cのそれぞれは、図7AのLED700、または説明もしくは言及した他のLEDに類似した構造を有することができる。図11および図12の各μLEDダイは、活性領域1110(例えば、活性層730から形成される)およびコンタクト1112を有しうる。図11および図12は、コンタクト1112は矩形の形状であると示しているが、コンタクトは、例えば、丸みのある形状、ドーム形状などの他の形状となることが可能であることを理解されたい。μLEDダイ1102の1つのコンタクト1112は、p型コンタクトパッドに接続することができ、μLEDダイ1102の別のコンタクト1112はn型コンタクトパッドに接続することができる。
【0107】
バンプ1114は、μLEDダイ1102をバックプレーン1104に固定するために使用することができる。バンプ1114は、μLEDダイ1102(例えば、コンタクト1112)とバックプレーン1104との間に電気的な接続を提供することができる。いくつかの実施形態では、バンプ1114は、アンダーバンプメタライゼーション構造(例えば、バックプレーン1104上および/またはμLEDダイ1102上のパッドをアンダーバンプメタライゼーションで使用することもできる)上に取り付けられた、または堆積したはんだバンプである。アンダーバンプメタライゼーションは、相互接続バンプの良好な付着力を与えるために使用することができ、および/またはディフュージョンバリアとして作用することができる。アンダーバンプメタライゼーションは、1つまたは複数の金属層を含むことができる。
【0108】
図11および図12の例では、バックプレーン1104は、μLEDダイ1102ごとに別個のバンプ1114(例えば、トレース1106ごとに)を有し、制御信号を別個にそれぞれのμLEDダイ1102に送信する。そのような配置は、それぞれのμLEDダイ1102を個別に制御できるようにするが、ディスプレイ装置1100が多数のピクセルを含む場合に(例えば、多数のピクセルを有する、および/または高解像度のためにピクセルを密にグループ化してある)、バックプレーン1104に多数のバンプ1114を配置させることにつながり得る。例えば、ディスプレイは、100万個のμLEDを含み、100万対のバンプ1114(例えば、第1のバンプ1114-1および第2のバンプ1114-2であり、第1のμLEDダイ1102-aに接触する両者を対と考える)が、バックプレーン1104に設けられ、100万個のμLEDのそれぞれに電気的な接続を与える。別の例では、100万個のμLEDは、100万プラス1個のバンプを使用する(例えば、pコンタクト用に100万個のバンプ、それに加えて共通(リモート)nコンタクト用に1つのバンプであり、この場合、nコンタクトはμLEDの周囲部分にある)。追加的なトレース1106および1108を、バックプレーン1104上でさらに使用して、バンプ1114への電気的な接続を提供する。
【0109】
多数のバンプおよび関連する配線は、LEDデバイスと制御回路との間の緊密な統合を低下させる可能性がある。例えば、追加的なバックプレーン間隔は、バンプの配置を必要とする場合があり、これによってLEDデバイスと制御回路との間の距離が大きくなる場合がある。信号が長い距離を伝わるため、結果として、LEDデバイスおよび/または制御回路の動作速度が低減する可能性がある。
【0110】
図13は、ディスプレイデバイス1300の実施形態を示している。ディスプレイデバイス1300は、上に薄膜回路層1304が堆積されたデバイス層1302を有する。ディスプレイデバイス1300は、バックプレーン1306を含む。バックプレーン1306は、CMOS周辺回路1308を含む場合がある。複数のバンプ1310は、薄膜回路層1304をバックプレーン1306に電気的に接続する(例えば、バンプ1310は薄膜回路層1304をCMOS周辺回路1308に接続する)。
【0111】
デバイス層1302は、光源のアレイを含む(例えば、μLEDダイ1102のアレイ、またはLED700のアレイなどの、LEDのアレイ)。LEDのアレイは、第1のドープ半導体層(例えば、pドープ層)、第2のドープ半導体層(例えば、nドープ層)、および発光層(例えば、活性領域)を含む層状エピタキシャル構造を含む。LEDのアレイのデバイス層1302は、発光側1312(例えば、z方向に光が発せられる)および発光側1312の反対側1314を有する。
【0112】
薄膜回路層1304は、デバイス層1302のLEDのアレイの発光側の反対側1314に堆積される。薄膜回路層1304は、トランジスタ層(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)層)、相互接続層、および/または接着層(例えば、相互接続バンプを取り付けられるようにする複数のアンダーバンプメタライゼーションパッドを含む層)を含むことができる。デバイス層1302は、薄膜回路層1304用の支持構造である。薄膜回路層1304は、LEDのアレイにおいて、LEDの動作を制御するための回路を含む。デバイス層1302および薄膜回路層1304は、垂直なスタックを形成することができる(例えば、z方向に沿って、モノリシックに一体化させて)。
【0113】
バックプレーン1306は、バンプ1310を用いて薄膜回路層1304に連結される。バンプ1310は、複数のメタルボンドである。バックプレーン1306は、電流を複数のメタルボンドを通じて薄膜回路層1304に供給するための駆動回路を含む。例えば、バックプレーン1306は、シリコン基板を含み、CMOS周辺回路1308(例えば、駆動回路)は、シリコン基板上(例えば、シリコン基板内、またはシリコン基板に支持される層の中)に作製されたトランジスタを含む。いくつかの実施形態では、バックプレーン1306は、透明基板を含むことができる。
【0114】
バンプ1310は、複数のメタルボンドを形成する。薄膜回路層1304を使用して、複数のLEDを動作させるためのデータを、バックプレーン1306から1つのバンプ1310を通じて送信できるようにすることができるため、複数のメタルボンドの数は、LEDのアレイ内のLEDの数よりも少ない可能性がある。図13では、バンプ1310は、特定のLED、ピクセル、LEDのグループ、またはピクセルのグループを目標とした信号のグループを搬送するための、単一の相互接続、または複数の相互接続を表現することができる。
【0115】
ディスプレイデバイス1300では、各LEDが1つのピクセルを形成することができるか、または複数のLEDが1つのピクセルを形成することができる(例えば、1つまたは複数の、赤、緑、または青のLEDが1つのピクセルを形成することができる)。薄膜回路層1304は、TFTのグループを含むことができ、それぞれのグループが1つのピクセルのLEDデバイスに対応し、ピクセルTFTを形成している。ピクセルTFTは、対応するLEDまたはLEDのグループの動作を制御することができる。例えば、ピクセルTFTは、LEDによって発せられる光の強度を制御するために、対応するLEDを通って流れる電流の大きさを制御することができる。ピクセルTFTは、高速のドライバ回路のアレイを含むことができる、バックプレーン1306のCMOS周辺回路1308から受信した制御信号に基づいて、ピクセルを制御することができる。制御信号は、バンプ1310を介して薄膜回路層1304で受信することができる。
【0116】
ディスプレイデバイス1300では、薄膜回路層304は信号線(例えば、図12のトレース1106)を含むことができ、信号線は各ピクセルTFT、またはピクセルTFTのグループに電気的に接続することができる。共通信号線は、ピクセルTFT/ピクセルTFTのグループのどれが選択されるかを示すために、選択信号を搬送することができる。共通信号線は、例えば、選択されたピクセルTFT/ピクセルTFTのグループによって制御されるLEDを通って流れる電流の大きさを制御するために、動作信号を搬送することもできる。薄膜回路層1304の共通信号線は、バンプ1310によってバックプレーン1306に電気的に接続することができる。CMOS周辺回路1308は、選択信号および動作信号を生成することができ、例えば、走査型ディスプレイを形成するために順次光を発光するようLEDの行を選択する。
【0117】
図14は、マイクロLEDのアレイ1400の例を示している。図14のそれぞれのドットは、LEDまたはピクセルなどの光源1402の位置を表現している。アレイ1400は、グリッド1404を形成する点線に重ね合わされる。図14は、LEDの分布を図示している。アレイ1400が、部分的に示されている。例えば、光源1402は、6k、10k、100k、500k、または1,000kを超える光源1402がアレイ1400に存在するよう、xおよび/またはy方向に広がる可能性がある。
【0118】
光源1402の1つ当たりに1つの信号線がある場合、図11のバンプ1114は、少なくともアレイ1400の光源1402と同程度に密に間隔付けられる可能性があり、またはバンプ1114はアレイ1400のエリアの外に配置される可能性がある。小型で、密に間隔付けられたバンプを使用して、形成および/または接着を行うことは、難しい場合がある(例えば、バンプ同士の間隔が10、5、または2μm未満の場合)。
【0119】
図15は、図14の光源1402のアレイ1400に関連するバンプの位置の例を示している。図15は、グリッド1404に重ね合わせた複数のバンプ1502を示している。バンプ1502同士の間隔は、図14の光源1402同士の間隔よりもずっと大きい。したがって、1つのバンプ1502を使用して、1つのグループ中の光源1402に制御信号(例えば、選択信号、動作信号など)を送信することができる。光源1402は、グループ化され、各グループは、信号を光源1402のグループに送信するためにバンプ1502を共有することができる。いくつかの実施形態では、グループ1つ当たりに、50、64、100、128、250、または500個の光源1402があってもよい。他の実施形態では、グループ1つ当たりに、他の数の光源1402があってもよい。薄膜回路層1304を使用して、制御信号に応じて個々の光源1042を活性化することができる。
【0120】
図15の複数のバンプ1502の数は、アレイ1400の複数の光源1402の数よりも少ない。一例として、アレイ1400は、200万個のLEDを含んでハイビジョン(HD)投影をサポートすることができ、各LEDはLED間に、0.1、0.5、もしくは1μm以上、および/または20μm以下の小さな間隔を有する可能性がある。個々のピクセルレベルの相互接続を支持するために、200万個のバンプ(または、バンプのグループ)が、バックプレーン上に設けられ、各バンプはLED間の間隔(例えば、0.1μmから20μm)と同程度(またはそれより狭い)の間隔を有する。高度かつ高価な作製技法を使用して、LEDの間隔に準じた高精度でバックプレーンに配置される、そのような多数のバンプを密に置くことができる。対照的に、説明した技法を用いて、ずっと少ない数のバンプをバックプレーンに置くことができ(例えば、200万個のLEDに対して、およそ4000バンプ)、この場合、各バンプをLED間隔よりもずっと大きい距離によって別個にすることができる(例えば、バンプ間隔は、およそ12、14、15、25、35、45、55、または65μmであることができる)。バンプ1502同士の間隔を広くすることにより、作製許容範囲を緩和することができる。結果として、あまり高度ではない、および/または費用対効果のよい作製技法を使用してディスプレイデバイス1300を製造することができる。
【0121】
図16は、上に薄膜回路層1604が堆積されたデバイス層1602の断面図を示している。薄膜回路層1604は、トランジスタ層1606、相互接続層1608、および接着層1610の一部を含む。
【0122】
デバイス層1602は、複数のLED1614を含む。LED1614は、アレイ中(例えば、アレイ1400中)のマイクロLEDである可能性がある。LED1614は、LED材料および動作に適合する基板上に形成することができる(例えば、ガリウム窒化物(GaN)、GaNオンSi(ケイ素)、GaNオンサファイア、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、アルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)、およびヒ化ガリウム(GaAs)を含む、III-V族またはIII族窒化物材料)。LED1614は、活性領域1616、リフレクタ1618、および/または光取り出し特徴部1620を含むことができる。
【0123】
トランジスタ層1606は、1つまたは複数の電気デバイスを含むことができる。例えば、トランジスタ層1606は、薄膜トランジスタ(TFT)1622、金属ビア1624、相互接続、キャパシタ、レジスタなどを含むことができる(例えば、デバイス層1602にモノリシックに形成される)。TFT1622は、例えば、c軸配向結晶性インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶質シリコン(LTPS)、アモルファスシリコン(a-Si)などを含む材料を含むことができる。TFTの例示的な構造としては、トップゲートまたはボトムゲート、トップコンタクトまたはボトムコンタクトなどを挙げることができる。いくつかの実施形態では、トランジスタ1622は、トレンチゲート型自己整合(TGSA)薄膜トランジスタである。
【0124】
TFT1622は、デバイス層1602のバックエンドに(例えば、LEDのアレイ1614のバックエンドに)形成することができる。このような配置によって、LEDデバイスをスタンドアロンウェハ上に作製することが可能となり、それによりLEDデバイス/プロセスの最適化を可能にする。例えば、エッチングおよびパッシベーションは、カソード/アノードを分離してピクセルのスケーリングを可能にするために実施される場合がある。いくつかの実施形態では、トランジスタ層1606は、LED1614の動作を制御するためにピクセル回路を形成するよう相互接続されたトランジスタおよびキャパシタを含む。
【0125】
相互接続層1608は、制御線またはデータライン1628と称されることもある共通信号線を含む。共通信号線は、グローバルネットの一部であり得る。接着層は、バンプに接着するための複数のパッド1630を含む。データライン1628は、(例えば、複数のLED1614についての)複数のピクセル回路を、トランジスタ層1606から、接着層1610中の1つのパッド1630に接続する。
【0126】
図17は、LEDのアレイ1614に接着したバックプレーン1704の例の断面図である。バックプレーン1704は、トランジスタおよび相互接続を含むシリコンウェハを含み、例えば、CMOS周辺回路1308を実装することができる。バンプ1502は、バックプレーン1704および薄膜回路層を電気的に接続することができる。バンプ1502は、銅、銅合金、アルミニウム、タングステンなどを含むことができる。さらには、バンプ1502は、ダイ間またはダイウェハ間相互接続の形態であることができる。
【0127】
図17は、第1のLED1614-1の動作を制御するための第1のピクセル回路の第1のトランジスタ1622-1と、第2のLED1614-2の動作を制御するための第2のピクセル回路の第2のトランジスタ1622-2の両方に接続された1つのデータライン1628を示している。ピクセル回路は、データライン1628によって相互接続され(例えば、ピクセル回路がデータラインを共有する)、グローバル信号の数を低減する、および(例えばグローバル信号を送信するために使用されるバンプ1502の数を低減する)。データライン1628は、第1のパッド1708-1に接続される。バンプ1502は、第1のパッド1708-1を第2のパッド1708-2に接着し、第2のパッド1708-2は、バックプレーン1704の一部である。
【0128】
図18は、開示される技法の例による、ディスプレイデバイス1800の例示的なアーキテクチャを示している。ディスプレイデバイス1800は、(例えば、図27に示されるような)薄膜回路層の増加した機能性の程度に応じた様々なアーキテクチャの中の、単なる一例のアーキテクチャである。図18に示されるように、バックプレーン1704は、複数のアドレスドライバ1802、データライン/ビットラインドライバ1804、および制御/タイミングドライバ1806を含むCMOSウェハを含むことができる。アドレスドライバ1802は、選択信号を生成して、1つまたは複数のピクセルTFT(および、対応するLED)を選択することができる。選択信号は、例えば、ターゲットLEDのアドレス(例えば、行アドレス、列アドレスなど)を指定することができる。データライン/ビットラインドライバ1804は、動作信号を生成してLEDを流れる電流の大きさ(または、平均の大きさ)をセットすることができる。制御/タイミングドライバ1806は、タイミング信号を生成して、動作信号を印加するタイミングを制御する。ドライバは、制御ロジックディスプレイパイプライン1808によって制御することができる。バックプレーン1704は、LEDに電圧(およびグラウンド)を供給するための電圧供給レギュレータ1810をさらに含む場合がある。選択信号、動作信号、タイミング信号および電圧供給は、バンプ1502を介して薄膜回路層に送信することができる。薄膜回路層は、ピクセルTFTのグループによって共有される共通信号線(例えば、データライン1628)を含む。ターゲットピクセルTFTは、選択信号によって選択/有効化することができ、動作信号およびタイミング信号に基づいて対応するLEDを通って流れる電流を制御することができる。
【0129】
一例として、バックプレーン1704は、複数のメタルボンドのうちのメタルボンド(例えば、バンプ1502)を通してグローバル信号を薄膜回路層に送信するように構成され、グローバル信号は、行選択データ、列選択データ、アナログバイアス、電圧供給、パルスクロック、またはdft(試験有効化回路)のうちの1つまたは複数を含む。バックプレーン1704の駆動回路は、アドレスドライバ1802、データラインドライバ1804、または制御/タイミングドライバ1806のうちの1つまたは複数を含むことができる。薄膜回路層は、信号をピクセル回路に印加するためのセレクタマルチプレクサを含むことができる。
【0130】
図19図21は、ディスプレイデバイスの例示的な変調回路の図である。変調回路は、薄膜回路層1604に、および/またはバックプレーン1704に形成することができる。図19は、アナログ変調回路の例である。アナログ回路中の動作信号は、LED1614に印加される電流の大きさに対応した大きさを有する。アナログ変調回路は、最小のフットプリントを有することができるが、大きさの変調により、LED1614を赤い方へシフト、または青い方へシフトさせることができる。
【0131】
図20は、LED1614の強度をパルス符号変調(PCM)するための回路の例である。図20の回路は、比較的単純であるが、グリッチにより何らかの知覚アーチファクトを生ずる場合がある。図21は、LED1614の強度をパルス幅変調(PWM)するための回路の例である。PWM回路は、最大のフットプリントを有するが、知覚アーチファクトは少なくなる可能性がある。
【0132】
符号信号を変えることは、LEDがどれだけ長くオンされるかを変えることができ、それによりユーザに見えるLEDの明るさが変わる。PCMおよびPWMの両方で、動作信号は、選択されるLED1614に電流が流れる時間内の時間の割合を表すデジタル信号を含む。回路図の下のチャートは、符号信号の様々な組み合わせベースの信号が「オン」の持続時間を示している。例えば、図20のPCM回路では、「wl」および「bl」信号は、キャパシタd0、d1、およびd2を充電するために、アドレスドライバによって制御される動作信号であり得る。カウンタ信号c0、c1、およびc2は、いつキャパシタd0、d1、およびd2が、LED1614を通じて放電するかを制御するために、制御/タイミングドライバによって制御することができ、それによってLED1614を通る電流の伝導持続時間を調節することができる。図21のPWM回路も、同様の原理に基づいてLED1614を通る電流の伝導持続時間を調節することができるが、カウンタ信号c0、c1、およびc2のタイミングは異なる。図19図21では、信号ネットは、単一のピクセル内の端子だけに接続されている場合、ローカル信号として考えることができる。信号ネットは、複数のビットセルを共に接続している場合、グローバルネットとして考えることができる。例えば、図120では、「bl」(ビットライン)、「wl」(ワード線)、「c0」および「vdd」(電源)は、グローバルネットの一部として考えることができる。グローバル信号は、グローバルネット上で送信される。高い容量性負荷を有することができることが、グローバル信号の性質である。一部のグローバル信号は、同様に高い定常電流負荷を有することができる。TFTコンポーネントの駆動強度が限られているため、TFTコンポーネントはグローバルネットの充電または放電には用いないことが推奨される。逆に、TFTコンポーネントが、グローバルネットをロードすることは許容可能である。同様に、ローカルネットキャパシタンスひいては駆動要件が低下するため、TFTコンポーネントが、ローカルネットを充電または放電することは許容可能である。
【0133】
図22~24は、アドレス指定方式の例を示す。図22は、各ピクセル2202が別個のアドレス接続を有する、アドレス指定方式を示す。図23は、行アドレスおよび列アドレスを使用することによって、ピクセル2302をアドレス指定する例を示し、これは、図22によるアドレス指定と比較して、ピクセルへの接続の数を減少させ得る。図23において、各行アドレスおよび列アドレスは、同一の行および列にそれぞれ沿ったピクセル間で共有され得る。
【0134】
図24に示されるように、ピクセルTFT入力上の容量性負荷を低下させるために、直列接続された2つのトランジスタ2402が、ピクセルTFTの入力を制御するために提供され得る。2つのトランジスタ2402は、例えば、ピクセルの行を選択または選択解除するように構成される2つの行選択信号、ピクセルの列を選択または選択解除するように構成される2つの列選択信号などによって制御されてもよい。キャパシタ2404は、ストレージキャパシタである。BLは、ビットラインであってもよく、それは、データラインとも呼ばれ得る。2つのトランジスタ2402は、また、共通信号の数を減少させるために同一の信号によって制御され得る。その結果、ピクセル回路は、ストレージキャパシタをデータラインに結合するために共同でアサートされる複数の選択信号に結合され得る。単一のピクセル回路は、複数の行選択信号に接続され得る。制御信号は、LED1614のための一意のアドレスを含んでもよく、動作信号は、LEDアレイ内の選択されたLEDの動作を制御し得る。図24の回路は、トランジスタ層1606において形成されてもよく、セレクタと呼ばれることがある。
【0135】
図25は、複数の行信号を用いてピクセル2302をアドレス指定する、例としてのレイアウトを示す。複数の列が、1つの列2502内に収められて、列接続の数を減少させ得る(例えば、使用されるバンプ1502の数を減少させ得る)。例えば、2つの行および4つの列が、1つの列および8つの行を有するように電気的および/または論理的に接続され得る。アドレス指定方式および選択信号は、同一列内にあるが異なる列としてアドレス指定されるピクセル2302を区別するように構成され得る。各ピクセルTFTは、正しいピクセルが選択され得るように、アドレス指定方式に基づいて選択信号のインピクセル復号を実行するように構成され得る。図25の例の場合、ピクセル2302-1、2302-2、2302-2、2302-4、2302-5、2302-6、2302-7、2302-8が、列データライン信号2502ならびに行データライン信号(例えば、A、B、C、X、Y、およびZ)の組み合わせを通して個別にアドレス指定され得る。アドレス指定は、ピクセルごとに2つのセレクタ信号を有することによって実現される。例えば、信号「A」および信号「X」の両方が、ピクセル2302-1を選択するためにアサートされなければならない。例えば、信号「B」および信号「X」の両方が、ピクセル2302-2を選択するためにアサートされなければならない。さらに概して、データライン上のN個のピクセルをアドレス指定するために、Nの平方根のセレクタ信号が使用される。この手法は、使用される「バンプ」相互接続の数をさらに減少させる利点を有し、よって、粗い、より製造可能なピッチターゲットを可能にする。いくつかの実施形態では、ピクセル2302間の中心間隔は、5、3、または2ミクロン以下であり、かつ0.1、0.5、または1ミクロン以上である。
【0136】
図26は、ディスプレイデバイスを製作するプロセス2600の実施形態のフローチャートである。プロセス2600は、ステップ2602において、マイクロLEDウェハ上にマイクロLEDを製作することで開始する。マイクロLEDデバイスは、ウェハ上に形成されてもよく、ウェハは、マイクロLEDの材料および動作と互換性がある基板を含み得る。例は、GAN、Si上GAN、サファイア上GAN、InGaAs、AlInGaP、GaAsなどを含むIII-V族またはIII族窒化物を含む。
【0137】
ステップ2604において、TFTおよびマイクロLEDが同一ウェハ上に形成されるように、TFTは、マイクロLEDウェハの酸化物上にモノリシック形成されて、マイクロLEDダイを形成し得る。TFTは、トレンチゲート自己整列(TGSA)c軸配向結晶性インジウムガリウム亜鉛酸化物(CAAC-IGZO)TFTを含み得る。TFTは、また、例えば、アモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物(a-IGZO)、低温多結晶質シリコン(LTPS)、アモルファスシリコン(a-Si)などを含んでもよく、低温バックエンド互換プロセスにおいて製作され得る。
【0138】
ステップ2606において、相互接続形成および金属化が、マイクロLEDダイ内で実行されて、例えば、ピクセルTFTによって共有される共通信号線を提供し得る。相互接続は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、タングステンなどの金属を用いて形成され得る。ステップ2608において、マイクロバンプ界面は、相互接続と接続するためにマイクロLEDダイの表面上に形成され得る。
【0139】
(ステップ902~908と同時に生じ得る)ステップ2610において、シリコンバックプレーンが製作され得る。シリコンバックプレーンは、ドライバ回路(図18に示されるものなど)を含み得る。ステップ2612において、マイクロバンプ界面が形成され得る(例えば、バックプレーン上に。いくつかの実施形態では、バンプは、ステップ2608においてマイクロバンプ界面上に形成され得る)。ステップ2614において、シンギュレーションプロセスが、マイクロLEDダイおよび/またはシリコンバックプレーン上で実行され得る。マイクロLEDダイおよびシリコンバックプレーンは、対応するマイクロバンプ界面においてマイクロバンプ接続を形成してディスプレイデバイスを形成することによって、組み立てられ得る。
【0140】
図27は、薄膜回路層に機能性を追加することについての複雑性およびマイクロバンプ減少の例としてのスライディングスケールを示す。薄膜回路層に設置される回路が多いほど、使用されるバンプの数が減少し、それによって、整列のための許容誤差が減少し得る。しかしながら、薄膜回路層に設置される回路が多いほど、薄膜回路層の製作は、より複雑になる。追加的に、薄膜回路層における回路は、バックプレーンに形成される回路よりも低速であってもよい。図27は、3つの例としてのデバイス、デバイス2702-A、デバイス2702-B、およびデバイス2702-Cを示す。バックプレーンと薄膜回路層との間の機能性分配の他の組み合わせが用いられ得るため、3つの例としてのデバイスは、限定することを意味しない。
【0141】
デバイス2702-Aにおいて、ピクセル回路は、バックプレーンにある。この例では、薄膜回路層が使用されず、マイクロバンプは、高精細のために非常に近接して間隔がおかれる(例えば、マイクロバンプの間隔は、1.1、1.3、1.4、1.6、1.8、2.1、または2.3ミクロンなど、1ミクロン以上かつ3ミクロン以下である)。
【0142】
デバイス2702-Bにおいて、セレクタマルチプレクサを有するピクセル回路が、薄膜回路層に形成される。マイクロバンプは、近接して間隔がおかれるが、薄膜回路層は、デバイス2702-Cよりも製造がはるかに容易である(例えば、マイクロバンプの間隔は、10、12、14、16、18、または20ミクロンなど、8ミクロン以上かつ30ミクロン以下である)。
【0143】
デバイス2702-Cにおいて、薄膜回路層は、メモリ(例えばDRAM)および変調回路(例えば図19~21の)を加えたデバイス2702-Bにおける回路を含む。デバイス2702-Cのマイクロバンプは、最も大きな間隔を有する(例えば、マイクロバンプの間隔は、35、34、55、または64ミクロンなど、30ミクロン以上かつ75ミクロン以下である)。
【0144】
したがって、いくつかの実施形態では、薄膜回路層が、セレクタマルチプレクサを含み、バックプレーンが、メモリ回路および/もしくは変調器回路を含み、ならびに/または薄膜回路層が、メモリ回路および変調器回路を含む。
【0145】
図28は、マイクロLEDディスプレイを製作するプロセス2800の実施形態のフローチャートである。プロセス2800は、ステップ2802において、半導体構造を得ることで開始する。半導体構造は、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層との間の発光層を含む、層状エピタキシャル構造であり得る。図7Aは、半導体構造の例を提供し、図16のデバイス層1602は、半導体構造の別の例である。
【0146】
ステップ2804において、薄膜回路層が、半導体構造上に堆積される。例えば、薄膜トランジスタを形成するための層が、半導体構造上に堆積される。ステップ2806において、発光層からの発光を制御するために、薄膜回路層に回路が形成される。例えば、トランジスタ、キャパシタ、トレース、および/または共通信号線が、薄膜回路層に形成される。ボンドパッド(例えば、下部ボンドパッド)が、薄膜回路層に形成されてもよい。
【0147】
ステップ2808において、バックプレーンが取得される(例えば、バックプレーン1704)。いくつかの実施形態では、バックプレーンは、バックプレーンを製造することによって取得される。バックプレーンは、複数のメタルボンドを通して薄膜回路層に電流を供給するための駆動回路を含む。バックプレーンは、接着のための複数のパッド(例えば、上部ボンドパッド)を含み得る。ステップ2810において、複数のマイクロバンプが、薄膜回路層またはバックプレーン上(例えば、ボンドパッド上)に形成される。ステップ2812において、バックプレーンが、複数のマイクロバンプ(例えば、バンプ1502)を用いて薄膜回路層に接着される。例えば、マイクロバンプ(例えば、半田)が溶け、バックプレーンと薄膜回路層との間にオーミック接続を形成するように、バックプレーンは、加熱され、薄膜回路層に向かって押圧される。マイクロバンプは、接着後(例えば、冷却後)、複数のメタルボンドになる。
【0148】
ステップ2814において、発光ダイオード(LED)のアレイは、半導体構造から形成される。LEDのアレイは、接着前または接着後に形成されてもよい。メタルボンド間(例えば、中心間)の間隔を大きくすることを可能にするために、複数のメタルボンドの数は、LEDのアレイ内のLEDの数より少ない。
【0149】
いくつかの実施形態では、LEDのアレイは、発光側(例えば、発光側1312)および発光側の反対側(例えば、発光側の反対側1314)を有し、薄膜回路層は、発光側の反対側の上に堆積され、バックプレーンを得ることは、シリコンウェハのシリコンデバイス層に複数のCMOSトランジスタおよび相互接続を形成することを含み、LEDのアレイを形成することは、半導体構造をシンギュレートすることを含み、半導体構造をシンギュレートすることは、バックプレーンを薄膜回路層に接着する前に生じ、薄膜回路層は、ウェハレベルの上の半導体構造上に形成され、バックプレーンは、接着の前にバックプレーンに形成された電気回路を含み、マイクロバンプは、オーミック材料でできており、薄膜回路層は、半導体構造以外の多くの異なる種類の基板材料(例えば、サファイアもしくはガラス)に塗布されてもよく、バックプレーンは、結晶シリコンを含み、使用されるマイクロバンプの数は、1000以上および/もしくは10,000以下であり、ならびに/またはマイクロバンプ間の間隔は、LED間の間隔よりも大きい。
【0150】
マルチプレクサは、薄膜回路層とバックプレーンとの間のバンプの数を減少させるために使用され得る。薄膜回路層とバックプレーンとの間のバンプの数を減少させるために使用され得るマルチプレクサの一例は、タイルローリングシャッタである。タイルローリングシャッタは、光源のアレイを、グループと呼ばれることがあるタイルに分割する。各タイルは、複数の行および複数の列を有する。コマンド信号は、ある期間にわたって順次行に印加され、それによって、電流は、その期間タイル内の各行に印加され、一度に1つの行だけが電流を受信する。マルチプレクサの例として、タイルローリングシャッタが与えられているが、他のマルチプレクサが使用されてもよい。タイルローリングシャッタに対する変形も使用されてもよい。マルチプレクサは、薄膜回路層に形成されて、バックプレーンと薄膜回路層との間の接続の数を減少させ得る。
【0151】
図29は、タイルローリングシャッタの一部として、タイル2902に分割されたLEDのアレイの例を示す。第1のタイル2902-1および第2のタイル2902-2についての時間にわたる行の活性化が示されている。2つのタイル2902が示されているが、2つより多くのタイル2902がLEDのアレイ内に存在し得ると理解されたい。例えば、アレイ内に100万個のLEDが存在し、かつアレイがタイル2902に分割されて、各タイルが500個のLEDを有する場合、アレイは、2000個のタイルに分配される。
【0152】
各タイル2902は、複数の行rおよび複数の列cを含む。各タイル2902に、m個の行およびn個の列がある。図29において示される例では、m=64かつn=6である。mおよびnは、図29に示されるものとは異なる値を有し得ると理解されたい。いくつかの実施形態では、mは、nの2倍、3倍、4倍、または5倍以上である。第1のタイル2902-1および第2のタイル2902-2についての第1の行r-1、第2の行r-2、第3の行r-3、第64の行r-64、第1の列c-1、第2の列c-2、および第3の列c-3が、図29においてラベル付けされている。
【0153】
期間は、複数の時間スロットTに分割される。期間内の時間スロットTの数qは、行の数mと等しくてもよい。各行rは、期間中に一度活性化される。図示される例では、64個の時間スロットTがある。第1の時間スロットT-1、第2の時間スロットT-2、第3の時間スロットT-3、第64の時間スロットT-64に至るまで同様である。連続する行が、連続する時間スロットTにおいて活性化され、それによって、各行のLEDが、期間中に一度アクティブであり得る。例えば、第1の時間スロットT-1の間に第1の行r-1のLEDが、活性化され得る。第2の時間スロットT-2の間に第2の行r-2のLEDが活性化され、第3の時間スロットT-3の間に第3の行r-3のLEDが活性化され、第64の時間スロットT-64の間に第64の行r-64のLEDが活性化され得るまで、同様である。行が活性化されるとき、行内の各LEDが、所与の期間および/または所与の強度について個々に電流を受信し得る。例えば、図20および図21のグラフは、時間スロットTの所与の期間(例えば、割合)についてオンであり続けるためにLEDがどのように変調され得るかを示している。時間スロットTの間にLEDがオンであるのが長いほど、見る人にはLEDがより明るく見える。LEDがオフおよびオンに変わっていることを、見る人が知覚しない可能性が高くなるように、期間は短くてもよい(例えば、期間は15ms、1ms、500μs、100μs、もしくは10μs以下であってもよく、および/または期間は、1μs以上であってもよい)。タイル2902の各行rが、異なる時間に活性化されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、1秒当たり120フレームのフレームレートを表示してもよく、ディスプレイタイルは、64行を含み得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、ディスプレイおよびグラフィックシステム動作のオーバヘッドを考慮するように、50%のデューティサイクルを有し得る。いくつかの実施形態では、行ディスプレイ時間は、約64マイクロ秒(0.5×1/120×1/64)であってもよい。いくつかの実施形態では、64マイクロ秒の行ディスプレイ時間の間、ピクセル強度は、可変アナログ電流によって駆動され得る。いくつかの実施形態では、64マイクロ秒の行ディスプレイ時間の間、ピクセル強度は、デジタル変調され得る。いくつかの実施形態では、ピクセルは、2マイクロ秒刻みで切り替えられて、7ビットのグレースケールの生成を可能にし得る(2us=64us/2^7)。例は、連続した順序で行を活性化することを説明したが、いくつかの実施形態では、行は、連続した順序以外で活性化されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる列cの行rは、異なる時間に活性化してもよい。例えば、セルr-1、c-1のLEDは、時間スロットT-1の間に活性化し得る。セルr-2、c-1のLEDは、時間スロットT-2の間に活性化し、かつセルr-1、c-2のLEDは、時間スロットT-2の間に活性化し得る。セルr-3、c-1のLEDは、時間スロットT-3の間に活性化し、セルr-2、c-2のLEDは、時間スロットT-3の間に活性化し、セルr-1、c-3のLEDは、時間スロットT-3の間に活性化し得る、などである。
【0154】
図30は、タイルの列内のLEDに電流を印加するために使用され得る簡略化された回路の例を示す。図30は、薄膜回路層3008においてバックプレーン3004を制御ライン3006に電気的に結合するボンド3002を示す。制御ライン3006は、トランジスタ3012を通してLED3010に電流を提供する。制御ライン3006は、図16のデータライン1628と類似であり得る。トランジスタ3012は、図16のトランジスタ1622と類似であり得る。ボンド3002は、図17のバンプ1502から形成されたメタルボンドであり得る。
【0155】
制御ライン3006は、タイルの列内のLED3010に電流を提供する。第1のLED3010-1が第1の行r-1にあり、第2のLED3010-2が第2の行r-2にあり、第3のLED3010-3が第3の行r-3にあるなど、以下同様にして、第mのLED3010-mが第mの行r-mにある。トランジスタ3012は、制御ライン3006からの信号をLED3010に送信可能にするように、順次活性化(例えば、ロール)する。カソード3014は、LED3010を通って流れる電流に対するリターン経路を提供する。カソード3014は、共通カソードであってもよい(例えば、タイルの1つの列内の複数のLED3010に接続されてもよく、ならびに/または複数の列および/もしくはタイル内のLEDに接続されてもよい)。
【0156】
バックプレーン3004は、この例では、メモリ3016、変調回路3018、および電流源3020を含み得る。図30の例は、薄膜回路層とバックプレーンとの間で機能性を分配する限り、図27のデバイス2702-Bと類似である。メモリ3016および変調回路3018が薄膜回路層3008にある場合、そのような構成は、図27のデバイス2702-Cに類似である。
【0157】
1つの制御ライン3006を複数のLED3010と結合させることによって、バックプレーン3004とLED3010との間のボンド3002の数は、LED3010ごとに1つの制御ライン3006を有することと比較して減少し得る。
【0158】
タイル内の列の数nが8に等しい場合、タイルごとに8個のボンド3002および8×m個のLED3010が存在する。タイルごとに8個の変調回路3018および8個のメモリ3016も存在する。いくつかの実施形態では、LEDのアレイは、512、1000、2048、2542、または他の数のタイルに分割され得る。
【0159】
図31は、ボンド3002のための接着サイトを有するタイル3100の例を示している。タイル3100はタイル2902に類似であり得る。タイル3100は、m個の行およびn個の列を有する。タイル3100は、8個の列(n=8)を有する。1つのLEDは、行および列の各セルにある。タイル3100は、LEDのアレイのサブセットを示す。LEDのアレイは、フットプリントを占め、ボンド3002は、フットプリント上に分散している。ボンド3002がLEDのアレイより上にあるように見えるが、ボンド3002は、LEDのアレイとバックプレーンとの間にあり、図31は、LEDのアレイに対する接着サイトの並置を示している。図31のタイル3100のLEDは、1.8μmのピッチを有するが、LEDの他のピッチが使用されてもよい。行1~64は、115.2μmの組み合わされた幅を有し、列は、14.4μmの組み合わされた幅を有する。他の寸法が使用されてもよい。
【0160】
接着材料として半田を使用して2つのウェハを接着する間、半田が加熱される。2つのウェハが、異なる熱膨張係数(CTE)を有する基板を有する場合、2つのウェハが、コンタクト(即ち、図16のパッド1630などの接着サイトまたはパッド)の「ウォークオフ」につながる異なるレートで拡張することがあり、それによって、ボンド3002のためのコンタクトは整列しない。接着温度が高いほど、より高いウォークオフおよびより大きな誤整列につながる。例えば、バックプレーンは、シリコン基板を用いて作られてもよく、LEDは、GaAsなどのIII-V族材料でできていてもよい。薄膜回路層は、GaAsに塗布される(例えば、LEDのGaAsが薄膜回路層のための基板として作用する)。シリコンおよびGaAsは、異なるCTEを有する。シリコンおよびGaAsが、半田を溶かしてボンドを形成するために加熱されると、バックプレーンにおける接着サイトは、薄膜回路層における接着サイトと比較してシフトする。接着において使用される温度が高いほど、バックプレーンにおける接着サイトのシフトは、薄膜回路層における接着サイトと比較してより大きくなる。
【0161】
ウォークオフを減少させるためには、接着のためにより大きな接着サイトおよび/またはより低い温度が使用され得る。また、1つの基板を通してエッチング(ドライおよび/またはディープエッチングを用いて薄膜回路層の基板をエッチング、GaAsを通してエッチング)してチップレットを形成することによって、薄膜回路層における接着サイトが移動することが可能となり得る。ウェハ間接着の代わりに、ウェハへのダイまたはダイ間接着が使用され得る。例えば、GaAsウェハ上のLEDは、チップレット上のより小さなアレイに分割され得る。各チップレットは、nおよびpコンタクトの両方を有する。より小さなアレイを使用することによって、ディスプレイの欠陥部を再処理することが可能となり得る。
【0162】
接着サイトのピッチが小さいことは、アンダーフィルを塗布することに伴う困難性にもつながり得る。アンダーフィルを塗布することは、追加の剛性をもたらすこと、熱伝達を助けること、および/またはボンド上の応力を減少させることを含む、いくつかの利益を有し得る。接着サイトが互いに近すぎる場合、アンダーフィル材料を接着サイト間に流すことが困難である場合がある(例えば、アンダーフィルの粘性が高すぎるため、および/または粒子のサイズが大きすぎるため)。アンダーフィル材料が接着サイト間に流れないことによって、アンダーフィルの有効性が低下し得る。ある材料は、接着サイトのピッチが40ミクロンまでで、使用するのに十分であることが分かっている(例えば、ナミックス(Namics)のU8410-302LF1およびXS8410-302SNSB)。ある材料は、接着サイトのピッチが20ミクロンまでで、使用するのに十分であることが分かっている(例えば、ナミックスのU8410-302F)。代替の手法が、事前塗布されるアンダーフィル材料を使用することであってもよく、事前塗布されるアンダーフィルム材料は、バックプレーンを薄膜回路層に接着する前にバックプレーンおよび/または薄膜回路層上に、スピンコートされ得る粘性材料またはラミネートされ得るフィルムであってもよい。
【0163】
図31は、ボンド3002のための接着サイトが、タイルローラーマルチプレクサを実施することによって、1つの制御ライン(例えば、図30の制御ライン3006)がLEDごとに接着される場合よりも大きくなり得ることを示している。図31におけるタイル3100は、64行および8列を有するタイルを示している。8個のボンド3002、各列につき1つのボンド3002および1つの対応する制御ラインが存在する。第1の列c-1の制御ラインに接続する第1のボンド3002-1、第2の列c-2の制御ラインに接続する第2のボンド3002-2、第3の列c-3の制御ラインに接続する第3のボンド3002-3、第4の列c-4の制御ラインに接続する第4のボンド3002-4、第5の列c-5の制御ラインに接続する第5のボンド3002-5、第6の列c-6の制御ラインに接続する第6のボンド3002-6、第7の列c-7の制御ラインに接続する第7のボンド3002-7、および第8の列c-8の制御ラインに接続する第8のボンド3002-8が存在する。ボンド3002間の間隔は、LEDごとに1つのボンドが存在する場合よりも大きい。ボンド3002もまた、LEDごとに1つのボンド3002が存在する場合よりも大きくてもよい。その結果、バンプは、アレイ内のLEDのピッチよりも大きな間隔で広がり得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、小さなピッチ(ボンド3002間の距離)は、60、50、40、30、20、15、もしくは10μm以下、および/または1μm以上であり得る。ピッチが小さいほど、基板のCTE不整合によって生じるウォークオフを減少させるために、より低い温度が接着に必要である。いくつかの実施形態では、接着温度は、ウォークオフを減少させるために摂氏300度より高くない。接着温度は、ボンド3002のピッチに依存して、摂氏300、250、200、150、100、80、または75度以下であり得ることがある。例えば、ナノ多孔質金圧着は、摂氏75度の接着温度を目標とし得る。それは、材料のCTE不整合によって生じる応力が低いか、または応力がないという結果をもたらし得る。
【0165】
接着温度が低下すると、バンプの材料選択は、困難となり得る。接着材料として半田を使用する場合、バンプ材料のための融解点は、接着温度以下であり、それによって、バンプが溶けてボンドを形成する。(例えば、デバイスの動作中に半田が再液化しないように)バンプ材料の融解点は、また、デバイスの動作温度よりも高い。その結果、半田バンプ(例えば、図17のバンプ1502)は、接着温度以下の融解点を有するように構成される。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質金またはナノ多孔質銅は、摂氏250、200、150、100、または75度以下の接着温度で使用される。ナノ多孔質金は、約150度以下の接着温度を有する。接着温度は、使用される接着圧力および/または接着時間に部分的に依存し得る。いくつかの実施形態では、銅は、金よりも高価でなく、銅を使用することによって、金を使用する際に存在し得る銀マイグレーションのリスクが低下し、および/または銅は、シリコンを汚染する可能性が低く、これによりバックエンド処理において銅が金よりも好適となるため、銅が金の代わりに使用される。ナノ多孔質銅は、ナノ多孔質金に類似の接着温度(例えば、150度以下)を有すると予期される。摂氏で融解点を有する半田バンプとして使用される材料のいくつかの他の融解点は、インジウム(180°)、銅(200°)、インジウム銀(200°)、銅スズ(250°)、金スズ(280°)、および金(290°)を含む。バンプ(それらがボンド3002になる前)は、球形、円筒、円錐、もしくは他の形状であってもよく、共晶材料もしくは単純金属(例えば、AuもしくはCu)でできていてもよく、固体もしくはナノ多孔質であってもよく、ならびに/またはグローバル加熱を用いて(例えば、ボンドツールもしくはオーブンを用いて)熱活性化および/もしくはローカル加熱を用いて(例えば、接着温度を発生させるためのレーザを用いて)熱活性化されてもよい。
【0166】
図32は、タイルサイズ(図32における、列の数が行の数をはるかに超えるため、タイルサイズは、タイル内の行の数として報告される)をバンプピッチと比較した、例としてのグラフである。タイルサイズが増加するにつれて、制御信号をバックプレーンからLEDへ送信するために使用されるバンプが少なくなるため、バンプピッチは増加し得る。例えば、タイルサイズが1である場合、バンプピッチは、LEDのピッチのサイズ(例えば、図31において1.8μm)である。タイルサイズが16である場合、バンプピッチは、7.2μmであってもよい。タイルサイズが64である場合、バンプピッチは、14.4μmであってもよい、などである。LEDのアレイは、LEDのカウントを含んでもよく、複数のメタルボンドは、メタルボンドのカウントに対応し、メタルボンドのカウントは、アレイ内のLEDのカウントより少なくとも1桁、2桁、または3桁少ない大きさである。薄膜回路層の複雑性とボンドピッチとの間にはトレードオフが存在する。例えば、図27のデバイス2707-Cのボンドピッチは、図27のデバイス2702-Bのボンドピッチよりも大きくてもよく、さらに、薄膜回路層において使用される材料は、バックプレーンにおいて使用される材料と同程度に有効ではないため、デバイス2702-Cの薄膜回路層を形成することは、デバイス2702-Bよりも複雑であってもよく、および/またはより低速の回路を作り出してもよい。
【0167】
図33は、LEDディスプレイを製作するプロセス3300の実施形態のフローチャートである。プロセス3300は、ステップ3302において、複数のLEDを形成することで開始する。いくつかの実施形態では、複数のLEDの数は、4、8、16、32、64、および128以上であってもよく、ならびに/または64もしくは128以下であってもよい(例えば、複数のLEDが、図29のタイル2902における行rの数mに等しくてもよい)。いくつかの実施形態では、複数のLEDの数は、307,200、921,600、または2,073,600以上であってもよい。複数のLEDは、結晶半導体構造(例えば、GaAsまたはInPなどのIII-V族のエピタキシャル層)で形成され得る。LED3010-1~3010-mは、複数のLEDの例である。
【0168】
ステップ3304において、複数のLEDに電気的に結合された複数のトランジスタを含む薄膜回路層が形成される。例えば、図30のトランジスタ3012を有する薄膜回路層3008が形成される。トランジスタは、複数のLEDに電気的に結合される。複数のトランジスタは、複数のLEDの動作を制御するように構成される。例えば、トランジスタ3012は、LED3010にいつ電流が印加されるかを制御する。いくつかの実施形態では、薄膜回路層は、複数のLEDの結晶半導体構造に合致する格子ではない。例えば、薄膜回路層は、単一結晶構造の代わりに、アモルファス構造または多結晶構造を有する半導体材料を含んでもよい。
【0169】
ステップ3306において、制御ラインは、複数のトランジスタを第1のパッド(例えば、図16のパッド1630)と電気的に接続するように形成される。例えば、図30の制御ライン3006は、8、16、32、64、128、または256ピクセルを制御するように構成される。ピクセルの数は、2の累乗である必要はなく、したがって、33または100などの他の数のピクセルも可能である。制御ラインは、薄膜回路層において形成されてもよく、および/または薄膜回路層の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、制御ラインは、銅、銅合金、アルミニウム、および/またはタングステンでできていてもよく、他の実施形態では、他の材料が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、制御ラインは、共通信号線(例えば、制御ライン3006またはデータライン)である。共通信号線は、グローバル信号を送信するために使用され得る。共通信号線は、行内の全てのピクセルまたはいくつかのピクセルに接続され得る。例えば、1つの共通信号線は、行内の全てのピクセルの動作を制御するトランジスタに結合されてもよく、行内に440、1600、1920、または2560ピクセルが存在し、または共通信号線は、行内のピクセルの半分(例えば、720、800、960、または1280ピクセル)の動作を制御するトランジスタに結合されてもよい。
【0170】
ステップ3308において、バックプレーン(例えば、バックプレーン3004)が、取得される。バックプレーンは、駆動回路(例えば、図30のメモリ3016および/もしくは変調回路3018、ならびに/または図18のアドレスドライバ1802、データ/ビットラインドライバ1804、制御/タイミングドライバ1806、制御ロジック1808、および/もしくは電圧供給レギュレータ1810)を含み得る。バックプレーンは、第2のパッドを含む(例えば、図17の第1のパッドおよび第2のパッドに接触するバンプ1502が、示されている)。本明細書で使用されるバックプレーンは、uLEDエピタキシャルウェハとは別々のロジックダイ上に形成された回路を指してもよい。
【0171】
第1のパッドは、ステップ3310(例えば、図30におけるボンド3002を形成すること)において第2のパッドに接着される。接着することは、半田(例えば、図17のバンプ1502)を加熱して半田を溶かすことを含み得る。半田を加熱することは、半田を摂氏300、250、200、175、または150度未満に加熱することを含み得る。いくつかの実施形態では、半田を加熱することは、摂氏50、75、または100度以上である。
【0172】
ボンドは、第1のパッドを第2のパッドに電気的に結合し、それによって、パックプレーンのコントローラ(例えば、図18のアドレスドライバ1802、データ/ビットラインドライバ1804、制御/タイミングドライバ1806、制御ロジック1808、および/または電圧供給レギュレータ1810)が、制御ラインに電気的に結合される。いくつかの実施形態では、方法は、共通カソード(例えば、図30のカソード3014)を形成して複数のLEDに接続することをさらに含む。
【0173】
様々なプロセスが、薄膜回路層およびバックプレーンを有するエピタキシャル構造を形成するために使用され得る。エピタキシャル構造は、LEDのアレイを形成するために使用される。バックプレーンは、エピタキシャル構造および薄膜回路層と垂直方向に統合され、または水平方向に統合され得る。図34~54および図55~64は、垂直統合の例を与える。図67および図68は、水平統合の例を与える。バックプレーンがシリコン基板を使用する場合、シリコン基板は、非透明であり、LEDのアレイの背後にあり得るため、垂直統合は、非透明ディスプレイに使用され得る。したがって、ユーザは、LEDのアレイを越えて見ることができない。水平統合は、透明ディスプレイに使用され得る。水平統合において、バックプレーンは、LEDのアレイの側方にある。エピタキシャル構造および薄膜回路層は、ユーザに対して透明であってもよく、透明基板に接着されてもよい。(例えば、酸化インジウムスズを用いた)透明トレースは、バックプレーンを薄膜回路層に接続するために使用され得る。したがって、水平統合は、ユーザがLEDのアレイを越えて見ることを可能にする透明ディスプレイのために使用され得る。
【0174】
エピタキシャル層は、様々な方法でシンギュレートされて、個々のLEDを形成するためにエピタキシャル構造の一部を分離し得る。例えば、エッチングは、メサを形成するために使用され得る。図34~54は、エッチングされたメサの例を与える。イオン注入は、また、平面LEDを形成するために使用され得る。図55~65は、平面LEDの例を与える。他の分離プロセスも使用されてもよい。
【0175】
次に図34~53を参照すると、エピタキシャル構造をエッチングして、エピタキシャル構造においてLEDを形成するためにエピタキシャル構造をシンギュレートする実施形態についての処理ステップの簡略化された断面が示される。図34は、エピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面である。エピタキシャル構造3400は、第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404を含む。第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404は、基板3406の上にある。いくつかの実施形態では、基板3406は、エピタキシャル構造3400の一部である。第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404は、基板(例えば、基板3406に合致する格子)上で成長(例えば、エピタキシャル成長)し得る。いくつかの実施形態では、基板は、III-V族2元化合物(例えば、GaAs、GaP)であり、第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404は、2元、3元、または4元化合物(例えば、InGaAs、InGaAsP)である。
【0176】
エピタキシャル構造3400は、また、第1のドープ半導体層3402と第2のドープ半導体層3404との間の発光層3408を含み得る。発光層3408は、第1のドープ半導体層3402と第2のドープ半導体層3404との界面であってもよく、または発光層3408は、第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404(例えば、多重量子ウェル(MQW)を形成するための材料の層)とは別の材料を含み得る。
【0177】
図34に示される実施形態では、第1のドープ半導体層3402は、nドープされ(例えば、結晶格子内に電子が少ない(ホールが過剰である))、第2のドープ半導体層3404は、pドープされる(例えば、結晶格子内に電子が過剰である)。他の実施形態では、第1のドープ半導体層3402は、pドープされてもよく、および/または第2のドープ半導体層3404は、nドープされてもよい。
【0178】
図35は、エピタキシャル構造3400上に堆積されたコンタクト層3502および一時接着層3504を有するエピタキシャル構造3400の実施形態の簡略化された断面である。コンタクト層3502は、pコンタクトである。コンタクト層3502は、金属などの導電材料であってもよい。コンタクト層3502は、リソグラフィック技法によって堆積され得る。コンタクト層3502は、LEDのアレイ内の各LEDについてpコンタクトを形成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、コンタクト層3502は、図30において共通カソード3014を形成するために使用され得る。コンタクト層3502は、第2のドープ半導体層(pドープ層)の上面に堆積される。いくつかの実施形態では、コンタクト層3502は、1つまたは複数の垂直ビアにより、薄膜回路層において接地面に電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、エピタキシャル構造3400および/またはコンタクト層3502は、図16のデバイス層1602の一部であってもよい。
【0179】
一時接着層3504は、エピタキシャル構造3400に一時キャリアを確保するために、粘着性であってもよい(例えば、スピンコートにより塗布されてもよい)。一時接着層3504は、コンタクト層3502の上面に塗布される。
【0180】
図36は、一時キャリア3602がエピタキシャル構造に固定されているエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。一時キャリア3602は、一時接着層3504によってエピタキシャル構造3400に固定される。一時キャリア3602は、エピタキシャル構造3400のp側に取り付けられる(例えば、pドープされている第2のドープ半導体層3404は、nドープされている第1のドープ半導体層3402よりも一時キャリア3602の近くにある)。
【0181】
図37は、基板(例えば、図36の基板3406)がエピタキシャル構造3400から除去されているエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。基板が除去された後に、エピタキシャル構造は平坦化される(例えば、化学機械平坦化(CMP)によって)。nドープされた第1のドープ半導体層3402は露出され平坦化される。
【0182】
図37の構造は、中間構造3700と呼ばれることがある。中間構造3700は、様々なエッチング形態で使用することができる。例えば、中間構造は、薄膜回路層をエピタキシャル構造3400(例えば、図38~42に図示)に塗布する前にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセスと、エピタキシャル構造3400をバックプレーン(例えば、図43~47に図示)に接着した後にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセスと、薄膜回路層の層をエピタキシャル構造3400(例えば、図48~53に図示)に堆積する間にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセスとに使用することができる。
【0183】
図38~42は、薄膜回路層をエピタキシャル構造3400に塗布する前にエピタキシャル構造3400をエッチングするプロセスの簡略断面図を描写している。図38は、エピタキシャル構造をシンギュレートするようにエッチングされたエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。図38では、エピタキシャル構造3400をエッチングすることによってトレンチ3802が形成されている。トレンチ3802は、壁3802によって画定される。トレンチ3802は、第1のドープ半導体層3402、発光層3408、第2のドープ半導体層3404、コンタクト層3502、および/または一時接着層3504をエッチングすることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、コンタクト層3502または一時接着層3504は、エッチストップとして使用することができる。
【0184】
エピタキシャル構造3400は、第1のドープ半導体層3402側(例えば、n側)からエッチングされて複数のメサ3808が形成される。一時キャリア3602は、複数のメサ3808(エピタキシャル構造3400)が貼り付けられる「把手」としての役割を果たすことができる。
【0185】
トレンチ3802は、(例えば、z方向に見て)x/y平面内に、メサ3808のアレイを作り出す格子を形成することができる。この格子は、複数のメサ3808のうちのメサ3808がx/y平面内で矩形、円形、正方形、三角形の形状、または他の形状を有することができるように、様々な形状で形成することができる。
【0186】
図39は、エピタキシャル構造3400の上に堆積された薄膜回路層1604の一実施形態の簡略断面図である。薄膜回路層1604は、トランジスタ層1606および相互接続層1608を含む。トランジスタ層1606は、第1のドープ半導体層3402(例えば、n型)の露出面に形成される。トランジスタ層1606は、薄膜トランジスタ半導体材料を含むことができる(例えば、トランジスタ層1606は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)を含み得る)。トランジスタ層1606は、薄膜回路層1604の第1の薄膜層と呼ぶことができる。
【0187】
相互接続層1608は、トランジスタ層1606の最上部に形成される。相互接続層1608は、薄膜回路層1604の第2の薄膜層と呼ぶことができる。パッド1630もまた、金属バンプに接着するように形成することができる。
【0188】
図40で、バックプレーン1704が、バンプ1502を使用して薄膜回路層1604に接着されている。バックプレーン1704は、ドライバ回路を含むことができる。エピタキシャル構造3400、薄膜回路層1604、およびバックプレーン1704は垂直に配置される(例えば、スタック構造)。図40は、エピタキシャル構造3400の上に(z方向に)延びる一時キャリア3602を示す。
【0189】
図41は、バックプレーン1704を薄膜回路層1604に接着した後に一時キャリア(例えば、図40の一時キャリア3602)が除去された一実施形態の簡略断面図である。いくつかの実施形態では、一時キャリアおよび/または一時接着層は、溶剤(例えば、一時接着層を溶解する溶剤)によって除去される。一時キャリアを除去すると、第2のドープ半導体層3404および/またはコンタクト層3502が露出する。
【0190】
図42は、光学素子4202をエピタキシャル構造3400に追加する一実施形態の簡略断面図である。光学素子4202を使用して、光をエピタキシャル構造3400からより効率的に取り出すことができる。例えば、光学素子4202は回折格子とすることができる。光学素子4202は、回折格子に似ているように図42には示されているが、光学素子4202は、レンズなどの他の光学機能であってもよい。
【0191】
図43~47は、エピタキシャル構造をバックプレーンに接着した後にエピタキシャル構造をエッチングするプロセスの簡略断面図を描写している。図43は、中間構造3700の上に堆積された薄膜回路層1604の一実施形態の簡略断面図である。図43は、図43の中間構造3700の上に薄膜回路層1604を堆積する前には図38のトレンチ3802が形成されていないことを除いて、図39と類似している。
【0192】
図44は、薄膜回路層1604をバックプレーン1704に接着する一実施形態の簡略断面図である。バンプ1502は、薄膜回路層1604をバックプレーン1704に接着するために、および/またはバックプレーン1704から薄膜回路層1604まで電気的に接続するために使用される。一時キャリア3602は、接着しながら把手として使用することができる。薄膜回路層1604は、中間構造3700とバックプレーン1704の間にある。
【0193】
図45は、薄膜回路層1604をバックプレーン1704に接着した後に一時キャリア(例えば、図44の一時キャリア3602)が除去された一実施形態の簡略断面図である。図46には、エピタキシャル構造3400にエッチングされたトレンチ3802の一実施形態の簡略断面図が示されている。トレンチ3802は、一時キャリアを除去した後に、および/またはバックプレーン1704を薄膜回路層1604に接着した後に、エピタキシャル構造3400にエッチングされる。図47は、光学素子4202をエピタキシャル構造3400(例えば、図42に類似)に追加する一実施形態の簡略断面図である。
【0194】
次に図48~53を参照すると、薄膜回路層の層をエピタキシャル構造に堆積する間にエピタキシャル構造をエッチングするプロセスの一実施形態の断面図が示されている。図48は、中間構造3700の上に堆積されたトランジスタ層1606の一実施形態の簡略断面図である。トランジスタ層1606は、薄膜回路層の第1の薄膜層と呼ぶことができる。トランジスタ層1606は、第1のドープ半導体層3402(例えば、nドープ)の上に堆積される。
【0195】
図49は、トランジスタ層1606とエピタキシャル構造3400の両方を貫通してエッチングする一実施形態の簡略断面図である。トレンチ4902が、トランジスタ層1606とエピタキシャル構造の両方に形成される。トランジスタ層1606およびエピタキシャル構造3400の壁4904が、トレンチ4902の側面を画定する。トレンチ4902は、トレンチ4902がトランジスタ層1606ならびにエピタキシャル構造3400を貫通して延びていることを除いて、トレンチ3802と類似している。トレンチは、エピタキシャル構造3400を分離して複数のLEDを形成する。
【0196】
エピタキシャル構造3400をエッチングするためにトランジスタ層1606を貫通してエッチングする分離プロセスには、いくつかの制限があり得る。例えば、図48~53の分離プロセスでは、トランジスタ層1606が別々のLEDに対して分離されると仮定しているが、これは、いくつかの実施形態では妥当な仮定ではないことがある。例えば、トランジスタ層1606は、多数のLEDが共有する回路(例えば、多重化、変調、メモリ等の機能を遂行するための回路)を実装するために使用されることがある。
【0197】
図50は、エピタキシャル構造3400を分離するようにトランジスタ層1606がエッチングされた後に、相互接続層1608がトランジスタ層1606の上に堆積される実施形態の簡略断面図である。相互接続層1608は、薄膜回路層1604の第2の薄膜層と呼ぶことができる。
【0198】
図51では、バックプレーン1704が、バンプ1502を使用して薄膜回路層1604に接着されている。バックプレーン1704はドライバ回路を含むことができる。エピタキシャル構造3400、薄膜回路層1604、およびバックプレーン1704は、垂直に配置される(例えば、スタック構造)。図51は、エピタキシャル構造3400の上に(z方向に)延びる一時キャリア3602を示す。
【0199】
図52は、バックプレーン1704を薄膜回路層1604に接着した後に一時キャリア(例えば、図51の一時キャリア3602)が除去された一実施形態の簡略断面図である。いくつかの実施形態では、一時キャリアおよび/または一時接着層は、溶剤(例えば、一時接着層を溶解する溶剤)によって除去される。一時キャリアを除去すると、第2のドープ半導体層3404および/またはコンタクト層3502が露出する。
【0200】
図53は、光学素子4202をエピタキシャル構造3400に追加する一実施形態の簡略断面図である。光学素子4202を使用して、光をエピタキシャル構造3400からより効率的に取り出すことができる。例えば、光学素子4202は回折格子とすることができる。光学素子4202は、回折格子に似ているように図53には示されているが、光学素子4202は、レンズなどの他の光学機能であってもよい。
【0201】
図54は、エピタキシャル構造の部分を分離するエッチングのプロセス5400の一実施形態のフローチャートである。プロセス5400は、ステップ5402でエピタキシャル構造(例えば、図34のエピタキシャル構造3400)を得ることから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープ半導体層(例えば、図32の第1のドープ半導体層3402)、第2のドープ半導体層(例えば、図32の第2のドープ半導体層3404)、および/または第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層の間の発光層(例えば、図32の発光層3408)を含む、層状構造とすることができる。いくつかの実施形態では、エピタキシャル構造は、第1のドープ半導体層、発光層、および第2のドープ半導体層を基板(例えば、図34の基板3406)の上に成長させることによって取得される。
【0202】
ステップ5404で、エピタキシャル構造は、エピタキシャル構造をシンギュレートするようにエッチングされて複数のLEDが形成される。例えば、図38、46、および52のエピタキシャル構造3400は、メサ3808(図38に示す)を形成するようにエッチングされる。図38にはメサが2つしか描かれていないが、これらは多くのメサであることを理解されたい(例えば、図14のアレイ1400の光源1402ごとに1つのメサ)。
【0203】
ステップ5406で、第1の薄膜層がエピタキシャル構造の上に堆積される(例えば、トランジスタ層1606は、図39のエピタキシャル構造3400の上に形成される)。ステップ5408で、第2の薄膜層がエピタキシャル構造の上に堆積される(例えば、相互接続層1608は、図39のトランジスタ層1606の上に形成される)。ステップ5410で、第2の薄膜層はバックプレーンに接着される(例えば、バックプレーン1704は、図40のバンプ1502によって薄膜回路層1604に接着される)。ステップ5412で、光抽出素子が形成される(例えば、図442の光学素子4202)。
【0204】
いくつかの実施形態では、第2のドープ半導体層はpドープすることができ、この方法はさらに、一時キャリアを第2のドープ半導体層に接着すること、および基板をエピタキシャル構造から除去することを含み、この基板は、基板を除去する(例えば、図37に図示の基板を除去する)前には、第2のドープ半導体層よりも第1のドープ半導体層の近くにあった。エピタキシャル構造をエッチングすることは、薄膜回路層をエピタキシャル構造(例えば、図38)に堆積する前に行われ得る。エピタキシャル構造をエッチングすることは、薄膜回路層をバックプレーン(例えば、図41)に接着した後に行われ得る。エピタキシャル構造をエッチングすることは、第1の薄膜層を堆積した後で、かつ第2の薄膜層(例えば、図49)を塗布する前に行われ得る。
【0205】
エピタキシャル構造を分離するようにエッチングしてLEDのアレイを形成する代わりに、他の分離の形を用いることができる。例えば、イオン注入を用いてエピタキシャル構造を分離して、複数のLEDを形成することができる。次に図55~64を参照すると、イオン注入によってエピタキシャル構造を分離するプロセスの一実施形態の断面図が示されている。図55は、図34のエピタキシャル構造3400と類似しているエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。エピタキシャル構造3400は、第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404を含む。第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404は、基板3406の上にある。いくつかの実施形態では、基板3406はエピタキシャル構造3400の一部である。エピタキシャル構造3400はまた、第1のドープ半導体層3402と第2のドープ半導体層3404の間に発光層3408を含むこともできる。図示の実施形態では、第1のドープ半導体層3402はnドープされ、第2のドープ半導体層3404はpドープされている。他の実施形態では、第1のドープ半導体層3402はpドープすることができ、かつ/または第2のドープ半導体層3403はnドープすることができる。
【0206】
図56は、イオン注入によってエピタキシャル構造のp側を分離する一実施形態の簡略断面図である。イオンは第2のドープ半導体層3404に注入されて、第2のドープ半導体層3404の一部分が、阻止領域5602を形成するように変更される。阻止領域5602は、第2のドープ半導体層3404の隣り合う部分同士を分離して複数のLEDを形成する。いくつかの実施形態では、分離のための他のプロセスが、イオン注入の代わりに、またはイオン注入と組み合わせて用いられる(例えば、化学修飾またはGaN修飾)。阻止領域5602は、図38のトレンチ3802と同様に、2次元形状を有し得る(例えば、x/y平面に)。
【0207】
図57は、コンタクト層3502および一時接着層3504がエピタキシャル構造3400の上に堆積されているエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。コンタクト層3502および一時接着層3504は、図35に図示されているのと同様に、エピタキシャル構造3400に塗布される。
【0208】
図58は、一時キャリア3602がエピタキシャル構造3400に接着されているエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。一時キャリア3602は、一時接着層3504によってエピタキシャル構造3400に固定される。一時キャリア3602は、エピタキシャル構造3400のp側に取り付けられる(例えば、pドープされている第2のドープ半導体層3404は、nドープされている第1のドープ半導体層3402よりも一時キャリア3602の近くにある)。
【0209】
図59は、基板(例えば、図58の基板3406)がエピタキシャル構造3400から除去されているエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。基板が除去された後に、エピタキシャル構造3400は平坦化される(例えば、化学機械平坦化(CMP)によって)。nドープされた第1のドープ半導体層3402は露出され平坦化される。
【0210】
図60は、イオン注入によってエピタキシャル構造3400のn側を分離する一実施形態の簡略断面図である。イオンは第1のドープ半導体層3402に注入されて、阻止領域6002を形成するように第1のドープ半導体層3402の一部分が変更される。阻止領域6002は、第1のドープ半導体層3402の隣り合う部分同士を分離して複数のLEDを形成する。いくつかの実施形態では、分離のための他のプロセスが、イオン注入の代わりに、またはイオン注入と組み合わせて用いられる(例えば、化学修飾またはGaN修飾)。阻止領域6002は、第2のドープ半導体層3404の阻止領域5602と同様に、2次元形状を有し得る(例えば、x/y平面に)。
【0211】
図61は、図39と類似している、エピタキシャル構造3400の上に堆積された薄膜回路層1604の一実施形態の簡略断面図である。薄膜回路層1604は、トランジスタ層1606および相互接続層1608を含む。トランジスタ層1606は、第1のドープ半導体層3402(例えば、n型)の露出面に形成される。トランジスタ層1606は、薄膜トランジスタ半導体材料を含むことができる。
【0212】
図62は、図40に類似している、バックプレーン1704に接着された薄膜回路層1604の一実施形態の簡略断面図である。エピタキシャル構造3400、薄膜回路層1604、およびバックプレーン1704は垂直に配置される(例えば、スタック構造)。図62は、エピタキシャル構造3400の上に(z方向に)延びる一時キャリア3602を示す。
【0213】
図63は、図41に類似している、バックプレーン1704を薄膜回路層1604に接着後に一時キャリア(例えば、図62の一時キャリア3602)が除去された一実施形態の簡略断面図である。いくつかの実施形態では、一時キャリアおよび/または一時接着層は、溶剤(例えば、一時接着層を溶解する溶剤)によって除去される。一時キャリアを除去すると、第2のドープ半導体層3404および/またはコンタクト層3502が露出する。
【0214】
図64は、図42と類似している、光学素子4202をエピタキシャル構造3400に追加する一実施形態の簡略断面図である。光学素子4202を使用して、光をエピタキシャル構造3400からより効率的に取り出すことができる。例えば、光学素子4202は回折格子とすることができる。光学素子4202は、回折格子に似ているように図64に示されているが、光学素子4202は、レンズなどの他の光学機能であってもよい。
【0215】
図58~64は、第1のドープ半導体層3402および第2のドープ半導体層3404の両方を(例えば、イオン注入によって)分離することを描写しているが、いくつかの実施形態では、一方のドープ半導体層だけが分離される。例えば、イオン注入によって、第1のドープ半導体層3402だけが、または第2のドープ半導体層3404だけが分離されるが、両方は分離されない。
【0216】
図65は、イオン注入を用いてエピタキシャル構造の部分を分離してLEDのアレイを形成するプロセス6500の一実施形態のフローチャートである。プロセス6500は、ステップ6502でエピタキシャル構造(例えば、図55のエピタキシャル構造1400)を得ることから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および/または第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層の間の発光層を有する、層状構造とすることができる。一時キャリアはエピタキシャル構造に接着することができ、第2のドープ半導体構造は、第1のドープ半導体構造と一時キャリアの間にあり、第1のドープ半導体構造は、第2のドープ半導体構造とエピタキシャル構造の基板との間にある(例えば、図58)。基板は除去することができる(例えば、図59)。
【0217】
ステップ6504で、第1のドープ半導体層の部分を分離して複数のLEDを形成するために、イオンが第1のドープ半導体層に注入される(例えば、図60)。ステップ6506で、薄膜回路層がエピタキシャル構造に塗布される(例えば、図61)。薄膜回路層はバックプレーンに接着される(例えば、図62)、ステップ8508。一時キャリアは除去することができる(例えば、図63)。ステップ6510で、光抽出素子が形成される(例えば、図64)。
【0218】
いくつかの実施形態では、プロセス6500はまた、一時キャリアをエピタキシャル構造に接着する前にイオンを第2のドープ半導体層に注入することを含むこともできる(例えば、図56)。いくつかの実施形態では、第1のドープ半導体層にはイオンが注入されない。
【0219】
図66は、エピタキシャル構造の部分を分離するためのプロセス6600の一実施形態のフローチャートである。プロセス6600は、ステップ6602でエピタキシャル構造(例えば、図35または図55のエピタキシャル構造34)を得ることから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープ半導体層(例えば、図35または図55の第1のドープ半導体層3402)、第2のドープ半導体層(例えば、図35または図55の第2のドープ半導体層3404)、および/または第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層の間の発光層(例えば、図35または図55の発光層3408)を含む、層状構造とすることができる。
【0220】
ステップ6604で、エピタキシャル構造の部分が分離される。例えば、エピタキシャル構造を分離することは、第1のドープ半導体層の部分を分離して、または第2のドープ半導体層の部分を分離して、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の部分を分離して複数のLEDを形成することを含み得る。エピタキシャル構造の部分を分離する例は、図38、46、49、56および60に図示されている。エピタキシャル構造の部分を分離することは、エッチングおよびイオン注入を含む様々なプロセスによって行うことができる。
【0221】
ステップ6606で、薄膜回路層(例えば、薄膜回路層1604)がエピタキシャル構造の上に堆積される。薄膜回路層は、第1の薄膜層(例えば、トランジスタ層1606)を含むことができ、第1の薄膜層は、複数のトランジスタおよび/または第2の薄膜層(例えば、相互接続層1608)を含み、第2の薄膜層は、複数のトランジスタの相互接続を含む。
【0222】
ステップ6608で、薄膜回路層はバックプレーンに接着される(例えば、バックプレーン1704は、図40、44、51または62の薄膜回路層1604に接着される)。いくつかの実施形態では、光抽出素子は、発光層から光をカップリングアウトするようにエピタキシャル構造に形成することができる。例えば、図42、47、53または64の光学素子4202が形成され得る。
【0223】
一時キャリア(例えば、図36または図58の一時キャリア3602)は、薄膜回路層をエピタキシャル構造に接着する前にエピタキシャル構造に接着することができ、かつ/または一時キャリアは、薄膜回路層をバックプレーンに接着した後に除去することができる。
【0224】
図34および図55の実施形態では、第1のドープ半導体層3402はnドープされ、第2のドープ半導体層3404はpドープされている。pドープ層は、共通部として使用することができる(例えば、図30のカソード3014)。いくつかの実施形態では、第1のドープ半導体層3402はpドープとし、第2のドープ半導体層3404はnドープとすることができる。その場合には、図36または図58の一時キャリア3602は使用されない。しかし、pドープ側を共通部として使用するのではなく、nドープ側が共通部である場合には、より多くのトランジスタが使用され得る。薄膜回路層は非共通部側にあるが、いくつかの実施形態では、ビアを使用して薄膜回路層を共通部側にすることもできる。
【0225】
図67は、透明基板6702に接着された、エッチングされたエピタキシャル構造3400の一実施形態の簡略断面図である。透明ディスプレイは、ユーザがディスプレイを透かして見ることを可能にし、AR応用分野において役立ち得る。図67には、LED6704を形成するために使用された2つのメサが説明のために示されているが、実際のディスプレイ用には非常に多くのLED6704が予見される。LED6704を分けるために、エピタキシャル構造3400を貫通してトレンチ3802がエッチングされる。図67は1つの断面図を表しているが、同一または同様のシンギュレーションプロセスを多数の側面で実施することができ、そのようにして各LED6704の周辺を画定することができる。例えば、上から下を見ると(反z方向で見ると)、(例えば、x/y平面内の)LED6704は正方形または他の形状を有し得る。
【0226】
薄膜回路層1604は、エピタキシャル構造3400の上に堆積される。薄膜回路層1604は、透明基板6702に接着される。透明基板6702は、ガラスまたは他の材料で作ることができる。薄膜回路層1604は、薄膜回路層と透明基板6702上のパッド6710とを電気的に接続するトレース6708に電気的に結合される。図67には1つのトレース6708および1つのパッド6710だけが示されているが、薄膜回路層1604と多くのパッド6710とを電気的に結合する多くのトレース6708があり得ることを理解されたい。トレース6708は、インジウムスズ酸化物(ITO)などの透明な導電材料で作ることができる。パッド6710は、1つまたは複数のバンプ1502によってバックプレーンに電気的に結合される。
【0227】
図67で、エピタキシャル構造3400は、バックプレーン1704に対して垂直ではなく水平に配置されている。エピタキシャル構造3400は、透明基板6702の上でバックプレーン1704の隣に置かれている。水平配置により、シリコン基板を有するバックプレーン1704がディスプレイの周辺に設置されることが可能になり、それによって、ディスプレイの全体的な透明性が保たれる。
【0228】
エピタキシャル構造3400は、トレンチ3802によって分離された部分を有するが、他の分離プロセス(例えば図56または図60で論じたイオン注入)を用いてLED6704をシンギュレートすることもできる。いくつかの実施形態では、装置が、透明基板6702と、複数のLED6704と、複数のLEDに電気的に結合された複数のトランジスタを含む薄膜回路層1604とを備え、複数のトランジスタは、複数のLEDの動作を制御するように構成され、薄膜回路層1604は透明基板6702に接着され、かつ/または透明基板6702に接着されたバックプレーン1704に接着され、バックプレーン1704は、薄膜回路層1604と電気的に結合され(例えば、バンプ1502、パッド6710、およびトレース6708によって)、かつ/またはバックプレーン1704は、透明基板6702の、薄膜回路層1604と同じ側にある。いくつかの実施形態では、装置はさらに拡張現実システムのフレーム(例えば、図3のフレーム305)を備え、このフレームは複数のLEDを保持し、これら複数のLEDは、拡張現実システム用のディスプレイの一部(例えば、図4の画像源412の一部)である。
【0229】
図68は、透明基板6702上のアレイ内のLED6704からバックプレーン1704までのトレース6708の簡略説明図である。1つのトレース6708は、LED6704のグループ6802をバックプレーン1704に電気的に結合することができる。LED6704のグループ6802は、複数のLED3010が図30の制御ライン3006を共有するのと同様に、図68のトレース3708を共有することができる。いくつかの実施形態では、LED6704のグループ6802は複数のLEDとみなされる。トレース6708は、LED6704の複数のグループ6802間にあり得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、LED6704の多数のダイを透明基板6702に接着してLED6704のアレイを構築することができる。透明基板6702に接着された1つまたは複数のバックプレーン1704があり得る。バックプレーン1704は、LED6704のアレイの1つ、2つ、または3つ以上の側面に配置することができる。バックプレーン1704は、透明基板6702の一面に、ユーザの光路に入らないように接着される。
【0231】
図面は必ずしも原寸に比例していなく、各層の相対的な厚さが図に示された相対的な厚さとは異なり得ることに留意されたい。例えば、エピタキシャル構造は薄膜回路層よりもかなり厚くなり得るが、いくつかの図では薄膜回路層をエピタキシャル構造よりも厚いように描写している。
【0232】
図69は、LEDアレイを透明基板に接着するプロセス6900の一実施形態のフローチャートである。プロセス6900は、ステップ6902でエピタキシャル構造(例えば、図35または図55のエピタキシャル構造34)を得ることから開始する。エピタキシャル構造は、第1のドープ半導体層(例えば、図35または図55の第1のドープ半導体層3402)、第2のドープ半導体層(例えば、図35または図55の第2のドープ半導体層3404)、および/または第1のドープ半導体層と第2のドープ半導体層の間の発光層(例えば、図35または図55の発光層3408)を含む、層状構造とすることができる。
【0233】
ステップ6904で、薄膜回路層(例えば、薄膜回路層1604)がエピタキシャル構造に塗布される。ステップ6906で、エピタキシャル構造の部分が分離される。例えば、エピタキシャル構造を分離することは、第1のドープ半導体層の部分を分離して、または第2のドープ半導体層の部分を分離して、または第1のドープ半導体層および第2のドープ半導体層の両方の部分を分離して複数のLEDを形成することを含み得る。エピタキシャル構造の部分を分離する例は、図38、46、49、56および60に図示されている。エピタキシャル構造の部分を分離することは、エッチングおよびイオン注入を含む様々なプロセスによって行うことができる。薄膜回路層を分離することは、薄膜回路層の層を塗布する前、塗布した後、または塗布する間に行うことができる。
【0234】
ステップ6908で、薄膜回路層は、薄膜回路層をエピタキシャル構造に塗布した後で透明基板に接着される(例えば、薄膜回路層1604は、図67の透明基板6702に接着される)。透明基板は透明である(例えば、透明基板を通して75%、85%、90%、95%、または99%よりも高い透過率を有する赤、緑および/または青の光の波長などの、450から700nmまでの間の波長を有する光に対して75%、85%、90%、95%、99%またはもっと高い透過率)。
【0235】
ステップ6910で、バックプレーン(例えば、図67のバックプレーン1704)が透明基板に接着され、このバックプレーンは薄膜回路層に電気的に結合され、かつ/または薄膜回路層とバックプレーンは透明基板の同じ側にある。
【0236】
図70は、本明細書に開示の諸例のいくつかを実施するための例示的なニアアイディスプレイ(例えば、HMDデバイス)の例示的な電子システム7000の簡略ブロック図である。電子システム7000は、上述のHMDデバイスまたは他のニアアイディスプレイの電子システムとして使用することができる。この例では、電子システム7000は、1つまたは複数のプロセッサ7010およびメモリ7020を含み得る。プロセッサ7010は、いくつかのコンポーネントにおける動作を遂行するための命令を実行するように構成することができ、また、例えば、携帯型電子デバイス内に実装するのに適している汎用プロセッサまたはマイクロプロセッサとすることができる。プロセッサ7010は、電子システム7000内の複数のコンポーネントと通信可能に結合することができる。この通信可能な結合を実現するために、プロセッサ7010は、他の図示されたコンポーネントとバス7040全体にわたって通信することができる。バス7040は、電子システム7000の中でデータを転送するように適合された任意のサブシステムとすることができる。バス7040は、複数のコンピュータバス、およびデータを転送するための追加の回路を含み得る。
【0237】
メモリ7020は、プロセッサ7010に結合することができる。いくつかの実施形態では、メモリ7020は、短期と長期の両方の記憶を提供することができ、いくつかのユニットに分割されてもよい。メモリ7020は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)および/もしくはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などの揮発性とすること、ならびに/または読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどの不揮発性とすることができる。さらに、メモリ7020は、セキュアデジタル(SD)カードなどの取り外し可能記憶デバイスを含み得る。メモリ7020は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および電子システム7000用の他のデータを記憶することができる。いくつかの実施形態では、メモリ7020は、別々のハードウェアモジュールに分散していてもよい。命令および/またはコードのセットをメモリ7020に記憶することができる。命令は、電子システム7000によって実行可能であり得る実行可能なコードの形を取ることができ、かつ/またはソースの形および/またはインストール可能なコードの形を取ることができ、これらのソースおよび/またはコードは、コンパイルおよび/または電子システム7000にインストールすると(例えば、一般に入手可能な様々なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/復元ユーティリティ等のいずれかを使用して)、実行可能なコードの形を取ることができる。
【0238】
いくつかの実施形態では、メモリ7020は、複数のアプリケーションモジュール7022から7024を記憶することができ、これらのモジュールは任意の数のアプリケーションを含み得る。アプリケーションの例としては、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、動画再生アプリケーション、または他の適切なアプリケーションを挙げることができる。これらのアプリケーションは、奥行き検知機能および視線追跡機能を含み得る。アプリケーションモジュール7022~7024は、プロセッサ7010で実行されるべき特定の命令を含み得る。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール7022~7024の特定のアプリケーションまたは一部は、他のハードウェアモジュール7080によって実行可能とすることができる。特定の実施形態では、メモリ7020は追加としてセキュアメモリを含むことがあり、このメモリは、セキュア情報のコピーまたはセキュア情報への他の不正なアクセスを防止するための追加のセキュリティ制御を含み得る。
【0239】
いくつかの実施形態では、メモリ7020は、ロードされたオペレーティングシステム7025を含み得る。オペレーティングシステム7025は、アプリケーションモジュール7022~7024から与えられた命令の実行を開始するように、かつ/または他のハードウェアモジュール7080を管理するように作動可能にできるとともに、1つまたは複数の無線トランシーバを含み得る無線通信サブシステム7030とインターフェースする。オペレーティングシステム7025は、電子システム7000のコンポーネント全体にわたって、スレッディング、資源管理、データ記憶管理、および他の同様の機能を含む他の動作を遂行するように適合させることができる。
【0240】
無線通信サブシステム7030は、例えば、赤外線通信デバイス、無線通信デバイスおよび/またはチップセット(ブルートゥース(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMaxデバイス、セルラ通信機能等)、および/または同様の通信インターフェースを含み得る。電子システム7000は、無線通信用の1つまたは複数のアンテナ7034を無線通信サブシステム7030の一部として、またはシステムの任意の部分に結合された別個のコンポーネントとして含み得る。所望の機能に応じて無線通信サブシステム7030は、基地トランシーバ局ならびに他の無線デバイスおよびアクセスポイントと通信するための別個のトランシーバを含むことができ、この通信には、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)または無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの、異なるデータネットワークおよび/またはネットワーク種類と通信することが含まれ得る。WWANは、例えば、WiMax(IEEE802.16)ネットワークとすることができる。WLANは、例えば、IEEE802.11xネットワークとすることができる。WPANは、例えば、ブルートゥースネットワーク、IEEE802.15x、またはいくつか他の種類のネットワークとすることができる。本明細書に記載の技法はまた、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組み合わせに使用することもできる。無線通信サブシステム7030は、データをネットワーク、他のコンピュータシステム、および/または本明細書に記載の任意の他のデバイスと交換できるようにし得る。無線通信サブシステム7030は、アンテナ7034および無線リンク7032を使用して、HMDデバイスの識別子、位置データ、地理学的マップ、熱マップ、写真、または動画などのデータを送受信する手段を含み得る。無線通信サブシステム7030、プロセッサ7010、およびメモリ7020は共に、本明細書に記載のいくつかの機能を遂行する1つまたは複数の手段のうちの少なくとも一部を含み得る。
【0241】
電子システム7000の諸実施形態はまた、1つまたは複数のセンサ7090を含み得る。センサ7090は、例えば、画像センサ、加速度計、圧力センサ、温度センサ、近接センサ、磁気計、ジャイロスコープ、慣性センサ(例えば、加速度計とジャイロスコープを組み合わせるモジュール)、環境光センサ、または他の任意の、奥行きセンサまたは位置センサなどの、感覚出力を提供し、かつ/または感覚入力を受け取るように作動可能な、同様のモジュールを含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、センサ7090は、1つもしくは複数の慣性測定ユニット(IMU)、および/または1つもしくは複数の位置センサを含み得る。IMUは、1つまたは複数の位置センサから受け取った測定信号に基づいて、HMDデバイスの初期位置に対するHMDデバイスの推定位置を示す校正データを生成することができる。位置センサは、HMDデバイスの動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成することができる。位置センサの例としては、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のジャイロスコープ、1つまたは複数の磁気計、動きを検出する他の適切な種類のセンサ、IMUのエラー補正に使用される種類のセンサ、またはこれらの任意の組み合わせを、これらだけには限らないが挙げることができる。位置センサは、IMUの外部に、IMUの内部に、またはこれらの任意の組み合わせで設置することができる。少なくともいくつかのセンサは、検知用に構造光パターンを使用することができる。
【0242】
電子システム7000は、ディスプレイモジュール7060を含み得る。ディスプレイモジュール7060はニアアイディスプレイとすることができ、画像、動画、および様々な命令などの情報を電子システム7000からユーザへ、グラフィックで提示することができる。このような情報は、1つまたは複数のアプリケーションモジュール7022~7024、仮想現実エンジン7026、1つまたは複数の他のハードウェアモジュール7080、これらの組み合わせ、または、ユーザへのグラフィックコンテンツを変換するための他の任意の適切な手段から(例えば、オペレーティングシステム7025によって)導出することができる。ディスプレイモジュール7060には、LCD技術、LED技術(例えば、OLED、ILED、μ-LED、AMOLED、TOLED等を含む)、発光ポリマーディスプレイ(LPD)技術、またはいくつか他のディスプレイ技術を用いることができる。
【0243】
電子システム7000は、ユーザ入出力モジュール7070を含み得る。ユーザ入出力モジュール7070は、ユーザがアクションリクエストを電子システム7000へ送出することを可能にし得る。アクションリクエストは、特定のアクションを遂行するためのリクエストとすることができる。例えば、アクションリクエストは、1つのアプリケーションを開始もしくは終了するもの、またはそのアプリケーション内で特定のアクションを遂行するものとすることができる。ユーザ入出力モジュール7070は、1つまたは複数の入力デバイスを含み得る。例示的な入力デバイスには、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、ボタン、ダイヤル、スイッチ、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、または、アクションリクエストを受け取るための、および、受け取ったアクションリクエストを電子システム7000に伝えるための、他の任意の適切なデバイスが含まれ得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入出力モジュール7070は、電子システム7000から受け取った命令に応じてユーザに触覚フィードバックを与えることができる。例えば、触覚フィードバックは、アクションリクエストが受け取られたとき、または遂行されたときに与えることができる。
【0244】
電子システム7000は、例えばユーザの目の位置を追跡するためのユーザの写真または動画を撮るのに使用できるカメラ7050を含み得る。カメラ7050はまた、例えば、VR、AR、またはMR用途の環境の写真または動画を撮るのに使用することもできる。カメラ7050は、例えば、ピクセル数が数百万または数千万の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを含み得る。いくつかの実装形態では、カメラ7050は、3D画像をキャプチャするのに使用できる2つ以上のカメラを含み得る。
【0245】
いくつかの実施形態では、電子システム7000は、複数の他のハードウェアモジュール7080を含み得る。他のハードウェアモジュール7080のそれぞれは、電子システム7000の中の物理的モジュールとすることができる。他のハードウェアモジュール7080のそれぞれは、1つの構造として恒久的に構成できるが、他のハードウェアモジュール7080のいくつかは、特定の機能を遂行するように、または一時的に起動されるように一時的に構成することができる。他のハードウェアモジュール7080の例としては、例えば、音声出力および/または入力モジュール(例えば、マイクロフォンまたはスピーカ)、近距離無線通信(NFC)モジュール、再充電可能電池、電池管理システム、有線/無線電池充電システム等を挙げることができる。いくつかの実施形態では、他のハードウェアモジュール7080の1つまたは複数の機能をソフトウェアで実施することができる。
【0246】
いくつかの実施形態では、電子システム7000のメモリ7020もまた仮想現実エンジン7026を記憶することができる。仮想現実エンジン7026は、電子システム7000の中でアプリケーションを実行し、位置情報、加速度情報、速度情報、予測された将来位置、または様々なセンサからのHMDデバイスのこれらの情報の組み合わせを受け取ることができる。いくつかの実施形態では、仮想現実エンジン7026が受け取る情報は、ディスプレイモジュール7060への信号(例えば、表示命令)を生成するために使用することができる。例えば、受け取った情報が、ユーザが左側を見たことを指し示す場合、仮想現実エンジン7026は、仮想環境におけるユーザの動きを反映するHMDデバイス用コンテンツを生成することができる。加えて、仮想現実エンジン7026は、ユーザ入出力モジュール7070から受け取ったアクションリクエストに応答してアプリケーション内でアクションを遂行し、ユーザにフィードバックを与えることができる。与えられるフィードバックは、視覚、聴覚または触覚フィードバックとすることができる。いくつかの実装形態では、プロセッサ7010は、仮想現実エンジン7026を実行できる1つまたは複数のGPUを含み得る。
【0247】
様々な実装形態では、上述のハードウェアおよびモジュールは、単一のデバイスに、または有線もしくは無線接続を用いて互いに通信できる複数のデバイスに実装することができる。例えば、いくつかの実装形態では、GPU、仮想現実エンジン7026、およびアプリケーション(例えば、追跡アプリケーション)などの、いくつかのコンポーネントまたはモジュールは、ヘッドマウントディスプレイデバイスとは別個のコンソールに実装することができる。いくつかの実装形態では、1つのコンソールを2つ以上のHMDに接続すること、または1つのコンソールが2つ以上のHMDをサポートすることができる。
【0248】
代替の構成では、別の、および/または追加のコンポーネントが電子システム7000に含まれ得る。同様に、1つまたは複数のコンポーネントの機能を上述の方法とは異なる方法で複数のコンポーネントに分散させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、電子システム7000は、ARシステム環境および/またはMR環境などの他のシステム環境を含むように修正することができる。
【0249】
上述した方法、システム、およびデバイスは、例である。様々な実施形態は、必要に応じて様々な処置またはコンポーネントを省略し、代用し、または追加してもよい。例えば、代替構成において、説明された方法は、説明された順序とは異なる順序で実行されてもよく、ならびに/または様々な段階が追加され、省略され、および/もしくは組み合わされてもよい。ある実施形態に関して説明された特徴が、様々な他の実施形態においても組み合わされてもよい。実施形態の異なる態様および要素は、同様のやり方で組み合わされてもよい。また、技術が進化し、したがって、要素の多くが、本開示の範囲をそれらの具体的な例に限定しない例である。
【0250】
具体的詳細が、説明において実施形態の理解を通して提供されるように与えられる。しかしながら、実施形態は、これらの具体的詳細なしで実施され得る。例えば、周知の回路、プロセス、システム、構造、および技法は、実施形態を不明確にすることを避けるために、不必要な詳細なしに示されている。この説明は、単に例としての実施形態を与え、本発明の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、前述した実施形態の説明は、当業者に様々な実施形態を実施するための可能にする説明を提供する。本発明の範囲から逸脱することなく、要素の機能および配列において様々な変更が行われ得る。
【0251】
また、いくつかの実施形態は、フロー図またはブロック図として示されるプロセスとして説明された。それぞれが連続するプロセスとして動作を説明し得るが、動作の多くは、並列で、または同時に実行されてもよい。さらに、動作の順序が再配列されてもよい。プロセスは、図面に含まれない追加ステップを有してもよい。さらに、方法の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実施され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードにおいて実施されるとき、関連タスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントが、ストレージ媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。プロセッサは、関連タスクを実行し得る。
【0252】
具体的要件に従って実質的な変形が行われ得ることが、当業者には明らかである。例えば、カスタマイズされたハードウェアもしくは専用ハードウェアも、使用されてもよく、および/または特定の要素が、ハードウェア、ソフトウェア(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)、もしくはその両方で実施されてもよい。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスなどの他のコンピューティングデバイスへの接続が、採用されてもよい。
【0253】
添付図面を参照すると、メモリを含み得るコンポーネントが、非一時的機械可読媒体を含み得る。「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の様式で動作させるデータを提供することに関係する任意の記憶媒体を指してもよい。上記で与えられた実施形態では、様々な機械可読媒体が、処理ユニットおよび/または実行用の他のデバイスに命令/コードを提供することに関与し得る。追加的に、または代替的には、機械可読媒体は、そのような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用され得る。多くの実施態様において、コンピュータ可読媒体は、物理的および/または有形記憶媒体である。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、これらに限定されない多くの形式をとり得る。コンピュータ可読媒体の共通形態は、例えば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタル多用途ディスク(DVD)などの磁気および/もしくは光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、後述する搬送波、またはコンピュータが命令および/もしくはコードを読み出し得る任意の他の媒体を含む。コンピュータプログラム製品は、手続、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、アプリケーション(App)、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造、もしくはプログラム文の任意の組み合わせを表し得る、コードおよび/または機械実行可能命令を含み得る。
【0254】
本明細書で説明されるメッセージを通信するために使用される情報および信号が、多様な異なる技術および技法のうちのいずれかを用いて表され得ると、当業者は理解するであろう。例えば、上記説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0255】
本明細書で使用される「および」および「または」という用語は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも一部依存することも予期される、様々な意味を含み得る。典型的には、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合の「または」は、ここで包含的な意味で使用されてA、B、およびCを意味するように意図され、ならびにここで排他的な意味で使用されてA、B、またはCを意味するように意図される。さらに、本明細書で使用される「1つまたは複数」という用語は、任意の特徴、構造、もしくは特性を単数形で説明するために使用されてもよく、または特徴、構造、もしくは特性の何らかの組み合わせを説明するために使用されてもよい。しかしながら、これは単に例示的な例であり、特許請求される主題がこの例に限定されないことに留意されたい。さらに、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合の、「のうちの少なくとも1つ」という用語は、A、AB、AC、BC、AA、ABC、AAB、AABBCCCなどのA、B、および/またはCの任意の組み合わせを意味するように解釈され得る。
【0256】
さらに、ある実施形態が、ハードウェアおよびソフトウェアの特定の組み合わせを用いて説明されているが、ハードウェアおよびソフトウェアの他の組み合わせも可能であると認識されたい。ある実施形態は、ハードウェアでのみ、もしくはソフトウェアでのみ、またはそれらの組み合わせを用いて、実施されてもよい。一実施例では、ソフトウェアは、本開示において説明されるステップ、動作、またはプロセスのいずれかまたは全てを実行するために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードまたは命令を含むコンピュータプログラム製品で実施され得る。その場合に、コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。本明細書で説明される様々なプロセスは、任意の組み合わせで同一のプロセッサまたは異なるプロセッサ上で実施され得る。
【0257】
デバイス、システム、コンポーネント、またはモジュールが、ある動作または機能を実行するように構成されるとして説明されている場合、そのような構成は、例えば、動作を実行するように電子回路を設計することによって、コンピュータ命令もしくはコード、または非一時的メモリ媒体上に記憶されたコードもしくは命令を実行するようにプログラミングされたプロセッサもしくはコアを実行することなどによって、動作を実行するようにプログラマブル電子回路(マイクロプロセッサなど)をプログラミングすることによって、あるいはそれらの任意の組み合わせによって、完成され得る。プロセスは、プロセス間通信のための従来の技法を含むが、これに限定されない様々な技法を用いて通信し得る。プロセスの異なる対が、異なる技法を使用してもよく、またはプロセスの同一の対が、異なる時点に異なる技法を使用してもよい。
【0258】
明細書および図面は、したがって、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるものとする。しかしながら、追加、削減、削除、ならびに他の修正および変更が、特許請求の範囲に記載されるより広範な範囲から逸脱することなく行われ得ることは明らかである。よって、具体的な実施形態が説明されているが、これらは限定することを意図するものではない。様々な修正物および均等物が、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5A-B】
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A-D】
図10
図11
図12
図13
図14
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図64
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図69
図70
【国際調査報告】