(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】車両の2つの車輪の傾斜を制御するための自動制御できる気体と液体を利用したシステム及び当該システムを備える車両
(51)【国際特許分類】
B62K 25/08 20060101AFI20220314BHJP
B62K 5/027 20130101ALI20220314BHJP
B62K 5/08 20060101ALI20220314BHJP
B62K 5/10 20130101ALI20220314BHJP
【FI】
B62K25/08
B62K5/027
B62K5/08
B62K5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544209
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 IB2020050669
(87)【国際公開番号】W WO2020157664
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】102019000001247
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453733
【氏名又は名称】クーデル・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】QOODER S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】モローニ,マルコ
【テーマコード(参考)】
3D011
3D014
【Fターム(参考)】
3D011AA02
3D011AD01
3D011AD03
3D014DE02
3D014DE22
(57)【要約】
車両の2つの車輪の傾斜を制御するための自動制御できる気体と液体を利用したシステム及び当該システムを備える車両。自動制御それぞれ、第1の振動固定アーム(B1)と第2の振動固定アーム(B2)によって、車両のシャーシに機械的に接続される、車両の2つの車輪の傾斜を制御する自動制御できる気体と液体を利用したシステムであって、システムは、それぞれシャーシと第1の振動固定アーム(B1)及び第2の振動固定アーム(B2)の間に介在するのに適した少なくとも第1のシリンダ(10)と第2のシリンダ(20)を含み、第1(10)と第2(20)のシリンダは、それぞれ両方とも容積が可変で、作動油を含む第1のチャンバ(101)と第2のチャンバ(202)を含み、第1のチャンバ(101)から第2のチャンバ(202)へ作動油の移動は、第2のチャンバ(202)の容積の増加をもたらす一方で、第2のチャンバ(202)から第1のチャンバ(101)への作動油の移動は、第1のチャンバ(101)の容積の増加をもたらし、システムは、作動油が、第1のチャンバ(101)から第2のチャンバ(202)に及び第2のチャンバ(202)から第1のチャンバ(101)に交互に移動することができるように、第1のチャンバ(101)及び第2のチャンバ(202)を接続する第1の接続手段(23)を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、第1の振動固定アーム(B1)と第2の振動固定アーム(B2)によって、車両のシャーシに機械的に接続される、前記車両の2つの車輪の傾斜を制御するシステムであって、
前記システムは、それぞれ前記シャーシと前記第1の振動固定アーム(B1)及び前記第2の振動固定アーム(B2)の間に介在するのに適した少なくとも第1のシリンダ(10)と第2のシリンダ(20)を含み、
前記第1(10)と第2(20)のシリンダは、それぞれ両方とも容積が可変で、作動油を含む第1のチャンバ(101)と第2のチャンバ(202)を含み、
前記第1のチャンバ(101)から前記第2のチャンバ(202)への前記作動油の移動は、前記第2のチャンバ(202)の容積の増加をもたらす一方で、前記第2のチャンバ(202)から前記第1のチャンバ(101)への前記作動油の移動は、前記第1のチャンバ(101)の容積の増加をもたらし、
前記システムは、前記作動油が、前記第1のチャンバ(101)から前記第2のチャンバ(202)に及び前記第2のチャンバ(202)から前記第1のチャンバ(101)に交互に移動することができるように、前記第1のチャンバ(101)及び前記第2のチャンバ(202)を接続する第1の接続手段(23)を備え、
前記システムは、前記第1の接続手段(23)と関連する電動ポンプ(200)を含み、
前記システムは、また前記電動ポンプ(200)の電気制御のための制御ユニットを含み、
前記制御ユニットは、1またはそれ以上のパラメータを受信し、処理し、前記1またはそれ以上のパラメータの関数として前記電動ポンプ(200)を電気的に制御するように構成され、
前記1またはそれ以上のパラメータの関数として前記電動ポンプ(200)の電気制御は、前記1またはそれ以上のパラメータの関数として、前記第1のチャンバ(101)から前記第2のチャンバ(202)へまたは前記第2のチャンバ(202)から前記第1のチャンバ(101)へ前記電動ポンプ(200)によって前記作動油の移動をもたらす、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記第1の接続手段(23)及び前記電動ポンプ(200)と流体連通する電磁弁(300)を含み、
前記電磁弁(300)は、前記制御ユニットによって電気的に制御され、前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)の間の前記作動油の移動を防ぐ閉位置と、前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)の間の油の移動が可能な1またはそれ以上の開位置の間の切り替えが可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第2の接続手段(400)を含み、それにより前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)が流体連通に置かれる、請求項1または2に記載の傾斜システム。
【請求項4】
前記システムは、前記第2の接続手段(400)に沿って配置された遮断手段(500)を含み、
前記遮断手段(500)は、前記第1のチャンバ(101)及び前記第2のチャンバ(202)が前記第2の接続手段(400)を通って流体連通しない閉位置と、前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)が前記第2の接続手段(400)を通って流体連通する1またはそれ以上の開位置の間を切り替え可能である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記第2の接続手段(400)と流体連通する蓄積手段(600)を含み、
前記第1のチャンバ(101)から前記第2のチャンバ(202)への及び前記第2のチャンバ(202)から前記第1のチャンバ(101)への移動は、前記蓄積手段(600)の前記作動油の少なくとも一部の蓄積をもたらす、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記遮断手段(500)は、前記第2の接続手段(400)5と前記蓄積手段(600)の間に設置され、
前記遮断手段(500)は、前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)が流体連通せず、前記蓄積手段(600)が前記第2の接続手段と流体連通しない第1の位置と、前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)が前記第2の接続手段(400)を通って流体連通し、前記蓄積手段(600)が前記第2の接続手段(400)と流体連通する第2の位置を切り替え可能である三方弁を含む、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
前記遮断手段(500)は、前記第2の接続手段(400)と前記蓄積手段(600)の間に介在し、
前記遮断手段(500)は、直列に配置され、相互に前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)が流体連通せず、前記蓄積手段(600)が前記第2の接続手段と接続しない第1の形態と、前記第1のチャンバ(101)と前記第2のチャンバ(202)が前記第2の接続手段(400)を通って流体連通し、前記蓄積手段(600)が前記第2の接続手段(400)と流体連通する第2の形態の間を切り替え可能である3つのオンオフバルブ(501,502,503)を備える、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項8】
前記蓄積手段(600)は、第3のシリンダ(601)の容積が可変である第3のチャンバ(600)によって定義され、
前記第3のシリンダ(601)は、圧縮性ガスを含み、前記第3のチャンバ(600)に対して配置された容積が可変である第4のチャンバ(602)を含み、そのため前記第3のチャンバ(600)の前記作動油の蓄積が、前記第3のチャンバ(600)の拡張と前記第4のチャンバ(602)の前記ガスの圧縮をもたらし、前記第4のチャンバ(602)の容積が減少する、請求項5乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、前記第1の接続手段(23)と流体連通する補助蓄積手段(700,800)を含み、
前記第1のチャンバ(101)から前記第2のチャンバ(202)へ及び前記第2のチャンバ(202)から前記第1のチャンバ(101)へ前記作動油の移動は、前記補助蓄積手段(700)の前記作動油の少なくとも一部の蓄積をもたらす、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記補助蓄積手段(700)は、両方とも容積が可変で、それぞれ第4のシリンダ(701)及び第5のシリンダ(801)に属する第5のチャンバ(700)と第6のチャンバ(800)によって定義され、
前記第4のシリンダ(701)と前記第5のシリンダ(801)は、両方とも容積が可変で圧縮性ガスを含む第7のチャンバ(702)と第8のチャンバ(802)を備え、
前記第7のチャンバ(702)と前記第8のチャンバ(802)は、それぞれ前記第5のチャンバ(700)及び前記第6のチャンバ(800)に対して配置され、
そのため、前記第5のチャンバ(700)と前記第6のチャンバ(800)の前記作動油の蓄積は、それぞれ前記第5のチャンバ(700)及び前記第6のチャンバ(800)の拡張と前記第7のチャンバ(702)と前記第8のチャンバ(802)の前記ガスの圧縮をもたらし、その結果、前記第7のチャンバ(702)と前記第8のチャンバ(802)の容積が減少する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
それぞれ第1の振動アーム(B1)及び第2の振動アーム(B2)によって車両のシャーシに機械的に固定された少なくとも2つの傾斜車輪(R1,R2)を備える前記車両であって、
前記車両は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステムを含み、
前記第1のシリンダ(10)と前記第2のシリンダ(20)は、それぞれ前記第1の振動アーム(B1)と前記シャーシ及び前記第2の振動アーム(B2)と前記シャーシの間に介在する、車両。
【請求項12】
例えば、走行速度、前記シャーシの傾斜、前記第1の固定アーム(B1)及び第2の固定アーム(B2)に作用する応力など、パラメータをそれぞれ検出及び/または測定する複数のセンサ及び/または測定手段を含み、
前記センサ及び/または測定手段は、前記制御ユニットに接続され、それぞれ検出及び/または測定の結果を前記制御ユニットと通信するように構成される、請求項11に記載の車両。
【請求項13】
前記車両は、共通の横軸に沿って傾斜する2つの前輪(R1,R2)を備える三輪車である、請求項11または12に記載の車両。
【請求項14】
前記車両は、共通の横軸に沿って配置された2つの傾斜した後輪(R1,R2)を備える三輪車である、請求項11または12に記載の車両。
【請求項15】
前記車両は、共通の横軸に沿って配置された2つの傾斜した前及び/または後輪(R1,R2)を備える四輪車である、請求項11及び/または12に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜した車輪を備える車両の分野に関する。特に、本発明は、特に同じ水平軸に配置された、少なくとも2つの傾斜した車輪を備えるオートバイに関する。さらに詳細に、本発明は、車両、及び特に前述のタイプのオートバイの傾斜性能を改善するのに適した装置及び/またはシステムに関する。またさらに特に、本発明は、車両及び/または前述のタイプのオートバイの少なくとも2つの車輪の傾斜の自動制御のための装置及び/またはシステムに関する。最後に、本発明は、前述のタイプの装置またはシステムを備える少なくとも2つの傾斜した車輪を備える車両、特にオートバイに関する。
【背景技術】
【0002】
傾斜した車輪を備える車両は、当該分野で知られており、これから使用者によって広く拡散され、理解され、ここで表現「傾斜した車輪の車両」は、例えば、少なくとも2つの傾斜した前輪と(一般的に)傾斜しない後輪を備えるオートバイなど、少なくとも一対の傾斜した車輪を備える特に、オートバイ、スクータ、クワッドなどの車両を意味する。2つの揺れる後輪を備える車両、及び少なくとも一対の傾斜した車両を備える四輪車も、定義内に含まれる。
【0003】
前述の傾斜した車輪の車両の主な特徴は、(少なくとも2つの)傾斜した車輪が、また同じ軸に結合する車輪(一般的に、排他的でないと言われたように、前輪)のいわゆる傾斜システムの存在によって横向きに傾斜することができる。
【0004】
傾斜した車輪の車両(以後、「傾斜車両」と呼ばれる)は、一般的に要求及び/または環境に従って、運転者によって稼働される傾斜固定装置を備える。
【0005】
特に、装置及び/またはシステムが知られ、傾斜ブロックは、運転者が始めにアクセルを開いたときに、傾斜固定が自動的に外れる、一般的に時速数キロメートルに等しい、車両の仕様によって(及びしたがって製造者によって)定められるしきい値以下の速度において、スイッチで、運転者によって稼働される。
【0006】
上記で簡単にまとめられた従来技術に従う傾斜ブロック装置及び/またはシステムは、例えば実施の容易性及び実質的に含まれるコストなど異なる観点から理解されるが、しかしながら、本発明は、それぞれ解決する及び克服することを目的とする問題及び/または不利益を有する。
【0007】
第1の問題または不利益は、車両がブロックを許容される速度しきい値内にある、及び傾斜システムがブロックされているとき(すなわち、車両がまだ動いているが、傾斜が妨げられているとき)、車両は、解放速度に到達するまで(自動固定装置の場合において)または通常操作レバーのボタンによってスイングロックの手動開放まで(ブロックが手動で稼働するまたは動作を停止する装置の場合において)傾斜固定状態のままである一方で垂直面に対して車両の横方向の(それぞれ右または左に)不安定を引き起こすようにまた下水管カバーまたはいずれにせよ高さの違いなど、穴または凸凹に当たる(残念ながらそのような状況は凸凹道路面のため頻繁にある)可能性がある。
【0008】
これらの場合において、再始動、したがって傾斜が解除されると、運転者は、漸進的に速度が増す「回復」段階の間完全に垂直でない車両が、横に倒れる傾向にあるので、深刻に難しい問題に直面し、不安定を打ち消すために、運転者が他の車両と衝突のリスクがある軌道の変化を不可避的に引き起こす操縦でハンドルに介入することを余儀なくされる。
【0009】
さらに、一般的な用語で、さらなる欠点は、(ピット、マンホール入り江など)凸凹のイベントにおいて、固定された傾斜システムを有する車両が障害物に直面することは、また車両の横転を引き起こし、車両、運転者、その他の乗員、及び近くにいる人または物に横転をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、したがって従来技術に従って傾斜ブロック装置及び/またはシステムを参照して上記概説された問題及び/または欠点を効果的に及び信頼性を持って克服することができる解決法を提供することである。
【0011】
特に、本発明の主な目的は、傾斜固定及び解除装置(したがってオンオフタイプの)をあまり提供せず、むしろ傾斜の自動制御及び操作ができる装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、したがってサスペンションの動作の自動制御及び管理ができ、そのため低速走行時及び一時的停止時に傾斜した車両の垂直性の維持を保証する装置またはシステムを提供することである。
【0013】
特に、運転者がバランスを維持するために地面に足を着ける必要なく、特に「クアッドモード」(続く記載を参照)において地面及び路面の状態に関係なく、実質的に自動的に垂直位置に車両を維持することは、本発明の目的の範囲にある。
【0014】
本発明に従って、低速から高速でサスペンションの動作を制御することによって、通常のドライブ条件において車両の傾斜(tilting)角度(傾斜(inclination)を調節することもでき、この方法で、安定性を制御及び保証し、したがって、危険な横滑りを避ける。
【0015】
特に、本発明のさらなる目的は、
-ユーザが、通常地面に足を設置する、すなわち、一般的に、減速駆動時及び一時的な駐車時(赤信号、停止など)、「クワッドモード」として定義される操作条件において3またはそれ以上の車輪の車両の垂直性を自動的に維持することを保証する、
-一時的な走行及び/または使用者のパラメータに従って、理想的な傾斜角度を実行することによって上記車両の傾斜を実行及び制御する、ことができる装置及び/またはシステムを提供することである。
【0016】
広範な車両で、実質的にその改良をする必要なく実施され、及び簡単な及び早い操作によって、したがって低コストで実行可能及び設置可能である、前述のタイプの装置を提供することも、本発明の範囲内に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上記概説された目的が適切に油圧(または圧縮空気を使った)回路を適切に配置することによって効果的に達成される一般的な考えに由来し、油圧サスペンションシステムに接続された電動油圧ポンプ(または圧縮空気サスペンションシステムに接続された電動コンプレッサ)は、車両に設置された装置(速度センサ、慣性プラットフォーム、エンジン回転数など)の信号を処理する及びソフトウェアによって管理され、それらの関数として、1またはそれ以上の電磁弁を用いて、他にというよりむしろ1方向にまたは1つのシリンダから別のシリンダにまたはその逆にサスペンションの内側に含まれる流体を送り、この方法で静止及び低速時の車両の速度の維持及び/またはカーブの間の車両の傾斜角度の制御を保証し、車両の安定性を明白に改善する。
【0018】
上記考慮に基づいて、既知のサスペンション固定システムの欠点を克服する及び/または上記で概説されたさらなる目的を達成するために、本発明は、それぞれ第1の振動固定アーム及び第2の振動固定アームによって当該車両のシャーシに機械的に接続された車両の2つの車輪の傾斜を制御するために自動制御の気体と液体を利用したシステムに関し、システムは、それぞれ当該シャーシと当該第1の振動固定アーム及び当該第2の振動固定アームの間に介在するように構成された少なくとも第1のシリンダと第2のシリンダを備え、当該第1及び第2のシリンダはそれぞれ両方とも容積が可変であり、それぞれ当該第1のシリンダに収納される第1の並進可能なピストン及び当該第2のシリンダに収納される第2の並進可能なピストンによって定義される第1のチャンバと第2のチャンバを備え、当該第1のチャンバ及び第2のチャンバは、作動油を含み(便利に、非圧縮性液体)、当該第1のチャンバから当該第2のチャンバへの当該作動油の移動は、当該第2のチャンバの容積の増加をもたらす一方で、当該第2のチャンバから当該第1のチャンバへの当該作動油の移動は、当該第1のチャンバの容積の増加をもたらし、当該システムは、当該作動油が当該第1のチャンバから当該第2のチャンバへ及び当該第2のチャンバから当該第1のチャンバへ交互に移動することができるように、当該第1のチャンバと当該第2のチャンバを流体連通に置く第1の接続手段を備え、当該システムは、当該第1の接続手段と流体接続する電動ポンプを備え、当該システムは、さらに当該電動ポンプの電気制御のための制御ユニットを備え、当該ユニットは、1またはそれ以上のパラメータを受信し、処理する及び当該1またはそれ以上のパラメータの関数として当該電動ポンプを電気的に制御するのに適し、したがって、当該1またはそれ以上のパラメータの関数として当該電動ポンプの電気制御は、当該1またはそれ以上のパラメータに従って、当該第1のチャンバから当該第2のチャンバにまたは当該第2のチャンバから当該第1のチャンバへ当該電動ポンプによって当該作動油の移動をもたらす。
【0019】
1つの実施形態に従って、当該システムは、当該第1の接続手段及び当該電動ポンプと流体接続する電磁弁を備え、当該電磁弁は、当該制御ユニットによって電気的に制御され、当該第1のチャンバと第2のチャンバの間の当該作動油の移動を防ぐ閉位置と、当該第1のチャンバと第2にチャンバの間の流体の移動が可能な1またはそれ以上の開位置の間を切り替え可能である。
【0020】
1つの実施形態に従って、当該システムは、当該第1のチャンバ及び第2のチャンバが流体連通に置かれる第2の接続手段を備える。
【0021】
1つの実施形態に従って、当該システムは、三方弁及び当該三方弁に接続された回路流体タンクを備える。
【0022】
1つの実施形態に従って、当該システムは、当該第2の接続手段に沿って配置され、電気的に接続された遮断手段を備え、当該遮断手段は、当該第1のチャンバと第2のチャンバが当該第2の接続手段によって流体連通に置かれない閉位置と、当該第1のチャンバと第2のチャンバが当該第2の接続手段によって流体連通に置かれる1またはそれ以上の開位置の間を切り替え可能である。
【0023】
1つの実施形態に従って、当該システムは、当該第1のチャンバから当該第2のチャンバへ及び当該第2のチャンバから当該第1のチャンバへの当該作動油の移動が当該蓄積手段の当該作動油の少なくとも一部の蓄積をもたらす当該第2の接続手段と流体連通する蓄積手段を備える。
【0024】
1つの実施形態に従って、当該遮断手段は、当該第2の接続手段と当該蓄積手段の間に介在し、当該遮断手段は、当該第1のチャンバと第2のチャンバが流体連通に置かれず、当該蓄積手段が当該第2の接続手段と流体連通に置かれない第1の位置と、当該第1のチャンバと第2にチャンバが当該第2の接続手段によって流体連通に置かれ、当該蓄積手段が当該第2の接続手段と流体連通に置かれない第2の位置と、当該第1のチャンバと第2のチャンバが当該第2の接続手段によって流体連通に置かれ、当該蓄積手段が当該第2の接続手段と流体連通に置かれる第3の位置の間を切り替え可能な三方弁を備える。
【0025】
1つの実施形態に従って、当該遮断手段は、当該第2の接続手段と当該蓄積手段の間に介在し、当該遮断手段は、直列に配置され、相互に当該第1のチャンバと第2のチャンバが流体連通に置かれず、当該蓄積手段が当該第2の接続手段と流体連通に置かれない第1の形態と、当該第1のチャンバと第2のチャンバが当該第2の接続手段によって流体連通に置かれ、当該蓄積手段が当該第2の接続手段と流体連通に置かれない第2の形態と、当該第1のチャンバと第2のチャンバが当該第2の接続手段によって流体連通に置かれ、当該蓄積手段が当該第2の接続手段と流体連通に置かれる第3の形態と、を切り替え可能な3つのオンオフバルブを備える。
【0026】
1つの実施形態に従って、当該蓄積手段は、第3のシリンダに収納される第3の並進可能なピストンによって制限される容積が可変である第3のチャンバによって定義され、当該第3のシリンダは、圧縮性ガスを含み、当該第3のチャンバに対して配置された容積が可変な第4のチャンバを備え、当該第3のチャンバの当該作動油の蓄積は、当該第3のチャンバの拡張と当該第4のチャンバの当該ガスの圧縮をもたらし、結果として当該第4のチャンバの容積が減少する。
【0027】
1つの実施形態に従って、当該システムは、当該第1のチャンバから当該第2のチャンバへ及び当該第2のチャンバから当該第1のチャンバへ当該作動油の移動が当該補助蓄積手段の当該作動油の少なくとも一部の蓄積をもたらす、当該第1の接続手段と流体連通する補助蓄積手段を備える。
【0028】
1つの実施形態に従って、当該補助蓄積手段は、両方とも容積が可変であり、それぞれ第4のシリンダに収納される第4の並進可能なピストン及び第5のシリンダに収納される第5の並進可能なピストンによって定義される第5のチャンバと第6のチャンバによって定義され、当該第4のシリンダと第5のシリンダは、両方とも容積が可変で圧縮性ガスを含むそれぞれ第7のチャンバと第8のチャンバを備え、当該第7のチャンバと第8のチャンバは、それぞれ当該第5のチャンバ及び第6のチャンバに対して配置され、当該第5のチャンバと第6のチャンバの当該作動油の蓄積は、それぞれ当該第5のチャンバと第6のチャンバの拡張と、当該第7のチャンバと第8のチャンバの当該ガスの圧縮をもたらし、その結果、それぞれ当該第7のチャンバと第8のチャンバの容積を減少する。
【0029】
本発明は、さらに、第1の振動固定アーム及び第2の振動固定アームによって当該車両のシャーシに機械的に固定される少なくとも2つの傾斜車輪を備える車両に関し、当該車両は、上記概説された実施形態の1つに従ってシステムを備え、当該第1のシリンダと第2のシリンダは、それぞれ第1の振動アームと当該シャーシ及び当該第2の振動アームと当該シャーシの間に介在する。
【0030】
1つの実施形態に従って、当該車両は、例えば走行速度、当該シャーシの傾斜、当該第1のアーム固定及び第2の固定アームに作用する応力など、それぞれパラメータを検出する及び/または測定する複数のセンサ及び/または測定手段を備え、当該センサ及び/または測定手段は、当該制御ユニットに接続され、それぞれの検出及び/または測定の結果を当該制御ユニットに通信するように構成される。
【0031】
1つの実施形態に従って、当該車両は、共通の横軸に沿って配置された2つの傾斜した前輪を備える三輪車である。
【0032】
1つの実施形態に従って、当該車両は、共通の横軸に沿って配置された2つの傾斜した後輪を備える三輪車である。
【0033】
1つの実施形態に従って、当該車両は、共通の横軸に沿って配置された2つの傾斜した前及び/または後輪を備える四輪車である。
【0034】
本発明のさらなる可能な実施形態は、請求項によって定義される。
【0035】
この記載に従って、本発明は、図面に表される実施形態の次の詳細な記載によって明確にされるであろう。しかしながら、本発明は、以下に記載され、図に表された実施形態に制限されず、それどころか、当業者に明らかである、以下に記載され図に表された実施形態のすべてのそれらの変形は、本発明の範囲内である。図において。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【
図2】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【
図2a】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【
図3】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【
図4】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【
図4a】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【
図5】本発明のそれぞれの実施形態に従う装置またはシステムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、傾斜するオートバイのサスペンションを管理及び/または制御するために用いられるとき特に有利であり、これは、本発明が例えば前または後の共通の軸に沿って配置される少なくとも2つの傾斜した車輪を備える傾斜したオートバイを特に参照して以下に記載される理由である。
【0038】
本発明の可能な用途は、しかしながら前述のタイプのオートバイに制限されず、本発明は、それどころか例えばクアッドまたは同様の車両など4またはそれ以上の車輪の傾斜した車両に適用可能である。
【0039】
例えば、本発明は、出願人によって欧州特許第2046589号に記載されたようなHTSタイプの例えばサスペンションなど、3またはそれ以上の車輪を備える車両の傾斜を制御するハイドロニューマチックサスペンションと適切に結合されることができる。
【0040】
特に、本発明は、自動タイプの閉じた車体構造を備えて設計された傾斜した車両で実行され、運転の快適性と安全性を向上する。
【0041】
図は、第1の振動固定アームB1と第2の振動固定アームB2にそれぞれ機械的に固定された車両の2つの車輪R1及びR2、それぞれ当該シャーシと当該第1の振動固定アームB1と当該第2の振動固定アームB2の間に介在するのに適した第1のシリンダ10と第2のシリンダ20を示し、当該第1の10及び第2の20のシリンダは、それぞれ第1のシリンダ10に収納された第1の並進可能なピストンと第2のシリンダ20に収納された第2の並進可能なピストンによって境界を定められるように両方とも容積が可変なそれぞれ第1のチャンバ101及び第2のチャンバ202を備え(実質的に既知の方法に従い、そのため、総合理由のため詳細に記載されない)、当該第1のチャンバ101と第2のチャンバ202は、例えば油圧オイルなど、作動油(都合が良いことに非圧縮性液体)を含む。
【0042】
特に、
図1の実施形態において、サスペンション制御システムは、さらに当該第1のチャンバ101と当該第2のチャンバ202を流体連通に置く、パイプ23を備え、それにより、当該作動油は、当該第1のチャンバ101から当該第2のチャンバ202へ及び当該第2のチャンバ202から当該第1のチャンバ101へ交互に移動する。明白に、当該第1のチャンバ101から当該第2のチャンバ202への当該作動油の移動は、シリンダ20の拡張と共に第2のチャンバ202の容積の増加(及びシリンダ10の再入と共に第1のチャンバ101の容積の減少)をもたらす一方で、当該第2のチャンバ202から当該第1のチャンバ101への当該作動油の移動は、シリンダ10の拡張と共に当該第1のチャンバ101の容積の増加(及びシリンダ20の再入と共に当該第2のチャンバ202の容積の減少)をもたらす。
【0043】
示されるように、
図1のシステムは、さらに当該パイプ23と流体連通する電動ポンプ200を備え、電動ポンプ200は、制御ユニット(図示せず)によって電気的に制御され、当該ユニットは、1またはそれ以上のパラメータを受信し、処理するように構成され、当該1またはそれ以上のパラメータの関数として当該電動ポンプ200を電気的に制御しており、それにより当該1またはそれ以上のパラメータの関数として当該電動ポンプ200の電気制御は、当該1またはそれ以上のパラメータに従って、当該第1のチャンバ101から当該第2のチャンバ202または当該第2のチャンバ202から当該第1のチャンバ101に、当該電動ポンプによって、当該作動油の移動をもたらす。
【0044】
非限定の例として、車両の速度、傾斜、エンジン回転数などは、制御ユニットによって処理されるパラメータの中にあり、当該パラメータは、車両に配置されたセンサ(図示せず)によって制御ユニットに検出され送信される。
【0045】
最後に
図1に示されるように、符号801及び701は、上チャンバ802と下チャンバ800及び上チャンバ702と下チャンバ700を第1の並進ピストン及び第2の並進ピストンによってそれぞれ定義するそれぞれ第1のショックアブソーバ及び第2のショックアブソーバを識別する。ピストンの移動性のために、全てのチャンバ700,702,800及び802は、容積が可変である一方で、下チャンバ700及び800は、パイプ23と流体連通しつつ、チャンバ702及び802は、ブラインドであり、例えばガスなどの圧縮性流体を含む。下チャンバ800及び700は、したがってチャンバ101と202の間を移動中の非圧縮性流体のための貯蔵スペースを構成する。
【0046】
第1のチャンバ101から第2のチャンバ202への作動油の移動は、シリンダ20の拡張と、チャンバ700の拡張とチャンバ702の当該ガスの圧縮と共にチャンバ700の液体の少なくとも部分的な蓄積をもたらし、その結果チャンバ702の容積を減らす。同じ方法で、チャンバ202からチャンバ101への作動油の移動は、シリンダ10の拡張と、チャンバ800の拡張とチャンバ802の当該ガスの圧縮と共にチャンバ800の液体の少なくとも部分的な蓄積をもたらし、その結果当該チャンバ802の容積を減らす。
【0047】
(
図1を参照して前に既に記載された部分が同じ符号で識別される)
図2の実施形態は、パイプ23が2つの枝に分割され、上枝23が上記方法に従って蓄積チャンバ700及び800とチャンバ101及び202を接続する一方で、下枝400に沿って、下枝400を部分的にまたは完全に閉じるように切り替えられるのに適した電磁弁300があることが実質的に
図1の実施形態と異なる。同じ方法で、(特にシリンダ10及び20の)サスペンションの位置を制御する効果は、改善する。実際に、当該電磁弁300は、制御ユニットによって電気的に制御され、チャンバ101と202の間の当該作動油の移動を防ぐ閉位置と当該チャンバ101と202の間の流体移動が可能な1またはそれ以上の開位置の間を切り替え可能である。
【0048】
この実施形態によって、電動ポンプ200によって実行されたサスペンションを制御する動作と組み合わされたばね状態を満足するように、それぞれシリンダ20及び10に接続された2つのばねシリンダ701及び802によって、車両は、また駆動し、装置が動作を停止する。
【0049】
実際に、電磁弁300は、効果的にサスペンションの位置を制御する動作をするように、下枝400の連通を部分的にまたは完全に閉じ、電磁弁300が開いたときに、電動ポンプ200からの援助なしに車両を駆動することができる。
【0050】
図2aの実施形態において、制御ユニットによって動作される三方弁3003Vは、特にポンプ200とチャンバ202の間のパイプ23の(図に対して)右枝に沿って配置される。さらに、三方弁3003Vに関連して回路流体のためのリザーバ900がある。
【0051】
この実施形態に従って、ポンプ200に向かって及びリザーバ900に向かって(それぞれ枝23の連通を遮断する)開く三方弁3003Vによって、(チャンバ101及び202から等しい部分の)回路から流体を引き抜き、リザーバ900の回路から引き抜かれた流体を蓄積する、および(ポンプ200の回転方向に依存して)それぞれリザーバ900から流体を取り去り、回路に流体を導入することができる。
【0052】
回路から流体の引き抜きは、両方のチャンバ101及び202の容積の減少をもたらし、そのため両方のシリンダ10及び20の戻りをもたらし、したがって全サスペンションの低下をもたらす。
【0053】
それどころか、リザーバから流体の引き抜きは、両方のチャンバ101及び202の容積の増加をもたらし、そのため両方のシリンダ10及び20の拡張をもたらし、したがって全サスペンションの上昇をもたらす。(中に入れるまたは引き抜く油)傾向を変える必要がないとき、3003V弁は、リザーバ900との接続を除くことによって枝23を接続する。
【0054】
図3の実施形態において(他の図を参照して前にすでに記載された構成要素部品は同じ符号で識別される)、電磁弁300は、電動ポンプ300とパイプ23の枝の間に介在するパイプの上部23に沿って配置される。さらに、下枝400に沿って、シリンダの内側に収納された並進可能なピストンによって、枝400に沿って流れる作動油の蓄積のための容積が可変なチャンバ(上)600と、ガスを含む容積が可変なブラインド(下)チャンバを定義するさらなる蓄積シリンダ601とまた流体連通に置かれる三方弁500がある。
【0055】
三方弁500は、当該チャンバ101及び202が流体連通に置かれず、当該チャンバ600が当該パイプ400と流体連通しない第1の位置と、当該チャンバ101及び202が当該パイプ400を通って流体連通に置かれ、当該チャンバ600が当該パイプ400と流体連通しない第2の位置と、当該チャンバ101及び202が当該接続パイプ400を通って流体連通に置かれ蓄積チャンバ600が当該接続パイプ400と流体連通する第3の位置の間を切り替え可能である。
【0056】
この実施形態によって、車両は、また駆動し、装置が動作を停止し、さらに長期間駐車のための流れの遮断が、スプリングチャンバ600の上に中央に設置された三方弁500によって実行される。
【0057】
この実施形態は、有利であり、油圧シリンダ10及び20のヘッドの領域に制限された大きさを有することが望まれ、この形態の特殊性は、バイパス枝400が、ポンプ200をさらに効果的にできるので、小さな電動ポンプを用いる可能性にある。
【0058】
電動ポンプ200に隣接する電磁弁300は、ノーマルクローズタイプであり、静止して、シリンダ10及び20の間の流体の通過を閉じ、流れは、車両が長時間駐車されるとき、三方弁500によって機械的に調整される。
【0059】
電磁弁300は、この接続モードで、「クアッドモード」駆動の間のみ開かれ、ロジックは、制御ユニットによって管理される。
【0060】
長期間の駐車における流れを遮断するための三方弁500は、制御ユニットのロジック管理に従ってサーボモータによって制御され、したがって、部分的に閉じ、閉じられその後開けられ、垂直化及び衝撃吸収動作をさらに効率的にするために開放と閉鎖の間の中間位置に保持することができる。
【0061】
図4の実施形態は、
図4の実施形態に1つがシリンダ10と、接続パイプのバイパス枝400と主枝23の間のフィッティングRA1の間に介在し、他がシリンダ20と、接続パイプのバイパス枝400と主枝23の間のフィッテイングRA2の間に介在する2つの弁300がある点で
図3の実施形態と異なる。
【0062】
この実施形態によって、車両は、また駆動し、装置が動作を停止する。
【0063】
実際に、
図4に見られるように、2つの弁300は、長期駐車のためのシステムの遮断を保証するためにチャンバ101及び202の間の油の流れを停止する。制御ユニットは、車両に配置された様々なセンサから来る全ての信号を処理し、他よりむしろ一方向に流体をポンプでくみ上げ、それ自体を稼働しない命令を電動ポンプ200に送信する。
【0064】
パイプ23及び400は、また動作を効率的にするように適切に較正され、特に電動ポンプ200は、供給枝に対応するパイプ枝に圧力を作り出し、供給枝は、油の流れを受け、したがって延在するそれぞれのシリンダ10及び20に接続され、同じシリンダは、中央ばねシステム(
図1のシリンダ701及び801)に接続される。
【0065】
この方法で2つの状態は、満たされる。
【0066】
第1は、電動ポンプ200によって発生される圧力が、車両を垂直化するのに十分な力を供給枝に接続されたシリンダに分け与えるようにし、そのため車両に対してその位置を決定し、シリンダの上部が、代わりに車両のシャーシに接続されることである。
【0067】
満たされる第2の状態は、サスペンションのスプリングが保証され、したがって、またクアッドモードの車両のスプリングも保証されることである。実際に、ばねチャンバ600をシリンダ10及び20に接続するバイパスと呼ばれるパイプの枝400は、電動ポンプ200が動作し、ばねシリンダ601と連通するシリンダ10及び20を維持し、そのため「クアッドモード」のサスペンションのスプリングも保証する、すなわち、電動モータ200が車両のバランスを維持するために左の枝よりむしろ右の枝に油を送るときでさえ、開いたままである。シリンダ10及び20に電動ポンプ200を接続するパイプ23及びバイパスパイプ400の部分の適切な較正は、サスペンションのクアッドモード動作を柔らかく、効果的にする。
【0068】
図4の実施形態のさらなる利点は、
図4aに強調される。
【0069】
図4aは、実際に車両が制御ユニットによって制御される電動ポンプ200の介入によって垂直位置を維持する「クアッドモード」状態を示す。特に、車両が凸凹な地面の状態に遭遇するとき、電動ポンプ200は、あるシリンダから別のシリンダへサスペンションに含まれる液体を動かし(示される場合において10から20)、したがって、路面状態に適合する車輪R1及び/またはR2の車両の位置を動かす。
【0070】
図5の実施形態は、
図5の実施形態において、
図3の三方弁500及び
図4の弁300がバイパス枝400に沿って直列に配置される3つの弁501,502及び503によって置換され、中央弁502がばねシリンダ601の蓄積チャンバ600と対応して設置されている点で
図3及び4の実施形態と異なる。弁300は、代わりにポンプ200に隣接する主枝23に沿って配置され、弁300は、例えば
図3を参照して、他の図を参照して記載された弁に対応する方法で用いられる。
【0071】
3つのオンオフ弁501,502,503は、上記で述べられたように直列に配置され、チャンバ101及び202が流体連通に置かれず、蓄積チャンバ600がバイパス枝400と流体連通に置かれない第1の形態と、当該チャンバ101及び202がバイパス枝400を通って流体連通に置かれ、蓄積チャンバ600がバイパス枝400と流体連通に置かれない第2の形態と、当該チャンバ101及び202がバイパス枝400を通って流体連通に置かれ、当該蓄積チャンバ600がバイパス枝400と流体連通に置かれる第3の形態の間を相互に切り替え可能である。
【0072】
この実施形態によって、車両は、また駆動し、装置は動作を停止する。
【0073】
この形態において、実際に制御ユニットによって制御された電磁弁501,502及び503は、電動ポンプ200が油圧回路内に作り出す油の流れの適切な調節ができ、電磁弁は、オンオフタイプまたは漸進的である。
【0074】
また、この場合において、バイパス枝400の閉鎖がポンプ200をより効率的にできるので、小さい電動ポンプを用いる可能性がある。
【0075】
システムのばね効果は、この場合において、それぞれシリンダ10及び20のチャンバ101及び202と制御ユニットのロジックに従うばねシリンダ601の蓄積チャンバ600の間の連通を調整する制御ユニットシステムによって完全に制御され、電磁弁501,502及び503の部分的なまたは完全な開放は、優先度の要求、垂直化よりむしろスプリングまたはその逆、に従って調節される。
【0076】
電磁弁の開放、閉鎖または部分的な閉鎖は、中央ショックアブソーバ601にサスペンションの枝、両方の枝を接続または枝なしで接続する可能性を有するために、制御ユニットによって分離して管理される。
【0077】
長期間の駐車において、弁502は、ばねチャンバ600に配置される。
【0078】
したがって、本発明が従来技術の欠点を克服する所定の目的を達成することが図に示された本発明の実施形態の前の詳細な説明によって示された。
【0079】
特に、本発明を通して、解決法が利用可能にされ、車両、特に傾斜した車両のサスペンションの自動制御管理ができ、本発明は、車両の垂直化とばね機能の両方の自動制御管理ができる。
【0080】
特に、本発明は、運転者がバランスを維持するために地面に足を設置する必要がなく、特に「クアッドモード」(上記参照)で地面及び路面の状態に関係なく、車両を自動的に実質的な垂直位置に維持できる。
【0081】
本発明に従ったシステムによって、サスペンションの動作の制御によって、低速から高速への通常駆動状態の車両の傾斜(tilting)角度(傾斜(inclination))を調節することができ、この方法で安定性を制御及び保証し、したがって、危険な横滑りを避ける。
【0082】
特に、本発明によって、装置及び/またはシステムは、
-使用者が通常地面に足を用いる、すなわち一般的に減速時及び一時的な駐車時の運転時である(赤信号、停止など)「クアッドモード」として定義される使用の状態の3またはそれ以上の車輪の車両の垂直性の自動的なメンテナンスを保証する。
-走行及び/または使用パラメータに従って、理想の傾斜角度を実行することによって上記車両の傾斜を実行及び制御する、ことができるものが利用可能にされる。
【0083】
さらに、本発明に従う装置またはシステムは、車両の広い範囲で、及びその実質的な改良の必要なく実行され、並びに簡単で早い操作、したがって低コストで、製造可能で、設置可能である。
【0084】
本発明は、図に示された実施形態の詳細な記載によって上記に明確にされるが、本発明は、上記され図に示された実施形態に制限されない。それどころか、全てのそれらの変更及び/または上記された及び図に示され、当業者に明白になるであろう実施形態の構造バリエーションは、本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。
【国際調査報告】