(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】放射線ベースの厚さゲージ
(51)【国際特許分類】
G01B 15/02 20060101AFI20220314BHJP
G01T 7/00 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
G01B15/02 A
G01T7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544450
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(85)【翻訳文提出日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 US2020015615
(87)【国際公開番号】W WO2020160106
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521336174
【氏名又は名称】エヌディーシー テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ガジカニアン, ヴァヘ
(72)【発明者】
【氏名】シシェガー, アハマッド アール.
【テーマコード(参考)】
2F067
2G188
【Fターム(参考)】
2F067AA27
2F067BB01
2F067CC05
2F067HH04
2F067HH05
2F067HH10
2F067JJ03
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2F067RR07
2G188AA27
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC10
2G188CC11
2G188CC21
2G188DD09
(57)【要約】
電磁放射線を使用して材料層の厚さを測定するためのシステムおよび方法の実施形態が、説明される。いくつかの実施形態において、システムは、第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面との間にある厚さを含む材料の層の第1の表面のほうへ第1の放射線を向けるように構成された放射線源を含む。第1の放射線は、材料層に二次放射線を放出させる。フィルタが、材料の蛍光に関連付けられた第2の放射線の一部を減衰させ、第3の放射線を放出するために、材料層と放射線検出器との間で、第2の放射線のビーム経路の中に位置付けられる。次いで、放射線検出器は、第3の放射線を検出するように構成され、コントローラが、検出された第3の放射線に基づいて、材料層の厚さに対応する測定値を提供するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線を使用して材料層の厚さを測定するためのシステムであって、前記システムは、
材料の層の第1の表面のほうへ第1の放射線を向けるように構成された放射線源であって、前記材料の層は、前記第1の表面と前記第1の表面の反対側の第2の表面との間のある厚さを備え、前記第1の放射線は、前記材料層に第2の放射線を放出させる、放射線源と、
前記材料層と放射線検出器との間に位置付けられたフィルタであって、前記フィルタは、前記材料の蛍光に関連付けられた前記第2の放射線の一部を減衰させ、第3の放射線を放出するように構成され、前記放射線検出器は、前記第3の放射線を検出するように構成されている、フィルタと、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記検出された第3の放射線に基づいて、前記材料層の前記厚さに対応する測定値を提供するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記フィルタは、前記材料層の前記蛍光に関連付けられたエネルギーレベルのある範囲をフィルタリングするように構成された1つ以上のフィルタ層を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エネルギーレベルの範囲は、前記材料層の元素組成と、前記元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性とに基づいて事前決定されている、請求項1-2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記フィルタは、前記第2の放射線から、事前決定された閾値を下回るエネルギーレベルを有する光子をフィルタリングするように構成されている、請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記事前決定された閾値は、前記材料層の元素組成および前記元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性に関連付けられている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の放射線は、X線を備えている、請求項1-5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の放射線は、ガンマ線を備えている、請求項1-6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記放射線源と前記放射線検出器とは、前記材料層の反対側に配置されている、請求項1-7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射線源と前記放射線検出器とは、前記材料層の同じ側に配置されている、請求項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記測定値は、長さの単位を備えている、請求項1-9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記測定値は、面密度を備えている、請求項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の放射線は、事前決定されたエネルギーレベルを備え、前記測定値を提供するために、前記コントローラは、
前記第3の放射の強度を測定することと、
前記測定された強度と材料層に関連付けられていないデフォルト強度とに基づいて、前記材料層の前記厚さに対応する前記測定値を計算することと
を行うように構成されている、請求項1-11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記測定値を提供するために、前記コントローラは、
前記測定された強度に対数関数を適用し、対数値を決定することと、
前記対数値に多項式関数を適用し、前記測定値を計算することと
を行うように構成され、
前記多項式関数における係数は、前記材料層の元素組成と、測定されるべき前記材料層の厚さの範囲とに基づいて事前決定されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記材料層の前記厚さに対応する前記測定値を表示するように構成されたディスプレイを備えている、請求項1-13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
電磁放射線を使用して材料層の厚さを測定する方法であって、前記方法は、
放射線源から、材料の層の第1の表面のほうへ第1の放射線を向けることであって、前記材料の層は、前記第1の表面と前記第1の表面の反対側の第2の表面との間のある厚さを備え、前記第1の表面において受け取られる前記第1の放射線は、前記材料層に第2の放射線を放出させる、ことと、
前記材料層の蛍光に関連付けられた前記第2の放射線の一部を減衰させ、第3の放射線を放出することと、
放射線検出器において前記第3の放射を検出することと、
前記検出された第3の放射線に基づいて、前記材料層の前記厚さに対応する測定値を提供することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第2の放射線の前記一部は、フィルタによって減衰させられ、前記フィルタは、前記材料層の前記蛍光に関連付けられたエネルギーレベルのある範囲をフィルタリングするように構成された1つ以上のフィルタ層を備えている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記エネルギーレベルの範囲は、前記材料層の元素組成と、前記元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性とに基づいて事前決定されている、請求項15-16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の放射線の前記一部は、前記第2の放射線から、事前決定された閾値を下回るエネルギーレベルを有する光子をフィルタリングするように構成されたフィルタによって減衰させられる、請求項15-17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記事前決定された閾値は、前記材料層の元素組成および前記元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性に関連付けられている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の放射線は、X線を備えている、請求項15-19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の放射線は、ガンマ線を備えている、請求項15-20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記放射線源と前記放射線検出器とは、前記材料層の反対側に配置されている、請求項15-21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記放射線源と前記放射線検出器とは、前記材料層の同じ側に配置されている、請求項15-22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記測定値は、長さの単位を備えている、請求項15-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記測定値は、面密度を備えている、請求項15-24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の放射線は、事前決定されたエネルギーレベルを備え、前記測定値を提供することは、
前記第3の放射線の強度を測定することと、
前記測定された強度と材料層に関連付けられていないデフォルト強度とに基づいて、前記材料層の前記厚さに対応する前記測定値を計算することと
を含む、請求項15-25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記測定値を提供することは、
前記測定された強度に対数関数を適用し、対数値を決定することと、
前記対数値に多項式関数を適用し、前記測定値を計算することと
を含み、
前記多項式関数における係数は、前記材料層の元素組成および測定されるべき前記材料層の厚さの範囲に基づいて、事前決定されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記材料層の前記厚さに対応する前記測定値を表示することを含む、請求項15-27のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる2019年1月30日に出願された米国仮出願第62/799,001号の利益を主張する。
(開示の分野)
【0002】
本開示は、概して、電磁放射線を使用して材料の層の厚さを測定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
放射線ベースのゲージは、典型的に、材料の層に電磁放射線ビームを向け、材料層を通過する放射線ビームの減衰の量に基づいて、材料層の特性を測定することによって動作する。減衰は、放射線ビームの光子と材料層内の粒子(例えば、原子)との間の相互作用に起因して生じる。約1.022MeVを下回る光子エネルギーにおける総減衰は、以下の4つのタイプの放射線と物質との相互作用の組み合わせの結果である:光電子、コンプトン散乱、対生成、およびトムソンまたはレイリー散乱。放射線ベースのゲージの正確度および測定感度は、材料組成に関するこれらの放射線と物質との相互作用の特性に依存する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
工業生産において、放射線ベースのゲージは、典型的に、500KeVを下回るエネルギーレベルにおけるX線ビームを伝送し、選択材料層に関する厚さのある範囲を測定するX線厚さゲージである。このエネルギー範囲において、材料層を通過するX線の減衰は、主として、光電効果によって引き起こされる。光電効果は、放射線ビーム内の光子のエネルギーが、材料層内の原子によって吸収され、それによって、放射線ビームからその光子を除去し、総ビーム強度(すなわち、時として、照度と称される)を低減させるプロセスを指す。
【0005】
光電効果は、本質的に、非線形プロセスであり、材料層の組成に依存する。特に、原子の電子が、原子の軌道シェル特性に応じて、いくつかの異なる個別の光子エネルギー、例えば、Kエッジにおいてより高いエネルギー状態に励起され、その後、衰退し、より低いエネルギーの光子を放出し得る。故に、光電効果は、これらのより低いエネルギー光子を含む蛍光放射線を材料層に放出させ得る。この蛍光放射線は、X線厚さゲージの測定の正確度または精度を低減させ得、それは、その厚さが測定され得る材料組成のタイプを限定する。
【0006】
いくつかの実施形態において、この蛍光放射線の量を低減させるために、X線厚さゲージは、多くの材料のKエッジを下回る(例えば、5keVを下回る)エネルギーレベルを有するX線を伝送するように構成されることができる。しかしながら、これらのより低いエネルギーレベルにおいて、材料層を通したX線の減衰は、非常に高く、それは、測定され得る材料厚の範囲を厳しく限定する。
【0007】
いくつかの実施形態において、放射線ベースのゲージによって測定される材料層厚の感度を低減させ、それによって、測定される厚さの正確度を改良するために、放射線ベースのゲージは、材料層によって放出される蛍光放射線の少なくとも一部をフィルタリングし、それが検出されることを防止するように構成されることができる。このアプローチは、測定感度を喪失することなく、低エネルギー放射線源を使用することの欠点を克服する。
【0008】
いくつかの実施形態において、電磁放射線を使用して材料層の厚さを測定するためのシステムは、第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面との間にある厚さを含む材料の層の第1の表面のほうへ第1の放射線を向けるように構成された放射線源であって、第1の放射線は、材料層に第2の放射線を放出させる、放射線源と、材料層と放射線検出器との間に位置付けられ、材料の蛍光に関連付けられた第2の放射線の一部を減衰させ、第3の放射線を放出するように構成されたフィルタであって、放射線検出器は、第3の放射線を検出するように構成されている、フィルタと、コントローラとを備え、コントローラは、検出された第3の放射線に基づいて、材料層の厚さに対応する測定値を提供するように構成されている。
【0009】
システムのいくつかの実施形態において、フィルタは、材料層の蛍光に関連付けられたエネルギーレベルのある範囲をフィルタリングするように構成された1つ以上のフィルタ層を備えている。
【0010】
システムのいくつかの実施形態において、エネルギーレベルの範囲は、材料層の元素組成と、元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性とに基づいて事前決定される。
【0011】
システムのいくつかの実施形態において、フィルタは、第2の放射線から、事前決定された閾値を下回るエネルギーレベルを有する光子をフィルタリングするように構成されている。
【0012】
システムのいくつかの実施形態において、事前決定された閾値は、材料層の元素組成および元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性に関連付けられている。
【0013】
システムのいくつかの実施形態において、第1の放射線は、X線を備えている。
【0014】
システムのいくつかの実施形態において、第1の放射線は、ガンマ線を備えている。
【0015】
システムのいくつかの実施形態において、放射線源と放射線検出器とは、材料層の反対側に配置される。
【0016】
システムのいくつかの実施形態において、放射線源と放射線検出器とは、材料層の同じ側に配置される。
【0017】
システムのいくつかの実施形態において、測定値は、長さの単位を備えている。
【0018】
システムのいくつかの実施形態において、測定値は、面密度を備えている。
【0019】
システムのいくつかの実施形態において、第1の放射線は、事前決定されたエネルギーレベルを備え、測定値を提供するために、コントローラは、第3の放射の強度を測定し、測定された強度と材料層に関連付けられていないデフォルト強度とに基づいて、材料層の厚さに対応する測定値を計算するように構成されている。
【0020】
システムのいくつかの実施形態において、測定値を提供するために、コントローラは、測定された強度に対数関数を適用し、対数値を決定し、対数値に多項式関数を適用し、測定値を計算するように構成され、多項式関数における係数は、材料層の元素組成と、測定されるべき材料層の厚さの範囲とに基づいて、事前決定される。
【0021】
システムのいくつかの実施形態において、システムは、材料層の厚さに対応する測定値を表示するように構成されたディスプレイを含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、電磁放射線を使用して材料層の厚さを測定する方法は、放射線源から、第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面との間にある厚さを含む材料の層の第1の表面のほうへ第1の放射線を向けることであって、第1の表面において受け取られる第1の放射線は、材料層に第2の放射線を放出させる、ことと、材料層の蛍光に関連付けられた第2の放射線の一部を減衰させ、第3の放射線を放出することと、放射線検出器において第3の放射を検出することと、検出された第3の放射線に基づいて、材料層の厚さに対応する測定値を提供することとを含む。
【0023】
方法のいくつかの実施形態において、第2の放射線の一部は、材料層の蛍光に関連付けられたエネルギーレベルのある範囲をフィルタリングするように構成された1つ以上のフィルタ層を備えているフィルタによって減衰させられる。
【0024】
方法のいくつかの実施形態において、エネルギーレベルの範囲は、材料層の元素組成と、元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性とに基づいて事前決定される。
【0025】
方法のいくつかの実施形態において、第2の放射線の一部は、第2の放射線から、事前決定された閾値を下回るエネルギーレベルを有する光子をフィルタリングするように構成されたフィルタによって減衰させられる。
【0026】
方法のいくつかの実施形態において、事前決定された閾値は、材料層の元素組成および元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性に関連付けられている。
【0027】
方法のいくつかの実施形態において、第1の放射線は、X線を備えている。
【0028】
方法のいくつかの実施形態において、第1の放射線は、ガンマ線を備えている。
【0029】
方法のいくつかの実施形態において、放射線源と放射線検出器とは、材料層の対向側に配置される。
【0030】
方法のいくつかの実施形態において、放射線源と放射線検出器とは、材料層の同じ側に配置される。
【0031】
方法のいくつかの実施形態において、測定値は、長さの単位を備えている。
【0032】
方法のいくつかの実施形態において、測定値は、面密度を備えている。
【0033】
方法のいくつかの実施形態において、第1の放射線は、事前決定されたエネルギーレベルを備え、測定値を提供することは、第3の放射線の強度を測定することと、測定された強度と材料層に関連付けられていないデフォルト強度とに基づいて、材料層の厚さに対応する測定値を計算することとを含む。
【0034】
方法のいくつかの実施形態において、測定値を提供することは、測定された強度に対数関数を適用し、対数値を決定することと、対数値に多項式関数を適用し、測定値を計算することとを含み、多項式関数における係数は、材料層の元素組成と、測定されるべき材料層の厚さの範囲とに基づいて事前決定される。
【0035】
方法のいくつかの実施形態において、方法は、材料層の厚さに対応する測定値を表示することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
前述の発明の概要および以下の発明を実施するための形態は、添付の図面と併せて熟読されると、より深く理解される。本開示を例証する目的のために、図面は、本開示の例示的実施形態を示すが、しかしながら、本開示は、開示される具体的な方法および手段に限定されない。
【0037】
【
図1-1】
図1A-Cは、いくつかの実施形態による、電磁放射線を使用して材料の層の厚さを測定するためのシステムを図示する。
【
図1-2】
図1A-Cは、いくつかの実施形態による、電磁放射線を使用して材料の層の厚さを測定するためのシステムを図示する。
【0038】
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、異なるタイプの材料組成のための放射線減衰効果を示すグラフを図示する。
【0039】
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、電磁放射線を使用して材料の層の厚さを測定する方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
電磁放射線を使用して材料の層の厚さを測定するために放射線ベースのゲージを使用するシステム、方法、および装置の実施形態が、下記に説明される。いくつかの実施形態において、放射線ベースのゲージは、第1の放射線の放射線源と放射線検出器との間に配置された材料層に向かって第1の放射線を伝送する。いくつかの実施形態において、放射線源および放射線検出器は、材料層の同じ側に配置されることができる。いくつかの実施形態において、第1の放射線は、源放射線を表す一次放射線と称されることができる。第1の放射線を受け取り、それと相互作用することの結果として、第2の放射線(すなわち、時として、二次放射線と称される)を放出することができ、材料層は、第1の放射線の吸収されなかった部分を含み、材料層は、蛍光放射線を含む。厚さの測定の正確度を改良するために、放射線ベースのゲージは、材料層と放射線検出器との間に配置されたフィルタを含み、フィルタは、材料層によって放出される蛍光に関連付けられた事前選択されたエネルギーレベル(および対応する波長)をフィルタリングするように構成されている。いくつかの実施形態において、放射線検出器は、フィルタリングされた第2の放射線に基づいて、材料層の厚さに対応する測定値を提供するように構成されることができる。例えば、放射線検出器は、長さの単位(例えば、ミリメートルまたはミクロン)における測定値または面密度(例えば、1平方メートルあたりのグラム)を提供し得る。
【0041】
図1A-Cは、いくつかの実施形態による、電磁放射線を使用して材料層116の厚さを測定するためのシステム100A-Cを図示する。
図1Aに示されるように、システム100Aは、材料の層116(すなわち、材料層とも称される)に向かって放射線ビーム130C(すなわち、時として、一次放射線ビームと称され、源放射線を示す)を発生させ、放出する放射線源システム102Aを含む。
図1Aに示されるように、材料層116は、第1の表面116Aと、第1の表面116Aの反対側の第2の表面116Bとによって画定される厚さを有する。いくつかの実施形態において、
図1Aに示されるように、材料層116は、放射線源システム102Aと、放射線検出システム120Aとの間に配置され、放射線検出システム120Aは、材料層116によって放出される放射線ビーム130Dに基づいて材料厚に対応する測定値を提供するように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Cは、材料層116に対して実質的に垂直に(例えば、90度以内で)放出されることができる。いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Cは、所定の角度において、材料層116に向けられることができる。いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Cは、材料層116内の原子をイオン化するために十分に高いエネルギー(例えば、運動エネルギー)を伴う光子を含むイオン化電磁放射線として放出されることができる。いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Cは、X線、ガンマ線、電波、紫外線、赤外線、テラヘルツ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Cは、超音波等の他のタイプのエネルギービーム、または粒子ベースの放射線(例えば、アルファ放射線またはベータ放射線)等のイオン化非電磁放射線として放出されることができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、材料層116は、第1の表面116Aと、第1の表面116Aの反対側の第2の表面116Bとによって画定される厚さを有する材料のシートまたは細片を含むことができる。いくつかの実施形態において、材料のシートまたは細片は、実質的に均一な厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、材料層116は、単一の元素または複数の元素から構成されることができる。例えば、材料層116は、アルミニウム、鋼鉄、ステンレス鋼、鋼鉄を含む種々の合金等から構成され得る。いくつかの実施形態において、材料層116は、実質的に質量で単一の元素または質量で単一の合金から構成されることができる。例えば、材料層116は、アルミニウム、鋼鉄等のシートを含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書内の本開示において使用されるような用語「実質的に」は、90%またはそれを上回るものを指すことができる。例えば、実質的にアルミニウムを含む材料は、その質量が90%以上のアルミニウムである材料を指す。
【0044】
いくつかの実施形態において、本明細書内の本開示において使用されるような用語「層」は、単一の層または複数の層(すなわち、副層)を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数の層における各層は、関連付けられたそれぞれの厚さを有し得る。例えば、材料層116は、多層を含むか、または、材料層116は、種々の割合における多元素の複合物を含み得る。例えば、材料層116は、ある等級における鋼鉄であり得る(等級は、鋼鉄の組成および物理的特性を分類する)。
【0045】
いくつかの実施形態において、放射線源システム102Aは、ユーザインターフェース103と、コントローラ104と、高電圧発生器106と、放射線発生器108と、ビームコリメータ110と、ビーム硬化フィルタ112とを含む。いくつかの実施形態において、放射線源システム102Aは、低減衰性を有する材料から作製されたダストカバー114Aを含むことができる。例えば、ダストカバー114Aは、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の低吸収窓を有する材料の薄い層を含み得る。例えば、薄い層は、0.5~1mm等の1mm未満であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、高電圧発生器106は、電磁放射線が放射線発生器108によって発生させられることを可能にするために高電圧を発生させるように構成されることができる。いくつかの実施形態において、高電圧発生器106は、層116の材料のタイプおよび測定されるべき厚さの範囲に基づいて、ある範囲の電圧(例えば、5kV~500kV)からある電圧レベル(例えば、50kV)を発生させるように構成されることができる。例えば、高電圧発生器106は、0~500kV、5~300kV、5~200kV、5~100kV、または10~50kVの電圧範囲を発生させ得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、放射線発生器108は、高電圧発生器106によって発生させられる高電圧に基づいて放射線ビーム130Aを発生させるように構成されることができる。いくつかの実施形態において、放射線発生器108は、高電圧発生器106の電圧レベルに基づいて、エネルギーのあるスペクトルを有する放射線ビーム130Aを発生させることができ、エネルギースペクトルのそのエンドポイントエネルギーは、電圧レベルに対応する。例えば、50kVの電圧レベルにおいて放射線発生器108を動作させることは、数keV(例えば、1~2keV)から50keVまでの範囲に及ぶエネルギーレベルを伴う光子を有する放射線ビーム130Aを発生させ得る。別の実施例では、例えば、100kVの電圧レベルにおいて放射線発生器108を動作させるステップは、数keVから100keVまでのエネルギースペクトルを有する放射線ビーム130Aを発生させ得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Aは、測定されるべき材料層116の厚さの範囲および材料層116の組成に基づいて、エネルギーレベルの具体的な範囲内で動作するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、
図1Aに示されるように、放射線発生器108は、高電圧発生器106によって発生させられる電圧レベルに基づいて、X線の形態における放射線ビーム130Aを発生させるように構成されたX線管を含むことができる。アノード材料と、X線管のアノードとカソードとの間の電位差とに応じて、放射線発生器108は、連続放射線(すなわち、制動放射線)の形態における放射線ビーム130Aを放出することができる。加えて、放射線ビーム130Aのエネルギースペクトルは、連続放射線上に重ねられたアノード材料の蛍光ピーク特性を含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、コリメータ110は、材料層116に関して、放射線ビーム130Cのビームスポット、ビーム立体角、またはビームスポットとビーム立体角との両方を成形するように構成されることができる。例えば、コリメータ110は、規定される方向に対して平行に進行するもののみが、通ることを可能にされ、放射線ビーム130Bとして示されるように、放射線ビーム130Aのストリームをフィルタリングするように構成され得る。コリメータ110の他の例は、限定ではないが、ピンホールコリメータ、収束コリメータ、円錐形ビームコリメータ等を含み得る。いくつかの実施形態において、コリメータ110は、放射線発生器108によって発生させられる放射線ビーム130Aのビーム立体角を成形または限定するためにコリメータ110の動作を制御するように構成されたビームシャッタ111を含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、ビーム硬化フィルタ112は、放射線ビーム130C(すなわち、時として、一次放射線と称される)として放出される前に放射線ビーム130Bにビーム硬化を適用するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、ビーム硬化フィルタ112は、放射線ビーム130Bのより低エネルギー光子を選択的に減衰させるように構成された材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、ビーム硬化フィルタ112の材料は、測定されるべき材料層116の材料組成と、測定されるべき材料層116の厚さの範囲とに応じて、アルミニウム、銅、鋼鉄、タングステン等の種々の金属を含むことができる。いくつかの実施形態において、より低エネルギー光子は、20keVを下回る、15keVを下回る、または5keVを下回るエネルギーレベルを有する光子を含むことができる。いくつかの実施形態において、ビーム硬化フィルタ112は、帯域通過フィルタとしての機能を果たし、放射線ビーム130Bのエネルギーレベルのある帯域幅が放射線ビーム130Cとして放出されることを可能にする材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、コリメータ110の後にビーム硬化フィルタ112を位置付けることは、放射線源システム102Aから放出されている放射線ビーム130Cが、増加した平均ビームエネルギーを有する(すなわち、「硬化させられる」)ことを可能にすることができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース103は、オペレータがコントローラ104を通して放射線源システム102Aの動作を制御することを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース103が、ウェブベースのインターフェースを提供する、ネットワークインターフェースを介して提供されることができる。いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェースは、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、都市規模ネットワーク(MAN)等の広域ネットワーク(WAN)に及ぶ、有線および/または無線ネットワークにアクセスするように構成されることができる。いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェースは、限定ではないが、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM(登録商標))、ロングタームエボリューション(LTE)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、および/またはIEEE 802.11n)、Wi-MAX、イーサネット(登録商標)等を含む複数の通信規格、プロトコル、および技術のうちのいずれかを使用し得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、放射線源システム102Aによって材料層116に向かって放出される放射線ビーム130Cは、材料層116に放射線ビーム130Dを放出させることができる。上で議論されるように、放射線ビーム130Cの減衰が、放射線ビーム130C内の光子と材料層116内の原子との間の相互作用に起因して生じる。いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Cは、500keVを下回るエネルギーレベルを有する光子を供給するように構成されることができる。このエネルギー範囲内では、放射線ビーム130Cの減衰が、主として、放射線ビーム130Cにおけるいくつかの光子のエネルギーが材料層116内の原子によって吸収される光電効果によって引き起こされ得る。故に、放出された放射線ビーム130Dは、放射線ビーム130C内の光子の一部を除外し得る。加えて、材料層116内の元素の軌道シェル特性に起因して、光電効果は、入射光子より低いエネルギーレベルを伴う光子の放出(蛍光としても公知であり、時として、二次放射線と称される)を引き起こし得る。これらのより低エネルギー光子は、材料層116内の元素の結合エネルギーおよび軌道シェル特性に依存するエネルギーレベルを有する。したがって、放射線ビーム130Dは、放射線ビーム130C(すなわち、一次放射線)の非吸収部分を含み、放射線ビーム130Dは、光電効果によって引き起こされる蛍光放射線(すなわち、二次放射線)も含むことができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、放射線検出システム120Aは、材料層116を通過し、放射線ビーム130Dとして受け取られる放射線ビーム130Cの減衰に基づいて、材料層116の厚さに対応する測定値を提供するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、放射線検出システム120Aは、エネルギーフィルタ122Aと、放射線検出器124Aと、フロントエンド電子機器126と、コントローラ128と、ディスプレイ130とを含む。いくつかの実施形態において、放射線検出システム120は、低減衰性を有するダストカバー114Bを含む。ダストカバー114Bは、ダストカバー114Aに対応し、同様に、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)の薄い層を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、エネルギーフィルタ122Aは、材料層116からの蛍光に関連付けられたエネルギーレベルの範囲に対応する波長の事前決定される範囲を減衰させるように構成された1つ以上のフィルタ層を含むことができる。いくつかの実施形態において、エネルギーフィルタ122Aは、50keVを下回る、40keVを下回る、30keVを下回る、20keVを下回る、15keVを下回る、10keVを下回る、9keVを下回る、8keVを下回る、7keVを下回る、6keVを下回る、または5keVを下回るエネルギーレベルを有するより低エネルギー光子をフィルタリングするように構成されることができる。
【0055】
エネルギーフィルタ122Aは、フィルタリングされた放射線ビーム130Dを放射線ビーム130Eとして放出するように構成されることができる。関連分野において周知であるように、光子波長とそのエネルギーとの間の関係は、プランク-アインスタイン関係、すなわち、E=(h×c)/λによって規定される(式中、Eは、光子エネルギー(eV)であり、hは、プランク定数であり、cは、光の速度(m/秒)であり、λは、波長(m)である)。いくつかの実施形態において、波長の範囲およびフィルタリングされるべきエネルギーレベルの対応する範囲は、材料層116内の異なるタイプの元素の軌道シェル特性に基づいて決定されることができる。いくつかの実施形態において、エネルギーレベルの範囲は、放射線ビーム130Cの事前構成されたエネルギーと、材料層116に関連付けられた1つ以上のKエッジエネルギーレベルとに基づいて、事前決定されることができる。いくつかの実施形態において、エネルギーフィルタ122Aは、フィルタリングされるべきエネルギーレベルの範囲に応じて、アルミニウム、銅、鋼鉄、タングステン、またはそれらの組み合わせ等の種々の金属から構成されることができる。いくつかの実施形態において、エネルギーフィルタ122Aは、各層がエネルギーレベルの対応する範囲をフィルタリングするように構成された複数の層を含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、エネルギーフィルタ122Aによって放出される放射線ビーム130Eを検出するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、放射線ビーム130Eの強度(すなわち、照度)メトリックに対応する信号を発生させるように構成されることができる。例えば、信号は、放射線ビーム130Eの強度に比例する電流(例えば、AC電流またはDC電流)、その特性が放射線ビーム130Eの強度に対応する一連の電流または光パルス、または放射線ビーム130Eの強度に対応する特性を伴う音波等であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、放射線ビーム130Eの総強度を表す信号を発生させるように構成されたエネルギースペクトルに依存しない検出器を含むことができる。例えば、放射線検出器124Aは、放射線ビーム130Eによって引き起こされるイオン化チャンバ内のガスのイオン化を測定するイオン化チャンバを含み得る。これらの実施形態において、イオン化チャンバは、イオン化チャンバのカソードとアノードとの間にバイアス電圧を印加し、電場を発生させ、適切な極性電極においてイオン化の荷電された断片を収集するように構成されることができる(例えば、正のイオンが、カソードに誘引され、電子が、アノードに向かって移動する)。
【0058】
いくつかの実施形態において、イオン化チャンバは、放射線ビーム130Eによって引き起こされるイオン化から結果として生じる信号(例えば、電流)を発生させるように構成されることができ、発生させられた信号は、放射線ビーム130Eの強度に対応することができる。いくつかの実施形態において、ガスは、アルゴン、キセノン、P10、空気等を含むことができる。いくつかの実施形態において、イオン化チャンバは、発生させられるべき電場と、カソードの幾何学形状とに応じて、線形モードにおいて、比例モードにおいて、またはガイガーモードにおいて動作させられることができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、多重チャネル検出器(例えば、多チャンバ)を含み、放射線ビーム130Eの放射線強度プロファイルを検出することができる。いくつかの実施形態において、放射線ビーム130Eのエネルギースペクトルを検出し得る放射線検出器と対照的に、放射線検出器124Aは、エネルギースペクトル特有の放射線検出器を含み得る。そのような放射線検出器の例は、光電子増倍管(PMT)、(例えば、シリコンに基づく)いくつかの固体検出器、またはガスベースの検出器等を含み得る。いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、その測定がいかなる蛍光エネルギーに対しても敏感である放射線ビーム130Eの総光子エネルギーレベルを表す信号を発生させることができる。故に、エネルギーフィルタ122Aを含むことによって、いかなる蛍光エネルギーも、放射線検出器124Aによって検出および処理される前にフィルタリング(例えば、吸収)されることができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、放射線ビーム130Eによって引き起こされる入射荷電粒子または光子の効果を測定するために半導体を使用する半導体検出器を含むことができる。いくつかの実施形態において、半導体検出器は、シリコン検出器、ゲルマニウム検出器(例えば、高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器)、ダイヤモンド検出器、テルル化カドミウム検出器、またはテルル化カドミウム亜鉛検出器を含むことができる。いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aのタイプは、材料層と、測定されるべき厚さの範囲とに応じて提供されることができる。例えば、シリコン検出器は、20keVを上回るエネルギーを伴う放射線(例えば、X線およびガンマ線)を効果的に減衰させることが可能ではないこともあり、したがって、これは、厚さの範囲および材料タイプを限定する。
【0061】
いくつかの実施形態において、放射線検出器124Aは、シンチレーション検出器を含むことができる。いくつかの実施形態において、シンチレーション検出器は、放射線ビーム130Eのイオン化放射線によって励起されると発光するように構成されたシンチレーション結晶を含む。いくつかの実施形態において、シンチレーション結晶は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、LSO、タングステン酸鉛、BGO、臭化ランタンおよび塩化ランタン、プラスチックシンチレータ、液体シンチレータ(線形およびベンゼン環系)、シンチレーティングファイバおよびファイバ束、硫化亜鉛等の材料を含むことができる。これらの実施形態において、放射線検出器124は、シンチレーション結晶によって放出される発光(すなわち、光)を検出するように構成された1つ以上の光検知器(例えば、シリコーン光ダイオード、アバランシェ光ダイオード、光電子増倍管等)を含むことができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、フロントエンド電子機器126が、放射線検出器124Aによって発生させられた信号を増幅または処理するように構成されることができる。例えば、フロントエンド電子機器126は、増幅器、デジタル回路網、デジタル信号処理等を含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、コントローラ128は、放射線検出器124Aによって検出されるような放射線ビーム130Eに基づいて、材料層116の厚さに対応する測定値を提供するように構成されることができる。例えば、コントローラ128は、下でさらに説明されるであろうように、フロントエンド電子機器126によって増幅または処理され、放射線ビーム130Eを表す信号に基づいて、厚さの測定値(例えば、長さの単位または面密度)を計算し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ128は、ディスプレイ130上に計算された測定値を表示するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、コントローラ128は、層厚を持続的または周期的に計算するように構成されることができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、厚さに対応する測定値を決定するために、コントローラ128は、例えば、ユーザインターフェース103からのユーザ入力に基づいて、信号に適用するために記憶された構成を選択することができる。いくつかの実施形態において、ユーザ入力は、その厚さが測定されるべき材料層116の材料のタイプ(例えば、元素組成)、測定されるべき厚さの範囲、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、放射線検出システム120Aは、複数のエネルギーフィルタを含むことができ、ユーザ入力に応じて、コントローラ128は、複数のエネルギーフィルタから使用のための対応するエネルギーフィルタ122Aを選択するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、ユーザ入力に応じて、コントローラ128は、放射線検出システム120A内に挿入されることが必要であるエネルギーフィルタ122Aのタイプをユーザに(ディスプレイ130上において)表示するように構成されることができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、信号は、厚さtを有する材料層116に基づく放射線ビーム130Eから、放射線検出器124Aによって検出され、収集されるような総電荷QTに比例するように構成されることができる。総電荷QTは、放射線ビーム130Cによって提供されるエネルギースペクトル(すなわち、ゼロから最大エネルギーまで)に関連付けられ、それにわたって収集される電荷に関連付けられることができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、信号(すなわち、s)は、以下の関係に従ってQTに比例するように構成されることができる:s=[QT-Q0]/[Qmax-Q0]、式中、Q0は、システムのオフセットを表し(すなわち、放射線源システム102Aと放射線検出システム120Aとの間に位置付けられる材料層116を伴わない)、Qmaxは、「無限」厚さを有する材料層116を伴う放射線検出器124の電荷を表す。いくつかの実施形態において、「無限」厚さは、少なくとも50,000g/cm2であることができ、それは、測定されるべき材料厚の標的範囲と比較して大きい。
【0067】
いくつかの実施形態において、材料層116の厚さに対応する測定値を計算するために、コントローラ128は、信号(すなわち、s)に対数関数を適用し、対数値(すなわち、x)を発生させるように構成されることができる。例えば、コントローラ128は、以下の関数に従って対数値を発生させ得る:x=ln(s)。いくつかの実施形態において、コントローラ128は、測定値の範囲に及ぶ多項式関数または直交関数を対数値に適用し、材料層116の厚さに対応する測定値を計算するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、直交関数は、他のタイプの直交関数の中でもとりわけ、直交三角関数、直交多項式を含むことができる。いくつかの実施形態において、多項式関数は、複数の対応する係数を伴う複数の項を有することができる。いくつかの実施形態において、項および対応する係数の数は、測定されるべき材料層116の厚さの範囲に基づいて取得される実験値に基づいて事前決定される。例えば、多項式関数は、4つの項を有し得る:t=a0+a1x+a2x2+a3x3+a4x4、式中、a0、a1、a2、a3、およびa4は、事前決定された係数であり、xは、対数値(例えば、x=ln(s))である。
【0068】
図1B-Cは、いくつかの実施形態による、電磁放射線を使用して材料層116の厚さを測定するためのシステム100B-Cを図示する。システム100B-Cの各々において、放射線源システム102B-Cおよび放射線検出システム120B-Cは、材料層116と同じ側(例えば、第1の表面116Aの側)に位置付けられることができる。いくつかの実施形態において、放射線源システム102B-Cおよび放射線検出システム120B-Cは、それぞれ、
図1Aに関して上で説明されるように、放射線源システム102Aおよび放射線検出システム120Aに対応することができる。放射線検出システム120Aのように、放射線検出システム120B-Cの各々は、材料層116とそれぞれの放射線検出器124B-Cとの間に位置付けられるそれぞれのエネルギーフィルタ122B-Cを含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、放射線検出システム120B-Cは、放射線検出システム120Aのように動作し、材料層116の蛍光特性に対応するエネルギーレベル(すなわち、波長)の事前決定された範囲を選択的にフィルタリングするためにそれぞれのエネルギーフィルタ122B-Cで構成されている。しかしながら、材料層116の厚さに対応する測定値を提供するために光電効果に依拠する放射線検出システム120Aと対照的に、放射線検出システム120B-Cは、測定値を提供するために放射線源システム102B-Cによって引き起こされるコンプトン効果(すなわち、時として、コンプトン散乱または非干渉性散乱と称される)に依拠する。放射線検出システム120B-Cによって検出される放射線は、主としてコンプトン効果によって引き起こされるが、検出された放射線は、下でさらに説明されるであろうように、光電効果によって引き起こされる放射線の一部(例えば、蛍光放射線)も含み得る。
【0070】
システム100Bにおいて示されるように、放射線源システム102Bは、材料層116に放射線ビーム132A(すなわち、一次放射線)を放出することができる。例えば、放射線ビーム132Aは、事前構成された角度において放出されるか、または、第1の表面116Aに対して実質的に垂直に放出され得る。いくつかの実施形態において、コンプトン散乱は、放射線ビーム132Aにおける入射光子が、材料層116内の原子(例えば、電子)との相互作用に基づいてそのもとの経路から偏向させられ、結果として、より少ないエネルギーを伴って改変された経路上を進行するときに生じる。光子エネルギーの変化は、散乱の角度と、光子エネルギーとに依存する。故に、コンプトン効果に起因して、放射線ビーム132Aの一部が、偏向させられ、後方散乱放射線として放出されるであろう。いくつかの実施形態において、放射線ビーム132Aは、
図1Aに関して上で説明されるように、後方散乱放射線と蛍光放射線とを含む放射線ビーム132Bを材料層116に放出させることができる。エネルギーフィルタ122Aのように、エネルギーフィルタ122Bは、蛍光放射線をフィルタリングし、フィルタリングされた放射線ビーム132Bを表す放射線ビーム132Cを放出するように構成されることができる。次いで、放射線検出システム120Bは、放射線検出器124Bによって検出される放射線ビーム132Cの強度に基づいて、材料層116の厚さに対応する測定値を提供するように構成されることができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、システム100Cは、放射線源システム102Cおよび放射線検出システム120Cのそれと反対側の第2の表面116Bの側に配置される反射器117を含むことができる。いくつかの実施形態において、反射器117は、金属プレート等の固体材料であることができる。
図1Cに示されるように、放射線源システム102Cは、材料層116の第1の表面116Aに放射線ビーム134Aを放出するように構成されることができる。材料層116は、各々が
図1Aに関して上で説明される光電効果によって引き起こされる放射線ビーム134Aの吸収されない部分と蛍光放射線とを含む放射線ビーム134Bを放出するように構成され得る。反射器117は、コンプトン効果に基づいて、放射線ビーム134Bの後方散乱を表す放射線ビーム134Cを放出することができる。加えて、放射線ビーム134Cは、反射器117によって発生させられた蛍光放射線を含み得る。いくつかの実施形態において、材料層116は、コンプトン効果に起因する放射線ビーム134Aからの光子の一部と、光電効果に起因する放射線ビーム134Cからの光子の一部と、放射線ビーム134Aおよび134Cからの光子と材料層116内の原子の相互作用に基づいて発生させられた蛍光放射線とを含む放射線ビーム134Dを放出するように構成されることができる。
【0072】
図2は、いくつかの実施形態による、異なるタイプの材料組成に関する放射線減衰効果を示すグラフ200を図示する。示されるように、グラフ200は、凡例206に示されるように、異なるX線エネルギーレベル202(keV)において種々の元素組成に関して対数目盛上に質量エネルギー減衰係数(cm
2/g)204をプロットする。例えば、凡例206は、単一の元素に関して示される原子番号(すなわち、Z)を伴う以下の元素組成を示す:ベリリウム(Z=4)、アルミニウム(Z=13)、チタン(Z=22)、スズ(Z=50)、タングステン(Z=74)、鉛(Z=82)、銅(Z=29)、および種々の元素から作製されるポリエステルフィルムであるBoPET(二軸配向ポリエチレンテレフタレート)(例えば、マイラ)(すなわち、C
10H
8O
4)。グラフ200に示されるように、BoPETが、X線エネルギーレベル202にわたって低減衰性を有し、材料厚のある範囲を測定するために使用されるエネルギースペクトル内にKエッジを含まないので、BoPETの光電効果が、厚さの計測中、考慮されることができる。
【0073】
上で議論されるように、Kエッジは、原子内のKシェル電子の結合エネルギーを指す。光電効果は、放射線が材料に向けられるときの電子または他の自由キャリアの放出を指す。光子が、原子のKエッジに近い、およびそれを超過するエネルギーレベルを有するとき、その光子は、Kエッジをわずかに下回る光子エネルギーを有する光子より吸収される可能性がより高くなり、光電子の吸収をもたらす。例えば、グラフ200に示されるように、ある組成物のKエッジ特性は、その組成物に関するKエッジをわずかに上回る光子エネルギーにおいて生じる光子の質量エネルギー減衰係数の急増を引き起こし得る。例えば、チタンのKエッジ212が、5keVのあたりにあり、シリコンのKエッジ210が、1.8keVのあたりにある。上で議論されるように、Kエッジエネルギーレベルにおいて、蛍光放射線が、発生させられ得、それは、厚さゲージシステムの正確度を減少させ得る。
【0074】
図3は、いくつかの実施形態による、電磁放射線を使用して材料層の厚さを測定する方法300を図示する。いくつかの実施形態において、方法300は、
図1A-Cに関して上で説明されるように、放射線ベースのゲージシステム100A-C等の厚さゲージシステムによって実施されることができる。いくつかの実施形態において、厚さゲージシステムは、
図1Aに示されるように、放射線源と放射線検出器との間に位置付けられる材料層を含む。いくつかの実施形態において、厚さゲージシステムは、
図1B-Cに示されるように、材料層と同じ側に位置付けられた放射線源と、放射線検出器とを含む。
【0075】
ステップ302において、厚さゲージシステムが、放射線源から、第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面との間にある厚さを有する材料の層の第1の表面のほうへ第1の放射線を向ける。いくつかの実施形態において、第1の表面において受け取られる第1の放射線は、材料層に第2の放射線を放出させる。いくつかの実施形態において、第1の放射線は、X線またはガンマ線等のイオン化電磁放射線を含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、材料層によって放出される第2の放射線は、第1の放射線からの光子の一部を含み、第1の放射線の光子と材料層の原子との間の相互作用の結果として材料層によって放出される蛍光放射線を含む。いくつかの実施形態において、材料層によって放出される第2の放射線は、第1の放射線からの光子の第1の部分を含み、第1の放射線からの光電効果に起因して材料層によって吸収された光子の第2の部分を除外する。いくつかの実施形態において、材料層によって放出される第2の放射線は、コンプトン効果に従って偏向させられている、第1の放射線からの光子の第3の部分を含む。上で議論されるように、(例えば、500keVを下回る)低エネルギーレベルにおいて、光電効果は、第1の放射線の減衰に対する放射線と物質との相互作用の主なタイプから外れた、最も大きい効果に寄与する。
【0077】
ステップ304において、厚さゲージシステムは、材料層の蛍光に関連付けられた第2の放射線の一部を減衰させ、第3の放射線を放出する。故に、第3の放射線は、フィルタリングされた第2の放射線を含む。いくつかの実施形態において、第2の放射線の一部は、
図1A-Cに示されるように、材料層と放射線検出器との間に位置付けられたフィルタによって減衰させられる。
【0078】
いくつかの実施形態において、フィルタは、
図1Aに関して上で議論されるように、材料層の蛍光に関連付けられたエネルギーレベルのある範囲をフィルタリングするように構成された1つ以上のフィルタ層を含む。いくつかの実施形態において、フィルタは、事前決定された閾値を下回るエネルギーレベルを有する第2の放射線からの光子をフィルタリングするように構成された材料から構成されることができる。いくつかの実施形態において、事前決定された閾値は、少なくとも、5keV、6keV、7keV、8keV、9keV、10keV、15keV、または20keVであることができる。いくつかの実施形態において、事前決定された閾値は、50keV、20keV、15keV、10keV、9keV、8keV、7keV、または6keV未満であることができる。いくつかの実施形態において、事前決定された閾値は、5~50keV、5~20keV、5~10keV、または6~10keVであることができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、フィルタは、複数のエネルギーレベルをフィルタリングするための複数のフィルタ層を含む。いくつかの実施形態において、フィルタリングされるべきエネルギーレベルの範囲は、材料層の元素組成と、元素組成における各元素に関連付けられた軌道シェル特性とに基づいて事前決定される。
【0080】
いくつかの実施形態において、材料の元素組成を決定するために使用される、従来的な放射線蛍光分析と対照的に、本明細書に説明される厚さゲージシステムは、蛍光放射線を減衰させ、遮断し、元素組成に対する厚さ測定の感度および測定されるべき材料厚の範囲を低減させようとする。
図1A-Cに関して上で説明されるように、フィルタを使用することによって、厚さゲージシステムは、材料層の厚さに対応する測定値を提供するためのエネルギースペクトルに依存しない放射線検出器を使用するように構成されることができる。
【0081】
ステップ306において、厚さゲージシステムは、放射線検出器において第3の放射線を検出する。いくつかの実施形態において、厚さゲージシステムの放射線検出器(例えば、放射線検出器124)が、第3の放射線の強度を定量化するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、放射線検出器は、第3の放射線の強度に対応する信号を発生させるように構成されることができる。例えば、信号は、電流、パルス列、音波等であり得る。いくつかの実施形態において、発生させられた信号は、強度に比例するように構成されている。例えば、第1の放射線が、X線であるとき、放射線検出器は、その大きさが強度に比例する電流を発生させるように構成されたイオン化チャンバであり得る。
【0082】
ステップ308において、厚さゲージシステムは、検出された第3の放射線に基づく層厚に対応する測定値を提供する。いくつかの実施形態において、提供される測定値は、層厚の長さに対応する長さの単位を含む。いくつかの実施形態において、提供される測定値は、層厚に対応する面密度を含む。特に、当業者は、面密度および厚長が、以下の関係に従って、容易に導出される所与の数量の1つであり得ることを認識するであろう:面密度=厚長×密度。
【0083】
いくつかの実施形態において、厚さゲージシステムのコントローラ(例えば、コントローラ128)は、放射線検出器によって発生させられた信号に基づいて測定値を計算するように構成されることができ、信号は、検出された第3の放射線の検出された強度を表す。いくつかの実施形態において、コントローラは、対数関数を信号の測定された電流に適用し、対数値を決定し、次いで、記憶された構成を対数値に適用し、厚さに対応する測定値を計算するように構成されることができる。例えば、記憶された構成は、測定値を計算するために対数値に適用される多項式関数であり得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、ユーザ入力に基づいて、複数の記憶された構成から記憶された構成を選択するように構成されることができる。例えば、ユーザ入力は、記憶された構成を規定し得る。いくつかの実施形態において、ユーザ入力は、測定されるべき材料のタイプ、および/または測定されるべき厚さの範囲を含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、多項式関数における係数は、材料層の元素組成と、測定されるべき材料層の厚さの範囲にと基づいて事前決定される(記憶された構成内に提供される)。いくつかの実施形態において、多項式関数における係数は、類似の材料特性を有する複数の元素組成に基づいて事前決定される。例えば、複数の元素組成は、測定されるべきある範囲の厚さに関して実質的に同じである、減衰特性と、蛍光特性とを有し得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、厚さゲージシステムのディスプレイ上に計算された測定値を表示するように構成されることができる。例えば、計算された測定値は、単位の長さ(例えば、ミリメートルまたはミクロン)または面密度(例えば、1平方メートルあたりのグラム)として表示され得る。
【0085】
前述の説明は、例示的方法、パラメータ等を記載する。しかしながら、そのような説明が、本開示の範囲に関する限定として意図されておらず、代わりに、例示的実施形態の説明として提供されることを認識されたい。上で説明される例証的実施形態は、包括的である意図も、本開示を開示される精密な形態に限定する意図もない。多くの修正および変形例が、上記の教示に照らして可能である。実施形態が、開示される技法およびそれらの実践的な適用の原理を最良に解説するために、選定および説明された。他の当業者は、それによって、考えられる特定の使用に適するように、種々の修正を伴う技法および種々の実施形態を最良に利用することが可能にされる。
【0086】
本開示および実施例が、付随の図を参照して徹底的に説明されているが、種々の変更および修正が、当業者に明白な状態になるであろうことに留意されたい。そのような変更および修正は、請求項によって定義されるような本開示および実施例の範囲内に含まれているものとして理解されるべきである。本開示および実施形態の前述の説明において、例証として示されているものが、実践され得る具体的な実施形態である、付随の図面が、参照される。他の実施形態および実施例が、実践され得ること、および変更が、本開示の範囲から逸脱することなく成され得ることを理解されたい。
【0087】
前述の説明は、種々の要素を説明するために第1の、第2の等の用語を使用するが、これらの要素は、その用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別のものから区別するためにのみ使用される。
【0088】
また、前述の説明において使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別様に示さない限り、同様に、複数形を含むことを意図していることも理解されたい。また、本明細書で使用されるように、用語「および/または」は、関連付けられた列挙される物品のうちの1つ以上のもののうちのいずれかおよび全ての可能性として考えられる組み合わせを指し、それを包含することも理解されたい。用語「includes(~を含む)」、「including(~を含んでいる)」、「comprises(~を備えている)」、および/または「comprising(~を備えている)」は、本明細書において使用されるとき、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはユニットの存在を規定するが、それらの1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、ユニット、および/または群の存在または追加を除外するものではないことをさらに理解されたい。
【0089】
用語「if(~である場合)」は、文脈に応じて、「when(~のとき)」、または「upon(~に応じて)」、または「in response to determining(決定するステップに応答して)」、または「in response to detecting(検出するステップに応答して)」を意味すると解釈され得る。同様に、語句「if it is determined(これが、決定される場合)」または「if [a stated condition or event] is detected([記載される条件または事象]が、検出される場合)」は、「upon determining(決定するステップに応じて)」、または「in response to determining(決定するステップに応答して)」、または「upon detecting [the stated condition or event]([記載される条件または事象]を検出するステップに応じて)」、または「in response to detecting [the stated condition or event]([記載される条件または事象]を検出するステップに応答して)」を意味すると解釈され得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成された1つ以上のプログラムを記憶し、1つ以上のプログラムは、本明細書に説明または請求されるステップのうちのいずれかを実装するための命令を含む。本開示は、本明細書における動作を実施するためのデバイスにも関する。このデバイスは、要求される目的のために特別に構築または構成され、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得るか、または、それは、コンピュータの中に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成された汎用目的コンピュータを含み得る。
【0091】
そのようなコンピュータプログラムは、任意のタイプのディスク等の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に記憶され得、記憶媒体は、限定ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラム読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気または光学カード、特定用途向け集積回路(ASIC)、USBフラッシュドライブ、または電子命令を記憶するために好適であり、それぞれが、コンピュータシステムバスに結合される任意のタイプの媒体を含む。さらに、本開示内で参照されるデバイスは、単一のプロセッサを含み得るか、または、コンピューティング能力の向上のための複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであり得る。
【0092】
本明細書に説明される方法、デバイス、およびシステムは、本質的に、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関連しない。種々の汎用目的システムもまた、本明細書における教示によるプログラムと併用され得る、または、要求される方法ステップを実施するために、より特殊な装置を構築することが、便宜的であることが証明され得る。種々のこれらのシステムのために要求される構造は、上記の説明から想起される。本開示は、いかなる特定のプログラミング言語も参照して説明されていない。種々のプログラミング言語が、本明細書に説明されるように、本開示の教示を実装するために使用され得ることを理解されたい。
【0093】
本開示および実施例は、付随の図を参照して完全に説明されているが、種々の変更および修正が、当業者に明白な状態となるであろうことに留意されたい。そのような変更および修正は、請求項によって定義されるような本開示および実施例の範囲内に含まれているものとして理解されるべきである。
【国際調査報告】