(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】タッチセンサ及びアンテナを含む画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220314BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 339Z
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G06F3/041 422
G06F3/041 450
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544876
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 KR2020002403
(87)【国際公開番号】W WO2020171593
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0020475
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(71)【出願人】
【識別番号】520337569
【氏名又は名称】ポステック リサーチ アンド ビジネス デベロップメント ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】POSTECH RESEARCH AND BUSINESS DEVELOPMENT FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】(Jigok-dong) 77, Cheongam-ro, Nam-gu, Pohang-si, Gyeongsangbuk-do 37673 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】フ, ヨン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ドン ピル
(72)【発明者】
【氏名】リ, ヨン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ウォン ビン
【テーマコード(参考)】
5C094
【Fターム(参考)】
5C094AA31
5C094BA27
5C094BA43
5C094DA15
5C094EA04
5C094EA10
(57)【要約】
本発明の実施形態の画像表示装置は、パネル基板、並びにパネル基板上に積層された電極構造および絶縁構造を含むディスプレイパネルと、ディスプレイパネル上に配置されるタッチセンサ構造と、ディスプレイパネル上で前記タッチセンサ構造と同じレベルに配置され、ディスプレイパネルの電極構造と厚さ方向に少なくとも部分的に重畳するアンテナ電極層とを含む。ディスプレイパネル及びタッチセンサ構造の電極構造を考慮してアンテナ電極層を配置することにより、薄型化された高信頼性の画像表示装置を実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル基板、並びに前記パネル基板上に積層された電極構造および絶縁構造を含むディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネル上に配置されるタッチセンサ構造と、
前記ディスプレイパネル上で前記タッチセンサ構造と同じレベルに配置され、前記ディスプレイパネルの前記電極構造と厚さ方向に少なくとも部分的に重畳するアンテナ電極層とを含む、画像表示装置。
【請求項2】
前記電極構造は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、および画素電極を含む、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記電極構造は、前記アンテナ電極層のグランド層で提供される、請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記アンテナ電極層は、放射電極を含み、前記放射電極は、平面方向において前記画素電極と全体的に重畳する、請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記タッチセンサ構造は、
互いに交差する方向に配列された複数の第1センシング電極および第2センシング電極と、
隣り合う前記第1センシング電極を電気的に接続させるブリッジ電極とを含む、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記アンテナ電極層及び前記ブリッジ電極は、同じレベルに位置し、同じ金属を含む、請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記アンテナ電極層の一部上に配置されるキャッピング層をさらに含み、
前記キャッピング層は、前記第1センシング電極及び前記第2センシング電極と同じレベルに位置し、同じ透明金属酸化物を含む、請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記アンテナ電極層は、放射電極と、前記放射電極から分岐する伝送線路と、前記伝送線路の一端部に接続された信号パッドとを含み、
前記キャッピング層は、前記信号パッド上に配置される、請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記信号パッドの周辺において、前記信号パッド及び前記伝送線路と電気的に分離されているグランドパッドをさらに含む、請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記ディスプレイパネルと前記アンテナ電極層との間に配置されたエンキャプセレーション層をさらに含む、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記エンキャプセレーション層は、前記アンテナ電極層の誘電層で提供される、請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記ディスプレイパネルの前記絶縁構造は、前記パネル基板上に順次積層されたゲート絶縁層、層間絶縁層、ビア絶縁層および画素定義膜を含み、
前記絶縁構造の少なくとも一部は、前記エンキャプセレーション層と共に前記アンテナ電極層の誘電層で提供される、請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記タッチセンサ構造は、前記エンキャプセレーション層の中央部に配置され、前記アンテナ電極層は、前記エンキャプセレーション層の周辺部に配置される、請求項10に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ及びアンテナを含む画像表示装置に関する。より詳細には、ディスプレイパネル上に積層されたタッチセンサ及びアンテナを含む画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会が進展するにつれて、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの無線通信技術が画像表示装置と結合され、例えばスマートフォンの形で実現されている。この場合には、アンテナが前記画像表示装置に結合され、通信機能を実行することができる。
【0003】
最近の移動通信技術が進化しつつ、例えば3G~5Gに相当する超高周波帯域の通信を行うためのアンテナが前記画像表示装置に結合される必要がある。
【0004】
その一方で、画面に表示される指示内容を人の手や物体で選択し、ユーザの命令を入力する入力装置であるタッチパネルまたはタッチセンサを画像表示装置と結合することで、画像表示機能及び情報入力機能を共に実現した電子機器が開発されている。例えば、韓国特許公開第2014-0092366号のように、様々な画像表示装置にタッチセンサが結合されたタッチスクリーンパネルが開発されている。
【0005】
一つの画像表示装置内にアンテナ及びタッチセンサを結合することにより、適切な実装スペースの確保が困難になることがあり、また相互の信号干渉によってアンテナ、タッチセンサ及びディスプレイパネルでの電気的特性が妨害されることもある。
【0006】
例えば、韓国特許公開第2003-0095557号では、携帯用端末に内蔵されるアンテナ構造を開示しているが、タッチセンサのような他の電気素子との整合性を考慮していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、向上した動作信頼性および構造効率性を有し、タッチセンサ及びアンテナの機能が結合された画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.パネル基板、並びに前記パネル基板上に積層された電極構造および絶縁構造を含むディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネル上に配置されるタッチセンサ構造と、前記ディスプレイパネル上で前記タッチセンサ構造と同じレベルに配置され、前記ディスプレイパネルの前記電極構造と厚さ方向に少なくとも部分的に重畳するアンテナ電極層とを含む、画像表示装置。
【0009】
2.前記項目1において、前記電極構造は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、および画素電極を含む、画像表示装置。
【0010】
3.前記項目2において、前記電極構造は、前記アンテナ電極層のグランド層で提供される、画像表示装置。
【0011】
4.前記項目3において、前記アンテナ電極層は、放射電極を含み、前記放射電極は、平面方向において前記画素電極と全体的に重畳する、画像表示装置。
【0012】
5.前記項目1において、前記タッチセンサ構造は、互いに交差する方向に配列された複数の第1センシング電極及び第2センシング電極と、隣り合う前記第1センシング電極を電気的に接続させるブリッジ電極とを含む、画像表示装置。
【0013】
6.前記項目5において、前記アンテナ電極層及び前記ブリッジ電極は、同じレベルに位置し、同じ金属を含む、画像表示装置。
【0014】
7.前記項目5において、前記アンテナ電極層の一部上に配置されるキャッピング層をさらに含み、前記キャッピング層は、前記第1センシング電極および前記第2センシング電極と同じレベルに位置し、同じ透明金属酸化物を含む、画像表示装置。
【0015】
8.前記項目7において、前記アンテナ電極層は、放射電極と、前記放射電極から分岐する伝送線路と、前記伝送線路の一端部に接続された信号パッドとを含み、前記キャッピング層は、前記信号パッド上に配置される、画像表示装置。
【0016】
9.前記項目8において、前記信号パッドの周辺において、前記信号パッド及び前記伝送線路と電気的に分離されているグランドパッドをさらに含む、画像表示装置。
【0017】
10.前記項目1において、前記ディスプレイパネルと前記アンテナ電極層との間に配置されたエンキャプセレーション層をさらに含む、画像表示装置。
【0018】
11.前記項目10において、前記エンキャプセレーション層は、前記アンテナ電極層の誘電層で提供される、画像表示装置。
【0019】
12.前記項目10において、前記ディスプレイパネルの前記絶縁構造は、前記パネル基板上に順次積層されたゲート絶縁層、層間絶縁層、ビア絶縁層および画素定義膜を含み、
前記絶縁構造の少なくとも一部は、前記エンキャプセレーション層と共に前記アンテナ電極層の誘電層で提供される、画像表示装置。
【0020】
13.前記項目10において、前記タッチセンサ構造は、前記エンキャプセレーション層の中央部に配置され、前記アンテナ電極層は、前記エンキャプセレーション層の周辺部に配置される、画像表示装置。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態に係る画像表示装置は、ディスプレイパネル上にアンテナ及びタッチセンサ構造を共に積層することにより、向上したスペース効率を実現することができる。
【0022】
前記アンテナは、前記ディスプレイパネルに含まれた絶縁構造またはエンキャプセレーション層を誘電層として活用することができる。また、前記ディスプレイパネルに含まれた画素電極及び/又は薄膜トランジスタ(TFT)の電極構造を前記アンテナのグランド電極として活用することができる。これにより、別の誘電層、グランド電極の形成なしにアンテナ駆動を実現することができる。スペース効率がより向上するとともに、ディスプレイパネルの所定の駆動特性を変化させずにアンテナ駆動を確保することができる。
【0023】
例示的な実施形態では、前記アンテナの放射パターンは、前記タッチセンサ構造の電極と同じ層または同じレベル上に共に形成することができる。これにより、前記アンテナとタッチセンサ構造との間の信号妨害およびインピーダンス・ミスマッチを防止し、画像表示装置全体の厚さを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に係る画像表示装置を示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態に係るアンテナのパターン構造を概略的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態に係るアンテナのパターン構造を概略的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、例示的な実施形態に係るタッチセンサ構造を示す概略平面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態に係るディスプレイパネルの電極構造を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態は、ディスプレイパネル上に積層されたアンテナ及びタッチセンサ構造を含み、向上したスペース効率および動作信頼性を有する画像表示装置を提供するものである。
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0027】
図1は、例示的な実施形態に係る画像表示装置を示す概略断面図である。
【0028】
図1を参照すると、前記画像表示装置は、ディスプレイパネル100、並びにディスプレイパネル100上に積層されたアンテナパターン200及びタッチセンサ構造300を含む。
【0029】
ディスプレイパネル100は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)表示装置または液晶表示装置(LCD)などのディスプレイ装置の薄膜トランジスタアレイ(TFT array)基板またはバック-プレーン(Back-Plane)基板を含むことができる。ディスプレイパネル100の構造及び構成については、
図2を参照して詳細に後述する。
【0030】
ディスプレイパネル100上には、エンキャプセレーション層190を配置することができる。エンキャプセレーション層190は、無機絶縁物質、有機絶縁物質または有機無機ハイブリッドフィルムを含むことができる。エンキャプセレーション層190は、ディスプレイパネル100に含まれる薄膜トランジスタ(TFT)、電極及び表示層を保護する封止層で提供できる。一実施形態では、エンキャプセレーション層190は、ディスプレイパネル100に含まれる構成又は部材として共に製造できる。
【0031】
エンキャプセレーション層190上には、アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300を配置することができる。例示的な実施形態では、アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300は、同じ層または同じレベル上に位置させることができる。いくつかの実施形態では、アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300は、エンキャプセレーション層190上に直接形成することができる。
【0032】
アンテナパターン200は、アンテナ電極層210と、アンテナ電極層210上に形成されたキャッピング層250とを含むことができる。
【0033】
タッチセンサ構造300は、第1センシング電極320と、第2センシング電極330と、絶縁パターン340と、ブリッジ電極310とを含むことができる。
【0034】
タッチセンサ構造300は、画像表示装置の中央部を含む表示領域または活性領域内に配置することができる。アンテナパターン200は、前記表示領域または活性領域の周辺領域内に配置することができる。
【0035】
例えば、前記周辺領域は、画像表示装置の非表示領域またはベゼル領域に相当し得る。前記周辺領域を利用して、アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300を同じレベル上に配置するので、画像表示装置の厚さを低減しつつ、スペースの利用率を向上させることができる。
【0036】
また、アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300が同一平面上で水平に配置されるので、アンテナ電極層210とセンシング電極320,330との間の信号干渉、寄生キャパシタンスの発生を抑制することができる。
【0037】
例示的な実施形態によると、アンテナ電極層210とブリッジ電極310は、同じ物質を含み、同じパターニング工程によって共に形成することができる。いくつかの実施形態では、アンテナ電極層210及びブリッジ電極310は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、又はそれらの合金のような低抵抗の金属膜から同じエッチング工程を経て形成することができる。
【0038】
例示的な実施形態によると、キャッピング層250は、アンテナ電極層210の一部上のみに選択的に形成された導電性パターンであってもよい。
図1に示すように、キャッピング層250は、センシング電極320,330と同一平面または同一レベルに位置させることができる。一実施形態では、キャッピング層250は、センシング電極320,330が形成されたタッチセンシング領域またはタッチ活性領域へは延長されず、アンテナ電極層210上のみに選択的に形成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンテナパターン200のキャッピング層250及びタッチセンサ構造300のセンシング電極320,330は同じ物質を含み、同じパターニング工程を経て共に形成することができる。いくつかの実施形態では、キャッピング層250及びセンシング電極320,330は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)のような透明金属酸化物を含む導電膜から同じエッチング工程を経て形成することができる。
【0040】
相対的に耐腐食、耐酸化性が向上した透明金属酸化物を含むキャッピング層250は、アンテナ電極層210の一部(例えば、パッド部)を覆うように形成することができる。これにより、画像表示装置の製造工程中に外部の空気、水分にさらされる可能性がある前記パッド部の機械的、化学的安定性を向上することができる。
【0041】
また、キャッピング層250をセンシング電極320,330と同じ物質、工程によって形成するので、工程のしやすさ及び経済性を向上させることができる。
【0042】
アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300の構造および構成については、それぞれ
図3及び
図5を参照して詳細に後述する。
【0043】
エンキャプセレーション層190上には、アンテナパターン200及びタッチセンサ構造300を共に覆うパッシベーション層350を形成することができる。
【0044】
パッシベーション層350上には、偏光層370及びカバーウィンドウ380を順次積層することができる。
【0045】
偏光層370は、コーティング型の偏光子または偏光板を含むことができる。前記コーティング型の偏光子は、重合性液晶化合物および二色性染料を含む液晶コーティング層を含むことができる。この場合には、偏光層370は、前記液晶コーティング層に配向性を付与するために配向膜をさらに含むことができる。
【0046】
例えば、前記偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子と、前記ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一つの面に貼り付けられる保護フィルムとを含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、偏光層370は、粘接着層360を介してパッシベーション層350上に積層することができる。粘接着層360は、例えば、光学透明粘着剤(Optically clear Adhesive:OCA)、光学透明樹脂(Optically Clear Resin:OCR)などの粘接着フィルムを含むことができる。
【0048】
カバーウィンドウ380は、ガラスまたは柔軟性の樹脂物質を含むハードコートフィルムを含むことができる。一実施形態では、カバーウィンドウ380の底面の周辺部上に遮光パターン(図示せず)を形成することができる。前記遮光パターンは、例えばカラー印刷パターンを含むことができ、前記遮光パターンによって画像表示装置のベゼル領域または非表示領域を定義することができる。一実施形態では、前述のように、アンテナパターン200は、前記ベゼル領域内(例えば、前記遮光パターンの下)に配置することができる。
【0049】
図2は、
図1のA領域の部分拡大断面図である。例えば、
図2は、ディスプレイパネル100に含まれた薄膜トランジスタを含む電極構造およびアンテナ電極層210の配置を示している。
【0050】
図2を参照すると、
図1に示すディスプレイパネル100は、パネル基板110上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)アレイおよび表示構造物を含むことができる。前記薄膜トランジスタアレイは、複数の薄膜トランジスタを配列して形成することができる。
【0051】
前記薄膜トランジスタは、活性層120と、ゲート電極135と、ソース電極145と、ドレイン電極147とを含むことができる。前記表示構造物は、画素電極165と、表示層180と、対向電極185とを含むことができる。
【0052】
パネル基板110は、ガラス、またはポリイミドのような柔軟性の樹脂物質を含むことができる。活性層120は、非晶質のポリシリコンまたは酸化物半導体(例えば、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO)又はインジウム-スズ-ガリウム酸化物(IGTO)など)を含むことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、パネル基板110上には、金属酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物のような無機絶縁物質を含むバリア層を形成することができる。前記バリア層上には、活性層120を形成することができる。
【0054】
パネル基板110上には活性層120を覆うゲート絶縁層130が形成され、ゲート電極135は、ゲート絶縁層130上に形成することができる。ゲート絶縁層130は、金属酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような無機絶縁物質を含むことができる。
【0055】
ゲート絶縁層130上には、ゲート電極135を覆う層間絶縁層140を形成することができる。ソース電極145及びドレイン電極147は、層間絶縁層140及びゲート絶縁層130を貫通して活性層120と接触することができる。ソース電極145とドレイン電極147は、ゲート電極135を挟んで活性層120の両側部と接触することができる。
【0056】
層間絶縁層140上には、ソース電極145及びドレイン電極147を覆うビア(via)絶縁層150を形成することができる。画素電極165は、ビア絶縁層150を貫通するビア部160を介してドレイン電極147と電気的に接続することができる。画素電極165及びビア部160は、互いに一体に接続された単一の部材であってもよい。
【0057】
画素電極165は、例えば、前記画像表示装置のアノード(anode)で提供できる。画素電極165は、画像表示装置の各画素ごとに個別に提供できる。
【0058】
ビア絶縁層150上には、画素定義膜170が形成され、画素電極165の上面を少なくとも部分的に露出させることができる。露出した画素電極165の前記上面上には、表示層180を形成することができる。
【0059】
表示層180は、有機発光層を含むことができる。この場合、前記画像表示装置は、有機発光ダイオード(OLED)表示装置で提供できる。一実施形態では、表示層180は、正孔輸送層または電子輸送層をさらに含むことができ、前記有機発光層は、前記正孔輸送層と前記電子輸送層との間に配置することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、表示層180は液晶層を含むことができる。この場合、前記画像表示装置は、液晶表示装置(LCD)で提供できる。
【0061】
画素定義膜170上には、表示層180を覆う対向電極185を配置することができる。対向電極185は、例えば、前記画像表示装置のカソード(cathode)で提供できる。また、対向電極185は、複数の画素に対して連続して提供される共通電極で形成することもできる。
【0062】
対向電極185上には、エンキャプセレーション層190が配置され、エンキャプセレーション層190上には、アンテナ電極層210を配置することができる。
【0063】
ゲート電極135、ソース電極145、ドレイン電極147および画素電極165は、それぞれ、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、又はそれらの合金のような低抵抗の金属を含むことができる。
【0064】
対向電極185は、画像表示装置の透過度を向上させるためにインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)のような透明金属酸化物を含むことができる。
【0065】
例示的な実施形態によると、ディスプレイパネル100に含まれた電極構造を、アンテナパターン200またはアンテナ電極層210のグランド層で提供することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、アンテナ電極層210は、前記画像表示装置の高さ方向または厚さ方向に、ディスプレイパネル100に含まれたソース電極145、ゲート電極135、ドレイン電極147および画素電極165のうちの少なくとも1つと重畳してもよい。これにより、ソース電極145、ゲート電極135、ドレイン電極147および画素電極165のうちの少なくとも1つをアンテナ電極層210のグランド層で提供することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、アンテナ電極層210は、画素電極165と重畳してもよい。これにより、画素電極165を実質的にアンテナ電極層210のグランド層で提供することができる。
【0068】
例示的な実施形態によると、エンキャプセレーション層190をアンテナ電極層210の誘電層で提供することができる。また、ディスプレイパネル100に含まれた少なくとも一つの絶縁層を、前記誘電層で共に提供できる。
【0069】
例えば、画素定義膜170、ビア絶縁層150及び/又は層間絶縁層140を前記誘電層で共に提供できる。画素定義膜170、ビア絶縁層150および層間絶縁層140は、それぞれアクリル系、シロキサン系、ポリイミド系樹脂物質のような有機絶縁物質、またはシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような有機絶縁物質を含むことができる。
【0070】
前述のように、ディスプレイパネル100の絶縁構造および電極構造をそれぞれアンテナパターン200の誘電層及びグランド層として活用することにより、別のアンテナ誘電層およびアンテナグランドの挿入または形成なしに、アンテナの駆動・放射を実現することができる。これにより、前記アンテナグランドによるディスプレイパネル100での動作干渉を防止しつつ、画像表示装置の厚さを減少させることができる。
【0071】
図3は、例示的な実施形態に係るアンテナのパターン構造を概略的に示す平面図である。
【0072】
図3を参照すると、
図1及び
図2で説明したように、例えばエンキャプセレーション層190上にアンテナ電極層210を含むアンテナパターン200を配置することができる。
図3に示すように、複数のアンテナパターン200をエンキャプセレーション層190上に配列することができる。
【0073】
アンテナ電極層210は、放射電極212と、伝送線路220と、パッド230とを含むことができる。パッド230は、信号パッド232と、グランドパッド234とを含むことができる。
【0074】
放射電極212は、例えば多角形プレート状を有し、伝送線路220は、放射電極212の中央部から延長し、信号パッド232と電気的に接続することができる。伝送線路220は、放射電極212と実質的に一体の単一の部材として形成することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、信号パッド232を挟んで一対のグランドパッド234を配置することができる。グランドパッド234は、信号パッド232および伝送線路220と電気的に分離することができる。
【0076】
図1及び
図2で説明したように、アンテナ電極層210は、ディスプレイパネル100に含まれた電極構造と平面方向で重畳してもよい。例えば、アンテナ電極層210の放射電極212は、ディスプレイパネル100に含まれた前記電極構造と全体的に重畳してもよい。
【0077】
例示的な実施形態では、
図1に示すキャッピング層250を信号パッド232上に形成することができる。キャッピング層250は、相対的に化学的に安定した透明金属酸化物を含むことができる。これにより、信号パッド232が外気にさらされる場合の腐食、酸化を防止することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、キャッピング層250は、グランドパッド234上にも形成することができる。
【0079】
図4は、いくつかの実施形態に係るアンテナのパターン構造を概略的に示す平面図である。
【0080】
図4を参照すると、メッシュ構造のダミーパターン245を放射電極212の周辺に形成することができる。一実施形態では、放射電極212もまた、ダミーパターン245と実質的に同一または類似のメッシュ構造を含むことができる。
【0081】
例えば、放射電極212の枠に沿って形成された分離領域240によって、放射電極212及びダミーパターン245を互いに分離及び絶縁することができる。
【0082】
放射電極212及びダミーパターン245を実質的に同一または類似のメッシュ構造を含むように形成することにより、アンテナ電極層210の透過率を向上しつつ、パターン形状の違いによる放射電極212の視認を防止することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、放射電極212から分岐する伝送線路220もまたメッシュ構造を含むことができる。一実施形態では、
図3に示すパッド230は、信号速度の向上および抵抗の減少のために中身が詰まった(solid)パターン構造を持つことができる。
【0084】
図5は、例示的な実施形態に係るタッチセンサ構造を示す概略的な平面図である。例えば、
図5に示すI-I’に沿う断面図が、
図1にタッチセンサ構造300として含まれている。説明を容易にするために、
図5では絶縁パターン340の図示を省略した。
【0085】
図5を参照すると、第1センシング電極320は、例えば行方向(例えば、X方向)に沿って配列することができる。第2センシング電極330は、例えば列方向(例えば、Y方向)に沿って配列することができる。
【0086】
前記列方向に隣り合う第2センシング電極330は、つなぎ部335を介して互いに接続することができる。つなぎ部335は、第2センシング電極330と一体に接続された単一の部材で形成することができる。これにより、複数の第2センシング電極330が互いに電気的に接続され、第2センシング電極列を形成することができる。複数の前記第2センシング電極列は、前記行方向に沿って配列することができる。
【0087】
第1センシング電極320は、それぞれ物理的に分離された島(island)タイプの単位電極形状を有することができる。つなぎ部335を挟んで向かい合う第1センシング電極320は、コンタクト325を介してブリッジ電極310と電気的に接続することができる。コンタクト325は、絶縁パターン340を貫通して隣り合う第1センシング電極320を接続させることができる。
【0088】
これにより、複数の第1センシング電極320が前記行方向に相互に接続され、第1センシング電極行を定義することができる。複数の前記第1センシング電極行は、前記列方向に沿って配列することができる。
【0089】
図1で説明したように、いくつかの実施形態では、ブリッジ電極310は、アンテナ電極層210と同じ導電膜(例えば、金属膜)からパターニングされて形成され、センシング電極320,330は、キャッピング層250と同じ導電膜(例えば、透明金属酸化膜)からパターニングされて形成され得る。
【0090】
これにより、アンテナパターン200とタッチセンサ構造300を、実質的に同じ工程を経て同じレベル上に形成することができる。
【0091】
図6は、例示的な実施形態に係るディスプレイパネルの電極構造を示す概略平面図である。
【0092】
図6を参照すると、データライン145a及びスキャンライン135aは、互いに交差する方向に延長することができる。互いに交差する複数のデータライン145a及びスキャンライン135aによって、画像表示装置の複数の画素を定義することができる。また、各画素内に薄膜トランジスタを配列することができる。
【0093】
ゲート電極135は、スキャンライン135aから分岐して活性層120上に突出することができる。ソース電極145は、データライン145aから分岐して活性層120の一側部上に突出することができる。
【0094】
ドレイン電極147は、ゲート電極135を挟んでソース電極145と向かい合うように配置することができる。ソース電極145及びドレイン電極147は、活性層120の両側部と接触することができる。
【0095】
画素電極165は、ビア部160を介してドレイン電極147と電気的に接続することができる。
【0096】
図2で説明したように、ソース電極145、ゲート電極135、ドレイン電極147及び/又は画素電極165は、アンテナパターン200またはアンテナ電極層210のグランド層で提供できる。
【0097】
一実施形態では、アンテナ電極層210の放射電極212は、平面方向で画素電極165と全体的に重畳してもよい。一実施形態では、アンテナ電極層210の伝送線路220及びパッド230は、ソース電極145、ゲート電極135及び/又はドレイン電極147と平面方向で少なくとも部分的に重畳してもよい。
【0098】
例えば、低抵抗の金属を含むソース電極145、ゲート電極135、ドレイン電極147および画素電極165によって定義される電極領域とアンテナ電極層210を平面方向で重畳するように配置することにより、アンテナ電極層210からの放射ノイズを効率的に除去または遮蔽することができる。
【国際調査報告】