(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】プラグクロージャー
(51)【国際特許分類】
B65D 47/08 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
B65D47/08 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545413
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020050230
(87)【国際公開番号】W WO2020160858
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ラリエ,グレゴリー
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA13
3E084AA24
3E084AB09
3E084BA03
3E084CA02
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA02
3E084DB09
3E084DC03
3E084EA02
3E084EC03
3E084FA02
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC04
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084JA20
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LD01
(57)【要約】
電子商取引に特に有用なクロージャー(10)。クロージャーは、蓋(16)と、容器に解放可能に固定されたキャップ基部(12)とを備え、キャップ基部は、開口部(24)を含む。蓋は、そこから延びる垂下するプラグ(26)を有しており、蓋が閉鎖位置にあるときにキャップ基部の開口部内に受け入れられる。開口部は、円筒状開口部壁(88)内に形成されている。蓋が開放位置にあるとき、蓋から遠位にある端部の垂下したプラグから外向きに延びるのは、1以上のバーブフラップ(82)である。蓋が、円筒状開口壁内の、垂下したプラグと共にその閉鎖位置に移動すると、バーブはプラグの壁に対して押し上げられ、円筒状開口壁の凹部内に受け入れられる。凹部内では、バーフラップが凹部(40)の上壁に当接しているため、出荷時などに蓋を開けるのに余分な力が必要となる。消費者が蓋を開けたいときには、蓋を強制的に開けるのに必要な余分な力を加えることで、バーブフラップが円筒状プラグから外側に延びる元の位置に戻る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記:
a)以下を有するキャップ(16):
b)開口部(24)を有するクロージャー基部(12)、
c)垂下するプラグを有するキャップ
を含むクロージャー(10)であって、
前記垂下するプラグは、前記キャップが開放位置にあるときに、前記プラグから半径方向外側に延びる少なくとも1つのフラップ(82)を有し、前記少なくとも1つのフラップ(82)は、前記キャップ(16)の閉鎖時に前記フラップが上方に折り畳まれ、それによって、上方に延びるフラップが前記キャップの開口部(24)に干渉を与えるように変形可能であることを特徴とする、クロージャー(10)。
【請求項2】
前記開口部(24)が、円筒状の壁(88)によって規定される、請求項1に記載のクロージャー。
【請求項3】
前記キャップ(16)が閉じられているとき、前記壁(88)が、1以上のフラップ(82)を収容する凹部(40)を含む、請求項2に記載のクロージャー。
【請求項4】
前記キャップが閉じられているとき、前記凹部(40)が上壁を含み、1以上のフラップが前記上壁に当接する、請求項3に記載のクロージャー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
消費財の出荷中に製品が漏洩すると、費用のかかる問題となる可能性がある。この問題は、個々のボトルが消費者に直接出荷される可能性がある電子商取引の領域で特に深刻である。製造業者から販売業者および/または小売業者へ大量の瓶を一緒に無傷で発送することを保証することは、個々の瓶を消費者に発送する際の漏洩から製品を確保することよりもいくぶん容易である。同様に、開封後の消費者による容器の輸送も問題となり、その結果、製品の漏洩につながる可能性がある。
【0002】
シャンプー、ボディウォッシュ、スキンクリーム等の消費財のクロージャー(closure)の一種は、フリップトップクロージャーであり、これは、典型的には、2つのピース、容器に直接取り付けられる基部ピース、及び、基部に蝶番状に取り付けられ、かつ、開放位置と閉鎖位置との間で回転するキャップを含む。消費者がヘルクレーン強度(Herculean strength)を使用せずにキャップを基部から外すことができることは重要であるが、一般的に、出荷時に遭遇する力によりキャップが開かないことも重要である。
【0003】
種々のクロージャーが、文献に記載されている。
【0004】
Delli VenneriのUS2007/075030は、基部に接続された蝶番付き蓋を有するクロージャーを開示する。クロージャーには、ラッチング機構が含まれ、当該機構は、分注開口部の縁の後ろにバーブ(barb)の様式で係合すると言われるビーズを有するピンを含む。
【0005】
SuffaのUS2006/231518は、ヒンジで接続された下部と上部を有するクロージャーキャップを対象としている。クロージャーキャップの下側にはストッパーが位置する。ストッパーは、接続片の中の対応する環状溝と相互作用する環状カラーを含んでもよい。あるいは、長手方向の外周突起部(rib)を含んでもよく、クロージャーキャップのクロージャー位置が把持部の上側に接触し、保持手段として作用する。
【0006】
KunzのWO03/086891は、スナップ作用ヒンジクロージャーを開示している。密封シリンダーは、密封ビーズ43を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US2007/075030
【特許文献2】US2006/231518
【特許文献3】WO03/086891
【0008】
本発明の概要
本発明は、クロージャーを対象としており、特に電子商取引に有用なクロージャー、および、ボトルまたは他の容器と組み合わせたクロージャーを対象としている。事実、クロージャーの基部は容器に不可欠なことがある。
【0009】
クロージャーは、容器に放出可能に固定することのできるキャップ基部、開口部を含むキャップ基部を含む。キャップはキャップ基部に可動的に取り付けられ、閉じた位置にある場合、キャップ基部開口部を介して容器から液体が排出されるのを防ぐのに適している。キャップ基部の一部は、キャップとともに容器からの液体の排出を防止するのに適したバリアを構成する。
【0010】
キャップは、そこから延びる垂下するプラグを有し、当該プラグは、キャップが閉鎖位置にあるとき、キャップ基部の開口部内に受け入れられる。開口部は、円筒状の開口壁内に形成される。キャップがその開放位置にあるとき、キャップから遠位の端にある、垂下したプラグから外側に伸びているのは、1または複数のバーブフラップ(barb flap)である。キャップが、円筒状の開口壁内の垂下したプラグと共に閉鎖位置に移動すると、バーブはプラグの壁に押し上げられ、円筒状の開口壁の凹部内に受け入れられる。バーフラップ(bar flap)は、例えば輸送中にキャップを開けるために余分な力が必要とされるように、凹部の上壁に当接する。
【0011】
消費者がキャップを開けたいときには、キャップを開けさせるのに必要な余分な力を発揮し、キャップを開けさせると、バーブフラップは上部のアクセス壁に当接する位置から外れ、最終的に円筒状のプラグから外側に伸びる元の位置に戻る。
【0012】
キャップが閉じられると、キャップは、キャップ上の係止フラップによってさらに固定され、キャップは、キャップ基部上の凹部内にスナップ嵌めされて受け入れられる。
【0013】
キャップは、リビングヒンジを用いてキャップ基部に取り付けられることが望ましい。同様に、バーブフラップは、好ましくは、リビングヒンジを用いてプラグシリンダー壁に取り付けられる。
【0014】
本発明の上記及び他の特徴及び利点をより完全に理解するためには、好ましい実施形態の以下の詳細な説明及び添付の図面を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明のクロージャーを有するボトルの斜視図である。
【
図2】
図2は、容器から取り除いた、開放位置のキャップを有する、本発明のクロージャーの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す本発明の垂下プラグの斜視拡大図である。
【
図5】
図5は、
図4による断面であり、垂下プラグおよび拡大したクロージャー基部内の隣接する構造である。
【
図6】
図6は、クロージャー基部の一部を切り欠いた、閉鎖位置におけるプラグの斜視図である。
【
図7】
図7は、キャップを部分的に開いた状態での、本発明のクロージャーの斜視図である。
【0016】
発明の詳細な記載
クロージャー10は、キャップ基部12とキャップ16とを含む。キャップ基部12は、上面14と、上面から垂下する円筒状スカート13とを含む。スカート13は、以下に説明するように、キャップにロッキングフランジを受け入れるような形状の半円凹部40を含む。凹部40より下にあり、フィンガーアクセス凹部42があり、消費者はキャップ16を容易に開錠することができる。
【0017】
キャップ16は可動であり、リビングヒンジ18によってキャップ基部12に回動可能に取り付けられている。キャップ16を開放位置に配置すると、キャップ基部12の上壁60に開口部24が現れる。上壁60が、クロージャー12が固定されたパッケージからの液体の排出に対するバリアを構成することは明らかであろう。キャップ16はプラットフォーム22を含む。プラットフォーム22は、垂下する円筒状プラグ26を含む。キャップ円筒状側壁28は、プラットフォーム22から垂下する。
【0018】
プラグ26は、蓋16の下側から垂下する円筒状壁80を含む。壁80の端部において、キャップ16に取り付けられている端部とは反対側に、2つのバーブフラップ82がある。本発明は、2つのバーブフラップを有するものとして本明細書中に例示されているが、当業者は、特定の用途において、例えば、1本、3本、4本など、他の数が好ましいかどうかを容易に決定することができる。バーブフラップ82は、フラップが円筒状壁80に対して移動できるようにする薄いプラスチックヒンジ84によって円筒壁80に接続されている。好ましくは、キャップ開放位置において、バーブフラップ82は、円筒状壁に対する角度、例えば、
図3に見られる右手フラップのためのプラグの縦軸に対して約45~90度の角度、特に65~80度に配置される。
【0019】
円筒状壁80は、必要に応じて壁の直径が開口部24および壁88内にぴったりと収まるようにする長手方向スリット86を含む。円筒状プラグ26は、シールリング100で囲まれている。
【0020】
リビングヒンジ18で取り付けられる端部とは反対側の端部では、キャップ側壁28は、凹状のロッキングフランジ38を含む。キャップ16が閉じられると、ロッキングフランジ38がスナップして凹部40内に受け入れられ、蓋16を閉じてロックするのを助ける。
【0021】
基部14の開口部24は円筒状壁88によって規定される。円筒状壁88は、開口部の遠位にある端部に凹部90を含む。
【0022】
キャップは、例えば、
図2において開放位置に見られ、円筒状プラグ26は、キャップの開放コンフィギュレーションにおいて、
図3に示されている。消費者がパッケージの閉鎖を希望する場合、消費者はヒンジ18上でキャップを閉じて回転させる。円筒状壁80が開口部24に近づくと、バーブフラップ82は円筒状壁88に接触し、壁80に向かって曲がる。キャップ16が完全に閉鎖された場合、バーブフラップ82は、
図5に見られるように、好ましくは100~180度の角度で、凹部90内に収容され、特には、プラグの縦軸に対して110~175度、最も好ましくは120~170度で再度収容される。
【0023】
パッケージの出荷の間、または消費者によって輸送されるとき、例えば移動の間に、凹部90内及び凹部90の上壁94に当接するフラップ82の存在は、キャップ16を開けるために必要となる力の量を増加させ、それによって、不注意による開放の可能性を最小限に抑える。
【0024】
消費者は、クロージャー10およびボトル74を含むパッケージ11を受け取るであろう。パッケージを開くために、消費者は、自分の指を凹部42に挿入し、上方に持ち上げて、凹部40からフランジ38を引き上げて、蓋16を開ける。消費者は、上壁94に対するフラップ82の当接によって生じる抵抗を克服するために必要な余分な力を加え、それによってフラップ82がキャッププラットフォーム22から下方に回るようにし、キャップ16が開くと円筒状壁80が開口部24を通って上方に移動できるようにする。キャップ16が開かれ、プラグ26が開口部24から取り外されると、フラップ82は、ヒンジライン84の弾力性により、
図3に示される角度に戻る。
【0025】
典型的には、
図1から明らかなように、本発明のクロージャー10をボトル74または他の容器に固定する。ファスナー(図示せず)は、典型的には、クロージャーの下側に存在し、デボス(debossment)、エンボス等のような、ねじまたはスナップ嵌め機構を含むことができる。ボトルネックには、接合用スクリューまたはその他の固定構造が存在する可能性がある。
【0026】
キャップ16及びロッキングフランジ38は、
図1に見られるように、ボトルを固定した状態で出荷される間、閉じた、ロックされた位置にある。そのクロージャー位置において、ロッキングフランジ38は凹部40内に受け入れられ、円筒状プラグ26は開口部24内に密着してロック解除可能に受け入れられる。プラグ26の直径は、スナップ嵌めを提供するために、開口部24の直径よりもわずかに大きくすることができる。キャップ基部12とともにプラグ26は、ボトル74または他の容器から液体が排出されるのを防ぐ。
【0027】
電子商取引による輸送では、個々のパッケージでの製品の輸送が必要となることが多く、これは、多数の製品を輸送する際に製造業者がしばしば使用する製品パレットよりも安全性は低いかもしれない。本発明のクロージャーは、電子商取引の輸送中に包装が受ける追加的なストレスに応答した不注意なキャップの開放に対する保護の余分な手段を提供する。
【0028】
アダプターとリビングヒンジは、通常、ポリプロピレンまたはポリエチレン製である。消費後のポリプロピレンも含まれることがある。アダプターおよび/またはリビングヒンジは、Domoyらの米国特許第9,637,626号に記載されているヒンジ材料から作製されていてもよく、すなわちヒンジを有する成形品であり、成形品はポリマーであり、当該ポリマーは、第1の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂と、第1のHDPEとは異なる第2のHDPE樹脂との混合物を含み、混合される場合、第1の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂は、以下:
a.約0.5dg/分~10dg/分のメルトインデックス(I2,16)、
b.約0.940g/cm3~0.968g/cm3の密度、および
c.約25超のメルトフロー比(I21.6:I2.16);
を有し、第2のHDPE樹脂は、メルトフロー比(I21.6:I2.16)が約30未満である。Domoyらの米国特許第9,637,626号の開示は、ここに引用によりここに組み込まれる。このクロージャーは、一般的に、射出成形を用いて製造されるであろう。
【0029】
もちろん、ここに図示され記載されている本発明の特定の形態は、開示の明確な教示から逸脱することなく、その中で特定の変更がなされる可能性があるためにのみ代表的なものとなることを意図していることが理解されるべきである。
【0030】
したがって、本発明の全範囲を決定するに際し、以下の添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2021-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記:
a)キャップ(16):
b)開口部(24)を有するクロージャー基部(12)、
を含むクロージャー(10)であって、
c)前記キャップは、垂下するプラグを有し、前記垂下するプラグは、前記キャップが開放位置にあるときに、前記プラグから半径方向外側に延びる少なくとも1つのフラップ(82)を有し、前記少なくとも1つのフラップ(82)は、前記キャップ(16)の閉鎖時に前記フラップが上方に折り畳まれ、それによって、上方に延びるフラップが前記キャップの開口部(24)に干渉を与えるように変形可能であることを特徴とする、クロージャー(10)。
【請求項2】
前記開口部(24)が、円筒状の壁(88)によって規定される、請求項1に記載のクロージャー。
【請求項3】
前記キャップ(16)が閉じられているとき、前記壁(88)が、1以上のフラップ(82)を収容する凹部(40)を含む、請求項2に記載のクロージャー。
【請求項4】
前記キャップが閉じられているとき、前記凹部(40)が上壁を含み、1以上のフラップが前記上壁に当接する、請求項3に記載のクロージャー。
【国際調査報告】