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特表2022-519286気密で完全に充填された金属化スルーホールビア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】気密で完全に充填された金属化スルーホールビア
(51)【国際特許分類】
   C04B 41/88 20060101AFI20220314BHJP
   H01L 23/13 20060101ALI20220314BHJP
   H01L 23/15 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
C04B41/88 N
H01L23/12 C
H01L23/14 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545682
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 US2020014501
(87)【国際公開番号】W WO2020163078
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/801,418
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】マズンダー,プランティック
(72)【発明者】
【氏名】オコロ,チュクウディ アズバイケ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ア-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ポラード,スコット クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】サブバイヤン,ナヴァニータ クリシュナン
(57)【要約】
種々の実施形態によれば、物品は、第1の主面および第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスまたはガラスセラミックス基板と、基板を通って第1の主面から第2の主面に向かって、軸線方向に軸線方向長さLにわたって延在し、内面ならびに第1の軸線方向部分、第3の軸線方向部分および軸線方向に沿って第1の軸線方向部分と第3の軸線方向部分との間に配設された第2の軸線方向部分を画定するビアとを備える。この物品は、少なくとも第1の軸線方向部分および/または第3の軸線方向部分における内面に配設されたヘリウム気密接着層と、ビア内に配設され、ヘリウム気密接着層に接着された金属コネクタとをさらに備える。金属コネクタは、ビアの軸線方向長さLにわたってビアを完全に充填し、このビアは、30μm以下の最大直径Φmaxを有し、軸線方向長さLおよび最大直径Φmaxは、所定の式を満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
第1の主面(102)および前記第1の主面(102)の反対側の第2の主面(104)を有するガラスまたはガラスセラミックス基板(100)と、
前記基板(100)を通って前記第1の主面(102)から前記第2の主面(104)に向かって軸線方向に軸線方向長さLにわたって延在し、内面(114)ならびに第1の軸線方向部分(116)、第3の軸線方向部分(120)および前記軸線方向に沿って前記第1の軸線方向部分(116)と前記第3の軸線方向部分(120)との間に配設された第2の軸線方向部分(118)を画定する、ビア(110)と、
少なくとも前記第1の軸線方向部分(116)および/または前記第3の軸線方向部分(120)における前記内面(114)に配設されたヘリウム気密接着層(122)と、
前記ビア(110)内に配設され、前記ヘリウム気密接着層(122)に接着された、金属コネクタ(150)と
を備え、
前記金属コネクタ(150)は、前記ビア(110)の前記軸線方向長さLにわたって前記ビア(110)を完全に充填し、
前記ビア(110)は、30μm以下の最大直径Φmaxを有し、
前記軸線方向長さLおよび前記最大直径Φmaxは、式、すなわち
【数1】
を満たす、物品。
【請求項2】
前記ビアが、前記第1の主面における第1の直径と、前記第2の主面における第2の直径と、前記第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、前記第3の直径が前記第1の直径および前記第2の直径より小さい、請求項1記載の物品。
【請求項3】
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されており、前記最大直径Φmaxが27μm以下である、請求項1または2記載の物品。
【請求項4】
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分および/または前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されており、前記第2の軸線方向部分における前記内面には配設されておらず、前記最大直径Φmaxが25μm以下である、請求項1または2記載の物品。
【請求項5】
前記ビアが、前記第1の主面における第1の直径と、前記第2の主面における第2の直径と、前記第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、前記第1の直径が前記第2の直径および前記第3の直径より大きく、前記第3の直径が前記第2の直径より大きい、請求項1記載の物品。
【請求項6】
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されており、前記最大直径Φmaxが19μm以下である、請求項5記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2019年2月5日に出願された米国仮特許出願第62/801418号の優先権の利益を主張し、その内容は本明細書の依拠するところであって、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、一般的には、ガラスおよびガラスセラミックス基板中のビア、とりわけ、ガラスおよびガラスセラミックス基板中の、気密に封止されて完全に充填された金属化ビアに関する。
【背景技術】
【0003】
ビアを有するガラスおよびガラスセラミックス基板は、電気的インタフェース、RFフィルタおよびRFスイッチとして使用されるインターポーザとしての使用を含む多くの用途に望ましい。ガラス基材は、このような用途のためのシリコンおよび繊維強化ポリマーの魅力的な代替物となっている。
【0004】
このようなビアは導体での充填が望ましい。銅は、現在、このような導体に最も望ましい材料である。ただし、銅は、ガラスに十分に接着しない。特に、銅とガラスとの間の気密の封止が、幾つかの用途に望まれている。このような封止を得るのは困難である。銅がガラスに十分に接着しないため、また、多くの導体材料、例えば、銅と多くの望ましいガラスおよびガラスセラミックス基板組成物との熱膨張係数の大きな不整合のためである。加えて、銅がガラスに接着される場合、銅とガラスとの熱膨張係数の大きな不整合により、ガラス物品が高温処理に供された際に、ガラスの半径方向および/または円周方向のクラックが形成される場合がある。半径方向クラックは、マトリクスガラスによる銅の自由膨張拘束によって、加熱中に形成される。自由膨張拘束により、半径方向クラックの形成をもたらす高い応力蓄積がもたらされる。一方、円周方向クラックは、冷却中に形成される。銅の自由収縮はガラスマトリックスにより制限され、その結果、応力の蓄積と円周方向クラック形成がもたらされる。
【0005】
導体材料内にキャビティを有するコンフォーマル被覆により、応力の蓄積および円周方向クラックの形成を減少させることができるが、このようなキャビティは、後処理または使用中に腐食性材料で汚染され、その結果、導体材料が劣化するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、気密に封止されたスルーガラスビアを金属化するための代替方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
態様1による物品は、第1の主面および第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスまたはガラスセラミックス基板と、基板を通って第1の主面から第2の主面に向かって軸線方向に軸線方向長さLにわたって延在し、内面ならびに第1の軸線方向部分、第3の軸線方向部分および軸線方向に沿って第1の軸線方向部分と第3の軸線方向部分との間に配設された第2の軸線方向部分を画定する、ビアとを備える。物品はさらに、少なくとも第1の軸線方向部分および/または第3の軸線方向部分における内面に配設されたヘリウム気密接着層と、ビア内に配設され、ヘリウム気密接着層に接着された、金属コネクタとを備える。金属コネクタは、ビアの軸線方向長さLにわたってビアを完全に充填し、ビアは、30μm以下の最大直径Φmaxを有し、軸線方向長さLおよび最大直径Φmaxは、式、すなわち
【0008】
【数1】
【0009】
を満たす。
【0010】
態様2による物品は、ヘリウム気密接着層が、Ti、TiN、Ta、TaN、Cr、Niおよび金属酸化物を含む、態様1記載の物品を含む。
【0011】
態様3による物品は、金属コネクタが実質的に銅からなる、態様1または2記載の物品を含む。
【0012】
態様4による物品は、金属コネクタがビアを気密に封止する、態様1から3までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0013】
態様5による物品は、ビアが、第1の主面における第1の直径と、第2の主面における第2の直径と、第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、第3の直径が第1の直径および第2の直径より小さい、態様1から4までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0014】
態様6による物品は、ヘリウム気密接着層が、第1の軸線方向部分、第2の軸線方向部分および第3の軸線方向部分における内面に配設されている、態様5記載の物品を含む。
【0015】
態様7による物品は、最大直径Φmaxが27μm以下である、態様6記載の物品を含む。
【0016】
態様8による物品は、ヘリウム気密接着層が、第1の軸線方向部分および/または第3の軸線方向部分における内面に配設されており、第2の軸線方向部分における内面には配設されていない、態様5記載の物品を含む。
【0017】
態様9による物品は、最大直径Φmaxが25μm以下である、態様8記載の物品を含む。
【0018】
態様10による物品は、ビアが、第1の主面における第1の直径と、第2の主面における第2の直径と、第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、第1の直径が第2の直径および第3の直径より大きく、第3の直径が第2の直径より大きい、態様1から4までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0019】
態様11による物品は、ヘリウム気密接着層が、第1の軸線方向部分、第2の軸線方向部分および第3の軸線方向部分における内面に配設されている、態様10記載の物品を含む。
【0020】
態様12による物品は、最大直径Φmaxが19μm以下である、態様11記載の物品を含む。
【0021】
態様13による物品は、ヘリウム気密接着層が、第1の軸線方向部分および/または第3の軸線方向部分における内面に配設されており、第2の軸線方向部分における内面には配設されていない、態様10記載の物品を含む。
【0022】
態様14による物品は、最大直径Φmaxが17μm以下である、態様13記載の物品を含む。
【0023】
態様15による物品は、ビアが、第1の主面における第1の直径と、第2の主面における第2の直径と、第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、第1の直径が第2の直径および第3の直径に等しい、態様1から4までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0024】
態様16による物品は、ヘリウム気密接着層が、第1の軸線方向部分、第2の軸線方向部分および第3の軸線方向部分における内面に配設されている、態様15記載の物品を含む。
【0025】
態様17による物品は、ヘリウム気密接着層が、第1の軸線方向部分および/または第3の軸線方向部分における内面に配設されており、第2の軸線方向部分における内面には配設されていない、態様15記載の物品を含む。
【0026】
態様18による物品は、最大直径Φmaxが25μm以下である、態様17記載の物品を含む。
【0027】
態様19による物品は、ビアの軸線方向長さLが、150μm以上500μm以下である、態様1から18までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0028】
態様20による物品は、軸線方向長さLおよび最大直径Φmaxが、式、すなわち
【0029】
【数2】
【0030】
を満たす、態様1から19までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0031】
態様21による物品は、物品にはクラックがなく、物品が450℃の温度に加熱されて23℃の温度に冷却される前後で、10-5atmcc/s(約9.87×10-5Pa・m/s)未満のヘリウム透過性を有する、実施形態1から20までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0032】
態様22による物品は、基板が、少なくとも90質量%のシリカを含む、態様1から21までのいずれか1つ記載の物品を含む。
【0033】
態様23による、ガラス物品を製造する方法は、第1の主面および第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスまたはガラスセラミックス基板を通って第1の主面から第2の主面に向かって軸線方向に延在し、第1の軸線方向部分、第3の軸線方向部分および第1の軸線方向部分と第3の軸線方向部分との間に配設された第2の軸線方向部分を含むビアの内面部分にヘリウム気密接着層を堆積させるステップであって、ヘリウム気密接着層は少なくとも第1の軸線方向部分および/または第3の軸線方向部分におけるビアの内面に堆積される、ステップと、ビアの第1の軸線方向部分、第2の軸線方向部分および第3の軸線方向部分に金属コネクタを堆積させて、ビアを完全に充填するステップとを含む。金属コネクタは、ビアの軸線方向長さLにわたって軸線方向にビアを完全に充填し、ビアは、30μm未満の最大直径Φmaxを有し、軸線方向長さLおよび最大直径Φmaxは、式、すなわち
【0034】
【数3】
【0035】
を満たす。
【0036】
態様24による方法は、ヘリウム気密接着層が、Ti、TiN、Ta、TaN、Cr、Niおよび金属酸化物のうちの1つ以上を含む、態様23記載の方法を含む。
【0037】
態様25による方法は、金属コネクタが実質的に銅からなる、態様23または24記載の方法を含む。
【0038】
態様26による方法は、金属コネクタがビアを気密に封止する、実施形態23から25までのいずれか1つ記載の方法を含む。
【0039】
態様27による方法は、金属コネクタを堆積させるステップが、電気めっきを使用して金属コネクタを堆積させるステップを含む、態様23から26までのいずれか1つ記載の方法を含む。
【0040】
態様28による方法は、ヘリウム気密接着層を堆積させるステップが、ヘリウム気密接着層を、第1の軸線方向部分、第2の軸線方向部分および第3の軸線方向部分におけるビアの内面に堆積させるステップを含む、態様23から27までのいずれか1つ記載の方法を含む。
【0041】
態様29による方法は、ヘリウム気密接着層を堆積させるステップが、ヘリウム気密接着層を、第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分におけるビアの内面に堆積させ、第2の軸線方向部分における内面には堆積させないステップを含む、態様23から27までのいずれか1つ記載の方法を含む。
【0042】
態様30による方法は、基板が、少なくとも90質量%のシリカを含む、態様23から29までのいずれか1つ記載の方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】ビアを有する基板の斜視図を示す。
図2図1の線2-2’に沿った、ピンチ構成を有し、部分的に結合されたビアの断面を示す図である。
図3図1の線2-2’に沿った、ピンチ構成を有し、完全に結合されたビアの断面を示す図である。
図4図1の線2-2’に沿った、先細構成を有し、部分的に結合されたビアの断面を示す図である。
図5図1の線2-2’に沿った、先細構成を有し、完全に結合されたビアの断面を示す図である。
図6図1の線2-2’に沿った、円筒形構成を有し、部分的に結合されたビアの断面を示す図である。
図7図1の線2-2’に沿った、円筒形構成を有し、完全に結合されたビアの断面を示す図である。
図8】ビアを製造する方法についてのフローチャートを示す図である。
図9】モデリングに使用されるコンフォーマル銅被覆を有するビアの構成を示す図である。
図10A】本明細書に記載されたモデリングで使用される弾性的に完全な塑性材料についての応力-歪み関係のプロットを示す図である。
図10B】本明細書に記載されたモデリングに使用される銅の温度依存性降伏応力のプロットの図である。
図11】種々の銅被覆厚さ(x軸)についてモデリングされた第1の最大主応力およびモデリングされた最大半径方向応力(y軸)のプロットの図である。
図12】完全に充填され、部分的に結合されたビアについての種々のビア直径(x軸)について、モデリングされた第1の最大主応力(y軸)のプロットの図である。
図13】完全に充填され、完全に結合されたビアについての種々のビア直径(x軸)について、モデリングされた第1の最大主応力(y軸)のプロットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
特に断らない限り、本明細書に記載された任意の方法は、そのステップが特定の順序で行われることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置の特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図していない。したがって、方法の請求項に、そのステップが従うべき順序が実際に列記されていない場合または任意の装置の請求項に、個々の構成要素に対する順序もしくは向きが実際に列挙されていない場合またはステップが特定の順序に限定されるべきであることもしくは装置の構成要素に対する特定の順序もしくは向きが列記されていないことを特許請求の範囲もしくは説明に何らかの方法で具体的に記述されていない場合、いかなる点においても、順序または向きが推論されると決して意図されるものではない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序または構成要素の向きに関する論理の事項、文法編成または句読点から導き出される平易な意味および本明細書に記載された実施形態の数または種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基礎に当てはまる。
【0045】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、特に断らない限り、複数の指示対象を含む。このため、例えば、「a」が冠された構成要素への言及は、特に断らない限り、2つ以上のこのような構成要素を有する態様を含む。また、「または」なる語は、先行する「いずれか」(または「または」が、排他的であること-例えば、xまたはyの一方のみなどを明確に意味することを示す他の同様の語)無しに使用される場合、包括的であると解釈されるべきである(例えば、「xまたはy」は、xまたはyの一方または両方を意味する)。
【0046】
また、「および/または」なる用語も、包含的であると解釈されるべきである(例えば、「xおよび/またはy」は、xまたはyの一方または両方を意味する)。「および/または」または「または」が、3つ以上の項目の群のための連合として使用される場合、この群は、1つの項目のみ、全ての項目を合わせてまたはこれらの項目の任意の組み合わせもしくは数を含むと解釈されるべきである。さらに、本明細書および特許請求の範囲に使用される用語、例えば、有する(have)、有する(having)、含む(include)および含む(including)は、含む(comprise)および含む(comprising)なる用語と同義であると解釈されるべきである。
【0047】
本明細書で使用する場合、「約」なる用語は、量、サイズ、配合、パラメータならびに他の量および特性が、正確ではなくかつ正確である必要はなく、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差などおよび当業者に公知の他の要因を反映して、近似でありかつ/または必要に応じてより大きいもしくはより小さい場合があることを意味する。「約」なる用語が、範囲の値または終点を説明するのに使用される場合、本開示は、言及される特定の値または終点を含むと理解されるべきである。本明細書における範囲の数値または終点が、「約」を列記するか否かにかかわらず、範囲の数値または終点は、2つの実施形態を含むことが意図され、1つの実施形態は、「約」により修飾され、もう1つの実施形態は、「約」により修飾されていない。範囲の両終点は、他の終点に関連してかつ他の終点とは独立して、両方とも明らかであるとさらに理解されたい。
【0048】
全ての開示範囲は、各範囲に包含される任意および全ての部分範囲または任意および全ての個々の値を列記する特許請求の範囲を包含し、特許請求の範囲についての支持を提供するものと理解されたい。例えば、1~10の記載された範囲は、1の最小値と10の最大値との間および/またはそれらを含む任意および全ての部分範囲または個々の値を列記する特許請求の範囲についての支持を含みかつ提供するものとみなされるべきである。すなわち、1以上の最小値で始まって10以下の最大値で終わる全ての部分範囲(例えば、5.5~10、2.34~3.56など)、または1~10の任意の値(例えば、3、5.8、9.9994など)である。
【0049】
ビアを有するガラスおよびガラスセラミックス基板
ビアを有するガラスおよびガラスセラミックス基板は、多くの用途に望ましい。例えば、インターポーザの一方の側に論理デバイスを接続し、インターポーザの他方の側にメモリを接続するスルーパッケージビア(TPV)相互接続を有する3Dインターポーザは、高帯域幅デバイスに望ましい。現在の基板は、有機材料またはシリコンのいずれかから形成される。しかしながら、有機インターポーザは寸法安定性が悪いという問題があり、一方、シリコンウエハは高価で、誘電損失が高いという問題がある。ガラスおよびガラスセラミックは、その比較的低い誘電率、熱安定性および比較的低いコストのために、優れた基板材料であることができる。スルーガラスビア(TGV)を有するガラスまたはガラスセラミックス基板の用途がある。これらのビアは、典型的には、電気経路を形成するために、導電性金属、例えば、銅で完全にまたはコンフォーマルに充填される必要がある。銅は、特に望ましい導電性金属であるが、ガラスに十分に接着せず、銅と多くの基板組成物との熱膨張係数には大きな不整合がある。銅とガラスとの熱膨張係数の大きな不整合により、ガラス物品が高温処理に供された場合、ガラスの半径方向および/または円周方向のクラックの形成がもたらされる場合がある。したがって、本明細書に記載された種々の実施形態は、高温処理に供された際に、基板にクラックを生じさせることなく、ビアを銅で完全に充填することを可能にするように、臨界閾値未満の直径に制限されるビアを有する。
【0050】
図1に、部分斜視図で模式的に示されている基板100を備える物品を示す。基板100は、第1の主面102と、第1の主面102の反対側の第2の主面104とを備える。複数のビア110は、第1の主面102から第2の主面104まで、基板100のバルクを通って延在している。金属コネクタ150は、ビア110を充填する。任意の数のビア110は、任意の配置で基板100を通って延在しうると理解されたい。座標マーカ101は、第1の主面102および第2の主面104の平面に対して垂直な軸線方向寸法zの方向を示す。特に断らない限り、ビアまたは金属コネクタの「長さ」は軸線方向寸法zである。本明細書において、軸線方向寸法である軸線方向長さLと称される場合がある基板100の厚さtは、用途に応じて任意の適切な厚さとすることができる。
【0051】
種々の実施形態では、基板100は、任意の適切なガラスまたはガラスセラミックス基板を備えることができる。幾つかの特定の実施形態では、高シリカガラスまたはガラスセラミックス基板が、その誘電特性のために、特定の用途に望ましい。例えば、50モル%、55モル%、60モル%、65モル%、70モル%、75モル%、80モル%、85モル%、90モル%、95モル%もしくは100モル%または終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)のシリカ含量を有するガラスまたはガラスセラミック材料を使用することができる。50モル%~100モル%または75モル%~100モル%のシリカ含量を有するガラスまたはガラスセラミックス材料を使用することができる。特定の実施形態では、基板は、少なくとも90質量%のシリカを含む。
【0052】
本明細書に記載された寸法を有する基板について、少なくとも2つの理由で、高シリカガラスにおいて、銅金属コネクタにより気密封止ビアを達成するのは特に困難である。第一に、銅は、ガラスに十分に接着しない。第二に、銅と高シリカガラスとの間のCTE不整合が特に大きく、これにより、基板が熱サイクルに供された場合、基板のクラック形成がもたらされる場合がある。本明細書に記載された物品および方法は、これらの理由にもかかわらず、優れた応力緩和メカニズムを提供することにより気密の封止を達成する。
【0053】
図2図7に、線2-2’に沿った図1の断面として模式的に示されている基板100を備える物品を示す。図2図7に、図1の基板100、座標マーカ101、第1の主面102、第2の主面104、ビア110および金属コネクタ150を示す。ビア110の内面114は、第1の軸線方向部分116と、第2の軸線方向部分118と、第3の軸線方向部分120とに分割されている。ヘリウム気密接着層122は、第1の軸線方向部分116および第3の軸線方向部分120におけるビア110の内面114に配設されている。実施形態において、ヘリウム気密接着層122は、第1の軸線方向部分116および/または第3の軸線方向部分120の少なくとも一方の全周に沿ってビア110の内面114に配設されている。したがって、図2図7では、ヘリウム気密接着層122が少なくとも第1の軸線方向部分116および第3の軸線方向部分120に位置するものとして示されているが、他の実施形態では、ヘリウム気密接着層122は、第1の軸線方向部分116に位置するが第3の軸線方向部分120に位置しない場合があり、または第3の軸線方向部分120に位置するが第1の軸線方向部分116に位置しない場合があることが企図される。幾つかの実施形態、例えば図2図4および図6に示される実施形態では、ヘリウム気密接着層122は、第2の軸線方向部分118には存在しない。このような実施形態は、「部分的に結合された」と称される。ただし、他の実施形態、例えば図3図5および図7に示される実施形態では、ヘリウム気密接着層122は、第2の軸線方向部分118にも存在し、第1の主面102から第2の主面104まで軸線方向全長に沿って延在する。このような実施形態は、「完全に結合された」と称される。部分的に結合された実施形態では、ヘリウム気密接着層122は、第2の軸線方向部分118には存在せず、したがって、金属コネクタ150は、第2の軸線方向部分118に沿って内面114にそれほど強く結合していない。
【0054】
本明細書で使用する場合、「ヘリウム気密接着層」なる表現は、金属コネクタ150をビア110の内面114に接着することにより、真空系ヘリウム漏出試験システムを使用して測定された場合、10-5atmcc/s(約9.87×10-5Pa・m/s)未満の透過率でヘリウムに対する気密性を提供する接着層を意味する。幾つかの実施形態では、接着層は、10-8atmcc/s(約9.87×10-8Pa・m/s)未満の透過率でヘリウムに対する気密性を提供する。適切なヘリウム気密接着層材料は、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)などの金属または酸化亜鉛、酸化タングステンおよび酸化マンガンなどの金属酸化物または窒化チタン(TiN)および窒化タンタル(TaN)などの窒化物を含む。種々の実施形態では、ヘリウム気密接着層は、Ti、TiN、Ta、TaN、Cr、Niおよび金属酸化物のうちの1つ以上を含む。ヘリウム気密接着層は、1nm以上500nm以下の厚さを有する。例えば、幾つかの特定の実施形態では、ヘリウム気密接着層は、約100nmの厚さを有する。
【0055】
幾つかの実施形態、例えば、部分的に結合された実施形態では、第1の軸線方向部分116または第3の軸線方向部分120の軸線方向長さは、「接着長さ」と称することができる。金属コネクタ150がそれに沿って基板100に強く接着するビア110内の長さであるためである。幾つかのこのような実施形態では、接着長さは、5μm以上148μm以下である。接着長さは、10μm以上135μm以下、10μm以上130μm以下、10μm以上125μm以下、10μm以上120μm以下、10μm以上115μm以下、15μm以上140μm以下、15μm以上135μm以下、15μm以上130μm以下、15μm以上125μm以下、15μm以上120μm以下、20μm以上140μm以下、20μm以上135μm以下、20μm以上130μm以下、20μm以上125μm以下、25μm以上140μm以下、25μm以上135μm以下、25μm以上130μm以下、130μm以上140μm以下、30μm以上35μm以下または35μm以上140μm以下であることができる。幾つかの実施形態では、接着長さは、40μm以上140μm以下、40μm以上130μm以下、40μm以上120μm以下、40μm以上110μm以下、40μm以上100μm以下、40μm以上90μm以下、40μm以上80μm以下、40μm以上70μm以下または40μm以上60μm以下である。例えば、接着長さは、約40μm、50μm、60μmまたは70μmであることができる。種々の実施形態では、他の接着長さを利用することができることが企図される。
【0056】
ビア110は、本明細書において、ビア110の軸線方向長さLと称される場合がある、軸線方向のビア長さ130を有する。完全に結合された実施形態では、接着長さは、ビア長さ130に等しくてもよい。このビア110は、第1の主面102における第1の直径132a、第2の主面104における第2の直径132bおよび第2の軸線方向部分118における第3の直径132cを有する。
【0057】
図2図7に示されているように、金属コネクタ150は、第1の主面102から第2の主面104まで、ビア110の軸線方向長さLにわたって、ビア110を完全に充填し、これにより、金属コネクタ150におけるキャビティ内の汚染の可能性を排除する。金属コネクタを、任意の適切な金属から形成することができる。幾つかの実施形態では、銅は、その特に高い導電率のために、望ましい金属であることができる。金、銀および他の導電性金属ならびに導電性金属の合金を使用してもよい。実施形態において、金属コネクタは、銅を含む。幾つかの特定の実施形態では、金属コネクタは実質的に銅からなる。ビア110内に接着され、金属コネクタ150は、ビア110を気密に封止する。
【0058】
ビアの形状
本明細書に記載された実施形態では、ビア110は、種々の形状のうちの任意の1つを有することができる。図2および図3に示されている実施形態では、ビア110は、第1の主面102における第1の直径132aおよび第2の主面104における第2の直径132bから、第3の直径132cに等しいウエスト直径を有するウエスト125まで先細となるまたは狭くなる先細内面114を有する。このような構成は、本明細書において、完全に充填されたピンチ状ビアまたはFPVと称される。本明細書で使用する場合、ビアの「ウエスト」は、最小直径を有する可変直径ビアの部分を指す。これらの実施形態では、ビア110の直径は、軸線方向位置の関数として変化させることができる。ビア110の全ての「直径」が、最大直径Φmaxである。特に断らない限り、「ビア直径」は、最大直径を指す。ビア110が円形でない場合、ビア110の「直径」は、軸線方向に対して垂直な平面において、ビア110と同じ断面積を有する円の直径である。
【0059】
ビアウエスト125は、ビアの軸線方向長さに沿った最小直径を有する。第1の直径の割合としてのビアウエストの直径は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)であることができる。第2の直径の割合としてのビアウエストの直径は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)であることができる。ビアウエストの直径は、第1の直径の75%以下であることができ、ビアウエストの直径は、第2の直径の75%以下であることができる。ビアウエストの直径は、第1の直径の20%~50%以下であることができ、ビアウエストの直径は、第2の直径の20%~50%以下であることができる。種々の実施形態では、第3の直径132cまたはビアウエストは、10μm以上30μm以下である。第3の直径132cは、20μm以上30μm以下または22μm以上27μm以下であることができる。例えば、第3の直径132cは、10μm、15μm、20μm、22μm、25μm、27μmまたは30μmであることができる。種々の実施形態では、第1の直径132aに対する第3の直径132cの比は、1:6以下、1:5以下、1:4以下、1:3以下もしくは1:2以下であり、かつ/または第2の直径132bに対する第3の直径132cの比は、1:6以下、1:5以下、1:4以下、1:3以下もしくは1:2以下である。
【0060】
ビア110は、場合により、応力集中を低減するために、ビアウエスト125におけるものを含む内側縁部に、丸みを帯びたフィレット124を有する。本明細書で使用する場合、「フィレット」は、ビア110の内側コーナーに沿った丸みを帯びたコーナーを指す。このような丸みを帯びたフィレットを、ビアの形状における任意の縁部に使用することができる。丸みを帯びたフィレット124は、任意の適切な直径、例えば、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mmまたは終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)を有することができる。他の直径を使用してもよい。
【0061】
ビア110は、フィレット124で傾斜が変化する2つの明確な傾斜を有する内面114を有する。ビア110は、第1の主面102および第2の主面104のそれぞれからウエスト125までの単一の傾斜、図2に例示されているような2つの傾斜またはより複雑な形状を有することができる。傾斜のうちの1つ以上は、図2に示されているように、第1の主面102および第2の主面104に対して垂直であることができる。
【0062】
図4および図5に示されている実施形態では、ビア110は、第1の主面102における第1の直径132aから第2の主面104における第2の直径132bに向かって先細となるまたは狭くなる先細内面114を有する。また、ビア110は、第1の直径132aより小さく、第2の直径132bより大きい第2の軸線方向部分内に位置する第3の直径132cも含む。したがって、第1の直径132aは第2の直径132bおよび第3の直径132cより大きく、第3の直径132cは第2の直径132bより大きい。このような構成は、本明細書において、完全に充填された先細ビアまたはFTVと称される。このような実施形態では、第1の直径132aが、最大ビア直径Φmaxである。
【0063】
図6および図7に示されている実施形態では、ビア110は、第1の主面102および第2の主面104に対して垂直な内面114を有する。このビアは、第1の主面102における第1の直径132aと、第2の主面104における第2の直径132bと、第1の直径132aおよび第2の直径132bに等しい第2の軸線方向部分における第3の直径132cとを有する。このような構成は、本明細書において、完全に充填された円筒形ビアまたはFCVと称される。このような実施形態では、ビア110の直径は、軸線方向位置と共に一定である。
【0064】
ビア110は、任意の適切なビア長さ130または軸線方向長さLを有することができる。非限定的な例として、基板100の厚さ(およびビア長さ130)は、150μm、180μm、240μm、300μm、360μm、420μm、480μm、500μmまたは終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)であることができる。幾つかの実施形態では、厚さtおよびビア長さは、150μm~500μmまたは200μm~360μmである。
【0065】
ビア110は、任意の適切な第1の直径132a、第2の直径132bおよび第3の直径132cを有することができる。非限定的な例として、これらの直径は、5μm、10μm、13μm、15μm、17μm、19μm、20μm、21μm、22μm、24μm、25μm、27μm、30μmまたは終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)であることができる。幾つかの実施形態では、ビア直径は、1μm以上30μm以下、1μm以上25μm以下、1μm以上19μm以下または1μm以上17μm以下であることができる。以下でより詳細に記載されるであろうように、種々の実施形態では、ビア110の最大直径Φmaxは、ビアの形状および金属コネクタが部分的にまたは完全に結合されているかどうかに応じて、応力を低減し、基板のクラックを防止するために、30μm以下、27μm以下、25μm以下、24μm以下、22μm以下、21μm以下、19μm以下、さらに17μm未満、15μm以下またはさらに13μm未満である。
【0066】
幾つかの実施形態では、ビア110は、30μm以下、27μm以下または24μm以下の最大直径Φmaxを有する、完全に充填されて完全に結合された円筒形ビアである。他の実施形態では、ビア110は、25μm以下、22μm以下または19μm以下の最大直径Φmaxを有する、完全に充填されて部分的に結合された円筒形ビアである。さらに他の実施形態では、ビア110は、19μm以下、17μm以下または15μm以下の最大直径Φmaxを有する、完全に充填されて完全に結合された先細ビアである。他の実施形態では、ビア110は、17μm以下、15μm以下または13μm以下の最大直径Φmaxを有する、完全に充填されて部分的に結合された先細ビアである。他の実施形態では、ビア110は、27μm以下、24μm以下または21μm以下の最大直径Φmaxを有する、完全に充填されて完全に結合されたピンチ状ビアである。さらに他の実施形態では、ビア110は、25μm以下、22μm以下または19μm以下の最大直径Φmaxを有する、完全に充填されて部分的に結合されたピンチ状ビアである。
【0067】
第1、第2および第3の軸線方向部分の軸線方向長さは、任意の適切な長さであることができる。種々の実施形態では、低い最大主応力とヘリウム気密性との組み合わせを達成する長さが選択される。幾つかの実施形態では、第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分は、ビアの長さの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%および40%または終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)から独立して選択される長さを有する。第2の軸線方向部分は、ビアの長さの20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%もしくは98%または終点としてのこれらの値の任意の2つを有する任意の範囲(終点を含む)の長さを有する。第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分は、ビアの長さの2%~40%の長さを有することができ、一方、第2の軸線方向部分は、ビアの長さの20%~96%の長さを有する。
【0068】
種々の実施形態では、ビアは、150μm~500μmのビア長さおよび1μm~30μmのビア直径を有する高アスペクト比ビアである。本明細書で使用する場合、「アスペクト比」は、ビアの平均直径に対するガラス基板の平均厚さの比を指す。「高アスペクト比」は、3超のアスペクト比を指す。
【0069】
本明細書に記載された種々の実施形態では、ビア110は、次式、すなわち
【0070】
【数4】
【0071】
を満たす軸線方向長さLおよび最大直径Φmaxを有する。
【0072】
幾つかの実施形態では、ビア110は、次式、すなわち
【0073】
【数5】
【0074】
を満たす軸線方向長さLおよび最大直径Φmaxを有する。
【0075】
従来から、アスペクト比(L/Φmax)が重要なパラメータとして使用されているが、比率L/(Φmax1/2は、スルービアの無電解めっきと電気めっきとの両方に関連する困難性により関連する可能性があることが見出された。例えば、同じアスペクト比を有する2つのスルーガラスビアの幾何学的形状は、異なるL/(Φmax1/2値を有する場合があり、より高いL/(Φmax1/2値を有する方が金属化がより困難であるのを示すことができる。理論に拘束されるものではないが、ビア中心への銅イオンの拡散速度が、自己触媒的理由(無電解めっきの場合)または電荷移動反応(電気めっきの場合)のいずれかのために、側壁での反応によるその消耗と比較して十分に速くなければならないという事実から、困難が生じると考えられる。系の拡散-反応式の理論的分析から、拡散/反応比は、L/(Φmax1/2に比例することが示される。特に、L/(Φmax1/2の値が大きいほど、銅の消耗によりビア内部に欠陥を形成することなく金属化を行うことがより困難になる。
【0076】
製造方法
先細形状を有するスルーガラスビアを、任意の適切な方法により製造することができる。1つの方法は、レーザにより基板100内にダメージトラックを形成し、続いて、エッチングすることである。例示的な方法は、米国特許第9656909号明細書および米国特許出願第62/588615号明細書に記載されており、それらの内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。別の方法は、感光性ガラスをレーザで修飾し、続いて、エッチングすることである。
【0077】
図8に、スルーガラスビアを金属化するための方法を示すフローチャートを示す。ステップ810において、ヘリウム気密接着層を、少なくとも第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分におけるビアの内面に堆積させる。その後のステップ820において、金属コネクタを、当該金属コネクタが少なくとも第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分においてヘリウム気密接着層に接着するように、ビア内に堆積させる。
【0078】
ヘリウム気密接着層を、任意の適切な方法により、第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分ならびに場合により、第2の軸線方向部分の内面に堆積させることができる。例えば、z次元における第1の軸線方向部分および第3の軸線方向部分の長さを、視線堆積法、例えばスパッタリングを使用しかつ堆積角度を調整することにより、容易に制御することができる。接着長さがビアの内面の全周囲で一定であることを確保するために、基板を堆積中に回転させてもよい。
【0079】
金属、金属酸化物または金属窒化物から形成された薄膜の形態にあるヘリウム気密接着層を、多くの異なる方法、例えばスパッタリング、Eビーム堆積、イオンビーム堆積、原子層堆積、化学蒸着および溶液被覆を使用してガラス表面に適用することができる。
【0080】
金属コネクタを、任意の適切な手段により堆積させることができる。銅(および他の金属)を堆積させるための1つの適切な方法は、ヘリウム気密接着層上に触媒、例えばPdを堆積させ、続いて、銅を無電解堆積させ、続いて、銅を電気めっきすることである。種々の実施形態では、電気めっきプロセスは、金属塩、支持電解質および添加剤を含む電気めっき浴の使用ならびに1.5mA/cm以上5mA/cm以下または1.5mA/cm以上2.5mA/cm以下の電流密度での電流の適用を含む。金属塩は、金属コネクタを形成する金属の塩、例えばCuSOであることができる。
【0081】
別の適切な方法は、金属材料がビアの「頂部」に到達するまで、金属材料が成長し続け、ビアを充填することができるように、ビアの「底部」に金属コネクタを堆積させ、金属を堆積させ続けることを含むことができる。このようなプロセスは、「ボトムアップ電解めっき」と称される場合がある。
【0082】
金属コネクタを堆積させるための他の適切な方法は、ビアに金属ペーストを充填することおよび焼結または化学蒸着(CVD)を含む。銅を堆積させるのに適した方法は、米国特許出願公開公報第2017-0287728号明細書(例えば、段落[0004]~[0005]を参照のこと)にさらに記載されており、その内容全体を参照により援用するものとする。
【0083】
熱サイクル
充填されたビアを有するガラスおよびガラスセラミックス基板は、多くの場合、熱サイクルに供される。この熱サイクルは、デバイス動作中またはビア充填に続く製造ステップ中に発生しうる。幾つかの実施形態では、例えば、ガラス基板は、アニーリングのための熱サイクルに供される場合がある。
【0084】
上述したように、銅および他の金属の熱膨張係数(CTE)と多くのガラスおよびガラスセラミックス材料のCTEとの間には大きな不整合がある。CTEの不整合のために、加熱時に、金属コネクタは、周囲のガラスまたはガラスセラミックス基板より急速に膨張する。同様に、冷却時に、金属コネクタは、周囲の基板より急速に収縮する。この膨張および収縮の差により、多くの破損メカニズム、例えば、層間剥離またはクラックにつながる場合がある応力が生じる。これらの破損メカニズムは、気密性の喪失および他の問題を引き起こす場合がある。
【0085】
層間剥離は、1つの破損メカニズムである。層間剥離は、導電性金属、例えば、銅がビアの内部から剥離する時に発生する。導体と基板との間に弱い結合がある場合、熱サイクルにより生じる応力により、層間剥離がもたらされる可能性がある。層間剥離は、気体および液体が剥離した金属コネクタとビアの内面との間の境界に沿って基板に侵入する可能性があるため、気密性の喪失につながる可能性がある。
【0086】
層間剥離は、基板と金属コネクタとの間に十分に強い結合を形成することにより低減しまたは排除することができる。基板と金属コネクタとの間のビアの内面に配設されたヘリウム気密接着層を使用して、このような結合を形成することができる。本明細書で使用する場合、「接着層」は、23℃~450℃の熱サイクルに耐えるように十分に強力な金属コネクタと基板との間の結合をもたらす任意の層または表面処理を指す。
【0087】
層間剥離は、金属コネクタと基板との間に強力な結合を形成することにより防止することができるが、このより強力な結合は、熱サイクル中に金属コネクタが基板に対して移動するのを妨げてしまう。その結果、熱サイクルにより、クラックおよび気密性の喪失をもたらす基板内の応力を生じさせる場合がある。
【0088】
ガラス中心における応力場を予測するための弾性における古典的Lame問題に対する2D平面-歪みの解法は、
【0089】
【数6】
【0090】
の通りである。
【0091】
式中、σおよびσθはそれぞれ、半径方向応力および円周方向応力であり、ε=(α-α)ΔTは、熱負荷ΔTによる不整合歪みである。材料特性α、Eおよびνは、CTE、ヤング率およびポアソン比であり、それぞれビア(ファイバ)およびガラス(マトリックス)についての添え字fおよびmを有する。
【0092】
破損は、熱サイクルの加熱部と冷却部との両方で発生する場合がある。加熱中、膨張の不整合が最も大きくなるのは、最も高温においてである。基板内の応力の大部分は、より高い温度で圧縮性である。金属コネクタが、基板より膨張しているためである。加熱中に優勢なガラス中の円周方向引張応力により、金属コネクタの周りに、半径方向のクラックがもたらされる場合がある。この引張応力は、次のビアに伝播する場合がある。冷却中、収縮の不整合が最も大きくなるのは、最低温度においてである。基板内の応力の大部分は、金属コネクタが基板より大きく収縮するため、より低い温度で引張性である。冷却中に優勢な半径方向応力により、クラックがもたらされる場合がある。半径方向応力は、表面近くのガラス中で引張性であり、ガラスの円周方向クラック(Cクラック)を引き起こす場合がある。加熱と冷却との両方について、界面に沿ったせん断応力の存在により、層間剥離により界面破損が誘引される場合がある。
【0093】
熱サイクルの冷却部の終了に向かって、金属コネクタ150は、CTEの差異により、基板100より多く収縮している。金属コネクタ150が、基板100に接着しているため、金属コネクタ150の収縮により、基板100が引っ張られ、基板100が、引張応力下に置かれる。応力緩和のための十分な自由度がなければ、この引張応力により、基板100内に微小クラックが生じるであろうし、次に、気密性の喪失が生じる場合がある。
【0094】
本明細書に記載された種々の実施形態は、熱サイクルに供された後に、ヘリウム気密性を示すことができ、クラックを示さない。とりわけ、種々の実施形態では、物品にはクラックがなく、物品が450℃の温度に加熱されて23℃の温度に冷却された前後において、10-5atmcc/s(約9.87×10-5Pa・m/s)未満、さらには、10-8atmcc/s(約9.87×10-8Pa・m/s)未満のヘリウム透過性を有する。本明細書に記載された種々の実施形態では、ビア110の最大直径Φmaxを30μm以下に維持することにより、ヘリウム気密性が提供され、一方で、微小クラックを発生させるのに十分な量の引張応力を発生させることなく、基板および金属コネクタを異なる速度で収縮させることが可能である。
【0095】
モデリング
モデリングのために、図9の幾何学的形状を使用した。この場合、ビアの内面は、ビアが完全に充填されているウエストの両側に37.5μm分、75μmの軸線方向長さ以外は全て銅によりコンフォーマルに被覆されている。ビア長さは、300μmとした。第1の直径および第2の直径は、それぞれ50μmとした。50μmの直径は、両面から軸線方向長さに沿って50μmの距離について維持される。表面から50μmで始まって、ビアは、軸線方向長さに沿って中間であるウエスト125において、20μmの直径まで内向きに先細となっている。第1の主面および第2の主面の両方には、厚さ20μmの銅の被覆が存在する。モデリングの結果は、金属コネクタ内にキャビティを有し、金属コネクタと基板との間の強力な結合を伴わない第2の軸線方向部分を有する他のビアおよび金属コネクタ形状にまで及ぶであろうことが期待される。
【0096】
実際のデバイスを製造するための1つのプロセスフローにおいて、接着された銅被覆を含む図9の幾何学的形状は、最も厳しい熱サイクルが発生する場合に提供される。その後、この被覆を除去し、更なる処理が行われてもよい。ただし、図9の幾何学的形状は、本明細書においてモデリングされた熱サイクルに関連性を有する。
【0097】
モデリングは、Ryu SK, Lu KH, Zhang X, Im JH, Ho PS, Huang R. Impact of near-surface thermal stresses on interfacial reliability of through-silicon vias for 3-D interconnects. IEEE Transactions on Device and Materials Reliability. 2011 Mar;11(1):35(以降「Ryu」とする)から引き出された理論に基づく。Ryuによれば、ビアがウエハ内に配置された時のビアおよびウエハの表面応力を予測するための分析的解法が存在する。ただし、厚さから応力を予測するための閉形式(closed form)は存在しない。したがって、モデリングが必要である。モデリングのために、有限板における1つの単独孔をモデリングした。2次元の軸対称性を仮定し、約0.5μmの十分に小さなメッシュサイズを使用する。ANSYS v.19構造モデリングソフトウェアを使用して、モデリングを行った。
【0098】
モデリングのために、ガラスは、弾性的であり、溶融シリカの特性:E(ヤング率)=73GPa、ν(ポアソン比)=0.17およびα(熱膨張係数)=0.55ppm/℃を有すると仮定した。銅は、弾性的に完全な塑性特性を有し、温度依存性降伏応力を有すると仮定した。図10Aに、弾性的に完全な塑性材料のための応力-歪み関係を示すグラフ1000を示す。図10Bに、温度依存性銅降伏応力を示すグラフ1010を示す。モデリングに使用された銅の弾性特性は、E(ヤング率)=121GPa、ν(ポアソン比)=0.35およびα(熱膨張係数)=17ppm/℃であった。また、銅ビアおよび溶融シリカを含む系は、25℃で応力のない状態にあったと仮定した。モデリングでは、25℃から400℃までおよび25℃に戻す熱サイクル後の応力を計算した。
【0099】
ガラスにクラックが発生する場合、第1の主応力が最も大きい箇所、すなわち、「第1の最大主応力」において、最初にクラックが発生するであろう。図9を参照すると、モデリングから、2点で最も高い第1の主応力が示されている。まず、線190に沿って基板100の表面に高い最大主応力が存在し、ヘリウム気密接着層122と基板100との間の界面からの距離が短かった。この高応力の第1の点は、サンプルで観察された破損メカニズム、表面の微小クラックに対応する。
【0100】
第二に、点192に最大主応力が存在した。この点はクラックの発生および伝播を誘引するのに優勢な応力成分である。図11に、種々の銅壁厚さについての線190に沿った、モデル化された第1の最大主応力および最大半径方向応力のプロットを示す。図11に示されているように、半径方向応力および第1の最大主応力の両方の最大値は、温度と共に指数関数的に大きくなる。12μm以上の被覆厚さでは、第1の最大主応力および最大半径方向応力の両方が、閾値(図9に示されている構成では、第1の最大主応力については140MPaおよび最大半径方向応力については80MPa)を満たすかまたは超える。
【0101】
追加の実験において、ウエハを400℃の最高温度でアニーリングした後に、種々の銅被覆厚さについて、クラックを有するビアの割合を調べた。被覆厚さを第1の主面または第2の主面で測定し、被覆厚さ測定の整数に基づいてグループを形成した。すなわち、グループ「8μm」は、8.00μm~8.99μmの被覆厚さを含み、グループ「9μm」は、9.00μm~9.99μmの被覆厚さを含む、などである。実験データに基づけば、被覆厚さが12μm以上になるまで、ビアにクラックが発生しない。モデリングおよび実験データに基づいて、クラック形成のための閾値応力を、第1の最大主応力について140MPaおよび半径方向応力について80MPaに対応すると決定した。したがって、この応力閾値を下回る値については、クラックは発生しないと予想される。
【0102】
最大主応力についての140MPaの臨界閾値を使用して、完全に充填された構成、例えば、図2図7に示されている構成において必要とされるクラックのないビア直径を決定するために、モデリングを使用した。図9に示されている金属化コンフォーマル銅構成の同じ材料入力を、完全に充填されたビア構成のモデリングに使用した。先細構成について、テーパ比5:3(最大直径:最小直径)を使用した。
【0103】
モデルに使用されたメッシュサイズに関連する応力計算の変動性を説明するために、±10%の誤差を適用した。したがって、126MPaの下限を使用して、完全に充填されたビアにおけるクラックの除去に必要な臨界ビア直径を決定した。
【0104】
図12は、部分的に結合されて完全に充填されたビアについての、ビア周囲の予測されたガラス表面応力を示すプロットである。図2および図6に示されている構成(それぞれFPVおよびFCV)については、25μm以下の直径で臨界応力閾値の下限に達する。一方、図4に示されている構成(FTV)は、17μm以下の直径で臨界応力閾値に達する。したがって、FCVおよびFPVビア形状構成により、部分的に結合されたクラックのない、気密で完全に充填されたビアを提供するための最も大きなビア直径の許容範囲が可能となる。
【0105】
図13は、完全に接着されて完全に充填されたビア周囲の予測されたガラス表面応力を示すプロットである。モデリングに基づいて、図3に示されている構成(FPV)は、27μm以下の直径で臨界応力閾値に達し、図7に示されている構成(FCV)は、30μm以下の直径で臨界応力閾値に達し、図5に示されている構成は、19μm以下の直径で臨界応力閾値に達する。種々のビア構成および結合パラメータについてのモデリングの結果を、表1にまとめる。
【0106】
【表1】
【0107】
表1に示されているデータから分かるように、完全に結合されたビア構成は、部分的に結合されたビア構成より大きな直径を支持することができる。理論に拘束されるものではないが、完全に結合された構成では、応力が基板の中心および表面近傍に集中しうる部分的に結合された構成とは対照的に、ガラスの厚さ全体にわたって、応力のより大きな分布が存在すると考えられる。加えて、行われた実験から、完全に結合された構成が、部分的に結合された構成と比較して、ビアの表面からの金属コネクタのより大きな突出を示すことが示された。
【0108】
まとめ
本明細書で使用する場合、「実質的に~からなる」ある移行句は、特許請求の範囲の範囲を、特許請求された発明の特定の材料または工程「および基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料または工程」に限定する。
【0109】
当業者であれば、有益な結果を依然として得ながら、本明細書に記載された種々の実施形態に対して多くの変更を行うことができることを認識し、理解するであろう。本実施形態の所望の利益の幾つかを、他の特徴を利用せずに幾つかの特徴を選択することにより得ることができることも明らかであろう。したがって、当業者であれば、多くの修正および適応が可能であり、特定の状況では望ましい場合さえあり、本開示の一部であることを認識するであろう。したがって、本開示は、特に断らない限り、開示した特定の組成物、物品、装置および方法には限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用された用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことを理解されたい。図面に示されている特徴は、本説明の選択された実施形態を例示するものであり、必ずしも適切な縮尺で描かれていない。これらの図面の特徴は例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【0110】
特に断らない限り、本明細書で説明された任意の方法は、そのステップが特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法クレームが、実際に、そのステップが従うべき順序を列記していない場合または当該ステップが特定の順序に限定されることが特許請求の範囲もしくは説明に何らかの方法で具体的に記載されていない場合、任意の特定の順序を推論することを何ら意図するものではない。
【0111】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0112】
実施形態1
物品であって、
第1の主面および前記第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスまたはガラスセラミックス基板と、
前記基板を通って前記第1の主面から前記第2の主面に向かって軸線方向に軸線方向長さLにわたって延在し、内面ならびに第1の軸線方向部分、第3の軸線方向部分および前記軸線方向に沿って前記第1の軸線方向部分と前記第3の軸線方向部分との間に配設された第2の軸線方向部分を画定する、ビアと、
少なくとも前記第1の軸線方向部分および/または前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されたヘリウム気密接着層と、
前記ビア内に配設され、前記ヘリウム気密接着層に接着された、金属コネクタと
を備え、
前記金属コネクタは、前記ビアの前記軸線方向長さLにわたって前記ビアを完全に充填し、
前記ビアは、30μm以下の最大直径Φmaxを有し、
前記軸線方向長さLおよび前記最大直径Φmaxは、式、すなわち
【0113】
【数7】
【0114】
を満たす、物品。
【0115】
実施形態2
前記ヘリウム気密接着層が、Ti、TiN、Ta、TaN、Cr、Niおよび金属酸化物のうちの1つ以上を含む、実施形態1記載の物品。
【0116】
実施形態3
前記金属コネクタが実質的に銅からなる、実施形態1または2記載の物品。
【0117】
実施形態4
前記金属コネクタが前記ビアを気密に封止する、実施形態1から3までのいずれか1つ記載の物品。
【0118】
実施形態5
前記ビアが、前記第1の主面における第1の直径と、前記第2の主面における第2の直径と、前記第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、前記第3の直径が前記第1の直径および前記第2の直径より小さい、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の物品。
【0119】
実施形態6
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されている、実施形態5記載の物品。
【0120】
実施形態7
前記最大直径Φmaxが27μm以下である、実施形態6記載の物品。
【0121】
実施形態8
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分および/または前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されており、前記第2の軸線方向部分における前記内面には配設されていない、実施形態5記載の物品。
【0122】
実施形態9
前記最大直径Φmaxが25μm以下である、実施形態8記載の物品。
【0123】
実施形態10
前記ビアが、前記第1の主面における第1の直径と、前記第2の主面における第2の直径と、前記第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、前記第1の直径が前記第2の直径および前記第3の直径より大きく、前記第3の直径が前記第2の直径より大きい、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の物品。
【0124】
実施形態11
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されている、実施形態10記載の物品。
【0125】
実施形態12
前記最大直径Φmaxが19μm以下である、実施形態11記載の物品。
【0126】
実施形態13
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分および/または前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されており、前記第2の軸線方向部分における前記内面には配設されていない、実施形態10記載の物品。
【0127】
実施形態14
前記最大直径Φmaxが17μm以下である、実施形態13記載の物品。
【0128】
実施形態15
前記ビアが、前記第1の主面における第1の直径と、前記第2の主面における第2の直径と、前記第2の軸線方向部分における第3の直径とを有し、前記第1の直径が前記第2の直径および前記第3の直径に等しい、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の物品。
【0129】
実施形態16
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されている、実施形態15記載の物品。
【0130】
実施形態17
前記ヘリウム気密接着層が、前記第1の軸線方向部分および/または前記第3の軸線方向部分における前記内面に配設されており、前記ヘリウム気密接着層が、前記第2の軸線方向部分における前記内面には配設されていない、実施形態15記載の物品。
【0131】
実施形態18
前記最大直径Φmaxが25μm以下である、実施形態17記載の物品。
【0132】
実施形態19
前記ビアの軸線方向長さLが、150μm以上500μm以下である、実施形態1から18までのいずれか1つ記載の物品。
【0133】
実施形態20
前記軸線方向長さLおよび前記最大直径Φmaxが、式、すなわち
【0134】
【数8】
【0135】
を満たす、実施形態1から19までのいずれか1つ記載の物品。
【0136】
実施形態21
前記物品にはクラックがなく、前記物品が450℃の温度に加熱されて23℃の温度に冷却される前後で、10-5atmcc/s(約9.87×10-5Pa・m/s)未満のヘリウム透過性を有する、実施形態1から20までのいずれか1つ記載の物品。
【0137】
実施形態22
前記基板が、少なくとも90質量%のシリカを含む、実施形態1から21までのいずれか1つ記載の物品。
【0138】
実施形態23
ガラス物品を製造する方法であって、該方法が、
第1の主面および前記第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスまたはガラスセラミックス基板を通って前記第1の主面から前記第2の主面に向かって軸線方向に延在し、第1の軸線方向部分、第3の軸線方向部分および前記第1の軸線方向部分と前記第3の軸線方向部分との間に配設された第2の軸線方向部分を含むビアの内面部分にヘリウム気密接着層を堆積させるステップであって、前記ヘリウム気密接着層は少なくとも前記第1の軸線方向部分および/または前記第3の軸線方向部分におけるビアの内面に堆積される、ステップと、
前記ビアの前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分に金属コネクタを堆積させて、前記ビアを完全に充填するステップと
を含み、
前記金属コネクタは、前記ビアの軸線方向長さLにわたって前記軸線方向に前記ビアを完全に充填し、
前記ビアは、30μm未満の最大直径Φmaxを有し、
前記軸線方向長さLおよび前記最大直径Φmaxは、式、すなわち
【0139】
【数9】
【0140】
を満たす、方法。
【0141】
実施形態24
前記ヘリウム気密接着層が、Ti、TiN、Ta、TaN、Cr、Niおよび金属酸化物のうちの1つ以上を含む、実施形態23記載の方法。
【0142】
実施形態25
前記金属コネクタが実質的に銅からなる、実施形態23または24記載の方法。
【0143】
実施形態26
前記金属コネクタが前記ビアを気密に封止する、実施形態23から25までのいずれか1つ記載の方法。
【0144】
実施形態27
前記金属コネクタを堆積させるステップが、電気めっきを使用して前記金属コネクタを堆積させるステップを含む、実施形態23から26までのいずれか1つ記載の方法。
【0145】
実施形態28
前記ヘリウム気密接着層を堆積させるステップが、前記ヘリウム気密接着層を、前記第1の軸線方向部分、前記第2の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記ビアの前記内面に堆積させるステップを含む、実施形態23から27までのいずれか1つ記載の方法。
【0146】
実施形態29
前記ヘリウム気密接着層を堆積させるステップが、前記ヘリウム気密接着層を、前記第1の軸線方向部分および前記第3の軸線方向部分における前記ビアの前記内面に堆積させ、前記第2の軸線方向部分における前記内面には堆積させないステップを含む、実施形態23から27までのいずれか1つ記載の方法。
【0147】
実施形態30
前記基板が、少なくとも90質量%のシリカを含む、実施形態23から29までのいずれか1つ記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
【国際調査報告】