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特表2022-519322レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法
<図1A>
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図1A
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図1B
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図1C
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図2
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図3
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図4
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図5
  • 特表-レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(54)【発明の名称】レーザ検出器の高さを判定するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 5/00 20060101AFI20220314BHJP
   G01C 15/00 20060101ALN20220314BHJP
【FI】
G01C5/00 L
G01C15/00 104D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546222
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 US2020016323
(87)【国際公開番号】W WO2020163197
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/803,152
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/721,992
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505315742
【氏名又は名称】トプコン ポジショニング システムズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ダニエル マケイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ キショア ナギン
(57)【要約】
レーザ検出器アセンブリの高さを判定する方法は、慣性計測装置からのデータと、検出されたレーザ受光とに基づいてレーザ検出器アセンブリの推定高さを計算することを含む。そして、推定高さが出力される。レーザ検出器アセンブリの検出高さは、検出されたレーザ受光に基づいて計算され、検出高さは、検出されたレーザ受光に応じて出力される。前記推定高さは、検出高さの出力と出力との間に算出され、出力される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)慣性計測装置からのデータと、
2)検出されたレーザ受光と、
に基づいてレーザ検出器アセンブリの推定高さを計算することと、
前記推定高さを出力することと、を含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記レーザ検出器アセンブリの検出高さを、前記検出されたレーザ受光に基づいて計算することをさらに含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記検出されたレーザ受光に応じて、前記レーザ検出器アセンブリの前記検出高さを出力することをさらに含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記推定高さは、検出高さの出力と出力との間に算出され、出力される、
ことを特特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記推定高さが計算され、出力される周波数は、検出高さが計算され、出力される周波数と同じである、
ことを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項2において、
以前のレーザ受光と、前記慣性計測装置からの移動データとに基づいて、レーザ受光が誤りであることが判定されると、前記検出高さの代わりに前記推定高さを出力することをさらに含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1において、
前記レーザ検出器アセンブリの前記推定高さは、レーザ受光周波数よりも高い周波数で計算され、出力される、
ことを特徴とする、方法。
【請求項8】
コンピュータプログラム指示を記憶するメモリと、
前記メモリに通信可能に結合され、かつ前記コンピュータプログラム指示を実行するよう構成されたプロセッサと、を備える装置であって、
前記コンピュータプログラム指示は、前記プロセッサ上で実行されると、前記プロセッサに、
1)慣性計測装置からのデータと、
2)検出されたレーザ受光と、
に基づいてレーザ検出器アセンブリの推定高さを計算することと、
前記推定高さを出力することと、を含む動作を行わせる、
ことを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記動作はさらに、前記レーザ検出器アセンブリの検出高さを、前記検出されたレーザ受光に基づいて計算することを含む、
ことを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記動作はさらに、前記検出されたレーザ受光に応じて、前記レーザ検出器アセンブリの前記検出高さを出力することを含む、
ことを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記推定高さは、検出高さの出力と出力との間に算出され、出力される、
ことを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記推定高さが計算され、出力される周波数は、検出高さが計算され、出力される周波数と同じである、
ことを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項9において、
前記動作はさらに、以前のレーザ受光と、前記慣性計測装置からの移動データとに基づいて、レーザ受光が誤りであることが判定されると、前記検出高さの代わりに前記推定高さを出力することを含む、
ことを特徴とする、装置。
【請求項14】
請求項8において、
前記レーザ検出器アセンブリの前記推定高さは、レーザ受光周波数よりも高い周波数で計算され、出力される、
ことを特徴とする、装置。
【請求項15】
コンピュータプログラム指示を記憶するコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記コンピュータプログラム指示は、プロセッサ上で実行されると、前記プロセッサに、
1)慣性計測装置からのデータと、
2)検出されたレーザ受光と、
に基づいてレーザ検出器アセンブリの推定高さを計算することと、
前記推定高さを出力することと、を含む動作を行わせる、
ことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項16】
請求項15において、
前記動作はさらに、前記レーザ検出器アセンブリの検出高さを、前記検出されたレーザ受光に基づいて計算することを含む、
ことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項17】
請求項16において、
前記動作はさらに、前記検出されたレーザ受光に応じて、前記レーザ検出器アセンブリの前記検出高さを出力することを含む、
ことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項18】
請求項17において、
前記推定高さは、検出高さの出力と出力との間に算出され、出力される、
ことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項19】
請求項18において、
前記推定高さが計算され、出力される周波数は、検出高さが計算され、出力される周波数と同じである、
ことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項20】
請求項16において、
前記動作はさらに、以前のレーザ受光と、前記慣性計測装置からの移動データとに基づいて、レーザ受光が誤りであることが判定されると、前記検出高さの代わりに前記推定高さを出力することを含む、
ことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/803,152号および2019年12月20日に出願された米国実用特許出願第16/721,992号の利益を主張し、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、機械の制御および動作に関し、より詳細には、レーザ検出器の高さを判定し、レーザ検出器へのレーザ受光周波数(frequency of laser strikes)よりも高速で高さ情報を提供することに関する。
【背景技術】
【0003】
建設用機械には、その機械および/または機械の器具の高さ(例えば、基準に対する高さ)を判定する回転レーザシステムを用いることができる。図1Aは、レーザ発信器140の鉛直軸を中心に回転するレーザビーム128を出力するレーザ発信器140を含む回転レーザシステムを示す。レーザ発信器のミラー、光学部品、および/または機械部品は、既知高さ132を有するレーザ基準面においてレーザを回転させる。レーザ検出器112は、マスト114に取り付けられている。レーザ検出器112は、従来技術でよく知られるように、レーザビーム128を、それがレーザ検出器112の複数のレーザ検出器素子(図1Bおよび図1Cの116)のうちの1つに当たるときに検出する。複数のレーザ検出器素子のうちの1つに当たるレーザビーム128をレーザ受光(laser strike)という。レーザ検出器素子は、レーザビーム128を検出できる光受容体、フォトダイオードまたは他の種類のセンサであってもよい。マスト114は、図1Aに示されるようなブルドーザなどの機械110の器具120に取り付けられる。レーザ検出器112の高さは、レーザビーム128に対して判定され、機械の器具の高さは、器具120からレーザ検出器112までの距離が分かっているため、レーザ検出器112の高さに基づいて判定できる。レーザ検出器の出力速度は、高さデータがレーザ検出器から出力される周波数である。レーザ検出器の出力速度は、レーザ受光がレーザ検出器112によって検出される速度に直接関係する。一般的なレーザ発信器は、レーザ基準面でレーザを600rpm(10Hz)で回転させ、それが回転と回転との間に100ミリ秒に変換されるため、レーザ検出器は10Hzの速度でレーザ受光を検出する。したがって、レーザ検出器は、レーザが検出されるのと同じ速度(この例では10Hz)でレーザ受光に関する情報を出力する。レーザ受光とレーザ受光との間の期間において、レーザ検出器の高さは検出されない。
【0004】
図1Bは、複数のレーザ検出器素子のうち、レーザ検出器112の鉛直方向の中心付近に位置するレーザ検出器素子に当たるレーザビーム128を示す。図1Cは、複数のレーザ検出器素子116のうち、レーザ検出器112の下端付近に位置するレーザ検出器素子116に当たるレーザビーム128を示す。この状況は、レーザ検出器112が(この例ではレーザビーム128に対して上方に)移動したときに起こる。同様に、レーザ検出器112がレーザビーム128に対して下方に移動したとき、レーザ検出器素子116のうち、レーザ検出器112の上端付近に位置するレーザ検出器素子116がレーザビーム128を検出する。図1Bおよび図1Cに見られるように、レーザビーム128は、レーザビーム128が複数のレーザ検出器素子116のうちの1つに当たるときにのみ検出できる。
【0005】
そこで、レーザ受光が検出される速度よりも高速で高さ情報を提供する方法およびシステムが必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
レーザ検出器アセンブリの高さを判定する方法は、慣性計測装置からのデータと、検出されたレーザ受光とに基づいてレーザ検出器アセンブリの推定高さを計算することを含む。そして、推定高さが出力される。一実施例では、レーザ検出器アセンブリの検出高さは、検出されたレーザ受光に基づいて計算され、検出高さは、検出されたレーザ受光に応じて出力される。前記推定高さは、検出高さの出力と出力との間に算出され、出力される。一実施形態では、前記推定高さは、検出高さが計算され、出力されるのと同じ周波数で計算され、出力される。推定高さは、検出高さの出力に対して180度位相がずれた状態で出力されてもよい。一実施形態では、前記レーザ検出器アセンブリの前記推定高さは、レーザ受光周波数よりも高い周波数で計算され、出力される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、高さを判定する回転レーザシステムを示す図である。
図1B図1Bは、複数のレーザ検出器素子のうちの1つにレーザビームが当たっているレーザ検出器を示す図である。
図1C図1Cは、複数のレーザ検出器素子のうちの他の1つにレーザビームが当たっている図1Bのレーザ検出器を示す図である。
図2図2は、一実施形態におけるレーザ検出器アセンブリを示す図である。
図3図3は、一実施形態におけるレーザ検出器アセンブリを示す概略図である。
図4図4は、レーザ受光に基づいて計算された、レーザ検出器アセンブリの高さを示すグラフである。
図5図5は、レーザ受光と慣性計測センサからのデータとに基づいて計算された、レーザ検出器アセンブリの高さを示すグラフである。
図6図6は、一実施形態におけるレーザ検出器アセンブリの高さを判定する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2は、レーザビーム128を出力するレーザ発信器140を示す。一実施形態では、レーザ発信器140はレーザビーム128を出力し、それが略鉛直軸を中心に回転され、それにより略水平なレーザ基準面130が形成される。一実施形態では、レーザ発信器140は、完全に垂直ではない(完全に鉛直ではない)鉛直軸を考慮して、水平な基準面130を傾斜させるようにプログラムできる。発信器140はまた、修正対象面に対する所望の傾斜を示すために、傾斜したレーザ基準面を出力するようにプログラムできる。実施形態では、レーザ発信器140の高さは既知である。したがって、レーザ基準面130の高さ132も既知である。このような回転レーザは当技術分野において知られている。
【0009】
レーザビーム128は、レーザ検出器アセンブリ100のレーザセンサ150によって検出され、レーザ検出器アセンブリ100は、一実施形態では、レーザセンサ150と、マスト250とを備える(後に詳細に説明する)。レーザ検出器アセンブリ100は、機械110の器具120(この例ではブルドーザのブレード)に搭載される。機械110は、一実施形態では、レーザ発信器140によって得られた水平なレーザ基準面130に従って表面を修正するのに用いられる。一実施形態では、機械110は、水平なレーザ基準面130を基準として、所望の現場計画に従って表面を修正するのに用いられる。
【0010】
一実施形態では、レーザセンサ150の高さは、レーザビームのレーザセンサ150への受光位置(レーザ受光という)と、慣性計測装置からのデータとに基づいて判定される。慣性計測装置を用いることにより、レーザセンサ150の高さは、レーザビーム128がレーザセンサ150に検出される周波数よりも高い周波数で判定できる。
【0011】
レーザ検出器アセンブリ100は、器具120から垂直に延び、かつレーザセンサ150の支持体として用いられるマスト250を含む。レーザセンサ150は、マスト250に沿って手動で移動でき、マスト250に沿って所望の位置に固定できる。レーザセンサ150はまた、ユーザによってマスト250においてまたは遠隔で作動できるモータによって、マスト250に沿って移動できる。一実施形態では、レーザセンサ150は、高さ幅が約150ミリメートルであり、一列またはアレイ状に並ぶフォトダイオードである複数のレーザ検出器素子(図3では310)を備える。他の実施形態では、レーザセンサは、他の種類のセンサを含んでもよく、150&#12316;250ミリメートルの高さ幅を有してもよい。
【0012】
図3は、レーザ検出器アセンブリ100の概略図である。レーザセンサ150は、位置データをコンピュータ235に送信する複数のレーザ検出器素子310を含む。一実施形態では、コンピュータ235は、レーザ検出器素子310からの位置データを分析し、レーザビーム128が受光したレーザセンサ150の鉛直軸に沿ったレーザの鉛直方向の位置を判定する。例えば、(図3に示される複数のレーザ検出器素子310のうち)レーザセンサ150の鉛直方向の中心に位置する検出器素子がレーザビーム128を検出する場合、レーザ128がレーザセンサ150の鉛直方向の略中心に当たっていることが分かる。同様に、レーザセンサの一端における検出器素子がレーザビーム128を検出する場合、レーザビーム128がレーザセンサ150の端部に当たっていることが分かる。
【0013】
コンピュータ235は、レーザ検出器素子310からデータを受信し、レーザセンサ150の鉛直軸沿ったレーザの位置を判定する。コンピュータ235は、このような動作を規定するコンピュータプログラム指示を実行することによって、コンピュータ235の全体動作を制御するプロセッサ236を含む。コンピュータプログラム指示は、記憶装置238または他のコンピュータ読み取り可能媒体(例えば、磁気ディスク、CD-ROMなど)に記憶され、コンピュータプログラム指示を実行したいときにメモリ237に取り込まれてもよい。したがって、図6における方法ステップは、メモリ237および/または記憶装置238に記憶されたコンピュータプログラム指示によって規定でき、コンピュータプログラム指示を実行するプロセッサ236により制御できる。例えば、コンピュータプログラム指示は、図6の方法ステップに規定されるアルゴリズムを実行するように当業者によってプログラムされたコンピュータ実行可能コードとして実現できる。したがって、コンピュータプログラム指示を実行することにより、プロセッサ236は、図6の方法ステップに規定されるアルゴリズムを実行する。コンピュータ235は、また、ネットワークを介して他の装置と通信する1つまたは複数のネットワークインターフェース(図示せず)や、コンピュータ235とのユーザ対話を可能にする入出力装置(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカ、ボタンなど)を含んでもよい。当業者とって当然のことながら、実際のコンピュータの実装形態は、他の構成要素も同様に含んでもよく、図3に示されるコンピュータ235は、例示を目的としてそのようなコンピュータの構成要素のうち、いくつかの構成要素を高度に示したものである。コンピュータ235によって計算された高さデータ(後に詳細に説明する)は、機械110(図2に示す)の動作に関連する機械制御インジケータ(図示せず)など他の装置に送信できる。データのコンピュータ235からの送信は、一実施形態では、有線であっても無線であってもよく、これにより、図2に示される機械110などの機械の動作の自動化が容易になる。例えば、機械110による器具120の作動は、所望の勾配に基づいて表面を修正するのにコンピュータ235によって計算された高さデータを用いるよう自動化できる。
【0014】
慣性計測装置(「IMU」)230は、プロセッサ236と通信する。IMU230は、1つまたは複数の加速度計(例えば、3軸加速度計)および/またはジャイロスコープ(例えば、3軸ジャイロスコープ)を用いてレーザ検出器アセンブリ100(特にレーザセンサ150)の移動を感知する。一実施形態では、レーザ検出器アセンブリ100は、機械110の器具120に取り付けられる。したがって、IMUが器具120の動きを検出しても、器具120は移動される。例えば、器具は、器具120を作動させる機械110の操作者によって移動できる。器具120はまた、表面上の機械110の移動に基づいて移動できる。IMU230は、基準位置からの移動を判定できる。基準位置からの移動により、IMU230の新たな位置が計算できる。
【0015】
図4は、一実施形態において、コンピュータ235によってレーザ受光に基づいて計算された、検出高さ値を示すグラフ500である(図6に関連して後に詳細に説明する)。グラフ500において、縦軸は、レーザセンサ150に受光するレーザ128の高さ(インチ)を示し、横軸は、時間(ミリ秒)を示す。図5に示すように、100ミリ秒では、レーザ128の高さは、検出高さマーカ502(「X」)で示されるように、8インチである。200ミリ秒では、レーザ検出器アセンブリ100の検出高さは、検出高さマーカ504により10インチと分かる。同様に、レーザ128の検出高さは、それ以降、高さマーカ506&#12316;514で示される。レーザ検出器アセンブリ100の高さは、上述したように、レーザセンサ150に当たるレーザ128の高さに基づいて判定できる。
【0016】
図5は、検出高さマーカ(便宜上図5では省略されているが図4の符号を有する)と推定高さマーカ602&#12316;636との両方を示すグラフ600である。グラフ600において、縦軸は、レーザセンサ150に当たるレーザ128の高さ(インチ)を示し、横軸は、時間(ミリ秒)を示す。推定高さマーカ602&#12316;636はそれぞれ、(ドット)によって示される。高さマーカ602&#12316;636はそれぞれ、特定の時間における推定高さの値を示す。一実施形態では、推定高さは、前のレーザ受光とIMU230からのデータとに基づく。例えば、検出高さマーカ502は、レーザ受光に基づいて計算された高さ値を示す。推定高さマーカ602は、レーザ受光と、レーザ受光の発生後に判定されたレーザ受光の高さの変化に関するIMU230からのデータとに基づいて計算された高さ値を示す。図5に示すように、推定高さマーカ602、604および606は、推定高さの上昇を示す。次のレーザ受光が検出されると、この次のレーザ受光に基づいて新たな検出高さが判定され、その値が検出高さマーカ504によって示される。図5に示すように、推定高さマーカ606は、検出高さマーカ504よりも大きい高さ値を有する。高さマーカ504の高さ値は、レーザ受光に基づいて計算される。したがって、検出高さ値が各レーザ受光に基づいて計算されるので、前のレーザ受光と、IMU230からのデータとに基づく推定高さ値の流れまたはずれが続くのを防止できる。図5に示すように、例えば、検出高さマーカ506に示される値などの検出高さ値が計算されるとき、推定高さ値608、610および612の流れが続くのを防止できる。
【0017】
図5に示すように、レーザ検出器アセンブリ100の高さは、IMU230からのデータを用いて判定できる。したがって、レーザ検出器アセンブリ100の高さは、レーザ受光とレーザ受光との間の期間に判定できる。
【0018】
図4および図5、ならびに本明細書に示すように、IMU230からのデータが受信され、高さは、レーザ受光周波数よりも高い周波数で、IMU230からのデータに基づいて、コンピュータ235によって計算できる。したがって、各レーザ受光は、レーザ検出器アセンブリ100の高さを計算するための基準として用いることができ、IMU230からのデータは、レーザ受光とレーザ受光との間の期間にレーザ検出器アセンブリ100の高さを計算するのに用いることができる。これにより、高さデータを、レーザ検出器アセンブリ100から他の装置(図1Aに示される機械110に関連する機械制御装置など)に、レーザ受光周波数よりも高い周波数で容易に出力できる。高さデータの出力周波数が高いほど、機械(例えば、機械110)をより正確に制御できる。
【0019】
一実施形態では、レーザ検出器アセンブリ100は、レーザセンサ150のレーザ検出器素子310に受光するレーザビーム128と、IMU230からのデータとに基づいて高さを判定する。図6は、一実施形態におけるレーザ検出器アセンブリ100の高さを判定する方法を示すフローチャートである。一実施形態では、この方法は、レーザ検出器アセンブリ100のプロセッサ236によって行われる。ステップ702において、初期レーザ受光が検出される。ステップ704において、レーザ検出器アセンブリ100の高さが、初期レーザ受光に基づいて計算される。ステップ706では、ステップ704で計算されたレーザ検出器アセンブリ100の高さがプロセッサ236から出力される。計算されたレーザ受光高さを検出高さともいう。一実施形態では、検出高さは、機械110に関連する機械制御装置など他の装置に送信される。
【0020】
ステップ708において、データがIMU230から受信される。一実施形態では、受信データは、後にさらに詳細に説明するように、ステップ710でフィルタリングされる。ステップ712では、レーザ検出器アセンブリ100の高さが、IMU230からのデータと、以前のレーザ受光(例えば、ステップ702で検出された初期レーザ受光)とに基づいて計算される。IMU230からのデータと以前のレーザ受光に基づいて、計算されたレーザ検出器アセンブリの高さを、推定高さという。ステップ714において、高さは、プロセッサ236から、機械110に関連する機械制御装置など他の装置に出力される。
【0021】
ステップ716において、新たなレーザ受光が検出されたかどうかが判定される。新たなレーザ受光が検出されなかった場合、この方法はステップ708に進む。新たなレーザ受光が検出された場合、この方法はステップ718に進む。ステップ718において、新たなレーザ受光に基づいて高さが計算される。ステップ720において、高さは、プロセッサ236から、機械110に関連する機械制御装置など他の装置に出力される。ステップ720の後、この方法はステップ708に進む。
【0022】
上述したように、一実施形態では、方法ステップ708&#12316;716は、新たなレーザ受光が検出されるまで繰り返し続けられる。方法ステップ718および720は、新たなレーザ受光が検出されたときに行われ、そしてこの方法はステップ708に戻る。したがって、前のレーザ受光とIMUデータとに基づいて計算された高さデータは、レーザ受光とレーザ受光との間の期間において1回または複数回出力できる。
【0023】
レーザ受光周波数は、レーザ発信器140の鉛直軸を中心としたレーザビーム128の回転速度に依る。レーザ発信器140を中心としたレーザビーム128の一般的な回転速度は約600回/分であり、その結果、10Hzの周波数でレーザ受光が起こる。IMU230からのデータを用いてレーザ検出器アセンブリ100の移動を感知することにより、IMU230からのデータに基づいてレーザ受光位置の変化を予測できるため、レーザ受光周波数よりも高い周波数で高さ値を出力できる。したがって、高さ値が計算される周波数は、レーザ受光周波数とは無関係であり、IMU230からのデータの受信周波数およびコンピュータ235が高さ値を計算できる周波数によって裏付けられる所望の周波数であってもよい。
【0024】
高さデータが計算され、コンピュータ235から出力される周波数は、設計上決定される。一実施形態では、前のレーザ受光とIMUデータとに基づいて計算された1つの高さ値が、レーザ受光とレーザ受光との間の期間に出力される。一実施形態では、10個の高さ値が、以前のレーザ受光とIMUデータとに基づいて計算され、レーザ受光とレーザ受光との間の期間において出力される。尚、ステップ712における以前のレーザ受光は、ステップ702における初期レーザ受光またはステップ716における新たなレーザ受光のいずれかであってよい。
【0025】
検出高さの出力に対して推定高さ値が計算され、コンピュータ235から出力される位相は、設計上決定される。一実施形態では、推定高さ値が計算され、検出高さの出力に対して180度位相がずれた状態で出力される。検出高さは、例えば、100ミリ秒、200ミリ秒、300ミリ秒などのタイミングで計算され、出力され、推定高さは、150ミリ秒、250ミリ秒、350ミリ秒などのタイミングで計算され、出力される。複数の推定高さ値がコンピュータ235から出力される位相は、レーザ受光周波数と、レーザ受光とレーザ受光との間の期間において計算された推定高さ値の数とに基づいてもよい。
【0026】
一実施形態では、カルマンフィルタが、レーザセンサ150からの測定値と、レーザビーム128に対してIMU230によって検出されたレーザセンサ150の加速度とを融合するのに用いられる。カルマンフィルタを用いて測定値を融合することにより、レーザセンサ150に関する位置および移動情報が得られる。本明細書で説明するカルマンフィルタは、ソフトウェアベースであってもハードウェアベースであってもよく、またはソフトウェアとハードウェアの組合せであってもよい。カルマンフィルタの目的は、レーザビーム128に対するレーザセンサ150の位置および速度を推定することにある。この情報は、レーザセンサ150の高さを判定するのに用いられる。
【0027】
一実施形態では、2つのカルマンフィルタが、レーザセンサ150の動きおよびレーザ受光位置を追跡するために、レーザセンサ150およびIMU230からのデータを100Hzで同時に処理する。IMU測定値を処理するカルマンフィルタは、IMU230を、実際のレーザ受光とレーザ受光との間の期間においてレーザ受光位置を推定するのに用いる。上述したように、一実施形態では、2つのカルマンフィルタが用いられる。他の実施形態では、2つ未満のカルマンフィルタが用いられてもよい。
【0028】
例えば、図3に関連して上述した構成要素は、1つの筐体内に組み合わされて示されている。一実施形態では、図3に示される構成要素は、互いに離れて位置する異なる筐体内に配置してもよい。例えば、一実施形態では、IMU230は他の構成要素から離れて配置してもよく、データは有線または無線接続を介してコンピュータ235に送信してもよい。他の構成も同様に実施できる。他の例では、コンピュータ235の動作は、IMU230およびレーザセンサの検出器素子から信号を受信する機械制御装置によって行われてもよい。
【0029】
複数のセンサおよび/またはレーザセンサおよびIMUなど複数タイプのセンサを、センサ融合を行うのに用いてもよい。一実施形態では、IMUを、レーザセンサから受信した誤ったレーザ位置情報を識別するのに用いる。例えば、レーザ受光データがレーザ検出器アセンブリの高さが変化したことを示すものの、IMUデータが移動がなかったことを示す場合、レーザ受光データは誤っているとみなし、高さの計算に用いなくてもよい。一実施形態では、IMUが、誤ったレーザ受光データを識別し、レーザ受光周波数と同じ周波数で高さデータを出力するのに用いられる。一実施形態では、検出レーザ受光が誤っている(前のレーザ受光とIMUからの移動データとに基づいて、正しくない)と判定された場合、検出高さの代わりに推定高さが出力される。例えば、現在のレーザ受光に基づいて計算された高さは、IMUからの移動データと、以前検出されたレーザ受光に基づいて計算された高さと比較されてもよい。現在のレーザ受光に基づいて計算された高さ値が、IMUからの移動データと、以前検出されたレーザ受光とに基づいて計算された高さ値の閾値の範囲に一致しない場合、現在のレーザ受光は誤りであると判定でき、推定高さを検出高さの代わりに出力できる。一般的なセンサ融合を利用するのに加え、IMUからのレーザ受光データおよび/または移動データを平均化することによってレーザ位置ノイズを低減する技術を用いることもできる。
【0030】
以上の「発明を実施するための形態」は、あらゆる点において例示的であって限定的ではないものとして理解されるべきであり、本明細書に開示される本発明概念の範囲は、「発明を実施するための形態」から判断されるのではなく、各特許法において認められる全容に渡って解釈される特許請求の範囲から判断されるべきものである。当然のことながら、本明細書に図示、説明された実施形態は、本発明概念の原理を例示したにすぎず、本発明概念の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者によって様々な修正が行われてもよい。当業者は、本発明の概念の範囲および趣旨から逸脱することなく、他の様々な特徴の組合せを実現できるであろう。

図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】