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特表2022-519366光路構造及びその光路構造を用いたレーザラインプロジェクタ
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  • 特表-光路構造及びその光路構造を用いたレーザラインプロジェクタ 図1
  • 特表-光路構造及びその光路構造を用いたレーザラインプロジェクタ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-23
(54)【発明の名称】光路構造及びその光路構造を用いたレーザラインプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   F21V 7/04 20060101AFI20220315BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20220315BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220315BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20220315BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20220315BHJP
   G01C 15/02 20060101ALI20220315BHJP
   G02B 27/09 20060101ALI20220315BHJP
   G02B 27/20 20060101ALI20220315BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220315BHJP
【FI】
F21V7/04
F21V7/00 570
F21V7/00 500
F21S2/00 600
G02B5/00 Z
G01C15/00 103C
G01C15/02
G02B27/09
G02B27/20
F21Y115:30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545735
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 CN2020082376
(87)【国際公開番号】W WO2020211638
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】201910317325.5
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518270045
【氏名又は名称】常州▲華▼▲達▼科捷光▲電▼▲儀▼器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲甌▼
(72)【発明者】
【氏名】▲費▼▲凱▼
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA03
2H042AA19
2H042AA28
(57)【要約】
本発明は、光路構造及び光路構造を備えるレーザラインプロジェクタを提供する。光路構造はレーザ光を出射するレーザ出射装置(1)と、レーザ光の光路に沿って順次配置された以下の非球面鏡(2)と、第1のビームスプリッタ(31)と、第2のビームスプリッタ(32)と、ウェッジミラー(4)と、円筒鏡(5)とを備える。これらの利点は以下の通りであり、1)ウェッジミラー(4)の入射面(41)の角度を合理的に設定することによって、ウェッジミラー(4)の入射面(41)から反射された光がビームスプリッタ(31、32)に入射せず、またはビームスプリッタ(31、32)に光が入射しても、ビームスプリッタ(31、32)から反射された反射光線(61、63)を干渉せず、多点現象が回避される。2)ウェッジミラー(4)の構造が合理的に設定されることによって、投射されたレーザ光におけるブレークポイントがなくなるようにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ出射装置と、前記レーザ光の光路方向に沿って順次に配置された以下の装置と、を備える光路構造であって、
前記以下の装置は、非球面鏡と、第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタと、ウェッジミラーと、円筒鏡であり、
前記非球面鏡は、前記レーザ出射装置の光出口に配置され、前記レーザ出射装置から出射されたレーザ光を集光し、水平の第1の光線を出射するために用いられ、前記第1の光線は幅dを有し、
前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとは、いずれも平面鏡であり、前記第1の光線の内部の両側に配置され、互いに平行ではなく、それぞれ前記第1の光線と45°の角度をなし、前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとの間には、最小間隔hを有し、前記最小間隔hは0<h<dを満たし、前記第1の光線は前記第1のビームスプリッタ及び前記第2のビームスプリッタを通過するときに、前記第1の光線の両側のレーザ光は、第1の反射光線と、第1の屈折光線と、第2の反射光線と、第2の屈折光線と、に分解され、且つ前記第1の反射光線と前記第2の反射光線とは、それぞれ前記第1の光線に対して垂直であり、前記第1の屈折光線と前記第2の屈折光線とは、それぞれ前記第1の光線と平行であり、
前記ウェッジミラーは、入射面と、出射面とを有し、前記入射面と前記出射面とは、いずれも平面であり、前記入射面と前記第1の光線との間には第1の角度αを有し、前記入射面と前記出射面との間には第2の角度βを有し、前記第1の角度αは、0<α<90°の角度を有し、前記ウェッジミラーは、前記第1の光線を角度γ偏向させた後に第2の光線を出射させ、前記第1の屈折光線と前記第2の屈折光線とを同一の角度γ偏向した後に、前記第2の光線と平行な第3の屈折光線と第4の屈折光線を出射し、
前記円筒鏡は、前記第2の光線、前記第3の屈折光線、前記第4の屈折光線を拡散して、作業面にレーザ標示線を投射するために用いられることを特徴とする光路構造。
【請求項2】
前記非球面鏡は、平面状の入射面と、円弧状の出射面と、を備え、前記光路の方向における前記非球面鏡の断面がD字型であることを特徴とする請求項1に記載の光路構造。
【請求項3】
前記第1の角度αは、65°~80°の角度を有し、前記第2の角度βは、20°~50°の角度を有することを特徴とする請求項1に記載の光路構造。
【請求項4】
前記第1の角度αは、68°~78°の角度を有していることを特徴とする請求項3に記載の光路構造。
【請求項5】
前記円筒鏡は、前記第2の光線の方向の両側に遮光部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光路構造。
【請求項6】
レーザラインプロジェクタであって、請求項1~5のいずれか一項に記載の光路構造を有することを特徴とするレーザラインプロジェクタ。
【請求項7】
前記レーザラインプロジェクタは、前記第1の反射光線と前記第2の反射光線の出射方向に、それぞれ前記第1の反射光線と前記第2の反射光線を出射するための光貫通孔が設けられることを特徴とする請求項6に記載のレーザラインプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路構造、及びその光路構造を備えるレーザラインプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザラインプロジェクタ(クロスラインレーザ)は、レーザマーカ、レーザスクライブとも呼ばれ、光学レンズアセンブリを介してレーザ光ビームを照射し、扇形のレーザ光面を形成し、作業面に投射してレーザラインを形成する機器で、主にエンジニアリングの建設やその他の分野で使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1はレーザラインプロジェクタの光学レンズアセンブリからなる部分の光路構造の概略図である。ビームスプリッタと、ビームスプリッタの後方に配置されたウェッジミラーとを備え、ウェッジミラーは、ビームスプリッタの一方側(入射面)に対して垂直である。しかし、実際の応用では、光はウェッジミラーに垂直に入射することが保証されないため、入射面から反射された光は、入射光からわずかに偏光され、このようなビームスプリッタによって反射される屈折率光ビームと入射光ビームとによって形成される光線はビームスプリッタで反射され、屈折された後、形成された光線もわずかに偏光されることによって、対象物に投射するときに複数の投射点を形成して、オペレータは区別することができなく、レーザラインの精度に影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、レーザ光を出射するレーザ出射装置と、前記レーザ光の光路方向に沿って順次に配置された以下の装置と、を備える光路構造を提供する。
【0005】
前記以下の装置は、非球面鏡と、第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタと、ウェッジミラーと、円筒鏡である。
【0006】
前記非球面鏡は、前記レーザ出射装置の光出口に配置され、前記レーザ出射装置から出射されたレーザ光を集光し、水平の第1の光線を出射するために用いられ、前記第1の光線は幅dを有する。
【0007】
前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとは、いずれも平面鏡であり、前記第1の光線の内部の両側に配置され、互いに平行ではなく、且つそれぞれ前記第1の光線と45°の角度をなし、前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとの間には、最小間隔hを有し、前記最小間隔hは0<h<dを満たし、前記第1の光線は前記第1のビームスプリッタ及び前記第2のビームスプリッタを通過するときに、前記第1の光線の両側のレーザ光は、第1の反射光線と、第1の屈折光線と、第2の反射光線と、第2の屈折光線と、に分解され、且つ前記第1の反射光線と前記第2の反射光線とは、それぞれ前記第1の光線に対して垂直であり、前記第1の屈折光線と前記第2の屈折光線とは、それぞれ前記第1の光線と平行である。
【0008】
前記ウェッジミラーは、入射面と、出射面とを有し、前記入射面と前記出射面とは、いずれも平面であり、前記入射面と前記第1の光線との間には第1の角度αを有し、前記入射面と前記出射面との間には第2の角度βを有し、前記第1の角度αは、0<α<90°の角度を有し、前記ウェッジミラーは、前記第1の光線を角度γ偏向させた後に第2の光線を出射させ、前記第1の屈折光線と前記第2の屈折光線とを同一の角度γ偏向した後に、前記第2の光線と平行な第3の屈折光線と第4の屈折光線を出射する。
【0009】
前記円筒鏡は、前記第2の光線、前記第3の屈折光線、前記第4の屈折光線を拡散して、作業面にレーザ標示線を投射する。
【0010】
好ましくは、前記非球面鏡は、平面状の入射面と、円弧状の出射面と、を備え、前記光路の方向における前記非球面鏡の断面がD字型である。
【0011】
好ましくは、前記第1の角度αは、65°~80°の角度を有し、前記第2の角度βは、20°~50°の角度を有する。
【0012】
好ましくは、前記第1の角度αは、68°~78°の角度を有している。
【0013】
好ましくは、前記円筒鏡は、前記第2の光線の方向の両側に遮光部が設けられている。
【0014】
本発明は、また、前記光路構造を備えたレーザプロジェクタを提供する。
【0015】
好ましくは、前記レーザラインプロジェクタは、前記第1の反射光線と前記第2の反射光線の出射方向に、それぞれ前記第1の反射光線と前記第2の反射光線を出射するための光貫通孔が設けられる。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比較して、本発明は、以下の利点を有する。1)ウェッジミラーの入射面の角度を合理的に設定することによって、ウェッジミラーの入射面から反射された光がビームスプリッタに入射せず、またはビームスプリッタに光が入射しても、ビームスプリッタから反射された第1の反射光線と前記第2の反射光線を干渉せず、多点現象が回避される。2)ウェッジミラーの構造が合理的に設定されることによって、投射されたレーザ光におけるブレークポイントがなくなるようにした。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来のレーザラインプロジェクタの光路構造にビームスプリッタとウェッジミラーを設置する方法を示す簡略図である。
図2】本発明に係る光路構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態
次に、図面と具体的な実施例を併せて、本発明の利点を説明する。
【0019】
図1は従来のレーザラインプロジェクタの光路構造にビームスプリッタとウェッジミラーを設置する方法を示す簡略図である。この図では、ビームスプリッタは、レーザラインの両側にレーザマーカポイントを形成し、対象となる作業面に「2点1線」の投射効果を形成している。この光路図では、ウェッジミラーの入射面が光路に垂直になっている。この場合、設計に応じて光をウェッジミラーの入射面に対して垂直に導くことができれば、上記入射面で反射した光は、入射光と完全に一致し、ビームスプリッタで屈折した後、元の入射光をビームスプリッタで反射した光と完全に一致することができる。この場合、光路から投射されたレーザ光は、「2点1線」として作業面に投射される。しかし、実際の使用においては、入射光がウェッジミラーに対して垂直に投射できることが保証されていないため、つまり、ウェッジミラーの入射面への入射光は常に垂直に近い角度で投射されるため、ウェッジミラーの入射面で反射される光は入射光からわずかにずれ、この反射光がビームスプリッタの反射、屈折を経て形成された光は、入射光がビームスプリッタで反射された光の出射の方向に非常に近いが、両者は重ならない。このように、上記光路からのレーザ光を作業面に投射すると、投射された光線と同様の距離を有する複数の投射点が形成され、レーザラインプロジェクタの投射効果が、本来の設計である「2点1線」から「複数点1線」になり、作業者が判別できないことで、レーザラインの操作性に影響を与える。
【0020】
上記の問題を克服するために、本発明は、改善された光路構造を提供し、具体的には図2を参照する。本発明の光路構造は、特定の方向に拡散レーザ光ビームを出射するためのレーザ出射装置1を備える。前記レーザ光の光路の方向に沿って、以下の装置が順次に設けられている。
【0021】
以下の装置は、非球面ミラー2と、第1のビームスプリッタ31及び第2のビームスプリッタ32と、ウェッジミラー4と、円筒鏡5である。
【0022】
前記非球面ミラー2は、前記レーザ出射装置1の光出射口に設けられ、前記レーザ出射装置1から出射された拡散レーザ光を集光し、水平の第1の光線6を出射し、前記第1の光線6の幅がdである。 好ましくは、前記非球面ミラー2は、平面状の入射面21と、円弧状の出射面22と、を備え、前記光路方向における前記非球面ミラー2の断面が「D」である。このような形状の非球面ミラー2は、レーザ光が集光され、水平に射出され、体積を小さくなり、省スペース化が図られる。
【0023】
前記第1のビームスプリッタ31と前記第2のビームスプリッタ32とは、いずれも平面レンズであり、前記第1の光線6の内部の両側に配置され、互いに平行ではなく、前記第1の光線6に対して45°の角度を有し、前記第1のビームスプリッタ31と前記第2のビームスプリッタ32との間には最小間隔hを有し、前記最小間隔hは、0<h<dを満たす。このようにして、前記第1の光線6の両側部分は、それぞれ前記第1のビームスプリッタ31と前記第2のビームスプリッタ32に入射され、前記第1の光線6の中間部分は、前記第1のビームスプリッタ31と前記第2のビームスプリッタ32との間の隙間を通過する。前記第1のビームスプリッタ31と前記第2のビームスプリッタ32とは、入射光を反射させてもよく、入射光を屈折させてもよい。また、ビームスプリッタの方向は入射光に対して45°の角度になっているので、反射光は入射光に対して垂直になり、屈折光は入射光に対して平行になる。前記第1の光線6が前記第1のビームスプリッタ31及び前記第2のビームスプリッタ32を通過するときに、前記第1の光線6のビームスプリッタに入射された部分は、反射と屈折が同時に行われ、即ち、前記第1の光線6の両側のレーザ光は、第1の反射光線61と、第1の屈折光線62と、第2の反射光線63と、第2の屈折光線64に分解され、前記第1の屈折光線62と前記第2の屈折光線64とは、それぞれ前記第1の光線6と互いに平行であり、前記第1の反射光線61と前記第2の反射光線63とは、それぞれ前記第1の光線6に対して垂直に射出される。
【0024】
前記ウェッジミラー4は、入射面41と、出射面42とを備え、前記入射面41と前記出射面42とはいずれも平面であり、前記入射面41と前記第1の光線6との間には第1の角度αを有し、前記入射面41と前記出射面42との間には第2の角度β有し、前記第1の角度αは0<α<90°の角度を有している。好ましくは、前記第1の角度αは、65°~80°であり、より好ましくは68°~78°の角度を有しており、例えば、70°、75°、78°などであってもよい。前記ウェッジミラー4は、前記第1の光線6を角度γ偏向した後に第2の光線7を出射し、且つ前記第1の屈折光線62と前記第2の屈折光線64をそれぞれ同じ角度γ偏向した後に第3の屈折光線71と第4の屈折光線72を出射するために用いられるものである。第2の光線7と、第3の屈折光線71と、第4の屈折光線72とは、互いに平行な第1の光線6と、第1の屈折光線62と、第2の屈折光線64と、によって、同じ入射角でウェッジミラー4の入射面41に入射され、且つ同じ角度でウェッジミラー4の出射面42から出射されるので、第2の光線7と、第3の屈折光線71と、第4の屈折光線72とも互いに平行である。好ましくは、前記第2の角度βは、20°~50°の角度を有し、例えば、35°であってもよい。このようにして、第2の光線7と、第3の屈折光線71と、第4の屈折光線72の光線が散乱して作業面に投射された後、形成されたレーザ光にブレークポイントが存在しない。
【0025】
前記円筒鏡5は、前記第2の光線7と、前記第3の屈折光線71と、前記第4の屈折光線72と、を拡散して、作業面にレーザ標示線に投射するために用いられる。好ましくは、前記円筒鏡5は、前記第2の光線7の方向の両側に遮光部51が設けられることによって、分散されていないレーザ光が作業面に直接投射されることを防止し、投射後のレーザ光をより均一にすることができる。
【0026】
本発明は、レーザラインプロジェクタを提供するものである。前記レーザラインプロジェクタでは、レーザ出射装置として上記光路構造を用い、且つ前記第1の反射光線61と、前記第2の反射光線63との射出方向に、前記第1の反射光線61と、前記第2の反射光線63とを出射させるための光貫通孔を設け、かかる光貫通孔は、前記第1の反射光線61の幅と、前記第2の反射光線63の幅よりもわずかに大きい直径を有し、前記第1の反射光線61と、前記第2の反射光線と同じ方向を有する光線のみを光貫通孔から出射させることができる。
【0027】
本発明の光路構造では、光源から出射されたレーザ光は、非球面ミラー2によって集光されて第1の光線6に形成され、第1のビームスプリッタ31と第2のビームスプリッタ32によって5本の光線に分割される。前記第1の光線6と、前記第1の屈折光線62と、前記第2の屈折光線64とは、それぞれウェッジミラー4の入射面41に水平に入射され、ウェッジミラー4の入射面41は、前記第1の光線6の方向に対して垂直ではないため、前記光線が入射面41に入射された場合、その反射光線の方向は入射方向から大きくずれてしまうため、ビームスプリッタに入射することができなく、または、仮に前記反射光線がビームスプリッタに入射されると、ビームスプリッタの反射や屈折によって出射される後の光の方向は、上述した第1の反射光線61と第2の反射光線63の方向から大きく外れるため、光貫通孔によって制限され、作業面にレーザ投射点を形成することができない。つまり、この光路で出射されたレーザ光は、作業面に「2点1線」を形成することができ、多点現象の発生を避けることができる。
【0028】
前記光路構造を用いたレーザラインプロジェクタは、作業面上に「2点1線」の形状のレーザ光を投射することができ、多点現象は発生せず、投射されたレーザ光には明らかなブレークポイントがない。これにより、プロジェクションラインの品質が向上し、操作者の操作性を向上させる。
【0029】
留意すべきは、本発明の実施例は好ましい実施形態を有し、本発明を如何なる形式で制限するものではなく、当業者は上記に開示の技術的内容と同等の変化である等価の実施形態を変更または修飾することができる。本発明の技術的解決手段内容から逸脱せず、本発明の実質的技術に基づいて上記の実施形態を如何に修正、同等の変化と修飾は、依然として本発明の技術的解決手段の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0030】
1 レーザ出射装置
2 非球面鏡
21 平面状入射面
22 円弧状出射面
31 第1のビームスプリッタ
32 第2のビームスプリッタ
4 ウェッジミラー
41 入射面
42 出射面
5 円筒鏡
51 遮光部
6 第1の光線
61 第1の反射光線
62 第1の屈折光線
63 第2の反射光線
64 第2の屈折光線
7 第2の光線
71 第3の屈折光線
72 第4の屈折光線
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ出射装置と、前記レーザ光の光路方向に沿って順次に配置された以下の装置と、を備える光路構造であって、
前記以下の装置は、非球面鏡と、第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタと、ウェッジミラーと、円筒鏡であり、
前記非球面鏡は、前記レーザ出射装置の光出口に配置され、前記レーザ出射装置から出射されたレーザ光を集光し、水平の第1の光線を出射するために用いられ、前記第1の光線は幅dを有し、
前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとは、いずれも平面鏡であり、前記第1の光線の内部の両側に配置され、互いに平行ではなく、それぞれ前記第1の光線と45°の角度をなし、前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとの間には、最小間隔hを有し、前記最小間隔hは0<h<dを満たし、前記第1の光線は前記第1のビームスプリッタ及び前記第2のビームスプリッタを通過するときに、前記第1の光線の両側のレーザ光は、第1の反射光線と、第1の屈折光線と、第2の反射光線と、第2の屈折光線と、に分解され、且つ前記第1の反射光線と前記第2の反射光線とは、それぞれ前記第1の光線に対して垂直であり、前記第1の屈折光線と前記第2の屈折光線とは、それぞれ前記第1の光線と平行であり、
前記ウェッジミラーは、入射面と、出射面とを有し、前記入射面と前記出射面とは、いずれも平面であり、前記入射面と前記第1の光線との間には第1の角度αを有し、前記入射面と前記出射面との間には第2の角度βを有し、前記第1の角度αは、0<α<90°の角度を有し、前記ウェッジミラーは、前記第1の光線を角度γ偏向させた後に第2の光線を出射させ、前記第1の屈折光線と前記第2の屈折光線とを同一の角度γ偏向した後に、前記第2の光線と平行な第3の屈折光線と第4の屈折光線を出射し、
前記円筒鏡は、前記第2の光線、前記第3の屈折光線、前記第4の屈折光線を拡散して、作業面にレーザ標示線を投射するために用いられることを特徴とする光路構造。
【請求項2】
前記非球面鏡は、平面状の入射面と、円弧状の出射面と、を備え、前記光路の方向における前記非球面鏡の断面がD字型であり、前記D字型の断面が前記光路に平行な断面であることを特徴とする請求項1に記載の光路構造。
【請求項3】
前記第1の角度αは、65°~80°の角度を有し、前記第2の角度βは、20°~50°の角度を有することを特徴とする請求項1に記載の光路構造。
【請求項4】
前記第1の角度αは、68°~78°の角度を有していることを特徴とする請求項3に記載の光路構造。
【請求項5】
前記円筒鏡は、前記第2の光線の方向の両側に遮光部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光路構造。
【請求項6】
レーザラインプロジェクタであって、請求項1~5のいずれか一項に記載の光路構造を有することを特徴とするレーザラインプロジェクタ。
【請求項7】
前記レーザラインプロジェクタは、前記第1の反射光線と前記第2の反射光線の出射方向に、それぞれ前記第1の反射光線と前記第2の反射光線を出射するための光貫通孔が設けられることを特徴とする請求項6に記載のレーザラインプロジェクタ。
【国際調査報告】