IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニの特許一覧

特表2022-519368電気ヒータ装置半製品、電気ヒータ装置、および製造プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-23
(54)【発明の名称】電気ヒータ装置半製品、電気ヒータ装置、および製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/06 20060101AFI20220315BHJP
   H05B 3/14 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
H05B3/06 B
H05B3/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545887
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 IB2020050925
(87)【国際公開番号】W WO2020161645
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】102019000001745
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518314084
【氏名又は名称】エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ELTEK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100210701
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 義則
(72)【発明者】
【氏名】バルバーノ,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ゾルゼット,マウロ
(72)【発明者】
【氏名】ピッツィ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルチェロッティ,ルカ
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP15
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB02
3K092QB18
3K092QB21
3K092VV01
(57)【要約】
電気ヒータ装置の半製品は、少なくとも1つの電気ヒータのためのハウジングを規定するケーシング本体(2)を有する。ケーシング本体(2)は、第1のまたは事前定義された構成、特に、実質的に平面、または板状、または二次元構成を有し、実質的に所定の領域(1a)で折り畳まれるように事前に配置されており、これらは、ケーシング本体(2)において、少なくとも部分的に相対的に剛性を有し、1つの前記折り畳み領域(1a)において互いに折り畳まれるのに適した複数の領域(4、5、6)を規定する。このようにして、第2のまたは異なる構成、特に、実質的に三次元構成をケーシング本体(2)に与えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)のためのハウジング(11c)を規定するケーシング本体(2)を有する電気ヒータ装置の半製品であって、
前記電気ヒータまたは各電気ヒータ(20、21)は、
少なくとも部分的にそれぞれの長さ方向(L)で互いに実質的に並んでまたは平行に延在し、少なくとも部分的に可撓性または変形可能である少なくとも2つの接続体(20)と、
前記長さ方向(L)で互いに距離を置いて設定され、前記長さ方向(L)をほぼ横方向に延在する複数の加熱体(20)であって、各加熱体(20)は、前記少なくとも2つの接続体(20)と、好ましくは、対応する加熱体(20)の少なくとも2つの反対側の端部領域にある、複数の加熱体(20)と、を備え、
前記ケーシング本体(2)は、第1のまたは事前定義された構成、特に、実質的に平面、または層状、または二次元構成を有し、実質的に所定の折り畳み領域(1a)で折り畳まれるように事前に配置されており、これらは、前記ケーシング本体(2)において、少なくとも部分的に相対的に剛性を有し、前記ケーシング本体(2)に第2のまたは異なる構成、特に、実質的に三次元構成を与えられ得るように、1つの前記折り畳み領域(1a)で互いに折り畳むことができる複数の領域(4、5、6)を規定する、
半製品。
【請求項2】
前記領域(5)の少なくとも第1の1つは、前記ケーシング本体(2)が前述の第2のまたは異なる構成を安定して維持できるように、前記領域(6)の少なくとも第2の1つに少なくとも部分的に結合されるように事前に配置されている、請求項1に記載の半製品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の領域(5)は、少なくとも1つの結合または固定要素または長手方向エッジ(5a;5b)を有しており、これは、特に、機械的部材(8)を介して、または接着剤(S)を介して、または溶接を介して、前記少なくとも1つの第2の領域(6)の対応する結合または固定要素または長手方向エッジ(6a;6b)に結合されるように事前に配置されている、請求項2に記載の半製品。
【請求項4】
前記領域(5、6)のうちの1つまたは複数には、1つまたは複数の前記電気ヒータ(20、21)、特に、複数の前記電気ヒータを、概ね互いに並んで配置される構成に配置するように構成された、前記ハウジング(11c)のそれぞれの部分が設けられている、請求項1に記載の半製品。
【請求項5】
前記1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)は、
-第1の熱排出量を有する第1のヒータ(20)、および第2の熱排出量を有する第2のヒータ(21)であって、前記第2の熱排出量は、前記第1の熱排出量よりも高い、第1のヒータ(20)および第2のヒータ(21)、
-第2のヒータ(21)に対して独立した方法で電気的に供給されるのに適した第1のヒータ(20)、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項6】
前記複数の領域(4、5、6)は、
-中央領域(4)および複数の周辺領域(5、6)であって、前記中央領域(4)と各周辺領域(5、6)との間には、前記周辺領域(5、6)を前記中央領域(4)に対して折り畳むことができるように、実質的に事前設定された折り畳み領域(1a)が設けられていること、または
-第1の方向に互いに並んで設定された連続する領域(5、6)であって、互いに並んで設定された2つの連続する領域(5、6)の間に、実質的に事前設定された折り畳み領域(1a)が、前記連続する領域の前記領域(5、6)を互いに向かって折り畳むことができるように設けられていること、
を備える、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項7】
前記第2のまたは異なる構成の前記ケーシング本体(2)は、実質的に中空の容積(H)を区切る、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項8】
電気コネクタ本体(3)は、前記領域(4)の1つに関連付けられている、請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項9】
前記ハウジング(11c)は、導電体(22~23)の位置決め、特に、複数の前記電気ヒータ(20、21)の並列接続のために構成されており、好ましくは、前記導電体(22、23)は、対応する電気ヒータ(20、21)の少なくとも2つの接続体(20)の前記長さ方向(L)に対して横方向に延びるそれぞれの部分を有する、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項10】
前記ケーシング本体(2)は、2つのケーシング部品(10、11)を備え、これらは、特に、接着または溶接を介して、少なくともそれらの周辺プロファイルで互いに結合されており、少なくとも1つのケーシング部品(11)は、前記ハウジング(11c)の少なくとも1つのそれぞれの部分を規定している、請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項11】
-少なくとも1つの前記電気ヒータ(20、21)の各加熱体(20)は、抵抗性材料、特に、PTC効果を有するポリマベースの材料(20)を含み、
-少なくとも2つの接続体(20)のそれぞれは、電気的および機械的接続部分(20)を備え、これらは、好ましくは、対応する加熱体(20)の少なくとも1つのそれぞれの端部領域において、ポリマベースの材料(20)に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または巻き込まれるメッシュ構造を有する、請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載の半製品。
【請求項12】
-電気的および機械的接続部分(20)のメッシュ構造は、実質的に糸状の導電材料の要素が織り交ぜまたは十字交差によって形成されるか、または実質的にメッシュ状の形状を有する単一の導電材料の要素によって形成され、
-各加熱体(20)は、2つの対向する主面を有し、各電気的および機械的接続部分(20)のメッシュ構造は、対応する加熱体(20)の少なくとも1つの主面に実質的に平行に延びており、
-各電気的および機械的接続部分(20)のメッシュ構造は、後者の対応する面の対応する加熱体(20)に少なくとも部分的に埋め込まれているか、または各加熱体(20)は、少なくとも2つの接続体(20)の対応する電気的および機械的接続部分(20)のメッシュ構造上に少なくとも部分的にオーバモールドされた体であり、
-少なくとも2つの接続体(20)のそれぞれは、長さ方向(L)に延びる第1の要素(202a)および第1の要素(202a)と直交する方向に延びる複数の第2の要素(202b)を備えるいくつかの部分から構成されており、少なくとも第2の要素(202b)はそれぞれ、対応する加熱体(20)のポリマベースの材料に、好ましくは、その端部領域に、少なくとも部分的に埋め込まれたまたは巻き込まれた第1の部分と、第1の要素(202a)に重ねられた、または少なくとも部分的に接続された、電気的および機械的に接触している第2の部分とを有するそれぞれのメッシュ構造を備え、
その中から少なくとも1つである、請求項10に記載の半製品。
【請求項13】
請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載の半製品(1)を備える電気ヒータ装置(1’)。
【請求項14】
請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載の半製品(1)で使用するための電気ヒータ(20、21)であって、前記電気ヒータ(20、21)は、長さ方向(L)に延びる構造(20a)を有し、前記構造(20a)は、
-前記長さ方向(L)で互いに実質的に並んでまたは平行に延在し、少なくとも部分的に可撓性または変形可能である、少なくとも2つの接続体(20)と、
-複数の加熱体(20)であって、各加熱体(20)は、抵抗性材料、特に、PTC効果を有する材料(20)を含む、複数の加熱体(20)と、を備え、
前記加熱体(20)は、前記長さ方向(L)で互いに距離を置いて設定され、前記長さ方向(L)をほぼ横方向に延び、
前記抵抗性材料(20)は、前記少なくとも2つの接続体(20)と、好ましくは、前記対応する加熱体(20)の2つの対向する端部領域において電気的に接触しているポリマベースの材料であり、
前記少なくとも2つの接続体(20)のそれぞれは、電気的および機械的接続部分(20)を備え、これらは、好ましくは、前記対応する加熱体(20)の少なくとも1つのそれぞれの端部領域において、ポリマベースの材料(20)に少なくとも部分的に埋め込まれるかまたは巻き込まれるメッシュ構造を有する、
電気ヒータ。
【請求項15】
請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載の電気ヒータ装置の半製品を得るための方法であって、前記方法は、
i)第1のケーシング部品(10)および第2のケーシング部品(11)を提供することと、
ii)1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)を提供することと、
iii)前記1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)の電気接続のために複数の導電体(22~24)を提供することと、
iv)前記1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)を前記複数の導電体(22~24)に電気的に接続することと、
iii)前記第1のケーシング部品(10)および前記第2のケーシング部品(11)を少なくともその外側プロファイルで拘束し、その間に前記複数の導電体(22~24)に接続された前記1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)を配置して、第1のまたは事前定義された構成、特に、実質的に平面、または層状、または二次元構成を有する前記半製品(1)のケーシング本体(2)を形成することと、のステップを含み、
-前記第1のケーシング部品(10)および前記第2のケーシング部品(11)の少なくとも1つは、前記1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)および前記複数の導電体(22~24)のためのそれぞれのハウジング(11c)で形成され、
-前記第1のケーシング部品(10)、前記第2のケーシング部品(11)、前記1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)、および前記複数の導電体(22~24)のうちの少なくとも1つは、前記半製品(1)の前記ケーシング本体(2)に複数の実質的に所定の折り畳み領域(1a)が提供されるように、事前に配置されており、これらは、前記ケーシング本体(2)において、少なくとも部分的に相対的に剛性を有し、前記ケーシング本体(2)に第2のまたは異なる構成、特に、実質的に三次元構成を与えることができるように、1つの前記実質的に所定の折り畳み領域(1a)において互いに折り畳むことができる複数の領域(4、5、6)を規定する、
方法。
【請求項16】
電気ヒータ装置(1’)を製造するための方法であって、前記方法は、
-それぞれの第1のまたは事前定義された構成、特に、実質的に平面、または層状、または二次元構成において、請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載の半製品(1)を提供することと、
-前記半製品(1)を複数の実質的に所定の折り畳み領域(1a)で折り畳んで、前記半製品(1)に第2のまたは異なる構成、特に、実質的に三次元構成を与えることと、
-前記領域(5)の少なくとも第1の1つを前記領域(5)の少なくとも第2の1つに拘束して、前記半製品(1)が第2または異なる構成を維持できるようにすることと、
のステップを含む、方法。
【請求項17】
電気ヒータ装置であって、1つまたは複数の電気ヒータ(20、21)のためのハウジング(11c)を規定するケーシング本体(2)を有し、前記ケーシング本体(2)は、第1のまたは事前定義された製造構成、特に、実質的に平面、または層状、または二次元構成を有し、1つまたは複数の実質的に所定の折り畳み領域(1a)で折り畳まれて複数の領域(4、5、6)を規定するように事前に配置されており、これらは、少なくとも部分的に相対的に剛性を有し、前記ケーシング本体(2)に第2のまたは異なる構成、特に、実質的に三次元構成を与えることができるように、互いに折り畳まれるか、または折り畳まれるのに適している、電気ヒータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ヒータ装置および対応する製造方法、より具体的には、電気抵抗、特に、正の温度係数を有する電気抵抗、すなわち、PTC効果を有する、によって区別されるポリマベースの材料(または少なくとも1つのポリマを含む)の使用に基づく装置に関する。
【0002】
本発明は、タンク用ヒータ、フィルタ用ヒータ、流体ダクト用ヒータ、バッテリ用ヒータ、凍結する可能性のある物質や温度の関数としてそれらの特性が変化する物質用ヒータ、あるいは環境用空気または前述のヒータの表面で強制循環する空気など、エアロフォームを加熱するためのヒータなど、車両に使用される電気ヒータ装置の製造に特に関連して開発された。
【0003】
本発明は、例えば、内燃機関の作動に必要な液体、水噴射システムやアンチデトナント噴射システムを含む内燃機関の排気ガスの処理または削減システムの作動に必要な液体など、車両で使用される液体や、センサおよび/または窓やフロントガラスを洗浄するための液体(例えば、ビデオカメラおよび/または光学センサなどの外部センサを洗浄するための水)など、液体と接触するタンクまたはダクトのコンポーネントの分野における好ましい用途を見出す。
【0004】
本発明に係るヒータ装置および半製品は、いずれの場合にも、上記の優先的なものとは異なる状況で適用され得る。
【背景技術】
【0005】
PTC効果を有する材料で作られた複数の加熱体を使用する電気ヒータ装置の製造は、そのような材料の機能的特性を考慮して、広く行われている。場合によっては、ヒータ装置は、金属板によって構成される、それに応じて大きな寸法の2つの電極が関連付けられた、比較的広い面積を有する反対側の表面を有するPTC効果を有する材料からなる単一の加熱体を含む。他の場合には、ヒータ装置は、代わりに、それぞれの電極が電気接続体に接続された、比較的小さな寸法の複数の加熱体を含む。より伝統的なセラミックベースの材料に加えて、最近、抵抗性高分子材料、特に、PTC効果材料が登場した。これは、様々な形態でより簡単に入手でき、対応する電極間で直接成形され得る。それにもかかわらず、PTC効果高分子材料で作られた多数の加熱体を統合するヒータ装置の製造は、依然として一般に複雑であり、前述のヒータ装置をより複雑な機能コンポーネントに統合することに関しても同じことが言える。
【0006】
自動車コンポーネントの分野では、通常、実質的に剛性があり、特殊な形状のPTC効果ヒータ装置が提供される。例えば、国際公開第2017077477号は、車両タンクのコンポーネント、特に、一般に円筒形を有するコンポーネントに統合するように設計されたヒータ装置を説明している。装置は、PTC効果高分子材料で作られた複数の加熱体を備え、そのそれぞれは、第1の電極と第2の電極との間に設定され、第1および第2の電極は、それぞれ、第1の電気接続体および第2の電気接続体に接続されている様々な加熱体に関連付けられる。各加熱体の形成に必要なPTC効果高分子材料は、第1および第2の電極の対向する表面の間でオーバモールドされ、次に、電気絶縁プラスチック材料が、対応する加熱体を介在させて電極上、および接続体上にオーバモールドされる。
【0007】
一側に対応する接続体を備えた第1の電極、および反対側に対応する接続体を備えた第2の電極は、それぞれの平面金属板から開始するブランキングの操作を介して、単一の部品で定義され得る。2つのブランクされた平面片は、型内の平行な位置に設定され、それを介して、PCT効果ポリマ材料は、各平面片によって定義される電極の対向する表面の間でのみ成形される。このようにして、実質的に平面の半製品が得られ、これは、半製品自体がほぼ円筒形の構成となるように、電極と対応する接続体との間の接合領域において折り畳み操作が行われる。次に、折りたたまれた半製品上に、ここではタンクコンポーネントの本体に対応するケーシング本体を形成するプラスチック材料をオーバモールドして、水平方向と垂直方向の両方に延びる対応する剛性壁を形成し、したがって、一定の容積を得る。
【0008】
前述のタイプの既知のヒータのさらなる典型的な問題は、PTC効果ポリマ材料が対応する金属電極から剥離し、その結果、動作不良が生じることである。この欠点は、ポリマや金属などの異なる材料が、加熱とその後の冷却のサイクルの間に、特に、動作中および/または環境条件の結果として、異なる程度に膨張および収縮することに起因している可能性がある。この欠点は、車両タンク用のヒータなどの大きな寸法のヒータでより簡単に指摘でき、その結果、材料の膨張現象が、特に、ヒータ装置の幅と長さの方向で強調される(これは、この場合、膨張が「加算」され、例えば、装置の機械的固定または拘束の領域とは反対の周辺領域または端部領域で非常に強調される寸法変化を引き起こすという事実による)。
【0009】
さらに関連する問題は、特に、加熱とその後の冷却のサイクルによる異なる膨張または寸法変化の存在下で、加熱体と対応するケーシングとの間に設定される機械的応力によって表される。
【0010】
前述のように、ヒータ装置の製造方法および/または異なるコンポーネントへのその統合は、比較的手間がかかり、誤動作を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0011】
上記のことを考慮して、本発明は、基本的に、電気ヒータ装置、特に、PTC効果高分子材料を使用する装置の製造、および/またはその他のコンポーネントへの統合を単純化することを目的としている。
【0012】
以下に明らかになるであろう、上記およびその他の目的は、本発明によれば、添付の請求項で指定された特徴を有する、電気ヒータ装置の半製品、電気ヒータ装置、および対応する製造方法によって達成される。請求の範囲は、本発明に関連して本明細書で提供される技術的教示の不可欠な部分を形成する。
【0013】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、純粋に非限定的な例として提供されている添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の半製品の異なる角度からの概略斜視図である。
図2】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の半製品の異なる角度からの概略斜視図である。
図3図1および図2に示されているタイプの半製品の部分分解概略図である。
図4図1および図2に示されているタイプの半製品の異なる角度からの分解概略図である。
図5図1および図2に示されているタイプの半製品の異なる角度からの分解概略図である。
図6図1および図2に示されているタイプの半製品の電気部品の分解概略図である。
図7】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置のさらなる半製品の概略斜視図である。
図8図7に示されているタイプの半製品の分解概略図である。
図9】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置のさらなる半製品の概略斜視図である。
図10図9に示されているタイプの半製品の分解概略図である。
図11】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の半製品の一緒に接続された電気部品の概略斜視図である。
図12】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の半製品の本体部分の概略斜視図である。
図13】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の異なる角度からの概略斜視図である。
図14】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の異なる角度からの概略斜視図である。
図15】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の組み立ての可能なステップの部分的かつ概略的な表現である。
図16】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置のさらなる半製品の概略斜視図である。
図17】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置のさらなる半製品の概略斜視図である。
図18図16を拡大した詳細図である。
図19図17を拡大した詳細図である。
図20】本発明のさらに可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の概略斜視図である。
図21図20を拡大した詳細図である。
図22図20を拡大した詳細図である。
図23】本発明のさらに可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の概略斜視図である。
図24図23を拡大した詳細図である。
図25図23を拡大した詳細図である。
図26】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置のさらなる半製品の異なる角度からの概略斜視図である。
図27】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置のさらなる半製品の異なる角度からの概略斜視図である。
図28図26を拡大した詳細図である。
図29図27を拡大した詳細図である。
図30図26および図27に示されるタイプの半製品の分解概略図である。
図31】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の半製品の一緒に接続された電気部品の概略斜視図である。
図32】本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の半製品の一部の部分的に断面化された概略斜視図である。
図33】本発明のさらに可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の概略斜視図である。
図34図33を拡大した詳細図である。
図35】本発明のさらなる可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の組み立てのステップを例示することを目的とした、部分的かつ概略的な斜視図である。
図36】本発明のさらなる可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の組み立てのステップを例示することを目的とした、部分的かつ概略的な斜視図である。
図37】本発明の可能な変形実施形態を表す概略斜視図である。
図38】本発明の可能な変形実施形態を表す概略斜視図である。
図39】本発明の可能な変形実施形態を表す概略斜視図である。
図40】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図41】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図42】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図43】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図44】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図45】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図46】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図47】これらの変形で取得できる半製品およびヒータ装置のさらなる変形の概略図である。
図48】半製品のさらなる変形の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本説明の枠組みにおける「実施形態」または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の構成、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図する。したがって、本明細書の様々な点に存在し得る「実施形態では」、「一実施形態では」などの句は、必ずしも1つの同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、この説明で定義された特定の形態、構造、または特性は、表されたものとは異なっていても、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。本明細書で使用されている参照番号と空間参照(「上」、「下」、「頂上」、「底部」など)は、単に便宜のために提供されており、したがって、保護の範囲または実施形態の範囲を定義するものではない。
【0016】
本説明および添付の請求の範囲において、総称「材料」は、いくつかの異なる材料(例えば、多層構造または複合材料)の混合物、組成物、または組み合わせも含むと理解されるべきである。
【0017】
本説明および添付の請求の範囲において、「メッシュ構造」という用語は、例えば、ネット、メッシュ、ふるい、織布、編組などのような、完全な部分と空の部分の交互によって区別される構造を示すことを意図する。この構造は、糸またはワイヤなどの複数の実質的に糸状の要素の十字交差または織り合わせによって形成され得るか、あるいは単一の開始要素、例えば、メッシュ形状を与えるためにブランクおよび/または成形および/または引き伸ばされた金属ストラップの処理によって得られ得る。
【0018】
本説明および添付の請求の範囲において、「半製品」という用語は、中間製品またはコンポーネントを指すことを意図しており、それは、さらに処理され、互いに非常に異なるタイプであっても、より複雑な製品または物品の製造に使用できる。
【0019】
図1および図2に概略的に示されているのは、本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置の第1の半製品であり、全体として1で示され、内部電気部品および外部ケーシング部品を備える。半製品1は、2で示されるケーシング本体を備え、好ましくは、互いに関連付けられ、事前定義された製造形状または構成、すなわち、その製造プロセスの最後に事前定義される形状を有するいくつかの部品によって形成される。様々な優先的な実施形態では、半製品のケーシング2の前述の事前定義された形状または構成は、実質的に平面、または層状(板状)、または二次元の形状である。「実質的に平面、または層状、または二次元の形状」の定義は、特に、半製品の倉庫保管または輸送のステップなど、少なくとも1つの第1の製造ステップで、いくつかの部品がわずかに傾斜またはわずかにアーチ状または湾曲している、または全体の寸法の縮小を可能にするように成形されたケーシング形状または構成も備えることを意味する。
【0020】
様々な実施形態では、半製品1のケーシング本体2に関連するのは、3によって示される電気コネクタ本体である。
【0021】
好ましくは、平面ケーシング本体2の少なくとも一部は、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、または多層フィルムなどの少なくとも1つのポリマでできている。好ましくは、ケーシング本体2の少なくとも一部は、半製品1から得られるヒータ装置が取り付けられる異なる構造(タンクまたは油圧ダクトなど)の材料と互換性がある、および/または溶接することができる材料でできている。
【0022】
示されているものなどの様々な実施形態では、ケーシング本体2は、相対的に剛性のある(relatively stiff)構造を有する複数の周辺領域または壁5および6である周辺プロファイルから外側に延びる中央領域または壁4を有する。この例では、中央領域4は実質的に四角形であり、4つの周辺領域5、6が提供され、これらも実質的に四角形である。領域5および6の数は、例えば、中央領域4の周辺プロファイルに従って、4より小さくても大きくてもよい。例えば、実質的に三角形である中央領域では、3つの周辺領域が提供され得るが、六角形の中央領域では、6つの周辺領域が提供され得る。しかしながら、これは、以下に見られるように、周辺領域の数が必ずしも中央領域のプロファイルの形状にリンクされていない限り、本質的な特徴を構成するものではない。
【0023】
再び図示の例を参照すると、中央領域4は、実質的に長方形の周辺プロファイルを有し、そこから、前述の長方形プロファイルのそれぞれ短辺および長辺の幅に実質的に対応する幅を有する2つの周辺領域5および2つの周辺領域6が延びる。周辺領域5、6は、中央領域4の境界から始まるそれぞれの長手方向に延在し、これは本質的な特性を構成しないが、好ましくは1つの同じ長さである。周辺領域5、6はまた、例示された実質的に四角形のものとは異なる形状を有し得る。
【0024】
以下により明確に明らかになるように、本例では、周辺領域5、6は、電気ヒータ装置の三次元本体、特に、実質的に剛性を有する三次元本体を得るために、中央領域4に対してある角度で折り畳まれるように設計されており、好ましくは、中空容積を規定する。
【0025】
この目的のために、様々な実施形態では、半製品1の本体2は、1aによって示される、より剛性が低い実質的に所定の折り畳み領域を提示するように事前に配置される。四角形の中央領域4を有する例示されたタイプの実施形態では、折り畳み領域1aの数は、中央領域の側面の数に等しく、すなわち、周辺領域5、6、折り畳みの数に等しくてもよい。折り畳み領域1aはそれぞれ、中央領域4と対応する周辺領域5または6との間に実質的に規定されている。他の実施形態では、例えば、図26図27を参照して以下に説明するタイプの場合、少なくとも2つの周辺領域は、互いに直接隣接していてもよく、これらの領域の一方は、電気ヒータ装置の三次元本体、好ましくは、中空容積を規定する箱状または管状の三次元本体を得るために、他方に対してある角度で折り畳み得る。
【0026】
例示されたものなどの様々な実施形態では、折り畳み領域1aは、例えば、実質的に凹面または溝を形成し、好ましくは、半円形の形状を有する本体2の適切な形状によって構成される。領域1aは、本体2の厚さの減少によって、またはその中に行われた切開によって構成され得る。折り畳み領域1aは、関節式ジョイントまたは弾性ヒンジの機能を実行し得る。
【0027】
見られるように、ケーシング本体の実質的に所定の折り畳み領域の事前配置は、必ずしも、前述の凹状領域、または溝、または厚さの減少、または切開の存在を前提としない。
【0028】
ヒータ装置の前述の三次元本体の形成の目的のために、特に、三次元形状の安定した維持を保証するために、折り畳みに続いて、周辺領域5、6が少なくとも局所的に一緒に結合されることが好ましい。この目的のために、様々な実施形態では、周辺領域5、6は、意図的にエッジを提供している。図1および図2に示される例を参照して、各周辺領域5、6の各長手方向側またはエッジには、付属物またはブラケットなどの少なくとも1つの結合または固定要素が提供され、それらのいくつかは、5aおよび6aによって示される。様々な実施形態では、領域5の少なくとも1つのブラケット5aは、以下に明らかにされるように、隣接する領域6の少なくとも1つのブラケット6aに結合されるべきである。推測できるように、ここでブラケット5aおよび6aによって表される結合または結合要素は、好ましくは、以下に説明するように、特定の電気ヒータが組み込まれる部分よりも厚みが薄いケーシング本体2の部分によって規定される。
【0029】
様々な実施形態では、ケーシング本体2の少なくとも1つの主要な側面または面は、これが本質的な特性を構成しないとしても、実質的に平面または滑らかである。ケーシング本体2の主側面または面の両方は、例えば、電気接続および/または発熱要素のためのハウジングによって規定されるレリーフを備えた不規則な表面を有し得、後者は、熱交換を改善するために、加熱される流体との接触面を増加させるように設計されることが好ましい。示されている例では、本体2は、図2で強調表示されているように、ヒータ装置の三次元本体の内面を構成することになるその面で実質的に滑らかである。代わりに、図1に見られる本体2の反対側の面に結合されているのは、コネクタ本体3であり、これは、エンド装置の前述の三次元本体の外側、すなわち、三次元体体によって規定される容積の外側に留まることになっている。
【0030】
図3では、半製品1は、内部の電気部品と外部のケーシング部品が見えるようにするために部分的に分解されている。様々な好ましい実施形態では、半製品1のケーシング本体2は、一緒に関連付けられた2つ以上の部品でできているが、他の実施形態では、ケーシング本体は、1つまたは複数の電気ヒータおよび/または対応する電気接続要素上の材料のオーバモールドによって少なくとも部分的に形成され得る。ケーシング本体2は、好ましくは、気密タイプ、すなわち、1つまたは複数のヒータを液密な方法で封入するために考案されたものである。図3の場合、10および11によって示されるのは、2つのケーシング部品であり、好ましくは、それぞれが単一の部品でできており、電気部品の介在によって一緒に結合され、後者は、複数の電気ヒータ、そのうちいくつかは20および21によって示され、および以下に説明する複数の導電体を優先的に備える。
【0031】
様々な実施形態では、2つのケーシング部品10および11は、互いに実質的に類似または対応する周辺プロファイルを有し、好ましくは、ケーシング本体2の最終的な周辺プロファイルに実質的に類似または対応する。この例では、このプロファイルは、実質的に十字のような形をしている。この目的のために、様々な実施形態では、部品10および11はそれぞれ、それぞれ10および11によって示される中央領域を有し、そこから、それぞれ10、10および11、11によって示される対応する周辺領域が延びる。好ましくは、ケーシング部品10および11は、例えば、半円形の形状を有する、実質的に溝または凹面を形成する前述の部品10および11の形状によって構成される、それぞれ10aおよび11aによって示される折り畳み領域を備えている。しかしながら、それらが目的に適した他の形状の断面を有することは可能である(例えば、一連の直線状および/または湾曲したストレッチによって形成される)。また、これらの折り畳み領域10a、11aは、部品10、11の厚さの減少によって、あるいはその中に作られた切開によって構成され得る。2つのケーシング部品10および11が一緒に結合された状態で、対応する領域10aおよび11aは、互いに重なり合って、半製品1の本体2の折り畳み領域1a(図1)を形成する。好ましくは、各周辺領域10、10および11、11の各長手方向側またはエッジには、少なくとも1つの付属物またはブラケットなどの少なくとも1つの結合または固定要素が提供され、それらのいくつかは、それぞれ10bおよび11bによって示される。2つのケーシング部品10および11が一緒に結合されている状態では、対応する付属物10bおよび11bを互いに重ね合わせて、半製品1の本体2のブラケット5aおよび6a(図1)を得ることが好ましい。
【0032】
様々な実施形態では、ケーシング部品10および11は、電気絶縁プラスチック材料でできており、前述の電気部品の少なくとも一部をそれらの中に封入するために、接着または溶接または係合によって、好ましくは、液密の方法で一緒に固定される。前述のように、前述の材料は、好ましくは、ポリマ、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)である。好ましくは、ケーシング部品10および11は、少なくともそれぞれの周辺プロファイルに沿って液密な方法で一緒に固定されるが、その中間領域にも相互結合の除外領域は存在しない。
【0033】
図4図5も参照すると、様々な実施形態では、一方のケーシング部品10は実質的に平坦または滑らかな表面を有し、他方のケーシング部品11は、図4の11cで示される少なくとも1つのハウジングまたはシートを規定するように形作られる。ヒータ20、21および対応する電気接続要素などの装置の電気部品を受け入れるように設計された形状を有する。前述のハウジングは、互いに異なる形状を有するものであっても、複数のハウジングによって構成されてもよい。
【0034】
好ましくは、前述のハウジング11cは、ケーシング部品11の対応する中央領域11および対応する周辺領域11、11図12も参照)でそれぞれが規定される複数の部分を有する。好ましくは、ハウジング11cは、ケーシング部品10と11との間の正確な位置決めを確実にするために、ヒータ20、21および/または可能な他の電気部品に少なくとも部分的に相補的なプロファイルを有する。
【0035】
2つのケーシング部品10および11は、実質的に同じ厚さを有し得るか、あるいは異なる厚さを有し得、例えば、ケーシング部品11がケーシング部品10よりも厚い、またはその逆であり得る。ケーシング部品は、例えば、熱交換を促進するために、前述の折り畳み領域および/または加熱要素を収容するための領域において厚みが減少した前述の領域など、異なる厚さの一部の部品のみを有し得る。異なる厚さの選択は、用途のタイプに依存し得る。例えば、半製品1から得られるヒータ装置の作業位置での設置のタイプに応じて、ヒータ装置によって規定された中空容積の内側と外側で実質的に同じ熱放出を有する必要があり、そうでなければ、内側または外側、あるいは一部の領域でのみ熱放出を優先する必要がある。
【0036】
もちろん、ケーシング部品10および11を提供するために使用される厚さおよび材料は、その材料がヒータ20、21を介して発生する熱の放出を可能にするような場合に限り、必要に応じて変化し得る。一般に、ケーシング部品10および11の好ましい厚さは、0.1mmから2mmの範囲であり得る。異なる厚さの部品10および11の組み合わせは、製造の必要性に応じて、半製品1の全体としての柔軟性/剛性を調整するために利用され得る。
【0037】
様々な優先的な実施形態では、2つのケーシング部品10、11のうちの少なくとも1つは、熱伝導性であるが電気絶縁性の充填剤または粒子が添加されたポリマを備える。すなわち、半製品1のケーシング本体2の少なくとも一部の材料は、特に、例えば、タンクに含まれる液体に関して、ヒータ20、21とケーシング本体2の外部の環境との間の熱交換を改善するために、電気絶縁性であるが熱伝導性(例えば、窒化ホウ素粒子によって構成される充填剤を有するHDPE)であり得る。
【0038】
図示の例では、半製品1の内部電気部品用のハウジング11cは、ケーシング部品の1つ、特に、部品11だけで完全に規定されている。しかしながら、他の実施形態では、2つのケーシング部品10、11は、実質的に対称な形態(すなわち、ハウジング11cの実質的に半分を規定する各ケーシング部品10、11)またはそうでなければ実質的に非対称の形態で、前述のハウジング11cのそれぞれの部分を規定し得る。
【0039】
ケーシング部品10、11の一方または両方は、ハウジング11cまたはそのそれぞれの部分を規定するために、例えば、成形または熱成形を介して、有利に予備成形され得る。他方、2つのケーシング部品10、11のうちの少なくとも1つが、特に、比較的薄い厚さ(例えば、0.35mm)のフィルムの形態で十分に薄い場合、ハウジング11cまたはフィルム内のハウジングの一部の成形は、2つのケーシング部品10、11を一緒に溶接するために使用されるテンプレートまたは装置、好ましくは、振動または超音波溶接、あるいはホットブレードタイプの溶接など再溶融タイプの溶接の目的で使用されるテンプレートまたは装置を使用して得られ得る。この目的のために、振動または超音波溶接装置のソノトロードなどのテンプレートまたは溶接装置、あるいは再溶融または熱溶接装置の加熱プレートは、適切に成形でき、例えば、ケーシング部品が想定する形状と少なくとも部分的に相補的な形状を有し得る。
【0040】
例示されたものなどの様々な実施形態では、半製品1は、複数の電気ヒータ20、21を含み、それらの少なくともいくつかは、本体2の少なくとも1つの領域5、6において、例えば、互いに実質的に平行に互いに並んで配置される構成で配置される。2つのケーシング部品10、11の一方、またはこれらの部品の両方(上記を参照)によって規定されるハウジング11cは、それに応じて形作られる。好ましくは、半製品1は、これが本質的な特性を構成しないとしても、その各領域4~6に少なくとも1つのヒータを含む。
【0041】
図示の非限定的な例では、13個のヒータ20、21が提供され、そのうちの1つだけが中央領域4に配置され、2つは各周辺領域5に配置され、4つは各周辺領域6に配置される。図5に例示されるものなどの様々な実施形態では、ヒータ20、21のそれぞれは、互いに並列に接続された複数の加熱要素を備える。しかしながら、他の実施形態では、少なくとも1つまたは複数のヒータは、1つの加熱要素のみを含むことができ、そうでなければ、電気抵抗が少なくとも部分的に互いに直列に接続されるヒータなど、異なる構成で電気的に接続されるいくつかの加熱要素を提供し得る(例えば、電気抵抗が直列に接続されたヒータのセットを形成し、これらのセットが並列に電気的に接続される)。
【0042】
述べられたように、図示されたヒータ20、21の数および分布は、単に非限定的な例として提供されている。
【0043】
図6も参照すると、22および23によって示されるのは、導電性材料で作られた2つの導電体であり、ヒータ20、21のそれぞれの電気接続体、例えば、正極および負極に対応するもの、または、いずれの場合も、電源の2つの極に対応するものが接続される必要がある。
【0044】
代わりに、24によって示されているのは2つの電気端子であり、それらのそれぞれは、それぞれの導体22または23に電気的に接続されるべきである。半製品1の組み立て状態では、端子24は、半製品1のケーシング本体2から、特に、ケーシング部品11の対応する通路を通って、ケーシング本体自体によって識別される一般平面に実質的に直交する方向に優先的に突出する。
【0045】
各端子24の突出部分は、例えば、コネクタ本体3によって規定される対応する通路(3a、図4)に挿入でき、後者は、好ましくは、ケーシング部品11の外面(すなわち、ハウジング11cの反対側)に液密な方法で固定され、例えば、その上に接着または溶接されている(例えば、図1を参照)。このようにして、端子24およびコネクタ本体3の少なくとも前述の突出部分は、半製品1、すなわち、そこから得られるヒータ装置の接続のための電気コネクタ、特に、装置1の外部の配線のコネクタと結合するように設計された電気コネクタを形成する。
【0046】
これまでに例示されたものなどの様々な実施形態では、導体22、23および端子24は、ストラップの形態の材料、例えば、金属材料から出発して得られるが、明らかに他の実施形態は、例えば、電線によって、または金属または導電性ポリマ材料(例えば、導電性充填剤または物質が添加されたポリマ)の堆積によって形成された導体22、23を用いて可能である。
【0047】
様々な実施形態では、半製品1は、導体22、23間の起こり得る短絡を防止するために、すなわち、異なる電圧または電気的極性にさらされる部品間の偶発的な接触を防止するために、電気絶縁手段を備える。示されている例では、以下により明確に説明するように、絶縁フィルムまたはテープ25が意図的に提供されており、これは、導体23の上に少なくとも部分的に置かれるべきである。
【0048】
半製品1で使用される電気ヒータ20、21は、全てが1つの同一のタイプであり得るか、あるいは、異なる熱分布を目的とし、例えば、寸法および/または形状、または加熱体の数、あるいは熱排出量などの点で異なるタイプであり得る。
【0049】
図7および図8は、本発明の様々な実施形態で使用できる電気ヒータ20の第1のタイプを概略的に表す。好ましくは、ヒータ20自体は、さらなる半製品の一部または一部によって構成され、以下、簡単にするために、「ヒータ半製品」と呼ぶ。したがって、図7のヒータ20は、前述のヒータ半製品の限られた長さの部分によって構成されると想定されるべきである。
【0050】
様々な優先的な実施形態では、ヒータ20(またはそれが得られる半製品)は、長さLの方向および幅Wの方向に延在し、厚さTを有する構造20aを有する。好ましくは、構造20aは、幅Wの方向に相対的に剛性があり、長さLの方向に実質的に可撓性または変形可能である。いずれの場合でも、優先的に、構造20aは、幅Wの方向よりも長さLの方向に、より可撓性があるか、またはより容易に変形可能である。
【0051】
様々な実施形態では、構造20a(すなわち、ヒータ半製品)は、それ自体の上に巻き上げられるか、または折り畳まれ得る。換言すれば、構造20aは、その長さ方向に十分な可撓性または変形可能性を有しているため、それ自体を巻き上げて多かれ少なかれ円筒形の形状にすることができ、特に、ロールなどを形成することができ、また、反対方向に(すなわち、ジグザグに)それ自体を折り畳んで、多かれ少なかれ平行六面体のスタックを形成することができる。
【0052】
構造20aは、少なくとも2つの電気的および機械的接続体20を備えており、これらは、導電性材料からなる少なくとも2つの長手方向要素を含み、これらは、長さLの方向に互いに並んで、好ましくは、互いに実質的に平行に延びており、前述のように、少なくとも前述の長さLの方向に好ましくは可撓性または変形可能である。構造20aは、複数の加熱体20をさらに備え、それぞれが好ましくは少なくとも1つの抵抗性材料、好ましくは図8で20示されるPTC効果を有する材料を含む。2つの電気接続体20およびいくつかの加熱体20は、分解図で見ることができる。図7から明らかなように、2つの接続体は、それぞれ、長さLの方向に延在し、加熱体の幅よりも明らかに小さい幅を有する長手方向要素を備える。同じ図から、2つの接続体20が、長さLの方向に2つの連続する加熱体20の中間にあるそれぞれの部分をどのように持っているかもよくわかる。気づいているように、接続体の前述の中間部分は、加熱体の幅の一部である幅を有し、接続体の各中間部分は、幅(W)の方向に、他の接続体の対応する中間部分から距離を置いて延びる。
【0053】
好ましくは、接続体の前述の中間部分は、実質的に互い違いの位置にある。接続体の中間部分、すなわち、2つの連続する加熱体20の間に延びるその部分のこの間隔を置いた千鳥配列のおかげで、これらの中間部分は、接続体の前記中間部分の折り畳みまたは湾曲中に互いに接触できない。
【0054】
また、図7から、表された好ましい変形されていない構成において、本体20のそれぞれが実質的にそれぞれの平面に沿って延びており、すなわち、加熱体20および加熱体20の中間にある前述の部分のいずれにおいても、直線または平坦であることがよくわかる。
【0055】
様々な実施形態では、加熱体20を構成する材料20は、ポリマベースの材料(すなわち、少なくとも1つのポリマを含むもの)であり、好ましくは、ポリマまたはいくつかのポリマの混合物と、対応する充填剤、例えば、導電性充填剤および/または熱伝導性充填剤とによって形成されるマトリックスを有する複合材料である。様々な好ましい実施形態では、加熱体20の材料20は、PTC効果を有する共連続ポリマ複合材料であり、マトリックス中に少なくとも2つの非混和性ポリマおよび少なくとも1つの導電性充填剤を含むマトリックスを有する。
【0056】
このタイプの好ましい実施形態では、非混和性ポリマの少なくとも1つは、高密度ポリエチレン(HDPE)であり、非混和性ポリマの少なくとも1つは、ポリオキシメチレン(POM)である。導電性充填剤は、マイクロメートルまたはナノメートルの寸法を有する粒子によって優先的に構成され、好ましくは、10nmから20μmの間、非常に好ましくは、50から200nmの間で構成され、おそらく凝集して1から20μmの間で構成される寸法の鎖または分岐凝集体を形成する。導電性充填剤の好ましい材料は、カーボンブラック、グラフェン、またはカーボンナノチューブ、またはそれらの混合物などの炭素材料である。
【0057】
HDPEとPOMは、重量の合計の45%から55%の間に含まれる相対的な割合で優先的に使用される。好ましくは、導電性充填剤は、HDPEの重量と導電性充填剤の重量の合計の10%から45%の間、好ましくは、16%から30%の間を含む重量パーセントで、HDPE内に全体的または大部分のいずれかに閉じ込められる。この目的のために、HDPEと導電性充填剤は、POMとの混合の前に、特に、押し出しによって一緒に混合でき、この場合も、押し出しによって優先的に実行できる。
【0058】
POMの高融点により、2つのHDPE相とPOM相をより適切に分離できるため、POM内の導電性充填剤の移動の可能性が減少する(この効果に寄与するのは、充填剤が事前にHDPEのみと優先的に混合されているという事実である)。他の既知のポリマと比較してPOMの融点が高いため、同様に、より安定した最終構造を得ることができる。複合材料のPTC効果により、自己発熱が最高温度約120℃に制限される。さらに、POMは、およそ70%から80%の範囲で構成される高い結晶化度を示す。これは、提案された優先的な共連続複合材料では、HDPEからPOMへの充填剤の移動が発生する可能性が低く、これにより、例えば、加熱および電流の通過によるPTC効果材料の性能の低下を防ぐことを意味する。POMのより高い結晶化度はまた、化学的観点から複合材料を特に耐性にし、その上に高い安定性を与える。一方、HDPEの結晶化度は、通常60%から90%で構成される。このようにして、アモルファスドメインに高濃度の導電性充填剤が得られ、対応する高い導電性が得られる。
【0059】
半製品20aの加熱体20は、長さLの方向に互いに距離を置いており、一般に、それを横切る方向に、例えば、実質的に直交して延びる。このようにして、少なくとも2つの反対側の側端にある。ここで幅方向Wを考慮して、各本体20の材料20は、2つの接続体20に電気的および機械的に接続できる。示されているものなどの様々な実施形態では、本体20は、角柱形状、好ましくは、実質的に平行六面体の形状を有するが、これは、本発明の本質的な特徴を構成しない。上記のように、様々な実施形態では、接続体20、またはそれぞれの長手方向要素の幅は、加熱体20の反対側の主面の幅の既約分数である。したがって、必要に応じて、両方の接続体20はまた、加熱体の同一の主面に関連付けられ、幅Wの方向に互いに距離を置いて設定されるか、または実質的に平行であり、同一の平面に従って実質的に配置され得る。
【0060】
種々の実施形態では、2つの接続体20のそれぞれは、電気的および機械的な接続部分を有し、その一部は、20で示され、各加熱体20には、一方の接続体20に属する少なくとも1つの第1の部分20と、他方の接続体202に属する1つの第2の部分20とが関連付けられている。前述の第1および第2の部分20は、好ましくは、それぞれ、本体20の前述の側端領域、ここではその2つの反対側の主面にそれぞれ関連付けられている。
【0061】
優先的に、接続部分20はメッシュ構造を含む。図7および図8に例示されるものなどの様々な実施形態では、2つの接続体20のそれぞれは、メッシュ構造を有する単一の部品、例えば、導電性布または金属ネットから完全に作られている。しかしながら、他の実施形態(そのいくつかは以下に例示される)では、2つの接続体20のそれぞれは、構造20aの長さLの方向に延びる少なくとも1つの第1の長手方向要素と、第1の要素に対して横方向に延びる複数の第2の要素とからなる多数の部分で構成されており、それぞれがそれぞれのメッシュ構造を提供する前述の第2の要素、すなわち、前述の電気的機械的接続部20を備えている。これらの実施形態では、長さLの方向に延びる第1の要素は、必ずしもメッシュ構造を有する必要はない。ちなみに、加熱体の幅のほんの一部であるその縮小された幅は、いずれにせよ、半製品の曲げまたは変形、ならびに複数のセクションまたは長さへのその切断の能力を容易にする。
【0062】
様々な優先的な実施形態では、部分20のメッシュ構造は、対応する加熱体20、すなわち、対応する端部領域の抵抗性ポリマ材料20に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または巻き込まれる。
【0063】
メッシュ構造の少なくとも部分的な埋め込みは、機械的圧力および/または加熱(好ましくは、抵抗性材料を少なくとも表面的に軟化または溶融するような加熱)を介して、構造自体を対応する加熱体20に後者の面で浸透させることによって、または、加熱体20の抵抗材料の少なくとも一部をメッシュ構造上に、すなわち、対応する電気的および機械的接続部20上にオーバモールドすることによって得られ得る。埋め込みの作業は、本体20の幅が縮小されていることによって、あるいはいずれにしても、各埋め込み部分が、平面図で見ると、対応する加熱体20の対応する主面の領域の限られた部分に等しい領域を規定していることにより容易になる。好ましくは、埋め込み作業は、接続体の曲げまたは湾曲を意味せず、したがって、好ましくは、それらの実質的に平面の構成を維持する。
【0064】
図では、接続部分20のメッシュ構造は、より明確にするために、実質的に完全に視野に入れて表されていることに留意されたい。しかしながら、好ましくは、この構造は、好ましくは、構造の様々なメッシュ間に規定されたメッシュ開口部が材料20の一部によって占められるように、それぞれの加熱体20の材料20に少なくとも部分的に浸透するように作られている。他方、特に、加熱体が対応する接続部分20にオーバモールドされている場合、接続部分20のメッシュ構造の一部を加熱体20の材料20に実質的に完全に埋め込むことも可能である。
【0065】
接続部分20またはそれらのメッシュ構造は、対応する加熱体20の主面に実質的に平行に延びることが好ましい。これは、接続体20の間の良好な均一性および高強度の電力供給電流を保証し、これは、見られるように、様々な加熱体20に並列に電力を供給するために利用される。したがって、この目的のために、優先的に、接続部分20は、長さLの方向および幅Wの方向に延在し、好ましくは、実質的に二次元、すなわち、実質的にシートまたはウェブ構造のような最小の厚さである。前記のように、その幅は本体20の幅の割合である。
【0066】
様々な好ましい実施形態では、メッシュ構造は、導電性材料、好ましくは、金属材料のねじ山またはワイヤの少なくとも一部で作られた織りによって構成される。好ましい金属は、例えば、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、真ちゅう、青銅、ニッケル-クロムベースの合金、または鉄-クロムベースの合金の中から選択され得る。導電性布は、任意の既知の技術を使用して、糸またはワイヤの織り合わせまたは十字交差を介して得られ得る。
【0067】
好ましくは、導電性布を提供する糸は、公称直径が小さく(すなわち、織られる前に)、およそ0.2mmから0.02mmの間で構成される。織りのメッシュ開口部、すなわち、構造の2つの隣接する平行な糸の間の空間は、好ましくは、1mmから0.05mmの間で構成される。一方、すでに述べたように、メッシュ構造は、導電性本体を処理することによっても得ることができた。例えば、用途に適したメッシュまたはネット構造は、ある長さの金属ストラップに切り込み(千鳥状のカット)を作り、次に、例えば、実質的に菱形または正方形を有する開口部またはボイドが得られるまで変形または伸長することによって得られ得る。
【0068】
メッシュ構造が抵抗性材料20に少なくとも部分的に埋め込まれているという事実は、接続部分20が対応する加熱体20から分離または脱離するリスクを防ぎ、これにもかかわらず、加熱および冷却サイクルのために、材料20および/またはメッシュ構造の可能な変形を可能にする。メッシュ構造がいずれにせよ比較的密で広範囲であるという事実は、かなりの電流分布と強度を保証する。
【0069】
接続体20を形成するメッシュ構造の周辺プロファイルは、例えば、導電性の布やネットのシートやウェブを切断したりディンキングしたりする初歩的な操作によって容易に得ることができ、さもなければ、周辺プロファイルは、前述の織り込みプロセスによって得られ得る。見られるように、前述の周辺プロファイルは、これまでの図に例示されているように、必ずしも四角形である必要はない。
【0070】
図7に示される場合、接続体20は、それぞれ、メッシュ構造を有するウェブ、例えば、導電性布によって形成され、一方の接続体20の電気的および機械的接続部分20が加熱体20の一方の主面に結合され、他方の接続体20の電気的および機械的接続部分20が加熱体20の反対側の主面に結合されている。一方、この配置は、必須ではない。前述のように、部分20は、加熱体20に、すなわち、圧力および/または加熱を介して、その一方の面で、すなわち、メッシュ構造を本体20に浸透させることによって、実質的にスロットまたは強制的にはめ込まれ得る。この種の実施形態では、本体20は、PTC効果ポリマの開始シートまたはウェブから開始するブランキングまたはディンキングの操作を介して得ることができ、さもなければ、本体20は、射出成形され得る。
【0071】
様々な実施形態では、適切な装置を使用して、接続部分20に対応する本体20の領域は、事前の可能な加熱後、各本体203の前述の面に強制的に押し付けられるか、または押され、メッシュ構造の対応する部分のその中に浸透を引き起こす。この目的のために、優先的な実施形態では、使用される製造装置は、部分20に対応するメッシュ構造の開口部へのPTC効果ポリマ材料20の浸透を容易にする適度な軟化を引き起こすために、本体20を加熱するように構成される。次に、特に、本体20の冷却後(その加熱が想定される場合)、圧力または推力が中断され、こうして得られた半製品を装置から取り除き得る。この操作は、接続部分20、または対応する本体20の幅を狭くすることにより、容易になる。
【0072】
前述の目的のために使用される機器は、それが上記の機能を実行するという条件で、任意の既知の概念のものであり得る。例えば、装置は、本体20および20を位置決めするための複数のシートを規定する固定要素、本体20の上部に局所的に配置された本体20、および部分20で本体20に必要な機械的圧力を加えるように設計された可動要素を備えたプレスのように構成され得る。そのような場合、静止要素はまた、上記のように、加熱体20を加熱するように構成され得る。加えて、または代替として、装置は、接続体20を加熱するように構成され得る。
【0073】
他の実施形態によれば、装置はまた、連続生産機械、例えば、2つの本体20が、それぞれのロールまたは折り畳まれたウェブから開始して、加熱されてから本体20に押し付けられるために本体20が個別に装填されるワークステーションへの入力で供給されるものとして構成され得る。前述のワークステーションからの出力で、実質的にウェブのようなヒータの半製品が得られ、これは、貯蔵の目的で、それ自体に巻き上げられるか、さもなければ折りたたまれ得る。
【0074】
前記したように、加熱体20は、特に、対応する部分20で、接続体20上にオーバモールド体として構成され得る。この種の実施形態では、例えば、2つの本体20は、接続部分20を取得するそれらの領域が、本体20を規定する痕跡に対応する位置に配置されるように、型に挿入される。次に、溶融状態のPTC効果ポリマ材料20が型に注入され、こうして形成された本体20が、本体20のそれぞれの部分20をそれらの中に囲むようにする。本体20の成形は、部分20のメッシュが材料20に完全に埋め込まれるように、あるいは部分20のメッシュが部分的に露出されるように提供され得る。
【0075】
ヒータ20の種々の加熱体20は、少なくとも2つの接続体20間に電位差を印加することによって、例えば、それぞれの供給導体を、前述の本体20の長手方向端部の1つ、例えば、前述の導体22および23に直接接続することによって、電気的に供給され得る。
【0076】
様々な実施形態では、接続体20のそれぞれは、メッシュ構造を有する単一の部品または要素、例えば、導電性布のストリップまたは金属ネットによって完全に形成される。しかしながら、これは、各本体20がいくつかの部品を一緒に組み立てることによって形成され得る限りにおいて、本質的な特徴を構成するものではない。
【0077】
例えば、図9および図10は、2つの対応する接続体20のそれぞれが、構造20aの長さLの方向に長手方向に延びる少なくとも1つの第1の要素202a、および第1の要素202aを横切る方向に延在し、接続部分20を提供する複数の第2の要素202bを備えるいくつかの部品から構成されるヒータ21の場合を示している。少なくとも第2の要素202bは、それぞれ、対応する加熱体20のポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれたまたは巻き込まれた第1の部分と、代わりに第1の要素202aに電気的および機械的に接触して固定された、好ましくは、少なくとも部分的に第1の要素202aを覆っている第2の部分とを有する、それぞれのメッシュ構造を構成している。
【0078】
したがって、図9および図10の例では、メッシュ構造を有する2つの要素202bは、基本的に、各本体20に2つの電気端子を提供する。この場合、各本体20は、したがって、対応する要素202b上にオーバモールドされてもよく、さもなければ、2つの要素202bは、先に説明した内容に従って、対応する本体20内に貫通するようにされてもよく、好ましくは、各部分202bの一部が、例えば、溶接、好ましくは、付加材料を使用しない溶接を介して、それぞれの長手方向要素202aに接続する目的で、いずれにしても本体20の外側に突出するようにされる。種々の優先実施形態では、当該2つの部分202a、202b間の溶接は、抵抗溶接、すなわち、電気抵抗によって材料を加熱する圧力自生溶接方法によって行われる。
【0079】
対応する要素202b上の本体20のオーバモールドは、いくつかのステップおよび/またはいくつかの材料で得ることができ、さもなければ、2つの要素202bは、特に、好ましくは、熱伝導性でもある導電性の結合剤を介して、対応する本体20に結合され得る。また、この場合には、一方の接続体20のメッシュ状の部分202bが加熱体20の一方の主面に結合され、他方の接続体20のメッシュ状の部分202bが加熱体20の反対側の主面に結合され、対応する加熱体20のそれぞれの主面に実質的に平行な方向に延びる部分202bを有することが好ましい。例示されたものなどの様々な実施形態では、部分202bによって表されるメッシュ状の構造は、対応する加熱体20の主面の面積に少なくとも対応する面積を有する。示されている例では、部分202bの面積は、長手方向部分202aに接続するために本体20の主面から横方向に突出する部分を含む限り、より大きい。しかしながら、他の実施形態では、この突出部分は、例えば、長手方向部分202aが部分202bの上部および本体20の上部の両方に設定された位置にある場合、省略され得る。
【0080】
図19および図10を参照して説明したタイプの実施形態では、あるいはより一般的に、接続体20が多数の組み立てられた部品で構成されている実施形態では、対応する長手方向要素、前に202aで示されたタイプのものは、必ずしもメッシュ構造を有している必要はないことが理解されるであろう。代わりに、それらは、例えば、金属ストリップまたはストラップで形成された完全な構造を有し得、これは、好ましくは、可撓性または変形可能であり、おそらくプラスチックの方法でさえ変形可能である。同様に、そのような場合、長手方向要素202aは、必ずしも平坦な形状またはウェブ形状を有する必要はないことが理解されよう。例えば、それらは、例えば、実質的に円形のセクションを有する糸状要素から得られ得る。
【0081】
接続体20はまた、全体がメッシュ構造によって形成され得るが、横方向に突出するそれぞれの電気的および機械的接続部分を規定するように、例えば、実質的に櫛状など、複雑な周辺プロファイルを有し得る。
【0082】
ヒータ20、21の少なくとも2つのそれぞれの構造20aの少なくとも2つの加熱体20は、1つの同じ接続体20に接続され得る。または、それらは、共通の電気接続(すなわち、電極)を有し得る。
【0083】
本発明に係る半製品1、またはそれを使用する装置の電力および加熱能力の分布は、製造段階において、例えば、ヒータ20、21の長さの寸法の変化、および/または、加熱体20の形状および/または長さの変化によって、様々な方法で容易に変化させ得る(ここで、「長さ」という用語は、ヒータ20、21の構造2aの長さLの寸法を指していると理解される)。
【0084】
他方、1つの同じヒータ20、21は、異なる長さを有する本体203の交互を含み得る。加えて、または代わりに、ヒータ20、21の電力および加熱能力の分布は、長さLの方向における対応する加熱体20間の距離の変化によって、製造段階で得られ得る。多数のヒータ20、21を並べて配置した構成で使用する半製品1(すなわち、それを統合した電気ヒータ装置)の電力および加熱能力を分配するための他の可能性は、ヒータ自体の間の距離を変化させることである。
【0085】
一般に、図7図8および図9図10を参照すると、電気的および機械的接続部分20での電力密度は、接続体20と加熱体20との間の結合の特定の様式に依存する。例えば、図9および図10を参照して説明したタイプの接続構成、例えば、加熱体20の厚さ(基準Tの寸法、図7)の方向に実質的に循環する電流の構成は、図7および図8を参照して説明したタイプの構成、例えば、加熱体20の幅Wの方向に実質的に循環する電流の構成と比較して、明らかに高い電力密度に到達することができる。
【0086】
上記に基づいて、本発明の可能な優先的な実施形態によれば、例えば、図7および図8に示す部分20を備えた第1のヒータ20と、図9および図10に示す部分20を備えた第2のヒータ20のように、接続部分20の異なるバージョンによって区別されるヒータを半製品1に統合することが可能である。すなわち、電流が厚さTの方向および/または幅Wの方向に循環するように設計された接続部分20の異なるバージョンを統合することが可能である。このようにして、半製品の様々な領域、すなわち、半製品を統合するヒータ装置において、例えば、ある特定のポイントでは高い出力値を持ち、他のポイントではそれほど高くない出力値を持つように、パワーを差別化することが可能である。
【0087】
実際、この種の実施形態は、図3図6および図11に表されており、特に、半製品1の1つまたは複数の横方向の領域5または6(図1)に互いに並んで設置されている構成では、熱排出量の少ないヒータ20と熱排出量の多いヒータ21の両方が使用される。他方、前述のように、半製品の中央領域4においても、多数のヒータ20および/または21を、それらが互いに並んで配置される構成で提供できる。
【0088】
前述のように、ヒータ20、21で使用されるメッシュ構造は、好ましくは、比較的薄い要素または部品、例えば、ストラップの機械加工から得られるネットのねじ山または部分の織り交ぜまたは十字交差によって形成される。前述の要素または部品は、好ましくは、0.2mmから0.02mmの間で構成される直径または他の断面寸法を有する。これはまた、前述の材料へのそれらの少なくとも部分的な埋め込みのおかげで、加熱体20の材料20へのメッシュ構造の効率的な固定を可能にし、したがって、問題の部品間の剥離のリスクに対抗する。例えば、直径が0.1mm未満のねじ山は、前述のように、好ましくは後者を加熱することによって、材料20への強制浸透を可能にするのに有利であり、これは、例えば、0.05mmよりも小さいメッシュ開口部の場合にも有利である。代わりに、直径が0.1mmを超えるねじ山は、材料20がオーバモールドされている場合に使用する方が便利であり、材料自体の貫通を可能にするために利用可能なより広いメッシュ開口部、例えば、1mmより大きいメッシュ開口部を利用できる必要がある(一般に、本発明の実施に使用できる導電性織物では、より大きな直径の糸に対応して、より広いメッシュ開口部である)。
【0089】
様々な実施形態では、半製品の1つまたは複数のヒータは、言及されたタイプのメッシュ構造を含むそれぞれの接続体20を有しており、これを介して、ケーシング部品10、11の領域を局所的に結合することができる。換言すれば、2つのケーシング部品10、11の結合中に、一方または両方の部品の材料の一部、またはそれらを一緒に接合する接着剤の一部を、メッシュ構造に浸透させて、2つの部品10、11が溶接または接着する。このように、必要に応じて、2つのケーシング部品10、11は、接続体20においても局所的に一緒に結合され得る。このようにして、例えば、領域4、5、または6を他の領域4、5、または6に対して密封することが可能であり、また、領域4、5、または6内に複数の密閉されたチャンバを規定して、例えば、空気の存在をさらに減らすことができるようにしたり、領域の一部分への可能な浸入が他の領域またはヒータ全体に及ぶのを防ぐことができる。
【0090】
図7図8および図9図10の例を参照すると、接続体20または長手方向要素202aは、加熱体20よりも幅が小さく、その反対側の横方向の端部に関連付けられているため(特に、それぞれの中間部分で互いに間隔を空けたり、千鳥状に配置したりしている)、その間に絶縁要素を設ける必要がなく、前記体20または要素202aの間で短絡する危険性が回避されることが理解されよう。例示のケースでは、接続体20または部分202bが加熱体20の2つの対向する主面に少なくとも部分的に埋め込まれるかまたは包含されている。また、この配置では、接続体20または長手方向要素202aは、2つの加熱体20の間に構成される領域において、体または要素が他の体または要素よりも上になることなく、幅Wの方向に実質的に平行であり、互いに間隔を置いて配置されている(すなわち、どのような場合でも、連続した2つの加熱体と、その加熱体20を結合する本体20または要素202aの対応する部分によってそれぞれ区切られた一連の「ボイド」によって区別される半製品の構造を有する)。
【0091】
図11に見えるのは、例えば図6に示されているタイプの半製品1の電気部品であり、各ヒータ20、21の2つの接続体20のうち、一方が導体22に接続され、各ヒータ20、21の2つの接続体20のうち、他方が導体23に接続されているものである。この例では、導体22、23は、ヒータ(ここではヒータ21)の周りの半製品1(図1および図2を参照)の中央領域4に配置できるように、ほぼ長方形のプロファイルを規定している。
【0092】
実施形態の様々な例において、2つの導体22、23の周囲寸法は異なり、すなわち、それらは、好ましくは、実質的に同心に配置され、その結果、周辺ヒータの2つの接続体20のうちの1つは、それが内部導体22に接続され得るように、外部導体23上に延在しなければならない。したがって、前述の体20と導体23との間の起こり得る電気的接触を防止するために、これらの2つのコンポーネントの少なくともいくつかの部分の間に、以前に25によって示されたタイプの電気絶縁フィルムまたはテープによって表され得る電気絶縁手段が提供されることが好ましい。(あるいは、絶縁樹脂または塗料、あるいはポリマまたは他の材料、例えば、雲母または他の鉱物材料またはセラミック材料または酸化物などの異なる絶縁または誘電体要素を使用することが可能である)。
【0093】
図11の場合に使用される絶縁体25は、図6のように四角形の形状ではなく、代わりに、導体23の形状に対応する形状を有し、例えば、絶縁フィルムまたは絶縁フィルムの一部の形態で。後者に直接適用されると想定されるべきである。
【0094】
代わりに、図12に見えるのは、ケーシング部品11であり、特に、図11の電気部品、すなわち、複数のヒータ20、21および複数の導体22、23を受け入れるハウジング11cが規定されている面である。前述のように、ハウジング11cは、問題の部品間の相対的な位置決めを改善するために、受け取られるべき様々な要素20~23の形状と少なくとも部分的に相補的な形状、またはヒータ20、21の分離および/または位置決め要素、特に、浮き彫りの要素または壁を規定するような形状を有する。
【0095】
さらに、図12において、11dによって示されるのは、接続端子24の前述の突出部分が延びるケーシング部品11の通路である。次に、前記通路11dで、図12に見られるものとは反対のケーシング部品11の側に、コネクタ本体3が取り付けられる(図5を参照)。
【0096】
また、ヒータ20、21の接続体20は、特に、これらの本体の少なくともいくつかの部分が、少なくともそれらの長さLの方向に、可撓性または変形可能であるおかげで、それらを受け入れるケーシング本体部分10および/または11の構成に、少なくとも部分的に適応させるために、好都合な形状が得られることにも留意されたい。特に、ヒータ20、21の長手方向に、寸法補償のための領域を備えた接続体20も想定され得る。
【0097】
この目的のために、様々な実施形態では、半製品1の周辺領域5、6に配置されるべきヒータ20、21の接続体20は、折りたたみ領域1a(図1図2)に対して横方向に延びていることに留意すべきである。この理由のため、図8および図10を参照すると、これらの本体20は、ケーシング部品10および11(図3も参照)の対応する折り畳み領域10aおよび11a(図3)のプロファイルに結合する湾曲部分20を呈するように形成されてもよく、したがって、半製品を斜めに折り畳む後続のステップを容易にし、好ましくは、折り畳みステップの間に接続体20に機械的応力が発生するのを防止し得る。
【0098】
様々な優先的な実施形態では、ケーシング部品10および11は、例えば、振動溶接を介して一緒に溶接され、一方、ツール(例えば、ソノトロード)は、局所的に、特に、少なくとも各種ヒータ20、21の加熱体20および/または接続体20の周辺領域で圧縮され、これにより、半製品1のケーシング本体2内部に空気が存在することを防止または低減する。このようにして、その後に得られるヒータ装置の起こり得る動作障害のリスクが防止または低減される。ケーシング2内の大量の空気の存在は、実際、ヒータ装置の加熱の動作ステップ中に著しい膨張を引き起こし得る。
【0099】
図13図14は、全体として1’で示される、本発明の可能な実施形態に係る電気ヒータ装置を例示し、これは、例えば、空気の流れを加熱するためのシステム、またはタンクに収容されているかダクト内を流れる液体を加熱するためのシステムに属し得る。
【0100】
装置1’は、図1図2に示されるタイプのヒータ装置1の半製品から出発して得られ、これは、見られたように、少なくとも部分的に複数のヒータ(20、21)を取り囲み、次に、好ましくは、1つまたは複数の対応するヒータ半製品の長さによって形成される。装置1’は、半製品1の周辺領域5、6を、中央領域4に対して実質的に直交するように折り畳み領域(1a、図1図2)で折り畳むことにより、実質的に箱状または三次元の本体を得ることができ、この例では、Hで示される空洞または中空の容積を実質的に規定する。したがって、この折り畳み操作に続いて、半製品1の領域4および5~6は、装置1’の底壁および側壁をそれぞれ構成するようになり、これらは、互いに実質的に直交している。領域4、5および6は、ハウジング11cによって決定される成形およびヒータ20、21の存在の両方のおかげで、領域1aよりも全体として剛性であることが理解されよう。
【0101】
このタイプの実施形態では、様々な隣接領域または壁5、6は、折り畳み後に、少なくとも局所的に互いに対して固定されるようにされる。図13図14に示される例では、この目的のために、図1の付属物またはブラケット5aおよび6aを利用して得られた、7で示された成形接続または結合領域が提供されている。
【0102】
結合領域7を得るための可能なモダリティが図15に示され、そこから、各領域7において、領域または壁5の付属物5aが、領域または壁6の付属物6aの上にどのように設定されるかが明らかになる。例示された場合、付属物5aと6aとの間の重ね合わせの目的で、付属物6aにほぼ平行な位置をとるために、少なくとも付属物5aが対応する領域または壁5に対して折り畳まれていることに留意されたい。
【0103】
図15のパートa)のように、付属物5a、6aを相互に重ね合わせた後、後者は相互に固定される。相互固定は、接着、あるいは溶接、あるいはさらなる機械的固定部材を提供することによって得られ得る。例示された場合、付属物5a、6aはそれぞれ、追加の固定部材8を受け入れるのに適したそれぞれの貫通穴(示されていない)を備えており、ここではピンまたはスタッドまたはリベットで表されている。この例では、前述のピン8は、図15のパートb)に見られるように、2つの付属物5a、6aの同軸に配置された穴に挿入され、次いで、ピン8は、図15のパートc)に見られるように、その軸方向の端部で、例えば、アップセットを介して変形を受け、互いに隣接する付属物5aと6aを保持する。ピン8はまた、プラスチック材料、例えば、ケーシング部品10、11のうちの少なくとも1つを得るために使用されるのと同じ材料ででき得、その場合、その端部は、熱アプセットを受け得る(ピン8は、広げられた頭部または端部を有することができ、すなわち、リベットの形態であり得、その場合、反対側の端部だけを変形させることで十分である)。
【0104】
図13および図14からわかるように、結合領域7のおかげで、ヒータ装置2の三次元形状の維持を確実にすることが可能である。前述のように、半製品1の折り畳み領域1a(図1図2)は、中央領域/壁4に対して周辺領域/壁5、6の折り畳みを可能にするために、弾性ヒンジの機能を実質的に実行し得る。他方、これは、折り畳みが、例えば、高温で、領域1aが弾性ヒンジとして機能することなく実行され得る限り、厳密には必須ではない。
【0105】
折り畳みは、前述の凹みまたは溝、あるいは厚さまたは切り込みの減少を領域1aで想定しなくても、おそらく実行され得る。それがない場合でも、実際、本発明に係る半製品1は、いずれの場合でも、他の領域またはその壁に対して少なくとも1つの領域またはその壁の折り畳みを可能にするように事前に構成されている。前述の凹みまたは溝がない場合、または厚さまたは切り込みが減少していない場合、いずれの場合も、半製品の事前配置は、後続の半製品の折り畳みステップを妨げず、むしろ有利にするような、ヒータ20、21、導電体22、23、およびヒータと導電体のためのハウジング11cの適切なレイアウトおよび/または構成からなる(すなわち、いずれにせよ、折り畳み用に設計されたケーシング本体2の領域、好ましくは、ヒータが配置されている領域よりも剛性が低い領域を特定するなど)。
【0106】
折り畳み領域は、好ましくは、半製品1および/またはケーシング部品10、11の、導電体22、23および/または接続体20、202aのみが存在する領域であり、すなわち、加熱体20や、要素25などの重畳する電気部品間の絶縁要素が存在しない領域である。
【0107】
装置1’によって規定される中空容積Hは、その中央領域/壁4の反対側の部分だけでなく、その横方向の領域/壁5、6、および/または構造のコーナ領域でも開かれ得る。例えば、1つまたは複数の側壁5、6には、貫通開口部が設けられていてもよいし(例えば、図2の領域5に対応する半製品1のいくつかの開口部が見える)、あるいは、領域/壁5、6および/または対応する接続部7のエッジの形態は、図13および図14においてVで示されている角度のあるポートまたは通路の存在を可能にするようなものであり得る。前述の開口部またはポートの存在は、例えば、ヒータ装置1’を通る流体(液体または気体)の循環を可能にするか、または促進することが望まれる場合など、様々な用途において有用であることが証明され得る。
【0108】
図16図17に概略的に示されているのは、本発明のさらに可能な実施形態に係る半製品1である。これらの図の半製品1は、図1図2と実質的に同様の方法で構築されているが、この場合、周辺領域5、6間の相互固定または結合の目的で、後者には局所的な接続を得るための付属物またはブラケット5a、6aが設けられておらず、単一の連続的な接続を得るために長手方向の結合エッジ5b、6bが設けられている。上記の隣接するエッジ5b、6bのうちの2つの詳細は、図18および図19に見ることができる。
【0109】
エッジ5b、6bはそれぞれ、本体2の2つのケーシング部品10、11のそれぞれの部分によって規定され得るか、あるいはそれらのうちの1つだけによって、例えば、部分11によって規定され得る。いずれの場合でも、ここでは、ブラケット5b、6bによって表される接合または結合要素は、電気ヒータ20および/または21が統合された部分に対して厚さが減少したケーシング本体の部分によって規定されることが好ましいことが分かる。実施形態のタイプに関係なく、結合エッジ5b、6bは、領域5、6の長手方向側面の全長にわたって実質的に延びる。図18図19に記載されているように、優先的にそれらの下端部(すなわち、中央領域4に実質的に対応する位置)で、隣接するエッジ5bおよび6bは、エッジ自体のその後の折り畳みを可能にすることを目的とした、中間の切断または中断Cによって互いに分離される。
【0110】
図20に見られるように、長手方向エッジ5bおよび6bは弾性的に曲がることができるので、周辺領域5、6の折り畳みに続いて、様々な領域5の間の接続または結合領域7を得るために、エッジ5bをエッジ6bに対して設定できる。これは、図16図17示されるタイプの実質的に平面、または板状、または二次元の半製品から出発して得ることができる実質的に三次元のヒータ装置1’を表す。図21図22の詳細からも注目され得るように、エッジ5bおよび6bは、互いに実質的に平行になるように、対応する領域/壁5および6に対してそれ自体折り畳まれ得る。図20図22の場合、エッジ5bおよび6bを互いに固定するために、それらの間に、図21図22のSで示される接着剤を設定でき、これは、シールの機能も果たす。あるいは、エッジ5bおよび6bは、適切なフックを介して、または前述のタイプの手段8を介して、例えば、エラストマ製のシーリング要素またはガスケットを介在させて、機械的に一緒に結合され得る。
【0111】
この場合、エッジ5bおよび6bに沿った結合は、ヒータ装置1’の内部容積Hが液体を含むことができるように、完全に流体密であり得ることが理解されるであろう(これが必要な場合、装置の1’の側壁には明らかに貫通開口部がない)。
【0112】
代わりに、図23図25は、図20図22と同様の概念の装置1’(すなわち、図16図17に示されるタイプの半製品1から出発して取得)を示しているが、その結合エッジ5b、6bは、この場合も液密結合を保証するために、溶接またはそれらの構成材料の部分的再溶融を介して一緒に結合される。この目的のために、図16図17に示されるタイプの半製品1は、図20図22の装置1’の形状と実質的に同様の形状を得るように、すなわち、結合エッジ5b、6bが互いに並んで設定され、その後、上記エッジの相互溶接、好ましくは、特に、目的に応じて設けられた溶接装置を介して、結合エッジ5b、6bの相互圧縮も行いながら行われる溶接を行うように、折り畳まれまたは成形され得る。この目的のために、振動または超音波溶接の目的で使用される装置、あるいはホットブレードまたはレーザ溶接タイプまたはその目的適した他のタイプの溶接などのホット再溶融タイプの溶接用の装置が想定され得る。このため、振動または超音波溶接装置のソノトロード、あるいは再溶融または熱溶接装置の加熱プレートなどの溶接装置は、適切な形状、例えば、エッジ5b、6bが想定する形状と少なくとも部分的に相補的な形状にすることが可能である。
【0113】
例示されていない可能な変形の実施形態では、エッジ5bと6bとの間に、エッジ自体が追加の固定手段で結合されたガスケットなどの追加のシール手段を提供できることに留意されたい(例えば、ガスケットがセットされているエッジに取り付けられた外側のプロファイル)。
【0114】
図26図27に示されているのは、本発明の可能な実施形態に係るさらなる半製品1である。このタイプの解決策では、半製品のケーシング本体2は、周辺領域が折りたたまれる中心領域を有さず、代わりに、第1の方向に互いに並んで配置され、互いに向かって折り畳むことができる一連の第1の領域5、6を有しており、例えば、ヒータ装置の側壁を形成するためのものである。これらの第1の領域(ここでは領域6)の少なくとも1つと並んで、第2の方向に、例えば、ヒータ装置の底壁の少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの第2の領域4を設定し得る。
【0115】
また、この場合、優先的に、様々な第1の領域5、6の間に、実質的に既に前述したタイプの折り畳み領域1aが規定され、連続の端部の2つの第1の領域5、6には、それぞれ長手方向エッジ5bおよび6bが設けられる。領域4に関連するものとは異なる第1の領域5、6もまた、好ましくは、下エッジ5c、6cを備えており、その機能は、以下で明らかにされる。第1の領域の長手方向エッジ5b、6bおよび下エッジ5c、6cは、関係する様々な領域5、6の溝または厚さ5d、6dの減少を通して優先的に規定される。また、領域4と対応する領域6との間に規定されるのは、図26および図27の6eによって示される、そのような溝または厚さの減少である。図28および図29の詳細から、優先的に、第1の領域5、6の下エッジ5c、6cの間に、以下に明らかにする目的のために、実質的に折り畳み領域1aに中間中断部Cがどのように提供されるかが注目され得る。
【0116】
図30の分解図に示されているのは、図26図27に示されているタイプの半製品である。また、この場合、半製品のケーシング本体は、少なくとも2つのケーシング部品10および11を備え、これらは、好ましくは、互いに実質的に類似または対応する周辺プロファイルを有し、好ましくは、半製品1のケーシング本体2の最終的な周辺プロファイルに実質的に類似または対応する(図26図27を参照)。この観点では、様々な実施形態では、部品10および11は、それぞれ10、10および11、11で示される一連の第1の領域を有し、そのうちの少なくとも1つ(ここでは領域10および11)から直交して延びる第2の領域10である。好ましくは、上記領域10、10、10および11、11は、相対的に剛性を有する。
【0117】
好ましくは、ケーシング部品10および11には、10aおよび11aによって示される、前述のタイプのそれぞれの折り畳み領域が設けられており、2つのケーシング部品10および11が結合された状態では、図26図27の折り畳み領域1aを得るために互いに重ね合わせられる。
【0118】
好ましくは、2つの第1の端部領域10、10および11、11の外側に設けられているのは、それぞれの長手方向エッジ10b、11bである。2つのケーシング部品10および11が一緒に結合されている状態では、対応する付属物10bおよび11bが互いに重なり合って、図26図27のエッジ5bおよび6bが得られる。図26図27の下エッジ5c、6cは、2つのケーシング部品のうちの1つ、例えば、部品11によってのみ規定され得る。
【0119】
図30に再び見えるのは、半製品のヒータであり、好ましくは、必ずしもではないが、以前に20および21によって示されたタイプなどの2つの異なるタイプである(しかしながら、これらは、他のタイプであり得、および/または他の形状を有し得、および/または、例えば、前の例で説明したように、異なる方法で組み合わせ得る)。ヒータは、少なくとも第1の領域5、6において互いに並んで設置される構成で配置され、ここでは、より広い領域6に3つのヒータ20、21が設置され、およびより狭い領域5に2つのヒータ20、21が設置されている。少なくとも1つのヒータ、ここでは21で示されたタイプ、も第2の領域4に設置されている。また、図30に例示されている場合、ケーシング部分11は、様々なヒータ20、21および他の電気接続部分22~24のためのハウジング11cを規定するように形作られている。
【0120】
様々な実施形態では、半製品および/または対応するヒータ装置は、ヒータの多様な供給を可能にするように、すなわち、他のヒータとは別に少なくともいくつかのヒータの供給を可能にするように事前に配置される。図30に例示されている場合、この目的のために3つの導電体22、22’および23が提供されている。
【0121】
図31(特に、図31の右手側の2つのヒータ20および21)も参照して、いくつかのヒータ(ここではヒータ20)の第1の接続体20は、導体22に電気的に接続されており、一方、残りのヒータ(ここではヒータ21)の第1の接続体20は、導体22’に接続されている。ヒータ21が接続されているのに対し、全てのヒータ20、21の第2の接続体20は、代わりに、導体23に電気的に接続されている(言い換えれば、ヒータ20は、導体22と23との間に並列にまとめて接続されているのに対し、ヒータ21は、導体22’と23との間に並列にまとめて接続されている)。
【0122】
様々な実施形態では、半製品または対応するヒータ装置は、ヒータ20、21間の少なくとも1つの共通の電気接続を決定する少なくとも1つの導体23を備え、好ましくは、それぞれの導体22および22’を備えた少なくとも2つのヒータ20および21を接続する少なくとも1つの共通導体23を備えている。
【0123】
この場合、3つの電気端子24が提供され、それらのそれぞれは、それぞれの導体22、22’、および23に接続されている。また、この場合、電気コネクタを提供するために3つの端子24の一部を受け入れることができるコネクタ本体3が提供される。
【0124】
言及されたタイプの電気接続の構成により、別個に異なるセットのヒータを供給することが可能であることが理解されよう。この例では、実際、ヒータ20は、導体22および23の間の電位差を印加することによって供給され得、一方、ヒータ21は、導体22’および23の間に電位差を印加することによって供給され得る。理解され得るように、ヒータの電気的接続の類似しているタイプによって区別される半製品1を統合するヒータでは、例えば、熱排出量の多い第1のヒータ(ヒータ21など)で即時に加熱を行い、次に熱排出量の少ない第2のヒータ(ヒータ20など)で電気消費量を抑えながら十分な加熱を維持し、代わりに、第1のヒータへの電気供給を中断するなど、熱の分布を制御または変化させることが可能である。この構成はまた、異なる瞬間にいくつかのヒータ20、21のみを供給し、他の瞬間に全てのヒータ20、21を供給することによって、電力および/または加熱の分布の変化を可能にする。さらに、この構成は、異なる時間にヒータ20、21を供給することによって、例えば、最初にヒータ20を供給し、特定の時間後にヒータ21も供給することによって、電気吸収のピークの低減を可能にする。PTC効果タイプの電気ヒータ20の場合、すなわち、正の温度係数を有する抵抗を有する場合、これらは、対応する電源を供給した後の最初の数秒間に大電流を吸収し、その後、加熱中にそれら自身の電流吸収を大幅に減少させる。ヒータ20の吸収が減少すると、同様にPTCタイプであり得るヒータ21も電気的に供給され得、したがって、電源を供給してから最初の数秒でのみ大電流を吸収し、その後、加熱中に電気吸収を減らして、比較的低い、またはいずれの場合でも高いピークのない総電気吸収を取得する。
【0125】
もちろん、図に例示されている電気接続の構成では、半製品の全てのヒータでさえ同じタイプであり得る。また、同じタイプのヒータの場合、それらを別々におよび/または任意の場合に異なる瞬間に供給する可能性は、前述の電力の変動および/または加熱の分布の取得を可能にし、および/または電流吸収のピークの制限を可能にする。
【0126】
さらに、図31から、すでに前述した目的のために、導体22の上に設定された、フィルムまたはコーティングの形で部分的にのみ表される電気絶縁体25の可能な実施が注目され得る。他方、図31で25によって示されるタイプの連続フィルムまたは絶縁コーティングの代わりに、離散型または局所型の複数の絶縁要素が提供され得、それらのいくつかは、図30で25’によって示され、導体22と、代わりに、導体22’に接続される加熱体の接続体20との間の交点の領域に設定され得る。概念は、図32の詳細で明確にされており、前述の個別の電気絶縁要素25’の1つは、これらの要素間の短絡を防ぐために、本体20と導体22との間に設定され、部分的に切断されて表されている。
【0127】
様々な実施形態では、ケーシング部品(10、11)の少なくとも1つは、導電体(22、22’、23)の少なくとも1つの少なくとも一部にオーバモールドされている。この構成では、導電体および/または接続体(20)の間の前述の電気絶縁体(25、25’)はまた、ケーシング(2)の少なくとも一部またはその部品(10、11)の少なくとも一部によって構成され得る。
【0128】
もう一度、図30および図31から、様々な実施形態では、導体22、22’、および23が、ケーシング部品10および11の対応する折り畳み領域10aおよび11aのプロファイルに結合する湾曲部22a、23aを提示するようにどのように成形され得るか、およびしたがって、半製品の折り畳みの次のステップを容易にし、好ましくは、前述の折り畳みステップ中に導体22、22’、および23に起こり得る機械的応力を防止することに留意されたい。
【0129】
図33に表示されているのは、図26図67に示されているタイプの半製品から入手できるヒータ装置1’である。理解され得るように、この目的のために、半製品1の第1の領域5、6は、中空容積Hを区切るヒータ装置1’の側壁を得るために、図26図27の折り畳み領域1aで互いに向かって折り畳まれる。次に、この容積Hは、第2の領域4を第1の領域5、6の下エッジに向かって折り畳み、凹部6eの存在を利用することによって、底部で閉じることができる(図26図27)。次に、図26および図27の長手方向端エッジ5bおよび6bは、対応する領域5、6に対してわずかに折り畳むことができるので(対応する凹部5d、6dのおかげで)、図34の詳細に例示されているように、例えば、接着剤を介して、または溶接(または、例えば、エラストマで作られたガスケットまたはシーリング要素の介在を伴う他の機械的固定)を介して、それらを互いに設置し、互いに対して固定することができ、それぞれの結合領域7を得ることができる。
【0130】
領域4、5、および6の折り畳みに続いて、装置の下部は、実質的に、図35の詳細に示されている通りである。これらのエッジが提供される領域/壁5および6の下エッジ5cおよび6cは、依然として実質的に広げられた構成にあり、次いで、図36に示されるように、領域/壁4の外側で折り畳まれ、そして、例えば、接着または溶接(または、例えば、エラストマで作られたガスケットまたはシーリング要素の介在を伴う他の機械的固定)を介してそれに固定される。問題のエッジ5c、6cは、図28図29の中断Cおよび凹部5c、6cの存在を利用して、図36に示される状態に都合よくもたらされ得る。
【0131】
以前に説明されたことから、様々な実施形態では、半製品(1)は、少なくとも部分的に相対的に剛性を有する第1の形状または構成を備え、その後、好ましくは、適切な折り畳みを介して、および/または事前定義された折り畳み領域を利用して、少なくとも部分的に相対的に剛性を有する第2の構成または形状(1’)を取るようにすることができることが明らかになっている。
【0132】
特に、半製品1は、第1の事前定義された形状または構成、好ましくは、実質的に平面、または板状、または二次元の形状または構成で、より剛性の高い部分とより剛性の低い中間部分を有し、ヒンジ領域または優先的な折り畳み領域を備えて製造され得る(例えば、上記の領域の局所的な加熱に続いて、またはその弾性ヒンジ機能を利用して得られる)。このようにして、次に、半製品1は、第2の、または異なる形状または構成、特に、実質的に三次元の形状または構成をとるように作られ得る。様々な実施形態では、前述の第2の、または異なる形状または構成において、半製品のより剛性の高い領域(4、5、6)の少なくともいくつかは、前述の第1の形状または構成に対して折り畳まれ、または傾斜し、および/または1つまたは複数の他のより剛性の高い領域(4、5、6)に対して上昇する。好ましくは、前述の第2の、または異なる形状または構成は、最終的なヒータ装置1’のものに対応するか、または実質的に対応する。
【0133】
半製品1を折り畳む可能性は、提供される様々なヒータの接続体および/または対応する接続導体の容易な変形の可能性によっても促進される。
【0134】
半製品1の実質的に平面、層状、または二次元の形状は、例えば、効果的に使用する直前(例えば、出荷前または最終的な設置段階)に最終的な形状に折り畳むことができる半製品自体の(例えば、倉庫保管および/または輸送の要件のための)負担の低減を考慮して、ヒータ装置1’の製造の様々なステップを容易にする。
【0135】
同様に、半製品1の組み立ての段階で、様々なヒータは、それ自体が実質的に平面である第1のケーシング部品(すなわち、より低い位置決め部分と見なされ得る部品11)に都合よく配置され得ることが強調されるべきである。前述の第1のケーシング部品は、実質的に平面、またはおそらくわずかに傾斜または湾曲した形状を有し得、いずれにしても、組み立て中に、重力がある場合でも、ケーシング11内のヒータ20、21の位置を維持することが可能なように設計されており、組み立て作業を容易にしている。
【0136】
第1のケーシング部品に設定された様々なヒータは、提供された電源導体に都合よく電気的に接続され得る。次に、半製品のケーシング本体は、第2のケーシング部品(すなわち、上部閉鎖部品と見なされ得る部品10)を介して容易に閉じることができ、依然として実質的に平面構成であるため、2つのケーシング部品を便利に任意の方法で溶接、接着または結合することが可能である。ポリマ製の2つのケーシング半体間の溶接または接着は、例えば、超音波、レーザ、またはホットブレード溶接が行われる場合、前述の実質的に平面の、またはおそらくわずかに傾斜または湾曲した構成によって容易に行うことができ、したがって、対応する溶接装置を簡素化することができる(実質的に同じ平面にあるプロファイルで溶接を実行できるため、溶接自体の信頼性が向上し、その結果、密閉された閉鎖の信頼性と外部環境に対するケーシング本体の保護が向上する)。同様に、2つの半体が接着によって固定される場合、実質的に平面の、またはおそらくわずかに傾斜または湾曲した形状は、実質的に二次元である周囲を考慮して、ケーシング部品の周囲に沿った接着剤の分布を容易にし得る。この目的のために、接着剤は、重力のみによって分散され、周囲に沿って所定の位置に留まり得る。
【0137】
同様に、本発明は、製造装置のかなりの単純化を可能にし、したがって、最終的なヒータ装置の全体的なコストの削減を可能にする(例えば、平行六面体のエッジや面のように、垂直に立ち上がって様々な方向に向いている面のエッジに沿って溶接や接着を行う自動装置は、複雑な三次元の動き、すなわち、少なくとも製品および/または溶接または接着ヘッドの軸X、Y、Zに沿った動きを想定しなければならないため、非常に複雑でコストがかかることを考慮されたい。この欠点は、本発明の場合には存在しない)。
【0138】
いずれにせよ、本発明に係る半製品は、その実質的に平面構成においてもヒータ装置として直接使用され得ることを強調すべきである。図1および図2から、例えば、半製品1は、図示された構成で一般的な壁(例えば、タンク)に設置し、例えば、所定の位置に固定するための付属物5a、5bを利用することで、一般的な壁を加熱するために使用することができることが理解されよう。
【0139】
他の利点は、使用されるヒータの特定の実施形態に関連しており、それらは、例えば、ロールの形で、あるいはそれ自体に折り畳まれた形で、コンパクトな形で製造され有利に保管され、その後、所望の長さに切断されるストリップまたはウェブの形状を有する実質的にヒータのさらなる半製品の長さとして得られる限り、単純で安価な方法で構築される。
【0140】
ヒータの接続体が、加熱体のPTC効果材料に少なくとも部分的に埋め込まれたメッシュ構造を含むという事実は、信頼できる電気的および機械的接続を保証すると同時に、問題の部品間の分離または脱離のリスクに対抗する。様々な加熱体の電気的および機械的接続に使用されるメッシュ構造が優先的に比較的広範かつ高密度であるという事実は、電流の最適な分布および強度で、接続体とPTC効果材料との間の良好な接着および接触の表面を保証する。加熱体が相対的に剛性を有し、接続体の中間部分が厚さを減らして比較的可撓性に、あるいは場合によってはプラスチック的に変形可能であるという事実は、記載されているヒータ装置の半製品に容易に適合または統合可能な構造を得ることを可能にする。2つの加熱体の間の中間位置に延びる接続体の部分は、ヒンジまたは変形領域として機能するだけでなく、起こり得る寸法変動(特に、特に、加熱およびその後の冷却の動作サイクル中の膨張または収縮などの熱変化による寸法変動)の回復のための補償領域としても機能し得る。
【0141】
本発明に係る半製品が折り畳み領域を備えているという事実は、車両のタンクへの設置など、異なる装置またはコンポーネントへの設置の作業中に、ヒータ装置の形状の少なくとも部分的な適合を可能にし得る。
【0142】
安定した三次元形状をとるのに適した、より剛性の高い部品を有するケーシングを提供するという事実はまた、特に、完全に可撓性のヒータ装置と比較して、全体としてより信頼できる操作を保証する。例えば、車両のタンク内に取り付けられたいくつかの可撓性ヒータは、車両が走行している間、液体によって継続的に移動する傾向がある。この継続的な移動は、制限されているとはいえ、可撓性のあるヒータ装置の、例えば、導電体および/またはヒータの疲労による故障にやがてはつながる可能性があり、また、導電体および/またはヒータの断面のわずかな変化や減少によっても故障につながる可能性がある。
【0143】
以下の請求の範囲で規定されるように、それによって本発明の範囲から逸脱することなく、例として説明される電気ヒータ装置への分岐に当業者によって多くの変形がなされ得ることは明らかである。
【0144】
すでに述べたように、本発明に係る半製品の折り畳み可能な領域または壁の数は、必要に応じて変化し得、必ずしも最終的なヒータ装置の閉じた周辺プロファイルを規定するようなものではないかもしれない。
【0145】
図37は、例えば、図1図2に示されるタイプの半製品1を示しているが、実質的にT字形のプロファイルを有し、すなわち、領域/壁4に加えて、ちょうど3つの周辺領域/壁、すなわち、2つのより狭い壁5および1つのより広い壁6を含む。同様に、図38は、図16図17に示されるタイプの半製品1を示しているが、これは、領域/壁4に加えて、2つのより広い壁6および1つのより狭い壁5を含む。図38はまた、可能な変形の実施形態では、領域/壁4がどのようにヒータなしであり得、および/または少なくとも1つの通路4aを備え得るかを示している。
【0146】
代わりに、図39は、図26図27に示されているタイプの半製品1を示しているが、領域/壁4はない。そのような実施形態では、コネクタ本体3は、壁5、6の1つに関連付けられ、ハウジング11cおよび接続導体22~23の形状は、それに応じて修正される。したがって、図39の半製品1から得られたヒータ装置は、軸方向の両端で開いた、実質的に多角形の断面を有する実質的に管状の構成を提示するであろう。同様の構成が図40に示され、ここで、半製品1は、5つの領域5および5つの折り畳み領域1aを含み、端部領域5は、長手方向の結合エッジ5bを備えている。図41に示されるように、領域1aでの折り畳みと、例えば、接着または溶接による結合領域7の形成に続いて、半製品1は異なる構成を取り、実質的に、ここでは実質的に五角形の断面を持つ管状の形状を有するヒータ装置1’を形成し、例えば、車両内の液体または空気を加熱するためのダクトまたはダクトコーティング、あるいはタンク内の液体を加熱するためのダクトまたはダクトコーティングなど、液体を加熱するためのダクトまたはダクトコーティングを提供するために使用され得る(例えば、車両のタンク内の液体を加熱する場合、その動きはヒータ内の液体自体の流れを促進し、したがって熱交換を改善する可能性がある)。
【0147】
図42図43は、可能な変形の実施形態では、本発明に係る半製品が、それぞれの領域および折り畳み領域を備えた複数の部分を含むことができ、各部分は、折り畳み時にそれぞれの三次元構成をとるように予め配置されていることを示している。図42の場合、半製品1は、2つの別個の部分A1およびA2を含み、これらは、概して平行で同一平面上にあり、それぞれが3つの領域/壁5および1つの領域/壁4を含み、2つの部分A1およびA2は互いに接続されている。この例では、4’で示される追加の領域/壁が意図的に提供されており、2つの部分の領域4を一緒に接続することが好ましい。
【0148】
この例では、各部分A1、A2の2つの端部領域5は、それぞれの長手方向の結合エッジ5bを有する。図43に示されるように、領域1aで各部分A1、A2を折り畳み、エッジ5bを利用して結合領域7を形成した後、半製品1は、三次元的な構成になり、ここでは実質的に四角形の断面を有する2つの管状形状の存在によって区別されるヒータ装置1’を構成する。もちろん、前述の2つの管状形状はまた、互いに独立して電気的に供給され得る2つの別個のヒータ装置として理解され得、さもなければ、共通の電力供給を有する単一のヒータを構成し得る。結合領域/壁4’は、必ずしも内部に導電体およびヒータを備えている必要はなく、必要に応じて、2つの別個の管状ヒータ装置を得るためにそれを切断または除去することも可能である。
【0149】
図44は、実質的にY字型のプロファイルを有する半製品1の場合を示しており、すなわち、実質的に三角形の1つの中央領域4と実質的に四角形の3つの周辺領域5を有し、これらの各領域には、結合または固定要素5aが設けられている。一方、図45は、半製品1の折り畳み後に得られるヒータ装置1’を示しており、この場合、一端が閉じられた実質的に三角形の断面を有する空洞Hを有する。
【0150】
前に例示した様々な実施形態では、周辺領域または壁5または6は、それらの折り畳み構成において、対応する中央領域または壁4に対して約90°で延びる。しかしながら、半製品は、例えば、収束または発散など、異なる傾斜を有する前述の壁5、6の配置も可能にするために便利に事前に配置され得ることが理解されよう。例えば、中央領域は、三角形、または四角形、または多角形のプロファイルを有し得、周辺領域は、フレア形状を有する、すなわち、壁が外側に傾斜しているヒータ装置を得るために台形であり得る。このタイプの例が図46に示され、中央領域4は実質的に五角形のような形状のプロファイルを有し、周辺領域5は実質的に二等辺台形のような形状のプロファイルを有し、小底部は、それぞれの折り畳み領域1aに対応する。折り畳みに続いて、図47に示されるように、一般にフレア形状を有するヒータ装置1’が得られ得、これは、対応する形状を有する空洞Hを規定する。この例では、周辺領域5の横方向エッジは、直接溶接されてもよく、この場合も、エッジは、例えば、図44に示されるようなタイプのそれぞれの結合または固定要素または領域を規定するように成形され得ることが理解される。
【0151】
他の実施形態(図示せず)では、中央領域4は、三角形、または四角形、または多角形のプロファイルを有し得、周辺領域は、中央領域4の側面、すなわち、それぞれの折り畳み領域1aに対応するそれらの主要な底面を有する二等辺台形のように形作り得る。このようにして、折り畳みに続いて、実質的に対応する形状(すなわち、図47の形状と反対の形状)を有する空洞Hを規定する、概ね五角錐の形状を有するヒータ装置を得ることができる。
【0152】
もちろん、管状構成を得るために、実質的にフレア構成を提供し得る。例えば、図48は、台形プロファイル、特に、二等辺台形のような形状のプロファイルを有する一連の第1の領域5を含む半製品1を示し、各折り畳み領域1aは、台形の傾斜側に実質的に対応する。領域1aで折り畳まれた後、図47のものと同様であるが、管状の空洞Hを有する(すなわち、軸方向端部に閉鎖壁がない)ヒータ装置1’を得ることが可能である。一方、図48の半製品1に4で示されるようなさらなる領域を提供することにより、図47に示されるように、装置1’を得ることが可能であることに留意されたい。
【0153】
折り畳み領域1aは、ケーシングの形状または溝付きの領域として提供される代わりに、エラストマ材料で作られた可撓性の部分で構成され、例えば、実質的に剛性の高いポリマで作られたケーシングの他の領域または部分にオーバモールドされ、および/またはそれ自体がケーシングおよび/またはその領域の少なくとも一部分を形成するエラストマ材料であったりして、ヒンジの機能を果たすことができる。
【0154】
一緒に溶接されたいくつかのヒータ20および/または21はまた、半製品の単一のヒータを形成するものとして理解され得る。本発明に係る半製品のケーシング内に設置された単一のヒータはまた、単一の可撓性電気接続支持体または単一の可撓性プリント回路基板(PCB)を含み得る。例えば、電気経路を有し、その間を抵抗材料で作られた加熱要素、例えば、抵抗性またはPTCポリマで作られたオーバモールドされた加熱要素、または導電性またはPTCインクで堆積された加熱要素が延びている。そのような単一の可撓性ヒータは、半製品のケーシング内に以前に記載されたものと実質的に同様の方法で取り付けられ、後者がその後、上で説明されたように意図的に提供された所定の領域で折り畳まれることを可能にする。好ましくは、これらの実施形態においても、最終半製品は、少なくとも部分的に実質的に剛性であるか、またはその後、ケーシングの折り畳みに続いて実質的に剛性の三次元形状をとることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a)】
図15b)】
図15c)】
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
【国際調査報告】