(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】損傷したパイプからの偶発的な加圧流体の漏れを捕捉するための可撓性配管及びプロセス
(51)【国際特許分類】
F16L 55/17 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
F16L55/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529132
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 RO2019000027
(87)【国際公開番号】W WO2020214045
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521222084
【氏名又は名称】ブラッド、マリアン ガブリエル
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ブラッド、マリアン ガブリエル
【テーマコード(参考)】
3H025
【Fターム(参考)】
3H025EA01
3H025EA02
3H025EB25
3H025EC06
3H025EC12
3H025ED01
(57)【要約】
本発明は、パイプラインから生じる偶発的な加圧流体の漏れを捕捉するための、可撓性配管及び改善されたプロセスに関する。本発明によるデバイスは、配管の両端部から配管の中央部に向けて、独立してジッパを相互接続及び閉鎖することを可能にする、2つの流体密封ジッパ(B)及び流体密封ジッパ(C)が、それぞれの両側部に設けられている、熱収縮ストリップ(A)で構成されている。ストリップ(A)には、遠隔で電気的に指令される2つのロボット閉鎖スライダ(9)及びロボット閉鎖スライダ(10)が設けられており、両端部には、磁気インサート(16)及び磁気インサート(17)と、ストリップの横断平面における湾曲を生成するための形状記憶材料のインサート(18)及びインサート(19)とが設けられている。ストリップ(A)には、外側に、熱保護の特性を有する層(14)が設けられ、内側に、熱活性化可能な固体接着剤の層(15)が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
損傷したパイプラインからの偶発的な加圧流体の漏れを捕捉するための可撓性配管であって、いくつかの補強インサートと併せて、独立した電気加熱抵抗器のいくつかのネットワークが組み込まれている、少なくとも1つの熱収縮材料の層がそれぞれに設けられている、n個の数の可撓性ストリップからなり、隣接する2つの前記ストリップの外側部上に、流体密封ジッパのいくつかの歯付きレールが取り付けられている、可撓性配管において、隣接する2つのストリップ(A)の前記外側部上に、電気機械式アクチュエータが組み込まれているいくつかのロボット閉鎖スライダ(9及び10)によって駆動される、2つの相反する流体密封ジッパ(B及びC)に属する、いくつかの歯付きレール(7及び8)が、各縁部上で、一方が他方の延長線上に配置されて取り付けられており、各ストリップ(A)の両端部に、いくつかの内部磁気インサート(16及び17)と、電気インパルス又は熱インパルスによって送信される指令の適用によって、前記ストリップの横断方向の湾曲を生じさせる、形状記憶材料で構成された、いくつかのインサート(18及び19)とが取り付けられていることを特徴とする、可撓性配管。
【請求項2】
前記閉鎖スライダ(9及び10)の前記電気機械式アクチュエータが、機械式ピニオンギアに機械的に結合されている電気モータを装備しており、前記機械式ピニオンギアが、三角法的に時計回りに移動することによって、前記ジッパ(B及びC)の前記歯付きレールに沿った、前記閉鎖スライダ(9及び10)の、両方向での制御された直線移動を可能にすることにより、オペレータによって送信されるいくつかの電気指令に基づいて、前記流体密封ジッパ(B及びC)を開閉することが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の配管。
【請求項3】
前記閉鎖スライダ(9及び10)のそれぞれに、通信モジュールが組み込まれている電子回路(13)が設けられており、前記通信モジュールが、前記歯付き流体密封ジッパレール(7及び8)に沿った、前記閉鎖スライダ(9及び10)の正確な位置を決定するための、並びに、前記閉鎖スライダ(9及び10)の後方移動及び前方移動を指令するための、電子信号及びデータを発信することを特徴とする、請求項1に記載の配管。
【請求項4】
各ストリップ(A)が、可撓性の断熱プラスチック材料で構成されている外部保護層(14)、並びに、前記パイプライン(1)と接触するための、下側に存在している、熱収縮の間に熱活性化可能な固体接着剤層(15)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の配管。
【請求項5】
一方が他方の延長線上に取り付けられている、前記2つの流体密封ジッパ(B及びC)が、長さが不均等であり、前記歯付きジッパレール(7及び8)の間に、いくつかの制限停止部(11及び12)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の配管。
【請求項6】
請求項1に記載の可撓性配管を使用する、破損したパイプラインからの偶発的な加圧流体の漏れを捕捉するためのプロセスであって、前記流体の流れを、所望の領域に向けて、又は、前記可撓性配管の減圧を生じさせるために任意選択的にポンプ(21)が設けられている、貯蔵タンクに向けて再方向付けるための、プロセスにおいて、
前記歯付きジッパレール(7及び8)の部分(a)と部分(b)を接合することと、前記スライダ(9及び10)の端子(25及び26)に適用される指令によって、相反する前記ジッパ(B及びC)の制限停止部(11及び12)に向けて、前記レール(7及び8)に沿って好都合に選択された距離上で、前記スライダ(9及び10)を移動させることとによって、前記配管を形成することになる前記隣接するストリップ(A)の前端部(c)及び後端部(e)から比較的短い部分上で相互に接合する、ステップと、
一方の前記端部(c)がその区域内に平面内で一体に接合されている前記可撓性ストリップを有し、前記可撓性ストリップ(A)の一方の前記端部(c)を貯蔵タンク又はポンプ(21)に接続されているパイプライン(20)の周囲に相互接続して巻き付けることによって、一体に組み立てることにより、前記パイプライン上の巻き付けられた可撓性ストリップの内側に、短い前記ジッパ(B)の領域内に組み込まれている電気加熱抵抗器の、3~5の数のネットワーク(3)が利用可能であり、その後、前記形状記憶材料のインサート(18)が、端子(4)に適用された指令によって湾曲しており、かつ前記ストリップ(A)の前記端部(c)上に位置決めされている前記磁気インサート(16)が、前記パイプライン(20)上に固定されている条件下で、前記端子(25)に指令を適用することによって、前記制限停止部(11)に向けた、前記ジッパ(B)の前記歯付きレール(7)に沿った、スライダ(9)の移動が指令され、その後続けて、全てのスライダ(9)の前記端子(25)に適用される前記指令によって、前記全てのスライダが、前記制限停止部(11)に向けて好都合に選択された部分上で移動する、ステップと、
前記ストリップ(A)の熱収縮材料の前記層(2)の、熱収縮及び段階的成形のために、及び暗黙的には、前記ストリップの内側に設けられている接着剤層(15)の流動化のために、タンク又はポンプ(21)に接続されている前記パイプライン(20)の本体に対する、前記可撓性配管の前記端部の完全な成形及び加硫が得られるまで、電気加熱抵抗器の前記ネットワーク(3)の前記端子(4)に電圧が印加される、ステップと、
他方の前記端部(e)がその区域内に平面内で一体に接合されている前記可撓性ストリップを有し、前記可撓性ストリップ(A)の他方の前記端部(e)を、破断したパイプライン(1)の周囲に相互接続して巻き付けることによって、一体に組み立てることにより、前記パイプライン上の巻き付けられた可撓性ストリップの内側に、長い前記ジッパ(C)の領域内に組み込まれている電気加熱抵抗器の、3~5の数のネットワーク(3)が利用可能であり、その後、形状記憶材料の前記インサート(19)が、前記端子(4)に適用された指令によって湾曲しており、かつ前記ストリップ(A)の前記端部(2)に位置決めされている前記磁気インサート(17)が、前記パイプライン(1)上に固定されている条件下で、スライダ(10)の端子(26)に指令を適用することによって、前記制限停止部(12)に向けた、前記短いジッパ(C)の前記歯付きレール(8)に沿った、前記スライダの移動が指令される、ステップと、
前記ストリップ(A)の熱収縮材料の前記層(2)の、前記熱収縮及び段階的成形のために、及び暗黙的には、前記ストリップの内部部分に設けられている接着剤層(15)の前記流動化のために、前記破断したパイプライン(1)の本体上での、前記可撓性配管の前記端部の完全な成形及び加硫が得られるまで、電気加熱抵抗器の前記ネットワーク(3)の前記端子(4)に電圧が印加される、ステップと、
全ての前記相反するジッパ(B及びC)を完全に閉鎖して、前記可撓性配管を長手方向に封止し、前記ポンプ(21)によって、又は前記貯蔵タンクに向けて追加的配管を接続することが可能な高速結合部が設けられているパージ(23)によって、制御された減圧を生じさせる可能性を有するように、前記制限停止部(11及び12)までの、前記歯付きレール(7及び8)に沿った、全てのロボット閉鎖スライダ(9及び10)の移動が、集中方式で指令される、ステップと、を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項7】
請求項1に記載の可撓性配管を使用する、亀裂のあるパイプラインからの偶発的な加圧流体を捕捉するためのプロセスであって、前記亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に緊密なスリーブ管を作り出すための、プロセスにおいて、
前記歯付きジッパレール(7及び8)の前記部分(a)と前記部分(b)を接合することと、前記スライダ(9及び10)の端子(25及び26)に適用される指令による、相反する前記ジッパ(B及びC)の前記制限停止部(11及び12)に向けた、前記レール(7及び8)に沿った、前記スライダ(9及び10)の好都合に選択された距離上での移動とによって、前記配管を形成することになる前記隣接するストリップ(A)の前端部(c)から及び後端部(e)から比較的短い部分上で相互に接合する、ステップと、
前記端部(c)がその区域内に平面内で一体に接合されている前記可撓性ストリップを有し、前記亀裂に関連して好都合に選択された距離で、亀裂のあるパイプライン(1)の周囲に前記可撓性ストリップ(A)の前記端部(c)を相互接続して巻き付けることによって、一体に組み立てることにより、前記パイプライン上の巻き付けられた可撓性ストリップの内側に、短い前記ジッパ(B)の領域内に組み込まれている電気加熱抵抗器の、3~5の数のネットワーク(3)が利用可能であり、その後、形状記憶材料で構成された前記インサート(18)が、端子(4)に適用された指令によって湾曲しており、かつ前記ストリップ(A)の前記端部(c)上に位置決めされている前記磁気インサート(16)が、前記パイプライン(1)上に固定されている条件下で、前記端子(25)に指令を適用することによって、前記制限停止部(11)に向けた、前記短いジッパ(B)の前記歯付きレール(7)に沿った、スライダ(9)の移動が指令され、その後続けて、全てのスライダ(9)の前記端子(25)に適用される指令によって、前記全てのスライダが、前記制限停止部(11)に向けて好都合に選択された部分上で移動することができる、ステップと、
前記ストリップ(A)の前記端部(c)からの、熱収縮材料の前記層(2)の熱収縮及び段階的成形のために、及び暗黙的には、前記ストリップの内側に設けられている接着剤層(15)の流動化のために、前記亀裂のあるパイプライン(1)の前記本体上での、前記可撓性配管の前記端部(a)の完全な成形及び加硫が得られるまで、電気加熱抵抗器の前記ネットワーク(3)の前記端子(4)に電圧が印加される、ステップと、
他方の前記端部(e)がその区域内に平面内で一体に接合されている前記可撓性ストリップを有し、前記亀裂に関連して好都合に選択された距離で、亀裂のあるパイプライン(1)の周囲に前記可撓性ストリップ(A)の前記端部(e)を相互接続して巻き付けることによって、一体に組み立てることにより、前記パイプライン上の巻き付けられた可撓性ストリップの内側に、長い前記ジッパ(C)の領域内に組み込まれている電気加熱抵抗器の、3~5の数のネットワーク(3)が利用可能であり、その後、形状記憶材料で構成された前記インサート(19)が、前記端子(4)に適用された指令によって湾曲しており、かつ前記ストリップ(A)の前記端部(e)上に位置決めされている前記磁気インサート(17)が、前記パイプライン(1)上に固定されている条件下で、前記端子(26)に指令を適用することによって、前記制限停止部(12)に向けた、前記長いジッパ(C)の前記歯付きレール(8)に沿った、スライダ(10)の移動が操作され、その後続けて、全てのスライダ(10)の前記端子(26)に適用される指令によって、前記全てのスライダが、前記制限停止部(12)に向けて好都合に選択された部分上で移動される、ステップと、を含むことを特徴とする、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な理由によるパイプラインの破断又は亀裂の場合に、その加圧流体を輸送するパイプラインから生じる偶発的な加圧流体の漏れを捕捉して、破断したパイプラインの場合には、流体の流れを、所望の方向に、例えば貯蔵システムに向けて再方向付けするように制御し、亀裂の場合には、パイプラインの局所的な修復を実施することにより、本発明によって特許請求されるデバイスが位置決めされているパイプラインを通る流体輸送の継続性を確保するための、可撓性配管及びプロセスに関する。
【0002】
様々な理由によるパイプラインの破断又は亀裂の場合に、その加圧流体を輸送するパイプラインからの偶発的な加圧流体の漏れを捕捉するための、可撓性配管であって、ケーブル又はチェーンなどの可撓性要素を牽引することによって動作されるジッパを有する、いくつかの締結具が設けられている、複合材料で作製されたn≧1の数の長手方向ストリップを備え、歯を結合することによってジッパが流体密封となり、それらストリップに、横断平面における収縮を伴う少なくとも1つの熱収縮領域が設けられており、電気回路を有する電源にいくつかの端子によって接続されている、いくつかの電気加熱抵抗器から、その温度が得られる、可撓性配管が既知である-欧州特許第3097337(B1)号。
【0003】
これらの可撓性配管の欠点は、以下の点にある:
-両端部に取り付けられる、相反的かつ独立した相互接続及び閉鎖システムが設けられておらず、熱収縮によって配管両端部を取り付けて固定することが不可能である。
-破断したパイプラインに介入する前に、ポンプ又は回収流体貯蔵システムに接続するフランジの特性に準拠した不変の締結特性と、ストリップを閉鎖することによって生じる可撓性配管の最大直径に相当する直径とを有する、クランプ及び接続要素若しくはアダプタ継手によって、貯蔵システム又はポンプ上に、ストリップのシステムの自由端を取り付けなければならない。
-ケーブル又はチェーンを牽引することによってジッパを閉鎖することは、不可逆的であり、また、牽引することによって、それらが取り付けられているパイプラインの屈曲又は破断、パイプラインからの分離、抵抗器の非連続的な電力供給を引き起こすストリップ内部からの電気加熱抵抗器の破壊による、更なる損傷を引き起こす恐れがある、応力が生成される。
【0004】
様々な理由によるパイプラインの破断又は亀裂の場合に、その加圧流体を輸送するパイプラインからの偶発的な加圧流体の漏れを捕捉するための、プロセスが既知であり、可撓性配管によって実行されるこの捕捉プロセスは、牽引することによって徐々に閉鎖されるジッパを有する締結具が設けられている熱収縮ストリップの端部を、相互接続によって一体に組み立てて巻き付けるステップを含み、その後続けて、規格化された接続要素上に/輸送パイプラインのネットワーク、又は減圧を生じさせるポンプに供給するためのパイプラインに適合するアダプタ継手上に、ストリップの他方の端部が予め取り付けられて、クランプによって固定されている条件下で、可撓性配管を熱収縮させることによって、その可撓性配管が取り付けられている破断したパイプラインの本体上で、それら可撓性配管が成形され、ジッパを閉鎖することによって、最終的に、ジッパによって相互接続されている熱収縮ストリップから、可撓性配管が形成される-欧州特許第3097337(B1)号。
【0005】
これらのプロセスの欠点は、以下の点にある:
-測定を実行し、ポンプ吸入口又は貯蔵システムと結合するアダプタを設計して実現するための、追加的時間を必要とする。
-ポンプ吸引口又は貯蔵システム(タンク)と接続している要素に適合する、アダプタ継手上に、クランプによってストリップの自由端を取り付ける動作のための、追加的時間を必要とする。
-ポンプ(ポンプ吸引口)又は貯蔵システムに結合する要素上にアダプタ継手を取り付けるための動作中に、いくつかの追加的重量の遠隔操作のための、及びROV支援(遠隔制御された複雑な作業動作を実行することが可能なビークル)を提供するための、フローティングクレーンの介入を必要とする。
-遠隔制御された複雑な作業動作を実行するための多くのROVの同時存在を必要とし、それらの動作は、ジッパを閉鎖するために締結具をスライドさせるための動作中に、ストリップを維持して相応に位置決めするように実施される必要があり、牽引することによってスライドさせることには、閉鎖スライダの牽引角度に関連した、歯付きジッパレールの特定の位置決めが必要とされるため、いくつかのチェーン又はケーブルの同期された牽引によって実行される。
-数ヶ月にわたって海が凍結する北極地方の海洋開発周辺域における、又はハリケーンの季節における、海底パイプラインの破断による損傷の場合には、遠隔制御された複雑な作業動作を実行する能力を有する、比較的多数のビークルを管理するために、比較的多数の専門的な船舶及び乗組員を動員して連携させることは、良好な作業条件が戻るまでは実質的に不可能である。
-ジッパは、ストリップ端部の一方からの、単一の方向から閉鎖されていくため、一方の配管端部のみを、第1段階で熱収縮によって固定することができ、その間、反対側の端部は、クランプによって固定されなければならず、ジッパを閉鎖するために締結具を完全に牽引する動作を終了した後にのみ熱収縮されることになり、このことは、その領域から放出される流体の強力な流れの集中の結果として、ジッパを閉鎖する最終段階で、クランプからの引き剥がれを生じさせることになり、それによって、動作をより困難なものにさせる。
-チェーン又はケーブルによって締結具を牽引することは不可逆的であり、ジッパを閉鎖している間に、ストリップ内部の電気加熱抵抗器を破壊することによって、損傷を引き起こす恐れがあり、又は、介入が実施されるパイプラインに損傷を生じさせる恐れもあり、又は、ストリップが固定されている損傷したパイプラインからの、ストリップの引き剥がれを引き起こす恐れもある。
-亀裂のあるパイプラインへの介入の場合には、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に巻き付けられてクランプによって固定される、可撓性配管の端部は、亀裂のあるパイプラインの直径に不適合な直径の差異を示すことになるが、その理由は、熱収縮によって両端部の直径を調節して適合させる可能性がない場合、緊密な固定を達成することが困難であるためである。
【0006】
本発明群によるデバイス及びプロセスによって解決するべき技術的問題は、以下の点にある:
介入時間を低減して、ポンプ吸引パイプへのストリップ端部の結合、すなわち、破断したパイプラインへの他方のストリップ端部の結合、又は、亀裂のあるパイプライン上での両端部の固定を簡略化すること、並びに、ジッパを閉鎖することによってストリップを相互接続する段階に関連した、熱収縮が適用される時点の厳密な制御、及び、比較的長い期間にわたる固定効率の向上のそれぞれ。
【0007】
本発明によって特許請求されるデバイスは、以下に示される点で欠点を解消する:
-ストリップのそれぞれには、両側部に、配管の両端部から配管の中央側に向けて、ジッパを相互接続し、独立して閉鎖することを可能にする、相反する動作方向を有する2つのジッパが設けられている。
-相反するジッパを有するストリップには、それぞれ、長手方向側部のうちの一方に、遠隔で電気的に制御される2つのロボット閉鎖スライダが設けられている。
-ストリップには、両端部に、パイプライン上への巻き付け及び固定を容易にするために、形状記憶材料のインサートと磁気領域とが設けられている。
-相反するジッパを有するストリップには、それら相反するジッパに沿って、ジッパ閉鎖段階を監視する回路が設けられている。
-ストリップには、外側に、熱保護特性を有する層が設けられており、内側に、熱活性化可能な固体接着剤層が設けられている。
【0008】
本発明によって特許請求されるプロセスは、以下に示される点で欠点を解消する:
-本発明によれば、両端部で熱収縮することによって、本プロセスは、損傷したパイプライン、又は吸引パイプ若しくは輸送パイプ上の結合要素が提示し得る、形状及び直径に適合する、不変の締結特性を有するアダプタ結合を実行するために必須の、正確な設計測定又は時間を必要とすることなく、広範な状況で適用することができるため、介入時間が低減される。
-両端部で熱収縮する配管を使用することによって、本プロセスは、フローティングクレーンが、巨大なアダプタ継手を負担している配管を取り扱うことを目的とした動作に寄与することをもはや必要としないため、介入を簡略化する。
-パイプライン本体上にストリップを巻き付ける動作は、磁気システムによって、及び、組み込まれている遠隔制御式形状記憶要素によって指令される湾曲を生成する、断面平面において屈曲するシステムによって容易になる。
-パイプライン本体上への、配管の両端部における加硫のプロセスは、ストリップの内側に設けられている熱活性化可能な固体接着剤層による固定及び封止の安全度を向上させる。
-ロボット閉鎖スライダを使用してジッパを閉鎖するプロセスは、介入を簡略化し、その円滑な移動により、ストリップ内に応力が発生することなく、オペレータの指令に基づいてジッパを閉鎖及び開放することができ、それにより、ストリップ内部の加熱抵抗回路を破壊する危険性、又は、ストリップが、取り付けられていたパイプラインから引き剥がされる危険性、又は、ジッパを閉鎖するプロセス中の他の損傷の危険性が回避される。
-本プロセスは、好ましくない気候を有する領域であっても、ストリップの巻き付けとチェーン又はケーブルによって閉鎖スライダを牽引する動作とに同時に関与するために、いくつかのROV(Remotely operated Vehicle;遠隔操作型ビークル、それ自体は既知の装置)を管理するための介入船の艦隊を必要とすることなく、短時間で適用することができる。
-亀裂によって損傷した連続的本体を有するパイプラインへの介入の場合には、本発明によって特許請求されるプロセスは、両端部での熱収縮及び加硫による完全な固定を可能にし、一方の端部でのクランプによる一時的な非封止の固定がもはや必要とされないため、介入を簡略化する。
-亀裂によって損傷した連続的本体を有するパイプラインへの介入の場合には、本発明によって特許請求されるプロセスは、両端部から各ストリップ上に設けられているパージ弁に向けて制御された方式で生成される蠕動運動を介して、緊密に接合されていることによって封止されたストリップの内側から、過剰な流体を排出することを可能にする。
-本発明によって特許請求されるデバイス及びプロセスは、以下の利点を示す:
特許請求されるデバイスが水域環境において採用される実施形態では、1つのみのROVが使用され、水中でアダプタ結合を操作するための、いくつかのROV又はフローティングクレーンを必要としない。
-パイプラインの破断した端部の形状及び位置に関わりなく、及び、貯蔵システムの結合要素若しくはポンプの吸引パイプへの特徴に関わりなく、比較的短時間で、ストリップの両端部を直接、ポンプの吸引パイプ上と、破断したパイプラインの端部上とに、すなわち、亀裂の一方の側と他方とに、位置決めして固定する。
-磁気領域と、断面平面において屈曲して、パイプラインの周囲での折り曲げ及び巻き付きをより容易にするための湾曲を生成するための領域とが設けられている、ストリップの両端部のインサートにより、パイプラインの周囲に巻き付けることによる取り付けが容易になる。
-パイプラインが破断しているバージョン、又はパイプラインに亀裂があるバージョンのいずれかにおいて、ストリップの両端部の熱収縮及び加硫による、経時的に耐久性のある緊密な固定をもたらす。
-ジッパの牽引閉鎖を排除して、歯付きジッパレールに沿って円滑に移動するロボットシステムを導入することによって、ストリップに作用する追加的応力の導入を排除する。
-各スライダの位置を正確に監視することによって、並びに、ストリップの各側部上に2つの相反するジッパを有する閉鎖システムを、同時に又は同時にではなく、両方向に操作することによって、ジッパの閉鎖度の厳密な制御が可能になる。
-制御された方式で生成される蠕動運動を介して、かつ各ストリップ上に設けられているパージ弁によって、相互に接合されているストリップの内部から、過剰な流体を排出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以降では、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9、
図10、
図11、
図12、
図13、
図14、
図15、
図16、
図17、
図18、
図19、
図20、及び
図21に関連して、本発明による可撓性配管及びプロセスの実施形態が示される。
【
図1】いくつかのジッパによって、両端部で部分的に相互に接合されている、配管のいくつかの可撓性ストリップの上面図。
【
図2】ジッパが開放している状況におけるロボット閉鎖スライダを表し、スライダには、電気的に制御された両方向の移動のための、電気モータ及びいくつかの内蔵ギヤと、複数の機能のための接続端子と、組み込まれているギヤに接続された規格化されている結合要素を回転させることによって、閉鎖スライダのギヤの機械的運動を機械的に操作するためのバックアップシステムとが設けられている、
図1に示される構成的詳細D。
【
図3】ジッパが閉鎖されることにより、2つの歯付きジッパレールを接合している状況における、
図2のスライダと同様のロボット閉鎖スライダを表す、
図1に示される構成的詳細E。
【
図4】組み込み式の独立した、セクタ状の電気加熱抵抗器のネットワークを有する、いくつかの熱収縮領域が設けられており、流体密封ジッパのいくつかの歯付きレールが側方に設けられており、ロボット閉鎖スライダと、流体密封ジッパの歯付きレールに沿った閉鎖スライダ位置を監視するシステムとが装備され、端部に、形状記憶材料のインサートと磁気材料インサートとを有する領域が設けられている、可撓性ストリップであって、このストリップが、上側に、熱保護特性を有する材料の層を有し、下側に、熱活性化可能な固体接着剤層を有し、端部には、取り扱い用アイレットと複数の機能のための接続端子とが設けられている、可撓性ストリップの、破断部を有する斜視図。
【
図5】組み込み式の独立した、セクタ状の電気加熱抵抗器のネットワークと、アラミド繊維で作製された補強ネットワークとを有する、いくつかの熱収縮領域が設けられており、両端部に、形状記憶材料のインサートと磁気材料インサートとが設けられている、可撓性ストリップであって、このストリップには、流体密封ジッパのいくつかの歯付きレールが側方に設けられており、レールのうちの1つに、相反する動作方向を有する2つのロボット閉鎖スライダが装備されている、可撓性ストリップの上面図。
【
図6】ポンプの吸引パイプの本体に最初に適用され、ストリップの他方の端部が、その後続けて、加圧流体が偶発的に排出される損傷したパイプラインの本体に適用されるように準備される前の、部分的に一体に接合された、配管のいくつかの可撓性ストリップの上面図。
【
図7】ストリップの端部が、1つのROVによって、ポンプの吸引パイプ本体の周囲に巻き付けることによって適用されるように取り扱われ、ストリップの他方の端部が、その後続けて、輸送されている加圧流体が偶発的に排出される損傷したパイプライン本体の周囲に適用されるように準備されている、部分的に一体に接合された、配管のいくつかの可撓性ストリップの上面図。
【
図8】ジッパを周囲に巻き付けて部分的に閉鎖することによって、ポンプ吸引パイプの本体の周囲に配管端部が形成され、熱収縮及び加硫による緊密な固定のための遠隔指令を待機しており、ストリップの他方の端部が、その後続けて、輸送されている加圧流体が偶発的に排出される損傷したパイプラインの本体の周囲に適用されるように準備されている、
図7に示される可撓性配管の上面図。
【
図9】形成された配管の端部が、遠隔で電気的に指令された熱収縮及び加硫によって、既に吸引パイプの本体に緊密に固定されており、配管の他方の端部が、輸送されている加圧流体が偶発的に排出される損傷したパイプラインの本体に、1つのROVによって適用されるように準備されている、可撓性配管の上面図。
【
図10】ストリップの端部が、輸送されている加圧流体が偶発的に排出される損傷したパイプラインの本体の周囲に巻き付けられるために、1つのROVによって取り扱われており、その一方で、配管の反対側端部が、遠隔で電気的に指令された熱収縮及び加硫によって、既にポンプ吸引パイプの本体に緊密に固定されている、可撓性配管の上面図。
【
図11】1つのROVによってストリップの第2の端部を巻き付けた後に、ジッパを部分的に閉鎖することによって、損傷したパイプラインの本体の周囲に配管端部が形成されており、熱収縮及び加硫によって緊密に固定するための遠隔指令を待機している、可撓性配管の上面図。
【
図12】形成された配管の両端部が、遠隔で電気的に指令された熱収縮及び加硫によって、端部の一方が損傷したパイプライン本体上に、及び他方の端部がポンプ吸引パイプの本体上に、既に緊密に固定されている、可撓性配管の上面図。
【
図13】相反するジッパをロボット閉鎖スライダによって完全に閉鎖することによって、全てのストリップを接近させて封止することにより、捕捉された流体が輸送されて通る可撓性配管が封止されており、また、制御された減圧をポンプによって生じさせることも可能である、可撓性配管の上面図。
【
図14】流体を輸送するパイプラインであって、亀裂があるパイプラインと、部分的に相互に接合されている、配管のいくつかの可撓性ストリップとであって、ストリップの端部が、1つのROVによって、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に巻き付けられるように取り扱われており、ストリップ端部が、輸送されている加圧流体が偶発的に排出される亀裂領域の一方の側と他方とに位置している、パイプライン及びいくつかの可撓性ストリップの上面図。
【
図15】端部のうちの一方が、亀裂領域に関連して好都合に選択された距離で、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に巻き付けられており、熱収縮及び加硫によって緊密に固定するための遠隔指令を待機しており、ストリップの他方の端部が、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に、その後続けて適用されるように準備されている、
図14に示される可撓性配管の上面図。
【
図16】既に形成された配管の第1の端部が、遠隔で電気的に制御された熱収縮及び加硫によって、亀裂のあるパイプラインの本体上に既に緊密に固定されており、配管の他方の端部が、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に適用されるように準備されている、可撓性配管の上面図。
【
図17】部分的に相互に接合されている、配管の可撓性ストリップの第2の端部が、ROVによって、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に巻き付けられるように取り扱われており、その一方で、配管の反対側端部が、遠隔で電気的に指令された熱収縮及び加硫によって、亀裂のあるパイプラインの本体上に既に緊密に固定されている、可撓性配管の上面図。
【
図18】1つのROVによって、亀裂のあるパイプラインの本体上にストリップの第2の端部を巻き付けた後に、ジッパを部分的に閉鎖することによって、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に配管の第2の端部が形成されており、熱収縮及び加硫によって緊密に固定するための遠隔指令を待機している、可撓性配管の上面図。
【
図19】配管の両端部が、亀裂のあるパイプラインの本体上に、亀裂の一方の側と他方とで、熱収縮及び加硫によって緊密に固定されており、相反するジッパを完全に閉鎖するための指令を待機している、形成された可撓性配管の上面図。
【
図20】相反するジッパをロボット閉鎖スライダによって完全に閉鎖することによって、全てのストリップを接近させて封止することにより、可撓性配管が、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲で封止されて、排出を停止することになる、亀裂のあるパイプラインの本体上に熱収縮及び加硫によって固定された両端部を有する、可撓性配管の上面図。
【
図21】全てのジッパが緊密に閉鎖され、遠隔で電気的に指令された熱収縮及び加硫によって、亀裂のあるパイプラインの本体上に完全に封止されて成形されている、可撓性配管の上面図。
【0010】
本発明によって特許請求される配管は、好ましくは水域環境において、加圧流体が輸送されて通る、破断しているか又は亀裂のあるパイプライン1の直径に主に応じて好都合に選択される、長さ及び幅を有する、n≧1の数の可撓性ストリップAで作製されている。
【0011】
ストリップAは、少なくとも3:1の収縮率と、≧70℃から≧150℃までの熱収縮温度とを有し、その収縮が横断平面において発生する、ポリオレフィンなどの、それ自体は既知の熱収縮材料の層2からなるものであり、この材料は、可撓性、耐火性、機械的強度、高難燃性、耐摩耗性、腐食性の化学薬品及び溶剤の作用に対する耐性、紫外線に対する耐性の、最適なパラメータを有し、-40℃から+125°までの範囲の熱スペクトル中で実行される継続的動作における、実用的な適用性を有する。ストリップAの層2内には、図には表されていない外部電源から、複数の機能のためのいくつかの接続端子4によって電力供給される、独立した可撓性のセクタ状電気加熱抵抗器の、いくつかのネットワーク3が配置されている。
【0012】
また、熱収縮材料の層2内に埋め込まれている、好ましくはアラミド繊維で作製された、いくつかのインサート5及びインサート6も、電気加熱抵抗器のネットワーク3に隣接する層内に好都合に設けられており、これらのインサートは、ストリップの両側に設けられている歯付きジッパレールを横断平面内で接合する、補強の役割を有する。
【0013】
ストリップAの外側部a及び外側部bのそれぞれには、いくつかの液密及び気密の相反する歯付きジッパレール7及び歯付きジッパレール8が、一方が他方の延長線上に、好ましくは不均等に配置されて固定されており、いくつかの液密ジッパB及び液密ジッパCの、いくつかのロボットスライダ9及びロボットスライダ10によって一体に接合されるために、隣接するストリップAの、他の歯付きレール7及び歯付きレール8と向かい合って配置されている。歯付きレール7と歯付きレール8との間には、相反する動作方向を有するロボットスライダ9及びロボットスライダ10の、いくつかの制限停止部11及び制限停止部12が配置されている。
【0014】
各ロボットスライダ9及びロボットスライダ10(それ自体は既知の要素)には、電気モータと、電気回路と、いくつかのギヤの伝達機構及び駆動機構とが設けられており、それらは、複数の指令のためのいくつかの端子25及び端子26に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって遠隔送信されるいくつかの指令に基づいて、歯付きジッパレール7及び歯付きジッパレール8に沿った移動を生じさせ、また、動作の安全性のために、いくつかのギヤ27が設けられており、それらは、時計回りに回転することによって、又は三角法的に、1つのROVによる、又はオペレータによる、スライダ移動の機械的操作を可能にする。各ストリップAには、操作用アイレット23、及びパージシステム24が設けられている。
【0015】
密封ジッパに沿った、スライダ9及びスライダ10のそれぞれの位置を示すために、歯付きレール7及び歯付きレール8の経路に沿って、いくつかの回路13が取り付けられている。
【0016】
外側には、ストリップAは、熱収縮のために必要な熱エネルギーを保存する主な役割を有する、例えばネオプレンなどの、断熱プラスチック材料で作製された保護層14を有し、内側には、ストリップAは、電気加熱抵抗器のネットワーク3によって発生した温度で液化される傾向がある、熱活性化可能な固体接着剤層15を有し、最終的に、接触することになるパイプライン1及びパイプライン20の本体上での、ストリップAの加硫を実現して、安全かつ持続的な封止を確実にする。
【0017】
各ストリップAの端部には、いくつかの前方磁気インサート16及び後方磁気インサート17と、電気インパルスからなる指令の適用によって断面平面における湾曲を生成することが可能な、例えば電気活性ポリマーなどの、形状記憶材料で作製された要素を有する、前方インサート18及び後方インサート19とが取り付けられている。
【0018】
非連続的な本体を有する破断したパイプラインに対する介入のために配管を使用する、本発明によって特許請求されるプロセスは、水面下環境においてROVによって実行することができ、以下のステップを含む:
第1のステップで、複数の指令のためのいくつかの端子25及び端子26に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって送信されるいくつかの指令に基づいて、スライダ9及びスライダ10を、歯付きジッパレール7及び歯付きジッパレール8に沿って比較的短い距離上で移動させることによって、配管を形成することになるいくつかのストリップAを、いくつかの前端部c及び後端部eから、比較的短い部分上で相互に接合する。
【0019】
第2のステップで、ROVによって、部分的に一体に接合されているストリップAの前端部cが、図には表されていない、それ自体は既知のタンクに向けて、回収された流体を押し出すためのパイプ22に接続されている、ポンプ21の吸引パイプ20の本体の周囲に巻き付けることによって取り付けられる。同時に、図には表されていないいくつかのケーブルによって端子4を介して送信される、遠隔電気指令により、形状記憶材料で作製された要素18の横断平面における湾曲が作動され、それにより、磁気インサート16の効果と併せて、吸引パイプ20の本体上にストリップを適用して固定する動作を容易にする。ストリップAの最後の側方部分aと側方部分bとを接合した後、開放されたままの最後の短いジッパBを閉鎖するために、複数の指令のためのいくつかの端子25に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって送信される、いくつかの指令に基づいて、制限停止部11に向けて好都合に選択された部分上での、歯付きジッパレール7に沿ったロボットスライダ9の移動が作動される。ストリップAにはまた、制限停止部11までの部分内に、電気加熱抵抗器のネットワーク3も設けられている。
【0020】
第3のステップで、ストリップAの前端部cが、吸引パイプ20上に取り付けられ、吸引パイプ20の長さに関連して好都合な部分上で閉鎖されている全ての短いジッパBを有しており、また、この部分内の電気加熱抵抗器のセクタ状ネットワーク3が、端部停止部11に向けて、選択的に、段階的に、かつ差異化されてオンに切り替えられ、その結果、ストリップAの前端部cの特定部分上での段階的かつ差異化された熱収縮をもたらし、それにより、吸引パイプ20の本体の所望の部分上での堅固な取り付けが得られ、それと共に、端子4に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって電気的に指令される、電気加熱抵抗器のネットワーク3を加熱することによって活性化された、固体接着剤の層にも接触することにより、吸引パイプ20の本体上での、配管の正確な成形及び加硫が、それらが提示し得る寸法の差異に関わりなく得られる。最後に、熱収縮が指令された領域内の、電気加熱抵抗器のネットワーク3の電源がオフにされる。
【0021】
第4のステップで、1つのROVによって、損傷して破断したパイプライン1の端部dが、ストリップAの後端部eによって周囲に巻き付けられる。同時に、図には表されていないいくつかのケーブルによって端子4を介して送信される、電気指令によって、形状記憶材料で作製された要素19の横断平面における湾曲が作動され、それにより、磁気インサート17と併せて、損傷したパイプライン1の本体上にストリップを適用する動作が容易になる。ストリップAの端部eの最後の側方部分aと側方部分bとを接合した後、複数の指令のためのいくつかの端子26に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって送信される、いくつかの指令に基づいて、制限停止部12に向けて好都合に選択された部分上で、歯付きジッパレール8に沿ってロボットスライダ10を移動させることによって、自由なままであった最後の長いジッパCを閉鎖することが実行される。
【0022】
第5のステップで、ストリップAの後端部が、損傷したパイプライン1上に取り付けられ、損傷したパイプライン1の端部dの長さ及び形状に関連して好都合に選択された部分上で閉鎖されている全てのジッパCを有しており、また、この部分内の電気加熱抵抗器のセクタ状ネットワーク3が、制限停止部12に向けて、選択的に、段階的に、かつ差異化されてオンに切り替えられ、その結果、ストリップAの特定部分上での段階的かつ差異化された熱収縮をもたらし、それにより、損傷したパイプライン1の端部dの所望の部分上での堅固な取り付けが得られ、それと共に、端子4に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって指令される、電気加熱抵抗器のネットワーク3を加熱することによって活性化された、固体接着剤層15にも接触することにより、損傷したパイプライン1の本体上での配管の正確な成形及び加硫が、それらが有し得る寸法の差異に関わりなく得られる。最後に、熱収縮が指令された領域内の、電気加熱抵抗器のネットワーク3の電源がオフにされる。
【0023】
第6のステップで、全てのスライダ9及びスライダ10の、その制限停止部11及び制限停止部12との接触までの、好ましくは同時の移動が、集中方式で操作され、それにより、全てのジッパ及びジッパCが完全に閉鎖され、その時点で、損傷したパイプライン1の端部dを通って出て来る流体の流れが、ポンプ21によってパイプ20を介して吸引されることにより、捕捉された流体をパイプライン22に押し込む可撓性かつ不浸透性の配管内に、制御された圧力低下が生じる。
【0024】
別の実施形態では、亀裂のあるパイプラインへの介入のために、又はケーブル絶縁体の完全性を修復するために配管を使用する、本発明によって特許請求されるプロセスは、水面下環境においてROVによって実行することができ、又は、陸上環境における介入の場合には、人間のオペレータの助けを借りて実行することができ、以下のステップを含む:
第1のステップで、複数の機能のためのいくつかの端子25に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって送信されるいくつかの指令に基づく、スライダ9及びスライダ10の、歯付きジッパレール7及び歯付きジッパレール8に沿った比較的短い距離上での移動によって、配管を形成することになるいくつかのストリップAを、いくつかの前端部c及び後端部eから、比較的短い部分上で一体に接合する。
【0025】
第2のステップで、相互に部分的に接合されているストリップAの前端部cが、亀裂領域に関連して好都合に選択された安全距離で、ROVによって、亀裂のあるパイプライン1の本体の周囲に巻き付けられることによって適用される。亀裂のあるパイプラインの周囲にストリップAの端部cを配置する動作と同時に、図には表されていないいくつかのケーブルによる、端子4による遠隔電気指令により、形状記憶材料で構成された要素18の横断平面における湾曲が作動され、それにより、磁気インサート16の効果と併せて、亀裂のあるパイプライン1の本体上にストリップを固定する動作を容易にするための、複合効果が生じる。ストリップAの端部eから最後の部分aと部分bとを接合した後、自由なままであったジッパBを閉鎖するために、複数の機能のためのいくつかの端子25に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって送信される、いくつかの指令に基づいて、制限停止部11までの部分上での、歯付きジッパレール7に沿ったロボットスライダ9の移動が作動される。
【0026】
第3のステップで、亀裂のあるパイプラインの周囲に巻き付けられたストリップAの前端部cは、好都合に選択された部分上で閉鎖されている全てのジッパBを有しており、また、この部分内の電気加熱抵抗器のセクタ状ネットワーク3が、制限停止部11に向けて、選択的に、段階的に、かつ差異化されてオンに切り替えられ、その結果、ストリップAの特定部分上での段階的かつ差異化された熱収縮をもたらし、それにより、亀裂のあるパイプラインの所望の部分上での堅固な取り付けが得られ、それと共に、端子4に接続されている図には表されていないいくつかのケーブルによって電気的に指令される、電気加熱抵抗器のネットワーク3を加熱することによって活性化された、固体接着剤層15にも接触することにより、亀裂のあるパイプラインの本体の一部分上での、パイプライン端部の正確な成形及び加硫が得られる。最後に、熱収縮が指令された領域内の、電気加熱抵抗器のネットワーク3の電源がオフにされる。
【0027】
第4のステップで、ROVによって、相互に部分的に接合されているストリップAの後端部eが、損傷している亀裂領域の他方の側で、亀裂のあるパイプラインの本体の周囲に巻き付けられることによって適用される。亀裂のあるパイプラインの周囲にストリップAの端部dを配置する動作と同時に、図には表されていないいくつかのケーブルによる、端子4を介した遠隔電気指令により、形状記憶材料で構成された要素19の横断平面における湾曲が作動され、それにより、磁気インサート17の効果と併せて、亀裂のあるパイプラインの本体上にストリップを固定する動作を容易にするための、複合効果が生じる。ストリップAの端部aから最後の部分aと部分bとを接合した後、自由なままであった最後の長いジッパCを閉鎖するために、複数の機能を有する/複数の機能のための、いくつかの端子26に接続されている、図には表されていないいくつかのケーブルによって送信される、いくつかの指令に基づいて、制限停止部12までの部分上での、歯付きジッパレール8に沿ったロボットスライダ10の移動が作動される。
【0028】
第5のステップで、ストリップAの後端部eが、損傷したパイプライン1上に取り付けられ、好都合に選択された部分上で閉鎖されている全てのジッパCを有しており、また、この部分内の電気加熱抵抗器のセクタ状ネットワーク3が、制限停止部12に向けて、選択的に、段階的に、かつ差異化された方式でオンにされ、その結果、ストリップAの特定部分上での段階的かつ差異化された熱収縮をもたらし、それにより、亀裂のあるパイプラインの所望の部分上での堅固な取り付けが得られ、それと共に、端子4に接続されている図には表されていないいくつかのケーブルによって電気的に指令される、電気加熱抵抗器のネットワーク3を加熱することによって活性化された、固体接着剤層15にも接触することにより、亀裂のあるパイプライン本体の一部分上での、配管の第2の端部の正確な成形及び加硫が得られる。最後に、熱収縮が指令された領域内の、電気加熱抵抗器のネットワーク3の電源がオフにされる。
【0029】
第6のステップで、全てのスライダ9及びスライダ10の、その制限停止部11及び制限停止部12との接触までの、歯付きジッパレール7及び歯付きジッパレール8に沿った、好ましくは同時の移動が、集中方式で指令され、それにより、全てのジッパB及びジッパCが完全に閉鎖され、その時点で、亀裂を介して出て来る流体の流れが、そのようにして作り出された密封配管の内側に保持されることにより、排出が停止される。
【0030】
最後のステップ(第7のステップ)で、亀裂のあるパイプラインの本体全体上での、又は損傷した絶縁体を有するケーブル上での、配管の第2の端部の、この正確な成形及び加硫を得るために、端子4に接続されている図には表されていないいくつかのケーブルによって電気的に指令される、電気加熱抵抗器のネットワーク3の、選択的かつ好都合に選択された、段階方式の指令された加熱によって、亀裂のあるパイプラインの本体又は損傷した絶縁体上での、配管全体の完全な熱収縮を、蠕動方式で実行することができる。最後に、熱収縮が指令された領域内の電気加熱抵抗器のネットワーク3の電源が、集中方式でオフに切り替えられ、両端部の領域から制限停止部11及び制限停止部12に向けた、制御された熱収縮によって生じる蠕動運動の間に、亀裂のあるパイプラインの本体と可撓性配管との間の流体が通って排出された、パージ24が分離される。
【国際調査報告】