(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】燃焼機関
(51)【国際特許分類】
F02B 53/00 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
F02B53/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537133
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 BR2019050482
(87)【国際公開番号】W WO2020150797
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】BR1020190015217
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521276445
【氏名又は名称】カルバラーダ,マヌエル エクスポジト
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】カルバラーダ,マヌエル エクスポジト
(57)【要約】
本本発明は、異なるタイプの燃料を使用することができる、機械用の固定式または車両に取付けられるユニバーサル内燃機関の構造的配置(arranjo estrutural para um motor de combustao interna universal)に関するものである。より具体的には、本発明は、燃焼効率が改善され、熱力学的効率に優れ、寸法がより小型になり、出力/重量比がブレイトン熱力学サイクルを使用する飛行機のタービンを超え、燃料消費と環境へのガスの排出量が最大で3分の1になる内燃機関に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定された内側歯付きワッシャー(arruela dentada internamente)形のブロックフレーム(
図7)と、このフレームブロックの中央にある結合された偏心体を有するシャフト(
図5A)と、このシャフト上で円運動する外側歯付きワッシャー(arruela dentada externamente)(
図2A)と、平行六面体形のシールブレード(
図6)との4つの主要部分を有し、このシールブレードは外側歯付きワッシャーの溝に外側から埋め込まれ(
図2A)、半径方向に運動し、上記内側歯付きワッシャーの溝に内側に埋め込まれ(
図7)、横方向運動をする、
ことを特徴とする汎用内燃エンジンの構造的配置を有する燃焼機関。
【請求項2】
外側歯付きワッシャー(
図2A)または内側平ワッシャ(arruela lisa interior)(
図3B)を有し、これがその全長に沿ってそれ自体の偏心体の外径に調整され、その上で自由に回転する請求項1に記載の燃焼機関。
【請求項3】
上記偏心体がシャフトとそのワッシャーをさらに含み、これらの要素は固定されて取り付けられ、シャフトは偏心体と一緒に回転し、上記ワッシャが偏心体と一緒に回転する(
図2B)請求項1に記載の内燃機関。
【請求項4】
平行六面体形のシールブレードが外側歯付き内ワッシャの溝の内側をバネまたは圧縮空気の力で内側歯付きワッシャー/フレームブロック(
図7)および(
図10B)に対してワッシャと一緒に半径方向運動でスライドするか(
図2A)(
図10B)、または、フレームブロックの溝中にフリーに取り付けられたシールブレード(
図10A)がネまたは圧縮空気の力でフレームブロック内を半径方向にスライドし且つ平ワッシャー(
図3B)内を横方向にスライドし、いずれの場合も燃焼チャンバーまたは圧縮チャンバーの各セクター内の空の内部空間の分割を促進する請求項1に記載の内燃機関。
【請求項5】
各回転毎に完全な熱力学的サイクルが実行され、各圧縮が中間冷却を伴う段階で実行され(
図9)。圧縮段階の後に燃焼チャンバー内で最大に圧縮されてバースト/燃焼/燃焼し、燃焼チャンバー内のガスの膨張中に得られたエネルギーを直ちに利用してサイクルを完了する請求項1に機の燃焼機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるタイプの燃料を使用することができる機械用の固定式または車両に取付けられるユニバーサル内燃機関の構造的配置(arranjo estrutural para um motor de combustao interna universal)に関するものである。
本発明は特に、燃焼熱力学的効率に優れ、効率が改善され、燃料消費量が減少し、環境へのガスの放出が少なく、サイズを最小にすることが可能な内燃機関に関するものである。
【背景技術】
【0002】
航空機、車両、ボート等の輸送車両や機械、固定装置で使用されている現在のエンジンは19世紀後半に発明されたものである。このエンジンに対しては何年にもわたって改良が加えられ、例えば熱効率は実験室では5%から30%近くまで向上している。
【0003】
また、大気へのガスの放出率も減少し、空気汚染への直接的影響も少なくなっている。しかし、この古いエンジンの設計は事実上限界(no limite)に達している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、上記エンジンのより近代的でより効率的な配置技術を提供するために本発明は開発されたもので、本発明エンジンはより効率的な熱力学サイクルを使用することによって効率を現在のエンジンの約3倍にできるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の用途、例えば据付け型装置、車両、機械のための1つまたは複数のセクターによって形成される混合レシプロロータリー内燃機関(um motor de combustao, rotativo alternativo misto formado)に関するものである。より具体的には、本発明は種々の異なる種類の燃料を使用する内燃機関の構造的配置に関するものである。上記車両は陸上、海上、鉄道または空中のいずれの車両でもよい。より具体的には、本発明は、燃焼効率が改善され、熱力学的効率に優れ、寸法がより小型になり、出力/重量比がブレイトン熱力学サイクル(ciclo termodinamico Brayton)を使用する飛行機のタービンを超え、燃料消費と環境へのガスの排出量が最大で3分の1になる内燃機関に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】外部アクセサリー(付属品)を外した内燃機関を示す。
【0007】
【
図2】
図2Aおよび
図2Bは偏心体(カム、excentrico)とリング(anel)を備えたエンジンシャフトを示す。
【0008】
【0009】
【
図4】本発明のサブアセンブリの偏心体(カム、excentrico)を示す。
【0010】
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは本発明の偏心シャフト(eixo excentrico)と赤いリング(anel)とを備えたエンジンシャフトのサブアセンブリを示す。
【0011】
【
図6】本発明のシールブレード(pas-selo)のサブアセンブリを示す。
【0012】
【
図7】本発明のエンジン要素用のフレーム構造ブロックを示す。
【0013】
【
図8】本発明のエンジンセクターを分離するカバー(tampa)を示す。
【0014】
【
図9】本発明のエンジンの熱力学的プロファイルを示す。
【0015】
【
図10】
図10Aおよび10Bは燃焼室または圧縮室を形成するシャフト、偏心体(カム)、リング、シールブレード、ブロックを備えた内部サブアセンブリ(submontagem no interior)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、汎用(ユニバーサルユース)のために1つまたは複数のセクターによって形成された混合レシプロロータリー燃焼機関(um motor de combustao, rotativo alternativo misto formado)に関するものである。特に、本発明のエンジンの構造的配置は可動要素が少ないシンプルなもので、製造および組立てプロセスが単純化され、システムを冷却するのに小さなラジエーターしか必要としない。システムを空気で冷却することもできまる。本発明エンジンは以下の可動要素:リング、シャフト、偏心体(カム)およびシールブレードのみを有する。
【0017】
本発明エンジンの特徴によって寸法が小型になり、しかも、非常に高効率の燃焼室と同じ回数でシャフトの各回転で熱力学的サイクルを実行することができるような構造的配置が提供される。
【0018】
本明細書で使用する用語のセクター(setores)はエンジンの形成に必要な最小の部品のセットを含むということは当業者には理解できる。
【0019】
本発明の構造的配置によって提供されるエンジン技術では、サイクルの最初の部分である圧縮が1つまたは複数の段階で生じ、その数は無制限である。このエンジンを使用する熱力学的サイクルは、圧縮が1つまたは複数のステップで実行される現在使用されている熱力学的サイクルより効率的である。中間冷却によって圧縮を実行するのに必要な力を大幅に削減でき、膨張プロセスではガスのエネルギーを最大限に活用できる。しかも、このサイクルでは燃料によって生成されたエネルギーが最大限使用され、廃棄物は最小限になる。
【0020】
圧縮は第1ステップの圧縮室で行われるが、それに続く各ステップでより小さくなった体積の燃焼室でも圧縮され、各ステージ間でシステムがラジエータによって環境に向かって冷却され、その後に燃焼室内で圧縮される。また、燃焼室内で行われる最後の圧縮を燃焼室に噴霧水を注入してさらに冷却することもでき、それによって圧縮が等エントロピーに近い状態で行われ、その後に爆発が起こり、次に膨張が起こる。この最後の膨張プロセスでの断熱膨張エネルギーを可能な限り吸引圧力値まで上げることができる。
【0021】
本発明配置は静かな排気と低温にすることができる。既に述べたように、排気圧が非常に低いため騒音および温度は低くなる。
【0022】
本明細書に開示のエンジンは、陸上車両で使用できるのに加えて、非常に高い出力/重量比で任意のサイズの普遍的な用途向けに設計することができ、タービンのブレイトンサイクルよりも高い効率であるので、航空機でも使用でき、それによって、タービンが要求するよりもはるかに少ない消費量で出力を向上させることができ、軽量でより多くの出力がだせ、エンジン内部の部品の間の相対摩擦速度が非常に低いので耐用年数を長くすることができる。
【0023】
1,000,000KW以上の発電所用エンジンを製造することもできる。現在の既知のエンジンは最大で10万KWしかなく、その重量は2300トンを超え、非常に重い。本発明エンジンは同じ出力で約30トンになる。
【0024】
本発明エンジンでは各燃焼セクターで非常に軽量かつ強力なシャフトの一回転を含む複数のサイクルが完了する。例えば、セクター毎に16個の燃焼室を備えた3つのセクターを有するエンジンを使用でき、各回転で48回の爆発(サイクル)が生じる。なお、この例に限定されるものではない。
【0025】
本発明エンジンのトルクは非常に高く、連続的で、振動はほとんどなく、毎分の回転数を低くでき、従って、最小rpmで消費を少なくできる。複数のシールブレードがブロック上に配置されている場合には、シールブレードを実験室で証明された所定の角度に対して傾けることによってトルクを改善できる。
【0026】
さらに、本発明エンジンは、追加のタンク内の圧縮部分にエネルギーを蓄積し、回生することができる。これはトラック、列車などの車両では予備タンクとして機能する。追加タンクは車両が下り運動(movimento de descida)する時に下りブレーキを使用せずに圧縮空気を蓄積でき、それを後で登り運動でコストなしに再利用できる余分なエネルギーとして使用することができる。
【0027】
上記再利用中に予備圧力での追加タンクからの凝縮水を燃焼サイクルの終わりに、エネルギーコストなしに、システム冷却のために再注入することができる。この冷却は排気時に生じ、システムの燃焼セクションをさらに冷却する。
【0028】
システムの加熱はホットスポットなしにエンジンの周りで完全に均一であり、非常に低い。シセクター間のカウンターバランスに取り付けられたファンでステムを冷却できる。
【0029】
本発明が提案する配置は奇妙な曲線のない直線とラウンドな平らな設計を有する。
【0030】
本発明が提案されるエンジンは要素間の摩擦速度が低く、高い毎分回転数にすることができる。例えば、高出力スポーツ車両は20,000rpm以上にすることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。シールブレードは前後に交互に動く往復動であるので、リングまたはブロックに対するシールブレードの速度は最小限であり、シールブレードの完全な潤滑が実現されるので潤滑油の消費量は非常に少ない。。
【0031】
さらに、テフロン(登録商標)などの特殊な材料、特に同様な特性を有する自己潤滑性金属を使用することで、潤滑油の消費を無くすことができ、さらに、ベアリングを使用してシステム(シャフト)のいくつかの部分の摩擦をさらに低減することができる。
【0032】
本発明のエンジンは極めて小さなスペースに配置できるので、全ての輸送車両におけるより大きな有用スペースの利用に寄与する。飛行機などの航空機では、このエンジンはフロントセクションが低く、抗力を低減する。これらの混合ターボファンエンジン(プロペラ、チューブプロペラに含まれるインバーター付き)は非常に高出力で、はるかに効率的で、1500rpmで100,000HP以上で、タービンよりも軽量で、現在の民間航空機と同様な速度(1000kmts/Hr)で製造できる。
【0033】
さらに、本発明エンジンはより低い排気温度で動作し、赤外線によっては実質的に検出できず、非常に静かである。減速に減速機やフローダイバータを使用せず、リバーシブルターボファンまたはパイプ式リバーシブルプロペラのみを使用する。これによって1つまたは複数のアキシャルターボチャージャーまたは遠心ターボチャージャーと、燃焼室と膨張とを追加した非常に特殊な設計の超音速飛行機でも使用できる。本発明の混合エンジンは非常に効率的で、タービンを必要としない。さらに、垂直離陸飛行機、ヘリコプターなどでも使用できる。
【0034】
空気および燃料が事前に冷却されるので、圧縮比は非常に高い値に増加させることができる。
【0035】
排気弁は、低温および低圧で作動する。この事実によりより単純な製造プロセスと材料を使用でき、製造コストを削減できる。使用できる素材はアルミ、チタン、ステンレスなどである。
【0036】
本発明エンジンは今日最も使用されているエンジンとは非常に異なるが、現在の生産ラインを本発明エンジンに容易に適合でき、本発明エンジンを低コストで迅速に製造できる。
【0037】
本発明エンジンの設計では取り得る可能な任意の組み合わせを使用でき、単一または複数の異なるセクターおよび各セクター内の任意の数の燃焼および/または圧縮チャンバーを使用することができ、これらの間で多くの変形ができる。
【0038】
本発明エンジンは、3分の1の燃料のみを使用して熱電形態でエネルギー生産で使用ができ、極めて小型で超経済的な1000MWを超える出力を有する機械を製造することができる。
【0039】
本発明エンジンを例えばボートで使用する場合、同じ燃料消費量で所望の速度をほぼ2倍にすることができる。
【0040】
最後に、本発明エンジンは地球の健康に寄与する。すなわち、大気中へのCO2排出率を大幅に減少するので地球温暖化が減少する。
【0041】
本発明のエンジンの構造的配置では、単一のセクターのみを含むか、[
図1]に示すように一緒に働く複数のセクターを含むことができる。
【0042】
上記セクターはエンジンの設計に従って順序付けられ、本発明エンジンは特定の用途ごとに異なる形状、サイズ、順序および構成の1つまたは複数のセクターを有することができる。
【0043】
[
図1]は、外部要素を外した内燃機関のアセンブリを示している。このエンジンはエンジンの各セクターへの気体および液体の出入りのための複数のオリフィスを備えている。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、エンジンは、その長手方向軸に沿って、複数のセクターを含み、各セクターはその内部にリング(anel)の形態の円筒形構造を有する。本明細書ではこれをサブアセンブリという。このサブアセンブリは[
図2A]、[
図2B]、[
図3A]、[
図3B]、[
図5A]および[
図5B]により詳細に説明してある。
【0045】
上記サブアセンブリ(リング)は偏心体上を自由回転することに加えて、その長さ全体にわたってそれ自体の偏心体(seu proprio excentrico)の外径に調整する。[
図2B]に示すように、偏心体はエンジンの分離不可能な部分を形成し、そのシャフトとそのリングを含み、これらの要素はシャフトと偏心体に固定され、リングと偏心体は自由である。単一セクターエンジンではシャフトと偏心体を一体にすることができるが、複数セクターエンジンではそれらを分離し、最終組立て時に[
図11]に示すように一緒に固定する必要がある。
【0046】
リングの寸法、量、寸法、リングの追加要素の量、形状および組成はエンジンの設計毎に異なるということは当業者には理解できよう。ただし、エンジンシャフトおよび偏心体は構成、サイズ、形状によって変化し、リング内で往復動し、一緒に回転する。
【0047】
[
図5B]は本発明の好ましい実施形態で、8つの燃焼室または圧縮室を備えたエンジンを示しており、一方、[
図2B]は9つの燃焼室または圧縮室を備えたエンジンを示している。これらの図はエンジンの断面を示し、メインサブアセンブリであるリングは赤で示されている。
【0048】
[
図6]は、本発明のサブアセンブリと一緒に機能するシールブレードなどのエンジンの追加の要素を示している。各シールブレードはサブアセンブリの各溝の中に配置される。すなわち、フレームブロックの各溝の中に一つずつ配置される。
【0049】
シールブレードは図示していないバネまたは空気圧の力で、サブアセンブリまたは構造ブロックに対して溝の内側をスライドし、各セクター内の空の内部空間の燃焼または圧縮チャンバーへの分割を促進する。
【0050】
シールブレードの表面は、リングまたはブロック構造に対するスライド往復運動によってシールが行われ且つエンジンカバーに対して横方向に往復スライドするようになっている。
【0051】
上記サブアセンブリは本発明エンジンの動作に関与する要素である。リング(サブアセンブリ)がプロジェクトに存在しない場合、エンジンはブロック内のシールブレードでのみ動作し、潤滑が弱い部分である偏心体に対する相対速度が非常に高くなるため、偏心体に対する相対速度が非常に高くなる。従って、エンジンの回転数は低く、耐用年数も非常に短くなり、排出量も非常に多くなる。すなわち、相対速度が非常に高くなるため大量のオイルを使用するか、大型エンジンを製造する必要があるが、それは不可能である。
【0052】
偏心体が回転を始めるとエンジンシャフトも一緒に回転するが、エンジンおよび偏心シャフトの回転運動中は[
図5A]および[
図5B]に示すようにリング、サブアセンブリは自由に往復運動する。
【0053】
本発明では燃焼チャンバーまたは圧縮チャンバーは、2つの中間または最終のカバー、カーカス(フレーム、構造またはブロック)、2つの連続したシールブレードおよびリングによって形成されるパーツ(サブアセンブリ)間の燃焼用の閉じた内部空間によって形成される。[
図8]はカバーを示す。このカバーはエンジンを構成する各セクターを分離する。このカバーは所望する用途に応じてサイズ、形状および構成を変えることができる。
【0054】
所定用途では燃焼室の数が多いほど、1回転あたりの爆発数が多くなり、より滑らかで、より抵抗力があり、より効率的で、長い耐用年数にすることができる。
【0055】
本発明エンジンにおけるリングの存在の主たる利点はリングとシールブレードとの間の相対速度にある。これは現在のエンジンに適用される速度よりも何倍も遅い。
【0056】
その結果、ブレードおよびエンジンの他の全ての要素の摩耗がはるかに低くなる。エンジンの1分当たりの回転数を数倍に増やすことができ、これによってエンジンをより小さく、より軽く、より高速にすることができる。なお、エンジンの出力とサイズには実質的に制限はない。
【0057】
シールブレードのサブアセンブリは各シールブレードの最も内側端部に少なくとも1つのプッシュスプリングを備えているか、加圧空気が作用する。上記プッシュスプリングは図示していないが、[
図2B][
図10A]および[
図10B]に示すように、リングに対してまたはブロックに対して配置され、それらを適切に押圧する。
【0058】
上記エンジンには図示していない燃焼ガスおよび圧縮ガスの出入りのための弁を備えている。
【0059】
[
図9]は本発明の内燃機関の圧力-体積を表す理論的熱力学的プロファイルを示している。この特定の熱力学的サイクルが非常に効率的であり、非常に大きな燃料節約を伴うということを当業者は理解できる。
【0060】
本発明は、上記リングとシールブレードとの間の相対速度が極めて低く、システムの潤滑製に優れ、十分なシールと耐久性を有し、潤滑油の消費量を最小にすることができるリング全体の技術を提供する。すなわち、シールブレードの摩耗が減少し、エンジンの1分当たりの回転数が大幅に増加するため、モーターのサイズと重量を小さくしても高出力、高速(rpm)、高効率、低消費、低汚染、長耐用年数を実現できる。
【0061】
本発明は本明細書に記載の実施形態に限定されるものではない。当業者は、本明細書は理解を容易にするために記載されたもので、本発明を逸脱することなく説明した概念の特定の特徴を実行できることは理解できる。本発明対象の限定的な特徴は本明細書の一部である特許請求の範囲に関連している。
【国際調査報告】