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特表2022-519468原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス
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  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図1
  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図2
  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図3A
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  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図6A
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  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図6C
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  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図9
  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図10A
  • 特表-原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス 図10B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】原子炉燃料集合体および生産のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/30 20060101AFI20220316BHJP
   G21C 3/62 20060101ALI20220316BHJP
   G21C 21/06 20060101ALI20220316BHJP
   G21C 3/33 20060101ALI20220316BHJP
   G21C 3/34 20060101ALI20220316BHJP
   G21C 3/334 20060101ALI20220316BHJP
   G21C 21/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
G21C3/30 100
G21C3/62 200
G21C21/06
G21C3/33 700
G21C3/33 600
G21C3/34
G21C3/334
G21C21/00 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541577
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020013119
(87)【国際公開番号】W WO2020150099
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/794,320
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521315799
【氏名又は名称】ビーダブリューエックスティー アドバンスト テクノロジーズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャーゴッツ、スコット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ニーリー、ゲイリー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ジーグラー、ライアン ゼット.
(57)【要約】
原子炉炉心のための核燃料集合体であって、核燃料集合体は、少なくとも1つの燃料カートリッジを含み、少なくとも1つの燃料カートリッジは、内部体積を画定する外側壁部を含む格子構造体と、格子構造体の内部体積を通って延在する少なくとも1つのフロー・チャネルと、格子構造体の内部に配設されている少なくとも1つの格子サイトと、少なくとも1つの格子サイトのうちの対応する1つの中に配設されている少なくとも1つの燃料コンパクトとを有している。少なくとも1つの燃料コンパクトの断面形状は、少なくとも1つの格子サイトのうちの対応する1つの断面形状と同じである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉炉心のための核燃料集合体であって、前記核燃料集合体は、少なくとも1つの燃料カートリッジを含み、前記少なくとも1つの燃料カートリッジは、
内部体積を画定する外側壁部を含む格子構造体と;
前記格子構造体の前記内部体積を通って延在する少なくとも1つのフロー・チャネルと;
前記格子構造体の内部に配設されている少なくとも1つの格子サイトと;
前記少なくとも1つの格子サイトのうちの対応する1つの中に配設されている少なくとも1つの燃料コンパクトと
を含み、
前記少なくとも1つの燃料コンパクトの断面形状は、前記少なくとも1つの格子サイトのうちの前記対応する1つの断面形状と同じである、核燃料集合体。
【請求項2】
前記格子構造体の前記少なくとも1つのフロー・チャネルは、複数のフロー・チャネルを含み、
前記格子構造体の前記少なくとも1つの格子サイトは、複数の格子サイトを含み、
前記少なくとも1つの燃料コンパクトは、複数の燃料コンパクトを含み、それぞれの燃料コンパクトは、
内部体積を画定する燃料コンパクト被覆チューブと、
複数の燃料ピンであって、それぞれの燃料ピンは、内部体積を画定するピン被覆チューブ、および、前記ピン被覆チューブの前記内部体積の中に配設されている核分裂性燃料を含む、複数の燃料ピンと
を含み、
前記複数の燃料ピンは、前記燃料コンパクト被覆チューブの前記内部体積の中に配設されており、前記燃料コンパクトの断面形状は、前記燃料コンパクト被覆チューブによって画定されている、請求項1に記載の核燃料集合体。
【請求項3】
前記複数の燃料ピンの中の前記核分裂性燃料は、燃料ペレット、複数の燃料カーネル、および燃料粉末のうちの1つである、請求項2に記載の核燃料集合体。
【請求項4】
それぞれの燃料コンパクトのそれぞれの燃料ピンおよび前記燃料コンパクト被覆チューブは、前記燃料コンパクトの断面形状を結果として生じさせるスウェージ加工プロセスの前に、実質的に円筒形状になっている、請求項2に記載の核燃料集合体。
【請求項5】
第1の燃料ピンの外径は、第2の燃料ピンの外径よりも大きくなっており、前記第1の燃料ピンおよび前記第2の燃料ピンは、前記複数の燃料コンパクト被覆チューブのうちの対応する1つの中に配設されている、請求項4に記載の核燃料集合体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの燃料カートリッジは、複数の燃料カートリッジを含み、それぞれの燃料カートリッジは、上部壁部および底部壁部をさらに含み、前記上部壁部および前記底部壁部は、前記格子構造体の両側に配設されており、それぞれの格子サイトがシールされた体積を画定するようになっている、請求項2に記載の核燃料集合体。
【請求項7】
それぞれの燃料カートリッジの前記上部壁部および前記底部壁部は、複数のアパーチャーを画定しており、それぞれのアパーチャーは、前記燃料カートリッジの対応するフロー・チャネルの場所に対応している、請求項6に記載の核燃料集合体。
【請求項8】
それぞれの格子構造体のそれぞれのフロー・チャネルは、細長いチューブによって画定されている、請求項2に記載の核燃料集合体。
【請求項9】
それぞれの格子構造体は、複数の内側壁部をさらに含み、それぞれの内側壁部は、隣接する細長いチューブのペアのうちの1つの間に、および、前記格子構造体の細長いチューブと外側壁部との間に延在している、請求項8に記載の核燃料集合体。
【請求項10】
それぞれの格子構造体の前記外側壁部は、前記格子構造体の長手方向中心軸線に対して平行にとられた六角形の断面を有している、請求項2に記載の核燃料集合体。
【請求項11】
前記核燃料集合体は、複数の燃料カートリッジを含み、前記複数の燃料カートリッジは、端と端を接続して配設され、互いに固定されている、請求項10に記載の核燃料集合体。
【請求項12】
前記燃料集合体の前記燃料カートリッジは、拡散接合、抵抗溶接、および機械的な締結のうちの1つによって、互いに固定されている、請求項10に記載の核燃料集合体。
【請求項13】
第1の燃料カートリッジの材料勾配は、第2の燃料カートリッジの材料勾配とは異なっている、請求項10に記載の核燃料集合体。
【請求項14】
第1の燃料カートリッジの燃料濃縮度は、第2の燃料カートリッジの燃料濃縮度とは異なっている、請求項10に記載の核燃料集合体。
【請求項15】
前記第1の燃料カートリッジは、前記第2の燃料カートリッジよりも大きい量の核分裂性燃料を含む、請求項14に記載の核燃料集合体。
【請求項16】
原子炉炉心のための核燃料集合体であって、前記核燃料集合体は、少なくとも1つの燃料コンパクトを含み、前記少なくとも1つの燃料コンパクトは、
内部体積を画定する燃料コンパクト被覆チューブと、
複数の燃料ピンであって、それぞれの燃料ピンは、内部体積を画定するピン被覆チューブ、および、前記ピン被覆チューブの前記内部体積の中に配設されている核分裂性燃料を含む、複数の燃料ピンと
を含み、
前記複数の燃料ピンは、前記燃料コンパクト被覆チューブの前記内部体積の中に配設されており、前記燃料コンパクトの断面形状は、前記燃料コンパクト被覆チューブによって画定されている、核燃料集合体。
【請求項17】
前記複数の燃料ピンの中の前記核分裂性燃料は、燃料ペレット、複数の燃料カーネル、および燃料粉末のうちの1つである、請求項16に記載の核燃料集合体。
【請求項18】
それぞれの燃料コンパクトのそれぞれの燃料ピンおよび前記燃料コンパクト被覆チューブは、前記燃料コンパクトの断面形状を結果として生じさせるスウェージ加工プロセスの前に、実質的に円筒形状になっている、請求項16に記載の核燃料集合体。
【請求項19】
前記核燃料集合体は、少なくとも1つの燃料カートリッジをさらに含み、前記少なくとも1つの燃料カートリッジは、
内部体積を画定する外側壁部を含む格子構造体と;
前記格子構造体の前記内部体積を通って延在する少なくとも1つのフロー・チャネルと;
前記格子構造体の内部に配設されている少なくとも1つの格子サイトと
を含み、
少なくとも1つの燃料コンパクトは、前記少なくとも1つの格子サイトのうちの対応する1つの中に配設されており、
前記少なくとも1つの燃料コンパクトの断面形状は、前記少なくとも1つの格子サイトのうちの前記対応する1つの断面形状と同じである、請求項18に記載の核燃料集合体。
【請求項20】
前記少なくとも1つの燃料カートリッジは、複数の燃料カートリッジを含み、それぞれの燃料カートリッジは、上部壁部および底部壁部をさらに含み、前記上部壁部および前記底部壁部は、前記格子構造体の両側に配設されており、それぞれの格子サイトがシールされた体積を画定するようになっている、請求項19に記載の核燃料集合体。
【請求項21】
それぞれの燃料カートリッジの前記上部壁部および前記底部壁部は、複数のアパーチャーを画定しており、それぞれのアパーチャーは、前記燃料カートリッジの対応するフロー・チャネルの場所に対応している、請求項19に記載の核燃料集合体。
【請求項22】
前記核燃料集合体は、複数の燃料カートリッジを含み、前記複数の燃料カートリッジは、端と端を接続して配設され、互いに固定されている、請求項21に記載の核燃料集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2019年1月18日に出願された米国仮特許出願第62/794,320号の優先権を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
現在開示されている発明は、概して、原子炉に関し、より具体的には、炉心を構築する際に使用するための燃料集合体、および、それらの燃料集合体を生産するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
宇宙旅行の間に宇宙船を推進させるために核熱推進を利用する概念が知られている。既存の推進概念は、典型的に、燃料分散方法として知られる燃料集合体製造プロセスを利用する。燃料分散方法によって、ウランベースの燃料カーネルが生成され、カーネルは、直径が200μmから400μmのオーダーになっている。カーネルは、従来の内部ゲル化プロセスまたは高度なゾルゲル処理方法によって製作されることが多い。カーネルは、金属マトリックス材料(たとえば、タングステンなど)によってコーティングされ、燃料カーネルをカプセル化している。コーティングされると、粒子が、金属マトリックス材料(たとえば、タングステン粉末など)の中に埋め込まれ、熱間等静圧圧縮成形などのような冶金学的圧縮技法によって、モノリシックのパーツへと形成される。しかし、燃料集合体を生成させるための燃料分散方法に伴って、さまざまな困難が存在することが知られている。たとえば、400μm未満の燃料カーネルを生成させるときには課題が存在し、同様に、耐火金属(たとえば、それに限定されないが、タングステン、モリブデンなど)によって燃料カーネルをコーティングすることに伴って課題が存在する。燃料カーネルの一貫性のないコーティングは、高い燃料パッキング・ファクター(たとえば、核熱推進用途において使用されることとなる燃料集合体にとって望ましいものなど)を実現しようとするときには、非常に問題になる可能性がある。具体的には、不適正にコーティングされた燃料カーネルは、互いに接触し、凝集する可能性があり、それは、燃料溶融および/または燃料損失につながる可能性がある。そのうえ、金属マトリックス材料の中のコーティングされた燃料カーネルの正確な場所が知られていないので、炉心中性子分析が害される可能性がある。コーティングされた燃料カーネルの凝集を防止する必要性は、十分な量のマトリックス材料(タングステン粉末)が使用されることを要求し、それは、上述の核熱推進用途において使用される燃料集合体にとって十分なパッキング・ファクターを実現する能力を妨げる可能性がある。
【0004】
したがって、核熱推進集合体において使用するのに適切な燃料集合体、および、それを生産するためのプロセスに対する必要性が、少なくとも存在したままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態は、原子炉炉心のための核燃料集合体であって、核燃料集合体は、少なくとも1つの燃料カートリッジを含み、少なくとも1つの燃料カートリッジは、内部体積を画定する外側壁部を備えた格子構造体と、格子構造体の内部体積を通って延在する少なくとも1つのフロー・チャネルと、格子構造体の内部に配設されている少なくとも1つの格子サイトと、少なくとも1つの格子サイトのうちの対応する1つの中に配設されている少なくとも1つの燃料コンパクトとを有する、核燃料集合体を提供する。少なくとも1つの燃料コンパクトの断面形状は、少なくとも1つの格子サイトのうちの対応する1つの断面形状と同じである。
【0006】
本発明の別の実施形態は、原子炉炉心のための核燃料集合体であって、核燃料集合体は、少なくとも1つの燃料コンパクトを有しており、少なくとも1つの燃料コンパクトは、内部体積を画定する燃料コンパクト被覆チューブと、複数の燃料ピンであって、それぞれの燃料ピンは、内部体積を画定するピン被覆チューブ、および、ピン被覆チューブの内部体積の中に配設されている核分裂性燃料を含む、複数の燃料ピンとを含み、複数の燃料ピンは、燃料コンパクト被覆チューブの内部体積の中に配設されており、燃料コンパクトの断面形状は、燃料コンパクト被覆チューブによって画定されている、核燃料集合体を提供する。
【0007】
添付の図面は、本明細書の中に組み込まれており、本明細書の一部を構成しており、添付の図面は、本発明の1つまたは複数の実施形態を図示しており、本説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0008】
ここで、本発明が、添付の図面を参照して、以降でより完全に説明されることとなり、図面には、本発明のいくつかの(すべてではないが)実施形態が示されている。実際に、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得り、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用法的要件を満たすこととなるように提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態にしたがって構築された燃料集合体を含む原子炉炉心の斜視図である。
図2図1に示されている燃料集合体の斜視図である。
図3A図2に示されている燃料集合体の格子構造体の斜視図である。
図3B図2に示されている燃料集合体の格子構造体の端面図である。
図4】本発明の実施形態による燃料ピンの部分斜視図である。
図5】本発明の実施形態による燃料コンパクトの端面図である。
図6A図5に示されている燃料コンパクトに対して実施されているスウェージ加工動作の端面図である。
図6B図5に示されている燃料コンパクトに対して実施されているスウェージ加工動作の端面図である。
図6C図5に示されている燃料コンパクトに対して実施されているスウェージ加工動作の端面図である。
図7】本発明の実施形態による完成した燃料コンパクトの端面図である。
図8】本発明の実施形態による燃料カートリッジの組み立ての部分斜視図である。
図9】燃料コンパクトが格子の中へ挿入された後の、図8に示されている燃料カートリッジの端面図である。
図10A】燃料集合体を形成するように組み立てられている、図9に示されている燃料カートリッジの斜視図である。
図10B】燃料集合体を形成するように組み立てられている、図9に示されている燃料カートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および図面における参照文字の繰り返しの使用は、本開示による本発明の同じまたは同様の特徴またはエレメントを表すことを意図している。
【0011】
ここで、本発明が、添付の図面を参照して、以降でより完全に説明されることとなり、図面には、本発明のいくつかの(すべてではないが)実施形態が示されている。実際に、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得り、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用法的要件を満たすこととなるように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。
【0012】
ここで図を参照すると、本発明による炉心100は、複数のモジュール式燃料集合体110を含み、複数のモジュール式燃料集合体110は、図1および図2に最良に見られるように、ベッセル・シェル102の中に受け入れられている。好ましくは、それぞれの燃料集合体110は、六角形の断面を有しており、より詳細に下記に議論されているように、複数の燃料カートリッジ112a、112b、112cなどによって形成されている。好ましくは、それぞれの燃料カートリッジ112は、複数の格子サイト122をその内部に画定する格子構造体114と、その中に配設されている複数の燃料コンパクト130とを含む。それぞれの燃料コンパクト130は、図8に最良に見られるように、対応して形状決めされた格子サイト122の中に受け入れられている。議論されている燃料集合体110は、好ましくは、六角形の断面を有しているが、代替的な実施形態では、燃料集合体は、異なる断面形状(たとえば、それに限定されないが、三角形、正方形、長方形など)を有することが可能であるということに留意されたい。
【0013】
図3Aおよび図3Bに示されているように、格子構造体114は、細長いシェルを画定する複数の側壁部116と、複数の細長いチューブ118と、複数の内側壁部120とを含み、複数の細長いチューブ118は、格子構造体114の中に配設されており、それぞれの細長いチューブ118の長手方向中心軸線が、格子構造体114の長手方向中心軸線に対して平行になるようになっており、複数の内側壁部120は、格子構造体の中に複数の格子サイト122を画定している。それぞれの細長いチューブ118は、格子構造体114の全長に延在しており、それによって、チャネルを形成しており、原子炉冷却剤が、原子炉運転の間にチャネルを通って流れることが可能である。格子構造体114のいくつかの内側壁部120aは、細長いチューブ118のペアの間に延在しており、一方では、他の内側壁部120bは、格子構造体114の対応する細長いチューブ118と隣接する側壁部116との間に延在している。そうであるので、それぞれの格子サイト122は、同じ断面形状を有していない。図3Bに最良に見られるように、格子構造体114の現在議論されている実施形態は、37個の細長いチューブ118と、96個の完全なおよび部分的な格子サイト122とを含む。しかし、代替的な実施形態では、異なる数の細長いチューブ118および格子サイト122が存在することも可能であるということに留意されたい。好ましくは、格子構造体114は、アディティブ・マニュファクチャリング(金属3D印刷としても知られる)によって形成されており、所望の材料(たとえば、それに限定されないが、モリブデンなど)のモノリス構造体から構成されている。代替的に、格子構造体114は、所望の材料(たとえば、モリブデンなど)の複数のカット・シートによって形成されており、それらは、所望の格子幾何学形状に配置され、次いで、抵抗溶接され、コンポーネントを形成する。
【0014】
図8に最良に見られるように、燃料集合体110のそれぞれの燃料コンパクト130は、その断面形状が、対応する格子サイト122の断面と同じになるように形成されている。追加的に図4および図5を参照すると、それぞれの燃料コンパクト130は、複数の細長い燃料ピン132によって形成されており、燃料ピン132は、より詳細に下記に議論されているように、スウェージ加工プロセスの前に、細長い燃料コンパクト被覆チューブ138の中に配設されており、燃料コンパクトの所望の断面形状を実現する。図4に最良に見られるように、それぞれの燃料ピン132は、ピン被覆チューブ134を含み、ピン被覆チューブ134は、上部壁部133および底部壁部135によってシールされており、ピン被覆チューブ134が、シールされた内部体積139を画定するようになっている。チューブは、燃料ペレット136がピン被覆チューブ134の内側に配設された後に、上部壁部133および底部壁部135によってシールされ、ピン被覆チューブ134が、燃料のための被覆としての役割を果たすようになっている。示されているように、燃料ペレット136は、好ましくは、燃料ピンのために利用される。しかし、本発明の代替的な実施形態では、ペレットというよりもむしろ、燃料カーネル、燃料粉末などが使用され得る。
【0015】
また、組み立てられたそれぞれのピン被覆チューブ134および燃料ペレット136は、スウェージ加工プロセスを受け、スウェージ加工プロセスの間に、燃料ピン132の所望の最終直径が実現される。ピン直径は、燃料集合体の所望の燃料パッキング・ファクター要件を満たすように選ばれる。スウェージ加工の後に、それぞれの燃料ピン132は、図5に最良に見られるように、対応する燃料コンパクト被覆チューブ138の中に配設されている。所望の燃料パッキング・ファクター要件を実現するために、異なる直径の燃料ピン132が作り出され、燃料コンパクト被覆チューブの中の格子間スペース141によって定義される集合体積を低減させるようになっているということに留意されたい。示されている好適な実施形態では、ピン直径は、燃料ピン132が燃料コンパクト被覆チューブ138の中にWarrington Seale構成で配置され得るように選択される。
【0016】
ここで図6Aから図6Cを参照すると、燃料コンパクト被覆チューブ138の中に燃料ピン132を所望のパターンで配置した後に、スウェージ加工プロセスが燃料コンパクト130に対して実施され、対応する格子サイト122の中へのその後の挿入のために、コンパクトの所望の断面形状を実現するようになっている(図8)。示されている例示的な実施形態では、スウェージ加工プロセスが、プレス142の中で実施され、プレス142は、燃料コンパクト被覆チューブ138を所望の断面形状へと変形させる。示されているように、燃料コンパクト130の断面形状は、完全な三つ葉形であり、それは、格子構造体114の側壁部116に隣接していない格子サイト122のいずれかの中に燃料コンパクト130が配設されることを可能にすることとなる。
【0017】
ここで図8を参照すると、それぞれの燃料コンパクト130が、格子構造体114の対応する格子サイト122の中に締まり嵌めで挿入されている。好ましくは、締まり嵌めは、燃料コンパクト130を対応する格子サイト122の中へ挿入する前に、格子構造体114を加熱することによって実現される。それぞれの格子サイト122が対応する燃料コンパクト130をその中に受け入れた後に、上部壁部133および底部壁部(図示せず)が、格子構造体114の上部端部および底部端部に抵抗溶接され、図9に示されているように、燃料カートリッジ112の構築を完了する。上部壁部および底部壁部の両方は、複数のアパーチャー137を含み、それぞれのアパーチャー137は、格子の細長いチューブ118の場所に対応しており、原子炉冷却剤がそれを通って流れることができるようになっている。
【0018】
ここで図10Aおよび図10Bを参照すると、それぞれの燃料集合体110が、所望の長さの燃料集合体が実現されるまで、所望の数の燃料カートリッジ112a、112bを積み重ねることなどによって製作される。次いで、積み重ねられた燃料カートリッジ112a、112bは、それに限定されないが、拡散接合、抵抗溶接、機械的な締結などのような方法によって統合される。それぞれの燃料集合体110は個々の燃料カートリッジ112(それらは、次いで互いに締結される)から構築されているという点において、それぞれの燃料カートリッジ112の中の燃料の材料組成は、残りの燃料カートリッジ112から変化させられ得る。そうであるので、それぞれの燃料集合体110の材料勾配は、その軸線方向のリンクに沿って変化させられ得る。たとえば、再び図2を参照すると、燃料集合体110の底部部分を形成する燃料カートリッジ112cと比較して、低減された量のタングステンが、燃料集合体110の上側部分を形成する燃料カートリッジ112aの中で使用され得る。底部燃料カートリッジ112cの中に増加した量のタングステンを有することが望ましい可能性があるが(炉心のその部分の中の増加した温度に起因する)、炉心の中のより高い位置において温度がより低くなるので、燃料カートリッジ112aおよび112bの中のタングステンの量を低減させることが望ましい可能性がある。これは、タングステンが同位体濃縮するのが困難である可能性があり、また、より低い温度に遭遇する場所において使用され得るさまざまな他の材料(たとえば、モリブデンなど)よりもタングステンが重いという点で、有利である可能性がある。
【0019】
本発明に対するこれらのおよび他の修正例および変形例は、本発明の精神および範囲(それは、より具体的には、添付の特許請求の範囲の中に記述されている)から逸脱することなく、当業者によって実践され得る。たとえば、本発明の代替的な実施形態において、上記に説明されているように、燃料カートリッジを構築するときに、対応する格子サイトの中に燃料コンパクトを配設するというよりもむしろ、燃料分散方法が、フロー・チャネルを取り囲む格子構造体の内部を充填するために使用され得る。加えて、さまざまな実施形態の態様は、全体的にまたは部分的に相互交換され得るということが理解されるべきである。そのうえ、先述の説明は単なる例としてのものに過ぎず、それは、そのような添付の特許請求の範囲の範囲の中にさらに記載されているように本発明を限定することを意図していないということを当業者は認識することとなる。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に含有されるバージョンの例示的な説明に限定されるべきではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】