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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】調整可能な冷凍アブレーション針
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
A61B18/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541672
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2020096608
(87)【国際公開番号】W WO2021027397
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201910742034.0
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520393521
【氏名又は名称】上海導向医療系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACCU TARGET MEDIPHARMA (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2001, Building 2, 501 Newton Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone Shanghai 200000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】楊遅
(72)【発明者】
【氏名】徐彬凱
(72)【発明者】
【氏名】呉銀龍
(72)【発明者】
【氏名】常兆華
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ07
4C160MM32
(57)【要約】
本発明の調整可能な冷凍アブレーション針は、針管、前断熱管、後断熱管、並びに前記針管及び前記前断熱管を貫通するように設けられる吸気構造を有する。前記針管は、前記後断熱管に対して後断熱管の軸方向に沿って移動することで、前記後断熱管の前端と前記針管の前端との間の軸方向第1距離を調整できる。前記前断熱管は、前記後断熱管に対して後断熱管の軸方向に沿って移動することで、前記前断熱管の前端と前記後断熱管の前端との間の軸方向第2距離を調整できる。前記調整可能な冷凍アブレーション針によれば、冷凍アブレーション針のタイプの違いによる不便を解消し、異なる針挿入深さに対応し、針管が曲がらないように針管の露出長さをできるだけ短くして、人体組織を引き裂く等を防ぐことができ、異なる針挿入深さに対応できると共に、異なるサイズの腫瘍の治療に対応できる。
【代表図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針管、前断熱管、並びに前記針管及び前記前断熱管を貫通するように設けられる吸気構造を有し、前記前断熱管は前記針管の後端から前記針管内に挿入し、前記前断熱管は前記針管に対して前記針管の軸方向に沿って移動し、前記吸気構造は第1吸気管、及びバネ状の第2吸気管を有し、前記第1吸気管の前端が前記針管に延伸され、前記第1吸気管の後端が前記第2吸気管の前端に接続される、調整可能な冷凍アブレーション針であって、
後断熱管をさらに有し、前記前断熱管は前記後断熱管の前端から前記後断熱管内に差し込んで、
前記針管を前記後断熱管に対して前記後断熱管の軸方向に沿って移動することで、前記後断熱管の前端と前記針管の前端との間の軸方向第1距離を調整し、
前記前断熱管を前記後断熱管に対して前記後断熱管の軸方向に沿って移動することで、前記前断熱管の前端と前記後断熱管の前端との間の軸方向第2距離を調整し、
前記調整可能な冷凍アブレーション針の有効針管長さは、前記軸方向第1距離によって変化し、
前記有効針管長さが変化した場合に、前記前断熱管を前記針管に対して前記針管の軸方向に沿って移動することで、前記調整可能な冷凍アブレーション針の標的部長さを、軸方向第1距離と前記軸方向第2距離との差によって変化させることができ、
前記第1吸気管の位置が前記針管に相対的に固定され、前記第2吸気管の後端が吸気通路に直接又は間接に接続され、前記吸気通路の位置が前記後断熱管に相対的に固定され、前記第2吸気管は軸方向に沿って伸縮可能であることを特徴とする、
調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項2】
針管調整構造をさらに有し、
前記針管調整構造は、前記針管の外側に固定接続され、前記針管を動かして前記後断熱管に対して前記後断熱管の軸方向に沿って移動するために用いられることを特徴とする、
請求項1に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項3】
把手をさらに有し、
前記針管は、前記把手の前端から前記把手に挿入し、
前記後断熱管は、前記把手内に設けられ、前記把手の位置に相対的に固定され、
前記有効針管長さは、前記把手の前端と前記針管の前端との間の軸方向距離であり、
前記把手の管壁に軸方向に沿う針管調整溝を開設し、
前記針管調整構造は、前記針管調整溝を通り抜けて前記針管調整溝に沿って移動することを特徴とする、
請求項2に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項4】
標的部調整構造をさらに有し、
前記標的部調整構造は、前記前断熱管の外側に固定接続され、前記前断熱管を動かして前記後断熱管に対して軸方向に沿って移動するために用いられることを特徴とする、
請求項3に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項5】
前記針管調整構造は、軸方向に沿って標的部調整溝を開設し、
前記標的部調整構造は、前記標的部調整溝を通り抜けて前記標的部調整溝に沿って移動することを特徴とする、
請求項4に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項6】
前記標的部調整構造は、前記前断熱管を固定接続する標的部滑り子、及び前記標的部滑り子に接続される標的部レバーを有し、
前記標的部レバーは、前記針管調整溝及び/又は前記標的部調整溝の外側に延伸されることを特徴とする、
請求項5に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項7】
前記針管調整構造は、前記針管を固定接続するための針管滑り子、及び前記針管滑り子に接続される針管レバーを有し、
前記針管レバーは、前記針管調整溝の外側に位置することを特徴とする、
請求項5に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項8】
前記標的部調整溝は、前記針管レバーに開設されることを特徴とする、
請求項7に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項9】
前記吸気構造は、フィンチューブ及びマンドレルをさらに有し、
前記フィンチューブは、前記マンドレルに巻かれ、その前端が前記第2吸気管の後端に接続され、その後端が前記吸気通路に直接又は間接に接続され、
前記マンドレルは、前記後断熱管の位置に固定されることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項10】
前記有効針管長さが最小値の場合に、前記第2吸気管は、伸長されていない自然状態となることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項11】
前記第2吸気管の材料は、ステンレス鋼、ばね鋼、又は形状記憶合金材料であることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項12】
前記吸気構造は、マンドレルをさらに有し、
前記第2吸気管は、前記マンドレルに巻かれ、
前記マンドレルは、前記後断熱管の位置に固定されることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項13】
前記第2吸気管の表面に熱交換フィンを設けることを特徴とする、
請求項12に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項14】
針管密封部品をさらに有し、
前記針管密封部品は、前記針管の後端に位置し、前記針管の内壁と前記前断熱管の外壁との間の間隙を密封するために用いられることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項15】
後断熱管密封部品をさらに有し、
前記後断熱管密封部品は、前記後断熱管の前端に位置し、前記後断熱管の内壁内側との間隙を密封するために用いられることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項16】
前記前断熱管は、前内管及び前外管を有し、
前記前内管と前記前外管との間に前真空挟層を形成し、
前記前内管は、その前端が前記前外管の前端に接続され、その後端が前記前外管の後端に接続されることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項17】
前記前内管の後端は、断熱管ガスケットを介して前記前外管の後端に接続され、
前記断熱管ガスケットの後端に円錐状内孔を設けることを特徴とする、
請求項16に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項18】
前記前断熱管は、軸方向に沿ってそれぞれ第1管部、接続管部、及び第2管部を有し、
前記第1管部の後端が前記接続管部の前端に接続され、前記接続管部の後端が前記第2管部の前端に接続され、
前記第2管部の内径が前記第1管部の内径より大きく、前記第2管部の外径が前記第1管部の外径より大きいことを特徴とする、
請求項17に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項19】
前記後断熱管は、後内管及び後外管を有し、
前記後内管と前記後外管との間に後真空挟層を形成し、
前記後内管の前端が前記後外管の前端に接続され、前記後内管の後端が前記後外管の後端に接続されることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の調整可能な冷凍アブレーション針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器械分野、特に調整可能な冷凍アブレーション針に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷凍アブレーション針は、短型と長型との2種類の長さの針管を使用する。針管の長さによって人体への針先挿入深さを決める。腫瘍位置が浅く、針挿入方向が安全で阻害がない場合に、短型針管の冷凍アブレーション針を腫瘍に挿入して冷凍アブレーション治療を行う。腫瘍位置が深く(例えば、患者の肥満による)、又は針を浅い側から挿入できなくて深い側から挿入する必要がある場合に、長型針管の冷凍アブレーション針を使用する。
冷凍アブレーション手術において、針管を人体に挿入する。最も安全な状態としては、針管を完全に人体に挿入する状態であるが、長型又は短型の冷凍アブレーション針によらず、一部の針管が体外に露出する場合がある。露出した針管長さが長い場合に、冷凍アブレーション針自体の重量又はその他の引っ張り力の作用によって、針管が曲がり、真空断熱管の冷却剤が漏れて、又は人体組織に対して不必要に引っ張る可能性があり、厳しい場合、組織を引き裂く又は針管が折れる可能性がある。針管の露出長さが長ければ長いほど、人体に対するトルクが大きくなり、危険性が高くなる。
【0003】
前記から分かるように、従来技術において、針管の長さが固定の冷凍アブレーション針は、様々な治療のニーズを満足できず、手術途中に針管の一部が露出され、針管が曲がり、又は人体に損傷を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、針管の長さが固定の冷凍アブレーションが様々な治療のニーズに対応できず、手術途中に針管の一部が露出され、針管が曲がり、又は人体に損傷を与える可能性がある問題を解決できる、調整可能な冷凍アブレーション針を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面によれば、提供される調整可能な冷凍アブレーション針は、針管、前断熱管、並びに前記針管及び前記前断熱管を貫通するように設けられる吸気構造を有し、前記前断熱管は前記針管の後端から前記針管内に挿入し、前記前断熱管は前記針管に対して前記針管の軸方向に沿って移動し、前記吸気構造は第1吸気管、及びバネ状の第2吸気管を有し、前記第1吸気管の前端が前記針管に延伸され、前記第1吸気管の後端が前記第2吸気管の前端に接続され、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、後断熱管をさらに有し、前記前断熱管は前記後断熱管の前端から前記後断熱管内に差し込む。
【0006】
前記針管を前記後断熱管に対して前記後断熱管の軸方向に沿って移動することで、前記後断熱管の前端と前記針管の前端との間の軸方向第1距離を調整できる。前記前断熱管を前記後断熱管に対して前記後断熱管の軸方向に沿って移動することで、前記前断熱管の前端と前記後断熱管の前端との間の軸方向第2距離を調整できる。
【0007】
前記調整可能な冷凍アブレーション針の有効針管長さは、前記軸方向第1距離によって変化する。
【0008】
前記有効針管長さが変化した場合に、前記前断熱管を前記針管に対して前記針管の軸方向に沿って移動することで、前記調整可能な冷凍アブレーション針の標的部長さを、軸方向第1距離と前記軸方向第2距離との差によって変化させることができる。
【0009】
前記第1吸気管の位置は前記針管に相対的に固定され、前記第2吸気管の後端は吸気通路に直接又は間接に接続され、前記吸気通路の位置は前記後断熱管に相対的に固定され、前記第2吸気管は軸方向に沿って伸縮可能である。
【0010】
好ましくは、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、針管調整構造をさらに有する。前記針管調整構造は、前記針管の外側に固定接続され、前記針管を動かして前記後断熱管に対して前記後断熱管の軸心に沿って移動するために用いられる。
【0011】
好ましくは、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、把手をさらに有する。
【0012】
前記針管は、前記把手の前端から前記把手に挿入する。前記後断熱管は、前記把手内に設けられ、前記把手の位置に相対的に固定される。前記有効針管長さは、前記把手の前端と前記針管の前端との間の軸方向距離である。前記把手の管壁に軸方向に沿う針管調整溝を開設する。前記針管調整構造は、前記針管調整溝を通り抜けて前記針管調整溝に沿って移動できる。
【0013】
好ましくは、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、前記前断熱管を動かして前記後断熱管に対して軸方向に沿って移動させるために用いられる標的部調整構造をさらに有する。前記標的部調整構造は、前記前断熱管の外側に固定接続される。
【0014】
好ましくは、前記針管調整構造は、軸方向に沿って標的部調整溝を開設する。前記標的部調整構造は、前記標的部調整溝を通り抜けて前記標的部調整溝に沿って移動できる。
【0015】
好ましくは、前記標的部調整構造は、前記前断熱管を固定接続する標的部滑り子、及び前記標的部滑り子に接続される標的部レバーを有する。前記標的部レバーは、前記針管調整溝及び/又は前記標的部調整溝の外側に位置する。
【0016】
好ましくは、前記針管調整構造は、前記針管を固定接続するための針管滑り子、及び前記針管滑り子に接続される針管レバーを有する。前記針管レバーは、前記針管調整溝の外側に位置する。
【0017】
好ましくは、前記標的部調整溝は、前記針管レバーに開設される。前記標的部レバーは、前記針管調整溝及び/又は前記標的部調整溝に位置する。
【0018】
好ましくは、前記吸気構造は、フィンチューブ及びマンドレルをさらに有する。前記フィンチューブは、前記マンドレルに巻かれ、その前端が前記第2吸気管の後端に接続され、その後端が前記吸気通路に直接又は間接に接続される。前記マンドレルは、前記後断熱管の位置に固定される。
【0019】
好ましくは、前記有効針管長さが最小値の場合に、前記第2吸気管は、伸長されていない自然状態となる。
【0020】
好ましくは、前記第2吸気管の材料は、ステンレス鋼、ばね鋼、又は形状記憶合金材料である。
【0021】
好ましくは、前記吸気構造は、マンドレルをさらに有する。前記第2吸気管は、前記マンドレルに巻かれる。前記マンドレルは、前記後断熱管の位置に固定される。
【0022】
好ましくは、前記第2吸気管の表面に熱交換フィンを設ける。
【0023】
好ましくは、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、針管密封部品をさらに有する。前記針管密封部品は、前記針管の後端に位置し、前記針管の内壁と前記前断熱管の外壁との間の間隙を密封するために用いられる。
【0024】
好ましくは、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、後断熱管密封部品をさらに有する。前記後断熱管密封部品は、前記後断熱管の前端に位置し、前記後断熱管の内壁内側との間隙を密封するために用いられる。
【0025】
好ましくは、前記前断熱管は、前内管及び前外管を有する。前記前内管と前記前外管との間に前真空挟層を形成する。前記前内管の前端が前記前外管の前端に接続され、前記前内管の後端が前記前外管の後端に接続される。
【0026】
好ましくは、前記前内管の後端が断熱管ガスケットを介して前記前外管の後端に接続される。前記断熱管ガスケットの後端に円錐状内孔を設ける。
【0027】
好ましくは、前記前断熱管は、軸方向に沿ってそれぞれ第1管部、接続管部、及び第2管部を有する。前記第1管部の後端が前記接続管部の前端に接続され、前記接続管部の後端が前記第2管部の前端に接続される。前記第2管部の内径が前記第1管部の内径より大きく、前記第2管部の外径が前記第1管部の外径より大きい。
【0028】
好ましくは、前記後断熱管は、後内管及び後外管を有する。前記後内管と前記後外管との間に後真空挟層を形成する。前記後内管の前端が前記後外管の前端に接続され、前記後内管の後端が前記後外管の後端に接続される。
【0029】
本発明の調整可能な冷凍アブレーション針は、前記後断熱管の前端と前記針管の前端との間の軸方向第1距離を調整できる。また、前記調整可能な冷凍アブレーション針の有効針管長さは、前記軸方向第1距離によって変化できる。そのため、調整可能な冷凍アブレーション針は、針を挿入するための有効針管長さを調整できる。さらに、本発明によれば、異なる治療のニーズに応じて前記長さを自由に変化し、様々な治療のニーズを満足できる。よって、本発明によれば、冷凍アブレーション針のタイプの違いによる不便を解消し、異なる針挿入深さに対応し、針管が曲がらないように針管の露出長さをできるだけ短くして、人体組織を引き裂く等を防ぐことができる。
【0030】
また、冷凍アブレーション針の標的部(有効冷凍部とも称する)の長さは、冷凍の範囲に関連し、例えば、標的部が長くなると、凍結したアイスボールが大きくなる。当該技術分野において、一般的には、冷凍アブレーション針の標的部長さが固定されるため、腫瘍のサイズに応じて異なる標的部長さを有する冷凍アブレーション針を選択する必要がある。前記から分かるように、たとえ有効針管長さを調整可能にしたとしても、標的部長さが固定であるため、1つの冷凍アブレーション針によって異なるサイズの腫瘍の治療のニーズを満足できない。そのため、依然として腫瘍のサイズに応じて異なる標的部長さを有する冷凍アブレーション針を選択しなければならない。
【0031】
なお、本発明によれば、有効針管長さを調整することによって標的部長さを調整できる。また、標的部長さは、固定されるのではなく、有効針管部の変化と同期して変化するのでもなく、独立に調整できる。よって、標的部の変化はある程度の自由度があり、針管の移動によって完全に制限されない。なお、本発明によれば、1つの冷凍アブレーション針を利用して異なる挿入深さを対応できると共に、異なるサイズの腫瘍の治療のニーズを満足できる。そのため、異なるサイズの腫瘍に応じて異なる冷凍アブレーション針を選択する必要がない。
【0032】
また、本発明によれば、調整可能であると共に、針管と例えばJ-T溝の第1吸気管の間の相対的な位置が固定される。針管と第1吸気管の相対的な位置が固定であるため、第1吸気管の前端と針先との距離が大きくなり過ぎず、アイスボールが針先を完全に覆わないことを避ける。そのため、臓器、血管を穿刺する危険性を防ぐことができる。また、針管が高圧ガスによって排出されることを防ぎ、安全性をさらに向上できる。
【0033】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例及び従来技術を詳しく説明する。図面があくまで本発明の実施例に過ぎず、当業者は、前記図面に基づいて変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1a】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の原理模式図1である。
図1b】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の原理模式図2である。
図2】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の原理模式図3である。
図3】本発明の1つの実施例の針管、針管調整構造、及び前断熱管の一部断面模式図である。
図4】本発明の1つの実施例の針管及び針管調整構造の端面模式図である。
図5図4におけるA-Aの断面模式図である。
図6】本発明の1つの実施例の前断熱管及び標的部調整構造の端面模式図である。
図7図6におけるB-Bの断面模式図である。
図8】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の1つの調整位置の構造模式図である。
図9】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針のもう1つの調整位置の構造模式図である。
図10】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針のさらにもう1つの調整位置の構造模式図である。
図11】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の一部断面模式図1である。
図12】本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の一部断面模式図2である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例を詳しく説明するが、実施例があくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0036】
本発明の明細書及び請求項に記載の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、類似の対象を区別するために用いられるが、その順番を制限するものではない。それらの用語を適切に交換し、下記図面及び実施例に開示する順番以外の形で実施してもよい。また、用語「含む」、「有する」、及びその類似の用語は、他の可能性を排除する意図、例えば、一連の工程又は要素を有するプロセス、方法、システム、製品、又は設備に対してそれらの工程又は要素を限定する意図で使われるものではない。
【0037】
以下、具体的な実施例を開示しながら本発明を詳しく説明するが、下記実施例を互いに組み合わせてもよい。同じ若しくは類似の概念、又はプロセスの説明を省略する場合もある。
図1aは、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の原理模式図1である。図1bは、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の原理模式図2である。図2は、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の原理模式図3である。
【0038】
図1a及び図1bを参照しながら説明する。調整可能な冷凍アブレーション針は、針管3、前断熱管1、及び後断熱管2を有する。前記前断熱管1は、前記針管3の後端から前記針管3に挿入し、前記後断熱管2の前端から前記後断熱管2に差し込む。組み立てた後、前記針管3、前記前断熱管1、及び前記後断熱管2の軸方向が同じ軸方向となる。
【0039】
上記内容から、前断熱管1、後断熱管2、及び針管3等の位置、組み立て関係を理解できる。上記内容に基づいてなされた形状の変更又は構造の追加等は、いずれも本発明に含む。
本実施例において、前記針管3は、前記後断熱管2に対して前記後断熱管2の軸方向に沿って移動することで、前記後断熱管2の前端と前記針管3の前端との間の軸方向第1距離を調整できる。前記軸方向第1距離の長さは、図1a及び図1bにおけるL1及びL1+ΔX1で示す。
【0040】
前記調整可能な冷凍アブレーション針の針管部4の有効長さは、前記軸方向第1距離によって変化できる。
【0041】
本実施例は前断熱管及び後断熱管により、長さの変化が可能な断熱部を実現でき、この断熱部においては、断熱部の後端が終始所望の位置にあることが保障され、さらに断熱部が終始所望の断熱位置を覆っていられることが保障され、断熱管の移動が原因で覆われている状態が保持されにくいという事態が起こらず、例えば吸気構造の少なくとも一部(例えば第2吸気管)は終始断熱部内にあることが可能である。つまり、断熱部の長さを変える必要があり、そのため断熱位置の覆われる範囲と標的部長さの両方が考慮される状況でのみ、前後両方の断熱管が必要となる。
【0042】
針管部4の有効長さは、針管3における露出した針を挿入するための管部の長さであり、即ち、手術中の挿入可能部分である。針管部4の有効長さは、例えば、軸方向第1距離に等しい。
【0043】
図1a、図1b、及び図3において、前記軸方向第1距離で有効針管部4を示す。他の例において、調整可能な冷凍アブレーション針の後断熱管2の前端片側に構造部を有してもよい。前記構造部は、保護、位置制限又はその他の機能を備え、針管3の外側を囲んで、針管の露出部分を減少できる。さらに、針管部4の有効長さは、前記軸方向第1距離より小さい。どんな方法においても、針管部4の有効長さは、軸方向第1距離によって変化できる。
【0044】
前記から分かるように、上記実施例において、前記後断熱管の前端と前記針管の前端との間の軸方向第1距離を調整できる。また、前記調整可能な冷凍アブレーション針の有効針管長さは、前記軸方向第1距離によって変化できる。そのため、調整可能な冷凍アブレーション針は、針を挿入するための有効針管長さを調整できる。さらに、上記実施例は、異なる治療のニーズに対応して前記長さを自由に変化することで、様々な治療のニーズを満足できる。よって、上記実施例によれば、冷凍アブレーション針のタイプの違いによる不便を解消し、異なる針挿入深さに対応し、針管が曲がらないように針管の露出長さをできるだけ短くして、人体組織を引き裂く等を防ぐことができる。
【0045】
しかしながら、有効針管部4が変化した場合に、断熱管が変化しない前提では、有効針管長さが長くなればなるほど、標的部長さも長くなる。それに対応し、形成したアイスボールが大きくなり、人体の深い位置にある大きい腫瘍の切除に適用する。有効針管長さが短くなればなるほど、標的部長さも短くなる。それに対応し、形成したアイスボールが小さくなり、人体の浅い位置にある小さい腫瘍の切除に適用する。そのため、有効針管長さが標的部長さによって調整、変化される場合、異なる深さ及び異なるサイズの腫瘍を治療するニーズを満足できない。
【0046】
有効針管部4が変化した場合に、有効針管長さが長くなり、標的部が変化しないように前断熱管及び針管と共に運動することできるが、形成したアイスボールのサイズが不変であるため、異なるサイズの腫瘍を治療するニーズを満足できない。
【0047】
一般的には、有効針管部が長くなった場合に、標的部が同期して長くなるか、又は変わらないままである。本実施例において、図1a、図1bに示すように、標的部長さを自由に変化できるため、その課題を解決できる。
【0048】
前記前断熱管1は、前記後断熱管2に対して前記後断熱管の軸心に沿って移動することで、前記前断熱管1の前端と前記後断熱管2の前端との間の軸方向第2距離を調整できる。軸方向第2距離の長さは、図1a及び図1bにおけるL3及びL3+ΔX2で示す。
【0049】
図1a及び図1bを参照しながら説明する。前記針管部4の有効長さが変化した場合に、前記前断熱管1を前記針管3に対して前記針管3の軸方向に沿って移動することで、前記調整可能な冷凍アブレーション針の標的部長さは、前記軸方向第1距離と前記軸方向第2距離との差によって変化できる。
【0050】
図1a及び図1bを例として説明する。針管3を軸方向に沿って移動すると、その軸方向第1距離がL1からL1+ΔX1に延長されると共に、前断熱管1が前方に突出する。前断熱管1が突出した後、断熱管2の長さがL3からL3+ΔX2に変化する。それに対応し、標的部5の長さがL2からL2+ΔX1-ΔX2に変化し、断熱部6の長さがL4からL4+ΔX2に変化する。
【0051】
冷凍アブレーション針の標的部(有効冷凍部とも称する)の長さは、冷凍の範囲に関連し、例えば、標的部が長くなると、凍結したアイスボールが大きくなる。当該技術分野において、一般的には、冷凍アブレーション針の標的部長さが固定されるため、腫瘍のサイズに応じて異なる標的部長さを有する冷凍アブレーション針を選択する必要がある。前記から分かるように、たとえ有効針管長さを調整可能にしたとしても、標的部長さが固定であるため、1つの冷凍アブレーション針によって異なるサイズの腫瘍の治療のニーズを満足できない。そのため、依然として腫瘍のサイズに応じて異なる標的部長さを有する冷凍アブレーション針を選択しなければならない。
【0052】
さらに、上記実施例において、有効針管長さを調整することによって標的部長さを調整できる。また、標的部長さは、固定されるのではなく、有効針管部の変化と同期して変化するのでもなく、独立に調整できる。よって、標的部の変化はある程度の自由度があり、針管の移動によって完全に制限されない。なお、上記実施例によれば、1つの冷凍アブレーション針を利用して異なる挿入深さを対応できると共に、異なるサイズの腫瘍の治療のニーズを満足できる。そのため、異なるサイズの腫瘍に応じて異なる冷凍アブレーション針を選択する必要がない。
【0053】
また、本実施例は2つの断熱管の相対的な運動により、断熱部において断熱管の移動が原因で所望の部分的な位置が覆われることが保障しにくくなる事態が回避される一方、上述した標的部の調整を実現するのにも有利になり、これにより断熱部を覆うことと標的部を調整することの両方が考慮される。
【0054】
図2を参照しながら説明する。前記前断熱管1が前記後断熱管2の前端から前記後断熱管2に差し込む。そのため、前断熱管1と後断熱管2との間に常に重なる区域が存在し、針内の冷却剤の漏れを防ぐことができる。
【0055】
図2を参照しながら説明する。断熱管は、その中に真空挟層を形成する管構造である。前記真空挟層の構造は任意であり、その具体的な例を後述する。
【0056】
1つの実施例において、調整可能な冷凍アブレーション針は、吸気構造7及び/又は還気構造8をさらに有する。吸気構造7は針管3及び前断熱管1を貫通するように設けられる。
吸気構造7の前端は、針管3に延伸され、具体的には、針管3の前端に近い位置、例えば針管3の針先に延伸される。吸気構造7の後端は、吸気通路を介して外部に連通され、例えば空気源に直接又は間接に連通される。
【0057】
還気構造8の前端は、針管3及び前断熱管1の後端片側に延伸され、後断熱管2の内側に位置する。還気構造8は、針管3内に流れる気体が後方に戻るように導かれる任意の構造である。還気構造8の後端は、例えば、真空装置等の設備に直接又は間接に接続され、気体を戻すエネルギーを提供できる。
【0058】
図3は、本発明の1つの実施例の針管、針管調整構造、及び前断熱管の一部断面模式図である。図4は、本発明の1つの実施例の針管、及び針管調整構造の端面模式図である。図5は、図4におけるA-Aの断面模式図である。図6は、本発明の1つの実施例の前断熱管及び標的部調整構造の端面模式図である。図7は、図6におけるB-Bの断面模式図である。図8は、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の1つの調整位置の構造模式図である。図9は、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針のもう1つの調整位置の構造模式図である。図10は、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針のさらにもう1つの調整位置の構造模式図である。
【0059】
図3図10を参照しながら説明する。調整可能な冷凍アブレーション針は、針管調整構造13をさらに有する。針管調整構造13は、前記針管3の外側に固定接続され、前記針管3を動かして前記後断熱管2に対して軸方向に沿って移動するために用いられる。
【0060】
図8図10を参照しながら説明する。前記調整可能な冷凍アブレーション針は、把手11をさらに有する。ここでの把手11は、外殻として理解できる。
【0061】
前記針管3は、前記把手の前端から前記把手11に挿入する。前記後断熱管2は、前記把手11内に設けられ、前記把手11の位置に相対的に固定される。把手11を設置した場合に、前記有効針管長さは、前記把手11の前端と前記針管3の前端との間の軸方向距離となる。
【0062】
図8図10を参照しながら説明する。前記把手11の管壁に軸方向に沿う針管調整溝1101を開設する。前記針管調整構造13は、前記針管調整溝1101を通り抜けて前記針管調整溝1101に沿って移動できる。
【0063】
図8及び図9を例として説明する。針管3は、把手11及び後断熱管2に対して後方に限界位置まで移動できる。このとき、針管3が針管調整溝1101の後端によって制限される。また、図10を例として説明する。針管3は、把手11及び後断熱管2に対して前方に限界位置まで移動できる。このとき、針管3が針管調整溝1101の前端によって制限される。
【0064】
針管調整構造13が針管3に固定接続されるため、軸方向に沿う針管調整構造13の移動は、軸方向に沿う針管3の移動である。針管調整構造13の移動を操作することで、針管3を軸方向に沿って移動できる。前記から分かるように、針管調整構造13によれば、内部にある針管3を移動でき、針管3の移動操作を実現できる。
【0065】
図4及び図5を参照しながら説明する。具体的な実施例において、針管調整構造13は、針管滑り子1301、及び前記針管滑り子1301に接続される針管レバー1302を有する。前記針管レバー1302は、前記針管調整溝1101の外側に位置する。それに対応し、針管滑り子1301は、針管調整溝1101に引っかかれ、前記針管調整溝1101に沿って移動できる。
【0066】
図6図10で示す実施例において、標的部を調整するために、前記調整可能な冷凍アブレーション針は、標的部調整構造10をさらに有する。標的部調整構造10は、前記前断熱管1の外側に固定接続され、前記前断熱管1を動かして前記後断熱管2に対して軸方向に沿って移動するために用いられる。さらに、標的部調整構造10によれば、内部にある針管前断熱管1を移動でき、前断熱管1の移動操作を実現できる。
【0067】
1つの具体的な実施例において、標的部調整構造10を操作しやすいために、標的部調整構造10は針管調整構造13から独立する。また、前断熱管1及び/又は把手11に対応する調整溝を設けることで、標的部調整構造10がより容易に前記調整溝を通り抜けて前記調整溝に沿って移動できる。例えば、後述の標的部調整溝を把手11に設けてもよく、標的部調整溝及び針管調整溝を軸心方向にずれて配置してもよい。
【0068】
もう1つの具体的な実施例において、図4図10に示すように、針管調整構造13及び標的部調整構造10を組み合わせてもよい。
【0069】
図4図10を参照しながら説明する。前記針管調整構造13は、軸方向に沿って標的部調整溝1303を開設する。前記標的部調整構造10は、前記標的部調整溝1303を通り抜けて前記標的部調整溝1303に沿って移動する。それに対応し、標的部調整溝1303の前端及び後端において、それぞれ標的部調整構造10の位置を制限するための前位置制限部1304及び後位置制限部1305を形成する。
【0070】
図4を参照しながら説明する。針管調整構造13の針管レバー1302の横断面は環状構造である。また、針管調整構造13は管状である。前記から分かるように、針管調整構造13は、径方向に沿って針管レバー1302及び針管滑り子1301に分けられ、軸方向に沿って前位置制限部1304及び後位置制限部1305に分けられる。
【0071】
針管滑り子1301の周方向の幅は、針管調整溝1101の幅より小さい。それに対応し、針管レバー1302の周方向の幅は、針管調整溝1101の幅より大きい。それによって、針管レバー1302が常に針管調整溝1101の外側に位置し、容易に操作できる。
【0072】
図8を参照しながら説明する。このとき、針管調整構造13は、針管調整溝1101の後端に位置する。標的部調整構造10は、標的部調整溝1303の後端に位置する。
【0073】
図9を参照しながら説明する。図8に比べると、針管調整構造13の位置が不変の場合、標的部調整構造10を前方に移動し、標的部調整溝1303の前端に位置させる。それに対応し、前断熱管1を前方に対応する位置に移動することで、有効針管長さが不変の場合、標的部長さを最低限に抑える。
【0074】
図10を参照しながら説明する。図9に比べると、針管調整構造13の位置を前方に移動し、針管調整溝1101の最前端に位置させる。その同時に、標的部調整構造10が標的部調整溝1303に位置するために、標的部調整構造10を押すと共に針管調整構造13を動かすことができる。さらに、標的部調整構造10及び針管調整構造13を同時に移動することで、標的部調整構造10の位置が常に標的部調整溝1303の前端に位置し、針管調整構造13を針管調整溝1101の前端に移動できる。それに対応し、前断熱管1及び針管3を最前端まで延伸することで、有効針管長さを最大にする。その同時に、前断熱管1及び針管3の位置が常に不変であるために、それに対応して標的部長さも変化しない。
前記から分かるように、針管調整構造13を前後方向に引くと、針管3を前後方向に移動できる。それによって、有効針管長さを調整できる。標的部調整構造10を前後方向に引くと、前断熱管1全体を前後方向に移動できる。それによって、標的部長さを調整できる。
その同時に、標的部調整溝1303によれば、標的部長さの調整を一定の範囲内に制限し、標的部が長すぎて人体の正常組織を凍傷することを避ける。
【0075】
図6及び図7を参照しながら説明する。具体的な実施例において、前記標的部調整構造10は、前記前断熱管1に固定接続される標的部滑り子1001、及びに前記標的部滑り子1001に接続される標的部レバー1002を有する。前記標的部レバー1002は、前記標的部調整溝1303及び/又は針管調整溝1101の外側に位置する。
【0076】
標的部滑り子1001は、標的部調整溝1303外側に位置する標的部レバー及び前断熱管1を接続するための構造であり、その周方向の幅が標的部調整溝1303の幅より小さい。それに対応し、標的部レバー1002の周方向の幅が標的部調整溝1303の幅より大きい。標的部レバー1002が常に標的部調整溝1303の外側に位置するために、容易に操作できる。
【0077】
また、標的部調整溝1303及び針管調整溝1101において、対応するレバー又は滑り子をロック及び位置決めための安全ロック溝を設ける。安全ロック溝によれば、標的部調整構造10と標的部調整溝1303との間、及び針管調整構造13と針管調整溝1101との間の位置をロックできる。針管と隔熱管との間の摩擦力が大きい場合に、上記安全ロック溝によって位置を限定しなくてもよい。前記から分かるように、本実施例は、安全ロック溝を設置するかどうかに限定されない。
【0078】
図11は、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の一部断面模式図1である。図12は、本発明の1つの実施例の調整可能な冷凍アブレーション針の一部断面模式図2である。
【0079】
図11図12、及びその他の図面を参照しながら説明する。前記吸気構造7は、第1吸気管701及びバネ状の第2吸気管702を有する。前記第1吸気管701は、J-T溝である。例えば前記J-T溝に針管3を針先301まで挿入し、更に針先301後端のザグリに挿入し、溶接して固定する。
【0080】
一部の従来技術において、標的部を調整するために、針管3と、例えばJ-T溝の吸気管との間の相対的な位置を固定されていない。このとき、外殻及び針管とJ-T溝との間の隙間が大き過ぎて、形成したアイスボールが針先の後側に位置し、針先を完全に覆うことができない。そのため、刃先が他の組織を傷つける恐れがある。前記から分かるように、従来技術において、アイスボールが針先を覆わず、手術において穿刺の危険性がある。
【0081】
具体的には、針管及びJ-T溝の相対的な位置が固定されていない場合に、標的部の調整において、例えば、普通、J-T溝及び断熱管の相対的な位置が固定されるため、導致J-T溝と断熱管との間の相対的な運動によって、J-T溝の前端と針先との間の距離が標的部と共に変化される。標的部を長く調整した場合に、J-T溝の前端と針先との距離が大きくなり、J-T溝から噴出する凍結媒体がJ-T溝の前方の針管空間で流れないため、アイスボールが針先を完全に覆わない。アイスボールが針先を覆わない場合に、手術において、針が腫瘍を通り抜けて正常の組織に挿入しなければならない。腫瘍が大きな血管又は重要な臓器に近い場合、針が腫瘍を通り抜けると、穿刺の危険性が大きくなる。
【0082】
また、針管及びJ-T溝の固定によれば、針管が高圧ガスによって排出されることを防ぎ、手術の安全性をさらに向上できる。
【0083】
前記第1吸気管701の前端は、前記針管3に延伸され、具体的には、針管3の針先301に延伸される。前記第1吸気管701の位置は、前記針管3に相対的に固定される。前記第1吸気管701の後端は、前記第2吸気管702の前端に接続される。前記第2吸気管702の後端は、吸気通路703に直接又は間接に接続される。前記吸気通路703の位置は、前記後断熱管2に固定される。
【0084】
第2吸気管702は、前記軸方向に沿って伸縮可能なバネ状構造である。バネ状の伸縮によって、後断熱管2及び把手11に対する針管3の移動のニーズを満足できる。
【0085】
また、バネの第2吸気管は、中空管材であり、具体的には、例えば独立したバネであり、又はJ-T溝を巻いてなるものである。前記から分かるように、第1吸気管及び第2吸気管は、同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。第2吸気管の材料は、具体的には、形状記憶合金材料であってもよく、ステンレス鋼、ばね鋼、若しくはニチノール又はその他の形状記憶合金材料であってもよい。
【0086】
図8及び図9を参照しながら説明する。針管調整構造13が針管調整溝1101の後端に位置する場合に、針管部4の有効長さが最短となり、バネ状の第2吸気管702が自然状態となる。針管レバーを前に引くと、針管調整構造13全体を動かして、針管3に沿って軸方向に前方に移動する。それによって、針管部4の有効長さが長くなり、バネ状の第2吸気管702が徐々に伸長される。
【0087】
図10を参照しながら説明する。針管調整構造13を針管調整溝1101の前端に移動した場合に、針管部4の有効長さが最長となり、バネ状の第2吸気管702が最大伸長状態となる。
【0088】
図8を参照しながら説明する。針管調整構造13が針管調整溝1101の後端に位置し、且つ標的部調整構造10が標的部調整溝1303の後端に位置する場合に、針管部4の有効長さが最短となり、バネ状の第2吸気管702が伸長されていない自然状態となる。具体的な実施例において、バネ状の第2吸気管702が前断熱管1内に位置し、把手11の長さを減少できる。
【0089】
図9を参照しながら説明する。針管調整構造13の位置が不変のままで、標的部調整構造10を前方に調整した場合に、針管3の長さが不変のままに標的部5の長さが短くなり、バネ状の第2吸気管702の伸縮状態が不変である。しなしながら、前断熱管1が前方に移動したため、第2吸気管702を前断熱管1から露出できる。標的部調整構造10を標的部調整溝1303の前端位置に調整した場合に、有効針管長さが依然として最短状態であるが、標的部長さが最短になる。
【0090】
図10を参照しながら説明する。針管調整構造13を前方に調整し、標的部調整構造10及び標的部調整溝1303の相対的な位置が不変である場合に、有効針管長さが徐々に長くなり、標的部長さが不変のままで、バネ庄の第2吸気管702が徐々に伸長される。針管調整構造13を針管調整溝の最前端位置に調整した場合に、標的部長さが依然として最短であり、針管の長さが最長になり、バネの第2吸気管702が最大伸長状態となる。
【0091】
また、把手11によって針管3が高圧ガスによって排出されることを防ぐ。把手の材料がプラスチック材料である場合、その強度に限度があり、劣化しやすい。把手が割れると、針管3が制限されずに高圧ガスによって排出される。よって、1つの実施例において、針管3が高圧ガスによって排出されないように、第1吸気管と針先301との間を固定接続してもよい。
【0092】
図12を参照しながら説明する。1つの実施例において、図11の実施例を改良するために、前記吸気構造7は、フィンチューブ704及びマンドレル705をさらに有する。前記フィンチューブ704は、前記マンドレル705に巻かれる。前記フィンチューブ704の前端が前記第2吸気管702の後端に接続され、前記フィンチューブ704の後端が前記吸気通路703に直接又は間接に接続される。マンドレル705は、後断熱管2及び把手11に固定されてもよい。
【0093】
具体的な実施例において、マンドレル705、吸気通路703、及び還気通路8を後断熱管2の後端に溶接固定されてもよい。第1吸気管701、第2吸気管702、フィンチューブ704、及び吸気通路703は、順に溶接固定されてもよい。
【0094】
また、前記フィンチューブをバネ状の第2吸気管に置換してもよい。フィンチューブを第2吸気管に置換した場合に、バネ状の第2吸気管の内部にマンドレルを挿入してもよく、バネの外表面に熱交換フィンを追加してもよい。
【0095】
即ち、前記吸気構造7は、マンドレルさらに有する。前記第2吸気管は、前記マンドレルに巻かれる。前記マンドレルは、前記後断熱管の位置に固定される。前記第2吸気管の表面に熱交換フィンを設ける。
【0096】
前記から分かるように、本実例例は、フィンチューブ704及びマンドレル705を設置するかどうかに限定されない。また、フィンチューブ704を設けない場合、把手11全体の長さを減少できる。なお、フィンチューブ704及びマンドレル705を設ける場合、吸気構造7の位置安定性を向上できる。
【0097】
前記マンドレル705は、中空の管状構造であってもよい。例えば、中空の空間を通り抜けた温度測定ケーブルを断熱管の最前端に延伸され、前記位置の温度を測定し、後端へフィードバックしてもよい。また、温度測定ケーブルとマンドレルとの間を接着剤により密封してもよい。
【0098】
具体的な実施例において、第1吸気管701は、オリフィス孔706をさらに設ける。例に置いて、オリフィス孔706は、位置調整する時にオリフィス孔706が常に標的部の内部に位置するように、常に断熱管の前端片側に位置してもよい。
【0099】
図5及びその他の図面を参照しながら説明する。前記調整可能な冷凍アブレーション針は、前記針管3後端に位置する針管密封部品12をさらに有する。針管密封部品12は、針管3の後端に固定され、前記針管3の内壁と前記前断熱管1の外壁との間の間隙を密封するために用いられる。針管密封部品12によれば、針内の気体の漏れを有効に防ぐことができる。
【0100】
具体的な実施例において、針管密封部品12は、針管前止め輪1202、針管密封環1201、及び針管後止め輪1203を有する。
【0101】
針管前止め輪1202は、針管3の外側に接続され、後方に向かって針管3の後端片側に延伸される。針管後止め輪1203は、針管前止め輪1202の内側に接続され、針管3の後端片側に位置する。さらに、針管前止め輪1202の内側、針管3の後端片側、及び針管後止め輪1203の前端片側は、共に容針管密封環1201を受容するために受容空間を形成する。
【0102】
針管前止め輪1202及び針管後止め輪1203は、ねじ山構造によって接続されてもよい。
【0103】
図3図11図12、及びその他の図面を参照しながら説明する。前記調整可能な冷凍アブレーション針は、前記後断熱管2の前端に位置する後断熱管密封部品9をさらに有する。後断熱管密封部品9は、後断熱管2の前端に固定され、前記後断熱管2の内壁内側との間隙を密封するために用いられる。本実施例において、後断熱管密封部品は、把手11又はその他の構造に設けられてもよい。
【0104】
1つの実施例において、前記針管3を前記後断熱管2の前端に挿入すると、前記針管3の外壁と前記後断熱管2の内壁との間の間隙を前記後断熱管密封部品9によって密封できる。
もう1つの例において、前記前断熱管1を前記後断熱管2に挿入し、且つ前記針管を前記後断熱管に挿入しない場合に、前記前断熱管1の外壁と前記後断熱管2との内壁との間の間隙を前記後断熱管密封部品9によって密封できる。
【0105】
後断熱管密封部品9によって針内の冷却剤の漏れを防ぐことができる。
【0106】
具体的な実施例において、後断熱管密封部品9は、後断熱管前止め輪902、後断熱管密封環901、及び後断熱管後止め輪903を有する。
【0107】
後断熱管後止め輪903は、後断熱管2の前端に接続される。後断熱管前止め輪902は、後断熱管後止め輪903の内側及び前側から後断熱管後止め輪903に接続される。後断熱管前止め輪902の後端片側、後断熱管後止め輪903の前端片側、及び後断熱管後止め輪の内側は、共に後断熱管密封環901を受容する空間を形成する。
【0108】
後断熱管前止め輪902、及び後断熱管後止め輪903は、ねじ山構造によって接続されてもよい。
【0109】
具体的な実施例において、後断熱管後止め輪903は、後断熱管2との間隙に密封接続される。
【0110】
図7及びその他の図面を参照しながら説明する。1つの実施例において、前記前断熱管1は、前内管102及び前外管101を有する。前記前内管102と前記前外管101との間に前真空挟層を形成する。前記前内管102は、その前端が前記前外管101の前端に接続され、その後端が前記前外管101の後端に接続される。具体的な実施例において、前記前真空挟層の少なくとも一端を真空溶接密封し、永久真空挟層を形成する。
【0111】
図7を参照しながら説明する。具体的な実施例において、前記前内管102の後端が断熱管ガスケット103を介して前記前外管101の後端に接続される。前記断熱管ガスケット103の後端に円錐状内孔を設ける。さらに、円錐状内孔によって外部に接続してもよい。
【0112】
断熱管ガスケット103は、外管101と前内管102との間の間隙の内張りとして用いられる。
【0113】
図3を参照しながら説明する。1つの実施例において、前断熱管1の内径及び外径が不変である。図7を参照しながら説明する。他の実施例において、前記前断熱管1は、軸方向に沿ってそれぞれ第1管部104、接続管部106、及び第2管部105を有する。前記第1管部104の後端が前記接続管部106の前端に接続され、前記接続管部106の後端が前記第2管部105の前端に接続される。前記第2管部105の内径が前記第1管部104の内径より大きく、前記第2管部105の外径が前記第1管部104の外径より大きい。
【0114】
内径及び外径の変化につれて、針管3に対して前断熱管1を移動する場合に、前断熱管1の移動位置を限定できる。また、前断熱管1の第1管部104を針管3に挿入しやすく、前断熱管1の第2管部105を後断熱管2に挿入しやすくなる。
【0115】
図11及び図12を参照しながら説明する。1つの実施例において、前記後断熱管2は、後内管202及び後外管201を有する。前記後内管202と前記後外管201との間に後真空挟層を形成する。前記後内管202の前端が前記後外管201の前端に接続され、前記後内管202の後端が前記後外管201の後端に接続される。
【0116】
後内管202の前端及び後外管201の前端は、後断熱管密封部品9によって接続される。後内管202の後端及び後外管201の後端を真空溶接密封し、永久真空挟層を形成できる。
【0117】
以上をまとめると、本実施例の調整可能な冷凍アブレーション針は、前記後断熱管の前端と前記針管の前端との間の軸方向第1距離を調整できる。また、前記調整可能な冷凍アブレーション針の有効針管長さは、前記軸方向第1距離によって変化される。そのため、調整可能な冷凍アブレーション針は、針を挿入するための有効針管長さを調整できる。さらに、本実施例によれば、異なる治療のニーズに対応して前記長さを自由に変化し、様々な治療のニーズを満足できる。よって、本実施例によれば、冷凍アブレーション針のタイプの違いによる不便を解消し、異なる針挿入深さに対応し、針管が曲がらないように針管の露出長さをできるだけ短くして、人体組織を引き裂く等を防ぐことができる。
【0118】
また、冷凍アブレーション針の標的部(有効冷凍部とも称する)の長さは、冷凍の範囲に関連し、例えば、標的部が長くなると、凍結したアイスボールが大きくなる。当該技術分野において、一般的には、冷凍アブレーション針の標的部長さが固定されるため、腫瘍のサイズに応じて異なる標的部長さを有する冷凍アブレーション針を選択する必要がある。前記から分かるように、たとえ有効針管長さを調整可能にしたとしても、標的部長さが固定であるため、1つの冷凍アブレーション針によって異なるサイズの腫瘍の治療のニーズを満足できない。そのため、依然として腫瘍のサイズに応じて異なる標的部長さを有する冷凍アブレーション針を選択しなければならない。
【0119】
なお、本実施例によれば、有効針管長さを調整することによって標的部長さを調整できる。また、標的部長さは、固定されるのではなく、有効針管部の変化と同期して変化するのでもなく、独立に調整できる。よって、標的部の変化はある程度の自由度があり、針管の移動によって完全に制限されない。なお、本発明によれば、1つの冷凍アブレーション針を利用して異なる挿入深さを対応できると共に、異なるサイズの腫瘍の治療のニーズを満足できる。そのため、異なるサイズの腫瘍に応じて異なる冷凍アブレーション針を選択する必要がない。
【0120】
また、本発明の1つの実施の形態によれば、調整可能であると共に、針管及びJ-T溝の相対的な位置が固定される。針管及びJ-T溝の相対的な位置が固定であるため、J-T溝の前端と針先との距離が大きく過ぎず、アイスボールが針先を完全に覆わないことを避ける。そのため、臓器、血管を穿刺する危険性を防ぐことができる。また、針管が高圧ガスによって排出されることを防ぎ、安全性をさらに向上できる。
【0121】
本発明を説明するために上記実施例を開示したが、本発明は、それらに限定されない。当業者が上記実施例に基づいてなされた均等的な変更は、いずれも本発明に含む。
【符号の説明】
【0122】
1 前断熱管
101 前外管
102 前内管
103 断熱管ガスケット
104 第1管部
105 第2管部
106 接続管部
2 後断熱管
201 後外管
202 後内管
3 針管
301 針先
4 有効針管部
5 標的部
6 断熱部
7 吸気構造
701 第1吸気管
702 第2吸気管
703 吸気通路
704 フィンチューブ
705 マンドレル
706 オリフィス孔
8 還気構造
9 後断熱管密封部品
901 後断熱管密封環
902 後断熱管前止め輪
903 後断熱管後止め輪
10 標的部調整構造
1001 標的部滑り子
1002 標的部レバー
11 把手
1101 針管調整溝
12 針管密封部品
1201 針管密封環
1202 針管前止め輪
1203 針管後止め輪
13 針管調整構造
1301 針管滑り子
1302 針管レバー
1303 標的部調整溝
1304 前位置制限部
1305 後位置制限部
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】