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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】追跡オペレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20220316BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543535
(86)(22)【出願日】2019-02-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2019075352
(87)【国際公開番号】W WO2020168447
(87)【国際公開日】2020-08-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521330437
【氏名又は名称】神輪科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】曾百由
(72)【発明者】
【氏名】江義城
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA03
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB13
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD17
5H301GG07
5H301QQ09
(57)【要約】
【課題】追跡オペレーションシステムを提供する。
【解決手段】追跡オペレーションシステムはターゲット装置10、車体20を有し、車体20のコントロールモジュール24とターゲット装置10信号は連接し第一信号を発し、コントロールモジュール24はターゲット装置10が発信した切り換え信号に基づき車体20を制御し、手動モード或いは追跡モード下で移動させ、手動モードで駆動モジュール23は使用者の外力を受けて車体20を移動させ、追跡モードでコントロールモジュール24はターゲット装置10がフィードバックした第一信号に基づき移動信号を産生し、移動信号は駆動モジュール23を制御し車体20にターゲット装置10を追跡移動させ、ターゲット装置10がコントロールモジュール24の通信距離から離れると、コントロールモジュール24は車体20を停止させ提示信号を発し、必要に応じて車体20の移動方法を調整し、ターゲット装置10が車体20の通信範囲を離脱すると即時にリマインドを産生する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット装置、及び車体を有する、追跡オペレーションシステムであって、
前記ターゲット装置は、ターゲットモジュール及びリモコンモジュールを有し、前記リモコンモジュールは、切り換え信号を設定しアウトプットでき、
前記車体は、搭載物サポートフレーム、駆動モジュール及びコントロールモジュールを有し、前記搭載物サポートフレームには、物品を置くことができ、前記駆動モジュールと前記搭載物サポートフレームとは連結し、前記コントロールモジュールと前記ターゲット装置は、信号で連接され、第一信号を発し、前記コントロールモジュールは前記切り換え信号に基づき、前記車体を手動モード或いは追跡モード下で移動するよう制御し、
前記手動モードで、前記駆動モジュールは、使用者の押し引きの外力を受け、前記車体を移動させ、
前記追跡モードで、前記ターゲットモジュールは前記第一信号を受信処理し、前記コントロールモジュールにフィードバックし、移動信号を産生し、前記コントロールモジュールは前記移動信号に基づき、前記駆動モジュールを制御し、前記車体を動かして前記ターゲット装置の移動を追跡させ、前記ターゲット装置が前記コントロールモジュールの通信距離から離れると、前記コントロールモジュールは前記駆動モジュールを制御して作動を停止させ、かつ提示信号を発することを特徴とする、
追跡オペレーションシステム。
【請求項2】
前記コントロールモジュールは、感知ユニット及び演算ユニットを有し、前記感知ユニットは、前記第一信号を産生し、前記ターゲットモジュールは、前記第一信号を受信し、処理を経て、前記第一信号に処理時間を埋め込み、第二信号として、前記演算ユニットにフィードバックし、前記演算ユニットは、前記第一信号及び前記第二信号に基づき、発送、受信及び処理時間を判断し、前記車体と前記ターゲット装置との間の関係距離を産生し、前記演算ユニットは、前記関係距離の時間に従った変化に基づき、前記ターゲット装置の、前記車体に対する方向及び距離を判断し、前記移動信号を産生することを特徴とする、請求項1に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項3】
前記ターゲット装置は、通信モジュールを有し、前記コントロールモジュールは、連接ユニットを有し、前記通信モジュールと前記連接ユニットは、無線通信を通して連接し、前記ターゲットモジュールと前記感知ユニットは、超広帯域無線通信を通して連接することを特徴とする、請求項2に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項4】
前記コントロールモジュールは、アジャストメントユニットを有し、前記アジャストメントユニットは、前記関係距離に基づき、前記駆動モジュールが、前記追跡モード下で、前記車体の移動速度を調整することを特徴とする、請求項3に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項5】
前記アジャストメントユニットに追跡起動距離及び追跡停止距離を設定し、前記追跡起動距離は、前記追跡停止距離より長く、前記関係距離が前記追跡起動距離より長いなら、前記アジャストメントユニットは、前記関係距離の変化に基づき、前記駆動モジュールに前記車体の移動速度及び方向を調整させ、前記関係距離が前記追跡起動距離と前記追跡停止距離との間なら、前記アジャストメントユニットは、前記関係距離の変化に基づき、前記駆動モジュールに前記車体の方向を調整させ、前記関係距離が前記追跡停止距離より短いか等しいなら、前記駆動モジュールに前記車体の作動を停止させることを特徴とする、請求項4に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項6】
前記アジャストメントユニットに前記通信距離を設定し、前記通信距離は、前記追跡起動距離より長く、前記関係距離が前記通信距離より長いなら、前記駆動モジュールは前記車体の作動を停止し、しかも前記提示信号を発することを特徴とする、請求項5に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項7】
前記リモコンモジュールは、モードユニット、方向ユニット及び速度ユニットを有し、前記モードユニットは、前記切り換え信号を設定し発信し、前記追跡モードで、前記方向ユニットは、方向信号を設定し、前記コントロールモジュールに発信し、前記駆動モジュールは、前記方向信号に従い前記車体を移動させ、前記速度ユニットは、速度信号を設定し、前記コントロールモジュールに発信し、前記アジャストメントユニットは、前記速度信号に基づき、前記駆動モジュールに前記車体の移動速度をコントロールさせることを特徴とする、請求項4に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項8】
前記車体は、動力補助モジュールを有し、前記動力補助モジュールと前記コントロールモジュール及び前記駆動モジュールは接続し、前記駆動モジュールは、2個のモーター及び2個の駆動ホイールを有し、前記2個のモーターと前記2個の駆動ホイールは連結し、前記コントロールモジュールは前記切り換え信号に基づき、前記駆動モジュールに前記車体を制御して補助モード下で移動させ、前記補助モードで、前記動力補助モジュールは使用者の操作を受け、コントロール信号を前記コントロールモジュールに出力し、前記コントロールモジュールは、前記コントロール信号を電力信号に転換し、前記2個のモーターのアウトプット動力を調整し、2個の駆動ホイールの回転速度をコントロールすることを特徴とする、請求項1に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項9】
前記車体は、コントロールグリップを有し、前記コントロールグリップと前記搭載物サポートフレームとは連結し、前記動力補助モジュールは、前記コントロールグリップに設置し、前記動力補助モジュールは、リモコン装置或いはユニバーサルジョイントで、前記コントロール信号は、使用者は前記コントロールグリップに加える外力であることを特徴とする、請求項8に記載の追跡オペレーションシステム。
【請求項10】
前記コントロールモジュールは、角度ユニットを有し、前記角度ユニットと前記アジャストメントユニットは接続し、前記角度ユニットは、前記車体の傾斜角度を探知し、角度値を産生し、前記アジャストメントユニットに傾斜閾値を設定し、前記角度値が前記傾斜閾値を超えると、前記アジャストメントユニットは前記駆動モジュールに前記車体の移動速度を低下させることを特徴とする、請求項4に記載の追跡オペレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は追跡オペレーションシステムに関し、特に地形の必要に応じて車体の移動方法を切り換えでき、しかもターゲット装置が車体の通信範囲を離れると即時にリマインドを産生する追跡オペレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動車両の自動追跡システムは現在すでにゴルフ場で使われている。
移動車両を通してゴルフクラブを運び、しかも自動追跡機能を用いて、移動車両はプレーヤーの移動を自動的に追跡できる。
従来の自動追跡システムは、GPSシステムを通して移動車両にプレーヤーのリアルタイム座標アドレスを提供し、リアルタイム座標アドレスに基づき、移動車両をプレーヤー周辺へとナビゲートするものである。
しかし、GPSシステムが提供するリアルタイム座標アドレスは正確でなく、そのため追跡効果が不正確となる状況がしばしば発生している。
【0003】
ポインティングが不正確となる従来の技術の問題を解決するため、特許文献1では、移動車両に撮影装置を設置し、映像を利用しプレーヤーの位置を判断し、追跡効果を達成する。
しかし、映像を利用する方式は、大量の時間をかけて映像特徴の処理及び演算を行う必要があるため、追跡時の遅延性を招いている。
しかも、撮影装置がプレーヤーの映像特徴を捕捉できなくなれば、映像判断を行うことができず、追跡効果を達成することもできない。
【0004】
さらに、特許文献2では、プレーヤーは導入器を身に付け、移動車両にはトラッカーを取り付け、導入器とトラッカーが、超音波信号を通して、プレーヤーと移動車両間の位置を判断し、追跡効果を達成する。
しかし、超音波信号は方向性を備えるため、プレーヤーが常態的に移動車両の前方に位置しなければ、追跡効果を達成することはできない。
つまり、プレーヤーが移動車両の前方にいなければ、判断を誤り、追跡効果を達成することはできない。
【0005】
前述の技術においては、GPSシステムがプレーヤーの所在位置を受信できず、撮影装置がプレーヤーの映像を捕捉できず、或いは導入器とトラッカーが連接信号を失えば、移動車両はプレーヤーをフォローすることはできない。
この状況で、プレーヤーがそれに気づかず移動し続ければ、移動車両とプレーヤーとの間の距離は拡大し、プレーヤーが気づいた時には、戻って移動車両を探さなければならず、これではプレーヤーにとって非常に不便である。
【0006】
また、一般のゴルフ場は地形の高低差が大きく起伏に富んでいる。
しかし、一般的に電動方式により移動車両の追跡移動を制御する際、電動の力には限界があるため、地形の起伏が比較的大きい区域では、傾斜角度が大きいことで、移動車両がスムーズに移動せず、倒れて損傷することも起きている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第US20040199292A1号明細書
【特許文献2】米国特許第US6327219B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記先行技術では、GPSシステムがプレーヤーの所在位置を受信できない、撮影装置がプレーヤーの映像を捕捉できない、或いは導入器とトラッカーが連接信号を失う、という状況が発生する恐れがあり、また起伏が大きいエリアでは電動車がスムーズに移動できず倒れて損傷するという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は地形の必要に応じて車体の移動方法を調整でき、しかもターゲット装置が車体探知範囲を離脱した時には即時にリマインドを発する追跡オペレーションシステムに関する。
【0010】
本発明による追跡オペレーションシステムは、ターゲット装置及び車体を有する。
ターゲット装置は、ターゲットモジュール及びリモコンモジュールを有し、リモコンモジュールは、切り換え信号を設定し発信できる。
車体は、搭載物サポートフレーム、駆動モジュール及びコントロールモジュールを有し、搭載物サポートフレームには、物品を置くことができる。
駆動モジュールと搭載物サポートフレームとは連結し、コントロールモジュールとターゲット装置は、信号で連接され、しかも第一信号を発し、コントロールモジュールは該切り換え信号に基づき、車体を手動モード或いは追跡モード下で移動するよう制御し、手動モードで、駆動モジュールは、使用者の押し引き外力を受け、車体を動かして移動させる。
追跡モードでは、ターゲットモジュールは第一信号を受信処理しコントロールモジュールにフィードバックし移動信号を産生する。
コントロールモジュールは、移動信号に基づき、駆動モジュールを制御し車体にターゲット装置を追跡移動させ、ターゲット装置がコントロールモジュールの通信距離から離れると、コントロールモジュールは駆動モジュールを制御し作動を停止させ、しかも提示信号を発する。
【0011】
本発明により使用者は、地形の必要に応じて、車体の移動方法を調整できる。
例えば、使用者が地形の高低差や湾曲が比較的大きい区域を走行する時には、手動モードで車体を移動させることができ、車体が電動の追跡モード下で使用者を効果的に追跡できず、車体が使用者から離れる問題の発生を回避できる。
これにより、単一移動モードのみで各種地形を走行しなければならないという従来の移動車両の欠点を改善することができる。
【0012】
しかも、ターゲット装置が車体の通信距離から離れると、提示信号を即時に発し使用者に知らせることで、使用者が歩き続けたために、戻って車体を探さなければならないという面倒を回避できる。
【0013】
さらに、本発明は時間変化に基づき関係距離を判断し、ターゲット装置と車体との間の距離を全方向的に探知し、これにより車体は正確にターゲット装置の方向に従い移動する。
こうして、定位が不正確で、判断が遅延し、方向性を備え、及び信号強弱を通して距離を判断する方式では容易に判断を誤るという従来の追跡技術の欠点を改善することができる。
【0014】
この他、本発明は車体の移動速度を使用者の歩行速度に対応させることができ、しかも車体と使用者との間の適当な距離を保持でき、車体が使用者に近づき過ぎることで使用者が圧迫感を感じ、或いは車体が離れ過ぎることで車体とターゲット装置との信号が途切れ易いという問題を回避できる。
しかも、本発明は角度ユニットにアジャストメントユニットを対応させ、車体が地形の過大な高低差に遭遇した時、重心を失い倒れてしまうという問題を回避できる。
【0015】
また、本発明の追跡モードは自動追跡できる他、使用者のリモコン方式により、車体が追跡の効果を達成できる。
しかも、本発明はさらに、動力補助モジュールを通して使用者が加える外力を減らすことができ、使用者は簡単に車体を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のシステム構造図である。
図2】本発明の車体の外観模式図である。
図3】本発明実施形態の模式図(一)であり、車体が手動モードで移動する様子を示す。
図4】本発明実施形態の模式図(二)であり、車体が追跡モードで移動する様子を示す。
図5】本発明実施形態の模式図(三)であり、角度ユニットが車体の傾斜角度を探知する様子を示す。
図6】本発明実施形態の模式図(四)であり、車体が補助モードで移動し、動力補助モジュールがリモコン装置である様子を示す。
図7】本発明実施形態の模式図(五)であり、車体が補助モードで移動し、動力補助モジュールがユニバーサルジョイントである様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(一実施形態)
上述の発明内容において開示した中心思想について説明するため、以下では具体的実施形態を用いる。
実施形態中の各種物件は、説明に適した比率、大きさ、変形量或いは移動量で表示し、実際の部品の比率に基づいた表示でないことを、ここに明記する。
【0018】
図1図7に示す通り、本発明による追跡オペレーションシステム100は、ターゲット装置10及び車体20を有する。
ターゲット装置10と車体20は、無線信号で連接され、ターゲット装置10は、使用者1の身体上に装着する。
使用者1は、ターゲット装置10を通して、切り換え信号を設定し、車体20は切り換え信号に基づき、手動モード或いは追跡モード下で移動する。
手動モード下では、車体20は使用者1の押し引き外力を受けて移動する。
追跡モード下では、車体20は、自動或いはリモートコントロールされ、使用者1に付き従う。
そのため、使用者1が進もうとする地形の違いに基づき、ターゲット装置10が発信する切り換え信号によって、車体20の移動モードを調整する。
例えば、使用者1が地形の高低の起伏が比較的大きい区域を通ろうとする時には、手動モードで車体20を動かして移動させる。
使用者1が地形の高低の起伏が比較的緩やかな区域を通ろうとする時には、追跡モードで、車体20を制御し自動追跡させる。
【0019】
ターゲット装置10は、通信モジュール11、ターゲットモジュール12、リモコンモジュール13を有する。
通信モジュール11、ターゲットモジュール12及びリモコンモジュール13は電池に接続し、作動時に必要な電力を電池により提供する。
ターゲット装置10は、通信モジュール11により、車体20と無線通信を通して連接される。
ターゲットモジュール12は導引信号を発し、本発明実施形態中では、通信モジュール11は、ブルートゥース(登録商標)モジュールで、ターゲットモジュール12は、超広帯域無線(Ultra Wide Band、UWB)である。
【0020】
リモコンモジュール13は、モードユニット131、方向ユニット132、速度ユニット133を有する。
モードユニット131は、切り換え信号を設定して発信する。
方向ユニット132は、方向信号を設定して発信し、車体20が方向信号に基づき移動するようリモートコントロールする。
速度ユニット133は、速度信号を設定して発信し、車体20の移動速度をリモートコントロールする。
さらに、リモコンモジュール13は、ディスタンスユニット134をさらに有する。
ディスタンスユニット134は、定量距離を設定し、車体20は、ディスタンスユニット134が設定した定量距離に基づき、方向信号と速度信号に対応して、対応する距離まで移動する。
例えば、使用者1がディスタンスユニット134を通して設定して定量距離が10ヤードで、しかも前進の方向信号及び中等度の速度信号を設置したなら、車体20は前方へと中等度の速度を保持して、10ヤードの距離を直接移動する。
【0021】
車体20は、搭載物サポートフレーム21及びコントロールグリップ22を有する。
搭載物サポートフレーム21とコントロールグリップ22は連結し、搭載物サポートフレーム21には、物品を置くことができる。
本発明実施形態中では、搭載物サポートフレーム21に、ゴルフ用具2を置く。
コントロールグリップ22は使用者1が握り持ち、車体20が手動モードである時、コントロールグリップ22により、使用者1は押し引きの外力を加え、車体20を移動させる。
【0022】
車体20は、駆動モジュール23を有する。
駆動モジュール23と搭載物サポートフレーム21とは連結し、駆動モジュール23は、2個のモーター231及び2個の駆動ホイール232を有する。
2個のモーター231は、それぞれ電源と接続し、2個のモーター231は、2個の駆動ホイール232に連結する。
2個の駆動ホイール232は、搭載物サポートフレーム21の両側にそれぞれ設置され、2個のモーター231が出力した動力により、2個の駆動ホイール232の回転速度がコントロールされる。
2個のモーター231のアウトプット動力は、2個の駆動ホイール232の回転速度を同じ、或いは異なるようにコントロールできる。
本発明実施形態中では、電源は24ボルトの鉛蓄電池である。
【0023】
車体20は、コントロールモジュール24を有する。
コントロールモジュール24は、搭載物サポートフレーム21に設置され、コントロールモジュール24と駆動モジュール23は接続する。
コントロールモジュール24は、連接ユニット241を有する。
連接ユニット241とターゲット装置10の通信モジュール11とは無線通信を通して連接される。
本発明実施形態中では、連接ユニット241は、ブルートゥースモジュールである。
【0024】
コントロールモジュール24は、感知ユニット242及び演算ユニット243を有する。
感知ユニット242が、第一信号を発すると、追跡モード下で、ターゲットモジュール12は、第一信号を受信処理し、
演算ユニット243にフィードバックし、移動信号を産生する。
演算ユニット243は、移動信号に基づき、駆動モジュール23を制御して車体20を動かし、ターゲット装置10の自動追跡移動を行わせる。
本発明実施形態中では、ターゲットモジュール12と感知ユニット242は超広帯域無線(Ultra Wide Band、UWB)を用いて通信する。
感知ユニット242の数は2個で、2個の感知ユニット242は、2個の駆動ホイール232両側に近い搭載物サポートフレーム21上にそれぞれ設置される。
【0025】
さらに説明する。
2個の感知ユニット242は、第一信号をそれぞれ発し、ターゲット装置10のターゲットモジュール12は、2個の第一信号を受け取った後、処理を経て、処理時間を2個の第一信号中に埋め込み、第二信号を演算ユニット243にフィードバックする。演算ユニット243はフィードバックされた第二信号を受信後、受信した第二信号の時間から第一信号を発送した時間を引き、さらにターゲットモジュール12が第一信号を処理した時間を引けば、第一信号と第二信号の伝送時間を得ることができる。
伝送時間に光速を掛けて2で割れば、2個の感知ユニット242それぞれとターゲット装置10との距離を得ることができる。
2個の感知ユニット242間の距離は固定されているため、車体20の中心からターゲット装置10までの関係距離を三角関数で算出することができる。
演算ユニット243は、関係距離の時間に連れた変化に基づき、ターゲット装置10の車体20に対する方向を判断し、移動信号を産生する。
よって、車体20追跡の方向が正確なら、関係距離が時間に従い変化し徐々に拡大し続けることはない。
車体20追跡の方向が誤りなら、関係距離は時間変化に従い徐々に拡大し、車体20の反対方向への移動を示している。
この時、演算ユニット243は、駆動モジュール23を制御し車体20を方向転換させ、正しい方向へと移動させる。
【0026】
そのため、コントロールモジュール24は、連接ユニット241を通して、切り換え信号を受信でき、しかも切り換え信号に基づき、車体20を制御し、手動モード或いは追跡モード下で移動させる。
手動モードでは、駆動モジュール23の2個の駆動ホイール232は、使用者1の押し引きの外力を受け、車体20を移動させる(図3参照)。
追跡モードでは、コントロールモジュール24は、第一信号及び第二信号を処理して移動信号を産生し、駆動モジュール23を制御し車体20を動かし、ターゲット装置10を装着した使用者1の移動を自動追跡する(図4参照)。
【0027】
さらに、コントロールモジュール24は、リマインドユニット244を有する。
追跡モード時に、ターゲット装置10がコントロールモジュール24の通信距離から離れているなら、コントロールモジュール24のリマインドユニット244は、駆動モジュール23を制御し、車体20の作動を停止させ、しかも提示信号を発し、車体20とターゲット装置10がすでに接続しておらず、車体20を追跡していないと使用者1に知らせる。
リマインドユニット244が発する提示信号は、音声、ライト或いはその組合せである。
【0028】
コントロールモジュール24は、アジャストメントユニット245及び慣性計測ユニット246をさらに有する。
アジャストメントユニット245は、関係距離に基づき、駆動モジュール23が追跡モード下で車体20を移動させる速度を調整できる。
慣性計測ユニット246は、車体20の角速度を探知できる。
さらに説明する。
車体20が角速度回転運動を行う時に生じる慣性は、車体20に影響し、不測の角速度運動を生じる。
車体20が不測の角速度運動を生じないようにするため、アジャストメントユニット245は、角速度コントロールを加える。
慣性計測ユニット246が生じる角速度を利用し、角速度をアジャストメントユニット245にフィードバックし、PIDコントロールとする。
アジャストメントユニット245はPIDコントロールに基づき、角速度と駆動モジュール23がコントロールする回転速度との間の誤差を調整し、車体20の移動速度コントロールを達成する。
【0029】
アジャストメントユニット245には、通信距離、追跡起動距離、追跡停止距離を設定する。
通信距離は、追跡起動距離より長く、追跡起動距離は、追跡停止距離より長い。
本発明実施形態中では、通信距離は、連接ユニット241と通信モジュール11がブルートゥース無線で連接する距離で、通信距離は20メートルである。
追跡起動距離は5メートルで、追跡停止距離は3メートルである。
【0030】
関係距離が追跡起動距離より長ければ、アジャストメントユニット245は関係距離の変化に基づき、駆動モジュール23を駆動し車体20の移動速度及び方向を調整させる。
アジャストメントユニット245は、関係距離を制御し、通信距離と追跡起動距離との間を保持させる。
例えば、関係距離が突然短くなったら、アジャストメントユニット245は駆動モジュール23の運転速度を落とし、車体20が使用者1に近づきすぎないようにし、使用者1と車体20と間の適当な距離を保持する。
【0031】
関係距離が追跡起動距離と追跡停止距離との間にあるなら、アジャストメントユニット245は関係距離の変化に基づき、駆動モジュール23を駆動して車体20の方向を調整させる。
関係距離が追跡停止距離より短いか等しいなら、使用者1が車体20上からゴルフ用具2を取ろうとしていることを示している。
この時、感知ユニット242は、関係距離をアジャストメントユニット245にフィードバックし、アジャストメントユニット245は、駆動モジュール23を制御して車体20の作動を停止させる。
関係距離が再び追跡起動距離に到達すると、アジャストメントユニット245は、駆動モジュール23を制御し、車体20を加速させて使用者1に接近するよう移動させ、しかも通信距離と追跡停止距離との間を保持させる。
【0032】
関係距離が通信距離より大きい時には、連接ユニット241と通信モジュール11との連接効果が不良となり、信号が途切れる可能性がある。
この時、演算ユニット243は、関係距離をリマインドユニット244及びアジャストメントユニット245にフィードバックし、アジャストメントユニット245により駆動モジュール23を制御して作動を停止させ、しかもリマインドユニット244を通して提示信号を発する。
【0033】
この他、コントロールモジュール24は、角度ユニット247を備える。
角度ユニット247は、アジャストメントユニット245と接続し、角度ユニット247は、車体20の傾斜角度を探知し、角度値Aを産生する。
アジャストメントユニット245には、傾斜閾値を設置し、アジャストメントユニット245が受信した、角度ユニット247が探知した角度値Aが設定した傾斜閾値を超えた時には、アジャストメントユニット245は、駆動モジュール23が車体20を駆動する移動速度を低下させる。
さらに説明する。
図1及び図5に示す通り、車体20がゴルフ場3の地形の高低差や湾曲が比較的大きい区域、すなわち図5に示すような下り坂地形へ移動し、角度ユニット247が車体20全体の傾斜角度にすでに変化が生じており、しかも角度値Aが傾斜閾値を超えたと探知したなら、この時、アジャストメントユニット245は、駆動モジュール23が車体20を移動させる速度を低下させ、比較的ゆっくりした速度で車体20を移動させ、移動速度が速過ぎることで車体20が倒れる問題の発生を回避する。
【0034】
また、車体20は、動力補助モジュール25を有する。
動力補助モジュール25は、コントロールグリップ22に設置され、動力補助モジュール25と駆動モジュール23及びコントロールモジュール24と接続する。
コントロールモジュール24は、切り換え信号に基づき、駆動モジュール23を制御し、車体20を動かし補助モード下で移動させる。
補助モード下で、動力補助モジュール25は使用者1の操作を受け、コントロール信号をコントロールモジュール24に出力する。
コントロールモジュール24は、コントロール信号を電力信号に転換し、2個のモーター231のアウトプット動力を調整し、2個の駆動ホイール232の回転速度を制御して、駆動モジュール23により車体20を移動させる。
【0035】
図3及び図6に示す通り、動力補助モジュール25はリモコン装置であり、動力補助モジュール25により使用者1はコントロール信号をインプットする。
本発明実施形態中では、コントロール信号は、ターゲット装置10の方向信号及び速度信号と同様である。
コントロールモジュール24は、コントロール信号を電力信号に転換し、2個のモーター231のアウトプット動力を調整し、2個の駆動ホイール232の回転速度を制御し、こうして駆動モジュール23により車体20を移動させる。
【0036】
図3及び図7に示す通り、動力補助モジュール25は、動きがわずかなユニバーサルジョイントである。
移動信号は、使用者1がコントロールグリップ22に加える外力である。
使用者1が加える外力、引く力について、本発明の実施形態中では、使用者1がコントロールグリップ22を握り、車体20を引いて動かす時、使用者1の引く力は、動力補助モジュール25を制御して回転させ、対応するコントロール信号を産生する。
コントロールモジュール24は、コントロール信号を電力信号に転換し、2個のモーター231のアウトプット動力を調整し、2個の駆動ホイール232の回転速度を制御し、こうして車体20の移動と方向を調整する。
【0037】
上記を総合すると、本発明は以下の効果を達成できる。
一、本発明の追跡オペレーションシステム100により、使用者1は、地形の必要に応じて、車体20の手動、追跡或いは補助モードによる移動を調整し、これにより単一移動モードのみを備える従来の移動車両の欠点を改善し、しかも本発明の追跡モードは自動追跡できる他、使用者1のリモコン方式により車体20が追跡の効果を達成できる。
二、本発明の追跡オペレーションシステム100は、車体20とターゲット装置10とが接続を失った後、即時に提示信号を発して使用者1に知らせ、車体20と使用者1との距離が離れ過ぎないようにし、使用時の便利性を提供できる。
三、本発明の追跡オペレーションシステム100は、ターゲット装置10と車体20との間の距離を全方向的に探知でき、信号伝送時間に従う距離の変化を利用し、車体20の追跡方向を判断する。信号の強弱により車体20とターゲット装置10との間の距離を判断するのではないため、これにより車体20は迅速、しかも正確にターゲット装置10の方向に従い移動する。
四、本発明の追跡オペレーションシステム100のアジャストメントユニット245は、車体20の移動速度を使用者1の歩行速度に対応させられ、しかも車体20と使用者1との間の適当な距離を保持でき、追跡時の快適性を提供し、かつ車体20とターゲット装置10との信号が容易に途切れる問題を回避できる。
五、本発明の追跡オペレーションシステム100の角度ユニット247は、車体20の傾斜角度を探知でき、車体20が地形の過大な高低差に遭遇した時、アジャストメントユニット245を通して車体20の移動速度を低下させられ、これにより車体20の重心を保持し、こうして車体20移動時の安定性を高める。
六、本発明の追跡オペレーションシステム100は、動力補助モジュール25を通して、使用者1が加える外力を減らすことができ、使用者1はさらに簡単に車体20を移動させることができる。
【0038】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0039】
1 使用者
2 ゴルフ用具
3 ゴルフ場
100 追跡オペレーションシステム
10 ターゲット装置
11 通信モジュール
12 ターゲットモジュール
13 リモコンモジュール
131 モードユニット
132 方向ユニット
133 速度ユニット
134 ディスタンスユニット
20 車体
21 搭載物サポートフレーム
22 コントロールグリップ
23 駆動モジュール
231 モーター
232 駆動ホイール
24 コントロールモジュール
241 連接ユニット
242 感知ユニット
243 演算ユニット
244 リマインドユニット
245 アジャストメントユニット
246 慣性計測ユニット
247 角度ユニット
25 動力補助モジュール
A 角度値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】