(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】吸入デバイス用の消耗品ユニットのポッドを貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の機械カセットに移送するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/70 20200101AFI20220316BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20220316BHJP
【FI】
A24F40/70
A24F40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544162
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 GB2020050122
(87)【国際公開番号】W WO2020157459
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ、アンドリュー ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AE02
4B162AE06
(57)【要約】
吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれが形成するポッドを各ポッドがポッド収容ポケットに支持されている貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための装置が開示されている。本発明の装置は、貯蔵トレイと貯蔵トレイおよび貯蔵トレイに収容されたポッド上に置かれた機械カセットを収容する移送ステーションを含む。移送ステーションは、合体させたトレイと機械カセットを回転させてトレイの前記ポッド収容ポケットのポッドが機械カセットの対応するポッド収容ポケット内に移送されるように構成されている。トレイのポッド収容ポケットから機械カセットの対応するポッド収容ポケットにポッドを移送する方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれが形成するポッドを、各ポッドがポッド収容ポケットに支持されている貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための装置であって、この装置は、
貯蔵トレイと、貯蔵トレイおよび貯蔵トレイに収容されたポッド上に置かれた機械カセットを収容する移送ステーションを含み、移送ステーションは、合体させたトレイと機械カセットを回転させてトレイの前記ポッド収容ポケットのポッドが機械カセットの対応するポッド収容ポケット内に移送されるように構成されている装置。
【請求項2】
移送ステーションに隣接した収容ステーションをさらに含み、収容ステーションは、機械カセットがトレイ上にポッドを覆って置かれた際にトレイがポッドと機械カセットと共に収容ステーションから移送ステーション内に挿入されるようにポッドのトレイを収容するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記トレイは、ポッドおよびトレイ上にポッドを覆って置かれた機械カセットと共に収容ステーションから移送ステーション内にスライド可能であることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
移送ステーションは、トレイとトレイ上にポッドを覆って置かれた機械カセットを収容するためにクレードルを含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の装置。
【請求項5】
クレードルは、軸を中心に回転するために取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
クレードルは、トレイとその上に置かれた機械カセットがクレードルに挿入される第1の位置からクレードルに挿入した合体させたトレイと機械カセットを反転させる第2の位置内に前記軸を中心に回転するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
クレードルは、前記第2の位置から前記第1の位置内に前記軸を中心に反対方向に回転するようにも構成されていることを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
クレードルは、前記第1の位置と前記第2の位置の間を180度回転するように構成されていることを特徴とする請求項6または7記載の装置。
【請求項9】
クレードルは、第1および第2の支持プレートを含み、これらは前記クレードルが前記第1の位置にある時に、ポッドの貯蔵トレイが貯蔵トレイの上に置かれた機械カセットと共に前記第1および第2支持プレートの間で前記移送ステーション内に挿入できるように構成されていることを特徴とする請求項6乃至8いずれか1項記載の装置。
【請求項10】
第1および第2の支持プレートは、クレードルを前記軸を中心に回転させた際にポッドのトレイがその上に置かれた機械カセットと共に第1および第2の支持プレートによって支持され、トレイと機械カセットが離れないようにしていることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
クレードルは、ポッドのトレイとその上に置かれた機械カセットがクレードル内の支持プレートの間に挿入された際にポッドのトレイがその上に置かれた機械カセットと共にクレードルの回転軸を横断して延びるように構成されていることを特徴とする請求項6乃至10いずれか1項記載の装置。
【請求項12】
クレードルを前記軸を中心に回転させるための駆動部材を含むことを特徴とする請求項5乃至11いずれか1項記載の装置。
【請求項13】
駆動部材は、手動で操作可能であることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
駆動部材は、回転自在なハンドホイールであることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
駆動部材は、モーターを含むことを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項16】
クレードルを囲む囲いを含むことを特徴とする請求項5乃至15いずれか1項記載の装置。
【請求項17】
囲いは、円筒状のドラム形状であることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
ドラムは、長手方向軸を有し、前記長手方向軸を中心にクレードルと共に回転するように構成されていることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
第1の定置バッファーと、囲いと共に回転可能な停止部材とを含み、停止部材は、それが第1の定置バッファーと接触してクレードルが前記第1の位置を越えて回転しないように構成されていることを特徴とする請求項16乃至18いずれか1項記載の装置。
【請求項20】
第2の定置バッファーを含み、第2の定置バッファーは、囲いと共に回転可能な停止部材が第2の定置バッファーと接触してクレードルが前記第2の位置を越えて回転しないように構成されていることを特徴とする請求項16乃至19いずれか1項記載の装置。
【請求項21】
囲いにスロットを含み、トレイとその上に置かれた機械カセットがこのスロットを介して移送ステーション内に挿入できるようにしていることを特徴とする請求項16乃至19いずれか1項記載の装置。
【請求項22】
吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれ形成するポッドを、各ポッドがポッド収容ポケットに支持される消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットから貯蔵トレイの対応するポッド収容ポケットに移送するための装置であって、この装置は、
機械カセットと、機械カセットおよび機械カセットに収容されたポッド上に置かれた貯蔵トレイを収容する移送ステーションを含み、移送ステーションは、合体させた機械カセットと貯蔵トレイを回転させて、機械カセットの前記ポッド収容ポケット内のポッドが貯蔵トレイの対応するポッド収容ポケットに移送されるように構成されている装置。
【請求項23】
吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれが形成するポッドを、各ポッドがポッド収容ポケットに支持されている貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための方法であって、この方法は、
機械カセットをポッドのトレイ上に置くことと、
機械カセットとポッドのトレイを移送ステーションに挿入することと、
トレイの前記ポッド収容ポケット内のポッドが機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送されるように合体させたトレイと機械カセットを回転させるために移送ステーションを作動させることとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれが形成するポッドを、貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の機械カセットに移送するための装置および方法に関する。特に本発明は、貯蔵トレイのポッド収容ポケット内にそれぞれ支持されているポッドを機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための装置および方法に関する。移送されると、機械カセットをその中に収容されたポッドと共にポッドに対して1つ以上の製造工程を実施するための消耗品ユニットを製造する装置内に挿入することができる。また本発明は、機械カセットから貯蔵トレイにポッドを戻すための装置および貯蔵トレイから機械カセットへポッドを移送する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所与の用量のエアロゾル化可能な材料を消耗品ユニットのポッドに供すること、ポッドの端部上に閉鎖板を位置決めすること、および閉鎖板をポッドに固定することを伴う場合がある吸引デバイス用の消耗品ユニットを効率的に製造する装置および方法を提供する必要性が存在する。これらのおよび他の製造工程は素早く連続的に複数のポッドに実行する必要がある。
【0003】
ポッドは貯蔵トレイ上に供給される。貯蔵トレイは、ポッド収容ポケットを有し、各トレイが構造配列に複数のポッドを支持するようにそれぞれのポケットが個々のポッドを支持する。ポッドに種々の製造工程を実行するために ポッドを貯蔵トレイから機械カセットに移送する必要がある。機械カセットも貯蔵トレイのポッド収容ポケットに対応するポッド収容ポケットを有する。機械カセットは、ポッドが機械カセットに保持されている間にポッドに対して製造工程の1つ以上を実施できるように製造機に挿入するように構成されている。
【0004】
1つ以上の製造工程が機械カセットに支持されたポッドにおいて完了すると、ポッドを機械カセットから貯蔵トレイに移送してもよい。
【発明の概要】
【0005】
本発明のいくつかの実施態様では、吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれが形成するポッドを、各ポッドがポッド収容ポケットに支持されている貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための装置が提供され、この装置は、
貯蔵トレイと、貯蔵トレイおよび貯蔵トレイに収容されたポッド上に置かれた機械カセットを収容する移送ステーションを含み、移送ステーションは、合体させたトレイと機械カセットを回転させてトレイの前記ポッド収容ポケットのポッドが機械カセットの対応するポッド収容ポケット内に移送されるように構成されている。
【0006】
本発明の装置は、移送ステーションに隣接した収容ステーションを含んでもよい。収容ステーションは、機械カセットがトレイ上にポッドを覆って置かれた際にトレイがポッドと機械カセットと共に収容ステーションから移送ステーション内に挿入されるようにポッドのトレイを収容するように構成してもよい。
【0007】
前記トレイは、ポッドおよびトレイ上にポッドを覆って置かれた機械カセットと共に収容ステーションから直接移送ステーション内にスライド可能であってもよい。
【0008】
特定の実施態様において移送ステーションは、トレイとトレイ上にポッドを覆って置かれた機械カセットを収容するためにクレードルを含む。
【0009】
クレードルは、軸を中心に回転するために取り付けられてもよい。特にクレードルはトレイとその上に置かれた機械カセットがクレードルに挿入される第1の位置からクレードルに挿入した合体させたトレイと機械カセットを反転させる第2の位置内に前記軸を中心に回転するように構成してもよい。
【0010】
またクレードルは、前記第2の位置から前記第1の位置内に前記軸を中心に反対方向に回転するように構成してもよい。
【0011】
好ましくはクレードルは、前記第1の位置と前記第2の位置の間を180度回転するように構成される。
【0012】
クレードルは、第1および第2の支持プレートを含んでもよく、これらは前記クレードルが前記第1の位置にある時に、ポッドの貯蔵トレイが貯蔵トレイの上に置かれた機械カセットと共に前記第1および第2支持プレートの間で前記移送ステーション内に挿入できるように構成されている。
【0013】
第1および第2の支持プレートは、クレードルを前記軸を中心に回転させた際にポッドのトレイがその上に置かれた機械カセットと共に第1および第2の支持プレートによって支持され、トレイと機械カセットが離れないようにしている。
【0014】
クレードルは、ポッドのトレイとその上に置かれた機械カセットがクレードル内の支持プレートの間に挿入された際にポッドのトレイがその上に置かれた機械カセットと共にクレードルの回転軸を横断して延びるように構成してもよい。
【0015】
本発明の装置はクレードルを前記軸を中心に回転させるための駆動部材を含んでもよい。
【0016】
駆動部材は、手動で操作可能であってもよい。特定の実施態様において駆動部材は、回転自在なハンドホイールであってもよい。別の構成では駆動部材は、モーターを含んでもよい。
【0017】
本発明の装置はクレードルを囲む囲いを含んでもよい。囲いは円筒状のドラムであってもよい。
【0018】
ドラムは長手方向軸を有してもよく、前記長手方向軸を中心にクレードルと共に回転するように構成することができる。
【0019】
好ましくは本発明の装置は第1の定置バッファーと、囲いと共に回転可能な停止部材とを含む。停止部材は、それが第1の定置バッファーと接触してクレードルが前記第1の位置を越えて回転しないように構成してもよい。
【0020】
本発明の装置は、追加で第2の定置バッファーを含んでもよい。第2の定置バッファーは、囲いと共に回転可能な停止部材が第2の定置バッファーと接触してクレードルが前記第2の位置を越えて回転しないように構成してもよい。
【0021】
本発明の装置は、囲いにスロットを含み、トレイとその上に置かれた機械カセットがこのスロットを介して移送ステーション内に挿入できるようにしてもよい。
【0022】
本発明の別の実施態様では吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれ形成するポッドを、各ポッドがポッド収容ポケットに支持される消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットから貯蔵トレイの対応するポッド収容ポケットに移送するための装置が提供され、この装置は、
機械カセットと、機械カセットおよび機械カセットに収容されたポッド上に置かれた貯蔵トレイを収容する移送ステーションを含み、移送ステーションは、合体させた機械カセットと貯蔵トレイを回転させて、機械カセットの前記ポッド収容ポケット内のポッドが貯蔵トレイの対応するポッド収容ポケットに移送されるように構成されている。
【0023】
本発明のさらに別の実施態様では吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部をそれぞれが形成するポッドを、各ポッドがポッド収容ポケットに支持されている貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための方法が提供され、この方法は、
機械カセットをポッドのトレイ上に置くことと、
機械カセットとポッドのトレイを移送ステーションに挿入することと、
トレイの前記ポッド収容ポケット内のポッドが機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送されるように合体させたトレイと機械カセットを回転させるために移送ステーションを作動させることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施態様を添付図面を参照して例示のみを目的として説明する。
【
図1】貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の機械カセットにポッドを移送する装置の斜視図である。
【
図2A】ポッドの貯蔵トレイが装置の収容ステーション部分に置かれている
図1に示した装置の一部の上面図である。
【
図2B】2つの機械カセットが貯蔵トレイおよび貯蔵トレイ上に支持されたポッド状に置かれた
図2Aの上面図である。
【
図2C】合体させた貯蔵トレイと機械カセットの一部が移送ステーション内に挿入されている
図1の装置の上面図である。
【
図2D】
図2Cと同じ図であるが、合体させた貯蔵トレイと機械カセットが移送ステーション内に完全に挿入され、移送ステーションが合体させた貯蔵トレイと機械カセットを反転させるために作動した後である。
【
図3】ポッドを貯蔵トレイから機械カセット内に移送した後のポッドと機械カセットの一部の断面図である。
【
図5】粒状材と閉鎖板が設けられる
図4のポッドの略図である。
【
図6】ポッドが移送されそしてポッドを粒状材で満たす機械カセットを収容する計量投入ステーションを示している。
【
図7】機械カセットが機械引き出し上に支持されている
図6の計量投入ステーションを示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、それぞれが吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部を形成する複数のポッド2を各ポッド2がポッド収容ポケット3aに支持されている貯蔵トレイ3から消耗品ユニット製造装置5(
図6参照)の一部を形成する機械カセット4の対応するポッド収容ポケット4aに移送するための装置が示されている。また本発明の実施態様による装置1は、製造作業が実行されたポッド2を機械カセット4から貯蔵トレイ3内に戻すために使用してもよい。
【0026】
ポッド2は、その別の場所での製造後または製造中に貯蔵トレイ3上に置かれる。貯蔵トレイ3はポッド2を保護し、移送するのに適している。しかしながら、ポッド2をタバコなどの粒状材で満たすなどのポッド2に対する製造作業を行うためにポッドは、製造工程中にポッド2を消耗品ユニット製造装置5内に正確に保持し、位置決めするように設計、構成された機械カセット4に移送される必要がある。
【0027】
本発明の実施態様では装置1は、テーブル8の上面8aまたは他の支持構造体またはフレームに取り付けられた収容ステーション6と、移送ステーション7とを含む。テーブル8は、開口部8bを有し、移送ステーション7は、一部が上面8aの下で開口部8b内に延びるようにテーブル8に取り付けられている。収容ステーション6は、開口部8bに隣接して上面8aに取り付けられている。
【0028】
収容ステーション6は、移送ステーション7から離れて延びている対向縁部に沿って直立した案内壁10を有する平坦な面9を含む。平坦な面9は、ポッド2の1つ以上の貯蔵トレイ3が置かれ、トレイを移送ステーション内に移動させる前の準備をする面である。移送ステーション7は、円形の端部壁11および端部壁11の間を延びている湾曲した中間壁12を有するほぼ円筒状のドラムの形体の囲い10を含む。ドラム10は、その長手方向軸がテーブル8の上面8aに平行でその真上から間隔が空けられ、ドラム10の一部がテーブル8の開口部8bを通って延びるようにテーブル8に取り付けられている。円形の端部壁11の間を延びている湾曲した中間壁12の少なくとも一部は透明であってもよい。
【0029】
ドラム10内に収容されているのは間隔が空けられた一組の支持プレート14を含むクレードル13である。クレードル13は、ドラム10の長手方向軸A-Aを中心にドラム10と共に回転するために取り付けられているが、ドラム10は固定されてもよく、その場合クレードル13はドラム10内でドラム10に対して回転する。以下により詳しく説明するようにクレードル13は、一連の個々に間隔が空けられたポッド2を支持する貯蔵トレイ3を収容し、支持するように構成され、各ポッドは、トレイ3上にポッド2を覆って置かれた機械カセット4と共に貯蔵トレイ3のポケット2a内にゆるく収容され、支持されている。支持プレート14は、移送ステーション7がトレイ3の前記ポッド収容ポケット3a内のポッド2を機械カセット4の対応するポッド収容ポケット4a内に移送されるように合体させたトレイ3と機械カセット4を反転するように操作される際に貯蔵トレイ3と、その上に置かれた機械カセット4を支持する。
【0030】
軸がドラム10の両端にあるベアリングハブ15を介してドラム10の長手方向軸A-Aに沿って延びている。軸は、ドラム10にそしてドラム10とクレードル13が長手方向軸A-Aを中心にした軸14の回転に応じて回転するようにクレードルに取り付けられている。各ベアリングハブ15は、取り付け部材16を介してテーブル8に動かないように取り付けられている。
【0031】
軸14の一端は、テーブル8の上面8aの縁部を越えて延び、駆動部材17が軸14の自由端部に取り付けられ、ユーザーが軸を回転させやすくしている。
図1に示すように駆動部材17は、手動で回転可能なハンドホイール17aである。しかしながら、当然のことながら電気駆動モーターを含む回転ドラム10およびクレードル13を回転させるための任意の他の種類の駆動手段を使用してもよい。
【0032】
回転自在に軸を取り付けドラム10をテーブル8に固定する駆動部材17aに近い方の取り付け部材16には第1および第2のバッファー18、19が設けられている。停止部材20が取り付け部材16に隣接してする端部壁11に取り付けられていて停止部材20の一方の側が第1のバッファー18と接触してドラム10が第1の位置にあるときドラム10がさらに回転するのを妨げ、停止部材20のもう一方の側はドラム10が第2の位置内へと回転させた際に第2のバッファー19と接触する。第1及び第2の位置間の回転角度は180度程度であってもよい。
【0033】
本発明の実施態様の装置1の操作を
図2A~2Eを参照してより具体的に説明する。
【0034】
図2Aは、本発明の装置1の収容ステーション6の上面を示している。ポッド2の貯蔵トレイ3が案内壁10の間で収容ステーション6の平坦な面9上に置かれている。
【0035】
図2Aでは2つの貯蔵トレイ3が案内壁10の間で並んで収容ステーション6の平坦な面9上に置かれて示されている。しかしながら、当然のことながら装置1は1つ以上のトレイ3を収容するように構成してもよい。
【0036】
図2Bを参照すると、機械カセット4が各貯蔵トレイ3上に置かれている。機械カセット4とトレイ3は、機械カセット4が機械カセット4の各個々のポケット4aが貯蔵トレイ3のポッド2を含む対応する個々のポケット3a上に位置した状態でトレイ3上に位置するように構成されている。機械カセット4は、上下面を有する。機械カセット4が消耗品ユニット製造装置5内に挿入されると、それはその上面が一番上になって挿入される。しかしながら、当然のことながら
図2Bに示すように機械カセット4は、逆さまの向きで、即ちその上面が貯蔵トレイ3および貯蔵トレイ3内に支持されたポッド2に向いた状態でトレイ3の上に置かれている。
【0037】
機械カセット4が各トレイ3の上に正しく位置づけされると、合体させたトレイ3、ポッド2および機械カセット4が単独のユニットとして一緒に移送ステーション7内に挿入される。
図2Cに示すように合体させたトレイ3、ポッド2および機械カセット4は、収容ステーション6の平坦な面9から移送ステーション7内に矢印Aの方向に直接的にスライドさせられる。
【0038】
別の実施態様では収容ステーション6を省略してもよい。その場合、移送ステーション7内に直接的に挿入される前に別の離れた場所で機械カセット4をトレイ3上に置いてもよい。
【0039】
合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4を移送ステーション7内に挿入しやすくするためにドラム10の湾曲した中間壁12に端部壁12の間で軸方向に延びたスロット21が設けられている。スロット21は、ドラム10がその第1の位置にあるとき、即ち停止部材20が第1のバッファー18にぶつかっているとき収容ステーション6の平坦な面9と位置合わせされている。
【0040】
ドラム10がその第1の位置にあるとき、ドラム10内に配置されたクレードル13は、合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4がスロット21を介してクレードル13内に押し込まれるように位置決めされる。より具体的には合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4は、クレードル13の間隔が空けられた平行な支持プレート14の間のスペース内に押し込まれる。支持プレート14は、平行であり、移送ステーション7が合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4を反転させるために作動する際に合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4が離れずに支持プレート14の間で保持されるように合体させたポッド2を含むトレイ3とその上に置かれた機械カセット4の高さの合計よりほんの僅かだけ長い距離をおいて互いに離れている。
【0041】
次に
図2Dに示すように 第1の位置から外れて停止部材20が第2のバッファー19と接触する第2の位置内にドラム10をクレードル13および合体させたトレイ3、ポッド2および機械カセット4と共に回転させるために駆動部材17を回転させる。第1から第2の位置への回転の結果として貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4が反転させられる。
【0042】
ポッド2は貯蔵トレイ3のポケット3aに自重で支持されているので、トレイ3を反転させることの結果として各ポッド2を機械カセット4の対応するポケット4aに移送し、ポッド2は機械カセット4内に裏返しで支持されている。
図3は本発明の実施態様による装置1を使用して貯蔵トレイ3から移送した後の支持ポケット4aを有する機械カセット4の一部とポケット4aに収容されているポッド2の断面を示している。トレイ3の反転は合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4をひっくり返す、即ち180度の角度で回転させる際に起こる。しかしながら、180度未満の回転でもポッドの重量によっては貯蔵トレイ3から機械カセット4に移送するのに充分な場合もある。
【0043】
当然のことながら、機械カセット4がトレイ3上に置かれると、貯蔵トレイ3のポッド収容ポケット3aに支持されたポッド2は、それぞれポケットから機械カセット4のポケット内に延びている、即ち各ポッドの一部が貯蔵トレイ3のポケット3aに収容されてもよく、同時にポッド2の別の部分は機械カセット4の対応するポケット4aに収容されてもよい。これは合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4を反転させる際、ポッド2の移動がほとんどまたは全くなく、ポッドの重量だけで貯蔵トレイ3から機械カセット4へ移送されるということを意味する。しかしながら、ポッド2は移動させる、即ち合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4を装置1を使用して反転させる際、ポッドが貯蔵トレイ3上に支持されているポケット3aから機械カセット4の対応するポケット4a内に落下させることも可能である。
【0044】
ポッド2が機械カセット4内にあるとき、ポッドは、それらに粒状材が供され、閉鎖板26(
図5参照)をポッド上で位置決めし、固定できるようにポッドの開口端部22が垂直に上方に向けられた状態で上向きに保持される。
図3は1つの支持ポケット4aがいかにしてポッド2を収容し、支持するように形成されているかを示している。特に各支持ポケット4aは、ポッド2の開口端部22が上向きになるようにポッド2のマウスピース部分2aを収容し、支持するように形成されている。
【0045】
任意に機械カセット4は機械カセット4を手動で持ち上げ、移動させるための1つ以上のハンドル23を含んでもよい。
【0046】
貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4を装置1の移送ステーション7を使用して反転させると、合体させた貯蔵トレイ3、ポッド2および機械カセット4は移送ステーション7からスライドさせて収容ステーション6の平坦な面9に戻してもよい。ポッド2の重量が貯蔵トレイ3によって最早支持されていないので、貯蔵トレイ3は持ち上げて機械カセット4をその中にポッド2が支持された状態で残してもよい。この時点で機械カセット4は、ポッド2と共に収容ステーション6から除去され、消耗品ユニット製造装置5内に挿入され、その後の製造作業が機械カセット4によって支持されたポッド2のそれぞれに実行されるようになっている。
【0047】
当然のことながら、1つ以上の製造作業が完了したら、ポッド2はまた必要であれば同じ装置1を使用して機械カセット4から貯蔵トレイ3に戻してもよい。
【0048】
ポッド2は成人消費者が手で持つには好適な大きさ、形状の吸入デバイスの消耗品ユニットの一部を形成してもよい。消耗品ユニットは、取り外し自在であり、内部に保持された消耗液を霧化するアトマイザーを有するアトマイザーカートリッジと、一装入量の粒状エアロゾル化可能な材料23を含む。一装入量のタバコ23はマウスピース部分2aを有するポッド2に収容されてもよく、ポッド2にはポッド2内にその一装入量のタバコ23を保持するための閉鎖板26が
図5に示すように取り付けられる。
【0049】
ユーザーは、アトマイザーカートリッジおよび一装入量のタバコ23を、それらの交換が必要なとき、即ち消耗液が無くなったあるいは一装入量のタバコを使い切った際に、変更することができる。
【0050】
使用時、消費者が吸入装置を介して空気を引き込むと、操作ユニットは、消費者の制御の下でアトマイザーカートリッジにエネルギーを供給する。アトマイザーカートリッジ内の液体は霧化されてエアロゾルを形成し、タバコポッド内の粒状タバコ材は揮発して揮発性風味を放出する。従って、吸入デバイスから吸入される空気は、アトマイザーカートリッジから霧化された液体のエアロゾルを粒状タバコ材を加熱することによって発生した蒸気と共に消費者へ供給する。
【0051】
マウスピース部分2aに加えて
図3~5のポッドは軸方向に延びた端部が開口したセクション25を含む。この例では 端部が開口したセクション25は楕円状半径方向断面を有する。マウスピース部分2aは、超音波溶接、誘導溶接、または他の任意の適切な方法によって端部が開口したセクション25に接続される。これとは別にマウスピース部分2aは、例えば射出成形によって端部が開口したセクション25と一体に形成されてもよい。
【0052】
閉鎖板26は、穿孔スクリーンの形体であってもよい。閉鎖板26は、例えばメッシュまたは箔、あるいはプラスチック材料の成形品から構成される。閉鎖板26の穿孔により、蒸気はポッド2を通ってマウスピース部分2aに向かって軸方向下流に通過する。
【0053】
ポッド2が機械カセット4に支持されている間にポッド2に行われる製造工程は、ポッド2に端部が開口したセクション25を介して所与の用量の粒状材を供すること、閉鎖板26をポッド2の端部が開口したセクション25上で位置決めすること、および閉鎖板26をポッド2に固定することを含む。
【0054】
これらの製造工程は
図6に示す製造装置または
図6に示したものと類似する一連の装置5を使用して複数の空のポッド2に対して行われる。例えば、1つの装置5は計量投入ステーションであってもよく、第2の装置5は閉鎖板位置決めステーションであってもよく、第3の装置5は閉鎖板固定ステーションであってもよい。複数のポッド2を支持する機械カセット4は、一装入量のタバコ23がポッド2内に計量投入され、閉鎖板26がポッド2の端部が開口したセクション25上で位置決めされ、閉鎖板26がポッド2に固定されるように各装置5に順番に挿入されてもよい。
【0055】
図6の製造装置5は、例えば複数のポッド2を支持する機械カセット4支持するためにレール28を含む機械カセット支持部27を含んでもよい。機械カセット4は、機械カセット4を機械カセット4の対向側部を支持するレール28上にスライドさせることによって計量投入ステーション内に挿入することができる。また機械カセット支持部27は、機械カセット支持部27内に挿入された際に機械カセット4が当接するストッパーを含んでもよい。機械カセット支持部27は、機械カセット4およびポッド2が正確且つ確実に製造装置5内に位置決めされ、支持されるようにする。
図7は、機械カセット4が機械カセット支持部のレール上に支持されている
図6の計量投入ステーションの一部を示している。
【0056】
複数の空のポッド2が供された機械カセット4は、ポッド2が機械カセット4に保持されている間にポッド2に所与の用量の粒状材が供され、閉鎖板26が位置決めされ、固定されるように
図6の装置内を移動させる。
【0057】
本明細書中では一装入量のタバコと言った場合、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品を含む材料を意味する。粒状材は非タバコ材も含んでもよい。一部の例では その挿入量は一装入量の粉末状の粒状材であり、別の例では材料をより小さな粒に切断または細断することによって形成されてもよい。一部の例では その一装入量のタバコはタバコを小さな粒に細断または切断して形成される、いわゆる「カットラグ(切りくず)」を含んでもよい。その一装入量のタバコは、タバコスラリーを押し出し、押し出された材料を粒子に切断して製造することができる。
【0058】
当然のことながら上述のポッド2は上述の吸入デバイス以外のデバイスに使用してもよい。例えば、デバイスは、タバコ加熱製品のように燃やさずに一装入量のタバコから化合物を放出させてもよい。吸入デバイスは、基材、例えば一装入量のタバコを燃やさずに加熱することによって化合物を放出させる加熱装置であってもよい。
【0059】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、それぞれが吸入デバイスと共に使用するための消耗品ユニットの一部を形成するポッドを各ポッドがポッド収容ポケットに支持されている貯蔵トレイから消耗品ユニット製造装置の一部を形成する機械カセットの対応するポッド収容ポケットに移送するための優れた方法および装置を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【国際調査報告】