(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】二酸化炭素を利用した睡眠システムおよび睡眠誘導装置
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
A61M21/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544474
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 KR2020001108
(87)【国際公開番号】W WO2020159148
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0010359
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0130150
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521336314
【氏名又は名称】ニックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NYX INC.
【住所又は居所原語表記】#301, 25, Baemet 2-gil, Naju-si, Jeollanam-do 58325 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンシン
(57)【要約】
本発明は、二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムに関し、前記睡眠誘導システムは、供給される二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合気体生成部と、前記混合気体を使用者の顔面から離れた位置で噴射する排出部と、噴射される前記混合気体の二酸化炭素濃度を測定する濃度測定センサーと、測定された前記二酸化炭素濃度に基づいて前記混合気体生成部で生成される混合気体の二酸化炭素濃度を設定範囲以内で調節する制御部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合気体生成部と、
前記混合気体を使用者の顔面から離れた位置で噴射する排出部と、
噴射される前記混合気体の二酸化炭素濃度を測定する濃度測定センサーと、
測定された前記二酸化炭素濃度に基づいて前記混合気体生成部で生成される混合気体の二酸化炭素濃度を設定範囲の以内に調節する制御部と、を備える二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項2】
前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、前記混合気体生成部の混合部基準は30,000~100,000ppmであり、使用者吸引基準は15,000~25,000ppmである請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項3】
前記混合気体生成部は、
前記二酸化炭素を供給する供給部と、
前記供給部から供給された二酸化炭素を空気と混合して前記混合気体を生成する混合部と、
前記混合気体を収容する貯蔵部と、を含み、
前記制御部は、前記混合気体の二酸化炭素濃度を調節するために、前記供給部から混合部に供給される二酸化炭素の流量を制御するか、または外部からの空気の流入量を制御する請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項4】
前記供給部は、前記混合部に着脱可能に連結される構造を備える請求項3に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項5】
前記排出部は、前記混合気体の移動通路を提供する流路部と、前記流路部を通じて伝達された前記混合気体を使用者の顔面に向かって噴射する少なくとも一つ以上の噴射口を有する噴射部と、を含み、
前記流路部は、前記噴射部と使用者の顔面までの離隔距離を調節できるように伸縮または形状変更可能である請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項6】
前記噴射部の一方側には、噴射部と使用者の顔面との間の距離を測定する距離測定センサーが設けられ、
前記制御部は、距離測定信号に基づいて混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定する請求項5に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項7】
前記濃度測定センサーは、前記噴射部の一方側または流路部の一部に設けられている請求項5に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項8】
前記使用者の睡眠状態を感知する睡眠状態感知センサーをさらに備え、
前記睡眠状態感知センサーは、前記混合気体が設定時間の間に噴射された後に前記使用者の睡眠状態を感知し、
前記制御部は、睡眠状態感知信号が伝達されて使用者が睡眠状態であると判断すると、前記混合気体の噴射を終了させ、使用者が睡眠状態ではないと判断すると、前記混合気体の噴射時間を延長させる請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項9】
噴射された前記混合気体の二酸化炭素の濃度を低くするための固体酸素を貯蔵し、前記固体酸素を周辺に広くまき散らすための拡散ファンを有する浄化部をさらに含み、
前記制御部は、前記混合気体の噴射が終了すると、前記浄化部の拡散ファンを駆動させて前記固体酸素を使用者の周辺に拡散させる請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項10】
前記制御部は、外部端末にデータ信号を送受信できる通信部を含み、
前記制御部は、前記外部端末から受信した信号により前記混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定する請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項11】
外部からの外部空気の提供を受ける外部空気流入部と、
前記外部空気流入部の下部に配置され、二酸化炭素を供給する供給部と、
前記外部空気流入部および前記供給部の間に配置され、前記供給部から供給された二酸化炭素を空気と混合して、二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合部と、
前記排出部と連結され、前記混合部から前記混合気体を提供されて使用者の顔面から離れた位置に前記混合気体を噴射する排出部と、を含む二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項12】
前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、前記混合部の基準は30,000~100,000ppmであり、使用者吸引基準は15,000~25,000ppmである請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項13】
前記供給部は、前記混合部に着脱可能に連結される構造を有する請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項14】
前記排出部は、前記混合部と連結されて前記混合気体の移動通路を提供する流路部と、前記流路部を通じて伝達された前記混合気体を使用者の顔面に向かって噴射する少なくとも一つ以上の噴射口を有する噴射部と、を含む請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項15】
前記流路部は、前記噴射部から使用者の顔面までの離隔距離を調節することができるように伸縮または形状変更可能である請求項14に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項16】
前記排出部は、前記噴射部と使用者の顔面との間の距離を測定する距離測定センサーをさらに含む請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項17】
前記供給部および前記混合部を内部に収容するハウジングと、
前記ハウジングと連結され、前記睡眠誘導装置を固定できる固定部と、をさらに含む請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を利用した睡眠システムおよび睡眠誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレスによる不眠症の症状は社会全般で拡大しているのが実情である。不眠症とは、単純に熟眠を取ることができない症状に加えて、睡眠時間や維持の困難または寝て起きても簡単にリフレッシュされない睡眠障害の症状などを含む。
【0003】
不眠症の症状が持続する場合、疲労感や集中力の低下および気分障害、痛み、日常生活機能障害などがもたらされ、長く持続するほど疾患の発症率が高くなる。
【0004】
このような不眠症を解決するための方法として、睡眠薬の服用が広く知られている。睡眠薬は、脳の特定の受容体に強い衝撃を加えて睡眠させることで、本質的に鎮静剤と似た役割をする。
【0005】
睡眠薬は、当面の睡眠には役に立つことができるが、頻繁に服用してみると、耐性が生じ、より多くの量を服用しなければならず、睡眠薬をやめる場合、不眠症の症状がひどくなる副作用がもたらされることがある。
【0006】
これにより、最近では睡眠を誘導することができるように外部環境を作って身体に直接影響を与えることなく、快適な睡眠を誘導する装置が開発されている。
【0007】
一方、密閉された空間内の二酸化炭素の高濃度が眠気を誘発させるという事実は広く知られており、二酸化炭素の濃度が2,000ppm以上になると眠気を誘発させるということは米国空気質関連基準で確認することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一つの目的は、睡眠に困っている使用者が吸引する空気の二酸化炭素濃度を一時的に高めることによって睡眠を誘導できる睡眠誘導システムを提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、睡眠に困っている使用者が吸引する空気の二酸化炭素濃度を一時的に高めることによって睡眠を誘導できる睡眠誘導装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムは、供給される二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合気体生成部と、前記混合気体を使用者の顔面から離れた位置で噴射する排出部と、噴射される前記混合気体の二酸化炭素濃度を測定する濃度測定センサーと、測定された前記二酸化炭素濃度に基づいて前記混合気体生成部で生成される混合気体の二酸化炭素濃度を設定範囲の以内に調節する制御部と、を備える。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、混合気体生成部の混合部基準は30,000~100,000ppmであり、使用者吸引基準は15,000~25,000ppmであってもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記混合気体生成部は、前記二酸化炭素を供給する供給部と、前記供給部から供給された二酸化炭素を空気と混合して前記混合気体を生成する混合部と、前記混合気体を収容する貯蔵部と、を含み、前記制御部は、前記混合気体の二酸化炭素濃度を調節するために、前記供給部から混合部に供給される二酸化炭素の流量を制御するか、または外部からの空気の流入量を制御してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記供給部は前記混合部に着脱可能に連結される構造を備えてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記排出部は、前記混合気体の移動通路を提供する流路部と、前記流路部を通じて伝達された前記混合気体を使用者の顔面に向かって噴射する少なくとも一つ以上の噴射口を有する噴射部と、を含み、前記流路部は、前記噴射部と使用者の顔面までの離隔距離を調節できるように伸縮または形状変更可能な構造であってもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記噴射部の一方側には、噴射部と使用者の顔面との間の距離を測定する距離測定センサーが設けられ、前記制御部は、距離測定信号に基づいて混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記濃度測定センサーは、前記噴射部の一方側または流路部の一部に設けられてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記使用者の睡眠状態を感知する睡眠状態感知センサーをさらに備え、前記睡眠状態感知センサーは、前記混合気体が設定時間の間に噴射された後に前記使用者の睡眠状態を感知し、前記制御部は、睡眠状態感知信号が伝達されて使用者が睡眠状態であると判断すると、前記混合気体の噴射を終了させ、使用者が睡眠状態ではないと判断すると、前記混合気体の噴射時間を延長させることができる。ただし、延長できる噴射時間の合計は、所定の範囲内に制限されることができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、噴射された前記混合気体の二酸化炭素の濃度を低くするための固体酸素を貯蔵し、前記固体酸素を周辺に広くまき散らすための拡散ファンを有する浄化部をさらに含み、前記制御部は、前記混合気体の噴射が終了すると、前記浄化部の拡散ファンを駆動させて前記固体酸素を使用者の周辺に拡散させることができる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、外部端末にデータ信号を送受信できる通信部を含み、前記制御部は、前記外部端末から受信した信号により前記混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定することができる。
【0020】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置は、外部からの外部空気の提供を受ける外部空気流入部と、前記外部空気流入部の下部に配置され、二酸化炭素を供給する供給部と、前記外部空気流入部および前記供給部の間に配置され、前記供給部から供給された二酸化炭素を空気と混合して、二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合部と、前記排出部と連結され、前記混合部から前記混合気体を提供されて使用者の顔面から離れた位置に前記混合気体を噴射する排出部と、を含む。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、前記混合部の基準は30,000~100,000ppmであり、使用者吸引基準は15,000~25,000ppmでありうる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記供給部は、前記混合部に着脱可能に連結される構造を有することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記排出部は、前記混合部と連結されて前記混合気体の移動通路を提供する流路部と、前記流路部を通じて伝達された前記混合気体を使用者の顔面に向かって噴射する少なくとも一つ以上の噴射口を有する噴射部と、を含む。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記流路部は、前記噴射部から使用者の顔面までの離隔距離を調節することができるように伸縮または形状変更可能である。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記排出部は、前記噴射部と使用者の顔面との間の距離を測定する距離測定センサーをさらに含む。
【0026】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置は、前記供給部および前記混合部を内部に収容するハウジングと、前記ハウジングと連結され、前記睡眠誘導装置を固定できる固定部と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムは、二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素の濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成し、前記混合気体を使用者の顔面から離れた位置で定められた時間の間噴射して睡眠に困っている使用者が吸引する空気の二酸化炭素濃度を一時的に高めることによって使用者の睡眠を誘導することができる。
【0028】
本発明による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置は、二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素の濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成し、前記混合気体を使用者の顔面から離れた位置で定められた時間の間噴射して睡眠に困っている使用者が吸引する空気の二酸化炭素濃度を一時的に高めることによって使用者の睡眠を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムを概略的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による排出部を通じて混合気体が使用者に噴射される様子の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による使用概略図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略正面図である。
【
図4b】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略側面図である。
【
図4c】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略背面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の流路部が展開されて噴射部で噴射部が排出されるのを順次的に示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の流路部が展開されて噴射部で噴射部が排出されるのを順次的に示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の一部のハウジングを除去して、内部を観察することができるように示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付した。
【0031】
明細書全体では、いくつかの部分が他の部分と「連結」されている場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の部材を間に置いて「間接的に連結」されている場合も含む。
【0032】
また、どの部分がどのような構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0033】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下方(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は図面に示すように一つの構成要素と他の構成要素との相関関係を容易に記述するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の構成要素の異なる方向を含む用語として理解されるべきである。例えば、図面に示されている構成要素を観察した場合、他の構成要素の「下(below)」または「下方(beneath)」として記述された構成要素は、他の構成要素の「上(above)」に置かれることができる。したがって、例示的な用語である「下」という下と上の方向を全部含むことができる。構成要素は、他の方向で配向されることができ、これにより、空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムを概略的に示したブロック図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、混合気体生成部100と、排出部200と、センサー部300と、制御部400と、を含むことができる。
【0036】
本発明の一実施形態による前記混合気体生成部100は、供給される二酸化炭素(CO2)と空気を混合して前記二酸化炭素の濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成することができる。
【0037】
前記混合気体生成部100は、二酸化炭素を供給するための供給部110と、前記供給部110から二酸化炭素を供給されて混合気体を生成するための混合部120と、前記混合気体を収容するための貯蔵部130と、を含むことができる。
【0038】
前記供給部110は、内部に二酸化炭素を貯蔵し、混合部120に二酸化炭素を供給することができる。
【0039】
例えば、前記供給部110は高圧のガスを貯蔵できるガスタンク、ボンベまたはチャンバーでありうる。
【0040】
前記供給部110はRFID(Radio-Frequency Identification)を含むことができる。これにより、前記供給部110が本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10に使用されるのに適切なのか、例えば、本物であるかどうかを確認することができる。
【0041】
前記供給部110は、二酸化炭素を供給する過程で内部に貯蔵された二酸化炭素を減少することができる。したがって、前記供給部110が使い捨てである場合には供給部110の交換が可能なように、供給部110は混合部120に着脱または分離可能に連結される構造でありうる。また、前記供給部110が再充填可能な繰返し用である場合には供給部110に二酸化炭素を注入可能な構造でありうる。
【0042】
前記供給部110は、二酸化炭素を供給するための配管140を介して混合部120に連結されることができ、前記配管140の上には二酸化炭素の流量を調節するためのバルブ145が設けられて配管140の開閉制御が可能である。
【0043】
例えば、前記バルブ145は制御部400により電磁的に開閉が制御されるソレノイドバルブであってもよい。制御部400はバルブ145の開度を調節して混合部120に供給される二酸化炭素の流量を制御することができる。
【0044】
前記混合部120は、供給部110から二酸化炭素を供給され、供給された二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素濃度が混合部基準30,000~100,000ppmまたは3~10%、使用者吸気基準15,000~25,000ppmまたは1.5~2.5%を満足する混合気体を生成することができる。
【0045】
独立的な実験の結果、使用者吸気基準として空気中の二酸化炭素の濃度が1.5~2.5%を満足する場合、使用者に眠気を誘発して睡眠誘導が可能になることを確認した。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、混合気体が使用者の顔面に提供されるか、または噴射される過程で、拡散によって濃度が薄くなることを考慮して、前記混合部120で二酸化炭素の濃度が30,000~100,000ppmまたは3~10%を満足する混合気体を生成することによって、噴射部220から14~21cmだけ離れた使用者の顔面に二酸化炭素濃度が1.5~2.5%である混合気体を提供することができる。
【0047】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、米国労働安定庁および韓国を含む世界各国の政府から指定された二酸化炭素の露出安全濃度(以下、「安全濃度」)TWA-5,000/STEL-30,000の範囲内で混合気体を生成する。「TWA-5,000」は平均5,000ppm以下で8時間以下に、「STEL-30,000」は30,000ppmで15分以下に露出するのを意味する。
【0048】
すなわち、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10の前記混合部120は安全濃度範囲内で混合気体を生成する。また、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、前記排出部200により、使用者に前記混合気体を提供して、使用者の呼吸器の周りの濃度を安全濃度範囲内に調節しながら使用者に最適化された睡眠環境を提供することができる。
【0049】
前記貯蔵部130は前記混合部120で生成された混合気体を収容することができる。例えば、前記貯蔵部130は内部に収容空間が用意されたハウジング構造で構成されて混合気体を収容したり貯蔵したりすることができる。前記貯蔵部130および前記混合部120は一体でありうる。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態による排出部を通じて混合気体が使用者に噴射される様子の概略図である。
【0051】
図2を
図1と共に参照すると、本発明の一実施形態による前記排出部200は、貯蔵部130から提供された混合気体を使用者の顔面から設定距離dだけ離れた位置で噴射することができる。
【0052】
前記排出部200は、例えば、接触式、短距離噴射式、および長距離噴射式のうち少なくとも一つの方式で混合気体を使用者の顔面に噴射することができる。前記排出部200が接触式で混合気体を噴射する場合、前記排出部200はマスクを利用して混合気体を噴射することができる。前記排出部200が短距離噴射式で混合気体を噴射する場合、前記排出部200は使用者の腕や外部の外力を利用して混合気体を噴射することができる。前記排出部200が長距離噴射式で混合気体を噴射する場合、前記排出部200は加湿器で気体が噴射される方式で混合気体を噴射することができる。
【0053】
図示されていないが、前記排出部200は前記排出部200から排出される混合気体の温度および湿度のうち少なくとも一つを調節する温湿度調節部を含むことができる。例えば、前記排出部200から排出される混合気体の温度は、例えば、熱線によって調節されることができる。例えば、前記排出部200から排出される混合気体の湿度は、加湿器によって調節されることができる。
【0054】
前記排出部200は、混合気体を移動させるための流路部210と、前記流路部210を介して渡される混合気体を噴射するための噴射部220と、を含むことができる。
【0055】
前記流路部210は、一端が貯蔵部130に連結され、他端が前記噴射部220に連結され、その内部に用意された流路を介して混合気体を前記噴射部220に移動させることができる。前記流路部210は、例えば、内部に混合気体提供管を含み、混合気体を前記噴射部220に移動させることができる。
【0056】
前記流路部210は、噴射部220と使用者の顔面との間の設定距離dを調節するか、または維持させられるように伸縮または形状変更可能な構造でありうる。したがって、前記流路部210は、噴射部220と使用者の顔面との間の距離が近くなるように長さが延長されることができ、噴射部220と使用者の顔面との間の距離が遠くなるように長さが収縮することができる。
【0057】
前記噴射部220は、前記流路部210の他端に連結され、流路部210を介して伝達された混合気体を使用者の顔面に向かって噴射することができる。
【0058】
前記噴射部220は、混合気体を噴射する少なくとも一つ以上の噴射口221を有することができる。
【0059】
前記噴射部220は、流路部210に連結されて使用者の顔面から設定距離dだけ離れている非接触状態であり、このような非接触による噴射を介して使用者に不便さや不快感を誘発しないで睡眠を誘導することができる。
【0060】
前記センサー部300は、距離測定センサー310、濃度測定センサー320および睡眠状態感知センサー330を含むことができる。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、前記噴射部220の一方側に距離測定センサー310を設けることができる。
【0062】
前記距離測定センサー310は、噴射部220と使用者の顔面との間の距離を測定することができる。
【0063】
前記距離測定センサー310は、測定された距離測定信号を制御部400で伝送し、制御部400は噴射部220から使用者の顔面までの距離が設定距離dを満足することができるように流路部210の長さを調節することができる。
【0064】
使用者の睡眠を誘導するために、前記噴射部220と使用者の顔面との間の設定距離dは、14~21cmに設定することができる、好ましくは、17cmに設定することができる。
【0065】
このような設定距離は、3~10%の二酸化炭素濃度を有する混合気体が噴射され、使用者の顔面に到達するまで拡散により濃度が薄くなることを考慮したものであり、混合気体は設定距離dだけ移動する間、二酸化炭素の濃度が薄くなって約1.5~2.5%の状態で使用者の顔面に到達するようになり、使用者は1.5~2.5%の二酸化炭素濃度を有する混合気体を吸引することができ、これにより、使用者の睡眠が誘導されることができる。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、前記濃度測定センサー320は、使用者の顔面に向かって噴射される混合気体の二酸化炭素濃度を測定することができる。
【0067】
前記濃度測定センサー320は、噴射部220の一方側または流路部210の一部に設けられ、混合気体に含まれた二酸化炭素の濃度を測定することができる。
【0068】
前記濃度測定センサー320は、測定した二酸化炭素濃度信号を制御部400に伝送し、制御部400は、二酸化炭素濃度信号に基づいて混合部120で二酸化炭素の混合比率を調節することができる。
【0069】
例えば、前記濃度測定センサー320は噴射部220から排出される混合気体の二酸化炭素濃度を測定でき、測定した二酸化炭素濃度が35,000ppmまたは3.5%である場合、制御部400は二酸化炭素の混合比率をそのまま維持させることができる。測定した二酸化炭素濃度が35,000ppmまたは3.5%未満である場合、制御部400は二酸化炭素の混合比率を高めることができる。測定した二酸化炭素濃度が35,000ppmまたは3.5%を超える場合、制御部400は二酸化炭素の混合比率を低くすることができる。
【0070】
本発明の一実施形態によれば、前記睡眠状態感知センサー330は、使用者が睡眠状態であるか否かを感知することができる。
【0071】
前記睡眠状態感知センサー330は、使用者の動きを取得するためのモーションセンサーでありうる。
【0072】
前記睡眠状態感知センサー330は、使用者の動き信号を制御部400に伝送し、制御部400は、動き信号に基づいて使用者の睡眠かどうかを判断および決定して混合気体の噴射を終了したり、延長させたりすることができる。
【0073】
例えば、前記睡眠状態感知センサー330が測定した動き信号に基づいて、制御部400は使用者が睡眠状態であると決定した場合、制御部400は混合気体の噴射を終了させることができる。
【0074】
これとは異なり、前記制御部400は使用者が睡眠状態ではないと決定した場合、制御部400は混合気体の噴射時間を5分ずつ延長させることができ、延長された噴射時間の合計は最大30分を越えない。
【0075】
図示されていないが、前記センサー部300は使用者が睡眠状態または非睡眠状態である場合、使用者の生体指標を把握できる生体指標センサー部をさらに含むことができる。例えば、前記生体指標センサー部は使用者の心拍数、血圧などを測定することができる。前記生体指標センサー部は接触式または非接触式でありうる。前記生体指標センサー部が接触式である場合、前記生体指標センサー部は、例えば、使用者と接触する接触センサーでありうる。前記生体指標センサー部が非接触式である場合、前記生体指標センサー部は、例えば、使用者と接触しない非接触式レーダーでありうる。
【0076】
前記生体指標センサー部が使用者の生体指標をセンシングすると、前記制御部400は使用者の生体指標に基づいて使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを把握することができる。必要な場合、前記生体指標センサー部は使用者の睡眠状態を確認できるカメラと連動して、前記制御部400に使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを提供することができる。この時、前記二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は使用者の睡眠状態を確認できるカメラをさらに含むことができる。
【0077】
前記制御部400は、使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを把握した後、病院訪問などが必要なのかなど、使用者に必要な個別のフィードバックを提供することができる。
【0078】
図示されていないが、前記センサー部300は使用者の音声を認識できる音声認識部を含むことができる。例えば、前記音声認識部が使用者の音声を認識すると、前記制御部400は使用者の音声により、濃度調節、電源のオンオフなどの機能を実行することができる。前記音声認識部は、例えば、人工知能スピーカーでありうる。
【0079】
図示されていないが、前記音声認識部で認識された第1使用者の音声は音声録音部に録音されることができる。前記音声録音部に録音された第1使用者の音声は前記制御部400に提供され、第1使用者または第2使用者の睡眠時に提供されることができる。例えば、赤ん坊の両親は前記音声認識部および前記音声録音部を通じて、音声を録音することができる。前記制御部400は、赤ん坊の睡眠時に、録音された赤ん坊の両親の音声(例えば、両親の子守唄)を赤ん坊に提供して赤ん坊の睡眠を助けることができる。
【0080】
第1使用者の音声は、外部端末50、例えば、携帯電話などに設置されたアプリを介して録音され、第1使用者または第2使用者の睡眠時に提供されることもできる。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、前記二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、浄化部500をさらに含むことができる。
【0082】
前記浄化部500は、排出部200を介して噴射された混合気体に含まれた二酸化炭素を除去して二酸化炭素濃度を低くするための固体酸素(図示せず)と前記固体酸素を使用者の周辺に広くまき散らすための拡散ファン(図示しない)を含むことができる。
【0083】
前記制御部400は、排出部200を介して設定された時間の間、混合気体が噴射された後、噴射が終了すると、前記浄化部500の拡散ファンを駆動させて固体酸素を使用者の周辺に拡散させることができる。
【0084】
これにより、前記固体酸素は使用者の睡眠誘導のために大気中に高濃度に広がっている二酸化炭素を除去することができる。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部400は、外部端末50にデータ信号を送受信できる通信部410を含むことができる。
【0086】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、前記通信部410により使用者の睡眠環境に関連するシステムまたは装置とデータ信号を送受信することができる。例えば、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、前記通信部410により加湿器、エアコン、カーテンなどと前記通信部410により無線に接続されることができる。本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、前記通信部410によりデータを送受信して、加湿器、エアコン、カーテンなどを調節し、これにより、使用者に最適化された睡眠状態を提供することができる。
【0087】
前記制御部400は、外部端末50から受信した信号により前記混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定することができ、前記排出部200が使用者の顔面から離れた距離により二酸化炭素濃度の範囲を設定することができる。
【0088】
図示されていないが、前記制御部400は使用者それぞれに最適化された混合気体の濃度を決定し、それに応じて、混合気体の濃度を調節することができる。前記制御部400は、使用者それぞれに最適化された混合気体の濃度を決定する際に、使用者の性別、年齢、身長、体重などの要素のうち少なくとも一つを考慮することができる。
【0089】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は、前記混合部120において安全濃度範囲内で混合気体を生成し、前記排出部200により、使用者に前記混合気体を提供して、使用者の呼吸器の周りの濃度を安全濃度範囲内に調節しながら睡眠に困っている使用者が吸引する空気の二酸化炭素濃度を一時的に高めることによって、使用者に最適化された睡眠環境を提供することができる。
【0090】
以下では、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置について説明する。以下では、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムとの相違点をより具体的に説明し、説明しなかった内容は本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導システムで説明した内容と同じすることもある。
【0091】
図4aは、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略正面図である。
図4bは、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略側面図である。
図4cは、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略背面図である。
【0092】
図5および
図6は、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の流路部が展開されて噴射部で噴射部が排出されることを順次的に示した図である。
【0093】
図7は、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略斜視図である。
図8は、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の概略断面図である。
図9は、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置の一部のハウジングを除去して、内部を観察することができるように示した斜視図である。
【0094】
図1、
図4~
図9を参照すると、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000は、ハウジング610および固定部620を含むことができる。前記ハウジング610は前記混合気体生成部100を含むことができる。前記混合気体生成部100は、供給される二酸化炭素(CO
2)と空気を混合して前記二酸化炭素の濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成することができる。前記混合気体生成部100に対してはより具体的に後述する。
【0095】
前記固定部620は、前記ハウジング610と連結され、二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000を固定することができる。前記固定部620の幅は前記ハウジング610の幅より広いこともある。ただし、これに限定されるのではなく、前記固定部620は、二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000を固定することができれば、幅、形状などを特に限定しない。
【0096】
前記ハウジング610および前記固定部620は一体である。ただし、これに限定されず、前記ハウジング610および前記固定部620は、別個や、互いに締結される可能性がある。
【0097】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000は、前記混合気体生成部100および前記排出部200を含むことができる。
【0098】
前記混合気体生成部100は前記ハウジング610の内部に受容される。前記混合気体生成部100は前記供給部110および前記混合部120を含むことができる。前記混合気体生成部100は前記貯蔵部130を含むことができる。前記混合気体生成部100は外部空気流入部140を含むことができる。
【0099】
前記供給部110は、内部に二酸化炭素を貯蔵し、混合部120に二酸化炭素を供給することができる。前記供給部110は、前記ハウジング610の内部に受容されることができる。前記供給部110は、前記外部空気流入部140および前記混合部120の下部に提供されることができる。
【0100】
前記供給部110は、RFID(Radio-Frequency Identification)を含むことができる。これにより、前記供給部110が本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000に使用されるのに適切なのか、例えば、本物であるかどうかを確認することができる。
【0101】
前記供給部110は、二酸化炭素を供給する過程で内部に貯蔵された二酸化炭素を減少することができる。したがって、前記供給部110が使い捨てである場合には供給部110の交替が可能なように、供給部110は混合部120に着脱または分離可能に連結される構造でありうる。また、前記供給部110が再充填可能な繰返し用である場合には供給部110に二酸化炭素を注入可能な構造でありうる。
【0102】
前記供給部110は、二酸化炭素を供給するための配管140を介して混合部120に連結されることができ、前記配管140の上には二酸化炭素の流量を調節するためのバルブ145が設けられて配管140の開閉制御が可能である。
【0103】
例えば、前記バルブ145は制御部400により電磁的に開閉が制御されるソレノイドバルブであってもよい。制御部400はバルブ145の開度を調節して混合部120に供給される二酸化炭素の流量を制御することができる。
【0104】
前記外部空気流入部140は、外部から外部空気を提供される。「外部」は前記ハウジング610の外部を意味することもある。前記外部空気流入部140は、例えば、前記ハウジング610にペンの形で設けられることができる。前記外部空気流入部140は、前記混合部120に外部空気を提供することができる。
【0105】
前記混合部120は、前記供給部110から二酸化炭素を供給され、供給された二酸化炭素と前記外部空気流入部140から提供された外部空気を混合して二酸化炭素濃度が混合部基準30,000~100,000ppmまたは3~10 %、使用者吸気基準15,000~25,000ppmまたは1.5~2.5%を満足する混合気体を生成することができる。
【0106】
前記混合部120はハウジング610の内部に受容されることができる。前記混合部120は、前記外部空気流入部140および前記供給部110の間に提供されることができる。前記混合部120は前記排出部200と連結される。前記混合部120は前記流路部210と連結されて、混合空気を提供することができる。
【0107】
前記混合部120は、内部に収容空間が用意されたハウジング構造で構成され、二酸化炭素および外部空気を混合することができる。
図8を参照すると、前記貯蔵部130と一体でありうる。すなわち、前記混合部120は混合気体を生成し、生成された混合気体を収容したり貯蔵したりすることができる。
【0108】
独立的な実験の結果、使用者吸気基準として空気中の二酸化炭素の濃度が1.5~2.5%を満足する場合、使用者に眠気を誘発して睡眠誘導が可能になることを確認した。
【0109】
本発明の一実施形態によれば、混合気体が使用者の顔面に提供されるか、または噴射される過程で、拡散によって濃度が薄くなることを考慮して、前記混合部120で二酸化炭素の濃度が30,000~100,000ppmまたは3~10%を満足する混合気体を生成することによって、噴射部220から14~21cmだけ離れた使用者の顔面に二酸化炭素濃度が1.5~2.5%である混合気体を提供することができる。
【0110】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置10は、米国労働安定庁および韓国を含む世界各国の政府から指定された二酸化炭素の露出安全濃度(以下、「安全濃度」)TWA-5,000/STEL-30,000の範囲内で混合気体を生成する。「TWA-5,000」は平均5,000ppm以下で8時間以下に、「STEL-30,000」は30,000ppmで15分以下に露出するのを意味する。
【0111】
すなわち、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000の前記混合部120は安全濃度範囲内で混合気体を生成する。また、本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000は、前記排出部200により、使用者に前記混合気体を提供して、使用者の呼吸器の周りの濃度を安全濃度範囲内に調節しながら使用者に最適化された睡眠環境を提供することができる。
【0112】
前記排出部200は、例えば、接触式、短距離噴射式、および長距離噴射式のうち少なくとも一つの方式で混合気体を使用者の顔面に噴射することができる。前記排出部200が接触式で混合気体を噴射する場合、前記排出部200はマスクを利用して混合気体を噴射することができる。前記排出部200が短距離噴射式で混合気体を噴射する場合、前記排出部200は使用者の腕や外部の外力を利用して混合気体を噴射することができる。前記排出部200が長距離噴射式で混合気体を噴射する場合、前記排出部200は加湿器で気体が噴射される方式で混合気体を噴射することができる。
【0113】
図示されていないが、前記排出部200は前記排出部200から排出される混合気体の温度および湿度のうち少なくとも一つを調節する温湿度調節部を含むことができる。例えば、前記排出部200から排出される混合気体の温度は、例えば、熱線によって調節されることができる。例えば、前記排出部200から排出される混合気体の湿度は、加湿器によって調節されることができる。
【0114】
前記排出部200は、混合気体を移動させるための流路部210と、前記流路部210を介して渡される混合気体を噴射するための噴射部220と、を含むことができる。
【0115】
前記流路部210は、前記噴射部220と使用者の顔面との間の設定距離dを調節するか、または維持させられるように伸縮または形状変更可能な構造でありうる。
図5~
図6を参照すると、前記流路部210はヒンジを介して曲がることができる。
図5~
図6では、前記流路部210が一度曲がるのを例示したが、前記流路部210は二度以上の複数回曲がることもできる。
【0116】
前記流路部210は、例えば、使用者が利用しない時には曲がって前記ハウジング610の側部に受容されて、占める空間を減らすことができる。例えば、前記流路部210は、使用者の使用時に、前記ハウジング610の側部から離れて、
図6に示された形態で使用することができる。この時、前記噴射部220と使用者の顔面との間の距離は前記流路部210の位置を調節して設定することができる。
【0117】
前記流路部210は、一端が前記混合部120に連結され、他端が前記噴射部220に連結され、その内部に用意された流路を介して混合気体を前記噴射部220に移動させることができる。前記流路部210は、例えば、内部に混合気体提供管を含み、混合気体を前記噴射部220に移動させることができる。
【0118】
前記噴射部220は、前記流路部210の他端に連結され、前記流路部210を介して伝達された混合気体を使用者の顔面に向かって噴射することができる。
【0119】
前記噴射部220は、混合気体を噴射する少なくとも一つ以上の噴射口221を有することができる。
【0120】
前記噴射部220は、流路部210に連結されて使用者の顔面から設定距離dだけ離れている非接触状態であり、このような非接触による噴射を介して使用者に不便さや不快感を誘発しないで睡眠を誘導することができる。
【0121】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000は、前記センサー部300および前記制御部400を含むことができる。
【0122】
前記センサー部330は、距離測定センサー310、濃度測定センサー320および睡眠状態感知センサー330を含むことができる。
【0123】
例えば、前記センサー部330は、一方側に前記噴射部220が提供される前記流路部210の他方に提供されることができる。
【0124】
図示されていないが、前記センサー部300は使用者が睡眠状態または非睡眠状態である場合、使用者の生体指標を把握できる生体指標センサー部をさらに含むことができる。例えば、前記生体指標センサー部は使用者の心拍数、血圧などを測定することができる。前記生体指標センサー部は接触式または非接触式でありうる。前記生体指標センサー部が接触式である場合、前記生体指標センサー部は、例えば、使用者と接触する接触センサーでありうる。前記生体指標センサー部が非接触式である場合、前記生体指標センサー部は、例えば、使用者と接触しない非接触式レーダーでありうる。
【0125】
前記生体指標センサー部が使用者の生体指標をセンシングすると、前記制御部400は使用者の生体指標に基づいて使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを把握することができる。必要な場合、前記生体指標センサー部は使用者の睡眠状態を確認できるカメラと連動して、前記制御部400に使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを提供することができる。この時、前記二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム10は使用者の睡眠状態を確認できるカメラをさらに含むことができる。
【0126】
前記制御部400は、使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを把握した後、病院訪問などが必要なのかなど、使用者に必要な個別のフィードバックを提供することができる。
【0127】
図示されていないが、前記センサー部300は使用者の音声を認識できる音声認識部を含むことができる。例えば、前記音声認識部が使用者の音声を認識すると、前記制御部400は使用者の音声により、濃度調節、電源のオンオフなどの機能を実行することができる。前記音声認識部は、例えば、人工知能スピーカーでありうる。
【0128】
図示されていないが、前記音声認識部で認識された第1使用者の音声は音声録音部に録音されることができる。前記音声録音部に録音された第1使用者の音声は前記制御部400に提供され、第1使用者または第2使用者の睡眠時に提供されることができる。例えば、赤ん坊の両親は前記音声認識部および前記音声録音部を通じて、音声を録音することができる。前記制御部400は、赤ん坊の睡眠時に、録音された赤ん坊の両親の音声(例えば、両親の子守唄)を赤ん坊に提供して赤ん坊の睡眠を助けることができる。
【0129】
第1使用者の音声は、外部端末50、例えば、携帯電話などに設置されたアプリを介して録音され、第1使用者または第2使用者の睡眠時に提供されることもできる。
【0130】
前記制御部400は、測定された前記二酸化炭素濃度に基づいて前記混合気体生成部100で生成される混合気体の二酸化炭素濃度を設定範囲内に調節する。
【0131】
図示されていないが、前記制御部400は使用者それぞれに最適化された混合気体の濃度を決定し、それに応じて、混合気体の濃度を調節することができる。前記制御部400は、使用者それぞれに最適化された混合気体の濃度を決定する際に、使用者の性別、年齢、身長、体重などの要素のうち少なくとも一つを考慮することができる。
【0132】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000は、前記混合部120において安全濃度範囲内で混合気体を生成し、前記排出部200により、使用者に前記混合気体を提供して、使用者の呼吸器の周りの濃度を安全濃度範囲内に調節しながら睡眠に困っている使用者が吸引する空気の二酸化炭素濃度を一時的に高めることによって、使用者に最適化された睡眠環境を提供することができる。
【0133】
以上により、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で様々に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される二酸化炭素と空気を混合して二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合気体生成部と、
前記混合気体を使用者の顔面から離れた位置で噴射する排出部と、
噴射される前記混合気体の二酸化炭素濃度を測定する濃度測定センサーと、
測定された前記二酸化炭素濃度に基づいて前記混合気体生成部で生成される混合気体の二酸化炭素濃度を設定範囲の以内に調節する制御部と、を備え
、
前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、使用者吸引基準は15,000~25,000ppmである二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項2】
前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、前記混合気体生成部の混合部基準は30,000~100,000ppmであ
る請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項3】
前記混合気体生成部は、
前記二酸化炭素を供給する供給部と、
前記供給部から供給された二酸化炭素を空気と混合して前記混合気体を生成する混合部と、
前記混合気体を収容する貯蔵部と、を含み、
前記制御部は、前記混合気体の二酸化炭素濃度を調節するために、前記供給部から混合部に供給される二酸化炭素の流量を制御するか、または外部からの空気の流入量を制御する請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項4】
前記供給部は、前記混合部に着脱可能に連結される構造を備える請求項3に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項5】
前記排出部は、前記混合気体の移動通路を提供する流路部と、前記流路部を通じて伝達された前記混合気体を使用者の顔面に向かって噴射する少なくとも一つ以上の噴射口を有する噴射部と、を含み、
前記流路部は、前記噴射部と使用者の顔面までの離隔距離を調節できるように伸縮または形状変更可能である請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項6】
前記噴射部の一方側には、噴射部と使用者の顔面との間の距離を測定する距離測定センサーが設けられ、
前記制御部は、距離測定信号に基づいて混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定する請求項5に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項7】
前記濃度測定センサーは、前記噴射部の一方側または流路部の一部に設けられている請求項5に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項8】
前記使用者の睡眠状態を感知する睡眠状態感知センサーをさらに備え、
前記睡眠状態感知センサーは、前記混合気体が設定時間の間に噴射された後に前記使用者の睡眠状態を感知し、
前記制御部は、睡眠状態感知信号が伝達されて使用者が睡眠状態であると判断すると、前記混合気体の噴射を終了させ、使用者が睡眠状態ではないと判断すると、前記混合気体の噴射時間を延長させる請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項9】
噴射された前記混合気体の二酸化炭素の濃度を低くするための固体酸素を貯蔵し、前記固体酸素を周辺に広くまき散らすための拡散ファンを有する浄化部をさらに含み、
前記制御部は、前記混合気体の噴射が終了すると、前記浄化部の拡散ファンを駆動させて前記固体酸素を使用者の周辺に拡散させる請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項10】
前記制御部は、外部端末にデータ信号を送受信できる通信部を含み、
前記制御部は、前記外部端末から受信した信号により前記混合気体の二酸化炭素濃度の範囲を設定する請求項1に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導システム。
【請求項11】
外部からの外部空気の提供を受ける外部空気流入部と、
前記外部空気流入部の下部に配置され、二酸化炭素を供給する供給部と、
前記外部空気流入部および前記供給部の間に配置され、前記供給部から供給された二酸化炭素を空気と混合して、二酸化炭素濃度が設定範囲を満足する混合気体を生成する混合部と、
前記
混合部と連結され、前記混合部から前記混合気体を提供されて使用者の顔面から離れた位置
で前記混合気体を噴射する排出部と、を含
み、
前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、使用者吸引基準は15,000~25,000ppmである二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項12】
前記二酸化炭素濃度の設定範囲として、前記混合部の基準は30,000~100,000ppmであ
る請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項13】
前記供給部は、前記混合部に着脱可能に連結される構造を有する請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項14】
前記排出部は、前記混合部と連結されて前記混合気体の移動通路を提供する流路部と、前記流路部を通じて伝達された前記混合気体を使用者の顔面に向かって噴射する少なくとも一つ以上の噴射口を有する噴射部と、を含む請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項15】
前記流路部は、前記噴射部から使用者の顔面までの離隔距離を調節することができるように伸縮または形状変更可能である請求項14に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項16】
前記排出部は、前記噴射部と使用者の顔面との間の距離を測定する距離測定センサーをさらに含む請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【請求項17】
前記供給部および前記混合部を内部に収容するハウジングと、
前記ハウジングと連結され、前記睡眠誘導装置を固定できる固定部と、をさらに含む請求項11に記載の二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
前記供給部110は、二酸化炭素を供給するための配管150を介して混合部120に連結されることができ、前記配管150の上には二酸化炭素の流量を調節するためのバルブ145が設けられて配管150の開閉制御が可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
前記供給部110は、二酸化炭素を供給するための配管150を介して混合部120に連結されることができ、前記配管150の上には二酸化炭素の流量を調節するためのバルブ145が設けられて配管150の開閉制御が可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
本発明の一実施形態による二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置1000は、米国労働安定庁および韓国を含む世界各国の政府から指定された二酸化炭素の露出安全濃度(以下、「安全濃度」)TWA-5,000/STEL-30,000の範囲内で混合気体を生成する。「TWA-5,000」は平均5,000ppm以下で8時間以下に、「STEL-30,000」は30,000ppmで15分以下に露出するのを意味する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
前記センサー部300は、距離測定センサー310、濃度測定センサー320および睡眠状態感知センサー330を含むことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
例えば、前記センサー部300は、一方側に前記噴射部220が提供される前記流路部210の他方に提供されることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
前記生体指標センサー部が使用者の生体指標をセンシングすると、前記制御部400は使用者の生体指標に基づいて使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを把握することができる。必要な場合、前記生体指標センサー部は使用者の睡眠状態を確認できるカメラと連動して、前記制御部400に使用者の睡眠パターン、睡眠の質などを提供することができる。この時、前記二酸化炭素を利用した睡眠誘導装置10は使用者の睡眠状態を確認できるカメラをさらに含むことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】