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特表2022-519530L-ピログルタミン酸からDONプロドラッグを調製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】L-ピログルタミン酸からDONプロドラッグを調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 5/062 20060101AFI20220316BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20220316BHJP
   A61K 31/655 20060101ALI20220316BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
C07K5/062
A61K38/05
A61K31/655
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544504
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(85)【翻訳文提出日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 US2020017748
(87)【国際公開番号】W WO2020167829
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/074800
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521315814
【氏名又は名称】ドラセン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ローソン ジョン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ワイルド ロバート クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ イーヤン
(72)【発明者】
【氏名】チュウ ジンシャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ジンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー パヴェル
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA30
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA14
4C084CA59
4C084NA07
4C084NA15
4C084ZB26
4C084ZC42
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC14
4C086GA15
4C086GA16
4C086NA07
4C086NA15
4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA11
4H045FA50
4H045FA57
4H045GA21
(57)【要約】
本開示は、式Iの化合物を化学純度95%超および鏡像体過剰率95%超で調製する方法を提供するものであり、式中、R1はC1~C4アルキルであり; R2はC1~C4アルキルであり; R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
を調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a) 式IIの化合物
と式IIIの化合物
とを、溶媒中、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキル、カルボジイミド、および塩基の存在下、温度約0℃~約40℃で反応させる工程であって、式中、
R1はC1~C4アルキルであり、
R2はC1~C4アルキルであり、
R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される、工程; ならびに
(b) 式Iの化合物を単離する工程。
【請求項2】
溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
カルボジイミドがN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキルがシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルである、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
塩基が2,4,6-トリメチルピリジンである、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
温度が約0℃~約40℃である、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
式IIを有する化合物の立体変異が約2%未満である、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
式IIIを有する化合物の立体変異が約2%未満である、請求項1~8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
式IVの化合物
と脱保護剤とを、溶媒中、温度約-5℃~約30℃で反応させる工程により、式IIの化合物が得られ、式IV中、
R1はC1~C4アルキルであり、
PGは保護基である、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、tert-ブチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、およびメチルカルバメートからなる群より選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニルである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
脱保護剤が、ピペリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、およびトリメチルアミンからなる群より選択される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
溶媒が、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジクロロメタンからなる群より選択される、請求項10~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
溶媒がジクロロメタンである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
温度が約5℃~約15℃である、請求項10~15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
式Iの化合物がシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離される、請求項1~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
式Iの化合物が、式Iの化合物を生じさせるための再結晶により単離される、請求項1~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
式Vの化合物
とジアゾ試薬とを、溶媒中、有機リチウム試薬の存在下、温度約-120℃~約-40℃で反応させる工程により、式IVの化合物が得られ、式V中、
R1はC1~C4アルキルであり、
PGは保護基である、
請求項10~18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルからなる群より選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニルである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
ジアゾ試薬が(R4a)(R4b)(R4c)SiCHN2であり、式中、R4a、R4b、およびR4cはそれぞれ独立してC1~C4アルキルである、請求項19~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
ジアゾ試薬がトリメチルシリルジアゾメタンである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
有機リチウム試薬がC1~C6アルキルリチウム試薬である、請求項19~23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
C1~C6アルキルリチウム試薬がn-ブチルリチウムである、請求項24記載の方法。
【請求項26】
溶媒が、テトラヒドロフランおよび2-メチルテトラヒドロフランからなる群より選択される、請求項19~25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
溶媒がテトラヒドロフランである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
温度が約-90℃~約-55℃である、請求項19~27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
有機リチウム試薬が、溶媒中のジアゾ試薬と式Vの化合物との混合物に添加される、請求項19~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
式VIの化合物
と式VIIの化合物
PG-X VII
とを、溶媒中、温度約-100℃~約-60℃で反応させる工程により、式Vの化合物が得られ、式VIおよびVII中、
R1はC1~C4アルキルであり、
Xは、-Cl、-Br、-I、-O-スクシンイミド、-O-1,2,3-ベンゾトリアゾール、および-O-アリールからなる群より選択され、
PGは保護基である、
請求項19~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニルである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
溶媒がテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、およびジメトキシエタンである、請求項30~32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
溶媒がテトラヒドロフランである、請求項33記載の方法。
【請求項35】
温度が約-85℃~約-75℃である、請求項30~34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
L-ピログルタミン酸をR1OHでエステル化する工程により、式VIの化合物が得られ、該R1OH中、R1はC1~C4アルキルである、請求項28~35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
エステル化工程が、カルボジイミドの存在下、温度約5℃~約50℃で行われる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
カルボジイミドがN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである、請求項37記載の方法。
【請求項39】
エステル化工程が、酸の存在下、温度約25℃~約100℃で行われる、請求項36記載の方法。
【請求項40】
酸が、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルホン酸樹脂、硫酸、および塩酸からなる群より選択される、請求項39記載の方法。
【請求項41】
酸がp-トルエンスルホン酸である、請求項40記載の方法。
【請求項42】
温度が約80℃である、請求項37~41のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
R1がイソプロピルである、請求項1~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
R2がメチルである、請求項1~9または43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
R3が、以下
からなる群より選択される、請求項1~9、43、または44のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
R3
である、請求項45記載の方法。
【請求項47】
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが収率約35~90%以上で得られる、請求項1~46のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが化学純度約98%以上で得られる、請求項1~47のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが約98% ee以上で得られる、請求項1~48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
6.6、13.3、18.3、20.0、23.4、および25.8°2θに粉末X線回折ピークを有することを特徴とする、結晶性(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン(DON)は、前臨床モデルにおいてがんなどの種々の疾患を処置するために有望な活性を示すグルタミンアンタゴニストである。例えばAhluwalia et al., Pharmac The. 46:243-371 (1990)(非特許文献1)を参照。しかし、DONの臨床開発は、ヒトにおける、特に腸上皮中でのその用量制限毒性により妨げられている。例えばRosenfeld and Roberts, Cancer Research 41:1324-1328 (1981)(非特許文献2)およびLynch et al., Am J Clin Oncol (CCT) 5:541-543 (1982)(非特許文献3)を参照。DONをプロドラッグとして投与することは、この毒性を軽減することに役立つ可能性がある。
【0002】
WO 2017/023774(特許文献1)では、イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよび他のDONプロドラッグ、ならびにこれらのプロドラッグを作製する方法が開示されている。DONプロドラッグはがん、認知障害、代謝再プログラム化障害、および他の疾患を処置するために使用可能である。WO 2017/023793(特許文献2)、WO 2017/023791(特許文献3)、およびWO 2017/023787(特許文献4)を参照。
【0003】
DONプロドラッグを調製する方法の改良の必要性が存在する。イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびエチル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが、このプロセスにおいて使用可能な推定上の合成中間体である。しかし、これらの化合物は穏和な条件下で環化してそれぞれイソプロピル (S)-5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレートおよびエチル (S)-5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレートを生じさせる。WO 2017/023774(特許文献1)を参照。イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびエチル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートの化学的不安定性により、特に、他の機構によりそれらが環化および/または分解されるという傾向とは両立しない反応条件を必要としうる大規模合成において、合成中間体としてのそれらの有用性が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 2017/023774
【特許文献2】WO 2017/023793
【特許文献3】WO 2017/023791
【特許文献4】WO 2017/023787
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ahluwalia et al., Pharmac The. 46:243-371 (1990)
【非特許文献2】Rosenfeld and Roberts, Cancer Research 41:1324-1328 (1981)
【非特許文献3】Lynch et al., Am J Clin Oncol (CCT) 5:541-543 (1982)
【発明の概要】
【0006】
発明の簡単な概要
本出願人は、予想外にも、イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートとアセチル-L-トリプトファンとをシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルおよびカルボジイミド、例えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、またはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)の存在下で反応させることで、イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを高い化学純度および高い鏡像体過剰率で得ることができることを発見した。
【0007】
一局面では、本開示は式Iの化合物を調製する方法を提供する:
式中、R1はC1~C4アルキルであり; R2はC1~C4アルキルであり; R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される。
【0008】
別の局面では、本開示は、式Iの化合物を化学純度95%超および鏡像体過剰率95%超で調製する方法を提供する。
【0009】
別の局面では、本開示は、イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを化学純度95%超および鏡像体過剰率95%超で調製する方法を提供する。
【0010】
別の態様では、本開示は、(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートの結晶形を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】イソプロピル (S)-2-((R)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびイソプロピル (R)-2-((R)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを含む試料のキラル分解能を示すキラルHPLCクロマトグラムである。
図2】イソプロピル (R)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートおよびイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを含む試料のキラル分解能を示すキラルHPLCクロマトグラムである。
図3】実施例5に記載の合成方法により得られた化合物5(イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート)の鏡像体過剰率(ee)を示すキラルHPLCクロマトグラムである。
図4】実施例1、表1、項目4に記載の合成方法により得られた化合物1の鏡像体過剰率(ee)を示すキラルHPLCクロマトグラムである。
図5】ラセミ化合物1のキラル分解能を示すキラルHPLCクロマトグラムである。
図6】化合物5((イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート)のXRPDディフラクトグラムである。
図7】化合物5((イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート)のDCSサーモグラムである。
図8】化合物5((イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート)の1H NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
一態様では、本開示は、式Iの化合物
[式中、R1はC1~C4アルキルであり; R2はC1~C4アルキルであり; R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される]
を調製する方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
式IIの化合物
[式中、R1はC1~C4アルキルである]と式IIIの化合物
[式中、R2はC1~C4アルキルであり; R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される]とを、溶媒中、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキルまたはその塩、カルボジイミド、および塩基の存在下、温度約0℃~約40℃で反応させる工程。
【0013】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、本方法は、式Iの化合物を単離する工程をさらに含む。
【0014】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、本方法は、式Iの化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離する工程をさらに含む。別の態様では、溶離液はメタノールを含む。別の態様では、溶離液はジクロロメタンを含む。
【0015】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、本方法は、式Iの化合物を再結晶溶媒中で再結晶により単離する工程をさらに含む。再結晶生成物は当技術分野において公知である任意の方法を使用して、例えば濾過または遠心分離によって収集可能である。別の態様では、再結晶溶媒はメタノールを含む。別の態様では、再結晶溶媒はジクロロメタンを含む。
【0016】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、溶媒は、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる群より選択される。別の態様では、溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドである。
【0017】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、カルボジイミドはN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである。別の態様では、カルボジイミドはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである。
【0018】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキルはシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルである。シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルはOxymaPure(登録商標)としても知られている。別の態様では、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキルは(ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチルカリウム塩である。(ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチルカリウム塩はK-OxymaPure(登録商標)としても知られている。
【0019】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、塩基は2,4,6-トリメチルピリジンである。
【0020】
式Iの調製方法に関する別の態様では、温度は約0℃~約40℃である。
【0021】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、式IIの化合物の立体変異は約2%未満である。別の態様では、式IIを有する化合物の立体変異は約1%未満である。
【0022】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、式IIIの化合物の立体変異は約2%未満である。別の態様では、式IIIを有する化合物の立体変異は約1%未満である。
【0023】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、式Iの化合物は約95% ee以上(キラルHPLCにより確定)で得られる。別の態様では、式Iの化合物は約96% ee以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は約97% ee以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は約98% ee以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は約99% ee以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は99.5% ee以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は99.8% ee以上で得られる。
【0024】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、式Iの化合物は化学純度(HPLCにより確定)約95%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学純度約96%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学純度約97%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学純度約98%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学純度約99%以上で得られる。
【0025】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、式Iの化合物は化学収率約50%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約55%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約60%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約65%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約70%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約75%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約80%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約85%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約90%以上で得られる。別の態様では、式Iの化合物は化学収率約95%以上で得られる。
【0026】
式Iの化合物の調製方法に関する別の態様では、式II、例えばイソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートは出発原料として100g以上の量で使用される。別の態様では、式IIは出発原料として250g以上の量で使用される。別の態様では、式IIは出発原料として500g以上の量で使用される。別の態様では、式IIは出発原料として1000g以上の量で使用される。
【0027】
別の態様では、本開示は、式IIの化合物
を調製する方法であって、式IVの化合物
と脱保護剤とを、溶媒中、温度約-5℃~約30℃で反応させる工程を含み、式中、R1はC1~C4アルキルであり、PGは保護基である、方法を提供する。
【0028】
式IIの化合物の調製方法に関する別の態様では、PGは、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、カルボキシベンジル(CBz)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、およびメチルカルバメートからなる群より選択される。
【0029】
式IIの化合物の調製方法に関する別の態様では、PGはフルオレニルメチルオキシカルボニルである。
【0030】
式IIの化合物の調製方法に関する別の態様では、脱保護剤は、ピペリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、およびトリメチルアミンからなる群より選択される。
【0031】
式IIの化合物の調製方法に関する別の態様では、溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジクロロメタンからなる群より選択される。別の態様では、溶媒はジクロロメタンである。
【0032】
式IIの化合物の調製方法に関する別の態様では、温度は約5℃~約15℃である。
【0033】
別の態様では、本開示は、式IVの化合物
を調製する方法であって、式Vの化合物
とジアゾ試薬とを、溶媒中、有機リチウム試薬の存在下、温度約-120℃~約-40℃で反応させる工程を含み、式中、R1はC1~C4アルキルであり、PGは保護基である、方法を提供する。
【0034】
式IVの化合物の調製方法に関する別の態様では、PGは、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルからなる群より選択される。別の態様では、PGはフルオレニルメチルオキシカルボニルである。
【0035】
式IVの化合物の調製方法に関する別の態様では、ジアゾ試薬は(R4a)(R4b)(R4c)SiCHN2であり、式中、R4a、R4b、およびR4cはそれぞれ独立してC1~C4アルキルである。別の態様では、ジアゾ試薬はトリメチルシリルジアゾメタンである。
【0036】
式IVの化合物の調製方法に関する別の態様では、有機リチウム試薬はC1~C6アルキルリチウムである。別の態様では、有機リチウム試薬はn-ブチルリチウムまたはメチルリチウムである。
【0037】
式IVの化合物の調製方法に関する別の態様では、溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ヘキサン、およびヘプタン、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される。別の態様では、溶媒はテトラヒドロフランである。
【0038】
式IVの化合物の調製方法に関する別の態様では、温度は約-90℃~約-50℃である。別の態様では、温度は約-65℃である。
【0039】
式IVの化合物の調製方法に関する別の態様では、有機リチウム試薬が、溶媒中のジアゾ試薬と式Vの化合物との混合物に添加される。
【0040】
別の態様では、本開示は、式Vの化合物
を調製する方法であって、式VIの化合物
と式VIIの化合物
PG-X VII
とを、溶媒中、温度約-100℃~約-60℃で反応させる工程を含み、式中、R1はC1~C4アルキルであり; Xは脱離基であり、例えば、Xは、-Cl、-Br、-I、-O-スクシンイミド、-O-1,2,3-ベンゾトリアゾール、および-O-アリール、例えばペンタフルオロフェニルからなる群より選択され; PGは保護基である、方法を提供する。
【0041】
式Vの化合物の調製方法に関する別の態様では、PGは、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルからなる群より選択される。別の態様では、PGはフルオレニルメチルオキシカルボニルである。
【0042】
式Vの化合物の調製方法に関する別の態様では、溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、およびジメトキシエタンからなる群より選択される。別の態様では、溶媒はテトラヒドロフランである。
【0043】
式Vの化合物の調製方法に関する別の態様では、温度は約-85℃~約-75℃である。
【0044】
式Vの化合物の調製方法に関する別の態様では、式VIの化合物と式VIIとの反応工程は塩基、例えばリチウム塩基またはマグネシウム塩基の存在下で行われる。一態様では、塩基はリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)である。
【0045】
別の態様では、本開示は、式VIの化合物
を調製する方法であって、L-ピログルタミン酸とR1OHとを反応させる工程を含み、式中、R1はC1~C4アルキルである、方法を提供する。
【0046】
式VIの化合物の調製方法に関する別の態様では、反応工程は、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)またはカルボジイミドの存在下、温度約5℃~約50℃で行われる。別の態様では、カルボジイミドはN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである。
【0047】
式VIの化合物の調製方法に関する別の態様では、反応工程は、酸の存在下、温度約25℃~約100℃で行われる。別の態様では、酸は、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルホン酸樹脂、硫酸、および塩酸からなる群より選択される。別の態様では、酸はp-トルエンスルホン酸である。別の態様では、温度は約80℃である。
【0048】
別の態様では、本開示は、R1がイソプロピルである式I、II、IV、V、またはVIを調製する方法を提供する。
【0049】
別の態様では、本開示は、R2がメチルである式Iを調製する方法を提供する。
【0050】
別の態様では、本開示は、R3が、以下
からなる群より選択される、式Iを調製する方法を提供する。
【0051】
別の態様では、R3
である。
【0052】
別の態様では、本開示は、イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを収率約50%以上で調製する方法であって、イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートとアセチル-L-トリプトファンとをシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルおよびN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させる工程を含む方法を提供する。別の態様では、収率は約55%以上である。別の態様では、収率は約60%以上である。別の態様では、収率は約65%以上である。別の態様では、収率は約70%以上である。別の態様では、収率は約75%以上である。別の態様では、収率は約80%以上である。別の態様では、収率は約85%以上である。別の態様では、収率は約90%以上である。別の態様では、収率は約95%以上である。
【0053】
別の態様では、本開示は、イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを化学純度約95%以上で調製する方法であって、イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートとアセチル-L-トリプトファンとをシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルおよびN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させる工程を含む方法を提供する。別の態様では、化学純度は約96%以上である。別の態様では、化学純度は約97%以上である。別の態様では、化学純度は約98%以上である。別の態様では、化学純度は約99%以上である。
【0054】
別の態様では、本開示は、イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートを約95% ee以上で調製する方法であって、イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートとアセチル-L-トリプトファンとをシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルおよびN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させる工程を含む方法を提供する。別の態様では、eeは約96%以上である。別の態様では、eeは約97%以上である。別の態様では、eeは約98%以上である。別の態様では、eeは約99%以上である。
【0055】
別の態様では、本開示は、L-ピログルタミン酸から以下のスキームに従って式Iの化合物を調製する方法を提供する:
式中、R1はC1~C4アルキルであり; R2はC1~C4アルキルであり; R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択され; PGは保護基であり、工程1~5の試薬および条件は式I、II、IV、V、およびVIの調製方法に関して先に記載されている。
【0056】
別の態様では、本開示は、6.6、13.3、18.3、20.0、23.4、および25.8°2θに粉末X線回折(PXRD)ピークを有することを特徴とする、(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートの結晶形を提供する。別の態様では、本開示は、図6と実質的に同じであるPXRDパターンを有することを特徴とする、(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートの結晶形を提供する。別の態様では、本開示は、表7に列挙されるPXRDピークおよび/または相対強度のうち任意の3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上を有することを特徴とする、(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートの結晶形を提供する。
【0057】
定義
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「ハロ」という用語は-Cl、-F、-Br、または-Iを意味する。
【0058】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「ニトロ」という用語は-NO2を意味する。
【0059】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「シアノ」という用語は-CNを意味する。
【0060】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「ヒドロキシ」という用語は-OHを意味する。
【0061】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖脂肪族炭化水素、すなわちC1~C6アルキル、または所定数の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖脂肪族炭化水素、例えばメチルなどのC1アルキル、エチルなどのC2アルキルなどを意味する。一態様では、アルキルはC1~C10アルキルである。別の態様では、アルキルはC1~C6アルキルである。別の態様では、アルキルはC1~C4アルキル、すなわちメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである。
【0062】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「アルコキシ」という用語は、末端酸素原子に結合したアルキル基を意味する。一態様では、アルキルはC1~C4アルキル基である。非限定的で例示的なアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、およびtert-ブトキシが挙げられる。
【0063】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「(アリール)アルキル」という用語は、1個の置換されていてもよいアリール基で置換されたアルキルを意味する。一態様では、アリールは置換されていてもよいフェニルである。別の態様では、アルキルはC1~C4アルキルである。別の態様では、アルキルはC1またはC2アルキルである。非限定的で例示的な(アリール)アルキル基としてはベンジルおよび4-OH-ベンジルが挙げられる。
【0064】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「アリール」という用語はフェニル基(「Ph」と略す)またはナフチル基を意味する。別の態様では、アリール基はフェニルである。
【0065】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「置換されていてもよいアリール」という用語は、置換されていないかまたはそれぞれ独立してハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-NH2、C1~C4アルキル、もしくはC1~C4アルコキシである1~5個の置換基で置換されているフェニル基またはナフチル基を意味する。非限定的で例示的な置換されていてもよいアリール基としては4-フルオロフェニルおよび4-OH-フェニルが挙げられる。
【0066】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「(ヘテロアリール)アルキル」という用語は、1個の置換されていてもよいアリール基で置換された5~14員ヘテロアリール基を意味する。一態様では、アルキル基は1個の置換されていてもよい5~9員ヘテロアリール基で置換されている。別の態様では、アルキル基はC1~C4アルキルである。別の態様では、アルキル基はC1またはC2アルキルである。
【0067】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含む、5~14個の環員を有する単環式および二環式芳香環系、すなわち5~14員ヘテロアリールを意味する。各ヘテロ原子は独立して酸素、硫黄、または窒素である。一態様では、ヘテロアリールは3個のヘテロ原子を有する。別の態様では、ヘテロアリールは2個のヘテロ原子を有する。別の態様では、ヘテロアリールは1個のヘテロ原子を有する。別の態様では、ヘテロアリールは5~9員ヘテロアリールである。非限定的で例示的なヘテロアリール基としてはチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、およびインダゾリルが挙げられる。
【0068】
本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される「置換されていてもよいヘテロアリール」という用語は、置換されていないかまたは独立してハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-NH2、C1~C4アルキル、もしくはC1~C4アルコキシである1~4個の置換基で置換されているヘテロアリールを意味する。
【0069】
本明細書において使用される「保護基」という用語は、分子の他の官能基または部分に対して反応が行われている間にアミン官能基を遮断する、すなわち保護する基を意味する。当業者は、保護基の選択、結合、および切断を熟知しているであろうし、また、様々な保護基が当技術分野において公知であり、1つの保護基または別の保護基の適合性が特定の企図される合成スキームに依存していることを認識しているであろう。Wuts, "Greene's Protective Groups in Organic Synthesis", 5th Ed., J. Wiley & Sons, Inc., NY, 2014などの本題に関する専門書が参照用に利用可能である。好適な保護基としてはカルボベンジルオキシ(Cbz)基、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)基、およびベンジル(Bn)基が挙げられる。
【0070】
本明細書において使用される「塩基」という用語は有機プロトン受容体を意味する。非限定的な塩基としては非求核性第三級アミン、例えばNEt3、iPr2NEt、N-メチルモルホリン、ならびに窒素含有ヘテロ芳香族基、例えばピリジン、およびピリジン誘導体、例えば2,4,6-コリジンが挙げられる。
【0071】
本明細書において使用される「イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート」という用語は、以下の構造を有する化合物を意味する。
【0072】
本明細書において使用される「エチル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート」という用語は、以下の構造を有する化合物を意味する。
【0073】
本明細書において使用される「イソプロピル (S)-5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレート」という用語は、以下の構造を有する化合物を意味する。
【0074】
本明細書において使用される「エチル (S)-5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレート」という用語は、以下の構造を有する化合物を意味する。
【0075】
本明細書において使用される「アセチル-L-トリプトファン」という用語は、以下の構造を有する化合物を意味する。
【0076】
本明細書において使用される「イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート」という用語は、以下の構造を有する化合物を意味する。
【0077】
本明細書において使用される「立体変異」という用語は、化学的手段によってもたらされるキラル中心における立体配置の変化を意味する。
【0078】
本明細書において使用される「立体異性体」という用語は、空間内の原子の配向のみが異なる個々の分子のすべての異性体の総称である。この用語は、互いの鏡像ではない、2個以上のキラル中心を有する化合物の鏡像異性体および異性体(ジアステレオマー)を含む。
【0079】
「キラル中心」または「不斉炭素原子」という用語は、4個の異なる基が結合している炭素原子を意味する。
【0080】
「鏡像異性体」および「鏡像異性的」という用語は、その鏡像に重ね合わせることができず、したがって光学的に活性である、分子を意味し、ここで、鏡像異性体は偏光面を一方向に回転し、その鏡像化合物は偏光面を反対方向に回転する。
【0081】
「絶対配置」という用語は、キラル分子実体(または基)の原子の空間配置、およびその立体化学的記述、例えばRまたはSを意味する。
【0082】
本明細書において使用される、立体化学に関する用語および命名規則は、別途指示がない限り、Pure & Appl. Chem 68:2193 (1996)に記載のものと一致するように意図されている。
【0083】
「鏡像体過剰率」または「ee」という用語は、一方の鏡像異性体が他方に比べてどの程度多く存在するかの尺度を意味する。RおよびS鏡像異性体の混合物では、鏡像体過剰率パーセントは│R - S│*100として定義され、ここで、RおよびSは、R+S=1である混合物中での鏡像異性体のそれぞれのモル分率または重量分率である。キラル物質の旋光度に関する知見により、鏡像体過剰率パーセントは([α]obs/[α]max)*100として定義され、ここで、[α]obsは鏡像異性体混合物の旋光度であり、[α]maxは純粋鏡像異性体の旋光度である。鏡像体過剰率の確定は、NMR分光法、キラルカラムクロマトグラフィー、または旋光分析を含む種々の分析技術を使用することで可能になる。
【0084】
「a」および「an」という用語は1つまたは複数を意味する。
【0085】
本明細書において使用される「約」という用語は、列挙された数±10%を含む。したがって、「約10」とは9~11を意味する。
【0086】
本明細書において使用される、PXRDピーク位置および/または相対強度に関する「実質的に同じ」という用語は、0.2°超の装置間変動性を示すPXRDディフラクトグラムを比較する際に、ピーク位置および強度の変動性が考慮されることを意味する。相対ピーク強度は、結晶化度、配向、用意された試料表面、および当業者に公知である他の要因による装置間変動性を示しうるものであり、定性的尺度としてのみ見なされるべきである。
【0087】
以下の定義を使用することができる。
【実施例
【0088】
実施例1
イソプロピル (S)-5-オキソピロリジン-2-カルボキシレート(化合物1)の合成
【0089】
スキーム1
【0090】
表1は、スキーム1に記載の化学反応の出発原料および結果を示す。すべての反応をi-PrOH中p-TsOH 0.1当量を使用して行い、すべての反応液を還流温度に約16時間加熱した。
【0091】
【表1】
【0092】
表1の項目3に関するプロセスの説明
1. プロパン-2-オール(1.37L、2V)を5L反応器中に添加した。
2. (S)-5-オキソピロリジン-2-カルボン酸(684g、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. 4-メチルベンゼンスルホン酸(91.2g、0.1当量)を反応器中に添加した。
4. 還流温度に加熱した。
5. 還流温度で終夜攪拌した。
6. 30℃未満に冷却した。
7. 減圧濃縮した。
8. 残渣をDCM(10V)に溶解させ、飽和NaHCO3(3V)、水(1.5V)、およびブライン(1.5V)で洗浄した。
9. 水相を一緒にし、DCM(5V)で抽出した後、抽出液を水(1V)およびブライン(1V)で洗浄した。
10. ステップ8およびステップ9における有機相を一緒にし、減圧濃縮した。
11. これにより化合物1 609gを帯黄白色固体(収率67%; ee 99%超)として得た。これをさらに精製せずに次の工程に直接使用することができた。
【0093】
表1の項目4に関するプロセスの説明
1. プロパン-2-オール(10L、10V)を20L反応器中にN2保護下で添加した。
2. (S)-5-オキソピロリジン-2-カルボン酸(1Kg、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. 4-メチルベンゼンスルホン酸(133.3g、0.1当量)を反応器中に添加した。
4. 還流温度に加熱し、還流温度で終夜攪拌した。
5. 30℃未満に冷却し、残留量1V未満に減圧濃縮した。
6. 残渣をDCM(10V)で溶解させ、NaHCO3(飽和、3V)、水(1.5V)、およびブライン(1.5V)で洗浄した。
7. 水相を一緒にし、DCM(5V)で抽出した後、抽出液を水(1V)およびブライン(1V)で洗浄した。
8. 有機相を一緒にし、残留量約1Vに減圧濃縮した。
9. n-ヘプタン(3V)を残渣中に攪拌しながら添加した。
10. 10℃未満に冷却し、0~10℃で少なくとも1時間攪拌した。
11. 濾過し、濾過ケークをn-ヘプタン(0.5V)で洗浄した。
12. これにより、乾燥後に白色固体580gを高純度で得た。
13. 濾液を減圧濃縮した。
14. 残渣をDCM(10V)で溶解させ、NaHCO3(飽和、3V)、水(1.5V)、およびブライン(1.5V)で洗浄した。
15. 水相を一緒にし、DCM(5V)で抽出した後、抽出液を水(1V)およびブライン(1V)で洗浄した。
16. 有機相を一緒にし、残留量約1Vに減圧濃縮した。
17. n-ヘプタン(3V)を残渣中に攪拌しながら添加した。
18. 10℃未満に冷却し、0~10℃で少なくとも1時間攪拌した。
19. 濾過し、濾過ケークをn-ヘプタン(0.5V)で洗浄した。
20. これにより、乾燥後にさらに白色固体440gを高純度で得た。
21. 白色固体合計1.02KgをHPLC純度99.8%および100% eeで得た。図4および図5を参照。
【0094】
実施例2
1-((9H-フルオレン-9-イル)メチル) 2-イソプロピル (S)-5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(化合物2)の合成
【0095】
スキーム2
【0096】
表2は、スキーム2に記載の化学反応の出発原料、反応時間、および結果を示す。すべての反応をTHF中でLiHMDS(THF中1M)0.95当量を使用して-80±5℃で行った。指示された反応時間の後に化合物1は残留していなかった。
【0097】
【表2】
【0098】
表2の項目5に関するプロセスの説明
1. THF(4.2L、15V)を10L反応器中にN2下で添加した。
2. 化合物1(280g、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加し、-80℃に冷却した。
3. LiHMDS溶液(THF中1M、1.55L、0.95当量)を-80±5℃で滴下により添加し、-80±5℃で約30分間攪拌した(溶液1)。
4. THF(4.2L、15V)およびFmoc-Cl(816.2g、2.0当量)を別の20L反応器中にN2下で添加し、-80℃に冷却した。
5. 溶液1をステップ4の20L反応器中に攪拌しながら-80±5℃で移した。
6. 30分間攪拌した後、化合物1に関して試料採取した。化合物1は残留していなかった。
7. pHが6~7に調整されるまで反応液を飽和NH4Clによって-70℃未満で反応停止させた。
8. -10~0℃に昇温させた。
9. 相分離し、有機相を収集した。
10. 有機相を半飽和ブライン(3V)および飽和ブライン(3V)で洗浄した。
11. 有機相を濃縮し、残留量6V未満までMTBE(5V x 2)でスイッチ(switched with)した。
12. MTBE(3V)を反応器中に添加し、20分間攪拌した。
13. n-ヘプタン(5V)を混合物中に添加した後、室温で終夜攪拌した。
14. 濾過し、固体を収集した。
15. 固体をDCM(2.8L、10V)で30分間再スラリー化した後、固体を濾過した。
16. 濾液を濃縮し、残留量3V未満までMTBE(3V x 2)でスイッチした。
17. MTBE(1V)およびn-ヘプタン(1.5V)を残渣中に添加し、終夜攪拌した。
18. 濾過し、固体を収集した。
19. これにより化合物2 536gを白色固体としてHPLC純度97.9%(収率: 83%)で得た。
【0099】
表2の項目5に関するプロセスの説明
1. THF(5L、10V)を20L反応器中にN2保護下で添加した。
2. 化合物1(500g、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. -80℃未満に冷却した。
4. LiHMDS溶液(THF中1M、2.75L、0.95当量)を反応器中に、温度を-80±5℃に維持しながら滴下により添加した。
5. -80±5℃で約30分間攪拌した(溶液1)。
6. Fmoc-Cl(795g、1.05当量)のTHF(5V)溶液を溶液1中に攪拌しながら-80±5℃で滴下により添加した。
7. -80±5℃で30分間攪拌した。
8. IPC用に試料採取した(化合物1が残留)。
9. 水(7.5V)およびAcOH(2.0当量)を別の20L反応器中に添加した。
10. 0℃に冷却した(溶液2)。
11. 溶液1を上記溶液2中にN2圧により攪拌しながら0±5℃で移した。
12. 10~15℃に昇温させた。
13. 相分離し、上記有機相を収集した。
14. 有機相を半飽和ブライン(5Vx2)で洗浄した。
15. 同じ反応を同じ規模で繰り返し、有機物を一緒にした。
16. 残渣の残留量が5V以下になるまで、一緒にした有機相を減圧濃縮した。
17. 残渣の残留量が8V未満になるまでIPA(5V x 2)でスイッチした。
18. 25~30℃で2~3時間攪拌した。
19. 濾過し、固体を収集し、乾燥させて化合物2を高い化学純度および100%のキラル純度で得た。
【0100】
実施例3
イソプロピル (S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート(化合物3)の合成
【0101】
スキーム3
【0102】
表3は、スキーム3に記載の化学反応の出発原料、反応温度、反応時間、指示された反応時間の後に残留する化合物2の割合、および結果を示す。すべての反応をTHF(30V)中で行った。
【0103】
表3の項目6に関するプロセスの説明
1. THF(1.5L、15V)を5L反応器中にN2下で添加した。
2. TMSCHN2(n-ヘキサン中2M、152.5mL、1.2当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. -80℃未満に冷却した。
4. n-BuLi(n-ヘキサン中2.5M、125mL、1.23当量)を反応器中に、温度を-85±5℃に維持しながら滴下により添加した。
5. -85±5℃で約30分間攪拌した(溶液1)。
6. THF(2L、20V)および化合物2(100g、1.0当量)をN2下で別の5L反応器中に添加した。
7. 攪拌しながら約-90℃に冷却した。
8. 溶液1を攪拌しながらステップ7の反応器中に、温度を-85℃未満に維持しながら移した。
9. -85±5℃で15分間攪拌した。
10. 化合物2に関して試料採取した。化合物2約2.8%が残留していた。
11. 反応液を飽和NH4Cl(1L、10V)によって-80℃未満で反応停止させた。
12. 0℃に昇温させた。
13. 相分離し、有機相を収集した。
14. 有機相を半飽和ブライン(5V)および飽和ブライン(5V)で洗浄した。
15. 有機相を減圧濃縮し、残渣の残留量が3V未満になるまでMTBE(5V x 3)でスイッチした。
16. MTBE(5V)を残渣中に添加し、室温で終夜攪拌した。
17. 濾過し、固体をMTBE(1.5V)で洗浄した。
18. 固体を収集し、乾燥させた。
19. これにより化合物3明黄色固体88.5gをHPLC純度約85%で得た。これをさらに精製せずに次の工程に直接使用することができた。
【0104】
表3の項目7に関するプロセスの説明
1. THF(500mL、10V)を2L反応器中にN2保護下で添加した。
2. 化合物2(50g、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. -60℃未満に冷却した。
4. TMSCHN2(ヘキサン中2M、76.3mL、1.20当量)を反応器中に-60℃未満で添加した。
5. -90±10℃に冷却した。
6. n-BuLi(n-ヘキサン中2.5M、1.23当量)を反応器中に-90±10℃で(約1.7時間かけて)滴下により添加した。
7. -90±10℃で30~60分間攪拌した。
8. IPC用に試料採取した(化合物2 14.5%が残留、時間延長、進捗なし)。
9. さらなるn-BuLi(n-ヘキサン中2.5M、0.18当量)を反応器中に-90±10℃で滴下により添加した。
10. -90±10℃で30~60分間攪拌した。
11. IPC用に試料採取した(化合物2 7.4%が残留、時間延長、進捗なし)。
12. さらなるn-BuLi(n-ヘキサン中2.5M、0.09当量)を反応器中に-90±10℃で滴下により添加した。
13. -90±10℃で30~60分間攪拌した。
14. IPC用に試料採取した(化合物2 6.8%が残留)。
15. AcOH(1.5当量、n-BuLi 1.0当量)を反応器中に-80℃未満で(約0.5時間かけて)滴下により添加した。
16. 0℃に(約1時間かけて)昇温させた。
17. 20% NH4Cl水溶液(5.0 w/w)を反応器中に0~5℃で(約1時間かけて)滴下により添加した。
18. 25±5℃に昇温させた。
19. 25±5℃で0.5時間攪拌した。
20. IPC用に試料採取した(中間体0.3%が残留)。
21. 相分離し、有機相を半飽和ブライン(5V x 2)で洗浄した。
22. 35℃未満で残留量2.5~3.0Vに減圧濃縮した。
23. n-ヘプタン(20V)を残渣に20±5℃でゆっくりと滴下により添加した。
24. 20±5℃で終夜攪拌した。
25. 濾過し、固体をn-ヘプタン(5V)で洗浄した。
26. 濾過ケークをHPLC分析用に試料採取した(HPLC純度: 80.2%)。
27. 上記濾過ケークをDCM(2V)に溶解させた。
28. n-ヘプタン(18V)を残渣に20±5℃でゆっくりと滴下により添加した。
29. 濾過し、固体をn-ヘプタン(4V)で洗浄した。
30. 濾過ケークをHPLC分析用に試料採取した(HPLC純度: 86.6%)。
31. さらなる精製(ステップ27~ステップ30としてのプロセス)後に固体をHPLC純度90.6%で得た。
32. 乾燥後に褐色固体29.6gを収集した。
【0105】
実施例4
イソプロピル (S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート(化合物4)の合成
【0106】
スキーム4
【0107】
表4は、スキーム4に記載の化学反応の出発原料、溶媒、反応温度、反応時間、指示された反応時間の後に残留する化合物3の割合、および結果を示す。すべての反応をTHF(30V)中で行った。
【0108】
スキーム4における反応の以下の副生成物をMSにより検出することができた。
【0109】
この反応は、より多くのアミン、例えばピペリジン、モルホリン、シクロヘキサンアミンによって速やかに進捗した。
【0110】
化合物4は化学的に不安定であり、したがって反応混合物から単離することが困難であった。項目10が示すように、イソプロピル (S)-5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレートがHPLCにより検出された。しかし、2回目のカラムクロマトグラフィーによる精製後には、HPLCではイソプロピル (S)-5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレートのみが検出された。
【0111】
化合物4を単離し、有効に精製することができなかったことから、最終生成物を合成するために、化合物4を含む反応混合物をワークアップなしで最終工程に直接使用しなければならなかった。
【0112】
実施例5
OxymaPure(登録商標)を使用するイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート(化合物5)の合成
【0113】
スキーム5
【0114】
表5A~表5Fは、スキーム5に記載の化学反応の出発原料、溶媒、反応温度、反応時間、指示された反応時間の後に残留する化合物3の割合、および結果を示す。
【0115】
表5Cの項目3に関するプロセスの説明
1. DCM(1.04L、8V)を2L反応器中にN2下で添加した。
2. 化合物3(130g、1.0当量)を上記反応器中に攪拌しながら添加した。
3. 10℃未満に冷却した後、ピペリジン(64.13g、2.5当量)を反応器中に添加した。
4. 10±5℃で4時間攪拌した。
5. 試料採取し、化合物3 約4%が残留していることを確定した(溶液1)。
6. DMF(2.6L、20V)を別の5L反応器中にN2下で添加した。
7. N-アセチル-L-トリプトファン(258.6g、3.5当量)をステップ6の5L反応器中に攪拌しながら添加した。
8. DIC(132.5g、3.5当量)、OxymaPure(登録商標)(149.2g、3.5当量)、および2,4,6-コリジン(166g、4.55当量)を反応器中に添加した。
9. 溶液1を上記5L反応器中にN2圧により攪拌しながら25℃未満で移した。
10. 20±5℃で2時間攪拌した。
11. IPC分析用に試料採取した - SM(N-アセチル-L-トリプトファン) : P = 42.4% : 48.7%)。
12. 反応混合物を水(7.8L、60V)中に攪拌しながらゆっくりと添加した。
13. DCM(2.6L、20V)を混合物中に添加し、15分間攪拌した。
14. 相分離し、水相をDCM(3.9L x 2、30V x 2)で抽出した。
15. 有機相を一緒にし、1M KHSO4溶液(1.3L、10V)で洗浄した。
16. 有機相を減圧濃縮した。
17. MTBE(2.6L、20V)を残渣中に添加し、室温で2時間超攪拌した。
18. 固体を濾去し、MTBE(6V)で洗浄した。
19. 濾液を収集し、水(8V x 2)およびブライン(8V x 1)で洗浄した。HPLCは生成物が洗浄除去されたことを示した。
20. 水相をMTBE(15V x 4)で抽出し、有機相を水(5V x 1)で洗浄した。HPLCは、水相に生成物がなお残留していることを示した。
21. 上記水相をDCM(10V x 2)で再度抽出した。
22. 抽出液を水(6V x 3)で洗浄した。
23. 上記有機物を一緒にし、減圧濃縮した。これにより濃褐色油状物756gを得て、これをカラムクロマトグラフィー(DCM : MeOH = 80:1~20:1)で精製し、溶離液を残留量約500mLに減圧濃縮した。
24. 残渣の残留量が約200mLになるまでEtOAc(500ml x 2)でスイッチした。
25. 15~20℃で0.5~1時間攪拌した。
26. 濾過し、固体をEtOAcで洗浄した。
27. 固体を収集し、乾燥させた。
28. これにより化合物5 65gを黄色固体として化学純度99.1%および98.9% eeで得た。図1図3を参照。化合物5は酸性条件下で安定していなかった。以下の分析用HPLC条件を使用して化学純度を確定した。
【0116】
以下のキラルHPLC条件を使用してeeを確定した。
【0117】
表5Dの項目4に関するプロセスの説明
1. ジエチルアミン(17.5mL、3.5V)をN2雰囲気下で反応器中に添加した。
2. 10℃未満に冷却した。
3. 化合物3(5.0g、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
4. 5±5℃で1時間攪拌した。
5. IPC分析用に試料採取した(HPLCは化合物3が残留していないことを示した)。
6. 残渣の残留量が2V以下になるまで反応混合物を室温で減圧濃縮した。
7. 残渣の残留量が2V以下になるまでDCM(4V)で3回スイッチした。
8. 残渣をDCM(5V)で希釈して溶液1を得た。
9. DCM(15V)を別の反応器中に添加した。
10. N-アセチル-L-トリプトファン(2.83g、1.0当量)を上記反応器中に攪拌しながら添加した。
11. DIC(1.45g、1.0当量)、OxymaPure(登録商標)(1.63g、1.0当量)、および2,4,6-コリジン(1.82g、1.3当量)を上記反応器中に添加した。
12. 10℃未満に冷却した。
13. 溶液1を上記反応器中に攪拌しながらゆっくりと添加した。
14. 室温にゆっくりと昇温させた。
15. 室温で18時間攪拌した。
16. IPC分析用に試料採取した - SM(N-アセチル-L-トリプトファン) : P = 4.9% : 67.1%]。
17. 反応混合物を1M KHSO4(3V x 1)、水(3V x 2)、およびブライン(3V x 1)で洗浄した。
18. 溶媒が残留しなくなるまで有機相を減圧濃縮した。
19. 残渣をMTBE(20V)によって室温で1時間スラリー化した。
20. 濾過し、固体をMTBE(3V)で洗浄した。
21. 固体を収集し、乾燥させた。
22. 黄色固体4.9gをHPLC純度94.7%で得た。
【0118】
表5Fの項目6に関するプロセスの説明
1. ジメチルアミン(THF中2M、120mL、4V)を反応器中に添加した。
2. 10℃未満に冷却した。
3. 化合物3(30.0g、1.0当量)を反応器中に1回で、攪拌しながら10℃未満で添加した。
4. 5±5℃で3時間攪拌した。
5. HPLC分析用に試料採取した(化合物3 0.8%が残留、270nm)。
6. 残渣の残留量が3~4Vになるまで混合物を15℃未満で減圧濃縮した。
7. 残渣の残留量が3~4Vになるまで残渣をDCM(5V x 3)でスイッチした。
8. 残渣をDCM(5V)で希釈した - 溶液1を得た。
9. DCM(600mL、20V)を別の1L反応器中に添加した。
10. N-アセチル-L-トリプトファン(17g、1.0当量)を上記1L反応器中に攪拌しながら添加した。
11. 10℃未満に冷却した。
12. OxymaPure(登録商標)(9.8g、1.0当量)、2,4,6-コリジン(10.9g、1.3当量)、および溶液1を上記1L反応器中に添加した。
13. 最後にEDC.HCl(13.2g、1.0当量)を上記1L反応器中に添加した。
14. 10℃未満で終夜攪拌した。
15. HPLC分析用に試料採取した(化合物4は残留せず、SM:P = 5.4%:91.6%、270nm)。
16. 上記反応混合物を水(5V x 3)で洗浄した。
17. 残渣の残留量が4V以下になるまで有機相を減圧濃縮した。
18. 残渣の残留量が5V以下になるまで残渣をEtOAc(5V x 3)でスイッチした。
19. 残渣を室温で終夜スラリー化した。
20. 濾過し、固体をEtOAc(3~4V)で洗浄した。
21. 固体を収集し、乾燥させた。
22. 明黄色固体18.5gをHPLC純度97.8%で。
【0119】
実施例6
無水プロピルホスホン酸(T3P(登録商標))を使用するイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート(化合物5)の合成
【0120】
スキーム6
【0121】
表6は、スキーム6に記載の化学反応の出発原料、溶媒、反応温度、反応時間、指示された反応時間の後に残留する化合物3の割合、および結果を示す。要するに、T3P(登録商標)はこの反応に好適なカップリング剤ではなかった。
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5A】
【0125】
【表5B】
【0126】
【表5C】
【0127】
【表5D】
【0128】
【表5E】
【0129】
【表5F】
【0130】
【表6】
【0131】
実施例7
イソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート(化合物5)の合成
【0132】
工程1
化合物1の合成
【0133】
プロセスの説明
1. プロパン-2-オール(10L、10V)を20L反応器中にN2保護下で添加した。
2. (S)-5-オキソピロリジン-2-カルボン酸(1Kg、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. 4-メチルベンゼンスルホン酸(133.3g、0.1当量)を上記反応器中に添加した。
4. 還流温度に加熱し、還流温度で終夜攪拌した。
5. 30℃未満に冷却した。
6. 残留量1V未満に減圧濃縮した。
7. 残渣をDCM(10V)で溶解させた。
8. 有機相をNaHCO3(飽和、3V)および水(1.5V)およびブライン(1.5V)で洗浄した。
9. ステップ8における水相を一緒にし、DCM(5V)で抽出した。
10. 抽出液を水(1V)およびブライン(1V)で洗浄した。
11. ステップ8およびステップ10における有機相を一緒にした。
12. 一緒にした有機相を残留量約1Vに減圧濃縮した。
13. n-ヘプタン(3V)を残渣中に攪拌しながら添加した。
14. 10℃未満に冷却し、0~10℃で少なくとも1時間攪拌した。
15. 濾過し、濾過ケークをn-ヘプタン(0.5V)で洗浄した。
16. 乾燥後に生成物580gを白色固体として高純度で得た。
17. ステップ15における濾液を減圧濃縮した。
18. 残渣をDCM(10V)で溶解させた。
19. 有機相をNaHCO3(飽和3V)および水(1.5V)およびブライン(1.5V)で洗浄した。
20. ステップ19における水相を一緒にし、DCM(5V)で抽出した。
21. 抽出液を水(1V)およびブライン(1V)で洗浄した。
22. ステップ19およびステップ21における有機相を一緒にした。
23. 一緒にした有機相を残留量約1Vに減圧濃縮した。
24. n-ヘプタン(3V)を残渣中に攪拌しながら添加した。
25. 10℃未満に冷却し、0~10℃で少なくとも1時間攪拌した。
26. 濾過し、濾過ケークをn-ヘプタン(0.5V)で洗浄した。
27. 乾燥後にさらに生成物440gを白色固体として高純度で得た。
28. 化合物1合計1.02Kgを白色固体としてHPLC純度99.8%および100% ee; 収率: 76.9%で得た。
【0134】
工程2
化合物2の合成
【0135】
プロセスの説明
1. THF(5L、10V)を20L反応器中にN2保護下で添加した。
2. 化合物1(500g、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. -80℃未満に冷却した。
4. LiHMDS溶液(THF中1M、2.75L、0.95当量)を上記反応器中に、温度を-80±5℃に維持しながら滴下により添加した。
5. -80±5℃で約30分間攪拌した(溶液1)。
6. Fmoc-Cl(795g、1.05当量)のTHF(2.5L、5V)溶液を溶液1中に攪拌しながら-80±5℃で滴下により添加した。
7. -80±5℃で30分間攪拌した。
8. IPC用に試料採取した(化合物1は残留せず)。
9. 水(3.75L、7.5V)およびAcOH(2.0当量)を別の20L反応器中に添加した。
10. 攪拌しながら0℃に冷却した(溶液2)。
11. 反応混合物(溶液1)をN2圧下、攪拌しながら上記溶液(溶液2)中に、温度を0±5℃に維持しながら移した。
12. 10~15℃に昇温させた。
13. 相分離し、上記有機相を収集した。
14. 有機相を半飽和ブライン(5V)で2回洗浄した。
15. 同じ反応を同じ規模で2回繰り返し、洗浄後の有機物をさらなる凝固のために一緒にした。
16. 残渣の残留量が5V以下になるまで、一緒にした有機相を減圧濃縮した。
17. 残渣の残留量が8V以下になるまで、残渣を減圧下、IPA(5V)で2回スイッチした。
18. 25~30℃で2~3時間攪拌した。
19. 濾過し、固体をIPA(3V)で洗浄した。
20. 固体を収集し、乾燥させた。
21. 化合物2 2.06Kgを白色固体として高純度および100% ee、収率: 89.6%で得た。
【0136】
工程3
化合物3の合成
【0137】
プロセスの説明
1. THF(12L、10V)を20L反応器中にN2保護下で添加した。
2. 化合物2(1.2Kg、1.0当量)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. 約-70℃に冷却した。
4. TMSCHN2(ヘキサン中2M、1.83L、1.20当量)を上記混合物中に、温度を-60℃未満に維持しながら添加した。
5. 約-90℃に冷却した。
6. n-BuLi(n-ヘキサン中2.5M、1.5L、1.23当量)を上記反応混合物中に、温度を-90±10℃に維持しながら(約2時間かけて)滴下により添加した。
7. -90±10℃で0.5時間攪拌した。
8. IPC 1用に試料採取した(化合物2の面積%)。
9. 酢酸(225.3g、1.23当量(n-BuLi 1.0当量))を上記反応混合物中に、温度を-80℃未満に維持しながら(約0.5時間かけて)滴下により添加することで、反応液を反応停止させた。
10. 0℃に(約2時間かけて)昇温させた。
11. 20% NH4Cl水溶液(5.0 w/w)を上記反応混合物中に温度を0~5℃に維持しながら(約1時間かけて)滴下により添加した。
12. 25±5℃に昇温させた。
13. 25±5℃で約1.5時間攪拌した。
14. IPC 2用に試料採取した(化合物3-INT(シリルエーテル)の面積%: 1.1%)。
15. 相分離し、有機相を収集した。
16. 有機相を12.5%ブライン(5V)で2回洗浄した。
17. 有機相を微孔質フィルター(0.22μm)によって濃縮反応器中に減圧下で移した。
18. 有機相を残留量2.5~3.0Vに、温度を35℃未満に維持しながら減圧濃縮した。
19. 温度を20~25℃に調整した。
20. n-ヘプタン(20V)を残渣中に約3.5時間かけて20±5℃で滴下により添加した。
21. 20±5℃で約6時間攪拌した。
22. 遠心分離した。
23. ケークをn-ヘプタン(5V)で洗浄した。
24. ケークをHPLC分析用に試料採取した(化合物3の面積%: 89.2%)。
25. 上記ケークをDCM(2V/ケーク)に溶解させた。
26. 温度を20~25℃に調整し、固体が完全に溶解するまで攪拌した。
27. n-ヘプタン(18V/ケーク)を残渣に約4時間かけて20±5℃で滴下により添加した。
28. 20±5℃で約6時間攪拌した。
29. 遠心分離した。
30. 第2のケークをn-ヘプタン(4V/第1のケーク)で洗浄した。
31. 第2のケークをHPLC分析用に試料採取した(化合物3の面積%: 94.7%)。
32. 固体を20~25℃で6時間減圧乾燥させた。
33. 固体をLOD分析用に試料採取した(LOD: 1.7%)。
34. 固体を二重LDPE袋に包装した後、アルミ箔袋に包装した。
35. 化合物3 0.82Kgを明褐色固体としてHPLC純度94.7%および100% ee、収率: 61.7%で得て、遮光下、-20±5℃で保管した。
【0138】
工程4
化合物4の合成
【0139】
プロセスの説明
1. ジメチルアミン(THF中2M、6.6L、4V)を反応器中に(N2保護なしで)添加した。
2. 攪拌しながら5℃未満に冷却した。
3. 化合物3(1.65Kg、1.0当量)を反応器中に数回に分けて、温度を10℃未満に維持しながら添加した。
4. 5±5℃で約4時間攪拌した。
5. HPLC分析用に試料採取した(化合物3の面積%: 4.8%(270nm))。
6. ジメチルアミン(THF中2M、0.32L、0.2V)を反応器中に添加した。
7. 5±5℃でさらに1時間攪拌した。
8. HPLC分析用に試料採取した(化合物3の面積%: 2.7%(270nm))。
9. ジメチルアミン(THF中2M、0.18L、0.1V)を反応器中に添加した。
10. 5±5℃でさらに1時間攪拌した。
11. HPLC分析用に試料採取した(化合物3の面積%: 1.6%(270nm))。
12. 反応混合物を、残渣の残留量が2~3Vになるまで、温度を20℃未満に維持しながら減圧濃縮した。
13. 残渣を減圧下でDCM(5V)によって3回、残渣の残留量が2~3Vになるまで、温度を20℃未満に維持しながらスイッチした。
14. 残渣をDCM(5V)で希釈した。
15. 「化合物4のDCM溶液」を得て、次の工程での直接使用のために0℃未満で保管した。
【0140】
工程5
化合物5の合成
【0141】
プロセスの説明
1. DCM(33L、20V/化合物3)を100L反応器中にN2保護下で添加した。
2. N-アセチル-L-トリプトファン(0.93Kg、1.0当量/化合物3)を反応器中に攪拌しながら添加した。
3. 5℃未満に冷却した。
4. OxymaPure(登録商標)(0.54Kg、1.0当量/化合物3)を上記反応器中に添加した。
5. 2,4,6-コリジン(0.6Kg、1.3当量/化合物3)を上記反応器中に添加した。
6. 工程4からの「化合物4のDCM溶液」を上記反応器中に添加した。
7. EDC(0.73Kg、1.0当量/化合物3)を上記反応器中に添加した。
8. 0~10℃で約8時間攪拌した。
9. HPLC分析用に試料採取した(化合物4の面積%: 0.2%(270nm))。
10. 上記反応混合物を滅菌注射用水(5V)で3回洗浄した。
11. 有機相を、残渣の残留量が3~4Vになるまで、温度を40℃未満に維持しながら減圧濃縮した。
12. 残渣をEtOAc(5V)で3回、残渣の残留量が3~4Vになるまで、温度を40℃未満に維持しながらスイッチした。
13. EtOAc(5V)を残渣中に添加し、スラリーを20±5℃で5時間攪拌した。
14. 1回目の遠心分離を行った。
15. ケークをEtOAc(3V)で洗浄した。
16. 湿潤ケークをEtOAc(5V/ケーク)によって20±5℃で4時間再スラリー化した。
17. 2回目の遠心分離を行った。
18. 第2のケークをEtOAc(3V/第1のケーク)で洗浄した。
19. 化合物5の湿潤ケーク0.85Kgを明褐色固体としてHPLC純度98.5%で得た(不純物(RRT: 1.17%)の面積%は0.57%であった)。
20. ステップ19の湿潤ケークをDCM(6L、7V/湿潤ケーク)およびMeOH(3.4L、4V/湿潤ケーク)の混合溶液に20±5℃で溶解させた。
21. シリカゲル(100~200メッシュ、1.5w/湿潤ケーク)を上記溶液中に添加し、5~10分間攪拌した。
22. 留出物が出なくなるまで、温度を40℃未満に維持しながら系を減圧濃縮した。
23. シリカゲル(100~200メッシュ、15w/湿潤ケーク)をカラム中に添加した。
24. 生成物を伴うシリカゲル固体をカラム中に添加した。
25. DCM中MeOH(1%~2%、w/w)を溶離液として使用するカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、溶離液を10~15V毎に収集し、HPLC分析用に試料採取した。溶離液を収集して一緒にしたところ、化合物5の面積%は98.0%以上であり、不純物(RRT:0.92)の面積%は1.0%以下であり、他の1つの不純物の面積%は0.5%以下であった。
26. 一緒にした溶離液を残留量2.0~3.0V/湿潤ケークに、温度を40℃未満に維持しながら減圧濃縮した。
27. 残渣をEtOAc(3.0V/湿潤ケーク)で3回、残留量2.0~3.0V/湿潤ケークになるまで、温度を40℃未満に維持しながらスイッチした。
28. 温度を20±5℃に調整した。
29. EtOAc(3.0V/湿潤ケーク)を反応器に添加し、スラリーを20±5℃で3時間攪拌した。
30. 遠心分離した。
31. 第3のケークをEtOAc(2.0V/第2のケーク)で洗浄した。
32. ケークをHPLC分析用に試料採取した(化合物5の面積%: 99.5%、不純物(RRT:0.92)の面積%: 0.18%、すべての他の不純物の面積% 0.5%未満)。
32. 固体を25±5℃で6時間減圧乾燥させた。
33. LOD分析用に試料採取した(LOD: 0.36%)。
34. 固体を二重LDPE袋に包装した後、アルミ箔袋に包装した。
35. 化合物5 603gを明褐色固体として100% ee、2工程での収率: 36%で得た。生成物を遮光下にて-20±5℃で保管した。
【0142】
工程6
化合物5の再結晶
【0143】
プロセスの説明
1. DCM(7V)を20L反応器中にN2保護下で添加した。
2. 攪拌しながら温度を20±5℃に調整した。
3. 工程5からの化合物5(566g、1.0w/w)を反応器中に添加した。
4. MeOH(4V)を上記反応器中に添加し、溶液を20±5℃で攪拌して透明溶液にした。
5. 上記溶液を減圧下で滅菌微孔質フィルター(0.2μm)によって10L反応器中に移した。
6. 溶液を残留量2.0~3.0Vに、温度を40℃未満に維持しながら減圧濃縮した。
7. DCM(1.75V)およびMeOH(1.0V)を上記20L 反応器中に添加し、攪拌して透明溶液にした。
8. 上記溶液を滅菌微孔質フィルターによって10L反応器中に移した。
10. 10L反応器中の溶液を残留量2.0~3.0Vに、温度を40℃未満に維持しながら減圧濃縮した。
11. 残渣を減圧下でEtOAc(5V、滅菌微孔質フィルターによって濾過)により3回、温度を40℃未満に維持しながらスイッチして、残留量2.0~3.0Vとした。
12. EtOAc(5V、滅菌微孔質フィルターによって濾過)を残渣中に添加した。
13. 温度を20±5℃に調整した。
14. 20±5℃で3~4時間スラリー化した。
15. 濾過し、固体をEtOAC(3V、滅菌微孔質フィルターによって濾過)で洗浄した。
16. 固体を収集し、20~30℃で6時間減圧乾燥させた。
17. 固体をLOD、次に溶媒残留量、次にHPLCおよび結晶形解析に関して試料採取した。
18. 固体を二重滅菌袋に包装した後、アルミ箔袋に包装した。
19. 化合物5 461.6gを明黄色結晶性固体として得た: 収率: 81.4%; HPLC純度:99%超、ee: ee: 100%。生成物を遮光下にて-20±5℃で保管した。化合物5のXRPDディフラクトグラムを図6に示し、ピークリストを表7に示す。DSC分析(図5)は開始154℃(ピーク156℃)での吸熱および開始157℃(ピーク161℃)での発熱を示した。化合物5のDCSサーモグラムを図7に示す。化合物5の1H NMRを図8に示す。
【0144】
【表7】
【0145】
X線粉末回折(XRPD)解析を、試料を3~35°2θで走査するPANalytical X'pert pro上で行った。試料を担持するためのKaptonまたはMylarポリマーフィルム付きのマルチウェルプレート上に材料を載せた。次にマルチウェルプレートを、40kV/40mAジェネレータ設定を使用して伝送モード(ステップサイズ0.0130°2θ)で運転する回折計に入れ、Cu K線(α1 λ = 1.54060 A; α2 = 1.54443 A; β = 1.39225 A; α1:α2比 = 0.5)を使用して解析した。
【0146】
示差走査熱量測定(DSC)分析を、20℃に冷却および保持されたSeiko DSC6200(冷却器を備える)上で行った。安定した熱流応答が得られたときに、試料および参照試料を走査速度10℃/分で320℃に加熱し、得られた熱流応答をモニタリングした。窒素を掃流ガスとして流量50cm3/分で使用した。
【0147】
先に記載された態様および例示がいかなる点でも本開示の範囲を限定するようには意図されていないこと、ならびに、本明細書において提示される特許請求の範囲が、本明細書において明確に提示されている場合であれ、そうでない場合であれ、すべての態様および例示を包含するように意図されていることを理解すべきである。
【0148】
本明細書において引用されるすべての特許および刊行物は参照によりその全体が完全に組み入れられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
の化合物を調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a) 式II:
の化合物と式III:
の化合物とを、溶媒中、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキル、カルボジイミド、および塩基の存在下、温度約0℃~約40℃で反応させる工程であって、式中、
R1はC1~C4アルキルであり、
R2はC1~C4アルキルであり、
R3は、C1~C6アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される、工程; ならびに
(b) 式Iの化合物を単離する工程。
【請求項2】
溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
カルボジイミドがN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキルがシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
式IIを有する化合物の立体変異が約2%未満であり、かつ式IIIを有する化合物の立体変異が約2%未満である、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
式IV:
の化合物と脱保護剤とを、溶媒中、温度約-5℃~約30℃で反応させる工程により、式IIの化合物が得られ、式中、
R1はC1~C4アルキルであり、
PGは保護基である、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、tert-ブチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、およびメチルカルバメートからなる群より選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
式V:
の化合物とジアゾ試薬とを、溶媒中、有機リチウム試薬の存在下、温度約-120℃~約-40℃で反応させる工程により、式IVの化合物が得られ、式中、
R1はC1~C4アルキルであり、
PGは保護基である、
請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルからなる群より選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
ジアゾ試薬がトリメチルシリルジアゾメタンであり、かつ有機リチウム試薬がn-ブチルリチウムである、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
式VI:
の化合物と式VII:
PG-X VII
の化合物とを、溶媒中、温度約-100℃~約-60℃で反応させる工程により、式Vの化合物が得られ、式中、
R1はC1~C4アルキルであり、
Xは、-Cl、-Br、-I、-O-スクシンイミド、-O-1,2,3-ベンゾトリアゾール、および-O-アリールからなる群より選択され、
PGは保護基である、
請求項810のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
L-ピログルタミン酸をR1OHでエステル化する工程により、式VIの化合物が得られ、R1はC1~C4アルキルである、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
R1がイソプロピルである、請求項1~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
R2がメチルである、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
R3
である、請求項1~15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが収率約35~90%以上で得られる、請求項1~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが化学純度約98%以上で得られる、請求項1~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが約98% ee以上で得られる、請求項1~18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
6.6、13.3、18.3、20.0、23.4、および25.8°2θに粉末X線回折ピークを有することを特徴とする、結晶性(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
別の態様では、本開示は、(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートの結晶形を提供する。
[本発明1001]
式Iの化合物
を調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a) 式IIの化合物
と式IIIの化合物
とを、溶媒中、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキル、カルボジイミド、および塩基の存在下、温度約0℃~約40℃で反応させる工程であって、式中、
R 1 はC 1 ~C 4 アルキルであり、
R 2 はC 1 ~C 4 アルキルであり、
R 3 は、C 1 ~C 6 アルキル、(アリール)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルからなる群より選択される、工程; ならびに
(b) 式Iの化合物を単離する工程。
[本発明1002]
溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる群より選択される、本発明1001の方法。
[本発明1003]
溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドである、本発明1002の方法。
[本発明1004]
カルボジイミドがN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸アルキルがシアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルである、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
塩基が2,4,6-トリメチルピリジンである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
温度が約0℃~約40℃である、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
式IIを有する化合物の立体変異が約2%未満である、本発明1001~1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
式IIIを有する化合物の立体変異が約2%未満である、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
式IVの化合物
と脱保護剤とを、溶媒中、温度約-5℃~約30℃で反応させる工程により、式IIの化合物が得られ、式IV中、
R 1 はC 1 ~C 4 アルキルであり、
PGは保護基である、
本発明1001の方法。
[本発明1011]
PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、tert-ブチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、およびメチルカルバメートからなる群より選択される、本発明1010の方法。
[本発明1012]
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニルである、本発明1011の方法。
[本発明1013]
脱保護剤が、ピペリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、およびトリメチルアミンからなる群より選択される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
溶媒が、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびジクロロメタンからなる群より選択される、本発明1010~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
溶媒がジクロロメタンである、本発明1014の方法。
[本発明1016]
温度が約5℃~約15℃である、本発明1010~1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
式Iの化合物がシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離される、本発明1001~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
式Iの化合物が、式Iの化合物を生じさせるための再結晶により単離される、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
式Vの化合物
とジアゾ試薬とを、溶媒中、有機リチウム試薬の存在下、温度約-120℃~約-40℃で反応させる工程により、式IVの化合物が得られ、式V中、
R 1 はC 1 ~C 4 アルキルであり、
PGは保護基である、
本発明1010~1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルからなる群より選択される、本発明1019の方法。
[本発明1021]
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニルである、本発明1020の方法。
[本発明1022]
ジアゾ試薬が(R 4a )(R 4b )(R 4c )SiCHN 2 であり、式中、R 4a 、R 4b 、およびR 4c はそれぞれ独立してC 1 ~C 4 アルキルである、本発明1019~1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
ジアゾ試薬がトリメチルシリルジアゾメタンである、本発明1022の方法。
[本発明1024]
有機リチウム試薬がC 1 ~C 6 アルキルリチウム試薬である、本発明1019~1023のいずれかの方法。
[本発明1025]
C 1 ~C 6 アルキルリチウム試薬がn-ブチルリチウムである、本発明1024の方法。
[本発明1026]
溶媒が、テトラヒドロフランおよび2-メチルテトラヒドロフランからなる群より選択される、本発明1019~1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
溶媒がテトラヒドロフランである、本発明1026の方法。
[本発明1028]
温度が約-90℃~約-55℃である、本発明1019~1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
有機リチウム試薬が、溶媒中のジアゾ試薬と式Vの化合物との混合物に添加される、本発明1019~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
式VIの化合物
と式VIIの化合物
PG-X VII
とを、溶媒中、温度約-100℃~約-60℃で反応させる工程により、式Vの化合物が得られ、式VIおよびVII中、
R 1 はC 1 ~C 4 アルキルであり、
Xは、-Cl、-Br、-I、-O-スクシンイミド、-O-1,2,3-ベンゾトリアゾール、および-O-アリールからなる群より選択され、
PGは保護基である、
本発明1019~1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、およびtert-ブチルオキシカルボニルである、本発明1030の方法。
[本発明1032]
PGがフルオレニルメチルオキシカルボニルである、本発明1031の方法。
[本発明1033]
溶媒がテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、およびジメトキシエタンである、本発明1030~1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
溶媒がテトラヒドロフランである、本発明1033の方法。
[本発明1035]
温度が約-85℃~約-75℃である、本発明1030~1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
L-ピログルタミン酸をR 1 OHでエステル化する工程により、式VIの化合物が得られ、該R 1 OH中、R 1 はC 1 ~C 4 アルキルである、本発明1028~1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
エステル化工程が、カルボジイミドの存在下、温度約5℃~約50℃で行われる、本発明1036の方法。
[本発明1038]
カルボジイミドがN,N'-ジイソプロピルカルボジイミドまたはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドである、本発明1037の方法。
[本発明1039]
エステル化工程が、酸の存在下、温度約25℃~約100℃で行われる、本発明1036の方法。
[本発明1040]
酸が、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルホン酸樹脂、硫酸、および塩酸からなる群より選択される、本発明1039の方法。
[本発明1041]
酸がp-トルエンスルホン酸である、本発明1040の方法。
[本発明1042]
温度が約80℃である、本発明1037~1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
R 1 がイソプロピルである、本発明1001~1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
R 2 がメチルである、本発明1001~1009または1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
R 3 が、以下
からなる群より選択される、本発明1001~1009、1043、または1044のいずれかの方法。
[本発明1046]
R 3
である、本発明1045の方法。
[本発明1047]
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが収率約35~90%以上で得られる、本発明1001~1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが化学純度約98%以上で得られる、本発明1001~1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
式IIの化合物から出発してイソプロピル (S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエートが約98% ee以上で得られる、本発明1001~1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
6.6、13.3、18.3、20.0、23.4、および25.8°2θに粉末X線回折ピークを有することを特徴とする、結晶性(S)-2-((S)-2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサノエート。
【国際調査報告】