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特表2022-519576医療用撮像システムの受像器に装着されるカラー装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】医療用撮像システムの受像器に装着されるカラー装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20220316BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B6/00 390Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544818
(86)(22)【出願日】2019-02-04
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 US2019016474
(87)【国際公開番号】W WO2020162869
(87)【国際公開日】2020-08-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521338927
【氏名又は名称】マークスマン ターゲティング,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ロイ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】オースダル,ケレン ヴァン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA25
4C093CA21
4C093EB30
4C093EC16
(57)【要約】
本開示は、X線撮像システム又は同様の撮像システムの受像器に取り付けられるように構成されたカラー装置に関し、カラー装置は、X線透過性バーと線状光源とを含み、この組み合わせは、患者の位置決め、手術入口点の特定、及び器具類の軌道誘導のために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線撮像システム(10)の受像器(50)に装着されるカラー装置(100)であって、
前記受像器の周囲に装着されるように構成されたハウジング(110)と、
前記ハウジングに結合された基部(120)であって、前記基部の周縁(122)に沿って延びるチャネル(121)を含む前記基部と、
前記基部に結合され、且つ前記チャネルの周囲で回転するように構成された回転アセンブリ(130)であって、
前記回転アセンブリの直径(D)の少なくとも一部分に沿って第1の端部(132)から第2の端部(133)に延びるX線透過性マーカ(131)、
前記カラー装置の相対向する端部(S1;S2)にそれぞれ配置された第1の基準マーカ及び第2の基準マーカ(134a;134b)、
前記回転アセンブリに結合され、且つレーザ光平面(137)内にレーザ光(136)を投影するように構成されたレーザ源アセンブリ(135)、又は
これらの組み合わせ
を更に含む前記回転アセンブリと
を含むカラー装置(100)。
【請求項2】
前記回転アセンブリは、前記X線透過性マーカと前記レーザ源アセンブリとの組み合わせを含み、且つ前記X線透過性マーカは、前記レーザ光平面内に共通に配置される、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項3】
前記受像器は、X線イメージインテンシファイア(14)及びフラットパネルディテクタ(51)からなる群からの1つを含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項4】
ベゼル(140)を更に含み、前記ベゼル及び前記ハウジングの少なくとも一方は、その外面の周囲に配置された指標(141)を含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項5】
気泡水準器アセンブリ(111)を更に含み、前記気泡水準器アセンブリは、前記ハウジングに結合される、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項6】
前記基部は、受像器面(124)の周囲の前記カラー装置の向きを調整するための複数の第1の止めねじ(123)を更に含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項7】
前記回転アセンブリは、1つ又は複数の軸受アセンブリ(138)を更に含み、前記軸受アセンブリのそれぞれは、前記回転アセンブリの円周(C)の周囲に配置され、且つ前記基部の前記チャネルに回転可能に係合するように構成される、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項8】
前記軸受アセンブリのそれぞれは、玉軸受ねじ(138a)と、ワッシャ(138b)と、軸受(138c)と、軸受ナット(138d)とを個別に含む、請求項6に記載のカラー装置。
【請求項9】
前記回転アセンブリは、1つ又は複数のブレーキアセンブリ(139)を更に含み、1つ又は複数のブレーキアセンブリのそれぞれは、独立して前記ハウジングの内面に摩擦抵抗を加えるように構成される、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項10】
前記ブレーキアセンブリのそれぞれは、ブレーキ受け(139a)と、ブレーキ(139b)と、前記ブレーキ受けと前記ブレーキとの間に付勢力を与えるために前記ブレーキ受けと前記ブレーキとの間に延びるように構成された1つ又は複数のブレーキばね(139c)とを含む、請求項8に記載のカラー装置。
【請求項11】
前記レーザ源アセンブリは、レーザ源ハウジング(135a)と、前記レーザ源ハウジング内に配置されたレーザ源(135b)とを含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項12】
前記レーザ源アセンブリは更に、バッテリアセンブリ(145)に結合される、請求項10に記載のカラー装置。
【請求項13】
前記X線透過性マーカの前記第1の端部は、端部ロッドホルダ(146)を介して前記回転アセンブリに結合される、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項14】
前記X線透過性マーカの前記第2の端部は、前記レーザ源アセンブリに取り付けられる、請求項12に記載のカラー装置。
【請求項15】
前記回転アセンブリに結合された第2のX線透過性マーカ(231)を更に含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項16】
前記第2のX線透過性マーカは、前記第1のX線透過性マーカに対して角度(A’)をなすように構成され、前記角度は1°~90°を含む、請求項14に記載のカラー装置。
【請求項17】
前記回転アセンブリに結合された第2のレーザ源アセンブリ(235)を更に含む、請求項14に記載のカラー装置。
【請求項18】
前記第2のレーザ源アセンブリは、他のレーザ光平面と異なる第2のレーザ光平面(237)内にレーザ光を投影するように構成され、且つ前記第2のX線透過性マーカは、前記第2のレーザ光平面と整合するように構成される、請求項16に記載のカラー装置。
【請求項19】
第3のX線透過性マーカ(331)を更に含み、前記第3のX線透過性マーカは、前記第3のX線透過性マーカの中心で前記第1のX線透過性マーカに結合され、前記第3のX線透過性マーカは、同心状に入れ子になった管(331a;331b)を含む、請求項14に記載のカラー装置。
【請求項20】
カラー装置は、患者に装着されるロッド(151)、手術器具(152)、又はこれらの組み合わせに対する前記カラーシステムの位置を固定するための固定アーム取付部(150)を更に含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項21】
前記X線透過性マーカは、中心マーカ(131a)を更に含み、前記中心マーカは、前記X線透過性マーカに沿って前記カラー装置の中心に配置される、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項22】
前記カラー装置の周縁の周囲にそれぞれ配置された複数の発光ダイオード(153)を更に含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項23】
顕微鏡を前記カラー装置に取り付けるための顕微鏡マウント(154)を更に含む、請求項1のカラー装置。
【請求項24】
表示画面を前記カラー装置に取り付けるための表示画面マウント(155)を更に含む、請求項1に記載のカラー装置。
【請求項25】
音声信号、視覚信号、又はこれらの組み合わせを通信するためのa/v構成部品(156)を更に含む、請求項24に記載のカラー装置。
【請求項26】
医療用撮像システムと共に使用されるカラー装置であって、
前記医療用撮像システムの一部分と結合するように構成された基部と、
前記基部に回転可能に結合された回転アセンブリであって、
前記回転アセンブリの直径(D)の少なくとも一部分に沿って第1の端部(132)から第2の端部(133)に延びるX線透過性マーカ(131)、
前記カラー装置の相対向する端部(S1;S2)にそれぞれ配置された第1の基準マーカ及び第2の基準マーカ(134a;134b)、
前記回転アセンブリに結合され、且つレーザ光平面(137)内にレーザ光(136)を投影するように構成されたレーザ源アセンブリ(135)、又は
これらの組み合わせ
を更に含む前記回転アセンブリと
を含むカラー装置。
【請求項27】
前記X線透過性マーカは、前記レーザ光平面内に共通に配置される、請求項26に記載のカラー装置。
【請求項28】
2つ以上のX線透過性マーカを含む、請求項26に記載のカラー装置。
【請求項29】
2つ以上のレーザ源アセンブリを含む、請求項26に記載のカラー装置。
【請求項30】
撮像システム(10)の受像器(50)に装着されるカラー装置(100)であって、
前記受像器の周囲に装着されるように構成されたハウジング(110)と、
前記ハウジングに結合された基部(120)であって、前記基部の周縁(122)に沿って延びるチャネル(121)を含む基部と、
前記基部に結合され、且つ前記チャネルの周囲で回転するように構成された回転アセンブリ(130)であって、
前記回転アセンブリの直径(D)の少なくとも一部分に沿って第1の端部(132)から第2の端部(133)に延びるX線透過性マーカ(131)、
前記カラー装置の相対向する端部(S1;S2)にそれぞれ配置された第1の基準マーカ及び第2の基準マーカ(134a;134b)、
前記回転アセンブリに結合され、且つレーザ光平面(137)内にレーザ光(136)を投影するように構成されたレーザ源アセンブリ(135)、又は
これらの組み合わせ
を更に含む回転アセンブリ(130)と
を含むカラー装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
発明の分野
本発明は、医療用撮像システムに関し、より詳細には、X線撮像システムの受像器に取り付けられるように構成されたカラー装置に関し、カラー装置は、医療用途に関連して角度及び軌道を通信するために使用される。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
例えば外科手術などの、医療用途に使用される従来のX線撮像システムは、概して、モニタ、受像器、患者テーブル、コリメータ、X線管、及びX線発生装置を含む。従来のX線撮像システムの例が図1に示されている。受像器は、X線イメージインテンシファイア(XRII)又はフラットパネルディテクタ(FPD)として提供され得る。システムは、撮像システムを並進させて様々な観察角度で撮像システムの向きを定めるためのCアームを含み得る。このようなシステムは、外科手術中に医師及び他の医療専門家を誘導するために使用することができる。
【0003】
外科的アクセス軌道並びに関連する距離及び角度を求める方法は、同一出願人が所有する米国特許出願公開第2017/0296273号(「‘273号」)において説明されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。‘273号で説明されている方法、及び他の有用な方法を容易にするために、本明細書で説明するようにカラー装置が提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
X線撮像システムなどの、医療用撮像システムと共に使用されるカラー装置が開示される。
【0005】
カラー装置は、概して、X線撮像システムの受像器に装着されるように構成される。受像器は、X線イメージインテンシファイア(XRII)又はフラットパネルディテクタ(FPD)を含み得る。
【0006】
好ましい実施形態では、カラー装置は、(i)医療用撮像システムの受像器の周囲に装着されるように構成されたハウジングと、(ii)ハウジングに結合された基部であって、基部の周縁に沿って延びるチャネルを含む基部と、(iii)基部に結合され、且つチャネルの周囲で回転するように構成された回転アセンブリとを含み得る。回転アセンブリは、概して、回転アセンブリの直径の少なくとも一部分に沿って第1の端部から第2の端部に延びるX線透過性マーカ、カラー装置の相対向する側にそれぞれ配置された第1の基準マーカ及び第2の基準マーカ、回転アセンブリに結合され、且つレーザ光平面内にレーザ光を投影するように構成されたレーザ源アセンブリ、又はこれらの組み合わせを更に含むように構成される。X線透過性マーカ、第1の基準マーカ及び第2の基準マーカからシミュレートされた仮想マーカ、又はこれらの組み合わせは、レーザ源アセンブリのレーザ光平面内に共通に配置されるように構成される。この点に関して、レーザ源アセンブリは、限定されるものではないが、器具の位置合わせと、医療処置中に医療器具を前進させるときの意図した外科軌道の維持とを含む目的で、平面(外科軌道の成分)を視覚化するための、レーザ線などの、視覚的指標を提供するようになされる。レーザ光平面は、手術中に医師の決定を導くのに有用であり、同時に、さもなければ必要とされる複数のX線画像に起因する放射線暴露を低減する。
【0007】
カラー装置のこれら及び他の特徴及び態様は、詳細な説明と本明細書に添付された図面において更に説明される。
【0008】
図面の簡単な説明
これら及び他の特徴及び利点は、添付された詳細な説明及び図面を徹底的に見直すことで、当業者により理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】人間又は動物の患者に関わる外科的用途で使用されるように構成されたX線イメージインテンシファイアを備えた従来の医療用撮像システムの平面図である。
図2】例示の実施形態によるカラー装置の斜視図である。
図3】カラー装置の第1の側の平面図である。
図4】カラー装置の第1の断面図であり、第1の断面図は、図3において符号が付された断面A-Aから見た図である。
図5】カラー装置の第2の断面図であり、第2の断面図は、図3において符号が付された断面B-Bから見た図である。
図6】カラー装置の第2の側の平面図であり、第2の側は第1の側と反対側にある。
図7】例示の第1の実施形態におけるカラー装置の分解図である。
図8】医療用撮像システムの受像器に取り付けられたカラー装置を含むCアーム医療用撮像システムの平面図である。
図9】医療用撮像システムのフラットパネルディテクタを含むCアーム医療用撮像システムを示す。
図10】一実施形態によるカラー装置(第1の側)の正面図を示す。
図11図10の実施形態によるカラー装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
以下の説明では、限定ではなく説明の目的で、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために詳細及び説明が記載されている。しかしながら、これらの詳細及び説明から逸脱する特定の変形形態又は代替的な組み合わせを含む、他の実施形態において本発明が実施され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0011】
一般的な実施形態
一般的な実施形態では、カラー装置は、限定されるものではないが、整形外科手術及び臓器ベースの外科手術などの、様々な可能な医療用途に関連する、レーザの角度及び軌道の視覚化と外科的誘導とをもたらすために、医療用撮像システムの受像器に装着されるように構成される。
【0012】
カラー装置は、概して、受像器(イメージインテンシファイア若しくはフラットパネルディテクタ)又はX線管などの、医療用撮像システムの一部分と結合するように構成された基部と、基部に回転可能に結合された回転アセンブリとを含む。回転アセンブリは、(i)回転アセンブリの直径の少なくとも一部分に沿って第1の端部から第2の端部に延びるX線透過性マーカ、(ii)カラー装置の相対向する端部にそれぞれ配置された第1の基準マーカ及び第2の基準マーカ、並びに(iii)回転アセンブリに結合され、且つレーザ光平面内にレーザ光を投影するように構成されたレーザ源アセンブリからなる群からの少なくとも2つを更に含む。
【0013】
カラー装置がX線透過性マーカとレーザ源アセンブリとを含む場合に、X線透過性マーカは、レーザ源アセンブリのレーザ光平面内に共通に配置される。X線透過性マーカは、回転アセンブリの直径全体にわたって延びる必要はなく、直径の一部分のみに沿って延び得ることに留意すべきである。複数のX線透過性マーカは、複数のX線透過性マーカの少なくとも1つがレーザ源アセンブリのレーザ光平面内に配置された状態で、実装され得る。
【0014】
カラー装置は、2つ以上のレーザ源アセンブリを含み得る。
【0015】
より詳細には、X線撮像システムの受像器に装着されるカラー装置は、前記受像器の周囲に装着されるように構成されたハウジングと、ハウジングに結合された基部であって、基部の周縁に沿って延びるチャネルを含む基部と、基部に結合され、且つチャネルの周囲で回転するように構成された回転アセンブリとを含み得る。回転アセンブリは、(i)回転アセンブリの直径の少なくとも一部分に沿って第1の端部から第2の端部に延びるX線透過性マーカ、(ii)カラー装置の相対向する端部にそれぞれ配置された第1の基準マーカ及び第2の基準マーカ、(iii)回転アセンブリに結合され、且つレーザ光平面内にレーザ光を投影するように構成されたレーザ源アセンブリ、又は(iv)これらの組み合わせを更に含み得る。
【0016】
受像器は、X線イメージインテンシファイア又はフラットパネルディテクタを含み得る。
【0017】
カラー装置は、ベゼルを更に含み得、ベゼル及びハウジングの少なくとも一方は、その外面の周囲に配置された指標を含む。
【0018】
カラー装置は、気泡水準器アセンブリを更に含み得、気泡水準器アセンブリはハウジングに結合される。
【0019】
基部は、受像器面の周囲のカラー装置の向きを調整するための複数の第1の止めねじを更に含み得る。
【0020】
回転アセンブリは、1つ又は複数の軸受アセンブリを更に含み得、軸受アセンブリのそれぞれは、回転アセンブリの円周の周囲に配置され、且つ基部のチャネルに回転可能に係合するように構成される。軸受アセンブリのそれぞれは、玉軸受ねじと、ワッシャと、軸受と、軸受ナットとを個別に含み得る。
【0021】
回転アセンブリは、1つ又は複数のブレーキアセンブリを更に含み得、1つ又は複数のブレーキアセンブリのそれぞれは、独立してハウジングの内面に摩擦抵抗を加えるように構成される。ブレーキアセンブリのそれぞれは、ブレーキ受けと、ブレーキと、ブレーキ受けとブレーキとの間に付勢力を与えるためにブレーキ受けとブレーキとの間に延びるように構成された1つ又は複数のブレーキばねとを含み得る。
【0022】
レーザ源アセンブリは、レーザ源ハウジングと、レーザ源ハウジング内に配置されたレーザ源とを含み得る。レーザ源アセンブリは更に、電力を受け取るためにバッテリアセンブリに結合させることができる。
【0023】
X線透過性マーカの第1の端部は、端部ロッドホルダを介して回転アセンブリに結合させることができる。X線透過性マーカの第2の端部は、レーザ源アセンブリに又はマーカクリップに取り付けることができる。
【0024】
カラー装置は、回転アセンブリに結合された第2のX線透過性マーカを更に含み得る。第2のX線透過性マーカは、第1のX線透過性マーカに対して角度をなすように構成することができ、角度は、第2のX線透過性マーカと第1のX線透過性マーカとの間の1°~90°を含む。
【0025】
カラー装置は、回転アセンブリに結合された第2のレーザ源アセンブリを更に含み得る。第2のレーザ源アセンブリは、他のレーザ光平面と異なる第2のレーザ光平面内にレーザ光を投影するように構成され得る。第2のX線透過性マーカは、第2のレーザ光平面と整合するように構成することができる。
【0026】
カラー装置は、第3のX線透過性マーカを更に含み得、第3のX線透過性マーカは、その中心で第1のX線透過性マーカに結合される。第3のX線透過性マーカは、回転アセンブリの中心に向けて調整可能な構成に構成された同心状に入れ子になった管を含み得る。第3のX線透過性マーカは、第1のX線透過性マーカ(又は第2のX線透過性マーカそれぞれ)の中心点に取り付けられた基部及び玉軸受により第1のX線透過性マーカ(又は第2のX線透過性マーカ)に取り付けられ得る。第3のX線透過性マーカは、玉軸受基部内への摩擦嵌めを形成し得る。
【0027】
カラー装置は、患者に装着されるロッド、手術器具、又はこれらの組み合わせに対するカラーシステムの位置を固定するための固定アーム取付部を更に含み得る。この点に関して、カラー装置は、2つ以上の固定アーム取付部を含み得る。
【0028】
X線透過性マーカは、中心マーカを更に含み得、中心マーカは、X線透過性マーカに沿ってカラー装置の中心に配置される。
【0029】
カラー装置は、カラー装置の周縁の周囲にそれぞれ配置された複数の発光ダイオード(LED)を更に含み得る。
【0030】
カラー装置は、顕微鏡(又は目視検査スコープ)をカラー装置に取り付けるための顕微鏡マウントを更に含み得る。
【0031】
カラー装置は、表示画面をカラー装置に取り付けるための表示画面マウントを更に含み得る。
【0032】
カラー装置は、音声信号、視覚信号、又はこれらの組み合わせを通信するためのa/v構成部品を更に含み得る。
【0033】
例示の実施形態
ここで図面に移ると、図1は、人間又は動物の患者に関わる外科的用途で使用されるように構成されたX線イメージインテンシファイア14を備えた従来の医療用撮像システム10を示している。当業者であれば、イメージインテンシファイアの代わりにフラットパネルディテクタを同様に実装できることを認識するであろう。「受像器」という用語は、本明細書では、イメージインテンシファイアとフラットパネルディテクタの両方を含むように意図された総称として使用される。本明細書で説明するカラーシステムは、任意の受像器と共に実装される。図1を参照すると、上から下に向かって、従来の医療用撮像システムは、モニタ11と、ビデオカメラ12と、光結合器13と、イメージインテンシファイア14と、グリッド15とを含む。カメラと光結合器とイメージインテンシファイアとの組み合わせにより、全体として例示的な受像器50が形成される。イメージインテンシファイアの下方には、テーブル17と、テーブル上に位置決めされた患者16(人間又は動物)が位置する。最後に、X線発生装置21、X線管20、コリメータ19、及び濾過器18はそれぞれ、図面中の患者の下方に配置される。患者の画像を取得するためにX線管とイメージインテンシファイアとが整合していることに留意されたい。医療用撮像システムの機能は、当技術分野で周知であり、理解されているので、詳細はここでは説明しない。
【0034】
まず、本明細書で説明するカラー装置は受像器又はX線管に取り付けられ得ることに留意すべきである。
【0035】
図2は、例示の実施形態によるカラー装置100を示している。カラー装置は、ハウジング110と、ハウジングに結合された基部120と、基部及びハウジングの周囲で回転するように構成された回転アセンブリ130と、ベゼル140とを含む、様々な構成要素のアセンブリである。ハウジング、ベゼル、又はハウジングとベゼルの両方は、それらの表面に配置された程度マーカ又は他の情報などの、指標141を含み得る。
【0036】
ハウジングには、気泡水準器アセンブリ111が結合される。気泡水準器アセンブリは、ハウジングの側面に取り付けられ、且つカラー装置の共通平面と共に延びるように構成され得る。気泡水準器は、受像器の周囲のカラー装置の整合を確認するために使用することができる。
【0037】
X線透過性マーカ131は、回転アセンブリ130に取り付けられ、回転アセンブリ130の直径の少なくとも一部分に沿って延びる。加えて、レーザ平面内に線状のレーザ線を提供するように適合されたレーザ源アセンブリ135は、X線透過性マーカと整合するように構成される。この点に関して、レーザは、受像器から見てX線透過性マーカの重畳画像と同じ平面内に可視光を提供するように適合される。したがって、X線透過性マーカ及び線状のレーザ光のそれぞれは、共通平面内に整合される。このことは、医師が、手術器具の位置決め、手術器具の位置合わせを理解できるようにし、処置時での手術器具の並進中に誘導をもたらすことができる。
【0038】
図3は、カラー装置100の第1の側を示している。「前側」及び「後側」は相対的な用語であり、Cアーム医療用撮像システムを使用中にあらゆる方向に回転させるので、「第1の側」として図示されるカラー装置のその瞬間の側を指す。ここで、2つの線は、断面A-A及び断面B-Bを含む、後に言及される断面を示す。加えて、X線透過性マーカは、回転アセンブリの直径の少なくとも一部分に沿って第1の端部132から第2の端部133に延びる(ここでは、実際には、X線透過性マーカは、直径全体にわたって延びる)ように示されている。
【0039】
図4は、カラー装置100の第1の断面図を示しており、第1の断面図は、図3において符号が付された断面A-Aから見た図である。この図から、レーザ源アセンブリ135及びレーザ源135bを理解することができる。レーザ源は、レーザ光平面137内に線状のレーザ光136を提供するように構成される。患者には、撮像システムを通して視認される場合、X線透過性マーカの重畳画像と整合する、レーザ線が視認される。
【0040】
図5は、カラー装置100の第2の断面図を示しており、第2の断面図は、図3において符号が付された断面B-Bから見た図である。この図から、バッテリアセンブリ145、X線透過性マーカ131及び端部ロッドホルダ146などの構成要素の配置を理解することができる。端部ロッドホルダは、X線透過性マーカを回転アセンブリに取り付けるために設けられる。
【0041】
図6は、カラー装置100の第2の側を示しており、第2の側は第1の側(図3)と反対側にある。X線透過性マーカ131上に中心マーカ131aを有するX線透過性マーカ131は、組み立てられたカラー装置の第2の側から視認可能である。中心マーカは、X線透過性マーカにおける空隙、ハロゲン化ポリマーコーティング(ヨウ素など)、又は当業者により理解されるような他の変形形態を含むことができる。中心マーカは、カラー装置の中心を特定する。カラー装置を受像器に装着するための取付ねじ114、及びカラー装置を受像器の周囲に整合させるための第1の止めねじ123も示されている。
【0042】
図7は、例示の第1の実施形態において提供されるカラー装置の分解図である。カラー装置は、ハウジング110、基部120、回転アセンブリ130、及びベゼル140などの、4つの主要部を含むように示されている。
【0043】
カラー装置は、ハウジング110を含む。気泡アセンブリ111は、分解図に示すように、気泡水準器ハウジング111aと気泡水準器111bを含む。加えて、ハウジングは、撮像システムの受像器に取り付けるための取付ねじ114を内部に受け入れる。ハウジングを基部120に取り付けるために、ハウジングねじ112が設けられる。また、レーザ源ハウジング135aにおいてX線透過性マーカ131を固定するために使用される、マーカクリップ113が示されている。
【0044】
基部120は、基部の周縁122の周囲に延びるチャネル121を含む。第1の止めねじ123は、受像器面の周囲のカラー装置の整合を調整するために設けられる。基部は、ハウジングねじ112を介してハウジング110に取り付けられるように適合される。
【0045】
回転アセンブリ130は、軸受アセンブリ138とブレーキアセンブリ139とを含む。軸受アセンブリのそれぞれは、基部の周囲での回転アセンブリの回転を容易にするために設けられる。軸受アセンブリは、回転アセンブリディスクの開口を貫通して延びるように構成された玉軸受ねじ138aと、ワッシャ138bと、軸受138cと、軸受ねじと係合されたナット138dとを含むように示されている。ブレーキアセンブリは、ブレーキ受け139aと、ブレーキばね139cと、ブレーキ139bとを含むように示されている。ブレーキアセンブリは、回転アセンブリのスピンを制御するためにハウジングに抗する付勢力を与えるように構成される。カラー装置の周囲で回転アセンブリを回転させることができるが、所望の向きに構成された所定の位置に回転アセンブリを保持することが重要である。
【0046】
また、回転アセンブリには、レーザ源ハウジング135aと、レーザ源ハウジング内に配置されたレーザ源135bと、レーザ源から放射されるレーザ光を調整するためのレーザハウジング止めねじ135cと、回路裏板135dと、回路箱135eと、回路基板135fとから構成されるレーザ源アセンブリ135が取り付けられる。レーザ取付ねじ135gは、レーザ源アセンブリ135の構成部品を組み立てるために使用される。JST PH又は他の接続線(「接続線135h」)は、レーザ源アセンブリをバッテリアセンブリ145に接続するために使用される。バッテリピン145b及びバッテリ係止ねじ145aは、バッテリアセンブリを回転アセンブリ130の周囲に組み付けるために使用される。
【0047】
最後に、ベゼル140は、ベゼルねじ142を介してカラー装置に取り付けられるように適合される。指標141は、ベゼルの表面の周囲に配置されて示されている。
【0048】
図8は、医療用撮像システムの受像器50に取り付けられたカラー装置100を含むCアーム医療用撮像システムを示している。受像器は、カラー装置が装着される受像器面124を含む。Cアーム22は、水平軸線を中心に撮像システムを回転させるために設けられる。
【0049】
図9は、医療用撮像システムのフラットパネルディテクタ51を含むCアーム医療用撮像システムを示している。この実施形態では、カラー装置は、例えば、基部の設計を円形状から矩形構造に変更することにより、フラットパネルディテクタに取り付けられるように設計することができる。本明細書で使用される「環状」という用語は、円形又は矩形のリング状構造に適用され得ることに留意されたい。
【0050】
図10は、一実施形態によるカラー装置(第1の側)の正面図を示しており、カラー装置は、第1のX線透過性マーカと、第2のX線透過性マーカ231の中心で第1のX線透過性マーカのそれぞれに結合された第2のX線透過性マーカ231と、カラー装置の周縁とを含む。第2のX線透過性マーカは、選択的に第1のX線透過性マーカに対して角度(A’)をなすように構成され得る。カラー装置の周縁には、任意選択の第2のレーザ源アセンブリ235が配置され、第2のX線透過性マーカは、第2のX線透過性マーカを第2のレーザ源アセンブリの第2のレーザ光平面237に対して同一線上に保持するために第2のレーザ源アセンブリと整合するように構成され得る。任意選択の第3のX線透過性マーカ331の基端部は、第1のX線透過性マーカ及び第2のX線透過性マーカの一方又は両方に結合させることができ、且つ基端部において回転するように構成することができる。例えば、第3のX線透過性マーカは、玉軸受又は同様の機械的構成要素により第1及び/又は第2のX線透過性マーカに結合され得る。好ましい実施形態では、第3のX線透過性マーカは、第3のX線透過性マーカに関連する長さの伸長可能な構成のための2つ以上の同心状に入れ子になった管を含む。発光ダイオード(LED)153は、カラー装置の周縁の周囲に配置されて示されており、手術部位の方向に光源を提供する。顕微鏡又は他の検査スコープを保持するための目視スコープマウント154は、図示のようにカラー装置の外面に実装することができる。加えて、固定アーム取付部150は、カラー装置の外面から患者に向かって延びることができ、患者に装着されるロッド151は、カラー装置を患者に対して適所に固定するための固定アーム取付部に取り付けられ得る。第2の固定アームは、手術器具152を取り付けるためにカラー装置から延びるように同様に実装及び構成することができ、手術器具は、カラー装置の位置に対して確実に保持され得る。
【0051】
図11は、図10の実施形態によるカラー装置の側面図を示しており、カラー装置は、外科処置中に使用される表示画面を受け取るように構成された任意選択の表示画面マウント155と、任意選択の音声/視覚的構成部品(a/v構成部品)156とを更に含む。伸縮式の第3のX線透過性マーカ331は、この図では、可能な構成角度を示すように更に図示されており、第3のX線透過性マーカは、カラー装置及びその中心に対して半球状空間の周囲に構成可能である。この点に関して、半球状空間は、カラー装置の全半径までの任意の半径により画定され、それにより、第3のX線透過性マーカの向きを定めるための数多くの可能な構成角度及び半径を提供し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、カラー装置は、撮像システムの光源側に実装され得る。例えば、カラー装置は、受像器側とは対照的に、X線撮像システムのエミッタに配置され得る。
【0053】
更に他の実施形態では、カラー装置は、撮像システムに組み込まれ得る。例えば、カラー装置の機能的構成要素は、医療用撮像システムの受像器側若しくはエミッタ側に組み込むか、又は受像器側とエミッタ側の間のどこかに位置決めし、且つ共通のハウジング及び/又は他の構成部品を共有することができる。
【0054】
カラー装置の能力を高めるために、他の特徴を様々な実施形態において提供することができる。
【0055】
様々な詳細、特徴、組み合わせが例示の実施形態において説明されているが、当業者であれば、本明細書に開示された特徴の無数の可能な代替の組み合わせ及び配置を理解するであろう。そのように、本説明は、有効であるように意図されており、非限定的である。むしろ、本発明の趣旨及び範囲は、出願人が意図するように、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【符号の説明】
【0056】
特徴の説明
10 X線撮像システム
11 モニタ
12 ビデオカメラ
13 光結合器
14 X線イメージインテンシファイア
15 グリッド
16 患者
17 テーブル
18 濾過器
19 コリメータ
20 X線管
21 X線発生装置
22 Cアーム
50 受像器
51 フラットパネルディテクタ
100 カラー装置
110 ハウジング
111 気泡水準器アセンブリ
111a 気泡水準器ハウジング
111b 気泡水準器
112 ハウジングねじ
113 マーカクリップ
114 取付ねじ
115 マーカ止めねじ
116 マーカ端部ねじ
120 基部
121 チャネル
122 周縁
123 第1の止めねじ
124 受像器面
130 回転アセンブリ
131 X線透過性マーカ
131a 中心マーカ
132 第1の端部
133 第2の端部
134a 第1の基準マーカ
134b 第2の基準マーカ
135 レーザ源アセンブリ
135a レーザ源ハウジング
135b レーザ源
135c レーザハウジング止めねじ
135d 回路裏板
135e 回路箱
135f 回路基板
135g レーザ取付ねじ
135h 接続線
136 レーザ光
137 レーザ光平面
138 軸受アセンブリ
138a 玉軸受ねじ
138b ワッシャ
138c 軸受
138d 軸受ナット
139 ブレーキアセンブリ
139a ブレーキ受け
139b ブレーキ
139c ブレーキばね
140 ベゼル
141 指標
142 ベゼルねじ
145 バッテリアセンブリ
145a バッテリ係止ねじ
145b バッテリピン
146 端部ロッドホルダ
150 固定アーム取付部
151 患者に装着されるロッド
152 手術器具
153 発光ダイオード
154 顕微鏡マウント
155 表示画面マウント
156 a/v構成部品
231 第2のX線透過性マーカ
235 第2のレーザ源アセンブリ
237 第2のレーザ光平面
331 第3のX線透過性マーカ
331a、331b 同心状に入れ子になった管
A’ 角度
C 円周
D 直径
S1、S2 相対向する端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】