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特表2022-519626色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/01 20060101AFI20220316BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20220316BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220316BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
A41D13/01
G09F9/33
G09F9/00 347Z
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366G
G09F9/00 362
G09F9/30 308Z
G09F9/30 308A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545664
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 KR2020001570
(87)【国際公開番号】W WO2020162676
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0015080
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507073343
【氏名又は名称】リム,ソン-キュ
(71)【出願人】
【識別番号】515203859
【氏名又は名称】キム,ミョン-ヒ
(71)【出願人】
【識別番号】515203192
【氏名又は名称】リム,ジョン-ホ
(71)【出願人】
【識別番号】515203206
【氏名又は名称】リム,ジョン-ユン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リム,ソン-キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミョン-ヒ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョン-ユン
【テーマコード(参考)】
3B011
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AA05
5C094AA22
5C094AA44
5C094AA60
5C094BA25
5C094CA24
5C094DA05
5C094DA06
5C094EB02
5C094FB02
5C094FB14
5C094HA10
5G435AA00
5G435AA16
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC12
5G435EE49
5G435HH13
5G435LL00
5G435LL07
(57)【要約】
本発明は、色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類に係り、さらに詳しくは、着用者の身体に着用する上下衣(110、120)で構成された衣類100と、前記衣類100の表面に被せられる透明マイクロLEDディスプレイスキン300と、前記衣類100の上下衣110、120の内部のマスター部400及び遠隔スレーブ500と、スマートフォン600と、を備えてなり、着用者がスマートフォン600のAPP(アプリ)を用いて選択的に透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御して自分の現在の状況に合わせて様々な色を表現できる有用な発明である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光機能付き衣類であって、
ユーザーが身体に着用する上下衣(110、120)で構成される衣類(100)と、
前記上下衣(110、120)の外側に構成され、透明性と可撓性を有する透明可撓性基板(310)と、前記透明可撓性基板(310)の上に転写され且つ取り付けられ、マイクロLED画素(330)を有する半導体デバイス層(320)とを備え、前記衣類(100)の上下衣(110、120)の表面に全体的にもしくは部分的に被せられる透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)と、
上衣(110)の外側または内側に構成され、電源部(430)を制御する電源スイッチ(410)と、USBケーブルを介したバッテリーの充電のための充電ポート(420)と、前記電源スイッチ(410)から制御される電源部(430)と、前記充電ポート(420)により充電された電力を蓄えるバッテリー(440)と、前記電源部(430)に電源を無線にて供給するための無線電気コイルを有する電源無線供給部(450)と、スマートフォン(600)をはじめとする外部機器及びその他の装置との近距離無線通信のための近距離無線通信部(460)と、前記衣類(100)の透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)における色の表現のための制御を行う主制御部(470)と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部(480)と、衣類(100)の外部の光の明るさを検出するための光検出部(490)とを備えるマスター部(400)と、
下衣(120)の外部または内部の一方の側に構成され、前記マスター部(400)の電源無線供給部(450)から発生されたパワーを受信する無線電気アンテナ(510)と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)の駆動及び制御のための遠隔制御部(520)と、前記マスター部(400)との超近接遠隔送受信のための送受信部(530)と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部(540)と、外部及び明るさを検出するための光検出部(550)とを備える遠隔スレーブ(500)と、
前記マスター部(400)と近距離無線通信部(460)との間の近距離無線通信方式を用いて、前記マスター部(400)または遠隔スレーブ(500)の主制御部(470)または遠隔制御部(520)を制御可能なAPPを備えるスマートフォン(600)と、
を備え、
前記ハーベスティング部(480、540)は、光電素子、熱電素子、無線電気変換素子のうちのいずれか一種またはそれらの組み合わせで構成され、
前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)は、前記APPを介して特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)が制御されるとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)に近いマスター部(400)または遠隔スレーブ(500)により制御され、
前記マイクロLED画素(330)は、P-nダイオード層であって、バンドギャップを有する化合物半導体から形成され、回路パターンやバンプ、伝導性接着層となる正電極層(331)、透明伝導層(332)、電源の供給のための透明p-電極層(333)、P-GaN層(334)、活性層(335)、n-GaN層(336)、電気伝導性を有する透明N-Gan層(337)がこの順に積層されてなるが、各マイクロLED画素(330)の間には透明性絶縁層(338)が形成されることを特徴とする、色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類。
【請求項2】
前記光検出部(490、550)は、
衣類(100)に印加される外部の光量を感知した後、前記主制御部(470)と遠隔制御部(520)にそれぞれ印加し、
前記主制御部(470)と前記遠隔制御部(520)は、印加された光量に基づいて、透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)のディスプレイの輝度(明るさ)を制御することを特徴とする、請求項1に記載の色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類に係り、さらに詳しくは、通常の衣類である上衣または下衣の一方の表面に透明マイクロLEDディスプレイスキンを被せた後、前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを制御するマスター部及び遠隔スレーブを構成し、着用者が遠隔にて前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを制御できるようにスマートフォンと連動されるようにして、選択的に前記透明マイクロLEDディスプレイスキンの色と模様をまるでテレビ画面のように変化させることのできる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人類は、身体の一部を隠すときから、且つ、衣類(衣服、服)を作って着るときから、数十万年または数千年の前から衣類に色や模様(刺繍、絵柄、文字など)を入れて着用することにより、着用者の美しさや自分の個性を表現してきた。
【0003】
一方、近年、衣類ファッションは、自分の個性を表わすために、甚だしくはズボンを引きちぎったりして模様を作って世の中にたった一つしか存在しない唯一の着用者の自分ならではの服を着ている傾向にあり、これまでの服は、布地(生地)を作る製作業者が作っておいた色や模様の生地(布地)で衣類(衣服、服)を作って受動的に着用してきた。
【0004】
また、趣味生活や、オートバイ、自転車、インラインスケート、ランニング、山登り、ビリヤードなどのスポーツなどを楽しむ人々は、当該スポーツに専門化された衣類を着用し、このようなスポーツ衣類は、多種多様な機能性が付加されて当該スポーツを楽しむ上で着用者に使い勝手の良さを与えるものの、ほとんどの場合、当該スポーツに関わる謳い文句、煽り文句やロゴといったものが取り付けられた特別な服を着る場合が多いため、夜間、悪天候などの状況下で他人によって認識できなくなるという問題があった。
【0005】
このような問題のために、着用者が自分が着ている服の色や模様をまるでテレビ画面の変化のように、時と場所など周りの環境に応じて着用者が創作デザイナーになって瞬間的に且つ積極的に多種多様に変化させて着用者自分の創作作品を表現できるだけではなく、当該スポーツを観覧する観衆にさらにしっかりとロゴや謳い文句、煽り文句(キャッチコピー、キャッチフレーズ)を刻みつけることができ、夜間に視認性を確保してともすれば起こりがちになる安全事故を未然に防止できる衣類が開発されることを余儀なくされる。
【0006】
まず、従来の技術を調べてみると、韓国登録特許第10-1381860号公報は、ジャケットとズボンを備えるスマート衣類において、定められたパターンに応じて衣類のジャケットの一方の端に取り付けられる発光体と、衣類のジャケットの一方の端に取り付けられて前記発光体の動作を制御するための制御ボードと、前記発光体と制御ボードとを縫い合わせる伝導性糸(conductivet hread)と、を備えてなるが、前記発光体は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)であり、前記制御ボードは、リリーパッドアルディーノ(lilyPad Arduino)であり、前記ジャケットのわきの部分にスライドファスナー(ジャック)を形成してわきの部分を選択的に開けるようにし、前記ズボンの一方の端にポケットが形成され、前記ポケットに保温パックが挿入される発光機能付きスマート衣類に関する技術である。
【0007】
韓国登録実用新案第20-0283119号公報は、衣類の一部に花、ハート、星または文字の穿孔部を形成し、前記の穿孔部にチュール生地、かすかな透け感のある繊維または透明ビニールの透明体を周縁に沿ってミシン刺繍または機械刺繍で返し縫いして一体にし、発光ダイオードをフレキシブルプリント回路基板に並べてなる発光ボードを防水布により密閉させて前記穿孔部の内側に位置させ、前記穿孔部の内側には、上記の発光ボードを支持するカバーを取り付けてなることを特徴とする発光ダイオード発光装置付き衣類に関する技術である。
【0008】
韓国登録特許第10-1131483号公報は、衣類に取り付ける安全装備において、パッドの上に載置されて発光するための発光素子と、前記発光素子が載置されて収められるための開口部を有し、光を反射するための反射板と、前記発光素子の上において反射板の開口部の外周縁に空気媒質に対して密な媒質を有するように熱融着または高周波融着された透明フィルムと、前記発光素子に発光電源を接続するための接続部に対して発光素子の駆動に必要な電源を供給するための回路部と、前記回路部に電源を供給するための電源部と、を備える省エネルギー機能付き発光用安全衣類に関する技術である。
【0009】
韓国公開実用新案第20-2009-0006265号公報は、衣類において、前記衣類の前面部と背面部にそれぞれホットメルト接着剤を介して取り付けられる多数のELと、前記ELに電源を供給する多数本のリード線で構成されるEL発光部と、前記多数のELが設けられる終端部にそれぞれ貼り合わせられて衣類の内部に水が浸透することを防ぐ貼り合わせ部と、前記多数本のリード線が連結されて前記EL発光部をまとめて制御する制御部と、を備えるELを用いた発光衣類に関する技術である。
【0010】
上述した従来の技術は、経済的な側面を全く考慮していないだけではなく、単に夜間に視認性を確保するための目的のみを成し遂げるための技術であって、催し、祭り、パーティ、イベントなどが開かれる場所において興味をそそる目的に利用できないだけではなく、単に発光するだけのそのLED灯がたいてい単色で発光されるため、単調になる虞があり、一つの絵柄や模様それ自体に固定された表現であることに過ぎず、充電式であるか、あるいは、別途のバッテリーのみを用いるため、電力の消耗量がかなり多いという問題を抱えていて、長時間にわたって利用できない技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1381860号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案第20-0283119号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-1131483号公報
【特許文献4】韓国公開実用新案第20-2009-0006265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述した従来の技術の問題を解消するために案出されたものであり、衣類の外側の表面に全体的にもしくは部分的に透明マイクロLEDディスプレイスキンが被せられてなるが、一つ以上で構成し、前記衣類の外部または内部の一方の側に構成するが、前記透明マイクロLEDディスプレイスキンに近い位置にマスター部と遠隔スレーブを構成して前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを制御するようにし、前記マスター部と遠隔スレーブを遠隔にて制御するために一台以上のスマートフォンが連動されるようにして、前記スマートフォンに内蔵されるAPP(アプリ)を用いて前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを制御して、単一または多数の色または模様がまるでテレビ画面のように様々に動く模様の変化で表現できるように自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類を提供することに主眼点をおいてその技術的課題を成し遂げるために完成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明は、発光機能付き衣類において、ユーザーが身体に着用する上下衣110、120で構成される衣類100と、前記上下衣110、120の外側に構成されるが、透明性と可撓性を有する透明可撓性基板310と、前記透明可撓性基板310の上に転写され且つ取り付けられ、マイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320とを備え、前記衣類100の上下衣110、120の表面に全体的にもしくは部分的に被せられる透明マイクロLEDディスプレイスキン300と、前記上衣110の外側または内側に構成されるが、電源部430を制御する電源スイッチ410と、USBケーブルを介したバッテリーの充電のための充電ポート420と、前記電源スイッチ410から制御される電源部430と、前記充電ポート420により充電された電力を蓄えるバッテリー440と、前記電源部430に電源を無線にて供給するための無線電気コイルを有する電源無線供給部450と、スマートフォン600をはじめとする外部機器及びその他の装置との近距離無線通信のための近距離無線通信部460と、前記衣類100の透明マイクロLEDディスプレイスキン300における色の表現のための制御を行う主制御部470と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部480と、衣類100の外部の光の明るさを検出するための光検出部490とを備えるマスター部400と、前記下衣120の外部または内部の一方の側に構成されるが、前記マスター部400の電源無線供給部450から発生されたパワーを受信する無線電気アンテナ510と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300の駆動及び制御のための遠隔制御部520と、前記マスター部400との超近接遠隔送受信のための送受信部530と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部540と、外部及び明るさを検出するための光検出部550とを備える遠隔スレーブ500と、前記マスター部400と近距離無線通信部460との間の近距離無線通信方式を用いて、前記マスター部400または遠隔スレーブ500の主制御部470または遠隔制御部520を制御可能なAPPを備えるスマートフォン600と、を備え、前記ハーベスティング部480、540は、光電素子、熱電素子、無線電気変換素子のうちのいずれか一種またはそれらの組み合わせで構成され、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、前記APPを介して特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300が制御されるとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300に近いマスター部400または遠隔スレーブ500により制御され、前記マイクロLED画素330は、P-nダイオード層であって、バンドギャップを有する化合物半導体から形成され、回路パターンやバンプ、伝導性接着層となる正電極層331、透明伝導層332、電源の供給のための透明p-電極層333、P-GaN層334、活性層335、n-GaN層336、電気伝導性を有する透明N-Gan層337がこの順に積層されてなるが、各マイクロLED画素330の間には透明性絶縁層338が形成されることを技術的な特徴とする。
【0014】
前記光検出部490、550は、衣類100に印加される外部の光量を感知した後、前記主制御部470と遠隔制御部520にそれぞれ印加し、前記主制御部470と遠隔制御部520は、印加された光量に基づいて、透明マイクロLEDディスプレイスキン300のディスプレイの輝度(明るさ)を制御することを技術的な特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類によれば、自分の現在の状況に合わせて様々な色または模様をまるでテレビ画面のように手軽に変化させることができて、現場の状況に即時で対応することができ、暗所または夜間に車両の運転者などに視認性を確保させるとともに、催し、祭り、パーティ、イベントなど、特に、その他にどこかに所属しているユーザーがロゴなどのエンブレムを様々な色または模様を変化させてまるでテレビ画面のように表現可能であることにより、そのロゴ及びエンブレムを効果的に表現することが可能になって、広告効果を浮き彫りにすることができるとともに、色を多種多様に変色することで、ユーザーの興味をそそることができることはもとより、今後、人類、衣類パターンやファッションの変化の主導的な流れに発展する潜在力が十分であり、大勢の人々が好奇心と興味を感じるのに十分な技術であり、低電力である他、充電可能なバッテリー及び自体的な電力の供給を通じて長時間にわたって使用可能であるという効果が奏される、人類の衣類の歴史からみて画期的な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の好適な実施形態を示す図。
図2】本発明の好適な実施形態を示す図。
図3】本発明の透明マイクロLEDディスプレイスキンを示す図。
図4】本発明のマスター部の好適な実施形態を示す構成図。
図5】本発明の遠隔スレーブの好適な実施形態を示す構成図。
図6】本発明のスマートフォンと衣類が近距離無線通信方式により作動することを示す図。
図7】本発明の好適な実施形態を示す図。
図8】本発明の好適な実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、通常の衣類である上衣または下衣の一方の側または全体の表面に透明マイクロLEDディスプレイスキンを被せた後、前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを制御するマスター部及び遠隔スレーブを構成し、着用者が遠隔にて前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを制御できるようにスマートフォンと連動されるようにして選択的に前記透明マイクロLEDディスプレイスキンの色を変色させることのできる自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類を提供する。
【0018】
以下、添付の図1から図8に基づいて、前記目的を達成するための本発明の好適な実施形態について説明する。
【0019】
まず、本発明は、衣類100、透明マイクロLEDディスプレイスキン300、マスター部400、遠隔スレーブ500及びスマートフォン600を備えてなる。
【0020】
前記衣類100は、図1図2図7に示すように、着用者の上体と下体にそれぞれ着用する上衣110と下衣120で構成される。ここで、前記上衣110または下衣120には、通常、ポケットが構成されてもよく、本発明においては別途に示していない。
【0021】
一方、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、図3に示すように、透明性と可撓性を有する透明可撓性基板310と、前記透明可撓性基板310の上に転写され且つ取り付けられ、マイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320と、を備え、前記上衣110と下衣120の外側の表面にそれぞれ被せられるように構成される。
【0022】
このとき、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、図1または図7に示すように、前記衣類100の上衣110と下衣120の外側の表面に全体的にもしくは部分的に被せられてもよく、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300が部分的に被せられるときに一定の間隔を隔てるように構成され、それぞれの透明マイクロLEDディスプレイスキン300に互いに異なる色を表現することが可能になる。
【0023】
前記マイクロLEDディスプレイは、5~100μm(10万分の1cmである)の粒径の超小型LED粒子を基板(本発明においては、透明基板)に接合したディスプレイであって、LEDチップそれ自体を画素(ピクセル)として活用して柔軟性があるか(flexible)、あるいは、丸く巻ける(rollable)画面を実現するのに適しており、有機発光ディスプレイ(OLED)に比べて電力の消耗量が非常に少ないため、長時間にわたって使用可能であり、既存のOLEDに比べても照度、彩度、電力効率性の面からみても遥かに優れている。
【0024】
上述したような透明マイクロLEDディスプレイスキン300を衣類100の上下衣110、120の外側の表面に被せて取り付けるが、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、マイクロLEDディスプレイが作動していない場合であっても衣類の役割をそのまま果たせるように透明性と可撓性を併せ持つ透明可撓性基板310を採用し、マイクロLEDチップからなる画素、すなわち、マイクロLED画素330もまた透明性を最大限に有するように構成する。
【0025】
一方、マイクロp-nダイオード層からなる数多くのマイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320がマイクロ転写印刷技術を用いた方式により透明可撓性基板310に移植されて形成されることにより、本発明の透明マイクロLEDディスプレイスキン300が構成されるが、このとき、転写印刷技術を行うに当たって、ロール転写技術を用いて一秒当たりに一万余個以上のマイクロLED画素330を透明可撓性基板310に転写して取り付けることが好ましい。
【0026】
マイクロLED画素330は、母(native)基板の上に用意された後、透明可撓性基板310に転写され且つ印刷され、次いで、母基板及び不要な部分は取り除かれる。
【0027】
前記透明可撓性基板310は、透明であり、しかも、軟性を有し、5~10μm、10~50μm、50~100μm、100~200μm、200~500μm、0.5~1mm、1~5mm、5~10mmの厚さ範囲のうちのいずれか一つの厚さの範囲が選定される。
【0028】
すなわち、図3に示すように、透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、透明性と可撓性を併せ持つ透明可撓性基板310の上にマイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320が取り付けられて形成された構成要素である。
【0029】
前記半導体デバイス層320のマイクロLED画素330は、正電極層331、透明導電層332、透明p-電極層333、p-GaN層334、活性層335、n-GaN層336及び上部の透明n-電極層337で構成され、各マイクロLEDマイクロLED画素330の間には透明性絶縁層338が形成される。半導体デバイス層320に形成されたマイクロLED画素330のそれぞれは、p-nダイオード層であって、スペクトル内の特定の領域に対応するバンドギャップを有する化合物半導体から形成され、一例を挙げると、III~V属窒化物材料である窒化ガリウム(GaN)から形成される。
【0030】
前記p-電極層333は、電源の供給のためのものであって、透過率が70%以上のAl、Ga、Ag、Sn、In、Zn、Co、Ni、Auを含む酸化物から電極を形成し、正電極層321は、回路パターンやバンプ、伝導性接着層となり、透明n-電極層337は電気伝導性を有する。正電極層331は、可視スペクトルに対して反射性を有する銀及びニッケルの群から選ばれることが可能であり、潜在的な反射性ミラー層を形成する。
【0031】
因みに、本発明は、赤色、緑色及び青色を有する3種類の素子、すなわち、マイクロLEDパネルを並べることにより、透明マイクロLEDディスプレイスキン300をフルカラーで実現することができる。
【0032】
換言すれば、本発明は、衣類100の透明マイクロLEDディスプレイスキン300が作動しなければ、一般的な衣類の色及びデザインが表現され、透明マイクロLEDディスプレイスキン300が作動すれば、外部に様々な色及び模様をまるでテレビ画面のように変化させて出力することが可能になる。
【0033】
ここで、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、前記APPを介して特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御するとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300に近いマスター部400または遠隔スレーブ500により制御されることにより、本発明においては、上衣110に構成された透明マイクロLEDディスプレイスキン300はマスター部400により制御され、下衣120に構成された透明マイクロLEDディスプレイスキン300は遠隔スレーブ500により制御されるように示している。
【0034】
また、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、前記衣類100の外側の表面に全体的にまたは部分的に構成されて、後述するスマートフォン600の制御に従って衣類100の外側に様々な色及び模様をまるでテレビ画面のように表現することができる。
【0035】
一方、前記マスター部400は、図4に示すように、前記衣類100の上衣110の外側または内側に構成されるが、電源部430を制御する電源スイッチ410と、USBケーブルを介したバッテリーの充電のための充電ポート420と、前記電源スイッチ410から制御される電源部430と、前記充電ポート420により充電された電力を蓄えるバッテリー440と、前記電源部430に電源を無線にて供給するための無線電気コイルを有する電源無線供給部450と、スマートフォン600をはじめとする外部機器及びその他の装置との近距離無線通信のための近距離無線通信部460と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300における色の表現のための制御を行う主制御部470と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部480と、衣類の外部の光の明るさを検出するための光検出部490と、を備える。
【0036】
前記衣類100の上衣110に組み込む主制御部470のICチップは、注文型半導体チップ(Application specific integrated circuit;ASIC)により実現することが好ましく、無線電気とエネルギーハーベスティング部480は、太陽電池(photovoltaic)を適用してエネルギーの供給が可能になる。
【0037】
一方、前記遠隔スレーブ500は、図5に示すように、前記衣類100の下衣120に構成されたマスター部400から供給される電源を無線にて受信するためのものであって、該遠隔スレーブ500は前記下衣120の内部に構成されるが、前記電源無線供給部450から発生されたパワーを受信する無線電気アンテナ510と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300の駆動及び制御のためのICチップタイプの遠隔制御部520と、前記マスター部400との超近接遠隔送受信のための送受信部530と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部540と、衣類の外部及び明るさを検出するための光検出部550と、を備える。
【0038】
前記遠隔制御部520の集積回路(IC:integrated ciruit)は、相補性金属酸化膜半導体(complemntary-metal-oxide semiconductor;CMOS)を用いてミクロン単位に構成された集積回路であってもよく、ICチップの面積は1mm×1mmであり、厚さは0.5mmであることが好ましい。
【0039】
一方、本発明のマスター部400に構成された電源無線供給部450の無線電気コイルにおいて共振現象により発生されたパワーは、前記遠隔スレーブ500の無線電気アンテナ510において受信され、遠隔制御部520の制御により受信されたパワーを透明マイクロLEDディスプレイスキン300の駆動に用いることになる。
【0040】
ここで、前記ハーベスティング部480、540は、周りのエネルギーを採取する手段であって、別途のバッテリーの電源を供給されなくても電力を生成して内部の各部に供給し、光電素子、熱電素子、圧電素子、無線電気変換素子のうちのいずれか一種またはそれらの組み合わせで構成されることが好ましく、前記光検出部490、550は、衣類に印加される外部の光量を感知した後、前記主制御部470と遠隔制御部520にそれぞれ印加し、前記主制御部470と遠隔制御部520は、印加された光量に基づいて、透明マイクロLEDディスプレイスキン300のディスプレイの輝度(明るさ)を制御することができる。
【0041】
また、図6に示すように、且つ、上述したように、前記マスター部400と近距離無線通信部460との間の近距離無線通信方式を用いて、前記マスター部400または遠隔スレーブ500の主制御部470または遠隔制御部520を制御可能なAPPを備えてユーザーが実質的に所持するスマートフォン600をさらに備えてなる。
【0042】
前記マスター部400とスマートフォン600との間の無線送受信方式は、LEDから発せられる光の波長を用いて高速の通信速度を実現するライファイ(Li-Fi)技術を用いた方式であってもよく、特に、本発明のマイクロLED技術を適用すれば、部品の小型化と軽量化が図れるという効果が高まる。
【0043】
すなわち、本発明のスマートフォン600を介して、図6に示すように、衣類100の上下衣110、120に構成されたマスター部400と、遠隔スレーブ500とスマートフォン600との間の近距離遠隔制御を行うことにより、デザイン及び色の変化を制御することが可能になり、前記マスター部400がブルートゥース(登録商標)通信、ワイファイ(Wi-Fi(登録商標))通信、近距離無線通信(NFC)、赤外線(IR)通信、ライファイ(Li-Fi)通信などといった近距離無線通信方式を用いてスマートフォン600と無線にて接続することができ、前記スマートフォン600にインストールされているAPPをユーザーが選択的に制御するとき、その制御指令に従って透明マイクロLEDディスプレイスキン300に様々な色を表現することができ、模様である場合にまるでテレビ画面のように制御可能である。
【0044】
さらに、本発明のマスター部400と遠隔スレーブ500を制御する前記スマートフォン600のAPPを用いて透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させるに当たって、前記マスター部400に最初の制御指令を引き渡す場合、マスター部400が透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させるが、前記マスター部400と特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300との距離が遠い場合には、その制御指令を前記遠隔スレーブ500に引き渡し、前記遠隔スレーブ500が当該透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させることになる。
【0045】
すなわち、最初にスマートフォン600を用いて特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させるとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300との距離が近いマスター部400または遠隔スレーブ500が特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させることになって、速やかに且つ正確に制御可能であるというメリットを有する。
【0046】
一方、前述したように、マスター部400、遠隔スレーブ500及びスマートフォン600は、近距離無線通信方式を用いて信号を送受信することが可能になって、最初にユーザーがいずれか一つの透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御するためにスマートフォン600のAPPを用いて設定する場合、当該信号を受信したマスター部400は、上衣110に構成された透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御し、遠隔スレーブ500は、下衣120に構成された透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御することになるが、すなわち、最初にスマートフォン600を介して透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御する場合、マスター部400がその信号を受信して、上衣110の透明マイクロLEDディスプレイスキン300の制御信号である場合に制御を行い、下衣120の透明マイクロLEDディスプレイスキン300の制御信号である場合にその信号を遠隔スレーブ500に送信し、前記遠隔スレーブ500は、当該透明マイクロLEDディスプレイスキン300の制御を行うようにする。
【0047】
以上述べたように、本発明の色と模様をまるでテレビ画面のように変化させ得る自分好みにカスタマイズ可能なマイクロLED衣類は、上衣110と下衣120に構成される本発明の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を選択的に制御することが可能になる。
【符号の説明】
【0048】
100:衣類
110:上衣
120:下衣
300:透明マイクロLEDディスプレイスキン
310:透明可撓性基板
320:半導体デバイス層
330:マイクロLED画素
331:正電極層
332:透明導電層
333:透明p-電極層
334:p-GaN層
335:活性層
336:n-Gan層
337:透明n-電極層
338:透明性絶縁層
400:マスター部
410:電源スイッチ
420:充電ポート
430:電源部
440:バッテリー
450:電源無線供給部
460:近距離無線通信部
470:主制御部
480:ハーベスティング部
490:光検出部
500:遠隔スレーブ
510:無線電気アンテナ
520:遠隔制御部
530:送受信部
540:ハーベスティング部
550:光検出部
600:スマートフォン
図1
図2
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図6
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図8
【国際調査報告】