(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】バイパスターボ機械の少なくとも2つの振動センサの健全性の状態の監視
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20220316BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20220316BHJP
G01H 17/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
F02C7/00 A
F01D25/00 A
F01D25/00 V
F01D25/00 W
G01H17/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545755
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 FR2020050192
(87)【国際公開番号】W WO2020161437
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,ボリス
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB02
2G064BA02
2G064BA28
2G064CC35
2G064DD21
(57)【要約】
本発明は、低圧ボディと高圧ボディを有するターボ機械の少なくとも2つの振動センサの健全性の状態の監視プロセスに関し、振動センサがターボ機械の前部に配置され、振動センサがターボ機械の後部に配置され、センサの各々はターボ機械の前部及び後部の低圧及び高圧ボディの振動を測定するように構成され、プロセスは、各センサと通信するターボ機械の処理ユニット(20)で実行され、以下のステップを含む:- ターボ機械の低圧(NBP)及び高圧(NHP)速度、及び当該速度が同時に所定の範囲内にある場合の受信; - 各センサによって記録される低圧ボディ及び高圧ボディの前部及び後部の振動レベルの受信; - 所定の受信期間にわたって受信される低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの値の平均値の決定;- 所定の閾値で決定された低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値の比較からの前記少なくとも第1及び第2の振動センサの健全性の状態の決定。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧ボディ及び高圧ボディを有するバイパスターボ機械の少なくとも2つの振動センサの健全性の状態を監視するためのプロセスであって、振動センサが前記ターボ機械の前部に配置され、振動センサが前記ターボ機械の後部に配置され、前記センサの各々は、前記ターボ機械の前部及び後部において前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの振動を測定するように構成され、前記プロセスは、前記センサの各々と通信する前記ターボ機械の処理ユニットで実行され:
- 前記ターボ機械の低圧速度及び高圧速度を受信するステップであって、前記プロセスはさらに、いつ前記速度が同時に所定の範囲内にあるかを含む、受信するステップと;
- 各前記センサにより記録された前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前部及び後部振動レベルを受信するステップと;
- 所定の受信期間にわたって受信された前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルの平均値を決定するステップと;
- 所定の閾値での決定された前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルの平均値の比較から、前記少なくとも第1及び第2の振動センサの健全性の状態を決定するステップと;を含む、
プロセス。
【請求項2】
前記受信するステップの間に、前記低圧速度及び前記高圧速度の検証ステップを含み、前記プロセスは、前記速度が前記所定の範囲内に同時にない場合に、前記処理ユニットによる前記振動レベルの受信を中断するステップを含む、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記決定された平均値は、前記所定の受信期間に対応するいくつかの受信値に対して決定された前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルの受信値の平均であり、前記平均値は、受信中に瞬時に決定され得る
請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
2つのセンサを備え、一方のセンサは、前記ターボ機械の前記前部において前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルを測定するように構成され、他方のセンサは、前記ターボ機械の前記後部において前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルを測定するように構成され、前記センサの健全性の状態は、前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルの平均値が所定の閾値より小さい場合、及び前記他方のセンサについて、前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルの平均値が所定の閾値より大きい場合、劣るとみなされる、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
4つのセンサを有し、前記ターボ機械の前記前部における2つのセンサは、前記前部において前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルをそれぞれ測定するように構成され、前記ターボ機械の前記後部における2つのセンサは、前記後部において前記低圧ボディ及び前記高圧ボディの前記振動レベルをそれぞれ測定するように構成され、前記振動レベルの前記平均値が所定の閾値より小さい場合、及び前記他のセンサについて、前記振動レベルの前記平均値が所定の閾値より大きい場合、前記低圧ボディの前記振動レベルのセンサの健全性の状態は劣るとみなされ、前記振動レベルの前記平均値が所定の閾値より小さい場合、及び前記他のセンサについて、前記振動レベルの前記平均値が所定の閾値より大きい場合、前記高圧ボディの前記振動レベルのセンサの健全性の状態は劣るとみなされる、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記センサが3回連続して同じ健全性の状態を示すと、前記センサの健全性の良好又は劣る状態を確認するステップを含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記低圧ボディについての所定の振動閾値は、0.1から0.2cm/sの間、典型的には0.16cm/sである
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記高圧ボディについての所定の振動閾値は、0.05から0.15cm/sの間、典型的には0.10cm/sである、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記低圧速度についての前記所定の範囲は、10500rpmから13500rpmの間であり、前記高圧速度についての前記所定の範囲は、14500rpmから17500rpmの間である、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプロセスを実行するように構成される処理ユニットを有するバイパスターボ機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機のバイパスターボ機械の健全性の状態(state of health)の監視に関し、特にターボ機械の振動レベルの監視によるものである。そして、本発明は、特に、この目的のために使用される振動センサの監視に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械の健全性の状態は、伝統的に、あらゆる種類のセンサによって監視されている。これらのうち、振動センサは、部品の破損、クリアランスの増加及びターボ機械を危険にさらす可能性のあるその他の故障を迅速に検出するので、不可欠である。
【0003】
空気流の循環方向において、バイパスターボ機械は、従来、ファン、低圧圧縮機、高圧圧縮機、燃焼室、高圧タービン及び低圧タービンを含む。
【0004】
ターボ機械の振動を監視するための既知の解決策は、ターボ機械の前部に振動センサを配置し、ターボ機械の後部に別の振動センサを配置することである。
【0005】
このように配置された各センサは、低圧及び高圧の振動レベル(すなわち、ターボ機械の低圧ボディと高圧ボディ)を、低圧及び高圧の速度で制御されたフィルタによって監視する。
【0006】
この振動レベルの監視の信頼性を確保するために、振動センサが正しく動作し、ターボ機械の異常振動レベルを直ちに上昇させることを確実にすべきである。
【0007】
この検証を行うために、離陸及び飛行後のフェーズの間に検出された振動レベルの安定性基準上で振動センサの健全性の状態を監視することが知られている。
【0008】
しかしながら、このような検出の理論的根拠には限界があり、誤った振動センサの故障が誤って宣言されている。
- 監視フェーズは最適ではなく、これらのフェーズの振動レベルは、しばしばセンサ故障の検出レベルを下回る;
- 高温での運転中、ターボ機械の速度は、公称温度での運転中よりも高いので、ターボ機械は監視フェーズにあり、提供されたフェーズの間にレベルが記録されていないことを示す可能性があり、センサの故障の検出レベルを下回る可能性もあるため、なおさらそうである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の少なくとも1つの目的は、実際に故障しているセンサのみがそのようなものとして宣言されることを確実にすることを目的とする振動センサの故障の検出の理論的根拠を定義することである。
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、低圧ボディと高圧ボディを備えるバイパスターボ機械の少なくとも2つの振動センサの健全性の状態の監視プロセスに関し、振動センサはターボ機械の前部に配置され、振動センサはターボ機械の後部に配置され、センサの各々は、ターボ機械の前部及び後部において低圧ボディと高圧ボディの振動を測定するように構成され、プロセスは、センサの各々と通信するターボ機械の処理ユニット(20)で実行され、以下のステップを含む:
- ターボ機械の低圧(NBP)及び高圧(NHP)速度、及びいつ当該速度が同時に所定の範囲内にあるかの受信;
- 各センサに記録されている低圧ボディ及び高圧ボディの前部及び後部振動レベルの受信;
- 所定の受信期間にわたって受信された低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値の決定;
- 所定の閾値での決定された低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値の比較からの前記少なくとも第1及び第2の振動センサの健全性の状態の決定。
【0011】
本発明は、有利には、単独で、又はそれらの技術的に可能な組み合わせのいずれか1つでとられる以下の特徴によって、完成される。
【0012】
受信ステップの間、プロセスは、低圧速度及び高圧速度の検証ステップを含み、プロセスは、速度が所定の範囲内に同時にない場合に、処理ユニットによる振動レベルの受信の中断を含む。
【0013】
決定された平均値は、所定の受信期間に対応する、いくつかの受信値に対して決定された低圧ボディと高圧ボディの振動レベルの受信値の平均であり、その平均は、受信中に瞬時に決定されることができる。
【0014】
2つのセンサ監視プロセスは、ターボ機械の前部において低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルを測定するように構成された1つのセンサを有し、他のセンサは、ターボ機械の後部において低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルを測定するように構成され、センサの健全性の状態は、低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値が所定の閾値より小さい場合、及び他のセンサについては、低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値が所定の閾値より大きい場合は、劣るとみなされる。
【0015】
4つのセンサ監視プロセスは、低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルを前部においてそれぞれ測定するように構成されたターボ機械の前部の2つのセンサと、低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルを後部においてそれぞれ測定するように構成されたターボ機械の後部の2つのセンサとを有し、振動レベルの平均値が所定の閾値より小さい場合、及び他のセンサについて、振動レベルの平均値が所定の閾値より大きい場合は、低圧ボディの振動レベルのセンサの健全性の状態が劣るとみなされ、高圧ボディの振動レベルのセンサの健全性の状態は、振動レベルの平均値が所定の閾値より小さい場合、及び他のセンサについて、振動レベルの平均値が所定の閾値より大きい場合は、劣るとみなされる。
【0016】
このプロセスは、センサが3回連続して同じ健全性の状態を示すと、センサの健全性の状態が良好又は不良であることの確認を含む。
【0017】
例として、低圧ボディについての所定の振動閾値は、0.1から0.2cm/sの間、典型的には0.16cm/sである。
【0018】
例として、高圧ボディについての所定の振動閾値は、0.05から0.15cm/sの間、典型的には0.10cm/sである。
【0019】
低圧速度についての所定の範囲は、10500rpmから13500rpmの間であり、高圧速度についての所定の範囲は、14500rpmから17500rpmの間である。
【0020】
本発明はまた、本発明によるプロセスを実行するように構成された処理ユニットを備えるバイパスターボ機械に関する。
【0021】
本発明は、多くの利点を有する。
【0022】
故障の検出は、既知の解決策よりもロバストである。
【0023】
実際、検出はより高速で行われ(従って、より「敏感」であり)、平均値の計算を数回確認する必要があることはまた、センサ故障について、実態をよりロバストにする。
【0024】
したがって、誤った故障は限られる。
【0025】
故障と判明したセンサを修理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、純粋に例示的かつ非限定的であり、添付の図面と併せて考慮されなければならない以下の説明から明らかになる。
【0027】
【
図2】本発明によるプロセスを実行するためのアーキテクチャを示す。
【0028】
すべての図において、類似の要素には同一の参照番号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、(エンジン軸AAに従う)ガス流の方向の上流から下流へ、ダクトファン1と、一次(主)環状フロー空間Iと、外部ケーシング2と内部ハブ3とで区切られた二次環状フロー空間II(二次ダクト)とを備える、航空機のバイパスターボ機械を示す。一次ダクトIにおいて、ターボ機械は、低圧圧縮機11、高圧圧縮機12、燃焼室13、高圧タービン14及び低圧タービン15を有する。
【0030】
従って、ターボ機械は、(ガス流の方向において)前部及び後部に低圧ボディ及び高圧ボディを有する。
【0031】
冒頭に述べたように、低圧及び高圧ボディの振動を計測するために、振動センサが前部及び後部に配置されている。
【0032】
図2に概略的に示すように、一実施形態によれば、センサC1は、前部で低圧ボディ及び高圧ボディ振動V1BP、V1HPを測定し、センサC2は、後部で低圧ボディ及び高圧ボディの振動V2BP、V2HPを測定する。
【0033】
この実施形態によれば、後部には単一のセンサが配置され、前部には単一のセンサが配置され、それぞれが低圧ボディ及び高圧ボディの振動を同時に測定する。これを達成するためには、低圧ボディから来る振動が高圧ボディから来る振動から分離されることできるように、受信した振動のフィルタリングを行わなければならない。
【0034】
変形例として、4つのセンサを設けることができ、2つは前部に、2つは後部にある。この変形例では、センサC11が前部で低圧ボディの振動V1BPを測定し、センサC12が前部で高圧ボディの振動V1HPを測定し、センサC21が後部で低圧ボディの振動V2BPを測定し、センサC22が後部で高圧ボディの振動V2HPを測定する。
【0035】
そのような振動センサは、例えば、加速度計を含む。
【0036】
センサは、ターボ機械上のいくつかのポイントに配置することができる。例えば、低圧ボディの前部の振動を測定するために、センサを低圧圧縮機の領域に配置することができる。高圧ボディの前部の振動を測定するために、センサを高圧圧縮機の領域に配置することができる。高圧ボディの後部の振動を測定するために、センサを高圧タービンの領域に配置することができる。低圧ボディの後部の振動を測定するために、センサを低圧タービンの領域に配置することができる。
【0037】
序章で述べたように、これらの振動センサは監視される必要がある。このような監視は、
図3に関連して後述する振動センサの健全性の状態を監視するプロセスによって、処理ユニット20で実行される。
【0038】
振動センサの健全性の状態の監視は、振動レベルが関連する低圧及び高圧の速度範囲においてセンサから発生する振動測定値を利用することに基づいている。
【0039】
利点として、振動レベルは、期間Tにわたって監視するために記録される。この期間Tは、(集積センサの場合)振動レベルの測定値が十分に高い平均を有するように、したがって、故障センサの検出閾値を上回るように十分に高いものでなければならない。実際、統計的には、平均の計算時間が長いほど、計算された平均最小値は高くなる。また、この期間Tは、飛行中に少なくとも3回の平均計算を確実に行うのに十分な長さでシステムを検出範囲内に収めるのに十分な低くなければならない。この期間は、好ましくは60~120秒(s)の間であり、好ましくは90sに等しい。
【0040】
プロセスの開始時に、計算ステップnはn=0で初期化され(ステップE0)、期間T=n・Δtが振動レベルの記録期間Δtを用いて計算される(ステップE1)。
【0041】
これらの異なる初期化の後、処理ユニット20は、E2で低圧NBP及び高圧NHP速度及びいつこれらの速度が同時に所定の範囲内にあるかを受信し、処理ユニット20は、監視されることになる振動センサから発生する振動レベルV1BP、V2BP、V1HP、V2HPを受信する(ステップE3)。
【0042】
低圧NBP及び高圧NHP速度の範囲は、好ましくは以下の通りである:
- NBP=[10500;13500]rpm;
- NHP=[14500;17500]rpm。
【0043】
このような速度は、例えば、エンジンによって異なる速度で実際に見られる振動レベルの統計的研究によって決定される。従って、速度の監視の理論的根拠は、閾値に対する振動値の関数として選択される、及び/又は、閾値は、統計的研究から生じる速度の適切性の関数として選択される。
【0044】
前部に1つ、後部に1つの2つのセンサの場合、各センサC1、C2は2つの振動レベルを取得する:
- 前部のセンサC1は、低圧の振動レベルV1BP及び高圧の振動レベルV1HPレベルを取得する;
- 後部のセンサC2は、低圧の振動レベルV2BP及び高圧の振動レベルV2HPを取得する。
【0045】
前部に2つ、後部に2つの4つのセンサの場合、各センサC11、C12、C21、C22は振動レベルを取得する:
- 前部のセンサC11は、低圧ボディの振動レベルV1BPを取得する;
- 前部のセンサC12、は高圧ボディの振動レベルV1HPを取得する;
- 後部のセンサC21は、低圧ボディの振動レベルV2BPを取得する;
- 後部のセンサC22は、高圧ボディの振動レベルV2HPを取得する。
【0046】
受信した値から、処理ユニット20は、各振動レベルの瞬間平均を次のように算出する(ステップE4):
【数1】
ここで、i={1,2)及びJ={BP,HP}である。
【0047】
瞬間平均は、期間Tにわたって各ステップnで計算され、各計算ステップにおいてnは1だけインクリメントされる(ステップE8)。期間Tが完了すると、平均
- 前部センサ又はセンサ(複数)で測定した低圧ボディ及び高圧ボディのレベルのM1BP、M1HP;
- 後部センサ又はセンサ(複数)で測定した低圧ボディ及び高圧ボディのレベルのM2BP、M2HP;
が得られる。
【0048】
代わりに、振動レベルのすべての値が全期間Tにわたって取得されると、平均値を計算することができ、これは、値が漸進的に記憶されることを意味する。
【0049】
相補的な方法では、低圧速度及び高圧速度が同時に所定の範囲にあることを確実にするために、振動レベルの各受信の前に、処理ユニット20は、低圧速度及び高圧速度の値を検証する(ステップE2)。そうでない場合、処理ユニット20は、平均値を算出するための振動レベルの受信を中断する(INT)(ステップE9)。しかし、速度が所定の範囲に戻ると、処理ユニット20は、直ちに停止した位置に戻る。
【0050】
処理ユニット20は、振動レベルの平均数が期間T=90sに対応する場合(ステップE5)、各センサの健全性の状態を判定する(ステップE6)。
【0051】
センサの健全性の状態は、振動閾値での各平均M1BP、M1HP、M2BP、M2Hとの比較から得られる。
【0052】
閾値低圧SBPは、典型的には0.1から0.2cm/sの間、好ましくは0.16cm/sである。
【0053】
閾値高圧SHPは、典型的には0.05から0.15cm/sの間、好ましくは0.10cm/sである。
【0054】
ここでも、これらの異なる閾値は統計的研究に由来する。
【0055】
2つのセンサの場合、低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値がそれぞれ閾値SBP、SHPより小さい場合、且つ他のセンサについて、低圧ボディ及び高圧ボディの振動レベルの平均値がそれぞれ閾値SBP、SHPより大きい場合、センサの健全性の状態ESijは劣るとみなされる。
【0056】
代替として、4つのセンサの場合、振動レベルの平均値が閾値SBPより小さい場合、且つ他のセンサについて、低圧ボディの振動レベルの平均値が閾値SBPより大きい場合、低圧ボディの振動レベルのセンサの健全性の状態ESijは、劣るとみなされ、高圧ボディの振動レベルの平均値が閾値SHPより小さい場合、且つ他のセンサについて、高圧ボディの振動レベルの平均値が閾値SHPより大きい場合、高圧ボディの振動レベルのセンサの健全性の状態は劣るとみなされる。
【0057】
このようにして決定された健全性の状態から、処理ユニット20は、センサが3回連続して同じ健全性の状態を示すと、センサの健全性の良否の状態の確認を実行する(ステップE7)。
【0058】
従って、健全性の状態が劣ることが確認されたセンサを修復することが可能である。
【国際調査報告】