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特表2022-519673高強度集束超音波のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】高強度集束超音波のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220316BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B17/00 700
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545945
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020017459
(87)【国際公開番号】W WO2020167640
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/804,626
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503115205
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジ フン
(72)【発明者】
【氏名】ステッドマン ジョージ クィンティン
(72)【発明者】
【氏名】ラスムッセン モルテン フィシャー
(72)【発明者】
【氏名】エルグン アリフ サンリ
(72)【発明者】
【氏名】クリ-ヤクブ ブトラス ティー.
【テーマコード(参考)】
4C160
4C601
【Fターム(参考)】
4C160JJ34
4C160JJ35
4C160JJ38
4C601DD19
4C601FF11
4C601FF16
4C601GB41
4C601JC06
(57)【要約】
高強度集束超音波(HIFU)の特徴を説明する。組織を焼灼するためのHIFUの適用は、HIFUの間に生成される気泡を撮像することによって、リアルタイムで監視され得る。単一のトランスデューサアレイは、画像とHIFUとの間での高速切替えによって使用されてもよい。撮像のために、アレイまたはその部分を受信専用モードで使用して、HIFUによって生成された気泡の位置を特定することができる。位置および/または強度などのHIFUの適用は、気泡の撮像からの情報に基づいて、調整することができる。医師および/またはその他の者は、これらのシステムおよび方法を使用して、健康な組織への損傷を最小限に抑えながら、標的組織の最適な焼灼のためにHIFU処置をリアルタイムで監視することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高強度集束超音波(HIFU)焼灼のリアルタイム監視方法であって、
超音波トランスデューサのアレイを使用して身体内の組織を撮像するステップと、
(a)前記アレイを使用して前記組織にHIFUを適用するステップと、(b)前記アレイを使用して前記組織の気泡を撮像するステップとの間で切り替えるステップであって、前記気泡は、前記組織に適用された前記HIFUによって生成される、ステップと、
撮像された前記気泡の指標を出力するステップと、
を含む、リアルタイム監視方法。
【請求項2】
撮像された前記気泡に基づいて、前記気泡の位置を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項3】
前記HIFUを適用するステップは、前記気泡の決定された前記位置に基づいて、前記組織にHIFUを適用するステップを含む、請求項2に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項4】
前記気泡の前記位置を決定するステップは、波面検出またはスペクトル分析を実行するステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項5】
前記気泡を前記撮像するステップは、前記気泡の破裂を撮像するステップを含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項6】
前記組織の剛性を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項7】
前記超音波トランスデューサは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)である、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項8】
前記気泡を、前記第一のアレイとは別個の第二のアレイで撮像するステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項9】
前記アレイと結合された複数のスイッチを使用して、前記HIFUを適用するステップと、前記気泡を撮像するステップとの間で繰り返し切り替えるステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項10】
前記繰り返し切り替えるステップは、2ミリ秒以内に前記気泡を撮像した後に、前記HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含む、請求項9に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項11】
前記繰り返し切り替えるステップが、1ミリ秒以内に前記気泡を撮像した後に、前記HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含む、請求項9に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項12】
前記繰り返し切り替えるステップが、1マイクロ秒以内に前記気泡を撮像した後に、前記HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含む、請求項9に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項13】
前記気泡を撮像するステップは、前記HIFUを適用した後に、前記アレイを用いて前記気泡を受信専用モードで撮像するステップを含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項14】
前記気泡の前記撮像に基づいて、HIFU有効性の尺度を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項15】
撮像された前記気泡の前記指標は、前記気泡のサイズ、前記気泡の位置、前記気泡の形状、前記気泡の放出頻度、前記気泡の形成時間、および前記気泡の崩壊時間のうちの1つまたは複数を表すことができる、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項16】
撮像された前記気泡の前記指標に基づいて、ディスプレイ上に視覚信号を提示するステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項17】
前記気泡の前記指標に基づいて、可聴信号を発するステップをさらに含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項18】
前記組織が、良性前立腺肥大症を有する前立腺の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項19】
前記組織が、子宮筋腫の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載のリアルタイム監視方法。
【請求項20】
高強度集束超音波(HIFU)焼灼のリアルタイム監視方法であって、
容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)のアレイを使用して身体内の組織を撮像するステップと、
複数のスイッチを使用して、(a)前記アレイを使用して前記組織にHIFUを適用するステップと、(b)前記アレイを使用して前記組織の気泡を撮像するステップとの間で繰り返し切り替えるステップであって、前記繰り返し切り替えるステップは、2ミリ秒以内に前記気泡を撮像した後にHIFUを適用するステップを含み、前記気泡は、前記組織に適用された前記HIFUによって生成される、ステップと、
撮像された前記気泡の指標を出力するステップと、
を含む、リアルタイム監視方法。
【請求項21】
高密度焦点式超音波(HIFU)焼灼のリアルタイム監視のためのシステムであって、
超音波トランスデューサのアレイと、
前記アレイに結合されたスイッチであって、少なくともHIFUモードおよび撮像モードに構成可能なスイッチと、
前記アレイおよび前記スイッチと通信する処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
前記アレイを使用して身体内の組織を撮像するステップと、
HIFUモードと撮像モードとの間で変化させるために前記スイッチを制御するステップであって、前記システムは、前記HIFUモードで前記アレイを使用して前記組織にHIFUを適用するように構成され、前記システムは、前記撮像モードで前記アレイを使用して前記組織の気泡を撮像するように構成され、前記気泡は、前記組織に適用された前記HIFUによって生成される、ステップと、
撮像された前記気泡の指標を出力するステップと、
を行うように構成される、リアルタイム監視システム。
【請求項22】
前記処理回路は、撮像された前記気泡に基づいて、前記気泡の位置を決定するようにさらに構成される、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項23】
前記処理回路は、前記気泡の決定された前記位置に基づいて、前記組織にHIFUを適用するように構成される、請求項22に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項24】
前記処理回路は、波面検出またはスペクトル分析のうちの少なくとも1つを実行することによって、前記気泡の前記位置を決定するように構成される、請求項22に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項25】
前記アレイは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)トランスデューサアレイを備える、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項26】
前記アレイとは別個で、前記気泡を撮像するように構成された超音波トランスデューサの第二のアレイをさらに備える¥、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項27】
前記処理回路は、2ミリ秒以内に前記HIFUモードと前記撮像モードとの間で変化させるために前記スイッチを制御するように構成される、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項28】
前記処理回路は、1ミリ秒以内に前記HIFUモードと前記撮像モードとの間で変化させるために前記スイッチを制御するように構成される、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項29】
前記処理回路は、5マイクロ秒以内に前記HIFUモードと前記撮像モードとの間で変化させるために前記スイッチを制御するように構成される、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項30】
前記処理回路は、さらに、前記HIFUを適用した後に、前記アレイを受信専用モードで前記気泡を撮像するように構成される、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項31】
前記処理回路は、前記気泡の前記撮像に基づいて、HIFU有効性の尺度を決定するようにさらに構成される、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項32】
撮像された前記気泡の前記指標は、前記気泡のサイズ、前記気泡の位置、前記気泡の形状、前記気泡の放出頻度、前記気泡の形成時間、または前記気泡の崩壊時間のうちの1つまたは複数を表すことができる、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項33】
撮像された前記気泡の前記指標に基づいて、視覚信号を提示するように構成されたディスプレイをさらに備える、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項34】
撮像された前記気泡の前記指標に基づいて、可聴信号を発するように構成されたスピーカをさらに備える、請求項21に記載のリアルタイム監視システム。
【請求項35】
超音波焼灼および撮像方法であって、
超音波トランスデューサアレイであって、そのスイッチが第一の状態にある前記超音波トランスデューサアレイを使用して、高強度集束超音波(HIFU)を適用するステップと、
前記スイッチの状態を5マイクロ秒未満で前記第一の状態から第二の状態にトグリングするステップと、
前記スイッチが前記第二の状態にある前記超音波トランスデューサアレイを使用して、超音波画像を生成するステップと、
を含む、超音波焼灼および撮像方法。
【請求項36】
前記トグリングするステップは、2マイクロ秒未満で実行される、請求項35に記載の超音波焼灼および撮像方法。
【請求項37】
前記スイッチは、前記第一の状態において、直流電圧成分および交流電圧成分を前記超音波トランスデューサアレイに通す、請求項35に記載の超音波焼灼および撮像方法。
【請求項38】
前記超音波トランスデューサアレイが、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)を備える、請求項35に記載の超音波焼灼および撮像方法。
【請求項39】
前記生成するステップは、前記超音波トランスデューサアレイの受信専用超音波トランスデューサを使用する、請求項35に記載の超音波焼灼および撮像方法。
【請求項40】
超音波焼灼および撮像システムであって、
超音波トランスデューサアレイと、
前記超音波トランスデューサアレイに結合されたスイッチであって、第一の状態から第二の状態にトグリングするように構成されたスイッチと、
前記超音波トランスデューサアレイおよび前記スイッチと通信する処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
前記スイッチが前記第一の状態にある前記超音波トランスデューサアレイを使用して、高強度集束超音波(HIFU)を適用するステップと、
5マイクロ秒未満で前記スイッチを前記第一の状態から前記第二の状態にトグリングするステップと、
前記スイッチが前記第二の状態にある前記超音波トランスデューサアレイを使用して、超音波画像を生成するステップと、
を行うように構成される、超音波焼灼および撮像システム。
【請求項41】
前記処理回路は、2マイクロ秒未満で前記スイッチをトグリングするように構成される、請求項40に記載の超音波焼灼および撮像システム。
【請求項42】
前記スイッチは、前記第一の状態において、直流電圧成分および交流電圧成分を前記超音波トランスデューサアレイに通すように構成される、請求項40に記載の超音波焼灼および撮像システム。
【請求項43】
前記超音波トランスデューサアレイは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)を備える、請求項40に記載の超音波焼灼および撮像システム。
【請求項44】
前記処理回路は、前記超音波トランスデューサアレイの受信専用超音波トランスデューサを使用して、前記超音波画像を生成するようにさらに構成される、請求項40に記載の超音波焼灼および撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月12日に出願された米国仮出願第62/804,626号の優先権を主張し、その全体は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【0002】
本開発は、高強度集束超音波(HIFU)に関し、特に、特定の実施形態におけるHIFU手順のリアルタイム監視に関する。
【背景技術】
【0003】
高強度集束超音波(HIFU)を使用して、人体の組織を焼灼することができる。HIFUは、例えば、膵臓または前立腺のような良性および悪性腫瘍を焼灼するために、身体輪郭形成を目的とする皮下脂肪組織を処置するような美容医療のために使用され得るが、他の用途の中でも得る。HIFUのいくつかの使用は、健康な組織の領域が焼灼されるように、非効率的なことがある。特定のHIFU技術のこれらの欠点および他の欠点に対する改善が望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示される実施形態は、いくつかの態様を有するが、そのいずれかの一態様のみが、開示される望ましい属性に関与するわけではない。本開示の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴が、ここで簡単に議論される。この議論を考察した後、特に「詳細な説明」と題する節を読んだ後、本明細書に記載される実施形態の特徴が、高強度集束超音波(HIFU)のための既存のシステム、デバイス、および方法を超える利点をどのように提供するかを理解するであろう。
【0005】
以下の開示は、いくつかの実施形態の非限定的な例を記載する。例えば、開示されたシステムおよび方法の他の実施形態は、本明細書に記載された特徴を含んでも含まなくてもよい。さらに、開示された利点および利益は、特定の実施形態にのみ適用することができ、本開示を限定するために使用されるべきではない。本明細書で開示される革新は、本明細書で教示されるような1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で、具体化または実行され得るが、本明細書で教示または示唆され得るような他の利点を必ずしも達成する必要はない。以下の態様は、適宜、組み合わせることができる。本開示は、上記の態様のそれぞれの1つまたは複数の特徴を、それぞれで、また全ての適切な組合せで組み合わせることを企図する。
【0006】
HIFUの特徴を説明する。組織を焼灼するためのHIFUの適用は、HIFUの間に生成される気泡を撮像することによって、リアルタイムで監視され得る。単一のトランスデューサアレイは、撮像とHIFUの適用との間の高速切替えによって使用されてもよい。撮像のために、アレイは、HIFUによって生成された気泡の位置を特定するために、受信専用モードで使用されてもよい。代替または追加として、第二のトランスデューサが撮像を実行してもよい。位置または強度などのHIFUのアプリケーションは、気泡の撮像からの情報に基づいて調整することができる。医師は、これらのシステムおよび方法を使用して、健康な組織への損傷を最小限に抑えながら、標的組織の最適な焼灼のためにHIFU処置をリアルタイムで監視することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する高速切替えシステムおよび方法を使用して、気泡の代わりに、または気泡に加えて、特徴を撮像することができる。
【0007】
一態様では、高強度集束超音波(HIFU)焼灼のリアルタイム監視方法が記載される。この方法は、超音波トランスデューサのアレイを使用して身体内の組織を撮像するステップと、(a)アレイを使用して組織にHIFUを適用するステップと、(b)アレイを使用して組織の気泡を撮像するステップとの間で切り替えるステップであって、気泡は組織に適用されたHIFUによって生成される、ステップと、撮像された気泡の指標を出力するステップと、を含む。
【0008】
この方法は、撮像された気泡に基づいて、気泡の位置を決定するステップをさらに含むことができる。HIFUを適用するステップは、気泡の決定された位置に基づいて、組織にHIFUを適用することを含むことができる。気泡の位置を決定するステップは、波波面検出および/またはスペクトル分析を実行するステップを含むことができる。
【0009】
気泡を撮像するステップは、気泡の破裂を撮像するステップを含むことができる。気泡を撮像するステップは、気泡が崩壊した後に気泡を撮像するステップを含むことができる。気泡を撮像するステップは、Bモード撮像するステップを含むことができる。気泡を撮像するステップは、高調波撮像するステップを含むことができる。
【0010】
この方法は、組織の剛性を決定するステップを含むことができる。組織の剛性を決定することは、組織の窪みを撮像するステップを含むことができ、その窪みはHIFUを適用することに起因するものである。この方法は、組織が圧入後に元の位置に戻る時間を決定するステップを含むことができる。
【0011】
超音波トランスデューサは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)とすることができる。
【0012】
この方法は、第一のアレイとは別個の第二のアレイを用いて気泡を撮像するステップを含むことができる。
【0013】
この方法は、アレイと結合された複数のスイッチを使用して、HIFUを適用するステップと、気泡を撮像するステップとの間で繰り返し切り替えるステップを含むことができる。繰り返し切り替えるステップは、高速切替えを含むことができる。繰り返し切り替えるステップは、気泡を2ミリ秒以下で撮像した後に、HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含むことができる。繰り返し切り替えるステップは、気泡を1ミリ秒以下で撮像した後に、HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含むことができる。繰り返し切り替えるステップは、気泡を1マイクロ秒以下で撮像した後に、HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含むことができる。
【0014】
気泡を撮像するステップは、HIFUを適用した後に、受信専用モードでアレイを用いて気泡を撮像することを含むことができる。
【0015】
この方法は、気泡の撮像に基づいて、HIFU有効性の尺度を決定することを含むことができる。
【0016】
撮像された気泡の指標は、気泡の大きさ、気泡の位置、気泡の形状、気泡の放出頻度、気泡の形成時間、および気泡の崩壊時間のうちの1つまたは複数を表す。
【0017】
この方法は、撮像された気泡の指標に基づいて、ディスプレイ上に視覚信号を提示するステップを含むことができる。視覚信号を表示することには、撮像された気泡をディスプレイに表示することを含めることができる。この方法は、気泡の指標に基づいて、可聴信号を発することを含むことができる。
【0018】
組織は、性前立腺肥大症を有する前立腺の少なくとも一部分を含むことができる。組織は、子宮筋腫の少なくとも一部分を含むことができる。
【0019】
別の態様では、高強度集束超音波(HIFU)焼灼のリアルタイム監視のための方法が記載される。この方法は、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)のアレイを使用して、身体内の組織を撮像するステップを含む。この方法は、また、複数のスイッチを使用して、(a)アレイを使用して組織にHIFUを適用するステップと、(b)アレイを使用して組織の気泡を撮像するステップとの間で、繰り返し切り替えることを含む。繰り返し切り替えるステップは、気泡を2ミリ秒以内に撮像した後に、HIFUを適用するステップに切り替えるステップを含む。気泡は、組織に適用されたHIFUによって生成される。この方法は、また、撮像された気泡の指標を出力するステップを含む。
【0020】
別の態様では、高強度集束超音波(HIFU)焼灼のリアルタイム監視のためのシステムが記載される。システムは、超音波トランスデューサのアレイと、スイッチと、処理回路とを備える。スイッチは、アレイに結合され、スイッチは、少なくともHIFUモードおよび撮像モードに構成可能である。処理回路は、アレイおよびスイッチと通信している。処理回路は、アレイを使用して身体内の組織を撮像し、HIFUモードと撮像モードとの間で変化させるためにスイッチを制御するように構成され、システムは、HIFUモードでアレイを使用して組織にHIFUを適用するように構成され、システムは、撮像モードでアレイを使用して組織の気泡を撮像するように構成され、気泡は、組織に適用されたHIFUによって生成され、処理回路は、撮像された気泡の指標を出力するようにさらに構成される。
【0021】
処理は、撮像された気泡に基づいて、気泡の位置を決定するように構成することができる。処理回路は、気泡の決定された位置に基づいて、組織にHIFUを適用するように構成することができる。処理回路は、波面検出またはスペクトル分析の少なくとも1つを実施することによって、気泡の位置を決定するように構成することができる。
【0022】
処理回路は、気泡の破裂を撮像するように構成することができる。処理回路は、気泡が崩壊した後に気泡を撮像するように構成することができる。処理回路は、少なくともBモード撮像によって気泡を撮像するように構成することができる。
【0023】
処理回路は、少なくとも高調波撮像によって気泡を撮像するように構成することができる。処理回路は、組織の剛性を決定するように構成することができる。組織の剛性を決定することは、組織の窪みを撮像することを含むことができ、その窪みはHIFUを適用することに起因するものである。プロセッサは、組織が圧入後に元の位置に戻る時間を決定するように構成することができる。
【0024】
アレイは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)トランスデューサアレイを含むことができる。
【0025】
システムは、そのアレイとは別個で、気泡を撮像するように構成された超音波トランスデューサの第二のアレイを含むことができる。
【0026】
システムは、アレイと結合された複数のスイッチを含むことができ、その複数のスイッチは、スイッチを含む。処理回路は、複数のスイッチと結合され、スイッチを使用してアレイを撮像モードに切り替えるように構成され得る。
【0027】
処理回路は、高速切替えを使用して、HIFUモードと撮像モードとの間を変化させるためにスイッチを制御するように構成することができる。処理回路は、2ミリ秒内にHIFUモードと撮像モードとの間で変化させるためにスイッチを制御するように構成され得る。処理回路は、1ミリ秒秒内にHIFUモードと撮像モードとの間で変化させるためにスイッチを制御するように構成され得る。処理回路は、5マイクロ秒秒内にHIFUモードと撮像モードとの間で変化させるためにスイッチを制御するように構成され得る。
【0028】
処理回路は、HIFUを適用した後、アレイを受信専用モードして、気泡を撮像するように構成することができる。
【0029】
処理回路は、気泡の撮像に基づいて、HIFU有効性の尺度を決定するように構成することができる。
【0030】
撮像された気泡の指標は、気泡の大きさ、気泡の位置、気泡の形状、気泡の放出頻度、気泡の形成時間、または気泡の崩壊時間のうちの1つまたは複数を表すことができる。
【0031】
システムは、撮像された気泡の指標に基づいて、視覚信号を提示するように構成されたディスプレイを含むことができる。処理回路は、ディスプレイに撮像された気泡をディスプレイ上に提示することができる。
【0032】
システムは、撮像された気泡の指標に基づいて、可聴信号を発するように構成されたスピーカを含むことができる。
【0033】
別の態様では、超音波焼灼および撮像の方法が記載される。この方法は、超音波トランスデューサアレイのスイッチが第一の状態にある超音波トランスデューサアレイを使用して高強度集束超音波(HIFU)を適用するステップと、スイッチの状態を5マイクロ秒未満で第一の状態から第二の状態にトグリングするステップと、スイッチが第二の状態にある超音波トランスデューサアレイを使用して超音波画像を生成するステップとを含む。
【0034】
トグリングは、2マイクロ秒未満で実行することができる。スイッチは、第一の状態において、直流電圧成分および交流電圧成分を超音波トランスデューサアレイに通すことができる。
【0035】
超音波トランスデューサアレイは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)を備えることができる。生成するステップは、超音波トランスデューサアレイの受信専用超音波トランスデューサを使用することができる。
【0036】
別の態様では、超音波焼灼および撮像のためのシステムが記載される。このシステムは、超音波トランスデューサアレイと、スイッチと、処理回路とを備える。スイッチは、超音波トランスデューサアレイに結合され、スイッチは、第一の状態から第二の状態にトグリングするように構成される。処理回路は、超音波トランスデューサアレイおよびスイッチと通信している。処理回路は、スイッチが第一の状態にある超音波トランスデューサアレイを使用して高強度集束超音波(HIFU)を適用し、スイッチを5マイクロ秒未満で第一の状態から第二の状態にトグリングし、スイッチが第二の状態にある超音波トランスデューサアレイを使用して超音波画像を生成するように構成される。
【0037】
処理回路は、2マイクロ秒未満でスイッチをトグリングするように構成することができる。処理回路は、超音波トランスデューサアレイの受信専用超音波トランスデューサを使用して、超音波画像を生成するように構成することができる。
【0038】
スイッチは、スイッチは、第一の状態において、直流電圧成分および交流電圧成分を超音波トランスデューサアレイに通せるように構成することができる。超音波トランスデューサアレイは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)を備えることができる。
【0039】
本開示の前述の特徴および他の特徴は、添付の図面に関連して、以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを示し、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解して、本開示は、添付の図面を使用することによって、さらなる具体性および詳細を伴って説明される。以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、同様の記号は、文脈が別段の指示をしない限り、典型的には同様の構成要素を識別する。図に示された要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解されるであろう。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定することを意味しない。本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本開示の態様は、本明細書で一般的に説明され、図面に示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、および設計することができ、その全てが明示的に企図され、本開示の一部を構成することが容易に理解されるであろう。例えば、特定の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素および/または図面に示される要素のサブセットを含むことができることが理解されるであろう。別の例として、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組合せを組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1A】高強度集束超音波(HIFU)を適用するためのシステムの実施形態のブロック図である。
図1B図1Aのシステムで使用され得るトランスデューサのアレイを有するプローブの実施形態の斜視図である。
図2図1Aのシステムによって実行され得るHIFUを適用するための方法の実施形態のフローチャートである。
図3A図1Aのシステムおよび図2の方法で使用され得る能動的撮像を有する制御システムの実施形態の概略図である。
図3B図1Aのシステムおよび/または図2の方法で使用され得る受動的撮像を有する制御システムの実施形態の概略図である。
図4図4A図4Cは、図1Aのシステムおよび/または図2の方法で使用され得るトランスデューサアレイ実施形態の概略図である。
図5図4Aのトランスデューサのアレイで使用され得る集積回路(IC)の実施形態の概略図である。
図6図1Aのシステムおよび/または図2の方法で使用され得る回路の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の詳細な説明は、本開発の特定の具体的な実施形態を対象とする。本明細書における「一つの実施形態」、「一実施形態」、または「いくつかの実施形態において」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一つの実施形態」、「一実施形態」、または「いくつかの実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではなく、別個または代替の実施形態が必ずしも他の実施形態を相互に排除しているわけでもない。さらに、様々な特徴を説明するが、それらの特徴は、いくつかの実施形態によって示され得るが、他の実施形態によって示され得ない。同様に、様々な要件を説明するが、それらの要件は、いくつかの実施形態の要件であり得るが、他の実施形態の要件ではあり得ない。
【0042】
様々な実施形態を、ここで添付の図面を参照して説明するが、ここで、同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。本明細書で提示される説明で使用される用語は、単に、本開発の特定の実施形態の詳細な説明と併せて利用されているので、限定的または制限的な方法で解釈されることを意図していない。さらに、本開発の実施形態は、いくつかの新規な特徴を含むことができ、そのうちの1つの特徴だけが、その望ましい属性に単独で関与するものではなく、あるいは本明細書に記載の本発明を実施するのに不可欠なものではない。
【0043】
組織を焼灼するための高強度集束超音波(HIFU)の以前の使用は、盲目的にHIFUを適用することも、あるいは焼灼進行を追跡するために個別の磁気共鳴撮像(MRI)画像に頼ることも含んでいる。HIFUを適用するこのような方法は、所望されるよりも大きな領域を焼灼することにつながり得る。これは、そうでなければ、健康な周囲組織を焼灼することを含むことができる。
【0044】
本開示の態様は、組織を焼灼するためにHIFUを使用すること、および焼灼の進行を監視することに関する。進行は、HIFU手順中に、リアルタイムで監視することができる。同じプローブおよび/または超音波トランスデューサアレイは、HIFUのためにも、焼灼の進行を撮像するためにも使用することができる。本明細書に開示される技術は、HIFU手順の有効性を検証しながら、周囲の組織に対する比較的少量および/または最小量の損傷を可能にすることができる。
【0045】
図1は、高強度集束超音波(HIFU)のためのシステム10の実施形態のブロック図である。システム10は、HIFUを適用し、例えば、HIFU適用によって生成された気泡を撮像することによって、リアルタイムで手順を監視するために使用することができる。この手順は、HIFU適用と焼灼された組織の超音波撮像との間で、トランスデューサアレイを繰り返し切り替えることによって監視され得る。HIFUおよび撮像のために同じアレイを使用することが有利であり得る。例えば、同じアレイを用いて、撮像は、HIFUと同じ部位のラインを有することができる。これは、同じ環境を通して同じ角度で組織の領域に向けられることを含むことができる。さらなる例として、同じアレイを用いて、プローブは、よりコンパクトにすることができ、これは、アプリケーションの範囲を拡大することができる。例えば、小さなプローブは、睡眠時無呼吸処理または扁桃腺の縮小などの咽喉における治療のために使用され得る。いくつかの実施形態では、別個のアウトリガートランスデューサを撮像のために使用することができる。
【0046】
システム10は、超音波の適用に基づく超音波診断撮像の技法、例えば、医療用超音波、診断用超音波検査、または超音波検査を組み込むことができる。超音波は、20,000Hzを超える周波数を有する。超音波は、数GHzを超えない周波数、例えば1、2、3、4、5GHz、またはそれ以上のGHzを超えない周波数と有することができる。この技術は、腱、筋肉、関節、血管、および内臓の1つまたは複数のような内部身体構造を撮像するために使用され得る。
【0047】
システム10は、組織を加熱および/または焼灼するために超音波を使用するHIFUを使用する超音波技術を組み込み得る。HIFUの適用は、典型的な超音波と比較して、比較的低い周波数を使用することができる。HIFU信号は、約1メガヘルツ(MHz)~約100MHzの範囲の周波数を有することができる。HIFU信号の周波数は、焼灼される組織の領域の深さに依存し得る。深く横たわっている組織、すなわち、皮膚の約10cm下では、1MHzの周波数を使用することができる。浅い組織の場合、100MHzなどのより高い周波数を使用することができる。HIFUは、所望の熱線量を適用するために、トーンバーストまたはパルス波ではなく、連続波を使用することができる。HIFUは、腫瘍などの組織を焼灼または破壊するために、あるいは血液またはリンパ液の流れを増やすために使われる。HIFUは、一連の疾患の治療に用いることができる。例えば、特定の適用において、本明細書に記載されるHIFU技術は、良性前立腺肥大症(BPH)を処置するために使用され得る。この例において、BPHを有する前立腺の少なくとも一部分は、本明細書に開示されるHIFU技術を使用して焼灼され得る。別の例として、いくつかの他の適用において、HIFUは、子宮筋腫を処置するために使用され得る。この例では、子宮筋腫の少なくとも一部分は、本明細書に開示されるHIFU技術を使用して焼灼され得る。
【0048】
図示のシステム10は、単一のトランスデューサアレイを使用して、超音波撮像と標的組織へのHIFUの適用との間で繰り返し切り替えるために使用されてもよい。システム10は、組織を焼灼し、HIFUの適用によって生成された気泡を撮像することによってリアルタイムで焼灼を監視するために、HIFUを適用するために使用されてもよい。位置および/または強度などのHIFUの適用は、気泡の撮像からの情報に基づいて、システム10を使用して調整することができる。医師および/または他のユーザは、本明細書に記載されるシステム10および関連する方法を使用して、健康な組織への損傷を最小限に抑えながら、標的組織の焼灼を改善および/または最適化するために、HIFU手順をリアルタイムで監視することができる。
【0049】
システム10は、プローブ20を含む。プローブ20は、トランスデューサのアレイ21と、回路23とを含む。回路23は、特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよい。アレイ21および回路23は、本明細書に記載されるトランスデューサアレイおよび回路のいずれかであってもよい。プローブ20は、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)アレイ21を含んでもよい。単一のトランスデューサアレイ21は、撮像とHIFUとの間の高速切替えで使用され得る。回路23は、高速切替えを提供することができる。特定の例では、回路23は、HIFUモードと撮像モードとの間でアレイを切り替えるように配置された1つまたは複数のスイッチを含むことができる。1つまたは複数のスイッチは、回路スイッチとすることができる。撮像のために、アレイ21は、HIFUによって生成された気泡の位置を特定するために、受信専用モードで使用されてもよい。代替または追加として、第二のトランスデューサが撮像を実行してもよい。撮像のために、二次アウトリガトランスデューサアレイを使用してもよい。いくつかの実施形態では、HIFUアレイ上の特定のトランスデューサは、撮像のみのためのアウトリガートランスデューサとして使用されてもよい。したがって、1つまたは複数のアレイは、図1B図4A図4C、および図5に関して図示され、説明されたアレイなど、様々な実施形態を有することができる。いくつかの実施形態では、プローブ20は、水浴中にあってもよい。
【0050】
システム10は、プロセッサ30を含む。プロセッサ30は、任意の適切な回路を含むことができる。プロセッサ30は、プリント回路基板(PCB)32上に示されている。PCB32上のアダプタ24は、ケーブル22を介してプローブ20と接続する。PCB32は、任意の適切な有線接続を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、プローブ20は、プロセッサ30および/またはアダプタ24と無線で通信することができる。プロセッサ30は、命令を格納することができ、それらの命令がプロセッサ30によって実行されると、システム10に組織を超音波撮像させ、組織にHIFUを適用させ、画像とHIFUの適用との間で前後に切り替える。処理回路は、プロセッサ30および撮像システム70を含むことができる。場合によっては、処理回路は、集積回路基板50上に集積回路を含むこともできる。特定の場合には、処理回路は、撮像システム70と集積回路基板50上の集積回路とを含むことができる。処理回路は、本明細書に記載される機能を実行するために、様々な方法で物理回路によって実装することができる。
【0051】
システム10は、パルス発生器40を含む。パルス発生器40は、プロセッサ30を介してプローブ20にHIFU励起を適用するためにHIFU信号を生成することができる。フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような集積回路(IC)は、HIFUの適用およびプローブ20による撮像を制御するために、プロセッサ30および/または回路23に制御信号を提供することができる。集積回路基板50は、図示のように、FPGA基板とすることができる。信号処理のための他の配置および特徴は、例えば、図5に関して図示され、説明されるように、使用されてもよい。
【0052】
システム10は、プロセッサ30およびプローブ20ならびに他の電子機器に電力を供給するための電力システム60を含む。電力システム60は、例えば、ポータブルシステム10を備えた電池を含むことができる。電力システム60は、システム10が接続される壁面電源であってもよい。
【0053】
システム10は、撮像システム70を含む。プロセッサ30は、撮像された気泡に関するデータを有線または無線で撮像システム70に送信することができる。データは、プローブ20上のアレイの超音波トランスデューサからの出力に基づいて、1つまたは複数の受信撮像信号を含んでもよい。示されるように、64個の受信撮像信号があり、例えば、撮像システム70内でデジタル化されるアナログ信号がある。それぞれが信号の1つを生成するプローブ20のアレイ内に、対応する数の画像トランスデューサが存在してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図4A図4Cに関して本明細書でさらに説明するように、撮像のための信号および/またはトランスデューサは、64個より少なくても、多くてもよい。データは、組織のHIFU焼灼によって生成された1つまたは複数の気泡、または1つまたは複数の気泡群を識別、位置特定などするために分析されてもよい。
【0054】
システム10は、ディスプレイ80を含む。撮像システム70は、画像データおよび/または画像分析結果をディスプレイ80に提供する。ディスプレイ80は、システム10の他の要素とは別個のモニタ上にあってもよい。ディスプレイ80は、例えば図2に関して本明細書でさらに説明するように、HIFUの適用のリアルタイム監視に使用するために、気泡の位置を示すことができる。医師などのオペレータは、ディスプレイ80上の視覚データを使用して、HIFUを監視し、特定の手順に基づいて、HIFU、例えば、位置、強度など、またはそれらの任意の適切な組合せを、必要に応じて調整することができる。
【0055】
ディスプレイ80は、プローブ20を使用して、超音波の波、例えば、そのパルス波を組織に送ることによって生成された超音波画像、例えば、ソノグラムを示すことができる。場合によっては、超音波画像は、三次元(3D)であってもよい。超音波は、組織および/または気泡で跳ね返り、組織および/または気泡は、様々なエコーを反射する。気泡自体も、気泡が崩壊したときなどに、自己検出可能な周波数を生成することができる。これらのエコーまたは生成された周波数は、撮像システム70によって検出し、記録することができる。気泡の撮像は、気泡の崩壊または破裂によるこれらの自己発生周波数を検出することを含み得る。エコーの指標は、ディスプレイ80上に画像として表示することができる。画像は、気泡の位置を特定するために使用することができる。異なるタイプの画像を形成することができる。いくつかの実施形態では、Bモード画像が生成される。Bモード画像は、組織および/または気泡の二次元断面の音響インピーダンスを表示してもよい。他のタイプの画像も使用することができる。いくつかの実施形態では、高調波撮像を使用することができる。代替または追加として、ディスプレイとは異なるインターフェースが、ユーザに気泡の指標を提示することができる。例えば、スピーカは、HIFUに関連する焼灼の位置に関する音をユーザに提示することができる。別の例として、HIFUプローブは、標的領域の外側に向けられるHIFUに応答して振動することができる。
【0056】
HIFU気泡の指標をユーザに提供することができる。次いで、ユーザは、HIFUの適用を継続し、および/またはHIFU気泡の指標に応答して調整を行うことができる。例えば、ユーザは、HIFUを、異なる方向、異なる角度、または異なる組織深さのうちの1つまたは複数に向けることができる。プローブ20は、HIFU気泡の指標に応答して、左、右、上および/または下に動かすことができる。いくつかの実施形態では、システム10は、システム10が標的領域外または既に治療された領域内の気泡を検出した場合に、HIFU治療を自動的に停止することができる。システム10は、生成された気泡に基づいて、適用されたHIFU線量を追跡し、過剰に治療された領域がないことを確実にすることができる。場合によっては、これらおよび/または任意の他の状態が発生した場合、警告を提供することができる。例えば、HIFUが、焼灼されるべき組織領域の境界で、その近くで、またはその外側で、または以前の治療の領域などで適用されているときに、警告を生成することができる。このような警告は、ユーザに提示されるビープ音、プローブ20の振動、または色が変化するディスプレイ80上の画像のうちの1つまたは複数を含むことができる。代替または追加として、HIFUが同じ領域に2回以上および/または閾値時間より長く適用される場合に、同様の指標を提供することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、システム10は、HIFUを監視するために、気泡に加えて他の生物学的情報を使用することができる。例えば、撮像は、組織の剛性、経時的な組織の動き、組織のくぼみ、血液の流れ、血液の位置、特定の分子の存在、三次元領域の解剖学的構造、および/または他の生物学的特徴のうちの1つまたは複数を示し得る。HIFUの適用を監視するために、気泡撮像に加えて、これらの特徴のいずれかまたは全てを使用することもできる。
【0058】
システム10の様々な実施形態を使用することができる。いくつかの実施形態では、システム10は、HIFUモードと撮像モードとの間でシステム10の直流(DC)および交流(AC)電圧をサブマイクロ秒で切り替えることができる、ASICに統合された高速半導体および/または微小電気機械システム(MEMS)スイッチを組み込んだCMUTベースの統合超音波撮像およびHIFU送達システムを組み込んでいる。このようなスイッチは、回路スイッチと呼ぶことができる。CMUTアレイであるアレイ21は、システム10に望ましい特徴を提供することができる。例えば、CMUTアレイは、熱発生の減少および/または熱放散の改善、データ収集および伝送のための帯域幅の増加、および/または、例えば、圧電トランスデューサアレイなどの他のアレイタイプで使用され得るようなエポキシ結合を使用しないような構造に関する利点を提供し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、システム10は、撮像モードのための高速切替え後に、受信専用モードで動作するCMUTアレイを使用する。いくつかの実施形態では、システム10は、受信専用モードでCMUTアレイを使用する波面検出に基づいてバックプロパゲーションの問題を解決し、気泡放熱を位置特定し、定量化する、非一時的なコンピュータ可読格納装置に格納された特定の命令を含有および/または使用する。いくつかの実施形態では、システム10は、スペクトル分析を適用して、クラッタまたはノイズから気泡信号を分離する。いくつかの実施形態では、システム10は、気泡の位置特定を実行するために、別個の(アウトリガー)トランスデューサまたはトランスデューサアレイを組み込む。いくつかの実施形態では、システムは、撮像モードへの高速切替え後に、パルスエコー撮像モードで使用されるCMUTアレイを含む。いくつかの実施形態では、システム10は、従来のBモード撮像を使用し、パルス反転、複雑なパルスシーケンス、および/または符号化励起などの高調波撮像技法を使用して、気泡を位置特定し、定量化する。いくつかの実施形態では、システム10は、放射線力撮像を使用して、組織弾性を定量化し、HIFU有効性を監視する。いくつかの実施形態では、システム10は、アウトリガートランスデューサを使用して、放射力撮像を実施し、HIFUの有効性を監視する。いくつかの実施形態では、システム10は、アウトリガートランスデューサを使用して、ドップラーフロー撮像を実施し、HIFUの有効性を監視する。いくつかの実施形態では、システム10は、HIFUバーストまたはパルス間の気泡生成およびHIFU進行を検出するために、HIFUモードと撮像モードとの間で連続的に高速で切り替える。いくつかの実施形態では、システム10は、気泡生成およびHIFU進行を連続的に検出するために、撮像/HIFUプローブと同時にアウトリガートランスデューサを使用する。
【0060】
図1Bは、プローブ100の実施形態の斜視図である。プローブ100は、システム10で使用することができる。プローブ100は、図1Aに関して本明細書に記載されたプローブ20と同様または類似の特徴および/または機能を有してもよく、逆もまた同様である。
【0061】
プローブ100は、トランスデューサのアレイ110を含む。アレイ110は、CMUTおよび/または任意の他の適切な超音波トランスデューサを備えることができる。アレイ110は、プローブ100の遠位端上にある。いくつかの実施形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)は、ASICがCMUTチップのすぐ下にくるように、CMUTチップにフリップチップ接合される。アレイ110は、プローブ100の遠位端において、アレイ110から離れるように延びる視野を有する。この「端部を見る」視野は、プローブ100の延長された本体によって画定される縦軸にほぼ沿って整列されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、プローブは、例えば、アレイ110の視野がプローブ100の縦軸に対して角度をなして延びる「側面を見る」ことができる。この角度は、90度、45度、または任意の他の適切な角度量であり得る。いくつかの実施形態では、プローブ100は、一次元(1D)アレイ110を使用することができる。アレイ110は、本明細書に記載されるアレイのいずれでもよく、例えば、図4A図4Cに関して図示され、記載されるアレイであってもよい。
【0063】
プローブ100は、アレイ110を明確に示すために取り除かれたカバーを遠位端に含む。カバーは、プローブ20を封入することができる。カバーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)封入であってもよい。プローブ20は、22ミリメートル(mm)または約22mmの近位端における幅、または任意の他の適切な幅を有し得る。
【0064】
プローブ100は、遠位端に先端(tip)112を含む。先端112は、図示のように、三次元(3D)先端であってもよい。フレキシブルプリント回路基板(PCB)116は、アレイ110を、回路上のマイクロゼロ挿入力(μZIF)コネクタとして示されているそれぞれのコネクタ118に接続する。同軸ケーブル114は、プローブ100の近位端から延びて、回路をプロセッサおよび/または他の撮像電子機器および/または支持電子機器に、例えば、図1Aに示すように、ケーブル22を介してプロセッサ30および撮像システム70に接続する。
【0065】
図2は、HIFUを適用するための方法200の実施形態のフローチャートである。方法200は、図1A図1Bに関連して図示され、説明されたシステム10および/またはプローブ100によって実行することができる。方法200は、図3A図6に関して図示され、説明されるシステムおよびデバイスのいずれかを使用して実行することができる。この方法は、種々の手順のために実行することができる。例えば、この方法は、扁桃摘出術の一部として実行することができる。別の例として、方法200は、睡眠時無呼吸を治療するための手順の一部として実行することができる。特定の適用において、方法200は、BPHを処置するための手順において実行することができる。いくつかの他の適用において、方法200は、1つまたは複数の子宮筋腫を処置するために実行することができる。方法200の他の医学的使用には、本態性振戦、神経障害性疼痛、パーキンソン振戦、前立腺癌、骨、脳、乳房、肝臓、膵臓、直腸、腎臓、精巣または前立腺の固形腫瘍、骨転移の緩和治療、およびその他の治療が含まれるが、これらに限定されない。
【0066】
方法200は、トランスデューサのアレイを使用して組織を撮像するステップ210から始まる。組織は、ヒトまたは他の動物の身体内の任意の組織であり得る。いくつかの実施形態では、組織は、口腔および/または咽喉領域またはその近傍にある。組織は、身体の他の領域にあってもよい。組織は、超音波プローブを標的組織またはその近傍に配置し、撮像手順のためにシステム10を作動させることによって撮像することができる。プローブ20または100を用いてもよい。アレイ110は、組織を撮像するために使用されてもよい。アレイのトランスデューサの一部または全部は、撮像のために使用されてもよい。トランスデューサの他の配置および実施形態、例えば、図4A~4Cに関して図示され、説明されるものを使用することができる。撮像システム70は、画像データを受信し、分析することができ、ディスプレイ80は、撮像結果をオペレータに表示することができる。ステップ210は、所望の標的組織が識別され、位置特定されるまで、必要応じて実行され、繰り返されてもよい。
【0067】
次いで、方法200は、ステップ220に進み、ここで、トランスデューサのアレイを使用して、HIFUを標的組織に適用する。ステップ220は、ステップ210において組織を撮像した後に、実行されてもよい。ステップ210は、プローブを配向させ、一般的に標的組織の位置を特定するための最初の撮像ステップであってもよい。ステップ210で画像に使用されたのと同じアレイが、ステップ220でHIFUを適用するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ210で撮像に使用されたアレイと同じアレイ上の同じトランスデューサを、ステップ220でHIFUを適用するために、使用することができる。いくつかの実施形態では、ステップ210で撮像に使用されたアレイと同じアレイであるが、異なるトランスデューサをステップ220でHIFUを適用するために、使用することができる。いくつかの実施形態では、ステップ210で画像に使用されたアレイとは異なるアレイが、ステップ220でHIFUを適用するために使用されてもよく、例えば、撮像は、別個のアウトリガトランスデューサアレイを用いて実行される。
【0068】
ステップ220は、方法200において、後半で、例えば、以下に説明するように、ステップ230の後に、繰り返されてもよい。ステップ220において、HIFUを適用するステップは、ステップ230において、気泡の決定された位置に基づいて、組織にHIFUを適用することを含んでもよい。例えば、ステップ220において、HIFUは、ステップ230から得られるフィードバックに基づいて、異なる位置に、異なる強度などで適用されてもよい。
【0069】
ステップ220の後、方法200はステップ225に進み、システム10を、HIFUモードと撮像モードとの間で切り替える。システム10は、アレイに結合されたスイッチを第一の状態から第二の状態にトグリングすることによって、HIFUモードから撮像モードにトグリングすることができる。アレイは、スイッチが第一の状態にある状態でHIFUを適用すること、スイッチが第二の状態にある状態で組織を撮像することが可能であり、またはその逆も可能である。スイッチは、本明細書に記載される様々な回路で使用されてもよい。このスイッチは、図6の回路に関して、図示され、説明されるように実装することができる。ステップ225は、システム10を撮像モードからHIFUモードに戻すように切り替えるために、ステップ230の後に実行されてもよい。
【0070】
次に、方法200は、ステップ230に進み、適用されたHIFUによって生成された気泡を、トランスデューサのアレイを使用して撮像する。ステップ220におけるHIFUの適用は、組織の焼灼のために気泡を形成させ得る。このような気泡は、HIFUから生じるキャビテーションであり得る。キャビテーションは、超音波破裂が組織を通って伝播するときに、組織の圧縮と膨張とが交互に行われることに起因する、音場における気体空洞の作成または運動を含み得る。キャビテーションは、安定キャビテーションまたは慣性キャビテーションであり得る。安定キャビテーションは、低圧低温音場に曝されたときの気泡の大きさの安定した振動を含み得る。慣性キャビテーションには、気泡の激しい振動と、気泡が共振のサイズに達した希薄化段階での気泡の急速な成長が含まれることがあり、このため、気泡が激しく崩壊して破壊される可能性がある。激しい崩壊は、微小環境において、高圧(例えば、約20,000バールから約30,000バール)および高温(例えば、約2000Kから約5000K)の衝撃波を生成し得る。安定キャビテーションの振動運動は、その振動運動による気泡近傍の流体の急速な移動を伴う「マイクロストリーミング」効果を引き起こす可能性がある。
【0071】
このような気泡の作成、移動、崩壊および他の特徴は、撮像モードにおいて、トランスデューサのアレイによって検出される高周波信号の放出を引き起こし得る。そのような検出は、気泡、したがってHIFU適用の焦点を識別、位置特定、特徴付けなどするために使用されてもよい。気泡の撮像は、放出された高周波信号を検出することを含み得る。
【0072】
気泡の撮像およびその後の分析は、種々の適切なアプローチを使用して実施され得る。いくつかの実施形態では、受動キャビテーション検出(PCD)を使用することができる。いくつかの実施形態では、Bモード撮像、例えば、ハイパーエコー形成を検出するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、バブルドップラー、カラードップラー、パルス反転ドップラー、非相関ドップラー、他の適切なドップラー方法、またはそれらの組合せなどの様々なドップラー方法を使用することができる。
【0073】
気泡の様々な特性は、HIFUの適用を検証および/または調整するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、システム10は、過渡状態気泡の存在を空間的にマッピングすること、それらのサイズを決定すること、非線形性の程度を決定すること、1つまたは複数の気泡の面積を決定すること、気泡のグループ、クラスタ、または分布を検出すること、気泡形成、崩壊などの時間および/または持続時間を決定すること、および/または気泡の種類を識別することができる。いくつかの実施形態では、受信信号のスペクトル分析を使用して、慣性キャビテーションと熱的に誘発された気泡活動とを区別することと、HIFU適用の間に、いずれかの気泡集団の進展を追跡することができる。本明細書で開示するHIFUの適用を検証および/または調整する特徴の任意の適切な組合せは、互いに一緒に実施することができる。
【0074】
ステップ230は、プローブをHIFUモードから撮像モードに切り替えることを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステップ230において、プローブは、例えば、図3Aに関して図示され、説明されるように、HIFUモードから、プローブが超音波を送信および受信する能動撮像モードに切り替わる。いくつかの実施形態では、ステップ230において、プローブは、例えば、図3Bに関して図示され、説明されるように、HIFUモードから、プローブが超音波を送信および受信する受動撮像モードに切り替わる。
【0075】
ステップ230は、様々な態様で実装され、かつ/または様々な態様を含むことができる。ステップ230は、ステップ220で使用されたのと同じアレイで気泡を撮像することを含むことができる。ステップ230は、ステップ220で使用されるような第一のアレイとは別個の第二のアレイを用いて気泡を撮像することを含むことができる。ステップ230は、ステップ210で使用されたのと同じアレイで気泡を撮像することを含むことができる。ステップ230は、撮像された気泡に基づいて、気泡の位置を決定することを含むことができる。ステップ230は、HIFUを適用した後に、受信専用モードでアレイを用いて気泡を撮像することを含むことができる。
【0076】
ステップ230において、システム10は、本明細書でさらに説明するように、HIFUモードから撮像モードに高速で切り替えることができる。撮像アレイは、ステップ230において、気泡の崩壊を検出し、それらの位置を識別するために、受信専用モードで使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ230において、受動的ソース位置特定技術を使用することができる。例えば、気泡が崩壊したときに気泡によって生成される特有の高周波および広帯域信号を検出することができる。ステップ230において、広帯域トランスデューサアレイ、例えば、CMUTトランスデューサアレイは、このエネルギー破裂のかなりの部分を検出することができ、気泡破裂の位置は、様々な適切なアプローチを使用して、後処理において推測することができる。例えば、ステップ230は、波面検出を使用し、逆伝搬の逆問題を解決して、気泡崩壊を位置特定することができる。さらなる例として、ステップ230では、スペクトル分析を使用して、気泡崩壊情報を、トランスデューサによって生成されるクラッタまたはノイズから分離してもよい。さらなる例として、ステップ230において、アレイ内の別個の(アウトリガー)トランスデューサまたは素子を使用して、気泡の崩壊を検出し、ソースを位置特定することができる。さらなる例として、ステップ230において、これらおよび/または他の適切なアプローチの全て、またはそれらの組合せが、HIFU進行を測定および定量化するために、HIFUバーストまたはパルスの間で使用されてもよい。
【0077】
ステップ230では、一部の実施形態では、HIFUから、パルスエコーおよび高調波撮像を使用する撮像への高速切替えは、気泡が散逸する前に、気泡の位置を特定するために使用され得る。気泡は、高エコー性であり得る。ステップ230では、気泡が消散する前に、気泡を見るために、Bモード撮像を使用することができる。ステップ230では、パルス反転、複雑なパルスシーケンス、または符号化励起などの高調波撮像技法を使用して、例えば、クラッタを抑制して、より効果的に気泡の位置を特定することができる。ステップ220において、HIFU場は、組織をトランスデューサからわずかに押し離す放射力を生成し得る。したがって、ステップ230では、緩和時間、または組織が元の位置に戻る時間を測定することができる。これは、HIFU有効性に関連し得る組織剛性を推定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ステップ230において、アウトリガートランスデューサを使用して、治療領域内のドップラー流を測定することができる。例えば、血流の停止は、HIFU有効性のインジケータとして使用され得る。さらなる例として、ステップ230において、これらおよび/または他の適切なアプローチの全て、またはその組合せは、HIFU進行を測定および/または定量化するために、HIFUバーストまたはパルスの間で実行されてもよい。
【0078】
ステップ230は、例えば、気泡の画像に基づいて、HIFUの有効性および/または効率の尺度を決定することを含むことができる。ステップ230において、気泡の位置を特定することは、波面検出またはスペクトル分析を含んでもよい。ステップ230において、気泡を撮像することは、気泡の破裂を撮像することを含むことができる。ステップ230において、気泡を撮像することは、気泡が崩壊した後に気泡を撮像することを含むことができる。ステップ230において、気泡を撮像することは、Bモード撮像を含むことができる。ステップ230において、気泡を撮像することは、高調波撮像を含んでもよい。ステップ230は、組織の剛性を決定することを含んでもよい。ステップ230において、組織の剛性を決定することは、組織の窪みを撮像することを含んでもよく、その窪みはHIFUを適用することに起因するものである。ステップ230は、組織が圧入後に元の位置に戻る時間を決定することを含んでもよい。
【0079】
ステップ230では、プロセッサ30は、HIFU手順を制御し、必要に応じて調整するために、撮像データを分析して、これらおよび/または他のパラメータを決定することができる。制御は、自動化されてもよい。制御は、ディスプレイ80上の視覚的フィードバックに基づいて、オペレータが実行してもよい。制御は、システム10に対する自動調整と手動調整との組合せを含むことができる。方法200では、様々な制御システム、例えば、図3Aおよび図3Bに関連して図示し説明した制御システムを使用することができる。
【0080】
ステップ230の後、この方法は、さらなるHIFU適用のためにステップ220に戻る。ステップ230と220との間で、システムは、撮像モードからHIFUモードに切り替えることができる。ステップ225は、ステップ230と220との間で、再び実行されてもよい。適用されたHIFUに対する任意の調整、またはその継続は、ステップ230で気泡を撮像した後に、HIFUを適用するために、ステップ220に戻ることによって、行うこと、または適用することができる。ステップ220は、HIFU手順が完了するまで、ステップ230の後に繰り返し戻されてもよい。したがって、方法200は、ステップ220、次にステップ230、次にステップ220、次にステップ230、次にステップ220などを実行することを含むことができる。ステップ225は、ステップ230と220との間で、繰り返し実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ210を1回実行し、次いでステップ220および230を繰り返し実行することができる。いくつかの実施形態ではステップ210は、標的組織を評価するために、ステップ220および230を繰り返した後に実施され得る。その後、ステップ220および230は、さらなるHIFUが望まれると考えられる場合、再び実行され得る。
【0081】
したがって、方法200は、ステップ220においてHIFUを適用することと、ステップ230において気泡を撮像することとの間で繰り返し切り替えることを含むことができる。ステップ225におけるように、ステップ230でのHIFU適用からステップ220での撮像への高速電子切替えは、HIFU中に生成される気泡の放熱を観察するために、望ましい。これらの気泡は、説明してきたように、HIFUの焦点の位置を特定し、その有効性を評価するために使用することができる。気泡はマイクロ秒の単位で消散するため、全てのトランスデューサ電圧の高速切替え時間が重要になる。いくつかの実施形態では、図1Aのシステム10は、方法200を実行するために使用され、CMUTベースの集積超音波画像形成およびHIFU送達システムが組み込まれ、このシステムは、HIFUと撮像モードとの間でシステム10の直流(DC)および交流(AC)電圧をサブマイクロ秒で切り替えることができるASICに統合された高速半導体または微小電気機械システム(MEMS)スイッチを組み込んで使用される。
【0082】
方法200は、アレイと結合された複数のスイッチを使用して、ステップ220とステップ230との間で繰り返し切り替えることを含んでもよい。方法200は、スイッチを使用して、アレイを撮像モードに切り替えることを含んでもよい。方法200は、高速切替えを繰り返すことによって、繰り返し切り替えることを含むことができる。方法200は、指定された閾値時間以下で気泡を撮像した後に、HIFUを適用するように切り替えることによって、高速切替えを繰り返すことを含むことができる。
【0083】
閾値時間は、HIFUから生成された気泡の画像を容易にするのに十分に速い時間量とすることができる。閾値時間は、2ミリ秒である。閾値時間は、1ミリ秒、1マイクロ秒、または任意の他の適切な閾値であってもよい。このような特徴は、ステップ225に含まれてもよい。切替えのための閾値時間は、HIFUの適用の終了から撮像の開始までに測定された第一の時間長を指すことができる。したがって、第一の時間長は、ステップ220の終了からステップ230の開始まで測定することができる。第一の時間長は、ステップ225の持続時間とすることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、第二の時間長は、撮像モードの終了からHIFUの適用の開始まで測定することができる。したがって、第二の時間長は、ステップ230の終了からステップ220の開始まで測定することができる。第二の時間長は、ステップ225がステップ230とステップ220との間で実行されるときのステップ225の持続タイミングであってもよい。いくつかの実施形態では、第一の時間長は、第二の時間長より短い。第一の時間長は、0.005秒、0.002秒、0.0015秒、0.001秒、0.0005秒、0.00025秒、0.0001秒、0.00001秒、または0.000001秒以下であってもよい。第一の時間長は、約0.5マイクロ秒~約5ミリ秒の範囲とすることができる。
【0085】
HIFUモードと撮像モードとの間の切替えは、ゼロでない時間量を要する。HIFUモードと撮像モードとの間の切替えは、スイッチが状態量をトグリングするのに少なくともある時間量を要することがある。一例として、切替えは、特定の用途では、少なくとも0.5マイクロ秒を要し得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、ステップ230および220は、同時に、および/または重複する動作期間に、実行されてもよい。例えば、ステップ230では、第二のアウトリガートランスデューサが、ステップ220の際にHIFU治療が適用されている間に、撮像のために使用されてもよい。ステップ220におけるHIFU治療の際に、アウトリガートランスデューサは、ステップ230において、パルスエコーおよび高調波撮像を用いて気泡形成を検出し、受動的ソース位置特定を用いて気泡崩壊を検出し、組織変位を測定することによって組織剛性を検出し、治療された領域におけるドップラーフローを測定し、他の適切なパラメータを検出し、またはそれらの組合せを行うために使用されてもよい。
血流の停止は、HIFU有効性のインジケータとして使用され得る。
【0087】
ステップ230の後、方法200は、ステップ235に進むこともでき、ここで、気泡の指標を出力する。ステップ235では、気泡の様々な指標のうちの1つまたは複数を出力することができる。撮像された気泡の指標は、気泡の大きさ、気泡の位置、気泡の形状、気泡の放出頻度、気泡の形成時間、または気泡の崩壊時間のうちの1つまたは複数であってもよい。ステップ235は、ディスプレイ80のようなディスプレイ上に、視覚信号を表示することを含み得る。撮像された気泡は、ディスプレイ上に表示されてもよい。ステップ235は、1つまたは複数の可聴信号を発することを含むことができる。方法200のいくつかの実施形態では、ステップ235は、ステップ230の後に実行され得るが、ステップ220を実行する前に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ235は、ステップ220および/またはステップ230と同時に実行されてもよい。
【0088】
方法200のいくつかの実施形態では、気泡の追加または代替となる特徴を撮像することができる。例えば、ステップ230は、気泡以外の組織特徴を撮像することを含んでもよいが、それでもなお、本明細書に記載される高速切替え技術を組み込むこともできる。方法200のいくつかの実施形態では、ステップ220は、第一の状態にある超音波トランスデューサアレイのスイッチを用いて超音波トランスデューサアレイを使用してHIFUを適用することを含むことができ、ステップ225は、本明細書で説明するように、5マイクロ秒未満または他の期間で第一の状態から第二の状態にスイッチの状態をトグリングすることを含むことができ、および/またはステップ230は、第二の状態にあるスイッチを用いて超音波トランスデューサアレイを使用して超音波画像を生成することを含むことができる。ステップ230における画像は、上述したように、気泡以外の特徴の画像であってもよい。トグリングすることは、2マイクロ秒未満、または本明細書で説明する他の期間で実行することができる。トグリングすることは、本明細書に開示された切替えのための任意の閾値時間未満で実行することができる。トグリングすることは、ゼロでない時間量で、すなわち、スイッチが状態を変化させるための少なくとも時間量で実行することができる。スイッチは、第一の状態において、直流電圧成分および交流電圧成分を超音波トランスデューサアレイに通すことができる。
【0089】
図3A図3Bは、システム10および/または方法200で使用され得る制御システム300、300’の実施形態の概略ブロック図である。図3Aは、能動的撮像を使用する制御システム300を示す。図3Bは、受動的撮像を使用する制御システム300’を示す。
【0090】
図3Aおよび図3Bを参照すると、制御システム300、300’は、コントローラ310を含む。コントローラ310は、プロセッサ30および/またはFPGAなどの集積回路基板50の集積回路の一部とすることができる。コントローラ310は、接続部312を介して、プローブインターフェース320と通信する。コントローラは、接続部312を介して、プローブインターフェース320のための1つまたは複数の制御信号を提供することができる。コントローラ310は、トランスデューサバイアス電圧回路314、HIFU励起回路316、および供給電圧回路318を制御するための制御信号および/またはコマンドを提供し、これらのそれぞれは、プローブインターフェース320にそれぞれの信号を適用するように構成される。コントローラ310は、HIFUを適用するために、また撮像するために、トランスデューサバイアス電圧回路314の値を設定するための制御信号を提供する。例えば、トランスデューサバイアス電圧回路314は、HIFUモードでプローブ340のトランスデューサにバイアス電圧Vを提供し、撮像モードでプローブ340のトランスデューサにバイアス電圧Vを提供することができ、ここで、バイアス電圧Vはバイアス電圧Vよりも大きい。コントローラ310は、HIFU励起回路316を、HIFUモードでHIFUが「オン」であり、撮像が「オフ」であるようなモードに設定するための1つまたは複数の制御信号を提供する。
【0091】
図3Aに示すように、コントローラ300は、HIFUおよび撮像のための供給電圧を設定するために、供給電圧回路318に制御信号を供給する。このアプローチでは、コントローラ300は、HIFUモードから、プローブ340が超音波を送受信する撮像モードに切り替わる。いくつかの実施形態では、CMUTのバイアス電圧は、例えば、HIFUモードおよび撮像モードの両方で異なるバイアス電圧および/または最適バイアス電圧を使用するように切り替えられる。供給電圧回路318は、HIFUモードでパルス発生器に供給電圧V1AおよびV1Bを提供し、撮像モードではパルス発生器に供給電圧V2AおよびV2Bを提供することができる。供給電圧回路は、切り替えられていないASIC供給電圧VDDを提供することができる。
【0092】
図3Bに示すように、供給電圧は、制御システム300’内の供給電圧回路319によって切り替えられない。このアプローチでは、コントローラ310は、HIFUモードから、プローブ340が超音波を受信するだけで、超音波を送信しない代替撮像モードに切り替わる。このモードは、HIFUモードから生成された気泡の崩壊を検出および/または位置特定するために使用されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、コントローラ310は、受動的撮像と能動的撮像との間で切り替えることができる。例えば、比較的短期間の受動的撮像の後に、システムは、能動的撮像に切り替わることができる。
【0094】
図3Aおよび図3Bにさらに示すように、コントローラ310からの制御信号は、プローブインターフェース320に提供される。プローブインターフェース320は、プローブ340を制御し、受信信号を処理するためのプロセッサおよび回路の一部または全部を含んでもよい。プローブインターフェース320は、図1Aに関して図示され、説明されたプロセッサ30と同様または類似の特徴および/または機能を含むことができる。プローブインターフェース320は、図1Bに関して図示され、説明されたプローブ100の一部であってもよい。プローブインターフェース320は、接続部322を介して撮像システム330に接続され、接続部324を介してプローブ340に接続される。撮像システム330は、図1Aに関して図示され、説明された撮像システム70と同様または類似の特徴および/または機能を有することができる。プローブ340は、図1Aおよび図1Bに関してそれぞれ図示され、説明されたプローブ20および/または100と類似の特徴および/または機能を有することができる。プローブ340は、プローブ340が撮像モードにある間、HIFU励起をブロックするための統合スイッチを含んでもよい。プローブ340は、接続部324を介して、供給電圧、撮像信号、および制御信号を受信することができる。
【0095】
図4A図4Cは、トランスデューサのアレイ400、420、440の実施形態の概略端面図であり、これらのアレイは、図1Aおよび図2に関してそれぞれ図示され、説明されたように、システム10、例えばプローブ20の一部および/または方法200で使用され得る。アレイ400、420、440のいずれかまたは全ては、図1Bに関してされ、説明されたようなプローブ100とともに使用され得る。アレイ400、420、440のいずれかまたは全ては、図3A図3Bに関してされ、説明されたようなプローブ340で使用され得る。アレイ400、420、440は、超音波信号を送受信することができる。図示のアレイ400、420、440は、例えば、CMUTアレイとすることができる。
【0096】
図4Aおよび図4Bは、複数のトランスデューサ素子410を有する二次元(2D)アレイ400、420の実施形態を示す。トランスデューサ素子410は、行412および横方向列414を含む。図示のように、各行412および各列414は、32個のトランスデューサ素子410を含む。いくつかの実施形態では、各行412および/または列414は、トランスデューサ素子410を32個より少なく、または多く含むことができ、例えば、1024×1024画素アレイなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、単一の行412は、単一の列414よりも多くの素子を含むことも、またはその逆も可能である。アレイ400、420は、正方形、長方形、または任意の他の適切な形状を有し得る。
【0097】
図4Aに示すように、アレイ400のトランスデューサ素子410は、専用の送信(Tx)トランスデューサ素子416および専用の受信(Rx)トランスデューサ素子418を含む。明確にするために、図4Aでは、Txトランスデューサ素子416およびRxトランスデューサ素子418のそれぞれの一部のみにラベル付けされている。Rxトランスデューサ素子418は、「X」形状に似た対角パターンで配置され、アレイ400の残りのトランスデューサ素子410は、Txトランスデューサ素子416である。これは、一例であり、様々な異なる適切なパターンを、Txトランスデューサ素子416および/またはRxトランスデューサ素子418のために実装することができ、例えば、行または列パターン、1つ毎の行または列を有するパターン、複数の対角線を有するパターン、2つ以上の隣接する類似の素子を有する「太い」線を有するパターン、同心円、円形、または他の非線形パターンなどを実装することができる。いくつかの実施形態では、アレイ400は、図4Bに関して説明されるように、送信と受信との両方を行ういくつかの「ハイブリッド」トランスデューサ素子を含んでもよい。様々なパターンは、1024×1024画素アレイなどの所与のアレイサイズに比例してスケーリングすることができる。例えば、64個のRxトランスデューサ素子418および960個のTxトランスデューサ素子416があってもよい。
【0098】
図4Bに示すように、アレイ420のトランスデューサ素子410は、ハイブリッド送信(Tx)および受信(Rx)トランスデューサ素子422を含む。明確にするために、図4Bでは、素子422のいくつかのみにラベル付けされている。したがって、トランスデューサ素子410のそれぞれは、送信および受信のために使用することができる。これは一例であり、様々な異なる適切なパターンを素子422に実装することができ、例えば、対角線(例えば、図4Aに示すような対角線)、行または列パターン、1つ毎の行または列を有するパターン、複数の対角線を有するパターン、2つ以上の隣接する同様の素子を有する「太い」線を有するパターン、同心円、円形または他の非線形パターンなどを実装することができる。トランスデューサ素子410のサブセットは、特定の用途において送受信することができる。トランスデューサ素子は、システムの一部のモードで送受信することができ、他のモードでは、一部または全部のトランスデューサ素子は、送信のみおよび/または受信のみとすることができる。いくつかの実施形態では、アレイ420は、図4Aに関して説明したように、送信のみまたは受信のみのいずれかであるいくつかの専用素子を含むことができる。
【0099】
図4Cは、複数のトランスデューサ素子410を有する一次元(1D)アレイ440の実施形態を示す。トランスデューサ素子410は、単一の行412および複数の列414を含む。図示のように、50個の素子410、すなわち、50個の列414がある。いくつかの実施形態では、トランスデューサ素子410は、50個より少なくても多くてもよい。いくつかの実施形態では、列414および複数の行412のうちの1つがあってもよい。図示のように、トランスデューサ素子410は、全て「ハイブリッド」送信(Tx)および受信(Rx)トランスデューサ素子442である。明確にするために、図4Cでは、素子442のいくつかのみにラベル付けされている。したがって、トランスデューサ素子410の各々は、送信および受信のために使用することができる。これは一例であり、様々な異なる適切なパターンを素子442に実装することができ、例えば、行または列パターン、1つ毎の行または列を有するパターン、2つ以上の隣接する類似の素子を有する「太い」線、同心、不均一な間隔などを実装することができる。いくつかの実施形態では、アレイ440は、図4Aに関して説明したように、送信のみまたは受信のみのいずれかであるいくつかの専用素子を含むことができる。
【0100】
図5は、超音波システムの実施形態の概略図であり、このシステムは、超音波トランスデューサのアレイ500と、トランスデューサのアレイ500で使用され得るデュアルモード集積回路(IC)520とを含む。アレイ500は、図4Aのアレイ400と同様に示されるが、任意の他の適切なアレイを使用することができる。アレイ500は、例えば、CMUTを含むことができる。図示のように、アレイ500は、受信(Rx)トランスデューサ素子512を対角パターンで含む複数の専用トランスデューサ素子510を有し、残りのトランスデューサ素子510は、送信(Tx)トランスデューサ素子514である。高電圧スイッチ556およびアレイ500と連絡している処理回路は、IC520の回路、撮像システム540、FPGA560などの制御回路、位相生成システム570など、またはそれらの任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0101】
IC520の回路は、トランスデューサ素子512、514の各タイプについて示される。IC520は、Rxトランスデューサ素子512のための受信回路530を含む。Rxトランスデューサ素子512からの信号は、低ノイズ増幅器532に供給される。図示のように、64個のRxチャネルがあってもよい。次いで、信号は、撮像システム540に送られて撮像される。撮像システム540は、図1Aの撮像システム70および/または図3A図3Bの撮像システム330など、本明細書で説明する他の撮像システムと同様または類似の特徴および/または機能を有することができる。
【0102】
IC520は、Txトランスデューサ素子514のための送信回路550を含む。FPGA560は、信号をビーム形成器554に送信することができる。ビーム形成器554は、指向性信号送信を提供するために信号を処理する空間フィルタリングとすることができる。次いで、信号は、パルス発生器552に送信される。パルス発生器552は、波形を変更して、Txトランスデューサ素子514にパルス信号を提供する。位相生成システム570は、信号を高電圧スイッチ556に送信する。位相生成システム570は、8つのHIFUチャネルを提供するために、図示されるような8チャネルシステムであってもよい。FPGA560からの信号は、HVスイッチ556にも送信される。HVスイッチ556は、Txトランスデューサ素子514へのHIFU信号の送信を制御する。HVスイッチ556は、HIFUモードで、位相生成システム570からアレイ500へHIFU信号を通過させることができる。HVスイッチ556は、撮像モードで、位相生成システム570をアレイ500から電気的に絶縁することができる。いくつかの実施形態では、FPGA560は、各送信素子についての送信遅延/位相をビーム形成器554に送ることができる。FPGA560は、デバイスが次に超音波処理を行うべき方向を追跡するための処理能力を有してもよい。ビーム形成器554は、パルスを発射する時間があるときに、各パルス発生器552と通信し、制御することができる。したがって、信号は、パルス発生器552内で生成されてもよい。パルス発生器552は、撮像モードにおいて、実質的に一定の出力を提供することができる。
【0103】
図6は、システム10および/または方法200で使用され得るスイッチング回路600の実施形態の概略図である。スイッチング回路600は、HIFUモードと撮像モードとを切り替えるために使用されてもよい。スイッチング回路600は、パルス発生器610および制御入力630からスイッチへの入力を含む。スイッチは、パルス発生器からの入力を、トランスデューサアレイのトランスデューサ620に供給することができる。図示のトランスデューサ620は、CMUTである。スイッチ600は、トランジスタM0、M1、M2、M3と、図示のダイオードD1、D2と、コンデンサCBOOTとを含むスイッチを含む。トランジスタM1、M2、およびM3は、高電圧トランジスタとすることができる。このような高電圧トランジスタは、パルス発生器610によって提供される電圧を処理することができる。ダイオードD1は、高電圧ダイオードとすることができる。トランジスタM0およびダイオードD1は、低電圧デバイスとすることができる。図示されたトランジスタM0、M1、M2、およびM3は、電界効果トランジスタである。スイッチング回路600において、スイッチは、ゲート-ソース間電圧からスイッチのトランジスタのうちの任意の1つの閾値電圧を引いた電圧よりも大きい、パルス発生器610からの電圧を通すことができる。スイッチは、トランジスタM0およびM1の制御端子(例えば、図示のようなゲート)に提供されるスイッチ無効信号に応答して、オンまたはオフを切り替えることができる。1つの状態では、スイッチは、パルス発生器610からアレイのCMUT620への電圧を提供する。別の状態では、スイッチは、アレイのCMUT620をパルス発生器610から電気的に絶縁する。
【0104】
フローチャートのシーケンスは、単に例示的なものである。当業者は、本明細書に記載されたフローチャートに具現化されたステップ、決定、およびプロセスが、本明細書に記載された以外の任意の適切な順序で実行され得ることを理解するであろう。したがって、特定のフローチャートおよび説明は、関連するプロセスを、説明された特定の順序で実行されることに限定することを意図していない。
【0105】
上述の詳細な説明は、多様な実施形態に適用される本発明の新規特徴を図示し、説明し、指摘するものである。本発明の精神を逸脱することなく、当業者が、示されたデバイスまたはプロセスの形式および詳細に様々な省略、置換および変更をなし得ることを理解されたい。認識されるように、本発明は、いくつかの特徴が他の特徴とは別個に使用または実施され得るので、本明細書で説明される特徴および利点のうち全てを提供しない形式でも具現化され得る。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求項の範囲によって示されるものである。特許請求の範囲の等価物の意味および範囲内にある全ての変更は、その範囲内で受け入れられるものとする。
【0106】
前述の説明は、本明細書で開示されるシステム、デバイス、および方法の特定の実施形態を詳述する。しかしながら、前述の内容がテキストにどのように詳細に示されていても、システム、デバイス、および方法は、多くの方法で実施され得ることが理解されるであろう。また、上述したように、本発明の特定の特徴または態様を説明する際の特定の用語の使用は、その用語が関連付けられる技術の特徴または態様の任意の特定の特徴を含むことに限定されるように本明細書で用語が再定義されることを暗示するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0107】
記載された技術の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。そのような修正および変更は、実施形態の範囲内に入ることが意図される。また、1つの実施形態に含まれる部品は、他の実施形態と交換可能であり、図示された実施形態からの1つまたは複数の部品は、任意の組合せで他の図示された実施形態に含まれてもよいことが、当業者には理解されるであろう。例えば、本明細書に記載され、および/または図面に示される様々な構成要素のいずれも、他の実施形態と組み合わせること、交換すること、または他の実施形態から除外することができる。
【0108】
本明細書における実質的に任意の複数および/または単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数から単数へ、および/または単数から複数へと翻訳することができる。各種単数/複数の置換は、明確にするために、本明細書に明確に記載されてもよい。
【0109】
本明細書で使用される用語は、一般的に、「開いた」用語として意図されること(例えば、「含まれる」という用語は、「含まれるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などと解釈されるべきであることなど)は、当業者によって理解されるであろう。特定の数の導入された請求項の記載が意図されている場合、そのような意図はその請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図が存在しないことは、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、以下に添付される特許請求の範囲は、請求項の記載を紹介するために、導入句「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の使用法を含み得る。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」によって記載された請求項の導入が、そのような導入のある請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、同じ請求項に「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」という導入句および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は通常、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)が含まれている場合でも、そのような記載を1つのみ含む実施形態に限定するものと意味すると解釈されるべきではなく、同じことは、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様に当てはまる。さらに、導入された請求項の記載に特定の数が明示的に記載された場合であっても、当業者は、そのような記載が、典型的には、記載された数(例えば、「2つの記載」がそのままで、他の修飾語句なしで記載されていることは、典型的には少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)を少なくとも意味するものと解釈されるべきであることを認識するであろう。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例がある場合、一般に、そのような構造は、当業者がその慣例(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)を理解するという意味で意図されている。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例がある場合、一般に、そのような構造は、当業者がその慣例(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)を理解するという意味で意図されている。さらに、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、実質的に2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語および/または語句は、その用語の一つ、その用語のいずれか、またはその用語の双方を含む可能性を意図するものと理解されるべきである。例えば、語句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」、または「AおよびB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
【0110】
本明細書中に引用される任意の全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。参照によって組み込まれる文献および特許または特許出願の範囲において、本明細書に含まれる開示と矛盾するときは、本明細書は、そのような矛盾する材料に取って代わること、および/または優先することが意図される。
【0111】
本明細書で使用される「備える」という用語は、「含む」、「含有する」、または「によって特徴付けられる」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加で記載されていない要素または方法ステップを排除しない。
【0112】
本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものと理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得ることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似である。最低限でも、特許請求の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数および通常の四捨五入アプローチに照らして解釈されるべきである。例えば、約、およそ、実質的になどの用語は、様々な実施形態において、±1%、±5%、±10%、または±20%の相対偏差の割合を表し得る。
【0113】
上記の説明は、本発明の実施形態のいくつかの方法および材料を開示する。本発明の実施形態は、方法および材料の変更にも、製造方法および装置の変更にも従う。このような変更は、本明細書に開示された本発明の開示または実施を考慮することにより、当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に具体化された本発明の真の範囲および精神内に入る全ての修正および代替をカバーすることを意図するものである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
【国際調査報告】